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JP2015025228A - 金属酸化物固着ガラスクロス及びその製造方法 - Google Patents

金属酸化物固着ガラスクロス及びその製造方法 Download PDF

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JP2015025228A JP2013157148A JP2013157148A JP2015025228A JP 2015025228 A JP2015025228 A JP 2015025228A JP 2013157148 A JP2013157148 A JP 2013157148A JP 2013157148 A JP2013157148 A JP 2013157148A JP 2015025228 A JP2015025228 A JP 2015025228A
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Kazutaka Adachi
一孝 足達
宗寿 関川
Munehisa Sekikawa
宗寿 関川
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Abstract

【課題】製造過程において作業環境が汚染することなく、しかも優れた放熱性を備える金属酸化物固着ガラスクロス及びその製造方法を提供する。
【解決手段】金属酸化物固着ガラスクロス1は、ガラス繊維を製織してなるガラスクロス4と、ガラス繊維に固着された金属酸化物5とを備える。金属酸化物5はアルミナ又はその水和物からなる。金属酸化物固着ガラスクロス1の製造方法は、ガラスクロス4を金属酸化物の粒子の水分散液に浸漬し、ガラス繊維に金属酸化物の粒子を付着させ、ガラスクロス4を乾燥させた後、100〜600℃の温度で2〜48時間加熱して、ガラス繊維に金属酸化物5を固着させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属酸化物固着ガラスクロス及びその製造方法に関する。
従来、複数の両面プリント配線基板を絶縁体層を介して相互に積層してなる積層プリント配線基板において、隣接する両面プリント配線基板の間に配設される該絶縁体層として、ガラスクロスに合成樹脂を含浸させてなるプリプレグが用いられている。
また近年、スマートフォン、タブレット端末等の前記積層プリント配線基板を用いる電子機器等において、高性能化、多機能化及び薄型軽量化が進み、より小さい搭載面積で多数の発熱性電子部品が高密度に組み込まれるようになっている。そこで、前記電子機器、特に前記積層プリント配線基板の過熱を防ぐために、放熱性を向上させることが望まれる。
前記事情に鑑み、前記積層プリント配線基板の過熱を防ぐために、前記プリプレグに用いられるガラスクロスの放熱性を向上させることが検討されている。このようなガラスクロスとして、例えば、窒化アルミニウムの繊維又は粒子を付着させたガラスフィラメントを織り込んだガラスクロスが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平11−291390号公報
しかしながら、前記従来の窒化アルミニウムの繊維又は粒子を付着させたガラスフィラメントを織り込んだガラスクロスは、その製造過程において該窒化アルミニウムが空気中の水分と反応してアンモニアを発生させ、作業環境が汚染されるという不都合がある。
本発明は、かかる不都合を解消して、製造過程において作業環境が汚染することなく、しかも優れた放熱性を備える金属酸化物固着ガラスクロス及びその製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、ガラス繊維を製織してなるガラスクロスと、該ガラス繊維に固着された金属酸化物とを備える金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、該金属酸化物はアルミナ又はその水和物からなることを特徴とする。
本発明の金属酸化物固着ガラスクロスは、前記ガラスクロスを形成する前記ガラス繊維にアルミナ又はその水和物からなる金属酸化物が固着されているので、熱伝導性が向上されており、優れた放熱性を得ることができる。また、前記アルミナ又はその水和物は、空気中の水分と反応せず、アンモニアを生成することが無いので、本発明の金属酸化物固着ガラスクロスによれば、その製造過程における作業環境の汚染を防止することができる。
本発明の金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、前記金属酸化物は、前記ガラスクロスの質量に対して0.01〜3.0質量%の範囲の質量を備えることが好ましく、0.05〜1.0質量%の範囲の質量を備えることがさらに好ましい。前記金属酸化物の質量が、前記ガラスクロスの質量に対して0.01質量%未満であるときには、熱伝導性を向上させる効果が十分に得られないことがある。また、前記金属酸化物の質量は、前記ガラスクロスの質量に対して3.0質量%を超えると、該金属酸化物を前記ガラス繊維に固着させることが難しくなる。
また、前記金属酸化物は、前記ガラスクロスの質量に対して0.05〜1.0質量%の範囲の質量を備えることにより、前記ガラス繊維に確実に固着させることができ、前記ガラスクロスにおいて優れた熱伝導性を得ることができる。
また、本発明の金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、前記金属酸化物はアルミナであってもよく、アルミナの水和物であってもよい。前記金属酸化物がアルミナである場合には、前記金属酸化物固着ガラスクロスを400℃程度以上の温度で加工することができる。一方、前記金属酸化物がアルミナの水和物である場合には、前記金属酸化物固着ガラスクロスの製造の際に高温の加熱を必要としないので、前記ガラスクロスの強度を低下させることがない。
