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JP2015052104A - カチオン化セルロース誘導体の製造方法 - Google Patents

カチオン化セルロース誘導体の製造方法 Download PDF

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JP2015052104A
JP2015052104A JP2014154519A JP2014154519A JP2015052104A JP 2015052104 A JP2015052104 A JP 2015052104A JP 2014154519 A JP2014154519 A JP 2014154519A JP 2014154519 A JP2014154519 A JP 2014154519A JP 2015052104 A JP2015052104 A JP 2015052104A
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恵子 阿部
Keiko Abe
恵子 阿部
野尻 尚材
Naoki Nojiri
尚材 野尻
勝史 宮本
Katsushi Miyamoto
勝史 宮本
大崎 和友
Kazutomo Osaki
和友 大崎
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Kao Corp
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Abstract

【課題】固相反応において、セルロース又はセルロース誘導体とカチオン基を有する反応剤との反応速度が速く、カチオン基が均一に反応するカチオン化セルロース誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】セルロース及びセルロース誘導体から選ばれる1種以上の原料セルロースとカチオン基を有する反応剤とを反応させる粉末状のカチオン化セルロース誘導体の製造方法であって、
塩基性触媒の存在下、粉末状の原料セルロースを攪拌しながら、反応剤を噴霧供給して反応させ、
噴霧する反応剤の量が、原料セルロースのアンヒドログルコース単位1モル当たり0.2モル以上3.0モル以下であり、
攪拌の周速(m/秒)に対する、原料セルロースのアンヒドログルコース単位1モル当たりの反応剤の噴霧速度(mmol/AGU−mol・秒)の比が0(mmol/AGU−mol・m)を超え20(mmol/AGU−mol・m)以下である、粉末状のカチオン化セルロース誘導体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はカチオン化セルロース誘導体の製造方法に関する。
カチオン化ヒドロキシアルキルセルロースを初めとするカチオン性セルロース誘導体は、シャンプーやリンス、トリートメント、コンディショナー等の洗浄剤組成物の配合成分や分散剤、改質剤、凝集剤等に用いられ、その用途は多岐にわたる。
カチオン化セルロース誘導体の製造方法としては、特許文献1には溶媒として塩化リチウムを含むジメチルアミド、触媒として塩基性物質を用い、セルロースにグリシジルトリアルキルアンモニウムクロリドを反応させるセルロース誘導体の製造方法が開示されている。
特許文献2には、水と不活性有機溶媒中で、特定量のアルカリ性物質を用いてセルロース誘導体とグリシジルトリアルキルアンモニウム塩を反応させるカチオン変性セルロース誘導体の製造方法が開示されている。
特許文献3には、低結晶性の粉末セルロースを、触媒の存在下、グリシジルトリアルキルアンモニウム塩と反応させる、カチオン化セルロースの製造方法が開示されている。
特許文献4には、低結晶性の粉末セルロースを所定量の水及び触媒の存在下、特定のカチオン化剤、及び酸化プロピレンと反応させる、カチオン化ヒドロキシプロピルセルロースの製造方法が開示されている。
特許文献5には、特定の工程を経て得られたアルカリセルロースとグリシジルトリメチルアンモニウム塩等のエーテル化剤とを反応させる、セルロースエーテルの製造方法が開示されている。
特許文献6には、アルキレンエポキシドとセルロースもしくはその誘導体とをアルカリ性媒体中、水の存在において反応させ、反応混合物が全量に対して特定量の水を含有しかつ粉末状で存在する3級又は4級窒素を含有するセルロースエーテルの製造方法が開示されている。
特開昭60−177002号 特公昭59−42681号 特開2009−102587号 特開2011−94033号 特開2012−246479号 特開平1−110502号
大量の溶媒を用いる特許文献1及び2の製造方法に比べ、特許文献3〜6の製造方法は固相反応であり、工業的にも簡便であり、生産性が高い。
本発明は、固相反応において、セルロース又はセルロース誘導体とカチオン基を有する反応剤との反応速度が速く、カチオン基が均一に反応するカチオン化セルロース誘導体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、以下の製造方法に関する。
セルロース及びセルロース誘導体から選ばれる1種以上の原料セルロースとカチオン基を有する反応剤とを反応させる粉末状のカチオン化セルロース誘導体の製造方法であって、
塩基性触媒の存在下、粉末状の原料セルロースを攪拌しながら、該反応剤を噴霧供給して反応させ、
噴霧する該反応剤の量が、原料セルロースのアンヒドログルコース単位1モル当たり0.2モル以上3.0モル以下であり、
攪拌の周速(m/秒)に対する、原料セルロースのアンヒドログルコース単位1モル当たりの該反応剤の噴霧速度(mmol/AGU−mol・秒)の比が0(mmol/AGU−mol・m)を超え20(mmol/AGU−mol・m)以下である、粉末状のカチオン化セルロース誘導体の製造方法。
本発明によれば、カチオン基が均一に反応したカチオン化セルロース誘導体を、高い生産性で製造することができる。
本発明の粉末状のカチオン化セルロース誘導体の製造方法は、セルロース及びセルロース誘導体から選ばれる1種以上の原料セルロースとカチオン基を有する反応剤とを反応させる方法である。
本発明の製造方法では、塩基性触媒の存在下、原料セルロースを攪拌しながら、該反応剤を噴霧供給して反応させる。
ここで、噴霧する反応剤の量は、カチオン化セルロース誘導体の水溶性の観点から、原料セルロースのアンヒドログルコース単位(以下「AGU」ともいう)1モル当たり0.2モル以上であり、好ましくは0.3モル以上、より好ましくは0.35モル以上であり、また、経済性の観点から、3.0モル以下であり、好ましくは2.5モル以下、より好ましくは1.0モル以下、更に好ましくは0.5モル以下である。
本発明の製造方法では、攪拌の周速(m/秒)に対する、原料セルロースのAGU1モル当たり反応剤の噴霧速度(mmol/AGU−mol・秒)の比(以下、単に「(噴霧速度/周速)比」ともいう)が0(mmol/AGU−mol・m)を超え20(mmol/AGU−mol・m)以下である。(噴霧速度/周速)比が、このような範囲を有することで、固相反応において、反応速度が速く、カチオン基を均一に反応させることができる。
(噴霧速度/周速)比は、反応速度を向上させる観点、カチオン基の均一性を向上させる観点及び省エネルギーの観点から、好ましくは0.01mmol/AGU−mol・m以上、好ましくは0.05mmol/AGU−mol・m以上、より好ましくは0.1mmol/AGU−mol・m以上、更に好ましくは0.5mmol/AGU−mol・m以上、更により好ましくは1.0mmol/AGU−mol・m以上であり、また、カチオン基の均一性を向上させる観点及び反応速度を向上させる観点から、好ましくは18mmol/AGU−mol・m以下、より好ましくは15mmol/AGU−mol・m以下、更に好ましくは10mmol/AGU−mol・m以下、更により好ましくは9mmol/AGU−mol・m以下である。
