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JP2015049962A - トップエミッション型有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 - Google Patents

トップエミッション型有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 Download PDF

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JP2015049962A JP2013179086A JP2013179086A JP2015049962A JP 2015049962 A JP2015049962 A JP 2015049962A JP 2013179086 A JP2013179086 A JP 2013179086A JP 2013179086 A JP2013179086 A JP 2013179086A JP 2015049962 A JP2015049962 A JP 2015049962A
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隆佳 二連木
Takayoshi Nireki
隆佳 二連木
武田 利彦
Toshihiko Takeda
利彦 武田
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Abstract

【課題】パルスレーザーにより補助電極上の有機層を効率的に除去することで生産性を向上させた有機EL表示装置の製造方法を提供する。【解決手段】基板2と、画素電極3と、補助電極4と、スペーサ部5と、有機EL層6と、補助電極上に形成された有機層の開口部である接触部9と、透明電極層7とを有するトップエミッション型有機EL表示装置10の製造方法であって、補助電極上の全面に少なくとも1層の有機層6が形成された有機EL層側基板を準備する有機EL層側基板準備工程と、第1圧力下で有機EL層側基板および蓋部8の間の空間Vを密封する減圧密封工程と、有機EL層側基板および蓋部の外周の空間を第2圧力に調整して有機EL層側基板および蓋部を密着させる密着工程と、蓋部を介してレーザー光Pを照射して補助電極上の有機層を1回の照射で除去して接触部を形成する接触部形成工程とを有している。【選択図】図1

Description

本発明は、生産性の高いトップエミッション型有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、自己発色により視認性が高いこと、液晶表示装置と異なり全固体ディスプレイであるため耐衝撃性に優れていること、応答速度が速いこと、温度変化による影響が少ないこと、および視野角が広いこと等の利点が注目されている。なお、以下、有機エレクトロルミネッセンスを有機ELと略す場合がある。
有機EL素子の構成は、陽極と陰極との間に有機EL層が狭持された積層構造を基本としている。このような有機EL素子を有する有機EL表示装置の駆動方式には、パッシブマトリクス駆動およびアクティブマトリクス駆動があるが、大型ディスプレイを製造するにあたっては、低電圧による駆動が可能であるという観点から、アクティブマトリクス駆動が有利である。なお、アクティブマトリクス駆動とは、有機EL素子が形成された基板にTFT等の回路を形成し、上記TFT等の回路により駆動する方式をいう。
このような有機EL表示装置には、有機EL素子が形成された基板側から光を取り出すボトムエミッション型と、有機EL素子が形成された基板とは反対側から光を取り出すトップエミッション型とがある。ここで、アクティブマトリクス駆動の有機EL表示装置の場合、ボトムエミッション型では、光の取り出し面である基板に形成されたTFT等の回路により開口率が制限され、光取り出し効率が低下してしまうという問題がある。これに対し、トップエミッション型では、基板とは反対側の面から光を取り出すため、ボトムエミッション型に比べて優れた光取り出し効率が得られる。なお、トップエミッション型の場合には、光取り出し面となる側の電極層として透明電極層が用いられる。
ここで、一般的な透明電極層は、AlやCu等の金属から構成される電極層に比べて抵抗が大きい。そのため、透明電極層を有する有機EL表示装置においては、透明電極層の抵抗によって電圧降下が生じ、結果として有機EL層の輝度の均一性が低下する、いわゆる輝度ムラの発生が問題になっている。また、透明電極層の面積が大きくなるほどその抵抗はより大きくなることから、上述した輝度ムラの問題は大型ディスプレイを製造する場合に顕著になる。
上記課題に対しては、抵抗値の低い補助電極を形成し、これを透明電極層と電気的に接続させることにより電圧降下を抑制する方法が知られている。ここで、補助電極は、通常、金属層を成膜した後にウェットプロセスによるエッチング処理を施し、パターン状に形成される。そのため、トップエミッション型の有機EL表示装置において、有機EL層を形成後に補助電極を形成する場合には、補助電極を形成する際に用いられるエッチング液により有機EL層や透明電極層が侵されるという問題があった。そこで、特許文献1〜4に記載されているように、TFT等の回路が形成された基板上に補助電極を形成する方法が知られている。
しかしながら、有機EL層を形成する前に補助電極を形成すると、有機EL層を全面に形成する場合や有機EL層を構成する少なくとも1層の有機層を全面に形成する場合に、補助電極上に有機EL層や少なくとも1層の有機層が形成されることになる。そのため、補助電極と透明電極層との電気的な接続が、補助電極上の有機EL層や有機層によって妨げられてしまうという問題があった。
特許第4959119号 特表2007−103098号公報 特表2010−538440号公報 特許第4340982号
特許文献1では、図10(a)に示すように、基板20上に画素電極30および補助電極40を形成し、上記画素電極30と上記補助電極40との間に隔壁50を形成した後、図10(b)に示すように、有機EL層60を形成する。次いで、図10(c)に示すように、レーザー光Lによって補助電極40上の有機EL層60を除去し、その後、図10(d)に示すように、透明電極層70を形成することにより、補助電極40と透明電極層70とが電気的に接続された有機EL表示装置100を作製する方法が記載されている。しかしながら、この場合、レーザー光によって除去された有機EL層が飛散して有機EL表示装置における画素領域が汚染され、表示特性が低下してしまうという問題がある。特許文献2でも、補助電極上の有機EL層をレーザー光あるいは電子線によって除去する方法が記載されているが、特許文献1と同様に、除去された有機EL層が飛散して、画素領域を汚染し、有機EL表示装置の表示特性を低下させるという問題がある。
また、上記問題を解決する方法としては、例えば特許文献3に記載されているように、レーザー光による有機EL層の除去を行う前に、有機EL層で被覆された補助電極全面に透光性を有する第1の電極を形成し、その後、第1の電極を介してレーザー光により有機EL層を除去し、最後に第2の電極を形成する方法が提案されている。しかしながら、この場合、上述した表示特性の低下は抑制することができるものの、透明電極層として第1の電極および第2の電極を形成するため、製造工程が増加してしまうという問題がある。
