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JP2015001584A - 固有偏光子 - Google Patents

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JP2015001584A JP2013125366A JP2013125366A JP2015001584A JP 2015001584 A JP2015001584 A JP 2015001584A JP 2013125366 A JP2013125366 A JP 2013125366A JP 2013125366 A JP2013125366 A JP 2013125366A JP 2015001584 A JP2015001584 A JP 2015001584A
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Tadanori Shiotani
匡範 塩谷
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Abstract

【課題】本発明の課題は、従来固有偏光子では十分な光の吸収を達成することの出来なかった600〜640nmの赤色光領域における、光の吸収が高められ、かつ、上記領域において、高い偏光入射コントラストを有する固有偏光子の提供、及び、可視光全域に渡り、偏光性能に優れ、且つ、平行位及び直交位の透過光がいずれもニュートラルグレイの色相を有する固有偏光子及び固有偏光板の提供。【解決手段】固有偏光素子フィルムの厚さ方向における中央の、フィルム表面と平行な平面において、配向されたポリマー分子中に含まれるポリビニレン構造中の、ラマン分光法で測定した、ビニレン(−C=C−)結合に由来するラマンシフトの強度に対する共役ジエン(=C−C=)結合に由来するラマンシフトの強度の比が、最大でも1.2である固有偏光子、及び、二色性染料を含む該固有偏光子、又は、それらを用いた偏光板。【選択図】図1

Description

本発明は、固有偏光子、その製造方法及びその偏光子を用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。
光の透過および遮蔽機能を有する偏光板は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。近年、LCDの適用分野は、パソコン用ディスプレイ、タブレット端末、携帯電話、プロジェクター、車載用ナビゲーションシステム、液晶テレビおよび屋内外で用いられる計測機器等、非常に広範囲に広がり、その使用環境についても、温度及び湿度ともに幅広い条件下での使用が想定される。よって、従来品以上に光学性能が高く、かつ耐湿熱性等の耐久性に優れた偏光板が求められている。
偏光板に使用される偏光子としては、二色性色素であるヨウ素または二色性染料のいずれか一方をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに吸着配向することにより製造される偏光子が最も一般的に使用されている。二色性色素としてヨウ素を用いたヨウ素系偏光子は、透過率及び偏光度が高く、一般的な液晶モニター、携帯電話等に広く用いられているが、高温高湿下に放置すると、大きく脱色し、偏光性能が低下する等の耐久性の問題があった。一方、二色性染料を用いた染料系偏光子は、ヨウ素系偏光子に比べると、高温高湿下での耐久性が大幅に改善でき、車載・屋外メーター等に広く用いられている。しかし、プロジェクターなどの過酷条件下での使用においては、まだ満足すべき耐久性が得られていない。
ヨウ素系偏光子及び染料系偏光子とは別のタイプの偏光子として、二色性色素を必要としない固有偏光子(K型偏光子)が一部に使用されている。これは偏光子を形成するポリマーフィルムのポリマー自体に二色性を持たせた偏光子である。
該固有偏光子は、フィルムを構成する高分子の分子中に形成された安定なポリビニレン構造(又はポリエンフラグメント構造ともいう)の光吸収特性により二色性を発揮するので、染料系偏光子などに比しても、耐湿熱耐性に顕著に優れるという特徴を有する。比較的古くから知られていたが、上記の二色性色素を使用する偏光子に比べて、製造方法が難しかったこと、当初、偏光性能が染料系偏光子などに比して、劣っていたこと等の理由であまり普及しなかった。しかし、近年に至って、改良が加えられて(例えば特許文献1)、実用に供されるようになった。特に、固有偏光子の中でも、耐久性等の改良されたKE偏光子が実用化されている。例えば、特許文献2には、ビニレンポリマーブロックを含有するPVAタイプの固有偏光子の製造法が開示されている。また、特許文献3には従来のKE型偏光子の欠点を改良した、赤色光帯域における、透過軸と直交する直線偏光の透過率を低くした固有偏光子が開示されている。
特表平10−508123 特開2008−509433 特開2012−088351
長波長側の吸収を高めた固有偏光子としては、先の特許文献3が挙げられるが、該特許文献3では、脱水触媒である塩酸濃度を下げた塩酸溶液で、ポリビニルアルコールフィルムを処理することにより、長波長側の吸収を高めた固有偏光子を得ることが出来た旨開示されている。しかしながら、本発明者の検討では、特許文献3に開示された方法では、塩酸濃度以外は、従来法によって行われるため、コントラストが最大でも10000程度となっている。これは、ポリビニレン結合(ポリエン基又はポリエン結合ともいわれる)の形成の際に、赤色光帯域の光を吸収する長いポリビニレン結合をより多く生成しようとすると、当該長いポリビニレン結合のブロックが多数生成されると共に、短いポリビニレン結合や共役しないビニレン(−C=C−)結合等も多数生成され、ポリビニレン結合及び共役しないビニレン結合が多数生成されることによりフィルムの硬度が増し、延伸が困難になることで、ポリビニレン結合の方向性を揃えることが難しくなり、配向が不十分になるため、そのコントラストがあまり上がっていないものと思われる。特許文献3に開示された固有偏光子は、その図2から見ると、従来の固有偏光子に比して、590nm〜640nmの赤色光帯域での、透過軸と直交する直線偏光の平均透過率(以下平均偏光直交透過率ともいう)はかなり改善されているが、そのコントラストは十分満足出来るものではない。
現在、表示装置において、より鮮明な表示が求められており、該赤色光帯域での、よりコントラストの高い固有偏光子が求められている。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、固有偏光素子フィルム中における厚さ方向における中央の、フィルム表面と平行な平面(膜厚方向中央平面という)において、ポリマー中に形成されているポリビニレン構造中の、レーザーラマン分光法で測定したビニレン(−C=C−)結合に由来するラマンシフトの強度(ラマン散乱強度)に対する共役ジエン(=C−C=)結合に由来するラマンシフトの強度(ラマン散乱強度)の比(以下単に該ラマン散乱強度比又はI1108/I1493ともいう)が該固有偏光子の偏光特性に大きく影響することを見出した。即ち、本願発明らの検討によれば、特許文献3のように、従来法で製造された固有偏光子においては、前記I1108/I1493の値が、膜厚方向中央平面で、1.22〜1.5程度の値を示すことを見出した。
一方、ポリビニレン結合の形成を、主に100〜125℃の範囲で、好ましくは徐々に温度を上昇させながら、行わせた固有偏光子においては、この赤色光領域(600nm〜640nm)における平均偏光直交透過率(以下aveTpol-cとも表示する)を下げ、且つ、この領域における偏光入射の平均コントラストをより高めることができること、また、この場合、上記膜厚方向中央平面(若しくはそれを含む膜厚方向中央部)の該ラマン散乱強度比が1.2以下に下がることを見出し、本発明を完成した。
