JP2015050349A - 太陽電池素子およびその製造方法並びにファイヤースルー用アルミニウムペースト - Google Patents
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Abstract
【課題】 裏面電極をファイヤースルー法を利用して形成する太陽電池素子、その製造方法およびその製造方法に好適に用いられる裏面集電用アルミニウムペーストを提供する。
【解決手段】 裏面電極形成の際に、集電用の厚膜アルミニウムペーストを塗布する集電用Al印刷工程P8の前に、ファイヤースルーにより裏面Alコンタクトを形成する焼成工程P6が実施されることにより、裏面ファイヤースルー用のアルミニウムペーストと集電用のアルミニウムペーストとが別々に焼成されることから、裏面ファイヤースルーの際に集電用のアルミニウムペーストにガラスを吸われることがないので、十分なファイヤースルー性が得られ、電池特性の優れた太陽電池素子が得られる。
【選択図】図4
【解決手段】 裏面電極形成の際に、集電用の厚膜アルミニウムペーストを塗布する集電用Al印刷工程P8の前に、ファイヤースルーにより裏面Alコンタクトを形成する焼成工程P6が実施されることにより、裏面ファイヤースルー用のアルミニウムペーストと集電用のアルミニウムペーストとが別々に焼成されることから、裏面ファイヤースルーの際に集電用のアルミニウムペーストにガラスを吸われることがないので、十分なファイヤースルー性が得られ、電池特性の優れた太陽電池素子が得られる。
【選択図】図4
Description
本発明は、太陽電池素子と、その製造方法、特に、その裏面電極の形成方法と、その形成に用いるアルミニウムペーストとの改良に関する。
例えば、一般的なシリコン系太陽電池素子は、例えば、p型多結晶半導体であるシリコン基板の表面にn型不純物層(n+層)を介して反射防止膜(パッシベーション膜)および受光面電極を備えると共に、裏面にp+層を介して裏面電極を備えた構造を有しており、受光により半導体のpn接合に生じた電力を電極を通して取り出すようになっている。上記反射防止膜は、シリコンとは屈折率の異なる材料から成る絶縁体薄膜で、十分な可視光透過率を保ちつつ表面反射率を低減して受光効率を高めるためのものである。反射防止膜の構成材料としては、窒化珪素(SiNx)、二酸化チタン(TiO2)、二酸化珪素(SiO2)等が挙げられる。また、上記受光面電極は、例えば厚膜銀で格子状或いは網目状などに構成され、例えばファイヤースルーにより反射防止膜を破って基板に接続される(例えば、特許文献3を参照。)。基板厚みは例えば140〜200(μm)程度、n+層厚みは例えば0.1〜0.5(μm)程度である。
また、上記裏面電極は、例えば、はんだ付けにより電気を取り出す部分にのみ厚膜銀電極を設け、それ以外は集電部を兼ねる厚膜アルミニウム電極を全面に設けた構成が一般に採られている。厚膜アルミニウム電極は、例えば、アルミニウム粉末、ガラス粉末、分散剤および有機ビヒクルを含むアルミニウムペースト組成物をスクリーン印刷等によって基板裏面に塗布し、焼成処理を施すことで形成される。焼成処理温度は、アルミニウムの融点660(℃)を越える温度に設定され、最高温度保持時間は例えば1分以内である。この焼成の際にアルミニウムがシリコン基板に拡散することにより、裏面電極とシリコン基板との間にAl-Si合金層が形成されると共に、アルミニウム原子の拡散により前記p+層が形成される。このp+層の存在により、裏面側にp−p+層間のフェルミ準位の差による電界ができ、電子とホールの裏面再結合速度を低下させて生成キャリアの収集効率を向上させるBSF(Back Surface Field)効果が得られる。
ところで、略全面が厚膜アルミニウムから成る上記裏面電極は、赤外光の反射率が60〜70(%)程度に留まるので、赤外光が吸収されて熱に変わってしまうロスが高効率化の妨げとなっている。そこで、裏面側にもパッシベーション膜を設けることが行われている。上記パッシベーション膜は、シリコンとは屈折率の異なる材料から成る絶縁体薄膜であって、シリコン基板に表面から入射した光を裏面で反射して素子内に閉じ込めることによって発電効率を高めるものである。パッシベーション膜を設けることにより、赤外光の反射率が95(%)以上に高められ、また、生成キャリアの再結合速度を高める原因となるSi表面のダングリングボンドが抑制されるので、発電効率が高められる。
上記パッシベーション膜は、例えばアルミナ(Al2O3)、二酸化珪素(SiO2)、窒化珪素(SiNx)等で構成される。この中でも二酸化珪素が最適とされるが、これを十分な厚さ寸法で形成することは困難であるため、通常は、薄い二酸化珪素膜の上にアルミナ膜或いは窒化珪素膜を積層した構造が採られる。
上記パッシベーション膜を備える構造では、裏面電極は、アルミニウムペースト組成物をスクリーン印刷等によって基板裏面にドット状或いはライン状等の所定パターンで塗布し、乾燥させた後、焼成処理を施し、更に、その焼成処理の前後何れかでこれに重ねて集電電極やバス電極を設けることによって形成される。このような裏面電極形成に際しては、パッシベーション膜が絶縁膜であるため、ドット状或いはライン状等のパターンに応じて、例えば、フォトリソグラフィやレーザでパッシベーション膜をパターニングにより除去することが行われており、これにより、厚膜アルミニウムとシリコン基板との接続を確保しているが、コストや工数の増大が問題となっていた。
そこで、裏面電極をファイヤースルー法を利用して形成することが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。ファイヤースルー法によれば、所定の電極パターンで塗布されたアルミニウムペースト組成物によって焼成過程において電極形成と同時にパッシベーション膜が破られることにより、厚膜アルミニウム電極とシリコン基板との接続が確保されるので、予めパターニングする場合に比較して工数が減じられて製造コストも抑制される利点がある。なお、このような電極形成方法の場合にも、基板裏面に電極を直接形成した場合と同様に、AlとSiの反応によりp+層が形成されると共にBSF層が形成されるので、良好な電池特性が得られる。
ファイヤースルー法を利用した裏面電極の形成は、例えば、以下のようにして行われる。すなわち、シリコン基板の裏面全面に設けたパッシベーション膜の上に、ファイヤースルー用のアルミニウムペーストを所定パターンで塗布し、乾燥後、集電電極形成用のアルミニウムペーストと、バス電極形成用の銀ペーストをそれぞれ所定パターンで塗布し、乾燥する。その後、ファイヤースルー用ペーストに含まれるガラスの軟化点よりも十分に高い温度で焼成処理を施す。上記電極形成方法によれば、パッシベーション膜がファイヤースルーによって破られることに加えて、ファイヤースルー電極、集電電極、バス電極が同時に焼成されることから、工程が簡単になって製造コストが低減される。
しかしながら、上記のようなファイヤースルー法を利用した裏面電極形成は、未だ十分なファイヤースルー性を得ることができず、しかも、シリコン基板中へのアルミニウム原子の拡散が不十分であったため、一層の改善が望まれていた。裏面ファイヤースルーにおいては、アルミニウムの溶融温度である660(℃)以上に保持される数秒間の間に、ファイヤースルーとBSF形成が同時に成されなければならないので、受光面側に比べてファイヤースルー性の制御が難しい。特に、複数種類の膜が積層されてパッシベーション膜が形成されている場合には、ファイヤースルー性を膜毎に調整する必要があるので、制御が一層困難になる。なお、前記特許文献1に記載されたペースト組成物は、ファイヤースルー性の改善を目的としたものであって、パラジウム、銀、白金、金、ホウ素、ガリウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモン、マグネシウム、カリウム、チタン、バナジウム、ニッケル、銅の少なくとも一種の金属をペースト中に0.5〜50重量部の範囲で含む組成とすることが提案されている。このような金属粉末を添加したペーストによれば、ファイヤースルー性の改善がある程度は認められるものの、未だ十分とは言えず、しかも、銀や銅などの添加効果を得るためには、ペースト中に比較的多量に添加する必要があることから、製造コスト上も好ましくなかった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、裏面電極をファイヤースルー法を利用して形成する太陽電池素子、その製造方法、およびその製造方法に好適に用いられるファイヤースルー用アルミニウムペーストを提供することにある。
斯かる目的を達成するため、第1発明の太陽電池素子の製造方法の要旨とするところは、(a)アルミニウム粉またはアルミニウムを含む複合粉と、ガラスフリットと、ベヒクルとを含むファイヤースルー用アルミニウムペーストをシリコン基板の裏面に備えられたパッシベーション膜上に所定パターンで塗布して第1ペースト膜を形成する裏面第1ペースト塗布工程と、(b)焼成処理を施すことにより前記第1ペースト膜から厚膜アルミニウムを生成すると共に前記パッシベーション膜を浸食して前記シリコン基板に接続された裏面コンタクトを形成する裏面ファイヤースルー工程と、(c)前記裏面ファイヤースルー工程の後に、前記シリコン基板の裏面上に所定の集電用導電性ペーストを所定パターンで塗布して第2ペースト膜を形成する裏面第2ペースト塗布工程と、(d)焼成処理を施すことにより前記第2ペースト膜から前記裏面コンタクトに接続された集電電極を形成する集電電極焼成工程とを、含むことにある。
また、第2発明の要旨とするところは、シリコン基板の裏面にパッシベーション膜を介して裏面電極が設けられた太陽電池素子であって、(a)前記パッシベーション膜上に所定のアルミニウムを主たる導体成分として含むファイヤースルー用アルミニウムペーストを塗布して焼成処理を施すことにより、そのファイヤースルー用アルミニウムペーストから生成されると共にそのパッシベーション膜を浸食して前記シリコン基板に接続された裏面コンタクトと、(b)前記裏面コンタクトを形成した後に、前記シリコン基板の裏面上に集電用導電性ペーストを塗布してその裏面コンタクトとは別に焼成処理を施すことにより、その集電用導電性ペーストから生成されると共にその裏面コンタクトに接続された集電電極とを、含むことにある。
また、第3発明の要旨とするところは、太陽電池素子の裏面にパッシベーション膜を浸食してシリコン基板に接続された裏面コンタクトを形成するために用いられるアルミニウム粉またはアルミニウムを含む複合粉と、ガラスフリットと、ベヒクルとを含むファイヤースルー用アルミニウムペーストであって、Al 100重量部に対してSiを14重量部以下の範囲で含むことにある。
前記第1発明によれば、太陽電池素子を製造するに際しては、裏面第1ペースト塗布工程において、裏面のパッシベーション膜上にファイヤースルー用アルミニウムペーストが所定パターンで塗布されて第1ペースト膜が形成され、裏面ファイヤースルー工程において、焼成処理が施されることによってパッシベーション膜が浸食されて裏面コンタクトが形成され、その後に、裏面第2ペースト塗布工程において、シリコン基板の裏面上に所定の集電用導電性ペーストが所定パターンで塗布され、更に、集電電極焼成工程において、焼成処理が施されることにより、裏面コンタクトに接続された集電電極が形成される。そのため、裏面電極形成の際に、集電用導電性ペーストを塗布する裏面第2ペースト塗布工程の前に裏面ファイヤースルー工程が実施されることにより、裏面ファイヤースルー用アルミニウムペーストと集電用導電性ペーストとが別々に焼成されることから、十分なファイヤースルー性が得られるので、電池特性の優れた太陽電池素子が得られる。
因みに、ファイヤースルー法を利用した裏面電極の形成は、前述したように、電極形状に応じてパッシベーション膜をパターニングにより除去することによる工数や製造コストの増大を抑制することが目的である。電極形成においては焼成工程が製造コストに及ぼす影響が大きいことから、裏面側の裏面コンタクト、集電電極、バス電極、および表面側のファイヤースルー銀電極を同時に焼成するものとして、各ペースト仕様もこの前提の下で検討されてきた。裏面ファイヤースルー用アルミニウムペーストについても、アルミニウム粉末の粒子形状、粒径、アルミニウムと他の金属との複合粉など導体成分の種類などの導体成分の仕様や、ガラスフリットの組成、粒径などを検討すると共に、銀、銅などの追加の添加成分によってを添加してファイヤースルー性を改善することが行われてきた。しかしながら、導体成分やガラスフリットの仕様の調整だけでは良好な結果が得られておらず、他の金属成分の添加については、前述したようにファイヤースルー性の改善が不十分であるだけでなく、製造コスト上も問題があった。
