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JP2015003464A - ガスバリア性フィルム、その製造方法、およびこれを用いた電子デバイス - Google Patents

ガスバリア性フィルム、その製造方法、およびこれを用いた電子デバイス Download PDF

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Yuichiro Maehara
雄一郎 前原
廣瀬 達也
Tatsuya Hirose
達也 廣瀬
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Abstract

【課題】高温高湿条件下であっても十分なガスバリア性能を示すガスバリア性フィルムを提供する。【解決手段】基材、第1の層、第2の層、および第3の層をこの順に含み、前記第1の層は、ケイ素、アルミニウムおよびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の酸化物、窒化物、酸窒化物または酸炭化物の少なくとも1種を含み、かつ物理蒸着法により形成され、前記第2の層は、無機酸化物を含み、かつ原子層堆積法により形成され、前記第3の層は、ケイ素化合物を含有する液を塗布して形成される塗膜を改質処理して得られる、ガスバリア性フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア性フィルム、その製造方法、およびこれを用いた電子デバイスに関する。
従来、プラスチック基板やフィルムの表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物を含む薄膜(ガスバリア層)を形成したガスバリア性フィルムが、食品、医薬品等の分野で物品を包装する用途に用いられている。ガスバリア性フィルムを用いることによって、水蒸気や酸素等のガスによる物品の変質を防止することができる。
近年、このような水蒸気や酸素等の透過を防ぐガスバリア性フィルムについて、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、液晶表示(LCD)素子等の電子デバイスへの展開が要望され、多くの検討がなされている。これらの電子デバイスにおいては、高いガスバリア性、例えば、ガラス基材に匹敵するガスバリア性が要求される。しかし、このような高いバリア性を有するガスバリア性フィルムは未だ得られていないのが現状である。
ガスバリア性フィルムを製造する方法としては、気相法による無機成膜方法を利用した方法が知られている。当該気相法による無機成膜方法としては、フィルム等の基材上に、プラズマCVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法、化学蒸着法)によって金属(テトラエトキシシラン(TEOS)に代表される有機ケイ素化合物等)を酸素プラズマで酸化しながら蒸着して無機膜(ガスバリア層)を形成する方法、および半導体レーザー等を用いて金属を蒸発させて、酸素の存在下で基板上に堆積する真空蒸着法やスパッタ法により無機膜(ガスバリア層)を形成する方法等が挙げられる。
これらの気相法による無機成膜方法は、食品、医薬品等の分野で物品を包装に用いられるガスバリア性フィルムの製造に用いられてきた。そして近年、当該無機成膜方法により製造されたガスバリア性フィルムを電子デバイスに適用すべく、さらに高いガスバリア性を得るための検討が行われている。
かような検討として、例えば、特許文献1では、蒸着法により形成された金属酸化物層上にポリシラザンを含む塗布液を改質処理して得られる酸化物層を形成させた積層体のガスバリア性フィルムが開示されている。そして、特許文献1の[0146]には、ポリシラザンを含む塗布液を改質処理して得られる酸化物層が蒸着膜のピンホールなどの欠陥部位を補填することができるので、高いガスバリア性が発現できるとの記載がある。
国際公開第2011/007543号
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来のガスバリア性フィルムでは、ガスバリア性能は高いものの、フィルムを屈曲させた場合に、ガスバリア性能が低下する場合があった。特に、高温高湿条件下にフィルムが配置された場合、フィルムのガスバリア性能の低下が顕著となり、要求されるガスバリア性能に満たないものとなっていた。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、屈曲時、特に高温高湿条件下であっても十分なガスバリア性能を示すガスバリア性フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、基材、第1の層、第2の層、および第3の層をこの順に含み、前記第1の層は、ケイ素、アルミニウムおよびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の酸化物、窒化物、酸窒化物または酸炭化物の少なくとも1種を含み、かつ物理蒸着法により形成され、前記第2の層は、無機酸化物を含み、かつ原子層堆積法により形成され、前記第3の層は、ケイ素化合物を含有する液を塗布して形成される塗膜を改質処理して得られる、ガスバリア性フィルムとすることにより、上記課題が解決された優れたガスバリア性フィルムが得られることを見出した。
本発明のガスバリア性フィルムは、優れたガスバリア性を有するとともに、屈曲時、特に高温高湿条件下にフィルムが保存された場合であっても十分なガスバリア性能を示す。
本発明に係る第1の層の形成に用いられる製造装置の一例を示す模式図である。 本発明に係る第2の層の形成に用いられる製造装置の一例を示す模式図である。 本発明に係る第2の層の形成に用いられる製造装置の他の一例を示す模式図である。 図2および図3に記載の装置で用いられるALD成膜のコーティングヘッドの一例を示す模式図である。 本発明に係る第3の層の形成に用いられる製造装置の一例を示す模式図である。 本発明に係るガスバリア性フィルムを封止フィルムとして用いた電子デバイスである有機ELパネルの一例である。
本発明は、基材、第1の層、第2の層、および第3の層をこの順に含み、前記第1の層は、ケイ素、アルミニウムおよびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の酸化物、窒化物、酸窒化物または酸炭化物の少なくとも1種を含み、かつ物理蒸着法により形成され、前記第2の層は、無機酸化物を含み、かつ原子層堆積法により形成され、前記第3の層は、ケイ素化合物を含有する液を塗布して形成される塗膜を改質処理して得られる、ガスバリア性フィルムに関する。
ガスバリア層を物理蒸着法(以下、単にPVD法とも称する)により形成することにより、ガスバリア性能が高いフィルムが得られることから、PVD法によりガスバリア層を形成することはこれまでにも行われていた。しかしながら、PVD法により膜面を形成すると、膜面に欠陥が生じる場合があり、高いバリア性を発現することが困難である。
かようなPVD法によるガスバリア層の欠点を補うべく、例えば上記特許文献1のようにPVD法によって形成される層(以下、単にPVD層とも称する)とケイ素化合物を改質することによって得られる層(以下、ケイ素化合物改質層とも称する)とを積層して得られるガスバリア性フィルムが提案されてきた。かようなガスバリア性フィルムは、異なる機構によってバリア層が形成されており、2つの層内のガスの通り道が異なり、このため両者を積層した場合、ガスバリア性能が向上する。さらに、PVD層の膜面欠陥に、ケイ素化合物改質層を形成される際に用いられる塗布液が含浸することによって、欠陥が補修され、ガスバリア性能が向上するものと考えられていた。
しかしながら、本発明者らは、かようなガスバリア性フィルムが、屈曲時、特に高温高湿条件下にフィルムが保存された場合にガスバリア性能が低下し、求められるガスバリア性能を満たさなくなることを見出した。そして、かような現象が引き起こされる要因を鋭意検討した結果、ケイ素化合物改質層を形成する際に用いる塗布液を塗布する際に、塗布面であるPVD層に存在するピンホールなどの微小欠陥が塗布液によっては未だ十分に補修されていないのではないかと考えた。これは、塗布液が大きな欠陥には入り込むことができるが、微小欠陥には入り込めないことが原因ではないかと推定される。
上記微小欠陥の存在による、ガスバリア性能の低下の原因として以下のようなメカニズムが考えられる。真空紫外光やプラズマなどでケイ素化合物を改質する際に膜を緻密化させるにしたがって、ケイ素化合物層の膜厚が減少し、膜中に応力が残る。ケイ素化合物改質層を形成する際に用いる塗布液の塗布面にピンホールなどの微小欠陥があると、上記残存した応力が、ピンホール箇所に集中し、微小なクラックを生成する結果、バリア性能が劣化するものと考えられる。したがって、ケイ素化合物改質層を形成する際に用いる塗布液によっても微小欠陥が依然として塗布面に存在し、かような微小欠陥への改質時の応力集中が、特に屈曲時のガスバリア性能の向上を妨げる主因であると考えた。
本願発明者らは上記課題に鑑み、上記微小欠陥を補修する際にALD法によって形成される無機酸化物の第2の層をPVD層の上層に用いた結果、屈曲時のフィルム性能を向上させることができた。これは、ALD法により形成される無機酸化物は比較的分子量が小さく、微小欠陥を埋めることができ、微小欠陥の補修が可能となったためであると考えられる。
また、ALD法により形成される無機酸化物層上に、ケイ素化合物改質層を形成させると、驚くべきことに、高温高湿時のガスバリア性能の低下が抑制され、十分なガスバリア性が確保されることを見出した。
上記高温高湿時のガスバリア性能の低下を抑制することができる理由として以下のようなメカニズムが考えられる。
ケイ素化合物改質層と第2の層との接触面積が、微小欠陥の補修によりPVD層がケイ素化合物改質層の下層となる場合よりも増大し、ケイ素化合物改質層と第2の層との密着性が向上する。ケイ素化合物改質層は高温高湿条件下では膨張する性質がある。ケイ素化合物改質層と第2の層との密着性が向上することにより、かような膨張に働く力を打ち消す力が増大し、ガスバリア性の低下を抑制できるものと考えられる。また、ALD法で堆積する膜で酸化物を形成することで、成膜面全面をOH基にすることができ、ケイ素化合物(例えばポリシラザン)が原子単位で緻密に原子層堆積膜と密着し、ケイ素化合物改質層自体が緻密になるため、ガスバリア性能が向上するという面もあると考えられる。
したがって、物理蒸着法で得られた層上にALD法により形成された無機酸化物層(以下単にALD層とも称する)およびケイ素化合物改質層が積層されることによって、高温高湿条件下にフィルムが保存された場合であっても屈曲時のガスバリア性能の顕著な低下が抑制され、バリア性能が維持されるものと考えられる。
なお、上記メカニズムは推定であり、本発明の効果はこれらメカニズムに拘泥されるものではない。
したがって、本発明のガスバリア性フィルムにおいては、好適な一実施形態は、基材と、第1の層と、第1の層上に形成されてなる第2の層と、第3の層と、をこの順に有する形態である。さらに、好適な一実施形態は、基材と、第1の層と、第1の層上に形成されてなる第2の層と、第2の層上に形成されてなる第3の層と、をこの順に有する形態である。
また、第1の層、第2の層、および第3の層を有するガスバリア性ユニットは、基材の一方の表面上に形成されていてもよく、基材の両方の表面上に形成されていてもよい。また、該ガスバリア性ユニットは、ガスバリア性を必ずしも有しない層を含んでいてもよい。
また、本発明のガスバリア性フィルムは、後述の実施例に記載の方法により測定された透過水分量が1×10-3g/(m2・24h)以下であることが好ましく、1×10-4g/(m2・24h)以下であることがより好ましい。
以下、本発明を実施するための好ましい形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔第1の層(PVD層)〕
第1の層の1層当たりの厚みは特に限定されないが、ガスバリア性能および欠陥の生じやすさという観点から、通常、30〜500nmの範囲内であり、好ましくは50〜300nmであり、より好ましくは50〜200nmである。第1の層は、各層がPVD法により形成される複数のサブレイヤーからなる積層構造であってもよい。この場合サブレイヤーの層数は、2〜10層であることが好ましい。また、各サブレイヤーが同じ組成であっても異なる組成であってもよい。
第1の層は、ケイ素、アルミニウムおよびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の酸化物、窒化物、酸窒化物または酸炭化物の少なくとも1種を含む。ケイ素、アルミニウムおよびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の酸化物、窒化物、酸窒化物または酸炭化物としては、具体的には、酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素(SiON)、酸炭化ケイ素(SiOC)、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびアルミニウムシリケートなどのこれらの複合体が挙げられる。これらは、副次的な成分として他の元素を含有してもよい。中でもガスバリア性能の観点から、ケイ素の酸化物、窒化物、酸窒化物または酸炭化物が好ましく、酸化ケイ素がより好ましい。
第1の層は上記化合物を有することで、ガスバリア性を有する。ここで、第1の層のガスバリア性は、基材上に第1の層を形成させた積層体で算出した際に、後述の実施例に記載の方法により測定された透過水分量が0.1g/(m2・24h)以下であることが好ましく、0.01g/(m2・24h)以下であることがより好ましい。
第1の層は、物理蒸着法(PVD法)で形成される。物理蒸着法(Physical Vapor Deposition)は、気相中で物質の表面に物理的手法により目的とする物質の薄膜を堆積する方法であり、蒸発系およびスパッタ系に大別することができるが、スパッタ系を用いることが好ましい。Si、AlおよびTiの少なくとも一種の酸化膜、窒化膜、酸窒化膜または酸炭化膜のスパッタ法による成膜は、2極スパッタリング、マグネトロンスパッタリング、中間的な周波数領域を用いたデュアルマグネトロン(DMS)スパッタリング、イオンビームスパッタリング、ECRスパッタリングなどを用いることができる。また、ターゲットの印加方式はターゲット種に応じて適宜選択され、DC(直流)スパッタリング、およびRF(高周波)スパッタリングのいずれを用いてもよい。Si、AlまたはTiの酸化膜、窒化膜、窒酸化膜または炭酸化膜のスパッタリングを行なう際には、そのターゲットにSi、AlまたはTiを用いることができる。不活性ガスとしては、He、Ne、Ar、Kr、Xe等を用いることができ、Arを用いることが好ましい。さらに、プロセスガス中に酸素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素を導入することで、Si、AlまたはTiの酸化物、窒化物、窒酸化物、炭酸化物の薄膜を作ることができる。RF(高周波)スパッタ法で成膜する場合は、SiO2やSi34などのセラミックターゲットを用いることもできる。スパッタ法における成膜条件としては、印加電力、放電電流、放電電圧、時間等が挙げられるが、これらは、スパッタ装置や、膜の材料、膜厚等に応じて適宜選択できる。その他、蒸発系の物理蒸着法である、真空蒸着法(加熱方法:抵抗加熱、電子ビーム、高周波誘導、レーザー等)、分子線蒸着法(MBE)、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法などを用いてもよい。
物理蒸着法としては反応性スパッタ法を用いることが好ましい。反応性スパッタ法は、スパッタする際に酸素や窒素などの反応ガスを、チャンバー内に流すことでターゲット構成物質に含まれる成分とガスとの生成物質を薄膜として堆積させる技術である。反応性スパッタ法によれば、膜組成が均一となるため、ガスバリア性が高くなるため好ましい。反応性スパッタ法においては、ターゲットとして、Si、Al、Ti、Sn、Zn、Zr、Ta、ITOを用いることができる。また、不活性ガスとしては、He、Ne、Ar、Kr、Xe等を用いることができ、Arを用いることが好ましい。さらに、反応ガスとしては、酸素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、アンモニア、H2O、アセチレンを用いることができる。
第1の層は、ロールツーロール方式の成膜装置を用いて形成してもよい。第1の層をロールツーロール方式で生産する場合、継続してロールツーロール方式でフィルムを製造できるため、第1の層をロールツーロール方式の成膜装置を用いて形成させると生産性が向上し、好ましい。ロールツーロール方式のスパッタリング装置は、特開2012−237047号(マグネトロンスパッタリングカソードを備えたロールツーロール方式のスパッタリング装置)、特開2006−334909号図5に記載の装置等、公知の装置を用いることができる。
図1は、本発明に係る第1の層の形成に用いられる製造装置の一例を示す模式図であり、具体的には、ロールツーロール方式の反応性スパッタリング装置を示す模式図である。