さらに、例えば特許文献4には、次のような有機EL表示装置の製造方法が開示されている。すなわち、図11(a)に示すように、基板20上に画素電極30および補助電極40を形成し、上記画素電極30と上記補助電極40との間に隔壁50を形成した後、図11(b)に示すように、有機EL層60を形成して有機EL層側基板80を形成する。次いで、図11(c)に示すように、有機EL層側基板80に、ガラスや樹脂フィルムからなる蓋部90を対向させて、隔壁50の頂部に蓋部90が接触するように配置して、有機EL層側基板80および蓋部90の間の空間Vを減圧密封する。その後、有機EL層側基板80および蓋部90の外周の空間を加圧することにより、有機EL層側基板80に蓋部90を密着させる。次いで、レーザー光Lにより補助電極40上の有機EL層60を除去して、図11(d)に示すように、蓋部90を剥離する。最後に、図11(e)に示すように、有機EL層側基板上に透明電極層70を形成することにより、補助電極40と透明電極層70とが電気的に接続された有機EL表示装置100を作製する方法が記載されている。しかしながら、上記方法において用いられるレーザー光の波長は赤外域であるため、エネルギーの利用効率が悪く、また補助電極に熱影響によるダメージを与える懸念が残る。さらに、半導体連続波(CW:Continuous Wave)レーザーを用いているため、基板へレーザーを照射する際に、レーザー照射部あるいは有機EL層側基板のいずれかをいったん停止させなければならず、生産性が悪いという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、補助電極上の有機層の除去にパルスレーザーを用いることにより、生産性を向上させたトップエミッション型有機EL表示装置の製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基板と、上記基板上に形成された複数の画素電極と、上記画素電極の間に形成された補助電極と、上記基板上に形成されたスペーサ部と、上記画素電極上に形成され、複数の有機層から構成されており、少なくとも発光層を有する有機EL層と、上記補助電極上に形成された少なくとも1層の上記有機層と、上記補助電極上に形成された上記有機層の開口部である接触部と、上記有機EL層および上記接触部上に形成された透明電極層とを有し、上記スペーサ部は、上記接触部および上記接触部に隣接する上記画素電極の間に形成されており、また、上記透明電極層は、上記補助電極と上記接触部で電気的に接続されているトップエミッション型有機EL表示装置を製造するトップエミッション型有機EL表示装置の製造方法であって、上記基板、上記画素電極、上記補助電極、上記スペーサ部、および上記有機EL層を有し、上記補助電極上の全面に少なくとも1層の上記有機層が形成された有機EL層側基板を準備する有機EL層側基板準備工程と、第1圧力下で、上記有機EL層側基板準備工程で得られた上記有機EL層側基板に蓋部を対向させ、上記スペーサ部の頂部に上記蓋部が上記有機層を介して接触するように配置して、上記有機EL層側基板および上記蓋部の間の空間を密封する減圧密封工程と、上記減圧密封工程で密封された上記有機EL層側基板および上記蓋部の外周の空間を第2圧力に調整して上記有機EL層側基板および上記蓋部を密着させる密着工程と、上記蓋部を介してレーザー光を照射して、上記補助電極上に形成された上記有機層を除去して上記接触部を形成する接触部形成工程とを有し、上記レーザー光を照射するレーザー照射部と、上記有機EL層側基板とは、相対的に移動を行い、上記接触部を形成する上記レーザー光の照射回数は上記接触部1箇所あたり1回であり、上記レーザー光のパルス幅は上記補助電極上の上記有機層を1回の照射で除去可能となるパルス幅であり、上記レーザー光の波長は紫外光領域の波長であることを特徴とするトップエミッション型有機EL表示装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、補助電極上の有機層の除去に用いるレーザー光のパルス幅を、1回のレーザー照射で目的とする有機層の除去が可能となる範囲に定めることで、製造工程中のレーザー照射時間を短くすることが可能となる。そのため、有機EL層側基板とレーザー照射部とを相対的に移動させながらのレーザー照射により、高速かつ高精度での有機層の除去が可能となり、生産性の高いトップエミッション型有機EL表示装置の提供が可能となる。
本発明においては、トップエミッション型有機EL表示装置の生産性を向上させることができるという効果を奏する。
本発明のトップエミッション型有機EL表示装置の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明におけるスペーサ部を説明する模式図である。 本発明におけるスペーサ部形成工程および絶縁層形成工程の一例を示す概略図である。 本発明におけるスペーサ部の形成態様の一例を示す概略図である。 本発明におけるスペーサ部の形成態様の他の例を示す概略図である。 本発明におけるスペーサ部の形成態様の他の例を示す概略図である。 本発明におけるスペーサ部を説明する模式図である。 本発明における接触部を説明する模式図である。 本発明における有機EL表示装置の製造装置の一例を示す概略図である。 従来のトップエミッション型有機EL表示装置の製造方法の一例を示す工程図である。 従来のトップエミッション型有機EL表示装置の製造方法の他の例を示す工程図である。
以下、本発明のトップエミッション型有機EL表示装置の製造方法、およびトップエミッション型有機EL表示装置について詳細に説明する。なお、以下、トップエミッション型有機EL表示装置を有機EL表示装置と略す場合がある。
A.有機EL表示装置の製造方法
本発明の有機EL表示装置の製造方法は、基板と、上記基板上に形成された複数の画素電極と、上記画素電極の間に形成された補助電極と、上記基板上に形成されたスペーサ部と、上記画素電極上に形成され、複数の有機層から構成されており、少なくとも発光層を有する有機EL層と、上記補助電極上に形成された少なくとも1層の上記有機層と、上記補助電極上に形成された上記有機層の開口部である接触部と、上記有機EL層および上記接触部上に形成された透明電極層とを有し、上記スペーサ部は、上記接触部および上記接触部に隣接する上記画素電極の間に形成されており、また、上記透明電極層は、上記補助電極と上記接触部で電気的に接続されている有機EL表示装置を製造する有機EL表示装置の製造方法であって、上記基板、上記画素電極、上記補助電極、上記スペーサ部、および上記有機EL層を有し、上記補助電極上の全面に少なくとも1層の上記有機層が形成された有機EL層側基板を準備する有機EL層側基板準備工程と、第1圧力下で、上記有機EL層側基板準備工程で得られた上記有機EL層側基板に蓋部を対向させ、上記スペーサ部の頂部に上記蓋部が上記有機層を介して接触するように配置して、上記有機EL層側基板および上記蓋部の間の空間を密封する減圧密封工程と、上記減圧密封工程で密封された上記有機EL層側基板および上記蓋部の外周の空間を第2圧力に調整して上記有機EL層側基板および上記蓋部を密着させる密着工程と、上記蓋部を介してレーザー光を照射して、上記補助電極上に形成された上記有機層を除去して上記接触部を形成する接触部形成工程とを有し、上記レーザー光を照射するレーザー照射部と、上記有機EL層側基板とは、相対的に移動を行い、上記接触部を形成する上記レーザー光の照射回数は上記接触部1箇所あたり1回であり、上記レーザー光のパルス幅は上記補助電極上の上記有機層を1回の照射で除去可能となるパルス幅であり、上記レーザー光の波長は紫外光領域の波長であることを特徴とするものである。
ここで、上記「第1圧力」および上記「第2圧力」とは、第1圧力が第2圧力よりも低い圧力であれば特に限定されるものではない。また、有機EL層側基板の表面に蓋部を配置したときの上記有機EL層側基板および上記蓋部の間の空間の圧力を第1圧力に調整し、さらに上記有機EL層側基板および上記蓋部の外周の空間の圧力を第2圧力に調整した際に、上記有機EL層側基板および上記蓋部の間の圧力と上記有機EL層側基板および上記蓋部の外周の圧力との差圧により、上記有機EL層側基板および上記蓋部を密着させることができる程度の圧力であれば特に限定されるものではない。なお、通常は、上記「第1圧力」が常圧よりも低い圧力となり、上記「第2圧力」が上記「第1圧力」よりも高い圧力となる。また、具体的な上記「第1圧力」および「第2圧力」については、後述する「2.減圧密封工程」および「3.密着工程」に記載するため、ここでの説明は省略する。
