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JP2015050988A - 米飯用臭気抑制剤およびそれを用いた米飯 - Google Patents

米飯用臭気抑制剤およびそれを用いた米飯 Download PDF

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Abstract

【課題】 炊飯後の米飯において長期保管による不快臭の発生が抑制され、かつ白米自体の風味や味覚を保持し得る米飯用臭気抑制剤およびそれを用いた米飯を提供すること。
【解決手段】 米飯用臭気抑制剤およびそれを用いた米飯を開示する。本発明の米飯用臭気抑制剤はフラボノイドを有効成分として含有する。本発明によれば、長期保管が可能な米飯を製造することができ、例えば、家庭、または持ち帰り弁当、レストランなどの飲食施設における炊飯用の調味料として、あるいはレトルト米飯製品などの食品工業用の食品添加剤として有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、米飯用臭気抑制剤およびそれを用いた米飯に関し、より詳細には、炊飯後の米飯における不快臭の発生を抑え、米飯の長期保存を可能にした米飯用臭気抑制剤およびそれを用いた米飯に関する。
白米は、炊飯直後から急激な鮮度低下を引き起こすことが知られている。鮮度低下に伴って、いわゆる古米臭とも言われる不快臭を発生するため、これが米飯製品の長期保管を難しくしている原因の1つである。
従来より、米飯の風味や食味などの品質を改良するために、種々の提案がなされている。例えば、特許文献1は、コーヒー生豆に多く含まれるクロロゲン酸、カフェー酸、フェルラ酸などのフェノール酸系ポリフェノールを米飯用添加剤として使用し、米飯が経時的に変化して精製される不快臭の発生を実質的に抑制することを記載している。特許文献2は、レトルト米飯の製造にあたり、炊飯用の米と水との混合物に、グルコースオキシダーゼおよびグルコースを共存させて炊飯を行うことにより、レトルト米飯特有の異臭の発生、風味の劣化が確実に抑制され、かつ風味の改良されたレトルト米飯を得ることができる旨を記載している。さらに、特許文献3および4は、それぞれ炊飯の際に米および水とともに、ホップ抽出物またはフルフリルアルコールを用いることにより、米飯の風味を改良し得ることを記載している。
しかし、上記に記載されるような添加剤は、不快臭の発生効果が長期保管において不充分であったり、米飯自体への風味や味覚に影響を及ぼすことが懸念されたりする点で、未だ充分とはいえず、さらなる技術改良が所望されている。
特開平10−179079号公報 特開平5−316974号公報 特開2005−269988号公報 特開平8−294366号公報
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、炊飯後の米飯において長期保管による不快臭の発生が抑制され、かつ白米自体の風味や味覚を保持し得る米飯用臭気抑制剤およびそれを用いた米飯を提供することにある。
本発明は、フラボノイドを有効成分として含有する、米飯用臭気抑制剤である。
1つの実施形態では、上記フラボノイドは、ルチン、オリエンチン、ジヒドロイソオリエンチン、ジヒドロオリエンチン、ケルセチン、アピゲニン、ルテオリン、およびシソニンからなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノールである。
1つの実施形態では、上記フラボノイドは植物抽出物の形態で含有される。
さらなる実施形態では、上記植物抽出物は、小豆、ルイボス茶、タマネギ外皮、およびシソ葉からなる群から選択される少なくとも1種の植物材料から得られた抽出物である。
1つの実施形態では、本発明の米飯用臭気抑制剤は、有効成分として焙煎米糠抽出物をさらに含有する。
本発明はまた、白米、水、および上記米飯用臭気抑制剤を混合して炊飯された、米飯である。
本発明によれば、炊飯後の米飯の風味および味覚に影響を及ぼすことなく、米飯の保管により発生する不快臭の発生を抑制することができる。このため、得られた米飯についてより長期にわたる保管が可能となり、レトルト米飯、無菌包装米飯などの米飯製品の品質を向上させることができる。本発明の米飯用臭気抑制剤は、そもそも原料が食品由来のものであり、安全性に富み、かつ取り扱いも容易である。
