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JP2015095968A - 回転電機 - Google Patents

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詠吾 十時
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啓文 鈴木
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Abstract

【課題】電機子鉄心の磁気異方性に起因するコギングトルクを低減でき、かつ溝の位置を限定できる回転電機を提供する。
【解決手段】磁気異方性を有する電機子鉄心4と、対向配置されたP極(Pは正の2の倍数)の磁極を有する回転子3を備えた回転電機1において、低減対象の第1のコギングトルクの脈動回数をαP(αは自然数)とした場合、第1のコギングトルクを低減する第2のコギングトルクを発生させる溝6を、電機子鉄心4の突極上のPとαから求められる位置に設ける。
【選択図】図6

Description

この発明は、回転電機のコギングトルクの低減方法として、電機子の突極部端面でかつ界磁と対向する面に溝を設け、溝により発生するコギングトルクと、元来存在するコギングトルクが相殺することにより、コギングトルクの総量を低減させる技術に関するものである。
永久磁石を有するモータにおいて、電機子側のスロットオープンにより発生するコギングトルク波形の基本波の位相に対して、π(rad)ずれた位相を有するコギングトルクが発生するように、電機子側突極部の端面に溝を設ける技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2009−189163号公報(段落[0008]、[0054]〜[0055]、図4、図7)
特許文献1の発明では、スロットオープンによるコギングトルク波形の低減方法が示されているが、元来あるコギングトルクに対し π(rad)ずれた位相を有するコギングトルクが発生する位置に溝を設けるとしているが、溝を設ける具体的位置について開示されていない。また、スロットオープン以外の因子により発生するコギングトルクの対処方法については、開示されていない。スロットオープン以外の因子により発生するコギングトルクは、それぞれの因子の寄与度が製品により変化し統一的な対処方法が難しいという問題がある。
この発明は、電機子鉄心の磁気異方性に起因するコギングトルクを低減でき、かつ溝の位置を限定できる回転電機を提供することを目的とする。
この発明に係る回転電機は、複数の突極に巻回された複数のコイルに順次通電することにより回転磁界が得られるように構成された磁気異方性を有する電機子鉄心と、電機子鉄心と空隙を介して対向配置されたP極(Pは正の2の倍数)の磁極を有し、電機子鉄心の電機子との間に生じる電磁力によりトルクが発生するように構成された界磁を有する回転子を備え、電機子鉄心の磁気異方性に起因する第1のコギングトルクを低減するために電機子鉄心の突極上に溝を設ける場合、低減対象の第1のコギングトルクの脈動回数をαP(αは自然数)とすると、第1のコギングトルクを低減する第2のコギングトルクを発生させる溝の位置は、電機子鉄心の突極上のPとαから求められる。
この発明に係る回転電機は、上記のように構成されているため、低減対象の第1のコギングトルクをαP(αは自然数、Pは磁極数)とした場合、第1のコギングトルクを低減することができるとともに、溝の位置をαとPで表した式で限定することができる。
この発明の実施の形態1の回転電機に係る電動機の断面図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る磁気異方性により磁極1極に働く力を考察するための模式図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る磁気異方性により磁極1極に働く力の変化の説明図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る電機子内周面の溝により磁極1極に働く力を考察するための模式図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る電機子内周面の溝により磁極1極に働く力の変化の説明図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る具体例の溝加工候補位置図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る合成考察用のベクトル図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る図6の具体例の抑制溝加工位置の組み合わせ図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る溝に起因するコギングトルクのベクトル図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る溝加工位置を表すベクトル図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る具体例の溝加工候補位置図である。 この発明の実施の形態1の回転電機に係る図11の具体例の最適溝加工位置図である。 この発明の実施の形態2の回転電機に係る溝加工位置を表すベクトル図である。 この発明の実施の形態3の回転電機に係る溝加工位置を表すベクトル図である。
実施の形態1.
実施の形態1は、磁気異方性に起因するコギングトルクを電機子鉄心の突極上に溝を設けることによって低減し、かつ溝の加工位置を限定できる回転電機に関するものである。実施の形態1では、1つの溝で磁気異方性に起因するコギングトルクを低減する溝加工、あるいは2つの溝で磁気異方性に起因するコギングトルクを低減し、溝による新たな別調波のコギングトルクの発生を抑制する溝加工、さらに溝の寸法誤差や加工のばらつきによる低減効果のばらつきを抑制するために、溝の寸法を小さくすることなく溝の数を増やす溝加工(溝設計)について説明する。
