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JP2015076201A - 高分子電解質膜の製造方法及び高分子電解質膜の製造装置 - Google Patents

高分子電解質膜の製造方法及び高分子電解質膜の製造装置 Download PDF

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JP2015076201A
JP2015076201A JP2013210464A JP2013210464A JP2015076201A JP 2015076201 A JP2015076201 A JP 2015076201A JP 2013210464 A JP2013210464 A JP 2013210464A JP 2013210464 A JP2013210464 A JP 2013210464A JP 2015076201 A JP2015076201 A JP 2015076201A
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microporous membrane
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electrolyte membrane
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JP2013210464A
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政敏 本多
Masatoshi Honda
政敏 本多
了 関根
Satoru Sekine
了 関根
悟 高橋
Satoru Takahashi
悟 高橋
軌人 田中
Norihito Tanaka
軌人 田中
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Asahi Kasei E Materials Corp
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Abstract

【課題】張力を制御した微多孔膜に、基材フィルムで支持された高分子電解質溶液を接触させることで、厚みが均一で、均質的な高分子電解質膜を連続的に製造する方法、及び当該方法に用いうる製造装置を提供することを目的とする。
【解決手段】基材フィルム上に高分子電解質溶液を塗工する第1の塗工工程と、
前記高分子電解質溶液が塗工された前記基材フィルム面上に、0.01〜0.1kgf/cmの張力をかけた微多孔膜を接触させることにより、前記微多孔膜に前記高分子電解質溶液を含浸させる含浸工程と、
前記高分子電解質溶液が含浸した前記微多孔膜を150℃以下で乾燥して高分子電解質膜を得る乾燥工程と、を含む、
高分子電解質膜の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子電解質膜の製造方法及び高分子電解質膜の製造装置に関する。
燃料電池は、電池内で、水素、メタノール等の燃料を電気化学的に酸化することによって、燃料の化学エネルギーを直接、電気エネルギーに変換して取出すものであり、クリーンな電気エネルギー供給源として注目されている。特に、固体高分子電解質型燃料電池は、他の燃料電池と比較して低温で作動することから、自動車代替動力源、家庭用コジェネレーションシステム、携帯用発電機等として期待されている。
このような固体高分子電解質型燃料電池は、電極触媒層(アノード触媒層、カソード触媒層)とガス拡散層とを積層した構成を有するガス拡散電極が、高分子電解質膜の両面に接合された膜電極接合体を少なくとも備えている。
燃料電池の開発においては、エネルギー効率の更なる向上が求められており、電池の内部抵抗を小さくし、出力をより高くするという観点から、高分子電解質膜の薄膜化が検討されている。しかし、高分子電解質膜を薄膜化すると膜のガスバリア隔壁としての効果が低下するため、クロスリークが発生し易くなる。
また、高分子電解質膜を薄膜化することで、膜自体の機械的強度が低下するため、膜電極接合体の作製やセルの組立て作業において膜の取扱い性が悪くなり、カソード側で発生した水を含んで寸法変化することで破膜し易くなるという問題がある。
そこで、このような問題を解決するために、微多孔膜の空隙に高分子電解質を充填した高分子電解質膜が提案されている(特許文献1〜2参照)。
しかし、その製造方法は、何れも短小膜のバッチ生産に関するものであり、連続生産性を考慮したものではなかった。
また、高分子電解質膜の連続製造方法としては、微多孔膜に高分子電解質溶液を塗工する方法(特許文献3)、基材フィルム上に高分子電解質溶液を塗工した後に微多孔膜を含浸させる方法(特許文献4)が提案されている。
特許4402625号公報 国際公開第2012/046777号パンフレット 特許4493287号公報 特許4796123号公報
しかしながら、特許文献3に記載された高分子電解質膜の製造方法は、基材に支持されていない微多孔膜に高分子電解質溶液を直接塗工するため、孔径が大きく、空孔率が高く、伸び易い微多孔膜においては、塗工厚みの制御が難しく、均一厚みの高分子電解質膜を安定して得るのに問題がある。また、特許文献4に記載された高分子電解質膜の製造方法は、微多孔膜にシワや弛みが発生しやすく、均質的な高分子電解質膜を安定して得るのに改善の余地がある。
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、張力を制御した微多孔膜に、基材フィルムで支持された高分子電解質溶液を接触させることで、厚みが均一で、均質的な高分子電解質膜を連続的に製造する方法、及び当該方法に用いうる製造装置を提供することを目的とする。
また、微多孔膜は、張力を制御することで、配向が緩和せずに高分子電解質溶液を含浸することができるので、高分子電解質膜の膨潤が抑制できる。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明を成すに至った。即ち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕
基材フィルム上に高分子電解質溶液を塗工する第1の塗工工程と、
前記高分子電解質溶液が塗工された前記基材フィルム面上に、0.01〜0.1kgf/cmの張力をかけた微多孔膜を接触させることにより、前記微多孔膜に前記高分子電解質溶液を含浸させる含浸工程と、
前記高分子電解質溶液が含浸した前記微多孔膜を150℃以下で乾燥して高分子電解質膜を得る乾燥工程と、を含む、
高分子電解質膜の製造方法。
〔2〕
前記含浸工程後、前記乾燥工程前に、前記微多孔膜に前記高分子電解質溶液を塗工する第2の塗工工程をさらに含む、前項〔1〕に記載の高分子電解質膜の製造方法。
〔3〕
前記高分子電解質溶液の粘度が、100〜2000mPa・sである、前項〔1〕又は〔2〕に記載の高分子電解質膜の製造方法。
〔4〕
基材フィルムに高分子電解質溶液を塗工する第1塗工ユニットと、
前記高分子電解質溶液が塗工された前記基材フィルム面上に、微多孔膜を接触させ、前記微多孔膜に前記高分子電解質溶液を含浸させる接触ユニットと、
前記微多孔膜の張力を検出する検出ユニットと、
前記微多孔膜の張力を制御する制御ユニットと、
前記高分子電解質溶液が含浸した前記微多孔膜を乾燥させる乾燥ユニットと、を備える、高分子電解質膜製造装置。
