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JP2015000375A - 流体制御デバイス、及び流体混合器 - Google Patents

流体制御デバイス、及び流体混合器 Download PDF

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Abstract

【課題】極めて効率的に流体を混ぜることができ、処理能力が高く、高耐圧を有する流体制御デバイスを提供する。
【解決手段】本発明の流体制御デバイスは、単一の混合空間と、トレンチ構造をなす複数の誘導空間と、複数の流入空間と、を内在した基体からなる流体制御デバイスであって、混合空間から見て、誘導空間の一方の開口部は、略長方形状をなすトレンチ構造のそれぞれに接続して配される複数の微細孔の開口部からなり、隣接する位置関係にある誘導空間の一方のトレンチ構造の長辺同士が、離間して所定の間隔で並列に配され、隣接する位置にある、一方のトレンチ構造における微細孔の開口部に対応する、他方のトレンチ構造における微細孔の開口部が各々、異なる流入空間へ連通している。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小な空間において流体を混ぜる流体制御デバイス、及び流体混合器に関する。このような流体制御デバイス、及び流体混合器は、たとえば、マイクロミキサやμTAS(「Micro-TAS」とも呼ぶ:Micro Total Analysis Systems)に好適に用いられる。ここで、μTASは、MEMS技術を用いて、チップ上に微小な流路や反応室、混合室を設け、一つのチップもしくはデバイスで血液やDNAをはじめ様々な液体や気体を分析する生化学分析デバイスを意味する。
混合、反応、抽出、分離、加熱、冷却などの化学プロセスを微細な流路や微小な空間において行うマイクロ化学プロセスが提案され、微小空間での高効率な混合を可能とするマイクロミキサの研究がなされている。
マイクロミキサは、数百μm以下の微小な空間で混合を行うデバイスであり、混合される基質間の距離を短くできるため、混合効率を大きく向上させることができる。一例として、界面活性剤を用いることなく、エマルジョンを生成することができるマイクロ乳化器及び乳化方法が知られている(特許文献1)。
また、複数の流入口から流入した液体を、精密加工で溝を刻んだプレートの組合せにより形成された三次元的な流路で、分割・混合を繰り返して混合液とするマイクロミキサが知られている(非特許文献1)。
また、インスティトゥートフュアミクロテヒニクマインツGmbH(Institut fuer Mikrotechnik Mainz GmbH)のマイクロミキサが知られている(特許文献2)。このマイクロミキサは、二つの流路群が混合する混合部では流路がそれぞれ互い違いに配置されており、上部にスリットを設けそこから流体が出てくることで、2液を混合するものである。
また、各々独立した複数の流路を持つ流路群を備え、混合部では流路群が千鳥格子状に配置する構造が提案されている。
しかしながら、流れを多数に分割するために、精密加工技術を用いて複雑なマルチ流路を形成する必要があり、製造コストが増加するという問題があった。
また、マルチ流路を用いた場合であっても、平面的に形成された微小流路では、流体は依然として層流であり、撹拌・混合は拡散で支配されるため、混合効率に関して改良の余地があった。そのために、マルチ流路が形成されたプレートを積層することにより、三次元的な流路を形成した場合、装置構成が複雑となり、積層されたプレートの接合界面で液漏れし、耐圧も高くすることができないという問題があった。
更に、生成された固形物が積層されたプレートの接合界面の流路の交差部分などに徐々に堆積して流路を部分的に閉塞し、このため、液体の混合効率が大きく低下する虞もあった。
また、特許文献2に記載されているマイクロミキサでは、2液境界面が2面であり、混合性能を極限まで高めることができない。
特開2004−81924号公報 特表2003−500202号公報
Savemation Review 2005年8月号 60−63頁
本発明は、前述した事実に鑑みてなされたものであって、極めて効率的に流体を混ぜることができ、処理能力が高く、高耐圧を有する流体制御デバイス、及び流体混合器を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の流体制御デバイスは、単一の混合空間と、トレンチ構造をなす複数の誘導空間と、複数の流入空間と、を内在した基体からなる流体制御デバイスであって、前記混合空間から見て、前記誘導空間の一方の開口部は、略長方形状をなす前記トレンチ構造のそれぞれに接続して配される複数の微細孔の開口部からなり、隣接する位置関係にある該誘導空間の一方のトレンチ構造の長辺同士が、離間して所定の間隔で並列に配され、隣接する位置にある、一方のトレンチ構造における微細孔の開口部に対応する、他方のトレンチ構造における微細孔の開口部が各々、異なる前記流入空間へ連通している、ことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の流体制御デバイスは、請求項1に記載の流体制御デバイスにおいて、前記一方のトレンチ構造における微細孔の開口部と、他方のトレンチ構造における微細孔の開口部は、前記混合空間に対する面内において二次元的に配置されている、ことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の流体制御デバイスは、請求項2に記載の流体制御デバイスにおいて、前記混合空間に対する面内における前記微細孔の開口部の配置は、異なる前記流入空間に通じる開口部同士が、最も隣接した位置を成している、ことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の流体制御デバイスは、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の流体制御デバイスにおいて、前記トレンチ構造は、該トレンチ構造の長辺方向に沿って配された隔壁によって、2つ以上に分割されている、ことを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の流体混合器は、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の流体制御デバイスと、該流体制御デバイスを内在するとともに、該流体制御デバイスの領域Cに面する単一の流出空間、及び、該流体制御デバイスの領域Bと領域Cに個別に面する流入空間を少なくとも備えた筐体と、から構成されている、ことを特徴とする。
本発明によれば、極めて効率的な混合を可能にすると共に、処理能力が高く、高耐圧を有する流体制御デバイス、及び流体混合器を提供することができる。
第1実施形態(タイプ1)に係る流体制御デバイスの一例を示す模式図。 第1実施形態の変形例1Aに係る流体制御デバイスを示す模式図。 第1実施形態の変形例1Bに係る流体制御デバイスを示す模式図。 第1実施形態の流体制御デバイスを備えた流体混合器の一例を示す断面模式図。 流体制御デバイスにおける流出空間に対する流路の開口部配置を示す平面図。 流体制御デバイスにおける微細孔の形状を示す断面模式図。 温度制御手段を備えた流体制御デバイスを模式的に示した斜視図。 第1実施形態の流体制御デバイスを備えた流体混合器の他の一例を示す断面模式図。 第2実施形態(タイプ2)に係る流体制御デバイスの一例を示す模式図。 第2実施形態の変形例2Aに係る流体制御デバイスを示す模式図。 第2実施形態の変形例2Bに係る流体制御デバイスを示す模式図。 第2実施形態の流体制御デバイスを備えた流体混合器の一例を示す断面模式図。 着脱可能な流体制御デバイスを備えた流体混合器の構成を説明するための模式図。 流体制御デバイスを搭載したμTASチップの一構成例を示す模式図。 比較例に係る流体制御デバイスの一構成例を示す模式図。
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
(1)流体制御デバイスの構成(タイプ1)
(1−1)第1実施形態(No.E1)
