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JP2015076125A - 多孔質炭素及び金属空気電池 - Google Patents

多孔質炭素及び金属空気電池 Download PDF

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JP2015076125A JP2013209424A JP2013209424A JP2015076125A JP 2015076125 A JP2015076125 A JP 2015076125A JP 2013209424 A JP2013209424 A JP 2013209424A JP 2013209424 A JP2013209424 A JP 2013209424A JP 2015076125 A JP2015076125 A JP 2015076125A
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Keiichi Minami
圭一 南
錦織 英孝
Hidetaka Nishigori
英孝 錦織
豊田 昌宏
Masahiro Toyoda
昌宏 豊田
善夫 初代
Yoshio Hatsushiro
善夫 初代
森下 隆広
Takahiro Morishita
隆広 森下
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Abstract

【課題】高い出力特性を確保しつつ、サイクル特性の向上した金属空気電池を提供することのできる多孔質炭素、及びこの多孔質炭素を正極に具備する金属空気電池を提供する。
【解決手段】金属空気電池の正極に用いられる多孔質炭素であって、メソ孔とこのメソ孔よりも孔径の小さなマイクロ孔とを含む細孔を備え、前記メソ孔の外郭を構成する炭素質壁が3次元網目構造をなし、この炭素質壁内に前記マイクロ孔が形成されており、前記メソ孔が開気孔であって、気孔部分が連続して連結孔を形成しており、放電後に昇温脱離法により検出されるCO及びCO2の量が1000μmol/g以下であることを特徴とする多孔質炭素。
【選択図】図1

Description

本発明は、多孔質炭素、及びこの多孔質炭素を正極に具備する金属空気電池に関する。
金属空気電池とは、正極活物質として空気中の酸素を用い、負極活物質として金属を用いる電池であり、エナルギー密度(重量に対する放電可能な電力量)が高い、小型化・軽量化が容易であるといった利点を有し、現在最もエネルギー密度が高いと考えられているリチウムイオン電池を超えるエネルギー密度を有する電池として注目されている。
このような金属空気電池は、正極と、負極と、この正極と負極の間に配置された電解質層と、前記正極上に積層された酸素透過膜から構成されている。そして正極には導電性材料が用いられており、グラファイトやアセチレンブラック等の炭素材料が用いられている。
このような金属空気電池において、正極として、多孔質構造を有する炭素材料、具体的にはメソポーラスカーボンを用いることが報告されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2011−178588号公報 特開2011−146283号公報
上記のように、所定の細孔容積と細孔径分布を有する炭素材料、例えばケッチェンブラックや従来のメソポーラスカーボンを用いて金属空気電池を作製し、その放電評価を行うと、大きな出力特性は得られるものの、充放電のサイクルを繰り返した後の容量維持率(サイクル特性)が低いという問題があった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、高い出力特性を確保しつつ、サイクル特性の向上した金属空気電池を提供することのできる多孔質炭素、及びこの多孔質炭素を正極に具備する金属空気電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明によれば、金属空気電池の正極に用いられる多孔質炭素であって、メソ孔とこのメソ孔よりも孔径の小さなマイクロ孔とを含む細孔を備え、前記メソ孔の外郭を構成する炭素質壁が3次元網目構造をなし、この炭素質壁内に前記マイクロ孔が形成されており、前記メソ孔が開気孔であって、気孔部分が連続して連結孔を形成しており、放電後に昇温脱離法により検出されるCO及びCO2の量が1000μmol/g以下であることを特徴とする多孔質炭素が提供される。
また本発明によれば、上記多孔質炭素を正極に具備する金属空気電池が提供される。
本発明の多孔質炭素では、細孔の分布状態と表面の酸化されにくさを同時に制御することにより、この多孔質炭素を用いた金属空気電池では、出力特性とサイクル特性を両立可能になる。
本発明の金属空気電池の構成を示す略断面図である。 本発明の多孔質炭素の構成を示す略断面図である。 多孔質炭素のサイクル特性を示すグラフである。 多孔質炭素のラマン分光法による測定結果を示すグラフである。
