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JP2015020484A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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JP2015020484A JP2013148296A JP2013148296A JP2015020484A JP 2015020484 A JP2015020484 A JP 2015020484A JP 2013148296 A JP2013148296 A JP 2013148296A JP 2013148296 A JP2013148296 A JP 2013148296A JP 2015020484 A JP2015020484 A JP 2015020484A
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Abstract

【課題】 走行モードの切替時に、駆動トルクが要求駆動力よりも不足することを防止するとともに応答性を向上させる。
【解決手段】 エンジンに連結されたキャリヤと、第1モータ・ジェネレータに連結されたサンギヤと、第2モータ・ジェネレータに連結されたリングギヤとを有する動力分割機構と、キャリヤを固定するブレーキとを備え、ブレーキを開放させてエンジンで走行する第1走行モードと、ブレーキを係合させて両モータ・ジェネレータ2,3で走行する第2走行モードと、第2モータ・ジェネレータのみで走行する第3走行モードとに設定できるハイブリッド車両の制御装置において、第1走行モードから第2走行モードへの切り替えを禁止する(ステップS5)とともに、ブレーキを係合完了させた後に第3走行モードから第2走行モードへ切り替える(ステップS6)ように構成されている。
【選択図】図7

Description

この発明は、動力源としてエンジンおよびモータを搭載したハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、エンジンおよびモータを搭載したハイブリッド車両のうち、動力源として機能する二つのモータを備え、そのモータが発電機能を有するように構成された車両が知られている。その車両の動力伝達装置には、複数の回転要素からなる差動機構により構成された動力分割機構が含まれ、その動力分割機構は、三つの回転要素による差動作用を生じ、いずれか一つの回転要素がエンジンと連結され、他の一つの回転要素が第1モータと連結され、更に他の一つの回転要素が駆動輪および第2モータと連結されることも知られている。そして、エンジンが出力した動力を、動力分割機構によって発電機能を有する第1モータ側と、駆動輪に接続された出力部材側とに分割して伝達し、かつ第1モータが反力を生じることによりそのモータの回転数に応じてエンジンの回転数を適宜に制御することができる。このようにエンジンが出力する動力により走行する走行モードの他に、エンジンを停止させてモータが出力する動力のみにより走行する走行モードを設定することができるように構成されている。
その種のツーモータ式ハイブリッド車両として、エンジンのクランクシャフトを固定するためのクラッチを備え、設定される走行モードに応じてクラッチの作動を制御する構成が、特許文献1および特許文献2に開示されている。それらの文献に記載された構成では、エンジンからの出力によって走行するトルク変換運転モードおよび充放電運転モードの場合にはクラッチを開放させ、他方、エンジンを停止して二つのモータからの出力によって走行するモータ運転モードの場合にはクラッチを係合させるように構成されている。また、特許文献1には、駆動軸に出力すべき要求トルクに基づいて二つのモータを駆動制御し、かつクラッチを制御することが記載されている。特許文献2には、エネルギ効率を考慮して二つのモータにおけるトルク配分を制御することが記載されている。
特開2008−265598号公報 特開2008−265600号公報
しかしながら、各特許文献に記載された構成では、クラッチを開放させてエンジンから動力を出力して走行している状態から、クラッチを係合させるとともにエンジンを停止させ、かつ両方のモータから動力を出力して走行する状態に切り替わる際、駆動トルクが抜ける可能性がある。具体的には、各文献に記載された充放電運転モードで走行中、要求トルクが各モータの最大トルクの合算値以内となった場合にモータ運転モードへの切替を実施すると、その切替動作中は、エンジンの回転を停止させるために第1モータを制御し、かつクラッチが開放しているので、過渡的に第2モータからの出力のみで走行することになり、その要求トルクが、第2モータから出力可能な最大トルクよりも大きい場合や、第2モータの出力可能な最大トルクから所定の始動に必要なトルクを差し引いたトルクよりも大きい場合には、その要求トルクを満たすことができず駆動トルクが不足してしまう。このような一時的な駆動トルクの不足が、いわゆるトルク抜けと称される状態である。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであって、複数の走行モードに設定できるハイブリッド車両の制御装置において、走行モードの切替時に駆動トルクが抜けることを低減できる制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に係る発明は、エンジンに連結された第1回転要素と、発電機能を有する第1モータに連結された第2回転要素と、第2モータおよび出力部材に連結された第3回転要素とを有し、各回転要素が差動作用を生じる差動機構と、前記第1回転要素を選択的に固定する固定手段とを備え、前記固定手段を開放させて少なくとも前記エンジンが出力する動力により走行する第1走行モードと、前記固定手段を係合させて前記第1モータおよび第2モータが出力する動力により走行する第2走行モードと、前記第2モータが出力する動力のみにより走行する第3走行モードとを切り替えるように構成されたハイブリッド車両の制御装置において、前記第1走行モードから前記第2走行モードへの切り替えを禁止するとともに、前記固定手段を係合完了させた後に前記第3走行モードから前記第2走行モードへ切り替えるように構成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、駆動特性が異なる複数の走行モードを設定することができ、その走行モードの切り替え時に駆動トルクが要求駆動力よりも不足することを低減できるとともに、その切り替え応答性を向上させることができる。