図1は、本実施形態に係る流体制御デバイス1a(1)の一構成例を示す模式図であり、(a)は、流体制御デバイス1を模式的に示した斜視図、(b)は、矢視X1−X1の断面模式図、(c)は、矢視Y1−Y1の断面模式図、(d)は、矢視Z1の平面図である。
以下、本発明に係る第1実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の流体制御デバイス1a(1)は、単一の混合空間と、トレンチ構造をなす複数の誘導空間と、複数の流入空間と、を内在した基体からなる。
本発明の流体制御デバイスは、前記混合空間から見て、前記誘導空間の一方の開口部は、長方形状をなす前記トレンチ構造のそれぞれに接続して配される複数の微細孔の開口部からなり、隣接する位置関係にある該誘導空間の一方のトレンチ構造の長辺同士が、離間して所定の間隔で並列に配され、隣接する位置にある、一方のトレンチ構造における微細孔の開口部に対応する、他方のトレンチ構造における微細孔の開口部が各々、異なる前記流入空間へ連通している。
図1に示すように、流体制御デバイス1a(1)は、単一の混合空間と、トレンチ構造をなす複数の誘導空間と、複数の流入空間と、を内在した基体からなる。特に、図1に示した「第1実施形態」は、平板状をなす基体において、2つの流入空間Sb、Scが基体の対向する2つの側面側(B、C)に、流出空間Saが基体の上面側(A)に、それぞれ配置された場合を示している。
単一の基体2内に、複数のトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・が形成されている。混合空間から見て、前記トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・は、略長方形状をなす。ここで、略長方形状とは、図1(c)の部分拡大図に示すように、前記トレンチ構造3の先端部3p(すなわち、流入空間から最も遠い、奥まった部位)が、前記混合空間から見て、直線状である他に、丸みを帯びた形状(たとえば円弧状)を成している構成も含むことを意味する。前記トレンチ構造4の先端部4pも同様である。
また、基体2内において、隣接する位置関係にある誘導空間の、一方のトレンチ構造の長辺同士が、離間して所定の間隔で並列に配されている。
複数のトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・のそれぞれに接続して配される、複数の微細孔5、5、・・・、6、6、・・・が形成されている。混合空間から見て、前記誘導空間の一方の開口部は、複数の微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・からなる。
流入空間から見て、前記誘導空間の他方の開口部は、複数のトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・の開口部3a、3a、・・・、4a、4a、・・・からなる。
一方のトレンチ構造3、3、・・・における微細孔5、5、・・・の開口部5b、5b、・・・に対応する、他方のトレンチ構造4、4、・・・における微細孔6、6、・・・の開口部6b、6b、・・・が各々、異なる前記流入空間へ連通している。
これら複数の誘導空間のうち特定の一群を構成する誘導空間群αは、基体2の表面(外面)における領域Aと領域Bに各々開口部3a、3a、・・・、5b、5b、・・・を有する。
誘導空間のうち他の特定の一群を構成する誘導空間群βは、基体2の表面(外面)における領域Aと領域Cに各々開口部4a、4a、・・・、6b、6b、・・・を有している。
また、基体2内において、それぞれの誘導空間群α、β(1)に属する微細孔5、5、・・・、6、6、・・・は、他の微細孔と離間して配されている。
図1(b)、(c)の断面模式図に示すように、単一の基体2内に設けられたトレンチ構造3、3、・・・及び微細孔5、5、・・・、は、基体2の表面(外面)における領域Aと領域Bとを連通した3次元的な誘導空間群αとして形成されている。同様に、トレンチ構造4、4、・・・及び微細孔6、6、・・・、は、基体2の表面(外面)における領域Aと領域Cとを連通した三次元的な誘導空間群β(1)として形成されている。
領域Aに面した誘導空間群α及び誘導空間群β(1)のそれぞれの微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・は、図1(d)に示すように、領域Aに対する面内において、二次元的に配列されている。また、開口部同士が、互い違いに、最も隣接した位置をなして形成されている。
流体制御デバイス1では、異なる材料(流体)が、それぞれ異なる空間、例えば流入空間cから流入し、誘導空間であるトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・を通り、共通する空間、例えば混合空間から流出する。
トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・に接続して配される複数の微細孔5、5、・・・、6、6、・・・を形成することで、誘導空間をトレンチ構造のみとした場合よりも流速分布を均一にすることができる上に、誘導空間内の圧力損失を最小限に抑え、2液境界面を4面とすることができる。このため、流体の混合速度を速めることができる。なお、前記特許文献2に記載されているマイクロミキサでは、2液境界面は2面である。
(1−2)変形例1A(No.E2)
図2は、本実施形態(第1実施形態)に係る流体制御デバイス1の一変形例(以下、変形例1Aとも呼ぶ)を示す模式図であり、矢視Z2の平面図である。
図1に示したトレンチ構造及び微細孔の三次元的なレイアウトを適宜変更することによって、誘導空間群αおよび誘導空間群β(1)の微細孔の、領域Aに対する開口部を、図2に示した流体制御デバイス1b(1)のように、千鳥格子状に配置することもできる(図2)。
トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・に接続して配される複数の微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・を千鳥格子状に配することで、流速分布を均一にすることができる上に、2液境界面を4面とすることができる。このため、流体の混合速度を速めることができる。
トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・の幅及び辺の長さは、領域Aにおいては、例えば、マイクロ・メーター乃至ナノ・メーターのオーダーとすることが好適である。また、トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・の開口部間の距離は、例えば、マイクロ・メーター乃至ナノ・メーターのオーダーとすること好適である。複数種類の流体を、トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・を通じて領域Aの外側へ噴出させ、それぞれの流体を混ぜる場合に、その処理能力が高くなるからである。
微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の長径は、領域Aにおいては、例えば、マイクロ・メーター乃至ナノ・メーターのオーダーとすることが好適である。また、微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部間の距離は、例えば、マイクロ・メーター乃至ナノ・メーターのオーダーとすること好適である。複数種類の流体を、微細孔5、5、・・・、6、6、・・・を通じて領域Aの外側へ噴出させ、それぞれの流体を混ぜる場合に、その処理能力が高くなるからである。
なお、本発明(たとえば、本実施形態に係る流体制御デバイス1b(1)の説明)において、「混ぜる」とは、複数の流体を混合させ、反応させ、あるいは、乳化(エマルジョン)することをいう(以下、μTASの説明においても、同様の意味で使用する)。
誘導空間群α及び誘導空間群β(1)を構成するトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・および微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の数としては、特に限定されるものではなく、制御される流体の種類、処理能力に応じて、適宜選択することができる。また、領域Bと領域Cは、同一の基板面の異なる領域に設定されていても良い。さらに、領域A、領域B、領域C(・・・)が全て同一の面に存在していても良い。