本発明の金属空気電池は、多孔質炭素を含有する正極層及びこの正極の集電を行う正極集電体を有する正極と、負極活物質を含有する負極層及びこの負極層の集電を行う負極集電体を有する負極と、前記正極層と負極層の間に配置されるセパレータと、前記正極層と負極層の間で金属イオンの伝導を行う電解質層とを有し、前記多孔質炭素がメソ孔とこのメソ孔よりも孔径の小さなマイクロ孔とを含む細孔を備え、前記メソ孔の外郭を構成する炭素質壁が3次元網目構造をなし、この炭素質壁に前記マイクロ孔が形成されており、前記メソ孔が開気孔であって、気孔部分が連続して連結孔を形成しており、放電後に昇温脱離法により検出されるCO及びCO2の量が1000μmol/g以下であることを特徴とするものである。
このような金属空気電池の1例として、図1にリチウム空気電池の断面図を示し、この図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図1に例示するように、リチウム空気電池10は、下部絶縁ケース1a及び酸素を供給するために設けられた微多孔膜7を有する上部絶縁ケース1bからなる電池ケース1と、前記下部絶縁ケース1aの内底面に形成された負極集電体2及び上記負極集電体2上に形成され金属Liからなる負極層3を含む負極と、多孔質炭素を含有する正極層4及び前記正極層4の集電を行う正極集電体5を含む正極と、前記負極集電体2に接続された負極リード2´及び正極集電体5に接続された正極リード5´と、負極層3及び正極層4の間に設置された電解質層6とから構成される。なお、この図では、電界質層6にセパレータが含まれた構造となっている。
このような構成のリチウム空気電池における電池反応は以下のとおりである。
放電反応(電池使用時)
負極:2Li → 2Li++2e- (1)
正極:2Li++2e-+O2 → Li22 (2)
充電反応(電池充電時)
負極:2Li++2e- → 2Li (3)
正極:Li22 → 2Li++2e-+O2 (4)
放電時には、式(1)及び(2)に示すように、負極から電子とリチウムイオンを放出し、一方正極では電子を取り込むと同時に電池外部から取り込んだ酸素とリチウムイオンが反応してリチウム酸化物が生成する。また充電時には、式(4)及び(5)に示すように、負極において電子と共にリチウムイオンを取り込み、正極において電子と共にリチウムイオンと酸素を放出する。
次に、このようなリチウム空気電池の各構成について詳細に説明する。
1.正極
正極は、多孔質炭素を含有する正極層及び前記正極層の集電を行う正極集電体から構成されている。本発明においては、図2に示すように、この多孔質炭素20は、メソ孔11とこのメソ孔よりも孔径の小さなマイクロ孔12とを含む細孔を備え、前記メソ孔の外郭を構成する炭素質壁13が3次元網目構造をなし、この炭素質壁に前記マイクロ孔が形成されており、前記メソ孔が開気孔であって、気孔部分が連続して連結孔を形成しており、放電後に昇温脱離法により検出されるCO及びCO2の量が1000μmol/g以下であることを特徴としている。
上記構成の如く、メソ孔の外郭を構成する炭素質壁が3次元網目構造を成し、かつ、炭素質壁にマイクロ孔が形成されていれば、単位量あたりの表面積、すなわち比表面積が大きくなり、多くの反応場を提供することができる。また、前記メソ孔が開気孔であって、気孔部分が連続して連結孔を形成していることにより、リチウムイオンや酸素の拡散性が向上し、電池の出力特性が向上する。
尚、本明細書では、細孔径が2nm未満のものをマイクロ孔、細孔径が2〜50nmのものをメソ孔、細孔径が50nmを超えるものをマクロ孔、と称し、またこれらの孔を総称して細孔と称する場合がある。また、本明細書において、細孔径は窒素吸着法により測定した値を意味する。さらに、細孔径分布は、多孔質炭素の窒素吸着測定を行い、得られた吸着等温線からBJH法を用いて求める。
本発明においては、全細孔容積に対して、20nm以上の孔径を有する細孔割合が70%以上であることが好ましい。
上記メソ孔及びマイクロ孔を含む細孔における孔径(細孔径)は0.3〜100nmであることが好ましい。細孔径が0.3nm未満のものは作製が困難である一方、細孔径が100nmを超えると、単位体積あたりの炭素質壁の量が少なくなって、3次元網目構造を保持できなくなる恐れがある。
また、孔径1nm以上の細孔の占める細孔容積が1ml/g以上であることが好ましい。リチウム空気電池は、放電反応の進行に伴い正極炭素材料の細孔中にLiOやLi等のリチウム酸化物が蓄積していく。炭素材料中の細孔径1nm以下のいわゆるマイクロ孔はこの酸化物の蓄積により速やかに閉塞され、放電反応を阻害するため、容量に対する寄与は非常に少ない。従って、細孔径が1nm以上のメソ細孔の領域に細孔を多く有する炭素材料が非水電解質電池の正極として高容量を与えるのであり、単位重量当たり1600mAh/gを越えるような高容量を与えるためにはメソ細孔領域に1.0ml/g以上の細孔容積を有することが必要である。しかしながら、細孔容積が4.0ml/gを超えるものでは炭素材の嵩密度が極端に大きくなり、単位体積当たりの容量が低下する。従って、1nm以上のメソ細孔の領域に1.0ml/g 以上4.0ml/g以下の細孔容積をもつものがより好ましい。
