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JP2015001028A - 製紙用添加剤及び製紙用添加剤の製造方法並びに紙の製造方法 - Google Patents

製紙用添加剤及び製紙用添加剤の製造方法並びに紙の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的少ない添加量で、従って、紙製品の地合低下やコストアップの問題を引き起こすことなく、濾水性を向上させることができる製紙用添加剤を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、ノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを重合して得られるカチオン性ポリマーと、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類を、0.01〜10モル%含む製紙用添加剤。
Figure 2015001028

【選択図】なし

Description

本発明は、製紙用添加剤及び製紙用添加剤の製造方法並びに紙の製造方法に関する。より詳しくは、濾水性向上剤として好適に用いられる製紙用添加剤に関する。
従来から、紙を製造する製紙工程では、紙力増強剤、サイズ剤及び歩留濾水性向上剤といった様々な製紙用添加剤が使用されている。特に、製紙業界においては、製紙原料の節約や、製紙効率及び品質を高める観点などから、濾水性及び/又は歩留を向上させる添加剤(歩留・濾水性向上剤)が使用されることが多いものとなっている。
例えば、特許文献1には、カチオン性スターチ及びコロイドシリカを脱水前の紙料に添加して歩留を改善する方法が記載されている。また、特許文献2には、濾水性、歩留性、乾燥及び地合特性を改善すべく、特定の剪断ステップの前に第1の合成カチオン性ポリマーを加え、かつその剪断ステップの後でベントナイトを加える方法が開示されている。さらに特許文献3には、カチオン性ポリマーとアニオン性高分子微粒子を紙料中に含有させる歩留改善方法が開示されている。
一方、紙料に添加するポリマーの量を増加させると、製品の地合低下やコストアップの問題が生じることがある。こうした問題に対して、特許文献4には、架橋ポリマーとベントナイトを併用するデュアルシステムが開示されている。また、特許文献5には、フリーラジカル重合の条件下、モノマー水溶液の重合を開始して重合反応液を形成し、モノマー重合が30%以上進行後、1種以上の構造修飾剤を重合反応液へ加えて調整された構造修飾ポリマーが開示されている。
さらにまた、ポリマーとパルプ繊維を強固に反応させることを目的に、特許文献6には、カチオン性ポリマーとアニオン性ポリマーとの併用方法が提案され、特許文献7には、カチオン性モノマーとアニオン性モノマーを成分とする両性ポリマーが提案されている。
米国特許4388150号公報 特開昭62−191598号公報 特開平4−241197号公報 特表2002−518609号公報 特表2004−502802号公報 特開平9−296388号公報 特開平10−140495号公報
近年の製紙業界においては、廃棄物削減への対応、地球温暖化対策の観点などから、古紙を利用する機会が多くなってきている。しかしながら、製紙原料として古紙の利用が増加することで、原料事情はますます悪化し、さらなる濾水性や歩留の向上などが望まれる。
そこで本発明は、比較的少ない添加量で、従って、紙製品の地合低下やコストアップの問題を引き起こすことなく、濾水性を向上させることができる製紙用添加剤を提供することを主目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のカチオン性ポリマーと、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類とを特定の割合で含む製紙用添加剤により、優れた濾水性向上効果を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるカチオン性ポリマーと、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類とを含み、前記カルボン酸類の比率が、前記カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、0.01〜10モル%である製紙用添加剤を提供する。
Figure 2015001028
本発明はまた、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類と、該カルボン酸類の溶液中で、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られるカチオン性ポリマーと、を含有し、前記カルボン酸類の比率が、前記カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、0.01〜10モル%であり、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上である製紙用添加剤を提供する。
また、本発明は、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類の溶液中で、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合してカチオン性ポリマーを合成し、前記カルボン酸類の比率が前記カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して0.01〜10モル%であり、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上である、前記カルボン酸類と前記カチオン性ポリマーとの混合物を得る製紙用添加剤の製造方法を提供する。
さらに本発明は、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるカチオン性ポリマーと、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類とを、前記カルボン酸類の比率が前記カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して0.01〜10モル%の割合で添加する紙の製造方法を提供する。
なお、本発明では、本発明に係る前記製紙用添加剤を紙料に添加する紙の製造方法も提供され、本発明で製造される「紙」には板紙も含まれる。