以下、本願発明の実施の形態1に係る回転電機1の構成、動作について、回転電機の断面図である図1、磁気異方性により磁極1極に働く力を考察するための模式図である図2、磁気異方性により磁極1極に働く力の変化の説明図である図3、電機子内周面の溝により磁極1極に働く力を考察するための模式図である図4、電機子内周面の溝により磁極1極に働く力の変化の説明図である図5、具体例の溝加工候補位置図である図6、ベクトル合成の説明図である図7、具体例の抑制溝加工位置の組み合わせ図である図8、溝に起因するコギングトルクのベクトル図である図9、溝加工位置を表すベクトル図である図10、具体例の抑制溝加工候補位置図である図11、および具体例の最適溝加工位置図である図12に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の回転電機1の断面図である。図1において、本発明を適用する回転電機1は電機子2と回転子3で構成される。
電機子2は、電機子鉄心4と溝6(図示なし)とスロット7とを備える。回転子3は磁極5と回転子シャフト8とを備える。
実施の形態1の回転電機1は、永久磁石型でかつ界磁回転型の同期電動機であり、極数がP、スロット数がSである。実施の形態1では、極数がP=10、スロット数がS=12の同期電動機を想定して説明する。
電機子2は金型とプレス機を用い円筒状に打ち抜いた電磁鋼板を積層することで製作されている。小型かつ大量生産される電動機においては、この工程の生産性を高めるため、順送金型による抜きカシメという工法が採られることが多い。この工法は、コイル状に巻き取られた電磁鋼板が、プレス機のスタンピング周期に同期して一定のピッチで金型内に送り込まれ、1ピッチ進む毎に所定の部位が打ち抜かれ、複数回の打ち抜きを経て最終形状に打ち抜かれた電磁鋼板が金型内のスクイズリングと呼ばれる部位に抜き落とされ、1ショット前に抜き落とされた電磁鋼板の上にカシメ止めされることにより積層される。
電磁鋼板は所望の板厚を得るため、その長手方向に繰り返し圧延されている影響で、磁気異方性を持つ。磁気異方性とは、圧延方向の透磁率が最も高く、圧延方向と直交する方向の透磁率が最も低くなる傾向である。
図2は実施の形態1に係る回転電機1の断面図で、スロット7による磁気抵抗の影響を除外し、磁気異方性に起因するコギングトルクを考察するための模式図である。説明を簡単にするため、回転子シャフト8上のある1極に着目し、この磁極5に働く力を考察する。
ここでいう磁極5の1極とは回転子3の表面の磁束密度分布の基本波のあるゼロクロスポイントから隣のゼロクロスポイントまでを意味し、基本波のピーク位置すなわち極大点または極小点を磁極5の中心とする。
磁気異方性に起因するコギングトルクについて、図3に基づいて説明する。図3は磁気異方性により磁極1極に働く力が磁極の回転に従って変化する様子を示した図である。
磁気異方性により磁極5に働く回転子3回転方向の力をF(θ)とすると、電機子2側の磁気異方性と磁極5に働く力の相対位置関係は図3の展開図のように表される。図3の意味するところは次の通りである。
本実施の形態1の電機子2は磁気異方性により、回転子3が1回転するとき透磁率が最大となる位置と最小となる位置がそれぞれ2点ある。いま、透磁率最大の位置のうちの1点を回転角度0(rad)とすると、磁極5の中心が0(rad)の位置にあるとき、回転子3は安定位置にあるので回転子3に働く回転方向の力は0である。次に、磁極5の中心が正の方向に移動したとき、磁極5には安定位置である0度の位置に戻ろうとする力が働くので、F(θ)は負の値をとる。さらに回転子3を正の方向に回していくと、いずれかの位置でF(θ)は最小値をとる。その後増加に転じ、磁極5の中心が π/2(rad)の位置で透磁率最小となりF(θ)が0となる。
この位置は不安定位置であり、わずかに負の方向にずれると負の力が磁極5に働き、わずかに正の方向にずれると正の力が磁極5に働く。さらに正の方向に回すとF(θ)は正の値をとり続け、いずれかの位置でF(θ)は最大値をとり、磁極5の中心が180度の位置で透磁率が最大となりF(θ)が0となる。
π(rad)から2π(rad)のF(θ)の波形は上述の0(rad)からπ(rad)のものと同一となる。
F(θ)は周期がπ(rad)の周期関数となるため、フーリエ級数を用いて一般的に(1)式のように表現できる。
Figure 2015095968
ただし、
Figure 2015095968
図3より、F(θ)は奇関数であるため、すべてのkに関してa=0となり、(1)式は(3)式で表現できる。
Figure 2015095968
(3)式は磁極5の1極に働く回転方向の力である。(3)式を利用してP極分のトルクの和T(θ)は、回転子3の半径をrとして、(4)式で表現できる。
Figure 2015095968
ここで、あるkに関して、
Figure 2015095968
が、0以外の値をとるのは、三角関数の性質より、αを自然数として(2k)・(2π/P)=2πα、すなわち
Figure 2015095968
のときである。(5)式を(4)式に代入して、(6)式が得られる。
Figure 2015095968
(6)式から、実施の形態1における磁気異方性に起因するコギングトルクの回転子3の1回転当たりの脈動回数は、極数の自然数倍の値を取りうるということがわかる。
いずれの脈動回数の成分が卓越するかは、電機子鉄心4の材質や形状等に依存するため、回転電機(電動機)の機種により異なる。
なお、磁気異方性に起因するコギングトルクT(θ)が、本願発明の第1のコギングトルクである。
