JP2015099772A - 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体および固体高分子形燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アノード20とカソード30とこれらの間に配置された固体高分子電解質膜40とを備え、アノード20が、固体高分子電解質膜40の第1の表面に接する、複数の貫通孔22aを有する多孔シート22と、貫通孔22aに充填されて固体高分子電解質膜40の第1の表面に接する触媒部24とを有し、カソード30が、固体高分子電解質膜40の第2の表面に接する触媒層34を有し、多孔シート22の貫通孔22aの1つあたりの平均開口面積が0.002〜0.08mm2であり、多孔シート22の開口率が30〜80%であり、貫通孔22aに侵入する固体高分子電解質膜40の侵入厚さT+が4μm以下であり、固体高分子電解質膜40の厚さTが7〜20μmである膜電極接合体10。
【選択図】図1
Description
(1)多孔質ポリテトラフルオロエチレンシートを固体高分子電解質膜内および電極内に設けて固体高分子電解質膜および電極を補強する方法(特許文献1)。
(2)複数の貫通孔を有する多孔シートを固体高分子電解質膜内に設けて固体高分子電解質膜を補強する方法(特許文献2)。
前記多孔シートは、金属からなることが好ましい。
前記金属は、チタンまたはチタン合金であることが好ましい。
本発明の固体高分子形燃料電池は、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を備えたものであることを特徴とする。
本発明の固体高分子形燃料電池は、発電特性が良好であり、発電効率および耐久性が高い。
また、式(m1)で表されるモノマーをモノマー(m1)と記す。他の式で表されるモノマーも同様に記す。
「構成単位」とは、モノマーが重合することによって形成された該モノマーに由来する単位を意味する。構成単位は、モノマーの重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって該単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
「モノマー」とは、重合反応性の炭素−炭素二重結合を有する化合物を意味する。
「陽イオン交換基」は、該基に含まれる陽イオンの一部が他の陽イオンにイオン交換し得る基を意味する。
「前駆体基」は、加水分解処理、酸型化処理等の公知の処理によって陽イオン交換基に変換できる基を意味する。
図1は、本発明の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(以下、膜電極接合体と記す。)の一例を示す断面図である。
膜電極接合体10は、アノード20と、カソード30と、アノード20とカソード30との間に配置された固体高分子電解質膜40とを備える。
アノード20は、固体高分子電解質膜40の第1の表面に接する、複数の貫通孔22aを有する多孔シート22と、多孔シート22の貫通孔22aに充填されて固体高分子電解質膜40の第1の表面に接する触媒部24と、触媒部24に接するガス拡散層26とを有する。
多孔シート22は、厚さ方向に貫通する複数の貫通孔22aを有する。
貫通孔22aの開口形状は、特に限定されず、円形、楕円、三角形、正四角形、長方形、台形、六角形、星形、十字形、その他任意の形状が挙げられる。
多孔シート22の材料としては、機械的強度が高く、かつ貫通孔22aを形成しやすい、すなわち量産しやすく、低コスト化できる点から、金属が好ましい。
一方、貫通孔22aの1つあたりの平均開口面積が大きい、すなわち貫通孔22aに隣接する多孔シート22本体の面積も大きい場合は、貫通孔22aに隣接する多孔シート22本体で遮蔽された部分の固体高分子電解質膜40全体にわたってプロトンが充分に拡散できない。すなわち、貫通孔22aに隣接する多孔シート22本体で遮蔽された部分の固体高分子電解質膜40ではプロトンが移動しにくい。そのため、固体高分子電解質膜40における膜抵抗が比較的大きくなる。
たとえば、10mm角の正方形の中に平均開口面積0.01mm2の貫通孔を5000個開けた場合には開口率が50%になる。このように、多孔シートの開口率は、所定の大きさの領域に開けた貫通孔の平均開口面積にその貫通孔の数を乗じて求めた、その領域における合計開口面積を、その領域全体の面積で除して求める。
触媒部24は、多孔シート22の貫通孔22aに充填された充填部24aと、多孔シート22の、固体高分子電解質膜40とは反対側の表面に広がる層状部24bとからなる。
触媒部24は、図4に示すように、多孔シート22の貫通孔22aに充填された充填部24aのみからなるものであってもよい。ただし、ガス拡散層26との接合の点から、触媒部24は、図1に示すように層状部24bを有することが好ましい。
触媒としては、燃料電池における酸化還元反応を促進するものであればよく、白金を含む触媒が好ましく、白金または白金合金がカーボン担体に担持された担持触媒が特に好ましい。
白金合金としては、白金を除く白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、金、銀、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、およびスズからなる群から選ばれる1種以上の金属と、白金との合金が好ましい。
白金または白金合金の担持量は、担持触媒(100質量%)のうち、10〜70質量%が好ましい。
ガス拡散層26は、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等のガス拡散性基材からなる層である。
ガス拡散層26の撥水処理された表面が、触媒部24または後述のカーボン層に接する。
アノード20は、触媒部24とガス拡散層26との間にカーボン層(図示略)を有していてもよい。カーボン層を配置することにより、触媒部24の表面のガス拡散性が向上し、固体高分子形燃料電池の出力電圧が大きく向上する。