図1(a)〜(f)は本発明の有機EL表示装置の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図1(a)に例示するように、基板2上に画素電極3および上記画素電極3間に補助電極4を形成する画素電極および補助電極形成工程を行う。次に、図1(b)に例示するように、基板2上に、スペーサ部5を形成するスペーサ部形成工程を行う。その後、図1(c)に例示するように、複数の有機層から構成され、少なくとも発光層を有する有機EL層6を全面に形成する有機EL層形成工程を行う。このようにして、有機EL層側基板1を準備する有機EL層側基板準備工程を行う。次いで、図1(d)に例示するように、第1圧力下で、有機EL層側基板に蓋部8を対向させ、上記スペーサ部5の頂部に上記蓋部8が上記有機層を介して接触するように配置して、上記有機EL層側基板および上記蓋部8の間の空間Vを密封する減圧密封工程を行う。その後、減圧密封工程で密封された上記有機EL層側基板および上記蓋部8の外周の空間を第2圧力に調整して上記有機EL層側基板および上記蓋部8を密着させる密着工程を行う。次に、上記蓋部8側から、補助電極4上に形成された有機EL層6にパルスレーザーPを1回照射して、上記補助電極4上の上記有機EL層6を除去し、図1(e)に例示するように、補助電極4を露出させて接触部9を形成する接触部形成工程を行う。最後に、図1(f)に例示するように、接触部9において補助電極4と電気的に接続されるように、有機EL層側基板上に透明電極層7を形成する透明電極層形成工程を行う。これにより、本発明における有機EL表示装置10が得られる。
このように本発明においては、接触部形成工程で、補助電極上の有機層の除去にパルスレーザーを用いることにより、補助電極にダメージを与えず、1回のレーザー光の照射で目的の有機層を除去することが可能である。したがって、本発明においては補助電極上の有機層を短時間で除去することが可能となり、生産性の高い有機EL表示装置の製造方法を提供することができる。
また本発明は、スペーサを設けることにより、接触部形成工程で、パルスレーザーにより除去された有機層の粉塵等が飛散した場合であっても、上記有機層の粉塵等が画素電極が形成された画素領域にまで飛散するのを防ぐことができ、表示特性の低下が抑制された有機EL表示装置の製造方法を提供することができる。
なお、本発明において「上記補助電極上の全面に少なくとも1層の上記有機層が形成された」とは、例えば図1(c)に例示するように、有機EL層6を構成する全ての層が、画素電極3が形成された画素領域p内および補助電極4を覆うように全面に形成された態様を指す。また、この他にも、仮に有機EL層が、正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子注入層の4層から構成されている場合においては、上記4層のうち3層が画素領域内にパターン状に形成され、残りの1層が画素領域内および補助電極を覆うように全面に形成されている態様や、上記4層のうち2層が画素領域内にパターン状に形成され、残りの2層が画素領域内および補助電極を覆うように全面に形成されている態様や、さらには上記4層のうち1層が画素領域内にパターン状に形成され、残りの3層が画素領域内および補助電極を覆うように全面に形成されている態様等を含む。
また、本発明において「スペーサ部の頂部」とは、例えば図2に例示するように、スペーサ部5が台形である場合にはスペーサ部5の上底面Hを指す。また、スペーサ部が台形以外の形状である場合には、スペーサ部の最上部を指し、有機EL層側基板と蓋部とを接触させて密封させた際に、スペーサ部において蓋部が先に接触する部分を指す。
以下、本発明の有機EL表示装置の製造方法における各工程について説明する。
1.有機EL層側基板準備工程
本発明においては、まず、基板と、上記基板上に形成された複数の画素電極と、上記画素電極の間に形成された補助電極と、上記基板上に形成されたスペーサ部と、上記画素電極上に形成され、複数の有機層から構成されており、少なくとも発光層を有する有機EL層と、上記補助電極上に形成された少なくとも1層の上記有機層と、上記補助電極上に形成された上記有機層の開口部である接触部と、上記有機EL層および上記接触部上に形成された透明電極層とを有し、上記スペーサ部は、上記接触部および上記接触部に隣接する上記画素電極の間に形成されており、また、上記透明電極層は、上記補助電極と上記接触部で電気的に接続されている有機EL表示装置の製造方法であって、上記基板、上記画素電極、上記補助電極、上記スペーサ部、および上記有機EL層を有し、上記補助電極上の全面に少なくとも1層の上記有機層が形成された有機EL層側基板を準備する有機EL層側基板準備工程を行う。
以下、本工程において形成される各部材の形成工程について説明する。
(1)画素電極および補助電極形成工程
本工程は、基板上に画素電極と補助電極とを形成する工程である。
以下、本工程において用いられる各部材、および具体的な画素電極および補助電極形成工程について説明する。
(a)基板
本工程における基板は、後述する画素電極、補助電極、スペーサ部、有機EL層および透明電極層を支持するものである。
本発明において製造される有機EL表示装置はトップエミッション型であるため、基板は光透過性を有していてもよく有さなくてもよい。
また、基板は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよく、有機EL表示装置の用途により適宜選択される。このような基板の材料としては、例えば、ガラスや樹脂が挙げられる。なお、基板の表面にはガスバリア層が形成されていてもよい。
基板の厚みとしては、基板の材料および有機EL表示装置の用途により適宜選択され、具体的には0.005mm〜5mm程度である。
(b)画素電極
本工程における画素電極は、基板上にパターン状に形成されるものである。
画素電極は、光透過性を有していてもよく、有さなくてもよいが、本発明により製造される有機EL表示装置はトップエミッション型であり、透明電極層側から光を取り出すため、通常は光透過性を有さないものとされる。
画素電極は、陽極および陰極のいずれであってもよい。
画素電極が陽極である場合には、抵抗が小さいことが好ましく、一般的には導電性材料である金属材料が用いられるが、有機化合物または無機化合物を用いてもよい。
陽極には、正孔が注入しやすいように仕事関数の大きい導電性材料を用いることが好ましい。例えば、Au、Cr、Mo等の金属;酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化インジウム等の無機酸化物;金属ドープされたポリチオフェン等の導電性高分子等が挙げられる。これらの導電性材料は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上を用いる場合には、各材料からなる層を積層してもよい。
また、画素電極が陰極である場合には、一般的には導電性材料である金属材料が用いられるが、有機化合物または無機化合物を用いてもよい。
陰極には、電子が注入しやすいように仕事関数の小さい導電性材料を用いることが好ましい。例えば、MgAg等のマグネシウム合金、AlLi、AlCa、AlMg等のアルミニウム合金、Li、Cs、Ba、Sr、Ca等のアルカリ金属類およびアルカリ土類金属類の合金等が挙げられる。
画素電極の厚みとしては、画素電極のエッジ部分からのリーク電流の有無等に応じて適宜調整され、例えば、10nm〜1000nm程度にすることができ、好ましくは20nm〜500nm程度である。なお、画素電極の厚みとしては、後述する補助電極の厚みと同じであってもよく異なっていてもよい。なお、画素電極を、後述する補助電極と一括して形成する場合には、画素電極および補助電極の厚みは等しくなる。
(c)補助電極
本工程における補助電極は、基板上にパターン状に形成されるものである。
補助電極は、光透過性を有していてもよく有さなくてもよい。
補助電極には、一般的には導電性材料である金属材料が用いられる。なお、補助電極に用いられる材料については、上記画素電極に用いられる材料と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、補助電極に用いられる材料は、画素電極に用いられる材料と同じであってもよく異なってもよい。中でも、画素電極および補助電極は同一の材料であることが好ましい。画素電極および補助電極を一括して形成することができ、製造工程を簡略化することができるからである。
補助電極の厚みとしては、補助電極のエッジ部分からのリーク電流の有無等に応じて適宜調整され、例えば、10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、中でも20nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。なお、補助電極を、上述した画素電極と一括して形成する場合には、画素電極および補助電極の厚みは等しくなる。