図1のスパッタリング装置11は、真空チャンバ12内に、送り出しローラー13と、搬送ローラー14、15、16、17と、成膜ローラー18と、カソード19と、巻き取りローラー21と、反応ガス供給装置22と、不活性ガス供給装置23と、を備えている。また、このような製造装置において真空チャンバ12は図示を省略した真空ポンプに接続されており、かかる真空ポンプにより真空チャンバ内の圧力を適宜調整することが可能となっている。さらに、カソードは図示を省略した放電電源に接続されている。
送り出しローラー13は、ロール状に巻回された基材25を装填されるものであり、回転して基材25を送り出す。送り出された基材25は、搬送ローラー14および15を経て、成膜ローラー18に到達する。放電電源(図示せず)に接続されたカソード19上に保持されたターゲット20(例えばSiターゲット)に、反応ガス供給装置22より供給された反応ガス(例えば、酸素や窒素)、および不活性ガス供給装置23より供給された不活性ガス(例えば、アルゴン)が導入混合されてスパッタリングが行われ、基材25上に第1の層26が形成された積層体フィルム27となる。
次いで、積層体フィルム27は、搬送ローラー16および17を経て巻き取りローラー21に到達し、積層体フィルム27はロール状に巻き取られる。
図1の装置11では、スパッタリング粒子の混入や成膜雰囲気ガスの混入を防ぐための隔壁24が配置してある。装置11においては、5つのカソードを配置しているが、このように各隔壁間に他のカソードを配置して、複数個所からスパッタリングを行ってもよい。複数個所からスパッタリングを行うことで、1チャンバーあたりのスループットが向上できるので、少ない追加装置コストで製膜コスト抑制やタクトタイム短縮が可能となる。
このような製造装置に用いる送り出しローラー13、搬送ローラー14、15、16、17および成膜ローラー18としては適宜公知のローラーを用いることができる。また、巻取りローラー21としても、基材25上に第1の層26を形成したフィルム27を巻き取ることが可能なものであればよく、特に制限されず、適宜公知のローラーを用いることができる。
また、反応ガス供給装置22、不活性ガス供給装置23および真空ポンプとしては、ガス等を所定の速度で供給または排出することが可能なものを適宜用いることができる。
このような図1に示す製造装置11を用いて、例えば、反応ガスの種類、ターゲットの種類、真空チャンバ内の圧力、成膜ローラーの直径、ならびにフィルム(基材)の搬送速度を適宜調整することにより、本発明に係る第1の層を製造することができる。用いられるターゲットしては、Si、Al、Ti、Sn、Zn、Zr、Ta、ITOなどが挙げられる。
真空チャンバ内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、1×10-4Pa〜10Paの範囲とすることが好ましい。
基材25の搬送速度(ライン速度)は、反応ガスの種類や真空チャンバ内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.5〜100m/minの範囲とすることが好ましく、4〜20m/minの範囲とすることがより好ましい。生産効率性の観点からは、基材の搬送速度は速ければ速いほど好ましいが、基材の搬送速度を速めると、形成される第1の層の膜厚が減少し、微小欠陥等が増加する。本発明の構成によれば、ALD法により形成された第2の層、およびポリシラザン等のケイ素化合物改質層である第3の層が積層されているので、基材の搬送速度が速く(例えば、4〜20m/min)、第1の層の膜厚が減少した場合であっても、ガスバリア性が高く、また屈曲時(特に湿熱時)においても高いガスバリア性能が維持される。生産性および本発明の効果が顕著に得られるという観点から、基材の搬送速度(ライン速度)は、4〜20m/minの範囲とすることがより好ましい。
反応性スパッタ法におけるスパッタリングガス中の反応ガスの含有量は特に制限されないが、例えば、不活性ガスに対して0.1〜50体積%、好ましくは1.0〜20体積%混合することができる。また、反応性スパッタ法におけるスパッタリングガス中の反応ガスの流量体積は特に制限されないが、例えば、不活性ガスに対して反応ガスの含有量が0.1〜50体積%の場合は流量体積比で不活性ガス1に対して反応ガスが0.001〜1であることが好ましく、不活性ガスに対して反応ガスの含有量が1.0〜20体積%の場合は流量体積比で不活性ガス1に対して反応ガスが0.01〜0.25であることが好ましい。
反応性スパッタ法において、ターゲットへの投入電力は適宜設定されるが、0.1〜30W/cm2であることが好ましい。
また、反応性スパッタ法において、成膜する時の成膜時のガス圧は、装置の種類などによっても異なるので一概に規定できないが、例えば、1×10-3〜1.0Paにすることが好ましい。なお、反応性スパッタ法において酸化物膜の膜厚は、成膜時のフィルムの搬送速度、ターゲットへの投入電力や電圧、酸素濃度、開口部形状(製膜エリア)で制御さる。
〔第2の層(ALD層)〕
第2の層は、原子層堆積法(ALD法)により形成された無機酸化物層である。
無機酸化物としては、特に限定されず、アルミニウム、チタン、ケイ素、ジルコニウム、ハフニウム、ランタンなどの酸化物および複合酸化物が挙げられる。樹脂基材上に成膜することを考慮し50℃〜120℃の温度で良質な膜が得られる観点から、無機酸化物がAl23、TiO2、SiO2およびZrOからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。微小な欠陥に材料を含浸できることから、材料の分子量の大きさを考慮して、TMA(トリメチルアルミニウム)やTiCl4(四塩化チタン)が使えるAl23およびTiO2を含むことが更に好ましい。
また、各ガスの導入時間や、成膜温度、成膜時の圧力を調整することによりAlOx、TiOx、SiOx、ZrOxなどの中間酸化物、窒化物なども可能であり、必要により使用することは問題ない。
ALD法とは、2種以上のガス(第1のガスおよび第2のガス)を基材上に交互に導入することにより、原子層を1層ごとに堆積させる方法である。より詳細には、はじめに第1のガスを基材上に導入してガス分子層(単原子層)を形成させる。次いで不活性ガスを導入することにより、第1のガスをパージ(除去)する。なお、形成された第1のガスのガス分子層は、化学吸着により不活性ガスを導入してもパージされない。次に、第2のガスを導入して形成されたガス分子層を酸化して無機膜が形成される。最後に、不活性ガスを導入することにより、第2のガスをパージし、ALD法の1サイクルが完了する。上記サイクルを繰り返すことにより、原子層が1層ずつ堆積されて、所定の膜厚を有する第1のガスバリア層を形成することができる。なお、ALD法は、基板の表面の凹凸によらず、陰影部分も含めて無機膜を形成することができる。
製膜温度は、ガス分子の基材への吸着のため基材表面の活性化が必要である。このため、製膜温度は、ある程度高温であることが好ましく、基材のプラスチック基板のガラス転移温度あるいは分解開始温度を超えない範囲で適宜調整すればよい。プラスチック基材を用いる場合、通常反応器内の温度は、50〜200℃程度である。サイクル1回の堆積速度は通常、0.01〜0.3nmであり、製膜サイクルを繰り返すことによって所望の膜厚とする。
例えば、第2の層の無機酸化物が酸化アルミニウムの場合、前記第1のガスはアルミニウム化合物を気化して得られるガスであり、前記第2のガスは酸化性ガスでありうる。また、不活性ガスは、上記第1のガスおよび/または第2のガスと反応しないガスである。
前記アルミニウム化合物としては、アルミニウムを含み、気化できるものであれば特に制限はない。アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、およびトリクロロアルミニウムが挙げられる。
その他、形成する無機酸化物膜によって原料ガスを適宜選択すればよく、例えば、M.Ritala:Appl.Surf.Sci.112,223(1997)に記載のものを使用することができる。具体的には、第2の層の無機酸化物が酸化ケイ素の場合、前記第1のガスはケイ素化合物を気化して得られるガスである。かようなケイ素化合物としては、モノクロロシラン(SiH3Cl、MCS)、ヘキサクロロジシラン(Si2Cl6、HCD)、テトラクロロシラン(SiCl4、STC)、トリクロロシラン(SiHCl3、TCS)等の他のクロロシラン系や、トリシラン(Si38、TS)、ジシラン(Si26、DS)、モノシラン(SiH4、MS)等の無機原料や、アミノシラン系のテトラキスジメチルアミノシラン(Si[N(CH32、4DMAS)、トリスジメチルアミノシラン(Si[N(CH323H、3DMASi)、ビスジエチルアミノシラン(Si[N(C25222、2DEAS)、ビスターシャリーブチルアミノシラン(SiH2[NH(C49)]2、BTBAS)などが挙げられる。
また、第2の層の無機酸化物が酸化チタンの場合、前記第1のガスはチタン化合物を気化して得られるガスである。かようなチタン化合物としては、四塩化チタン(TiCl4)、チタン(IV)イソプロポキシド(Ti[(OCH)(CH324)、テトラキスジメチルアミノチタン([(CH32N]4Ti、TDMATi)、テトラキスジエチルアミノチタン(Ti[N(CH2CH324、TDEATi、)などが挙げられる。
また、第2の層の無機酸化物が酸化ジルコニウムの場合、前記第1のガスはジルコニウム化合物を気化して得られるガスである。かようなジルコニウム化合物としては、テトラキスジメチルアミノジルコニウム(IV);[(CH32N]4Zrなどが挙げられる。
前記酸化性ガスとしては、ガス分子層を酸化できるものであれば特に制限はなく、例えば、オゾン(O3)、水(H2O)、過酸化水素(H22)、メタノール(CH3OH)、およびエタノール(C25OH)等が用いられうる。また、酸素ラジカルを用いることも可能である。ラジカルを用いる場合は、高周波電源(例えば、周波数13.56MHzの電源)を用いてガスを励起させることで、高密度な酸素ラジカルを生じさせることが可能であり、酸化および窒化反応をより促進させることができる。装置の大型化や実用性等を考慮すると、13.56MHzの電源を用いたICP(Inductively Coupled Plasma)モードでの放電が望ましい。
また、窒化物、及び窒酸化物にしたい場合は、窒素ラジカルを用いることができる。窒素ラジカルは、前述酸素ラジカル生成と同様にして生成することができる。
また、装置の大きさ、1サイクル時間の短縮の観点から、酸化性ガスとしてオゾン、酸素ラジカルを用いることが好ましい。更に低温で緻密な膜を形成する観点からは、酸素ラジカルを用いることが好ましい。
前記不活性ガスとしては、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン)、窒素ガス等が用いられうる。
バッチ式のALD成膜装置(下記、ロールツーロール方式ではなく、基材を搬送せずにフィルムにALD層を積層させる装置)を用いる場合、第1のガスの導入時間は、0.05〜10秒であることが好ましく、0.1〜3秒であることがより好ましく、0.5〜2秒であることがさらに好ましい。第1のガスの導入時間が0.05秒以上であると、ガス分子層を形成できる時間が十分に確保できることから好ましい。一方、第1のガスの導入時間が10秒以下であると、1サイクルに要する時間が低減できることから好ましい。
また、第1のガスをパージするための不活性ガスの導入時間は、0.05〜10秒であることが好ましく、0.5〜8秒であることがより好ましい。不活性ガスの導入時間が0.05秒以上であると、第1のガスを十分にパージできることから好ましい。一方、不活性ガスの導入時間が10秒以下であると、1サイクルに要する時間を低減でき、形成されたガス分子層への影響が少なくなることから好ましい。
さらに第2のガスの導入時間は、0.05〜10秒であることが好ましく、0.1〜3秒であることがより好ましい。第2のガスの導入時間が0.05秒以上であると、ガス分子層を酸化できる時間が十分に確保できることから好ましい。一方、第2のガスの導入時間が10秒以下であると、1サイクルに要する時間が低減でき、副反応が防止されうることから好ましい。
また、第2のガスをパージするための不活性ガスの導入時間は、0.05〜10秒であることが好ましい。不活性ガスの導入時間が0.05秒以上であると、第2のガスを十分にパージできることから好ましい。一方、不活性ガスの導入時間が10秒以下であると、1サイクルに要する時間が低減でき、形成された原子層への影響が少ないことから好ましい。
第2の層は、ロールツーロール方式の成膜装置を用いて形成してもよい。第2の層をロールツーロール方式で生産する場合、継続してロールツーロール方式でフィルムを製造できるため、第2の層をロールツーロール方式の成膜装置を用いて形成させると生産性が向上し、好ましい。ロールツーロール方式により第2の層を形成させる際に用いる装置としては、米国特許出願公開第2007/0224348号公報や米国特許出願公開第2008/0026162号公報に記載の装置を用いることができる。
更に、ロールツーロール方式による第2の層の形成としては、特表2010−541242号等に記載のように、下記図2や図3のような装置を用いることもできる。図2のALD成膜用のロールツーロール装置では、送り出しローラー80から(第1の層および必要により他の層が積層された)基材82が巻き出され、巻き取りローラー81にて巻き取られる。送り出しローラー80から巻き取りローラー81に搬送される間に、コーティングヘッドより供給されるガスにより第2の層が形成される。図3のALD成膜用のロールツーロール装置では、送り出しローラー83から(第1の層および必要により他の層が積層された)基材84が巻き出され、基材は、ガイドロール85を経て、MR(メインロール)86上に供給される。MR上にはコーティングヘッド87が配置され、基材84はコーティングヘッドから供給されるガスに暴露される。基材84は、コーティングヘッドに供給される前に、温度調節手段90により、温度が適宜調整される。次いで、第2の層が形成された基材84はガイドロール88を経て、巻き取りローラ−89で巻き取られる。なお、ガイドロールは成膜面(バリア面)と接触し水蒸気透過率の劣化がないように、特開2009−256709号のような段付きロールを用いてもよい。更に、巻き取り時の成膜面への傷を抑制するために、巻き取りローラーにより巻き取る前に粘着性保護フィルムを成膜面に張り付ける、又は保護層を設けると、巻き取り時のダメージを抑制できより好ましい(図2および3に示す「保護フィルム(の)巻き」)。特に粘着性保護フィルムを備えることにより、ガスバリア性フィルム表面を損傷から保護するのに役立ち、かつ、ガスバリア性フィルムを適用する対象物に設置し易い。粘着性保護フィルムとしては、ガスバリア性フィルムに適用できれば、特に制限はなく、従来公知のものを使用でき、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ケトン樹脂、ビニル樹脂、炭化水素樹脂等で形成されたものを使用できる。
図4は、図2および図3に記載の装置で用いられるALD成膜用のコーティングヘッドの一例を示す模式図である。図4について説明すると、コーティングヘッド70は、原料ガスを供給する原料ガス供給装置71、不活性ガスを供給する不活性ガス供給装置72、第2のガスを供給する第2のガス供給装置、ガス導入管74および排気管75を有する。(第1の層および必要により他の層が積層された)基材76はA〜B方向に搬送される。初めにガス導入管74を通じて第1のガス(原料ガス)供給装置71から原料ガスが基材に供給される。供給されたガスは次いで排気管75を通じて排気される。次いで、基材76に不活性ガス供給装置72から不活性ガスを導入し、原料ガスをパージ(除去)する。次に、ガス導入管74を通じて第2のガス(例えば、酸化性ガス)供給装置73から第2のガスを導入し無機膜が形成される。最後に、不活性ガス供給装置72から不活性ガスを導入することにより、第2のガスをパージし、ALD法の1サイクルが完了する。不活性ガスおよび第2のガスは、次工程のガス供給前に排気管を通じて排気される。なお、原料ガスおよび第2のガスは、不活性ガス(キャリアガス)と混合されて供給されてもよい(図2および図3参照)。コーティングヘッド内には、所望の膜厚を達成するために必要なサイクル数分のガス導入管および排気管を設ければよく、また、複数のコーティングヘッドを用いて、所望のサイクル数としてもよい。
これらのロールツーロール方式で製造できるALD装置を用いることで、高い生産性で、ALD膜を形成することができる。
第2の層の厚さは、1〜100nmであることが好ましい。第2の層の膜厚が1nm以上であると、微細欠陥の補修といったALD層の効果が適切に得られ、ALDの製膜速度を考慮すると生産性の観点から100nm以下であることが好ましい。特に、第2の層の膜厚は、ガスバリア性能の観点からは10nm以上であることがより好ましく、耐屈曲性の観点からは30nm以下であることがより好ましい。
また、第1の層と、第2の層との膜厚との関係において、第1の層の膜厚が第2の層の膜厚の30倍未満であることが好ましく、2〜10倍であることがより好ましい。両者の膜厚をかような範囲とすることで、ガスバリア性能が向上する。これは、第2の層の微小欠陥補修効果が適切に得られるためであると考えられる。