なお、本発明における上記ラマン散乱強度比(又はI1108/I1493)は、固有偏光子フィルムの膜厚方向中央平面における、ラマン分光法で測定したラマンスペクトルにおける、共役しないビニレン(−C=C−)結合の伸縮振動に由来するラマンシフトのピーク(通常1493cm−1付近のピーク)の強度(I1493)に対する共役ジエン(=C−C=)結合の伸縮振動に対応するラマンシフトのピーク(1108cm−1付近のピーク)の強度(I1108)の比(I1108/I1493)を、フィルム表面と平行な面内における一定の領域内の、複数の測定点で測定した値の平均値である。
また、本発明の固有偏光子においては、固有偏光子の透過軸と直交する偏光の吸収領域が、600nmを超える長波長側に移動するため、短波長側の波長400nmの偏光における、固有偏光子の透過軸と直交する偏光の透過率は、従来の固有偏光子又は特許文献3等と比較すると明らかに高くなる。
本発明は、下記の発明に関する。
(1) 固有偏光素子フィルムの厚さ方向における中央の、フィルム表面と平行な平面において、配向されたポリマー分子中に含まれるポリビニレン構造中の、ラマン分光法で測定したビニレン(−C=C−)結合に由来するラマンシフトの強度に対する共役ジエン(=C−C=)結合に由来するラマンシフトの強度の比が、最大でも1.2である固有偏光子。
(2) 固有偏光子の600〜640nmの波長領域における平均直交透過率が最大でも0.003%であり、400nmにおける直交透過率が少なくとも0.3%である上記(1)に記載の固有偏光子。
(3) 固有偏光子の600〜640nmの波長領域における偏光平均コントラストが少なくとも20000である上記(1)又は(2)に記載の固有偏光子。
(4) 最大吸収波長を波長560nm〜610nmの間に有する上記(1)又は(2)に記載の固有偏光子。
(5) 少なくとも最大吸収波長の前後40nmの範囲における平均偏光コントラストが、少なくとも15000である上記(1)乃至(4)の何れか一項に記載の固有偏光子。
(6) ポリマー分子中のポリビニレン構造が、ポリヒドロキシ線状ポリマーの脱水により形成されたものである上記(1)乃至(5)の何れか一項に記載の固有偏光子。
(7) 更に、二色性染料を含む上記(1)乃至(6)の何れか一項に記載の固有偏光子。
(8) ポリマー分子中に含まれるポリビニレン構造を形成する前に、ポリマーフィルムを二色性染料で染色することにより得られた上記(7)に記載の固有偏光子。
(9) 二色性染料が400〜500nmの範囲に極大吸収波長を有する二色性染料である上記(7)又は(8)に記載の固有偏光子。
(10) 赤色光用である上記(1)乃至(9)の何れか一項に記載の固有偏光子。
(11) 上記(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の固有偏光子の少なくとも片面に保護フィルム又は支持体が貼合された偏光板。
(12) 上記(1)乃至(10)のいずれか一項に記載の固有偏光子又は(11)に記載の偏光板を備えた表示装置。
(13) 表示装置がプロジェクターである上記(12)に記載の表示装置。
本発明の固有偏光子によれば、従来固有偏光子で改善の難しかった赤色光領域、特に、600〜640nmの光の波長領域における、固有偏光子の透過軸と直交する偏光の透過率を著しく下げることが出来る。また、該領域の光を吸収する長く連続したポリビニレン結合(長く連続した共役ジエン結合)のブロックを多く生成させた場合でも、短波長領域の光を吸収する短い共役ポリビニレン結合又は共役しないビニレン結合の数を相対的に低く抑えることができるため、偏光を入射した時のコントラストを著しく高めることができる。従って、本発明の固有偏光子はプロジェクターなどの赤色用の偏光子として適する。
本発明の固有偏光子はそのまま使用することも、また、必要に応じて、該固有偏光子に保護フィルム等を貼合した偏光板としても使用することができる。
また、本発明の固有偏光子を、表示装置に使用することにより、赤色光領域における光学性能に優れ、且つ、長時間の苛酷条件下においても光学性能が低下しない高コントラスト表示装置を得ることができる。特に、液晶表示装置における赤色光用の偏光子として本発明の固有偏光子を用いることにより、本発明の特性を充分に生かすことが出来る。
図1は、本発明の固有偏光子及び市販の固有偏光子のフィルム表面から厚さ方向におけるラマン分析によるI1108/I1493の値の変化を示す。図1における横軸は固有偏光子の表面からの厚さ方向における距離を示し、縦軸はI1108/I1493の値を示す。
図2は、本発明のNo.3の固有偏光子及び市販の固有偏光子のそれぞれの透過軸と直交する偏光を入射した時の光の透過率を示す。縦軸が光の透過率、横軸が光の波長を示す。
図3の(a)は本発明の染料含有固有偏光子における、単体透過率の波長による変化を示す。横軸は光の波長を示し、縦軸は光の透過率を示す。
図3の(b)は本発明の染料含有固有偏光子2枚を透過率が直交するように重ねた時の直交透過率の、波長による変化を示す。横軸は光の波長を示し、縦軸は光の透過率を示す。
本発明の固有偏光子は、ポリビニレン構造を有する配向されたポリマーを含むポリマーフィルムからなり、該フィルムの厚さ方向(フィルム表面の平面に対して垂直方向)における中央の、表面と平行な面(膜厚方向中央平面)での、ラマン分光法で測定したビニレン(−C=C−)結合に由来するラマンシフトの強度に対する共役ジエン(=C−C=)結合に由来するラマンシフトの強度の比(該ラマン散乱強度比又はI1108/I1493)が、最大でも1.2(言い換えれば1.2以下)であることを特徴とする。
上記のI1108/I1493の値は、上記から判る様に、ラマン分光光度計で測定したラマンスペクトルにおける、ビニレン(−C=C−)結合の伸縮振動に由来するラマンシフト(通常1493cm−1付近のピーク)の強度(以下において「I1493」とも記載する)に対する、共役ジエン(=C−C=)結合の伸縮振動に由来するラマンシフトのピーク(通常1108cm−1付近のピーク)の強度(以下において「I1108」とも記載する)との比(I1108/I1493)である。
上記ラマン分光光度計を用いて得られるラマン散乱強度比(I1108/I1493)は、フィルム表面と平行な面内における一定の領域内において、複数の測定点で測定を行ったときの平均値である。当該領域の面積及び測定点の数は特に限定されないが、例えば、一辺が20μm〜100μm程度である四角形の領域内において、縦横各一辺当たり30〜500程度の測定点(総数900〜25000程度)で測定を行ったときに得られる平均値であればよい。
ポリビニレン構造を有するポリマーにおけるポリビニレン構造の状態を確認する手法として、ラマン分光法を用いることができる。ラマン分光法には、市販のラマン分光光度計(ラマン分光測定装置)が使用される。膜などの厚み方向に解析することが出来るものであれば何れも使用出来る。例えば、日本分光株式会社製のNRS−5000/7000シリーズなどを挙げることができる。該分光光度計によれば、試料の局所的なラマンスペクトルを測定することができ、表面方向及び深さ方向について走査することにより、試料の内部構造について3次元でのラマンスペクトル分析を行うことができる。測定に使用するレーザー光は特に限定されない。例えば、514.5nm及び532nm等の励起波長を有するレーザーを使用することができる。