これに対して、本発明者等は、形成した裏面電極周辺の断面組織や組成などを詳しく調べた結果、裏面側でファイヤースルー性が得られない理由は、裏面ファイヤースルー用アルミニウムペースト中のガラス成分が集電用導電性ペーストに吸われて不足するためであるとの結論に至った。裏面ファイヤースルー用アルミニウムペーストにはパッシベーション膜を溶融するために十分な量のガラスフリットが含まれるのに対し、集電用導電性ペーストのガラスフリット量は導電性を確保するために少なくされる。そのため、これらを塗布積層して同時焼成すると、ガラス成分量の少ない集電用導電性ペーストに裏面ファイヤースルー用アルミニウムペースト中のガラス成分が吸われるのである。ファイヤースルー性が十分に向上する程度までファイヤースルー用アルミニウムペースト中のガラス量を多くすると、ガラスが層状にSi-Al界面を覆うためBSF層形成の妨げになる。また、集電用導電性ペーストのガラスフリット量を多くしてもファイヤースルー性は改善するが、ガラス量を多くするほど集電電極の導電性が低下する。このような事情の下、本発明者等は、裏面ファイヤースルー工程と集電電極焼成工程とを別々に実施すれば、ガラス量を増やしたり、ファイヤースルー用ペーストに金属成分等を添加しなくとも、BSF層形成や集電電極の導電性を損なうことなく、十分なファイヤースルー性が得られることを見出し、本発明を完成させたのである。
なお、前記特許文献2、3には、裏面電極形成において、焼成処理を2回に分けて実施することが記載されている。特許文献2の電極形成方法は、表面側に表面電極を形成するための銀ペーストを塗布すると共に裏面側に集電部を形成するためのアルミニウムペーストを塗布して1回目の焼成を行った後、裏面側に出力取出部を形成するための銀ペーストを塗布して2回目の焼成を行うものである。また、特許文献3の電極形成方法は、表面側に表面電極を形成するための銀ペーストを塗布すると共に裏面側に出力取出部を形成するための銀ペーストを塗布して1回目の焼成を行った後、裏面側に集電部を形成するためのアルミニウムペーストを塗布して2回目の焼成を行うものである。これら特許文献2、3に記載の太陽電池素子では、裏面パッシベーション膜は設けられておらず、したがって、裏面ファイヤースルーも行われない。これら特許文献2、3に記載の技術では、2回焼成とする目的は、厚膜アルミニウムから成る集電部と厚膜銀から成る出力取出部との重なり部に応力が生じ延いては基板割れが生ずることを防止することにある。これらを別々に焼成することで目的を達成しようとするものであるが、本願発明のようにパッシベーション膜を設けると上記のような基板割れが抑制されるので、上記目的のために2回焼成にする必要は無くなる。すなわち、本願発明は、これら特許文献2、3に記載の技術とは、焼成を分ける目的も分け方も相違する。
また、前記第2発明によれば、太陽電池素子は、パッシベーション膜をファイヤースルーにより浸食して形成された裏面コンタクトと、その上に重ねられる集電電極とが別々に焼成されていることから、裏面コンタクトを形成する際には、集電電極形成のためのペーストにガラスを吸われることがないので、太陽電池素子は良好なファイヤースルー性を以て形成された裏面コンタクトを備える。そのため、電池特性の優れた太陽電池素子が得られる。なお、アルミニウムを主たる導体成分として前記ペーストは、そのアルミニウムをアルミニウム粉またはアルミニウムを含む複合粉として含むものでよい。
また、前記第3発明によれば、ファイヤースルー用アルミニウムペーストは、Al 100重量部に対してSiを14重量部以下の範囲で含むことから、焼成処理の際に基板中のSiが裏面コンタクト中に拡散するカーケンダール効果によって基板に孔が生ずることが抑制される。そのため、裏面コンタクトと基板との良好な電気的接続が得られると共に、接合界面の劣化が抑制される。すなわち、第1発明の製造方法に用いるファイヤースルー用アルミニウムペーストは、カーケンダール効果抑制のためにSiを上記範囲で含むペースト組成とすることが望ましい。
なお、上記ファイヤースルー用アルミニウムペーストは、ペースト中に上記割合となるようにSiが含まれるのであれば、Siはガラスフリット中に含まれていても、ガラスフリットとは別に含まれていても差し支えない。また、Si量は、Al 100重量部に対して1〜10重量部の範囲が一層好ましく、1〜5重量部の範囲が特に好ましい。
ここで、前記第1発明の太陽電池素子の製造方法および第2発明の太陽電池素子において、好適には、前記集電用導電性ペーストは、アルミニウム粉またはアルミニウムを含む複合粉と、ガラスフリットと、ベヒクルとを含むアルミニウムペーストであって、前記ファイヤースルー用アルミニウムペーストよりもガラスフリット量が少ないものであるこのようにすれば、アルミニウムを導体成分として含むペーストが用いられるため、厚膜銀ペーストが用いられる場合に比較して製造コストを一層抑えることができる。また、集電用導電性ペーストは、ファイヤースルー用アルミニウムペーストよりもガラスフリット量が少なくされているため、裏面コンタクトよりも高い導電性を有するので、発生した電力を集電電極を介して効率よく取り出し得る利点がある。
また、好適には、前記第1発明の太陽電池素子の製造方法は、(e)前記シリコン基板の表面に備えられた反射防止膜上に所定パターンで厚膜銀ペーストを塗布して表側ペースト膜を形成する表側ペースト塗布工程と、(f)前記裏面ファイヤースルー工程または前記集電電極焼成工程と同時に焼成処理を施すことにより、前記表側ペースト膜から前記表面側にファイヤースルーによって受光面電極を形成する表面ファイヤースルー工程とを、含むものである。このようにすれば、受光面電極を形成するための表面ファイヤースルー工程が裏面側の何れかの電極を形成するための焼成処理と同時に実施されることから、各焼成処理を別々に行う場合に比較して焼成処理回数が減じられる利点がある。
一層好適には、前記表面ファイヤースルー工程は、前記集電電極焼成と同時に行われる。ファイヤースルー用アルミニウムペーストを焼成する際には、例えば40〜50(℃/sec)程度の比較的低い昇温速度が好ましいが、ファイヤースルー用銀ペーストを焼成する際には、それよりも高い例えば60〜80(℃/sec)程度の昇温速度が好ましい。そのため、両面のファイヤースルーを同時に行おうとすると焼成条件の調整が困難になる。上記のように表面ファイヤースルー工程を集電電極焼成と同時にすれば、表裏のファイヤースルー条件をそれぞれ最適化できる利点がある。なお、表面ファイヤースルー工程を上記集電電極焼成および裏面ファイヤースルーの何れとも別に実施することもでき、それぞれの最適条件で焼成処理することが容易になるが、焼成回数が増えることから製造コスト面では好ましくない。
また、好適には、前記集電電極焼成工程は、前記裏面ファイヤースルー工程よりも低温且つ集電用導電性ペースト中の導体成分の融点よりも高温で施される。形成された裏面コンタクトの変質を抑制するためには、これを形成するための裏面ファイヤースルー工程よりもその後に実施される集電電極焼成工程の焼成温度を低くすることが好ましい。一方、集電電極の高い導電性を得るためには、その導体成分の融点よりも高温で焼成処理を施すことが好ましい。なお、これらのことから、集電用導電性ペーストの導体成分は、アルミニウムまたはそれよりも融点の低い金属が好ましい。
また、好適には、前記第3発明のファイヤースルー用アルミニウムペーストは、前記ガラスフリットを1〜20(wt%)の範囲内の割合で含むものである。ガラスフリット量は所望する侵食性、膜強度、および導電性に応じて適宜定められるものであるが、1(wt%)以上であれば十分な侵食性および膜強度が得られ、20(wt%)以下であれば十分に高い導電性が得られる。
なお、前記集電用アルミニウムペーストのガラス量は、上記ファイヤースルー用アルミニウムペーストのガラス量よりも少ないことが好ましい。ファイヤースルー用アルミニウムペーストは、必要な導電性が保たれる範囲でファイヤースルー性を確保するためにガラス量が多い方が好ましいが、集電用アルミニウムペーストは、必要な膜強度が保たれる範囲で導電性を確保するためにガラス量が少ない方が好ましい。したがって、これらのガラス量は相対的には集電用アルミニウムペーストのそれがファイヤースルー用アルミニウムペーストのそれよりも少ないことが好ましい。
また、前記第1発明の製造方法で用いられるファイヤースルー用アルミニウムペーストにおいて、ペースト中に含まれるガラスフリットは、ペースト中に含まれる導体成分の融点以下の軟化点を有することが好ましく、これにより、高い膜強度を得ることができる。例えば、導体成分がアルミニウムである場合には、その融点である660(℃)以下の軟化点を有するガラスフリットが好ましい。ガラスフリットは、有鉛ガラスおよび無鉛ガラスの何れから成るものであっても差し支えなく、また、組成も軟化点の条件を満たす限りにおいて、任意に選択できる。
例えば、鉛ガラスとしては、酸化物換算でアルカリ金属(Li2O、Na2O、K2O)を合計0.6〜23(mol%)、PbOを20〜65(mol%)、B2O3を1〜30(mol%)、SiO2を10〜45(mol%)、Bi2O3を0〜20(mol%)、SO2を0〜5mol%、Ag2Oを0〜1.5(mol%)の範囲内の割合で含むものが挙げられる。
また、無鉛ガラスとしては、酸化物換算でBi2O3を10〜36(mol%)、ZnOを10〜30(mol%)、SiO2を15〜26(mol%)、B2O3を5〜24(mol%)、アルカリ金属(Li2O、Na2O、K2O)を合計12〜25(mol%)、Al2O3を2〜10(mol%)、アルカリ土類金属(BaO、CaO、MgO、SrO)を合計0〜20(mol%)、TiO2を0〜6(mol%)、ZrO2を0〜5(mol%)、CeO2を0〜5(mol%)、SO2を0〜5(mol%)、Ag2Oを0〜1.5(mol%)の範囲内の割合で含むものが挙げられる。
なお、上記ガラス組成において、アルカリ金属はガラスの軟化点を低下させる成分で、鉛ガラスにおいては0.6(mol%)以上、無鉛ガラスにおいては12(mol%)以上含まれていれば、十分に軟化点が低くなって、パッシベーション膜への浸食が容易になる。一方、鉛ガラスにおいては23(mol%)以下、無鉛ガラスにおいては25(mol%)以下に留められていれば、浸食性が強くなりすぎず、容易に浸食制御できる。また、アルカリ金属の合計量は、鉛ガラスにおいては3〜20(mol%)の範囲が、無鉛ガラスにおいては、12〜21.5(mol%)の範囲が、それぞれ上記観点から一層好ましい。また、アルカリ金属の各々は、無鉛ガラスにおいては、Li2Oが9〜18(mol%)の範囲、Na2Oが8(mol%)以下の範囲、K2Oが5(mol%)以下の範囲、鉛ガラスにおいては、Li2Oが0.6〜21(mol%)の範囲、Na2Oが5(mol%)以下の範囲、K2Oが5(mol%)以下の範囲とすることが、それぞれ好ましい。
また、PbOは、鉛ガラスにおいて、ガラスの軟化点を低下させて低温焼成を可能とするための成分である。良好なファイヤースルー性を得るためには、PbO量を20(mol%)以上とすることが好ましい。PbOが少なくなると、軟化点が高くなってガラス化が困難になると共にパッシベーション膜へ浸食し難くなり、延いては基板との電気的接続が困難になる傾向が生ずる。一方、65(mol%)を越えると軟化点が低くなって浸食性が強くなるため、浸食量制御が困難になる。PbO量は、25〜65(mol%)の範囲が上記観点から一層好ましい。
また、B2O3は、ガラス形成酸化物(すなわちガラスの骨格を作る成分)であり、ガラスの軟化点を低くするための成分で、良好なファイヤースルー性を得るためには、鉛ガラスにおいては1(mol%)以上、無鉛ガラスにおいては5(mol%)以上とすることが好ましい。B2O3量が少なくなると、軟化点が高くなってパッシベーション膜へ浸食し難くなり、延いては基板との電気的接続が困難になる傾向が生ずると共に、耐湿性も低下する傾向が生ずる。一方、鉛ガラスにおいては30(mol%)を超えると、無鉛ガラスにおいては24(mol%)を超えると、軟化点が低くなって浸食性が強くなるため、浸食量制御が困難になる。B2O3量は、鉛ガラスにおいては3.2〜21(mol%)の範囲が、無鉛ガラスにおいては6〜21(mol%)の範囲が、それぞれ上記観点から一層好ましい。
また、SiO2は、ガラス形成酸化物であり、不足するとガラス形成が困難になる。また、ガラスの耐化学性を高くするための成分で、十分な耐化学性を得るためには、鉛ガラスにおいては10(mol%)以上、無鉛ガラスにおいては15(mol%)以上とすることが好ましい。一方、鉛ガラスにおいては45(mol%)を越えると、無鉛ガラスにおいては26(mol%)を超えると、軟化点が高くなってパッシベーション膜へ浸食し難くなり、延いては基板との電気的接続が困難になる傾向が生ずる。SiO2量は、鉛ガラスにおいては15〜37.3(mol%)の範囲が、無鉛ガラスにおいては15〜25(mol%)の範囲が、それぞれ上記観点から一層好ましい。
また、Bi2O3は、無鉛ガラスにおいては低温焼成を可能とするために必須の成分である。10(mol%)以上であれば軟化点が十分に低くなり、36(mol%)以下であれば太陽電池の高い電気的特性が得られる。鉛ガラスにおいては任意の成分であり、20(mol%)以下であればファイヤースルー性や信頼性に悪影響がない。Bi2O3量は、無鉛ガラスにおいては15〜32(mol%)の範囲が、鉛ガラスにおいては15(mol%)以下が、それぞれ上記観点から一層好ましい。
また、SO2は、ガラスが軟化したときに粘性を低下させる成分であり、任意の成分であるが、鉛ガラス、無鉛ガラスの何れにおいても、5(mol%)以下の範囲で含むことができる。SO2を含む組成とすることにより、アルカリ量を増加させ或いは組成を変更することなく、浸食性を同程度に保ちながら、ガラスが軟化したときの粘性を低下させることができる。そのため、その軟化の際の表面張力が低下させられることから、ガラス成分が速やかに電極−基板界面に供給されるので、その界面に均一な薄いガラス層が形成され、侵食の一様性が高められて、一層良好な電気的特性が得られる。