無機酸化物層は、ALD法により形成されるため、下層の欠陥補修が行われやすい。この結果、ALD法により形成された無機酸化物層の膜面は平滑性が高い。したがって、下層の欠陥補修の程度を示しうる指標として、無機酸化物層の上層(好適にはケイ素化合物改質層)と接する面の中心線平均表面粗さ(Ra)を用いることが好適であると考えられる。ここで、第2の層の上層と接する面の中心線平均表面粗さ(Ra)は、0.8〜100nmであることが好ましく、1.0〜10nmであることがより好ましい。かような範囲であれば、ALD層による欠陥の補修が好適に行われていると判断でき、フィルム全体のガスバリア性能が向上する。なお、中心線平均表面粗さ(Ra)は、実施例に記載の方法により求めることができる。
なお、第2の層はガスバリア性能を有するが、第1の層および第3の層のガスバリア性が高いため、第2の層単独でのガスバリア性能は高くなくともよい。したがって、第2の層のガスバリア性能は、基材上に第2の層を形成させた積層体における後述の実施例に記載の方法により測定された透過水分量が0.5g/(m2・24h)以下であることが好ましく、0.1g/(m2・24h)以下であることがより好ましい。
〔第3の層(ケイ素化合物改質層)〕
第3の層は、ケイ素化合物を含有する液を塗布して形成される塗膜を改質処理して形成される。
(ケイ素化合物)
ケイ素化合物としては、ケイ素化合物を含有する塗布液の調製が可能であれば特に限定はされない。
具体的には、例えば、パーヒドロポリシラザン、オルガノポリシラザン、シルセスキオキサン、テトラメチルシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、1,1−ジメチル−1−シラシクロブタン、トリメチルビニルシラン、メトキシジメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジビニルシラン、ジメチルエトキシエチニルシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、アリールトリメトキシシラン、エトキシジメチルビニルシラン、アリールアミノトリメトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリビニルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、メチルトリアセトキシシラン、アリールオキシジメチルビニルシラン、ジエチルビニルシラン、ブチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、テトラビニルシラン、トリアセトキシビニルシラン、テトラアセトキシシラン、3−トリフルオロアセトキシプロピルトリメトキシシラン、ジアリールジメトキシシラン、ブチルジメトキシビニルシラン、トリメチル−3−ビニルチオプロピルシラン、フェニルトリメチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルイソペンチロキシビニルシラン、2−アリールオキシエチルチオメトキシトリメチルシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アリールアミノプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ジメチルエチキシフェニルシラン、ベンゾイロキシトリメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ジメチルエトキシ−3−グリシドキシプロピルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ブチルアミノプロピルトリメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ビス(ブチルアミノ)ジメチルシラン、ジビニルメチルフェニルシラン、ジアセトキシメチルフェニルシラン、ジメチル−p−トリルビニルシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ジエチルメチルフェニルシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、デシルメチルジメトキシシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、オクチロキシトリメチルシラン、フェニルトリビニルシラン、テトラアリールオキシシラン、ドデシルトリメチルシラン、ジアリールメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルビニルシラン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジアセトキシジフェニルシラン、ジベンジルジメチルシラン、ジアリールジフェニルシラン、オクタデシルトリメチルシラン、メチルオクタデシルジメチルシラン、ドコシルメチルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,4−ビス(ジメチルビニルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アセトキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエトキシ−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等を挙げることができる。
上記シルセスキオキサンとしては、例えば、Mayaterials製Q8シリーズのOctakis(tetramethylammonium)pentacyclo−octasiloxane−octakis(yloxide)hydrate;Octa(tetramethylammonium)silsesquioxane、Octakis(dimethylsiloxy)octasilsesquioxane、Octa[[3−[(3−ethyl−3−oxetanyl)methoxy]propyl]dimethylsiloxy]octasilsesquioxane;Octaallyloxetane silsesquioxane、Octa[(3−Propylglycidylether)dimethylsiloxy]silsesquioxane;Octakis[[3−(2,3−epoxypropoxy)propyl]dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octakis[[2−(3,4−epoxycyclohexyl)ethyl]dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octakis[2−(vinyl)dimethylsiloxy]silsesquioxane;Octakis(dimethylvinylsiloxy)octasilsesquioxane、Octakis[(3−hydroxypropyl)dimethylsiloxy]octasilsesquioxane、Octa[(methacryloylpropyl)dimethylsilyloxy]silsesquioxane、Octakis[(3−methacryloxypropyl)dimethylsiloxy]octasilsesquioxane及び有機基を含まない水素化シルセスキオキサン等が挙げられる。
中でも、成膜性、クラック等の欠陥が少ないこと、残留有機物の少なさの点で、パーヒドロポリシラザン、オルガノポリシラザン等のポリシラザン;シルセスキオキサン等のポリシロキサン等が好ましく、ガスバリア性能が高く、屈曲時および高温高湿条件下であってもバリア性能が維持されることから、ポリシラザンがより好ましい。
ポリシラザンとは、ケイ素−窒素結合を有するポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等の結合を有するSiO2、Si34、および両方の中間固溶体SiOxy等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
具体的には、ポリシラザンは、好ましくは下記の構造を有する。
上記一般式(I)において、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R1、R2およびR3は、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。ここで、アルキル基としては、炭素原子数1〜8の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基が挙げられる。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などがある。また、アリール基としては、炭素原子数6〜30のアリール基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの非縮合炭化水素基;ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基などの縮合多環炭化水素基が挙げられる。(トリアルコキシシリル)アルキル基としては、炭素原子数1〜8のアルコキシ基で置換されたシリル基を有する炭素原子数1〜8のアルキル基が挙げられる。より具体的には、3−(トリエトキシシリル)プロピル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基などが挙げられる。上記R1〜R3に場合によって存在する置換基は、特に制限はないが、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基(−OH)、メルカプト基(−SH)、シアノ基(−CN)、スルホ基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)、ニトロ基(−NO2)などがある。なお、場合によって存在する置換基は、置換するR1〜R3と同じとなることはない。例えば、R1〜R3がアルキル基の場合には、さらにアルキル基で置換されることはない。これらのうち、好ましくは、R1、R2およびR3は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、ビニル基、3−(トリエトキシシリル)プロピル基または3−(トリメトキシシリルプロピル)基である。
また、上記一般式(I)において、nは、整数であり、一般式(I)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。
上記一般式(I)で表される構造を有する化合物において、好ましい態様の一つは、R1、R2およびR3のすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザンである。
または、ポリシラザンとしては、下記一般式(II)で表される構造を有する。
上記一般式(II)において、R1'、R2'、R3'、R4'、R5'およびR6'は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R1'、R2'、R3'、R4'、R5'およびR6'は、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。上記における、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基は、上記一般式(I)の定義と同様であるため、説明を省略する。
また、上記一般式(II)において、n'およびpは、整数であり、一般式(II)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。なお、n'およびpは、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。
上記一般式(II)のポリシラザンのうち、R1'、R3'およびR6'が各々水素原子を表し、R2'、R4'およびR5'が各々メチル基を表す化合物;R1'、R3'およびR6'が各々水素原子を表し、R2'、R4'が各々メチル基を表し、R5'がビニル基を表す化合物;R1'、R3'、R4'およびR6'が各々水素原子を表し、R2'およびR5'が各々メチル基を表す化合物が好ましい。
または、ポリシラザンとしては、下記一般式(III)で表される構造を有する。
上記一般式(III)において、R1"、R2"、R3"、R4"、R5"、R6"、R7"、R8"およびR9"は、それぞれ独立して、水素原子、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基である。この際、R1"、R2"、R3"、R4"、R5"、R6"、R7"、R8"およびR9"は、それぞれ、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。上記における、置換または非置換の、アルキル基、アリール基、ビニル基または(トリアルコキシシリル)アルキル基は、上記一般式(I)の定義と同様であるため、説明を省略する。
また、上記一般式(III)において、n"、p"およびqは、整数であり、一般式(III)で表される構造を有するポリシラザンが150〜150,000g/モルの数平均分子量を有するように定められることが好ましい。なお、n"、p"およびqは、同じであってもあるいは異なるものであってもよい。
上記一般式(III)のポリシラザンのうち、R1"、R3"およびR6"が各々水素原子を表し、R2"、R4"、R5"およびR8"が各々メチル基を表し、R9"が(トリエトキシシリル)プロピル基を表し、R7"がアルキル基または水素原子を表す化合物が好ましい。
一方、そのSiと結合する水素原子部分の一部がアルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより下地である基材との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミック膜に靭性を持たせることができ、より(平均)膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。このため、用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6および8員環を中心とする環構造が存在した構造と推定されている。その分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)で、液体または固体の物質があり、その状態は分子量により異なる。
ポリシラザンは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン層形成用塗布液として使用することができる。ポリシラザン溶液の市販品としては、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製のアクアミカ(登録商標) NN120−10、NN120−20、NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL120−20、NL150A、NP110、NP140、SP140等が挙げられる。
本発明で使用できるポリシラザンの別の例としては、以下に制限されないが、例えば、上記ポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等の、低温でセラミック化するポリシラザンが挙げられる。
本発明に係る第3の層中におけるポリシラザンの含有率としては、第3の層の全重量を100重量%としたとき、100重量%でありうる。また、第3の層がポリシラザン以外のものを含む場合には、層中におけるポリシラザンの含有率は、10重量%以上99重量%以下であることが好ましく、40重量%以上95重量%以下であることがより好ましく、特に好ましくは70重量%以上95重量%以下である。
第3の層の形成方法は、特に制限されず、公知の方法が適用できるが、有機溶剤中にケイ素化合物および必要に応じて触媒を含むケイ素化合物改質層形成用塗布液を公知の湿式塗布方法により塗布し、この溶剤を蒸発させて除去し、次いで、改質処理を行う方法が好ましい。
(ケイ素化合物改質層形成用塗布液)
ケイ素化合物改質層形成用塗布液を調製するための溶剤としては、ケイ素化合物を溶解できるものであれば特に制限されないが、ケイ素化合物と容易に反応してしまう水および反応性基(例えば、ヒドロキシル基、あるいはアミン基等)を含まず、ケイ素化合物に対して不活性の有機溶剤が好ましく、非プロトン性の有機溶剤がより好ましい。具体的には、溶剤としては、非プロトン性溶剤;例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒;塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類:例えば、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、モノ−およびポリアルキレングリコールジアルキルエーテル(ジグライム類)などを挙げることができる。上記溶剤は、ケイ素化合物の溶解度や溶剤の蒸発速度等の目的にあわせて選択され、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
ケイ素化合物改質層形成用塗布液におけるケイ素化合物の濃度は、特に制限されず、層の膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、好ましくは1〜80重量%、より好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。