なお、攪拌の周速とは、攪拌装置内の最も大きな攪拌翼(主攪拌翼)の外周部の周速を意味する。
噴霧速度は、単位噴霧時間(秒)当たりのAGU1モルに対する反応剤の噴霧量を意味する。該噴霧量は、反応剤の有効分量の噴霧量を意味する。例えば、反応剤が溶液又は混合物の状態で噴霧される場合には、反応剤そのものの噴霧量を意味する。
以下、本発明について詳細に説明する。
[原料セルロース]
本発明において原料セルロースは、セルロース及びセルロース誘導体から選ばれる1種以上である。
<セルロース>
本発明の原料セルロースとして用いられるセルロースとしては、化学的に純粋なセルロースの他、各種木材チップ、各種樹木の剪定枝材、間伐材、枝木材、建築廃材、工場廃材等の木材類;木材から製造される木材パルプ、綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプ等のパルプ類;新聞紙、段ボール、雑誌、上質紙等の紙類;稲わら、とうもろこし茎等の植物茎・葉類;籾殻、パーム殻、ココナッツ殻等の植物殻類等、種々のセルロース含有原料を用いることができる。本発明においては、アルカリセルロース製造の原料に用いる、化学的に純粋なセルロース又はセルロース含有原料をまとめて便宜的に「セルロース含有原料」という。
セルロース含有原料中のセルロースの重合度は、銅−アンモニア法による粘度測定の結果から粘度平均重合度として算出される。具体的には実施例に記載の方法により算出される。セルロースの粘度平均重合度も特に限定はないが、本発明のカチオン化セルロース誘導体を毛髪洗浄剤又は皮膚洗浄剤等に配合した場合にこれらの洗浄剤の性能を向上させる観点から、好ましくは100以上、より好ましくは200以上、更に好ましくは500以上、より更に好ましくは1000以上であり、また、同様の観点及び入手性の観点から、該重合度は好ましくは3000以下、より好ましくは2500以下、更に好ましくは2200以下、より更に好ましくは2000以下である。
<セルロース誘導体>
セルロース誘導体としては、例えば、セルロースエーテルが挙げられる。セルロースエーテルの中でも、好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グリセロール化セルロースが挙げられる。
セルロースエーテルは、例えば、アルカリセルロースとエーテル化剤とを反応させることで得られる。
〔アルカリセルロース〕
アルカリセルロースは、例えば、セルロースに、塩基量として該セルロースのAGU1モルあたり0.3モル以上1.2モル以下の塩基化合物、及び水を添加して得られるアルカリセルロースが挙げられる。本明細書において塩基量(モル)とは、塩基化合物量(モル)に塩基の価数を乗じた値をいい、例えば、水酸化カルシウム等の2価の塩基化合物1モルは、塩基量としては2モルに相当する。
上記塩基化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類等が挙げられる。これらの中では、入手性及び経済性の観点から、アルカリ金属水酸化物、及びアルカリ土類金属水酸化物から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アルカリ金属水酸化物がより好ましく、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選ばれる1種又は2種が更に好ましい。
上記の塩基化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
塩基化合物の形状に特に限定は無く、固体又は液体であってよいし、水等の溶媒に溶解させた溶液の形であってよい。
アルカリセルロース製造時の塩基化合物の添加量は、反応速度を向上させる観点から、塩基量としてAGU1モルあたり、好ましくは0.3モル以上、より好ましくは0.5モル以上、更に好ましくは0.7モル以上であり、また、カチオン基の均一性を向上させる観点及び経済性の観点から、好ましくは1.2モル以下、より好ましくは1.1モル以下、更に好ましくは1.0以下である。
アルカリセルロース製造時の水分量は、アルカリセルロースが収率よく生成する観点から、セルロースに対して好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上であり、更に好ましくは40質量%以上であり、また、同様の観点及びカチオン基を有する反応剤及びエーテル化剤の反応選択率を向上させる観点から、好ましくは100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
〔エーテル化剤〕
エーテル化剤としては、アルカリセルロースと反応してセルロースエーテルを製造しうる反応部位を有する化合物であればよく、公知のセルロースエーテルの製造原料である種々のエーテル化剤を用いることができる。
エーテル化剤の具体例としては、エポキシアルカン、アルキルグリシジルエーテル、ハロゲン化アルキル、アルキルハロヒドリンエーテル等が挙げられ、これらの中でも、反応時に塩の生成がない観点から、エポキシアルカン、アルキルグリシジルエーテルが好ましい。
エポキシアルカンとしては、酸化エチレン、酸化プロピレン、ブチレンオキシド、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシオクタデカン等の炭素数2以上20以下のエポキシアルカンが挙げられる。
アルキルグリシジルエーテルとしては、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、n−ペンチルグリシジルエーテル、イソペンチルグリシジルエーテル、n−オクチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、n−デシルグリシジルエーテル、イソデシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、セチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、イソステアリルグリシジルエーテル等の炭素数1以上18以下のアルキル基を有するアルキルグリシジルエーテルが挙げられる。
エーテル化剤の使用量に限定はなく、所望するエーテル基の導入量に応じて適宜調整すればよい。セルロースエーテルのエーテル基の導入量は、本発明のカチオン化セルロース誘導体の水溶性を向上させる観点から、セルロースエーテルの主鎖を構成するセルロースのAGU1モルあたり、好ましくは0.001モル以上、より好ましくは0.01モル以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは1.0モル以上であり、また、本発明のカチオン化セルロース誘導体を毛髪洗浄剤又は皮膚洗浄剤等に配合した場合にこれらの洗浄剤の性能を向上させる観点及び経済性の観点から、好ましくは10モル以下、より好ましくは5モル以下、更に好ましくは4モル以下、より更に好ましくは3モル以下、より更に好ましくは2.5モル以下である。
上記セルロースエーテルは、例えば、下記工程1〜3を有する方法により得られる。
工程1:セルロース含有原料を粉砕し、セルロース粉末を得る工程
工程2:工程1で得られたセルロース粉末と塩基化合物とを水の存在下で反応させ粉末状のアルカリセルロースを得る工程
工程3:工程2で得られたアルカリセルロースとエーテル化剤とを反応させる工程
(工程1)
粉砕操作は、セルロース含有原料を粉末化する操作である。