また、Ag2Oは、ファイヤースルー性を高める成分であり、任意の成分であるが、鉛ガラス、無鉛ガラスの何れにおいても、1.5(mol%)以下の範囲で含むことができる。ガラス中にAgが含まれていても、Al原子がシリコン基板中へ拡散してAlとSiとが反応してp+層が形成されること、すなわちBSF層が形成されることは何ら妨げられないので、ファイヤースルー性に優れ且つBSF層を好適に形成し得るファイヤースルー用ペーストが得られる。Ag2Oは、多すぎると侵食性が強くなり過ぎると共にファイヤースルー性に寄与しない割合が多くなって無駄が生じるので、1.5(mol%)に留めることが好ましい。
また、ZnOは、無鉛ガラスにおいて、ガラスの軟化点を低下させると共に耐久性(すなわち長期信頼性)を高める成分である。10(mol%)以上含まれていれば、軟化点が十分に低くなると共に耐久性も十分に高くなる。また、30(mol%)以下に留められていれば、他の成分とのバランスも影響するがガラスの結晶化が十分に抑制される。なお、ZnOは、鉛ガラスにおいては任意の成分であるが、20(mol%)以下の範囲であれば、ファイヤースルー性に影響せず、且つ、信頼性に悪影響のない成分であり、ガラス成分の調整の目的で必要に応じて含まれる。
また、アルカリ土類金属は、ファイヤースルー性を高める成分であり、無鉛ガラスにおいて任意の成分ではあるが、合計で20(mol%)以下の範囲で含むことができる。過剰になると侵食性が強くなり過ぎ、制御が困難になる。アルカリ土類金属の各々は、BaOを5(mol%)以下の範囲で、CaOを10(mol%)以下の範囲で、MgOを10(mol%)以下の範囲で、SrOを6(mol%)以下の範囲で、それぞれ含み得る。また、鉛ガラスにおいても任意の成分ではあるが、MgOを10(mol%)以下の範囲で含むことができる。
また、Al2O3は、無鉛ガラスにおいてガラスの安定性を得るために有効な成分で、2(mol%)以上含まれていれば十分な安定性が得られる。また、10(mol%)以下に留めれば特性には殆ど影響しない。なお、鉛ガラスにおいては任意の成分であるが、例えば9(mol%)以下の範囲で含まれていれば、特性を損なうことなくガラスの安定性が高められる利点がある。
また、TiO2は、ガラスの化学的耐久性を高める成分であり、任意の成分であるが、無鉛ガラスにおいては6(mol%)以下の範囲で、鉛ガラスにおいては3(mol%)以下の範囲で、それぞれ含むことができる。過剰になると軟化点が高くなり過ぎるので、上記範囲が好ましい。
また、ZrO2は、ガラスの化学的耐久性を高める成分であり、任意の成分であるが、無鉛ガラスにおいては5(mol%)以下の範囲で、鉛ガラスにおいては1(mol%)以下の範囲で、それぞれ含むことができる。過剰になると軟化点が高くなり過ぎるので、上記範囲が好ましい。
また、CeO2は、無鉛ガラスにおいて、ガラス溶融時にBi2O3が還元されて金属Biになることを抑制する(すなわち酸化剤として機能する)成分であり、任意の成分であるが、5(mol%)以下の範囲で含むことができる。過剰になると軟化点が高くなり過ぎるので、上記範囲が好ましい。
また、好適には、前記裏面第1ペースト塗布工程は、前記裏面コンタクトが基板裏面の5〜30(%)の範囲内の面積割合となるパターンで前記ファイヤースルー用アルミニウムペーストを塗布するものである。十分な導通確保のためには5(%)以上とすることが好ましく、受光面から入射した光の閉じ込め効率を十分に高くするためには、パッシベーション膜の面積が可及的に大きくなるように裏面コンタクトの面積を30(%)以下に留めることが好ましい。
また、好適には、前記第1発明、前記第2発明、前記第3発明において、前記アルミニウムを含む複合粉は、例えば、Al表面にSiをメカノケミカルやコーティングで固着した粉末、Al-Si化合物、或いはAl-B化合物である。すなわち、Siはペースト中にアルミニウムを含む複合粉の形態で含まれていてもよい。これら複合粉において、Siはカーケンダール効果を抑制する作用を有するもので、固着或いは化合物として含まれることで、別途添加する場合よりも少ない量で効果が得られる。Al-Si化合物においては共融点577(℃)(11.3%Si/88.7%Al)までの範囲でAlの融点を低くする効果がある。
また、好適には、前記裏面コンタクトは、シリコン基板の裏面に島状またはライン状に設けられる。裏面コンタクトは、パッシベーション膜に孔を明けて形成されることになるため、パッシベーション膜の機能を可及的に損なわないように、島状またはライン状が好ましい。可及的に高いFF値を得るためには、裏面コンタクトを島状に設け、個々の島の面積および中心間隔を小さくして、島の個数を多くすることが好ましい。
また、好適には、前記ファイヤースルー用アルミニウムペーストは、前記アルミニウム粉(「アルミニウムを含む複合粉」を含む) 55〜80(wt%)と、前記ガラスフリット 1〜20(wt%)と、前記ベヒクル 10〜20(wt%)と、硼素粉 0〜10(wt%)と、珪素粉 0〜14(wt%)と、溶剤 2〜15(wt%)とから成るものである。珪素量は、アルミニウム粉 100重量部に対して0〜14重量部の範囲が好ましく、1〜10重量部が一層好ましく、1〜5重量部が更に好ましい。なお、ベヒクルは上記範囲が好ましく、過少になると印刷が困難になり、過剰になると焼失割合が大きくなるので形成される導体膜が薄くなる。硼素粉は任意の成分であるが、シリコン基板裏面側のアクセプタ濃度を十分に高めるために含まれることが好ましい。但し、過剰になるとアルミニウム粉と過剰に反応し、膜強度や信頼性が低下するので、10(wt%)以下に留める必要がある。ガラスフリットは、過少になるとファイヤースルーが困難になり、過剰になると導電性が低下し過ぎるので、上記範囲が好ましく、2〜10(wt%)が一層好ましい。また、印刷性の観点からは、アルミニウム粉、ガラスフリット、硼素粉、珪素粉の合計が65〜82(wt%)の範囲内にあることが望ましい。
また、好適には、前記集電用導電性ペーストは、前記アルミニウム粉(「アルミニウムを含む複合粉」を含む) 60〜80(wt%)と、前記ガラスフリット 0.01〜5(wt%)と、前記ベヒクル 10〜20(wt%)と、珪素粉 0〜14(wt%)と、溶剤 2〜15(wt%)とから成るものである。珪素粉は任意の成分であるが、珪素を十分に含む組成とすることにより、カーケンダール・ボイドの発生を十分に抑制でき、良好な導電性が得られると共に、接合界面の劣化が抑制される利点がある。珪素量はアルミニウム粉 100重量部に対して0〜14重量部の範囲が好ましく、1〜10重量部が一層好ましく、1〜5重量部が更に好ましい。
なお、前記パッシベーション膜は、Siと屈折率の異なる材料で構成される絶縁膜であり、アルミナ(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、二酸化珪素(SiO2)および窒化珪素(SiNx)よりなる群より選ばれた1種または2種以上の化合物を含有する層とすることが好ましい。SiO2膜は例えば5〜30(nm)の範囲内の厚みで、Al2O3膜は例えば5〜80(nm)の範囲内の厚みで、SiNx膜は例えば30〜80(nm)の範囲内の厚みで設けられる。また、例えば、SiO2薄膜を形成した後、これにAl2O3或いはSiNxの薄膜を積層したもの、或いは、Al2O3膜を形成した後、これにSiNx膜を積層したものも好適である。このような積層構造の場合には、例えば、5〜10(nm)のSiO2膜に30(nm)程度のAl2O3膜または20〜80(nm)のSiNx膜を積層したもの、10〜30(nm)のAl2O3膜に20〜80(nm)のSiNx膜を積層したもの等が挙げられる。
上記の中でも、Al2O3膜およびSiO2膜が好ましく、Al2O3膜が最も好ましい。Al2O3膜の形成方法としては、例えば、300〜400(℃)の温度で処理するALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)法、常温で処理するオゾン使用ALD法、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学蒸着)法、スパッタ等が挙げられる。ALD法は、製膜速度が遅いが優れた膜質が得られる利点がある。また、SiO2膜の形成方法としては、熱酸化法、CVD法が挙げられる。熱酸化法の方が緻密な膜が得られ、パッシベーション効果が高いが、1000(℃)近い高温の処理が必要となる問題がある。また、SiNx膜の形成方法としては、CVD法が主に用いられる。
また、好適には、前記アルミニウム粉またはアルミニウムを含む複合粉は、芋状を成す粒子を含むものである。これらの粉末は一般に球状或いはアスペクト比がそれよりも大きい芋状を成すものが用いられるが、芋状粉の方が焼成処理の際に表面の酸化膜が破られ易く、シリコン基板に拡散し易いので好ましい。したがって、芋状粉が10(wt%)以上の割合で含まれることが好ましく、芋状粉の割合が球状粉よりも多いことが一層好ましく、全体が芋状粉であってもよい。
また、好適には、前記アルミニウム粉またはアルミニウムを含む複合粉は、平均粒径が3〜6(μm)の範囲内にある。このような粒径範囲とすれば、裏面コンタクトおよび裏面集電電極を容易に印刷形成できる。平均粒径がこの範囲を外れると印刷性が低下する。
また、前記ガラスフリットは、平均粒径が1〜3(μm)の範囲内であることが好ましい。平均粒径がこの範囲内にあれば、良好な印刷性が得られると共に、印刷した際に基板との界面近傍における存在確率が十分に高くなる。
ペースト組成物中のガラス量は、パッシベーション膜の構成材料と厚みに応じて適宜変更することが好ましく、例えば、10(nm)程度の厚さ寸法のAl2O3膜が設けられる場合には、3重量部で足りる。10(nm)程度の厚さ寸法のSiO2膜が設けられる場合には、5重量部以上が好ましい。また、80(nm)程度の厚さ寸法のSiNx膜に対しては、8〜20重量部のガラス範囲が最適である。
また、ペースト組成物中のガラスフリットは、前述した組成範囲を備えた1種類のガラスから成るものでよいが、これに加えて異なる特性を有する他のガラスフリットを含むことができる。他のガラスフリットとしては、例えば、ファイヤースルー性が低いがアルミニウム粉末の酸化皮膜を破って界面にアルミニウムを供給する目的のガラスや、耐水性を付与するためのガラス等が挙げられる。
また、好適には、前記太陽電池の製造方法は、前記裏面集電電極に一部が重なり残部がそれよりも露出する厚膜銀から成るバス電極を、前記裏面ファイヤースルー工程または前記集電電極焼成工程の何れかにおいて同時に焼成するものである。このようにすれば、裏面のバス電極形成のための焼成処理が別途必要とされないので、焼成回数が減じられて製造コスト的に一層好ましい。上記裏面のバス電極は、例えば、前記裏面第1ペースト塗布工程の前後何れかにおいて実施され、或いは、前記裏面第2ペースト塗布工程の前後何れかにおいて実施される。
なお、各電極を形成するための焼成工程は、裏面コンタクト、集電電極、受光面電極のうち何れを同時に焼成するかの別により、焼成条件が適宜定められる。例えば、1回目の焼成が裏面コンタクトの形成のみ(すなわち裏面ファイヤースルー工程のみ)の場合には、昇温速度を遅く(連続炉においてはベルトスピードを遅く)することが好ましく、例えば、昇温速度30〜50(℃/sec)程度が好ましい。また、最高温度は他の焼成工程に比較して高くする設定することが好ましいが、例えば900(℃)以下が好ましく、740〜880(℃)の範囲が好ましい。また、660(℃)以上の温度に達してから最高温度までの昇温速度は、例えば、1.5〜4.5(sec)程度が好ましい。2回目の焼成は集電電極と受光面電極とを同時に焼成することになるが、1回目の焼成温度よりも低温であって、受光面電極を形成するための厚膜銀ペーストに適した焼成条件、例えば、最高温度740〜880(℃)、昇温速度50〜80(℃/sec)で焼成処理を施せばよい。
また、1回目の焼成が裏面コンタクトと受光面電極とを同時焼成である場合には、受光面電極を形成するための厚膜銀ペーストに適した焼成条件で焼成処理を施すことが好ましいが、昇温速度をできるだけ低くすることが好ましく、例えば、昇温速度40〜50(℃/sec)程度が好ましい。また、最高温度は900(℃)以下、例えば740〜880(℃)の範囲が好ましく、660(℃)に達してから最高温度までの時間は、1.5〜4.5(sec)程度が好ましい。2回目の焼成は集電電極の形成のみ(すなわち集電電極焼成工程)となるが、集電電極がアルミニウムペーストから形成される場合には、660(℃)以上の温度で1回目の焼成温度以下、例えば660〜740(℃)の範囲に設定すればよい。
また、好適には、前記太陽電池の製造方法は、前記集電電極焼成工程の後に、前記集電電極に一部が重なるように前記裏面のバス電極を形成するものである。このように集電電極焼成工程の後にバス電極を形成する場合には、バス電極を厚膜銀以外の適宜の材料、例えば、厚膜銅や熱硬化導電性ペースト等の耐熱性の低い材料で構成することもできる。