ケイ素化合物改質層形成用塗布液は、改質を促進するために、触媒を含有することが好ましい。本発明に適用可能な触媒としては、塩基性触媒が好ましく、特に、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、3−モルホリノプロピルアミン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン等のアミン触媒、Ptアセチルアセトナート等のPt化合物、プロピオン酸Pd等のPd化合物、Rhアセチルアセトナート等のRh化合物等の金属触媒、N−複素環式化合物が挙げられる。これらのうち、アミン触媒を用いることが好ましい。この際添加する触媒の濃度としては、ケイ素化合物を基準としたとき、好ましくは0.1〜10モル%、より好ましくは0.5〜7モル%の範囲である。触媒添加量をこの範囲とすることで、反応の急激な進行よる過剰なシラノール形成、および膜密度の低下、膜欠陥の増大などを避けることができる。
ケイ素化合物改質層形成用塗布液には、必要に応じて下記に挙げる添加剤を用いることができる。例えば、セルロースエーテル類、セルロースエステル類;例えば、エチルセルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート等、天然樹脂;例えば、ゴム、ロジン樹脂等、合成樹脂;例えば、重合樹脂等、縮合樹脂;例えば、アミノプラスト、特に尿素樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステルもしくは変性ポリエステル、エポキシド、ポリイソシアネートもしくはブロック化ポリイソシアネート、ポリシロキサン等である。
また、特開2005−231039号に記載のようにケイ素化合物改質層の形成にゾルゲル法を用いることができる。ゾルゲル法により改質層を形成する際に用いられる塗布液は、ケイ素化合物、ならびにポリビニルアルコ−ル系樹脂およびエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体の少なくとも1種を含むことが好ましい。さらに、塗布液は、ゾルーゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤を含むことが好ましい。ゾルゲル法では、かような塗布液を用いて重縮合することのより改質層が得られる。ケイ素化合物としては、一般式RA OSi(ORBpで表されるアルコキシドを用いることが好ましい。ここで、RAおよびRBはそれぞれ独立して、炭素数1〜20のアルキル基を表し、Oは、0以上の整数を表し、pは、1以上の整数を表す。上記のアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン Si(OCH34、テトラエトキシシラン Si(OC254、テトラプロポキシシラン Si(OC374、テトラブトキシシラン Si(OC494、その他等を使用することができる。塗布液において、ポリビニルアルコ一ル系樹脂およびエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを組み合わせて使用する場合、それぞれの配合割合としては、重量比で、ポリビニルアルコ一ル系樹脂:エチレン・ビニルアルコ−ル共重合体=10:0.05〜10:6であることが好ましい。また、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体の塗布液中の含有量は、上記のケイ素化合物の合計量100重量部に対して5〜500重量部の範囲であり、好ましくは、約20〜200重量部位の配合割合で調製することが好ましい。ポリビニルアルコ一ル系樹脂としては、一般に、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるものを使用することができる。上記のポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールでも、または、OH基が変性された変性ポリビニルアルコール系樹脂のいずれでもよい。ポリビニルアルコール系樹脂の具体例としては、クラレ社製のクラレポバール、日本合成化学工業社製のゴーセノール等を使用することができる。また、本発明において、エチレン・ビニルアルコール共重合体としては、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものを使用することができる。具体的には、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から好ましいケン化度は、80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%以上であるものを使用することが好ましい。また、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは、20〜45モル%であるものを使用することが好ましいものである。上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。ゾルーゲル法触媒、主として、重縮合触媒としては、水に実質的に不溶であり、かつ有機溶媒に可溶な第三アミンが用いられる。具体的には、例えば、N、N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、その他等を使用することができる。また、酸としては、上記ゾルーゲル法の触媒、主として、アルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。上記の酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸、その他等を使用することができる。更に、塗布液には、上記のアルコキシドの合計モル量1モルに対して0.1〜100モル、好ましくは、0.8から2モルの割合の水を含有させることが好ましい。
ゾルゲル法による塗布液に用いられる、有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、その他等を用いることができる。また、溶媒中に可溶化されたエチレン・ビニルアルコール共重合体は、例えば、ソアノール(商品名)として市販されているものを使用することができる。さらに、ゾルゲル法による塗布液には例えば、シランカップリング剤等も添加することができるものである。
(塗れ性向上処理)
次いで、ケイ素化合物改質層形成用塗布液を下層(好適にはALD層)に塗布するが、塗布前に、特開2011−143577号に記載の塗れ性向上処理、および該処理を行う前に加熱(加熱処理)を行ってもよい。
塗れ性向上処理の具体的な方法としては、酸化性ガス雰囲気下での光照射処理(エキシマ照射、UVオゾン酸化など)、あるいは、プラズマ照射処理(真空酸素プラズマ、大気圧酸素プラズマなど)などのドライ処理に加え、コロナ放電処理などを適用することができる。あるいは、積層体を加熱したアルカリ液中で処理後、純水で洗浄するなどのウェット処理も適用可能である。不要な水分などを除去する工程が別途必要にならない点で、ドライ処理がより好ましい。
また、ドライ処理のなかでも、大気プロセスが可能で、かつ短時間化、低コスト化が可能な、酸化性ガス雰囲気下での光照射処理が最も好ましい。酸化性ガスとは、酸素、オゾン、原子状酸素のことを表す。塗れ性向上処理時の酸素濃度としては、0.05%〜21%(実際に検出される酸素濃度は、±10%の範囲を含む。)の範囲であることが好ましく、0.1%〜1%の範囲であることがより好ましい。
塗れ性向上処理に適用する光照射処理としては、酸化性ガス雰囲気下での光照射処理における光が、紫外光であることがより好ましい。紫外光を照射することで活性酸素やオゾンが発生し、処理表面におけるOH基、あるいはCOOH基などの反応性基の生成がより進行する。更に反応性オゾンの不足分を光照射部とは異なる部分で、放電法などの公知の方法により酸素からオゾンを生成し、紫外線照射部に導入しても良い。このときに照射する紫外線の波長は特に限定されるところではないが、紫外光の波長は100nm〜450nmが好ましく、150nm〜300nm程度の真空紫外光を照射することがより好ましい。光源は、低圧水銀灯、重水素ランプ、キセノンエキシマランプ、メタルハライドランプ、エキシマレーザーなどを用いることができる。ランプの出力としては400W〜30kW、照度としては100mW/cm2〜100kW/cm2、照射エネルギーとしては10mJ/cm2〜5000mJ/cm2が好ましく、100mJ/cm2〜2000mJ/cm2がより好ましい。また、紫外線照射の際の照度は1mW/cm2〜10W/cm2が好ましい。上記の中でも、波長としては、100nm〜200nmの真空紫外光が最も好ましく、酸化反応をより低温、短時間で進めることが可能となる。また、光源としては、キセノンエキシマランプなどの希ガスエキシマランプが最も好ましく用いられる。また、連続的に照射するだけでなく複数回の照射を行ってもよく、複数回の照射が短時間ないわゆるパルス照射であっても良い。
塗れ性向上処理に要する時間は、選択する光源ランプや照度、あるいは処理条件などにより異なるが、おおまかに0.1秒から15分程度が好ましい。また、樹脂基材や塗布表面に与えるダメージを考慮すると、より短時間であることが好ましく、0.1秒から5分程度がより好ましい。
コロナ放電処理は、通常用いられている処理条件、例えば、電極先端と被処理基布間の距離0.2〜5mmの条件で、その処理量としては、1m2当たり10W・分以上、好ましくは10〜200W・分の範囲、さらに好ましくは20〜180W・分の範囲である。
プラズマ照射処理は、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、ネオン、キセノン、水素、窒素、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化硫黄等の単体ガスまたはこれらの混合ガス、例えば、酸素濃度5〜15容量%を含有する酸素と窒素の混合ガスを、対向電極間に供給して、電圧を印加してプラズマ放電を発生させることによって実施できる。プラズマ処理条件としては、例えば、処理するプラスチック基材が通過する電極間の距離は、基材の厚み、印加電圧の大きさ、混合ガスの流量等に応じて適宜決定されるが、通常0.1〜20mm、好ましくは0.2〜10mmの範囲であり、上記電極間に印加する電圧は印加した際の電界強度が1〜40kV/cmとなるように印加するのが好ましく、その際の交流電源の周波数は、1〜100kHz、好ましくは、1〜100kHzの範囲である。
さらに、塗れ性向上処理を行う前、塗れ性向上処理と同時、あるいは塗れ性向上処理を行った後に加熱処理を行うことが好ましい。具体的には、塗れ性向上処理を行う前や後に加熱する場合は、例えば、積層体をホットプレート上やオーブン中で加熱したり、赤外線ヒーターで加熱したりする方法が適用できる。また、塗れ性向上処理時に基材を加熱する場合は、エキシマ照射処理、あるいは、UVオゾン酸化処理などを行う際に、基材を設置する台を加熱したり、加熱雰囲気下で処理したりする方法が適用できる。バラツキを含めた塗布性、及び密着性の観点から、塗れ性向上処理時に積層体を加熱することがより好ましい。加熱する温度は、好ましくは、30℃〜150℃であり、より好ましくは、50℃〜100℃である。30℃より低いと前述したような加熱の効果が得られず、また、150℃より高いと、基材やその他の構成要素にダメージを与えてしまう懸念が生じる。該加熱処理の温度は、基材を設置する台やロールなどの温度が検出可能な装置である場合は、その設定温度で制御し、検出できない装置である場合は、処理前あるいは処理後に別途、水銀やアルコールなどの温度計(溶液の場合)、熱電対を用いた表面温度計、放射温度計、ファイバー温度計、サーモラベルなどによって検出し確認した。
(ケイ素化合物改質層形成用塗布液を塗布する方法)
ケイ素化合物改質層形成用塗布液を塗布する方法としては、従来公知の適切な湿式塗布方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
塗布厚さは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、塗布厚さは、乾燥後の厚さが10nm〜10μm程度であることが好ましく、15nm〜1μmであることがより好ましく、20〜500nmであることがさらに好ましい。膜厚が10nm以上であれば十分なバリア性を得ることができ、10μm以下であれば、層形成時に安定した塗布性を得ることができ、かつ高い光線透過性を実現できる。
塗布液を塗布した後は、塗膜を乾燥させることが好ましい。塗膜を乾燥することによって、塗膜中に含有される有機溶媒を除去することができる。この際、塗膜に含有される有機溶媒は、すべてを乾燥させてもよいが、一部残存させていてもよい。一部の有機溶媒を残存させる場合であっても、好適なガスバリア層が得られうる。なお、残存する溶媒は後に除去されうる。
塗膜の乾燥温度は、適用する基材によっても異なるが、50〜200℃であることが好ましい。例えば、ガラス転位温度(Tg)が70℃のポリエチレンテレフタレート基材を基材として用いる場合には、乾燥温度は、熱による基材の変形等を考慮して150℃以下に設定することが好ましい。上記温度は、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することによって設定されうる。乾燥時間は短時間に設定することが好ましく、例えば、乾燥温度が150℃である場合には30分以内に設定することが好ましい。また、乾燥雰囲気は、大気雰囲気下、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、真空雰囲気下、酸素濃度をコントロールした減圧雰囲気下等のいずれの条件であってもよい。
ケイ素化合物改質層形成用塗布液を塗布して得られた塗膜(以下、単にケイ素化合物塗膜とする)は、改質処理前または改質処理中に水分を除去する工程を含んでいてもよい。水分を除去する方法としては、低湿度環境を維持して除湿する形態が好ましい。低湿度環境における湿度は温度により変化するので、温度と湿度の関係は露点温度の規定により好ましい形態が示される。好ましい露点温度は4℃以下(温度25℃/湿度25%)で、より好ましい露点温度は−5℃(温度25℃/湿度10%)以下であり、維持される時間は第3の層の膜厚によって適宜設定することが好ましい。第3の層の膜厚が1.0μm以下の条件においては、露点温度は−5℃以下で、維持される時間は1分以上であることが好ましい。なお、露点温度の下限は特に制限されないが、通常、−50℃以上であり、−40℃以上であることが好ましい。改質処理前、あるいは改質処理中に水分を除去することによって、シラノールに転化した第3の層の脱水反応を促進する観点から好ましい形態である。
(第3の層の改質処理)
本発明における改質処理とは、ケイ素化合物の酸化ケイ素または酸窒化ケイ素への転化反応を指し、具体的には本発明のガスバリア性フィルムが全体としてガスバリア性(水蒸気透過率が、1×10-3g/(m2・24h)以下)を発現するに貢献できるレベルの無機薄膜を形成する処理をいう。したがって、第3の層もガスバリア性を有するガスバリア層である。
ケイ素化合物の酸化ケイ素または酸窒化ケイ素への転化反応は、第3の層の転化反応に基づく公知の方法を選ぶことができる。改質処理としては、具体的には、プラズマ処理、紫外線照射処理、熱処理が挙げられる。ただし、熱処理による改質の場合、ケイ素化合物の置換反応による酸化ケイ素膜または酸窒化ケイ素層の形成には450℃以上の高温が必要であるため、プラスチック等のフレキシブル基板においては、適応が難しい。このため、熱処理は他の改質処理と組み合わせて行うことが好ましい。
したがって、本発明のガスバリア性フィルムを作製に際しては、プラスチック基板への適応という観点から、より低温で、転化反応が可能なプラズマ処理や紫外線照射処理による転化反応が好ましい。
(プラズマ処理)
本発明において、改質処理として用いることのできるプラズマ処理は、公知の方法を用いることができるが、好ましくは大気圧プラズマ処理等をあげることが出来る。大気圧近傍でのプラズマPVD処理を行う大気圧プラズマPVD法は、真空下のプラズマPVD法に比べ、減圧にする必要がなく生産性が高いだけでなく、プラズマ密度が高密度であるために成膜速度が速く、更には通常のPVD法の条件に比較して、大気圧下という高圧力条件では、ガスの平均自由工程が非常に短いため、極めて均質の膜が得られる。
大気圧プラズマ処理の場合は、放電ガスとしては窒素ガスまたは周期表の第18属原子、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が用いられる。これらの中でも窒素、ヘリウム、アルゴンが好ましく用いられ、特に窒素がコストも安く好ましい。
(熱処理)
ケイ素化合物を含有する塗膜を他の改質処理、好適には後述のエキシマ照射処理等と組み合わせて、加熱処理することで、改質処理を効率よく行うことが出来る。
また、ゾルゲル法を用いて層形成する場合には、加熱処理を用いることが好ましい。加熱条件としては、50〜300℃、好ましくは、70〜200℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.01〜10分間、加熱・乾操することにより、縮合が行われ、層を形成することができる。
加熱処理としては、例えば、ヒートブロック等の発熱体に基板を接触させ熱伝導により塗膜を加熱する方法、抵抗線等による外部ヒーターにより雰囲気を加熱する方法、IRヒーターの様な赤外領域の光を用いた方法等が上げられるが特に限定はされない。また、ケイ素化合物を含有する塗膜の平滑性を維持できる方法を適宜選択してよい。