ラマン分光法では、ポリビニレン構造におけるビニレン「−C=C−」結合の伸縮振動に由来するラマンシフト(ラマンバンドと呼ばれることもある)は1493cm−1付近(およそ±5cm−1)のピークとして観察され、その含量はピーク強度(I1493)として表れる。また、同様に、ポリビニレン構造における共役ジエン「=C−C=」結合の伸縮振動に由来するラマンシフトは1108cm−1付近(およそ±5cm−1)のピークとして観察され、その含量はピーク強度(I1108)として表れる。後で詳しく述べる通り、前者に対する後者の比(該ラマン散乱強度比又はI1108/I1493)が、固有偏光子のフィルム表面から膜厚方向における中央平面(膜厚方向中央平面)で1.2以下とする時、過剰なポリエン結合の生成が抑制され、フィルムの硬化が抑えられ、その結果、延伸でのポリビニレン構造の配向が十分に行われ、結果として、固有偏光子の600〜640nmの波長領域における光の吸収が改善するのではないかと考えられる。
本発明の固有偏光子において、上記I1108/I1493の値は、膜厚方向中央平面で、1.2以下であれば特に限定はなく、本発明者の研究によれば、低い方が好ましい。特に、本発明の固有偏光子のフィルム表面から膜厚方向の中央部(膜厚方向中央部)全域において、上記I1108/I1493の値が1.2以下であるとき、より好ましい。
膜厚方向中央平面における好ましい上記I1108/I1493の値は1.18以下であり、より好ましくは1.15以下である。更に好ましくは1.14以下であり、最も好ましくは、1.13以下である。また、膜厚方向中央平面がこれらのいずれかであり、且つ、膜厚方向の中央部全域に渡って、上記I1108/I1493の値が1.2以下の場合、より好ましく、更に好ましくは、膜厚方向の中央部全域に渡って、上記膜厚方向中央平面の値の何れかと同じであるときより好ましい。
なお、本発明において、膜厚方向における中央とは、例えば、厚さ40μmの固有偏光子の場合、フィルム表面から厚さ方向に垂直に20μmの厚さの個所である。従って、厚さ方向における中央の、フィルム表面と平行な平面(膜厚方向中央平面)は、例えば、厚さ40μm固有偏光子の場合、フィルム表面から厚さ方向にフィルム表面から垂直に20μmの個所に該当する平面である。
また、本発明の固有偏光子において、膜厚方向の中央部とは、膜厚の全長に対して、膜の表面から15%〜30%の部分及び膜の裏表面から20%〜30%の部分を除き、膜厚方向中央を含み、それに連続する前後を含めて、膜厚の全長に対して、40%〜65%の範囲、好ましくは50%〜65%の範囲、最も好ましくは60%〜65%の範囲を意味する。
本発明の固有偏光子において、膜厚方向中央平面又は膜厚方向中央部の該ラマン散乱強度比の下限は特に限定されない。しかし、例えば製造のし易さ等から考えると、その下限は0.5程度であり、場合によっては0.8又は1程度が好ましい。
本発明の固有偏光子は、600〜640nmの波長領域における偏光性能を特に改善することが出来る。
該固有偏光子の600〜640nmの波長領域における平均直交偏光透過率(平均直交偏光透過率をaveTpol-cともいう)は最大でも0.003%であり、好ましくは、0.002%以下であり、より好ましくは0.0015以下である。 なお、上記平均直交偏光透過率は、固有偏光子の透過軸と直交する偏光を固有偏光子に入射した時の透過率の、600〜640nmの波長領域における平均透過率を意味する。
また、本発明の固有偏光子の600〜640nmの波長領域における好ましい平均平行偏光透過率(平均平行偏光透過率をaveTpolともいう)は、82%以上、好ましくは83%以上、より好ましくは84%以上、更に好ましくは85%以上である。なお、上記の平均平行偏光透過率は、固有偏光子の透過軸と平行な偏光を固有偏光子に入射した時の透過率の、600〜640nmの波長領域における平均透過率を意味する。
また、本発明の固有偏光子の場合、600〜640nmの波長領域における平均偏光入射コントラストは、20000以上が好ましく、より好ましくは30000以上、更に、好ましくは35000以上である。また、本発明の固有偏光子の最も好ましい態様によれば、上記のコントラストを、40000以上とすることも、また、50000以上、又は、80000以上とすることも可能である。なお、上記平均偏光入射コントラストは、上記平均平行偏光透過率を平均直交偏光透過率で除した値で、aveTpol/aveTpol-cの値である。
また、本発明の固有偏光子においては、該固有偏光子の透過軸に直交する偏光を該固有偏光子に入射した場合、好ましくは、該固有偏光子の最大吸収波長が560〜610nmの範囲内にあることである。この範囲に、最大吸収波長を有することにより、600〜640nmの波長領域における偏光性能を特に改善することができる。また、本発明の固有偏光子において、この最大吸収波長の前後40nmの範囲における平均偏光入射コントラストは、少なくとも20000であり、好ましくは30000以上、より好ましくは40000以上、更に、好ましくは、50000以上である。
また、本発明の固有偏光子の場合、従来の固有偏光子の光の吸収領域を拡大すると云うより、従来の固有偏光子の光の吸収領域を、長波長側に移動させるといった特性を有することから、短波長400nmにおける光の吸収は低下する。そのため、該固有偏光子の波長400nmの光における直交偏光透過率(Tpol-c)は、少なくとも0.3%と、従来の固有偏光子よりむしろ高い値となる。そのため、この光の短波長側の吸収を大きくする場合には、後記するように、この領域の波長の光を吸収する二色性染料を入れて、配向させ、この領域の光の吸収を高めることが好ましい。
偏光子及び偏光板の光学性能、例えば透過率及び偏光度等は、分光光度計(例えば、日本分光株式会社製V−7100及び株式会社日立製作所製U−4100等)により測定することができる。なお、本明細書で測定した値はいずれも偏光子の状態で測定した値である。
本発明の固有偏光子における配向されたポリビニレン構造を有するポリマーにおけるポリビニレン構造は、通常ポリヒドロキシ線状ポリマーからの脱水反応により、形成することができる。このポリビニレン構造は、ビニレン結合が連続したポリビニレン結合(共役ジエン結合ともいわれる)のブロックを含み、通常、該ポリビニレン結合が長い(連続したビニレン結合の数が多い)ほど、長波長の光を吸収する。従って、長く連続したポリビニレン結合(例えば連続したビニレン結合の数が、少なくとも14、好ましくは少なくとも15、より好ましくは少なくとも16)のブロック数を増やすことにより、長波長側の光の吸収を多くすることが出来る。
本発明の固有偏光子は、600nm〜640nmにおける平均直交偏光透過率を0.003%以下と十分に低くすることができる。さらに本発明の固有偏光子は、600nm〜640nmの波長領域の光を吸収する長く連続したポリビニレン結合のブロック数を増加させた場合、短波長側(例えば400nm)における光の吸収が低下していることから、本発明の固有偏光子に含まれる、短い共役したポリビニレン結合(例えば連続したビニレン基の数が2〜12程度)のブロックの数及び共役しないビニレン結合の数は、従来の手法を用いて600nm〜640nmの光の吸収を本発明と同程度にした固有偏光子よりも低く抑えられていると考えられる。そのため、偏光入射コントラストが顕著に向上していると考えられる。
従来の方法で600nm〜640nmの光の吸収を高めると、それに伴い短い共役ジエン結合や、共役しないビニレン結合の数も並行して高まるため、フィルムの硬化などを生じ、配向も十分行われない場合が生じる。
ポリヒドロキシ線状ポリマーとしては、分子内に多数のヒドロキシ基を有し、脱水により、ポリビニレン基(ポリエン基ともいわれる)、特に共役ジエン(=C−C=)結合を形成することができる直鎖状のポリマーであれば、いずれも使用できる。ポリヒドロキシ線状ポリマーは、本願発明の固有偏光子の効果を無くするものでない限り、ヒドロキシ基以外の置換基を有していても良い。該置換基として、C1〜C4アシルオキシ基、C1〜C4アルキル基、フェニル基、カルボキシ基等を挙げることが出来る。
ヒドロキシ基以外の置換基の割合は、ポリヒドロキシ線状ポリマー中の、ヒドロキシ基とヒドロキシ基以外の置換基の総数に対して、0〜30%の範囲が好ましく、より好ましくは0〜20%程度の範囲、更に好ましくは0〜10%程度の範囲である。