このような補助電極を、補助電極の厚み方向に観察した際の形状、すなわち平面形状としては、透明電極層の抵抗による電圧降下を抑制するという補助電極の機能を発揮することができる形状であれば特に限定されるものではないが、有機EL表示装置の光取り出し効率を低下させないような形状であることが好ましい。例えば、ストライプ状や格子状等が挙げられる。
(d)画素電極および補助電極
隣り合う画素電極および補助電極の間隔としては、後述するスペーサ部を形成することができる程度であれば特に限定されるものではない。具体的には、1μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、中でも2μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。なお、隣り合う画素電極および補助電極の間隔とは、図1(a)に示した距離dを指す。
(e)画素電極および補助電極形成工程
本発明における画素電極および補助電極形成工程は、まず基板上に画素電極を形成する工程を有する。画素電極の形成方法としては、基板上に画素電極をパターン状に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な電極の形成方法を採用することができる。例えば、マスクを用いた蒸着法、フォトリソグラフィー法等が挙げられる。また、蒸着法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等が挙げられる。
次に本工程は、画素電極の間に補助電極を形成する工程を有する。補助電極の形成方法としては、基板上に補助電極をパターン状に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な電極の形成方法を採用することができる。具体的な補助電極の形成方法については、上記画素電極の形成方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。なお、本工程においては、補助電極を画素電極と一括して形成することが好ましい。製造工程を簡略化することができるからである。
(2)スペーサ部形成工程
本工程は、上記基板上にスペーサ部を形成する工程である。
以下、本工程において形成されるスペーサ部および具体的なスペーサ部形成工程について説明する。
(a)スペーサ部
本工程において形成されるスペーサ部は、後述する接触部および接触部と隣接する画素電極との間に形成されるものであり、後述する接触部形成工程においてレーザー光により除去された有機層が飛散するのを防止するというスペーサ部の機能を有するものである。また、スペーサ部が画素電極に接触している場合には、スペーサ部は絶縁層としての機能を有する。
なお、スペーサ部が絶縁層としての機能を有する場合には、本工程とともに、従来の有機EL表示装置において行われる絶縁層形成工程を行い、スペーサ部と絶縁層とを一括して形成することができる。これにより、製造効率の向上を図ることができる。図3(a)〜(b)は、本工程と同時に絶縁層形成工程を行い、スペーサ部および絶縁層を一括して形成する一例を示した概略工程図であり、図3(c)は図3(b)のA−A線断面図である。まず、図3(a)に例示するように、基板2上に画素電極3および枠状に補助電極4を形成する。次に、図3(b)、(c)に例示するように、画素電極3上および接触部9を形成する補助電極4上が露出するように、スペーサ部5および絶縁層13を一括して形成する。このように、スペーサ部および絶縁層が一括して形成される場合には、スペーサ部および絶縁層は同じ材料から構成され、また図3(b)に例示するように、スペーサ部5および絶縁層13は連続して形成されていてもよい。
本工程において、後述する接触部および接触部と隣接する画素電極との間に形成されるスペーサ部の数としては、画素電極が形成された画素領域と接触部とを隔てることにより、上述したスペーサ部の機能を十分に発揮することができれば特に限定されるものではなく、1つであってもよく2つ以上であってもよい。
ここで、画素電極と後述する接触部との間に形成されるスペーサ部の数とは、隣接する画素電極と接触部との間に長手方向にストライプ状のスペーサ部が形成されており、このときに画素電極と接触部との間に形成されたストライプの数を指す。したがって、例えば、図4(a)、(b)に例示するスペーサ部5の数は1つである。なお、図4は、本工程において形成されるスペーサ部の一例を示す概略図である。また、図4(a)は画素電極と補助電極との間にスペーサ部が形成された際の概略平面図であり、図4(b)は図4(a)のB−B線断面図である。図4において説明していない符号については、図1と同様であるためここでの説明は省略する。
本工程において形成されるスペーサ部の平面形状としては、画素電極と後述する接触部とを隔てるように形成されていれば特に限定されるものではないが、例えば、上述した図4(a)に例示するように、画素電極3と補助電極4における接触部9との間にスペーサ部5がストライプ状に形成されていてもよく、図5(a)に例示するように、補助電極4における接触部9を囲うようにスペーサ部5が枠状に形成されていてもよく、あるいは図6(a)に例示するように、補助電極4における接触部9と隣接する画素電極3を囲うようにスペーサ部5が枠状に形成されていてもよい。なお、図5および図6は、本工程において形成されるスペーサ部の他の例を示す概略図である。また、図5(a)および図6(a)は画素電極が形成された画素領域と補助電極における接触部との間にスペーサ部が形成された際の概略平面図であり、図5(b)は図5(a)のC−C線断面図であり、図6(b)は図6(a)のD−D線断面図である。図5および図6において説明していない符号については、図1と同様であるためここでの説明は省略する。
また、本工程において形成されるスペーサ部の縦断面形状としては、上述したスペーサ部の機能を発揮することができるものであれば特に限定されない。例えば、順テーパー形状、逆テーパー形状、矩形等が挙げられるが、中でも、順テーパー形状であることが好ましい。図5(a)や図6(a)に例示するように、画素電極または補助電極を囲うようにスペーサ部が形成されている場合であっても、後述する透明電極層を全面に均一に形成することができ、十分な導通を得ることができるからである。
本工程において形成されるスペーサ部の高さとしては、後述する減圧密封工程において、有機EL層側基板および蓋部を対向させた際に、スペーサ部の頂部と蓋部とが有機層を介して接触するように配置することができる程度であれば特に限定されるものではないが、具体的には、0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜3μmの範囲内であることが好ましい。有機EL層側基板および蓋部を対向させた際に形成される有機EL層側基板と蓋部との間の空間を大きくすることができるため、上記空間に僅かに気体が侵入した場合であっても、上記空間の真空度が急激に低下するのを抑制することができるからである。
具体的なスペーサ部の高さとしては、0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜3μmの範囲内であることが好ましい。スペーサ部の高さが上記範囲内であることにより、上述のように、有機EL層側基板と蓋部との間の空間の真空度が急激に低下するのを抑制することができる。また、後述する減圧密封工程において有機EL層側基板に蓋部を対向させて密封した際に、蓋部が撓んで画素電極上に形成された有機EL層と接触し、有機EL表示装置の表示特性に悪影響を及ぼすという問題を防ぐことができる。
なお、スペーサ部の高さとは、図2に示すように、スペーサ部5の下底面から頂部Hまでの高さhを指す。
このようなスペーサ部に用いられる材料としては、本発明により得られる有機EL表示装置の特性に悪影響を及ぼさないような材料であれば特に限定されるものではないが、例えばスペーサ部が画素電極と接触する場合には、スペーサ部の材料として絶縁性材料を用いることが好ましい。画素電極のエッジ部分からのリーク電流による不具合を防ぐことができる。具体的な材料としては、感光性ポリイミド樹脂、アクリル系樹脂等の光硬化型樹脂、または熱硬化型樹脂、および無機材料等を挙げることができる。
