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JP2015025064A - プラスチック基材貼合用の粘着剤、粘着シート及びそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

プラスチック基材貼合用の粘着剤、粘着シート及びそれを用いた画像表示装置 Download PDF

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JP2015025064A
JP2015025064A JP2013155376A JP2013155376A JP2015025064A JP 2015025064 A JP2015025064 A JP 2015025064A JP 2013155376 A JP2013155376 A JP 2013155376A JP 2013155376 A JP2013155376 A JP 2013155376A JP 2015025064 A JP2015025064 A JP 2015025064A
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Yutaka Morioka
豊 守岡
玲子 桜井
Reiko Sakurai
玲子 桜井
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Abstract

【課題】高温環境に晒されてプラスチック基材内に残存している未反応物の揮発が起こりやすい環境下であっても、画像表示素子面上のプラスチック基材の浮きや剥がれを抑制できる、プラスチック基材貼合用の粘着剤、粘着層及びそれらを用いた画像表示装置を提供する。【解決手段】アクリル系粘着剤と、環状構造を含まないイソシアネート系架橋剤とを少なくとも含む粘着剤であって、その粘着剤で形成した粘着層の損失正接(105℃)が0.35以上0.60以下の範囲内であり、貯蔵弾性率(105℃)が5.5?104Pa以上8.9?104Pa以下の範囲内であるプラスチック基材貼合用の粘着剤によって上記課題を解決した。【選択図】図2

Description

本発明は、プラスチック基材を画像表示素子等に貼り合わせる際に好ましく用いられる粘着剤、粘着シート及びそれらを用いた画像表示装置に関する。
液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の画像表示装置は、パソコンを始めとする広い分野で用いられている。なかでも携帯電話、タブレットPC等の携帯機器や、カーナビゲーション等は、その画像表示面に指などで情報を入力できるタッチセンサを備えている。タッチセンサの画像表示面には、粘着層を介してプラスチック製のカバー部材が装着されている。そうしたカバー部材は、携帯機器やカーナビゲーション等が落下したり衝突したりしたときの衝撃によってガラス等からなる画像表示面の損壊や飛散を防いでいる。
しかし、カバー部材を備えた画像表示装置は、カバー部材と画像表示面との間に気泡が存在すると、その気泡に起因した光の反射損失が生じて画像の視認性が低下するという問題があった。また、プラスチック製のカバー部材は、そこに含まれる未反応物がガス(アウトガスとも言う。)になり、特に高温になるとそのガスが発泡して画像の視認性が低下するという問題があった。
こうした問題に対し、例えば特許文献1では、1分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオキシアルキレン系重合体と、1分子中に平均2個以上5個未満のヒドロシリル基を有する化合物と、ヒドロシリル化触媒とを含み、25℃、1Hzでのせん断貯蔵弾性率(G’)が1.0×10Pa以下であり、かつ、ゲル分率が40%以上であるフラットパネルディスプレイ用透明粘着シートを提案している。この技術によれば、優れた段差吸収性を有しながら、プラスチック板との接着面において発泡を生じることがないフラットパネルディスプレイ用透明粘着シートを提供できるとされている。
また、特許文献2では、保護パネルと偏光フィルムとの間に配置される画像表示装置用透明粘着シートについて提案されている。この粘着シートは、異なる粘弾性挙動を有する第1粘着層及び第2粘着層をそれぞれ1層以上有し、且つ、これらの層を積層し一体化してなるものであって、第1粘着層及び第2粘着層のうちの少なくとも一層が、アクリル酸エステル重合体、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メタ)アクリレート架橋剤及び反応開始剤を含む組成物からなり、積層し一体化してなる構成を備えた粘着シートについての、周波数1Hzの温度分散で測定した動的剪断貯蔵弾性率G’の値が、G’(20℃)で2×10〜5×10Paの範囲内であり、G’(150℃)で1×10〜1×10Paの範囲内であるとしている。この技術によれば、被着体がプラスチック等のアウトガスを発生する材料のものであっても、例えば80℃程度の高温環境下において発泡することがないように貼着することができるとされている。