また、比表面積はBET法により測定し、600〜2000m/gであることが好ましい。比表面積が600m/g未満では気孔の形成量が不十分であり三次元網目構造を形成しないという問題がある一方、比表面積が2000m/gを超えると炭素壁の形状が保てなくなり粒子として崩壊してしまうという問題がある。
さらに、前記炭素壁は炭素部分と空孔部分とからなり、炭素壁全体の体積に対する炭素部分の体積の割合が40%以上であることが好ましい。炭素壁全体の体積に対する炭素部分の体積の割合が40%以上であれば、マイクロ孔がより発達し易くなるので、炭素壁に微細な空孔が生じる。
このように、細孔分布の最適化は、気質(酸素、リチウム)拡散向上に寄与し、結果として出力向上には有効であるが、一方ではサイクル特性への寄与は少ない。サイクル特性の向上のためには、正極表面におけるLi22の生成・消失挙動を制御することが重要であるが、細孔分布の制御のみでそれを達成することは困難である。
そこで本願発明では、多孔質炭素の表面を酸化されにくくし、具体的には放電後に昇温脱離法により検出されるCO及びCO2の量が1000μmol/g以下、好ましくは100μmol/g以下としている。
このような本発明の多孔質炭素は、例えば、有機質樹脂を含み炭素収率が40%以上85%以下の流動性材料と、金属(例えばアルカリ土類金属)の酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機酸塩よりなる群から選択される金属化合物の少なくとも1種からなり、略同じ径を有する鋳型粒子と、を混合して混合物を作製するステップと、この混合物を非酸化性雰囲気で加熱焼成して焼成物を作製するステップと、この焼成物中の前記鋳型粒子を除去するステップと、を有する方法により製造することができる。
上記の如く鋳型粒子として粒径が略同一のものを用いれば、鋳型粒子はマトリックス中(焼成物中)に均一に分散されるので、鋳型粒子間の間隔のバラツキが小さくなる。従って、炭素質壁の厚みが均一に近い三次元網目構造となる。但し、流動性材料の炭素収率が余り小さかったり大きかったりすると(具体的には、流動性材料の炭素収率が40%未満であったり、85%を超えていると)三次元網目構造が保持されない炭素粉末となるが、炭素収率が40%以上85%以下の流動性材料を用いることにより、鋳型粒子を除去した後には、鋳型粒子が存在した場所が連続孔となる三次元網目構造を有する多孔質炭素を得ることができる。また、鋳型粒子として粒径が略同一のものを用いれば、同一サイズの連続孔が形成されるので、スポンジ状且つ略籠伏の多孔質炭素を作製することができる。
また、鋳型粒子の径や有機質樹脂の種類を変えることによって、細孔の径、多孔質炭素の細孔分布、及び、炭素質壁の厚みを調整することができる。したがって、鋳型粒子の径と有機質樹脂の種類とを適宜選択することによって、より均一な細孔径を有し、より大きな細孔容量を有する多孔質炭素を作製することも可能となる。更に、炭素源に有機質樹脂を含む流動性材料を用い、しかも、賦活処理工程を経ることなく多孔質炭素を作製できるので、得られた多孔質炭素は非常に高純度なものとなる。
なお、アルカリ土類金属化合物を鋳型粒子として用いることが好ましいが、それは、アルカリ土類金属化合物は弱酸或いはお湯により除去することができる(即ち、強酸を用いることなく鋳型粒子を取り除くことができる)ので、鋳型粒子を除去するステップにおいて、多孔質炭素自体の性状が変化するのを抑制することができるからである。また、弱酸を用いた場合には、除去スピードが早くなるという利点がある一方、お湯を用いた場合には、酸が残留して不純物となるという不都合を防止できるという利点がある。また、鋳型粒子を除去するステップにおいて、溶出した酸化物溶液は再び原料として使用が可能であり、多孔質炭素の製造コストを低減できる。
一方、上記酸化物として用いる原料はアルカリ土類金属酸化物(酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の他に、熱処理により熱分解過程で酸化マグネシウムへと状態が変化する、金属有機酸(クエン酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、クエン酸カルシウム、シュウ酸カルシウム等)を使用することもできる。また、酸化物を取り除く洗浄液としては、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、酢酸、ギ酸など一般的な無機酸を使用し、2mol/l以下の希酸として用いるのが好ましい。また、80℃以上の熱水を使用することも可能である。
さらに、本発明の多孔質炭素において、放電後に昇温脱離法により検出されるCO及びCO2の量を1000μmol/g以下とするには、表面を酸化されにくくする必要があり、例えば、非酸化雰囲気下で、2000℃以上、好ましくは2500℃以上の温度で黒鉛化する。