カーボンとしては、繊維径1〜1000nm、繊維長1000μm以下のカーボンナノファイバーが好ましい。
フッ素系ポリマーとしては、PTFE等が挙げられる。
カソード30は、固体高分子電解質膜40の第2の表面に広がる層状の触媒層34(触媒部)と、触媒層34に接するガス拡散層36とを有する。
触媒層34は、触媒を含み、必要に応じて、後述するイオン交換樹脂を含む層である。
触媒としては、アノード20の触媒部24に用いるものと同様のものが挙げられる。
触媒層34は、アノード20の触媒部24と成分、組成等が同じであってもよく、異なっていてもよい。
ガス拡散層36としては、アノード20のガス拡散層26と同様のものが挙げられる。
ガス拡散層36の表面は、撥水性の含フッ素ポリマーを含む溶液または分散液によって撥水処理されていることが好ましい。撥水処理することにより、カソード30の触媒層34で発生する水がガス拡散層36の細孔を塞ぎにくくなり、ガス拡散性の低下が抑えられる。ガス拡散層36の表面は、膜電極接合体10の導電性の点から、撥水性の含フッ素ポリマーおよび導電性カーボンを含む分散液よって撥水処理されていることがより好ましい。
カソード30は、触媒層34とガス拡散層36との間にカーボン層(図示略)を有していてもよい。カーボン層を配置することにより、触媒層34の表面のガス拡散性が向上し、固体高分子形燃料電池の出力電圧が大きく向上する。
カーボン層としては、アノード20のカーボン層と同様のものが挙げられる。
固体高分子電解質膜40は、後述するイオン交換樹脂を含むものである。固体高分子電解質膜40は、複数のイオン交換樹脂の膜を接合した多層構造のものであってもよい。
固体高分子電解質膜40は、乾燥を防ぐための保水剤として、シリカ、ヘテロポリ酸(リン酸ジルコニウム、リンモリブデン酸、リンタングステン酸等)を含んでいてもよい。
多孔シート22の貫通孔22aに侵入する固体高分子電解質膜40の侵入厚さT+は、4μm以下であり、3μm以下が好ましく、2μm以下が特に好ましい。侵入厚さT+が4μm以下であれば、固体高分子電解質膜40におけるプロトンの移動距離が短くなるため、膜抵抗が低く抑えられる。
膜電極接合体10は、膜電極接合体10の周縁部の固体高分子電解質膜40を挟み込むように配置された2つのフレーム状のサブガスケット(図示略)を有していてもよい。
なお、本発明の膜電極接合体は、アノードと、カソードと、アノードとカソードとの間に配置された固体高分子電解質膜とを備え、アノードが、固体高分子電解質膜の第1の表面に接する多孔シートと、多孔シートの貫通孔に充填されて固体高分子電解質膜の第1の表面に接する触媒部とを有し、カソードが固体高分子電解質膜の第2の表面に接する触媒部を有し、多孔シートの貫通孔の1つあたりの平均開口面積、多孔シートの開口率が特定の範囲であり、貫通孔に侵入する固体高分子電解質膜の侵入厚さが特定の範囲であり、固体高分子電解質膜の厚さ特定の範囲であるものであればよく、図示例の膜電極接合体10に限定はされない。
膜電極接合体10の製造方法としては、たとえば、下記の工程(a)〜(f)を有する方法が挙げられる。なお、膜電極接合体10の製造方法は、下記の方法に限定されない。
(a)固体高分子電解質膜40を形成する工程。
(b)固体高分子電解質膜40の第1の表面に多孔シート22を接合する工程。
(c)キャリアフィルムの表面に触媒層34を形成する工程。
(d)触媒層34を固体高分子電解質膜40の第2の表面に転写する工程。
(e)固体高分子電解質膜40に接合された多孔シート22の表面に、触媒部形成用ペーストを塗布し、触媒部24を形成し、膜触媒部接合体を得る。
(f)膜触媒部接合体の両面にガス拡散性基材を接合し、膜電極接合体10を得る工程。
イオン交換樹脂液をキャリアフィルムの表面に塗布し、乾燥させることによって固体高分子電解質膜40を形成する。
イオン交換樹脂液は、たとえば、アルコールおよび水を含む媒体に、イオン交換樹脂を分散または溶解させた液である。
キャリアフィルムとしては、エチレン−テトラフルオロエチレン(以下、ETFEと記す。)フィルム、オレフィン系樹脂フィルム等が挙げられる。
固体高分子電解質膜40の第1の表面に多孔シート22を配置し、熱プレス等によって接合する。
触媒層形成用ペーストをキャリアフィルムの表面に塗布し、乾燥させることによって触媒層34を形成する。
触媒層形成用ペーストは、イオン交換樹脂および触媒を分散媒に分散させた液である。触媒層形成用ペーストは、たとえば、イオン交換樹脂液と、触媒または触媒の分散液とを混合することにより調製できる。
固体高分子電解質膜40からキャリアフィルムを剥がし、固体高分子電解質膜40の第2の表面にキャリアフィルム付き触媒層34を配置し、熱プレス等によって触媒層34を転写する。
固体高分子電解質膜40に接合された多孔シート22の表面に、触媒部形成用ペーストを塗布し、乾燥させることによって触媒部24を形成し、膜触媒部接合体を得る。
触媒部形成用ペーストは、イオン交換樹脂および触媒を分散媒に分散させた液である。触媒層形成用ペーストは、たとえば、イオン交換樹脂液と、触媒または触媒の分散液とを混合することにより調製できる。
膜触媒部接合体の両面にガス拡散性基材を熱プレス等によって接合し、膜電極接合体10を得る。
以上説明した膜電極接合体10にあっては、多孔シート22を、固体高分子電解質膜40内ではなく、固体高分子電解質膜40の表面に設け、かつ多孔シート22の貫通孔22aに、固体高分子電解質膜40をできるだけ侵入させることなく、触媒部24を充填している。そのため、従来の固体高分子電解質膜内に多孔シートを設け、貫通孔内に固体高分子電解質膜を充填した場合に比べ、触媒部24から発生するプロトンの固体高分子電解質膜40における移動距離が短くなるため、膜抵抗(内部抵抗)が低く抑えられる。
また、多孔シート22の貫通孔22aの1つあたりの平均開口面積および多孔シート22の開口率を特定の範囲としているため、内部抵抗がさらに低くなり、水素リーク量が抑えられ、かつ機械的強度が高い。
また、固体高分子電解質膜40の厚さを特定の範囲としているため、内部抵抗がさらに低くなり、かつ機械的強度が高い。