今、卓越する脈動回数をαP回とし、この成分をαP山成分と呼ぶ。この成分を、電機子鉄心の突極上でかつ磁極5との対向面に回転軸方向に伸びる溝6を設けることにより相殺することを図4、図5に基づいて検討する。
図4は溝6の中心が電機子内周のφ(rad)の位置にあるときの、磁極5の1極に働く力を考察するための模式図である。ただし、図ではφ=0としている。
この磁極5に働く力をF(θ)とすると、電機子2とF(θ)の相対位置関係は図5のようになる。図5は、電機子内周面に設けられた溝により磁極1極に働く力が磁極の回転に従って変化する様子を示し、この図の意味するところは、次の通りである。
磁極5の中心が溝6の中心位置であるφ(rad)の位置にあるとき、この位置は不安定点であり、中心位置から少し負の方向にずれると負の向きの力が、正の方向にずれると正の向きの力が働く。さらに磁極5を正の方向に進めると、溝6の近傍のある位置でF(θ)は最大値をとる、その後減少し、φ+π(rad)の位置で0となる。この点は安定点であり、磁極5をさらに正の方向に進めるとF(θ)は負の値をとる。そして磁極5が溝6の近傍のある位置に来たときF(θ)は最小値をとり、その後2π(rad)の位置で0となる。すなわち、F(θ)はφradの位置に関し点対称な波形となる。
なお、溝の中心位置とは、溝の一方の縁から他方の縁までの距離を測ったときの中心位置である。
(θ)をフーリエ級数で表現すると、0〜π(rad)とπ〜2π(rad)の値が異なることを考慮の上、F(θ)の導出と同様に考えると、(7)式が得られる。
Figure 2015095968
ここで、b k* は(8)式で表される。
Figure 2015095968
(7)式は磁極5の1極に働く回転方向の力である。(7)式を利用してP極分のトルクの和T(θ)は、T(θ)の導出と同様に考えて(9)式で表される。
Figure 2015095968
(9)式より、溝に起因するコギングトルクT(θ)の、回転子3の1回転当たりの脈動回数は、極数の自然数倍の値を取りうる。脈動成分の振幅b α*P の大きさと正負は、溝の幅、深さに依存するF(θ)の波形とsinαP(θ−φ)の波形の相互関係で決まる(図5のF(θ)とsin2kθを参照)。ただし、sinαP(θ−φ)の半波長分の円弧長に対し、溝の深さを十分小さくすれば、b α*Pを正にすることができる。
なお、溝に起因するコギングトルクF(θ)が、本願発明の第2のコギングトルクである。
この溝によるコギングトルクのうち,α=α である成分でもって、磁気異方性に起因するコギングトルクを相殺するための、溝の位置を考察する。
T(θ)のα=αの成分をTα1(θ)、T(θ)のα=αの成分をT α1(θ) とすると、すべてのθに関して(10)式が成立すればよい。
Figure 2015095968
(10)式から(11)式が導かれる。
Figure 2015095968
(11)式から(12)式が導かれる。
Figure 2015095968
(12)式がθに関して常に成立するので、(13)式が導かれる。
Figure 2015095968
(13)式から(14)式が導かれる。
Figure 2015095968
ここで、b α1P /bα1Pの正負の符号に関して場合分けが生じる。
まず、(b α1P /bα1P)>0のとき、(14)式から(15)式が導かれる。
Figure 2015095968
(15)式の左辺第1項と第2項はそれぞれ0以上であるため、(15)式が成立する必要十分条件は、
Figure 2015095968
となる。
次に(b α1P /bα1P)<0のとき、(14)式から(17)式が導かれる。
Figure 2015095968
(17)式の左辺第1項と第2項はそれぞれ0以上であるため、(17)式が成立する必要十分条件は、
Figure 2015095968
となる。
(16)式または(18)式が溝の満たすべき条件である。これらの内|b α1P|、すなわち振幅の大きさは、磁界解析や試作により、溝によるコギングトルクのαP山成分が、元来あるトルクのαP山成分と同等の大きさとなるように溝の幅や寸法を調整し決定する。
溝の位置については、まずは(16)式の位置でコギングトルク低減効果の有無を確認し、αP山成分が増幅してしまう場合は、(18)式の位置に変更すれば確実に低減効果が得られる。つまり、溝の位置は(16)式または(18)式の2通りに限定されるため、計算および試作の回数を減らすことができ効率的である。また、mは数学的に全ての整数をとることができるが、実機の電機子内周面の溝加工位置を考える際、mとm±αPは同じ位置を指すので、mのとりうる値は0以上αP−1 以下の整数に限定できる。
特許文献1の発明では、元来あるコギングトルクに対しπ(rad)ずれた位相を有するコギングトルクが発生する位置に溝を設けるとしているが、溝を設ける具体的位置について開示されていなかった。しかし、本発明では、溝の位置を具体的に限定することができる。
(16)式または(18)式を満たすαP箇所の候補位置のいずれかに溝を設ければ、同等の低減効果が得られる。
図6に例として、P=10、α=2、S=12のときの溝加工の候補位置(αP=20)を示す。
磁気異方性に起因するコギングトルクを抑制するための溝の加工候補位置は、次のように一般化できる。
P極の回転子を備えた回転電機において、電機子鉄心の磁気異方性に起因する第1のコギングトルクを低減するため、低減対象の第1のコギングトルクの脈動回数をαP(αは自然数)とした場合、電機子鉄心の突極上のPとαから求められる位置に溝を設けることで、第1のコギングトルクを打ち消す第2のコギングトルクを発生させることができる。
第2のコギングトルクを発生させる溝の位置は、回転子の回転方向に関し、電機子鉄心の突極の対抗面上において、電機子のコイルに対して鎖交方向の透磁率が最大となる位置を0(rad)とし、0からαP−1までのいずれかの値をとるβ個の整数(βは1からαPまでの自然数)をm,・・・,mβ−1とするとき、その個数はβ個存在し、それぞれの溝の中心位置は((2π/αP)・m,・・・,(2π/αP)・mβ−1)となるか、または、((2π/αP)・m+(π/αP)),・・・,((2π/αP)・mβ−1+(π/αP))となる。
