JP2015071820A - 金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法、電気めっき液、及び金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜 - Google Patents
金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法、電気めっき液、及び金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】水溶性金塩、水溶性鉄塩、クエン酸及びグリシンを含有し、pHが4〜11である電気めっき液を用い、電流密度を20mA・cm-2以上とした電気めっきにより、被めっき物に、金と鉄とを含むアモルファス合金めっき薄膜を成膜する。
【効果】本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、微細結晶を有さない均質なアモルファスにより形成されており、従来の硬質金めっき薄膜や、アモルファス金合金めっき薄膜では得られなかった高い硬度を有することから、複雑で微細なマイクロコネクターやマイクロリレーなどの接点材料として有効に利用することができる。
【選択図】図1
【効果】本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、微細結晶を有さない均質なアモルファスにより形成されており、従来の硬質金めっき薄膜や、アモルファス金合金めっき薄膜では得られなかった高い硬度を有することから、複雑で微細なマイクロコネクターやマイクロリレーなどの接点材料として有効に利用することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気機器部品の端子などに用いられる接点材料として有用であり、電気特性及び機械特性に優れた金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法、その成膜に好適な電気めっき液、及び金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜に関する。
電気工業分野で使用される機能性金薄膜のうち、金に、数原子%のコバルト、ニッケルなどの金属元素を添加して、ヌープ硬度を増加させた硬質金薄膜は、硬度が比較的高く、耐磨耗性に優れた膜であり、コネクター、リレーなどの接点材料に利用されている。接点材料に使用される硬質金薄膜を形成する方法としては、電気めっき法による成膜法が広く利用されている。この方法によって成膜される硬質金めっき薄膜が高い硬度を有するのは、コバルト、ニッケルなど他の成分が混入することによって、結晶粒径が微細化されることによると考えられている。
しかしながら、電子デバイスの小型化、高密度化の流れの中で、電気接点のサイズも縮小していくことが考えられ、電気接点のサイズが、硬質金めっき薄膜の結晶粒径である20〜30nmに近づいたときには、電気接点を構成する結晶の数が極端に減少して、硬度を維持することが困難になることが予想される。例えば、電気接点の接触幅約10μm、ピッチ80μm程度のマイクロコネクターの報告もあり、今後の電子機器の小型化に伴う電気接点の縮小化が検討されている。電気接点の接触幅が狭くなると、結晶粒径の微細化が従来程度では、硬質金めっき薄膜であっても、硬度の維持が難しくなることが懸念され、更に高硬度化された硬質金めっき薄膜の実用化が求められている。
また、現行の接点材料は、その製造費の90%以上が金の材料費であり、金の使用量を低減した上で、高硬度と、電気接点としての電気的特性の維持とを達成した接点材料が求められている。
永森斡、他1名、「溶融Au−Fe合金の1100°〜1300℃における熱力学的研究」、日本金属学会誌、第29巻、第11号、p.1094〜1101、1965
松本誠臣、「Au−Cu−Ni系金合金メッキについての二三の考察」、金属表面技術、Vol.11、No.2、p.59〜63、1960
R.G.Baker、他1名、「接点材料の変遷」、金属表面技術、Vol.34、No.6、p.249〜253、1983
青谷薫、「合金めっきI(Au合金めっき1)」、p.184〜195、1999年
Da-ling Lu et al., "Electrodeposited Au-Fe, Au-Ni, and Au-Co Alloy Nanoparticles from Aqueous Electrolytes", Langmuir, 2002, 18, 3226-3232
Naween Dahal et al., "Synthesis of Water-Soluble Iron-Gold Alloy Nanoparticles", Chem. Mater., 2008, 20, 6389-6395
Maria Antoaneta Bratescu et al., "One-step synthesis of gold bimetallic nanoparticles with various metal-compositions", Journal of Alloys and Compounds, 562(2013), 74-83