〔5〕
前記微多孔膜を乾燥させる前に、前記高分子電解質溶液が含浸した前記微多孔膜に高分子電解質溶液を塗工する第2塗工ユニットをさらに備える、前項〔4〕に記載の高分子電解質膜製造装置。
本発明によれば、厚みが均一で、均質的な高分子電解質膜を連続的に製造する方法、及び当該方法に用いうる製造装置を提供することができる。
本実施形態に係る高分子電解質膜の製造方法で用いられる高分子電解質膜の製造装置の第1の態様の概略図である。 本実施形態に係る高分子電解質膜の製造方法で用いられる高分子電解質膜の製造装置の第2の態様の概略図である。 実施例1により得られた高分子電解質膜の光学顕微鏡による表面写真と断面SEM像の一例である。 比較例1により得られた高分子電解質膜の光学顕微鏡による表面写真と断面SEM像の一例である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔高分子電解質膜の製造方法〕
本実施形態に係る高分子電解質膜の製造方法は、
基材フィルム上に高分子電解質溶液を塗工する第1の塗工工程と、
前記高分子電解質溶液が塗工された前記基材フィルム面上に、0.01〜0.1kgf/cmの張力をかけた微多孔膜を接触させることにより、前記微多孔膜に前記高分子電解質溶液を含浸させる含浸工程と、
前記高分子電解質溶液が含浸した前記微多孔膜を150℃以下で乾燥して高分子電解質膜を得る乾燥工程と、を含む。
〔第1の塗工工程〕
第1の塗工工程は、基材フィルム上に高分子電解質溶液を塗工する工程である。以下、第1の塗工工程について図1及び図2を参照して説明する。
図1及び図2に、本実施形態に係る高分子電解質膜の製造方法で用いられる高分子電解質膜の製造装置の第1の態様及び第2の態様の概略図を示す。
製造装置100は、基材フィルム01に高分子電解質溶液03を塗工した後、高分子電解質溶液03が塗工された基材フィルム01面上に、張力制御した微多孔膜02を接触させることにより、微多孔膜02に高分子電解質溶液03を含浸させ、高分子電解質溶液03が含浸した微多孔膜02を乾燥させて高分子電解質膜05を連続的に製造する装置である。
この製造装置100は、基材フィルム01を供給する繰出機20と、基材フィルム01に高分子電解質溶液03を塗工する第1塗工ユニット10と、微多孔膜02の張力を検出するテンションピックアップロール22(検出ユニット)と、供給する微多孔膜02の張力を制御する繰出機21(制御ユニット)と、高分子電解質溶液03が塗工された基材フィルム01面上に、微多孔膜02を接触させる貼合せロール23(接触ユニット)と、高分子電解質溶液03が含浸した微多孔膜02を乾燥させる乾燥ユニット30と、乾燥された高分子電解質膜05を巻取る巻取機24と、を備えている。
製造装置200は、基材フィルム01に高分子電解質溶液03を塗工した後、高分子電解質溶液03が塗工された基材フィルム01面上に、張力制御した微多孔膜02を接触させることにより、微多孔膜02に高分子電解質溶液03を含浸させ、さらに、高分子電解質溶液03が含浸した微多孔膜02に高分子電解質溶液03を塗工した後、高分子電解質溶液03が含浸した微多孔膜02を乾燥させて高分子電解質膜05を連続的に製造する装置である。
この製造装置200は、基材フィルム01を供給する繰出機20と、基材フィルム01に高分子電解質溶液03を塗工する第1塗工ユニット10と、微多孔膜02の張力を検出するテンションピックアップロール22(検出ユニット)と、供給する微多孔膜02の張力を制御する繰出機21(制御ユニット)と、高分子電解質溶液03が塗工された基材フィルム01面上に、微多孔膜02を接触させる貼合せロール23(接触ユニット)と、さらに、高分子電解質溶液03が含浸した微多孔膜02に高分子電解質溶液04を上塗りする第2塗工ユニット11と、高分子電解質溶液03,04が含浸した微多孔膜02を乾燥させる乾燥ユニット30と、乾燥された高分子電解質膜05を巻取る巻取機24と、を備えている。
製造装置100,200において、繰出機20は、基材フィルム01が巻かれたロールを有しており、ロールが回転することにより基材フィルム01を貼合せロール23に供給する。
製造装置100,200において、繰出機21は、微多孔膜02が巻かれたロールを有しており、ロールが回転することにより微多孔膜02を貼合せロール23に供給する。
(第1塗工ユニット)
第1の塗工工程は第1塗工ユニットにより行なうことができる。第1塗工ユニットは、基材フィルムに高分子電解質溶液を塗工するユニットである。具体的には、第1塗工ユニット10は、貼合せロール23に供給された基材フィルム01上に高分子電解質溶液03を基材フィルム01の幅方向に高精度塗工できるスロットダイを有している。第1塗工ユニット10は、ダイのスロット(隙間)から高分子電解質溶液03を吐出し、一方で基材フィルム01は貼合せロール23で保持しつつ走行させ、ダイと基材フィルム01の間に液溜りを形成しながら基材フィルム01上に高分子電解質溶液03を塗工する。高分子電解質溶液03の塗工液層の厚みは、ダイに供給する高分子電解質溶液03の流量と基材フィルム01の走行速度で調整することができる。
尚、厚みが均一で、均質的な高分子電解質膜を連続的に製造する際の塗工速度は、通常2.5±2.0m/分が好ましく、2.0±1.5m/分がより好ましく、1.5±1.0m/分がさらに好ましい。
尚、基材フィルム01に高分子電解質溶液03を塗工する方式としては、特に限定されないが、例えば、スロットダイ以外にもグラビアコーター、バーコーター、ロールコーター、ドクターコーター、PDNコーター、ブレードコーター、含浸コーター等の様々な方式が挙げられる。これら方式は、作製したい塗工液層の厚み、塗工液等の材料の物性、塗工条件を考慮して、適宜選択できる。
高分子電解質溶液の粘度は、好ましくは100〜2000mPa・sであり、より好ましくは200〜2000mPa・sであり、さらに好ましくは150〜2000mPa・sである。粘度が2000mPa・s以下であることにより、高分子電解質溶液が微多孔膜へ含浸し易くなる傾向にある。また、粘度が100mPa・s以上であることにより、幅方向の塗工がより均一となる傾向にある。なお、粘度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
〔含浸工程〕
含浸工程は、高分子電解質溶液が塗工された基材フィルム面上に、0.01〜0.1kgf/cmの張力をかけた微多孔膜を接触させることにより、微多孔膜に高分子電解質溶液を含浸させる工程である。
(接触ユニット)
含浸工程は、接触ユニット、検出ユニット、及び制御ユニットにより行なうことができる。接触ユニットは、高分子電解質溶液が塗工された基材フィルム面上に、微多孔膜を接触させ、微多孔膜に前記高分子電解質溶液を含浸させるユニットである。また、検出ユニットは、微多孔膜の張力を検出するユニットである。さらに、制御ユニットは、微多孔膜の張力を制御するユニットである。
具体的には、製造装置100,200において、接触ユニットとなる貼合せロール23を用いて、高分子電解質溶液03が塗工された基材フィルム01面上に、繰出機21より供給された微多孔膜02を接触させることにより、微多孔膜02に高分子電解質溶液03を含浸させることができる。この際に、繰出機21を出た微多孔膜02は、検出ユニットとなる途中テンションピックアップロール22にて、張力を検出され、制御ユニットとなる繰出機21によって所定張力になるように制御される。