また、好適には、前記太陽電池は、前記裏面コンタクトの上に、厚膜銀から成る集電用グリッドラインおよびバス電極を備えたものである。前記裏面第2ペースト塗布工程および集電電極焼成工程を含む製造方法により製造される太陽電池では、シリコン基板の裏面に厚膜アルミニウムから成る裏面集電電極および厚膜銀から成るバスバーが備えられることとなるが、上記のように、厚膜アルミニウムの裏面集電電極に代えて厚膜銀から成る集電用グリッドラインを設けた構造とすることもできる。なお、請求の範囲に言う「集電電極」には、このような集電用グリッドラインも含まれる。集電用グリッドラインは、例えば、バス電極に直交する多数本の細線や網目パターン等で構成することができる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例のペースト組成物を用いて裏面電極を形成したシリコン系太陽電池素子10の断面構造を示す模式図である。図1において、太陽電池素子10は、p型多結晶半導体から成るシリコン基板12と、その表面側に形成されたn+層14と、その裏面側に形成されたp+層16と、n+層14上に形成された反射防止膜18および受光面電極20と、基板12の裏面上すなわちp+層16上に形成されたパッシベーション膜22、バス電極24、裏面Alコンタクト26、集電用Al電極28とを備えている。なお、太陽電池素子10は、通常は封止材で封止された状態で用いられるが、図1ではこれを省略した。
上記シリコン基板12の厚さ寸法は例えば100〜200(μm)程度である。また、上記のn+層14は、シリコン基板12の上面に不純物濃度の高い層を形成することで設けられたもので、厚さ寸法は例えば70〜100(nm)程度である。n+層14は、一般的なシリコン系太陽電池では100〜200(nm)程度であるが、本実施例ではそれよりも薄くなっており、シャローエミッタと称される構造を成している。また、上記不純物は、n型のドーパント、例えば燐(P)である。
また、前記の反射防止膜18は、例えば、窒化珪素(SiNx)等から成る薄膜で、例えば可視光波長の1/4程度の光学的厚さ、例えば80(nm)程度で設けられることによって10(%)以下、例えば2(%)程度の極めて低い反射率に構成されている。
また、前記の受光面電極20は、例えばAgを導体成分として含む一様な厚さ寸法の厚膜導体(厚膜銀)から成るもので、図示は省略するが、受光面の略全面に、多数本の細線部を有する櫛状を成す平面形状を有している。また、厚膜導体は、前記反射防止膜18を貫通してn+層14に接続して形成されている。この厚膜導体には、例えば、Ag 100重量部に対してガラスが1〜10重量部の範囲内、例えば、4.5重量部程度の割合で含まれる。このガラスは、例えば、PbO-SiO2-B2O3系の鉛ガラスであり、これら主要成分の他にS、Li、P、Al等を含むものが好ましいが、その組成は特に限定されず、一般に太陽電池の電極用とされる適宜のものが用いられ得る。
また、上記の厚膜導体の厚さ寸法は例えば10〜30(μm)の範囲内、例えば20(μm)程度で、細線部の各々の幅寸法は例えば40〜120(μm)の範囲内、例えば60(μm)程度で、十分に高い導電性を備えている。
また、前記のパッシベーション膜22は、例えば、窒化珪素(SiNx)等から成る薄膜で、例えば30〜80(nm)の範囲内、例えば75(nm)程度の厚さ寸法で設けられている。このパッシベーション膜22は、シリコン基板12に屈折率の異なる層が積層されることにより形成され、受光面から入射した光(赤外光)を95(%)以上の高い反射率を以てその受光面側に反射することにより、入射光の利用効率を高め、延いては電池の効率を高めるためのものである。
また、前記のバス電極24は、図2に太陽電池素子10の裏面を示すように、パッシベーション膜22上に一方向に沿ってライン状に複数本が設けられている。このバス電極24は、例えば銀およびガラスを含む厚膜導体(厚膜銀)から成るもので、前記集電用Al電極28に代えて半田リボンや導線等をはんだ付けできるように設けられている。
また、前記の裏面Alコンタクト26は、例えばアルミニウムを導体成分として含む一様な厚さ寸法の厚膜導体(厚膜アルミニウム)から成るものであり、図3に示すように、個々が微小な円形を成して縦横等間隔で島状に設けられている。なお、この図3は、太陽電池素子10の裏面を前記集電用Al電極28を省略して示した図である。上記の微小円の個々の直径は例えば0.126(mm)程度、配列ピッチは例えば縦横両方向に0.5(mm)程度である。なお、前記バス電極24が設けられている部分には裏面Alコンタクト26は形成されていない。この裏面Alコンタクト26は、例えば20〜40(μm)程度の厚さ寸法を備え、前記図1に示すように、パッシベーション膜22を貫通して、シリコン基板12の裏面に僅かに侵入した状態で、その裏面に形成されたp+層16に接続されている。
上記裏面Alコンタクト26を構成する厚膜導体には、アルミニウム100重量部に対して、ガラスが1.5〜30重量部の範囲内の割合で含まれる。このガラスは、例えば、Bi2O3-B2O3-SiO2-ZnO系の無鉛ガラスであり、これら主要成分の他にAl2O3およびアルカリ金属酸化物(Li2O、Na2O、K2O)を必須成分として含み、更に、TiO2、ZrO2、CeO2、アルカリ土類金属酸化物(BaO、CaO、MgO、SrO)、SO2、Ag2O等を適宜含む組成のものが用いられている。
なお、上記無鉛ガラスは、例えば、酸化物換算でBi2O3を10〜36(mol%)、ZnOを10〜30(mol%)、SiO2を15〜26(mol%)、B2O3を5〜24(mol%)、アルカリ金属酸化物(Li2O、Na2O、K2O)を合計12〜25(mol%)、Al2O3を2〜10(mol%)、アルカリ土類金属酸化物(BaO、CaO、MgO、SrO)を合計0〜20(mol%)、TiO2を0〜6(mol%)、ZrO2を0〜5(mol%)、CeO2を0〜5(mol%)、SO2を0〜5(mol%)、Ag2Oを0〜1.5(mol%)の範囲内の割合で含む組成を有している。
また、上記無鉛ガラスに代えてPbO-SiO2-B2O3系の鉛ガラス等、例えば、これら主要成分の他にAl2O3、アルカリ金属酸化物(Li2O、Na2O、K2O)、TiO2、ZnO、ZrO2、Bi2O3、MgO、SO2、Ag2O等を適宜含むものが用いられてもよい。この鉛ガラスは、例えば、酸化物換算でアルカリ金属(Li2O、Na2O、K2O)を合計0.6〜23(mol%)、PbOを20〜65(mol%)、B2O3を1〜30(mol%)、SiO2を10〜45(mol%)、Bi2O3を0〜20(mol%)、SO2を0〜5mol%、Ag2Oを0〜1.5(mol%)の範囲内の割合で含む組成を有している。
また、前記のp+層16は、シリコン基板12の裏面であって、上記裏面Alコンタクト26との界面に形成されているが、裏面Alコンタクト26は、シリコン基板12の表面に僅かに侵入した状態で設けられていることから、p+層16は、シリコン基板12の裏面において、裏面Alコンタクト26の個々の形状に応じて島状に形成されている。
上記のp+層16は、製造方法を後述するように、厚膜アルミニウムから成る裏面Alコンタクト26を形成するに際して、その厚膜材料からシリコン基板12にアルミニウムが拡散することによって、Al-Si合金が生成されると同時に形成された不純物層であり、p型のドーパントであるアルミニウムがシリコン基板12に高濃度でドーピングされることにより、アクセプタ濃度の高いp+層16となったものである。このp+層16の存在により、太陽電池素子10の裏面側にはp−p+層が積層された構造が備えられるので、BSF効果が得られるようになっている。p+層16の厚さ寸法は例えば1〜10(μm)程度である。
また、前記の集電用Al電極28は、上記複数本のAgバス電極24に例えば一部が重なるようにそれらの相互間に、前記のパッシベーション膜22および上記裏面Alコンタクト26を覆って設けられている。集電用Al電極28は、前記裏面Alコンタクト26と同様にアルミニウムを導体成分として含む厚膜導体(厚膜アルミニウム)から成るものであり、例えば、5〜20(μm)程度の厚さ寸法を備えている。この集電用Al電極28は発生した電力を裏面Alコンタクト26を介して取り出すためのもので、その裏面Alコンタクト26に電気的に接続されており、太陽電池素子10の集電極として機能する。したがって、本実施例においては、前記裏面Alコンタクト26、集電用Al電極28、および上記Agバス電極24によって裏面電極が構成されている。
上記の集電用Al電極28を構成する厚膜導体には、アルミニウム100重量部に対して、ガラスが0.01〜5重量部の範囲内であって、前記裏面Alコンタクト26を構成する厚膜アルミニウムよりも少ない割合で含まれる。このガラスは、裏面Alコンタクト26に含まれるものよりも軟化点が低いものが好ましいが、例えば、前記組成の範囲内でその裏面Alコンタクト26に含まれるものと同一或いは異なるガラスも用い得る。集電用Al電極28に含まれるガラスの一例としては、B2O3 30.7(mol%)、SiO2 11.4(mol%)、Al2O3 1.0(mol%)、PbO 56.7(mol%)、ZrO2 0.2(mol%)から成る有鉛ガラス、Bi2O3 45.5(mol%)、B2O3 21.3(mol%)、SiO2 3.9(mol%)、Al2O3 1.0(mol%)、ZnO 28.3(mol%)から成る無鉛ガラス、Bi2O3 12.3(mol%)、B2O3 29.2(mol%)、Al2O3 2.0(mol%)、SiO2 12.5(mol%)、ZnO 25.0(mol%)、BaO 16.0(mol%)、Li2O 1.5(mol%)、Na2O 1.5(mol%)から成るアルカリ含有無鉛ガラス等が挙げられる。ファイヤースルー性を与えないためにはアルカリを含まないガラスが好ましいが、本実施例においてはガラス量が少ないため、上記のようなアルカリ含有無鉛ガラスでも有用である。
上記の太陽電池素子10は、例えば、以下のようにして製造される。図4は、製造工程の概略を説明するための工程図である。図4において、表面テクスチャー形成工程P1においては、p型のシリコン基板12を用意し、受光面側となるその表面にテクスチャ加工を施す。このテクスチャ加工は、光の波長よりもやや大きい凹凸を形成することによって入射光を屈折させて光路長を長くして短絡電流を増大させるためのもので、例えば、エッチング処理を施すことによって凹凸が形成される。
次いで、表面燐拡散工程P2においては、上記のようにテクスチャ加工を施した表面側から燐を拡散して、前記n+層14を形成する。この燐拡散工程は、例えば、よく知られた熱拡散法、SOG法、イオン注入法等によって行うことができ、表面近傍における燐濃度は例えば1×1020(個/cm3)以上になる。
また、両面CVD工程P3においては、前記反射防止膜18および前記パッシベーション膜22を形成する。これら膜形成は、例えば、CVD法によって基板12の表面に80(nm)程度の厚さ寸法で、裏面に30〜80(nm)程度の厚さ寸法で、それぞれSiNx膜を製膜することによって行われる。なお、本実施例においては、反射防止膜18およびパッシベーション膜22が何れもSiNx膜で構成されることから、両面に同時にCVDで膜形成を行うが、構成材料が相違する場合、例えば、パッシベーション膜22がSiO2膜とAl2O3膜の積層等で構成される場合には、CVD法等の適宜の方法で順次に膜形成を行うことになる。
なお、パッシベーション膜22にSiO2膜が用いられる場合には、前記表面燐拡散工程P2に先立ちドライ酸化工程が実施される。ドライ酸化工程は、SiO2膜を形成する方法で、900〜1000(℃)で実施される。良質な熱酸化膜(SiO2膜)は良好なパッシベーション効果を有するが、低品質基板を用いるとバルクライフタイムが低下し、効率が却って低下する。また、熱酸化プロセスは昇温・冷却に時間が掛かり、スループットやプロセスコストに問題がある。
次いで、ファイヤースルーAl印刷工程P4においては、前記のパッシベーション膜22の上に例えば厚膜スクリーン印刷法を用いて、例えば、前記図3に示すパターンで、アルミニウムを導体成分として含む厚膜導体ペースト組成物(厚膜アルミニウムペースト)を塗布し、乾燥処理を施す。本実施例においては、この工程が裏面第1ペースト塗布工程に対応する。上記厚膜導体ペースト組成物は、通常、前記バス電極24を形成する位置を避けて、後の工程でこれらが重なることのないように塗布される。
また、上記の厚膜導体ペースト組成物は、例えば、アルミニウム粉末を55〜80(wt%)の範囲内、例えば68(wt%)、ガラス粉末を1〜20(wt%)の範囲内、例えば4(wt%)、ベヒクルを10〜20(wt%)の範囲内、例えば16(wt%)、ボロン粉を0〜10(wt%)の範囲内、例えば4(wt%)、シリコン粉を0〜14(wt%)の範囲内、例えば3(wt%)程度、溶剤を2〜15(wt%)の範囲内、例えば5(wt%)程度の割合でそれぞれ含むものである。アルミニウム粉末は、例えば、平均粒径(D50)が1〜10(μm)の範囲内、例えば3〜6(μm)程度の範囲内、例えば4.5(μm)程度の芋状粉等が用いられる。少なくとも10(wt%)以上は芋状粉であることが好ましいが、全量が芋状粉であることが最も好ましい。ガラス粉末は、アルミニウム粉末100重量部に対して、1.5〜30重量部の範囲で含まれる。また、ガラス粉末は、裏面Alコンタクト26を構成する厚膜導体に含まれる前述した無鉛ガラス或いは鉛ガラスであり、平均粒径が1〜2(μm)のものが用いられる。また、上記ベヒクルは、エチルセルロースまたはアクリル等を有機結合剤として含むもので、例えば、エチルセルロース(EC#100)とα-テルピネオールとを20:80(重量比)で混合したものや、EMB001(三菱レーヨン製 アクリル樹脂)とブチルカルビトールアセテートを40:60(重量比)で混合したもの等が用いられる。また、シリコン粉は、アルミニウム粉末100重量部に対して0〜14重量部の範囲、好ましくは1〜10重量部の範囲、より好ましくは1〜5重量部の範囲で含まれる。本実施例では6重量部含まれている。また、上記の他に、カルボン酸系または燐酸系等の分散剤が適宜含まれる。
