JP2015044948A - 微細セルロース繊維複合体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(a)セルロースに疎水基とアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維、及び(b)天然及び/又は合成樹脂エマルジョン、を含有するセルロース繊維複合体。
【選択図】なし
Description
(1) (a)セルロースに疎水基とアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維、及び(b)天然及び/又は合成樹脂エマルジョン、を含有するセルロース繊維複合体。
(2) 微細セルロース繊維が、セルロース繊維原料の水酸基に対して、疎水基とアニオン性基とを併せ持つ化合物を導入する工程によって製造されたものである、(1)に記載のセルロース繊維複合体。
(3) 微細セルロース繊維が、(a)セルロース繊維原料を疎水基で置換された無水コハク酸により処理するセルロースのハーフエステル化工程、(b)上記ハーフエステル化工程で得られたハーフエステル化されたセルロースをアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程、及び(c)上記アルカリ処理されたセルロースを解繊処理する解繊処理工程を含む方法によって製造された微細セルロース繊維である、(1)又は(2)に記載のセルロース繊維複合体。
(5) セルロースに疎水基とアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維の分散液と、天然及び/又は合成樹脂エマルジョンとを混合してセルロース−樹脂エマルジョン分散液を得る工程の後に、溶媒を除去し、固形分を回収する工程をさらに含む、(4)に記載の製造方法。
(6) (1)から(3)の何れかに記載の微細セルロース繊維複合体を含む、繊維強化材。
(7) (1)から(3)の何れかに記載の微細セルロース繊維複合体を含む繊維強化材を成形することにより得られる成形品。
<セルロース繊維原料>
微細セルロース繊維の原料となるセルロース繊維原料としては、製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻、麦わら、バガスなどの非木材系パルプ、ホヤや海草などから単離されるセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましい。製紙用パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP)など)、針葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)など)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。これらの中でも、より入手しやすいことから、クラフトパルプ、脱墨パルプ、サルファイトパルプが好ましい。セルロース繊維原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
本発明においては、セルロース繊維原料のセルロースの水酸基に対して疎水基とアニオン性基とを導入する工程によって、セルロースに疎水基とアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維を製造することができる。上記したセルロース繊維原料のセルロースの水酸基に対して疎水基とアニオン性基とを導入する工程は、好ましくはアルカリの存在下において行うことができる。
本発明の一例においては、セルロース繊維原料を疎水基とアニオン性基とを併せ持つ化合物により処理することができる。疎水基とアニオン性基とを併せ持つ化合物としては、具体的には、疎水基で置換された無水コハク酸などを使用することができる。方法Aの一例としては、セルロース繊維原料を疎水基で置換された無水コハク酸により処理するセルロースのハーフエステル化工程と、上記ハーフエステル化終了後に、カルボキシ基を導入したセルロースをアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程とによって、セルロースに疎水基とアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維を製造することができる。
アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、疎水基で置換された無水コハク酸でハーフエステル化したセルロースを浸漬する方法が挙げられる。アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。無機アルカリ化合物としては、アルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩またはアルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ金属のリン酸塩またはアルカリ土類金属のリン酸塩が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられ、アルカリ土類金属の水酸化物としては、水酸化カルシウムが挙げられる。