上記の計算では、溝1個でαP山成分をゼロにするための条件を求めたが、これを複数の溝で行ってもよい。αP以下の自然数をβとするとき、|bα1P|=β|b α1P| となるようなβ個の溝を、(16)式または(18)式のαP箇所の候補位置のいずれかのβ箇所に分散配置しても同等の効果が得られる。
以上説明したように、上記のように(16)式または(18)式で設計された溝により、磁気異方性に起因するコギングトルクのαP山成分を相殺できることが明らかとなった。
しかし、この溝により新たにαγP山成分(αγは自然数かつαγ≠α )が発生する可能性がある。特にαが2以上のとき、αγ=1 の成分は極数と同数の成分であるため、たとえ回転子3の起磁力分布が基本波のみで構成されていたとしても、少なからず発生するため、少なくともαγ=1の成分すなわちP山成分の発生は抑制する必要がある。
今、αを2以上の整数とする。(16)式、(18)式より、αP山成分低減のための溝加工候補位置は、2π/αP(rad)毎にαP箇所存在する。αP山成分に関しては、これらのうちいずれの箇所を選択してもコギングトルクが低減できる。
ここでα個の溝を用い、P山成分を相殺することを考える。
ある溝が発生させるコギングトルクP山成分は、(9)式のα=1の成分であるので(19)式で表すことができる。
Figure 2015095968
ここで、t=rPb 、δはこの溝の中心位置である。
0からP−1までのいずれかの値をとるα−1個の整数をλ,λ,・・・,λα1−1とし、この溝から[(2π/αP)+(2π/P)λ](rad),[(2π/αP)・2+(2π/P)λ](rad),・・・,[(2π/αP)・(α−1)+(2π/P)λα1−1](rad)離れた位置にそれぞれ同じ大きさの溝を1つずつ設けたときのそれぞれのコギングトルクP山成分は、(20)式で表される。
Figure 2015095968
(19)式および(20)式の各式の和が、α個の溝が発生させるP山成分であり、これをT (θ)とする。(20)式の各々のλ,λ,・・・,λα1−1に関する項は、P山成分の周期性より消去できることを考慮すると、T (θ)は(21)式となる。
Figure 2015095968
(21)式の右辺の各項を正弦関数の定義に則り、円周上の各点に対応させると、図7のようになる。T (θ)は、図7の原点と円周上の各点を結ぶベクトルの和に対応するので、図形の対称性より、(22)式が成立する。
Figure 2015095968
次に、αγ=1以外の成分について帰納的に考える。α個の溝を設けたとき、αγP山成分Tαγ(θ)は(23)式で表される。
Figure 2015095968
(23)式を図7と同じく円周上でベクトル的に考察すると、右辺のそれぞれの項に対応するべクトルは、αγ周分の円周上の道のりをα等分した点に相当するので、αγがαの整数倍でない限りは、(23)式の右辺も0となる。
結局、元々の低減対象であったαP山成分以外で、溝により新たに発生する可能性のある成分は、qαP山成分(qは2以上の整数)のみであり、高次になればなるほど、その振幅は小さくなる傾向にある。
すなわち、溝により新たに別調波のコギングトルクが発生することを抑制できる。
上記の説明で導き出したα個の溝の位置を以降、「180度低減位置」と呼ぶ。
図8に例として、P=10、α=2、S=12、(b α1P /bα1P)>0のときの180度低減位置を示す。図8は、具体的には、図7の溝加工候補位置のうち、溝により新たに余分な別成分のコギングトルクが発生することを抑制できる加工位置の組み合わせを示す。図8において、●と■をそれぞれ同じ数ずつ選択することで20q山成分を低減できる。
なお、(19)式、(20)式で表されるα個の溝の組み合わせは、n組(nは1からPまでの自然数)作ることができる。つまりnα個の溝でqαP山成分(qは2以上の整数)以外の発生を抑制することができる。
磁気異方性に起因するコギングトルクを抑制するための溝の180度低減位置は、次のように一般化できる。
回転子の回転方向に関し、電機子鉄心の突極の対抗面上において、電機子のコイルに対して、0からP−1までのいずれかの値をとるnα個の整数(nは1からPまでの自然数)をm10,・・・,m1(α−1),・・・,mn0,・・・,mn(α−1)とするとき、その溝の個数はnα個存在し、それぞれの溝の中心位置が(2π/αP)・(0+αm10),・・・,(2π/αP){(α−1)+αm1(α−1)},・・・,(2π/αP)・(0+αmn0),・・・,(2π/αP){(α−1)+αmn(α−1)}となるnα個の溝から成り立つか、または、(2π/αP)・(0+αm10)+(π/αP),・・・,(2π/αP){(α−1)+αm1(α−1)}+(π/αP),・・・,(2π/αP)・(0+αmn0)+(π/αP),・・・,(2π/αP){(α−1)+αmn(α−1)}+(π/αP)となるnα個の溝から成り立つ。
ところで、磁気異方性に起因するコギングトルクは電機子鉄心や回転子の寸法、材質を変更しなければ、どの個体も同等の大きさのものが発生する。このため、一度試作で溝の寸法および位置を決定しておけば、量産時は予め電機子鉄心の打ち抜き工程において、金型に溝形状を仕込んでおくことで、αP山成分の小さい製品ができる。
特許文献1の発明では、コギングトルク低減のための溝の寸法は、幅が0.5mm以下、深さが0.3mmであることが好ましいとしている。しかし、溝の加工誤差による低減効果のばらつきに対する対処方法が明らかにされていない。
大量生産される回転電機の電機子鉄心は、電磁鋼板を金型とプレス機械で所望の形状に打ち抜き、それらを積層して製作され、電磁鋼板の板厚は0.5mmまたは0.3mmであることが多い。一般にプレス金型による打ち抜き加工において板厚以下の寸法をコントロールすることは難しいとされているので、上記寸法の溝加工はばらつきが大きくなると考えられる。