本発明における正極層は、少なくとも上記の多孔質炭素を含有してれば良いが、さらに、多孔質炭素を固定化するバインダを含有することが好ましい。このバインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を挙げることができる。正極層におけるバインダの含有量としては、特に限定されるものではないが、1重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。
本発明における正極層の厚さは、リチウム空気電池の用途等により異なるものであるが、例えば2μm〜500μmの範囲内、中でも5μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
また、正極層の形成方法としては、以下に説明する正極集電体上に、前記多孔質炭素及びバインダ等からなる組成物を溶媒中に分散した塗料をドクターブレード法等により塗布する方法や、前記組成物を圧着プレスにより成型する方法を用いることができる。
本発明に用いられる正極集電体は、正極層の集電を行うものである。正極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、カーボン等を挙げることができる。正極集電体の形状としては、例えば箔状、板状及びメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。中でも、本発明においては、正極集電体の形状がメッシュ状であることが好ましい。集電効率に優れているからである。この場合、通常、正極層の内部にメッシュ状の正極集電体が配置される。さらに、本発明のリチウム空気電池は、メッシュ状の正極集電体により集電された電荷を集電する別の正極集電体(例えば箔状の集電体)を有していてもよい。また、本発明においては、後述する電池ケースが正極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
本発明における正極集電体の厚さは、例えば10μm〜1000μmの範囲内、中でも20μm〜400μmの範囲内であることが好ましい。
2.負極
次に、本発明の金属空気電池に用いられる負極について説明する。本発明に用いられる負極は、負極活物質を含有する負極層及び上記負極層の集電を行う負極集電体を有する。
本発明に用いられる負極層は、少なくとも、リチウムを有する負極活物質を含有するものである。本発明に用いられる負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出することができることが好ましい。このような負極活物質としては、リチウムを有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば金属単体、合金、金属酸化物、金属窒化物等を挙げることができる。さらに、リチウム元素を有する合金としては、例えばリチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。また、リチウム元素を有する金属酸化物としては、例えばリチウムチタン酸化物等を挙げることができる。また、リチウム元素を含有する金属窒化物としては、例えばリチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げることができる。
また、本発明における負極層は、負極活物質のみを含有するものであっても良く、負極活物質の他に、バインダを含有するものであっても良い。例えば、負極活物質が箔状である場合は、負極活物質のみを含有する負極層とすることができる。一方、負極活物質が粉末状である場合は、負極活物質及びバインダを有する負極層とすることができる。なお、このバインダについては、上述した「2.正極」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。また、粉末状の負極活物質を用いて負極層を形成する方法としては、前記正極層と同様に、ドクターブレード法や圧着プレスによる成型方法等を用いることができる。
本発明における負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅、ステンレス、ニッケル、カーボン等を挙げることができる。前記負極集電体の形状としては、例えば箔状、板状及びメッシュ(グリッド)状等を挙げることができる。本発明においては、後述する電池ケースが負極集電体の機能を兼ね備えていても良い。
3.セパレータ
本発明に用いられるセパレータは、前記正極層及び負極層の間に設置されるものである。セパレータとしては、正極層と負極層とを電気的に分離する機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の多孔膜や、PE、PP等の樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等の多孔質絶縁材料等を挙げることができる。
セパレータは、多孔度を30〜90%の範囲にすることが好ましい。多孔度を30%未満にすると、セパレータに電解質を保持させる場合に、十分に保持することが困難になるおそれがあり、一方、多孔度が90%を越えると、十分なセパレータ強度を得られなくなるおそれがあるからである。多孔度のより好ましい範囲は、35〜60%である。
4.電解質層