本発明に係る製紙用添加剤によれば、比較的少ない添加量で、従って、製品の地合低下やコストアップの問題を引き起こすことなく、濾水性を向上することができる。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る製紙用添加剤は、後記の一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られるカチオン性ポリマーと、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類と、を含有する。カチオン性ポリマー及びカルボン酸類は、製紙用添加剤中、カルボン酸類の比率がカチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して0.01〜10モル%で含まれている。
ここで、カチオン性ポリマーは、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるもの(後述の第一の態様参照)、又は上記カルボン酸類の溶液中で合成されたもの(後述の第二の態様参照)が用いられる。
<第一の態様の製紙用添加剤>
本実施形態の第一の態様としての製紙用添加剤は、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるカチオン性ポリマーと、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類と、を含有する。
そして、この製紙用添加剤は、上記のカルボン酸類の比率が上記のカチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して0.01〜10モル%とされている。
Figure 2015001028
上記一般式(I)において、RはH又はCHであり、AはO又はNHであり、Rはヒドロキシル基を置換基として有していてもよい炭素数2〜4のアルキル基であり、RはH、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、RはH、ヒドロキシル基を置換基として有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、又はベンジル基であり、Xはハロゲンイオン、スルホン酸イオン、メチル硫酸イオン、又は水酸化物イオンである。
第一の態様の製紙用添加剤に含まれるカチオン性ポリマーは、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマーと、そのカチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーと、架橋性ビニルモノマーとを含む単量体成分を共重合して得られる。このことから、このカチオン性ポリマーは、分子中に、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマーに由来する構造単位と、そのカチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマーに由来する構造単位と、架橋性ビニルモノマーに由来する構造単位と、を有する共重合体ともいえる。
カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分を構成するカチオン性ビニルモノマーは、上記一般式(I)で表される化合物を用いることができる。
上記一般式(I)において、RとしてはHがより好ましく、AとしてはOがより好ましい。また、Rとしては、置換基を有さない炭素数2〜4のアルキル基がより好ましく、エチル基がさらに好ましい。Rとしては、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。Rとしては、H、又は置換基を有さない炭素数1〜3のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。Xとしては、ハロゲンイオンがより好ましく、塩化物イオンがさらに好ましい。
上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルのような(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル、その4級塩及び酸塩、並びに、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド、その4級塩及び酸塩を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル並びにその4級塩及び酸塩としては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸ジメチルアミノエチル塩化メチル4級塩、アクリル酸ジメチルアミノエチル塩化ベンジル4級塩、アクリル酸ジメチルアミノエチル塩酸塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチル塩化メチル4級塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチル塩化ベンジル4級塩、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル塩酸塩などを挙げることができる。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド並びにそれらの4級塩及び酸塩としては、特に限定されないが、例えば、塩化アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩酸塩、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、及びジメチルアミノプロピルメタクリルアミド塩酸塩などを挙げることができる。
これらのカチオン性ビニルモノマーは、1種又は2種以上を用いることができる。
カチオン性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキル4級塩が好適であり、このうち、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル塩化メチル4級塩が好ましく、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドがさらに好ましい。
なお、本開示において、「(メタ)アクリル」との記載は、「アクリル」及び「メタクリル」の両方を意味する。
カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分を構成するノニオン性ビニルモノマーは、前述のカチオン性ビニルモノマーと共重合可能であれば特に限定されない。
ノニオン性ビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、及びダイアセトンアクリルアミド等の水溶性であるN置換低級アルキルアクリルアミド、メタクリロニトリル、アクリロニトリル、アルキルアクリレート、ヒドロキシアクリレート、並びに酢酸ビニル等が挙げられる。これらのうち、例えば、(メタ)アクリルアミドが好適であり、アクリルアミドがより好ましい。