以下、本発明について詳述する。
本発明の米飯用臭気抑制剤は有効成分としてポリフェノールを含有する。
本願明細書において用語「米飯」とは、白米と水とを炊飯して得られるものの他、白米と玄米と水とを炊飯して得られるもの、玄米と水とを炊飯して得られるもの(玄米飯)、白米とその他雑穀(例えば、麦、稗、粟など)と水とを炊飯して得られるもの;ならびにこれらにキノコ(例えば、マツタケ、シイタケ、シメジ)、豆類(例えば、グリーンピース豆)、魚介類(例えば、タイ、アサリ)などの他の食材を混ぜ合わせた炊き込み飯、かやく飯、五目飯などの、いわゆる混ぜご飯も包含して言い、本明細書中で用いられる用語「米飯用臭気抑制剤」とは、上記米飯の炊飯にあたり、主に白米と水との混合物の段階で共存させることにより、炊飯後、米飯から発する不快臭(米糠臭)の抑制または低減を達成する添加物を指して言う。
本発明の米飯用臭気抑制剤を構成するポリフェノールは食品工業一般において使用可能な化合物であり、化学的に合成されたもの、天然物由来のもの、またはこれらの組合せのいずれのものであってもよい。
本発明を構成するポリフェノールの例としては、フラボノイド(例えば、カテキン、アントシアニン、タンニン、ルチン、オリエンチン、ジヒドロイソオリエンチン、ジヒドロオリエンチン、ケルセチン、アピゲニン、ルテオリン、およびシソニン);フェニルプロパノイド;エラグ酸;リグナン;クルクミン;およびクマリン;ならびにこれらの組合せが挙げられる。特に、フェニルプロパノイドを除く、フラボノイド、エラグ酸、リグナン、クルクミン、およびクマリン、ならびにこれらの組合せが好ましく、フラボノイドがより好ましい。
さらに、本発明の臭気抑制剤にフラボノイドが用いられる場合、臭気の抑制効果が一層優れているとの点から、ルチン、オリエンチン、ジヒドロイソオリエンチン、ジヒドロオリエンチン、ケルセチン、アピゲニン、ルテオリン、およびシソニンならびにこれらの組合せを用いることが好ましい。
本発明において、上記ポリフェノールまたはフラボノイドは、植物抽出物、特に食品工業一般に用いられる安全性の確認された植物抽出物の形態で含有されていることが好ましい。当該植物抽出物は、植物の葉、根、茎、花または全草その他の部位から当業者に周知の方法(例えば、熱水抽出、熱水−エタノール抽出、またはエタノール(水)抽出)により得られた液状、ペースト状、または粉状の混合物、あるいはこのような方法を経て単離かつ精製された化合物である。
本発明においてポリフェノールを含有する植物抽出物の例としては、特に限定されないが、小豆(豆部分)、ルイボス茶、タマネギ外皮、シソ葉、クマ笹、サンシュユ、ローズバッツ、ルブス、マンゴスチン、ライチ、緑茶、キダチアロエ、およびイチゴが挙げられる。その中でも特に、フラボノイドをリッチに含有し、米飯における臭気を一層有効に抑制または低減することができるという点から、小豆(豆)、ルイボス茶、タマネギ外皮、およびシソ葉、ならびにこれらの組合せを用いることが好ましい。なお、上記植物から得られる抽出物には、小豆では例えばルチンが含有され、ルイボス茶では例えばルチン、オリエンチン、ジヒドロイソオリエンチンおよびジヒドロオリエンチンが含有され、タマネギ外皮では例えばケルセチンが含有され、そしてシソ葉では例えばアピゲニン、ルテオリンおよびシソニンが含有されることが知られている。このため、本発明においては、上記ポリフェノールまたはフラボノイドの化合物自体だけでなく、このような植物抽出物についても利用することができる。
本発明の米飯用臭気抑制剤はまた、上記ポリフェノールまたはフラボノイド以外に、他の有効成分として焙煎米糠抽出物を含有していてもよい。
焙煎米糠抽出物は、食品添加剤として公知の既存添加物である。焙煎米糠抽出物の起源は、例えば、イネ科イネの米糠を脱脂し、焙煎したものを、熱時水で抽出後、温時エタノールでタンパク質を除去したものであり、成分としてマルトールを含むものである。本発明を構成し得る「焙煎米糠抽出物」は、「ばい煎コメヌカ抽出物」(添加物表示)として入手可能な食品添加物(例えば市販物)をも包含する。
焙煎米糠抽出物は、容器に入れられた米糠に対し水分を加えずに、該容器の外部から高い温度に加熱する処理(いわゆる「焙煎」)を行うことにより製造され得る。このような焙煎に付される温度は、例えば120℃〜210℃、好ましくは130℃〜190℃であり、焙煎に付される時間は、例えば20分間〜90分間、好ましくは30分間〜60分間であるが、特にこれらの条件に限定されない。
