JP2015063648A - ゴム組成物およびこれを用いる空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
一般的に、ジエン系ゴムの架橋は硫黄等に由来するスルフィド結合によって形成することができる。
また、ジエン系ゴムの他飽和ゴムにも適用できるパーオキサイド架橋の際には、トリアリルイソシアヌレートのような架橋助剤が一般的に使用される(例えば特許文献1)。
また、本願発明者は、硫黄等に由来するスルフィド結合(ポリスルフィド結合を含む。)によって網目構造を形成する場合、破断強度と耐熱老化性に改善の余地があることを見引した。
本願発明者は、従来のゴム組成物において破断物性と耐熱老化性の両立が困難であるのは、ゴムの架橋がポリスルフィド結合を含むことに原因であると考えた。
また、本願発明者は、ジエン系ゴムの架橋の際に、架橋剤として、1分子中に2つのモノスルフィド結合による網目鎖を形成し得る化合物を使用する場合、得られるゴムの破断伸びが低下することを見出した。
さらに、本願発明者は、1分子中に単に3個以上のモノスルフィド結合によって網目鎖を形成し得る化合物を使用する場合、得られるゴムの破断伸びおよび耐熱老化性が劣る場合があることを見出した。詳細には、1分子中にメルカプト基を3個以上有する化合物であっても、例えば2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンのように架橋点間の分子構造が短い化合物を含むゴム組成物は、破断伸びおよび耐熱老化性が劣ることを見出した。
そこで、本発明は、タイヤにしたときに弾性率、破断物性、耐熱老化性に優れたゴム組成物を提供することが可能な、硫黄等に代わる新規な架橋剤、これを含有するゴム組成物及びこれを用いる空気入りタイヤの提供を目的とする。
1. ジエン系ゴムA100質量部と、下記式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体0.5〜10質量部とを含む、ゴム組成物。
[式(1)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に−CaH2aOC(=O)CbH2bSHであり、a、bはそれぞれ独立に1以上の整数であり、R1、R2、R3は同一であっても異なってもよい。]
[式(2)中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に−OC(=O)CnH2nSHであり、R7は−OC(=O)CnH2nSH、アルキル基又は水素原子であり、nはそれぞれ独立に2以上の整数であり、−OC(=O)CnH2nSHは同一であっても異なってもよい。]
2. 前記イソシアヌル酸誘導体又は前記カルボン酸誘導体の分子量が1,000以下である、上記1に記載のゴム組成物。
3. 前記式(2)中、nが2である、上記1又は2に記載のゴム組成物。
4. 前記ジエン系ゴムAの少なくとも一部又は全部が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシシリル基及びシラノール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するジエン系ゴムaである、上記1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
5. 前記ジエン系ゴムAが、更に、前記ジエン系ゴムa以外のジエン系ゴムを含有する、上記4に記載のゴム組成物。
6. 前記ジエン系ゴムaの量が、前記ジエン系ゴムAの量の5〜100質量%である、上記4又は5に記載のゴム組成物。
7. 更に、充填剤を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
8. 上記1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤ。
本発明のゴム組成物は、
ジエン系ゴムA100質量部と、下記式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体0.5〜10質量部とを含む、ゴム組成物である。
[式(1)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に−CaH2aOC(=O)CbH2bSHであり、a、bはそれぞれ独立に1以上の整数であり、R1、R2、R3は同一であっても異なってもよい。]
[式(2)中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に−OC(=O)CnH2nSHであり、R7は−OC(=O)CnH2nSH、アルキル基又は水素原子であり、nはそれぞれ独立に2以上の整数であり、−OC(=O)CnH2nSHは同一であっても異なってもよい。]
これは、イソシアヌル酸誘導体及びカルボン酸誘導体が、1分子中に3個以上のメルカプト基を有し、かつ、イソシアヌル酸誘導体及びカルボン酸誘導体のメルカプト基以外の構造が、架橋点間の分子構造としてある程度の長さを有するためであると考えられる。
本発明において、ジエン系ゴムAが有する不飽和結合(例えば、共役ジエン単量体に由来する、ビニル基及び/又はビニレン基)と、イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体が有する3個以上のメルカプト基との相互作用及び/又は反応によって、網目鎖の架橋(架橋点はモノスルフィド結合となる。)が形成される。これは単なる直鎖状の硫黄架橋(スルフィド結合)とは異なるものである。すなわち、本発明においては特定の構造を有する架橋剤をジエン系ゴムに使用して、1つの架橋剤が3次元的な網目構造を形成し、当該架橋剤による架橋点間が長い網目構造によって、ゴムの架橋密度を高くしつつも、柔軟性を付与することができる。なお上記メカニズムは本願発明者の推測であり、もしメカニズムが異なるものであったとしても本願発明の範囲内である。
また、本発明のゴム組成物において使用されるイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体は、ジエン系ゴムに架橋を形成することができるので、ジエン系ゴムの架橋に一般的に使用される硫黄を少なくとも一部の量又は全量を当該イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体に代えることができる。