特開2010−97070号公報 国際公開番号WO2010/044229
上記特許文献1,2で提案された粘着シートは、ある程度の効果が認められるものの、例えば車内に設置されたカーナビゲーションのように、車内の温度上昇によってより過酷な高温環境に晒される場合は、プラスチック製のカバー部材内に残存している未反応物や水蒸気等の揮発が起こりやすく、その揮発に起因した気泡によってカバー部材と粘着層との間に浮きや剥がれが生じ、表示面で表示される画像の視認性が低下するという難点がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高温環境に晒されてプラスチック基材内に残存している未反応物や水蒸気等の揮発が起こりやすい環境下であっても、画像表示素子面上のプラスチック基材の浮きや剥がれを抑制できる、プラスチック基材貼合用の粘着剤、粘着シート及びそれらを用いた画像表示装置を提供することにある。
(1)上記課題を解決するための本発明に係るプラスチック基材貼合用の粘着剤は、アクリル系粘着剤と、環状構造を含まないイソシアネート系架橋剤とを少なくとも含む粘着剤であって、前記粘着剤で形成した粘着層の損失正接(105℃)が0.35以上0.60以下の範囲内であり、貯蔵弾性率(105℃)が5.5×10Pa以上8.9×10Pa以下の範囲内であることを特徴とする。
(2)上記課題を解決するための本発明に係るプラスチック基材貼合用の粘着シートは、アクリル系粘着剤と、環状構造を含まないイソシアネート系架橋剤とを少なくとも含む粘着剤で形成された粘着層を備えた粘着シートであって、前記粘着層の損失正接(105℃)が0.35以上0.60以下の範囲内であり、貯蔵弾性率(105℃)が5.5×10Pa以上8.9×10Pa以下の範囲内であることを特徴とする。
(3)上記課題を解決するための本発明に係る画像表示装置は、上記した本発明に係るプラスチック基材貼合用の粘着剤又は粘着シートを用いてプラスチック基材が表示面に貼り合わされていることを特徴とする。
本発明に係るプラスチック基材貼合用の粘着剤、粘着シート及び画像表示装置によれば、高温環境に晒されてプラスチック基材内に残存している未反応物や水蒸気等の揮発が起こりやすい環境下であっても、画像表示素子面に貼り合わされたプラスチック基材の浮きや剥がれを抑制できる。
本発明に係るプラスチック基材貼合用の粘着シートの一例を示す模式的な断面図である。 本発明に係るプラスチック基材貼合用の粘着シートを用いた画像表示装置の一例を示す模式的な断面図である。
本発明に係るプラスチック基材貼合用の粘着剤、粘着シート及び画像表示装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[プラスチック基材貼合用の粘着剤]
本発明に係るプラスチック基材貼合用の粘着剤は、アクリル系粘着剤と、環状構造を有さないイソシアネート系架橋剤とを少なくとも含んでいる。そして、その粘着剤で粘着層を形成したとき、その粘着層の損失正接(105℃)が、0.35以上、0.60以下の範囲内であり、貯蔵弾性率(105℃)が5.5×10Pa以上、8.9×10Pa以下の範囲内である。
この粘着剤は、アクリル系粘着剤と環状構造を含まないイソシアネート系架橋剤とを少なくとも含む粘着剤で形成した粘着層の損失正接(105℃)と貯蔵弾性率(105℃)が上記範囲内であるとき、過酷な環境下でプラスチック基材内に残存している未反応物や水蒸気等の揮発が起こった場合であっても、画像表示素子面上のプラスチック基材の浮きや剥がれを抑制できる。すなわち、本発明は、粘着剤で形成した粘着層の弾性と粘性を特定したことによって、特に高温環境にさらされたときに起こりやすいプラスチック基材の浮きや剥離を解決している。
このプラスチック基材貼合用の粘着剤は上記したアクリル系粘着剤とイソシアネート系架橋剤とを含むので、このプラスチック基材貼合用の粘着剤で形成したプラスチック基材貼合用の粘着層2やそのプラスチック基材貼合用の粘着層2を含むプラスチック基材貼合用の粘着シート10(図1を参照)は、携帯電話やタブレットPC等の画像表示装置を構成するタッチパネルの貼り合わせに用いたとき、タッチパネルのカバー部材を構成するプラスチック基材浮きや剥がれを抑制でき、実用性に優れている。
以下、プラスチック基材貼合用の粘着剤の構成要素について詳しく説明する。