焙煎米糠抽出物はまた、上記のようにして焙煎した米糠を、水または有機溶媒、あるいは水および有機溶媒の組み合わせにて抽出したものである。このような抽出操作に使用可能な水としては、水道水、蒸留水、純水などが挙げられる。使用可能な有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、および1,3−ブチレングリコール、ならびにこれらの組合せなどのアルコールが挙げられる。水および有機溶媒の組み合わせには、水に対し有機溶媒を高濃度(例えば、約50v/v%以上)で含有する含む水溶液が挙げられる。焙煎米糠の抽出は、上記のような水、有機溶媒、またはこれらの組合せを、単独用いて行われてもよく、あるいは多段階の抽出操作を経て(例えば、水抽出後に有機溶媒抽出を行う等)行われてもよい。
焙煎した米糠から、例えば、以下のようにして焙煎米糠抽出物を得ることができる。
例えば、焙煎米糠を熱水による抽出に供した後、濾過により糠が取り除かれる。その後、採取した抽出液を濃縮し、例えばスプレードライにて粉末化し、次いで上記有機溶媒と水との混合溶媒(例えば、エタノール水溶液)による抽出に供し、得られた抽出液をさらに濾過および濃縮に供することにより、最終抽出物を得ることができる。このような一連の抽出操作において、熱水抽出では、例えば、80℃以上100℃未満、好ましくは90℃〜99℃の抽出温度が採用され得、例えば、5分間以上、好ましくは、90分間以上、より好ましくは、120分間以上の時間での抽出時間が採用され得る。使用され得る混合溶媒におけるエタノール温度は、抽出効率を高めるために、高濃度のエタノール水溶液が採用され得、例えば、50v/v%〜99.5v/v%、好ましくは70v/v%〜95v/v%の濃度が選択され得る。当該混合溶媒を用いる際の抽出温度には、例えば、50℃〜78℃、好ましくは60℃〜70℃が採用され得、抽出時間には、例えば60分間以上、好ましくは90分間以上、より好ましくは、120分間以上が採用され得る。
本発明を構成し得る焙煎米糠抽出物は、上記以外の方法により製造されたものであってもよい。このような焙煎米糠抽出物の製造方法は、例えば、特開2010−252647号公報および特開2013−055964号公報に記載されている。
本発明を構成し得る焙煎米糠抽出物は、粉末、顆粒、液、乳化液、ペーストなどの任意の形態を有していてもよい。さらに、元は液状のものであっても、例えば、スプレードライまたは凍結乾燥などの当業者に周知の方法を用いて粉末乾燥させたものを用いてもよい。
本発明の米飯用臭気抑制剤における、焙煎米糠抽出物の含有量は必ずしも限定されないが、上記ポリフェノールまたはフラボノイド100重量部に対して、例えば、5重量部〜500重量部、好ましくは30重量部〜450重量部、より好ましくは80重量部〜120重量部である。
本発明の米飯用臭気抑制剤はまた、他の添加剤を含有していてもよい。このような他の添加剤の例としては、グルコン酸、グルコノデルタラクトン、クエン酸、酢酸などの有機酸およびその塩;グリシン、アラニン、グルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸;グリセリン脂肪酸エステル、チアミンラウリル硫酸塩などの一般に食品に添加される食品用日持向上成分;酵母エキス等の調味料;糖類;糖アルコール;デキストリン;食塩;甘味料などが挙げられる。当該添加剤の含有量は、特に限定されず、上記ポリフェノールまたはフラボノイドが有する臭気抑制効果を阻害しない程度の範囲が当業者によって選択され得る。
本発明の米飯用臭気抑制剤の使用量は、必ずしも限定されないが、炊飯時に使用する水(加水)の重量を基準として、例えば、0.00002重量%〜0.02重量%、好ましくは0.00006重量%〜0.002重量%のポリフェノールまたはフラボノイド含有量となる量が選択される。あるいは、ポリフェノールまたはフラボノイドが、上記植物抽出物の形態で使用される場合、当該植物抽出物の量(乾燥重量)は、その使用する抽出物の種類によって多少の変動があるため必ずしも限定されないが、炊飯時に使用する水(加水)の重量を基準として、例えば、0.0001重量%〜0.1重量%、好ましくは0.0003重量%〜0.1重量%である。