セルロース粉末のメジアン径は、アルカリセルロースが収率よく生成する観点から、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下、より更に好ましくは100μm以下であり、また、粉砕時のセルロースの重合度の低下を抑制する観点及び生産性の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは30μm以上、更に好ましくは50μm以上である。
用いられる粉砕機に特に制限はなく、セルロース含有原料を所望のメジアン径に粉末化可能な装置であればよい。
粉砕機の具体例としては、高圧圧縮ロールミルや、ロール回転ミル等のロールミル、リングローラーミル、ローラーレースミル又はボールレースミル等の竪型ローラーミル、転動ボールミル、振動ボールミル、振動ロッドミル、振動チューブミル、遊星ボールミル又は遠心流動化ミル等の容器駆動媒体ミル、塔式粉砕機、攪拌槽式ミル、流通槽式ミル又はアニュラー式ミル等の媒体攪拌式ミル、高速遠心ローラーミルやオングミル等の圧密せん断ミル、乳鉢、石臼、マスコロイダー、フレットミル、エッジランナーミル、ナイフミル、ピンミル、カッターミル等が挙げられる。これらの中では、セルロース含有原料の粉砕効率及び生産性の観点から、容器駆動式媒体ミル又は媒体攪拌式ミルが好ましく、容器駆動式媒体ミルがより好ましく、振動ボールミル、振動ロッドミル又は振動チューブミル等の振動ミルが更に好ましく、振動ロッドミルがより更に好ましい。
(工程2)
工程2で用いる装置としては、セルロース粉末と塩基化合物との混合、撹拌が可能な機械攪拌式混合機としては高速撹拌型混合機や双腕型混合機が挙げられ、高速撹拌型混合機が好ましく、なかでも水平軸回転型混合機がより好ましい。水平軸回転型混合機としては、プロシェアミキサー、レーディゲミキサーが好ましい。また、その他の高速撹拌型混合機としては、垂直軸回転型混合機が挙げられ、具体例として、ハイスピードミキサー、バーチカルグラニュレーターを挙げることができる。
双腕型混合機としてはニーダーが挙げられる。
工程2における塩基化合物及びその量、水の量は上述の通りである。
工程2では、アルカリセルロースの生成速度を加速する目的で、上記水分調整後に、熟成を行うことが好ましい。熟成とは、水分調整後のセルロース粉末混合物を、撹拌しながら、又は撹拌せずに、所定の時間、特定温度下に置くことをいう。
熟成時の温度は、アルカリセルロースの生成速度の観点から、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは45℃以上であり、また、アルカリセルロースの重合度低下を抑制する観点から、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
熟成時間は、熟成温度及びセルロース粉末のメジアン径等によりアルカリセルロース化の速度が変化することから、それに応じて適宜変更することができる。通常、室温においても24時間以内にアルカリセルロース化指数の増大が飽和に達する。よって生産性の観点から、熟成を行う場合の熟成時間は、好ましくは24時間以下であり、より好ましくは12時間以下、更に好ましくは6時間以下、より更に好ましくは4時間以下であり、また、アルカリセルロースを収率よく生成させる観点から、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.2時間以上、更に好ましくは0.5時間以上、更により好ましくは1時間以上である。
上記の塩基化合物の添加、水の添加、及び熟成は、生成するアルカリセルロースの着色を避ける観点、及びセルロース粉末や生成するアルカリセルロースの重合度の低下を避ける観点から、必要に応じて窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
(工程3)
工程3で用いるエーテル化反応の装置としては、工程2と同様のものが用いられる。エーテル化反応の装置は、用いるエーテル化剤が反応温度において、気体である場合には、密閉性が高く、かつ圧力条件下の反応に耐えうる耐圧装置であることが好ましい。
エーテル化反応時の温度は、用いるエーテル化剤の反応性等により適宜調整すればよく、特に限定されない。エーテル化反応時の温度は、反応速度の観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは20℃以上、更に好ましくは30℃以上であり、また、エーテル化剤又は本発明の製造方法で得られるアルカリセルロースの分解抑制の観点から、好ましくは200℃以下、より好ましくは100℃以下、更に好ましくは80℃以下である。
エーテル化反応終了後は、必要に応じて塩基化合物の酸による中和、及び含水イソプロパノール、含水アセトン溶媒等での洗浄等といった公知の精製操作を行なって、セルロースエーテルを単離することもできる。
なお、より詳細には、セルロースエーテルは、例えば、特開2012−246479号公報に記載の方法により製造できる。
本発明の製造方法に用いられる粉末状の原料セルロースのメジアン径は、生産性の観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、更により好ましくは40μm以上、より更に好ましくは50μm以上、また、反応速度を向上させる観点から、好ましくは350μm以下、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下、より更に好ましくは100μm以下である。
本発明の製造方法に用いられる原料セルロースの水分含有量は、カチオン基を有する反応剤の反応選択率の低下を抑制する観点から、原料セルロースに対して、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは30質量%以下であり、また、カチオン化セルロース誘導体の生産性を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。
[反応剤]
本発明に用いられる反応剤はカチオン基を有する。
本発明における反応剤は、下記一般式(1)または(2)で示される化合物が好ましい。
Figure 2015052104
一般式(1)及び(2)において、R1〜R3は各々独立に炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示すが、本発明の方法で製造されるカチオン化セルロース誘導体の水溶性の観点から、メチル基及びエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。Xはハロゲン原子を表し、具体例としては、塩素、臭素及びヨウ素などが挙げられるが、本発明の方法で製造されカチオン化セルロース誘導体の水溶性の観点から、塩素または臭素が好ましく、塩素がより好ましい。一般式(2)においてZはハロゲン原子を表すが、同様の観点から塩素又は臭素が好ましく、塩素がより好ましい。反応剤としては、反応時に塩の生成がない観点から、一般式(1)で示される化合物が好ましい。
前記一般式(1)及び(2)で表される化合物の具体例としては、グリシジルトリメチルアンモニウム、グリシジルトリエチルアンモニウム、グリシジルトリプロピルアンモニウムのそれぞれ塩化物、臭化物又はヨウ化物や、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウム、又は3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリプロピルアンモニウムのそれぞれ塩化物、3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム、3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウム、又は3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリプロピルアンモニウムのそれぞれ臭化物や、3−ヨード−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム、3−ヨード−2−ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウム、又は3−ヨード−2−ヒドロキシプロピルトリプロピルアンモニウムのそれぞれヨウ化物などが挙げられる。