(1−3)変形例1B(No.E3)
図3は、本実施形態(第1実施形態)に係る流体制御デバイス1の一変形例(以下、変形例1Bとも呼ぶ)を示す模式図であり、(a)は、流体制御デバイス1c(1)を模式的に示した斜視図、(b)は、矢視X3−X3の断面模式図、(c)は、矢視Y3−Y3の断面模式図、(d)は、矢視Z3の平面図である。図3に示した「変形例2」も、図1と同様に、平板状を成す基体において、2つの流入空間Sb、Scが基体の対向する2つの側面側(B、C側)に、流出空間Saが基体の上面側(A側)に、それぞれ配置された場合を表している。
流体制御デバイス1c(1)において、前記トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・は、該トレンチ構造の長辺方向に沿って配された隔壁31,31・・・、41,41・・・によって、2つ以上に分割されている(図3の場合は、トレンチ構造3が各々3つ(3a)に、トレンチ構造4も各々3つ(4a)に分割された構成例を表している)。これにより誘導空間内の圧力損失のばらつきを最小限に抑え、より均一な混合が可能となる。
なお、図3の構成例においても、混合空間から見て、前記トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・は、略長方形状をなす。ここで、略長方形状とは、図3(c)の部分拡大図に示すように、前記トレンチ構造3の先端部3p(すなわち、流入空間から最も遠い、奥まった部位)が、前記混合空間から見て、直線状である他に、丸みを帯びた形状(たとえば円弧状)を成している構成も含むことを意味する。前記トレンチ構造4の先端部4pも同様である。
上述した実施形態に係る流体制御デバイス1(1a、1b、1c)は、筐体20内に配されることにより、流体混合器10を構成することもできる。
(2)流体混合器の構成(タイプ1)
図4は、流体混合器10A(10)の一構成例を示す断面模式図であり、上記(1−1)に開示した流体制御デバイスを搭載した場合である。
図4(a)に示すように、流体混合器10A(10)は、流体制御デバイス1と、該流体制御デバイス1を内在し、該流体制御デバイス1の領域Aに面する単一の流出空間Saと、該流体制御デバイス1の領域Bと領域Cに個別に面する単一の流入空間Sb、Scを備えた筐体20から構成されている。筐体20としては、例えば、ステンレス等の金属類を用いることができる。図4(a)に示す流体混合器10A(10)では、流体制御デバイス1(の外面)と筐体20(の内面)が互いに直接的に接触するように構成されている。
筐体20A(20)は、流体制御デバイス1を構成する基体2の領域Aの表面(外面)に対向して流出空間Saを形成する上部筐体20Aaと、基体2の領域B、Cの表面(外面)に対向して流入空間Sb、Scを形成する下部筐体20Abと、からなる。また、流体制御デバイス1の領域A、B、Cのそれぞれの表面(外面)と、上部筐体20Aa及び下部筐体20Abとは、必要に応じてシール部材(図示略)を介して接合され、流出空間Saと流入空間Sb、Scとは独立した空間として形成されている。シール部材としては、Oリング等の弾性シール部材を用いることができる。
流体混合器10A(10)では、異なる材料(流体)が、それぞれ異なる空間、例えば流入空間Sb、Scから流入し、誘導空間であるトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・を通り、共通する空間、例えば流出空間Saから流出する。
図4に示すように、流体混合器10A(10)は、流体制御デバイス1を、上下に分割した筐体20Aa、20Abで挟持して接合することによって、流体制御デバイス1を着脱可能としている。従って、混ぜられる流体の種類、性質に応じて、流体制御デバイスを適宜選択したり、あるいは、定期的にメンテナンス(修理、交換)することができる。
(3)流体制御デバイスの他の応用例
(a)このような流体制御デバイス1(1a、1b、1c)において、複数の誘導空間の圧力損失のばらつきが、±10%以内であることが好ましい。
複数の誘導空間に、等速で流体を流せるとして、各誘導空間の圧力損失のばらつきを、±10%以内に収めるように、各トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・を設計することが好ましい。圧力損失のばら付きが±10%よりも大きくなると、処理速度によっては、流体の混合性に大きなばらつきが生じる可能性がある。
(b)流体制御デバイス1(1a、1b、1c)において、複数の誘導空間が、略同じ長さを有することが好ましい。
誘導空間として機能する複数のトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の長さを統一することにより、流出空間Saに対する面内における各微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・における、流体の流速を均一化することができる。それぞれの誘導空間の流出口となる、微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・における流体の流速を揃えることで、均一に流体が流出し、流体をより均一に混合することができる。各微細孔の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・における流速誤差は、平均値より±100%以内であることが好ましく、±50%以内であることがより好ましい。
各トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の幅、短辺の長さ或いは径が同じであるとみなせるとき、各トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・の長辺の長さ及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の長さが等しくなるように設計すればよい。これにより、各微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・における、流体の流速を均一化することができる。一方、各トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の幅、短辺の長さ或いは径が異なる場合、幅、短辺の長さ或いは径に応じて、長さを適宜変えることにより、開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・における流体の流速を、より均一にすることができる。トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の長さを変える場合には、流出口となる他方の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・のピッチを調整する、あるいは流入口となる一方の開口部3a、3a、・・・、4a、4a、・・・の位置を調整することで、トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の長さを変えることができる。
(c)流体制御デバイス1(1a、1b、1c)において、流出空間Saに対する面内における微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・の配置を、流出空間Saに対する面内において、ピッチがランダムになるようにしてもよい。
誘導空間の流出口となる、微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・のピッチを乱し、ランダムな配置とする。これにより、流体の拡散長が場所によって異なることとなり、均一ではない(ランダムな)混合を実現できる。その結果、ランダムな生成物を得ることができる。例えば、この流体制御デバイス1、1a、1bをナノ粒子製造に用いる場合、粒径の揃った単分散の粒子ではなく、流径が一定のばらつきを持った、多分散の粒子を一度に安定して加工することができる。