ノニオン性ビニルモノマーは、1種又は2種以上を用いることができる。
カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分には、前述のカチオン性ビニルモノマー及びノニオン性ビニルモノマーの他に、架橋性ビニルモノマーが含まれる。
この架橋性ビニルモノマーは、カチオン性ポリマーに分岐構造をもたらすものであり、1分子中に2個以上の二重結合を有するモノマーを用いることができる。
代表的な好ましい架橋性ビニルモノマーとしては、N,N−メチレンビスアクリルアミド、N,N−メチレンビスメタクリルアミド、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジアクリル酸ポリエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、及びジメタクリル酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのうち、N,N−メチレンビスアクリルアミドが好ましい。
これらの架橋性ビニルモノマーは1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
カチオン性ポリマーの製造方法は、ラジカル重合であれば特に限定されず、水溶液重合、懸濁重合及び乳化重合など、必要に応じて選択することができる。
ラジカル重合において使用する重合開始剤は、特に限定されないが、水溶性のものが好ましい。重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩系及び過酸化物系では、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、及びtert−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
重合開始剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよいが、1種を単独で使用することが好ましい。また、重合開始剤を還元剤と組合せてレドックス系重合開始剤として使用してもよい。この場合の還元剤としては、例えば亜硫酸、亜硫酸塩並びに亜硫酸水素塩、鉄、銅、並びにコバルト等の低次イオン価の塩、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等の有機アミン、更にはアルドース、ケトース等の還元糖などを挙げることができる。
重合開始剤として、アゾ化合物を用いることもできる。アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン塩酸塩、2,2’−アゾビス−2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)−プロパン及びその塩等を使用することができる。これらのアゾ化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
カチオン性ポリマーを合成する際に、合成するカチオン性ポリマーの分子量を調節するために、連鎖移動剤を使用してもよい。
連鎖移動剤は特に限定されず、代表的な連鎖移動剤としては、例えば、アルコール、硫黄化合物、カルボン酸及びその塩、次亜リン酸ナトリウムなどのリン酸塩リン酸塩、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブチルアルコール及びグリセロールなどが挙げられ、これらのうち、2−プロパノールが好ましい。
硫黄化化合物としては、アルキルチオール、チオウレア、亜硫酸塩及び二硫化物などのスルホン酸化合物が挙げられ、これらのうち、エタンチオール、チオウレア及び重亜硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
カルボン酸及びその塩としては、ギ酸及びリンゴ酸並びにそれらの塩が挙げられ、これらのうち、ギ酸及びその塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
これらの連鎖移動剤としては、次亜リン酸ナトリウム及び/又はギ酸ナトリウムを用いるのがより好ましい。
カチオン性ポリマーの重合方法としては、カチオン性ポリマーの原料となる全単量体成分を反応容器に一括で仕込んで重合する回分(バッチ)重合法が挙げられ、この際、重合開始剤は、重合器に予め又は重合時に一括添加してもよく、重合中に連続的又は間欠的に供給してもよい。重合時に供給する場合は必要に応じて添加速度を変更することができる。
カチオン性ポリマーを合成する際の重合温度は、単一の重合開始剤を用いる場合、一般に30〜100℃であり、レドックス系重合開始剤の場合はより低く、一般に5〜90℃である。重合温度は重合中一定に保っても変動させてもよく、必要に応じて冷却、加熱を実施することができる。
重合容器内の雰囲気は特に制限はないが、重合を速やかに行わせるには窒素ガスのような不活性ガスで置換するのが好ましい。
上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、上記ノニオン性ビニルモノマー、及び上記架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られるカチオン性ポリマーは、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度(以下、「固有粘度」と略記することがある。)が8dl/g以上である性質を有する。カチオン性ポリマーの固有粘度が8dl/g以上であることにより、このカチオン性ポリマーは、分子量が高く、高い凝集力を有する。
カチオン性ポリマーの固有粘度の上限は特に限定されるものではないが、実際に製造可能なカチオン性ポリマーを考慮すると、20dl/g程度以下となる。カチオン性ポリマーの固有粘度の範囲は、8〜20dl/gが好ましく、8〜18dl/gがより好ましく、8〜15dl/gがさらに好ましい。
なお、本開示において、「固有粘度」は、キャノンフェンスケ型粘度計を使用して流下時間を測定し、その測定値から、Hugginsの式及びMead−Fuossの式を用いて算出した値である。
また、カチオン性ポリマーは水溶性であることが好ましい。カチオン性ポリマーの分子構造は直鎖構造及び分岐構造のいずれであってもよい。
カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分中の前述のカチオン性ビニルモノマーの使用量(含有量)は、特に限定されないが、5〜50モル%が好ましく、5〜30モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