加熱処理時の塗膜の温度としては、50〜250℃の範囲に適宜調整することが好ましく、更に好ましくは50〜120℃の範囲である。
また、加熱時間としては、1秒〜10時間の範囲が好ましく、更に好ましくは、10秒〜1時間の範囲が好ましい。
本発明に於いて、好ましくはケイ素化合物を有する塗膜から形成した層(第3の層)自身がガスバリア性(好適には、水蒸気透過率が、1×10-3g/(m2・24h)以下)を発現しており、かような第3の層を得るための改質手段としては、後述するエキシマ光処理が特に好ましい。
(紫外線照射処理)
改質処理の方法の1つとして、紫外線照射による処理も好ましい。紫外線(紫外光と同義)によって生成されるオゾンや活性酸素原子は高い酸化能力を有しており、低温で高い緻密性と絶縁性を有する酸化ケイ素膜または酸窒化ケイ素膜を形成することが可能である。
この紫外線照射により、基材が加熱され、セラミックス化(シリカ転化)に寄与するO2とH2Oや、紫外線吸収剤、ポリシラザン自身が励起、活性化されるため、ポリシラザンが励起し、ポリシラザンのセラミックス化が促進され、また得られるセラミックス膜が一層緻密になる。紫外線照射は、塗膜形成後であればいずれの時点で実施しても有効である。
紫外線照射処理においては、常用されているいずれの紫外線発生装置を使用することも可能である。
なお、本発明でいう紫外線とは、一般には、10〜400nmの波長を有する電磁波をいうが、後述する真空紫外線(10〜200nm)処理以外の紫外線照射処理の場合は、好ましくは210〜375nmの紫外線を用いる。
紫外線の照射は、照射される第3の層を担持している基材がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を設定することが好ましい。
基材としてプラスチックフィルムを用いた場合を例にとると、例えば、2kW(80W/cm×25cm)のランプを用い、基材表面の強度が20〜300mW/cm2、好ましくは50〜200mW/cm2になるように基材−紫外線照射ランプ間の距離を設定し、0.1秒〜10分間の照射を行うことができる。
一般に、紫外線照射処理時の基材温度が150℃以上になると、プラスチックフィルム等の場合には、基材が変形したり、その強度が劣化したりする等、基材の特性が損なわれることになる。しかしながら、ポリイミド等の耐熱性の高いフィルムや、金属等の基板の場合には、より高温での改質処理が可能である。したがって、この紫外線照射時の基材温度としては、一般的な上限はなく、基材の種類によって当業者が適宜設定することができる。また、紫外線照射雰囲気に特に制限はなく、空気中で実施すればよい。
このような紫外線の発生手段としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、エキシマランプ(172nm、222nm、308nmの単一波長、例えば、ウシオ電機(株)製)、UV光レーザー、等が挙げられるが、特に限定されない。また、発生させた紫外線を第3の層に照射する際には、効率向上と均一な照射を達成する観点から、発生源からの紫外線を反射板で反射させてから第3の層に当てることが望ましい。
紫外線照射は、バッチ処理にも連続処理にも適合可能であり、使用する基材の形状によって適宜選定することができる。例えば、バッチ処理の場合には、第3の層を表面に有する積層体を上記のような紫外線発生源を具備した紫外線焼成炉で処理することができる。紫外線焼成炉自体は一般に知られており、例えば、アイグラフィクス(株)製の紫外線焼成炉を使用することができる。また、第3の層を表面に有する積層体が長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら上記のような紫外線発生源を具備した乾燥ゾーンで連続的に紫外線を照射することによりセラミックス化することができる。紫外線照射に要する時間は、使用する基材や第3の層の組成、濃度にもよるが、一般に0.1秒〜10分であり、好ましくは0.5秒〜3分である。
(真空紫外線照射処理:エキシマ照射処理)
本発明において、最も好ましい改質処理方法は、真空紫外線照射による処理(エキシマ照射処理)である。真空紫外線照射による処理は、ポリシラザン化合物内の原子間結合力より大きい100〜200nmの光エネルギーを用い、好ましくは100〜180nmの波長の光エネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみの作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温(約200℃以下)で、酸化ケイ素膜の形成を行う方法である。なお、エキシマ照射処理を行う際は、上述したように熱処理を併用することが好ましく、その際の熱処理条件の詳細は上述したとおりである。
本発明においての放射線源は、100〜180nmの波長の光を発生させるものであれば良いが、好適には約172nmに最大放射を有するエキシマラジエータ(例えば、Xeエキシマランプ)、約185nmに輝線を有する低圧水銀蒸気ランプ、並びに230nm以下の波長成分を有する中圧および高圧水銀蒸気ランプ、および約222nmに最大放射を有するエキシマランプである。
このうち、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから、発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。
また、波長の短い172nmの光のエネルギーは、有機物の結合を解離させる能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間でポリシラザン層の改質を実現できる。
エキシマランプは光の発生効率が高いため、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、光による温度上昇の要因となる波長の長い光は発せず、紫外線領域で、すなわち短い波長でエネルギーを照射するため、解射対象物の表面温度の上昇が抑えられる特徴を持っている。このため、熱の影響を受けやすいとされるPETなどのフレシキブルフィルム材料に適している。
紫外線照射時の反応には、酸素が必要であるが、真空紫外線は、酸素による吸収があるため紫外線照射工程での効率が低下しやすいことから、真空紫外線の照射は、可能な限り酸素濃度および水蒸気濃度の低い状態で行うことが好ましい。すなわち、真空紫外線照射時の酸素濃度は、10〜300,000体積ppmとすることが好ましく、より好ましくは50〜10,000体積ppmである。また、転化プロセスの間の水蒸気濃度は、好ましくは1000〜4000体積ppmの範囲である。
真空紫外線照射時に用いられる、照射雰囲気を満たすガスとしては乾燥不活性ガスとすることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。酸素濃度の調整は照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
真空紫外線照射工程において、塗膜が受ける塗膜面での該真空紫外線の照度は30〜200mW/cm2であることが好ましく、50〜160mW/cm2であることがより好ましい。30mW/cm2未満では、改質効率が大きく低下する懸念があり、200mW/cm2を超えると、塗膜にアブレーションを生じたり、基材にダメージを与えたりする懸念が出てくる。
塗膜面における真空紫外線の照射エネルギー量は、200〜5000mJ/cm2であることが好ましく、500〜3000mJ/cm2であることがより好ましい。200mJ/cm2未満では、改質が不十分となる懸念があり、5000mJ/cm2超えると過剰改質によるクラック発生や、基材の熱変形の懸念が出てくる。
また、改質に用いられる真空紫外光は、CO、CO2およびCH4の少なくとも一種を含むガスで形成されたプラズマにより発生させてもよい。さらに、CO、CO2およびCH4の少なくとも一種を含むガス(以下、炭素含有ガスとも称する)は、炭素含有ガスを単独で使用してもよいが、希ガスまたはH2を主ガスとして、炭素含有ガスを少量添加することが好ましい。プラズマの生成方式としては容量結合プラズマなどが挙げられる。
次に、好適な形態であるケイ素化合物がパーヒドロポリシラザンである場合に、真空紫外線照射工程でパーヒドロポリシラザンから酸窒化ケイ素、さらには酸化ケイ素が生じると推定される反応機構について、以下に説明する。
(I)脱水素、それに伴うSi−N結合の形成
パーヒドロポリシラザン中のSi−H結合やN−H結合は真空紫外線照射による励起等で比較的容易に切断され、不活性雰囲気下ではSi−Nとして再結合すると考えられる(Siの未結合手が形成される場合もある)。すなわち、酸化することなくSiNy組成として硬化する。この場合はポリマー主鎖の切断は生じない。Si−H結合やN−H結合の切断は触媒の存在や、加熱によって促進される。切断されたHはH2として膜外に放出される。
(II)加水分解・脱水縮合によるSi−O−Si結合の形成
パーヒドロポリシラザン中のSi−N結合は水により加水分解され、ポリマー主鎖が切断されてSi−OHを形成する。二つのSi−OHが脱水縮合してSi−O−Si結合を形成して硬化する。これは大気中でも生じる反応であるが、不活性雰囲気下での真空紫外線照射中では、照射の熱によって基材からアウトガスとして生じる水蒸気が主な水分源となると考えられる。水分が過剰となると脱水縮合しきれないSi−OHが残存し、SiO2.1〜SiO2.3の組成で示されるガスバリア性の低い硬化膜となる。
(III)一重項酸素による直接酸化、Si−O−Si結合の形成
真空紫外線照射中、雰囲気下に適当量の酸素が存在すると、酸化力の非常に強い一重項酸素が形成される。パーヒドロポリシラザン中のHやNはOと置き換わってSi−O−Si結合を形成して硬化する。ポリマー主鎖の切断により結合の組み換えを生じる場合もあると考えられる。
(IV)真空紫外線照射・励起によるSi−N結合切断を伴う酸化
真空紫外線のエネルギーはパーヒドロポリシラザン中のSi−Nの結合エネルギーよりも高いため、Si−N結合は切断され、周囲に酸素、オゾン、水等の酸素源が存在すると酸化されてSi−O−Si結合やSi−O−N結合が生じると考えられる。ポリマー主鎖の切断により結合の組み換えを生じる場合もあると考えられる。
ポリシラザンを含有する層に真空紫外線照射を施した層の酸窒化ケイ素の組成の調整は、上述の(I)〜(IV)の酸化機構を適宜組み合わせて酸化状態を制御することで行うことができる。
ここで、ケイ素化合物として好適なポリシラザンにおける場合、シリカ転化(改質処理)では、Si−H、N−H結合の切断と、Si−O結合の生成が起こり、シリカ等のセラミックスに転化するが、この転化の度合はIR測定によって、以下に定義する式(1)により、SiO/SiN比で半定量的に評価することができる。
ここで、SiO吸光度は約1160cm-1、SiN吸光度は約840cm-1での吸収(吸光度)により算出する。SiO/SiN比が大きいほど、シリカ組成に近いセラミックスへの転化が進んでいることを示す。
ここで、セラミックスへの転化度合の指標となるSiO/SiN比は0.3以上、好ましくは0.5以上とすることが好ましい。0.3未満では、期待するガスバリア性が得られないことがある。また、シリカ転化率(SiOxにおけるx)の測定方法としては、例えば、XPS法を用いて測定することができる。
第3の層の膜組成は、XPS表面分析装置を用いて、原子組成比を測定することで測定できる。また、バリア層を切断して切断面をXPS表面分析装置で原子組成比を測定することでも測定することができる。
また、第3の層の膜密度は、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、第3の層の膜密度が、1.5〜2.6g/cm3の範囲にあることが好ましい。この範囲を外れると、膜の緻密さが低下しバリア性の劣化や、湿度による膜の酸化劣化が起こる場合がある。
第3の層の厚さは、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、第3の層の厚さは、10nm〜10μm程度であることが好ましく、15nm〜1μmであることがより好ましく、20〜500nmであることがさらに好ましい。膜厚が10nm以上であれば十分なバリア性を得ることができ、10μm以下であれば、層形成時に安定した塗布性を得ることができ、かつ高い光線透過性を実現できる。ガスバリア性能の観点からは、第3の層の厚さは50nm以上であることが好ましい。
また、第3の層の膜厚が第2の層の膜厚の3倍以上であることが好ましい。高温高湿条件下では、基材、または第1の層が膨張する。すると第2の層に応力が働き、層に影響を与える場合がある。しかしながら、本発明では第3の層が存在するため、第2の層に働く応力が緩和される。そして、上記膜厚の範囲であることによって、高温高湿条件下での上記応力緩和の効果が一層向上するため、ガスバリア性が維持される。なお、第3の層の膜厚は第2の層の膜厚の3〜100倍であることが好ましく、高温高湿時にフィルムを屈曲させた場合にもガスバア性能が維持されることから7.5〜50倍であることがより好ましい。
第3の層の屈折率は、特に制限されないが、1.7〜2.1であることが好ましく、1.8〜2であることがより好ましく、1.9〜2.0であることが特に好ましい。このような屈折率を有するバリア層は、可視光線透過率が高く、かつ高いガスバリア能が安定して得られる。
第3の層は、ロールツーロール方式の成膜装置を用いて形成してもよい。第3の層をロールツーロール方式で生産する場合、継続してロールツーロール方式でフィルムを製造できるため、第3の層をロールツーロール方式の成膜装置を用いて形成させると生産性が向上し、好ましい。ロールツーロール方式で成膜する装置としては、特開2012−106421号に記載の装置等、公知の装置を用いることができる。
図5は、本発明に係る第3の層の形成に用いられる製造装置の一例を示す模式図である。図5の製造装置30は、基材、基材上に積層された第1の層、および第2の層の積層体を送り出す送り出しローラー31と、積層体を搬送する搬送ローラー32、33、34および35と、第3の層がさらに積層された積層体を巻き取る巻き取りローラー36とを含む。そして、ポリシラザンを含む液体を塗布するポリシラザン塗布ユニット37と、溶媒や水分を乾燥させて除去する乾燥ユニット38と、真空紫外光を照射するエキシマ処理ユニット39等を備えている。第2の層上にポリシラザン塗布ユニット37でポリシラザンを含む液体を塗布した後、乾燥ユニット38で溶媒を除去して乾燥する。その後続けて積層体を搬送し、第2の層上に成膜されたポリシラザン塗膜にエキシマ処理ユニット39で真空紫外光を照射しエキシマ処理を施して、ポリシラザン改質層を形成することができる。
〔基材〕
本発明のガスバリア性フィルムは、通常、基材として、プラスチックフィルムを用いる。用いられるプラスチックフィルムは、バリア性積層体を保持できるフィルムであれば材質、厚み等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明のガスバリア性フィルムを有機EL素子等のデバイスの基板として使用する場合は、基材は耐熱性を有する素材からなることが好ましい。具体的には、線膨張係数が15ppm/K以上100ppm/K以下で、かつTgが100℃以上300℃以下の脂基材が使用される。該基材は、電子部品用途、ディスプレイ用積層フィルムとしての必要条件を満たしている。即ち、これらの用途に本発明のガスバリア性フィルムを用いる場合、ガスバリア性フィルムは、150℃以上の工程に曝されることがある。この場合、ガスバリア性フィルムにおける基材の線膨張係数が100ppm/Kを超えると、ガスバリア性フィルムを前記のような温度の工程に流す際に基板寸法が安定せず、熱膨張および収縮に伴い、遮断性性能が劣化する不都合や、或いは、熱工程に耐えられないという不具合が生じやすくなる。15ppm/K未満では、フィルムがガラスのように割れてしまいフレキシビリティが劣化する場合がある。
基材のTgや線膨張係数は、添加剤などによって調整することができる。基材として用いることができる熱可塑性樹脂のより好ましい具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET:70℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN:120℃)、ポリカーボネート(PC:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば日本ゼオン株式会社製、ゼオノア(登録商標)1600:160℃)、ポリアリレート(PAr:210℃)、ポリエーテルスルホン(PES:220℃)、ポリスルホン(PSF:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(COC:特開2001−150584号公報に記載の化合物:162℃)、ポリイミド(例えば三菱ガス化学株式会社製、ネオプリム(登録商標):260℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(BCF−PC:特開2000−227603号公報に記載の化合物:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(IP−PC:特開2000−227603号公報に記載の化合物:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報に記載の化合物:300℃以上)等が挙げられる(括弧内はTgを示す)。特に、透明性を求める場合には脂環式ポレオレフィン等を使用するのが好ましい。