(d)流体制御デバイス1(1a、1b、1c)において、流出空間Saに対する面内における微細孔5、5、・・・、6、6、・・・開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・の配置を、該面内における特定の領域におけるピッチと、他の特定の領域におけるピッチとが、異なるようにしてもよい。
例えば図5に示すように、誘導空間の流出口となる、微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・のピッチを、面内の第一の領域Mと、第二の領域Nとで、異なるものとする。これにより、流体の拡散長が面内の領域によって異なることとなる。例えば第一の領域Mにおける微細孔のピッチを小さく(狭く)し、第二の領域Nにおける微細孔のピッチを大きく(広く)した場合、流体の混合速度が、第一の領域Mでは早くなり、第二の領域Nでは遅くなる。これにより、例えば、この流体制御デバイスをナノ粒子製造に用いる場合、粒径の揃った単分散の粒子ではなく、粒径2水準を有する粒子の同時成形等、異なる2種の生成物或いはばらつきを持った生成物を得ることができる。
(e)流体制御デバイス1(1a、1b、1c)において、流出空間Saに対する面内における微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・近傍において、微細孔の径が絞られた構造としてもよい。
図6に示すように、誘導空間の流出口となる、微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・近傍において、微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の径を絞り、テーパー状とする。これにより、流出口近傍での流体の流速が上がり、渦流が発生しやすくなる。これにより流体の混合性が向上する。また、流出口近傍の微細孔径のみが細いので、圧力損失の上昇を最小限に抑えることが可能となる。なお、図6では、微細孔の形状を説明するために、1つの孔のみを示している。
テーパー角には好適な角度として、微細孔3、4の流出口径をd1 とし、内部径をd2 としたとき、テーパー距離Lに対する、誘導空間幅の縮小分ΔD(d1 −d2 )の比率(ΔD/L)が、0.05〜2の範囲が好ましく、0.1〜1の範囲がより好ましい。(ΔD/L)が0.05よりも小さい場合、十分な微細孔径差を生み出すことが難しくなる。一方、(ΔD/L)が2よりも大きい場合、流体の種類によっては、誘導空間内で滞留が起き、誘導空間内に堆積物ができやすくなる。例えば、微細孔の流出口径d1 が23μm、内部径d2 が25μmである場合、流出口近傍では18%程度の流速の増大が期待できる。そのため、誘導空間径の差ΔDは、1μm以下であれば十分な効果が得られる。
(f)流体制御デバイス1(1a、1b、1c)において、流出空間Saに対する面内における微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・近傍において、微細孔の径が広げられた構造としてもよい。
誘導空間の流出口となる、微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・近傍において、微細孔5、6の径を広げた構造としてもよい。このような構造とすることで、隣りあう微細孔5、5、・・・、6、6、・・・から流出する2種類の流体間に生じる流れの剥離を抑制することができる。これにより乱流及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・から流出した流体の抵抗を抑えることができるため、より大きな圧力で流体を押し出すことが可能となる。その結果、混合物の処理量を増加することができる。
(g)流体制御デバイス1(1a、1b、1c)において、誘導空間の側壁に、コーティング層が設けられていてもよい。
トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の側壁に、コーティング層を設けることで、流体制御デバイスの耐薬品性を向上することができる。しかし、耐薬品性を持たせるには、コーティング層の厚膜化が必要となるため、基体2側に厚膜コーティング層を設けることは困難であるが、筺体側に設けることができる。
なお、誘導空間に粘着性の高い流体を流すと、側壁に付着物が堆積し、孔が詰まる懸念がある。フッ素樹脂コーティング層は薄膜で塗布形成することができるため、微細孔内にも形成可能である。そのため、基体2側へのフッ素樹脂コーティング層を設けることで、トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の詰まりを抑制することができる。
(h)流体制御デバイス1(1a、1b、1c)において、基体2の内部に、温度調整手段が設けられていてもよい。
領域Aの下流側に別途マイクロ誘導空間を設け、誘導空間内を流れる物質の温度をコントロールできるように温度調整手段を設けてもよい。温度調整手段としては特に限定されるものではないが、基体2上に、ヒーター、あるいはヒーター及び温度センサ部となる配線構造を形成することができる。この際、溶液に対して絶縁を保つため、基体2上に絶縁層を設けても構わない。ヒーターあるいは温度センサの配線としては、例えば、ニクロム、ITOなどが上げられる。また、昇温のためにマイクロ波を使用しても構わない。
例えば図7に示すように、基体2上に温度制御手段として導管あるいはPWW(ポストウォールウェーブガイド)90などを設けるとともに、基体2の内部に流路25を設けることにより、加熱することが可能となる。また、基体2上に温度制御手段として流路を設け、この流路内に、適切な温度を有する流体(液体やガス)を流すことにより、昇温、冷却を行ってもよい。
(i)流体制御デバイス1(1a、1b、1c)において、基体2の外側に、温度調整手段が設けられていてもよい。
基体2の外側(例えば筺体20部分)に、温度調整機構を設けてもよい。温度調整手段としては、特に限定されず、例えば、温度センサとなる熱電対、ヒーターとなるマイクロヒータを用いることができる。これらの温度調整機構の挿入口を、基体2の外側に設ければよい。或いは、基体2内部に流路を設け、この流路内に、適切な温度を有する流体(液体やガス)を流すことにより、昇温、冷却を行ってもよい。
(j)流体制御デバイス1(1a、1b、1c)において、基体2は、一方が流出空間Saに連通し、他方が表面に連通する流出口流路21を有し、該流出口流路21は、一方側が広く、他方側が狭くなるように径が絞られた構造としてもよい。
図8に示すように、筐体20に設けられた、一方が流出空間Saに連通し、他方が表面に連通する流出口流路21において、流出口流路21の他方側を絞りのある構造としてもよい。領域Aでは微細孔5、5、・・・、6、6、・・・が2次元的な配列をとるため、領域Aにおいて基体2の開口面積は、誘導空間群のある領域の面積よりも大きな面積とする必要がある。一方で、微細孔5、5、・・・、6、6、・・・を出た2種類の流体の混合を速めるには、流出口流路の径を小さくし、流体間の拡散距離を小さくすることが好ましい。そのため、領域Aにおける流出口誘導空間を絞りを有する構造とすることが好ましい。
(4)流体制御デバイスの製造方法
次に、上述した流体制御デバイス1の製造方法を説明する。なお、流体制御デバイス1の変形例に係るそれぞれの流体制御デバイスの製造方法についても、流体制御デバイス1と同様である。
本実施形態の流体制御デバイス1の製造工程は、基体2の内部にパルス時間幅がピコ秒オーダー以下のパルス幅を有するレーザ光を集光照射して複数の改質部を形成する工程と、基体2の内部に形成された改質部をエッチングにより除去して、誘導空間(トレンチ構造及び微細孔)を形成する工程と、からなる。
(4−1)改質部形成工程
まず、基体2の誘導空間となる領域にレーザ光照射を行う。レーザ光の光源としては、例えば、フェムト秒レーザ光を用いることができる。フェムト秒レーザとは、パルスの時間幅がフェムト秒(fs)オーダーのレーザである。数フェムト秒から数百フェムト秒という超短パルスであるが故に高いピーク強度を有しており、焦点付近で非線形光学現象である多光子吸収を誘起するため、焦点近傍で加工対象物である基体2の物性を変化させ、微細な改質部を形成することができる。その際、被加工材料である基体2としては、たとえばガラス材料などの透明材料が好適に用いられる。