この発明で対象とすることができるパワートレーンの一例を示したスケルトン図である。 ハイブリッド車両の制御装置に含まれる電子制御装置の一例を示したブロック図である。 図1に示すパワートレーンにおいて、エンジン走行モードに設定された場合を示した共線図である。 図1に示すパワートレーンにおいて、ツーモータ走行モードに設定された場合を示した共線図である。 駆動特性が異なる複数の走行モードにおける走行領域を示した切り替えマップ図である。 固定手段の状態および油温に応じたしきい時間を示した説明図である。 ツーモータ走行領域の設定の有無を判定するための制御フローの一例を示したフローチャート図である。 走行モード切替時における車両の運転状態の一例を示したタイムチャート図である。 この発明で対象とすることができるパワートレーンの変形例を示したスケルトン図である。 図9に示すパワートレーンにおいて、各走行モードおよび後進状態での固定手段の係合状態および開放状態と、各モータ・ジェネレータの動作の状態とを示した表図である。 走行モード切替時における車両の運転状態の一例を示したタイムチャート図である。 図9に示すパワートレーンにおいて、エンジン走行モードに設定された場合を示した共線図である。 図9に示すパワートレーンにおいて、ツーモータ走行モードに設定された場合を示した共線図である。
以下、この発明を具体的に説明する。この発明で対象とする車両は、いわゆるツーモータ式ハイブリッド車両であって、種類の異なる動力源としてエンジンおよび二つのモータが搭載されている。この発明の一例におけるハイブリッド車両の制御装置は、駆動特性が異なる複数の走行モードを設定できるとともに、その走行モードを切り替える制御を実行するように構成されている。図1は、この発明で対象とすることができるパワートレーンの一例を示している。図1に示すように、車両Veは、動力源として、燃料を燃焼させて動力を出力するエンジン(ENG)1と、電力が供給されて動力を出力する機能と機械的な外力によって強制的に回転させられて発電する機能とを有する第1モータ・ジェネレータ(MG1)2および第2モータ・ジェネレータ(MG2)3とを備えている。エンジン1は、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンやガスエンジンなど、燃料を使用する内燃機関である。モータ・ジェネレータ2,3は、図示しない蓄電装置から電力を供給されて駆動し、あるいは発電した電力を蓄電装置へ供給するように構成されている。
エンジン1から車軸11に到る動力伝達経路中には、エンジン1が出力した動力を、第1モータ・ジェネレータ2側と車軸11と一体回転するように連結された図示しない駆動輪側とに分割する動力分割機構5が設けられている。動力分割機構5は、複数の回転要素を有し差動作用を生じる差動機構によって構成され、図1に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構により構成されている。その動力分割機構5は、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)4と同一の軸線上に配置され、三つの回転要素として、外歯歯車であるサンギヤ5sと、サンギヤ5sに対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤ5rと、サンギヤ5sおよびリングギヤ5rと噛み合った状態で配置されているピニオンギヤを自転可能かつ公転可能に保持しているキャリヤ5cと備えている。サンギヤ5sに第1モータ・ジェネレータ2のロータ2aが一体回転するように連結されている。その第1モータ・ジェネレータ2は、動力分割機構5に隣接して配置され、かつ軸線方向で動力分割機構5に対してエンジン1とは反対側に配置されている。キャリヤ5cにエンジン1の出力軸4が一体回転するように連結されている。リングギヤ5rにドライブギヤ6が一体回転するように連結されている。そのドライブギヤ6は、軸線方向でエンジン1と動力分割機構5との間に配置されている。
また、キャリヤ5rの回転を選択的に止めるように構成されたブレーキBが、エンジン1から動力分割機構5に到る動力伝達経路中に設けられている。すなわち、キャリヤ5rとエンジン1の出力軸4とは一体回転するように連結されているから、ブレーキBは、エンジン1の出力軸4の回転を止める固定手段として機能する。ブレーキBは、例えば油圧によって係合する摩擦ブレーキによって構成されている。なお、軸線方向ではエンジン1と動力分割機構5との間にブレーキBが配置されている。また、出力軸4の延長軸線上にオイルポンプ(OP)12が配置されている。オイルポンプ12は、潤滑や制御のための油圧を発生するためのものであり、出力軸4がオイルポンプ12に連結されており、エンジン1によってオイルポンプ12を駆動し、油圧を発生させるように構成されている。