また、イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体の官能基がビニル基である場合、得られるゴムの弾性率が低かった。
本発明において、イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体は、ラジカルの連鎖移動剤及び/又はビニル基等との反応可能な化合物として機能すると考えられる。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、tert−ブトキシスチレン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4−ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノエチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられる。
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
共役ジエンによるビニル結合量は、式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体との反応性に優れるという観点から芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムを構成する共役ジエンの20〜55質量%であるのが好ましい。
ジエン系ゴムAは、本発明のゴム組成物がさらにシリカを含む場合シリカの分散性に優れるという観点から、活性水素を有する官能基を更に有することができる。
シラノール基は例えば、アルコキシシリル基、フェノキシシリル基から生成するものであってもよい。シラノール基が1つのケイ素原子にOH基を1又は2個有する場合、当該ケイ素原子に他に結合する基は特に制限されない。例えば、炭化水素基、アルコキシ基、フェノキシ基が挙げられる。
本発明において、ジエン系ゴムAの少なくとも一部又は全部は、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシシリル基及びシラノール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するジエン系ゴムaであるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
本発明のゴム組成物がさらにシリカを含む場合シリカの分散性に優れるという観点から、ジエン系ゴムAの少なくとも一部又は全部をジエン系ゴムaとすることができる。
官能基は、ジエン系ゴムaの末端(両末端を含む)及び/又は側鎖に結合することができる。
芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴムとしては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、スチレン−イソプレン共重合体ゴムなどが挙げられる。なかでも、得られるタイヤの弾性率、破断物性、耐熱老化性がより優れる理由から、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)であることが好ましい。
なかでも、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、芳香族ビニル−共役ジエン共重合体ゴム、BRであるのが好ましく、BR、SBRであるのがより好ましい。
ジエン系ゴムa以外のジエン系ゴムの重量平均分子量は、破断物性により優れるという観点から、400,000〜1,500,000であるのが好ましく、500,000〜1,400,000であるのがより好ましい。
ジエン系ゴムa以外のジエン系ゴムの量は、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、ジエン系ゴムAの量の95〜0質量%であるのが好ましく、95〜5質量%であるのがより好ましい。
ジエン系ゴムAの製造は特に制限されない。例えば従来公知のものが挙げられる。
本発明において、式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体(これを単にイソシアヌル酸誘導体ということがある。)及び式(2)で示されるカルボン酸誘導体(これを単にカルボン酸誘導体ということがある。)は、ジエン系ゴムAの架橋剤及び/又は連鎖移動剤として機能する。
[式(1)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に−CaH2aOC(=O)CbH2bSHであり、a、bはそれぞれ独立に1以上の整数であり、R1、R2、R3は同一であっても異なってもよい。]
−CaH2aOC(=O)CbH2bSH中の「OC(=O)」はエステル結合を意味する。
aは、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、1以上の整数であるのが好ましく、1〜18の整数であるのがより好ましく、2が更に好ましい。
bは、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、1以上の整数であるのが好ましく、1〜12の整数であるのがより好ましく、2が更に好ましい。
−CaH2aOC(=O)CbH2bSHは、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、−C2H4OC(=O)C2H4SH(a=b=2)が好ましい。
[式(2)中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に−OC(=O)CnH2nSHであり、nはそれぞれ独立に2以上の整数であり、R7は−OC(=O)CnH2nSH、アルキル基又は水素原子であり、−OC(=O)CnH2nSHは同一であっても異なってもよい。]
−OC(=O)CnH2nSH中の「OC(=O)」はエステル結合を意味する。