レーザ光は、例えば、基体2の一方の主面側から照射され、形成される誘導空間が基体2内の少なくとも2層以上に並べて配置されるように集光部Sを走査する。また、誘導空間となる改質部は、レーザ光源から遠い方から順に形成されるように、集光部Sを走査する。その結果、基体2内部に、誘導空間となる改質部を三次元的に形成することができる。
また、混合させる流体に応じて、照射するレーザ光の出力を適宜調整することにより、所望の誘導空間径が形成される改質部とすることができる。
照射強度は、基体2を構成する材料の加工閾値近傍または加工閾値以上、且つアブレーション閾値以上であることが好ましい。よりエッチング選択性の高い改質部を形成するためである。
ここで、加工閾値は、改質部を形成させるためのレーザーパルスパワーの下限値と定義される。また、アブレーション閾値とは、アブレーションを発生させるためのレーザーパルスパワーの下限値であり、加工閾値とは異なる。一般的に加工閾値はアブレーション閾値よりも小さな値をとる。
なお、改質部を形成する際、レーザ光を照射する方向としては、基体の一方または他方の主面からのみ照射しても、基板の両主面から照射しても良い。
(4−2)誘導空間形成工程
改質部形成工程を経て、誘導空間となる領域が改質された基体2を、エッチング液(薬液)に浸漬して、改質部をウェットエッチングし、改質部を基板から除去する。改質部が除去された基体2内部には、トレンチ構造及び微細孔からなる、一群の誘導空間が三次元的に形成される。
本実施形態に係る流体制御デバイス1においては、基体2として石英ガラスを用い、エッチング液としてフッ酸(HF)を主成分とする溶液を用いた。かかるエッチング処理は、レーザ光の未照射領域に比べて改質部が数十倍のエッチング速度でエッチングされる現象を利用するものである。従って、エッチング時間を制御することにより、レーザ光を照射した誘導空間を形成すべき領域のみを選択的にエッチングして除去することができ、このエッチングの選択性を利用して基体2内に固定構造として一群の誘導空間を三次元的に形成することができる。
エッチング液は特に限定されず、例えば、フッ酸(HF)を主成分とする溶液の他、フッ酸に硝酸等を適量添加したフッ硝酸系の混酸やKOH等のアルカリも用いることができる。また、基体2の材料に応じて、他の薬液を用いることもできる。
(5)作用・効果
本実施形態(タイプ1)に係る流体制御デバイス1(1a、1b、1c)は、単一の基体2内に、それぞれが独立したトレンチ構造をなす、複数の誘導空間が形成されている。複数の誘導空間は特定の一群を構成する誘導空間群αと、他の特定の一群を構成する誘導空間群β(n)として、基体2の表面(外面)において、流体が流入する領域B、Cと、流体が流出する領域Aに各々開口部を有し、領域Aと、領域B及び領域Cとを連通した3次元的な誘導空間群として形成されている。特に、本実施形態では、誘導空間を、トレンチ構造に接続して配される複数の微細孔を形成している。
領域Aに面した誘導空間群α及び誘導空間群β(n)のそれぞれの開口部は、領域Aに対する面内において、二次元的に配列されている。また、それぞれの誘導空間群α及び誘導空間群β(n)を構成する微細孔の開口部は、領域Aに通じる開口部同士が、互い違いに、最も隣接した位置をなして形成されている。
従って、本実施形態(タイプ1)に係る流体制御デバイス1(1a、1b、1c)においては、領域B、Cから流入した複数の種類の流体が、領域Aから流出するまでに、混ざることがなく、独立して流体の流れを制御することができる。そのために、複数の流体が誘導空間内で混ざることにより生成される固形物などが、誘導空間内に徐々に堆積して誘導空間を部分的に閉塞するという虞がない。
また、基体2内において、複数の誘導空間群が三次元的に積層して形成されているために、二次元的な誘導空間に比べて飛躍的に多数の誘導空間を設けることができ、処理能力及び生産性を高めることができる。
更に、基体2内の誘導空間群は、一体で連続体であるために接合界面で液漏れすることがなく、耐圧性能を高くすることができる。
特に、本実施形態では、誘導空間を、トレンチ構造に接続して配される複数の微細孔を形成することで、誘導空間をトレンチ構造のみとした場合よりも流速分布を均一にすることができる上に、誘導空間内の圧力損失を最小限に抑え、2液境界面を4面とすることができる。このため、流体の混合速度を速めることができる。
(6)流体制御デバイスの構成(タイプ2)
(6−1)第2実施形態(No.E4)
図9は、本実施形態に係る流体制御デバイス1d(1)の一構成例を示す模式図であり、(a)は、流体制御デバイス1d(1)を模式的に示した斜視図、(b)は、矢視X9−X9の断面模式図、(c)は、矢視Y9−Y9の断面模式図、(d)は、矢視Z9aの部分平面図、(e)は、矢視Z9bの部分平面図、である。
以下、本発明に係る第2実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本発明の流体制御デバイス1d(1)は、単一の混合空間と、トレンチ構造をなす複数の誘導空間と、複数の流入空間と、を内在した基体からなる。
本実施形態に係る流体制御デバイス1d(1)は、第1実施形態の流体制御デバイス1a(1)と同様に、前記混合空間から見て、前記誘導空間の一方の開口部は、略長方形状をなす前記トレンチ構造のそれぞれに接続して配される複数の微細孔の開口部からなり、隣接する位置関係にある該誘導空間の一方のトレンチ構造の長辺同士が、離間して所定の間隔で並列に配され、隣接する位置にある、一方のトレンチ構造における微細孔の開口部に対応する、他方のトレンチ構造における微細孔の開口部が各々、異なる前記流入空間へ連通している。
しかし、本発明の流体制御デバイス1d(1)は、平板状をなす基体において、2つの流入空間Sb、Scが基体の下面側の異なる領域(B、C)に、流出空間Saが基体の上面側(A)に、それぞれ配置されている点が、第1実施形態の流体制御デバイス1a(1)と異なっている。
図9に示すように、流体制御デバイス1d(1)においては、単一の基体2内に、複数のトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・が形成されている。混合空間から見て、前記トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・は、略長方形状をなす。
ここで、略長方形状とは、図1(c)と同様に、前記トレンチ構造3の先端部3p(すなわち、流入空間から最も遠い、奥まった部位)が、前記混合空間から見て、直線状である他に、丸みを帯びた形状(たとえば円弧状)を成している構成も含むことを意味する。前記トレンチ構造4の先端部4pも同様である。
また、基体2内において、隣接する位置関係にある誘導空間の、一方のトレンチ構造の長辺同士が、離間して所定の間隔で並列に配されている。
複数のトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・のそれぞれに接続して配される、複数の微細孔5、5、・・・、6、6、・・・が形成されている。混合空間から見て、前記誘導空間の一方の開口部は、複数の微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・からなる。
流入空間から見て、前記誘導空間の他方の開口部は、複数のトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・の開口部3a、3a、・・・、4a、4a、・・・からなる。
一方のトレンチ構造3、3、・・・における微細孔5、5、・・・の開口部5b、5b、・・・に対応する、他方のトレンチ構造4、4、・・・における微細孔6、6、・・・の開口部6b、6b、・・・が各々、基体の下面側の異なる領域(B、C)において、異なる前記流入空間へ連通している。
これら複数の誘導空間のうち特定の一群を構成する誘導空間群αは、基体2の表面(外面)における領域Aと領域Bに各々開口部3a、3a、・・・、5b、5b、・・・を有する。
誘導空間のうち他の特定の一群を構成する誘導空間群βは、基体2の表面(外面)における領域Aと領域Cに各々開口部4a、4a、・・・、6b、6b、・・・を有している。