該ポリヒドロキシ線状ポリマーは、重合度が通常1000〜10000程度の範囲のものが使用され、好ましい重合度は1500〜7000程度であり、より好ましくは2000〜6000程度の範囲である。
ポリヒドロキシ線状ポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコール(以下、PVAともいう。)若しくはその誘導体、又は、酢酸ビニルと他の共重合可能な重合性モノマーとの共重合体(ポリ酢酸ビニル共重合体)をケン化処理して得られるポリビニルアルコール系ポリマー(以下、PVA系樹脂ともいう。)が好ましく使用できる。上記の他の共重合可能な重合性モノマーとしては、スチレン、(メタ)アクリル酸又はそのエステル(例えばC1−C4アルコールとのエステル)などを挙げることができる。上記の酢酸ビニルの共重合体をケン化して得られるポリマー又はポリビニルアルコールの一部の水酸基を有機酸(炭素数1〜4を含む脂肪族有機酸等)でアシル化したポリマーの場合、ポリビニルアルコール成分がポリマーの構成成分の70モル%以上、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上占めるのが好ましい。
固有偏光子の材料フィルムとしてPVA系樹脂フィルムを使用する場合、通常、酢酸ビニルの重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるPVAからなるフィルム、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体(ポリ酢酸ビニル共重合体)をケン化処理して得られるPVA共重合体からなるフィルム、又は、上記PVA又はPVA共重合体を、オレフィンや不飽和カルボン酸(例えば(メタ)アクリル酸等)で変性したPVA変性体からなるフィルム等が該PVA系樹脂として好ましい。
上記の酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸;(メタ)アクリレート(例えばメチル(メタ)アクリレート)などの不飽和カルボン酸エステル類;エチレン、プロピレン、ブチレンなどのオレフィン類;ビニルエーテル類;不飽和スルホン酸類;不飽和アミン類;酢酸ビニルなどのアクリル酸誘導体:アクリルアミド;スチレン等が挙げられる。
また、上記PVA及びPVA共重合体のケン化度は、通常85〜100モル%程度、好ましくは98〜100モル%、より好ましくは99〜100モル%の範囲である。
本発明の固有偏光子用に使用される原料フィルムとしては、PVA系樹脂からなるフィルムが好ましい。
該PVA系樹脂フィルムとしては、重合体中の繰り返し単位の主成分がPVA及び/又はその変性体である樹脂フィルムが好ましく、PVA及び/又はその変性体(好ましくはPVA)が占める割合が、モル割合で少なくとも50%、好ましくは70〜100%、更に好ましくは80〜100%、最も好ましくは90〜100%の割合であるポリマーからなるフィルムがより好ましい。
本発明の固有偏光子に使用されるPVA系樹脂としては、その重合度が通常1000〜10000程度の範囲のものが使用され、好ましくは1500〜7000程度であり、より好ましくは2000〜6000程度の範囲である。
本発明の固有偏光子の材料としては、上記好ましい重合度及び好ましいケン化度を有するPVA又はPVA共重合体からなるフィルムが好ましく、上記好ましい重合度及び好ましいケン化度を有するPVAからなるフィルムが特に好ましい。
固有偏光子の材料として使用されるポリヒドロキシ線状ポリマーフィルムの膜厚は特に限定されないが、通常20〜150μm程度である。延伸処理後の本発明の固有偏光子の膜厚は、10〜100μm程度が好ましく、20〜70μm程度がより好ましく、25〜50μm程度が更に好ましい。
以下、本発明の固有偏光子の製造方法を説明する。
本発明の固形偏光子の製造においては、フィルム表面温度が125℃以上でのポリビニレンの形成を出来るだけ少なくするように、フィルム表面温度が125℃以上で、130℃未満の温度の時間を0〜3秒以内、好ましくは0〜2秒以内、より好ましくは0〜1秒以内程度にし、フィルム表面温度を130℃を超さないようにするのが好ましい。そして、ポリビニレン結合の形成を主に、フィルム表面温度が100℃から125℃以内で完了させることにより、固有偏光子の透過軸と直交する、600〜640nmの長波長の偏光に対して、高い吸収性を示し、且つ、偏光入射コントラストの高い固有偏光子を得ることができる。このようにして得られた固有偏光子は、膜厚方向中央平面での、前記I1108/I1493の値が1.2以下である。
従って、本発明の固有偏光子を得るには、脱水触媒である無機酸、好ましくは塩酸を含み、一軸延伸され、配向されたポリヒドロキシ線状ポリマーフィルムを、加熱、好ましくは赤外線照射による加熱により、表面温度を上昇させ、フィルム表面温度が100℃から130℃未満の温度で、大部分の脱水反応を行い、ポリビニレン結合の形成を行うのが好ましい。
また、該ポリビニレン結合の形成を行うフィルム表面温度は、主として、100〜125℃の範囲が好ましく、フィルム表面温度が120℃を超える時間は比較的短い方が好ましく、場合により、無くても良い。ポリエン基の形成のためにフィルム表面温度を100℃から130℃未満の温度に保持する総時間の内、その7割〜10割、好ましくは8割〜10割、更に好ましくは、8.5割〜10割を、フィルム表面温度を100〜120℃の範囲にあるようにし、120℃を超える温度は多くても3割程度、好ましくは2割以下、更に好ましくは1.5割以下にすることが好ましい。
フィルム表面温度が100℃から130℃未満の温度でポリビニレン結合を形成させる時間は、加熱器の種類や出力、フィルムの種類、厚さ等により異なるので、一概には言えない。通常、該ポリビニレン結合形成のために、フィルム表面温度を100℃から130℃未満の温度に保持する時間は、長くても30分間以内程度が好ましい。より好ましい時間は10分間以内程度である。例えば、3分間以内程度又は1分間以内程度という短い時間でも可能である。加熱器は特に限定されないが、通常、赤外線ヒーターが好ましい。
上記の温度範囲内で、フィルム表面温度を100℃より高い温度で、一定に保ってポリビニレン結合を形成させても、また、フィルム表面温度を100℃から徐々に上昇させて、120〜130℃未満の間で、適宜、加熱を止めて、ポリビニレン結合を形成させてもよい。何れの方法でも良いが、通常後者の方法が好ましい。
また、フィルム表面温度を、100℃から130℃未満の間に保持する最低の加熱時間は、上記の加熱時間内で、適度のポリビニレン結合が形成されるまでの時間で有り、通常10秒間以上であり、より好ましくは15秒間以上である。100℃から130℃未満の温度の範囲であっても、あまり長時間(例えば、1〜数時間等)ポリエン基の形成を行うと、本発明の固有偏光子を得ることが出来ない場合がある。
本発明においては、上記のポリビニレン結合を形成させる温度及び時間以外は基本的には従来の固有偏光子の製造法に準じて行うことが出来る。
例えば、本発明の偏光子は、ポリビニルアルコール等のポリヒドロキシ線状ポリマーを含む樹脂フィルム、好ましくはポリヒドロキシ線状ポリマーフィルム(必要に応じて任意の添加剤を含むことが出来る)、に対し、(I)該樹脂フィルムに、脱水触媒としての酸(酸触媒)を含浸させる酸処理、(II)該酸触媒を含浸した樹脂フィルムにポリビニレン結合を形成させるための加熱処理、(III)ポリマーを配向させるための延伸処理、好ましくは、更に、(IV)ホウ酸等による硬化剤処理、及び、(V)乾燥処理の各工程を施すことにより製造される。
以下に各工程に付き詳しく説明する。
<酸処理(I)>