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、良好な電気的特性を有し、硬度が向上した金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜を成膜する方法、その成膜に好適な電気めっき液、及び金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、水溶性金塩、水溶性鉄塩、クエン酸及びグリシンを含有し、pHが4〜11である電気めっき液を用いて、電流密度20mA・cm-2以上で電気めっきすることにより、金と鉄とを含むアモルファス合金めっき薄膜を成膜することができ、この薄膜が、従来の硬質金めっき薄膜や、従来のアモルファス金合金めっき薄膜を超えた、高い硬度を有するものであることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、以下の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法、電気めっき液、及び金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜を提供する。
[1]水溶性金塩、水溶性鉄塩、クエン酸及びグリシンを含有し、pHが4〜11である電気めっき液を用い、電流密度を20mA・cm-2以上とした電気めっきにより、被めっき物に、金と鉄とを含むアモルファス合金めっき薄膜を成膜することを特徴とする金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法。
[2]上記電気めっき液が、水溶性金塩を金基準で0.01〜0.1mol・dm-3の濃度、水溶性鉄塩を鉄基準で0.02〜0.2mol・dm-3の濃度、クエン酸を0.01〜0.4mol・dm-3の濃度、グリシンを0.01〜3mol・dm-3の濃度で含有することを特徴とする[1]記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法。
[3]電気めっきにより成膜した薄膜を、200〜600℃で熱処理することを特徴とする[1]又は[2]記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法。
[4]金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜に用いる電気めっき液であって、水溶性金塩、水溶性鉄塩、クエン酸及びグリシンを含有し、pHが4〜11であることを特徴とする電気めっき液。
[5]水溶性金塩を金基準で0.01〜0.1mol・dm-3の濃度、水溶性鉄塩を鉄基準で0.02〜0.2mol・dm-3の濃度、クエン酸を0.01〜0.4mol・dm-3の濃度、グリシンを0.01〜3mol・dm-3の濃度で含有することを特徴とする[4]記載の電気めっき液。
[6]金と鉄とを含有し、金と鉄との比率が、金:鉄=35:65〜65:35(mol比)であり、微細結晶を有さない均質なアモルファスで形成されていることを特徴とする金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
[7]ヌープ硬度Hkが500以上であることを特徴とする[6]記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
[8]比抵抗が100Ω・cm以下であることを特徴とする[7]記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
[9]更に、炭素を含有し、金と炭素との比率が、金:炭素=90:10〜60:40(mol比)であることを特徴とする[6]乃至[8]のいずれかに記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
[1]水溶性金塩、水溶性鉄塩、クエン酸及びグリシンを含有し、pHが4〜11である電気めっき液を用い、電流密度を20mA・cm-2以上とした電気めっきにより、被めっき物に、金と鉄とを含むアモルファス合金めっき薄膜を成膜することを特徴とする金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法。
[2]上記電気めっき液が、水溶性金塩を金基準で0.01〜0.1mol・dm-3の濃度、水溶性鉄塩を鉄基準で0.02〜0.2mol・dm-3の濃度、クエン酸を0.01〜0.4mol・dm-3の濃度、グリシンを0.01〜3mol・dm-3の濃度で含有することを特徴とする[1]記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法。
[3]電気めっきにより成膜した薄膜を、200〜600℃で熱処理することを特徴とする[1]又は[2]記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法。
[4]金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜に用いる電気めっき液であって、水溶性金塩、水溶性鉄塩、クエン酸及びグリシンを含有し、pHが4〜11であることを特徴とする電気めっき液。
[5]水溶性金塩を金基準で0.01〜0.1mol・dm-3の濃度、水溶性鉄塩を鉄基準で0.02〜0.2mol・dm-3の濃度、クエン酸を0.01〜0.4mol・dm-3の濃度、グリシンを0.01〜3mol・dm-3の濃度で含有することを特徴とする[4]記載の電気めっき液。
[6]金と鉄とを含有し、金と鉄との比率が、金:鉄=35:65〜65:35(mol比)であり、微細結晶を有さない均質なアモルファスで形成されていることを特徴とする金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