多孔シートを配置した側の電極では、固体高分子電解質膜に接する触媒部の面積が減ってしまい、その分、電極反応が遅くなる。しかし、アノードの電極反応は、カソードの電極反応よりも充分に速い、すなわち膜電極接合体全体ではカソードの電極反応が律速となっているため、多孔シートを固体高分子電解質膜の第1の表面(アノード側)に配置してアノードの電極反応が少し遅くなっても、カソードの電極反応が律速であることにはかわりなく、発電への影響は小さい。
イオン交換樹脂は、陽イオン交換基を有する含フッ素ポリマーである。
陽イオン交換基としては、陽イオンがH+である酸型と、陽イオンが金属イオン、アンモニウムイオン等である塩型とがある。膜電極接合体の固体高分子電解質膜や触媒部の場合、通常、酸型の陽イオン交換基を有する含フッ素イオン交換樹脂が用いられる。
含フッ素イオン交換樹脂としては、後述する単位(u1)を有するポリマー(H1)、後述する単位(u2)を有するポリマー(H2)、後述する単位(u3)を有するポリマー(H3)、後述する単位(u4)を有するポリマー(H4)、後述する単位(u5)を有するポリマー(H5)、後述する単位(u6)を有するポリマー(H6)(以下、ポリマー(H1)〜(H6)をまとめて、ポリマー(H)とも記す。)が挙げられる。
ポリマー(H1)は、単位(u1)を有する含フッ素ポリマーである(ただし、ポリマー(H2)〜(H6)を除く)。
Q1のペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、ポリマー(H1)のイオン交換容量の低下が抑えられ、プロトン伝導性の低下が抑えられる。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
Y1としては、フッ素原子またはトリフルオロメチル基が好ましい。
ポリマー(H1)は、さらに、後述する他のモノマーに基づく構成単位(以下、他の単位とも記す。)を有していてもよい。他の単位の割合は、ポリマー(H1)のイオン交換容量が後述の好ましい範囲となるように、適宜調整すればよい。
他の単位としては、機械的強度および化学的な耐久性の点から、ペルフルオロモノマーに基づく構成単位が好ましく、テトラフルオロエチレン(以下、TFEと記す。)に基づく構成単位がより好ましい。
ポリマー(H1)としては、化学的な耐久性の点から、ペルフルオロカーボンポリマーが好ましい。
ポリマー(H2)は、単位(u2)を有する含フッ素ポリマーである(ただし、ポリマー(H3)〜(H6)を除く)。
Q21、Q22のペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。炭素数が6以下であれば、原料の含フッ素モノマーの沸点が低くなり、蒸留精製が容易となる。また、炭素数が6以下であれば、ポリマー(H2)のイオン交換容量の増加が抑えられ、プロトン伝導性の低下が抑えられる。
Q21、Q22の少なくとも一方は、エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であることが好ましい。エーテル性の酸素原子を有する炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基を有する含フッ素モノマーは、フッ素ガスによるフッ素化反応を経ずに合成できるため、収率が良好で、製造が容易である。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
単位(u2)が2つ以上のRf2を有する場合、Rf2は、それぞれ同じ基であってもよく、それぞれ異なる基であってもよい。
Y2としては、フッ素原子、またはエーテル性の酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6の直鎖のペルフルオロアルキル基が好ましい。
ポリマー(H2)は、さらに、後述する他のモノマーに基づく構成単位を有していてもよい。また、前記単位(u1)を有していてもよい。他の単位の割合は、ポリマー(H2)のイオン交換容量が後述の好ましい範囲となるように、適宜調整すればよい。
他の単位としては、機械的強度および化学的な耐久性の点から、ペルフルオロモノマーに基づく構成単位が好ましく、TFEに基づく構成単位がより好ましい。
ポリマー(H2)としては、化学的な耐久性の点から、ペルフルオロカーボンポリマーが好ましい。
ポリマー(H3)は、単位(u3)を有する含フッ素ポリマーである(ただし、ポリマー(H4)〜(H6)を除く)。
Q3のペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素原子−炭素原子結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。
ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。
ペルフルオロアルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。炭素数が10以下であれば、ポリマー(H3)のイオン交換容量の低下が抑えられ、プロトン伝導性の低下が抑えられる。
ペルフルオロアルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。ペルフルオロアルキル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基等が好ましい。
Y3としては、フッ素原子またはトリフルオロメチル基が好ましい。
dは、モノマー(m3)の合成が容易であり、イオン交換容量の高いポリマー(H3)が得られる点から、2が特に好ましい。
ポリマー(H3)は、さらに、後述する他のモノマーに基づく構成単位を有していてもよい。また、前記単位(u1)およびまたは単位(u2)を有していてもよい。他の単位の割合は、ポリマー(H3)のイオン交換容量が後述の好ましい範囲となるように、適宜調整すればよい。