nは、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、2以上の整数であるのが好ましく、2〜18の整数であるのがより好ましく、2であるのが更に好ましい。
アルキル基は特に制限されない。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基が挙げられる。
−OC(=O)CnH2nSHは、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、−OC(=O)C2H4SH(n=2)が好ましい。
R7は、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、−OC(=O)C2H4SH(n=2)、メチル基が好ましい。
硫黄の量は、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、ジエン系ゴムA100質量部に対して、0.1〜20質量部とすることができ、0.1〜5質量部が好ましく、0.1質量部以上3.5質量部未満がより好ましく、0.1〜3質量部が更に好ましい。硫黄の量は例えば、ゴム組成物の用途、目的に応じて適宜変更することができる。
カーボンブラックの量は、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、ジエン系ゴムA100質量部に対して、5〜200質量部であるのが好ましく、5〜150質量部であるのがより好ましい。
カーボンブラックとシリカを併用する場合、カーボンブラックの量は、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、ジエン系ゴムA100質量部に対して、5〜60質量部であるのが好ましく、5〜40質量部であるのがより好ましい。
シリカの量は、弾性率、破断物性、耐熱老化性により優れるという観点から、ジエン系ゴムA100質量部に対して、5〜95質量部であるのが好ましく、10〜95質量部であるのがより好ましい。シリカをカーボンブラックと併用する場合においてもシリカの量を上記と同様とすることができる。
本発明のゴム組成物は、必要に応じて、その効果や目的を損なわない範囲でさらに添加剤を更に含有することができる。添加剤としては、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、ステアリン酸、老化防止剤、加工助剤、オイル(例えば、アロマオイル、プロセスオイル)、テルペン樹脂、熱硬化性樹脂、加硫促進剤、式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体又は下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体以外の架橋剤(例えば過酸化物)などのゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤が挙げられる。添加剤の量は、ゴム組成物の用途等に応じて、その効果や目的を損なわない範囲で、例えば、従来公知と同様の量とすることができる。
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、上述した各成分を、公知の方法、装置(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど)を用いて、混練する方法などが挙げられる。具体的には例えば、まず、硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体とを除く成分を混合してマスターバッチを製造し、得られたマスターバッチに硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体とを混合し、ゴム組成物を製造する方法が挙げられる。
また、本発明のゴム組成物は、従来公知の加硫または架橋条件で加硫または架橋することができる。
本発明において、ジエン系ゴムAが有する不飽和結合と、イソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体が有する3個以上のメルカプト基との相互作用及び/又は反応によって、網目鎖の架橋が形成される。これは単なる直鎖状の硫黄架橋とは異なるものである。つまり、架橋点はモノスルフィド結合であり、架橋間構造が長く、架橋構造は3次元である。このような架橋構造は耐老化特性に有利な働きをすると考えられる。当該網目構造の架橋は、硫黄加硫と同時にゴムに形成させることができる。
防振ゴム又は免震ゴムに使用されるゴム組成物は、一般的に加硫促進剤/硫黄の比が小さい(通常0.1以上0.7未満)。本発明のゴム組成物を加硫促進剤/硫黄の比を小さくして防振ゴム、免震ゴム等に使用する場合、本発明におけるイソシアヌル酸誘導体び/又はカルボン酸誘導体の効果(例えば、破断伸びと耐熱老化性のバランス)が顕著となると考えられる。
本発明の空気入りタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤに使用されるゴム組成物は本発明のゴム組成物であれば特に制限されない。
本発明の空気入りタイヤにおいて、例えば、タイヤトレッド部を当該ゴム組成物で形成するのが好ましい態様の1つとして挙げられる。
図1に、本発明の空気入りタイヤの実施態様の一例を表すタイヤの部分断面概略図を示すが、本発明の空気入りタイヤは添付の図面に限定されない。
また、左右一対のビード部1間においては、繊維コードが埋設されたカーカス層4が装架されており、このカーカス層4の端部はビードコア5およびビードフィラー6の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。
また、タイヤトレッド部3においては、カーカス層4の外側に、ベルト層7が配置されている。
また、ビード部1においては、リムに接する部分にリムクッション8が配置されている。
下記各表に示す成分を、下記各表に示す割合(単位:質量部)で配合した。
具体的には、まず、下記各表に示す成分のうち硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体を除く成分を、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーを用いて5分間混合し、150±5℃に達したときに放出し、室温まで冷却してマスターバッチを得た。さらに、上記バンバリーミキサーを用いて、得られたマスターバッチに硫黄と加硫促進剤とイソシアヌル酸誘導体及び/又はカルボン酸誘導体とを混合し、ゴム組成物を製造した。