本発明の米飯用臭気抑制剤の使用量が、上記ポリフェノールまたはフラボノイド、あるいは植物抽出物の範囲を下回る場合、米飯に対して臭気の抑制を充分に達成することができない場合がある。また、本発明の米飯用臭気抑制剤の使用量が、上記ポリフェノールまたはフラボノイド、あるいは植物抽出物の範囲を上回ると、実質的にそれ以上の米飯に対する臭気抑制の改善は見られず、製造コストが上昇するか、もしくは過剰のポリフェノールや植物抽出物の含有によって米飯本来の風味や味覚に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明の米飯用臭気抑制剤を用い米飯を炊飯する場合、所定量の白米等と、水と、当該米飯用臭気抑制剤、ならびにその他必要に応じて食品工業一般に使用される添加剤や調味料、他の食材が混合される。その後、当業者に周知の手段を用いて炊飯が行われる。このようにして米糠臭の不快な臭気の発生が抑制された米飯が製造される。
本発明により得られた米飯は、レストラン、弁当屋などの飲食店において、そのまま提供されてもよく、一般家庭の食卓における主食用ご飯として食されてもよい。あるいは、レトルト米飯や冷凍焼きおにぎりなどの食品工業製品としてされなる加工が施されてもよい。
このようにして製造された米飯は、当該臭気抑制剤を使用していない従来の米飯と比較して、長期保管による不快臭の発生が、例えば1/2〜8/10のレベルにまで抑制し、米飯の長期保存性を高めることができる。このため、本発明の米飯用臭気抑制剤は、米飯用の日持向上剤としても機能し、事実上の米飯の賞味期間を延長することもできる。その結果、廃棄に至る量も低減することができ、経済上かつ工業生産上極めて有用であることがわかる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1:ポリフェノールを用いた米飯の製造と臭気の測定)
精白米20gを計量し、特に研ぐことなく開閉可能な容器に入れた。次いで、0.45重量%のグルコン酸水溶液28gを添加し、かつ試験薬剤として小豆抽出物(主成分:ルチン)を添加したグルコン酸水溶液の重量を基準として0.001w/w%となるように添加し、容器の口を閉じて当該水溶液に精白米を1時間浸漬した。その後、容器の口を開き、当該容器の上にさらしを被せ、100℃にて20分間、蒸し加熱を行った。
なお、上記試験薬剤の抽出物は、対象の乾燥植物体を所定の大きさにまで粉砕し、その粉砕物にその重量の10倍に相当する量の水を添加し、80℃にて2時間加熱かつ撹拌し、濾過により得られた濾液を減圧下で濃縮した後、凍結乾燥することにより得られたものであった(この抽出操作は、後述する焙煎米糠抽出物を除く、本明細書における各実施例で使用した試験薬剤の植物抽出物のすべてについて同様に行って、所定の植物抽出物を得た)。
次いで、室温で放冷した後、容器を再び密封し、当該容器を35℃で1カ月間保管した。
(GC−MSによる不快臭の分析)
保管期間の経過後、直ちに容器を開封し、保管した米飯8gをバイアルにサンプリングし、ヘッドスペース(HS)をトラップサンプラー(PerkinElmaer社製HSトラップサンプラー:Turbo Matrix Trap40)で濃縮した後、GC−MS装置(PerkinElmer社製ガスクロマトグラフ質量分析装置Clarus SQ 8 GC/MS)に供し、得られたクロマトグラムよりヘキサナールのピーク面積値を指標として測定した。当該ピーク面積値は、後述する比較例1で得られた面積値を100%とした際の%として算出した。
なお、このGC−MS装置におけるその他分析条件は以下の通りであった:
<トラップ条件>
温度: オーブン60℃、ニードル120℃、トランスファー105℃、トラップ(high)240℃、トラップ(low)40℃
時間: 加熱20分間、サイクル4回、脱着1分間、ホールド7分間
<カラム>
TC−WAX(ジーエルサイエンス株式会社製)60mm×0.25mm×0.25μm
<カラム昇温条件>
40℃(2分間)、毎分5℃で230℃まで昇温し、その後230℃(10分間)
(不快臭の官能評価)
上記35℃にて1カ月間保管した米飯を、容器に入れたまま電子レンジ(1500W)で15秒加熱した後、食品試験における専門家1名により容器内の米飯の臭気について以下の4段階の評価基準に則して評価した:
A:不快臭をほとんど感じず、米飯製品として良好であると判断した。
B:不快臭をわずかに感じたが、米飯製品として懸念すべきものではないと判断した。