[7]ヌープ硬度Hkが500以上であることを特徴とする[6]記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
[8]比抵抗が100Ω・cm以下であることを特徴とする[7]記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
[9]更に、炭素を含有し、金と炭素との比率が、金:炭素=90:10〜60:40(mol比)であることを特徴とする[6]乃至[8]のいずれかに記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、微細結晶を有さない均質なアモルファスにより形成されており、従来の硬質金めっき薄膜や、アモルファス金合金めっき薄膜では得られなかった高い硬度を有することから、複雑で微細なマイクロコネクターやマイクロリレーなどの接点材料として有効に利用することができる。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、金と鉄との比率が、金:鉄=35:65〜65:35(mol比)であり、微細結晶を有さない均質なアモルファスで形成されている。
本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、金と鉄との比率が、金:鉄=35:65〜65:35(mol比)であり、微細結晶を有さない均質なアモルファスで形成されている。
電気・電子部品の接点材料としては、接点同士が接触したときの電気抵抗が低くなければならず、また、接点材料の使用環境で変質しないことなどの化学的安定性が必要であり、その観点から、金合金のめっき薄膜は有効である。一方、上述したような微小接点でも硬度を下げることがないめっき薄膜の微細構造としては、結晶性の構造よりもアモルファス構造が理想的である。
本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、金と鉄とを含むものであると共に、その微細構造は、微細結晶を有さない均質なアモルファス相構造であり、これらの特徴により、良好な接触抵抗値、比抵抗値及び化学的安定性と共に、従来の金又は金合金めっき薄膜にはない高い硬度が達成される。このような微細結晶を有さないアモルファス相構造は、X線回折(XRD)により確認することができる。
本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、金属成分として金及び鉄を含み、金と鉄との比率が、金:鉄=35:65〜65:35(mol比)であり、金:鉄=40:60〜60:40(mol比)であることが好ましく、金:鉄=42:58〜56:44(mol比)であることがより好ましい。金の比率が上記範囲より高いと、めっき薄膜がアモルファス合金とはならず、金の比率が上記範囲より低いと、耐食性が低下する。本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜にあっては、金の含有率を減らすことができることから、高価な金の使用を減らして、めっき薄膜を適用する部品のコストを抑えることが可能となる。
また、金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の導電性の点から、金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜中の金及び鉄の総量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは94質量%以上、更に好ましくは96質量%以上、特に好ましくは99質量%以上である。
更に、本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、金及び鉄以外に、炭素を含有していてもよい。炭素の含有比率は、金:炭素=90:10〜60:40(mol比)であることが好ましく、金:炭素=75:25〜65:35(mol比)であることがより好ましい。
本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の厚さは、特に限定されるものではないが、下限は、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.5μm以上であり、上限は、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは10μm以下である。
本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、水溶性金塩、水溶性鉄塩、クエン酸及びグリシンを含有し、pHが4〜11である電気めっき液を用いて、電気めっきによって成膜することができる。
この電気めっき液には、水溶性金塩、水溶性鉄塩が含まれるが、水溶性金塩としては、シアン化金塩、亜硫酸金ナトリウム塩、塩化金塩などが挙げられ、シアン化金塩が好ましい。シアン化金塩として具体的には、シアン化金カリウム、シアン化金ナトリウム、シアン化金リチウムなどが挙げられる。一方、水溶性鉄塩としては、硫酸鉄、硝酸鉄、塩化鉄などが挙げられ、特に、2価の鉄塩が好適である。