特許文献1の発明では、溝により発生するコギングトルクが、元来あるコギングトルクの位相に対して180度ずれているため、溝寸法のばらつきによる影響が、コギングトルクの総量に直結する。例えば、溝加工寸法が大きい側に振れたとき、溝によるコギングトルクの振幅が、元来あるコギングトルクの振幅を上回り、元来あるコギングトルクとは逆位相のコギングトルクが発生してしまう。
しかし、特許文献1にも記述されている通り、これらの溝の寸法は、経験的にコンマ数ミリのオーダーになることが多く、金型におけるパンチ・ダイの加工誤差やチッピングによりコギングトルク低減効果にばらつきが生じる。ばらつきの影響を小さくするためには、溝数を増やす、すなわちsα個(sは2以上の整数)の溝を設けることが有効であるが、低減すべきαP山成分の大きさは一定であるので、溝1つ当たりが担うコギング低減量が小さくなり、そのためさらに溝寸法が小さくなり加工が困難になる。
そこで、溝の寸法を小さくすることなく、溝の数を増やす方法を検討する。
(16)式および(18)式は、磁気異方性に起因するコギングトルクを、溝1箇所で相殺する場合の必要十分条件であり、このとき溝に起因するコギングトルクのαP山成分T α1(θ)は、(24)式で表される。
Figure 2015095968
(24)式が成立する必要十分条件は、(25)式または(26)式である。
Figure 2015095968
Figure 2015095968
いま、(24)式のトルクを2つの溝で発生させることを考える。図9の円周1周は、2π/αP (rad)に相当するとし、円周上でかつ0(rad)の位置を元来あるコギングトルクのαP山成分を表すベクトルとする。このとき、T α1(θ)は、図9中のベクトルaで表される。
ここで、ベクトルaに対してそれぞれ+ζ(rad)、−ζ(rad)離れたベクトルb、cを考える。ベクトルb、cのベクトルの和は、ベクトルaと同一の方向を向く。
ここで、ζはずらし角度であり、実数である。
これらを数式で表せば次のようになる。ベクトルb、cに対応するコギングトルクをそれぞれT bα1(θ)、T cα1(θ)とすると、T bα1(θ)、T cα1(θ)およびこれらの和T bα1(θ)+T cα1(θ)は(27)式から(29)式のように表される。
Figure 2015095968
Figure 2015095968
Figure 2015095968
(29)式が、(24)式と等しくなる必要十分条件は(30)式となる。
Figure 2015095968
つまり、(30)式が成立するように2つの溝の寸法および溝の位置ζを調整すれば、αP山成分の低減に関し、180度低減候補位置の溝と同等の効果を得ることができる。特に、ζ=π/3 とすれば、2cosζ=1となるので、(31)式が成立する。
Figure 2015095968
すなわち、180度低減候補位置で決定した溝と同じ寸法の溝で、2個の溝を使用して同等の効果(磁気異方性に起因するコギングトルクを低減し、かつqαP山成分(qは2以上の整数)以外の溝によるコギングトルクの発生を抑制することができる)を得ることができる。
ところで、180度低減候補位置が、2π/αP(rad)毎にαP箇所あったことと同様に、ずらし角度ζ(rad)に対する溝候補位置は、b方向にαP箇所、c方向にαP箇所存在する。
すなわち、αP箇所の180度低減候補位置からβ個(βはαP以下の自然数)の箇所を選んで、同じ寸法のβ個の溝でコギングトルクのαP山成分を相殺できるとき、それらの溝の位置に対してそれぞれ+方向、−方向にそれぞれζ/αP(rad)ずらした2β箇所の位置に、(30)式を満たす寸法の溝を設ければ、180度低減候補位置における溝の2倍の溝で、同等の効果を得ることができる。
特に、β=αとし、180度低減位置すなわち、0からP−1までのいずれかの値をとるα−1個の整数をλ,λ,・・・,λα1−1 とし、180度低減候補位置にある、ある1つの溝と、この溝から(2π/αP+(2π/P)λ)(rad)、((2π/αP)・2+(2π/P)λ)(rad) … ((2π/αP)・(α−1)+(2π/P)λα1−1)(rad)離れた位置にそれぞれ同じ大きさの溝を1つずつ設ける場合を仮想したとき(ただし、実際には設けない)、これらα箇所の溝の位置からそれぞれ+方向、−方向にそれぞれ(ζ/αP)(rad)ずらした2α個の溝を設けた場合でも、180度低減位置と同様の効果、すなわちqαP山成分(qは2以上の整数)以外の成分は相殺することができる。ここで、その例として図10を示す。
なお、上記で表される2α個の溝の組み合わせは、あるζに対してn組(nは1からPまでの自然数)作ることができる。つまり2nα個の溝でqαP山成分(qは2以上の整数)以外の発生を抑制することができる。なお、図10ではαを4としている。
いま、図10の円周1周は、(2π/αP)(rad)に相当するとし、円周上でかつ0(rad)の位置を元来あるコギングトルクのαP山成分を表すベクトルとする。上記の180度低減位置にあるα個の溝の群を便宜上A群と呼ぶ。A群の溝が生み出すαP山成分は、大きさが円の半径の1/αで角度がπ(rad)であるα個のベクトルの和(図10のA)である。
ここでA群の代わりにB群、C群のようなベクトルを考える。すなわち、B群、C群のベクトルの和がA群のベクトル和と等しくなれば、同等の低減効果が得られる。
B群、C群はそれぞれα個の溝で構成され、それらの位置は、180度低減位置よりも図10上ではそれぞれ+π/3(rad)、−π/3(rad)ずれている。
図10の円一周は(2π/αP)(rad)に相当するので、実際の溝の位置は180度低減位置よりもそれぞれ+(π/3αP)(rad)、−(π/3αP)(rad)ずれている。