前記金属酸化物がアルミナである場合には、該アルミナは50〜75%の範囲の結晶化度を備えることが好ましく、55〜65%の範囲の結晶化度を備えることがさらに好ましい。前記アルミナは、その結晶化度が50%未満であるときには、熱伝導性を向上させる効果が十分に得られないことがある。また、前記アルミナの結晶化度を75%を超えるものとすることは製造効率上好ましくない。また、前記アルミナは、その結晶化度が55〜65%の範囲であることにより、前記金属酸化物固着ガラスクロスに良好な機械的強度と樹脂密着性とを付与することができ、該金属酸化物固着ガラスクロスを含むシート又は積層板に高い熱伝導性を付与することができるとの効果を奏することができる。
前記アルミナの結晶化度は、ベーマイト型アルミナ(アルミナ水和物)微粒子を45℃の温度で24時間乾燥させ、次いで1000℃の温度で2時間焼成して得られたアルミナをX線回折装置で分析した際に、回折角度66°付近に存在するピークの強度をα、前記金属酸化物を形成する前記アルミナを該X線回折装置で分析した際に、該回折角度付近に存在するピークの強度をβとして、次式から算出することができる。
アルミナの結晶化度(%)=β/α×100
また、本発明の金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、前記金属酸化物がアルミナ水和物である場合には、該アルミナ水和物は40〜97%の範囲の結晶化度を備えることが好ましく、42〜92%の範囲の結晶化度を備えることがさらに好ましく、42〜50%の範囲の結晶化度を備えることが特に好ましい。前記アルミナ水和物は、その結晶化度が97%を超えるときには、熱伝導性を向上させる効果が十分に得られないことがある。また、前記アルミナ水和物の結晶化度を40%未満とすることは技術的に困難である。また、前記アルミナ水和物は、その結晶化度が42〜92%の範囲であることにより、前記金属酸化物固着ガラスクロスに良好な機械的強度と樹脂密着性とを付与することができ、該金属酸化物固着ガラスクロスを含むシート又は積層板に高い熱伝導性を付与することができるとの効果を奏することができる。さらに、前記アルミナ水和物は、その結晶化度が40〜50%の範囲であることにより、前記金属酸化物固着ガラスクロスを含むシート又は積層板に特に高い熱伝導性を付与することができるとの効果を奏することができる。
前記アルミナ水和物の結晶化度は、ベーマイト型アルミナ(アルミナ水和物)微粒子を45℃の温度で24時間乾燥させて得られたアルミナ水和物(ベーマイト)をX線回折装置で分析した際に、回折角度49°付近に存在するピークの最大ピーク強度をα、前記金属酸化物を形成する前記アルミナ水和物を該X線回折装置で分析した際に、該回折角度付近に存在するピークのピーク強度をβとして、次式から算出することができる。
アルミナ水和物の結晶化度(%)=β/α×100
尚、アルミナ又はアルミナ水和物の結晶化度の計算において、ピーク強度は、金属酸化物固着ガラスクロスから分離させた金属酸化物粒子に対する粉末X線回折により求められるピーク強度であってもよく、金属酸化物固着ガラスクロスの表面に存在する金属酸化物層に対する薄膜X線回折により求められるピーク強度であってもよい。ただし、金属酸化物固着ガラスクロスから金属酸化物粒子を分離させることが困難な場合には、薄膜X線回折により求められるピーク強度を、前記式のピーク強度として採用する。
また、本発明は、ガラス繊維を製織してなるガラスクロスと、該ガラス繊維に固着された金属酸化物とを備える金属酸化物固着ガラスクロスの製造方法において、該ガラスクロスを該金属酸化物の粒子の分散液に浸漬し、該ガラス繊維に該金属酸化物の粒子を付着させる工程と、該金属酸化物の粒子が付着された該ガラスクロスを乾燥させた後、100〜600℃の範囲の温度で2〜48時間加熱して、該ガラス繊維に該金属酸化物を固着させる工程とを備え、該金属酸化物の粒子の分散液が、アルミナ又はその水和物の粒子の分散液であることを特徴とする。
本発明の金属酸化物固着ガラスクロスの製造方法では、まず、ガラスクロスを前記アルミナ又はその水和物の粒子の水分散液に浸漬し、該ガラス繊維に該アルミナ又はその水和物の粒子を付着させる。そして、前記ガラス繊維に前記アルミナ又はその水和物の粒子が付着された前記ガラスクロスを乾燥させた後、100〜600℃の範囲の温度で2〜48時間加熱することにより、該ガラス繊維に前記金属酸化物、すなわち、アルミナ又はその水和物を固着させることができる。
このとき、前記加熱温度が100℃未満又は加熱時間が2時間未満では、前記金属酸化物を形成することができない。また、前記加熱温度が600℃を超えるか又は加熱時間が48時間を超えると、前記ガラスクロスの強度が低下する。
本発明の金属酸化物固着ガラスクロスの製造方法では、前記ガラスクロスに前記金属酸化物の粒子を付着させる工程に先立って、前記ガラスクロスを加熱して脱油処理を行う工程を備えることが好ましい。前記ガラスクロスは、予め前記脱油処理を行うことにより、その表面に対して前記金属酸化物を直接、より強く固着させることができる。
また、本発明の金属酸化物固着ガラスクロスの製造方法では、前記ガラスクロスの表裏両面に前記金属酸化物を形成する工程の後に、該金属酸化物が形成された該ガラスクロスをシランカップリング剤で処理することが好ましい。本発明の金属酸化物固着ガラスクロスは、前記金属酸化物上に樹脂被覆層を形成することにより、放熱性シートとすることができる。このとき、前記ガラスクロスは、前記シランカップリング剤で処理されていることにより、該シランカップリング剤を介して前記樹脂被覆層を強固に結合することができる。
本発明の放熱性シートは、本発明の金属酸化物固着ガラスクロスを用いるものであって、ガラス繊維を製織してなるガラスクロスと、該ガラスクロスの表裏両面を被覆すると共にアルミナ又はその水和物からなる金属酸化物と、該金属酸化物上に形成された樹脂被覆層とを備えることを特徴とする。
また、本発明の積層板は、本発明の放熱性シートを備えることを特徴とする。
本発明の金属酸化物固着ガラスクロスの一構成例を示す説明的断面図。 本発明の放熱性シートの一構成例を示す説明的断面図。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