また、カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分中の前述のノニオン性ビニルモノマーの使用量(含有量)は、特に限定されないが、50〜95モル%が好ましく、70〜95モル%がより好ましく、75〜95モル%がさらに好ましい。
カチオン性ポリマーの原料となるカチオン性ビニルモノマー及びノニオン性ビニルモノマーの使用比率は、処理対象となる水質に応じて、任意に選定することができる。例えば、カチオン性ビニルモノマー:ノニオン性ビニルモノマーは、モル比で5:95〜95:5が好ましく、5:95〜50:50がより好ましく、5:95〜35:65がさらに好ましい。
カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分に使用する架橋性ビニルモノマーの導入比率は、カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分の総量に対して、5.0×10−3モル%以下が好ましく、1.0×10−3モル%以下がより好ましく、さらには0.5×10−4〜8.0×10−4モル%の範囲がより好ましい。架橋性ビニルモノマーの導入比率が上記範囲であることにより、カチオン性ポリマーが不溶化し難く、また、固有粘度が8dl/g以上のカチオン性ポリマーが得易くなる。
本実施形態の製紙用添加剤は、前述のカチオン性ポリマーと共に、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類を含有する。
1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類としては、1分子中にカルボキシル基を、2個有するジカルボン酸類、3個有するトリカルボン酸類、4個有するテトラカルボン酸類、及び5個以上有する多価カルボン酸類からなる群から選択される1種以上を用いることができる。これらのカルボン酸類のうち、ジカルボン酸類、及びトリカルボン酸類からなる群から選択される1種以上が好ましい。
また、これらのカルボン酸類としては、脂肪族カルボン酸類及び/又は芳香族カルボン酸類を用いることができる。
1分子中にカルボキシル基を2個以上有する「カルボン酸類」には、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸及びその塩が含まれる。また、この「カルボン酸類」には、1分子中にカルボキシル基を2個以上有し、かつ、ヒドロキシル基を有するヒドロキシ酸及びその塩も含まれる。
前述のカルボン酸の「塩」としては、典型元素の塩が用いられる。この典型元素の塩としては、例えば、Li、Na、K、及びRb等の周期表第1族元素の塩、Mg、Ca、及びBa等の周期表第2族元素の塩が挙げられる。これらの「塩」としては、ナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。
なお、上記カルボン酸の塩には、本発明の目的に反しない限りにおいて、遷移元素の塩が用いられてもよい。また、金属元素の原子価は特に限定されず、例えば、2価、3価、及び4価等が挙げられる。
上記ジカルボン酸類の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、タルトロン酸、リンゴ酸、及び酒石酸等、並びにこれらの塩が挙げられる。
上記トリカルボン酸類の具体例としては、トリメリット酸、ヘミメリット酸、トリメシン酸、プロパントリカルボン酸、及びクエン酸等、並びにこれらの塩が挙げられる。
上記テトラカルボン酸類の具体例としては、ピロメリット酸、エチレンテトラカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、及びブタンテトラカルボン酸等、並びにこれらの塩が挙げられる。
上記多価カルボン酸類の具体例としては、ベンゼンペンタカルボン酸、及びベンゼンヘキサカルボン酸等、並びにこれらの塩が挙げられる。
上記のカルボン酸類の具体例は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本実施形態で用いられるカルボン酸類の炭素数は、特に限定されないが、2〜30が好ましく、2〜15がより好ましく、4〜10がさらに好ましい。
また、そのカルボン酸類の分子量(化学式量)は、1000以下が好ましく、90〜1000がより好ましく、120〜500がさらに好ましい。
本実施形態で用いられるカルボン酸類の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びピロメリット酸、並びにこれらの塩からなる群から選択される1種以上が好ましい。
さらに、このカルボン酸類の具体例としては、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、テレフタル酸、及びトリメリット酸、並びにこれらの塩からなる群から選択される1種以上がより好ましい。
上記の1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類は、市販されているものを用いることができる。
第一の態様の製紙用添加剤は、前述のカルボン酸類の比率が前述のカチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して0.01〜10モル%の割合で、前述のカルボン酸類及びカチオン性ポリマーを含有する。この割合でカチオン性ポリマーとカルボン酸類とが併用されているため、カチオン性ポリマーとカルボン酸類との併用による相乗効果が奏され、カチオン性ポリマーとカルボン酸類との反応による析出物が生成し難くなり、その結果、有効成分の濃度を高めることが可能となる。この観点から、カルボン酸類の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、0.05〜10モル%の範囲が好ましく、0.1〜10モル%の範囲がより好ましく、0.5〜8モル%の範囲がさらに好ましい。
上記カチオン性ポリマーと上記カルボン酸類とを混合した後の第一の態様の製紙用添加剤では、その固有粘度の範囲は特に限定されないが、8〜20dl/gが好ましく、8〜15dl/gがより好ましい。
第一の態様の製紙用添加剤は、例えば、上述のようにカチオン性ポリマー及びカルボン酸類をそれぞれ別々に調製する工程と、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、カルボン酸類0.01〜10モル%の割合で、カチオン性ポリマーとカルボン酸類とを混合する工程と、を行うことで製造することができる。
カチオン性ポリマーとカルボン酸類との混合の形態は、カチオン性ポリマー及びカルボン酸類の製品形態によって任意に選択することができる。