また、リングギヤ5rと一体回転するドライブギヤ6は、カウンタギヤ機構7を介して終減速機であるデファレンシャル10に連結されている。カウンタギヤ機構7は、動力分割機構5や第1モータ・ジェネレータ2などの回転中心軸線と平行に配置されたカウンタシャフト7bと、そのカウンタシャフト7bに一体回転するように取り付けられたカウンタドリブンギヤ7aおよびカウンタドライブギヤ7cとから構成されている。すなわち、ドライブギヤ6はカウンタドリブンギヤ7aに噛み合っている。カウンタドリブンギヤ7aは、ドライブギヤ6より小径のギヤであり、動力分割機構5からカウンタシャフト7bに向けてトルクを伝達する場合に減速作用(トルクの増幅作用)が生じる。カウンタドライブギヤ7cは、カウンタドリブンギヤ7aよりも小径のギヤであり、デファレンシャル10のリングギヤ9に噛み合っている。リングギヤ9は、カウンタドライブギヤ7cよりも大径のギヤである。そして、デファレンシャル10から左右の車軸11を介して左右の駆動輪に動力を伝達するように構成されている。なお、図1では作図の都合上、デファレンシャル10の位置を図1における右側にずらして記載してある。
さらに、第2モータ・ジェネレータ3は、回転中心軸線がカウンタシャフト7bと平行になるように配置されている。第2モータ・ジェネレータ3のロータ3aと一体回転するように連結されたリダクションギヤ8が、カウンタドリブンギヤ7aに噛み合っている。リダクションギヤ8は、カウンタドリブンギヤ7aより小径であり、第2モータ・ジェネレータ3のトルク(MG2トルク)を増幅してカウンタドリブンギヤ7aもしくはカウンタシャフト7bに伝達するように構成されている。すなわち、例えばエンジン1からの動力で走行している場合など、動力伝達機構5から駆動輪側に伝達されるトルクに、MG2トルクを付加できるように構成されている。
なお、図1に示すパワートレーンを備えた車両において、各モータ・ジェネレータ2,3は、図示しないインバータなどのコントローラを介して蓄電池などの蓄電装置に接続されている。そして、各モータ・ジェネレータ2,3はモータとして機能し、また発電機として機能するように、電子制御装置によって電流が制御される。また、エンジン1は、電子制御装置によってスロットル開度や点火時期が制御され、さらには自動停止ならびに始動再始動の制御が行われる。
ここで、図2を参照して、車両Veにおける各種制御を実施するコントローラとしての電子制御装置について説明する。図2に示すように、車両Veに搭載された電子制御装置として、走行のための全体的な制御を行うハイブリッド制御装置(以下「HV−ECU」という)21と、各モータ・ジェネレータ2,3を制御するためのモータ・ジェネレータ制御装置(以下「MG−ECU」という)22と、エンジン1を制御するためのエンジン制御装置(以下「ENG−ECU」という)23とが設けられている。これらの各ECU21,22,23は、マイクロコンピュータを主体にして構成され、入力されたデータおよび予め記憶させられているデータを使用して演算を行い、その演算結果を制御指令信号として出力するように構成されている。なお、以下の説明では、各ECU21,22,23を区別する必要がない場合には単にECUと記載して説明する場合がある。
その入力データの例を挙げると、HV−ECU21には、車速、アクセル開度、第1モータ・ジェネレータ2の回転数(MG1回転数)、第2モータ・ジェネレータ3の回転数(MG2回転数)、リングギヤ5rの回転数(出力軸回転数)、エンジン1の回転数、蓄電装置の充電容量(SOC)などがHV−ECU21に入力されている。また、HV−ECU21から出力される指令信号の例を挙げると、第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値、第2モータ・ジェネレータ3のトルク指令値、エンジン1のトルク指令値、ブレーキBの油圧指令値PBなどがある。
その第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値および第2モータ・ジェネレータ3のトルク指令値は、MG−ECU22に制御データとして入力される。MG−ECU22は、それらのトルク指令値に基づいて演算を行って第1モータ・ジェネレータ2や第2モータ・ジェネレータ3の電流指令信号を出力するように構成されている。また、エンジントルク指令信号は、ENG−ECU23に制御データとして入力される。ENG−ECU23は、エンジントルク指令信号に基づいて演算を行って電子スロットルバルブ(図示せず)に対してスロットル開度信号を出力し、また点火時期を制御する点火信号を出力するように構成されている。
図1に示すパワートレーンを搭載した車両Veでは、各ECU21,22,23による制御によって、駆動特性の異なる複数の走行モードを設定することができる。すなわち、この発明で対象とする制御装置は、エンジン1が出力する動力により走行するエンジン走行モード(第1走行モード)と、両モータ・ジェネレータ2,3が出力する動力により走行するツーモータ走行モード(第2走行モード)と、第2モータ・ジェネレータ3が出力する動力のみで走行するワンモータ走行モード(第3走行モード)とを選択できるように構成されている。
エンジン走行モードでは、要求駆動力を満たすパワーをエンジン1が出力するように制御され、燃費が良好になるようにエンジン1の回転数が制御される。具体的には、エンジン走行モードでは、ブレーキBを開放させ、エンジン1が出力した動力が動力分割機構5において第1モータ・ジェネレータ2側にドライブギヤ6側とに分割され、ドライブギヤ6側に分割された動力はカウンタシャフト7bを介してデファレンシャル10に伝達される。さらに、動力分割機構5を介して第1モータ・ジェネレータ2側に伝達された動力は、第1モータ・ジェネレータ2により一旦電力に変換された後に第2モータ・ジェネレータ3で機械的な動力(MG2トルク)に変換され、そのMG2トルクがカウンタドリブンギヤ7aやカウンタシャフト7b等を介してデファレンシャルギヤ10に伝達される。