さらに、本工程において形成されるスペーサ部は、台座部と台座部上に形成された密着部とから構成されていてもよい。具体的には、図7に例示するように、基板2上に形成された台座部11と、上記台座部11上に形成された密着部12とから構成されていてもよい。
スペーサ部が台座部と密着部とから構成されていることにより、スペーサ部の高さの調整が容易になる。例えば、基板上に何らかの配線層が形成されており、上記配線層上に絶縁層が形成されている場合、上記配線層の厚みに相当する分だけ上記絶縁層の高さが高くなる。このような場合には、上記絶縁層を台座部とし、上記台座部としての絶縁層上に密着部を形成してこれをスペーサ部とすることにより、配線層上に形成された絶縁層の高さよりも、台座部としての絶縁層および絶縁層上に形成された密着部から構成されたスペーサ部の高さを容易に高くすることが可能になる。また、後述する減圧密封工程において有機EL層側基板に蓋部を対向させた際に、スペーサ部と蓋部とを選択的に接触させることができる。これにより、スペーサ部としての上述した機能を十分に発揮することが可能になる。
スペーサ部が台座部と密着部とから構成されている場合において、台座部の大きさとしては、画素領域と接触部との間の大きさや、台座部上に形成される密着部の大きさや数に応じて適宜調整されるものである。台座部の高さとしては、例えば、0.1μm〜5μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm〜3μmの範囲内であることが好ましく、特に1μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。台座部の高さが上記範囲内であることにより、台座部を形成することによる上述の効果を得ることができる。
また、台座部の縦断面形状としては、台座部上に密着部を形成することが可能であれば特に限定されない。例えば、順テーパー形状、逆テーパー形状、矩形等が挙げられるが、中でも、順テーパー形状であることが好ましい。画素電極または補助電極を囲うように台座部および密着部が形成されている場合であっても、後述する透明電極層を全面に均一に形成することができ、十分な導通を得ることができるからである。
さらに、台座部に用いられる材料としては、上述したスペーサ部の材料と同様であるため、ここでの記載は省略する。
一方、密着部に用いられる材料としては、上述したスペーサ部の材料と同様とすることができるが、その他にも、上記台座部が絶縁性材料から形成される場合には、密着部の材料として導電性材料を用いることができる。
密着部の大きさおよび数については、上述したスペーサ部の大きさおよび数と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(b)スペーサ部形成工程
本発明におけるスペーサ部形成工程は、画素電極が形成された画素領域と後述する接触部との間にスペーサ部を形成する工程を有する。スペーサ部の形成方法としては、ラミネーション法、フォトリソグラフィー法、印刷法等の一般的な方法を用いることができる。また、鋳型等を用いてスペーサ部を別途形成し、画素領域と接触部との間に接着剤等を用いて貼り合わせる方法を挙げることができる。
また、スペーサ部が台座部および密着部から構成される場合、本発明におけるスペーサ部形成工程は、画素電極が形成された画素領域と後述する接触部との間に台座部を形成し、その後、台座部上に密着部を形成する工程を有する。台座部および密着部の形成方法としては、上述したスペーサ部の形成方法と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。なお、台座部および密着部が同じ材料から構成される場合には、台座部および密着部を一括して形成してもよい。
(3)有機EL層形成工程
本工程は、複数の有機層から構成され、少なくとも発光層を有する有機EL層を、上記画素電極上に形成する工程である。また、本工程では、有機EL層側基板における上記補助電極の全面に少なくとも1層の有機層が形成される。
以下、本工程において形成される有機EL層および具体的な有機EL層形成工程について説明する。
(a)有機EL層
有機EL層を構成する有機層としては、発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層等が挙げられる。
以下、有機EL層を構成する各有機層について説明する。
(i)発光層
本工程において形成される発光層は、単色の発光層であってもよく、複数色の発光層であってもよく、有機EL装置の用途に応じて適宜選択される。有機EL装置が表示装置である場合には、通常、複数色の発光層が形成される。
発光層に用いられる発光材料としては、蛍光もしくは燐光を発するものであればよく、例えば、色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料等を挙げることができる。なお、具体的な色素系材料、金属錯体系材料、高分子系材料については、一般的に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
発光層の厚みとしては、電子および正孔の再結合の場を提供して発光する機能を発現することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、例えば10nm〜500nm程度にすることができる。
(ii)正孔注入輸送層
本工程において形成される有機EL層としては、発光層と陽極との間に正孔注入輸送層が形成されていてもよい。
正孔注入輸送層は、正孔注入機能を有する正孔注入層であってもよく、正孔輸送機能を有する正孔輸送層であってもよく、正孔注入層および正孔輸送層が積層されたものであってもよく、正孔注入機能および正孔輸送機能の両機能を有するものであってもよい。
正孔注入輸送層に用いられる材料としては、発光層への正孔の注入、輸送を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、一般的な材料を用いることができる。
正孔注入輸送層の厚みとしては、正孔注入機能や正孔輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されないが、具体的には0.5nm〜1000nmの範囲内、中でも10nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
(iii)電子注入輸送層
本工程において形成される有機EL層としては、発光層と陰極との間に電子注入輸送層が形成されていてもよい。
電子注入輸送層は、電子注入機能を有する電子注入層であってもよく、電子輸送機能を有する電子輸送層であってもよく、電子注入層および電子輸送層が積層されたものであってもよく、電子注入機能および電子輸送機能の両機能を有するものであってもよい。
電子注入層に用いられる材料としては、発光層への電子の注入を安定化させることができる材料であれば特に限定されるものではなく、また、電子輸送層に用いられる材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することが可能な材料であれば特に限定されるものではない。
電子注入層および電子輸送層に用いられる具体的な材料としては、一般的な材料を用いることができる。
電子注入輸送層の厚みとしては、電子注入機能や電子輸送機能が十分に発揮される厚みであれば特に限定されない。
(b)有機EL層形成工程
本発明における有機EL層形成工程は、上述した有機EL層を画素電極上に形成する工程を有する。なお、ここでは有機EL層が、正孔注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の順で積層される場合について説明する。
正孔注入輸送層の形成方法としては、少なくとも画素電極上に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、材料の種類等に応じて適宜選択される。例えば、材料等を溶媒に溶解もしくは分散させた正孔注入輸送層形成用塗工液を塗布するウェットプロセスや、真空蒸着法等のドライプロセス等が挙げられる。
次に、発光層の形成方法としては、上記正孔注入輸送層上に形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、発光材料等を溶媒に溶解もしくは分散させた発光層形成用塗工液を塗布するウェットプロセスや、真空蒸着法等のドライプロセス等が挙げられる。中でも、有機EL表示装置の発光効率および寿命への影響からドライプロセスが好ましい。