次いで、表面Ag印刷工程P5においては、前記反射防止膜18の上に、前記受光面電極20を形成するための厚膜銀ペーストを、例えば厚膜スクリーン印刷法を用いて所定パターンで塗布し、乾燥処理を施す。本実施例においては、この工程が表側ペースト塗布工程に対応する。
次いで、焼成工程P6においては、上記のようにして表面および裏面に厚膜銀ペーストや厚膜導体ペースト組成物(厚膜アルミニウムペースト)を塗布したシリコン基板12に、それらペースト組成に応じた所定温度で焼成処理を施す。この焼成処理温度は、本実施例においては、受光面電極20を形成するための厚膜銀ペーストの仕様、例えばガラスの軟化点等で決定されるが、少なくともアルミニウムの融点よりも高い660(℃)以上で900(℃)以下の温度、例えば、740〜880(℃)の範囲内、例えば、820(℃)程度である。また、焼成処理は、例えば連続炉で施され、送り速度は比較的遅い600(cm/min)以下、すなわち、660(℃)以上の温度範囲での昇温速度40〜50(℃/sec)に設定される。なお、本実施例において、昇温速度はφ0.5(mm)のK熱電対を用いて測定した値である。
上記の焼成過程において、裏面側においては、ペースト組成物から厚膜アルミニウムが生成され、同時に、ペースト組成物中の溶融したガラスフリットがパッシベーション膜22を侵食するので、前記図1に示されるようにそのパッシベーション膜22を貫通して、ファイヤースルーにより裏面Alコンタクト26が形成され、低い接触抵抗で基板12に接続される。また、表面側においては、厚膜銀ペーストから前記受光面電極20が形成される。これら厚膜銀ペーストに含まれるガラスフリットも、上記焼成温度で十分に軟化するように選択されており、反射防止膜18が浸食されてファイヤースルーにより受光面電極20がシリコン基板12に接続される。本実施例においては、この工程が裏面ファイヤースルー工程および表面ファイヤースルー工程に対応する。
また、上記の裏面側の厚膜アルミニウム生成過程において、ペースト組成物中のAlがシリコン基板12中に拡散してAl-Si合金を生成し、同時に、p型不純物であるそのアルミニウムが拡散することでp+層16が形成される。これにより、前述したように太陽電池素子10の裏面側においてBSF効果が得られる。前述した組成範囲にあるガラスを含むペースト組成物が用いられることから、焼成過程においてアルミニウム粉末の酸化膜が容易に破られるので、そのアルミニウムが容易に基板12中に拡散するのである。
次いで、裏面Ag印刷工程P7においては、上記のように焼成処理を施して受光面電極20および裏面Alコンタクト26を形成した後、前記バス電極24を形成するための銀を導体成分として含む厚膜銀ペーストを、例えば厚膜スクリーン印刷法を用いて所定パターンで塗布し、乾燥処理を施す。上記厚膜銀ペーストは、前記パッシベーション膜22上に、上記裏面Alコンタクト26とは重ならないように、塗布される。
次いで、集電用Al印刷工程P8においては、アルミニウムを導体成分として含む厚膜アルミニウムペーストを、例えば、厚膜スクリーン印刷法を用いて裏面側に塗布し、乾燥処理を施す。この厚膜アルミニウムペーストは、前記図2に示すように、上記バス電極24間の所定位置に、これを形成するための厚膜銀ペースト膜に接し或いは僅かに重なるように塗布される。本実施例においては、この工程が裏面第2ペースト塗布工程に対応する。
上記の厚膜アルミニウムペーストは、例えば、アルミニウム粉末を60〜80(wt%)の範囲内、例えば74(wt%)、ガラス粉末を0.01〜5(wt%)の範囲内、例えば1(wt%)、ベヒクルを10〜20(wt%)の範囲内、例えば16(wt%)、シリコン粉を0〜14(wt%)の範囲内、例えば3(wt%)程度、溶剤を2〜15(wt%)の範囲内、例えば6(wt%)程度の割合でそれぞれ含むものである。各構成材料は、例えば、前記ファイヤースルーAl印刷工程P4に用いられる厚膜導体ペーストと同様なものでよい。なお、ガラス粉末は、アルミニウム粉末100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲で含まれる。また、シリコン粉は、アルミニウム粉末100重量部に対して0〜14重量部の範囲、好ましくは1〜10重量部の範囲、より好ましくは1〜5重量部の範囲で含まれる。本実施例では4重量部含まれている。
次いで、焼成工程P9においては、前記厚膜銀ペーストおよび上記厚膜アルミニウムペーストの仕様に応じた所定温度で焼成処理を施すことにより、厚膜銀ペーストから前記Agバス電極24が形成されると同時に、厚膜アルミニウムペーストから前記集電用Al電極28が形成される。これにより、前記図1に示した太陽電池素子10が得られる。上記焼成工程P9における焼成温度は、660(℃)以上で前記焼成工程P6における焼成温度よりも低温、例えば、740(℃)程度である。また、この焼成処理も、例えば連続炉で施され、送り速度は比較的遅い600(cm/min)以下、すなわち、660(℃)以上の温度範囲での昇温速度30〜50(℃/sec)に設定される。本実施例においては、この工程が集電電極焼成工程に対応する。
上記の焼成過程において、厚膜アルミニウムペーストは前述したようにガラス量が少なくされていることから、侵食性が低いため、パッシベーション膜22は何ら損傷されない。また、形成された集電用Al電極28は、そのパッシベーション膜22によく密着させられると共に、ガラス量が少ないことから良好な導電性を有する。
上述したように、本実施例においては、電極形成のための焼成処理は、受光面電極20および裏面Alコンタクト26を形成するための焼成工程P6と、バス電極24および集電用Al電極28を形成するための焼成工程P9とに分けて実施される。そのため、裏面電極形成の際に、集電用の厚膜アルミニウムペーストを塗布する集電用Al印刷工程P8の前に、ファイヤースルーにより裏面Alコンタクト26を形成する焼成工程P6(すなわち裏面ファイヤースルー工程)が実施されることにより、裏面ファイヤースルー用のアルミニウムペーストと集電用のアルミニウムペーストとが別々に焼成されることから、裏面ファイヤースルーの際に集電用のアルミニウムペーストにガラスを吸われることがないので、十分なファイヤースルー性が得られ、電池特性の優れた太陽電池素子10が得られる。
また、本実施例においては、集電用Al電極28は、アルミニウムを導体成分として含む厚膜アルミニウムペーストから形成されるものであることから、厚膜銀で集電電極を構成する場合に比較して製造コストを抑制することができる。しかも、その厚膜アルミニウムペーストのガラス量は0.01〜5(wt%)の範囲であって、裏面Alコンタクト26を形成するための厚膜アルミニウムペーストに比較してガラス量が少なくされていることから、十分な導電性を有するので、発生した電力が集電用Al電極28を介して効率よく取り出される利点がある。
しかも、本実施例においては、ファイヤースルー用の厚膜アルミニウムペーストは、Al 100重量部に対してSiを3重量部含むことから、焼成処理の際に基板12中のSiが裏面Alコンタクト26中に拡散するカーケンダール効果によってその基板12に孔が生ずることが抑制される。そのため、裏面Alコンタクト26と基板12との良好な電気的接続が得られると共に、接合界面の劣化が抑制される。
また、本実施例においては、集電用の厚膜アルミニウムペーストにおいても、Al 100重量部に対してSiを4重量部含むことから、焼成処理の際に基板12中のSiが集電用Al電極28中に拡散するカーケンダール効果によって基板に孔が生ずることが抑制される。そのため、集電用Al電極28と基板12との良好な電気的接続が得られる。
また、本実施例においては、受光面電極20を形成するための表面ファイヤースルー工程が、焼成工程P6において、裏面Alコンタクト26を形成するための裏面ファイヤースルー工程と同時に実施される。そのため、それらの焼成処理を別々に行う場合に比較して焼成処理回数が減じられる利点がある。
なお、上述した製造方法では、1回目の焼成処理で受光面電極20および裏面Alコンタクト26が焼成され、2回目の焼成処理でバス電極24および集電用Al電極28が焼成されていたが、焼成回数および何れの電極形成導体を同時に焼成するかについては、裏面Alコンタクト26および集電用Al電極28を別々に焼成する限りにおいて、適宜変更できる。
例えば、1回目の焼成工程では裏面Alコンタクト26のみを焼成し、2回目の焼成工程で受光面電極20、バス電極24、集電用Al電極28を焼成しても良い。図5は、その場合の工程の一例を示す工程図である。この製造方法では、ファイヤースルーAl印刷工程P4に続いて焼成工程P6が実施される。その後、裏面Ag印刷工程P7、表面Ag印刷工程P5’、集電用Al印刷工程P8、焼成工程P9が順次に実施される。上記表面Ag印刷工程P5’は、前記表面Ag印刷工程P5と同一の工程である。また、上記焼成工程P6は、少なくともアルミニウムの融点よりも高い660(℃)以上で900(℃)以下の温度、例えば、740〜880(℃)の範囲内、例えば、820(℃)程度である。また、焼成処理の送り速度は比較的遅い600(cm/min)以下、すなわち、660(℃)以上の温度範囲での昇温速度30〜50(℃/sec)に設定される。また、上記焼成工程P9は、受光面電極を形成するための厚膜銀ペーストの仕様、例えばガラス組成に応じて条件が定められるが、1回目の焼成工程P6と同一かそれよりも低温に設定され、受光面電極形成用の厚膜銀ペーストが求める昇温速度50〜70(℃/sec)に設定される。すなわち、この製造方法では、上記表面Ag印刷工程の実施順序が前記図4に示した場合と異なり、そのため、焼成工程P6および焼成工程P9の焼成処理条件が若干異なる他は、殆ど前記実施例と同一条件で各工程が実施される。
なお、上述した製造方法の他にも、例えば、上記4つの導体を全て別々に焼成処理することができる。また、前記裏面Ag印刷工程P7は、ファイヤースルーAl印刷工程P4の前後何れかで実施することもできるが、工程P4よりも後に実施されることが好ましく、熱履歴の観点から図4に示す手順で実施されることが最も好ましい。また、前記図4に示した製造方法において、裏面Ag印刷工程P7に代えて、焼成工程P9に続いて裏面はんだ付け用導体印刷工程、熱処理工程を順次に実施して、前記バス電極24に代わる裏面はんだ付け用導体を形成しても良い。裏面はんだ付け用導体としては、例えば、裏面Ag印刷工程P7で用いたものと同じ厚膜銀ペースト、厚膜銅ペースト、熱硬化導電性ペーストなどが挙げられる。熱処理工程は、厚膜銀ペーストの場合には、前記焼成工程P6と同様、厚膜銅ペーストの場合には、それよりも低温で、それぞれ焼成処理を施す。熱硬化導電性ペーストの場合には、そのペーストを構成する樹脂の硬化温度に応じて一層低い温度で熱硬化処理を施す。
下記の表1、表2は、前記厚膜アルミニウムペーストのガラスフリットの組成を種々変更して前記裏面Alコンタクト26を形成し、太陽電池特性を評価した結果をまとめたものである。ここに挙げたガラスは全て無鉛ガラスである。また、表1、表2において、「No.」欄はガラスの試料番号、「判定」欄は太陽電池特性の評価結果、「組成」欄は各ガラスの成分(mol%)である。上記「判定」欄の評価は、太陽電池素子10の発電試験を実施してFF値を求め、FF値≧76を「◎」、FF値≧75を「○」、FF値<75を「×」として判定した。また、組成欄の「(アルカリ)」、「(アルカリ土類)」は、各組成におけるアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類金属酸化物の合計量である。
上記の表1、表2において、No.1,8,9,14,15,20,21,27,28,32,33,40,44,48,52,59,69は比較例、他は実施例である。また、No.1〜8は、Bi量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を8.0〜40.0(mol%)、B2O3を6.0〜13.0(mol%)、SiO2を18.0〜25.0(mol%)、Al2O3を3.0〜4.0(mol%)、Li2Oを14.0〜20.0(mol%)、Na2Oを0〜8.0(mol%)、K2Oを0〜1.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を16.0〜25.0(mol%)、TiO2を0〜2.0(mol%)、ZnOを10.0〜30.0(mol%)、ZrO2を0〜0.5(mol%)、CeO2を0〜1.0(mol%)、BaO、CaO、MgO、SrOを0、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0、SO2を0〜2.0(mol%)、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲で評価したところ、Bi2O3量が10.0〜36.0(mol%)の範囲のNo.2〜7では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、Bi2O3量が15.0〜32.0(mol%)の範囲のNo.3〜6では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、Bi2O3量が8.0(mol%)のNo.1および40.0(mol%)のNo.8では、FF値が75未満に留まった。