これらのうち、グリシジルトリメチルアンモニウム若しくはグリシジルトリエチルアンモニウムのそれぞれ塩化物若しくは臭化物、又は3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム若しくは3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウムのそれぞれ塩化物、若しくは3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム、若しくは3−ブロモ−2−ヒドロキシプロピルトリエチルアンモニウムのそれぞれ臭化物が好ましく、グリシジルトリメチルアンモニウム塩化物又は3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物がより好ましく、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物が更に好ましい。
これら反応剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[塩基性触媒]
本発明の製造方法で用いる塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン類が挙げられる。
これらの中では、入手性及び経済性の観点から、好ましくはアルカリ金属水酸化物、より好ましくは水酸化ナトリウム、又は、水酸化カリウムである。これらの触媒は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
触媒の使用量としては、原料セルロース及び反応剤の双方に対して触媒量で十分であり、具体的には、原料セルロースのAGU1モルあたり、好ましくは0.01モル以上、より好ましくは0.1モル以上、更に好ましくは0.2モル以上、より更に好ましくは0.5モル以上、より更に好ましくは0.8モル以上であり、また、好ましくは5モル以下、より好ましくは3モル以下、更に好ましくは2モル以下である。
セルロース誘導体として、セルロースエーテルを用いる場合は、塩基性触媒としては、セルロースエーテルの製造時に用いた塩基化合物をそのまま用いてもよい。
[任意成分]
本発明の製造方法においては、塩基性触媒を均一に混合する観点から、水を含有することが好ましい。また、反応剤や塩基性触媒を均一に分散させる観点から、溶媒共存下に反応を行うことができる。
非水溶媒の使用量は、原料セルロースの粉末状態を維持し、攪拌効率を向上させ、カチオン基を有する反応剤が均質に反応する観点及び反応剤の分解や非水溶媒との副反応を抑え、カチオン基を有する反応剤の反応効率が向上する観点から、原料セルロースに対し、好ましくは0質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
非水溶媒としては特に限定されないが反応剤が溶解する観点から、極性溶媒が好ましい。極性溶媒としては、イソプロパノール、イソブタノール、tert−ブタノール等の炭素数1以上5以下のアルコール;1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒などが挙げられる。これらの内、反応剤との副反応抑制という観点から、炭素数3以上5以下の2級または3級アルコール、エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒が好ましい。
上記非水溶媒は、単独で又は2種以上を混合して用いることもできる。
[製造方法]
本発明の粉末状のカチオン化セルロース誘導体の製造方法では、塩基性触媒の存在下、粉末状の原料セルロースを攪拌しながら、反応剤を噴霧供給して反応させる。
例えば、機械撹拌式混合機内で粉末状の原料セルロース、塩基性触媒、必要に応じて水を加えて攪拌する。その後反応剤を機械撹拌式混合機内に噴霧する。噴霧終了後、機械攪拌式混合機内の温度を昇温して反応を行なう。
<反応装置>
本発明の製造方法に用いる反応装置は、攪拌翼を内部に有する機械撹拌式混合機と、前記攪拌槽内に反応剤を噴霧する噴霧装置とを有することが好ましい。
〔機械攪拌式混合機〕
機械撹拌式混合機としては、特に限定されないが、原料セルロースと反応剤との反応速度を上げるため、該反応剤の沸点以上での反応を可能にする観点から、密閉性が高く、加圧操作の可能なものが好ましく、脱水操作や気相置換操作の観点から、減圧操作の可能なものが好ましい。
機械撹拌式混合機としては、高速撹拌型混合機、双腕型混合機が挙げられ、反応をより均一にする観点から、高速撹拌型混合機が好ましい。
高速撹拌型混合機は、垂直軸回転型混合機と水平軸回転型混合機が挙げられ、反応と乾燥を促進し、製品化を効率的に行う観点から、垂直軸回転型混合機が好ましい。
垂直軸回転型混合機のなかでは、多段式チョッパー翼を備えた垂直軸回転型混合機が好ましく、このような市販品としては、ハイスピードミキサー(株式会社アーステクニカ製)、バーチカルグラニュレーター(株式会社パウレック)が挙げられ、なかでもハイスピードミキサーが好ましい。
垂直軸回転型混合機の市販品としては、前記に挙げたものの他に、ハイフレックスグラル(株式会社アーステクニカ製)、ニュースピードニーダー(岡田精工株式会社製)、SPG 混合機(株式会社ダルトン製)が挙げられる。
水平軸回転型混合機のなかでは、ショベル羽根と多段式チョッパー翼を備えた水平軸回転型混合機が好ましく、このような市販品としては、レーディゲミキサー(中央機工株式会社製、レーディゲ社製)、プロシェアミキサー(大平洋機工株式会社製)が挙げられ、なかでもレーディゲミキサーが好ましい。
水平軸回転型混合機の市販品としては、前記に挙げたものの他に、スパルタンリューザー(株式会社ダルトン製)、アペックス・グラニュレーター(大平洋機工株式会社製)が挙げられる。
双腕型混合機の市販品としては卓上型ニーダー(株式会社入江商会製)、双腕型ニーダー(日本スピンドル製造株式会社製)、双腕式ニーダー(株式会社トーシン製)が挙げられる。
機械撹拌式混合機の容量は、特に限定されないが、好ましくは1L〜100m3であり、より好ましくは1L〜50m3であり、更に好ましくは1L〜10m3であり、更に好ましくは2L〜10m3であり、反応の均一性を維持しつつ、大量の製品を得る観点から、更に好ましくは5L〜1000Lであり、更に好ましくは100L〜500Lである。
(攪拌翼種類・径)
上記機械撹拌式混合機において用いられる攪拌翼は、ブレード型、アーム型、リボン型、多段ブレード型、二連アーム型、ベッカーショベル、すき状ショベル、のこ歯状ショベル等のショベル型、二軸羽根型、多段チョッパー型、3翼、フラット羽根、C型羽根などが挙げられる。反応速度を向上させる観点及びカチオン基の均一性を向上させる観点から、ベッカーショベル、すき状ショベル、のこ歯状ショベル等のショベル型、3翼、フラット羽根、C型羽根が好ましい。
攪拌翼の径は、反応装置、反応スケールに依存するが、反応速度を向上させる観点及びカチオン基の均一性を向上させる観点から、好ましくは0.05m以上、より好ましくは0.1m以上、更に好ましくは0.15m以上であり、また、上限は限定されないが、好ましくは5m以下、より好ましくは2m以下、更に好ましくは1m以下である。