カチオン性ポリマーを水に溶解させた場合、カチオン性ポリマーの形態が粉末、水溶液状、エマルション状等のいかなる形態であってもその水溶液とカルボン酸類を混合することができる。
カチオン性ポリマー製品にカルボン酸類を混合する場合では、カチオン性ポリマーの形態が水溶液状の場合、カルボン酸類が粉末であっても液状であっても混合することが可能であり、カチオン性ポリマーが粉末状の場合、粉末状のカルボン酸類との混合が可能となる。また、カチオン性ポリマーとカルボン酸類を混合した後に溶解液を調製してもよく、カチオン性ポリマーとカルボン酸類を各々別に溶解し、その後に各溶解液を混合して一液とし、処理対象の紙パルプスラリーに添加してもよい。
<第二の態様の製紙用添加剤>
次に本発明に係る実施形態の第二の態様の製紙用添加剤について説明する。
第二の態様としての製紙用添加剤は、前述した第一の態様におけるカルボン酸類の溶液中で、カチオン性ポリマーを合成し、その結果得られる、カチオン性ポリマー及びカルボン酸類を含む混合物を用いるものである。
すなわち、第二の態様の製紙用添加剤は、前述のカルボン酸類と、そのカルボン酸類の溶液中で、上記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、ノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られるカチオン性ポリマーとを含有する。そして、このカチオン性ポリマーとカルボン酸類との混合物を含有する製紙用添加剤は、カチオン性ポリマーとカルボン酸類とを、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対してカルボン酸類0.01〜10モル%の割合で含んでおり、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上の性質を有する。
なお、第二の態様の製紙用添加剤に用いられる、カルボン酸類、カチオン性ビニルモノマー、ノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーは、いずれも上記第一の態様で述べたものと同様である。
なお、第二の態様の製紙用添加剤において、カチオン性ポリマーの原料となる単量体成分としてのカチオン性ビニルモノマー、ノニオン性ビニルモノマー及び架橋性ビニルモノマー、並びにカチオン性ポリマーの合成の際に使用され得る重合開始剤及び連鎖移動剤、並びにカルボン酸類は、前述の第一の態様としての製紙用添加剤の説明で述べたものと同様である。
第二の態様において、カチオン性ポリマーとカルボン酸類との混合物の固有粘度の上限は特に限定されないが、実際に製造可能なその混合物を考慮すると、20dl/g以下であることが好ましい。その混合物の固有粘度の範囲は、8〜20dl/gが好ましく、8〜18dl/gがより好ましく、8〜15dl/gがさらに好ましい。
カルボン酸類の溶液を調製するための溶媒は特に限定されず、例えば、水を用いることができ、カルボン酸類の溶液として、カルボン酸類を希釈溶解した水溶液を用いることができる。この場合、カルボン酸類の溶液中のそのカルボン酸類の濃度は、特に限定されないが、例えば、0.01〜20質量%の範囲で任意に設定することができる。
第二の態様の製紙用添加剤における、カルボン酸類の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、0.01〜10モル%とする。この割合でカチオン性ポリマーとカルボン酸類とが併用されているため、カチオン性ポリマーとカルボン酸類との併用による相乗効果が奏され、カチオン性ポリマーとカルボン酸類との反応による析出物が生成し難くなり、その結果、有効成分の濃度を高めることが可能となる。この観点から、カルボン酸類の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、0.02〜8.0モル%の範囲がより好ましい。
<製紙用添加剤の製造方法>
第二の態様の製紙用添加剤は、カルボン酸類の溶液中で、カチオン性ポリマーを合成するにあたり、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、カルボン酸類0.01〜10モル%の割合で、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上となるように、カチオン性ポリマーを合成する方法にて製造することができる。例えば、カチオン性ポリマーを合成する際に用いられる重合開始剤の添加量を調整することで、得られる製紙用添加剤に所望の固有粘度をもたせることが可能である。
この製紙用添加剤の製造方法では、カルボン酸類の溶液中でカチオン性ポリマーを合成することから、カチオン性ポリマーの合成に伴い、カチオン性ポリマーとカルボン酸類との混合が行われ、高効率で製紙用添加剤を製造することができる。
さらには、この製紙用添加剤の製造方法を製紙工程の現場において採用することで、製紙用添加剤の製造と製紙とが一貫して行われ、紙の製造も効率的に行うことが可能となる。
<紙の製造方法>
本発明に係る実施形態の紙の製造方法は、前述のカチオン性ポリマーとカルボン酸類とを、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、カルボン酸類0.01〜10モル%の割合で紙料に添加することである。その後、脱水及び乾燥等の製紙業において従来から行われている工程を経て、紙の製造が行われる。
カチオン性ポリマー及びカルボン酸類は、それぞれ別々に調製したカチオン性ポリマー及びカルボン酸類をブレンドし、前述の第一の態様の製紙用添加剤として、紙料に添加することができる。
また、カチオン性ポリマー及びカルボン酸類は、カルボン酸類の溶液中でカチオン性ポリマーを合成し、その結果得られる、カチオン性ポリマー及びカルボン酸類を含む混合物を用いて、前述の第二の態様の製紙用添加剤として、紙料に添加することもできる。
さらに、カチオン性ポリマーとカルボン酸類をそれぞれ別々に溶解し、紙料に添加するに際し、処理対象となる紙パルプスラリーに対して、カチオン性ポリマーとカルボン酸類とを別々に添加することもできる。この場合、カチオン性ポリマーとカルボン酸類とは同時に添加してもよく、時間差をつけて添加してもよい。
前述の実施形態(第一の態様及び第二の態様)に係る製紙用添加剤を紙料に添加する場合、又はカチオン性ポリマーとカルボン酸類を別々に紙料に添加する場合、その紙料への添加量は特に限定されない。例えば、その製紙用添加剤の紙料への添加量は、有効成分のカチオン性ポリマー及びカルボン酸類の合計量として、紙料の全固形分に対して、50〜300ppmとすることが好ましく、100〜250ppmとすることがより好ましい。
