以下、本発明の一実施形態を図1〜図22に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのプロジェクタ装置10の概略構成が示されている。
プロジェクタ装置10は、例えば建物の床もしくは設置台に載置された状態、建物の天井から吊り下げられた状態、建物の壁に掛けられた状態等で用いられる。以下では、図1に示されるZ軸方向を鉛直方向とするXYZ3次元直交座標系を適宜用いて説明する。
プロジェクタ装置10は、一例として、光源装置5、光偏向装置1000、画像処理部40などを備えている。
光源装置5は、一例として、3つのレーザダイオードLD1〜LD3、3つのコリメートレンズCR1〜CR3、3つのダイクロイックミラーDM1〜DM3などを含む。
レーザダイオードLD1は、一例として、赤色レーザであり、赤色光(波長640nm)を+Y方向に射出するように配置されている。
レーザダイオードLD2は、一例として、青色レーザであり、青色光(波長450nm)を+Y方向に射出するように、レーザダイオードLD1の+X側に配置されている。
レーザダイオードLD3は、一例として、緑色レーザであり、緑色光(波長520nm)を+Y方向に射出するように、レーザダイオードLD2の+X側に配置されている。
各レーザダイオードは、LD制御回路50によって制御される。
コリメートレンズCR1は、一例として、レーザダイオードLD1の+Y側に配置されており、レーザダイオードLD1から射出された赤色光を略平行光とする。
コリメートレンズCR2は、一例として、レーザダイオードLD2の+Y側に配置されており、レーザダイオードLD2から射出された青色光を略平行光とする。
コリメートレンズCR3は、一例として、レーザダイオードLD3の+Y側に配置されており、レーザダイオードLD3から射出された緑色光を略平行光とする。
3つのダイクロイックミラーDM1〜DM3は、それぞれ、例えば誘電体多層膜などの薄膜から成り、特定の波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過させる。
ダイクロイックミラーDM1は、一例として、コリメートレンズCR1の+Y側に、X軸及びY軸に対して例えば45°傾斜して配置されており、コリメートレンズCR1を介した赤色光を+X方向に反射させる。
ダイクロイックミラーDM2は、一例として、ダイクロイックミラーDM1の+X側、かつコリメートレンズCR2の+Y側に、X軸及びY軸に対して例えば45°傾斜して配置されており、ダイクロイックミラーDM1を介した赤色光を+X方向に透過させ、コリメートレンズCR2を介した青色光を+X方向に反射させる。
なお、ダイクロイックミラーDM1を介した赤色光及びコリメートレンズCR2を介した青色光は、それぞれダイクロイックミラーDM2の中央付近に入射する。
ダイクロイックミラーDM3は、一例として、ダイクロイックミラーDM2の+X側かつコリメートレンズCR3の+Y側に、X軸及びY軸に対して例えば45°傾斜して配置されており、ダイクロイックミラーDM2を介した赤色光及び青色光を+X方向に透過させ、コリメートレンズCR3を介した緑色光を+X方向に反射させる。
なお、ダイクロイックミラーDM2を介した赤色光及び青色光、並びにコリメートレンズCR3を介した緑色光は、それぞれダイクロイックミラーDM3の中央付近に入射する。
ダイクロイックミラーDM3を介した3つの光(赤色光、青色光及び緑色光)は、1つの光に合成される。この場合、3つのレーザダイオードLD1〜LD3の発光強度の強弱のバランスにより、合成された光の色が表現されるようになっている。
結果として、光源装置5は、3つのレーザダイオードLD1〜LD3からの3つのレーザ光が合成されてなるレーザ光(合成光)を+X方向に、すなわち光偏向装置1000に向けて射出する。
ここで、プロジェクタ装置10の全体動作について簡単に説明する。例えばパソコン等の上位装置からの画像情報が画像処理部40に入力され、画像処理部40で所定の処理(例えば歪み補正処理、画像サイズ変更処理、解像度変換処理等)が施され、LD制御回路50に送られる。LD制御回路50は、画像処理部40からの画像情報に基づいて強度変調した駆動信号(パルス信号)を生成し、駆動電流に変換する。そして、LD制御回路50は、光偏向装置1000からの同期信号に基づいて、各レーザダイオードの発光タイミングを決定し、該発光タイミングで、駆動電流を供給して、該レーザダイオードを駆動する。なお、上記強度変調は、駆動信号のパルス幅を変調しても良いし、駆動信号の振幅を変調しても良い。光偏向装置1000は、光源装置5からのレーザ光(合成光)を、XZ平面に平行に張設されたスクリーンSの表面(被走査面)に向けて互いに直交する二軸周り(ここでは、X軸周り及びX軸に直交する軸周り)に独立に偏向する。この結果、レーザ光によりスクリーンSが互いに直交する二軸方向(ここでは、Z軸方向及びX軸方向)に2次元走査され、スクリーンS上に2次元のフルカラー画像が形成される。以下では、X軸方向を主走査方向とも称し、Z軸方向を副走査方向とも称する。なお、各レーザダイオードを直接変調する強度変調に代えて、該レーザダイオードから射出されたレーザ光を光変調器で変調(外部変調)しても良い。
次に、光偏向装置1000について詳細に説明する。光偏向装置1000は、図2(A)に示されるように、一例として、+Y側の面が反射面であるミラー部100、該ミラー部100をX軸に直交する第1軸(例えばZ軸)周りに駆動する第1駆動部150(第1圧電アクチュエータ)、ミラー部100をX軸に平行な第2軸周りに駆動する第2駆動部200(第2圧電アクチュエータ)、ミラー部100の第1軸周りの位置情報を検出する第1検出部250(図9参照)、ミラー部100の第2軸周りの位置情報を検出する第2検出部(不図示)、制御装置としてのコントローラ300(図9参照)、メモリ400(記憶部)などを備えている。