また、エンジン走行モードを周知の共線図を用いて示すと、図3に示す通りである。図3に示すように、エンジン走行モードでは、入力要素であるキャリヤ5cにエンジン1のトルクが作用し、出力要素であるリングギヤ5rに走行抵抗に相当するトルクが作用している。この状態で、反力要素であるサンギヤ5sに第1モータ・ジェネレータ2のトルクを負方向(エンジントルクの作用方向とは反対の方向)を作用させると、リングギヤ5rに正方向のトルクが生じる。第1モータ・ジェネレータ2による負方向のトルクは、第1モータ・ジェネレータ2が正回転(エンジン1と同じ方向の回転)している状態では、第1モータ・ジェネレータ2を発電機として機能させることにより生じる。したがって、第1モータ・ジェネレータ2で電力が生じ、その電力が第2モータ・ジェネレータ3に供給されて第2モータ・ジェネレータ3がモータとして動作し、そのMG2トルクがエンジン1からのトルクに合算されて車軸11に伝達される。すなわち、いわゆるハイブリッド走行では、図3に示すリングギヤ5rに作用する正方向のトルクには、エンジントルクにMG2トルクが付加されている。
なお、共線図は、差動機構が有する複数の回転要素を縦線で示し、縦線同士の間隔をその縦線で示される回転要素同士の変速比(ギヤ比)に対応した間隔として、それらの回転要素の回転数を縦線方向の長さによって表した周知の図である。この具体例の動力分割機構5は、シングルピニオン型遊星歯車機構により構成されているので、共線図においては、左側に第1モータ・ジェネレータ2が連結されたサンギヤ5sを表す縦線、右側に第2モータ・ジェネレータ3が連結されたリングギヤ5rを表す縦線が位置し、これら縦線の間にエンジン1に連結されたキャリヤ5cを表す縦線が位置している。
ツーモータ走行モードでは、要求駆動力を満たすパワーを二つのモータ・ジェネレータ2,3が出力するように制御され、エンジン1は駆動トルクを出力していない。具体的には、ツーモータ走行モードでは、ブレーキBを係合させ、エンジン1の出力軸4を固定させた状態で、蓄電装置の電力を使用して両モータ・ジェネレータ2,3から動力を出力する。すなわち、第1モータ・ジェネレータ2は負回転方向に駆動され、かつ第2モータ・ジェネレータ3が正回転方向に駆動され、MG1トルクおよびMG2トルクがカウンタシャフト7bを介して車軸11に伝達され、車両が前進走行する。したがって、エンジン1を連れ回すことによる動力損失を回避するために、ツーモータ走行モードでは、ブレーキBを係合させてエンジン1の回転を止めている。このツーモータ走行モードを示す共線図を図4に示してある。図4に示すように、ツーモータ走行モードでは、入力要素であるサンギヤ5sに負方向のMG1トルクが作用し、反力要素であるキャリヤ5cがブレーキBにより固定され、出力要素であるリングギヤ5rに正方向のMG2トルクが作用している。すなわち、MG1トルクは、リングギヤ5rに正方向のトルクとして作用する。したがって、両モータ・ジェネレータ2,3はモータとして機能し、ギヤ比に応じたMG1トルクおよびMG2トルクが車軸11に伝達される。
ワンモータ走行モードでは、要求駆動力を満たすパワーを第2モータ・ジェネレータ3のみで出力するように制御される。すなわち、蓄電装置の電力で第2モータ・ジェネレータ3が正回転方向に駆動され、駆動トルクとしてMG2トルクのみがカウンタシャフト7bを介して車軸11に伝達され、車両が前進走行する。また、ワンモータ走行モードでは、エンジン1はトルクを出力しない停止状態に制御されている。したがって、ワンモータ走行モードでは、ブレーキBを係合あるいは開放させることができる。例えば、ワンモータ走行モード中にブレーキBを開放させている場合には、サンギヤ5sに連結されている第1モータ・ジェネレータ2を制御して、キャリヤ5cに連結されているエンジン1の回転を制御することができる。一方、ブレーキBを係合させてエンジン1を回転不能に固定している場合、サンギヤ5sに連結されている第1モータ・ジェネレータ2が逆回転するから、減速時に第1モータ・ジェネレータ2を発電機として機能させれば、エネルギを回生しつつ制動力を発生させることができる。さらに、そのワンモータ走行モードのうちブレーキBが係合状態であれば、その状態で第1モータ・ジェネレータ2に蓄電装置から給電して負方向のトルク(MG1トルク)を生じさせて、MG1トルクがリングギヤ5rに正回転方向のトルクとして作用し、MG2トルクに合算されて車軸11に伝達される。すなわち、車両Veの走行モードは、ワンモータ走行モードからツーモータ走行モードに切り替わる。
ここで、走行モードの切替制御について説明する。図5は、車速を横軸、要求駆動力を縦軸として、走行モードが設定される運転領域を示す図である。図5に示すように、ワンモータ走行モードを実行する領域(ワンモータ走行領域)Iと、ツーモータ走行モードを実行する走行領域(ツーモータ走行領域)IIと、エンジン走行モードを実行する領域(エンジン走行領域)IIIとが、車速と要求駆動力とにより決定される。要求駆動力は、アクセル開度と車速とに応じて予め定められている。また、要求駆動力は、車両の動力性能もしくは動力特性を決める要因になるものであり、車種ごと、もしくは車格ごとに設計上、定めることができる。