本発明において、電解質層は、リチウムの塩を含む有機溶媒系に代表される溶液系及び同じくリチウムの塩を含む高分子固体電解質の系に代表される固体膜系いずれの形態でも差し支えない。溶液系の場合,電解質層としては,非水溶媒にリチウム塩を溶解することにより調製される液体状電解液を用いることができる。非水溶媒としてはリチウム二次電池の溶媒として公知の非水溶媒を用いることができる。例えば、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)、またはその両者の混合溶媒(第1溶媒と称す)と前記PCやECより低粘度でありかつドナー数が18以下である1種以上の非水溶媒(以下第2溶媒と称す)との混合溶媒を主体とする非水溶媒を用いることが好ましい。
第2溶媒としては、分子内に炭酸エステル結合あるいはエステル結合を含む鎖状カーボネートが好ましく、中でもジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、イソプロピオメチルカーボネート、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、酢酸エチル、酢酸メチルなどが挙げられる。これらの第2溶媒は、単独または2種以上の混合物の形態で用いることができる。特に、第2種溶媒は沸点が90℃以上であることが好ましい。
前記混合溶媒中の前記ECまたはPCの配合量は、体積比で10〜80%であることが好ましい。より好ましいECまたはPCの配合量は体積比率で20〜75%である。前記混合溶媒の具体的な例は、ECとPC、ECとDEC、ECとPCとDEC、ECとγ−BL、ECとγ−BLとDEC、ECとPCとγ−BL、ECとPCとγ−BLとDECの混合溶媒で、ECの体積比率は10〜80%としたものが好ましい。より好ましいECの体積比率は、25〜65%の範囲である。
非水電解液に含まれる電解質としては、例えば過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化硼酸リチウム(LiBF4)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム[LiN(CF3SO22]などのリチウム塩(電解質)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2.5モル/lとすることが望ましい。また、液体系の非水電解質層を用いる場合、前述したように、この非水電解質を前記のセパレータに含浸・保持することで非水電界質層を形成する。
固体電解質系の非水電解質層を用いる場合は、リチウム塩を溶解した高分子材料を含むフィルムを高分子固体電解質として用いることができる。高分子材料としては、例えば、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)等を挙げることができる。リチウム塩には前記と同様の、例えば、過塩素酸リチウム、六フッ化燐酸リチウム、四フッ化硼酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3SO22]等を挙げることができる。また、固体電解質層には、イオン導電性を向上させるために有機溶媒を添加することが好ましい。かかる有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、フッ素含有のカーボネート類、鎖状カーボネート類等を挙げることができる。前記有機溶媒は、これらを単独で用いてもよいが、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
以上、本発明の非水電解質電池の一例として、空気リチウム二次電池を挙げて説明したが、負極活物質として、ナトリウム、アルミニウム、マグネシウム、セシウムなどからなる金属イオンを吸蔵・放出できる材料を使用した他の空気金属二次電池として使用することもできる。なお、他の空気金属二次電池を作製する際には、前述の電解質としてナトリウム、アルミニウム、マグネシウム、セシウムなどの金属塩を使用すればよい。
5.電池ケース
電池ケースとしては、上述した正極、負極、電解質層を収納することができれば特に限定されるものではないが、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。また、電池ケースは、大気開放型の電池ケースであっても良く、密閉型の電池ケースであっても良い。なお、大気開放型の電池ケースである場合は、大気が出入りできる通風口を有し、大気が上記正極と接触可能な電池ケースである。一方、電池ケースが密閉型電池ケースとしては、密閉型電池ケースに、気体(空気)の供給管及び排出管を設けることが好ましい。この場合、供給・排出する気体は、乾燥気体であることが好ましく、なかでも、酸素濃度が高いことが好ましく、純酸素(99.99%)であることがより好ましい。また、放電時には酸素濃度を高くし、充電時には酸素濃度を低くすることが好ましい。