光偏向装置1000では、一例として、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセスによって、各構造部が一体的に形成されている。簡単に言うと、光偏向装置1000は、1枚のシリコン基板1に切れ込みを入れて複数の可動部(弾性変形部)を形成し、各可動部に複数の圧電部材を設けることで作成される(図2(B)及び図2(A)参照)。ミラー部100の反射面は、一例として、シリコン基板1の+Y側の面に形成された例えばアルミニウム、金、銀等の金属薄膜である。
第1駆動部150は、一例として、図2(A)及び図2(B)に示されるように、ミラー部100の第1軸方向の両端に個別に一端が連続し、第1軸方向に延びる一対のトーションバー部105a、105bと、該一対のトーションバー部105a、105bそれぞれの第1軸方向の他端に自由端が連続するカンチレバー部106と、ミラー部100を第1軸方向に挟むようにカンチレバー部106の+Y側の面に設けられた一対の第1駆動用圧電部材15、16と、を有している。
ここでは、一対のトーションバー部105a、105bは同径かつ同長である。カンチレバー部106は、第1軸方向を長手方向とする矩形板状である。2つの第1駆動用圧電部材15、16は、同形かつ同大の第2軸方向を長手方向とする矩形板状である。第1駆動用圧電部材の第2軸方向(長手方向)の長さは、カンチレバー部106の第2軸方向の長さと同程度である。第1駆動用圧電部材の第1軸方向(短手方向)の長さは、トーションバー部の第1軸方向の長さよりも幾分短い。
第1駆動部150では、一対の第1駆動用圧電部材15、16に電圧(駆動電圧)が並列に印加されると、該一対の第1駆動用圧電部材15、16が変形して、カンチレバー部106が撓み、一対のトーションバー部105a、105bを介してミラー部100に第1軸周りの一方向の駆動力が作用し、ミラー部100が第1軸周りの一方向に揺動する。
そこで、一対の第1駆動用圧電部材15、16に正の正弦波電圧(例えば直流電圧+正弦波交流電圧)を並列に印加することで、ミラー部100を、第1軸周りに該正弦波電圧の周期で振動させることができる(図5参照)。
第1検出部250は、一例として、図2(A)、図2(B)、図9に示されるように、一対の第1駆動用圧電部材15、16を第1軸方向に挟むようにカンチレバー部106の+Y側の面に設けられた一対の第1検出用圧電部材25、26と、各第1検出用圧電部材に接続された第1アンプ500と、該第1アンプ500に接続されたコンパレータ600とを有している。このように、第1駆動用圧電部材15と第1検出用圧電部材25とは、カンチレバー部106を介して一体に、すなわち一体的に設けられている。第1駆動用圧電部材16と第1検出用圧電部材26とは、カンチレバー部106を介して一体に、すなわち一体的に設けられている。
ここでは、2つの第1検出用圧電部材25、26は、同形かつ同大の第2軸方向を長手方向とする細長い矩形板状である。第1検出用圧電部材の第2軸方向(長手方向)の長さは、カンチレバー部106の第2軸方向の長さと同程度である。第1検出用圧電部材の第1軸方向(短手方向)の長さは、第1駆動用圧電部材の第1軸方向の長さの例えば1/10〜1/2程度である。第1検出用圧電部材25は、カンチレバー部106の第1軸方向の一側(−Z側)の端部であって、トーションバー部105aの第1軸方向の他端(−Z側の端)付近に配置されている。第1検出用圧電部材26は、カンチレバー部106の第1軸方向の他側(+Z側)の端部であって、トーションバー部105bの第1軸方向の他端(+Z側の端)付近に配置されている。
第1検出部250では、一対の第1駆動用圧電部材15、16に電圧が並列に印加されることでカンチレバー部106が撓むと、一対の第1検出用圧電部材25、26が変形し、変形量に応じた電圧(検出電圧)を発生させ、その電圧信号は、アンプ500で増幅され、コンパレータ600で二値化される。
第2駆動部200は、一例として、図2(A)及び図2(B)に示されるように、カンチレバー部106の固定端に一端が連続し、蛇行状に(折り返すように)連続する2つの梁をそれぞれが含む一対の蛇行部210a、210bと、蛇行部210aの2つの梁101、102の+Y側の面に個別に形成された2つの第2駆動用圧電部材11、12、蛇行部210bの2つの梁103、104の+Y側の面に個別に形成された2つの第2駆動用圧電部材13、14と、を有している。
ここでは、各蛇行部の2つの梁は、同形かつ同大の第1軸方向を長手方向とする矩形板状である。各第2駆動用圧電部材は、同形かつ同大の第1軸方向を長手方向とする矩形板状である。第2駆動用圧電部材の第1軸方向(長手方向)の長さは、梁の第1軸方向の長さと同程度である。第2駆動用圧電部材の第2軸方向(短手方向)の長さは、梁の第1軸方向の長さよりも幾分短い。
第2駆動部200では、2つの第2駆動用圧電部材11、13に電圧が並列に印加されると、該2つの第2駆動用圧電部材11、13が変形して、該2つの第2駆動用圧電部材11、13が設けられた2つの梁101、103が撓み(図7(A)及び図7(B)参照)、ミラー部100が第2軸周りの一方向に揺動する。