一方、群内の溝の位置関係は(19)式、(20)式における溝の位置関係と同様の関係にあるので、これらの溝によりqαP山成分以外の成分は発生しない。A群の溝の代わりにB群とC群の位置に溝を配置することで、A群に溝を設けたときと同じ寸法の溝で溝の数を2倍に増やすことができる。このため、溝1箇所当たりのαP山成分への影響度を下げることができるため、コギングトルクが小さく、また溝寸法ばらつきに強い電機子2を得ることができる。
図11に例として、P=10、α=2、S=12のときのB群、C群の溝加工の候補位置を示す。
図11において、●と■と○と□をそれぞれ同じ数ずつ選択することで磁気異方性に起因するコギングトルク山成分を低減でき、かつ設けた溝によるqαP山成分以外のコギングトルクは発生しない。
図10では溝の数は2α個の例を挙げたが、加工精度が許す限り溝寸法を小さくしていけば、2nα(n=1、2、・・・、P)個の溝でも実現可能である。図12では例として、P=10、α=2、S=12のときのB群、C群の溝加工位置を示す。図11の候補位置の中から、●、■、○、□がそれぞれ同数となり、かつ各突極当たりの溝数を同数とし、かつスロット7部に近い加工位置を避けるようにして選択した。
突極当たりの溝数を同一にしたのは、3相交流の作り出す回転磁界にアンバランスができトルクリップルが生じるのを避けるためである。また、スロットに近い加工位置を避けたのは、溝の効果を安定させるためである。
磁気異方性に起因するコギングトルクを抑制するため、(16)式または(18)式の条件を満たす溝(A群)に対して、B群、C群の溝を設ける場合の溝の加工位置は、次のように一般化できる。
回転子の回転方向に関し、電機子鉄心の突極の対抗面上において、電機子のコイルに対して、ある自然数をαとし、0からαP−1までのいずれかの値をとる2β個の整数(βは1からαPまでの自然数)をm,・・・,mβ−1, λ,・・・,λβ−1とし、ある実数ζが0<ζ<π/2を満たすとき、その個数は2β個存在し、それぞれの溝の中心位置が((2π/αP)・ λ+ζ/αP),・・・,((2π/αP)・ λβ−1+ζ/αP)となるβ個の溝と、((2π/αP)・ m−ζ/αP),・・・,((2π/αP)・ mβ−1−ζ/αP)となるβ個の溝とから成り立つか、または、((2π/αP)・ λ+ζ/αP+π/αP),・・・,((2π/αP)・ λβ−1+ζ/αP+π/αP)となるβ個の溝と((2π/αP)・ m−ζ/αP+π/αP),・・・,((2π/αP)・ mβ−1−ζ/αP+π/αP)となるβ個の溝とから成り立つ。
また、磁気異方性に起因するコギングトルクを抑制するための180度低減位置の溝(A群)に対しては、B群、C群の溝を設ける場合の溝の加工位置は次のように一般化できる。
回転子の回転方向に関し、電機子鉄心の突極の対抗面上において、電機子のコイルに対して、ある自然数をαとし、0からP−1までのいずれかの値をとる2nα個の整数(nは1からPまでのいずれかの自然数)をm10,・・・,m1(α−1),・・・,mn0,・・・,mn(α−1),λ10,・・・,λ1(α−1),・・・,λn0,・・・,λn(α−1)とし、ある実数ζが0<ζ<π/2を満たすとき、その個数は2nα個存在し、それぞれの溝の中心位置が(2π/αP)・(0+αλ10)+ζ/αP,・・・,(2π/αP)・{(α−1)+αλ1(α−1)}+ζ/αP,・・・,(2π/αP)・(0+αλn0)+ζ/αP,・・・,(2π/αP){(α−1)+αλn(α−1)}+ζ/αPとなるnα個の溝と(2π/αP)・(0+αm10)−ζ/αP,・・・,(2π/αP)・{(α−1)+αm1(α−1)}−ζ/αP,・・・,(2π/αP)・(0+αmn0)−ζ/αP,・・・,(2π/αP){(α−1)+αmn(α−1)}−ζ/αPとなるnα個の溝とから成り立つか、または、(2π/αP)・(0+αλ10)+ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP)・{(α−1)+αλ1(α−1)}+ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP)・(0+αλn0)+ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP){(α−1)+αλn(α−1)}+ζ/αP+π/αPとなるnα個の溝と(2π/αP)・(0+αm10)−ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP)・{(α−1)+αm1(α−1)}−ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP)・(0+αmn0)−ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP){(α−1)+αmn(α−1)}−ζ/αP+π/αPとなるnα個の溝とから成り立つ。
以上説明したように、実施の形態1の回転電機は、磁気異方性に起因するコギングトルクを電機子鉄心の突極上に溝を設けることによって低減し、かつ溝の加工位置を限定できるものである。
1つの溝で磁気異方性に起因するコギングトルクを低減する溝加工を回転電機に適用すれば、最小限の溝加工を行うことで、磁気異方性に起因するコギングトルクを低減できる。
また、2つの溝で磁気異方性に起因するコギングトルクを低減する溝加工を回転電機に適用すれば、溝による新たな別調波のコギングトルクの発生を抑制することができる。
さらに、溝の寸法を小さくすることなく溝の数を増やすために、磁気異方性に起因するコギングトルクを低減する溝によるコギングトルクとベクトル的に同一となる2つの溝を設ける溝加工を回転電機に適用すれば、溝の寸法誤差や溝加工のばらつきによる低減効果のばらつきを抑制することができる。
さらに、以上のように実施の形態1の回転電機では、回転電機の小型化を図ることができると共に、生産工程の簡素化を図ることができる。
実施の形態2.