次に、電子注入輸送層の形成方法としては、上記発光層上に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、材料の種類等に応じて適宜選択される。例えば、材料等を溶媒に溶解もしくは分散させた電子注入輸送層形成用塗工液を塗布するウェットプロセスや、真空蒸着法等のドライプロセスが挙げられる。
また、有機EL層形成工程では、有機EL層を形成するとともに、上記有機EL層を構成する少なくとも1層の有機層が補助電極を覆うように形成される。例えば、有機EL表示装置の画素毎に発光層を塗り分ける場合には、正孔注入輸送層や電子注入輸送層が画素電極上および補助電極上に形成され、発光層が画素電極上にパターン状に形成される。なお、有機層が画素電極上および補助電極上に形成される場合には、有機層は画素電極上および補助電極上に連続して形成されることが一般的である。
2.減圧密封工程
本発明においては、第1圧力下で、上記有機EL層側基板準備工程で得られた有機EL層側基板に蓋部を対向させ、上記スペーサ部の頂部に上記蓋部が上記有機層を介して接触するように配置して、上記有機EL層側基板および上記蓋部の間の空間を密封する減圧密封工程を行う。
本工程において用いられる蓋部としては、有機EL層側基板と対向させて、有機EL層側基板と蓋部との間の空間を密封することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラスフィルム、COP、PP、PC、PET等の透光性を有する材料等が挙げられる。中でも、ガラスフィルムやCOPが好ましい。
蓋部の厚みとしては、有機EL層側基板と対向させて、有機EL層側基板と蓋部との間の空間を密封することができる程度の厚みであれば特に限定されるものではない。例えば、10μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、中でも20μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、特に30μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。
また、蓋部の光透過率としては、後述する接触部形成工程で照射するレーザー光が蓋部を透過して補助電極上の有機層を除去することができる範囲であれば特に限定されるものではないが、中でも波長355nmの光透過率が80%以上であることが好ましい。
本工程は、第1圧力下で、上述した蓋部を有機EL層側基板に対向させて、上記スペーサ部の頂部に上記蓋部が上記有機層を介して接触するように配置して、上記有機EL層側基板および上記蓋部の間の空間を密封する工程である。このような工程を行う方法としては、具体的には、次のような方法が挙げられる。すなわち、まず、第1圧力である所定の真空度に設定された真空チャンバー内において、外周部にシール剤が形成された有機EL層側基板と蓋部とを対向させて配置し、有機EL層側基板と蓋部との間の空間を密封する方法や、第1圧力に設定された真空チャンバー内において、治具等を用いて有機EL層側基板と蓋部との間の空間を密封する方法が挙げられる。
このような工程により減圧密封された有機EL層側基板と蓋部との間の空間は、第1圧力である所定の真空度となる。具体的には、後述する密着工程にて有機EL層側基板および蓋部の外周の空間を第2圧力に調整することにより、有機EL層側基板および蓋部の間の空間と有機EL層側基板および蓋部の外周の空間との間に差圧を生じさせて、上記有機EL層側基板と上記蓋部とを十分に密着させることができ、後述する接触部形成工程においてレーザー光により除去される有機層の粉塵が画素領域に飛散するのを防ぐことができれば特に限定されるものではないが、真空度の値ができるだけ大きいこと、すなわち、有機EL層側基板と蓋部との間の空間の圧力の値ができるだけ小さいことが好ましい。中でも、本工程においては、有機EL層側基板と蓋部との間の空間が真空空間であることが好ましい。具体的な真空度としては、1×10−5Pa〜1×10Paの範囲内であることが好ましく、中でも1×10−5Pa〜1×10Paの範囲内であることが好ましく、特に1×10−5Pa〜1×10Paの範囲内であることが好ましい。
3.密着工程
本発明においては、上記減圧密封工程で密封された上記有機EL層側基板および上記蓋部の外周の空間を第2圧力に調整して上記有機EL層側基板および上記蓋部を密着させる密着工程を行う。
以下、具体的な密着工程について説明する。
本工程は、上述した減圧密封工程において、第1圧力下で密封された有機EL層側基板および蓋部の外周の空間を第2圧力に調整することにより、有機EL層側基板および蓋部の間の空間と有機EL層側基板および蓋部の外周の空間との間に差圧を生じさせ、有機EL層側基板および蓋部を密着させる工程である。
本工程における第2圧力は、上述の第1圧力と比較して、100Pa以上高いことが好ましく、特に1000Pa以上高いことが好ましく、中でも10000Pa以上高いことが好ましい。第2圧力が上述の範囲であることにより、有機EL層側基板および蓋部を確実に密着させることが可能となり、後述する接触部形成工程においてレーザー光により除去される有機層の粉塵が画素領域に飛散するのを防ぐことが可能となる。
有機EL層側基板および蓋部の外周の空間を第2圧力に調整する方法としては、有機EL層側基板および蓋部の間の空間と有機EL層側基板および蓋部の外周の空間との間に差圧を生じさせ、有機EL層側基板および蓋部を密着させることができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、以下のような方法が挙げられる。すなわち、真空チャンバー内にて密封された有機EL層側基板および蓋部を、常圧空間にさらすことにより有機EL層側基板および蓋部の外周の空間を常圧に戻す方法や、真空チャンバー内にて有機EL層側基板および蓋部の間の空間を密封した後に、真空チャンバー内に気体を流入させて圧力を調整する方法等が挙げられる。上述の常圧空間とは、酸素濃度および水分濃度が少なくとも1ppm以下に管理され、窒素やアルゴン等の不活性ガスで充填された空間であることが好ましい。有機EL素子の劣化を抑制できるためである。
4.接触部形成工程
本発明においては、蓋部を介してレーザー光を照射して、補助電極上に形成された有機層を除去して接触部を形成する接触部形成工程を行う。
上述の密着工程において、真空チャンバー内に気体を流入させて第2圧力を調整した場合、本工程におけるレーザー光の照射は、真空チャンバーのガラス等の透光性基材から構成されるレーザー光透過窓等を介して行うことが可能である。
以下、本工程において用いられるレーザー光、および本工程において形成される接触部について説明する。
(1)レーザー光
本発明におけるレーザー光は、後述するレーザー照射部より、蓋部を対向させた有機EL層側基板上へ、上記蓋部側から照射され、補助電極を覆う有機層を除去し、上記補助電極を露出させて接触部を形成するものである。
以下、本発明におけるレーザー照射部およびレーザー光について説明する。
(a)レーザー照射部
一般に、レーザー照射部は、蓋部を対向させた有機EL層側基板の上部に設置されるものである。上記レーザー照射部と上記有機EL層側基板とは、相対的に移動を行うものであり、上記有機EL層側基板のみが移動してレーザー光の照射を受ける場合や、上記レーザー照射部のみが移動して上記有機EL層側基板へレーザー光の照射を行う場合や、上記有機EL層側基板および上記レーザー照射部の両方が移動してレーザー光の照射が行われる場合などが考えられる。
本発明においては、有機EL層側基板は1軸方向に移動を続け、蓋部側からレーザー光の照射を受けることが好ましい。レーザー照射部を移動させながら上記有機EL層側基板へのレーザー照射を行うと、レーザー光の精度が悪化する恐れがあるためである。しかし、上記レーザー照射部は、上記有機EL層側基板基板への1軸方向へのレーザー照射を終えた段階で、上記有機EL層側基板の移動方向に対して垂直方向に移動を行うことがより好ましい。このとき、上記レーザー照射部の移動中には、レーザー照射は行われないものとする。上記有機EL層側基板の移動方向に対して垂直方向に上記レーザー照射部が移動を行うことにより、上記有機EL層側基板上の補助電極上の有機層を、所望の間隔を維持しながら安定的に除去することが可能となり、高品質な有機EL表示装置の製造が期待される。