また、第2駆動部200では、2つの第2駆動用圧電部材12、14に電圧が並列に印加されると、該2つの第2駆動用圧電部材12、14が変形して、該2つの第2駆動用圧電部材12、14が設けられた2つの梁102、104が撓み(図7(A)及び図7(B)参照)、ミラー部100が第2軸周りの他方向に揺動する。以下では、便宜上、2つの第2駆動用圧電部材11、13を併せて駆動用圧電部材対DP1と称し、2つの第2駆動用圧電部材12、14を併せて駆動用圧電部材対DP2と称する。
そこで、駆動用圧電部材対DP1、DP2に振幅及び周期が等しい鋸波電圧を逆位相で印加することで、ミラー部100を、第2軸周りに該鋸波電圧の周期で振動させることができる(図6参照)。
結果として、第1駆動部150及び第2駆動部200を含んで、ミラー部100を第1軸及び第2軸周りに独立に駆動する駆動手段が構成されている。
第2検出部は、蛇行部210aの2つの梁101、102の+Y側の面に個別に設けられた2つの第2検出用圧電部材21、22、蛇行部210bの2つの梁103、104の+Y側の面に個別に設けられた2つの第2検出用圧電部材23、24と、を有している。詳述すると、第2検出用圧電部材21は、梁101に第2駆動用圧電部材11に第2軸方向に隣接して設けられている。第2検出用圧電部材22は、梁102に第2駆動用圧電部材12に第2軸方向に隣接して設けられている。第2検出用圧電部材23は、梁103に第2駆動用圧電部材13に第2軸方向に隣接して設けられている。第2検出用圧電部材24は、梁104に第2駆動用圧電部材14に第2軸方向に隣接して設けられている。
ここでは、各第2検出用圧電部材は、同形かつ同大の第1軸方向を長手方向とする細長い矩形板状である。第2検出用圧電部材の第1軸方向(長手方向)の長さは、梁の第1軸方向の長さと同程度である。第2検出用圧電部材の第2軸方向(短手方向)の長さは、第2駆動用圧電部材の第1軸方向の長さの例えば1/10〜1/2程度である。
第2検出部では、駆動用圧電部材対DP1に電圧が印加されることで2つの梁101、103が撓むと、該2つの梁101、103に設けられた2つの第2検出用圧電部材21、23が変形し、変形量に応じた電圧(検出電圧)を発生させ、その電圧信号は、アンプで増幅され、コンパレータで二値化される。
また、第2検出部では、駆動用圧電部材対DP2に電圧が印加されることで2つの梁102、104が撓むと、該2つの梁102、104に設けられた2つの第2検出用圧電部材22、24が変形し、変形量に応じた電圧(検出電圧)を発生させ、その電圧信号は、アンプで増幅され、コンパレータで二値化される。
すなわち、第1検出部250及び第2検出部を含んで、ミラー部100の第1軸及び第2軸周りの位置情報を個別に検出する位置情報検出手段が構成されている。
そして、第1駆動部150と、第2駆動部200とを含んで、ミラー部100を支持する支持部が構成されている。
第1駆動部150、第2駆動部200、第1検出部250、第2検出部の各圧電部材は、一例として、圧電材料としてのPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。圧電部材は、分極方向に電圧が印加されると印加電圧の電位に比例した歪み(伸縮)が生じる、いわゆる逆圧電効果を発揮する。また、圧電部材は、力を加えると、該力に応じた電圧を分極方向に発生させる、いわゆる圧電効果を発揮する。
図3には、各圧電部材と、対応する電極との配線の一例が示されている。ここでは、2つの第2駆動用圧電部材11、13に、共通の駆動電極であるSDA(Sub Drive Ach)が結線(配線を介して接続)されている。2つの第2駆動用圧電部材12、14に、共通の駆動電極であるSDB(Sub Drive Bch)が結線されている。2つの第1駆動用圧電部材15、16に、共通の駆動電極であるMD(Main Drive)が結線されている。
また、第2検出用圧電部材21に検出電極SSA1(Sub Sense Ach−1)が結線されている。第2検出用圧電部材22に検出電極SSB1(Sub Sense Bch−1)が結線されている。第2検出用圧電部材23に検出電極SSA2(Sub Sense Ach−2)が結線されている。第2検出用圧電部材24に検出電極SSB2(Sub Sense Bch−2)が結線されている。
図4には、カンチレバー部106の−Y側の面における各第1駆動用圧電部材及び各第1検出用圧電部材に対応する位置、並びに2つの蛇行部210a、210bの−Y側の面における各第2駆動用圧電部材及び各第2検出用圧電部材に対応する位置に設けられたGND電極(xxxG、GはGNDの意味)が示されている。各圧電部材に対応するGND電極は、該圧電部材の符号に記号「’」が付加された符号で示されている。各駆動用圧電部材に、分極時に印加した電圧と同じ極性の電圧、例えば分極時にGND基準で+の極性の電圧(例えば+30V)を印加すると、該駆動用圧電部材に引っ張る力が発生する。すなわち、全体が”縮む”方向に変形する。逆に、各検出用圧電部材に力が作用すると微弱な電圧が発生し、この電圧により電荷がチャージされて該検出用圧電部材と、対応する電極端子(検出電極)との間に電流が流れる。
なお、ここでは、圧電部材がシリコン基板1の一面(例えば+Y側の面)のみに設けられた場合を一例として説明したが、配線のレイアウトや圧電部材の作成上の自由度を向上させるため、シリコン基板1の他面(例えば−Y側の面)にのみ設けても良いし、シリコン基板の一面及び他面(例えば+Y側及び−Y側の面)の双方に設けても良い。いずれにしても、これらの圧電部材や電極の形成はほぼ半導体プロセスに準じるものであり、大量生産によりコストダウンを図ることができる。
図5は、第1駆動部150の動作、すなわちミラー部100の第1軸周りの動作を説明するための図である。図5では、グラフの下方にミラー部100及び第1駆動部150を第1軸方向の一側から見た模式図が時系列で示されている。