本発明のガスバリア性フィルムを偏光板と組み合わせて使用する場合、ガスバリア性フィルムのバリア性積層体がセルの内側に向くようにし、最も内側に(素子に隣接して)配置することが好ましい。このとき、偏光板よりセルの内側にガスバリア性フィルムが配置されることになるため、ガスバリア性フィルムのレターデーション値が重要になる。このような態様でのガスバリア性フィルムの使用形態は、レターデーション値が10nm以下の基材フィルムを用いたガスバリア性フィルムと円偏光板(1/4波長板+(1/2波長板)+直線偏光板)を積層して使用するか、あるいは1/4波長板として使用可能な、レターデーション値が100nm〜180nmの基材フィルムを用いたガスバリア性フィルムに直線偏光板を組み合わせて用いるのが好ましい。
レターデーションが10nm以下の基材フィルムとしては、例えば、セルローストリアセテート(富士フイルム株式会社製:フジタック(登録商標))、ポリカーボネート(帝人化成株式会社製:ピュアエース(登録商標)、株式会社カネカ製:エルメック(登録商標))、シクロオレフィンポリマー(JSR株式会社製:アートン(登録商標)、日本ゼオン株式会社製:ゼオノア(登録商標))、シクロオレフィンコポリマー(三井化学株式会社製:アペル(登録商標)(ペレット)、ポリプラスチック株式会社製:トパス(登録商標)(ペレット))、ポリアリレート(ユニチカ株式会社製:U100(ペレット))、透明ポリイミド(三菱ガス化学株式会社製:ネオプリム(登録商標))等を挙げることができる。
また1/4波長板としては、上記のフィルムを適宜延伸することで所望のレターデーション値に調整したフィルムを用いることができる。
本発明のガスバリア性フィルムは有機EL素子等のデバイスとして利用されることから、プラスチックフィルムは透明であることが好ましい。すなわち、光線透過率が通常80%以上、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。光線透過率は、JIS K7105:1981に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
ただし、本発明のガスバリア性フィルムをディスプレイ用途に用いる場合であっても、観察側に設置しない場合などは必ずしも透明性が要求されない。したがって、このような場合は、プラスチックフィルムとして不透明な材料を用いることもできる。不透明な材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、公知の液晶ポリマーなどが挙げられる。
本発明のガスバリア性フィルムに用いられるプラスチックフィルムの厚みは、用途によって適宜選択されるため特に制限がないが、典型的には1〜800μmであり、好ましくは10〜200μmである。これらのプラスチックフィルムは、透明導電層、平滑層等の機能層を有していても良い。機能層については、上述したもののほか、特開2006−289627号公報の段落番号0036〜0038に記載されているものを好ましく採用できる。
基材は、表面の平滑性が高いものが好ましい。表面の平滑性としては、平均表面粗さ(Ra)が2nm以下であるものが好ましい。下限は特にないが、実用上、0.01nm以上である。必要に応じて、基材の両面、少なくとも、バリア層を設ける側を研摩し、平滑性を向上させておいてもよい。
また、上記に挙げた樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明に用いられる基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
基材の両面、少なくとも本発明に係るバリア層(硬化型樹脂層)を設ける側には、接着性向上のための公知の種々の処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、プラズマ処理、易接着層や平滑層の積層等を、必要に応じて組み合わせて行うことができる。
〔中間層〕
上述の基材、第1の層、第2の層、および第3の層間または表面には、本発明の効果を損なわない範囲で別途中間層を設けてもよい。
(硬化性樹脂層)
本発明に係るガスバリア性フィルムは、基材上に、硬化性樹脂を硬化させて形成されてなる硬化性樹脂層を有することが好ましい。前記硬化性樹脂としては特に制限されず、活性エネルギー線硬化性材料等に対して紫外線等の活性エネルギー線を照射し硬化させて得られる活性エネルギー線硬化性樹脂や、熱硬化性材料を加熱することにより硬化して得られる熱硬化性樹脂等が挙げられる。該硬化性樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
かような硬化性樹脂層は、(1)基材表面を平滑にする、(2)積層される上層の応力を緩和する、(3)基材と上層との接着性を高める、の少なくとも一つの機能を有する。このため、該硬化性樹脂層は、後述の、平滑層、アンカーコート層(易接着層)と兼用されてもよい。
活性エネルギー線硬化性材料としては、例えば、アクリレート化合物を含有する組成物、アクリレート化合物とチオール基を含有するメルカプト化合物とを含有する組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、グリセロールメタクリレート等の多官能アクリレートモノマーを含有する組成物等が挙げられる。具体的には、JSR株式会社製のUV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材 OPSTAR(登録商標)シリーズ(シリカ微粒子に重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させてなる化合物)を用いることができる。また、上記のような組成物の任意の混合物を使用することも可能であり、光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性のモノマーを含有している活性エネルギー線硬化性材料であれば特に制限はない。
光重合性不飽和結合を分子内に1個以上有する反応性モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−デシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトリキエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチルトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロピオンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタンジオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上記のアクリレートをメタクリレートに換えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。上記の反応性モノマーは、1種または2種以上の混合物として、あるいはその他の化合物との混合物として使用することができる。
活性エネルギー線硬化性材料を含む組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミン)ベンゾフェノン、α−アミノ・アセトフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンズスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンジルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モノフォリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モノフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、n−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、エオシン、メチレンブルー等の光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられ、これらの光重合開始剤を1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
熱硬化性材料としては、具体的には、クラリアント社製のトゥットプロムシリーズ(有機ポリシラザン)、セラミックコート株式会社製のSP COAT耐熱クリアー塗料、アデカ社製のナノハイブリッドシリコーン、DIC株式会社製のユニディック(登録商標)V−8000シリーズ、EPICLON(登録商標) EXA−4710(超高耐熱性エポキシ樹脂)、信越化学工業株式会社製のシリコン樹脂 X−12−2400(商品名)、日東紡績株式会社製の無機・有機ナノコンポジット材料SSGコート、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、ポリアミドアミン−エピクロルヒドリン樹脂等が挙げられる。
硬化性樹脂層の形成方法は、特に制限はないが、硬化性材料を含む塗布液をスピンコーティング法、ダイコーティング法、スプレー法、ブレードコーティング法、ディップ法、グラビア印刷法等のウエットコーティング法、または蒸着法等のドライコーティング法により塗布し塗膜を形成した後、可視光線、赤外線、紫外線、X線、α線、β線、γ線、電子線等の活性エネルギー線の照射および/または加熱により、前記塗膜を硬化させて形成する方法が好ましい。活性エネルギー線を照射する方法としては、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等を用い好ましくは100〜400nm、より好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、または、走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射する方法が挙げられる。
硬化性材料を溶媒に溶解または分散させた塗布液を用いて硬化性樹脂層を形成する際に使用する溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α−もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、シクロヘキシルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等の酢酸エステル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、安息香酸メチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。
硬化性樹脂層は、上述の材料に加えて、必要に応じて、熱可塑性樹脂や酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等の添加剤を含有することができる。また、成膜性向上および膜のピンホール発生防止等のために適切な樹脂や添加剤を使用してもよい。熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニルおよびその共重合体、塩化ビニルおよびその共重合体、塩化ビニリデンおよびその共重合体等のビニル樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂およびその共重合体、メタクリル樹脂およびその共重合体等のアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
硬化性樹脂層の厚さとしては、特に制限されないが、0.1〜10μmの範囲が好ましい。
硬化性樹脂層の平滑性は、中心線平均表面粗さ(Ra)は、0.3〜2.0nmであることが好ましく、0.3〜1.0nmであることがより好ましい。かような範囲であれば、基材表面を平滑にするという硬化性樹脂層の一目的を達成しうる。
硬化性樹脂層の弾性率は、2.0〜20.0Paであることが好ましい。かような範囲であれば、膜面のハードコート性が向上し、上層積層による応力を緩和できるという硬化性樹脂層の一目的を達成しうる。なお、弾性率は、従来公知の弾性率測定方法により求めることができ、例えば、オリエンテック社製バイブロンDDV−2を用いて一定の歪みを一定の周波数(Hz)で掛ける条件下で測定する方法、測定装置としてRSA−II(レオメトリックス社製)を用い、基材上に硬化性樹脂層を形成した後、一定周波数で印加歪を変化させたとき得られる測定値により求める方法、あるいは、ナノインデンテーション法を適用したナノインデンター、例えば、MTSシステム社製のナノインデンター(Nano IndenterTMXP/DCM)により測定することができる。
(プライマー層(平滑層))
本発明のガスバリア性フィルムは、基材のバリア層を有する面にプライマー層(平滑層)を有していてもよい。プライマー層は突起等が存在する基材の粗面を平坦化するために設けられる。このようなプライマー層は、基本的には、活性エネルギー線硬化性材料または熱硬化性材料等を硬化させて形成される。プライマー層は、上記のような機能を有していれば、基本的に上記の硬化性樹脂層と同じ構成をとっても構わない。
前記活性エネルギー線硬化性材料および前記熱硬化性材料の例、およびプライマー層の形成方法は、上記の硬化性樹脂層の欄で説明したものと同様であるので、ここでは説明を省略する。
プライマー層の厚さとしては、特に制限されないが、0.1〜10μmの範囲が好ましい。
なお、該平滑層は、下記アンカーコート層として用いてもよい。
(アンカーコート層)
本発明に係る基材表面には、バリア層との接着性(密着性)の向上を目的として、アンカーコート層を易接着層として形成してもよい。このアンカーコート層に用いられるアンカーコート剤としては、ポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂、およびアルキルチタネート等を、1または2種以上併せて使用することができる。上記アンカーコート剤は、市販品を使用してもよい。具体的には、シロキサン系UV硬化型ポリマー溶液(信越化学工業株式会社製、「X−12−2400」の3%イソプロピルアルコール溶液)を用いることができる。
これらのアンカーコート剤には、従来公知の添加剤を加えることもできる。そして、上記のアンカーコート剤は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の方法により基材上にコーティングし、溶剤、希釈剤等を乾燥除去することによりコーティングすることができる。上記のアンカーコート剤の塗布量としては、0.1〜5g/m2(乾燥状態)程度が好ましい。なお、市販の易接着層付き基材を用いてもよい。
または、アンカーコート層は、物理蒸着法または化学蒸着法といった気相法により形成することもできる。例えば、特開2008−142941号公報に記載のように、接着性等を改善する目的で酸化ケイ素を主体とした無機膜を形成することもできる。
また、アンカーコート層の厚さは、特に制限されないが、0.5〜10.0μm程度が好ましい。
(ブリードアウト防止層)
本発明のガスバリア性フィルムにおいては、ブリードアウト防止層を設けることができる。ブリードアウト防止層は、硬化性樹脂層/平滑層を有するフィルムを加熱した際に、フィルム基材中から未反応のオリゴマー等が表面へ移行して、接触する面を汚染する現象を抑制する目的で、硬化性樹脂層/平滑層を有する基材の反対面に設けられる。ブリードアウト防止層は、この機能を有していれば、基本的に硬化性樹脂層/平滑層と同じ構成をとっても構わない。
ブリードアウト防止層に含ませることが可能な、ハードコート剤としては、分子中に2個以上の重合性不飽和基を有する多価不飽和有機化合物、あるいは分子中に1個の重合性不飽和基を有する単価不飽和有機化合物等を挙げることができる。
ここで、多価不飽和有機化合物としては、例え、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、単価不飽和有機化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他の添加剤として、マット剤を含有してもよい。マット剤としては、平均粒子径が0.1〜5μm程度の無機粒子が好ましい。
このような無機粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム等の1種または2種以上を併せて使用することができる。
ここで、無機粒子からなるマット剤は、ハードコート剤の固形分100重量部に対して2重量部以上、好ましくは4重量部以上、より好ましくは6重量部以上、20重量部以下、好ましくは18重量部以下、より好ましくは16重量部以下の割合で混合されていることが望ましい。
また、ブリードアウト防止層には、ハードコート剤およびマット剤の他の成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、光重合開始剤等を含有させてもよい。