上記有機EL層側基板は、1軸方向に移動を続けるステージ上に、水平かつ安定に保持されている。この際、上記ステージ上に有機EL層側基板を保持する手段として、特に限定されるものではないが、例えば粘着シートを使用してステージ上に有機EL層側基板を保持する方法、あるいはステージ上へ真空吸着あるいは静電吸着によって有機EL層側基板を保持する方法などが挙げられる。
上記ステージの移動速度は、後述する条件でレーザー光を有機EL層側基板へ照射することが可能な速度であれば特に限定されるものではないが、例えば、レーザー照射部が固定され、上記ステージのみが移動を行う場合の上記ステージの移動速度は、30mm/sec〜1000mm/secの範囲内であることが好ましく、中でも50mm/sec〜500mm/secの範囲内であることが好ましく、特に70mm/sec〜250mm/secの範囲内であることが好ましい。
上記レーザー照射部は、レーザー光のフォーカスおよび上記有機EL層側基板へのレーザー光の照射開始位置を合わせるために用いる観察用光源を有する。上記観察用光源には、少なくとも400nm以下、好ましくは500nm以下の波長の光を用いないこととする。上述の波長よりも短い波長の光を観察用光源として用いた場合、有機EL層側基板における、除去される必要のない有機層まで劣化する恐れがあるためである。
(b)レーザー光
本発明においては、補助電極を覆う有機層を除去するためのレーザー光として、本発明における条件のパルスレーザーを用いることとする。一般的に、パルスレーザーは半導体連続波レーザーと比較して高い尖頭値を有するため、本工程においては、有機層を除去するために必要な照射時間を短縮し、効率のよい有機EL表示装置の製造を行うことが可能となる。
本発明におけるレーザー光の照射回数は、後述する接触部1箇所あたり1回とする。本発明におけるレーザー光を用いることで、一般的な半導体連続波レーザーを用いた場合と比較して、補助電極上の有機層を効率良く除去することが可能となり、生産性の高い有機EL表示装置の製造が可能となる。
本発明において用いられるレーザー光のパルス幅は、補助電極上の有機層を1回の照射で除去可能となるパルス幅であることが好ましく、具体的には、少なくとも1nsec〜500nsecの範囲内であることが好ましく、特に2nsec〜100nsecの範囲内であることが好ましく、中でも2nsec〜50nsecの範囲内であることが好ましい。
レーザー光のパルス幅が上述した範囲よりも小さいと、補助電極にダメージを与える恐れがある。また、レーザー光のパルス幅が上述した範囲よりも大きいと、1回のパルスレーザー照射で補助電極上の有機層を完全に除去できない可能性があるうえ、熱影響によりレーザー照射部近傍の画素が劣化する懸念がある。さらに、ステージを移動させながらレーザー照射を連続して行う場合、レーザー光のパルス幅が上述した範囲よりも大きいと、接触部を所望の大きさに形成することが困難となる可能性がある。
本発明において用いられるレーザー光の波長は紫外光領域の波長であることが好ましく、特に400nm以下であることが好ましい。本発明において用いられる蓋部を透過して補助電極を覆う有機層を除去することが可能であれば、レーザーの種類は特に限定されるものではない。例えば、XeF、XeCl、KrF、KrCl、ArF、Xe、Kr、Ar、Fなどのエキシマーレーザー、YAG、YLF、YVO、YAlOなどの固体レーザーの波長を変換したレーザー等が挙げられる。
上記レーザー光の1パルスあたりのエネルギー密度は少なくとも50mJ/cm〜1000mJ/cmの範囲内であることが好ましく、特に100mJ/cm〜800mJ/cmの範囲内であることが好ましく、中でも150mJ/cm〜500mJ/cmの範囲内であることが好ましい。1パルスあたりのエネルギー密度が上述した範囲よりも大きいと補助電極にダメージを与える恐れがある。また、1パルスあたりのエネルギー密度が上述した範囲よりも小さいと、補助電極上の有機層を完全に除去できない可能性がある。
上記レーザー光の繰り返し周波数は、補助電極上の有機層を所望の間隔で除去することが可能であれば特に限定されるものではないが、具体的には、50kHz以上であることが好ましく、特に100kHz以上であることが好ましく、中でも200kHz以上であることが好ましい。1秒間あたりのレーザー照射回数、つまり繰り返し周波数が上記の範囲内であることにより、より効率的な有機EL表示装置の製造が可能となる。
上記レーザー光の分岐数は、補助電極を覆う有機層を効率よく除去することが可能であれば特に限定されるものではないが、具体的には、2本以上に分岐することが好ましい。レーザー光を2本以上に分岐することにより、有機EL表示装置の生産性を向上させることが可能となる。
(2)接触部
本工程において形成される接触部は、後述する透明電極層と補助電極とが接触する領域である。
本工程において形成される接触部の平面形状としては、後述する透明電極層と補助電極とを電気的に十分に接続することができるような平面形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、矩形や円形等が挙げられる。
また、上記接触部の態様としては、後述する透明電極と補助電極とを電気的に十分に接続することができるものであれば特に限定されるものではない。図8(a)〜(c)は、本工程において形成される接触部の態様を説明する模式図である。上記接触部9の具体的な態様としては、図8(a)に示すように、補助電極4上に形成された少なくとも1層の有機層6をストライプ状に除去して形成された態様であってもよく、図8(b)に示すように、補助電極4上に形成された少なくとも1層の有機層6に開口部を設けて形成された態様であってもよく、図8(c)に示すように、補助電極4上に形成された少なくとも1層の有機層6に複数の開口部を設けて形成された態様であってもよい。
5.透明電極層形成工程
本発明においては、上記補助電極と上記接触部で電気的に接続されるように、上記有機EL層および上記接触部上に透明電極層を形成する透明電極層形成工程を行う。
以下、本工程において形成される透明電極層および具体的な透明電極層形成工程について説明する。
(1)透明電極層
本工程における透明電極層は、有機EL層側基板上に形成されるものである。
上記透明電極層は、透明性および導電性を有するものであればよく、例えば金属酸化物が挙げられる。具体的な金属酸化物としては、酸化インジウム錫、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛、酸化亜鉛、および酸化第二錫等が挙げられる。また、マグネシウム−銀合金、アルミニウム、およびカルシウム等の金属材料についても、光透過性を有する程度に薄く成膜する場合にはこれに用いることができる。
(2)透明電極層形成工程
本発明における透明電極層形成工程は、上記密着工程にて有機EL層側基板に密着させた蓋部を剥離して、上記補助電極と上記接触部で電気的に接続されるように、上記有機EL層および上記接触部上に透明電極層を形成する工程を有する。透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、EB蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法、またはCVD法等を挙げることができる。
6.その他の工程
本発明においては、上述した工程を有していれば特に限定されるものではなく、その他の工程を有していてもよい。その他の工程としては、例えば、有機EL表示装置を封止基板により封止する封止工程が挙げられる。
以下、封止基板について説明する。
本発明における有機EL表示装置はトップエミッション型であるため、封止基板は光透過性を有している。封止基板の光透過性としては、可視光領域の波長に対しては透過性を有していればよく、具体的には、可視光領域の全波長範囲に対する光透過率が80%以上であることが好ましく、中でも85%以上、特に90%以上であることが好ましい。
ここで、光透過率は、例えば島津製作所製紫外可視光分光光度計UV−3600により測定することができる。
また、封止基板は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよく、有機EL表示装置の用途により適宜選択される。