時刻t1では、MD−MDG間の電圧(正の正弦波電圧)がゼロとなっており、第1駆動部150の各第1駆動用圧電部材の変位はゼロであり、ミラー部100の傾きも0である。時刻t2(時刻t1から1/4周期後)では、該第1駆動用圧電部材が図5において下方に凸となるように湾曲し(撓み)、ミラー部100は、図5において左側ほど低くなるように幾分傾く。時刻t3(時刻t1から1/2周期後)では、各第1駆動用圧電部材が図5において下方に凸となるように最大に湾曲し、ミラー部100は、図5において左側ほど低くなるように最大に傾く。時刻t4(時刻t1から3/4周期後)では、時刻t2と同じ状態となり、時刻t5(時刻t1から1周期後)では、時刻t1と同じ状態となる。以後、時刻t6、t7、t8・・・では、時刻t2、t3、t4・・・と同じ状態となる。
このようにして、ミラー部100は、正の正弦波電圧と概ね同じ周期で、かつ該正弦波電圧の振幅に概ね対応する振幅で第1軸周りに周期的に振動する。なお、図5では、ミラー部100を第1軸周りに振動させる際、少ない投入エネルギーでできるだけ大きな振幅を得るために“共振”で動作させている。
図6は、第2駆動部200の動作、すなわちミラー部100の第2軸周りの動作を説明する図である。図6では、グラフの下方にミラー部100及び第2駆動部200を第2軸方向の一側から見た模式図が時系列で示されている。図6のグラフにおける上側の波形がSDA−SDAG間の電圧を示し、下側の波形がSDB−SDBG間の電圧を示している。これらの電圧は、振幅及び周期が等しく、位相が互いに180度反転した鋸波である。
時刻t0では、SDA−SDAG間の電圧が最大であり、SDB−SDBG間の電圧がゼロであり、ミラー部100は、図6において右側ほど低くなるように最大に傾く(最大傾斜状態となる)。時刻t1では、SDA−SDAG間の電圧が最大電圧のおおよそ1/4、SDB−SDBG間の電圧が最大電圧のおおよそ3/4であり、ミラー部100は、図6において右側ほど低くなるように最大傾斜状態の半分の角度だけ傾く。時刻t2では、SDA−SDAG間、SDB−SDBG間とも、電圧が最大電圧のおおよそ中間の電圧であり、図6において傾きが0となる。時刻t3では、SDA−SDAG間の電圧が最大電圧のおおよそ3/4、SDB−SDBG間の電圧が最大電圧のおおよそ1/4であり、図6において時刻t0における最大傾斜状態の逆向きの(左側ほど低くなる)最大傾斜状態の半分の角度だけ傾く。時刻t4では、SDA−SDAG間の電圧がゼロ、SDB−SDBG間の電圧が最大電圧であり、図6において時刻t0における最大傾斜状態の逆向きの最大傾斜状態となる。時刻t5では、SDA−SDAG間の電圧が最大であり、SDB−SDBG間の電圧がゼロであり、図6において時刻t0と同様に右側ほど低くなるように最大に傾く。時刻t6、t7、t8・・・では、時刻t2、t3、t4・・・と同じ状態となる。
このようにして、ミラー部100は、鋸波電圧と概ね同じ周期で、かつ該鋸波電圧の振幅に概ね対応する振幅で第2軸周りに周期的に振動する。
図7(A)及び図7(B)は、光偏向装置1000の第2駆動部200の動作状態を示す斜視図(ミラー部100及び各圧電部材は省略)である。図7(A)には、図6における時刻t0、t5の状態、すなわちSDA−SDAG間の電圧が最大で、かつSDB−SDBG間の電圧が0である状態が示されている。図7(B)には、図6における時刻t4の状態、すなわちすなわちSDA−SDAG間の電圧が0で、かつSDB−SDBG間の電圧が最大である状態が示されている。
図8(A)及び図8(B)は、それぞれ図7(A)及び図7(B)に示される状態をより詳細に説明するための図である。図8(A)及び図8(B)から分かるように、第2軸周りに振動するミラー部100に光が入射されると、反射光が第2軸周りにスキャン(偏向走査)されることが分かる。なお、ミラー部100は、第1軸周りにも振動するため、ミラー部100に入射される光は第1軸周りに直線的にスキャンされ、その走査線が第2軸周りにスキャンされる。このようにして、ラスタスキャン動作が行われる。
第2駆動部200によるミラー部100の振動の駆動周波数は、数十Hz程度である。一般的な画像或いは映像を扱う場合、60Hzで動作させることが多い。
このように、第1駆動部150では共振現象を利用してできるだけ少ないエネルギーで動作させるのに対し、第2駆動部200では非共振で動作させるため、各第2駆動用圧電部材の変位量が小さい。
そこで、上述の如く、第2駆動部200では、シリコン基板1に一対の蛇行部210a、210bを形成し、各蛇行部の2つの梁に2つの第2駆動用圧電部材を個別に設け、該2つの第2駆動用圧電部材を並列に動作させることで、変位量を稼ぐようにしている。
図9には、コントローラ300の構成がブロック図にて示されている。コントローラ300は、第1検出部250での検出結果に基づいて各第1駆動用圧電部材を制御し、第2検出部での検出結果に基づいて各第2駆動用圧電部材を制御する。第1駆動用圧電部材の制御と第2駆動用圧電部材の制御は、概ね同様に行われるため、以下では、第1駆動用圧電部材の制御について説明する。すなわち、図9では、各第2駆動用圧電部材及び第2検出部の図示が省略されている。
コントローラ300は、図9に示されるように、制御部300a、波形生成部300b、カウンタA、カウンタBなどを含む。制御部300aには、例えばパソコン等の上位装置からの画像情報が画像処理部40に入力されたときに、イネーブル信号(EN)が入力されるようになっている。