このような熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニルおよびその共重合体、塩化ビニルおよびその共重合体、塩化ビニリデンおよびその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂、アクリル樹脂およびその共重合体、メタクリル樹脂およびその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、光重合性プレポリマーもしくは光重合性モノマー等の1種または2種以上を混合した電離放射線硬化塗料に、電離放射線(紫外線または電子線)を照射することで硬化するものを使用することができる。ここで光重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このアクリル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラミンアクリレート等が使用できる。また光重合性モノマーとしては、上記に記載した多価不飽和有機化合物等が使用できる。
また、光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾインベンゾエート、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4−モルフォリニル)−1−プロパン、α−アシロキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げられる。
以上のようなブリードアウト防止層は、ハードコート剤、および必要に応じて他の成分を配合して、適宜必要に応じて用いる希釈溶剤によって塗布液として調製し、塗布液を基材フィルム表面に従来公知の塗布方法によって塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることにより形成することができる。なお、電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる好ましくは100〜400nm、より好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、または走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射することにより行うことができる。
本発明におけるブリードアウト防止層の厚さとしては、1〜10μm、好ましくは2〜7μmであることが望ましい。1μm以上にすることにより、フィルムとしての耐熱性を十分なものにし易くなり、10μm以下にすることにより、平滑フィルムの光学特性のバランスを調整し易くなると共に、硬化性樹脂層/平滑層を透明高分子フィルムの一方の面に設けた場合におけるガスバリア性フィルムのカールを抑え易くすることができるようになる。
本発明のガスバリア性フィルムには、必要に応じてさらに別の有機層や保護層、吸湿層、帯電防止層等の機能化層を設けることができる。
[ガスバリア性フィルムの製造方法]
本発明のガスバリア性フィルムの製造方法の好適な一実施形態は、物理蒸着法によりSi、AlおよびTiの少なくとも一種を含む酸化物、窒化物、酸窒化物および酸炭化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1の層を形成する段階と、原子層堆積法により無機酸化物を含む第2の層を形成する段階と、ケイ素化合物を含有する液を塗布し、得られる塗膜を改質処理して得られる第3の層を形成する段階と、をこの順に含む、ガスバリア性フィルムの製造方法である。各工程の詳細は各層で上述したとおりである。さらに好適な一実施形態は、物理蒸着法によりSi、AlおよびTiの少なくとも一種を含む酸化物、窒化物、酸窒化物および酸炭化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1の層を形成する段階と、前記第1の層上に、原子層堆積法により無機酸化物を含む第2の層を形成する段階と、前記第2の層上に、ケイ素化合物を含有する液を塗布し、得られる塗膜を改質処理して得られる第3の層を形成する段階と、を含む、ガスバリア性フィルムの製造方法である。
[電子デバイス]
上記したような本発明のガスバリア性フィルムは、優れたガスバリア性、屈曲性を有し、特に高温高湿条件下のガスバリア性能の低下が少ない。このため、本発明のガスバリア性フィルムは、電子デバイス等のパッケージ、光電変換素子(太陽電池素子)や有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、液晶表示素子等の等の電子デバイスに用いられるガスバリア性フィルムおよびこれを用いた電子デバイスなど、様々な用途に使用することができる。
(電子素子本体)
電子素子本体は電子デバイスの本体であり、本発明に係るガスバリア性フィルム側に配置される。電子素子本体としては、ガスバリア性フィルムによる封止が適用されうる公知の電子デバイスの本体が使用できる。例えば、有機EL素子、太陽電池(PV)、液晶表示素子(LCD)、電子ペーパー、薄膜トランジスタ、タッチパネル等が挙げられる。本発明の効果がより効率的に得られるという観点から、該電子素子本体は、有機EL素子または太陽電池であることが好ましい。これらの電子素子本体の構成についても、特に制限はなく、従来公知の構成を有しうる。
以下、具体的な電子素子本体の一例として有機EL素子およびこれを用いた有機ELパネルについて説明する。
本発明に係るガスバリア性フィルム10を封止フィルムとして用いた電子デバイスである有機ELパネル9の一例を図6に示す。有機ELパネル9は、図6に示すように、ガスバリアフィルム10と、ガスバリアフィルム10上に形成されたITOなどの透明電極4と、透明電極4を介してガスバリアフィルム10上に形成された有機EL素子5と、その有機EL素子5を覆うように接着剤層6を介して配設された対向フィルム7等を備えている。なお、透明電極4は、有機EL素子5の一部を成すともいえる。このガスバリア性フィルム10におけるガスバリア層が形成された面に、透明電極4と有機EL素子5が形成されるようになっている。また、対向フィルム7は、アルミ箔などの金属フィルムのほか、本発明に係るガスバリアフィルムを用いてもよい。対向フィルム7にガスバリア性フィルムを用いる場合、ガスバリア層が形成された面を有機EL素子5に向けて、接着剤層6によって貼付するようにすればよい。
(有機EL素子)
有機ELパネル9において、ガスバリア性フィルム10で封止される有機EL素子5について説明する。
以下に有機EL素子5の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(3)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(4)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/陽極バッファー層(正孔注入層)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極バッファー層(電子注入層)/陰極
(陽極)
有機EL素子5における陽極(透明電極4)としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In23−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜として形成し、その薄膜をフォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。
この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましい。また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。また、陽極の膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
(陰極)
有機EL素子5における陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が陰極として好適である。
陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。また、陰極の膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子5の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば、発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極の説明で挙げた上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
(注入層:電子注入層、正孔注入層)
注入層には電子注入層と正孔注入層があり、電子注入層と正孔注入層を必要に応じて設け、陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させる。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、特開平9−260062号公報、特開平8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、特開平9−17574号公報、特開平10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的には、ストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
(発光層)
有機EL素子5における発光層は、電極(陰極、陽極)または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
有機EL素子5の発光層には、以下に示すドーパント化合物(発光ドーパント)とホスト化合物(発光ホスト)が含有されることが好ましい。これにより、より一層発光効率を高くすることができる。
(発光ドーパント)
発光ドーパントは、大きく分けて蛍光を発光する蛍光性ドーパントとリン光を発光するリン光性ドーパントの2種類がある。
蛍光性ドーパントの代表例としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
リン光性ドーパントの代表例としては、好ましくは元素の周期表で8属、9属、10属の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。発光ドーパントは複数種の化合物を混合して用いてもよい。
(発光ホスト)
発光ホスト(単にホストとも言う)とは、2種以上の化合物で構成される発光層中にて混合比(質量)の最も多い化合物のことを意味し、それ以外の化合物については「ドーパント化合物(単に、ドーパントとも言う)」という。例えば、発光層を化合物A、化合物Bという2種で構成し、その混合比がA:B=10:90であれば化合物Aがドーパント化合物であり、化合物Bがホスト化合物である。更に発光層を化合物A、化合物B、化合物Cの3種から構成し、その混合比がA:B:C=5:10:85であれば、化合物A、化合物Bがドーパント化合物であり、化合物Cがホスト化合物である。
発光ホストとしては構造的には特に制限はないが、代表的にはカルバゾール誘導体、トリアリールアミン誘導体、芳香族ボラン誘導体、含窒素複素環化合物、チオフェン誘導体、フラン誘導体、オリゴアリーレン化合物等の基本骨格を有するもの、またはカルボリン誘導体やジアザカルバゾール誘導体(ここで、ジアザカルバゾール誘導体とは、カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の少なくとも一つの炭素原子が窒素原子で置換されているものを表す。)等が挙げられる。中でも、カルボリン誘導体、ジアザカルバゾール誘導体等が好ましく用いられる。
そして、発光層は上記化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により成膜して形成することができる。発光層としての膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で選ばれる。この発光層はドーパント化合物やホスト化合物が1種または2種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
(電子輸送層)
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する電子輸送材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送材料としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
(有機EL素子の作製方法)
有機EL素子5の作製方法について説明する。
ここでは有機EL素子5の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製方法について説明する。
まず、ガスバリア性フィルム10上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング、プラズマPVD等の方法により形成させ、陽極を作製する。
次に、その上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の有機化合物薄膜を形成させる。この有機化合物薄膜の成膜方法としては、蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。更に層毎に異なる成膜法を適用してもよい。成膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10-6〜10-2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚0.1nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。
この有機EL素子5の作製は、一回の真空引きで一貫して陽極、正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる成膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。また、作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
このようにして得られた有機EL素子5を備える多色の表示装置(有機ELパネル9)に、直流電圧を印加する場合には、陽極をプラス、陰極をマイナスの極性として電圧2〜40V程度を印加すると発光が観測できる。また、交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
実施例1:ガスバリア性フィルムの作製
<試料の調製>
(基材)
熱可塑性樹脂である、両面に易接着加工された125μm厚みのポリエステルフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、極低熱収PET Q83)を基材として用いた。
(ブリードアウト防止層の形成)
上記基材の片面に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材OPSTAR Z7535を塗布、乾燥後の膜厚が4μmになるようにダイコーターで塗布した後、乾燥条件;80℃、3分で乾燥後、空気下、高圧水銀ランプ使用、硬化条件;1.0J/cm2で硬化を行い、ブリードアウト防止層を形成した。
(硬化性樹脂層(平滑層)の形成)
続けて上記基材の反対面に、JSR株式会社製 UV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材OPSTAR Z7501を塗布、乾燥後の膜厚が4μmになるようにダイコーターで塗布した後、乾燥条件;80℃、3分で乾燥後、空気雰囲気下、高圧水銀ランプ使用、硬化条件;1.0J/cm2で硬化を行い、硬化性樹脂層を形成した。このときの硬化性樹脂層表面のRaは0.8nmであった。
[ガスバリア性フィルム1の作製]
(PVD層の形成)
図1に示すロールツーロール方式の反応性スパッタリング装置を用いて、硬化性樹脂層を設けたフィルム上へSiO2膜の成膜(膜厚 100nm)を行った。
ターゲットはSi、不活性ガスとしてAr、反応ガスとしてO2(不活性ガス:反応ガス流量体積比=8:1)を用い、真空到達圧0.2Pa、ターゲットへの投入電力2W/cm2、装置の基材搬送速度 5m/minであった。
(ALD層の形成)
続いて、SiO2上に図3のALD製膜装置にて、アルミナAl23の薄膜を堆積させた。アルミニウム源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、酸素源として水を用いた。
フィルムをALD製膜装置に取り付けて、その反応器を真空ポンプにて反応器内の圧力を100Pa以下に調整し、次いで基材温度を100℃に調整した。ここでは100サイクル分のコーティングヘッド下を通過させ、10.0nmのAl23薄膜を形成した。このときALD層表面のRaは6.1nmであった。
(ポリシラザン層の形成)