〔噴霧装置〕
上記機械攪拌式混合機内に、反応剤を供給する噴霧装置は、特に限定されない。例えば、一流体ノズル、二流体ノズル等の噴霧ノズルを有する噴霧装置が好ましい。
噴霧ノズルによるスプレーパターンは、特に限定されないが、例えば、充円錐、空円錐、充角錐、扇形が挙げられる。
噴霧ノズルとしては、例えば、一流体ノズルとしては、市販品として、株式会社いけうち社製の扇形ノズル、空円錐ノズル、充円錐ノズルを好適に用いることができる。
<攪拌>
粉末状の原料セルロースの攪拌の周速は、反応速度を向上させる観点及びカチオン基の均一性を向上させる観点から、好ましくは0.2m/秒以上、より好ましくは0.6m/秒以上、更に好ましくは1.2m/秒以上、更に好ましくは1.5m/秒以上、更に好ましくは1.7m/秒以上、より更に好ましくは2.0m/秒以上であり、また、エネルギー効率の観点から、好ましくは10m/秒以下、より好ましくは9m/秒以下、更に好ましくは8m/秒以下、更により好ましくは7m/秒以下である。
上記攪拌の周速は、混合機の主翼回転翼の周速(翼先端の移動速度=主翼径×円周率×回転数)を意味する。
混合機の中でも回転翼の他にチョッパー翼を有する混合機がより好適である。チョッパー翼の攪拌回転数としては、反応速度を向上させる観点及びカチオン基の均一性を向上させる観点から、好ましくは0.5m/秒以上、より好ましくは1.0m/秒以上、更に好ましくは2.0m/秒以上であり、また、エネルギー効率の観点から、好ましくは35m/秒以下、より好ましくは20m/秒以下、更に好ましくは15m/秒以下、より更に好ましくは10m/秒以下である。
チョッパー翼を有する混合機としては、プロシェアミキサー、レーディゲミキサー等の水平軸回転型混合機、ハイスピードミキサー、バーチカルグラニュレーター等の垂直軸回転型混合機が挙げられ、これらの中でも、反応速度を向上させる観点及びカチオン基の均一性を向上させる観点から、垂直軸回転型混合機が好ましく、より好ましくはハイスピードミキサーである。
<噴霧>
原料セルロースのアンヒドログルコース単位1モル当たりの反応剤の噴霧速度は、反応速度を向上させる観点から、好ましくは0.05mmol/AGU−mol・秒以上、より好ましくは0.1mmol/AGU−mol・秒以上、更に好ましくは0.5mmol/AGU−mol・秒以上、より更に好ましくは1mmol/AGU−mol・秒以上、より更に好ましくは10mmol/AGU−mol・秒以上であり、また、カチオン基の均一性を向上させる観点から、好ましくは200mmol/AGU−mol・秒以下、より好ましくは150mmol/AGU−mol・秒以下、更に好ましくは120mmol/AGU−mol・秒以下、更により好ましくは100mmol/AGU−mol・秒以下、より更に好ましくは80mmol/AGU−mol・秒以下、より更に好ましくは50mmol/AGU−mol・秒以下である。
噴霧時間は、反応スケールに依存するが、反応速度を向上させる観点から、好ましくは5400秒以下、より好ましくは3600秒以下、更に好ましくは1200秒以下、より更に好ましくは600秒以下であり、また、カチオン基の均一性を向上させる観点から、好ましくは2秒以上、より好ましくは5秒以上、更に好ましくは10秒以上である。
反応剤の噴霧圧力は、経済性の観点から、好ましくは2MPaG以下、より好ましくは1MPaG以下、更に好ましくは0.4MPaG以下である。
噴霧流量は、反応スケールに依存するが、反応速度を向上させる観点から、好ましくは0.7L/hr以上、より好ましくは1L/hr以上、更に好ましくは2L/hr以上であり、また、カチオン基の均一性を向上させる観点から、好ましくは1200L/hr以下、より好ましくは900L/hr以下、更に好ましくは600L/hr以下である。
噴霧液滴の平均粒子径は、反応速度を向上させる観点及びカチオン基の均一性を向上させる観点から、好ましくは1000μm以下、より好ましくは550μm以下、更に好ましくは300μm以下、より更に好ましくは200μm以下である。また、噴霧装置の性能の観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上、更に好ましくは30μm以上、より更に好ましくは50μm以上である。
本発明において反応剤を用いる際、高純度の反応剤をそのまま噴霧しても良いが、操作性の観点、反応速度を向上させる観点及びカチオン基の均一性を向上させる観点から、水などの溶媒中に溶解して溶液の形で噴霧することが好ましい。
<反応条件>
原料セルロースと反応剤との反応時の水分量は、反応速度を向上させる観点及びカチオン基の均一性を向上させる観点から、原料セルロースに対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上であり、また、反応効率の観点から、好ましくは100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
また、反応中のセルロース鎖の開裂による分子量の低下を避ける観点から、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。
原料セルロースと反応剤との反応温度は、特に限定されないが、セルロースまたはセルロース誘導体の安定性の観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下であり、また、反応速度を向上させる観点から、好ましくは45℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは55℃以上、より更に好ましくは60℃以上が更に好ましい。
原料セルロースと反応剤との反応時間は、特に限定されないが、収率の観点から、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.3時間以上、より好ましくは0.5時間以上であり、また、生産性の観点から、好ましくは2時間以下、より好ましくは1.5時間以下、更に好ましくは1.2時間以下である。
反応終了後は、必要に応じて触媒の中和、含水イソプロパノール、含水アセトン溶媒等での洗浄等といった精製操作を行って、カチオン化セルロース誘導体を単離することもできる。
[粉末状のカチオン化セルロース誘導体]
本発明の製造方法により得られる粉末状のカチオン化セルロース誘導体は、例えば、下記一般式(3)又は(4)で示される4級アンモニウム塩置換プロピレンオキシ基(以下、「カチオン基」ということがある。)を有する。
Figure 2015052104
前記一般式(3)及び(4)中、R1〜R3及びXは、上記一般式(1)及び(2)におけるR1〜R3及びXと同じ意味を示す。
カチオン基は、セルロース又はセルロース誘導体の一部または全部の水酸基の水素原子と置換しても良いし、既にセルロース又はセルロース誘導体に結合したカチオン基の末端水酸基の水素原子と置換してもよい。一般式(3)又は(4)において、末端に存在する4級アンモニウム塩置換プロピレンオキシ基の酸素原子は、水素原子と結合し、水酸基となっている。
原料セルロースのセルロース主鎖の主鎖を構成するセルロースのAGU1モルあたりに対する平均付加モル数(以下「カチオン基の置換度」ともいう)は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.03以上、より更に好ましくは0.05以上であり、また、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは1.0以下、より更に好ましくは0.5以下である。