例えば、アクセル開度がある程度以上に大きい場合、あるいは車速がある程度以上の高車速の場合、要求駆動力および車速により決定される動作点(運転領域)が、エンジン走行領域III内に含まれるので、エンジン走行モードに設定される。これに対して、アクセル開度が小さいことにより要求駆動力が小さい場合、上記の動作点はワンモータ走行領域I内となるから、ワンモータ走行モードに設定されてエンジン1が停止される。また、要求駆動力がこれらエンジン走行領域IIIとワンモータ走行領域Iとの間にある場合には、上記の動作点はツーモータ走行領域IIになり、ツーモータ走行モードに設定することが可能になる。このツーモータ走行領域IIで、第1および第2のモータ・ジェネレータ2,3に蓄電装置から給電してこれらのモータ・ジェネレータ2,3がモータとして機能するように制御される。したがって、ワンモータ走行モードもしくはツーモータ走行モードは、蓄電装置に充電量(State of Charge:SOC)が十分にあること、第2モータ・ジェネレータ3がトルクを出力できる状態になっていること、エンジン1を停止してもよい状態になっていることなどの条件が成立している場合に実行される。
そして、車両Veが走行している場合、登降坂路などの道路状況や交通量あるいは規制速度の変化などの走行環境に応じてアクセル操作が行われ、また車速が変化するから、車両の運転領域(動作点)が変化し、それに伴って走行モードが切り替えられる。すなわち、図5は、走行モード切替用のマップとして機能し、車両Veの運転領域が図5に示す走行領域の境界を跨ぐことにより、走行モードを切り替えられることができる。例えばアクセル開度が減じられた場合には、図5に矢印aで示すように、車両Veの運転領域はエンジン走行領域IIIからツーモータ走行領域IIに変化する。あるいは、アクセル開度が一定の状態で走行負荷により減速している場合には、図5に矢印bで示すように、その運転領域がエンジン走行領域IIIからツーモータ走行領域IIに変化する。反対に、ワンモータ走行領域Iの状態でアクセル開度が増大させられた場合には、車両の運転領域はワンモータ走行領域Iからツーモータ走行領域IIに変化する。これらの運転領域の変化に伴う走行モードの切り替えのための制御は、前述したECU21,22,23によって実行される。
それらECU21,22,23によって実行される走行モードの切り替え制御の一例について、図7を参照して説明する。図7に示すように、制御装置は、エンジン1の暖機が終了したか否かを判別する(ステップS1)。このステップS1の判別処理は、モータ作動よりもエンジン作動を優先する必要がなくなったか否かを判別している。また、ステップS1において、蓄電装置のSOCが所定値以上であるか否かを判別する処理を実行するように構成されてもよい。すなわち、ステップS1では、車両Veがワンモータ走行モードあるいはツーモータ走行モードに設定可能であるか否かを判別している。そして、エンジン1の暖機が終了していないことによりステップS1で否定的に判断された場合、エンジン走行モードを継続し(ステップS7)、このルーチンを終了する。
エンジン1の暖機が終了したことによりステップS1で肯定的に判断された場合、現在のブレーキBの状態を検出して(ステップS2)、アクセル開度が低開度側へ戻されたか否かを判別する(ステップS3)。ブレーキBの状態とは、係合状態もしくは開放状態(スタンバイ状態を含む)である。ステップ2の処理では、油圧指令値PBを検出し、あるいは図示しない油圧センサなどにより現在のブレーキBの状態を検出してもよい。ステップS3の判別処理では、アクセルペダルの踏み込み量が減少すること(アクセル戻り)を検出したか否かを判別する。すなわち、加速要求を検出したか否かを判別するように構成されている。アクセル開度が低開度側に戻されたことによりステップS3で肯定的に判断された場合、ツーモータ走行領域を設定する(ステップS6)。ツーモータ走行領域を設定するとは、走行モードの切替制御時に、図5に示すツーモータ走行領域IIが設定された切替マップが用いられることである。
一方、アクセル開度が低開度側に戻されなかったことによりステップS3で否定的に判断された場合、前述したステップS2で検出したブレーキBの状態が、係合状態またはスタンバイ状態であるか否かを判断する(ステップS4)。スタンバイ状態とは、ブレーキBの油圧が供給されて係合部材同士の間隔が詰められている状態である。すなわち、ブレーキBの油圧を低圧待機させて、ブレーキBでトルク容量を生じていない状態のことをスタンバイ状態という。一方、係合状態では、ブレーキBでトルク容量が生じている。例えば、ステップS4の処理は、出力した油圧指令値PBとブレーキBを係合完了させる所定油圧との偏差が所定値以内であるか否かにより判断するように構成されている。あるいは、係合完了させるための目標油圧と実際の油圧との偏差を比較して判断するように構成されてもよい。
ブレーキBが係合状態あるいはスタンバイ状態であることによりステップS4で肯定的に判断された場合、前述したステップS6に進む。この場合、エンジン走行モードからツーモータ走行モードに切り替わる制御を実行することが許可される。また、前述したステップS4の判断処理は、後述するスタンバイ制御開始からの経過時間がしきい時間を超えたか否かを判断するように構成され、その経過時間がしきい時間を超えた場合に、ブレーキBがスタンバイ状態であると判断するように構成されてもよい。この場合、ステップS4の処理で用いられるしきい時間は、図6に実線L1で示すように設定することができる。なお、ブレーキBに供給される作動油は、油温が低いと流動性が低下し、他方、油温が高いと流動性が増すため、図6に実線L1で示すように、油温が低い場合にはしきい時間が長くなり、油温が低い場合にはしきい時間が短くなるように設定されている。また、図6に破線L0でスタンバイ状態から係合完了状態に移行したか否かを判断する処理で用いることができるしきい時間を示してある。例えば、ステップS4の判断処理は、スタンバイ状態から係合完了制御を開始する場合、その係合完了制御開始からの経過時間が、その破線L0で設定されたしきい時間を超えたか否かを判断するように構成され、その経過時間がしきい時間を超えた場合に、ブレーキBが係合完了状態であると判断するように構成されてもよい。