テンションピックアップロール22では、微多孔膜02の走行方向の張力を検出する。張力検出方式には、差動トランス式、歪みゲージ式、磁歪式等が挙げられる。この中でも耐衝撃性や電気的ノイズに強い観点から差動トランス式が好ましい。
差動トランス式の張力検出は、張力を一旦荷重に変換し、その荷重を電気信号として取出す。張力検出器の上部の検出ロールと張力検出器の前後のガイドロールを設置して、それぞれのロールに微多孔膜02を通します。微多孔膜02に掛かった張力は検出ロールを通して荷重として張力検出器に掛かり、張力検出器が受けた荷重に応じ内部の板バネがたわむことで、差動トランスにより電気信号として出力される。この信号が制御ユニットに送信され、繰出機21のロール回転が所定張力になるように制御される。
含浸工程における微多孔膜02の張力は、0.01〜0.1kgf/cmであり、より好ましくは0.02〜0.1kgf/cmであり、さらに好ましくは0.05〜0.1kgf/cmである。微多孔膜02の張力が上記範囲内にあることにより、厚みが均一で、均質的な高分子電解質膜を連続的に製造することができる。一方で、微多孔膜02の張力が0.01kgf/cm未満であると微多孔膜02が均一に張れず、高分子電解質溶液03と接触させる際に微多孔膜02にシワや弛みが発生し易くなり、膜厚ばらつきが大きくなる。また、微多孔膜02の張力が0.1kgf/cmを超えると微多孔膜02が伸ばされてネッキングし、波を打ったような濃淡が発生して、膜厚ばらつきが大きくなる。
〔第2の塗工工程〕
本実施形態に係る高分子電解質膜の製造方法は、含浸工程後、乾燥工程前に、微多孔膜に高分子電解質溶液を塗工する第2の塗工工程をさらに含んでもよい。第2の塗工工程を含むことにより、微多孔膜02を高分子電解質膜05の中央部に形成することができる。高分子電解質膜中の微多孔膜の配置は、用途に応じて使い分けられるが、固体高分子電解質型燃料電池においては、高分子電解質膜の両面にガス拡散電極が接合されるので、中央部に微多孔膜を有し、両面が高分子電解質の高分子電解質膜の方が、膜電極接合体を形成するのに好ましい。
(第2塗工ユニット)
第2の塗工工程は第2塗工ユニットにより行なうことができる。第2塗工ユニットは、微多孔膜を乾燥させる前に、高分子電解質溶液が含浸した微多孔膜に高分子電解質溶液を塗工するユニットである。具体的には、製造装置200において、第2塗工ユニットとなる第2塗工ユニット11は、第1塗工ユニット10同様、微多孔膜02の幅方向に高精度塗工できるスロットダイを有しており、微多孔膜02を接触させた後、ロール上で、所定量の高分子電解質溶液04を上塗りする。なお、高分子電解質溶液04は、高分子電解質溶液03と、同一組成でも、別組成でもよい。
〔乾燥工程〕
乾燥工程は、高分子電解質溶液が含浸した微多孔膜を150℃以下で乾燥して高分子電解質膜を得る工程である。乾燥工程においては、微多孔膜を乾燥ユニットの入口から徐々に加熱し、乾燥させることが好ましい。なお、「徐々に加熱」とは、昇温速度2.5〜150℃/分の範囲で加熱することをいう。
(乾燥ユニット)
乾燥工程は、乾燥ユニットにより行なうことができる。乾燥ユニットは、高分子電解質溶液が含浸した微多孔膜を乾燥させるユニットである。具体的には、高分子電解質溶液03,04が含浸された微多孔膜02は、ガイドローラによりガイドされて乾燥機に搬送され、乾燥機内の乾燥ユニットとなる乾燥ユニット30中を通過し、巻取機24においてロールに巻取られる。尚、乾燥機は、温度制御の観点から複数の乾燥ユニット30で構成されることが好ましい。乾燥ユニット30のユニット数は、3ユニット以上が好ましく、5ユニット以上がより好ましい。各ユニットは乾燥温度が同じものであっても異なるものであってもよい。
乾燥温度は、150℃以下であり、好ましくは145℃以下であり、より好ましくは140℃以下である。乾燥温度が150℃以下であることにより、乾燥ユニットのエネルギー効率により優れる。乾燥方法としては、特に限定されないが、例えば、熱風炉、ヒータ炉が一般的に用いられる。巻取り速度(乾燥速度)は、塗工液層の厚み、使用溶剤の揮発性によるが、通常2.5±2.0m/分程度が好ましく、2.0±1.5m/分がより好ましく、1.5±1.0m/分がさらに好ましい。
製造装置100は、微多孔膜02を高分子電解質膜05の片面に形成するのに好適で、製造装置200は、微多孔膜02を高分子電解質膜05の中央部に形成するのに好適であり、用途に応じて使い分けることができる。
〔高分子電解質膜製造装置〕
本実施形態に係る高分子電解質膜製造装置は、上記の高分子電解質膜の製造方法を実施するための装置であって、
基材フィルムに高分子電解質溶液を塗工する第1塗工ユニットと、
前記高分子電解質溶液が塗工された前記基材フィルム面上に、微多孔膜を接触させ、前記微多孔膜に前記高分子電解質溶液を含浸させる接触ユニットと、
前記微多孔膜の張力を検出する検出ユニットと、
前記微多孔膜の張力を制御する制御ユニットと、
前記高分子電解質溶液が含浸した前記微多孔膜を乾燥させる乾燥ユニットと、を備える。なお、各ユニットの詳細については上記に述べたとおりである。
本実施形態に係る高分子電解質膜製造装置は、微多孔膜を乾燥させる前に、高分子電解質溶液が含浸した微多孔膜に高分子電解質溶液を塗工する、第2塗工ユニットをさらに備えてもよい。なお、第2塗工ユニットの詳細については上記に述べたとおりである。
[基材フィルム]
本実施形態に用いる基材フィルムとしては、高分子電解質溶液に対する耐薬品性、乾燥温度に対する耐熱性を有しているものが好ましい。このような基材フィルムとしては、特に限定はないが、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリナフタレート(PEN)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド(PI)等が挙げられる。このなかでも、耐薬品性、耐熱性の観点からは、PIが最も好適である。
[高分子電解質溶液]
本実施形態に用いる高分子電解質溶液は、分子中にフッ素元素を含有する高分子電解質(a)と、溶剤(b)とを含有することが好ましい。高分子電解質溶液の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、各含有成分を同時に又は別々に、溶解又は分散した後、混合して、高分子電解質溶液を得る方法が挙げられる。このようにして得られた高分子電解質溶液は、そのまま用いても、或いは濾過又は濃縮等の工程を経てから用いてもよい。このような高分子電解質溶液は、単独で又は他の電解質溶液と混合して、高分子電解質膜の材料として用いることができ、また電極バインダー等の材料としても用いることができる。
〔高分子電解質(a)〕
本実施形態に用いる高分子電解質溶液は、高分子電解質(a)を含むことが好ましい。高分子電解質(a)としては、特に限定されないが、例えば、分子中にフッ素元素及び/又はイオン交換基を有する高分子化合物が好ましい。高分子電解質(a)のイオン交換容量は、0.5〜3.0ミリ当量/gが好ましく、0.65〜2.0ミリ当量/gがより好ましく、0.8〜1.5ミリ当量/gがさらに好ましい。イオン交換当量が3.0ミリ当量/g以下であることにより、高分子電解質膜として利用した際に、燃料電池運転中の高温高加湿下における高分子電解質膜の膨潤がより低減される傾向にある。このように膨潤が低減されることにより、高分子電解質膜の強度の低下や、しわが発生して電極から剥離したりするなどの問題、さらには、ガス遮断性が低下する問題を低減できる傾向にある。また、イオン交換容量が0.5ミリ当量/g以上であることにより、得られた高分子電解質膜を備えた燃料電池の発電能力がより向上する傾向にある。