また、No.9〜14は、B量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を23.0〜27.0(mol%)、B2O3を3.0〜27.0(mol%)、SiO2を15.0〜22.0(mol%)、Al2O3を2.5〜7.0(mol%)、Li2Oを12.0(mol%)、Na2Oを0〜3.0(mol%)、K2Oを0〜3.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を13.0〜17.0(mol%)、TiO2を0〜3.0(mol%)、ZnOを11.0〜30.0(mol%)、ZrO2を0〜2.0(mol%)、CeO2を0、BaO、CaO、MgO、SrOを0、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0、SO2を0〜1.0(mol%)、Ag2Oを0〜1.0(mol%)の範囲で評価したところ、B2O3量が5.0〜24.0(mol%)の範囲のNo.10〜13では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、B2O3量が8.0〜16.0(mol%)の範囲のNo.11、12では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、B2O3量が3.0(mol%)のNo.9および27.0(mol%)のNo.14では、FF値が75未満に留まった。なお、前記No.5,6,後述するNo.56の評価結果も併せてみると、B2O3量の特に好適な範囲は、6.0〜21.0(mol%)と考えられる。
また、No.15〜20は、Zn量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を15.0〜28.0(mol%)、B2O3を13.0〜15.0(mol%)、SiO2を18.0〜25.0(mol%)、Al2O3を3.0〜6.0(mol%)、Li2Oを12.0〜14.0(mol%)、Na2Oを0〜4.0(mol%)、K2Oを0〜3.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を13.0〜18.0(mol%)、TiO2を0〜3.0(mol%)、ZnOを8.0〜32.0(mol%)、ZrO2を0〜3.0(mol%)、CeO2を0〜2.0(mol%)、BaOを0、CaOを0〜2.0(mol%)、MgO、SrOを0、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0〜2.0(mol%)、SO2を0〜2.0(mol%)、Ag2Oを0〜1.0(mol%)の範囲で評価したところ、ZnO量が10.0〜30.0(mol%)の範囲のNo.16〜19では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、ZnO量が21.0〜26.0(mol%)の範囲のNo.17、18では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、ZnO量が8.0(mol%)のNo.15および32.0(mol%)のNo.20では、FF値が75未満に留まった。なお、後述するNo.23,63の評価結果も併せてみると、ZnOの特に好適な範囲は、15.0〜30.0(mol%)と考えられる。
また、No.21〜27は、Si量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を17.0〜30.0(mol%)、B2O3を8.0〜18.0(mol%)、SiO2を12.0〜28.0(mol%)、Al2O3を3.0〜6.0(mol%)、Li2Oを10.0〜11.0(mol%)、Na2Oを0〜4.0(mol%)、K2Oを3.0〜5.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を15.0〜17.0(mol%)、TiO2を0、ZnOを15.0〜30.0(mol%)、ZrO2を0〜1.0(mol%)、CeO2を0〜1.0(mol%)、BaO、CaOを0、MgOを0〜2.0(mol%)、SrOを0、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0〜2.0(mol%)、SO2を0〜0.5(mol%)、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲で評価したところ、SiO2量が15.0〜26.0(mol%)の範囲のNo.22〜26では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、SiO2量が18.0〜22.0(mol%)の範囲のNo.23〜25では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、SiO2量が12.0(mol%)のNo.21および28.0(mol%)のNo.27では、FF値が75未満に留まった。なお、前記No.5,12,後述するNo.30,41,42,45,46,56の評価結果も併せてみると、SiO2量の特に好適な範囲は、15.0〜25.0(mol%)と考えられる。
また、No.28〜32は、Al量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を20.0〜28.0(mol%)、B2O3を7.0〜20.0(mol%)、SiO2を15.0(mol%)、Al2O3を0〜12.0(mol%)、Li2Oを9.0(mol%)、Na2Oを3.0〜6.0(mol%)、K2Oを0〜3.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を12.0〜16.0(mol%)、TiO2を0〜3.0(mol%)、ZnOを20.5〜29.5(mol%)、ZrO2を0〜0.5(mol%)、CeO2を0〜3.0(mol%)、BaOを0〜2.0(mol%)、CaOを0、MgOを0〜1.0(mol%)、SrOを0、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0〜2.0(mol%)、SO2を0〜0.5(mol%)、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲で評価したところ、Al2O3量が2.0〜10.0(mol%)の範囲のNo.29〜31では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、Al2O3量が7.0(mol%)のNo.30では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、Al2O3量が0のNo.28および12.0(mol%)のNo.32では、FF値が75未満に留まった。なお、前記No.3,6,11等の評価結果も併せてみると、Al2O3量の特に好適な範囲は、3.0〜7.0(mol%)と考えられる。
また、No.33〜40は、アルカリ金属酸化物量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を18.0〜32.0(mol%)、B2O3を10.0〜12.0(mol%)、SiO2を19.0〜23.0(mol%)、Al2O3を3.0〜3.5(mol%)、Li2Oを10.0〜20.0(mol%)、Na2Oを0〜7.0(mol%)、K2Oを0〜5.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を10.0〜27.0(mol%)、TiO2を0、ZnOを19.0〜24.0(mol%)、ZrO2を0〜1.0(mol%)、CeO2を0〜1.0(mol%)、BaO、CaO、MgO、SrOを0、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0、SO2を0〜2.5(mol%)、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲で評価したところ、アルカリ金属酸化物量が12.0〜25.0(mol%)の範囲のNo.34〜39では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、アルカリ金属酸化物量が13.0〜21.0(mol%)の範囲のNo.35〜38では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、アルカリ金属酸化物量が10.0(mol%)のNo.33および27.0(mol%)のNo.40では、FF値が75未満に留まった。なお、前記No.3,後述するNo.65の評価結果も併せてみると、アルカリ金属酸化物の合計量の特に好適な範囲は、12.0〜21.5(mol%)と考えられる。
また、No.41〜44は、Ti量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を24.0〜29.0(mol%)、B2O3を12.0〜16.5(mol%)、SiO2を15.0(mol%)、Al2O3を3.0(mol%)、Li2Oを11.0〜13.0(mol%)、Na2Oを0〜4.0(mol%)、K2Oを0〜4.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を15.0〜17.0(mol%)、TiO2を0.5〜8.0(mol%)、ZnOを16.0〜24.0(mol%)、ZrO2を0〜1.0(mol%)、CeO2を0〜2.0(mol%)、BaO、CaO、MgOを0、SrOを0〜2.0(mol%)、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0〜2.0(mol%)、SO2を0〜0.5(mol%)、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲で評価したところ、TiO2量が6.0(mol%)以下の範囲のNo.41〜43では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、TiO2量が3.0(mol%)以下の範囲のNo.41、42では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、TiO2量が8.0(mol%)のNo.44では、FF値が75未満に留まった。
また、No.45〜48は、Zr量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を24.0〜30.0(mol%)、B2O3を12.0〜16.5(mol%)、SiO2を15.0(mol%)、Al2O3を3.0(mol%)、Li2Oを11.0〜13.0(mol%)、Na2Oを0〜2.0(mol%)、K2Oを3.0〜4.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を15.0〜17.0(mol%)、TiO2を0、ZnOを16.0〜24.0(mol%)、ZrO2を0.5〜7.0(mol%)、CeO2を0〜0.5(mol%)、BaO、CaOを0、MgOを0〜1.0(mol%)、SrOを0、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0〜1.0(mol%)、SO2を0〜0.5(mol%)、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲で評価したところ、ZrO2量が5.0(mol%)以下の範囲のNo.45〜47では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、ZrO2量が3.0(mol%)以下の範囲のNo.45〜46では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、ZrO2量が7.0(mol%)のNo.48では、FF値が75未満に留まった。