続いてALD層上にポリシラザン塗膜を形成した。無触媒のパーヒドロポリシラザン20質量%ジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ(登録商標)NN120−20)とアミン触媒(N,N,N',N'−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン)を固形分の5質量%含有するパーヒドロポリシラザン20質量%ジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製アクアミカ(登録商標)NAX120−20)をアミン触媒が固形分の1質量%となるように混合して用い、さらにジブチルエーテルで希釈することによりパーヒドロポリシラザン5質量%ジブチルエーテル溶液として調製した。この溶液をダイコーターを用いて塗布したのち、ドライヤーにて温度50℃、露点10℃の気流により1分乾燥、その後、温度80℃、露点5℃の気流にて2分乾燥しポリシラザン層を形成した。
[ポリシラザンの改質処理]
ポリシラザン塗膜を乾燥した後の上記試料に対し、下記の装置、条件でエキシマ改質処理を施してポリシラザン改質層を形成した。ドライヤーにて80℃に加熱されたフィルム基材に対して連続しておこなう改質処理工程において加熱したN2ガスを吹き付けることで、酸素濃度を所定の値まで低下させつつ改質処理時の基材温度を80℃に保った。改質処理時の露点温度は−20℃で実施した。
・改質処理装置
(株)エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MEUT−1−500
波長:172nm
ランプ封入ガス:Xe
・改質処理条件
エキシマ光強度 :130mW/cm2(172nm)
試料と光源の距離 :2mm
フィルム基材温度 :80℃
エキシマランプ管面とフィルム基材間の酸素濃度:0.3体積%以下
フィルム基材搬送ラインに対して複数の改質処理装置を連続的に配置することで塗膜に対して累積光量2.5J/cm2の真空紫外光を照射し、膜厚150nmのポリシラザン層を形成、ガスバリア性フィルム1を作製した。
[ガスバリア性フィルム2の作製]
ALD層を下記のように形成した以外はガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム2を作製した。
[ALD層の形成]
図3のALD製膜装置にて、SiO2の薄膜を堆積させた。Si源としてトリスジメチルアミノシラン(3DMASi)、酸素源としてオゾンを用いた。
フィルムをALD製膜装置に取り付けて、その反応器を真空ポンプにて反応器内の圧力を100Pa以下に調整し、次いで基材温度を100℃に調整した。ここでは100サイクル分のコーティングヘッド下を通過させ、10.0nmのSiO2薄膜を形成した。このときのRaは6.0nmであった。
[ガスバリア性フィルム3の作製]
ALD層の形成を下記のようにして形成した以外は、ガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム3を作製した。
[ALD層の形成]
図3のALD製膜装置にて、TiO2の薄膜を堆積させた。Ti源としてテトラキスジメチルアミノチタン(TDMATi)、酸素源としてオゾンを用いた。
フィルムをALD製膜装置に取り付けて、その反応器を真空ポンプにて反応器内の圧力を100Pa以下に調整し、次いで基材温度を100℃に調整した。ここでは167サイクル分のコーティングヘッド下を通過させ、10.0nmのTiO2薄膜を形成した。このときのRaは6.0nmであった。
[ガスバリア性フィルム4の作製]
ALD層の形成を下記のようにして形成した以外は、ガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム4を作製した。
(ALD層の形成)
続いて、SiO2膜上に図3のALD製膜装置にて、アルミナAl23の薄膜を堆積させた。アルミニウム源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、酸素源として水を用いた。
フィルムをALD製膜装置に取り付けて、その反応器を真空ポンプにて反応器内の圧力を100Pa以下に調整し、次いで基材温度を100℃に調整した。ここでは30サイクル分のコーティングヘッド下を通過させ3.0nmのAl23薄膜を形成した。このときALD層表面のRaは7.0nmであった。
[ガスバリア性フィルム5の作製]
ALD層の形成、及びPVD層の形成を下記のようにして形成した以外は、ガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム5を作製した。
(PVD層の形成)
図1に示すロールツーロール方式の反応性スパッタリング装置を用いて、硬化性樹脂層を設けたフィルム上へSiO2膜の成膜(膜厚 200nm)を行った。
ターゲットはSi、不活性ガスとしてAr、反応ガスとしてO2(不活性ガス:反応ガス流量体積比=8:1)用い、真空到達圧0.2Pa、ターゲットへの投入電力2W/cm2、装置の基材搬送速度 2.5m/minであった。
(ALD層の形成)
続いて、SiO2膜上に図3のALD製膜装置にて、アルミナAl23の薄膜を堆積させた。アルミニウム源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、酸素源として水を用いた。
フィルムをALD製膜装置に取り付けて、その反応器を真空ポンプにて反応器内の圧力を100Pa以下に調整し、次いで基材温度を100℃に調整した。ここでは200サイクル分のコーティングヘッド下を通過させ、20.0nmのAl23薄膜を形成した。このときALD層表面のRaは7.1nmであった。
[ガスバリア性フィルム6の作製]
ALD層の形成を下記のようにして形成した以外は、ガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム6を作製した。
(ALD層の形成)
続いて、SiO2上に図3のALD製膜装置にて、アルミナAl23の薄膜を堆積させた。アルミニウム源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、酸素源として水を用いた。
フィルムをALD製膜装置に取り付けて、その反応器を真空ポンプにて反応器内の圧力を100Pa以下に調整し、次いで基材温度を100℃に調整した。ここでは300サイクル分のコーティングヘッド下を通過させ、30.0nmのAl23薄膜を形成した。このときALD層表面のRaは5.3nmであった。
[ガスバリア性フィルム7の作製]
ALD層の形成を下記のようにして形成した以外は、ガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム7を作製した。
(ALD層の形成)
続いて、SiO2上に図3のALD製膜装置にて、アルミナAl23の薄膜を堆積させた。アルミニウム源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、酸素源として水を用いた。
フィルムをALD製膜装置に取り付けて、その反応器を真空ポンプにて反応器内の圧力を100Pa以下に調整し、次いで基材温度を100℃に調整した。ここでは400サイクル分のコーティングヘッド下を通過させ、40.0nmのAl23薄膜を形成した。このときALD層表面のRaは4.3nmであった。
[ガスバリア性フィルム8の作製]
ポリシラザン層の塗膜厚みを45nmになるように固形分濃度を調整して形成した以外は、ガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム8を作製した。
[ガスバリア性フィルム9の作製]
ALD層の形成、及びポリシラザン層の形成を下記のようにして形成した以外は、ガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム10を作製した。
(ALD層の形成)
続いて、SiO2膜上に図3のALD製膜装置にて、アルミナAl23の薄膜を堆積させた。アルミニウム源としてトリメチルアルミニウム(TMA)、酸素源として水を用いた。
フィルムをALD製膜装置に取り付けて、その反応器を真空ポンプにて反応器内の圧力を100Pa以下に調整し、次いで基材温度を100℃に調整した。ここでは200サイクル分のコーティングヘッド下を通過させ、20.0nmのAl23薄膜を形成した。このときALD層表面のRaは5.0nmであった。
(ポリシラザン層の形成)
ポリシラザン層の塗膜厚みを50nmになるように固形分濃度を調整して形成した。
[ガスバリア性フィルム10の作製]
ガスバリア性フィルム1の形成において、ALD層を形成しなかったこと以外はガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム10を作製した。
[ガスバリア性フィルム11の作製]
特開2012−131194号の図1に記載の真空プラズマCVD装置を用いて、第1の層の形成を行ったこと、およびALD層を形成しなかったこと以外は、ガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム11を作製した。
第1の層の形成は次のように行った。硬化性樹脂層を設けたフィルム上へSiOC膜の成膜を行った。この時使用した高周波電源は、27.12MHzの高周波電源で、電極間距離は20mmとした。原料ガスとしては、テトラエトキシシラン(TEOS)ガス流量を7.5sccm、酸素ガス流量を30sccmとして真空槽内へ導入した。このとき成膜開始時にフィルム基板温度を100℃、成膜時のガス圧を30Paに設定してSiOC膜50nmを形成した。
続いて上記と同じ装置を用いて、SiOC上にSiO2膜を形成した。この時、使用した高周波電源は、27.12MHzの高周波電源で、電極間距離は20mmとした。原料ガスとしては、シランガス流量を7.5sccm、酸素ガス流量を30sccmとして真空槽内へ導入した。このとき成膜開始時にフィルム基板温度を100℃、成膜時のガス圧を30Paに設定してSiO2膜50nmを形成した。このときCVD層表面のRaは7.4nmであった。
[ガスバリア性フィルム12の作製]
ガスバリア性フィルム1の形成において、PVD層の形成を以下のように変更したこと以外は、ガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム12を作製した。
[PVD層の形成]
市販の電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置を用いて形成した。尚、蒸着材料は、金属ケイ素には50μm以下の径を有する粉末が95%以上の粉末を、二酸化ケイ素には結晶構造を95%含み、50μm以下の径を有する粉末が95%以上の粉末を用意し、酸素の原子数とケイ素の原子数の比(O/Si)を1.50となるように混合した金属ケイ素と二酸化ケイ素からなる混合蒸着用材料を作製した。この混合蒸着用材料を坩堝に投入し、嵩密度が1.0g/cm3となるようにプレス成型した。
この材料を電子ビーム加熱方式の真空蒸着装置で、電子銃から放出する電子ビームを混合蒸着用材料に照射し蒸発させ、SiO2膜が100nmとなるように形成した。
[ガスバリア性フィルム13の作製]
ガスバリア性フィルム1の形成において、ポリシラザン層を形成しなかったこと以外は、ガスバリア性フィルム1と同様にしてガスバリア性フィルム13を作製した。
[評価方法]
ガスバリア性フィルムの各特性値は、下記の方法に従って測定される。
〔中心線平均表面粗さ(Ra)〕
原子間力顕微鏡(AFM)として、セイコーインスツルメンツ株式会社製、走査型プローブ顕微鏡SPI3700を使用し、ダイナミックフォースモードで試料の表面を、測定面積10×10μm角、走査速度1Hz、x−y方向512×256分割、カンチレバーSI−DF−20(Si、f=126kHz、c=16N/m)の条件で測定したAFMトポグラフィー像につき傾斜自動補正処理を行い、次いで3次元粗さ解析にて中心線平均表面粗さRa(nm)を求めた。この際、測定に用いたカンチレバーは摩耗や汚れのない状態のものを用いた。
〔水蒸気バリア性(WVTR)の評価〕
以下の測定方法に従って、各ガスバリア性フィルムの透過水分量を測定し、下記の基準に従って、水蒸気バリア性を評価した。
(装置)
蒸着装置:日本電子株式会社製、真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
(水蒸気バリア性評価用セルの作製)
試料のバリア層面に、真空蒸着装置(日本電子株式会社製、真空蒸着装置 JEE−400)を用い、透明導電膜を付ける前のガスバリア性フィルム試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させた。その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。アルミニウム封止後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製した。
得られた両面を封止した試料を、60℃、90%RHの高温高湿下で保存し、特開2005−283561号公報に記載の方法に基づき、金属カルシウムの腐食量からセル内に透過した水分量を計算した。
なお、ガスバリア性フィルム面以外からの水蒸気の透過がないことを確認するために、比較試料としてガスバリア性フィルム試料の代わりに、厚さ0.2mmの石英ガラス板を用いて金属カルシウムを蒸着した試料を、60℃、90%RHの高温高湿下保存を行い、1000時間経過後でも金属カルシウム腐食が発生しないことを確認した。
以上により測定された各ガスバリア性フィルムの透過水分量(g/m2・day;表中の「WVTR」)をCa法によって評価した。
(ランク評価)
5:1×10-5g/m2/day未満
4:1×10-5g/m2/day以上、5×10-5g/m2/day未満
3:5×10-5g/m2/day以上、1×10-4g/m2/day未満
2:1×10-4g/m2/day以上、1×10-3g/m2/day未満
1:1×10-3g/m2/day以上
〔折り曲げ耐性(屈曲性)の評価〕
ガスバリア性フィルムについて、屈曲前後のガスバリア性の変化を確認するために、あらかじめ、半径10mmの曲率になるように、180度の角度で100回屈曲を繰り返し処理したガスバリア性フィルムについて、水蒸気透過率(WVTR)を測定し、同様のランク評価を行った。
〔高温高湿耐性の評価〕
得られたガスバリア性フィルムについて、屈曲させず、60℃、90%RHに調整した高温高湿槽(恒温恒湿度オーブン:Yamato Humidic ChamberIG47M)内に、100時間連続で保管し、その後、上記折り曲げ耐性評価を実施し、同様にして水蒸気透過率を測定し、同様のランク評価を行った。
結果を下記表2に示す。なお、下記表2中、スパッタ層とは反応性スパッタ法により得られた層を、PHPS層とはパーヒドロポリシラザン(PHPS)を改質して得られた層を、CVD層とは化学気相蒸着法により得られた層を、蒸着層とは真空蒸着により得られた層を指す。
上記表2の結果に記載のように、フィルムNo.1〜9、12のフィルムは、フィルムNo.10、11および13のフィルムと比較して屈曲時のガスバリア性能が維持され、特に高温高湿条件下であっても屈曲耐性が高く、ガスバリア性能が維持されていることがわかる。
4 透明電極、
5 有機EL素子、
6 接着剤層、
7 対向フィルム、
9 有機ELパネル、
10 ガスバリア性フィルム、
11 スパッタリング装置、
12 真空チャンバ、
13、31、80、83 送り出しローラー、
14、15、16、17、32、33、34、35 搬送ローラー、
18 成膜ローラー、
19 カソード、
20 ターゲット、
21、36、81 巻き取りローラー、
22 反応ガス供給装置、
23 不活性ガス供給装置、
24 隔壁、
25、82、84 基材、
26 第1の層、
27 積層体フィルム、
30 製造装置、
37 ポリシラザン塗布ユニット、
38 乾燥ユニット、
39 エキシマ処理ユニット、
70 コーティングヘッド、
71 原料ガス供給装置、
72 不活性ガス供給装置、
73 第2のガス供給装置、
74 ガス導入管、
75 排気管、
86 MR、
87 コーティングヘッド、
90 温度調節手段。

Claims (5)

  1. 基材、第1の層、第2の層、および第3の層をこの順に含み、
    前記第1の層は、ケイ素、アルミニウムおよびチタンからなる群より選択される少なくとも1種の酸化物、窒化物、酸窒化物または酸炭化物の少なくとも1種を含み、かつ物理蒸着法により形成され、
    前記第2の層は、無機酸化物を含み、かつ原子層堆積法により形成され、
    前記第3の層は、ケイ素化合物を含有する液を塗布して形成される塗膜を改質処理して得られる、ガスバリア性フィルム。
  2. 前記第3の層の膜厚が前記第2の層の膜厚の3倍以上である、請求項1に記載のガスバリア性フィルム。
  3. 前記物理蒸着法が反応性スパッタ法である、請求項1または2に記載のガスバリア性フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のガスバリア性フィルムを用いる電子デバイス。
  5. 物理蒸着法によりケイ素、アルミニウムおよびチタンの少なくとも一種を含む酸化物、窒化物、酸窒化物および酸炭化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む第1の層を形成する段階と、
    原子層堆積法により無機酸化物を含む第2の層を形成する段階と、
    ケイ素化合物を含有する液を塗布し、得られる塗膜を改質処理して得られる第3の層を形成する段階と、を含む、ガスバリア性フィルムの製造方法。
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