本実施形態の紙の製造方法では、前述の実施形態に係る製紙用添加剤のほかに、製紙業界において従来から使用されている添加剤を用いることができ、例えば紙力増強剤、サイズ剤、及び染料などの添加剤を紙料に添加してもよい。また、パルプスラリー等の紙料への填料として、炭酸カルシウム、クレー、タルク、及びシリカなどを添加してもよい。
以上詳述したように、実施形態に係る製紙用添加剤は、紙料への添加量が比較的少なくても、従って、紙製品の地合低下やコストアップの問題を引き起こすことなく、濾水性を向上することができる。そのため、実施形態に係る製紙用添加剤は、濾水性向上剤として好適に用いられる。
また、実施形態に係る製紙用添加剤を紙料に添加することで濾水性が向上することから、歩留の向上を図ることも可能となる。そのため、実施形態に係る製紙用添加剤は、歩留・濾水性向上剤としても好適に用いられる。
この製紙用添加剤を用いる紙の製造方法によれば、古紙主体の原料を用いる場合であっても、高品質の紙を製造することが可能となる。
実施形態の製紙用添加剤が、優れた濾水性を示す理由は明らかではないが、次のように考えられる。
実施形態の製紙用添加剤は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、カルボン酸類0.01〜10モル%の割合にて、カチオン性ポリマーとカルボン酸類とが併用されていることから、沈殿を起こすようなカチオンとアニオンとの強い静電的吸着ではなく、緩やかな架橋構造をとるものと考えられる。その結果、パルプ繊維や炭酸カルシウムなどの無機微粒子を捕捉する効果が向上するものと考えられ、優れた濾水性を示すものと考えられる。
上記本実施形態の製紙用添加剤が奏する効果に対して、前述の背景技術で挙げられた特許文献6及び7に開示されたようなポリマーでは、そのポリマー中のカチオン基とアニオン基の反応が強固に起こるものと考えられる。そのため、ポリマーそのものの沈殿を生じて効率よくパルプ繊維と反応することができない可能性があり、汚れの原因となることや必要添加濃度が増えることなどが考えられる。
なお、本実施形態の製紙用添加剤におけるカチオン性ポリマーは、凝集効果に優れることから、例えば、白水に含まれるパルプ繊維を再利用するために、製紙用添加剤を白水に添加してパルプ繊維を凝集させ、これを回収する用途にも用いることができる。この際には、白水の質量に対して1〜2ppm程度の製紙用添加剤を添加することによってパルプ繊維を凝集させることができる。
以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例、比較例に用いたカルボン酸類を、入手先及び分子量と共に表1に示した。
Figure 2015001028
<製造例1>
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(以下「DAA」と略す、分子量193.5)の80質量%水溶液10.9g、粉末アクリルアミド(以下「AAm」と略す、分子量71)18.1g、及びN,N’−メチレンビスアクリルアミド(以下「MBA」と略す、分子量140)の0.0084質量%水溶液2.5mlを混合し、アジピン酸二カリウム(カルボン酸類「C1」)を0.80g(0.0036モル)、最終的に純水にて全体を100mlにメスアップした。その水溶液を、冷却管、窒素導入管、温度計を備えた300mlセパラブルフラスコに入れ、窒素バブリング後、1.36質量%に調製した過硫酸カリウム(以下「KPS」と略す)水溶液を1ml添加し、40℃に加熱して重合を12時間行った。
得られた重合ゲルの一部をアセトンで沈殿させ、析出物を真空乾燥することにより求めた固形物濃度は26.7質量%で、重合率は99.6%であった。カルボン酸類「C1」の溶液中でカチオン性ポリマーを合成して得られた、カチオン性ポリマーとカルボン酸類C1との混合物の固有粘度は、10.9dl/gであった。この混合物のサンプル名を「CX1」とする。
製造例1において、合成したカチオン性ポリマーの組成比は、DAA/AAm/MBA=15/85/5×10−4(mol%)で、カルボン酸類「C1」の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、1.2モル%であった。なお、カチオン性ポリマーの組成比において、MBAの比率は、DAA及びAAmに比べて微量のため、DAAとAAmの合計に対するモル%として記し、後記表2及び表3の記載も同様とした。
<製造例2>
製造例1において、MBAの0.0084質量%水溶液を1.5ml、カルボン酸類をコハク酸二ナトリウム(カルボン酸類「C2」)とし、この「C2」の0.97質量%水溶液を1mlに変更した以外は、製造例1と同じ条件、操作で、カルボン酸類溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、カルボン酸類「C2」とカチオン性ポリマーとの混合物を得た。精製後の固形物濃度は26.8質量%、重合率は100%、固有粘度は、11.1dl/gであった。この混合物のサンプル名を「CX2」とする。
なお、この混合物において、カルボン酸類「C2」の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、0.02モル%であった。
<製造例3>
製造例1におけるDAAの80質量%水溶液を14.5g、AAmを17.0g、カルボン酸類をテレフタル酸二ナトリウム(カルボン酸類「C3」)5.04g(0.024モル)、KPS1.36質量%水溶液を0.7mlに変更した以外は、製造例1と同じ条件、操作で、カルボン酸類溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、カルボン酸類「C3」とカチオン性ポリマーとの混合物を得た。精製後の固形物濃度は28.6質量%、重合率は99.8%、固有粘度は、13.2dl/gであった。この混合物のサンプル名を「CX3」とする。
なお、この混合物において、カルボン酸類「C3」の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、8.0モル%であった。
<製造例4>
製造例1におけるMBAの0.0084質量%水溶液を20ml、カルボン酸類をトリメリット酸(カルボン酸類「C4」)0.35g(0.002モル)、KPS1.36質量%水溶液を5mlに変更した以外は、製造例1と同じ条件、操作で、カルボン酸類溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、カルボン酸類「C4」とカチオン性ポリマーとの混合物を得た。
精製後の固形物濃度は26.8質量%、重合率は99.9%、固有粘度は、8.1dl/gであった。この混合物のサンプル名を「CX4」とする。
なお、この混合物において、カルボン酸類「C4」の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、0.55モル%であった。
<製造例5>