上記酸処理(I)は、上記樹脂フィルムに、脱水触媒である酸を含浸させる工程であり、フィルム中に酸を含浸させることが出来れば、特にその方法は限定されない。通常、上記酸処理(I)は、酸を含有する溶液中、好ましくは酸を含有する水溶液中に樹脂フィルムを浸漬することにより行う。また、場合により、酸処理(I)は、酸含有溶液のフィルムへの塗布又は塗工、又は、酸含有溶液の蒸気中へのフィルムの曝露によっても行うことができる。
該酸処理(I)で使用する酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸及び硫酸などの酸が好ましく使用でき、塩酸が好ましい。酸処理溶液の溶媒は、水、水溶性有機溶媒及びこれらの混合物が挙げられ、水溶液が好ましい。
溶液の濃度は、使用する酸の種類により異なる。一般的には、酸水溶液中における酸濃度は、0.001質量%〜1質量%程度である。例えば塩酸の場合、通常0.01規定以上、好ましくは0.045規定以上であり、上限は特に限定されないが、5規定以下が好ましく、1既定以下がより好ましい。より好ましくは0.045規定〜0.5規定である。
浸漬時間等は酸濃度及びフィルムの種類等により異なるため一概には決めることは出来ない。一般的には、2秒間程度から30分間程度の間で適宜選択される。
例えば、2〜5分間程度でも行うことは出来る。
該酸処理は、通常、最初の工程として行われる。該酸処理をしたフィルムは通常フィルム表面に酸溶液が付着しているので、拭き取る等の方法で、フィルム表面に付着している酸溶液を除去するのが好ましい。
また、後記するように、この酸処理の工程で、延伸処理も行ってもよい。その場合は、酸処理溶液中で、一軸延伸を行うことにより、酸処理と延伸処理を済ませることが出来る。
<加熱処理(II)>
この工程は、フィルムを形成するポリヒドロキシ線状ポリマーに、ポリビニレン結合を生成させる工程である。この工程については、前記で詳細に述べた通りである。
この工程は、上記酸処理(I)を施したフィルムを、フィルムの表面温度100℃〜130℃未満の温度で一定時間加熱することにより行うことが出来る。
この工程により、ポリヒドロキシ線状ポリマーのヒドロキシ基が脱水されることにより、ポリビニレン結合が生成する。
この加熱処理は、酸処理後であれば、延伸処理前に行うことも可能であるが、通常は酸処理及び一軸延伸を行ったフィルムに対して行うのが好ましい。通常は、酸処理液中で、延伸したフィルムを、加熱処理するのが好ましい。酸処理液中で、延伸したフィルムにそのまま加熱処理を行うこともできるが、通常、表面に付着した酸処理液を除去した後、行う方が好ましい。
なお、加熱処理(II)における「フィルムの表面温度」は、フィルム表面温度を測定出来る公知の温度計を用いて測定することが出来る。使用する温度計は非接触式/接触式を問わない。例えば、市販の、放射温度計、又は、熱電対を用いた温度計などを使用すればよい。
加熱処理(II)における加熱手段としては、フィルムの温度を上記範囲で制御できる加熱装置であればいずれの手段も使用することができ、赤外線ヒーター、対流式ヒーター等を使用することができる。加熱手段としては赤外線ヒーターを用いるのが好ましい。
<延伸処理(III)>
本発明の固有偏光子における配向されたポリマーとする工程である。
この延伸処理(III)は、ポリビニレン結合形成前又は後の何れか、又は両者で行うことも可能である。通常は、ポリビニレン結合形成前及び後の両者で行うのが好ましい。
また、ポリビニレン結合形成前に行う延伸処理(III)は、酸処理(I)の前、酸処理と一緒に、又は、酸処理後の何れでも行うことができる。通常、酸処理(I)と一緒に、酸処理溶液中でフィルムを延伸してもよい。例えば、酸処理溶液にフィルムを浸漬し、膨潤した後フィルム延伸する方法である。また、酸処理(I)の前にフィルムを延伸し、そのフィルムの緊張を保ったまま酸処理(I)を行ってもよい。延伸処理(III)は複数回行ってもよい。
本発明の好ましい態様においては、最初の延伸を酸処理(I)の間に酸処理溶液中で行う。この最初の延伸では所定の倍率、例えば4〜10倍程度に延伸される。更に、加熱処理(II)より後(ポリビニレン結合形成後)に2回目の延伸処理を行うことがより好ましい。2回目の延伸は、2倍以下が好ましい。この2回目の延伸は、後記する硬化剤処理(V)に続いて、行うことも出来る。この2回目の延伸は、通常水中で行うことができる。
延伸処理(III)は通常一軸延伸が好ましい。
延伸処理(III)における延伸方法は、乾式延伸法及び湿式延伸法のいずれでもよいが、湿式延伸法が好ましい。湿式延伸法は、通常、水、水溶性有機溶剤又は水と水溶性有機溶剤との混合液等を溶媒とする溶液を加熱し、その加熱した溶液中にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬しながら延伸することにより、行われる。
延伸処理溶液の温度は通常30〜60℃程度である。延伸方法としては速度の異なる二つのロールの間で一軸延伸する方法が好ましい。延伸処理により得られるフィルムの、原料フィルムに対する延伸倍率は4〜12倍程度であり、好ましくは6〜10倍程度である。延伸処理を複数回行う場合は、合計の延伸倍率が上記範囲内であればよい。
<硬化剤処理(IV)>
本発明の固有偏光子を製造する好ましい態様においては、硬化剤処理(IV)が行われる。硬化剤処理(IV)は、通常、酸処理(I)、延伸処理(III)及び加熱処理(II)の施されたフィルムを硬化剤を含む溶液で処理することで行われる。該硬化剤処理(IV)としては、上記のフィルムを硬化剤を含む溶液に浸漬する方法が好ましい。該溶液を上記フィルムに塗布する等の方法でもよい。
硬化剤処理(IV)に使用する硬化剤としては、例えば、ホウ酸又はその塩(ホウ砂等のアルカリ金属塩、ホウ砂アンモニウム等)等のホウ素化合物、グリオキザール又はグルタルアルデヒド等の多価アルデヒド、ビウレット型、イソシアヌレート型又はブロック型等の多価イソシアネート化合物、チタニウムオキシサルフェイト等のチタニウム化合物、エチレングリコールグリシジルエーテル及びポリアミドエピクロルヒドリン等を用いることができる。通常、ホウ素化合物が好ましく、ホウ酸はより好ましい。硬化剤処理溶液の溶媒は水、水溶性有機溶媒又はそれらの混合溶媒等を用いることができるが、水が好ましい。
硬化剤処理溶液の硬化剤濃度は、硬化剤の種類により異なるため一概には言えないが、通常0.1〜20質量%程度、好ましくは5〜10質量%程度である。硬化剤処理溶液の温度は80〜100℃が好ましい。処理時間は、通常、30秒〜10分間程度であり、1〜5分間程度がより好ましい。
また、この硬化剤処理に続けて、延伸処理の項で述べたように2回目の延伸を行う態様は好ましい。
本発明の好ましい態様において、硬化剤処理をホウ酸水溶液中で行うとき、ホウ酸が樹脂フィルム中に含まれる。このときの偏光子中のホウ酸含有量は、得られた偏光子を純水中で加熱して完全に溶解させ、フェノールフタレイン指示薬を添加し、水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定することによって求めることができる。
本発明の偏光子におけるホウ酸含有量は、3〜30重量%である。偏光子中のホウ酸含有量は、上記延伸処理又は硬化剤処理における溶液の濃度・浸漬時間・溶液温度・延伸倍率によって調整することができる。
<乾燥処理(V)>
酸処理(I)、延伸処理(III)、加熱処理(II)及び硬化剤処理(IV)がなされたフィルムは、必要に応じて洗浄された後、乾燥処理(V)が行われる。乾燥処理(V)における乾燥温度は、下限が30℃程度以上、好ましくは40℃程度以上であって、上限が80℃程度以下であり、好ましくは70℃程度以下である。乾燥時間は、乾燥温度により適宜設定すればよく、通常1〜20分間程度であり、好ましくは3〜15分間程度である。乾燥処理(V)は、赤外線ヒーター等の公知の加熱手段を用いて適宜行えばよい。
<洗浄>