他の単位としては、機械的強度および化学的な耐久性の点から、ペルフルオロモノマーに基づく構成単位が好ましく、TFEに基づく構成単位がより好ましい。
ポリマー(H3)としては、化学的な耐久性の点から、ペルフルオロカーボンポリマーが好ましい。
ポリマー(H4)は、単位(u4)を有する含フッ素ポリマーである(ただし、ポリマー(H5)〜(H6)を除く)。
R11の2価のペルフルオロ有機基としては、ペルフルオロアルキレン基が好ましい。ペルフルオロアルキレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。また、該酸素原子は、ペルフルオロアルキレン基の炭素−炭素結合間に挿入されていてもよく、炭素原子結合末端に挿入されていてもよい。ペルフルオロアルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
−SO2X4(SO2Rf4)e −Z+としては、−SO3 −Z+、−SO2N(SO2Rf4)−H+、または−SO2C(SO2Rf4)2 −Z+が挙げられる。
ポリマー(H4)は、さらに、後述する他のモノマーに基づく構成単位を有していてもよい。また、前記単位(u1)、単位(u2)およびまたは単位(u3)を有していてもよい。他の単位の割合は、ポリマー(H4)のイオン交換容量が後述の好ましい範囲となるように、適宜調整すればよい。
他の単位としては、ペルフルオロモノマーに基づく構成単位が好ましく、ポリマー(H4)が過度に水で膨潤しない点から、環状構造を有し、かつ陽イオン交換基またはその前駆体基を有さないペルフルオロモノマーに基づく構成単位がより好ましい。
ポリマー(H4)としては、化学的な耐久性の点から、ペルフルオロカーボンポリマーが好ましい。
ポリマー(H5)は、単位(u5)を有する含フッ素ポリマーである(ただし、ポリマー(H6)を除く)。
R21のペルフルオロアルレン基がエーテル性の酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。ペルフルオロアルレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
−SO2X5(SO2Rf5)f −Z+としては、−SO3 −Z+、−SO2N(SO2Rf5)−H+、または−SO2C(SO2Rf5)2 −Z+が挙げられる。
ポリマー(H5)は、さらに、後述する他のモノマーに基づく構成単位を有していてもよい。また、前記単位(u1)、単位(u2)、単位(u3)およびまたは単位(u4)を有していてもよい。他の単位の割合は、ポリマー(H5)のイオン交換容量が後述の好ましい範囲となるように、適宜調整すればよい。
他の単位としては、ペルフルオロモノマーに基づく構成単位が好ましく、ポリマー(H5)が過度に水で膨潤しない点から、環状構造を有し、かつ陽イオン交換基またはその前駆体基を有さないペルフルオロモノマーに基づく構成単位がより好ましい。
ポリマー(H5)としては、化学的な耐久性の点から、ペルフルオロカーボンポリマーが好ましい。
ポリマー(H6)は、単位(u6)を有する含フッ素ポリマーである。
R31のペルフルオロアルレン基がエーテル結合性酸素原子を有する場合、該酸素原子は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。ペルフルオロアルレン基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよく、直鎖状であることが好ましい。
−SO2X6(SO2Rf6)g −Z+としては、−SO3 −Z+、−SO2N(SO2Rf6)−H+、または−SO2C(SO2Rf6)2 −Z+が挙げられる。
ポリマー(H6)は、さらに、後述する他のモノマーに基づく構成単位を有していてもよい。また、前記単位(u1)、単位(u2)、単位(u3)、単位(u4)およびまたは単位(u5)を有していてもよい。他の単位の割合は、ポリマー(H6)のイオン交換容量が後述の好ましい範囲となるように、適宜調整すればよい。
他の単位としては、ペルフルオロモノマーに基づく構成単位が好ましく、ポリマー(H6)が過度に水で膨潤しない点から、環状構造を有し、かつ陽イオン交換基またはその前駆体基を有さないペルフルオロモノマーに基づく構成単位がより好ましい。
ポリマー(H6)としては、化学的な耐久性の点から、ペルフルオロカーボンポリマーが好ましい。
含フッ素イオン交換樹脂の製造方法としては、たとえば、下記の工程(I)〜(III)を有する方法が挙げられる。
(I)−SO2F(陽イオン交換基の前駆体基)を有する前駆体ポリマー(以下、ポリマー(F)と記す。)を得る工程。
(II)ポリマー(F)を加水分解処理して−SO2Fを−SO3 −M+(ただし、M+は、一価の金属イオン、または1以上の水素原子が炭化水素基と置換されていてもよいアンモニウムイオンである。)に変換し、塩型のポリマー(H)を得る工程。
(III)必要に応じて、塩型のポリマー(H)を酸型化処理して−SO3 −M+を−SO3 −H+に変換し、酸型のポリマー(H)を得る工程。
ポリマー(F1)の製造:
前記ポリマー(H1)の前駆体ポリマーであるポリマー(F1)は、モノマー(m1)および必要に応じて他のモノマーを重合することによって得ることができる。
重合は、ラジカルが生起する条件で行われる。ラジカルを生起させる方法としては、紫外線、γ線、電子線等の放射線を照射する方法、ラジカル開始剤を添加する方法等が挙げられる。
前記ポリマー(H2)の前駆体ポリマーであるポリマー(F2)は、モノマー(m2)および必要に応じて他のモノマーを重合することによって得ることができる。
重合法としては、ポリマー(F1)の製造方法における重合法と同様の方法が挙げられる。
前記ポリマー(F3)の前駆体ポリマーであるポリマー(F3)は、たとえば、下記の工程を経て製造できる。
(i)ポリマー(F)の−SO2Fを−SO2NH2に変換し、ポリマー(G)を得る工程。
(ii)ポリマー(G)にFSO2(CF2)dSO2Fを反応させ、−SO2NH2を−SO2N−(H+)SO2(CF2)dSO2Fに変換し、ポリマー(F3)を得る工程。