製造例1におけるMBAの0.0084質量%水溶液を0.25ml、カルボン酸類をマレイン酸二ナトリウム(カルボン酸類「C5」)1.92g(0.012モル)、KPS1.36質量%水溶液を0.8mlに変更した以外は、製造例1と同じ条件、操作で、カルボン酸類溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、カルボン酸類「C5」とカチオン性ポリマーとの混合物を得た。精製後の固形物濃度は26.81質量%、重合率は100%、固有粘度は、13.2dl/gであった。この混合物のサンプル名を「CX5」とする。
なお、この混合物において、カルボン酸類「C5」の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、4.0モル%であった。
<製造例6>
製造例1におけるKPS1.36質量%水溶液を8mlに変更した以外は、製造例1と同じ条件、操作で、カルボン酸類溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、カルボン酸類「C1」とカチオン性ポリマーとの混合物を得た。精製後の固形物濃度は26.79質量%、重合率は99.9%、固有粘度は7.5dl/gであった。この混合物のサンプル名を「CX6」とする。
なお、この混合物において、カルボン酸類「C1」の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、1.2モル%であった。
<製造例7>
製造例1におけるカルボン酸類をコハク酸二ナトリウム(カルボン酸類「C2」)の0.243質量%水溶液1ml(1.5×10−5モル)に変更した以外は、製造例1と同じ条件、操作で、カルボン酸類溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、カルボン酸類「C2」とカチオン性ポリマーとの混合物を得た。精製後の固形物濃度は26.78質量%、重合率は99.9%、固有粘度は11.1dl/gであった。この混合物のサンプル名を「CX7」とする。
なお、この混合物において、カルボン酸類「C2」の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、0.005モル%であった。
<製造例8>
製造例1におけるMBAの0.0084質量%水溶液を1.5ml、カルボン酸類をテレフタル酸二ナトリウム(カルボン酸類「C3」)7.56g(0.036モル)に変更した添加した以外は、製造例1と同じ条件、操作で、カルボン酸類溶液中でカチオン性ポリマーの合成を行い、カルボン酸類「C3」とカチオン性ポリマーとの混合物を得た。精製後の固形物濃度は26.81質量%、重合率は100%、固有粘度は10.8dl/gであった。この混合物のサンプル名を「CX8」とする。
なお、この混合物において、カルボン酸類「C3」の比率は、カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、12モル%であった。
<製造例9>
製造例1におけるカルボン酸類「C1」を用いなかった以外は、製造例1と同じ条件、操作で、カチオン性ポリマーの合成を行った。精製後の固形物濃度は26.75質量%、重合率は99.8%、固有粘度は11.8dl/gであった。このカチオン性ポリマーのサンプル名を「Cp1」とする。
<製造例10>
製造例1におけるDAAの80質量%水溶液を14.5g、AAmを17.0g、KPS1.36質量%水溶液を4ml、MBAの0.0084質量%水溶液を0.5mlに変更し、かつ、カルボン酸類を用いなかった以外は、製造例1と同じ条件、操作で、カチオン性ポリマーの合成を行った。精製後の固形物濃度は26.8質量%、重合率は100%、固有粘度は8.2dl/gであった。このカチオン性ポリマーのサンプル名を「Cp2」とする。
<製造例11>
製造例1におけるDAAの80質量%水溶液を14.5g、AAmを17.0g、KPS1.36質量%水溶液を10mlに変更し、かつ、カルボン酸類を用いなかった以外は、製造例1と同じ条件、操作で、カチオン性ポリマーの合成を行った。精製後の固形物濃度は26.72質量%、重合率は99.7%、固有粘度は7.0dl/gであった。このカチオン性ポリマーのサンプル名を「Cp3」とする。
以上述べた各製造例のサンプル一覧を表2に示した。
Figure 2015001028
次に、後述する実施例及び比較例において以下の濾水試験を行った。なお、各実施例及び比較例で使用した製紙用添加剤については後述する。
<濾水試験>
カナディアン・スタンダード・フリーネス(CSF)450mlに叩解した新聞故紙を絶乾質量が0.6質量%になるように添加した後、これに軽質炭酸カルシウム(ブリリアント1500 白石工業株式会社製)を絶乾紙料に対して40質量%になるように加えたものを試料(パルプスラリー)とした。
パルプスラリー180mlを容量300mlのポリビーカーにとり、そこに後述する各実施例及び比較例で用いる「添加剤」の0.1質量%水溶液を添加し、タービン羽根を備えた撹拌機を用いて、250rpmで20秒間撹拌を行った。次いで、ナイロン濾布を敷いたヌッチェロートに、内径50mmの金属製の円筒を置き、その中へ凝集したパルプスラリーを注ぎ込み、メスシリンダーを用いて10秒後のろ液量を測定した。さらに、濾布上に残った湿紙をポリエステル濾布にとり、3.0kg/cmの圧力をかけて60秒圧搾し、プレス後の湿紙の含水率を測定した。
<実施例1〜5>
実施例1では、上記製造例1で得た混合物「CX1」を添加剤として用い、濾水試験を行った。
実施例2では、上記製造例2で得た混合物「CX2」を添加剤として用い、濾水試験を行った。
実施例3では、上記製造例3で得た混合物「CX3」を添加剤として用い、濾水試験を行った。
実施例4では、上記製造例4で得た混合物「CX4」を添加剤として用い、濾水試験を行った。
実施例5では、上記製造例5で得た混合物「CX5」を添加剤として用い、濾水試験を行った。
<実施例6〜8>
実施例6では、上記製造例9で得たカチオン性ポリマー「Cp1」と、アジピン酸二カリウム(カルボン酸類「C1」)とを添加剤として用い、濾水試験を行った。この際、カルボン酸類「C1」の比率が、カチオン性ポリマー「Cp1」を構成する単量体成分の総量に対して、0.55モル%となるように添加した。
実施例7では、上記製造例10で得たカチオン性ポリマー「Cp2」と、コハク酸二ナトリウム(カルボン酸類「C2」)とを添加剤として用い、濾水試験を行った。この際、カルボン酸類「C2」の比率が、カチオン性ポリマー「Cp2」を構成する単量体成分の総量に対して、1.1モル%となるように添加した。
実施例8では、上記製造例9で得たカチオン性ポリマー「Cp1」と、マレイン酸二ナトリウム(カルボン酸類「C5」)とを添加剤として用い、濾水試験を行った。この際、カルボン酸類「C5」の比率が、カチオン性ポリマー「Cp1」を構成する単量体成分の総量に対して、6.5モル%となるように添加した。