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸エステル、詳しくは(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを主成分とし、その(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルと共重合可能なカルボキシル基含有モノマーとの共重合により得られるアクリル系ポリマーを挙げることができる。主成分とは、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルを51質量%以上含有することを意味する。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸4−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−エトキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−エトキシブチル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記した(メタ)アクリル酸エステルに加えて、水酸基含有(メタ)アクリレート単量体を共重合したものを用いることが好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレート単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−メチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−3−ブチル(メタ)アクリレート、1,3−ジメチル−3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチル−3−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−3−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール、メタリルアルコール等を挙げることができる。これら水酸基含有(メタ)アクリレート単量体は、1種又は2種以上含まれていてもよい。こうした水酸基含有(メタ)アクリレート単量体が含まれることにより、アクリル系粘着剤のリワーク性を向上させることができる。
水酸基含有(メタ)アクリレート単量体は、アクリル系粘着剤の接着性及びリワーク性を考慮して、(メタ)アクリル酸エステルに添加することができる。その場合、(メタ)アクリル酸エステル単量体に対して、質量基準において水酸基含有(メタ)アクリレート単量体を0.1質量%以上、20質量%以下の範囲内で添加することが好ましい。
また、本発明においては、上記した単量体以外にも、適宜、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルビニルエーテル、グリシジル(メタ)アリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アリルエーテル等のグリシジル基含有(メタ)アクリレート単量体や、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有(メタ)アクリレート単量体が含まれていてもよい。
本発明で使用されるアクリル系粘着剤(共重合体)は、上記した単量体を、通常の溶液重合、塊状重合、乳化重合又は懸濁重合等の方法により重合させることにより得ることができるが、上記アクリル系粘着剤が溶液として得られる溶液重合により製造することが好ましい。アクリル系粘着剤が溶液として得られることにより、そのまま本発明の粘着剤組成物の製造に使用することができる。
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステルと、水酸基含有モノマーとの共重合により得られるアクリル系ポリマーの質量平均分子量は、粘着層が特定範囲の弾性及び粘性を示すものであれば、特に限定されないが、150,000以上であることが好ましく、150,000〜1,500,000の範囲内であることがより好ましく、150,000〜1,000,000の範囲内であることが更により好ましい。上記範囲であれば、高温環境に晒された際にプラスチック基材からガスが発生するのを、粘着層の接着強度によって押さえ込むことができる。なお、質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。「高温」とは、例えば車の中で上昇した高い温度のことであり、その高温には、車内に装着されているカーナビゲーション等の画像表示装置等が晒される。
共重合物であるアクリル系粘着剤は、溶液重合、塊状重合、乳化重合等の各種ラジカル重合等を適宜選択して製造してもよいし、その市販品としては、例えば、EXK11−468(TOYOCHEM社製)、SKダイン2950(綜研化学株式会社製)、CT−6030(DIC株式会社製)等を好適に用いることができる。
なお、ラジカル重合では、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤等が用いられるが、それらは特に限定されず、適宜選択して使用することができる。メタクリル系ポリマーの質量平均分子量は、重合開始剤、連鎖移動剤の使用量、反応条件により制御可能であり、これらの種類に応じて適宜のその使用量が調整される。
(架橋剤)