高分子電解質(a)としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物、又は、分子内に芳香環を有する、一部がフッ素化された炭化水素系高分子化合物にイオン交換基を導入した化合物などが好ましい。このなかでも、化学的安定性の観点から、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物がより好ましい。
ここで、分子内に芳香環を有する、一部がフッ素化された炭化水素系高分子化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルスルホン、ポリチオエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾオキサジノン、ポリキシリレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセン、ポリシアノゲン、ポリナフチリジン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、芳香族ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート等の分子中の一部がフッ素化された高分子化合物が挙げられる。
この中でも、分子内に芳香環を有する、一部がフッ素化された炭化水素系高分子化合物としては、特に限定されないが、耐熱性や耐酸化性、耐加水分解性の観点から、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルスルホン、ポリチオエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾオキサジノン、ポリキシリレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセン、ポリシアノゲン、ポリナフチリジン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミドの分子中の一部がフッ素化された高分子化合物が好ましい。
尚、これらに導入するイオン交換基としては、特に限定されないが、例えば、スルホン酸基、スルホンイミド基、スルホンアミド基、カルボン酸基、リン酸基等が好ましい。この中でも、特にスルホン酸基が好ましい。
また、イオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物としては、特に限定されないが、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸樹脂、パーフルオロカーボンカルボン酸樹脂、パーフルオロカーボンスルホンイミド樹脂、パーフルオロカーボンスルホンアミド樹脂、パーフルオロカーボンリン酸樹脂、又はこれら樹脂のアミン塩、金属塩等が挙げられる。
パーフルオロカーボン高分子化合物としては、特に限定されないが、より具体的には、下記式[1]で表される重合体が挙げられる。
−[CFCX−[CF−CF(−O−(CF−CF(CF))−O−(CFR−(CFR−(CF−X)]− [1]
(式中、X、X及びXは、互いに独立して、ハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基、又は酸素を含んでいてもよい環状パーフルオロアルキル基であり、a及びgは、0≦a<1、0<g≦1、a+g=1であり、bは0以上8以下の整数であり、cは0又は1であり、d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数であり、fは、0以上10以下の整数であり、ただし、d+e+fは0に等しくなく、R及びRは、互いに独立して、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基であり、XはCOOZ、SOZ、PO又はPOHZであり、ここで、Zは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子又はアミン類(NH、NH、NH、NHR、NR)であり、またR、R、R及びRはアルキル基又はアレーン基である。)
中でも、下記式[2]又は式[3]で表されるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂もしくはその金属塩が好ましい。
−[CFCF−[CF−CF(−O−(CF−CF(CF))−O−(CF−SOX)]− [2]
(式中、a及びgは、0≦a<1、0≦g<1、a+g=1である。bは1以上8以下の整数である。dは0以上10以下の整数である。Xは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
−[CFCF−[CF−CF(−O−(CF−SOY)]− [3]
(式中、a及びgは、0≦a<1、0≦g<1、a+g=1である。fは0以上10以下の整数である。Yは水素原子又はアルカリ金属原子である。)
本実施形態において用いられうるイオン交換基を有するパーフルオロカーボン高分子化合物は、特に限定されないが、例えば、下記式[4]に示される前駆体ポリマーを重合した後、アルカリ加水分解、酸処理等を行って製造することができる。
−[CFCX−[CF−CF(−O−(CF−CF(CF))−O−(CFR−(CFR−(CF−X)]− [4]
(式中、X、X及びXは、互いに独立して、ハロゲン元素又は炭素数1以上3以下のパーフルオロアルキル基、又は酸素を含んでいてもよい環状パーフルオロアルキル基であり、a及びgは0≦a<1,0<g≦1,a+g=1であり、bは0以上8以下の整数であり、cは0又は1であり、d及びeは、互いに独立して、0以上6以下の整数であり、fは、0以上10以下の整数であり、ただし、d+e+fは0に等しくなく、R及びRは互いに独立して、ハロゲン元素、炭素数1以上10以下のパーフルオロアルキル基又はフルオロクロロアルキル基であり、XはCOOR、COR又はSOであり、ここで、Rは炭素数1〜3の炭化水素系アルキル基であり、Rはハロゲン元素である。)
上記前駆体ポリマーは、特に限定されないが、例えば、フッ化オレフィン化合物とフッ化ビニル化合物とを共重合させることにより製造することができる。
ここで、フッ化オレフィン化合物としては、特に限定されないが、例えば、下記化合物等が挙げられる。
CF=CFZ
(式中、Zは、H、Cl、F、炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、又は酸素を含んでいてもよい環状パーフルオロアルキル基を示す。)
また、フッ化ビニル化合物としては、特に限定されないが、例えば、下記化合物等が挙げられる。
CF=CFO(CF−SOF,
CF=CFOCFCF(CF)O(CF−SOF,
CF=CF(CF−SOF,
CF=CF(OCFCF(CF))−(CFz−1−SOF,
CF=CFO(CF−COR,
CF=CFOCFCF(CF)O(CF−COR,
CF=CF(CF−COR,
CF=CF(OCFCF(CF))−(CF−CO
(式中、Zは1〜8の整数を示し、Rは炭素数1〜3の炭化水素系アルキル基を表す。)