電気めっき液中の水溶性金塩の濃度は、金基準で好ましくは0.01〜0.1mol・dm-3、より好ましくは0.015〜0.04mol・dm-3、更に好ましくは0.02〜0.035mol・dm-3である。一方、電気めっき液中の水溶性鉄塩の濃度は、鉄基準で好ましくは0.02〜0.2mol・dm-3、より好ましくは0.05〜0.1mol・dm-3、更に好ましくは0.07〜0.08mol・dm-3である。
また、電気めっき液は、クエン酸及びグリシンを含有する。クエン酸のみでは、成膜しためっき薄膜の基材に対する密着性、金属光沢、硬度などの物理特性が十分なものとはならず、グリシンのみでは、鉄が十分に錯化されずに沈殿してしまう。本発明においては、クエン酸とグリシンとを併用することによって、電気めっき液の液安定性と、成膜した薄膜の良好な物理特性との双方が達成される。
電気めっき液中のクエン酸の濃度は0.01〜0.4mol・dm-3、特に0.1〜0.3mol・dm-3、とりわけ0.14〜0.29mol・dm-3であることが好ましい。クエン酸の濃度が上記範囲未満では、錯化作用が不足するおそれがある。また、上記範囲を超えてクエン酸を添加しても、錯化作用は、ほとんど変わらない。一方、電気めっき液中のグリシンの濃度は0.01〜3mol・dm-3、特に0.05〜1mol・dm-3、とりわけ0.1〜0.5mol・dm-3であることが好ましい。グリシンの濃度が上記範囲未満では、成膜しためっき薄膜の物理特性が不十分となるおそれがある。また、グリシンの濃度が上記範囲を超えると、電流効率が低下するおそれがある。
なお、本発明の電気めっき液には、本発明の目的を達成し、本発明の効果を損なわない範囲で、錯化作用、pH緩衝作用又はそれら双方を有する有機酸又はその塩などの他の錯化剤、pH緩衝剤を添加してもよい。
なお、この電気めっき液は、弱酸性乃至中性乃至弱塩基性であることが好ましく、その好適なpHは、4以上、好ましくは5以上であって、11以下、好ましくは10以下、より好ましくは9以下である。なお、pH調整には、従来公知のpH調整剤(硫酸、硝酸、塩酸等の酸、NaOH、KOH、アンモニアなどのアルカリ)を用いることができる。
電気めっき温度は10℃以上、特に20℃以上が好適であり、80℃以下、特に70℃以下、とりわけ40℃以下が好適である。また、電流密度は20A・cm-2以上であり、好ましくは30mA・cm-2以上である。電流密度の上限は、通常200mA・cm-2以下、好ましくは100mA・cm-2以下、より好ましくは50mA・cm-2以下である。また、アノードには白金等の不溶性アノードを用いることができる。一方、被めっき物(カソード)としては、電気配線などに用いられる銅などの金属材料が挙げられる。この金属材料は、金属基材又は非金属基材上に下地層として形成したものであってもよい。なお、攪拌の有無は問わないが、攪拌下でめっきすることが好ましい。
本発明によれば、ヌープ硬度(kgf・mm-2)がHk=500以上、特にHk=600以上という、従来の金合金薄膜にはない、優れた硬度を有する金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜を得ることができる。また、この金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の比抵抗(後述する熱処理前の比抵抗)は、通常、150Ω・cm以下である。また、本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、300℃以下のアニール処理では、ヌープ硬度は、ほとんど変化しない。
本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、200℃以上、特に250℃以上で、600℃以下、特に350℃以下、とりわけ300℃以下で熱処理(アニール処理)したものがより好ましい。熱処理をすることにより、硬度を低下させることなく、電気抵抗(比抵抗)を低下させることができる。この熱処理は、常圧下、減圧下及び真空下のいずれでもよく、雰囲気は、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、窒素雰囲気下、窒素ガス中に水素ガスを数質量%(例えば2〜5質量%)含む反応性ガス雰囲気下などでよい。熱処理の時間は、通常1〜120分間である。熱処理により、比抵抗を低下させることができ、100Ω・cm以下の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜を得ることが可能である。
本発明の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜は、従来の金又は金合金めっき薄膜にはない高い硬度と、良好な電気的特性とを有するという特徴から、電磁開閉器、ブレーカー、サーモスタット、リレー、タイマー、各種スイッチ、プリント配線基板などの電気・電子部品の端子等の導通接点として有効である。
以下、実施例、比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、薄膜の分析・測定の方法及び条件は、以下のとおりである。
<構造解析:XRD(X線回折)>
使用機器:株式会社リガク製 RINT ULTIMA III
特性X線:CuKα
管電圧/管電流:40kV/40mA
測定手法:Out−of−plane
使用機器:株式会社リガク製 RINT ULTIMA III
特性X線:CuKα
管電圧/管電流:40kV/40mA
測定手法:Out−of−plane
<金属組成分析:XRF(蛍光X線分析)>
使用機器:株式会社島津製作所製 μEDX−1200