ポリマー(F)としては、たとえば、前記ポリマー(F1)が挙げられる。
−SO2Fを−SO2NH2に変換する方法としては、ポリマー(F)にアンモニアを接触させる方法が挙げられる。
ポリマー(F)にアンモニアを接触させる方法としては、たとえば、ポリマー(F)にアンモニアを直接接触させる方法、ポリマー(F)を溶解したポリマー溶液にアンモニアを吹き込んでバブリングする方法、ポリマー(F)を溶媒に膨潤させた状態でアンモニアと接触させる方法等が挙げられる。
FSO2(CF2)dSO2Fは、公知の方法で合成できる。合成方法としては、dが2の場合、たとえば、下記の方法が挙げられる。
・TFEとヨウ素の付加体である、ICF2CF2Iを出発物質とし、公知の方法でNaSO2CF2CF2SO2Naに変換した後、ClSO2CF2CF2SO2Clとし、最後にFSO2CF2CF2SO2Fに変換する方法。
・TFEと無水硫酸を反応させることによってテトラフルオロエタンサルトンとし、これを開環した後、加水分解することによってFSO2CF2COOHとし、さらにコルベ電解によりカップリングして合成する方法(特開2010−095470号公報)。
非プロトン性極性溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル2イミダゾリジノン、N−メチル2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
工程(ii)においては、FSO2(CF2)dSO2Fの加水分解を抑制するために湿分を混入させないことが好ましい。
前記ポリマー(H4)の前駆体ポリマーであるポリマー(F4)は、モノマー(m4)および必要に応じて他のモノマーを重合することによって得ることができる。
重合法としては、ポリマー(F1)の製造方法における重合法と同様の方法が挙げられる。
前記ポリマー(H5)の前駆体ポリマーであるポリマー(F5)は、モノマー(m5)および必要に応じて他のモノマーを重合することによって得ることができる。
重合法としては、ポリマー(F1)の製造方法における重合法と同様の方法が挙げられる。
前記ポリマー(H6)の前駆体ポリマーであるポリマー(F6)は、モノマー(m6)および必要に応じて他のモノマーを重合することによって得ることができる。
重合法としては、ポリマー(F1)の製造方法における重合法と同様の方法が挙げられる。
必要に応じて、ポリマー(F)とフッ素ガスとを接触させ、ポリマー(F)の不安定末端基をフッ素化してもよい。
不安定末端基とは、連鎖移動反応によって形成される基、ラジカル開始剤に基づく基等であり、具体的には、−C(O)OH、−CF=CF2、−C(O)F、−CF2H等である。不安定末端基をフッ素化または安定化することにより、最終的に得られるポリマー(H)の分解が抑えられ、耐久性が向上する。
ポリマー(F)のとフッ素ガスとを接触させる際の温度は、室温〜300℃が好ましく、50〜250℃がより好ましく、100〜220℃がさらに好ましく、150〜200℃が特に好ましい。
ポリマー(F)とフッ素ガスとの接触時間は、1分〜1週間が好ましく、1〜50時間がより好ましい。
ポリマー(F)の−SO2Fを加水分解して−SO3 −M+とし、塩型のポリマー(H)を得る。なお、ポリマー(F3)の場合は、−SO2N−(H+)SO2(CF2)dSO2Fが−SO2N−(M+)SO2(CF2)2SO3 −M+に変換される。
溶媒としては、水、水と極性溶媒との混合溶媒等が挙げられる。極性溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
加水分解処理の温度は、80〜95℃が好ましい。
加水分解処理の時間は、10〜20時間が好ましい。
塩型のポリマー(H)の−SO3 −M+を酸型化して−SO3 −H+とし、酸型のポリマー(H)を得る。なお、塩型のポリマー(H3)の場合は、−SO2N−(M+)SO2(CF2)dSO3 −M+が−SO2N−(H+)SO2(CF2)2SO3 −H+に変換される。
酸型化処理は、たとえば、塩型のポリマー(H)を、酸(硫酸、塩酸、硝酸等)の水溶液に接触させて行う。具体的には、塩型のポリマー(H)を、酸の水溶液に撹拌等によって分散させることによって酸型化処理することが好ましい。
酸型化処理の温度は、80〜90℃が好ましい。
酸型化処理の時間は、4〜7時間が好ましい。
ポリマー(H)の陽イオン交換基が−SO2N(SO2Rf)−Z+(ただし、Rfは、エーテル性の酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基である。)の場合、加水分解処理の代わりに公知のイミド化処理を行えばよい。
・−SO2Fと、RfSO2NHMとを反応させる方法。
・アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、MF、アンモニアまたは1〜3級アミンの存在下で、−SO2Fと、RfSO2NH2とを反応させる方法。
・−SO2Fと、RfSO2NMSi(CH3)3とを反応させる方法。
本発明の膜電極接合体の両面に、ガスの流路となる溝が形成されたセパレータを配置することにより、本発明の固体高分子形燃料電池が得られる。
セパレータとしては、金属製セパレータ、カーボン製セパレータ、黒鉛と樹脂を混合した材料からなるセパレータ等、各種導電性材料からなるセパレータが挙げられる。
該固体高分子形燃料電池においては、カソードに酸素を含むガス、アノードに水素を含むガスを供給することにより、発電が行われる。また、アノードにメタノールを供給して発電を行うメタノール燃料電池にも、膜電極接合体を適用できる。
例1〜5、8、9は実施例であり、例6、7、10は比較例である。
膜電極接合体を発電用セルに組み込み、水素(利用率70%)および空気(利用率50%)を、それぞれアノードおよびカソードに常圧にて供給し、セル温度80℃にて電流密度1.0A/cm2における運転初期のセル電圧および電流遮断法による内部抵抗を測定した。なお、アノード側には露点80℃の水素を供給し、カソード側は露点80℃の空気をそれぞれ供給した(セル内の相対湿度:100%RH)。