図1に示すように、本実施形態の金属酸化物固着ガラスクロス1は、ガラス繊維を経糸2と緯糸3として製織してなるガラスクロス4と、ガラス繊維(経糸2及び緯糸3)に直接固着された金属酸化物5とを備え、シランカップリング剤で処理されている。
ここで、前記金属酸化物は、ガラス繊維表面に直接固着されていることが好ましい。前記金属酸化物がガラス繊維表面に直接固着されているとは、ガラス繊維表面の有機化合物層を介さずに、該金属酸化物がガラス繊維表面に固着されることをいう。前記有機化合物層は、ガラス繊維の製造又は製織の際に、サイジング剤として該ガラス繊維表面に付与される澱粉等の有機化合物が乾燥されて形成されるものである。前記金属酸化物は、前記有機化合物層を介さずに前記ガラス繊維表面に固着されることにより、加熱処理等により該有機化合物層が除去された場合であっても、該ガラス表面から分離することがない。
ガラスクロス4は、例えば、Eガラス、Aガラス、Dガラス、Sガラス等のいずれかのガラスからなる直径4〜10μmのフィラメントを、50〜400本集束した経糸2及び緯糸3を製織したものを用いることができる。経糸2及び緯糸3の打ち込み密度は、10〜200本/25mmであり、好ましくは15〜100本/25mmであり、さらに好ましくは40〜80本/25mmである。また、ガラスクロス4は、その単位面積当たりの質量が5〜400g/m2 、好ましくは10〜300g/m2 である。ガラスクロス4の織り方は、平織り、朱子織り、綾織り、ななこ織り等のいずれであってもよい。
ガラスクロス4は、予め、加熱により脱油処理されている。前記脱油処理は、例えば、ガラスクロス4を300〜450℃の範囲の温度で、24〜72時間加熱することにより行うことができる。この結果、ガラスクロス4は、澱粉系集束剤等の有機物の99%以上、さらには99.9%以上が除去されていることが好ましい。
金属酸化物5は、アルミナ又はアルミナ水和物からなる。ここで、アルミナ水和物としては、ベーマイト(アルミナ一水和物、Al・HO)及び擬ベーマイト(Al・nHO、1<n<2)を挙げることができる。ベーマイトと擬ベーマイトとの明確な区別は困難であるが、入手及び管理の容易性から、本発明で用いるアルミナ水和物としては、ベーマイトが好ましい。
金属酸化物5を形成する前記アルミナ微粒子又はアルミナ水和物微粒子の質量は、ガラスクロス4の質量に対して0.01〜3.0質量%の範囲にあることが好ましく、0.05〜1.0質量%の範囲にあることがさらに好ましい。
また、金属酸化物5が前記アルミナ微粒子からなる場合、該アルミナ微粒子は50〜75%の範囲の結晶化度を備えることが好ましく、55〜65%の範囲の結晶化度を備えることがさらに好ましい。一方、金属酸化物5が前記アルミナ水和物微粒子からなる場合、該アルミナ水和物微粒子は40〜97%の範囲の結晶化度を備えることが好ましく、42〜92%の範囲の結晶化度を備えることがさらに好ましく、42〜50%の範囲の結晶化度を備えることが特に好ましい。
前記シランカップリング剤としては、例えば、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ベンジルアミノエチルアミノプロピル)メチルジメトキシシラン及びその塩酸塩、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−N−γ−(N−ビニルベンジル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ジ(ビニルベンジル)アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、N−β−(N−ジ(ビニルベンジル)アミノエチル)−N−γ−(N−ビニルベンジル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びその塩酸塩、アミノプロピルトリメトキシシラン、並びにビニルトリメトキシシラン等の単体、又はこれらの混合物等を挙げることができる。
次に、本実施形態の金属酸化物固着ガラスクロス1の製造方法について、説明する。
前記製造方法では、まず、予め脱油処理されているガラスクロス4を、0.01〜10質量%の範囲の濃度を備え、15〜70℃の範囲の液温のアルミナ水和物微粒子水分散液中に、1〜10秒の範囲の時間浸漬し、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にベーマイト微粒子を直接付着させる。前記アルミナ水和物微粒子水分散液としては、平均粒子径が50〜300nmの範囲にあるアルミナ水和物微粒子(例えば、日産化学工業株式会社製、商品名:アルミナゾル200)の水分散液を挙げることができる。
ここで、脱油処理されたガラスクロスを、0.5〜5質量%の濃度を備え、15〜35℃の液温のアルミナ水和物微粒子水分散液中に2〜3秒浸漬することが好ましい。このようにすることにより、製造効率に優れ、かつ、前記アルミナ水和物が特に強固に前記ガラスクロスに固着した金属酸化物固着ガラスクロス1を得ることができる。
次に、経糸2及び緯糸3に前記アルミナ水和物微粒子が付着されたガラスクロス4を、例えば、40〜120℃の範囲の温度で、5分〜1時間の範囲の時間加熱し、乾燥する。このとき、製造効率上、ガラスクロス4を70〜80℃の範囲の温度で、20〜30分の範囲の時間加熱することが好ましい。
次に、前記のようにして乾燥されたガラスクロス4を、例えば、100〜600℃の範囲の温度で、2〜48時間の範囲の時間加熱し、アルミナ微粒子又はアルミナ水和物微粒子からなる金属酸化物5を経糸2及び緯糸3に直接固着させる。この結果、金属酸化物固着ガラスクロス1を得ることができる。
このとき、製造効率上、ガラスクロス4を、300〜400℃の範囲の温度で、24〜48時間の範囲の時間加熱することが好ましい。このようにすることにより、前記脱油処理の加熱条件を利用することができる。
ここで、金属酸化物5を形成する前記アルミナ微粒子又はアルミナ水和物微粒子の質量は、前述のように、ガラスクロス4の質量に対して0.01〜3.0質量%の範囲となっていることが好ましく、0.05〜1.0質量%の範囲となっていることがさらに好ましい。