X線源:Rh
出力:40.2kW
使用機器:株式会社島津製作所製 μEDX−1200
X線源:Rh
出力:40.2kW
<炭素組成分析:GD−OES(グロー放電発光分析)>
使用機器:株式会社堀場製作所製 JY−5000RF
使用機器:株式会社堀場製作所製 JY−5000RF
<ヌープ硬度>
使用機器:株式会社島津製作所製 微小硬さ計 HMV−2000
圧子:ヌープ圧子
荷重:5gf(=約49mN)
使用機器:株式会社島津製作所製 微小硬さ計 HMV−2000
圧子:ヌープ圧子
荷重:5gf(=約49mN)
<比抵抗>
使用機器:株式会社三菱化学アナリテック 高抵抗 抵抗率計 Model MCP−T310
測定法:4端子4探針法
使用機器:株式会社三菱化学アナリテック 高抵抗 抵抗率計 Model MCP−T310
測定法:4端子4探針法
[実施例1]
KAu(CN)2を0.035mol・dm-3、FeSO4・7H2Oを0.076mol・dm-3、クエン酸を0.14mol・dm-3、グリシンを0.15mol・dm-3含有し、KOHによりpHを9.0に調整した電気めっき液を用い、温度24℃、電流密度30mA・cm-2で、銅基板(カソード)上に、薄膜を、電気めっきにより成膜した。膜厚は、ヌープ硬度評価用を10μm、ヌープ硬度以外の評価用を1μmとした。
KAu(CN)2を0.035mol・dm-3、FeSO4・7H2Oを0.076mol・dm-3、クエン酸を0.14mol・dm-3、グリシンを0.15mol・dm-3含有し、KOHによりpHを9.0に調整した電気めっき液を用い、温度24℃、電流密度30mA・cm-2で、銅基板(カソード)上に、薄膜を、電気めっきにより成膜した。膜厚は、ヌープ硬度評価用を10μm、ヌープ硬度以外の評価用を1μmとした。
銅基板には、圧延銅板を用い、めっき面積を2cm2(1cm×2cm)とした。銅基板は、前処理として、電解脱脂、及び酸活性処理溶液(10vol%H2SO4に30秒浸漬)を実施して用いた。
電気めっきは、ポテンシオ/ガルバノスタット(北斗電工株式会社製 HA−301)を用い、対極(アノード)には白金メッシュ、参照極には飽和カロメル電極をそれぞれ用い、電気めっき中、電気めっき液を600rpmで強攪拌して、3電極の定電流めっき法により実施した。
電気めっき薄膜の構造をXRDにより分析した。XRDパターンを図1に示す。この電気めっき薄膜はアモルファスであった。また、得られた電気めっき薄膜の外観を図2(A)に示す。この電気めっき薄膜は、金属光沢を有する外観を呈していた。更に、この電気めっき薄膜の金と鉄の比率は、Au:Fe=43:57(mol比)であった。
この電気めっき薄膜のヌープ硬度(kgf・mm-2)は653、比抵抗(Ω・cm)は138であり、従来のアモルファス金−ニッケル合金の電気めっき薄膜のヌープ硬度(435程度)やアモルファス金−ニッケル−タングステン合金の電気めっき薄膜のヌープ硬度(464程度)と比べて、高い値を示した。また、この電気めっき薄膜に、真空中、300℃、1時間の熱処理を施した後に測定したヌープ硬度は642であり、熱安定性が高いことが確認された。更に、熱処理後の電気めっき薄膜の比抵抗は93であり、従来のアモルファス金−ニッケル合金の電気めっき薄膜の比抵抗(81程度)やアモルファス金−ニッケル−タングステン合金の電気めっき薄膜の比抵抗(93程度)と比べて遜色ない電気抵抗であった。この結果から、本発明により、接点材料として好適な、高硬度の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜が得られ、また、その熱処理により、硬度を低下させることなく、電気抵抗の低い、接点材料として更に良好な薄膜が得られることがわかる。
[実施例2〜5、比較例1〜4]
グリシンの濃度、電気めっき液のpH、電流密度を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、電気めっき薄膜を成膜した。実施例2の電気めっき薄膜のヌープ硬度(kgf・mm-2)は652、実施例3の電気めっき薄膜のヌープ硬度(kgf・mm-2)は525であった。得られた電気めっき薄膜のXRDパターンを図1(実施例2,3、比較例1)及び図3(実施例4,5、比較例3)に、また、実施例5、比較例1〜4の電気めっき薄膜の外観を、各々、図2(B)〜(F)に、金属光沢の有無及び金と鉄の比率を表1に、実施例1の結果と共に示す。
グリシンの濃度、電気めっき液のpH、電流密度を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、電気めっき薄膜を成膜した。実施例2の電気めっき薄膜のヌープ硬度(kgf・mm-2)は652、実施例3の電気めっき薄膜のヌープ硬度(kgf・mm-2)は525であった。得られた電気めっき薄膜のXRDパターンを図1(実施例2,3、比較例1)及び図3(実施例4,5、比較例3)に、また、実施例5、比較例1〜4の電気めっき薄膜の外観を、各々、図2(B)〜(F)に、金属光沢の有無及び金と鉄の比率を表1に、実施例1の結果と共に示す。
なお、比較例2及び4の電気めっき薄膜は、基板上での密着性が悪く、容易に剥がれ落ちる性状であったため、XRD及び金と鉄の比率の評価は実施しなかった。
[実施例6〜8]
クエン酸の濃度、電流密度を表2に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、電気めっき薄膜を成膜した。得られた電気めっき薄膜のXRDパターンを図4に、また、電気めっき薄膜の金属光沢の有無及び金と鉄の比率を表2に示す。