アルカリ金属のリン酸塩としてはリン酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸3ナトリウム、リン酸水素2ナトリウムなどが挙げられる。アルカリ土類金属のリン酸塩としてはリン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムなどが挙げられる。
例えば、アンモニア、ヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジアミノエタン、ジアミノプロパン、ジアミノブタン、ジアミノペンタン、ジアミノヘキサン、シクロヘキシルアミン、アニリン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム等が挙げられる。
本発明の別の例においては、セルロース繊維原料を(好ましくはアルカリの存在下において)アニオン化剤で処理する工程と、(好ましくはアルカリの存在下において)疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程とによって、セルロースの水酸基の水素原子の一部が疎水基で置換され、さらにセルロースの別の水酸基の水素原子の一部がアニオン性基で置換されている微細セルロース繊維を製造することができる。セルロース繊維原料をアニオン化剤で処理する工程と、疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程の順番は特に限定されず、セルロース繊維原料をアニオン化剤で処理する工程を行ってから、疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程を行ってもよい。あるいは、セルロース繊維原料を疎水基を導入するための化学修飾剤で処理する工程を行ってから、アニオン化剤で処理する工程を行ってもよい。
酸化剤としては、オゾン、二酸化塩素、過酸化水素、過酢酸、過硫酸、過マンガン酸、塩素、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸またはこれらの塩等の水溶液、六価クロム酸硫酸混液、ジョーンズ試薬(無水クロム酸の硫酸酸性溶液)、クロロクロム酸ピリジリニウム(PCC試薬)などのクロム酸酸化試薬、Swern酸化などに使われる活性化ジメチルスルホキシド試薬、また触媒的な酸化が生じるテトラプロピルアンモニウムテルルテナート(TPAP)や、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)などのN−オキシル化合物等が挙げられる。これらのうち、セルロース繊維にカルボキシ基を導入する効率が高いため、オゾン、TEMPO、過酸化水素、二酸化塩素が好ましく、オゾン、TEMPOがより好ましい。
カルボン酸系化合物による処理では、セルロース分子が有するヒドロキシ基と、カルボン酸系化合物とが脱水反応して、極性基(−COO-)を形成する。これにより、セルロース繊維間の結合力が弱まり、解繊性が向上する。
2つのカルボキシ基を有する化合物としては、プロパン二酸(マロン酸)、ブタン二酸(コハク酸)、ペンタン二酸(グルタル酸)、ヘキサン二酸(アジピン酸)、2−メチルプロパン二酸、2−メチルブタン二酸、2−メチルペンタン二酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2−ブテン二酸(マレイン酸、フマル酸)、2−ペンテン二酸、2,4−ヘキサジエン二酸、2−メチル−2−ブテン二酸、2−メチル−2ペンテン二酸、2−メチリデンブタン二酸(イタコン酸)、ベンゼン−1,2−ジカルボン酸(フタル酸)、ベンゼン−1,3−ジカルボン酸(イソフタル酸)、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸(テレフタル酸)、エタン二酸(シュウ酸)等のジカルボン酸化合物が挙げられる。
2つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物の誘導体としては、ジメチルマレイン酸無水物、ジエチルマレイン酸無水物、ジフェニルマレイン酸無水物等の、カルボキシ基を有する化合物の酸無水物の少なくとも一部の水素原子が置換基(例えば、アルキル基、フェニル基等)で置換されたものが挙げられる。
これらのうち、工業的に適用しやすく、また、ガス化しやすいことから、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水フタル酸が好ましい。