一方、ブレーキBが係合状態あるいはスタンバイ状態でないことによりステップS4で否定的に判断された場合、ツーモータ走行領域の設定を禁止する(ステップS5)。例えば、図5に示す切替マップ上からツーモータ走行領域IIを削除した状態の切替マップを用いて走行モードの切替制御を実施するように構成されている。あるいは、その切替制御時に、図5に示すツーモータ走行領域IIが存在する切替マップを用いて、エンジン走行モードからツーモータ走行モードへの切替を禁止する指示信号を出力するように構成されてもよい。そして、ステップS5においてツーモータ走行領域IIの設定を禁止して、このルーチンを終了する。
ここで、走行モードの切替制御が実行された車両Veの運転状態、特に、上述したツーモータ走行領域IIの設定が禁止された場合について説明する。図8には、アクセル開度が一定で、車両Veが走行負荷により徐々に減速している状態からの走行モード切替を実施した場合のタイムチャートが示されている。まず、車両Veは、エンジン走行モードに設定されており、ブレーキBが開放された状態に制御されている。この制御状態から、アクセル開度が一定のまま走行負荷で減速することにより、車速Vが所定車速V2に低下する(時刻t1)。例えば、所定車速V2は、時刻t1のアクセル開度におけるエンジン走行領域IIIとツーモータ走行領域IIとの境界値となる車速である。例えば、時刻t1では、図5に矢印bで示すように、運転領域が、エンジン走行領域III内からツーモータ走行領域II内へと移る切替マップ上の境界にあることを示している。また、時刻t1において、前述したステップS5の制御を実行することにより、エンジン走行モードからツーモータ走行モードに切り替えることを禁止する。すなわち、時刻t1においてツーモータ走行モードへの切替は実施されず、時刻t1以前と同様にエンジン走行モードに設定された状態を維持させる。なお、図8に示す例では、エンジン水温が、所定水温temp1よりも高温であって、図7を参照して前述したステップS1の判断処理でモータ走行が可能であると判定された状態の制御例を示している。
そして、時刻t1後に車両Veが走行負荷によりさらに減速すると、車速Vは所定車速V1に低下する(時刻t2)。所定車速V1は、所定車速V2よりも低速に設定され、時刻t2のアクセル開度におけるワンモータ走行モードの境界値となる車速である。したがって、時刻t2において、車両Veの走行領域が、図5に示すワンモータ走行領域I内へ移ったと判断される。したがって、走行モードをワンモータ走行モードへ切り替えると判断され、その切替制御が実施されることにより、エンジン1は停止される。すなわち、時刻t1からt2間では、ツーモータ走行モードへの切り替え実施を禁止するように制御されている。
そのワンモータ走行モードへの切り替え制御として、エンジン1の出力を停止させて、第1モータ・ジェネレータ2の回転数を正方向の回転から負方向の回転へ増大させ、エンジン1の回転を停止させる制御が開始される(時刻t3)。そして、エンジン1の回転を停止させて、第1モータ・ジェネレータ2でトルクが生じないように制御し、かつ第2モータ・ジェネレータ3からの出力させるトルクを増大させる(時刻t4)。つまり、時刻t4において、ワンモータ走行モードへの切替が完了する。なお、時刻t3からt4間では、第1モータ・ジェネレータ2は、負方向のトルクを生じているので、第1モータ・ジェネレータ2が正方向に回転している場合には回生し、反対に負方向に回転している場合には力行する。
さらに、ワンモータ走行モードへの切替が完了すると、ブレーキBのスタンバイ制御が実施され、ブレーキBの油圧を増圧させる(時刻t5)。このスタンバイ制御では、ブレーキBの油圧を、ブレーキBがトルク容量を発生しない程度の油圧(スタンバイ油圧)に増圧させる。すなわち、ブレーキBにおける係合部材同士の間隔が詰まる範囲内で油圧が増大される。なお、図8に示す油圧は、目標油圧であってもよい。そして、アクセルペダルが踏み込まれアクセル開度が高開度側に変化したことを検出すると、ツーモータ走行モードへの切替動作を実施する(時刻t6)。具体的には、ブレーキBは、トルク容量を発生する油圧もしくは係合完了する係合圧に増圧され、係合完了する。すなわち、時刻t6以降は、ツーモータ走行モードに設定された状態で、第1モータ・ジェネレータ2で負方向のトルクを生じ、両モータ・ジェネレータ2,3がモータとして機能するため、第2モータ・ジェネレータ3のみのトルクを駆動トルクに用いる場合に比べ大きな駆動トルクを出力でき、車速Vが上昇する。このように、エンジン走行モードからツーモータ走行モードへのモード切替を禁止することにより、ツーモータ走行モードへの切り替えタイミングが、上述した時刻t1から時刻t6に変更されるように構成されている。具体的には、ブレーキBが係合完了した後にワンモータ走行モードからツーモータ走行モードへ切り替えられるように構成されている。
次に、この発明で対象とすることができるパワートレーンの変形例について説明する。図9には、変形例におけるパワートレーンの例を示す。図9に示すように、エンジン1と動力分割機構5との間に変速部13を追加したパワートレーンである。変速部13は、直結段と増速段(オーバードライブ(O/D)段)とに切り替えられるように構成されている。具体的には、変速部13は、シングルピニオン型の遊星歯車機構により構成され、キャリヤ13cにエンジン1の出力軸4が連結され、リングギヤ13rが動力分割機構5におけるキャリヤ5cに一体となって回転するように連結されている。そして、サンギヤ13sとキャリヤ13cとの間に、これらを連結し、またその連結を解除するクラッチC1が設けられている。また、サンギヤ13sを固定し、またその固定を解除するブレーキB1が設けられている。これらのクラッチC1およびブレーキB1は、例えば油圧によって係合する摩擦係合機構によって構成することができる。