また、No.49〜52は、Ce量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を25.0(mol%)、B2O3を12.0(mol%)、SiO2を18.5〜20.5(mol%)、Al2O3を5.0(mol%)、Li2Oを12.0(mol%)、Na2Oを3.0(mol%)、K2Oを0、アルカリ金属酸化物合計量を15.0(mol%)、TiO2を0、ZnOを17.0〜21.9(mol%)、ZrO2を0〜0.5(mol%)、CeO2を0.1〜7.0(mol%)、BaO、CaOを0、MgOを0〜0.5(mol%)、SrOを0、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0〜0.5(mol%)、SO2を0、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲で評価したところ、CeO2量が5.0(mol%)以下の範囲のNo.49〜51では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、CeO2量が2.0(mol%)以下の範囲のNo.49〜50では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、CeO2量が7.0(mol%)のNo.52では、FF値が75未満に留まった。なお、後述するNo.63の評価結果も併せてみると、CeO2量の特に好適な範囲は、3.0(mol%)以下と考えられる。
また、No.53、54は、Ag量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を19.0〜21.0(mol%)、B2O3を12.5〜14.0(mol%)、SiO2を18.0〜20.0(mol%)、Al2O3を3.0(mol%)、Li2Oを12.0(mol%)、Na2Oを2.0〜3.0(mol%)、K2Oを2.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を16.0〜17.0(mol%)、TiO2を0〜3.0(mol%)、ZnOを20.0〜25.0(mol%)、ZrO2を0〜0.5(mol%)、CeO2を0.5〜3.0(mol%)、BaOを0〜1.0(mol%)、CaO、MgO、SrOを0、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0〜1.0(mol%)、SO2を0〜1.0(mol%)、Ag2Oを1.0〜1.5(mol%)の範囲で評価したところ、何れもFF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、Ag2O量が1.0(mol%)のNo.53では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られた。
また、No.55〜59は、S量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を19.0〜22.5(mol%)、B2O3を12.0〜21.0(mol%)、SiO2を15.0〜20.0(mol%)、Al2O3を3.0〜6.0(mol%)、Li2Oを12.0〜15.0(mol%)、Na2Oを0〜2.0(mol%)、K2Oを0〜3.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を14.0〜17.5(mol%)、TiO2を0、ZnOを20.0〜26.0(mol%)、ZrO2を0〜0.5(mol%)、CeO2を0〜1.0(mol%)、BaO、CaOを0、MgOを0〜5.0(mol%)、SrOを0〜1.0(mol%)、アルカリ土類金属酸化物の合計量を0〜5.0(mol%)、SO2を0.1〜7.0(mol%)、Ag2Oを0〜1.0(mol%)の範囲で評価したところ、SO2量が5.0(mol%)以下の範囲のNo.55〜58では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、SO2量が3.0(mol%)以下の範囲のNo.55〜57では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、SO2量が7.0(mol%)のNo.59では、FF値が75未満に留まった。
また、No.60〜69は、アルカリ土類金属酸化物の合計量の適切な範囲を検討したもので、Bi2O3を15.0〜22.0(mol%)、B2O3を12.0〜16.0(mol%)、SiO2を18.0〜20.0(mol%)、Al2O3を2.0〜5.0(mol%)、Li2Oを10.0〜12.0(mol%)、Na2Oを1.0〜3.0(mol%)、K2Oを0〜1.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を12.0〜14.0(mol%)、TiO2を0〜3.0(mol%)、ZnOを10.0〜30.0(mol%)、ZrO2を0〜1.0(mol%)、CeO2を0〜3.0(mol%)、BaOを0〜5.0(mol%)、CaOを0〜10.0(mol%)、MgOを0〜10.0(mol%)、SrOを0〜6.0(mol%)、アルカリ土類金属酸化物の合計量を2.0〜21.0(mol%)、SO2を0〜1.0(mol%)、Ag2Oを0〜1.0(mol%)の範囲で評価したところ、アルカリ土類金属酸化物の合計量が20.0(mol%)以下の範囲のNo.60〜68では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、アルカリ土類金属酸化物の合計量が15.0(mol%)以下の範囲のNo.60〜67では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、アルカリ土類金属酸化物の合計量が21.0(mol%)のNo.69では、FF値が75未満に留まった。
以上の結果から、無鉛ガラスが用いられる場合の適切なガラス組成は、Bi2O3が10.0〜36.0(mol%)、B2O3が5.0〜24.0(mol%)、SiO2が15.0〜26.0(mol%)、Al2O3が2.0〜10.0(mol%)、Li2Oが9.0〜18.0(mol%)、Na2Oが0〜8.0(mol%)、K2Oが0〜5.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量が12.0〜25.0(mol%)、TiO2が0〜6.0(mol%)、ZnOが10.0〜30.0(mol%)、ZrO2が0〜5.0(mol%)、CeO2が0〜5.0(mol%)、BaOが0〜5.0(mol%)、CaOが0〜10.0(mol%)、MgOが0〜10.0(mol%)、SrOが0〜6.0(mol%)、アルカリ土類金属酸化物の合計量が0〜20.0(mol%)、SO2が0〜5.0(mol%)、Ag2Oが0〜1.5(mol%)の範囲であり、Bi2O3が15.0〜32.0(mol%)、B2O3が6.0〜21.0(mol%)、SiO2が15.0〜25.0(mol%)、Al2O3が3.0〜7.0(mol%)、Li2Oが9.0〜17.0(mol%)、Na2Oが0〜6.5(mol%)、K2Oが0〜5.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量が12.0〜21.5(mol%)、TiO2が0〜3.0(mol%)、ZnOが15.0〜30.0(mol%)、ZrO2が0〜3.0(mol%)、CeO2が0〜3.0(mol%)、BaOが0〜5.0(mol%)、CaOが0〜10.0(mol%)、MgOが0〜10.0(mol%)、SrOが0〜6.0(mol%)、アルカリ土類金属酸化物の合計量が0〜15.0(mol%)、SO2が0〜3.0(mol%)、Ag2Oが0〜1.0(mol%)の範囲が一層好適である。
また、下記の表3は、裏面Alコンタクト26および集電用Al電極28を形成するための厚膜アルミニウムペーストに前記無鉛ガラスに代えて鉛ガラスを用いた場合のガラス組成および特性評価結果を纏めたものである。各欄の内容および判定基準は前記表1、表2の場合と同様である。下記表3のうち、No.1,5,7,10,11,15,16,21,24,34は比較例、他は実施例である。
上記の表3において、No.1〜5は、Li量の適切な範囲を検討したもので、PbOを25.0〜60.0(mol%)、B2O3を3.0〜12.0(mol%)、SiO2を30.0〜45.0(mol%)、Al2O3を0〜3.0(mol%)、Li2Oを0〜24.0(mol%)、Na2O、K2Oを0、アルカリ金属酸化物合計量を0〜24.0(mol%)、TiO2、ZnO、ZrO2を0、Bi2O3を0〜3.0(mol%)、MgOを0、SO2を0〜0.5(mol%)、Ag2Oを0の範囲で評価したところ、Li2O量が0.6〜21.0(mol%)の範囲のNo.2〜4では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、Li2O量が12.0(mol%)のNo.3では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、Li2O量が0のNo.1および24.0(mol%)のNo.5では、FF値が75未満に留まった。なお、後述するNo.22,28の評価結果も併せてみると、Li2Oの特に好適な範囲は、1.0〜18.0(mol%)と考えられる。
また、No.6〜10は、Pb量の適切な範囲を検討したもので、PbOを18.0〜70.0(mol%)、B2O3を4.0〜10.0(mol%)、SiO2を25.0〜35.0(mol%)、Al2O3を0〜3.0(mol%)、Li2Oを1.0〜21.0(mol%)、Na2Oを0〜1.0(mol%)、K2Oを0〜1.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を1.0〜23.0(mol%)、TiO2を0〜3.0(mol%)、ZnOを0〜10.0(mol%)、ZrO2を0〜0.5(mol%)、Bi2O3を0〜5.0(mol%)、MgOを0〜1.0(mol%)、SO2を0〜1.0(mol%)、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲で評価したところ、PbO量が20.0〜65.0(mol%)の範囲のNo.6,8,9では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、PbO量が38.0(mol%)のNo.8では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、PbO量が18.0(mol%)のNo.7および70.0(mol%)のNo.10では、FF値が75未満に留まった。なお、後述するNo.14,26の評価結果も併せてみると、PbO量の特に好適な範囲は25.0〜65.0(mol%)と考えられる。
また、No.11〜15は、Si量の適切な範囲を検討したもので、PbOを30.0〜60.0(mol%)、B2O3を2.0〜5.5(mol%)、SiO2を5.0〜48.0(mol%)、Al2O3を0〜9.0(mol%)、Li2Oを3.0〜18.0(mol%)、Na2Oを0〜1.0(mol%)、K2Oを0〜1.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を4.0〜20.0(mol%)、TiO2を0〜3.0(mol%)、ZnOを0〜20.0(mol%)、ZrO2を0、Bi2O3を0〜1.0(mol%)、MgOを0〜3.0(mol%)、SO2を0〜0.5(mol%)、Ag2Oを0〜1.0(mol%)の範囲で評価したところ、SiO2量が10.0〜20.0(mol%)の範囲のNo.12〜14では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、SiO2量が15.0〜20.0(mol%)のNo.13,14では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、SiO2量が5.0(mol%)のNo.11および48.0(mol%)のNo.15では、FF値が75未満に留まった。なお、前記No.3,4の評価結果を併せてみると、SiO2量の好適な範囲は、10.0〜45.0(mol%)、特に好適な範囲は、15.0〜37.3(mol%)と考えられる。
また、No.16〜21は、B量の適切な範囲を検討したもので、PbOを35.0〜50.0(mol%)、B2O3を0〜35.0(mol%)、SiO2を20.0〜35.0(mol%)、Al2O3を0〜5.0(mol%)、Li2Oを5.0〜15.0(mol%)、Na2Oを0〜1.0(mol%)、K2Oを0〜1.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を6.0〜15.0(mol%)、TiO2を0〜3.0(mol%)、ZnOを0〜3.0(mol%)、ZrO2を0〜0.5(mol%)、Bi2O3を0〜1.0(mol%)、MgOを0、SO2を0〜0.5(mol%)、Ag2Oを0〜1.0(mol%)の範囲で評価したところ、B2O3量が1.0〜30.0(mol%)の範囲のNo.17〜20では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、B2O3量が15.0〜21.0(mol%)のNo.18,19では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、B2O3量が0のNo.16および35.0(mol%)のNo.21では、FF値が75未満に留まった。なお、前記No.3の評価結果を併せてみると、B2O3量の特に好適な範囲は、3.2〜21.0(mol%)と考えられる。