<比較例1>
比較例1では、上記製造例9で得たカチオン性ポリマー「Cp1」を添加剤として用い、濾水試験を行った。
<比較例2〜4>
比較例2では上記製造例6で得た混合物「CX6」を添加剤として用い、比較例3では上記製造例7で得た混合物「CX7」を添加剤として用い、比較例4では上記製造例8で得た混合物「CX8」を添加剤として用い、それぞれ濾水試験を行った。
<比較例5〜8>
比較例5では、上記製造例9で得たカチオン性ポリマー「Cp1」と、酢酸(「C6」と記す)とを添加剤として用い、濾水試験を行った。この際、酢酸「C6」の比率が、カチオン性ポリマー「Cp1」を構成する単量体成分の総量に対して、2.0モル%となるように添加した。
比較例6では、上記製造例9で得たカチオン性ポリマー「Cp1」と、アジピン酸二カリウム(カルボン酸類「C1」)とを添加剤として用い、濾水試験を行った。この際、カルボン酸類「C1」の比率が、カチオン性ポリマー「Cp1」を構成する単量体成分の総量に対して、0.005モル%となるように添加した。
比較例7では、上記製造例10で得たカチオン性ポリマー「Cp2」と、コハク酸二ナトリウム(カルボン酸類「C2」)とを添加剤として用い、濾水試験を行った。この際、カルボン酸類「C2」の比率が、カチオン性ポリマー「Cp2」を構成する単量体成分の総量に対して、12.0モル%となるように添加した。
比較例8では、上記製造例11で得たカチオン性ポリマー「Cp3」と、テレフタル酸二ナトリウム(カルボン酸類「C3」)とを添加剤として用い、濾水試験を行った。この際、カルボン酸類「C3」の比率が、カチオン性ポリマー「Cp3」を構成する単量体成分の総量に対して、3.5モル%となるように添加した。
各実施例及び比較例の試験条件一覧を表3に、各試験結果を表4に示した。
Figure 2015001028
Figure 2015001028
実施例1〜8においては、比較例1〜8よりも、10秒後のろ液量が多く、プレス後の含水率が低いことが確認された。
比較例1では、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類を用いず、カチオン性ポリマー「Cp1」のみを添加剤として用いたため、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例2では、添加剤として使用した混合物「CX6」の固有粘度が8dl/g未満であったために、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例3及び6では、使用したカルボン酸類「C2」の使用量が少なかったため、また、比較例4及び7では使用したカルボン酸類「C3」の使用量が多かったため、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例5では、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類ではなく、モノカルボン酸である酢酸を用いたため、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
比較例8では、カルボン酸類「C3」と併用したカチオン性ポリマー「Cp3」の固有粘度が8dl/g未満であったために、実施例に比べて、ろ液量が少なく、含水率が高いという結果になったものと考えられる。
以上の結果より、実施例の製紙用添加剤は、特定のカチオン性ポリマーと、1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類とをそれぞれ特定割合で併用することにより、紙料に対し比較的少ない添加量で、従って、紙製品の地合低下やコストアップの問題を引き起こすことなく、濾水性を向上することができることが確認された。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるカチオン性ポリマーと、
    1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類と、を含み、
    前記カルボン酸類の比率が、前記カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、0.01〜10モル%である製紙用添加剤。
    Figure 2015001028
  2. 1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類と、
    該カルボン酸類の溶液中で、下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られるカチオン性ポリマーと、を含有し、
    前記カルボン酸類の比率が、前記カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して、0.01〜10モル%であり、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上である製紙用添加剤。
    Figure 2015001028
  3. 前記カルボン酸類は、ジカルボン酸類及びトリカルボン酸類からなる群から選択される1種以上である請求項1又は2記載の製紙用添加剤。
  4. 1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類の溶液中で、
    下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合してカチオン性ポリマーを合成し、
    前記カルボン酸類の比率が前記カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して0.01〜10モル%であり、かつ、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上である、前記カルボン酸類と前記カチオン性ポリマーとの混合物を得る製紙用添加剤の製造方法。
    Figure 2015001028
  5. 下記一般式(I)で表されるカチオン性ビニルモノマー、該カチオン性ビニルモノマーと共重合可能なノニオン性ビニルモノマー、及び架橋性ビニルモノマーを含む単量体成分を重合して得られる、30℃の1規定NaCl水溶液中における固有粘度が8dl/g以上であるカチオン性ポリマーと、
    1分子中にカルボキシル基を2個以上有するカルボン酸類とを、
    前記カルボン酸類の比率が前記カチオン性ポリマーを構成する単量体成分の総量に対して0.01〜10モル%の割合で添加する紙の製造方法。
    Figure 2015001028
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