ここで、メモリ400は、コントローラ300に接続されている。メモリ400には、駆動電圧(正弦波電圧)の周期の初期値Ti、駆動電圧の振幅の初期値Aiが保存されている。
制御部300aは、イネーブル信号が入力されたときに、メモリ400からTi、Aiを読み出し、波形生成部300bに送る。また、制御部300aは、カウンタAでのカウント値とカウンタBでのカウント値とを比較し、両者が等しい場合は、カウンタA又はカウンタBでのカウント値を波形生成部300bに送り、両者が異なる場合には、カウンタBでのカウント値を波形生成部300bに送る。
波形生成部300bは、制御部300aからのTi、Aiに基づいて、駆動電圧波形を生成し、該駆動電圧波形(電圧信号)を、アンプ700を介して各第1駆動用圧電部材に出力するとともに、二値化してカウンタAに送る。そして、波形生成部300bは、制御部300aからのカウント値に基づいて、必要に応じて駆動電圧波形を補正し、補正後の駆動電圧波形を各第1駆動用圧電部材にアンプ700を介して出力する。このように、制御部300a、波形生成部300b、カウンタA、Bを含んで、駆動電圧波形を補正する波形補正手段が構成されている。
カウンタAは、波形生成部300bからの駆動電圧の例えば1周期(Ti)分の二値化信号のパルス数をカウントし、カウント値(Cdrv)を制御部300aに送る。
カウンタBは、コンパレータ600からの検出電圧の例えば1周期分の二値化信号のパルス数をカウントし、カウント値(Csns)を制御部300aに送る。
図10は、各駆動用圧電部材、各検出用圧電部材、各電極との具体的な接続状態を示す図である。第1駆動部150の2つの第1駆動用圧電部材15、16は、アンプa(アンプ700)を介してMD端子に接続されている。第1検出部250の2つの第1検出用圧電部材25、26は、アンプb(アンプ500)を介してMS端子に接続されている。
第2駆動部200の2つの第2駆動用圧電部材11、13から成る駆動用圧電部材対DP1及び2つの第2駆動用圧電部材12、14から成る駆動用圧電部材対DP2は、それぞれ差動アンプdを介してSDA端子及びSDB端子に接続されている。
4つの第2検出用圧電部材21、22、23、24は、差動アンプcを介してそれぞれSSA1端子、SSB1端子、SSA2端子、SSB2端子に接続されている。
次に、コントローラ300で行われる制御を、図11のフローチャートを参照して説明する。この制御は、制御部300aにイネーブル信号が入力されたときに開始される。
最初のステップS1では、制御部300aは、メモリ400からTi、Aiを読み出し、波形生成部300bに送る。
次のステップS3では、波形生成部300bは、制御部300aからのTi、Aiに基づいて、駆動電圧波形を生成し、アンプ700を介して各第1駆動用圧電部材に出力するとともに、二値化してカウンタAに送る。
次のステップS5では、制御部300aは、カウンタAでのカウント値Cdrvを取得する。
次のステップS7では、制御部300aは、カウンタBが検出電圧を受信したか否かを判断する。ステップS7での判断が否定されると同じ判断が再び行われる。ステップS7での判断が肯定されると、ステップS9に移行する。
ステップS9では、制御部300aは、カウンタBでのカウント値Csnsを取得する。
次のステップS11では、制御部300aは、CdrvとCsnsが等しいか否かを判断する。ステップS11での判断が否定されると、ステップS13に移行する。一方、ステップS11での判断が肯定されると、ステップS15に移行する。
ステップS13では、制御部300aは、Csnsを選択する。すなわち、制御部300aは、駆動電圧波形を補正するためのカウント値としてCsnsを波形生成部300bに送る。ステップS13が実行されると、ステップS17に移行する。
ステップS15では、制御部300aは、Cdrv又はCsnsを選択する。この場合、Cdrv及びCsnsは同じ値であり、駆動電圧波形を補正しないことを意味する。ステップS15が実行されると、ステップS17に移行する。
ステップS17では、イネーブル信号(EN)が0か否かが判断される。ステップS17での判断が否定されると、ステップS3に戻る。この場合、ステップS3では、波形生成部300bで、Aiと、Cdrv又はCsnsとを用いて駆動電圧波形が生成される。例えば、Cdrv=1000カウント、Csns=1100カウントである場合(図17(A)及び図17(B)参照)、すなわち検出電圧波形の周期が駆動電圧波形の周期よりも長い場合、駆動電圧波形は、一周期分の二値化信号のパルスカウント数が1100カウントになるように、すなわち検出電圧波形と同じ周期になるように生成される(図17(C)参照)。この結果、駆動電圧波形と検出電圧波形の位相差を一定(目標値(例えば90°))にすることができ、ひいてはミラー部100を第1軸周りに安定して振動させることができる。
一方、ステップS17での判断が肯定されると、フローは、終了する。
図12(A)には、各第1駆動用圧電部材に印加される駆動電圧波形が示され、図12(B)には、各第1検出用圧電部材が発生させる検出電圧波形が示されている。ここでは、図12(A)及び図12(B)から分かるように、検出電圧波形の位相が駆動電圧波形に対して90°遅れている。90°の遅れは、1周期360°に対して1/4周期に相当する。なお、この位相差は必ずしも共振周波数での位相差を示すものではない。また、図12(A)及び図12(B)に示されるように、検出電圧波形にスレッショルド電圧Vthを設け、このスレッショルド電圧Vthを超えたタイミングt3で画像を描画するタイミング(画素クロック)を生成することが可能である。なお、t1、t5のタイミングでは、画素クロックは生成されない。