架橋剤は、環状構造を有さないイソシアネート系架橋剤を用いる。構造中に環状構造を有さないイソシアネート系架橋剤は、高温時における貯蔵弾性率を105℃で5.5×10Pa以上、8.9×10Pa以下の範囲内に低下させることができる。105℃での貯蔵弾性率が小さい粘着層は、軟らかく、粘着強度が大きくなる。その結果、105℃での損失正接を0.35以上、0.60以下の範囲内にしたときの粘着層の粘着強度は、粘着強度が大きく、プラスチック基材に含まれる未反応物に起因した発泡を抑制することができる。
好ましい架橋剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)系架橋剤、金属キレート系架橋剤等を挙げることができる。なお、環状構造とは、5員環や6員環等の芳香環や、飽和又は不飽和の炭素環を1以上含むもの等をいう。
一方、構造中に環状構造が含まれているトリレンジイソシアネート(TDI)系架橋剤やキシレンジイソシアネート(XDI)系架橋剤は、高温時における貯蔵弾性率を低下させにくい。105℃での貯蔵弾性率が大きい粘着層は、硬く、粘着強度が小さい。その結果、105℃での損失正接を0.35以上、0.60以下の範囲内にしたときの粘着層の粘着強度は、粘着強度が小さく、プラスチック基材に含まれる未反応物や水蒸気等に起因した発泡を抑制することができないことがある。
浮きや剥がれの抑制は、具体的には、架橋剤として、環状構造を有さないイソシアネート系架橋剤を採用し、さらに、形成された粘着層の105℃における粘弾性特性(損失正接、貯蔵弾性率)が、特定の範囲内になるようにしたことによって実現した。この特定範囲の粘弾性特性は、粘着層が有する硬さと柔らかさがプラスチック基材の浮きと剥がれを防止していると考えられる。
(粘着剤)
粘着剤は、上記したアクリル系粘着剤と上記した架橋剤とを所定の粘弾性特性の範囲内になるように配合して得られる。そうした粘弾性特性の範囲は、アクリル系樹脂や架橋剤の種類によっても異なるが、一例としては、アクリル系樹脂100質量部に対して、架橋剤を0.175質量部以上、0.450質量部以下の範囲内にすることができる。
この粘着剤には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、例えば、粘着付与剤、金属キレート剤、着色剤、顔料、染料、界面活性剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、シランカップリング剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、充填剤、金属粉、粒子状、箔状物等の添加剤を配合してもよい。
[プラスチック基材貼合用の粘着層]
プラスチック基材貼合用の粘着層は、図2に示すように、上記した本発明に係る粘着剤で形成できる。粘着層の形成方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、キスロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、ディップロールコート、バーコート、ナイフコート、エアーナイフコート、カーテンコート、リップコート、ダイコーター等を挙げることができる。
粘着層の厚さは、粘着層に接する層の状態、形状等を勘案して適宜選択することができる。通常、5μm以上、500μm以下、好ましくは10μm以上、300μm以下である。この範囲であれば、粘着物性を安定させることができる。なお、厚さが5μm未満の場合は、十分な粘着強度が得られないことがあり、厚さが500μmを超えると、コストの上昇や光線透過率等の光学特性に悪影響を及ぼすことがある。
(粘弾性特性)
粘着層は、105℃での損失正接が0.35以上、0.60以下の範囲内であり、105℃での貯蔵弾性率が5.5×10Pa以上、8.9×10Pa以下の範囲内である。貯蔵弾性率(E’)は、粘着層の硬度を反映する物性の1つであり、例えば、測定装置として、ティー・エイ・インスツルメント社製の固体粘弾性アナライザーRSA−IIIを用い、JIS
K7244−1に準拠した動的粘弾性測定法(アタッチメントモード:圧縮モード,周波数:1Hz,温度:−50〜150℃)にて測定することができる。
本発明では、高温環境に晒された場合におけるプラスチック基材から発生する気泡の影響を抑制することを目的にしている。そのため、105℃の温度における貯蔵弾性率(E’)の値を指標とした。105℃の温度の貯蔵弾性率(E’)が5.5×10Pa以上、8.9×10Pa以下の範囲内であれば、粘着層は軟らかく、粘着強度が大きい。その結果、105℃での損失正接を0.35以上、0.60以下の範囲内にしたときの粘着層の粘着強度は、粘着強度が大きく、プラスチック基材に含まれる未反応物や水蒸気等に起因した発泡を押さえ込むことができる。
105℃での貯蔵弾性率が5.5×10Pa未満では、粘着層が軟らかすぎ、プラスチック基材に含まれる未反応物や水蒸気等に起因した発泡の応力に粘着層が耐えられず、プラスチック基材が浮いたり剥がれたりしてしまうことがある。また、105℃での貯蔵弾性率が8.9×10Paを超えると、粘着層が硬く、粘着強度が小さくなってしまうので、プラスチック基材が浮いたり剥がれたりしてしまうことがある。