ついで、カソード側に供給していた空気を窒素に変更し、カソード電位を0.07〜0.5Vまで0.5mV/秒の速さで変化させるリニアスイープボルタンメトリー法によって固体高分子電解質膜を透過する水素リーク量を電流量として測定した。
TQ値(単位:℃)は、ポリマーの分子量の指標であり、長さ1mm、内径1mmのノズルを用い、2.94MPaの押出し圧力の条件でポリマーの溶融押出しを行った際の押出し量が100mm3/秒となる温度である。
TQ値は、フローテスタCFT−500A(島津製作所社製)を用いて、温度を変えてポリマーの押出し量を測定し、押出し量が100mm3/秒となる温度を測定することで求めた。
ポリカーボネート製の容器に、酸型のポリマー(H)の0.7g、0.35Nの水酸化ナトリウム水溶液の10mLを加え、60℃で40時間静置することによって、ポリマー(H)の−SO3 −H+を完全に−SO3 −Na+に変換した。該溶液を0.1Nの塩酸で逆滴定し、溶液中の水酸化ナトリウムの量を求めることによって、ポリマー(H)のイオン交換容量を算出した。
化合物(AP1):下式で表される化合物(和光純薬工業社製、V−601)。
化合物(BS1):C6F13H、
化合物(BS2):CF3CH2OCF2CF2H、
化合物(BS3):CClF2CF2CHClF、
化合物(BS4):CH3CCl2F。
化合物(C):下式で表されるモノマー(m1−1)。
内容積230mLのステンレス製オートクレーブに、化合物(C)の170gを仕込み、液体窒素を用いて凍結脱気した。65℃に昇温した後、窒素を0.205MPa導入した。圧力が変化しないことを確認した後、TFEを導入し、全圧を1.275MPaGとした。化合物(BS3)に溶解した化合物(AP2)の5.0質量%溶液の1.04gを窒素で加圧添加した後、化合物(BS1)の2.26gで添加ラインを洗浄した。温度と圧力を一定に保持しながら、TFEを連続的に供給した。重合開始から8時間後にオートクレーブを冷却して重合反応を停止した。
オートクレーブから抜き出した生成物を化合物(BS3)で希釈し、これを化合物(BS4)に添加し、ポリマーを凝集させた後、濾過した。化合物(BS4)中でポリマーの撹拌、濾過を繰り返してポリマーを洗浄し、80℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーのTQは234℃であった。さらに得られたポリマーを、メタノールの20質量%および水酸化カリウムの15質量%を含む80℃の水溶液に40時間浸漬させることにより、ポリマー中の−SO2F基を加水分解し、−SO3K基に変換した。ついで、該ポリマーを、3モル/Lの75℃の塩酸水溶液に2時間浸漬した。塩酸水溶液を交換し、同様の処理をさらに4回繰り返し、ポリマー中の−SO3K基がスルホン酸基に変換されたポリマー(H1−1)を得た。ポリマー(H1−1)を超純水で充分に水洗した。この操作を繰り返し、ポリマー(H1−1)をおよそ300g得た。イオン交換容量は1.241ミリ当量/g乾燥樹脂であった。
内容積2Lのハステロイ製オートクレーブを用いて、420gのエタノールと280gの超純水を入れ、ダブルヘリカルリボン翼を用いて100rpmで撹拌しながら、ポリマー(H1−1)の272gを添加した。10分程度で直ちにポリマーの膨潤により粘度が上昇したため、一旦6rpmまで回転数を下げながら撹拌を続け、およそ80分で105℃まで加温して温度を保持した。加温の過程で粘度が徐々に低下していくのに伴い、撹拌速度を毎分10rpm程度で徐々に上げていき、最終的に150rpmまで回転数を上げて、その回転数と温度を保持し、6時間撹拌した。その後、その回転数を保持しながら、およそ60分で25℃まで冷却し、イオン交換樹脂液(AA1)を得た。イオン交換樹脂液(AA1)の固形分濃度は28質量%であった。また、E型粘度計を用いて、25℃におけるずり速度10s−1におけるイオン交換樹脂液(AA1)の粘度を測定したところ、190mPa・sであった。
300mLのガラス製丸底フラスコに、イオン交換樹脂液(AA1)の100gと、炭酸セリウム水和物(Ce2(CO3)3・8H2O)の0.21gとを仕込み、PTFE製半月板翼にて、室温で8時間撹拌した。撹拌開始よりCO2発生による気泡が発生したが、最終的には均一な透明のイオン交換樹脂液(AA2)を得た。E型粘度計を用いて、25℃におけるずり速度10s−1におけるイオン交換樹脂液(AA2)の粘度を測定したところ、195mPa・sであった。
イオン交換樹脂液(AA2)をETFEフィルム(旭硝子社製、アフレックス100N、厚さ:100μm)上に、ダイコータにてキャスト塗工し、80℃で10分予備乾燥した後、120℃で10分乾燥し、さらに150℃、30分のアニールを施し、膜厚50μmの固体高分子電解質膜を得た。
固体高分子電解質膜から、5cm×5cmの大きさの膜を切り出し、乾燥窒素中で16時間放置した後、質量を精秤し0.1規定のHCl水溶液中に含浸して、セリウムイオンを完全に抽出した液を得た。この液を誘導結合プラズマ(ICP)発光分析にて測定することで、固体高分子電解質膜中のセリウムを定量したところ、セリウム量は膜の質量に対して0.35質量%であった。
内容積230mLのステンレス製オートクレーブに、化合物(C)の170gを仕込み、液体窒素を用いて凍結脱気した。65℃に昇温した後、窒素を0.212MPa導入した。圧力が変化しないことを確認した後、TFEを導入し、全圧を1.312MPaGとした。化合物(BS1)に溶解した化合物(AP1)の1.0質量%溶液の2.65gを窒素で加圧添加した後、化合物(BS1)の2.35gで添加ラインを洗浄した。温度と圧力を一定に保持しながら、TFEを連続的に供給した。重合開始から7時間後にオートクレーブを冷却して重合反応を停止した。