実施の形態1の回転電機では、磁気異方性に起因するコギングトルクを低減する溝の寸法を小さくすることなく溝の数を増やすために、ベクトル的に同一となる2つの溝を設ける溝加工において、ずらし角度ζをπ/3の場合の例を説明した。実施の形態2では、ずらし角度ζを0<ζ<π/3としたものである。
以下、実施の形態2の回転電機の構成、動作について、回転電機に係る溝加工位置を表すベクトル図である図13に基づいて、実施の形態1との差異を中心に説明する。
図13は実施の形態2に係る溝加工位置を表すベクトル図である。実施の形態1の図10では溝の加工寸法をA,B,C群ともに同一としていた。ただし、実際にはA群の位置には溝加工せず、A群と同一というのはB,C群の溝加工を考える上での仮想上の表現である。
本実施の形態2では、その制約をなくし、溝加工位置を±(π/3αP)(rad)からずらすことで、2αP山の発生を抑制することを目的とする。特に、本実施の形態2では、溝加工位置を(π/3αP)(rad)から狭めることを検討する。なお、図13ではαを4としている。
図13において、B群およびC群の溝に起因して生じるコギングトルクの2αP成分は、(9)式のα=2αのときとして表現でき、(32)式、(33)式で表すことができる。
Figure 2015095968
Figure 2015095968
これらの和をとると、(34)式となる。
Figure 2015095968
(34)式が0となるとき、すなわち2αP山成分が相殺される必要十分条件は、(35)式で表される。
Figure 2015095968
(35)式から(36)式が得られる。
Figure 2015095968
ここで、nは整数である。
つまり180度低減位置よりB群は−(π/4αP)(rad)、C群は+(π/4αP)(rad)ずらすことで、2αP山成分が相殺される。ここで、図13(a)のようにB、C群の溝の大きさを実施の形態1の図10と同様に同じ大きさにすると、B、C群の合成ベクトルの大きさは、A群のものより大きくなってしまう。そこで、図13(b)のように実施の形態1よりも溝加工寸法を小さくすることで、αP山成分を低減し、さらに次の次数である2αP山の発生を抑制できる溝配置が実現する。
以上説明したように、実施の形態2の回転電機は、磁気異方性に起因する第1のコギングトルクを低減するための溝による第2のコギングトルクと、ベクトル的に同一となる2つの溝を設け、ずらし角度ζを0<ζ<π/3としたものである。このため、実施の形態1の回転電機と同様に磁気異方性に起因するコギングトルクを低減することができる。
さらに、溝の寸法を小さくすることなく溝の数を増やすることができ、溝の寸法誤差や溝加工のばらつきによる低減効果のばらつきを抑制できる。
実施の形態3.
実施の形態1の回転電機では、磁気異方性に起因するコギングトルクを低減する溝の寸法を小さくすることなく溝の数を増やすために、ベクトル的に同一となる2つの溝を設ける溝加工において、ずらし角度ζをπ/3とし、実施の形態2ではずらし角度ζを0<ζ<π/3とした。実施の形態3の回転電機は、ずらし角度ζをπ/3<ζ<π/2とし、溝数を2倍以上としたものである。
以下、実施の形態3の回転電機の構成、動作について、回転電機に係る溝加工位置を表すベクトル図である図14に基づいて、実施の形態1、2との差異を中心に説明する。
図14は実施の形態3に係る溝加工位置を表すベクトル図である。実施の形態2とは異なり、A群に溝を設けたときと同じ寸法のまま溝数を2倍以上にすることを目的とする。
B郡、C群の溝加工位置が±(π/3αP)(rad)よりさらに広がる方向に移動させることで、溝寸法を変えずに溝数を2nα(n=1,2,・・・,P)倍にできる。なお、図14ではαを4としている。
このときの加工位置を±(ζ/αP)(rad)とすると、B群、C群の溝によるコギングトルクαP山成分は(37)式から(39)式で表される。
Figure 2015095968
Figure 2015095968
Figure 2015095968
ここで、溝の寸法がA群と同じであることから
α1P =b α1P
である。この条件の元で、(39)式の右辺がA群の合成ベクトルと等しくなる必要十分条件は、(40)式で表される。(41)式の通りとなる。
Figure 2015095968
(40)式から(41)式が得られる。
Figure 2015095968
溝数をαの整数倍で増やすことにより、qαP山成分(qは2以上の整数)以外の成分の発生を抑制しつつ、溝寸法のばらつきによる影響を、実施の形態1の場合よりも減らすことができる。
以上説明したように、実施の形態3の回転電機は、磁気異方性に起因するコギングトルクを低減する溝によるコギングトルクとベクトル的に同一となる2つの溝を設け、このずらし角度ζをπ/3<ζ<π/2としたものである。このため、実施の形態1の回転電機と同様に磁気異方性に起因するコギングトルクを低減することができる。
さらに、溝の寸法を小さくすることなく溝の数を2倍以上に増やすることができ、溝の寸法誤差や溝加工のばらつきによる低減効果のばらつきを抑制できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1 回転電機、2 電機子、3 回転子、4 電機子鉄心、5 磁極、6 溝、
7 スロット、8 回転子シャフト。

Claims (8)

  1. 複数の突極に巻回された複数のコイルに順次通電することにより回転磁界が得られるように構成された磁気異方性を有する電機子鉄心と、前記電機子鉄心と空隙を介して対向配置されたP極(Pは正の2の倍数)の磁極を有し、前記電機子鉄心の電機子との間に生じる電磁力によりトルクが発生するように構成された界磁を有する回転子を備えた回転電機において、
    前記電機子鉄心の磁気異方性に起因する第1のコギングトルクを低減するために前記電機子鉄心の突極上に溝を設ける場合、