また、本発明の金属空気電池は、正極層、電解質層、及び負極層がこの順で配置された発電要素が、中間集電体を介して複数積層されているものであってもよい。また、本発明の金属空気電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、二次電池であることが好ましい。本発明の効果をより効果的に発揮することができるからである。また、本発明の金属空気電池の用途は、特に限定されるものではないが、例えば車両搭載用途、定置型電源用途、家庭用電源用途等を挙げることができる。
次に、本発明のリチウム空気電池の製造方法は、上記のリチウム空気電池を得ることができる方法であれば、特に限定されるものではなく、一般的なリチウム空気電池の製造方法と同様の方法を用いることができる。例えば、コインセル型のリチウム空気電池を製造する場合は、不活性ガス雰囲気下において、まず、負極層及び負極集電体を有する負極を負極側電池ケースに配置し、次に、その負極層上にセパレータを配置し、次に、そのセパレータ上から、上記電解質を注入し、次に、正極層及び正極集電体を有する正極を、正極層をセパレータ側に向けて配置し、次に、正極側電池ケースに配置し、最後にこれらをかしめる方法等を挙げることができる。
実施例1
2500℃において熱処理を施した黒鉛化MgO鋳型メソポーラスカーボン(東洋炭素製、分布の最大となる細孔径4nm)とPTFEバインダ(ダイキン製)とを、重量比90:10でエタノール溶媒を用いて混練し、ロールプレスにより圧延し、電極シートを作製した。電解質としては、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(DEMETFSA、関東化学製)にLiTFSA(リチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド、キシダ化学製)を0.32mol/kgの濃度となるようにAr雰囲気下で一晩撹拌混合溶解させたものを用いた。さらにセパレータとしてポリオレフィン系セパレータを、負極として金属Li(本城化学製)にSUS304板(ニラコ製)を集電板として貼付したものを用い、図1に記載のように配置してリチウム空気電池を製造した。
比較例1
熱処理温度を1000℃以下において行い、黒鉛化していないMgO鋳型メソポーラスカーボン(東洋炭素製、分布の最大となる細孔径200m)を用いることを除き、実施例1と同様にしてリチウム空気電池を製造した。
比較例2
MgO鋳型メソポーラスカーボンに代えてケッチェンブラックECP600JD(ケッチェンブラックインターナショナル製)を用いることを除き、実施例1と同様にしてリチウム空気電池を製造した。
これらの金属空気電池について、作製後60℃で3時間保持した電池を、0.2mA/cm2の電流密度下で2.3Vまで放電した。その後0.12mA/cm2の電流密度下で3.85Vまで充電した。以下はこの繰り返しとなる。
昇温脱離法は、以下の手順にて行った。
(1)放電後の試料を純水にて線状し、放電生成物を除去した。
(2)試料を石英管に入れてHe雰囲気で1100℃まで昇温した。
(3)炭素表面官能基がCO、CO2として脱離するので、これをマイクロGCを用いて定量した。なお、バインダー(本実施例ではPTFE)分解にともなうピークの影響は除いた。
細孔径分布については、実施例及び比較例の正極について窒素吸着測定を行い、得られた吸着等温線からBJH法を用いてもとめた。さらに、実施例1及び比較例2の正極についてラマン分光法により測定を行った。以上の結果を図3及び4に示す。
図4の結果より、実施例1の多孔質炭素は確かに黒鉛化されていることがわかる。また図3に示すように、正極である多孔質炭素として、放電後に昇温脱離法により検出されるCO及びCO2の量が1000μmol/g以下である黒鉛化カーボンを用いることにより、放電後に昇温脱離法により検出されるCO及びCO2の量が1000μmol/gより多い黒鉛化していないカーボンもしくはケッチェンブラックを用いた場合よりも、5サイクルの充放電後において高い容量を維持していた。
1 電池ケース
2 負極集電体
3 負極層
4 正極層
5 正極集電体
6 電解質層
7 微多孔膜
10 リチウム空気電池
11 メソ孔
12 マイクロ孔
13 炭素質壁

Claims (4)

  1. 金属空気電池の正極に用いられる多孔質炭素であって、メソ孔とこのメソ孔よりも孔径の小さなマイクロ孔とを含む細孔を備え、前記メソ孔の外郭を構成する炭素質壁が3次元網目構造をなし、この炭素質壁内に前記マイクロ孔が形成されており、前記メソ孔が開気孔であって、気孔部分が連続して連結孔を形成しており、放電後に昇温脱離法により検出されるCO及びCO2の量が1000μmol/g以下であることを特徴とする多孔質炭素。
  2. 全細孔容積に対して、20nm以上の孔径を有する細孔割合が70%以上である、請求項1記載の多孔質炭素。
  3. 前記昇温脱離法により検出されるCO及びCO2の量が100μmol/g以下である、請求項1又は2に記載の多孔質炭素。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質炭素を正極に具備する金属空気電池。
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