C:不快臭を少々感じ、米飯製品として幾分懸念すべきものと判断した。
D:不快臭を強く感じ、米飯製品としては明らかに懸念すべきものと判断した。
得られた結果を表1に示す。
(比較例1)
試験薬剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。他の結果との比較のため、得られた結果を表1〜5に重複して示す。
(参考例1および2)
実施例1の試験薬剤に代えて、表1に記載のR−EX(奥野製薬工業株式会社製焙煎米糠抽出物)を試験薬剤として用い、表1に記載の各含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表1にそれぞれ示す。
(実施例2〜10)
実施例1の試験薬剤に代えて、表1のそれぞれに記載の試験薬剤を当該表1に記載の含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表1にそれぞれ示す。
Figure 2015050988
表1に示すように、実施例1〜10のそれぞれで得られた米飯は、比較例1の米飯と比較して不快臭が低減されていた。特に、フラボノイド系ポリフェノールで構成される実施例1〜8の結果では、GC−MSおよび官能評価のいずれにおいても比較例1の結果を比較して、著しく不快臭の発生が抑制されており、米飯の長期保存性が高められていたことがわかる。また、試験薬剤の濃度を高くするほど、不快臭の発生が有効に抑えられていた。さらに、試験薬剤として焙煎米糠抽出物単独を使用した場合(参考例1および2)についても、GC−MSおよび官能評価の結果は、比較例1のものと比較して、不快臭の発生が抑制されており、このような場合においても米飯の長期保存性が高められていたことがわかる。
(実施例11〜14:小豆抽出物および焙煎米糠抽出物を用いた米飯の製造と臭気の測定)
実施例1の試験薬剤に代えて、小豆抽出物(上記実施例で調製したもの)およびR−EX(奥野製薬工業株式会社製焙煎米糠抽出物)をそれぞれ表2に記載の含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表2にそれぞれ示す。
(実施例15:小豆抽出物を用いた米飯の製造と臭気の測定)
上記実施例11〜14との比較のために、実施例1の試験薬剤に代えて、小豆抽出物(上記実施例で調製したもの)を表2に記載の含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表2に示す。
(参考例3:焙煎米糠抽出物を用いた米飯の製造と臭気の測定)
実施例1の試験薬剤に代えて、R−EX(奥野製薬工業株式会社製焙煎米糠抽出物)を表2〜6に記載の含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表2〜6に示す。
Figure 2015050988
表2に示すように、実施例11〜14のそれぞれで得られた米飯は、比較例1の米飯と比較して不快臭が低減され、試験薬剤として小豆抽出物単独を用いた実施例15および焙煎米糠抽出物を用いた参考例3の結果と比較しても不快臭がさらに低減されていた。すなわち、小豆抽出物と焙煎米糠抽出物との併用によって、小豆抽出物または焙煎米糠抽出物のいずれか単独を用いた場合より、米飯の長期保管に伴う不快臭の発生がさらに抑制されることがわかる。
(実施例16〜19:ルイボス茶抽出物および焙煎米糠抽出物を用いた米飯の製造と臭気の測定)
実施例1の試験薬剤に代えて、ルイボス茶抽出物(上記実施例で調製したもの)およびR−EX(奥野製薬工業株式会社製焙煎米糠抽出物)をそれぞれ表3に記載の含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表3にそれぞれ示す。
(実施例20:ルイボス茶抽出物を用いた米飯の製造と臭気の測定)
上記実施例16〜19との比較のために、実施例1の試験薬剤に代えて、ルイボス茶抽出物(上記実施例で調製したもの)を表3に記載の含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表3に示す。
Figure 2015050988