図13(A)及び図13(B)には、圧電部材の周波数特性の一例が示されている。図13(A)は、ゲイン特性を示し、図13(B)は、位相特性を示している。周波数F0は、共振周波数、周波数F1が非共振の任意の周波数である。
図13(A)及び図13(B)に示されるように、圧電部材を共振周波数F0よりも低い周波数側と高い周波数側で駆動させると、ゲイン及び位相が非対称になる場合がある。フェーズロックドループ回路では特に位相特性が重要である。すなわち、フェーズロックドループ回路では共振周波数前後で対称性が良いことが前提となるため、このような場合、フェーズロックドループ回路では制御が困難である。
そこで、本実施形態では、特性の変化が急峻な共振点付近から高周波数側にずれた、共振周波数よりも若干高い周波数F1で動作させるようにする。周波数F1での位相は圧電部材毎に異なっていても良く、測定によって個別に記録されるものである。
図14(A)及び図14(B)には、周波数F1で動作させたときの、駆動電圧波形と検出電圧波形の位相差Δθの目標値が例えば90°の場合が示されている。図15(A)及び図15(B)は、図14(A)及び図14(B)における位相を、カウンタA、Bのカウント値で置き換えたものであり、1周期を1000カウントとした場合、位相差ΔPが90°であれば、カウンタA、Bでのカウント値の差(カウント差)ΔCは、250となる。
図16(A)及び図16(B)には、駆動電圧波形と検出電圧波形の位相差Δθが例えば99°である場合が示されており、図13(A)を参照すると、駆動用圧電部材は、Δθが90°である場合よりもゲインが低下する状態で(周波数F1よりも高い周波数で)動作していることが分かる。図17(A)及び図17(B)は、図16(A)及び図16(B)の位相を、カウンタA、Bのカウント値で置き換えたものであり、ΔC=275である。
そこで、Δθが目標値90°になるように、波形生成部300bで駆動電圧波形を補正しても良い。具体的には、波形生成部300bで一周期分のカウント値が275×4=1100となるように駆動電圧波形の周期を補正すれば良い。この場合にも、ゲイン(ミラー部100の第1軸周りの振動の振幅)を一定に保つことができる。より詳細には、360°/Δθの目標値(例えば90°)、又は駆動電圧の1周期のカウント数(例えば1000)/カウント差ΔC(例えば250)をメモリ400に予め格納しておき、適宜読み出し、カウンタBでのカウント値に乗じることで、駆動電圧波形の周期を補正することができる。
図18には、図12(A)及び図12(B)に示された方法、すなわち電圧信号(検出電圧)から画像を描画するタイミングt3(画素クロック)を生成して画像を描画する方法の一例が示されている。図18では、便宜上、行き(往路)と帰り(復路)の描画が重ならないようにしているが、実際には行きと帰りが重なって同じ画を打つタイミングが発生することがある。
そこで、本実施形態では、描画タイミングは行きもしくは帰りのいずれかから生成する。何故なら、往復の両方で生成すると、検出電圧波形の対称性が良くないとタイミングが大きくずれるためである。図18では行きと帰りの描画タイミングを、行き(t3)のタイミングで生成している。従来は、第1軸周り(主走査方向)の周波数を一定にしておき、描画タイミングを図19に示されるように得るか、図20、図21に示されるように、フォトダイオード或いは検出素子から得るようにしていた。
図19は、一般的なフェーズロックドループ回路で構成したアクチュエータ駆動システムの一例であり、位相比較器、ローパスフィルタ(或いはループフィルタ)、電圧制御発信器、駆動部、検出部から構成される。この場合、ミラー部を安定して制御するためには、駆動部の経時の物理的特性変化が小さく、かつ周辺温度の変化に対する性能の安定性が高い必要、すなわち経時の特性変化が小さい必要がある。
図20には、従来のアクチュエータ駆動システムの一例が示されており、画像描画領域外にフォトダイオード等の光検出器を配置し、光が光検出器を横切るタイミングを検出して第1軸周り(主走査方向)、第2軸周り(副走査方向)の描画タイミング信号を生成する。この場合、実際のミラー部の動きを検知できるが、ミラー部を駆動するアクチュエータとは別にミラー部の動きを検知するための光源と光検知器が必要となり、コストアップ並びにシステムの複雑化を招いていた。
図21には、従来のアクチュエータ駆動システムの一例が示されており、アクチュエータは電磁型で、ミラー部を含むフレームの可動部に検出素子を設け、この検出素子からの信号で第1軸周り(主走査方向)、第2軸周り(副走査方向)の描画タイミング信号を生成していた。この場合、フレームが圧電素子で形成されているものについても、駆動系とは別に検知系の素子及び処理回路が必要になり、コストアップ並びにシステムの複雑化を招いていた。
ところで、図22に示されるように、実際のミラーの動きと描画タイミングt3がずれると、往復で同じ場所に同じ画を描画することができなくなる、すなわち往復ずれが発生する。
なお、図22に示されるような往復ずれに対しては、本実施形態では、位相を基準にして描画する周波数とタイミングの両方を決定しているため、往復ずれをゼロもしくは極めて小さくすることができる。