粉末状のカチオン化セルロース誘導体中の水分含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下であり、また、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上であり、更に好ましくは15質量%以上である。
カチオン化セルロース誘導体は、例えば、シャンプーやリンス、トリートメント、コンディショナー等の洗浄剤組成物の配合成分や分散剤、改質剤、凝集剤等の幅広い分野で利用することができる。
以下の実施例において、「%」は特に断らない場合、及び結晶化度(%)を除き、「質量%」を意味する。
(1)セルロース含有原料の結晶化指数の算出
実施例及び比較例におけるパルプのセルロースの結晶化指数は、それぞれのパルプのX線回折強度を、株式会社リガク製の「Rigaku RINT 2500VC X−RAY diffractometer」を用いて以下の条件で測定し、前記式(1)に基づいて算出した。測定条件は、X線源:Cu/Kα−radiation,管電圧:40kV,管電流:120mA,測定範囲:2θ=5〜45°,X線のスキャンスピード:10°/minで測定した。測定用のサンプルは面積320mm2×厚さ1mmのペレットを圧縮し作製した。
(2)水分量の測定
パルプの水分量の測定には、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、製品名「FD−610」)を使用した。120℃にて測定を行い、30秒間の質量変化率が0.1%以下となる点を測定の終点とした。測定された水分量の値を、パルプ中の原料セルロースに対する質量%に換算し、パルプの水分量とした。
(3)原料セルロースのメジアン径の測定
原料セルロースのメジアン径は、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製、製品名「LS13 320」)を用い、原料セルロースを乾式法(トルネード方式)にて測定した。具体的にはサンプル20mLをセルに仕込み、吸引して測定を行った。
(4)平均重合度の測定(銅−アンモニア法)
パルプの粘度平均重合度の測定
実施例及び比較例においてセルロース含有原料として用いるパルプ中のセルロースの粘度平均重合度は、以下に示す方法によって測定した。
((i)測定用溶液の調製)
メスフラスコ(100mL)に塩化第一銅0.5g、25%アンモニア水20〜30mLを加え、完全に溶解した後に、水酸化第二銅1.0g、及び25%アンモニア水を加えて、メスフラスコの標線の一寸手前までの量とした。これを30〜40分撹拌して、完全に溶解した。その後、精秤したパルプ(105℃、20kPaで12時間減圧乾燥したもの)を加え、メスフラスコの標線まで上記アンモニア水を満たした。空気が入らないように密封し、マグネチックスターラーで12時間撹拌して溶解した。同じように添加するパルプ量を20〜500mgの範囲で変えて、異なる濃度の測定用溶液を調製した。
((ii)粘度平均重合度の測定)
上記(i)で得られた測定用溶液(銅アンモニア水溶液)をウベローデ粘度計に入れ、恒温槽(20±0.1℃)中で1時間静置したのち、液の流下速度を測定した。種々のパルプ濃度(g/dL)の銅アンモニア溶液の流下時間(t(秒))とパルプ無添加の銅アンモニア水溶液の流下時間(t0(秒))から、下記式により、それぞれの濃度における還元粘度(ηsp/c)を以下の式より求めた。
ηsp/c=(t/t0−1)/c
(式中、cはパルプ濃度(g/dL)である。)
更に、還元粘度をc=0に外挿して固有粘度[η](dL/g)を求め、以下の式より粘度平均重合度(DPv)を求めた。
DPv=2000×[η]
(式中、2000はセルロースに固有の係数である。)
製造例1(ヒドロキシプロピルセルロースの製造)
[工程1]
(1)裁断処理
セルロース含有原料として、シート状木材パルプ〔Tembec社製、BioflocHV+、結晶化指数:82%、平均重合度:1500、水分含有量:7質量%〕を、裁断機〔株式会社荻野精機製作所製、製品名「スーパーカッター、RK6―800」〕を用いて長さ3mm、幅1.5mm、及び厚さ1mmのチップ状に裁断した。
(2)乾燥処理
前記(1)の裁断処理により得られたパルプを、2軸横型攪拌乾燥機〔株式会社奈良機械製作所製、製品名「2軸パドルドライヤー、NPD−1.6W(1/2)」〕を用いて乾燥した。連続処理にてパルプを乾燥した。このときパルプの供給速度は7.8kg/hとした。連続処理で得られた乾燥パルプの水分含有量は0.5質量%であった。
(3)セルロース粗粉砕処理
前記(2)の乾燥処理により得られた乾燥パルプを、連続式振動ミル〔ユーラステクノ株式会社製、製品名「バイブロミル、YAMT−50」、第1及び第2粉砕室の容量:50.5L〕を用いて粗粉砕した。第1及び第2粉砕室には、直径30mm、長さ800mmのステンレス製の丸棒状の粉砕媒体を29本ずつ収容した。第1及び第2粉砕室のそれぞれにおける粉砕媒体の充填率は67%である。連続式振動ミルを振動数20Hz、振幅8mmの条件下、乾燥パルプを7.8kg/hで投入した。得られた粗粉砕セルロースのメジアン径は、117μmであった。
(4)セルロース小粒径化処理
前記(3)の粗粉砕処理により得られた粗粉砕セルロースを、高速回転式微粉砕機〔株式会社ダルトン製、製品名「サンプルミル、KIIW−1型」〕を用いて小粒径化した。目開き0.7mmのスクリーンを装着し、ローター周速度を81m/秒で駆動すると共に、原料供給部から粗粉砕セルロースを18kg/hの供給速度で供給した。
次いで、円形振動篩機〔株式会社興和工業所製、製品名「KGC−500」〕に、篩面積0.196m2、目開き150μmのSUS製スクリーンを装着し、振動数30Hz(振動回転数1800r/min)、縦方向の片振幅3mm、横方向の片振幅3mm、ウエイト位相角60°で駆動すると共に、原料供給部から原料を14kg/hの供給速度で供給して、粗粉を除去し、篩通過物を小粒径セルロースとして回収した。得られた小粒径セルロース(結晶化指数:15%、水分含有量:2.6質量%)のメジアン径は69.1μmであった。
[工程2]
前記(4)で得られた小粒径セルロース16.52kgをプロシェアミキサー〔大平洋機工株式会社製、容量300L、WB−300PV〕に仕込み、主翼回転数98r/min(周速3m/秒)、副翼回転数1800r/minの撹拌下、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム3.98kg、水8.96kg)を添加し、内温が50℃になるように加熱し、3時間攪拌した。
[工程3]
その後、ミキサー内を減圧し、密閉下でプロピレンオキシド(日本オキシラン株式会社製)2.76kg(セルロースのAGU1モル当たり0.479モル)を仕込み、主翼回転数98r/min(周速3m/秒)、副翼回転数1800r/minの撹拌下、内温が52〜65℃の範囲内となるようにジャケットを加熱した。エーテル化反応の進行に伴い内圧が低下した後、密閉下でプロピレンオキシドを仕込み、エーテル化反応を行った。本操作を再度繰り返し、プロピレンオキシドを合計12.74kg(セルロースのAGU1モル当たり2.21モル)反応させた。
反応後、撹拌下、窒素流入しながらミキサー内を減圧することで残存プロピレンオキシドを除去し、粉末状ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を得た。また、得られた粉末状ヒドロキシプロピルセルロースのメジアン径は79.0μmであった(水分含有量:22質量%)。
実施例1
上記で得られた粉末状HPC180gを、多段式チョッパー翼を備えた垂直軸回転型混合機であるハイスピードミキサー「LFS−GS−2」(深江パウテック株式会社製、容量2L)に投入した。HPCの製造で用いた水酸化ナトリウムを、塩基性触媒としてそのまま用い、新たに添加はしなかった。