また、金属酸化物5が前記アルミナ微粒子からなる場合、該アルミナ微粒子は50〜75%の範囲の結晶化度を備えることが好ましく、55〜65%の範囲の結晶化度を備えることがさらに好ましい。一方、金属酸化物5が前記アルミナ水和物微粒子からなる場合、該アルミナ水和物微粒子は40〜97%の範囲の結晶化度を備えることが好ましく、42〜92%の範囲の結晶化度を備えることがさらに好ましく、42〜50%の範囲の結晶化度を備えることが特に好ましい。
金属酸化物固着ガラスクロス1は、さらにシランカップリング剤で処理することができる。前記シランカップリング剤で処理する場合は、例えば、金属酸化物固着ガラスクロス1を、0.1〜5質量%、より好ましくは0.3〜3.3質量%の範囲の濃度を備え、2〜5の範囲のpHに調整された該シランカップリング剤溶液中に、1〜10秒の範囲の時間浸漬する。そして、絞液した後、金属酸化物固着ガラスクロス1を乾燥することにより行うことができる。
本実施形態の金属酸化物固着ガラスクロス1は、さらに、図2に示す放熱性シート11を形成することができる。放熱性シート11は、金属酸化物固着ガラスクロス1を補強材とし、金属酸化物5上にさらに樹脂被覆層12が形成されている。
樹脂被覆層12を形成する樹脂は、熱硬化性樹脂又は、熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ラジカル重合型硬化樹脂、マレイミドトリアジン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等を挙げることができる。
前記エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する化合物と、エポキシ基と反応するアミノ基、フェノール基、酸無水物基、ヒドラジド基、イソシアネート基、シアネート基、水酸基等を有する化合物を、無触媒、又は、イミダゾール化合物、3級アミン化合物、尿素化合物、燐化合物等の反応触媒能を持つ触媒を添加して、反応させて硬化させるものを挙げることができる。
また、前記ラジカル重合型硬化樹脂としては、アリル基、メタクリル基、アクリル基を有する化合物を、熱分解型触媒、または光分解型触媒を反応開始剤として使用して硬化させるものを挙げることができる。また、前記マレイミドトリアジン樹脂としては、シアネート基を有する化合物とマレイミド基を有する化合物を反応させて硬化させるものを挙げることができる。
また、前記熱硬化性ポリイミド樹脂としては、マレイミド化合物とアミン化合物を反応させて硬化させるものを挙げることができ、前記ベンゾオキサジン樹脂としては、ベンゾオキサジン環を有する化合物を加熱重合により架橋硬化させるものを挙げることができる。
また、前記熱可塑性樹脂としては、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、不溶性ポリイミド、ポリアミドイミド、フッ素樹脂等を挙げることができる。
また、樹脂被覆層12を形成する樹脂は、熱伝導性を向上させるために、窒化ホウ素等の熱伝導性フィラーを含んでいることが好ましい。前記樹脂は、熱伝導性フィラーを含む場合、その全量の10〜60質量%の範囲で該熱伝導性フィラーを含むことが好ましい。前記樹脂中の熱伝導性フィラーが10質量%未満の量であると、シートが高い熱伝導性を示さない場合がある。一方、前記樹脂中の熱伝導性フィラーを60質量を超える量とすることは、製造コストの点で好ましくない。
放熱性シート11は、金属酸化物固着ガラスクロス1を、20〜80質量%の範囲の濃度を備える前記樹脂中に、5〜60秒の範囲の時間浸漬した後、乾燥することにより得ることができる。このとき、金属酸化物固着ガラスクロス1は、金属酸化物5に樹脂被覆層を強固に結合するために、前記シランカップリング剤で処理されていることが好ましい。
また、放熱性シート11は、例えば、真空プレスにより1.96MPaの圧力で銅箔に熱圧着されることより、積層板を形成することができる。前記積層板は、積層プリント配線基板等の材料として使用することができる。
次に、実施例及び比較例を示す。
〔実施例1〕
本実施例では、まず、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4(日東紡績株式会社製、商品名:WEA7628)を、濃度1.0質量%のアルミナ水和物微粒子水分散液に5秒間浸漬し、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にベーマイト微粒子を直接付着させた。
本実施例で用いた前記ガラスクロス4は、Eガラス製の直径9μmのフィラメントを400本集束した経糸2及び緯糸3を平織にしたものである。その番手は67.5texであり、単位面積当たりの質量は209g/mである。経糸2及び緯糸3の打ち込み密度は、経糸2が44本/25mm、緯糸3が32本/25mmである。また、ガラスクロス4は、予め、400℃の温度で48時間加熱されることにより脱油処理されており、澱粉系集束剤等の有機物の99.9%以上が除去されている。
前記アルミナ水和物微粒子は、平均粒子径が50〜300nmの範囲にあるアルミナ水和物微粒子(日産化学工業株式会社製、商品名:アルミナゾル200)を用いた。また、前記アルミナ水和物微粒子水分散液は、液温が15〜35℃の範囲となるように調整した。
次に、経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物微粒子を直接付着させたガラスクロス4を80℃の温度で30分間加熱して乾燥した後、300℃の温度で48時間焼成した。前記焼成後のガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3の表面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、アルミナ水和物(より具体的にはベーマイト)微粒子からなる金属酸化物5が固着していることが確認された。本実施例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
次に、前記焼成後のガラスクロス4の質量をa、前記アルミナ水和物微粒子水分散液に浸漬する前のガラスクロス4の質量をbとして、次式から金属酸化物5を形成する前記ベーマイト微粒子のガラスクロス4の質量に対する含有量Aを算出した。