また、基体2内において、それぞれの誘導空間群α、β(1)に属する微細孔5、5、・・・、6、6、・・・は、他の微細孔と離間して配されている。
図9(b)、(c)の断面模式図に示すように、単一の基体2内に設けられたトレンチ構造3、3、・・・及び微細孔5、5、・・・、は、基体2の表面(外面)における領域Aと領域Bとを連通した3次元的な誘導空間群αとして形成されている。同様に、トレンチ構造4、4、・・・及び微細孔6、6、・・・、は、基体2の表面(外面)における領域Aと領域Cとを連通した三次元的な誘導空間群β(1)として形成されている。
領域Aに面した誘導空間群α及び誘導空間群β(1)のそれぞれの微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・は、図9(d)に示すように、領域Aに対する面内において、二次元的に配列されている。また、開口部同士が、互い違いに、最も隣接した位置をなして形成されている。
これに対して、基体の下面側の異なる領域(B、C)においては、一方のトレンチ構造3、3、・・・の開口部3a、3a、・・・は、図9(d)に示すように、トレンチ構造を反映した略長方形の形状をなし、互いに離間して並列に配置されている。トレンチ構造4、4、・・・の開口部4a、4a、・・・も、同様の形状および配置とされている。
流体制御デバイス1d(1)においては、異なる材料(流体)が、それぞれ異なる空間、例えば流入空間cから流入し、誘導空間であるトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・及び微細孔5、5、・・・、6、6、・・・を通り、共通する空間、例えば混合空間から流出する。
基体の下面側の異なる領域(B、C)において、トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・、の開口部3a、3a、・・・、4a、4a、・・・を、図9(d)に示すように、トレンチ構造を反映した略長方形の形状にするとともに、誘導空間の大部分をトレンチ構造としたことにより、誘導空間を微細孔とした場合に比べて、誘導空間は多量の流体を取り込み、かつ、多量の流体を流すことができる。
そして、混合空間に放出する手前の部分には、トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・に接続して配される複数の微細孔5、5、・・・、6、6、・・・を形成することで、誘導空間をトレンチ構造のみとした場合よりも流速分布を均一にすることができる上に、誘導空間内の圧力損失を最小限に抑え、2液境界面を4面とすることができる。このため、流体の混合速度を速めることができる。なお、前記特許文献2に記載されているマイクロミキサでは、2液境界面は2面である。
つまり、第2実施形態(タイプ2)の流体制御デバイス1d(1)は、平板状をなす基体において、2つの流入空間Sb、Scが基体の下面側の異なる領域(B、C)に、流出空間Saが基体の上面側(A)に、それぞれ配置されている点が、第1実施形態の流体制御デバイス1a(1)と異なっている。
ただし、第2実施形態(タイプ2)の流体制御デバイス1d(1)は、以下に示すように、他の点(6a)〜(6c)においては、上述した第1実施形態(タイプ1)と同様である。
(6a)前記混合空間から見て、前記誘導空間の一方の開口部は、長方形状をなす前記トレンチ構造のそれぞれに接続して配される複数の微細孔の開口部からなり、隣接する位置関係にある該誘導空間の一方のトレンチ構造の長辺同士が、離間して所定の間隔で並列に配され、隣接する位置にある、一方のトレンチ構造における微細孔の開口部に対応する、他方のトレンチ構造における微細孔の開口部が各々、異なる前記流入空間へ連通している。
(6b)単一の基体2内に、複数のトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・が形成されている。混合空間から見て、前記トレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・は、略長方形状をなす。ここで、略長方形状とは、図には明示しないが、前記トレンチ構造3の先端部3p(すなわち、流入空間から最も遠い、奥まった部位)が、前記混合空間から見て、直線状である他に、丸みを帯びた形状(たとえば円弧状)を成している構成も含むことを意味する。前記トレンチ構造4の先端部4pも同様である。
(6c)基体2内において、隣接する位置関係にある誘導空間の、一方のトレンチ構造の長辺同士が、離間して所定の間隔で並列に配されている。
第2実施形態(タイプ2)の流体制御デバイスにおいても、複数のトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・のそれぞれに接続して配される、複数の微細孔5、5、・・・、6、6、・・・が形成されている。混合空間から見て、前記誘導空間の一方の開口部は、複数の微細孔5、5、・・・、6、6、・・・の開口部5b、5b、・・・、6b、6b、・・・からなる。
流入空間から見て、前記誘導空間の他方の開口部は、複数のトレンチ構造3、3、・・・、4、4、・・・の開口部3a、3a、・・・、4a、4a、・・・からなる。
一方のトレンチ構造3、3、・・・における微細孔5、5、・・・の開口部5b、5b、・・・に対応する、他方のトレンチ構造4、4、・・・における微細孔6、6、・・・の開口部6b、6b、・・・が各々、異なる前記流入空間へ連通している。
特に、図9に示した第2実施形態(タイプ2)の流体制御デバイスでは、基体2の下面側における領域Bと領域Cにおいて各々、異なる流入空間へ連通している微細孔の開口部が、個々のトレンチ構造ごとに1つ(単一)の略長方形をなすように構成されている[図9(e)]。ゆえに、図9に示した第2実施形態(タイプ2)の流体制御デバイスは、複数の微細孔の開口部によって流入空間へ連通する構成[図15]に比べて、大きな流入量に対応できるとともに、圧力損失の低減も図ることが可能となる。
図9に示した流体制御デバイス1は、「平板状を成す基体において、2つの流入空間Sb、Scが基体の下面側の異なる位置に配置され、それぞれ領域Bと領域Cに対応しており、流出空間Saが基体の上面側に配置され、領域Aに対応している構成例」である。しかしながら、第2実施形態(タイプ2)の流体制御デバイスは、図9の構成例に限定されるものではない。たとえば、領域A〜Cが重なること無く、個別に配置される条件を満たすなら、領域Bと領域Cの何れか一方、または両方を、領域Aと同じ基体の上面側に設けても構わない。
第2実施形態(タイプ2)の流体制御デバイスとした場合は、基体の上下両面側から基体を挟むように筐体を配するだけで、上述した高い耐圧性能を実現できる。
(6−2)変形例2A(No.E5)
図10は、本実施形態(第2実施形態)に係る流体制御デバイスの一変形例(以下、変形例2Aとも呼ぶ)を示す模式図である。図10において(a)は、流体制御デバイス1e(1)を模式的に示した斜視図、(b)は、矢視X10−X10の断面模式図、(c)は、矢視Y10−Y10の断面模式図、(d)は、矢視Z10aの平面図、(e)矢視Z10bの平面図、である。
変形例2Aの流体制御デバイス1e(1)は、上述した第2実施形態の流体制御デバイス1d(1)と同様に、単一の混合空間と、トレンチ構造をなす複数の誘導空間と、複数の流入空間と、を内在した基体からなる。そして、図10の流体制御デバイス1e(1)においても、同じ誘導空間群に属していても、トレンチ構造をなす複数の誘導空間は、ほぼその全長に亘って、他の誘導空間と離間して配されている。
また、変形例2Aの流体制御デバイス1e(1)は、「平板状をなす基体において、2つの流入空間Sb、Scが基体の下面側の異なる領域(B、C)に、流出空間Saが基体の上面側(A)に、それぞれ配置された点」においても、上述した第二実施形態(タイプ2)と同様である。
しかしながら、変形例2Aの流体制御デバイスは、「トレンチ構造をなす複数の誘導空間が各々、2つの流入空間Sb、Scに連通する手前の部位αが、複数の微細孔3a、3a、・・・、4a、4a、・・・に分かれて構成されている点」において、上述した第二実施形態(タイプ2)の流体制御デバイス1d(1)と相違している[図10(e)]。