フッ化オレフィン化合物とフッ化ビニル化合物との共重合方法としては、特に限定されないが、例えば、以下のような方法を挙げることができる。
(i)溶液重合:
含フッ素炭化水素などの重合溶媒を使用し、この重合溶媒に溶解させた状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンとを反応させて重合を行う方法。上記含フッ素炭化水素としては、特に限定されないが、例えば、トリクロロトリフルオロエタン、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフロロペンタンなど、「フロン」と総称される化合物群を好適に使用することができる。
(ii)塊状重合:
含フッ素炭化水素などの溶媒を使用せず、フッ化ビニル化合物そのものを重合溶剤として用いてフッ化オレフィン化合物とフッ化ビニル化合物との重合を行う方法。
(iii)乳化重合:
界面活性剤を含む水溶液を重合溶媒として用い、この重合溶媒に溶解させた状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンとを反応させて重合を行う方法。
(iv)ミニエマルジョン重合又はマイクロエマルジョン重合:
界面活性剤及びアルコールなどの助乳化剤を含む水溶液を用い、この水溶液に乳化させた状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンとを反応させて重合を行う方法。
(v)懸濁重合:
懸濁安定剤の水溶液を用い、この水溶液に懸濁させた状態でフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンとを反応させて重合を行う方法。
本実施形態においては、前駆体ポリマーの重合度の指標としてメルトマスフローレート(以下「MFR」と略称する)を使用することができる。本実施形態において、前駆体ポリマーのMFRは、0.01g/10分以上が好ましく、0.1g/10分以上がより好ましく、0.3g/10分以上がさらに好ましい。MFRの上限は限定されないが、100g/10分以下が好ましく、10g/10分以下がより好ましい。MFRを0.01g/10分以上100g/10分以下とすることにより、高分子電解質溶液の成膜等の成型加工性がより優れる傾向にある。なお、MFRは、JIS K−7210に基づき、270℃、荷重2.16kgf、オリフィス内径2.09mmの条件で測定することができる。
以上のようにして作製された前駆体ポリマーは、塩基性反応液体中で加水分解処理され、温水などで十分に水洗され、酸処理される。この酸処理によってパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂前駆体はプロトン化され、SOH体となる。
〔溶剤(b)〕
本実施形態に用いる高分子電解質溶液は溶媒を含むことが好ましい。用いられる溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、有機溶媒、液状の樹脂モノマー、液状の樹脂オリゴマーのうち少なくとも1種以上を含有したものが挙げられる。
上記の有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類が好適に用いられる。尚、これらの溶媒は、1種単独で用いても又は2種以上を併用してもよい。
溶媒の含有量は、高分子電解質溶液100質量%に対して、50質量%〜98質量%が好ましく、60質量%〜95質量%がより好ましい。溶媒の含有量が50質量%〜98質量%であることにより、沈殿物のない、各種材料が均一に分散した高分子電解質溶液を得ることが可能となる傾向にある。
[微多孔膜]
本実施形態に用いる微多孔膜の原料としては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリカーボネート等の単体あるいはこれらの混合物等が挙げられる。このなかでも、ポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」と略記することもある。)を含むことが高分子電解質の化学的耐久性の観点から好ましく、PTFEを主成分として含むことがより好ましい。ここで、「主成分」とは、微多孔膜100質量%に対して80質量%以上の含有量で含まれる成分をいう。
本実施形態用いられうる微多孔膜は、特に限定されないが、高分子電解質膜の寸法変化を抑制する観点から、延伸PTFE微多孔膜であることが好ましい。延伸PTFE微多孔膜の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、特開昭51−30277号公報、特表平1−01876号公報及び特開平10−30031号公報等に開示されているような公知の方法が挙げられる。具体的には、先ずPTFE乳化重合水性分散液を凝析して得られたファインパウダーに、ソルベントナフサ、ホワイトオイルなどの液状潤滑剤を添加し、棒状にペースト押出を行う。その後、この棒状のペースト押出物(ケーク)を圧延して、PTFE未焼成体のフィルムを得る。この時の未焼成体のフィルムを長手方向(MD方向)及び/または幅方向(TD方向)に任意の倍率で延伸する。延伸時もしくは、延伸後、押出時に充填した液状潤滑剤を加熱もしくは抽出により除去し、延伸PTFE微多孔膜を得ることができる。
また、本実施形態において、微多孔膜は、必要に応じて、非繊維化物(例えば低分子量PTFE)、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色顔料等の公知の添加剤を含有してもよい。
微多孔膜の細孔径分布の分布中心(ピーク)は、0.3〜5.0μmが好ましく、0.4〜5.0μmがより好ましく、0.4〜4.5μmがさらに好ましい。細孔径の分布中心が0.3μm以上であることにより、過酸化水素抑制効果等を有する添加剤や電解質溶液を充填しやすく、高分子電解質膜にボイドが発生するのを抑制でき、高分子電解質溶液の充填速度が十分に確保できるため、プロセス性が優れる傾向にある。また、細孔径の分布中心が5.0μm以下であることにより、高分子電解質膜の寸法変化を抑制でき、十分な膜の補強効果が得られる傾向にある。ここで、微多孔膜の細孔径分布は、JIS−K−3832(1990)に記載されるバブルポイント法を用いたバブルポイント・ハーフドライ法により測定される値を意味する。
微多孔膜の細孔径分布の分布中心は、初期の発電特性の観点からは、0.4μm以上が好ましく、0.5μm以上がより好ましく、0.6μm以上がさらに好ましく、0.7μm以上が特に好ましい。また、膜の補強効果の観点からは、微多孔膜の細孔径分布の分布中心は、4.5μm以下が好ましく、4.0μm以下がより好ましく、3.5μm以下がさらに好ましく、3.0μm以下が特に好ましい。
また、本実施形態における微多孔膜の細孔径分布において、微多孔膜の細孔径0.3μm〜5.0μmである細孔の存在量は、数量比で、0.5以上が好ましく、0.7以上がより好ましく、0.8以上がさらに好ましく、0.9以上がよりさらに好ましく、1以上が特に好ましい。ここで微多孔膜の「細孔の存在量」とは、JIS−K−3832(1990)に記載されるバブルポイント法を用いたバブルポイント・ハーフドライ法により、孔径測定範囲0.065μm〜10.0μmで測定された微多孔膜の全細孔数に対する細孔径0.3μm〜5.0μmに存在する細孔数の比をいう。