これら酸処理(I)、加熱処理(II)、延伸処理(III)、硬化剤処理(IV)及び後で述べる補色処理の各工程の後、必要に応じて、フィルム表面に析出した成分や付着した異物等を取り除く目的でフィルム表面の洗浄を行ってもよい。通常は水で洗浄することが好ましく、洗浄液の温度は10〜60℃程度、洗浄時間は1秒〜5分程度である。洗浄は必要に応じて1回又は複数回行ってよい。
本発明の固有偏光子は、例えば、ポリヒドロキシ線状ポリマーフィルム(好ましくはポリビニルアルコール系樹脂フィルム)(原反フィルム)に対して、前記酸処理(I)を行い、酸処理溶液中で前記延伸処理(III)を行い、次いで、前記加熱処理(II)を行った後、前記硬化剤処理(IV)、及び2回目の延伸処理を行い、その後前記乾燥処理(V)を行うことによって、製造することができる。
本発明の固有偏光子の製造方法は、必ずしも上記記載の順序に従う製造方法に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
本発明の固有偏光子の材料となるポリヒドロキシ線状ポリマーは、光学特性向上の観点から、一種または二種以上の二色性染料を含有していてもよい。特に、可視光の短波長側に吸収を持つ二色性染料を含む本発明の固有偏光子は、全可視光領域において優れた偏光特性を有し、更に、本発明の固有偏光子2枚を透過軸が平行又は直交するように並べたときの透過光の色相を、ニュートラルグレーのより好ましい色相とすることができる。
一種または二種以上の二色性染料を含有する本発明の固有偏光子は、前記製造方法に従って本発明の固有偏光子を製造する際、ポリヒドロキシ線状ポリマーに二色性染料を含有させる処理(以下、補色処理とも言う。)を施すことによって、得ることができる。二色性染料による補色処理は、染料系偏光子の製造方法における染色処理と同様に、樹脂フィルムを、二色性染料を含有する染色液、好ましくは二色性染料を溶解した染色液に浸漬することにより行うことができる。
二色性染料による補色処理は、酸処理(I)、加熱処理(II)、延伸処理(III)及び硬化剤処理(IV)のいずれよりも先に行うことが好ましい。このように、補色処理を最初に行うことで、後で行う延伸処理(III)において、ポリマーフィルムのポリマーの配向と共に二色性染料の配向も同時に行うことが出来るので好ましい。
二色性染料としては、通常の染料系偏光子の製造に使用される二色性染料であって、ポリヒドロキシ線状ポリマーを染色し、該ポリマーの延伸処理によって配向される二色性染料であれば、いずれも使用可能である。好適には青色光を吸収する二色性染料が使用でき、極大吸収波長(λmax)が350〜500nmである二色性染料を使用することがより好ましく、λmaxが400〜500nmである二色性染料を使用することが更に好ましい。好ましい二色性染料としては、上記範囲のλmaxを有するYellow系又はOrange系の二色性染料が挙げられ、例えば、Kayafect Yellow Y及びKayafect Orange G(いずれも日本化薬株式会社製)等として市販されている二色性染料が挙げられる。
ポリヒドロキシ線状ポリマーからなるフィルムを染色液に浸漬する際の、染色液における二色性染料の濃度は、染色条件により変わるため一概には言えないが、通常、0.5〜20g/L程度が好ましく、より好ましくは2〜10g/L程度である。二色性染料が、複数使用される場合においては、使用された染料の総量の濃度が上記範囲にある場合好ましい。
二色性染料を含有する染色液の溶媒としては水を使用することが好ましい。二色性染料を含有する染色液は、染色助剤等の助剤を必要に応じて含んでいても良い。染色助剤としては、芒硝、トリポリリン酸ソーダ等の無機塩を挙げることができる。そのときの染色助剤の濃度は、染色液の総量に対して、0.01〜10g/L程度、好ましくは0.05〜5g/L程度である。染色助剤を複数使用する場合は、染色助剤の総量の濃度が上記範囲にあることが好ましい。
二色性染料での染色処理における染色液の温度は20〜60℃程度、好ましくは30〜50℃程度である。浸漬時間は上記濃度の染色液により染色できる時間で有れば支障は無く、5〜300秒程度、好ましくは10〜200秒程度の範囲である。
染色処理の後、必要に応じて、フィルム表面における余分な染色液、析出した染料及び/又は付着した異物等を取り除く目的で、フィルム表面の洗浄を行ってもよい。通常は水で洗浄することが好ましく、洗浄液の温度は10〜60℃程度、洗浄時間は1秒〜5分程度である。洗浄は必要に応じて1回又は複数回行ってよい。
上記補色処理により二色性染料を含有する本発明の固有偏光子においては、該固有偏光子を透過軸が直交するように2枚重ねたときの透過光のLab表色系で表現される色度(a*c、b*c)がいずれも、−1.0以上1.0以下であることが好ましく、−0.5以上0.5以下であることがより好ましく、−0.3以上0.3以下であることが特に好ましい。
上記補色処理により二色性染料を含有する本発明の固有偏光子は、全可視光領域において偏光性能に優れ、尚且つ、平行位及び直交位のいずれにおいてもニュートラルグレーの色相を示すという優れた光学特性を有するため、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置に用いられる偏光板として、特に好ましく使用できる。
本発明の偏光板は、上記のようにして得られた本発明の固有偏光子の少なくとも片面に、保護フィルムを貼り合わせて透明保護層を形成することにより製造される。保護フィルムは、偏光子の耐水性や取り扱い性の向上等を目的として付加される。保護フィルムの原料としては、特に、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮断性等に優れる透明樹脂等が好ましく用いられる。
保護フィルムの一例としては、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、及び、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系及びシリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂等から得られるフィルムが挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂としては、非晶性ポリオレフィン系樹脂であって、ノルボルネンまたは多環状ノルボルネン系モノマーのような環状ポリオレフィンの重合単位を有する樹脂が挙げられる。保護フィルムを貼り合わせる代わりに、本発明の偏光子の少なくとも片面に、上記樹脂の何れかを塗布することにより、透明保護層を形成してもよい。
本発明の偏光板に使用する好ましい保護フィルムとしては、アセテート系樹脂からなるフィルムが挙げられ、好ましくはトリアセチルセルロース(TAC)からなるフィルムが挙げられる。
透明保護層に用いられる透明保護フィルムは、本発明の効果を損なわない限り、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等を施したものであっても良い。本発明の偏光子の少なくとも片面に、透明保護フィルムの積層又は樹脂の塗布により透明保護層を形成した後、これらの処理を行っても良い。透明保護フィルムの膜厚は0.5〜200μm程度である。
本発明の偏光子に保護フィルムを接着剤で貼り合わせた後、適当な温度で乾燥もしくは熱処理を施すことにより、本発明の偏光板を得ることができる。