また、105℃での損失正接(tanδ)が0.35以上、0.60以下の範囲内であることが好ましい。損失正接(tanδ)は、応力緩和挙動(力が加わった場合の変形の遅れ)を示すパラメーターの1つである。損失正接(tanδ)の値が小さいと粘着層の応力緩和が速く、値が大きいと粘着層の応力緩和が遅いことを示す。105℃での損失正接(tanδ)の値が上記範囲内であれば、粘着層の変形に対する復元挙動が瞬間的に起こることがない。そのため、高温環境に晒されたときに気泡が発生した場合であっても、気泡を粘着層で押さえることにより、気泡の発生を防ぐことができる。
105℃での損失正接が0.35未満では、粘着層の変形に対する復元挙動が速く起こりやすい。そのため、高温環境に晒されたときに気泡が発生した場合に、気泡を粘着層で押さえ難くなり易い。また、105℃での損失正接が0.65を超えると、粘着層の変形に対する復元挙動が遅くなり、気泡による極微細な浮きが発生した際に粘着層による再貼着ができず、極微細な浮きが起点となって浮きが発生し易いと考えられる。
(プラスチック基材)
プラスチック基材は、高温環境に晒されることよって内部に残存する未反応物や水蒸気等が気泡になって発生し易いものを好ましく適用できる。また、プラスチック基材の表面に付着した成分が、高温環境に晒されることによって揮発して気泡になり易いものも好ましく用いることができる。
そうしたプラスチック基材は特に限定されず、用途に応じて、適宜選択することができる。一般的には、合成樹脂フィルムが用いられる。合成樹脂フィルムの材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂等の公知のプラスチック基材を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、単層であってもよいし、2層以上の積層体であってもよい。機械的強度や基材の反り抑制の観点から、1軸延伸や2軸延伸した延伸フィルムが好ましい。なお、本発明では、上記合成樹脂の中でも、透明性、耐熱性、成形性、寸法安定性、剛性、柔軟性、積層適性、価格等の観点から、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂を用いることが特に好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリテトラメチレンテレフタレート等を挙げることができる。ポリカーボネート樹脂としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとジフェニルカーボネートとを反応させて得られるポリカーボネート系樹脂、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとジメチルカーボネートとを反応させて得られるポリカーボネート系樹脂、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンとジエチルカーボネートとを反応させて得られるポリカーボネート系樹脂、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとジフェニルカーボネートとを反応させて得られるポリカーボネート系樹脂、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタンとジフェニルカーボネートとを反応させて得られるポリカーボネート系樹脂等を挙げることができる。ポリメタクリル酸メチル系樹脂としては、ポリメタクリル酸メチル樹脂(メタクリル酸メチルの単独重合体)やメタクリル酸メチルを優位量使用し、メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体とを共重合した合成樹脂を挙げることができる。この中でも、取り扱い易さ、低価格等の観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートが特に好ましい。
プラスチック基材の厚さは、特に限定されず、用途に応じて、適宜選択することができる。通常10μm〜500μm程度であるが、好ましくは10μm〜300μmであり、より好ましくは10μm〜200μmである。
プラスチック基材の形成方法は、特に限定されず、例えば、溶液流延法、溶融押出法、カレンダー法等の従来公知の製膜方法を用いることができる。また、上記方法によりあらかじめフィルム状に製膜された市販のプラスチック基材を使用してもよい。
なお、プラスチック基材には、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の公知の易接着処理を行ってもよい。これにより、無機酸化物の蒸着膜からなる層等のバリア層3や透明導電性膜層5との密着性を向上させることができる。
[粘着シート]