具体的には、リン酸;リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどのリン酸のナトリウム塩;ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウムなどのポリリン酸のナトリウム塩;リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウムなどのリン酸のカリウム塩;ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウムなどのポリリン酸のカリウム塩;リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウムなどのリン酸のアンモニウム塩;ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウムなどのポリリン酸のアンモニウム塩が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記のうちでも、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムが好ましい。
セルロースにおけるアニオン性基の含有量は0.1〜2.0mmol/gであることが好ましく、0.1〜1.5mmol/gであることがより好ましく、0.2〜1.2mmol/gであることがさらに好ましい。アニオン性基の含有量が前記範囲であれば、微細セルロース繊維の水和性が高くなり過ぎず、スラリーがした際の粘度が低くなる。アニオン性基の含有量が上記の上限値を超えると、水和性が高くなりすぎて微細セルロース繊維が溶解するおそれがあり好ましくない。
本発明においては、疎水基とアニオン性基とが導入されたセルロース繊維を解繊処理することができる。解繊処理工程では、通常、解繊処理装置を用いて、アルカリ処理セルロースを解繊処理して、微細セルロース繊維懸濁液を得ることができる。
本発明においては、解繊処理工程後に、微細セルロース繊維分散液を、平均繊維幅が2〜100nmになるように精製する精製工程を行ってもよい。なお精製工程は行ってもよいし、行わなくてもよい。精製工程によって微細セルロース繊維分散液を精製すれば、大きな繊維径を有する繊維が除去されて、微細セルロース繊維の外観をより良好できると共に物性をより向上させることができる。強度が重視されるような用途に微細セルロース繊維を使用する場合には、精製工程によって大きな繊維からなる破壊核が少なくなるため、強度のばらつきや低下を防ぐことができる。
微細セルロース繊維は、通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに細く且つ短いI型結晶構造のセルロース繊維あるいは棒状粒子であることが好ましい。
微細セルロース繊維がI型結晶構造を有していることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおいて、2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークを有することで同定することができる。
微細セルロース繊維は、電子顕微鏡で観察して求めた平均繊維幅が2〜1000nmのセルロースであることが好ましい。微細セルロース繊維の平均繊維幅は2〜100nmがより好ましく、2〜50nmがさらに好ましく、2〜30nmが特に好ましく、2〜15nmが最も好ましい。微細セルロース繊維の平均繊維幅が前記上限値を超えると、微細セルロース繊維としての特性(高強度や高剛性、高寸法安定性、樹脂と複合化した際の高分散性、透明性)を得ることが困難になる。微細セルロース繊維の平均繊維幅が前記下限値未満であると、セルロース分子として分散媒に溶解してしまうため、微細セルロース繊維としての特性(高強度や高剛性、高寸法安定性)を得ることが困難になる。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線Xと垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
微細セルロース繊維の平均繊維長は、0.1〜5.0μmが好ましい。平均繊維長が前記下限値以上であれば、微細セルロース繊維を樹脂に配合した際の強度向上効果が充分に得られる。平均繊維長が前記上限値以下であれば、微細セルロース繊維を樹脂に配合した際の混合性がより良好となる。繊維長は、前記平均繊維幅を測定する際に使用した電子顕微鏡観察画像を解析することにより求めることができる。すなわち、上記のような電子顕微鏡観察画像に対して、直線Xに交錯する繊維、直線Yに交錯する繊維の各々について少なくとも20本(すなわち、合計が少なくとも40本)の繊維長を読み取る。こうして上記のような電子顕微鏡画像を少なくとも3組以上観察し、少なくとも40本×3組(すなわち、少なくとも120本)の繊維長を読み取る。このように読み取った繊維長を平均して平均繊維長を求める。
本発明によれば、セルロースに疎水基とアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維の分散液と、天然及び/又は合成樹脂エマルジョンとを混合してセルロース−樹脂エマルジョン分散液を得る工程を含む、本発明のセルロース繊維複合体の製造方法が提供される。本発明によれば、従来の手法では避けられなかった微細セルロース繊維の凝集や沈降といった問題が解決され、微細セルロース繊維が均一に分散した複合体を得ることができる。また、疎水基により樹脂との親和性が高まり、優れた補強効果を発揮できる。