上述した第二実施形態(タイプ2)と相違する点を備えたことにより、変形例2Aの流体制御デバイス1e(1)においては、2つの流入空間Sb、Scから流体制御デバイスの内部へ進入する流体が、複数の微細孔3a、3a、・・・、4a、4a、・・・を通過してから、初めてトレンチ構造の内部へ導入される。
ゆえに、変形例2Aの流体制御デバイスによれば、上述した第二実施形態(タイプ2)と同様に高い耐圧性能が実現できるとともに、複数の微細孔3a、3a、・・・、4a、4a、・・・に関して、単位面積あたりに設ける微細孔の数や、微細孔の開口径、微細孔の開口形状、微細孔の内壁面形状、微細孔の長さ(奥行き距離)などを適宜調整することにより、複数の微細孔3a、3a、・・・、4a、4a、・・・がフィルターとして機能するので、トレンチ構造の内部へ流体とともに異物が侵入する虞が解消される。
(6−3)変形例2B(No.E6)
図11は、本実施形態(第2実施形態)に係る流体制御デバイス1の他の変形例(以下、変形例2Bとも呼ぶ)を示す模式図である。図11において、(a)は、流体制御デバイス1f(1)を模式的に示した斜視図、(b)は、矢視X11−X11の断面模式図、(c)は、矢視Y11−Y11の断面模式図、(d)は、矢視Z11aの平面図、(e)矢視Z11bの平面図、である。
変形例2Bの流体制御デバイス1f(1)は、上述した第2実施形態の流体制御デバイス1d(1)と同様に、単一の混合空間と、トレンチ構造をなす複数の誘導空間と、複数の流入空間と、を内在した基体からなる。
また、変形例2Bの流体制御デバイス1f(1)は、「平板状をなす基体において、2つの流入空間Sb、Scが基体の下面側の異なる領域(B、C)に、流出空間Saが基体の上面側(A)に、それぞれ配置された点」においても、上述した第二実施形態(タイプ2)と同様である。
しかしながら、変形例2Bの流体制御デバイス1f(1)においては、同じ誘導空間群に属していても、トレンチ構造をなす複数の誘導空間は、「前記混合空間から見て、トレンチ構造3、4のそれぞれに接続して配される複数の微細孔の開口部5b、6bが設けられた部分3c、4c」においては、他の誘導空間と離間して配されているが、トレンチ構造3、4の「その他の部分3a、3b、4a、4b」においては、全部あるいは一部が、同じ誘導空間群に属するもの同士、大きな1つのトレンチ構造をなしている点」において、上述した第二実施形態(タイプ2)と異なっている[図11(e)]。
上述した第二実施形態(タイプ2)と異なっている点を備えたことにより、変形例2Bの流体制御デバイス1f(1)においては、2つの流入空間Sb、Scから流体制御デバイスの内部へ進入する流体が、「その他の部分3a、3b、4a、4b」においては、大きな1つのトレンチ構造の内部を進むことができる。
ゆえに、変形例2Bの流体制御デバイス1f(1)によれば、上述した第二実施形態(タイプ2)の流体制御デバイス1d(1)と同様に高い耐圧性能が実現できるとともに、第二実施形態(タイプ2)の流体制御デバイス1d(1)に比べて圧力損失による影響を低減することが可能となる。「その他の部分3a、3b、4a、4b」に占める「大きな1つのトレンチ構造」の割合を適宜調整することにより、流体の各種条件、たとえば粘度や、流量、流速などに応じた細やかな設計を行うこともできる。たとえば、流体の進行方向において、「大きな1つのトレンチ構造」の断面積や断面形状を変化させることにより、流体内に発生し、流れ易さを阻害する要因となる渦流等を解消、或いは軽減することも可能となる。
(7)流体混合器の構成(タイプ2)
図12は、流体混合器10B(10)の他の一構成例を示す断面模式図であり、上記(6−1)に開示した第2実施形態(タイプ2)の流体制御デバイスを搭載した場合である。
以下、本発明に係る流体混合器10B(10)を、図面を参照しながら説明する。
図12に示すように、流体混合器10B(10)は、流体制御デバイス1と、該流体制御デバイス1を内在し、該流体制御デバイス1の領域Aに面する単一の流出空間Saと、該流体制御デバイス1の領域Bと領域Cに個別に面する単一の流入空間Sb、Scを備えた筐体20B(20)から構成されている。筐体20B(20)としては、ステンレス等の金属類を用いることができる。図12に示す流体混合器10B(10)では、流体制御デバイス1(の外面)と筐体20B(20)(の内面)との間に、後述するシール部材を設けて、互いに間接的に接触するように構成されている。
筐体20B(20)は、流体制御デバイス1を構成する基体2の領域Aの表面(外面)に対向して流出空間Saを形成する上部筐体20aと、基体2の領域B、Cの表面(外面)に対向して流入空間Sb、Scを形成する下部筐体20bと、からなる。また、流体制御デバイス1の領域A、B、Cのそれぞれの表面(外面)と、上部筐体20Ba及び下部筐体20Bbとは、シール部材Rを介して接合され、流出空間Saと流入空間Sb、Scとは独立した空間として形成されている。流体制御デバイス1の表面(外面)と筐体20B(20)との間に、シール部材Rを備えることにより、流体混合器10B(10)と筐体20B(20)との間の密着性が高まるので、流体の圧力や流量、流速に対応する柔軟性の向上が図れる。ここで、シール部材Rとしては、Oリング等の弾性シール部材を用いることができる。
また、図12に示すように、流体混合器10B(10)においては、流体制御デバイス1を、上下に分割した筐体20a、20bで挟持して接合することにより、流体制御デバイス1を着脱可能としている。流体混合器10B(10)と筐体20B(20)との間にシール部材Rする構成により、流体混合器10B(10)は、混ぜられる流体の種類、性質に応じて、流体制御デバイスを適宜選択する機能や、定期的にメンテナンス(修理、交換)する機能において、上述した流体混合器10A(10)より優れており、多機能かつ長期信頼性の向上が図れる。
図13は、着脱可能な流体制御デバイスを備えた流体混合器の構成を説明するための模式図である。図13に示すように、流体混合器10B(10)は、流体制御デバイス1を、上下に分割した筐体(上部筐体20a、下部筐体20b)で挟時して接合することによって、流体制御デバイス1を着脱可能としている。従って、混合される流体の種類、性質に応じて、流体制御デバイスを適宜選択することができる。
(8)比較例:流体制御デバイスおよび流体混合器
図15は、比較例1に係る流体制御デバイス101の構成例を示す模式図であり、図15(a)は流体制御デバイス101を模式的に示した斜視図である。図15(b)は、矢視X101−X101の断面模式図、図15(c)は、矢視Y101−Y101の断面模式図、図15(d)は、矢視Z101の平面図である。
以下、比較例1に係る流体制御デバイス101を、図面を参照しながら説明する。後述するように、比較例1に係る流体制御デバイスは、「基体102内において、それぞれの流路群α、β(1)に属する微細孔103、103、・・・、104、104、・・・が、その全長に亘り、他の微細孔と離間して配されている構成」を備えていることが、本発明に係る流体制御デバイスとの相違点である。
図15(a)〜図15(d)に示すように、流体制御デバイス101は、単一の基体102内に、複数の微細孔103、103、・・・、104、104、・・・が形成されている。これら複数の微細孔103、103、・・・、104、104、・・・のうち特定の一群を構成する流路群αは、基体2の表面(外面)における領域Aと領域Bに各々開口部103a、103a、・・・、103b、103b、・・・を有し、微細孔のうち他の特定の一群を構成する流路群β(1)は、基体2の表面(外面)における領域Aと領域Cに各々開口部104a、104a、・・・、104b、104b、・・・を有している。
また、基体2内において、それぞれの流路群α、β(1)に属する微細孔103、103、・・・、104、104、・・・は、その全長に亘り、他の微細孔と離間して配されている。
特に、図15に示した構成例(比較例1)では、流体制御デバイス1を構成する基体2の領域Aの表面(外面)に対向して流出空間Saが形成され、基体2の領域B、Cの表面(外面)に対向して流入空間Sb、Scが形成されており、領域Aが基体2の上面に、領域B、Cは基体102の異なる側面に配されている。
図15に示した構成例(比較例1)の変形例(比較例2)として、領域Aが基体102の上面に、領域B、Cは基体の下面において異なる箇所に配する構成(不図示)が挙げられる。他の点は、図15に示した構成例(比較例1)と同一である。