各表中、SBR1の値はSBR(油展品)の量(質量部)である。
・SBR1:水酸基を有するスチレンブタジエンゴム、商品名E581(油展品:SBR100質量部に対して油展オイル37.5質量部を添加したもの。)、スチレン含有量:37質量%、ブタジエン中のビニル結合量(1,4−結合):42%、Tg:−27℃、重量平均分子量:1,260,000、旭化成社製、当該SBRが1分子当たりに有する不飽和結合(1,4−結合、1,2−結合の合計)の含有量の当該SBRに対するモル分率0.76
・SBR2:スチレンブタジエンゴム、商品名Nipol1502、日本ゼオン社製、重量平均分子量50万、スチレン量23.5質量%、当該SBRが1分子当たりに有する不飽和結合の含有量のモル分率0.86
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol1220
・シリカ:Solvay社製1165MP
・カーボンブラック:東海カーボン社製シーストN
・シランカップリング剤:ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド(TESPT)、Evonik社製Si69
・亜鉛華:酸化亜鉛3種(正同化学工業社製)
・ステアリン酸:ビーズステアリン酸(日本油脂社製)
・老化防止剤:フレキシス社製6PPD
・硫黄:金華印油入微粉硫黄(鶴見化学工業社製)
・加硫促進剤1:加硫促進剤CBS(ノクセラーCZ−G、大内新興化学工業社製)
・加硫促進剤2:サンセラーD−G、三新化学工業社製
・オイル:エキストラクト4号S(昭和シェル石油社製)
・イソシアヌル化合物1:下記式で表されるトリアリルイソシアヌレート、日本化成社製TAIC(アリル基)
・イソシアヌル化合物2:下記式(1a)で表されるトリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、SC有機化学社製TEMPIC(SH=3)、MW525.62
・プロピオネート1:下記式(2a)で表されるトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、SC有機化学社製TMMP(SH=3)、MW398.50
・プロピオネート2:下記式で表されるテトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、SC有機化学社製EGMP−4(SH=2)、MW371.98
・トリメルカプト化合物:三協化成社製2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジン
上記のとおり製造したゴム組成物を縦15cm×横15cm×厚さ0.2cmの金型中で150℃で30分間加硫して加硫ゴムシートを製造した。
上記のとおりにして製造された加硫ゴムシートを用いて以下のゴム物性、耐熱老化性の評価を行った。結果を各表に示す。各表において、評価結果を各表における標準例1の結果を100とする指数で表示する。
・M300(300%モジュラス):加硫ゴムシートから3号ダンベル状の試験片を打ち抜き、JIS K6251に準拠して300%モジュラス(300%伸びのときの引張応力、単位:MPa)を測定した。指数が高いほど弾性率に優れていることを意味する。
・破断伸び:JIS K6251に準拠して破断伸び(単位:%)測定した。指数が高いほど破断伸びが高いことを意味する。
・耐熱老化性:上記のとおり製造したゴム組成物を160℃で60分間、加圧加硫した厚さ2mmのシートをJIS K6257に準拠して、このシートからダンベル状3号形試験片を打ち抜き、さらに80℃、168時間の条件で空気加熱老化処理を行い、該処理前後における破断伸びを測定した。初期からの破断伸びの変化率を耐熱老化性能とした。指数が大きいほど耐熱老化性が良好である。
第1表において、標準例1は硫黄及びスルフィド系シランカップリング剤を含むので、ゴムの架橋はポリスルフィド結合を含むスルフィド結合によるものである。
第1表に示す結果から明らかなように、特定のイソシアヌル酸誘導体又はカルボン酸誘導体を使用せず代わりにアリル基を有するイソシアヌル化合物1を使用する比較例1は、標準例1より弾性率が低下した。これはイソシアヌル化合物1により形成される架橋構造がスルフィド結合を有さないためと考えられる。
また、メルカプト基を2個有する化合物を含む比較例4は標準例1より破断物性が低下した。
式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は式(2)で示されるカルボン酸誘導体を含まず代わりに2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンを含む比較例5は標準例1より破断物性、耐熱老化性が低下した。2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンはトリアジン骨格にメルカプト基が直接結合し、架橋点間の分子構造がやや短い。その結果、架橋密度が大幅に増加し伸びが低下すると考えられる。比較例5の結果から、1分子中のメルカプト基が単に3つであってもメルカプト基以外の構造によっては破断伸び及び耐熱老化性が低下すると考えられる。
式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は式(2)で示されるカルボン酸誘導体の量が少ない比較例2は、弾性率、破断物性、耐熱老化性を改善しなかった。式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は式(2)で示されるカルボン酸誘導体の量が多い比較例3は、破断物性が標準例1より低下した。
これに対して、実施例1〜4は標準例1と比較して弾性率、破断物性に優れ、弾性率と破断物性を高いレベルで両立させることができ、耐熱老化性に優れる。
第2表において、標準例1は硫黄及びスルフィド系シランカップリング剤を含むので、ゴムの架橋はポリスルフィド結合を含むスルフィド結合によるものである。