本発明で用いる天然及び/又は合成樹脂エマルジョンは、樹脂エマルジョン、ラテックス等が挙げられ、その中でも、合成樹脂水性エマルジョン、ゴム水性ラテックスが好ましい。合成樹脂水性エマルジョンとしては、酢酸ビニル系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリビニルアルコール系の樹脂エマルジョンが挙げられる。これら1種を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ゴム水性ラテックスとしては、例えば天然ゴム( N R ) 、ポリイソプレンゴム(I R ) 、スチレン− ブタジエン共重合体ゴム( S B R ) 、ポリブタジエンゴム( B R ) 、ブチルゴム( I I R ) 、ニトリルゴム( N B R ) 、クロロプレンゴム( C R ) 、アクリルゴム( A C M ) 、フッ素ゴム( F K M ) などが挙げられる。これら1種を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも天然ゴムラテックスが好ましい。
原料分散液の製造方法は特に限定されず、使用される各成分を混合することにより調製することができる。通常は、微細セルロース繊維を分散した分散液と樹脂エマルジョンとを混合することにより調製することができる。
本発明によればさらに、上記した微細セルロース繊維複合体を含む、繊維強化材が提供される。本発明の繊維強化材は、上記した微細セルロース繊維複合体から得たものであり、樹脂中に微細セルロース繊維が分散しているものである。繊維強化材は、例えば、上記微細セルロース繊維複合体に各種添加剤を配合し、混練することにより得ることができる。また、上記微細セルロース繊維複合体に樹脂をさらに配合し、混練することにより得ることもできる。添加剤としては、シリカ粒子やカーボンブラック、繊維などの、無機、有機のフィラー、シランカップリング剤、加硫剤、ステアリン酸、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤などが挙げられる。
加硫剤としては、有機過酸化物または硫黄系加硫剤を使用することができる。有機過酸化物としては通常使用される各種のものが使用可能であるが、中でも、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン及びジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、例えば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができ、中でも硫黄が好ましい。これらの加硫剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
加硫する場合には、加硫剤と共に加硫促進剤、加硫促進助剤を添加してもよい。
加硫時間は、生産性などの点から、5分以上が好ましく、10分以上がより好ましく、15分以上がさらに好ましい。一方、加硫時間は180分以下が好ましい。
加硫は複数回にわたって、温度・時間を変更して実施してもよい。
以下の実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
(製造例1)
固形分濃度30%の広葉樹クラフトパルプ(LBKP)を乾燥質量4gと4Nの水酸化ナトリウム8g、オクテニル無水コハク酸2g(乾燥パルプ100質量部に対して50質量部)とをよく混合し、130℃で2時間加熱攪拌した。次いで、オクテニル無水コハク酸で処理されたパルプを500mLの水で3回洗浄した後、イオン交換水を添加して490mLのスラリーを調製した。次いで、スラリーを攪拌しながら、4Nの水酸化ナトリウム水溶液10mLを少しずつ添加し、スラリーのpHを12〜13として、パルプをアルカリ処理した。その後、pHが8以下になるまで、アルカリ処理後のパルプを水で洗浄した。置換基量(カルボキシ基量)を測定したところ、0.44mmol/gであった。
解繊パルプスラリーにイオン交換水を添加してスラリー固形分濃度0.2質量%に調整し、冷却高速遠心分離機(コクサン社、H−2000B)を用い、12000Gの条件で遠心分離し、これにより分離した上澄み液を、微細セルロース繊維の水分散液1として回収した。
オクテニル無水コハク酸の代わりに、オクチル無水コハク酸を用いた以外は製造例1と同様に行い、微細セルロース繊維の水分散液2として回収した。置換基量(カルボキシ基量)を測定したところ、0.39mmol/gであった。
セルロースを含む繊維原料として、カルボキシ基含有量0.06mmol/g、パルプ濃度30質量%(水分70質量%)、絶乾質量換算で20gの広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)を用意した。上記LBKPを容器内に収容し、その容器にオゾン濃度200g/m3のオゾン・酸素混合気体を5L導入し、25℃で2分間振とうした。このときのオゾン添加率はパルプ乾燥質量に対して5質量%であった。6時間静置した後、容器内のオゾンおよび空気を除去してオゾン酸化処理を終了した。