    低減対象の前記第1のコギングトルクの脈動回数をαP(αは自然数)とすると、
    前記第1のコギングトルクを低減する第2のコギングトルクを発生させる溝の位置は、前記電機子鉄心の突極上の前記Pと前記αから求められる回転電機。
  2. 前記第2のコギングトルクを発生させる溝は、
    前記回転子の回転方向に関し、前記電機子鉄心の突極の対抗面上において、前記電機子のコイルに対して鎖交方向の透磁率が最大となる位置を0radとし、0からαP−1までのいずれかの値をとるβ個の整数(βは1からαPまでの自然数)をm,・・・,mβ−1とするとき、前記溝の個数はβ個存在し、それぞれの前記溝の中心位置は(2π/αP)・m,・・・,(2π/αP)・mβ−1となるβ個の溝から成り立つか、
    または、((2π/αP)・m+(π/αP)),・・・,((2π/αP)・mβ−1+(π/αP))となるβ個の溝から成り立つ請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記第2のコギングトルクを発生させる溝は、
    前記回転子の回転方向に関し、前記電機子鉄心の突極の対抗面上において、前記電機子のコイルに対して鎖交方向の透磁率が最大となる位置を0radとし、0からP−1までのいずれかの値をとるnα個の整数(nは1からPまでの自然数)をm10,・・・,m1(α−1),・・・,mn0,・・・,mn(α−1)とするとき、前記溝の個数はnα個存在し、それぞれの前記溝の中心位置が(2π/αP)・(0+αm10),・・・,(2π/αP){(α−1)+αm1(α−1)},・・・,(2π/αP)・(0+αmn0),・・・,(2π/αP){(α−1)+αmn(α−1)}となるnα個の溝から成り立つか、
    または、(2π/αP)・(0+αm10)+(π/αP),・・・,(2π/αP){(α−1)+αm1(α−1)}+(π/αP),・・・,(2π/αP)・(0+αmn0)+(π/αP),・・・,(2π/αP){(α−1)+αmn(α−1)}+(π/αP)となるnα個の溝から成り立つ請求項1に記載の回転電機。
  4. 前記第2のコギングトルクを発生させる溝は、
    前記回転子の回転方向に関し、前記電機子鉄心の突極の対抗面上において、前記電機子のコイルに対して鎖交方向の透磁率が最大となる位置を0radとし、0からαP−1までのいずれかの値をとる2β個の整数(βは1からαPまでの自然数)をm,・・・,mβ−1, λ,・・・,λβ−1とし、ある実数ζが0<ζ<π/2を満たすとき、前記溝の個数は2β個存在し、それぞれの前記溝の中心位置が((2π/αP)・ λ+ζ/αP),・・・,((2π/αP)・ λβ−1+ζ/αP)となるβ個の溝と((2π/αP)・ m−ζ/αP),・・・,((2π/αP)・ mβ−1−ζ/αP)となるβ個の溝とから成り立つか、
    または、((2π/αP)・ λ+ζ/αP+π/αP),・・・,((2π/αP)・ λβ−1+ζ/αP+π/αP)となるβ個の溝と((2π/αP)・ m−ζ/αP+π/αP),・・・,((2π/αP)・ mβ−1−ζ/αP+π/αP)となるβ個の溝とから成り立つ請求項1に記載の回転電機。
  5. 前記第2のコギングトルクを発生させる溝は、
    前記回転子の回転方向に関し、前記電機子鉄心の突極の対抗面上において、前記電機子のコイルに対して鎖交方向の透磁率が最大となる位置を0radとし、0からP−1までのいずれかの値をとる2nα個の整数(nは1からPまでのいずれかの自然数)をm10,・・・,m1(α−1),・・・,mn0,・・・,mn(α−1),λ10,・・・,λ1(α−1),・・・,λn0,・・・,λn(α−1)とし、ある実数ζが0<ζ<π/2を満たすとき、前記溝の個数は2nα個存在し、それぞれの前記溝の中心位置が(2π/αP)・(0+αλ10)+ζ/αP,・・・,(2π/αP)・{(α−1)+αλ1(α−1)}+ζ/αP,・・・,(2π/αP)・(0+αλn0)+ζ/αP,・・・,(2π/αP){(α−1)+αλn(α−1)}+ζ/αPとなるnα個の溝と(2π/αP)・(0+αm10)−ζ/αP,・・・,(2π/αP)・{(α−1)+αm1(α−1)}−ζ/αP,・・・,(2π/αP)・(0+αmn0)−ζ/αP,・・・,(2π/αP){(α−1)+αmn(α−1)}−ζ/αPとなるnα個の溝とから成り立つか、
    または、(2π/αP)・(0+αλ10)+ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP)・{(α−1)+αλ1(α−1)}+ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP)・(0+αλn0)+ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP){(α−1)+αλn(α−1)}+ζ/αP+π/αPとなるnα個の溝と(2π/αP)・(0+αm10)−ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP)・{(α−1)+αm1(α−1)}−ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP)・(0+αmn0)−ζ/αP+π/αP,・・・,(2π/αP){(α−1)+αmn(α−1)}−ζ/αP+π/αPとなるnα個の溝とから成り立つ請求項1に記載の回転電機。
  6. 前記ζは、ζ=π/3である請求項4または請求項5に記載の回転電機。
  7. 前記ζは、0<ζ<π/3である請求項4または請求項5に記載の回転電機。
  8. 前記ζは、π/3<ζ<π/2である請求項4または請求項5に記載の回転電機。
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