クエン酸の濃度、電流密度を表2に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、電気めっき薄膜を成膜した。得られた電気めっき薄膜のXRDパターンを図4に、また、電気めっき薄膜の金属光沢の有無及び金と鉄の比率を表2に示す。
[実施例9〜11]
クエン酸の濃度、電流密度を表3に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、電気めっき薄膜を成膜した。得られた電気めっき薄膜のヌープ硬度(kgf・mm-2)は、実施例9が656、実施例10が643、実施例11が530であった。電気めっき薄膜のXRDパターンを図5に、また、電気めっき薄膜の金属光沢の有無、金と鉄の比率及び金と炭素の比率を表3に示す。
クエン酸の濃度、電流密度を表3に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、電気めっき薄膜を成膜した。得られた電気めっき薄膜のヌープ硬度(kgf・mm-2)は、実施例9が656、実施例10が643、実施例11が530であった。電気めっき薄膜のXRDパターンを図5に、また、電気めっき薄膜の金属光沢の有無、金と鉄の比率及び金と炭素の比率を表3に示す。
Claims (9)
- 水溶性金塩、水溶性鉄塩、クエン酸及びグリシンを含有し、pHが4〜11である電気めっき液を用い、電流密度を20mA・cm-2以上とした電気めっきにより、被めっき物に、金と鉄とを含むアモルファス合金めっき薄膜を成膜することを特徴とする金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法。
- 上記電気めっき液が、水溶性金塩を金基準で0.01〜0.1mol・dm-3の濃度、水溶性鉄塩を鉄基準で0.02〜0.2mol・dm-3の濃度、クエン酸を0.01〜0.4mol・dm-3の濃度、グリシンを0.01〜3mol・dm-3の濃度で含有することを特徴とする請求項1記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法。
- 電気めっきにより成膜した薄膜を、200〜600℃で熱処理することを特徴とする請求項1又は2記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法。
- 金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜に用いる電気めっき液であって、水溶性金塩、水溶性鉄塩、クエン酸及びグリシンを含有し、pHが4〜11であることを特徴とする電気めっき液。
- 水溶性金塩を金基準で0.01〜0.1mol・dm-3の濃度、水溶性鉄塩を鉄基準で0.02〜0.2mol・dm-3の濃度、クエン酸を0.01〜0.4mol・dm-3の濃度、グリシンを0.01〜3mol・dm-3の濃度で含有することを特徴とする請求項4記載の電気めっき液。
- 金と鉄とを含有し、金と鉄との比率が、金:鉄=35:65〜65:35(mol比)であり、微細結晶を有さない均質なアモルファスで形成されていることを特徴とする金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
- ヌープ硬度Hkが500以上であることを特徴とする請求項6記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
- 比抵抗が100Ω・cm以下であることを特徴とする請求項7記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
- 更に、炭素を含有し、金と炭素との比率が、金:炭素=90:10〜60:40(mol比)であることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載の金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜。
Priority Applications (1)
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| JP2014087884A JP2015071820A (ja) | 2013-09-09 | 2014-04-22 | 金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜の成膜方法、電気めっき液、及び金−鉄系アモルファス合金めっき薄膜 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2013186236 | 2013-09-09 | ||
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ID=53014381
Family Applications (1)
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| JP (1) | JP2015071820A (ja) |
-
2014
- 2014-04-22 JP JP2014087884A patent/JP2015071820A/ja active Pending
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