図15(b)、図15(c)の断面模式図に示すように、単一の基体102内に設けられた微細孔103、103、・・・は、基体102の表面(外面)における領域Aと領域Bとを連通した3次元的な流路群αとして形成されている。同様に、微細孔104、104、・・・は、基体102の表面(外面)における領域Aと領域Cとを連通した三次元的な流路群β(1)として形成されている。
領域Aに面した流路群α及び流路群β(1)のそれぞれの開口部103b、103b、・・・、104b、104b、・・・は、図1(d)に示すように、領域Aに対する面内において、二次元的に配列されている。また、開口部同士が、互い違いに、最も隣接した位置をなして形成されている。
図1(d)において、符号Sは「スペース」であり、隣接する開口部3bと開口部4bの外周端間の距離を意味する。符号Lは「ピッチ」であり、隣接する開口部3bの中心(黒丸)と開口部4bの中心(黒丸)との距離を意味する。
(9)本発明と比較例の機能比較
上記(1)〜(8)を踏まえ、本発明の課題(混合性、処理能力、耐圧)を中心として、一覧表に纏めたものが、以下に示す表1である。ここで、各項目A〜Tは各々、最も優れた構成例を最高評価「5」として5段階で表示している。
流体制御デバイス(ガラス部)については、次のA〜Dを評価した。
A:混合性とは、流体同士の混ざりやすさを意味する。
B:処理能力とは、単位時間あたりに生産される混合液の量を意味する。流路の圧力損失が小さいほど、処理能力は高まる。
C:耐圧性とは、流体圧力に対する流路の強度を意味する。
D:フィルタ効果とは、異物が流入するのを防ぐ能力の高さを意味する。基体の流入空間側での開口部が小さいほど、フィルタ効果は高まる。
流体混合器(筐体との関係)については、次のE〜Fを評価した。
E:耐圧性とは、流体圧力に対する流路の強度と、基体と筐体部との間のシール強度との総合性能を意味する。
F:処理能力とは、単位時間あたりに生産される混合液の量と、基体と筐体部との間のシール強度との総合性能を意味する。
Figure 2015000375
表1の特記事項Tに相当する内容は、以下のとおりである。特に、比較例1(C1)に対する特長を記す。
T1:ガラス部の処理能力が高い。
T2:ガラス部の処理能力が高いことに加えて、千鳥格子状(流速分布を均一化、2液境界面
を4面化)により、混合速度の向上が図れる。
T3:ガラス部の耐圧性を高めつつ、ガラス部の処理能力を確保できる。
T4:最もバランスが良い。基体の上下両面側から基体を挟むように筐体を配する構成+大き
な流入量に対応できる(処理能力の向上)とともに、圧力損失の低減も図れる。
T5:E4の機能・特性に加え、フィルタ機能を追加できるので、長期安定性に優れる。
T6:T1〜T5と比べても、筐体の処理能力が最も高い。
表1より、以下のことが明らかとなった。
(イ)混合性に関しては、本発明に係る流体制御デバイス(E1〜E6)と比較例(C1〜C2)は違いがなく、何れも優れた特性を有する。
(ロ)基体の処理能力に関しては、本発明に係る流体制御デバイス(E1〜E6)の方が全て、比較例(C1〜C2)に比べて高い。中でも、E1、E2、E6が優れている。
(ハ)耐圧性に関しては、全ての流路が微細孔から構成される比較例が優れている。しかしながら、本発明に係る流体制御デバイスにおいても、トレンチ構造を分割した構成を備える(E3)ことにより同様の耐圧性が確保される。
(ニ)流体混合器(筐体との関係)において、優れた耐圧性を得るためには、流体制御デバイスを挟む位置に各々、流入空間と流出空間を設ける構成(E4〜E6、C2)が有効である。この構成を採用する場合は、流体制御デバイスと筐体との間に、シール部材を設けて、互いに間接的に接触するように構成が可能なので、耐圧性がさらに改善される。また、流体制御デバイスが着脱可能となり、交換・メンテナンスの点からも有効である。
(ホ)流体混合器(筐体との関係)において、優れた処理能力を得るためには、誘導空間のうち、微細孔とトレンチ構造の組み合わせは、最小限の部分(混合空間の近傍に位置する箇所)だけに留める構成が有効である(E6)。T1〜T5と比べて筐体の処理能力が最も高いことから、ガラス部の耐圧性に工夫を要する。
したがって、本発明は、極めて効率的な混合を可能にすると共に、処理能力が高く、高耐圧を有する流体制御デバイス、及び流体混合器の提供に寄与するものである。
(10)流体制御デバイスの応用例(第3実施形態)
図14は、上述したような流体制御デバイス1、1a、1bを搭載した本実施形態に係るμTASチップ100の一構成例を示す模式図であり、(a)は、μTASチップ100の平面図、(b)は、流体制御デバイス部分の拡大平面図、(c)は、流体制御デバイス部分の拡大断面図である。
図14に示したμTASチップ100は、μTASチップ本体として機能する基体110と、この基体110と一体を成すように設けられた流体制御デバイス1(1a,1b)を少なくとも備える。このμTASチップ100は、さらに、流体制御デバイス1(1a、1b)の下流側にリアクタ120、セパレータ130、検出器140を備えているが、これはμTASチップの一構成例であって、これに限定されるものではない。たとえば、リアクタ120、セパレータ130、検出器140は、μTASチップ100と別体を成す構成としてもよい。
分析対象の流体(液体や気体)と、選択されたキャリアとは、流入空間Sb、Scから、それぞれのフィルター機能部Fを通った後、流体制御デバイス1の誘導空間へ流入し、流出空間Saで混合される。その後、リアクタ120で反応したサンプルは、必要に応じてセパレータ130で、キャリアと分離され、所望の分析情報が検出器140によって、外部機器等へ取り出される。
なお、μTASの構成としては、本実施形態のように流体混合部やリアクタ、セパレータ等を一つの基板に集積させたものの他に、流体混合器、リアクタ、セパレータ等の個別部品を組み上げてシステム化することもできる。
以上、本発明の実施形態として、具体例を挙げて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1a、1b、1c、1d、1e、1f(1) 流体制御デバイス、2 基体、3、4 トレンチ構造、5、6 微細孔、100 μTASチップ、Sa 流出空間、Sb、Sc 流入空間、α、β(n) 誘導空間群。

Claims (5)

  1. 単一の混合空間と、トレンチ構造をなす複数の誘導空間と、複数の流入空間と、を内在した基体からなる流体制御デバイスであって、
    前記混合空間から見て、前記誘導空間の一方の開口部は、略長方形状をなす前記トレンチ構造のそれぞれに接続して配される複数の微細孔の開口部からなり、
    隣接する位置関係にある該誘導空間の一方のトレンチ構造の長辺同士が、離間して所定の間隔で並列に配され、隣接する位置にある、一方のトレンチ構造における微細孔の開口部に対応する、他方のトレンチ構造における微細孔の開口部が各々、異なる前記流入空間へ連通している、ことを特徴とする流体制御デバイス。
  2. 前記一方のトレンチ構造における微細孔の開口部と、他方のトレンチ構造における微細孔の開口部は、前記混合空間に対する面内において二次元的に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の流体制御デバイス。
  3. 前記混合空間に対する面内における前記微細孔の開口部の配置は、異なる前記流入空間に通じる開口部同士が、最も隣接した位置を成している、ことを特徴とする請求項2に記載の流体制御デバイス。
  4. 前記トレンチ構造は、該トレンチ構造の長辺方向に沿って配された隔壁によって、2つ以上に分割されている、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の流体制御デバイス。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の流体制御デバイスと、該流体制御デバイスを内在するとともに、該流体制御デバイスの領域Cに面する単一の流出空間、及び、該流体制御デバイスの領域Bと領域Cに個別に面する流入空間を少なくとも備えた筐体と、から構成されている、ことを特徴とする流体混合器。
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