解繊パルプスラリーにイオン交換水を添加してスラリー固形分濃度0.2質量%に調整し、冷却高速遠心分離機(コクサン社、H−2000B)を用い、12000Gの条件で遠心分離し、これにより分離した上澄み液を、微細セルロース繊維の水分散液3として回収した。
オクテニル無水コハク酸の代わりに、オクチル無水コハク酸を用いた以外は製造例3と同様に行い、微細セルロース繊維の水分散液4として回収した。置換基量(カルボキシ基量)を測定したところ、0.76mmol/gであった。
オクテニル無水コハク酸を用いなかった以外は製造例1と同様に行い、微細セルロース繊維の水分散液5として回収した。
セルロースを含む繊維原料として、カルボキシ基含有量0.06mmol/g、パルプ濃度30質量%(水分70質量%)、絶乾質量換算で20gの広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)を用意した。上記LBKPを容器内に収容し、その容器にオゾン濃度200g/m3のオゾン・酸素混合気体を5L導入し、25℃で2分間振とうした。このときのオゾン添加率はパルプ乾燥質量に対して5質量%であった。6時間静置した後、容器内のオゾンおよび空気を除去してオゾン酸化処理を終了した。処理終了後、イオン交換水で懸濁洗浄し、洗浄水のpHが6以上になるまで洗浄を繰り返した。その後、ろ紙を用いて減圧ろ過し、セルロース繊維濃度30質量%の酸化処理パルプを得た。
解繊パルプスラリーにイオン交換水を添加してスラリー固形分濃度0.2質量%に調整し、冷却高速遠心分離機(コクサン社、H−2000B)を用い、12000Gの条件で遠心分離し、これにより分離した上澄み液を、微細セルロース繊維の水分散液6として回収した。
(実施例1)
天然ゴムラテックス(固形分濃度:20質量%)100部に対してIKAホモジナイザーを用いて11000rpmで攪拌しながら、製造例1で得た微細セルロース繊維分散液1(0.2質量%)5質量部を添加し、さらに10分間攪拌して混合液を得た。混合液を真空乾燥機を用いて110℃、3時間乾燥して、微細セルロース繊維複合体1を得た。
製造例2で得た微細セルロース繊維分散液2を用いて実施例1と同様に微細セルロース繊維複合体2を得た。
製造例3で得た微細セルロース繊維分散液3を用いて実施例1と同様に微細セルロース繊維複合体3を得た。
製造例4で得た微細セルロース繊維分散液4を用いて実施例1と同様に微細セルロース繊維複合体4を得た。
製造例5で得た微細セルロース繊維分散液5を用いて実施例1と同様に微細セルロース繊維複合体5を得た。
製造例6で得た微細セルロース繊維分散液6を用いて実施例1と同様に微細セルロース繊維複合体6を得た。
微細セルロース繊維分散液を添加せずに実施例1と同様に固形ゴムを得た。
実施例1〜4及び比較例1及び2の微細セルロース繊維複合体は、以下のように評価した。
各々の微細セルロース繊維複合体に下記のように添加剤を添加し、加硫して、加硫ゴム組成物からなる繊維強化材を作製し、その繊維強化材の機械的物性を測定した。
すなわち、微細セルロース繊維複合体105質量部を固形ゴム100質量部に変更した以外は上記微細セルロース繊維複合体の評価と同様にして繊維強化材を得た。そして、上記微細セルロース繊維複合体の評価と同様に、繊維強化材の機械的物性を測定した。測定結果を表1に示す。
Claims (7)
- (a)セルロースに疎水基とアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維、及び(b)天然及び/又は合成樹脂エマルジョン、を含有するセルロース繊維複合体。
- 微細セルロース繊維が、セルロース繊維原料の水酸基に対して、疎水基とアニオン性基とを併せ持つ化合物を導入する工程によって製造されたものである、請求項1に記載のセルロース繊維複合体。
- 微細セルロース繊維が、(a)セルロース繊維原料を疎水基で置換された無水コハク酸により処理するセルロースのハーフエステル化工程、(b)上記ハーフエステル化工程で得られたハーフエステル化されたセルロースをアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程、及び(c)上記アルカリ処理されたセルロースを解繊処理する解繊処理工程を含む方法によって製造された微細セルロース繊維である、請求項1又は2に記載のセルロース繊維複合体。
- セルロースに疎水基とアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維の分散液と、天然及び/又は合成樹脂エマルジョンとを混合してセルロース−樹脂エマルジョン分散液を得る工程を含む、請求項1から3の何れか1項に記載のセルロース繊維複合体の製造方法。
- セルロースに疎水基とアニオン性基とが導入されている微細セルロース繊維の分散液と、天然及び/又は合成樹脂エマルジョンとを混合してセルロース−樹脂エマルジョン分散液を得る工程の後に、溶媒を除去し、固形分を回収する工程をさらに含む、請求項4に記載の製造方法。
- 請求項1から3の何れか1項に記載の微細セルロース繊維複合体を含む、繊維強化材。
- 請求項1から3の何れか1項に記載の微細セルロース繊維複合体を含む繊維強化材を成形することにより得られる成形品。
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