微多孔膜の細孔径0.3μm〜5.0μmの細孔の存在量が、0.5以上(数量比)であることにより、微多孔膜の細孔径が比較的均一となるため、微多孔膜の空隙に均一に電解質を充填しやすくなる。その結果、高分子電解質溶液が添加剤を含む場合、添加剤を膜中に均一分散させることができるため、膜にボイドが発生し難く、更に高分子電解質膜が高化学的耐久性を発現する傾向にある。また、添加剤がプロトン伝導性を有しない場合には、微多孔膜の細孔径を添加剤のメディアン径と同程度あるいはそれよりも大きくすることで、添加剤によって微多孔膜の空隙が閉塞されないように調整することができる。このことは、結果として、膜中のプロトン伝導が阻害されずに円滑に行われる傾向にあることを示しており、高分子電解質膜の初期特性が向上するといった優れた効果を発現することが可能となる。
また、同様の観点から、微多孔膜の細孔径0.5μm〜5.0μmである細孔の存在量(数量比)は、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.7以上であり、更に好ましくは0.8以上であり、更にまた好ましくは0.9以上であり、とりわけ好ましくは1である。
さらに、同様の観点から、微多孔膜の細孔径0.7μm〜5.0μmである細孔の存在量(数量比)は、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは0.7以上であり、更に好ましくは0.8以上であり、更にまた好ましくは0.9以上であり、とりわけ好ましくは1である。
本実施形態における微多孔膜は、その細孔径分布が少なくとも2つの分布中心を有することが好ましい。微多孔膜の細孔径分布が2つの分布中心を有すると、大きい方の分布中心付近の細孔径を有する細孔が、反応生成水の排出の促進及び添加剤の易充填性といった役割を担う、また小さい方の分布中心付近の細孔径を有する細孔が、電解質の体積膨潤を微多孔膜の機械強度により抑制する役割を担う、といった別々の役割を果たすことになる。そのため、このような微多孔膜を用いた高分子電解質膜は、化学的耐久性と物理的耐久性を両立しやすくなる傾向にある。
微多孔膜の孔径は、製造する際の潤滑剤の種類、潤滑剤の分散性、微多孔膜の延伸倍率、潤滑剤抽出溶剤、熱処理温度、熱処理時間、抽出時間及び抽出温度によって、その数値を上記範囲に調整することができる。
また、本実施形態における微多孔膜は、単層でも、必要に応じて複層からなる構成であってもよい。各単層に仮にボイドやピンホール等の欠陥が発生した場合にも欠陥が伝播しないという観点からは、複層が好ましい。一方、電解質及び添加剤の充填性の観点からは、単層が好ましい。微多孔膜を複層にする方法としては、2つ以上の単層を熱ラミネートで接着する方法やケークを複数重ねて圧延する方法が挙げられる。
また、本実施形態に用いる微多孔膜の製造時の機械流れ方向(MD)及びこれに垂直な方向(TD)の少なくとも一方の弾性率は、1000MPa以下が好ましく、500MPa以下がより好ましく、250MPa以下がさらに好ましい。微多孔膜の弾性率を1000MPa以下とすることにより、高分子電解質膜の寸法安定性が向上する。ここで微多孔膜の弾性率はJIS−K7113(1995)に準拠して測定される値をいう。
高分子電解質におけるプロトン伝導は、高分子電解質が水を吸収し、イオン交換基が水和されることによって可能となる。したがって、イオン交換基密度が高くなり、イオン交換容量が大きくなるほど、同湿度での伝導度は高くなる。また、湿度が高いほど、伝導度は高くなる。
本実施形態における高分子電解質は、スルホン基密度が高い場合は、低湿度下においても高い伝導度を示すが、高湿度下にて極度に含水しやすくなる。例えば、家庭用燃料電池の運転では、1日1回以上の起動と停止が通常行われるが、その際の湿度変化により高分子電解質膜は膨潤収縮を繰り返すことになる。高分子電解質膜がこのような乾湿寸法変化を繰り返すことは、性能面・耐久面の両面において好ましくない。本実施形態における高分子電解質は、そのイオン交換容量が高い場合は、含水しやすく、そのままの状態で膜を形成すると乾湿寸法変化が大きい。しかしながら、弾性率が所定MPa以上の微多孔膜を用いることにより、膜の体積変化による応力を微多孔膜で緩和し、寸法変化を抑制することが可能となる。一方、微多孔膜の弾性率が小さすぎると、膜の強度が低下する傾向にある。
したがって、微多孔膜の弾性率は、1〜1000MPaが好ましく、10〜800MPaがより好ましく、100〜500MPaがさらに好ましい。
本実施形態に用いる微多孔膜の空孔率は、50%〜90%が好ましく、60%〜90%がより好ましく、60%〜85%がさらに好ましく、50%〜85%が特に好ましい。空孔率が50%〜90%にあることにより、高分子電解質膜のイオン導電性向上、強度向上及び寸法変化の抑制を両立することができる傾向にある。ここで、微多孔膜の空孔率は、水銀圧入法により水銀ポロシメータ(例えば、島津製作所製、商品名:オートポアIV 9520、初期圧約20kPa)によって測定される値をいう。
微多孔膜の空孔率は、微多孔膜中の孔数、孔径、孔形状、延伸倍率、液状潤滑剤添加量及び液状潤滑剤の種類によって、その数値を上記範囲に調整することができる。微多孔膜の空隙率を高くする方法としては、例えば、液状潤滑剤の添加量を5〜50質量%に調整する方法が挙げられる。この範囲に液状潤滑剤の添加量を調整することで、微多孔膜を構成する樹脂の成形性が維持されると共に可塑化効果が十分となるため、微多孔膜を構成する樹脂の繊維を二軸方向に高度にフィブリル化させることができ、効率よく延伸倍率を増加させることができる。逆に、空隙率を低くする方法としては、例えば、液状潤滑剤を減量すること、延伸倍率を減少すること等が挙げられる。
本実施形態における微多孔膜の膜厚は、0.1μm〜50μmであると好ましく、0.5μm〜30μmであるとより好ましく、1.0μm〜20μmであるとさらに好ましく、2.0μm〜20μmであると特に好ましい。膜厚が0.1μm〜50μmにあることにより、高分子電解質を微多孔膜中に良好に充填できるとともに、高分子電解質の寸法変化が抑制される傾向にある。ここで、微多孔膜の膜厚は、その膜を50%RHの恒温恒湿の室内で十分に静置した後、公知の膜厚計(例えば、東洋精機製作所製、商品名「B−1」)を用いて測定される値をいう。
微多孔膜の膜厚は、キャスト溶液の固形分量、押し出し樹脂量、押し出し速度、微多孔膜の延伸倍率によって、その数値を上記範囲に調整することができる。
更に本実施形態にかかる微多孔膜は、高分子電解質膜の乾湿寸法変化を抑制し、膜の強度を保持するために微多孔膜の弾性率と膜厚を考慮した絶対強度が高いことが好ましい。
ここでいう絶対強度は、下記式により求められる。
絶対強度(N/cm)=弾性率(MPa)×厚み(μm)×10−2
絶対強度は、0.1〜120N/cmが好ましく、1〜100N/cmが好ましく、更に、10〜80N/cmがより好ましい。
本実施形態における微多孔膜は、更に、収縮低減のため熱固定処理を施されることが好ましい。この熱固定処理を行うことにより、高温雰囲気下での微多孔膜の収縮を低減し、高分子電解質膜の寸法変化を低減することができる。熱固定は、例えばTD(幅方向)テンターにより、微多孔膜原料の融点以下の温度範囲でTD(幅方向)方向の応力を緩和させることにより、微多孔膜に施される。本実施形態に好ましく用いられるPTFEの場合、好ましい応力緩和温度範囲は200℃〜420℃である。