A(質量%)=(a−b)/b×100
また、アルミナ水和物微粒子(日産化学工業株式会社製、商品名:アルミナゾル200)を45℃の温度で24時間乾燥させて得られたアルミナ水和物をX線回折装置(株式会社リガク製、商品名:RINT−2000)で分析した際に、回折角度49°付近に存在するピークの最大ピーク強度をα、金属酸化物5を形成する前記アルミナ水和物微粒子を該X線回折装置で分析した際に、該回折角度付近に存在するピークのピーク強度をβとして、次式から金属酸化物5を形成する前記アルミナ水和物微粒子の結晶化度Bを算出した。
B(%)=β/α×100
この結果、金属酸化物5は、ガラスクロス4の質量に対して0.1質量%のアルミナ水和物微粒子を含んでおり、該アルミナ水和物微粒子は、45.7%の結晶化度を備えていた。結果を表2に示す。
次に、経糸2及び緯糸3に金属酸化物5が固着されたガラスクロス4を、シランカップリング剤に浸漬し、絞液することにより、表面処理を行った。前記シランカップリング剤としては、2質量%の濃度のN−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン溶液をpH3.5に調整したものを用いた。この結果、金属酸化物5の表面が前記シランカップリング剤により処理されている金属酸化物固着ガラスクロス1を得た。
次に、シランカップリング剤処理を施した金属酸化物固着ガラスクロス1を625℃で2時間加熱した場合の重量減少値(強熱減量値)Aと、経糸2及び緯糸3に金属酸化物5が固着されたガラスクロス4をシランカップリング剤処理することなく625℃で2時間加熱した場合の重量減少値(強熱減量値)Bとの差(A−B、単位g)により、金属酸化物固着ガラスクロス1に対する前記シランカップリング剤の付着量を算出し、該シランカップリング剤の付着性を評価した。結果を表2に示す。
尚、表2において、シランカップリング剤の付着量が0.005g未満であればその付着性を×、シランカップリング剤の付着量が0.005g以上0.01g未満であればその付着性を△、シランカップリング剤の付着量が0.01g以上0.015g未満であればその付着性を○、シランカップリング剤の付着量が0.015g以上であればその付着性を◎で示す。
次に、金属酸化物固着ガラスクロス1に対して、20℃の純水中で超音波振動子(BRANSON製、商品名:BRANSONIC B1200)との間隔を10cmとして、周波数50kHzの超音波を1分間作用させた。そして、前記超音波を作用させる前後での表面領域の変化(剥落等)を走査型電子顕微鏡で観察することにより、金属酸化物固着ガラスクロス1における金属酸化物5の固着性を評価した。結果を表2に示す。
尚、表2において、走査型電子顕微鏡で観察した表面領域の5%以上で剥落が生じたものを×、1%以上5%未満で剥落が生じたものを△、1%未満で剥落が生じたものを○で示す。
次に、金属酸化物固着ガラスクロス1の引張強度を測定した。前記引張強度は、金属酸化物固着ガラスクロス1の25mm×25mmの試料片について、引張圧縮試験機(東洋精機製作所製、商品名:ストログラフVE5D)を用いて、縦引張強度と横引張強度とを測定し、縦引張強度と横引張強度との平均値を算出した。結果を表2に示す。
次に、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1を、エポキシ樹脂組成物に5秒間浸漬して該エポキシ樹脂組成物を含浸させた。前記エポキシ樹脂組成物は、熱伝導性フィラーとしての窒化ホウ素(電気化学工業株式会社製、商品名:SP3−7)50質量%とエポキシ樹脂50質量%とからなる。
次に、前記エポキシ樹脂組成物を含浸させた金属酸化物固着ガラスクロス1から、スクイズローラーで余分な樹脂分を除去し、130℃の温度で5分間加熱して溶剤分を揮発させることにより、放熱性シート11としてのプリプレグを作製した。前記プリプレグは、金属酸化物固着ガラスクロス1の金属酸化物5上に、さらに樹脂被覆層12が形成されている。
次に、前記プリプレグを真空プレス機で、180℃の温度で1.96MPaの加圧下に90分間保持することにより加圧加熱処理して成形し、積層板を作製した。
次に、熱伝導率測定計(京都電子工業株式会社製、商品名:QTM−500)を用い、前記積層板の厚さ方向について、該積層板の熱伝導率を測定した。結果を表2に示す。
次に、前記積層板に、壁間10mm、穴ピッチ15mm、ドリル径5mmで貫通孔を設け、4時間煮沸した後、500V、チャージ時間40秒の条件で、絶縁抵抗値を測定した。結果を表2に示す。
〔実施例2〕
本実施例では、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4を、濃度1.0質量%のアルミナ水和物微粒子水分散液に、5秒間浸漬して、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物微粒子を直接付着させ、加熱乾燥させた後、300℃の温度で2時間焼成したこと以外は、実施例1と全く同一にして、経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物(より具体的にはベーマイト)微粒子からなる金属酸化物5が固着され、金属酸化物5の表面が前記シランカップリング剤により処理されている金属酸化物固着ガラスクロス1を得た。本実施例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
また、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1を用いたこと以外は、実施例1と全く同一にして、放熱性シート11及び積層板を得た。
次に、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1について、実施例1と全く同一にして、前記アルミナ水和物微粒子のガラスクロス4の質量に対する含有量と、該アルミナ水和物微粒子の結晶化度とを算出し、その引張強度を測定し、前記シランカップリング剤の付着性及び金属酸化物固着ガラスクロス1における金属酸化物5の固着性を評価した。また、本実施例で得られた積層板について、実施例1と全く同一にして、その熱伝導率と絶縁抵抗値とを測定した。結果を表2に示す。