本発明の偏光子と保護フィルムとの接着処理に使用する接着剤としては、特に限定されるものではないが、例えばビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、あるいはホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤からなる接着剤、透明性の良好なエポキシ樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル等の溶剤型接着剤、またはアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の重合反応により硬化し得る接着性樹脂等を使用することができる。本発明の偏光板を作製する際はポリビニルアルコール系接着剤を用いるのが好ましい。
本発明の偏光板は、他の光学材料からなる光学層に積層して光学部材として用いることもできる。例えば、本発明の偏光板に、反射板、半透過反射板、位相差板(1/2波長板、1/4波長板等のλ板も含む)、視野角補償フィルム又は輝度向上フィルム等の、液晶表示装置等の形成に用いられる適宜な光学材料を1層または2層以上積層することにより、本発明の光学部材を作製することができる。
本発明の光学部材の具体例としては、本発明の偏光板に、更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過反射偏光板;本発明の偏光板に、更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板;本発明の偏光板に、更に視野角補償フィルムが積層されてなる偏光板;あるいは、本発明の偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板等が挙げられる。
本発明の偏光板及び本発明の偏光板を用いた種々の光学部材は、液晶表示装置等の各種装置に好ましく用いることができる。例えば、本発明の偏光板を液晶セルの片側または両側に配置して、反射型、透過型、あるいは透過・反射両用型等の液晶表示装置を製造することができる。この場合、液晶表示装置を構成する液晶セルは任意のものが使用できる。例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動式の液晶セル、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型の液晶セル等の適宜なタイプの液晶セルを用いることができる。
本発明の偏光板や光学部材を液晶セルの両側に設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。更に、液晶表示装置の製造に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライト等の適宜な部品を適宜な位置に1層または2層以上配置することもできる。
本発明の偏光板を液晶表示装置の部材として使用する場合、通常、本発明の偏光板の片側または両側に液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を形成される。その粘着層としては、適宜な粘着性物質や粘着剤を用いることができ、特に限定はない。それらの例としては、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系ポリマー、ゴム系ポリマー等の適宜なポリマーをベースポリマーとして使用するもの等が挙げられる。
本発明の偏光板は、ツイストネマチック方式(TN)、スーパーツイストネマチック方式(STN)、薄膜トランジスタ方式(TFT)、バーティカルアライメント方式(VA)、インプレーンスイッチング方式(IPS)等の液晶表示装置全般で使用することが出来る。
本発明の固有偏光子、又は、それを含む偏光板は、固有偏光子の特徴である高い耐久性を有すると共に、従来の固有偏光子では、直交偏光の吸収率が十分でなく課題であった赤色光領域(600−640nmの波長域)における、固有偏光子の透過軸と直交する偏光の吸収率が高く、且つ、偏光入射のコントラストが大きいという特徴を有することから、各種表示装置用の偏光子又は偏光板、特に、液晶プロジェクター装置の赤色光チャンネル用の偏光子又は偏光板として、好ましく使用できる。
また、前記二色性染料を含有する本発明の固有偏光子、特に可視光の短波長側に光の吸収を有する二色性染料を含有する固有偏光子又は偏光板は、可視光全域にわたり優れた偏光性能を示すと共に、上記偏光性能と共に、ニュートラルグレーの色相を示すという顕著に優れた光学特性を有するため、液晶ディスプレイ等の全可視光領域で使用される表示装置用の偏光板として、好ましく使用できる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
実施例における固有偏光子の透過率の評価は下記のようにして行った。
固有偏光子を1枚使用したときの透過率を単体透過率Ys、2枚の固有偏光子を吸収軸が平行になるように重ねた場合の透過率を平行透過率Yp、2枚の固有偏光子を吸収軸が直交するように重ねた場合の透過率を直交透過率Ycとした。それぞれの透過率は、ある一定範囲の波長領域で、所定波長間隔dλ(ここでは5nm)おきに分光透過率τλを求め、下記式(1)により算出した。
Figure 2015001584
式中、Pλは標準光(C光源)の分光分布を表し、yλは2度視野等色関数を表す。分光透過率τλは、分光光度計(日本分光株式会社製、製品名V−7100)を用いて測定した。
実施例1
ポリビニルアルコール樹脂製フィルム(重合度4000、ケン化度98モル%以上、厚さ75μm)を、液温40℃、0.1Nの塩酸水溶液に浸漬し、膨潤させた後、該塩酸水溶液中でフィルムを6.7倍に一軸延伸した。
次いで、得られた延伸フィルムを塩酸水溶液から取り出し、表面についた塩酸水溶液を拭き取り、室温に戻ったフィルムを、非接触式熱電対温度センサー(FENWAL社製、製品名μIR/c−K)によりフィルム表面の温度を監視しながら、赤外線ヒーターを用いて加熱した。フィルムの表面温度が100℃〜130℃未満の時間がほぼ27秒間となるように調整して、ポリビニレン結合を形成させた。到達最高温度はほぼ125℃であった。
得られたフィルムを、液温95℃の7重量%ホウ酸水溶液中に浸漬し、ホウ酸処理を行った。浸漬時間は1分間から10分間の間で、適宜調整した。該ホウ酸処理されたフィルムを35℃の水中で1.04〜1.05倍に延伸した。フィルム表面の水分を除去した後、赤外線ヒーターを用いて、フィルム温度65℃で、10分間乾燥し、目的とする本発明の固有偏光子(3種類)を得た。得られた固有偏光子の膜厚はほぼ40μmであった。
得られた本発明の固有偏光子に、直交または平行の偏光を入射した時の、それぞれの透過率、及びコントラストは下記表1の通りであった。
なお、表中の各記号は意味は下記の通りである。
Tpol-c 400nm:固有偏光子の透過軸に直交する波長400nmの偏光を入射したときの透過率
600-640nm aveTpol-c(%):固有偏光子の透過軸に直交する波長600−640nmの間の偏光を入射したときの平均透過率(%)(600−640nm平均直交偏光透過率)
600-640nm aveTpol(%):固有偏光子の透過軸に平行する波長600−640nmの間の偏光を入射したときの平均透過率(%)(600−640nm平均平行偏光透過率)
600-640nm aveCRpol:(600−640nm平均平行偏光透過率)/(600−640nm平均直交偏光透過率)
λmax±40 aveTpol-c:固有偏光子の透過軸に直交する偏光を入射した時のλmaxの前後40nm間の平均透過率(%)
λmax±40 aveTpol:固有偏光子の透過軸に平行な偏光を入射した時のλmaxの前後40nm間の平均透過率(%)
λmax±40 aveCRpol:固有偏光子の透過軸に直交する偏光を入射した時のλmaxの前後40nm間の平均透過率(%)に対する固有偏光子の透過軸に平行な偏光を入射した時のλmaxの前後40nm間の平均透過率の割合(λmax±40nm間の平均偏光コントラスト)
Figure 2015001584
Figure 2015001584