また、本実施形態における微多孔膜は、必要に応じて、界面活性剤塗布、化学的改質などの表面処理を必要に応じて施されてもよい。表面処理を施すことで微多孔膜の表面を親水化することができ、高分子電解質溶液の高充填性といった効果を奏するほか、高分子電解質膜の含水率を調整し得る。
以下、実施例により更に本発明を具体的に説明するが、本実施形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例等における各種物性の測定方法及び評価方法は次の通りである。
(1)イオン交換容量
イオン交換基の対イオンがプロトンの状態となっている高分子電解質の膜、およそ2〜20cmを、25℃、飽和NaCl水溶液30mLに浸漬し、攪拌しながら30分間放置した。次いで飽和NaCl水溶液中のプロトンを、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定した。中和後に得られた、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの状態となっている高分子電解質の膜を、精製水ですすぎ、更に真空乾燥して秤量した。中和に要した水酸化ナトリウムの物質量をM(mmol)、イオン交換基の対イオンがナトリウムイオンの高分子電解質膜の重量をW(mg)とし、下記式により当量重量EW(g/eq)を求めた。
EW=(W/M)−22
更に得られたEW値の逆数をとって1000倍とすることにより、イオン交換容量(ミリ当量/g)を算出した。
(2)粘度
高分子電解質溶液の粘度は、東機産業(株)製「TV−22」粘度計を用いて測定した。1rpmでの値を高分子電解質溶液の粘度とした。
(3)外観検査
500mm幅で200m製膜したサンプルの0、50、100、150、200m付近の中央部を300mm×300mmサイズで切出し、基材フィルムを剥離した後、目視にてシワ、弛み、濃淡等の不良を確認し、5箇所サンプルの平均を不良数とした。
(4)膜厚検査
外観検査で用いたサンプルを23℃、50%RHの恒温恒湿室内で1時間以上静置した後、50mm×50mm単位で36箇所に分割し、分割された36箇所の中央部の膜厚を(株)東洋精機製作所「B−1」膜厚計を用いて測定した。分割された36箇所の膜厚の平均値に対し、一箇所でも±10%を超えた場合を「不良」、全て±10%以下で、かつ±7.5〜10%があった場合は「可」、全て±7.5%未満の場合を「良」と判定した。
(5)ガスリーク試験
水素ガスのリーク性を評価するため、以下のような手順で燃料電池を組んでリーク電流を測定した。尚、膜サンプルは、製膜サンプルを精製水で水洗後、170℃でアニール処理したものを用いた。
(5)−1 電極触媒インクの調製
20質量%のパーフルオロスルホン酸ポリマー溶液(SS700C/20、旭化成製、当量質量(EW):740)、電極触媒(TEC10E40E、田中貴金属販売社製、白金担持量36.7wt%)を白金/パーフルオロスルホン酸ポリマーが1/1.15(質量)となるように配合し、次いで、固形分(電極触媒とパーフルオロスルホン酸ポリマーの和)が11wt%となるようにエタノールを加え、ホモジナイザー(アズワン社製)により回転数が3,000rpmで10分間、撹拌することで電極触媒インクを得た。
(5)−2 膜電極接合体(以下、「MEA」ともいう。)の作製
自動スクリーン印刷機(製品名:LS−150、ニューロング精密工業株式会社製)を用い、膜サンプルの両面に前記電極触媒インクを、白金量がアノード側0.2mg/cm、カソード側0.3mg/cmとなるように塗布し、140℃、5分の条件で乾燥・固化させることでMEAを得た。
(5)−3 燃料電池単セルの作製
前記MEAの両極にガス拡散層(製品名:GDL35BC、MFCテクノロジー社製)を重ね、次いでガスケット、バイポーラプレート、バッキングプレートを重ねることで燃料電池単セルを得た。
(5)−4 前処理
単セルを燃料電池評価装置(株式会社東陽テクニカ製 燃料電池自動評価システム)に設置し、次いでアノード側に水素ガス、カソード側に空気ガスを用い、下記の高加湿、低加湿、高温低加湿の条件下で電流密度0〜1.5A/cmを3回繰返して単セルのコンディショニングを実施した。
<高加湿条件>
常圧、セル温度80℃、水素ガス加湿温度80℃、空気ガス加湿温度70℃、水素ガス利用率70%、空気ガス利用率40%
<低加湿条件>
常圧、セル温度80℃、水素ガス加湿温度65℃、空気ガス65℃、水素ガス利用率70%、空気ガス利用率40%
<高温低加湿条件>
常圧、セル温度90℃、水素ガス加湿温度60℃、空気ガス60℃、水素ガス利用率70%、空気ガス利用率40%
(5)−5 ガスリーク試験
水素のリーク電流は、前記高加湿、低加湿及び高温低加湿の条件下において、アノードに水素ガス、カソードに窒素ガスをそれぞれ200cc/min導入して実施した。
測定にはポテンショガルバノスタット(製品名:ソーラートロン1280B、東陽テクニカ社製)を用い、0.4Vを5分間保持し、5分後の電流値を電極面積で割ることでリーク電流を算出した。
また、高加湿条件及び低加湿条件においては、リーク電流値が3.0mA/cm以下であれば発電効率が良好であると判断し、高温低加湿条件においては、リーク電流値が4.0mA/cm以下であれば発電効率が良好であると判断した。
〔実施例1〕
(高分子電解質溶液の作製)
高分子電解質の前駆体ポリマーである、テトラフルオロエチレン及びCF=CFO(CF−SOFで表される化合物から得られたパーフルオロスルホン酸樹脂の前駆体(加水分解及び酸処理後のイオン交換容量:1.4ミリ当量/g)ペレットを準備した。
次に、その前駆体ペレットを、水酸化カリウム(15質量%)とメタノール(50質量%)とを溶解した水溶液に、80℃で20時間接触させて、加水分解処理を行った。その後、ペレットを60℃の水中に5時間浸漬した。次いで、水中に浸漬した後のペレットを、60℃の2N塩酸水溶液に1時間浸漬させる処理を、毎回塩酸水溶液を新しいものに代えて、5回繰り返した。そして、塩酸水溶液に繰り返し浸漬させた後のペレットを、イオン交換水で水洗、乾燥した。これにより、高分子電解質であるパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂(以下、「PFSA」と略記する。)ペレットを得た。
得られたPFSAペレットを、エタノール水溶液(水:エタノール=50.0/50.0(質量比))と共に5Lオートクレーブ中に入れて密閉し、翼で攪拌しながら160℃まで昇温して5時間保持した。その後、オートクレーブを自然冷却して、固形分濃度5質量%の均一な高分子電解質溶液を得た。
これを80℃で減圧濃縮した後、水、エタノール、1−プロパノールを用いて希釈し、210mPa・sの粘度を有する、固形分10.0質量%の水:エタノール:1−プロパノール=54.9:31.8:13.3(質量比)の溶液を調製した。
(微多孔膜の作製)
数平均分子量650万のPTFEファインパウダー1kg当たりに、押出液状潤滑油(押出助剤)としての炭化水素油を20℃において463mL加えて混合した。
次に、この混合物をペースト押出することにより得られた丸棒状成形体を、70℃に加熱したカレンダーロールによりフィルム状に成形し、PTFEフィルムを得た。このフィルムを250℃の熱風乾燥炉に通して押出助剤を蒸発除去し、平均厚さ300μm、平均幅150mmの未焼成フィルムを得た。