〔実施例3〕
本実施例では、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4を、濃度1.0質量%のアルミナ水和物微粒子水分散液に、5秒間浸漬して、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物微粒子を直接付着させ、加熱乾燥させた後、400℃の温度で48時間焼成したこと以外は、実施例1と全く同一にして、経糸2及び緯糸3にアルミナ微粒子からなる金属酸化物5が固着され、金属酸化物5の表面が前記シランカップリング剤により処理されている金属酸化物固着ガラスクロス1を得た。本実施例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
また、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1を用いたこと以外は、実施例1と全く同一にして、放熱性シート11及び積層板を得た。
次に、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1について、実施例1と全く同一にして、前記アルミナ微粒子のガラスクロス4の質量に対する含有量を算出し、その引張強度を測定し、前記シランカップリング剤の付着性及び金属酸化物固着ガラスクロス1における金属酸化物5の固着性を評価した。
また、アルミナ水和物微粒子(日産化学工業株式会社製、商品名:アルミナゾル200)を1000℃の温度で2時間焼成して得られたアルミナをX線回折装置(株式会社リガク製、商品名:RINT−2000)で分析した際に、回折角度66°付近に存在するピークの強度をα、金属酸化物5を形成する前記アルミナ微粒子を該X線回折装置で分析した際に、該回折角度付近に存在するピークの強度をβとして、次式から金属酸化物5を形成する前記アルミナ微粒子の結晶化度Bを算出した。
(%)=β/α×100
また、本実施例で得られた放熱性シート11について、実施例1と全く同一にして、前記金属酸化物固着ガラスクロス1に対する樹脂被覆層12の固着性を評価した。また、本実施例で得られた積層板について、実施例1と全く同一にして、その熱伝導率と絶縁抵抗値とを測定した。結果を表2に示す。
〔実施例4〕
本実施例では、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4を、濃度0.5質量%のアルミナ水和物微粒子水分散液に、5秒間浸漬して、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物微粒子を直接付着させ、加熱乾燥させた後、400℃の温度で48時間焼成したこと以外は、実施例1と全く同一にして、経糸2及び緯糸3にアルミナ微粒子からなる金属酸化物5が固着され、金属酸化物5の表面が前記シランカップリング剤により処理されている金属酸化物固着ガラスクロス1を得た。本実施例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
また、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1を用いたこと以外は、実施例1と全く同一にして、放熱性シート11及び積層板を得た。
次に、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1について、実施例3と全く同一にして、前記アルミナ微粒子のガラスクロス4の質量に対する含有量と、該アルミナ微粒子の結晶化度とを算出し、その引張強度を測定し、前記シランカップリング剤の付着性を及び金属酸化物固着ガラスクロス1における金属酸化物5の固着性を評価した。また、本実施例で得られた積層板について、実施例1と全く同一にして、その熱伝導率と絶縁抵抗値とを測定した。結果を表2に示す。
〔実施例5〕
本実施例では、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4を、濃度5.0質量%のアルミナ水和物微粒子水分散液に、5秒間浸漬して、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物微粒子を直接付着させ、加熱乾燥させた後、400℃の温度で48時間焼成したこと以外は、実施例1と全く同一にして、経糸2及び緯糸3にアルミナ微粒子からなる金属酸化物5が固着され、金属酸化物5の表面が前記シランカップリング剤により処理されている金属酸化物固着ガラスクロス1を得た。本実施例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
また、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1を用いたこと以外は、実施例1と全く同一にして、放熱性シート11及び積層板を得た。
次に、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1について、実施例3と全く同一にして、前記アルミナ微粒子のガラスクロス4の質量に対する含有量と、該アルミナ微粒子の結晶化度とを算出し、その引張強度を測定し、前記シランカップリング剤の付着性及び金属酸化物固着ガラスクロス1における金属酸化物5の固着性を評価した。また、本実施例で得られた積層板について、実施例1と全く同一にして、その熱伝導率と絶縁抵抗値とを測定した。結果を表2に示す。
〔実施例6〕
本実施例では、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4を、濃度15.0質量%のアルミナ水和物微粒子水分散液に、5秒間浸漬して、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物微粒子を直接付着させ、加熱乾燥させた後、400℃の温度で48時間焼成したこと以外は、実施例1と全く同一にして、経糸2及び緯糸3にアルミナ微粒子からなる金属酸化物5が固着され、金属酸化物5の表面が前記シランカップリング剤により処理されている金属酸化物固着ガラスクロス1を得た。本実施例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