オートクレーブから抜き出した生成物を化合物(BS1)で希釈し、これを化合物(BS2)に添加し、ポリマーを凝集させた後、濾過した。化合物(BS2)中でポリマーの撹拌、濾過を繰り返してポリマーを洗浄し、80℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーのTQは227℃であった。さらに得られたポリマーを、メタノールの20質量%および水酸化カリウムの15質量%を含む80℃の水溶液に40時間浸漬させることにより、ポリマー中の−SO2F基を加水分解し、−SO3K基に変換した。ついで、該ポリマーを、3モル/Lの75℃の塩酸水溶液に2時間浸漬した。塩酸水溶液を交換し、同様の処理をさらに4回繰り返し、ポリマー中の−SO3K基がスルホン酸基に変換されたポリマー(H1−2)を得た。ポリマー(H1−2)を超純水で充分に水洗した。この操作を繰り返し、ポリマー(H1−2)をおよそ300g得た。イオン交換容量は1.250ミリ当量/g乾燥樹脂であった。
ポリマー(H1−1)の代わりにポリマー(H1−2)を用いたこと以外は、イオン交換樹脂液(AA1)を得た方法と同様にして、イオン交換樹脂液(AV1)を得た。
イオン交換樹脂液(AA1)の代わりにイオン交換樹脂液(AV1)を用いたこと以外は、イオン交換樹脂液(AA2)を得た方法と同様にして、イオン交換樹脂液(AV2)を得た。
内容積2575mLのステンレス製オートクレーブに、氷水で冷却しながら減圧下で化合物(C)の1959gを仕込み脱気した。溶媒として化合物(BS1)の23.34gを仕込んだ。57℃に昇温した後、窒素を0.109MPa導入した。圧力が変化しないことを確認した後、TFEを導入し、全圧を0.809MPaGとした。化合物(BS1)に溶解した化合物(AP1)の3.23質量%溶液の5.95gを窒素で加圧添加した後、化合物(BS1)の4.00gで添加ラインを洗浄した。温度と圧力を一定に保持しながら、TFEを連続的に供給した。重合開始から14時間後にオートクレーブを冷却して重合反応を停止した。
オートクレーブから抜き出した生成物を化合物(BS1)で希釈し、これを化合物(BS2)に添加し、ポリマーを凝集させた後、濾過した。化合物(BS2)中でポリマーの撹拌、濾過を繰り返してポリマーを洗浄し、50℃で一晩減圧乾燥した。得られたポリマーのTQは220℃であった。さらに得られたポリマーを、メタノールの20質量%および水酸化カリウムの15質量%を含む80℃の水溶液に40時間浸漬させることにより、ポリマー中の−SO2F基を加水分解し、−SO3K基に変換した。ついで、該ポリマーを、3モル/Lの75℃の塩酸水溶液に2時間浸漬した。塩酸水溶液を交換し、同様の処理をさらに4回繰り返し、ポリマー中の−SO3K基がスルホン酸基に変換されたポリマー(H1−3)を得た。ポリマー(H1−3)を超純水で充分に水洗した。この操作を繰り返し、ポリマー(H1−3)をおよそ300g得た。イオン交換容量は1.413ミリ当量/g乾燥樹脂であった。
内容積2Lのハステロイ製オートクレーブを用いて、420gのエタノールと280gのイオン交換水を入れ、ダブルヘリカルリボン翼を用いて80rpmで撹拌しながら、ポリマー(H1−3)の272gを添加した。10分程度で直ちにポリマーの膨潤により粘度が上昇したため、一旦6rpmまで回転数を下げながら撹拌を続け、およそ80分で105℃まで加温して温度を保持した。加温の過程で粘度が徐々に低下していくのに伴い、撹拌速度を毎分10rpm程度で徐々に上げていき、最終的に150rpmまで回転数を上げて、その回転数と温度を保持し、6時間撹拌した。その後、その回転数を保持しながら、およそ60分で25℃まで冷却し、イオン交換樹脂液(BV1)を得た。イオン交換樹脂液(BV1)の固形分濃度は28質量%であった。また、E型粘度計を用いて、25℃におけるずり速度100s−1におけるイオン交換樹脂液(BV1)の粘度を測定したところ、140mPa・sであった。
300mLのガラス製丸底フラスコに、イオン交換樹脂液(BV1)の100gと、炭酸セリウム水和物(Ce2(CO3)3・8H2O)の0.24gとを仕込み、PTFE製半月板翼にて、室温で8時間撹拌した。撹拌開始よりCO2発生による気泡が発生したが、最終的には均一な透明のイオン交換樹脂液(BV2)を得た。E型粘度計を用いて、25℃におけるずり速度10s−1におけるイオン交換樹脂液(BV2)の粘度を測定したところ、145mPa・sであった。
イオン交換樹脂液(BV2)をETFEフィルム(旭硝子社製、アフレックス100N、厚さ:100μm)上に、ダイコータにてキャスト塗工し、80℃で10分予備乾燥した後、120℃で10分乾燥し、さらに150℃、30分のアニールを施し、膜厚50μmの固体高分子電解質膜を得た。
固体高分子電解質膜から、5cm×5cmの大きさの膜を切り出し、乾燥窒素中で16時間放置した後、質量を精秤し0.1規定のHCl水溶液中に含浸して、セリウムイオンを完全に抽出した液を得た。この液を誘導結合プラズマ(ICP)発光分析にて測定することで、固体高分子電解質膜中のセリウムを定量したところ、セリウム量は膜の質量に対して0.4質量%であった。
厚さ10μmのステンレス(SUS314)製の金属箔に、図5に示すようなパターンで、対向する辺の間隔dが約100μmである正六角形を、正六角形の間隔wが41μm(中心間距離が141μm)となるようにエッチング加工によって形成し、開口率が約50%である多孔シートを得た。
キャリアフィルムとして、ETFEフィルム(旭硝子社製、アフレックス100N、厚さ:100μm)を用意し、その表面にイオン交換樹脂液(AA2)をダイコータで塗布し、80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、さらに160℃の乾燥器内で1時間の熱処理を施して厚さ10μmの固体高分子電解質膜を形成した。
固体高分子電解質膜の表面に多孔シートを配置し、1.5MPa、160℃で2分間熱プレスし、固体高分子電解質膜の表面に多孔シートを接合した多孔シート付き固体高分子電解質膜を得た。
カーボン担体(比表面積:800m2/g)に白金・コバルト合金(白金:コバルト=57:6質量比)が触媒全質量の63%含まれるように担持された触媒(田中貴金属工業社製)の10.0gを、蒸留水の59.6gに添加し、よく撹拌した。さらにエタノールの62.8gを添加し、よく撹拌した。これにイオン交換樹脂液(AA1)の10.6gを添加し、遊星ボールミルを用いて混合、粉砕し、触媒層形成用ペーストを得た。