本発明に係るプラスチック基材貼合用の粘着シート10は、図1に示すように、アクリル系粘着剤と、環状構造を含まないイソシアネート系架橋剤とを少なくとも含む粘着剤で形成された粘着層2を備えた粘着シートである。そして、その粘着層2の損失正接(105℃)が0.35以上、0.60以下の範囲内であり、貯蔵弾性率(105℃)が5.5×10Pa以上、8.9×10Pa以下の範囲内である。
プラスチック基材貼合用の粘着層2は、例えばプラスチック基材貼合用の粘着剤を基材シート上に塗布し、重合溶剤等を乾燥除去することにより形成することができる。プラスチック基材貼合用の粘着剤の塗布の際には、塗布用の希釈溶剤を、重合溶剤以外の溶剤として加えてもよい。粘着層2については、上記したとおりである。
プラスチック基材貼合用の粘着シート10やプラスチック基材貼合用の粘着層2は、光学用部材への適用が好ましく、特にタッチパネルを貼り合わせるための用途に用いることが好ましい。タッチパネル用のプラスチック基材貼合用の粘着シートは、例えば静電容量方式のタッチパネルの製造時に、ITO等の金属酸化物薄膜が設けられた透明導電フィルムと、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)板、ハードコートフィルム、ガラスレンズ等とを貼り合わせるために用いられる。タッチパネルの種類は特に限定されないが、例えば、携帯電話、タブレットコンピューター、携帯情報端末等を挙げることができる。
[画像表示装置]
本発明に係る画像表示装置20は、図2に示すように、上記した本発明に係るプラスチック基材貼合用の粘着剤で形成したプラスチック基材貼合用の粘着層2、又は上記プラスチック基材貼合用の粘着シート10を用いてタッチパネルであるカバーパネル3が貼り合わされている。この画像表示装置20は、本発明のプラスチック基材貼合用の粘着剤で形成したプラスチック基材貼合用の粘着層2又はプラスチック基材貼合用の粘着シート10でタッチパネルが貼り合わされているで、特に高温環境に晒された場合であっても、タッチパネルを構成するプラスチック基材の浮きや剥離を抑制することができる。
図2に示す画像表示装置20は、静電容量方式のタッチパネルの構成であり、画像表示素子6、透明電極5a、プラスチック基材貼合用の粘着層2a、透明電極5b、プラスチック基材貼合用の粘着層2b、加飾印刷4がされたタッチパネル3がその順で重ね合わされた構造形態を示している。こうしたタッチパネルは、指等で触れた際に、触れた位置の静電容量が変化し、その静電容量の変化量がある閾値を超えた場合にタッチセンサで検知する仕組みになっている。これらの各構成部材については、一般的なものを任意に選択して用いることができる。
画像表示素子6は、有機EL素子や液晶表示素子等の表示素子を挙げることができる。タッチパネル3は、通常、画像表示素子6側の面の一部に加飾印刷4が設けられている。タッチパネル3が携帯端末等に用いられる場合には、加飾印刷4は、外周縁の全周に帯状に、各種の印刷手段で設けられている。タッチパネル3の材質は特に限定されないが、ガラス板やプラスチック板を挙げることができる。プラスチック板としては、透明アクリル板(PMMA板)等を例示できる。なお、加飾印刷4によって、ガラス板やプラスチック板には5μm〜50μm程度の高さの段差が形成されるが、その段差は、印刷法、印刷条件、色の種類等によって任意の値になる。
画像表示素子6とタッチパネル3との間には、通常、所定のパターン形状を有する透明電極5a,5bが画像表示部の全面に形成されている。透明電極5a,5bのパターンは、指等で触れた際の静電容量の変化量を検知できるパターンで形成されている。透明電極5a,5bとしては、ITO等、各種の透明導電膜で形成されている。透明電極5a,5bと上記本発明のプラスチック基材貼合用の粘着層2とは対面するように積層され、いずれも画像表示素子6とタッチパネル3との間に設けられている。
このように構成された本発明に係る画像表示装置20は、タッチパネル3を構成するプラスチック基材の浮きやの剥離が生じにくいので、タッチパネル3が剥離した場合に起こり易い誤動作の発生を抑制することができる。
実施例と比較例により、本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
アクリル系粘着剤(商品名:EXK11−468、重量平均分子量:約25万、固形分:40%、TOYOCHEM社製)100質量部に対して、ヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤(商品名:BXX6450、固形分:100%、TOYOCHEM社製)を0.07質量部配合して粘着剤組成物を調整した。次に、その粘着剤組成物を、乾燥した厚さが250μmになるように、シリコーン剥離処理したPET製キャリアフィルム(商品名:POL502150、厚さ50μm、リンテック株式会社製)にアプリケーターにて塗布した。その後、80℃で15分乾燥した後に、さらに120℃で15分乾燥して粘着層を形成した。形成した粘着層上に、シリコーン剥離処理したPET製キャリアフィルム(商品名:POL501031、厚さ50μm、リンテック株式会社製)を貼合し、常湿常温(50%RH、25℃)で1週間エージングして粘着シートを得た。