また、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1を用いたこと以外は、実施例1と全く同一にして、放熱性シート11及び積層板を得た。
次に、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1について、実施例3と全く同一にして、前記アルミナ微粒子のガラスクロス4の質量に対する含有量と、該アルミナ微粒子の結晶化度とを算出し、その引張強度を測定し、前記シランカップリング剤の付着性及び金属酸化物固着ガラスクロス1における金属酸化物5の固着性を評価した。また、本実施例で得られた積層板について、実施例1と全く同一にして、その熱伝導率と絶縁抵抗値とを測定した。結果を表2に示す。
〔実施例7〕
本実施例では、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4を、濃度15.0質量%のアルミナ水和物微粒子水分散液に、5秒間浸漬して、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物微粒子を直接付着させ、加熱乾燥させた後、600℃の温度で2時間焼成したこと以外は、実施例1と全く同一にして、経糸2及び緯糸3にアルミナ微粒子からなる金属酸化物5が固着され、金属酸化物5の表面が前記シランカップリング剤により処理されている金属酸化物固着ガラスクロス1を得た。本実施例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
また、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1を用いたこと以外は、実施例1と全く同一にして、放熱性シート11及び積層板を得た。
次に、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1について、実施例3と全く同一にして、前記アルミナ微粒子のガラスクロス4の質量に対する含有量と、該アルミナ微粒子の結晶化度とを算出し、その引張強度を測定し、前記シランカップリング剤の付着性及び金属酸化物固着ガラスクロス1における金属酸化物5の固着性を評価した。また、本実施例で得られた積層板について、実施例1と全く同一にして、その熱伝導率と絶縁抵抗値とを測定した。結果を表2に示す。
〔実施例8〕
本実施例では、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4を、濃度0.5質量%のアルミナ水和物微粒子水分散液に、5秒間浸漬して、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物微粒子を直接付着させ、加熱乾燥させた後、600℃の温度で48時間焼成したこと以外は、実施例1と全く同一にして、経糸2及び緯糸3にアルミナ微粒子からなる金属酸化物5が固着され、金属酸化物5の表面が前記シランカップリング剤により処理されている金属酸化物固着ガラスクロス1を得た。本実施例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
また、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1を用いたこと以外は、実施例1と全く同一にして、放熱性シート11及び積層板を得た。
次に、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1について、実施例3と全く同一にして、前記アルミナ微粒子のガラスクロス4の質量に対する含有量と、該アルミナ微粒子の結晶化度とを算出し、その引張強度を測定し、前記シランカップリング剤の付着性及び金属酸化物固着ガラスクロス1における金属酸化物5の固着性を評価した。また、本実施例で得られた積層板について、実施例1と全く同一にして、その熱伝導率と絶縁抵抗値とを測定した。結果を表2に示す。
〔実施例9〕
本実施例では、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4を、濃度1.0質量%のアルミナ水和物微粒子水分散液に、5秒間浸漬して、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物微粒子を直接付着させ、加熱乾燥させた後、100℃の温度で2時間焼成したこと以外は、実施例1と全く同一にして、経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物(より具体的にはベーマイト)微粒子からなる金属酸化物5が固着され、金属酸化物5の表面が前記シランカップリング剤により処理されている金属酸化物固着ガラスクロス1を得た。本実施例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
また、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1を用いたこと以外は、実施例1と全く同一にして、放熱性シート11及び積層板を得た。
次に、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1について、実施例1と全く同一にして、前記アルミナ微粒子のガラスクロス4の質量に対する含有量と、該アルミナ微粒子の結晶化度とを算出し、その引張強度を測定し、前記シランカップリング剤の付着性及び金属酸化物固着ガラスクロス1における金属酸化物5の固着性を評価した。また、本実施例で得られた積層板について、実施例1と全く同一にして、その熱伝導率と絶縁抵抗値とを測定した。結果を表2に示す。
〔実施例10〕