次に、この未焼成フィルムを長手方向(MD方向)に延伸倍率12倍で延伸し、巻き取った。得られたMD方向延伸PTFEフィルムの両端をクリップで挟み、幅方向(TD方向)に延伸倍率45倍で延伸し、熱固定を行い、厚さ3μmの延伸PTFE微多孔膜を得た。この時の延伸温度は350℃、熱固定温度は380℃であった。作製した延伸PTFE微多孔膜を微多孔膜とした。微多孔膜の細孔径分布の分布中心は0.5μmであった。
(高分子電解質膜の作製)
図2に示す製造装置200のプロセスに従い、基材フィルム(東レ・デュポン株式会社製カプトン300H。以下同様。)に第1塗工ユニットにて、高分子電解質溶液を塗工した。次いで、微多孔膜を張力0.05kg/cmに制御して高分子電解質溶液を塗工した基材フィルム面上に接触させることにより、微多孔膜に高分子電解質溶液を含浸させた。なお、繰出機21を出た微多孔膜の張力は、検出ユニットとなる途中テンションピックアップロール22にて検出され、制御ユニットとなる繰出機21によって所定張力になるように制御した。
さらに、第2塗工ユニットにて、微多孔膜上に高分子電解質溶液を塗工した。次いで、高分子電解質溶液が含浸した微多孔膜を、乾燥温度をそれぞれ40℃、60℃、90℃、110℃及び120℃に設定したユニットを有する乾燥機を通過させて、高分子電解質膜を得た。得られた高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
得られた高分子電解質膜の平均膜厚は16μmであった。また、得られた高分子電解質膜の表面、断面を光学顕微鏡、SEMにて観察した結果を図3に示す。
〔実施例2〕
微多孔膜の張力を0.01kg/cm制御に変更した以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。得られた高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
微多孔膜の張力を0.1kg/cm制御に変更した以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。得られた高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
〔実施例4〕
図1に示す製造装置100のプロセスに従い、基材フィルムに第1塗工ユニットにて、高分子電解質溶液を塗工した。次いで微多孔膜を張力0.05kg/cmに制御して、高分子電解質溶液を塗工した基材フィルム面上に接触させることにより、微多孔膜に高分子電解質溶液を含浸させた。高分子電解質溶液が含浸した微多孔膜を、乾燥温度を40℃、60℃、90℃、110℃及び120℃に設定した5つのユニットを有する乾燥機に通過させて、高分子電解質膜を得た。得られた高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
〔実施例5〕
実施例1で作製した高分子電解質溶液を固形分26.5質量%まで、再度減圧濃縮して粘度1850mPa・sの高分子電解質溶液を作製した。
この高分子電解質溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。得られた高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
微多孔膜の張力を0.001kg/cm制御に変更した以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。得られた高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。また、得られた高分子電解質膜の表面、断面を光学顕微鏡、SEMにて観察した結果を図4に示す。
〔比較例2〕
微多孔膜の張力を5kg/cm制御に変更した以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。得られた高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
〔実施例6〕
実施例1で作製した高分子電解質溶液を固形分5.0質量%まで、再度希釈して粘度50mPa・sの高分子電解質溶液を作製した。この高分子電解質溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。得られた高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
〔実施例7〕
実施例1で作製した高分子電解質溶液を固形分31.5質量%まで、再度減圧濃縮して粘度4520mPa・sの高分子電解質溶液を作製した。この高分子電解質溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして高分子電解質膜を得た。得られた高分子電解質膜の評価結果を表1に示す。
以上より、実施例においては厚みが均一で、均質的な高分子電解質膜を連続的に製造できることが示された。一方で、微多孔膜の張力が小さすぎる比較例1では、得られた高分子電解質膜を外観検査した際にシワや弛みの発生が確認された。また、微多孔膜の張力が大きすぎる比較例2では、得られた高分子電解質膜を外観検査した際に濃淡の発生が確認された。
本発明に係る高分子電解質膜の製造方法は、高い品質と高い発電効率を兼ね備え、燃料電池等に好適に利用可能な高分子電解質膜を交換する方法として、産業上の利用可能性を有する。
01…基材フィルム
02…微多孔膜
03,04…高分子電解質溶液
05…高分子電解質膜
10…第1塗工ユニット
11…第2塗工ユニット
20…基材フィルム繰出機
21…微多孔膜繰出機(微多孔膜張力制御)
22…微多孔膜テンションピックアップロール
23…貼合せロール
24…巻取機
30…乾燥ユニット
100,200…高分子電解質膜の製造装置

Claims (5)

  1. 基材フィルム上に高分子電解質溶液を塗工する第1の塗工工程と、
    前記高分子電解質溶液が塗工された前記基材フィルム面上に、0.01〜0.1kgf/cmの張力をかけた微多孔膜を接触させることにより、前記微多孔膜に前記高分子電解質溶液を含浸させる含浸工程と、
    前記高分子電解質溶液が含浸した前記微多孔膜を150℃以下で乾燥して高分子電解質膜を得る乾燥工程と、を含む、
    高分子電解質膜の製造方法。
  2. 前記含浸工程後、前記乾燥工程前に、前記微多孔膜に前記高分子電解質溶液を塗工する第2の塗工工程をさらに含む、請求項1に記載の高分子電解質膜の製造方法。
  3. 前記高分子電解質溶液の粘度が、100〜2000mPa・sである、請求項1又は2に記載の高分子電解質膜の製造方法。
  4. 基材フィルムに高分子電解質溶液を塗工する第1塗工ユニットと、
    前記高分子電解質溶液が塗工された前記基材フィルム面上に、微多孔膜を接触させ、前記微多孔膜に前記高分子電解質溶液を含浸させる接触ユニットと、
    前記微多孔膜の張力を検出する検出ユニットと、
    前記微多孔膜の張力を制御する制御ユニットと、
    前記高分子電解質溶液が含浸した前記微多孔膜を乾燥させる乾燥ユニットと、を備える、高分子電解質膜製造装置。
  5. 前記微多孔膜を乾燥させる前に、前記高分子電解質溶液が含浸した前記微多孔膜に高分子電解質溶液を塗工する第2塗工ユニットをさらに備える、請求項4に記載の高分子電解質膜製造装置。
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