また、No.22〜24は、Bi量の適切な範囲を検討したもので、PbOを30.0〜35.0(mol%)、B2O3を3.0〜8.0(mol%)、SiO2を25.0〜27.0(mol%)、Al2O3を3.0(mol%)、Li2Oを12.0〜18.0(mol%)、Na2O、K2Oを0、アルカリ金属酸化物合計量を12.0〜18.0(mol%)、TiO2、ZnO、ZrO2を0、Bi2O3を10.0〜25.0(mol%)、MgOを0、SO2を0〜0.5(mol%)、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲で評価したところ、Bi2O3量が10.0〜20.0(mol%)の範囲のNo.22〜23では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、Bi2O3量が10.0(mol%)のNo.22では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、Bi2O3量が25.0のNo.24では、FF値が75未満に留まった。なお、Bi2O3を含まない前記No.2〜4,後述するNo.26等の評価結果を併せてみると、Bi2O3量の好適な範囲は、0〜20.0(mol%)、特に好適な範囲は、0〜15.0(mol%)と考えられる。
また、No.25,26は、Ag量の適切な範囲を検討したもので、PbOを25.0〜30.0(mol%)、B2O3を12.0(mol%)、SiO2を30.0(mol%)、Al2O3を3.0(mol%)、Li2Oを6.0〜12.0(mol%)、Na2Oを0〜2.0(mol%)、K2Oを0〜2.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を6.0〜16.0(mol%)、TiO2を0〜2.9(mol%)、ZnOを0〜6.0(mol%)、ZrO2を0、Bi2O3を6.0〜15.0(mol%)、MgOを0〜15.0(mol%)、SO2を0、Ag2Oを0.1〜1.5(mol%)の範囲で評価したところ、何れもFF値が76以上の特に良好な結果が得られた。なお、Ag2Oを含まない前記No.3等の評価結果を併せてみると、Ag2O量の好適な範囲は、1.5(mol%)以下と考えられる。
また、No.27〜31は、最適組成を検討したもので、PbOを28.0〜59.5(mol%)、B2O3を4.0〜21.0(mol%)、SiO2を18.0〜31.5(mol%)、Al2O3を0.5〜6.0(mol%)、Li2Oを1.0〜12.0(mol%)、Na2Oを0〜5.0(mol%)、K2Oを0〜5.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を3.0〜20.0(mol%)、TiO2を0、ZnOを0〜20.0(mol%)、ZrO2を0〜0.5(mol%)、Bi2O3を0〜2.0(mol%)、MgOを0、SO2を0〜0.5(mol%)、Ag2Oを0の範囲で評価したところ、何れもFF値が76以上の特に良好な結果が得られた。上記組成の範囲が最適と考えられ、示されている各組成が特に好ましいと考えられるガラス組成の一例である。
また、No.32〜34は、S量の適切な範囲を検討したもので、PbOを50.0〜52.0(mol%)、B2O3を10.0〜18.0(mol%)、SiO2を22.0(mol%)、Al2O3を0〜1.0(mol%)、Li2Oを6.0〜8.0(mol%)、Na2Oを0〜1.0(mol%)、K2Oを0〜1.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量を6.0〜10.0(mol%)、TiO2、ZnOを0、ZrO2を0〜0.5(mol%)、Bi2O3、MgOを0、SO2を2.0〜7.0(mol%)、Ag2Oを0〜0.5(mol%)の範囲で評価したところ、SO2量が2.0〜5.0(mol%)の範囲のNo.32,33では、FF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、SO2量が2.0(mol%)のNo.32では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られたが、SO2量が7.0のNo.34では、FF値が75未満に留まった。なお、SO2を含まない前記No.14、1.0(mol%)含むNo.6等の評価結果を併せてみると、SO2量の好適な範囲は5.0(mol%)以下、特に好適な範囲は2.0(mol%)以下と考えられる。
また、No.35,36は、Mg量の適切な範囲を検討したもので、PbOを43.0(mol%)、B2O3を6.0(mol%)、SiO2を25.0〜27.0(mol%)、Al2O3を3.0(mol%)、Li2Oを10.0(mol%)、Na2Oを0.5(mol%)、K2Oを0、アルカリ金属酸化物合計量を10.5(mol%)、TiO2を0〜3.0(mol%)、ZnOを0、ZrO2を0〜1.0(mol%)、Bi2O3を0〜1.0(mol%)、MgOを6.0〜10.0(mol%)、SO2を0〜0.5(mol%)、Ag2Oを0〜1.5(mol%)の範囲で評価したところ、何れもFF値が75以上の良好な結果が得られ、特に、MgO量が6.0(mol%)のNo.35では、FF値が76以上の特に良好な結果が得られた。なお、MgOを含まない前記No.3等の評価結果を併せてみると、MgO量の好適な範囲は10.0(mol%)以下、特に好適な範囲は6.0(mol%)以下と考えられる。
以上の結果から、鉛ガラスが用いられる場合の適切なガラス組成は、PbOが20.0〜65.0(mol%)、B2O3が1.0〜30.0(mol%)、SiO2が10.0〜45.0(mol%)、Al2O3が0〜9.0(mol%)、Li2Oが0.6〜21.0(mol%)、Na2Oが0〜5.0(mol%)、K2Oが0〜5.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量が0.6〜23.0(mol%)、TiO2が0〜3.0(mol%)、ZnOが0〜20.0(mol%)、ZrO2が0〜1.0(mol%)、Bi2O3が0〜20.0(mol%)、MgOが0〜10.0(mol%)、SO2が0〜5.0(mol%)、Ag2Oが0〜1.5(mol%)の範囲であり、PbOが25.0〜65.0(mol%)、B2O3が3.2〜21.0(mol%)、SiO2が15.0〜37.3(mol%)、Al2O3が0〜9.0(mol%)、Li2Oが1.0〜18.0(mol%)、Na2Oが0〜5.0(mol%)、K2Oが0〜5.0(mol%)、アルカリ金属酸化物合計量が3.0〜20.0(mol%)、TiO2が0〜3.0(mol%)、ZnOが0〜20.0(mol%)、ZrO2が0〜0.5(mol%)、Bi2O3が0〜15.0(mol%)、MgOが0〜6.0(mol%)、SO2が0〜2.0(mol%)、Ag2Oが0〜1.5(mol%)の範囲が一層好適である。
以上、本発明を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
10 太陽電池素子
12 基板
14 n+層
16 p+層
18 反射防止膜
20 受光面電極
22 パッシベーション膜
24 バス電極
26 裏面Alコンタクト
28 集電用Al電極
12 基板
14 n+層
16 p+層
18 反射防止膜
20 受光面電極
22 パッシベーション膜
24 バス電極
26 裏面Alコンタクト
28 集電用Al電極
Claims (11)
- アルミニウム粉またはアルミニウムを含む複合粉と、ガラスフリットと、ベヒクルとを含むファイヤースルー用アルミニウムペーストをシリコン基板の裏面に備えられたパッシベーション膜上に所定パターンで塗布して第1ペースト膜を形成する裏面第1ペースト塗布工程と、
焼成処理を施すことにより前記第1ペースト膜から厚膜アルミニウムを生成すると共に前記パッシベーション膜を浸食して前記シリコン基板に接続された裏面コンタクトを形成する裏面ファイヤースルー工程と、
前記裏面ファイヤースルー工程の後に、前記シリコン基板の裏面上に所定の集電用導電性ペーストを所定パターンで塗布して第2ペースト膜を形成する裏面第2ペースト塗布工程と、
焼成処理を施すことにより前記第2ペースト膜から前記裏面コンタクトに接続された集電電極を形成する集電電極焼成工程と
を、含むことを特徴とする太陽電池素子の製造方法。 - 前記集電用導電性ペーストは、アルミニウム粉またはアルミニウムを含む複合粉と、ガラスフリットと、ベヒクルとを含むアルミニウムペーストであって、前記ファイヤースルー用アルミニウムペーストよりもガラスフリット量が少ないものである請求項1の太陽電池素子の製造方法。
- 前記シリコン基板の表面に備えられた反射防止膜上に所定パターンで厚膜銀ペーストを塗布して表側ペースト膜を形成する表側ペースト塗布工程と、
前記裏面ファイヤースルー工程または前記集電電極焼成工程と同時に焼成処理を施すことにより、前記表側ペースト膜から前記表面側にファイヤースルーによって受光面電極を形成する表面ファイヤースルー工程と
を、含むものである請求項1または請求項2の太陽電池素子の製造方法。 - 前記ファイヤースルー用アルミニウムペーストに含まれる前記ガラスフリットは、酸化物換算でアルカリ金属(Li2O、Na2O、K2O)を合計0.6〜23(mol%)、PbOを20〜65(mol%)、B2O3を1〜30(mol%)、SiO2を10〜45(mol%)、Bi2O3を0〜20(mol%)、SO2を0〜5mol%、Ag2Oを0〜1.5(mol%)の範囲内の割合で含む鉛ガラスから成るものである請求項2または請求項3の太陽電池素子の製造方法。
- 前記ファイヤースルー用アルミニウムペーストに含まれる前記ガラスフリットは、酸化物換算でBi2O3を10〜36(mol%)、ZnOを10〜30(mol%)、SiO2を15〜26(mol%)、B2O3を5〜24(mol%)、アルカリ金属(Li2O、Na2O、K2O)を合計12〜25(mol%)、Al2O3を2〜10(mol%)、アルカリ土類金属(BaO、CaO、MgO、SrO)を合計0〜20(mol%)、TiO2を0〜6(mol%)、ZrO2を0〜5(mol%)、CeO2を0〜5(mol%)、SO2を0〜5(mol%)、Ag2Oを0〜1.5(mol%)の範囲内の割合で含む無鉛ガラスから成るものである請求項2または請求項3の太陽電池素子の製造方法。
- シリコン基板の裏面にパッシベーション膜を介して裏面電極が設けられた太陽電池素子であって、
前記パッシベーション膜上に所定のアルミニウムを主たる導体成分として含むファイヤースルー用アルミニウムペーストを塗布して焼成処理を施すことにより、そのファイヤースルー用アルミニウムペーストから生成されると共にそのパッシベーション膜を浸食して前記シリコン基板に接続された裏面コンタクトと、
前記裏面コンタクトを形成した後に、前記シリコン基板の裏面上に集電用導電性ペーストを塗布してその裏面コンタクトとは別に焼成処理を施すことにより、その集電用導電性ペーストから生成されると共にその裏面コンタクトに接続された集電電極と
を、含むことを特徴とする太陽電池素子。 - 前記集電電極は前記裏面コンタクトよりもガラス量が少ない厚膜アルミニウムから成るものである請求項6の太陽電池素子。
- 太陽電池素子の裏面にパッシベーション膜を浸食してシリコン基板に接続された裏面コンタクトを形成するために用いられるアルミニウム粉またはアルミニウムを含む複合粉と、ガラスフリットと、ベヒクルとを含むファイヤースルー用アルミニウムペーストであって、
Al 100重量部に対してSiを14重量部以下の範囲で含むことを特徴とするファイヤースルー用アルミニウムペースト。 - 前記ガラスフリットを1〜20(wt%)の範囲内の割合で含むものである請求項8のファイヤースルー用アルミニウムペースト。
- 前記ガラスフリットは、酸化物換算でアルカリ金属(Li2O、Na2O、K2O)を合計0.6〜23(mol%)、PbOを20〜65(mol%)、B2O3を1〜30(mol%)、SiO2を10〜45(mol%)、Bi2O3を0〜20(mol%)、SO2を0〜5mol%、Ag2Oを0〜1.5(mol%)の範囲内の割合で含む鉛ガラスから成るものである請求項8または請求項9のファイヤースルー用アルミニウムペースト。
- 前記ガラスフリットは、酸化物換算でBi2O3を10〜36(mol%)、ZnOを10〜30(mol%)、SiO2を15〜26(mol%)、B2O3を5〜24(mol%)、アルカリ金属(Li2O、Na2O、K2O)を合計12〜25(mol%)、Al2O3を2〜10(mol%)、アルカリ土類金属(BaO、CaO、MgO、SrO)を合計0〜20(mol%)、TiO2を0〜6(mol%)、ZrO2を0〜5(mol%)、CeO2を0〜5(mol%)、SO2を0〜5(mol%)、Ag2Oを0〜1.5(mol%)の範囲内の割合で含む無鉛ガラスから成るものである請求項8または請求項9のファイヤースルー用アルミニウムペースト。
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