また、変速部13は、クラッチC1が係合することにより二つの回転要素であるサンギヤ13sとキャリヤ13cとが連結されている遊星歯車機構の全体が一体となって回転し、増速作用および減速作用の生じない状態、いわゆる直結状態となる。したがって、クラッチC1に加えてブレーキB1を係合させることにより、変速部13の全体が一体となって固定され、動力分割機構5におけるキャリヤ5cおよびエンジン1の回転が止められる。これに対して、ブレーキB1のみを係合させれば、変速部13におけるサンギヤ13sが固定要素、キャリヤ13cが入力要素となるので、出力要素であるリングギヤ13rがキャリヤ13cより高回転数でキャリヤ13と同方向に回転する。すなわち、変速部13が増速機構として機能する。言い換えれば、変速部13においてO/D段が設定される。また、図9に示す構成では、エンジン1から駆動輪に到る動力伝達経路において、動力分割機構5の上流側に変速部13が設けられているものの、動力分割機構5より下流側の構成は、図1に示す構成と同様であるから、ツーモータ走行モードもしくはワンモータ走行モードなどのモータ走行モードを設定することができる。
これらの各走行モードおよび後進状態でのクラッチC1およびブレーキB1の係合および開放の状態、ならびに各モータ・ジェネレータ2,3の動作の状態を図10にまとめて示してある。各動作状態について簡単に説明すると、図10で「EV」はモータ走行モードを示し、上述したワンモータ走行モードでは、クラッチC1およびブレーキB1が開放させられるとともに、第2モータ・ジェネレータ3がモータとして動作させられ、かつ第1モータ・ジェネレータ2が発電機として機能させられる。なお、第1モータ・ジェネレータ2は空転させてもよい。このワンモータ走行モードで動力源ブレーキ作用(エンブレ作用)を生じさせる場合には、クラッチC1およびブレーキB1の両方が係合させられて、変速部13におけるサンギヤ13sおよびキャリヤ13cが固定、すなわち動力分割機構5のキャリヤ5cが固定される。
また、モータ走行モードのうち上述したツーモータ走行モードでは、第1モータ・ジェネレータ2のトルクがドライブギヤ6からカウンタドリブンギヤ7aに出力されるようにするために、クラッチC1およびブレーキB1が共に係合させられて動力分割機構5のキャリヤ5cが固定される。そのため、動力分割機構5が減速機として機能し、第1モータ・ジェネレータ2のトルクが増幅されてドライブギヤ6からカウンタドリブンギヤ7aに出力される。その状態を図12に共線図で示してある。
一方、図10に示す「HV」は、エンジン1を駆動しているハイブリッド駆動状態を示している。このハイブリッド駆動状態は、上述したエンジン走行モードに含まれ、車両Veが軽負荷かつ中高車速で走行している状態では、変速部13がO/D段(ハイ)に設定される。すなわち、クラッチC1が開放させられ、ブレーキB1が係合させられる。この状態を図11に共線図として示してある。この状態では、前述したように、第1モータ・ジェネレータ2によってエンジン回転数を燃費の良好な回転数に制御し、その場合に第1モータ・ジェネレータ2が発電機として機能して生じ電力が第2モータ・ジェネレータ3に給電されて第2モータ・ジェネレータ3がモータとして動作し、駆動トルクを出力する。また、低車速でアクセル開度が大きくなるなど、大きい駆動力が要求されている場合には、変速部13は直結(ロー)状態に制御される。すなわち、クラッチC1が係合させられ、かつブレーキB1が開放させられて変速部13の全体が一体となって回転する状態になる。なお、その状態であっても、第1モータ・ジェネレータ2が発電機として動作させられ、かつ第2モータ・ジェネレータ3がモータとして動作させられることに変わりはない。さらに、エンジン1を駆動して後進走行する場合、変速部13は直結(ロー)状態に制御され、また第1モータ・ジェネレータ2が発電機として動作させられ、かつ第2モータ・ジェネレータ3がモータとして動作させられる。この場合の車軸11の回転方向は、各モータ・ジェネレータ2,3の回転方向や回転数を制御することにより、後進走行方向に制御される。
その図9に示すパワートレーンを備えた車両Veにおける各種制御を実施する電子制御装置は、図2を参照して前述したECU21,22,23により構成されている。この変形例では、HV−ECU21から出力される指令信号が、前述したブレーキBの油圧指令値PBに替えて、変速部13におけるクラッチC1の油圧指令信号PC1やブレーキB1の油圧指令信号PB1が出力されるように構成されている。さらに、この変形例で実行される走行モードの切り替え制御例は、図7を参照して前述した制御フローと同様に実行される。この場合、前述したステップS2において、クラッチC1およびブレーキB1の状態が検出され、前述したステップS4において、クラッチC1およびブレーキB1が、いずれも係合状態であるか、あるいは少なくともいずれか一方がスタンバイ状態であるかを判断するように構成されている。そのステップS4の判断処理において、図6に示すしきい時間を用いて、制御開始からの経過時間によってブレーキB1およびクラッチC1の状態を判断するように構成されてもよい。例えば、この変形例では、図6に示す実線L1は、ブレーキB1およびクラッチC1のうちのいずれか一方がスタンバイ状態かつ他方が係合状態であるか否かを判別する際のしきい時間を示し、破線L2は、ブレーキB1およびクラッチC1がスタンバイ状態であるか否かを判別する際のしきい時間を示し、破線L0は、ブレーキB1およびクラッチC1が係合完了状態であるか否かを判別する際のしきい時間を示す。つまり、スタンバイ制御開始からの経過時間が、破線L2で設定されるしきい時間を超えた場合に、ブレーキB1およびクラッチC1がスタンバイ状態であると判断し、その経過時間が、実線L1で設定されるしきい時間を超えた場合には、ブレーキB1およびクラッチC1のうちの一方がスタンバイ状態で他方が係合完了状態であると判断するように構成することができる。この一方がスタンバイ状態で他方が係合完了状態である場合に、係合完了制御開始からの経過時間が破線L0で設定されたしきい時間を超えた場合に、クラッチC1およびブレーキB1が係合完了状態であると判断することができる。また、クラッチC1のトルク容量は、ブレーキB1のトルク容量よりも大きい。すなわち、クラッチC1とブレーキB1とでは、トルクの分担比が異なり、要求されるトルク容量が異なるため、十分なトルク容量となるタイミングが異なる。そのため、トルク容量が十分になるタイムラグを短縮するために、ツーモータ走行モードへの切り替えタイミングを変更するように制御して、応答性を向上させるように構成されている。