封止基板の材料としては、光透過性を有する封止基板が得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、石英、ガラス等の無機材料や、アクリル樹脂、COPと称されるシクロオレフィンポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン等の樹脂が挙げられる。
また、樹脂製の封止基板の表面にはガスバリア層が形成されていてもよい。
封止基板の厚みとしては、封止基板の材料および有機EL装置の用途により適宜選択される。具体的に、封止基板の厚みは0.001mm〜5mm程度である。
B.有機EL表示装置の製造装置
上述した「A.有機EL表示装置の製造方法」の項で説明した有機EL表示装置の製造方法に用いられる製造装置としては、有機EL層側基板準備工程、減圧密封工程、密着工程、接触部形成工程、および透明電極層形成工程を行うことが可能な製造装置であれば特に限定されるものではない。
ここで、特に本発明の有機EL表示装置の製造方法の接触部形成工程には、上述した「A.有機EL表示装置の製造方法 4.接触部形成工程 (1)レーザー光 (a)レーザー照射部」の項で説明したレーザー照射部およびステージを有する製造装置が用いられることが好ましい。
以下、本発明の有機EL表示装置の製造方法の接触部形成工程に用いられる製造装置について図を参照しながら説明する。
図9(a)および(b)は本発明の有機EL表示装置の製造方法の接触部形成工程に用いられる製造装置の一例を示す概略図である。図9(a)に例示するように、レーザー照射部13から照射されるパルスレーザーPは、ステージ14上に保持された有機EL層側基板へ、蓋部8を透過して照射される。ステージ14は図9(a)で例示するx軸方向へ連続的に移動を続け、レーザー照射部13はステージ14の動作方向に対する法線方向、つまり図9(a)で例示するy軸方向に、ステージ14に対して相対的に移動を行う。なお、レーザー照射部13およびステージ14のいずれも、移動速度は所定の速度に制御が可能である。これらの動作の中で、パルスレーザーPが間欠的に有機EL層側基板へ向かって照射される。そのため、図9(b)に例示するように、有機EL層側基板は一定の間隔を保ってパルスレーザーPの照射を受ける。
上記ステージおよび上記レーザー照射部については、上述した「A.有機EL表示装置の製造方法 4.接触部形成工程 (1)レーザー光 (a)レーザー照射部」の項で説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
(画素電極および補助電極形成工程)
膜厚0.7mmの無アルカリガラスからなる基板上に、膜厚150nmのクロム膜をパターン状に成膜して画素電極を形成した。その後、上記画素電極の間に膜厚150nmのクロム膜をストライプ状に成膜して補助電極を形成した。
(スペーサ部形成工程)
次に、画素電極と補助電極において接触部を形成する領域との間に、フォトリソグラフィー法によりスペーサ部を形成した。なお、スペーサ部の平面形状は枠状であり、縦断面形状は順テーパー形状であった。また、スペーサ部の高さは1.5μmであった。
(有機EL層形成工程)
次に、画素電極上に0.1μmの正孔注入層を形成し、次いで正孔注入層上に0.3μmの発光層を形成した。その後、発光層上に0.3μmの電子輸送層を形成し、有機EL層とした。なお、上記有機EL層は画素電極上に形成するとともに、補助電極上にも形成した。
このようにして、有機EL層側基板を形成した。
(減圧密封工程および密着工程)
続いて、第1圧力として50Paの真空度に設定された真空チャンバー内において、あらかじめパターン外周部に弱粘着層を形成させた有機EL層側基板に、厚み100μmのPETを用いた蓋部を対向させ、上記有機EL層側基板の表面へ上記蓋部を接触させ、有機EL層側基板と蓋部との間の空間を密封した。その後、真空チャンバー内に窒素ガスを流入させることにより、チャンバー内を第2圧力である常圧に戻して有機EL層側基板と蓋部とを密着させた。
(接触部形成工程)
次に、蓋部を介してエネルギー密度500mJ/cm、スポット径10μmφ、波長355nm、パルス幅5nsecのYAGレーザー光を照射して、補助電極を覆う有機層を除去し、補助電極を露出させて接触部を形成した。なお、レーザー光の照射回数は形成する接触部1箇所あたり1回とした。
(電子注入層および透明電極層形成工程)
その後、蓋部を剥離して、接触部において露出した補助電極に電気的に接続されるようにフッ化リチウムを膜厚0.5nmとなるように真空蒸着法により成膜し、電子注入層を形成した。次いで、カルシウムを膜厚10nm、アルミニウムを膜厚5nmとなるように真空蒸着法により成膜し、透明電極層を形成した。
このようにして有機EL表示装置を作製した。
(評価)
作製した有機EL表示装置の発光評価を行った。有機EL層側基板上に形成された補助電極に接続している取り出し電極をマイナス端子に、画素電極に接続している取り出し電極側をプラス端子に接続し、電流を流したところ、上記有機EL表示装置の発光が確認された。以上より、有機EL表示装置で、補助電極と透明電極とを電気的に接続可能な接触部は、上述した照射条件のレーザー光を1回照射することにより形成可能であることが確認された。
1 … 有機EL層側基板
2 … 基板
3 … 画素電極
4 … 補助電極
5 … スペーサ部
6 … 有機EL層
7 … 透明電極層
8 … 蓋部
9 … 接触部
10 … トップエミッション型有機EL表示装置
11 … 密着部
12 … 台座部
13 … レーザー照射部
14 … ステージ
P … パルスレーザー

Claims (1)

  1. 基板と、前記基板上に形成された複数の画素電極と、前記画素電極の間に形成された補助電極と、前記基板上に形成されたスペーサ部と、前記画素電極上に形成され、複数の有機層から構成されており、少なくとも発光層を有する有機エレクトロルミネッセンス層と、前記補助電極上に形成された少なくとも1層の前記有機層と、前記補助電極上に形成された前記有機層の開口部である接触部と、前記有機エレクトロルミネッセンス層および前記接触部上に形成された透明電極層とを有し、前記スペーサ部は、前記接触部および前記接触部に隣接する前記画素電極の間に形成されており、また、前記透明電極層は、前記補助電極と前記接触部で電気的に接続されているトップエミッション型有機エレクトロルミネッセンス表示装置を製造するトップエミッション型有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
    前記基板、前記画素電極、前記補助電極、前記スペーサ部、および前記有機エレクトロルミネッセンス層を有し、前記補助電極上の全面に少なくとも1層の前記有機層が形成された有機エレクトロルミネッセンス層側基板を準備する有機エレクトロルミネッセンス層側基板準備工程と、
    第1圧力下で、前記有機エレクトロルミネッセンス層側基板準備工程で得られた前記有機エレクトロルミネッセンス層側基板に蓋部を対向させ、前記スペーサ部の頂部に前記蓋部が前記有機層を介して接触するように配置して、前記有機エレクトロルミネッセンス層側基板および前記蓋部の間の空間を密封する減圧密封工程と、
    前記減圧密封工程で密封された前記有機エレクトロルミネッセンス層側基板および前記蓋部の外周の空間を第2圧力に調整して前記有機エレクトロルミネッセンス層側基板および前記蓋部を密着させる密着工程と、
    前記蓋部を介してレーザー光を照射して、前記補助電極上に形成された前記有機層を除去して前記接触部を形成する接触部形成工程とを有し、
    前記レーザー光を照射するレーザー照射部と、前記有機エレクトロルミネッセンス層側基板とは、相対的に移動を行い、
    前記接触部を形成する前記レーザー光の照射回数は前記接触部1箇所あたり1回であり、
    前記レーザー光のパルス幅は前記補助電極上の前記有機層を1回の照射で除去可能となるパルス幅であり、
    前記レーザー光の波長は紫外光領域の波長であることを特徴とするトップエミッション型有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
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