ミキサー上部に、ボールバルブを介して500mLの金属製容器を設置し、容器内に反応剤である65% 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(四日市合成株式会社製)45.4g(ヒドロキシプロピル化で得られた反応混合物中のセルロース骨格を含む化合物のセルロース骨格を構成するAGU1モルあたり0.37モル相当量)と水10.5gの混合液を仕込んだ。
主翼の周速2.9m/秒、チョッパー翼の周速3.0m/秒で撹拌しながら、窒素で金属製容器内を0.3MPaGに加圧し、扇形ノズル「1/8MVP8002S316W」(株式会社いけうち社製)を用いて反応剤水溶液を反応装置内に噴霧供給(原料セルロースのAGU1モル当たりの噴霧速度24.7mmol/AGU−mol・秒)した。噴霧液滴の平均液滴径は80μmであった。噴霧終了後、昇温を開始し、60℃まで昇温した。内温45℃になった時点を反応開始とし、2時間反応させることでカチオン化ヒドロキシプロピルセルロース(C−HPC)を製造した。得られたC−HPCの水分含有量は28%であった。カチオン化反応終了時間は1時間であった。C−HPC粒度別のCl量の最大値と最小値の差は0.2%であったことから、カチオン基の均一性は良好であった。反応条件及び結果を表1に示す。
実施例2及び実施例3
実施例1において、主翼の回転数を表1に示す回転数に変えた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
実施例4
製造例1で得られた粉末状HPC444gを、多段式チョッパー翼を備えた垂直軸回転型混合機であるハイスピードミキサー「FS−VDGS−5JE」(株式会社アーステクニカ製、容量5L)に投入した。ミキサー上部に、ボールバルブを介して500mLの金属製容器を設置し、容器内に反応剤である65% 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(四日市合成株式会社製)110g(ヒドロキシプロピル化で得られた反応混合物中のセルロース骨格を含む化合物のセルロース骨格を構成するAGU1モルあたり0.37モル相当量)と水22gの混合液を仕込んだ。主翼の周速3.3m/秒、チョッパー翼の周速4.4m/秒で撹拌しながら、窒素で金属製容器内を0.3MPaGに加圧し、扇形ノズル「1/8MVP8004S316W」(株式会社いけうち社製)を用いて反応剤水溶液を反応装置内に噴霧供給した。噴霧終了後、昇温を開始し、60℃まで昇温した。内温45℃になった時点を反応開始とし、2時間反応させることでC−HPCを製造した。結果を表1に示す。
実施例5
製造例1で得られた粉末状HPC6170gを、多段式チョッパー翼を備えた垂直軸回転型混合機であるハイスピードミキサー「FMD−65JE」(深江パウテック株式会社製、容量65L)に投入した。10Lの金属製容器に反応剤である65% 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(四日市合成株式会社製)1540g(ヒドロキシプロピル化で得られた反応混合物中のセルロース骨格を含む化合物のセルロース骨格を構成するAGU1モルあたり0.37モル相当量)と水358gの混合液を仕込んだ。主翼の周速3.3m/秒、チョッパー翼の周速6.0m/秒で撹拌しながら、窒素で金属製容器内を0.3MPaGに加圧し、扇形ノズル「1/8MVP8004S316W」(株式会社いけうち社製)を4つ用いて反応剤水溶液を反応装置内に噴霧供給した。噴霧終了後、昇温を開始し、60℃まで昇温した。内温45℃になった時点を反応開始とし、2時間反応させることでC−HPCを製造した。結果を表1に示す。
実施例5A
実施例5で得られた未中和のC−HPCをそのまま、多段式チョッパー翼を備えた垂直軸回転型混合機であるハイスピードミキサーに仕込み、ミキサー上部に、ボールバルブを介して金属製容器を設置し、容器内に未中和品に含まれる塩基性触媒に対して、1当量の34%乳酸水溶液を仕込んだ。撹拌の下、窒素で金属製容器内を加圧し(0.3MPa)、ノズルを用いて乳酸水溶液を反応装置内に噴霧供給した。乳酸水溶液を投入後、30分間撹拌を行った(ジャケット温度:30℃)。その後、80℃、−0.09MPaGの条件下で乾燥処理を行った。
実施例6
製造例1で得られた粉末状HPC30890gを、多段式チョッパー翼を備えた垂直軸回転型混合機であるハイスピードミキサー「FS−VDGS−200JED」(株式会社アーステクニカ製、容量300L)に投入した。20Lの金属製容器に反応剤である65% 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(四日市合成株式会社製)7810g(ヒドロキシプロピル化で得られた反応混合物中のセルロース骨格を含む化合物のセルロース骨格を構成するAGU1モルあたり0.37モル相当量)と水2250gの混合液を仕込んだ。主翼の周速6.6m/秒、チョッパー翼の周速7.8m/秒で撹拌しながら、窒素で金属製容器内を0.3MPaGに加圧し、扇形ノズル「1/8MVP8010S316W」(株式会社いけうち社製)を用いて反応剤水溶液を反応装置内に噴霧供給した。噴霧終了後、ジャケット温度60℃として昇温した。内温45℃となった時点を反応開始とし、2時間反応させることでC−HPCを製造した。結果を表1に示す。
実施例7、比較例3、比較例4
実施例1において、主翼の周速及び反応剤の噴霧速度を表1に示すように変えた以外は同様に行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、反応剤の投入方法を滴下に変えた以外は、実施例1と同様に行った。反応剤混合液を100mlシリンジを用いて、15秒間で滴下投入した。結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、反応剤の噴霧速度を表1に示すように変えた以外は同様に行った。結果を表1に示す。
実施例8
製造例1で得られた粉末状HPC678gを、ショベル羽根と多段式チョッパー翼を備えた水平軸回転型混合機であるレーディゲミキサー(中央機工株式会社製、VT−5、容量5L)に投入した。HPCの製造で用いた水酸化ナトリウムを、塩基性触媒としてそのまま用い、新たに添加はしなかった。
ミキサー上部に、ボールバルブを介して500mLの金属製容器を設置し、容器内に反応剤である65% 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(四日市合成株式会社製)171g(ヒドロキシプロピル化で得られた反応混合物中のセルロース骨格を含む化合物のセルロース骨格を構成するAGU1モルあたり0.37モル相当量)と水50gの混合液を仕込んだ。
主翼の周速3.0m/s、チョッパー翼の周速5.8m/sで撹拌しながら、窒素で金属製容器内を0.3MPaGに加圧し、扇形ノズル「1/8MVP8002S316W」(株式会社いけうち社製)を用いて反応剤水溶液を反応装置内に噴霧供給(原料セルロースのAGU1モル当たりの噴霧速度6.2mmol/AGU−mol・秒)した。噴霧液滴の平均液滴径は80μmであった。噴霧終了後、昇温を開始し、60℃まで昇温した。内温45℃になった時点を反応開始とし、2時間反応させることでカチオン化ヒドロキシプロピルセルロース(C−HPC)を製造した。得られたC−HPCの水分含有量は28%であった。カチオン化反応終了時間は0.5時間であった。C−HPC粒度別のCl量の最大値と最小値の差は0.5%であったことから、カチオン基の均一性は良好であった。反応条件及び結果を表1に示す。
実施例8A