表3に示すように、実施例16〜19のそれぞれで得られた米飯は、比較例1の米飯と比較して不快臭が低減され、試験薬剤としてルイボス茶抽出物単独を用いた実施例20および焙煎米糠抽出物を用いた参考例3の結果と比較しても不快臭がさらに低減されていた。すなわち、ルイボス茶抽出物と焙煎米糠抽出物との併用によって、ルイボス茶抽出物または焙煎米糠抽出物のいずれか単独を用いた場合より、米飯の長期保管に伴う不快臭の発生がさらに抑制されることがわかる。
(実施例21〜24:タマネギ外皮および焙煎米糠抽出物を用いた米飯の製造と臭気の測定)
実施例1の試験薬剤に代えて、タマネギ外皮抽出物(上記実施例で調製したもの)およびR−EX(奥野製薬工業株式会社製焙煎米糠抽出物)をそれぞれ表4に記載の含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表4にそれぞれ示す。
(実施例25:タマネギ外皮抽出物を用いた米飯の製造と臭気の測定)
上記実施例21〜24との比較のために、実施例1の試験薬剤に代えて、タマネギ外皮抽出物(上記実施例で調製したもの)を表4に記載の含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表4に示す。
Figure 2015050988
表4に示すように、実施例21〜24のそれぞれで得られた米飯は、比較例1の米飯と比較して不快臭が低減され、試験薬剤としてタマネギ外皮抽出物単独を用いた実施例25および焙煎米糠抽出物を用いた参考例3の結果と比較しても不快臭がさらに低減されていた。すなわち、タマネギ外皮抽出物と焙煎米糠抽出物との併用によって、タマネギ外皮抽出物または焙煎米糠抽出物のいずれか単独を用いた場合より、米飯の長期保管に伴う不快臭の発生がさらに抑制されることがわかる。
(実施例26〜29:シソ葉抽出物および焙煎米糠抽出物を用いた米飯の製造と臭気の測定)
実施例1の試験薬剤に代えて、シソ葉抽出物(上記実施例で調製したもの)およびR−EX(奥野製薬工業株式会社製焙煎米糠抽出物)をそれぞれ表5に記載の含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表5にそれぞれ示す。
(実施例30:シソ葉抽出物を用いた米飯の製造と臭気の測定)
上記実施例26〜29との比較のために、実施例1の試験薬剤に代えて、タマネギ外皮抽出物(上記実施例で調製したもの)を表5に記載の含有量にて使用したこと以外は、実施例1と同様にして米飯を作製し、35℃にて1カ月保管後の米飯のGC−MS分析および官能評価を行った。得られた結果を表5に示す。
Figure 2015050988
表5に示すように、実施例26〜29のそれぞれで得られた米飯は、比較例1の米飯と比較して不快臭が低減され、試験薬剤としてシソ葉抽出物単独を用いた実施例30および焙煎米糠抽出物を用いた参考例3の結果と比較しても不快臭がさらに低減されていた。すなわち、シソ葉抽出物と焙煎米糠抽出物との併用によって、シソ葉抽出物または焙煎米糠抽出物のいずれか単独を用いた場合より、米飯の長期保管に伴う不快臭の発生がさらに抑制されることがわかる。
本発明によれば、炊飯後の米飯の風味および味覚に影響を及ぼすことなく、米飯の保管により発生する不快臭の発生を抑制することができる。このため、長期保管が可能な米飯を製造することができ、例えば、家庭、または持ち帰り弁当、レストランなどの飲食施設における炊飯用の調味料として、あるいはレトルト米飯製品などの食品工業用の食品添加剤として有用である。

Claims (6)

  1. フラボノイドを有効成分として含有する、米飯用臭気抑制剤。
  2. 前記フラボノイドが、ルチン、オリエンチン、ジヒドロイソオリエンチン、ジヒドロオリエンチン、ケルセチン、アピゲニン、ルテオリン、およびシソニンからなる群から選択される少なくとも1種のポリフェノールである、請求項1に記載の米飯用臭気抑制剤。
  3. 前記フラボノイドが植物抽出物の形態で含有される、請求項1または2に記載の米飯用臭気抑制剤。
  4. 前記植物抽出物が、小豆、ルイボス茶、タマネギ外皮、およびシソ葉からなる群から選択される少なくとも1種の植物材料から得られた抽出物である、請求項3に記載の米飯用臭気抑制剤。
  5. 有効成分として焙煎米糠抽出物をさらに含有する、請求項1から4のいずれかに記載の米飯用臭気抑制剤。
  6. 白米、水、および請求項1から5のいずれかに記載の米飯用臭気抑制剤を混合して炊飯された、米飯。
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