本実施例では、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4を、濃度0.1質量%のアルミナ水和物微粒子水分散液に、5秒間浸漬して、ガラスクロス4を形成する経糸2及び緯糸3にアルミナ水和物微粒子を直接付着させ、加熱乾燥させた後、400℃の温度で48時間焼成したこと以外は、実施例1と全く同一にして、経糸2及び緯糸3にアルミナ微粒子からなる金属酸化物5が固着され、金属酸化物5の表面が前記シランカップリング剤により処理されている金属酸化物固着ガラスクロス1を得た。本実施例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
また、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1を用いたこと以外は、実施例1と全く同一にして、放熱性シート11及び積層板を得た。
次に、本実施例で得られた金属酸化物固着ガラスクロス1について、実施例3と全く同一にして、前記アルミナ微粒子のガラスクロス4の質量に対する含有量と、該アルミナ微粒子の結晶化度とを算出し、その引張強度を測定し、前記シランカップリング剤の付着性及び金属酸化物固着ガラスクロス1における金属酸化物5の固着性を評価した。また、本実施例で得られた積層板について、実施例1と全く同一にして、その熱伝導率と絶縁抵抗値とを測定した。結果を表2に示す。
〔比較例〕
本比較例では、予め加熱処理により脱油処理されているガラスクロス4を、金属酸化物5を全く固着させることなく、シランカップリング剤により表面処理した以外は、実施例1と全く同一にして、該シランカップリング剤により処理されているガラスクロス(実施例1の金属酸化物固着ガラスクロス1に相当)を得た。本比較例におけるガラスクロス4の処理条件を表1に示す。
また、本比較例で得られたガラスクロスを用いたこと以外は、実施例1と全く同一にして、プリプレグ(実施例1の放熱性シート11に相当)及び積層板を得た。
次に、本比較例で得られたガラスクロスについて、実施例1と全く同一にして、その引張強度を測定した。また、本実施例で得られた積層板について、実施例1と全く同一にして、その熱伝導率と絶縁抵抗値とを測定した。結果を表2に示す。
表2から、実施例1〜10の積層板は、比較例の積層板に比較して優れた熱伝導率を備えており、実施例1〜10の積層板の補強材である金属酸化物固着ガラスクロス1が優れた熱伝導率を備えていること、すなわち優れた放熱性を備えていることが明らかである。
1…金属酸化物固着ガラスクロス、 4…ガラスクロス、 5…金属酸化物、 11…放熱性シート、 12…樹脂被覆層。

Claims (11)

  1. ガラス繊維を製織してなるガラスクロスと、該ガラス繊維に固着されている金属酸化物とを備える金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、
    該金属酸化物はアルミナ又はその水和物からなることを特徴とする金属酸化物固着ガラスクロス。
  2. 請求項1記載の金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、前記金属酸化物は、前記ガラスクロスの質量に対して0.01〜3.0質量%の範囲の質量を備えることを特徴とする金属酸化物固着ガラスクロス。
  3. 請求項1又は請求項2記載の金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、前記金属酸化物は、前記ガラスクロスの質量に対して0.05〜1.0質量%の範囲の質量を備えることを特徴とする金属酸化物固着ガラスクロス。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、前記金属酸化物はアルミナであり、50〜75%の範囲の結晶化度を備えることを特徴とする金属酸化物固着ガラスクロス。
  5. 請求項4記載の金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、前記アルミナは55〜65%の範囲の結晶化度を備えることを特徴とする金属酸化物固着ガラスクロス。
  6. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、前記金属酸化物はアルミナ水和物であり、40〜97%の範囲の結晶化度を備えることを特徴とする金属酸化物固着ガラスクロス。
  7. 請求項6記載の金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、前記アルミナ水和物は42〜92%の範囲の結晶化度を備えることを特徴とする金属酸化物固着ガラスクロス。
  8. 請求項6又は請求項7記載の金属酸化物固着ガラスクロスにおいて、前記アルミナ水和物は42〜50%の範囲の結晶化度を備えることを特徴とする金属酸化物固着ガラスクロス。
  9. ガラス繊維を製織してなるガラスクロスと、該ガラス繊維に固着されている金属酸化物とを備える金属酸化物固着ガラスクロスの製造方法において、
    該ガラスクロスを該金属酸化物の粒子の分散液に浸漬し、該ガラス繊維に該金属酸化物の粒子を付着させる工程と、
    該金属酸化物の粒子が付着された該ガラスクロスを乾燥させた後、100〜600℃の範囲の温度で2〜48時間加熱して、該ガラス繊維に該金属酸化物を固着させる工程とを備え、
    前記金属酸化物の粒子の分散液が、アルミナ又はその水和物の粒子の分散液であることを特徴とする金属酸化物固着ガラスクロスの製造方法。
  10. ガラス繊維を製織してなるガラスクロスと、該ガラス繊維に固着されたアルミナ又はその水和物からなる金属酸化物と、該金属酸化物上に形成された樹脂被覆層とを備えることを特徴とする放熱性シート。
  11. ガラス繊維を製織してなるガラスクロスと、該ガラス繊維に固着されたアルミナ又はその水和物からなる金属酸化物と、該金属酸化物上に形成された樹脂被覆層とを備える放熱性シートを備えることを特徴とする積層板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015182600A1 (ja) * 2014-05-30 2015-12-03 ポリマテック・ジャパン株式会社 熱伝導性シートおよび熱伝導性シートの製造方法

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