ところで、アクチュエータ(駆動手段)の経時の特性変化が小さければ、従来のようにフェーズロックドループ回路を好適に用いることができるが、フェーズロックドループ回路の各構成要素がアナログ回路であり、一度定数を決めた後は変更することが極めて困難である。従って、アクチュエータの上記特性変化が大きい場合には、フェーズロックドループ回路を用いることは好ましくない。また、圧電部材を用いたアクチュエータ(圧電アクチュエータ)においては、工程的に、或いはプロセス的に、圧電部材の各種特性のばらつきが大きい。充分な数のサンプルを評価してばらつきを把握し、充分な歩留まりが確保出来れば良いが、ばらつきが大きく、歩留まりが確保できない場合もある。更に、圧電部材には、その物理的特性が経時で変化する特性、温度特性(周辺温度の変化に対して性能が変化する特性)等の経時の特性変化があるため、安定に制御するのが極めて困難であった。
以上説明した本実施形態の光偏向装置1000は、反射面を有するミラー部100と該ミラー部100を支持する支持部とを備え、前記反射面に入射された光を偏向する。そして、支持部は、駆動用圧電部材を含み、ミラー部100を少なくとも一軸(第1軸及び第2軸)周りに駆動する駆動手段と、駆動用圧電部材と一体的に設けられた検出用圧電部材と、を有している。また、光偏向装置1000は、駆動用圧電部材に駆動電圧を印加するコントローラ300を更に備え、駆動用圧電部材に駆動電圧が印加されたときに検出用圧電部材が発生させる検出電圧と駆動電圧とが所定の関係を満たすように(例えば駆動電圧と検出電圧の位相差が目標値になるように)駆動電圧を補正可能である。
この場合、駆動用圧電部材に経時の特性変化があっても、検出用圧電部材が発生させる電圧、すなわちミラー部100の少なくとも一軸周りの位置情報に基づいて、駆動用圧電部材に印加される電圧を適正に制御できる。
すなわち、駆動手段の経時の特性変化によらず、ミラー部を適正に制御することができる。
また、光偏向装置1000では、フェーズロックドループ回路や外付けのフォトダイオード、検出素子などを用いなくても、ミラー部100を安定して精度良く制御することができる。すなわち、コストアップを抑制しつつ、ミラー部100を安定して制御できる。
また、駆動電圧は周期的に変化し、コントローラ300は、駆動電圧と検出電圧の位相差が目標値(例えば90°)になるように駆動電圧を補正するため、ミラー部100を安定して精度良く制御できる。
また、コントローラ300は、駆動電圧の周期を検出電圧の周期に合わせるため、駆動電圧の周期をミラー部100の振動の周期に合わせることができ、ミラー部100を安定して効率良く振動させることができる。
また、駆動電圧の波形はアナログ波形(例えば鋸波)であり、コントローラ300は、駆動電圧(例えば一周期分)が二値化された二値化信号のパルス数をカウントするカウンタAと、検出電圧(例えば一周期分)が二値化された二値化信号のパルス数をカウントする第2のカウンタと、を有し、カウンタAでのカウント値とカウンタBでのカウント値とが異なる場合に、カウンタBでのカウント値を用いて駆動電圧を補正する。この場合、簡単な制御でミラー部100を安定して効率良く振動させることができる。
また、光偏向装置1000は、検出用圧電部材に接続されたアンプ500と、該アンプ500及び前記カウンタBに接続されたコンパレータ600と、を更に備えているため、検出用圧電部材が発生させた電圧を二値化してカウンタBに安定して供給することができる。
また、プロジェクタ装置10は、画像情報に基づいて変調された光によりスクリーンSの表面(被走査面)を走査して画像を形成する画像形成装置であり、光を射出する光源装置5と、該光源装置5からの光を偏向する光偏向装置1000と、を備えている。
この場合、スクリーンSの表面を安定して精度良く走査でき、高品質な画像を形成できる。
なお、図23に示される変形例1の光偏向装置2000のように、温度センサTSを設けるとともに、装置周辺の温度に対応する補正用テーブルPをメモリ400に格納しても良い。変形例1では、コントローラ310は、温度センサTSからの温度情報及び補正用テーブルPに基づいて、駆動電圧波形を補正する。
図24には、補正用テーブルP、すなわち装置周辺の温度に関する係数及び駆動電圧と検出電圧の位相差[deg]の関係が示されている。係数は位相差[deg]を360[deg]で割った値である。このように、係数は温度特性を有しており、室温である25℃から大きく変動することが分かる。図25には、各温度での上記係数を、室温25℃を1.000として換算して得られた補正係数が示されている。コントローラ310は、装置周辺の温度が変化した場合に、カウンタBでのカウント数に補正用テーブルPに含まれる変化後の温度に対応する補正係数を乗じることで、温度変化に対応する駆動電圧波形を生成する。
変形例1の光偏向装置2000によると、圧電部材が温度特性を有する場合でも、周辺の温度変化によらず、ミラー部100を安定して制御できる。
また、図26に示される変形例2の光偏向装置3000のように、コントローラ320に動作時間を測定するタイムカウンタT(動作時間測定部)を設けるとともに、経時に対応する補正用テーブルQをメモリ400に格納しても良い。変形例2では、コントローラ320は、温度センサTSからの温度情報、補正用テーブルP、Qに基づいて、駆動電圧波形を補正する。
図27には、補正用テーブルQ、すなわち動作時間(経過時間)に関する補正係数が示されている。この補正係数は、図25と同様に、各経過時間での係数を、経過時間0を1.000として換算して得られたものである。このように、係数は経時特性も有しており、動作開始時点である経過時間0から大きく変動することが分かる。
変形例2では、コントローラ320は、カウンタBでのカウント値に動作時間毎の補正係数を乗じることで、圧電部材の経時の特性変化に対応する駆動電圧波形を生成する。勿論、この動作時間に関する補正係数を、上述した温度に関する補正係数とともにカウンタBでのカウント値に乗ずることが可能であり、この場合、環境温度の変化、圧電部材の経時の物理的変化の両方に対応することができる。なお、図27には、3000時間経過時までしか示されていないが、この後は経時の特性変化がないことが分かっているため、3000時間経過後は3000時間経過時での値(補正係数)を用いれば良い。