得られた粘着シートを50mm×50mmのサイズに切り出した後、PET製キャリアフィルム(商品名:POL501031、リンテック株式会社製)を剥がし、表面にハードコート層が形成された厚さ1.0mmのポリカーボネート板(商品名:ユーピロンIMR05、三菱瓦斯化学株式会社製)にゴムローラーを用いて貼合した。次いで、もう一方のPET製キャリアフィルム(商品名:POL382050、リンテック株式会社製)を剥がし、露出した粘着層を、厚さが1.0mmでサイズが55mm×55mmで30μmの段差が形成されたガラスに自動貼合機を用いて貼り合わせた。こうして、ガラス板とポリカーボネート板との貼合体を得た。この貼合体に対し、50℃、0.5MPa、30分の条件にてオートクレーブ処理を行い、実施例1の評価用サンプルを作製した。なお、段差が形成されたガラスは、この実施例1では30μmの段差のものを用いたが、5μm〜50μm程度の段差が形成されたガラスに対しても同様に適用できる。
[実施例2,3及び比較例1〜4]
粘着剤を構成するヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤の配合量を、表1に示すように代えた他は、実施例1と同様にして、各評価用サンプルを作製した。
[比較例5〜7]
粘着剤を構成する架橋剤を、トリレンジイソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートL−45E、固形分:45%、日本ポリウレタン工業株式会社製)に代えると共に、その配合量を、表1に示すようにした。その他は、実施例1と同様にして、各評価用サンプルを作製した。
[比較例8〜10]
粘着剤を構成する架橋剤を、キシレンジイソシアネート系架橋剤(商品名:タケネートD110N、固形分:75%、三井化学株式会社製)に代えると共に、その配合量を、表1に示すようにした。その他は、実施例1と同様にして、各評価用サンプルを作製した。
[発泡評価]
得られた各評価用サンプルを、85℃・85%Rh、105℃dryのオーブンに150時間放置し、気泡(発泡)の発生の有無を目視で確認した。その結果を表1に示す。
Figure 2015025064
[貯蔵弾性率(E’)及び損失正接(tanδ)の測定]
得られた各評価用サンプルを用いて、粘着層の貯蔵弾性率(E’)及び損失正接(tanδ)を測定した。評価用サンプルを固体粘弾性アナライザー(製品名:RSA−III,ティー・エイ・インスツルメント社製)にセットし、JIS K7244−1に準拠した動的粘弾性測定法(アタッチメントモード:圧縮モード,周波数:1Hz,測定温度範囲:−50〜150℃)により、貯蔵弾性率(E’)及び損失正接(tanδ又はtanΔ)を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2015025064
発泡が認められなかった実施例1〜3の粘着層は、105℃での損失正接が0.35以上、0.60以下の範囲内において、105℃での貯蔵弾性率(E’)が6.46×10〜8.40×10Paであり、105℃での損失正接(tanδ)が0.373〜0.568であった。
表1及び表2に示す結果より、アクリル系粘着剤と、環状構造を含まないイソシアネート系架橋剤とを少なくとも含む粘着剤で形成した粘着層2の損失正接(105℃)が0.35以上、0.60以下の範囲内であり、貯蔵弾性率(105℃)が5.5×10Pa以上、8.9×10Pa以下の範囲内である場合に、発泡が見られず、プラスチック基材の浮きや剥離も生じなかった。
1 セパレーター(剥離フィルム)
2 プラスチック基材貼合用の粘着層
3 カバーパネル(タッチパネル)
4 加飾印刷
5 透明電極
6 画像表示素子
10 プラスチック基材貼合用の粘着シート
20 画像表示装置

Claims (3)

  1. アクリル系粘着剤と、環状構造を含まないイソシアネート系架橋剤とを少なくとも含む粘着剤であって、前記粘着剤で形成した粘着層の損失正接(105℃)が0.35以上0.60以下の範囲内であり、貯蔵弾性率(105℃)が5.5×10Pa以上8.9×10Pa以下の範囲内であることを特徴とするプラスチック基材貼合用の粘着剤。
  2. アクリル系粘着剤と、環状構造を含まないイソシアネート系架橋剤とを少なくとも含む粘着剤で形成された粘着シートであって、前記粘着層の損失正接(105℃)が0.35以上0.60以下の範囲内であり、貯蔵弾性率(105℃)が5.5×10Pa以上8.9×10Pa以下の範囲内であることを特徴とするプラスチック基材貼合用の粘着シート。
  3. 請求項1に記載のプラスチック基材貼合用の粘着剤又は請求項2に記載のプラスチック基材貼合用の粘着シートを用いてプラスチック基材が表示面に貼り合わされていることを特徴とする画像表示装置。
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