また、図13を参照して、この変形例のパワートレーンにおいて、上述したツーモータ走行領域IIの設定が禁止された場合の走行モードの切替制御が実行された車両Veの運転状態について説明する。図13に示す例は、図8を参照して上述した運転状態と同様に、アクセル開度が一定で、車両Veが走行負荷により徐々に減速している状態からの走行モード切替を実施した一例である。すなわち、図8に示す例では、エンジン走行モードでは開放されているブレーキBの油圧を増圧させる制御を実行したのに対して、図13に示す例では、エンジン走行モードで開放されているクラッチC1の油圧を増圧させる制御を実行する。また、この変形例では、ブレーキB1の油圧は係合圧に維持されている。なお、図13に示す時刻T1からT4までの制御は、図8を参照して説明した時刻t1からt4までの制御と同様に実行されてもよいため、ここでの説明を省略する。図13に示す時刻T5において、ツーモータ走行モードへ移行する準備制御として、クラッチC1のスタンバイ制御が実行される。そして、クラッチC1の油圧を所定のスタンバイ油圧に増大させて、アクセル開度が高開度側に変化したことを検出すると(時刻T6)、このクラッチC1の油圧をスタンバイ油圧よりも増大させて係合圧にさせ、クラッチC1の係合を完了させる。そのクラッチC1を係合完了させると、ツーモータ走行モードの運転状態に切り替わる(時刻T7)。時刻T7以降は、ツーモータ走行モードに設定された状態で、第1モータ・ジェネレータ2で負方向のトルクを生じ、両モータ・ジェネレータ2,3がモータとして機能するため、第2モータ・ジェネレータ3のみのトルクを駆動トルクに用いる場合に比べ大きな駆動トルクを出力でき、車速Vが上昇する。このように、エンジン走行モードからツーモータ走行モードへのモード切替を禁止することにより、ツーモータ走行モードへの切り替えタイミングが、上述した時刻T1から時刻T7に変更されるように構成されている。具体的には、ブレーキBおよびクラッチC1が係合完了した後にワンモータ走行モードからツーモータ走行モードへ切り替えられるように構成されている。すなわち、ワンモータ走行モードでは開放していた固定手段を係合完了させた後にツーモータ走行モードへ切り替えられるように構成されている。
以上、具体的に説明したように、この発明におけるハイブリッド車両の制御装置によれば、駆動特性が異なる複数の走行モードを設定することができ、その走行モードの切替時に駆動トルクが要求駆動力よりも不足することを防止できるとともに、その切り替え応答性を向上させることができる。
なお、動力源を構成しているエンジンと、第1モータ・ジェネレータと、第2モータ・ジェネレータとの動力性能もしくは駆動特性は互いに異なっている。例えば、エンジンは、低トルクかつ低回転数の領域から高トルクかつ高回転数の領域までの広い運転領域で運転でき、またエネルギ効率はトルクおよび回転数がある程度高い領域で良好になる。これに対してエンジンの回転数やエンジンの回転を停止させる際のクランク角度などの制御および駆動トルクとして作用する動力を出力する第1モータ・ジェネレータは、低回転数で大きいトルクを出力する特性を有する。また、駆動輪へトルクを出力する第2モータ・ジェネレータは、第1モータ・ジェネレータよりも高回転数で運転でき、かつ最大トルクが第1モータ・ジェネレータよりも小さい特性を有する。そのため、この発明で対象とする車両は、動力源を構成しているエンジンや各モータ・ジェネレータを有効に利用して、エネルギ効率あるいは燃費が良好になるように制御される。
1…エンジン(ENG)、 2…第1モータ・ジェネレータ(MG1)、 3…第2モータ・ジェネレータ(MG2)、 4…出力軸(クランクシャフト)、 5…動力分割機構、 5s…サンギヤ、 5c…キャリヤ、 5r…リングギヤ、 6…ドライブギヤ、 7…カウンタギヤ機構、 8…リダクションギヤ、 11…車軸、 B,B1…ブレーキ、 C1…クラッチ。

Claims (1)

  1. エンジンに連結された第1回転要素と、発電機能を有する第1モータに連結された第2回転要素と、第2モータおよび出力部材に連結された第3回転要素とを有し、各回転要素が差動作用を生じる差動機構と、
    前記第1回転要素を選択的に固定する固定手段とを備え、
    前記固定手段を開放させて少なくとも前記エンジンが出力する動力により走行する第1走行モードと、
    前記固定手段を係合させて前記第1モータおよび第2モータが出力する動力により走行する第2走行モードと、
    前記第2モータが出力する動力のみにより走行する第3走行モードとを切り替えるように構成されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記第1走行モードから前記第2走行モードへの切り替えを禁止するとともに、前記固定手段を係合完了させた後に前記第3走行モードから前記第2走行モードへ切り替えるように構成されていることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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