実施例8で得られた未中和のC−HPCをそのまま、ショベル羽根と多段式チョッパー翼を備えた水平軸回転型混合機であるレーディゲミキサーに仕込み、ミキサー上部に、ボールバルブを介して金属製容器を設置し、容器内に未中和品に含まれる塩基性触媒に対して、1当量の34%乳酸水溶液を仕込んだ。撹拌の下、窒素で金属製容器内を加圧し(0.3MPa)、ノズルを用いて乳酸水溶液を反応装置内に噴霧供給した。乳酸水溶液を投入後、30分間撹拌を行った(ジャケット温度:30℃)。その後、80℃、−0.09MPaGの条件下で乾燥処理を行った。
実施例9
上記で得られた粉末状HPC89gを双腕型混合機であるニーダー「BENCH KNEADER PNV−1」(株式会社入江商会製、容量1L)に投入した。HPCの製造で用いた水酸化ナトリウムを、塩基性触媒としてそのまま用い、新たに添加はしなかった。
スプレーボトルに65% 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液(四日市合成株式会社製)22g(ヒドロキシプロピル化で得られた反応混合物中のセルロース骨格を含む化合物のセルロース骨格を構成するAGU1モルあたり0.37モル相当量)と水4.4gの混合液を仕込んだ。
主翼の周速0.25m/sで撹拌しながら、スプレーボトルより噴霧供給(原料セルロースのAGU1モル当たりの噴霧速度0.5mmol/AGU−mol・秒)した。噴霧液滴の平均液滴径は151μmであった。噴霧終了後、昇温を開始し、60℃まで昇温した。内温45℃になった時点を反応開始とし、2時間反応させることでカチオン化ヒドロキシプロピルセルロース(C−HPC)を製造した。得られたC−HPCの水分含有量は28%であった。カチオン化反応終了時間は1時間であった。C−HPC粒度別のCl量の最大値と最小値の差は1.1%であったことから、カチオン基の均一性は良好であった。反応条件及び結果を表1に示す。
実施例9A
実施例9で得られた未中和のC−HPCをそのままニーダーに仕込み、スプレーボトルに未中和品に含まれる塩基性触媒に対して、1当量の34%乳酸水溶液を仕込んだ。撹拌の下、スプレーボトルを用いて乳酸水溶液を反応装置内に噴霧供給した。乳酸水溶液を投入後、30分間撹拌を行った(ジャケット温度:30℃)。その後、80℃、−0.09MPaGの条件下で乾燥処理を行った。
評価方法1<反応速度1>
カチオン化反応の終了サンプルに含まれるグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド量を30分ごとに定量することで評価した。グリシジルトリメチルアンモニウムクロリド量0.1%以下でカチオン化反応が終了したと評価した。測定方法を以下に示す。
カチオン化反応途中にサンプリングしたC−HPC粉末 0.5gを遠沈管に入れ、アセトニトリル/メタノール(95/5vol%) 5mlと、反応を停止するために必要な所定量の乳酸を加えた。その後、超音波洗浄器で10分間抽出操作をした後、遠心分離機(3000rpm、2分)で沈殿物との分離を行った。上澄み液を、フィルター(ADVANTEC社製、DISMIC−13cp)ろ過し、HPLC(東ソー株式会社製、LC−8020)を用いて、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドの定量を行った。カラムはSP−2SW(東ソー株式会社製)を用い、20mMリン酸バッファー/メタノール(70/30vol%)の溶離液組成で、検出器としてRIを用いた。測定条件は、流速0.8ml/min、カラム温度35℃で行った。
検量線用にグリシジルトリメチルアンモニウムクロリドの濃度が異なるアセトニトリル/メタノール(95/5vol%)混合液を別途調製し、同条件で測定を行い、そのピーク面積から検量線を作製した。作製した検量線よりC−HPC粉末中に含まれるグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド量を算出した。
評価方法2<反応速度2>
カチオン化反応中の15分ごとに回収したサンプルを用いて、評価方法1と同様の方法により求めたグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド量の経時変化の散布図を作成し、縦軸を対数軸としてプロットし、指数近似線を作成した。指数近似線がグリシジルトリメチルアンモニウムクロリド量0.1%と交差する時間を反応速度2として評価した。
評価方法3<カチオン基の均一性>
粗C−HPCを乾燥機で一晩乾燥させ、得られた乾燥品を、篩分級した。分級後のC−HPC乾燥物に含まれる塩化物イオン(Cl)を0.1mol/L硝酸銀水溶液を用いた電位差滴定法で定量した。
Cl量の最大値と最小値の差が大きなものほどカチオン基の分布が不均一であると評価した。
評価方法4<乾燥容易性>
中和後のC−HPCの乾燥処理後の水分量により乾燥容易性を評価した。下記評価基準において、水分量が少ないほど良好である。
<評価基準>
A:水分量が4質量%未満である。
B:水分量が4質量%以上6質量%未満である。
C:水分量が6質量%以上である。
Figure 2015052104
表1から明らかなように、実施例1〜7は、比較例1〜4に比べ、反応速度が速く、カチオン基が均一に反応していることがわかる。実施例8、9から、本発明の製造方法によれば、使用する装置を変更しても、反応速度が速く、カチオン基が均一に反応していることがわかる。

Claims (8)

  1. セルロース及びセルロース誘導体から選ばれる1種以上の原料セルロースとカチオン基を有する反応剤とを反応させる粉末状のカチオン化セルロース誘導体の製造方法であって、
    塩基性触媒の存在下、粉末状の原料セルロースを攪拌しながら、該反応剤を噴霧供給して反応させ、
    噴霧する反応剤の量が、原料セルロースのアンヒドログルコース単位1モル当たり0.2モル以上3.0モル以下であり、
    攪拌の周速(m/秒)に対する、原料セルロースのアンヒドログルコース単位1モル当たりの該反応剤の噴霧速度(mmol/AGU−mol・秒)の比が0(mmol/AGU−mol・m)を超え20(mmol/AGU−mol・m)以下である、粉末状のカチオン化セルロース誘導体の製造方法。
  2. 原料セルロースのアンヒドログルコース単位1モル当たりの反応剤の噴霧速度(mmol/AGU−mol・秒)が0.05以上200以下である、請求項1記載のカチオン化セルロース誘導体の製造方法。
  3. 攪拌の周速(m/秒)が1.2以上10.0以下である、請求項1又は2に記載のカチオン化セルロース誘導体の製造方法。
  4. 原料セルロースがヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びグリセロール化セルロースから選ばれる1種以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のカチオン化セルロース誘導体の製造方法。
  5. 反応剤がグリシジルトリメチルアンモニウム塩化物又は3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物である、請求項1〜4のいずれかに記載のカチオン化セルロース誘導体の製造方法。
  6. 反応時の水分量が、原料セルロースに対して、5質量%以上、100質量%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のカチオン化セルロース誘導体の製造方法。
  7. 前記攪拌が、高速撹拌型混合機により行われる、請求項1〜6のいずれかに記載のカチオン化セルロース誘導体の製造方法。
  8. 前記攪拌が、垂直軸回転型混合機により行われる、請求項1〜7のいずれかに記載のカチオン化セルロース誘導体の製造方法。
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