なお、上表1及び2における透過率の測定は、分光光度計(日本分光株式会社製、製品名V−7100)を用いて測定した。
また、偏光光源としては、重水素ランプ、タングステンハロゲンランプ及び水銀光源を適時使用し、グランテーラープリズムにより変換された偏光光を用いた。
試験例1(ラマン散乱強度比(I1108/I1493)の測定)
実施例1で得られた本発明の固有偏光子について、偏光フィルムのフィルム表面から20μmの深さの平面に付き、共焦点顕微ラマン分光光度計を用いて、下記測定条件により、ラマン分光分析を行い、測定領域におけるラマン散乱強度比の平均値を求めた。その結果、本発明のNo.1の固有偏光子のフィルム表面から20μmの深さの平面のラマン散乱強度比(I1108/I1493)は、1.120であり、本発明のNo.2の固有偏光子のそれは、1.126であった。
また、従来品(市販品)から、固有偏光子(膜厚約40μm)を取り出して、上記と同様にして、ラマン分光分析を行い、固有偏光子のフィルム表面から20μmの深さの平面のラマン散乱強度比(I1108/I1493)を算出したところ、1.24を超える値であった。
<測定条件>
測定領域(x,y):(40μm,40μm)
測定点数:14400(120ポイント×120ポイント)
励起光源:レーザー(λ=532nm)
また、参考のため、本発明のNo.1の固有偏光子のフィルム表面からフィルムの裏面に向けて真っ直ぐに、厚さ方向にラマン分光分析を行い、厚さ方向におけるI1108/I1493 を算出した。また、従来品についても、クライオウルトラミクロトーム法を用いて、測定用試料を作成して、厚さ方向にラマン分光分析を行い、厚さ方向におけるI1108/I1493 を算出した。両者の厚さ方向におけるI1108/I1493の変化を、図1に示した。
実施例2
ポリビニルアルコール樹脂製フィルム(重合度4000、ケン化度98モル%以上、厚さ75μm)を、吸収極大波長450nmのオレンジ染料(日本化薬株式会社製Kayafect Orange G)を濃度0.9g/Lで含有する液温40℃の水溶液に、20秒間浸漬した。次いで余分な染料溶液を水で洗い流した。
得られたフィルムを液温40℃、0.1Nの塩酸水溶液に浸漬し、膨潤させた後、該塩酸水溶液中においてフィルムを6.7倍に一軸延伸した。
表面についた塩酸水溶液を拭き取り、非接触式熱電対温度センサー(FENWAL社製、製品名μIR/c−K)によりフィルム表面の温度を監視しながら、室温から赤外線ヒーターを用いて加熱した。フィルムの表面温度が120℃を超えたのを確認した上で、加熱を止め、フィルム表面温度を室温まで下げた。フィルムの表面温度が100℃〜130℃未満の間にあった時間は、おおよそ27秒であった。
得られたフィルムを、液温95℃の7重量%ホウ酸水溶液中に浸漬し、ホウ酸処理を行った。浸漬時間は1分間から10分間の間で、適宜調整した。該ホウ酸処理されたフィルムを35℃の水中で1.04〜1.05倍に延伸した。フィルム表面の水分を除去した後、赤外線ヒーターを用いて、フィルム温度65℃で、10分間乾燥し、目的とする本発明の染料含有固有偏光子を得た。得られた固有偏光子の膜厚はほぼ40μmであった。
試験例2
上記実施例2により得られた本発明の染料含有固有偏光子について、下記波長範囲における単体透過率、直交透過率、及び、各試料を透過軸が直交するように2枚重ねたときの透過光におけるLab表色系で表現される色度(a*c、b*c)のそれぞれを、分光光度計(日本分光株式会社製、製品名V−7100)により、下記の条件で測定した。
測定波長:380〜780nm
計算範囲:380〜700nm
測定条件:スキャン速度600nm/min
上記波長範囲における、各試料の単体透過率(Ys)、直交透過率(Yc)及び色度(a*c、b*c)の測定値を下記表3に示す。
[表3]
Ys(%) Yc(%) a*c b*c
実施例2 38.9 0.0046 0.28 0.04
実施例2で得られた本発明の染料含有固有偏光子は、二色性染料での染色を行った以外は、実施例1と同様にして得られた固有偏光子であり、600−640nmの長波長側の吸収特性が、実施例1と同様に著しく改善されており、且つ、二色性染料として、短波長側に吸収極大を有するオレンジ染料を併用していることから、可視光の全波長域に渡って、優れた偏光特性を示す。また、該本発明の染料含有固有偏光子は、従来の固有偏光子に比べて、直交位の色相も格段に改善することができる。
本発明の固有偏光子は、従来の固有偏光子の課題であった600〜640nmの赤色光領域における吸収特性が著しく改善されたので、プロジェクターの赤色光チャンネル用偏光板として非常に有用である。さらに、ポリヒドロキシ線状ポリマー中に二色性染料を含有する本発明の固有偏光子は、上記の特性に加えて、平行位及び直交位の透過光の色相を、ニュートラルグレーにすることができるため、液晶ディスプレイ等の表示装置用偏光板として非常に有用である。
図1の符号の説明
1:本発明のNo.1の固有偏光子の厚さ方向におけるI1108/I1493の値の分布状態を示す。
2:従来品の固有偏光子の厚さ方向におけるI1108/I1493の値の分布状態を示す。
図2の符号の説明
1:本発明のNo.3の固有偏光子の透過軸と直交する偏光を入射した時の光の透過率を示す。
2:従来品の固有偏光子の透過軸と直交する偏光を入射した時の光の透過率を示す。
図3(a)及び(b)の符号の説明
1.本発明の染料含有固有偏光子の単体透過率を示す。
2.本発明の染料含有固有偏光子を2枚用いて透過軸を直交させたときの直交透過率を示す。

Claims (13)

  1. 固有偏光素子フィルムの厚さ方向における中央の、フィルム表面と平行な平面において、配向されたポリマー分子中に含まれるポリビニレン構造中の、ラマン分光法で測定した、ビニレン(−C=C−)結合に由来するラマンシフトの強度に対する共役ジエン(=C−C=)結合に由来するラマンシフトの強度の比が、最大でも1.2である固有偏光子。
  2. 固有偏光子の600〜640nmの波長領域における平均直交偏光透過率が最大でも0.003%であり、400nmにおける直交偏光透過率が少なくとも0.3%である請求項1に記載の固有偏光子。
  3. 固有偏光子の600〜640nmの波長領域における平均偏光コントラストが少なくとも20000である請求項1又は2に記載の固有偏光子。
  4. 最大吸収波長を波長560nm〜610nmの間に有する請求項1又は2に記載の固有偏光子。
  5. 少なくとも最大吸収波長の前後40nmの範囲における平均偏光コントラストが、少なくとも20000である請求項1乃至4の何れか一項に記載の固有偏光子。
  6. ポリマー分子中のポリビニレン構造が、ポリヒドロキシ線状ポリマーの脱水により形成されたものである請求項1乃至5の何れか一項に記載の固有偏光子。
  7. 更に、二色性染料を含む請求項1乃至6の何れか一項に記載の固有偏光子。
  8. ポリマー分子中に含まれるポリビニレン構造を形成する前に、ポリマーフィルムを二色性染料で染色することにより得られた請求項7に記載の固有偏光子。
  9. 二色性染料が400〜500nmの範囲に極大吸収波長を有する二色性染料である請求項7又は8に記載の固有偏光子。
  10. 赤色光用である請求項1乃至9の何れか一項に記載の固有偏光子。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の固有偏光子の少なくとも片面に保護フィルム又は支持体が貼合された偏光板。
  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の固有偏光子又は請求項11に記載の偏光板を備えた表示装置。
  13. 表示装置がプロジェクターである請求項11に記載の表示装置。
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