第2表に示す結果から明らかなように、特定のイソシアヌル酸誘導体又はカルボン酸誘導体を使用せず代わりにアリル基を有するイソシアヌル化合物1を使用する比較例1は、標準例1より弾性率が低下した。これはイソシアヌル化合物1により形成される架橋構造がスルフィド結合を有さないためと考えられる。
また、メルカプト基を2個有する化合物を含む比較例4は破断物性が標準例1より低下した。
式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は式(2)で示されるカルボン酸誘導体を含まず代わりに2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンを含む比較例5は破断物性、耐熱老化性が標準例1より低下した。2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンはトリアジン骨格にメルカプト基が直接結合し、架橋点間の分子構造がやや短い。その結果、架橋密度が大幅に増加し伸びが低下すると考えられる。比較例5の結果から、1分子中のメルカプト基が単に3つであってもメルカプト基以外の構造によっては破断伸び及び耐熱老化性が低下すると考えられる。
式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は式(2)で示されるカルボン酸誘導体の量が少ない比較例2は、弾性率、破断物性が標準例1より低下した。式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は式(2)で示されるカルボン酸誘導体の量が多い比較例3は、破断物性が標準例1より低下した。
これに対して、実施例1〜4は標準例1と比較して弾性率、破断物性に優れ、弾性率と破断物性を高いレベルで両立させることができ、耐熱老化性に優れる。
SBRを2種以上含むゴム組成物は例えば、競技用タイヤに使用することができる。
第3表において、標準例1は硫黄を含むので、ゴムの架橋はポリスルフィド結合を含むスルフィド結合によるものである。
第3表に示す結果から明らかなように、特定のイソシアヌル酸誘導体又はカルボン酸誘導体を使用せず代わりにアリル基を有するイソシアヌル化合物1を使用する比較例1は、標準例1より弾性率が低下した。これはイソシアヌル化合物1により形成される架橋構造がスルフィド結合を有さないためと考えられる。
また、メルカプト基を2個有する化合物を含む比較例4は破断物性が標準例1より低下した。
式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は式(2)で示されるカルボン酸誘導体を含まず代わりに2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンを含む比較例5は破断物性、耐熱老化性が標準例1より低下した。2,4,6−トリメルカプト−S−トリアジンはトリアジン骨格にメルカプト基が直接結合し、架橋点間の分子構造がやや短い。その結果、架橋密度が大幅に増加し伸びが低下すると考えられる。比較例5の結果から、1分子中のメルカプト基が単に3つであってもメルカプト基以外の構造によっては破断伸び及び耐熱老化性が低下すると考えられる。
式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は式(2)で示されるカルボン酸誘導体の量が少ない比較例2は、弾性率、破断物性が標準例1より低下した。式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は式(2)で示されるカルボン酸誘導体の量が多い比較例3は、破断物性が標準例1より低下した。
これに対して、実施例1〜4は標準例1と比較して弾性率、破断物性に優れ、弾性率と破断物性を高いレベルで両立させることができ、耐熱老化性に優れる。
充填剤が全てカーボンブラックであるゴム組成物は例えば、タイヤトレッド部に使用することができる。
2 サイドウォール部
3 タイヤトレッド部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 リムクッション
Claims (8)
- ジエン系ゴムA100質量部と、下記式(1)で示されるイソシアヌル酸誘導体及び/又は下記式(2)で示されるカルボン酸誘導体0.5〜10質量部とを含む、ゴム組成物。
[式(1)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に−CaH2aOC(=O)CbH2bSHであり、a、bはそれぞれ独立に1以上の整数であり、R1、R2、R3は同一であっても異なってもよい。]
[式(2)中、R4、R5、R6はそれぞれ独立に−OC(=O)CnH2nSHであり、R7は−OC(=O)CnH2nSH、アルキル基又は水素原子であり、nはそれぞれ独立に2以上の整数であり、−OC(=O)CnH2nSHは同一であっても異なってもよい。] - 前記イソシアヌル酸誘導体又は前記カルボン酸誘導体の分子量が1,000以下である、請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記式(2)中、nが2である、請求項1又は2に記載のゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴムAの少なくとも一部又は全部が、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルコキシシリル基及びシラノール基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するジエン系ゴムaである、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴムAが、更に、前記ジエン系ゴムa以外のジエン系ゴムを含有する、請求項4に記載のゴム組成物。
- 前記ジエン系ゴムaの量が、前記ジエン系ゴムAの量の5〜100質量%である、請求項4又は5に記載のゴム組成物。
- 更に、充填剤を含む、請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて製造した空気入りタイヤ。
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