触媒層形成用ペーストをETFEフィルムの表面にダイコータで塗布し、80℃の乾燥器内で15分間乾燥させ、さらに160℃の乾燥器内で30分の熱処理を施してカソード用触媒層(白金量:0.35mg/cm2)を形成し、キャリアフィルム付き触媒層を得た。
多孔シート付き固体高分子電解質膜からETFEフィルムを剥がし、剥がした表面にキャリアフィルム付き触媒層を配置し、1.5MPa、150℃で3分間熱プレスし、カソード用触媒層を転写した。
カーボン担体(比表面積:800m2/g)に白金が触媒全質量の20%含まれるように担持された触媒(田中貴金属工業社製)の10.0gを、蒸留水の94.3gに添加し、よく撹拌した。さらにエタノールの36.7gを添加し、よく撹拌した。これにイオン交換樹脂液(AA1)の22.9gを添加し、遊星ボールミルを用いて混合、粉砕し、触媒部形成用ペーストを得た。
固体高分子電解質膜に接合された多孔シートの表面に、触媒部形成用ペーストをダイコータで塗布し、多孔シートの貫通孔に充填された充填部と多孔シートの表面に広がる層状部とからなるアノード用触媒部(白金量:0.05mg/cm2)を形成し、膜触媒部接合体(電極面積:25cm2)を得た。
膜触媒部接合体の両面に、ガス拡散性基材(NOK社製、商品名:H2315 T10X6 CX96、厚さ:240μm)を配置し、あらかじめ150℃に加熱したプレス機の中に入れ、1.5MPaのプレス圧力で2分間熱プレスし、膜電極接合体を得た。熱プレスによって、多孔シートの貫通孔に固体高分子電解質膜のイオン交換樹脂が最大2μm程度侵入したことが、サンプルの断面観察結果から分かった。膜電極接合体の評価結果を表1に示す。
厚さ5μmのSUS314製の金属箔に、図5に示すようなパターンで、対向する辺の間隔dが約50μmである正六角形を、正六角形の間隔wが21μm(中心間距離が71μm)となるようにエッチング加工によって形成し、開口率が約50%である多孔シートを得た。
該多孔シートを用い、固体高分子電解質膜の厚さを7μmに変更した以外は、例1と同様にして膜電極接合体を得た。膜電極接合体の評価結果を表1に示す。
厚さ12μmのPPSフィルム(東レ社製、商品名:トレリナ)に、ドリル加工によってそれぞれ表1の値の貫通孔を千鳥配列で一様に開孔させ、開口率がそれぞれ表1の値となる多孔シートを得た。
該多孔シートを用い、固体高分子電解質膜の厚さを表1の厚さとした以外は、例1と同様にして膜電極接合体を得た。例6においては、多孔シートの貫通孔の1つあたりの平均開口面積が大きいため、貫通孔において固体高分子電解質膜が弛むようにやや変形した。膜電極接合体の評価結果を表1に示す。
工程(b)において、3MPa、160℃で5分間熱プレスした以外は、例3〜6と同様にして膜電極接合体を得た。多孔シートの貫通孔に固体高分子電解質膜のイオン交換樹脂が最大5μm程度侵入したことが、サンプルの断面観察結果から分かった。膜電極接合体の評価結果を表1に示す。
工程(a)において用いたイオン交換樹脂液(AA2)をイオン交換樹脂液(AV2)、工程(c)において用いたイオン交換樹脂液(AA1)をイオン交換樹脂液(AV1),工程(e)において用いたイオン交換樹脂液(AA1)をイオン交換樹脂液(AV1)とした以外は、例1と同様にして膜電極接合体を得た。膜電極接合体の評価結果を表1に示す。
工程(a)において用いたイオン交換樹脂液(AA2)をイオン交換樹脂液(BV2)、工程(c)において用いたイオン交換樹脂液(AA1)をイオン交換樹脂液(BV1),工程(e)において用いたイオン交換樹脂液(AA1)をイオン交換樹脂液(BV1)とした以外は、例1と同様にして膜電極接合体を得た。膜電極接合体の評価結果を表1に示す。
多孔シートを用いなかった以外は、例1と同様にして膜電極接合体を得た。膜電極接合体の評価結果を表1に示す。
多孔シートの貫通孔に侵入する固体高分子電解質膜の侵入厚さが4μmを超えた例6〜7の膜電極接合体は、内部抵抗が高くなった。
多孔シートが配置されていない例10の膜電極接合体は、水素リーク量が多くなった。
20 アノード
22 多孔シート
22a 貫通孔
24 触媒部
24a 充填部
24b 層状部
26 ガス拡散層
30 カソード
34 触媒層(触媒部)
36 ガス拡散層
40 固体高分子電解質膜
Claims (5)
- アノードと、
カソードと、
前記アノードと前記カソードとの間に配置された固体高分子電解質膜と
を備え、
前記アノードが、前記固体高分子電解質膜の第1の表面に接する、複数の貫通孔を有する多孔シートと、前記多孔シートの貫通孔に充填されて前記固体高分子電解質膜の第1の表面に接する、触媒を含む触媒部とを有し、
前記カソードが、前記固体高分子電解質膜の第2の表面に接する、触媒を含む触媒部を有し、
前記多孔シートの貫通孔の1つあたりの平均開口面積が、0.002〜0.08mm2であり、
前記多孔シートの開口率が、30〜80%であり、
前記多孔シートの貫通孔に侵入する前記固体高分子電解質膜の侵入厚さが、4μm以下であり、
前記固体高分子電解質膜の厚さ(ただし、前記侵入厚さを除く。)が、7〜20μmである、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。 - 前記多孔シートの厚さが、5〜12μmである、請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記多孔シートが、金属からなる、請求項1または2に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記金属が、チタンまたはチタン合金である、請求項3に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を備えた、固体高分子形燃料電池。
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