変形例2の光偏向装置3000によると、環境温度の変化及び圧電部材の経時の物理的変化の少なくとも一方がある場合でも、該物理的変化によらず、ミラー部100を安定して制御できる。
また、図28に示される変形例3の光偏向装置4000のように、検出用圧電部材が発生させた検出電圧をアンプ500、A/Dコンバータ800を介してカウンタBに送るようにしても良い。
この場合、位相検出のタイミングを高精度に決めることができ、かつ振幅を測定することができるので、駆動電圧と検出電圧の位相差の補正(位相制御)及び駆動電圧の振幅の補正(振幅制御)を行うことができ、ミラー部100の制御をより高精度に行うことができる。
そして、位相制御と振幅制御を異なるタイミング(時間帯)に行うことで、位相制御と振幅制御の相互干渉の影響を抑止することができ、位相制御及び振幅制御をより高精度に行うことができる。
なお、駆動電圧の振幅の補正は、一例として、検出電圧の振幅の目標値を予め設定しておき(例えばメモリ400に保存し)、検出電圧の振幅が目標値未満のときに駆動電圧の振幅を大きくし、検出電圧の振幅が目標値よりも大きいときに駆動電圧の振幅を小さくするようにして行われても良い。この場合、検出電圧の振幅はミラー部100の一軸周りの振動の振幅に対応するため、ミラー部100を一軸周りに一定の振幅で安定して振動させることができる。なお、検出電圧の振幅が目標値に一致するときは、補正をする必要はない。
また、一例として、駆動電圧と検出電圧の振幅の比又は差の目標値を予め設定しておき(例えばメモリ400に保存し)、駆動電圧と検出電圧の振幅の比又は差が目標値になるように(所定の関係を満たすように)駆動電圧の振幅を補正しても良い。この場合も、ミラー部100を一軸周りに一定の振幅で安定して振動させることができる。なお、駆動電圧と検出電圧の振幅の比又は差が目標値に一致するときは、補正する必要はない。
また、上記実施形態では、駆動電圧と検出電圧の位相差を補正するために、駆動電圧の周期を検出電圧の周期に合わせているが、これに代えて又は加えて、駆動電圧の振幅を調整しても良い。例えば駆動電圧の振幅を大きくすることで、検出電圧の立ち上がり特性を向上させ、検出電圧の駆動電圧に対する位相遅れを解消することができる。
また、駆動手段を含む支持部の構成は、上記実施形態で説明したものに限らず、適宜変更可能である。例えば上記実施形態の駆動手段は、ミラー部を互いに直交する二軸(第1軸及び第2軸)周りに独立に駆動しているが、例えばミラー部100を一軸周りにのみ駆動しても良い。この場合、光偏向装置を2つ組み合わせて、2つのミラー部を互いに直交する二軸周りにそれぞれ駆動するようにしても良い。また、第1駆動部は、カンチレバー部(片持ち梁)を有しているが、これに代えて、両持ち梁を有していても良い。また、第2駆動部の各蛇行部における梁の数は、適宜変更可能である。また、例えば第1駆動部は、第2駆動部と同様の構成を有していても良い。また、例えば第2駆動部は、第1駆動部と同様の構成を有していても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてのプロジェクタ装置10に光偏向装置1000が配備されているが、これに限らず、例えば図29に示される画像形成装置としてのヘッドアップディスプレイ7に光偏向装置1000〜4000のいずれかが配備されても良い。ヘッドアップディスプレイ7は、例えば車両、航空機、船舶等に搭載される。
詳述すると、ヘッドアップディスプレイ7は、一例として図29に示されるように、光偏向装置で偏向されたレーザ光の光路上に配置されたXZ平面に沿って2次元配列された複数のマイクロレンズ60aを含むマイクロレンズアレイ60(光透過部材)と、該マイクロレンズアレイ60を介したレーザ光の光路上に配置された半透明部材70(例えばコンバイナ)と、を備えている。この場合、光偏向装置による第1軸及び第2軸周りのレーザ光の偏向動作に伴い該レーザ光によりマイクロレンズアレイ60が2次元走査され、マイクロレンズアレイ60上に画像が形成される。そして、マイクロレンズアレイ60を介した画像光が半透明部材70に入射し、該画像光の虚像が形成される。すなわち、観察者は、半透明部材70を介して画像光の虚像を視認することができる。この際、マイクロレンズアレイ60によって画像光が拡散されるため、所謂スペックルノイズを低減することができる。
なお、マイクロレンズアレイ60に代えて、マイクロレンズアレイ以外の光透過部材(例えば透過スクリーン)を用いても良い。また、例えばマイクロレンズアレイ、透過スクリーン等の光透過部材と半透明部材70との間の光路上に例えば凹面鏡、平面鏡等のミラーを設けても良い。また、半透明部材70を例えば車両、航空機、船舶等の光透過窓部(例えば窓ガラス)で代用しても良い。
そこで、ヘッドアップディスプレイ7と、該ヘッドアップディスプレイ7の光偏向装置で偏向され上記光透過部材を透過した光の光路上に配置された光透過窓部(例えば窓ガラス)と、を備える車両(例えば自動車、列車等)を提供することができる。この場合、上記光透過部材を透過した画像光が光透過窓部に入射し、該画像光の虚像が形成される。すなわち、観察者は、光透過窓部を介して画像光の虚像を視認することができる。
また、光偏向装置1000〜4000のいずれかを、ヘッドアップディスプレイ7と同様の構成のヘッドマウントディスプレイに配備しても良い。
また、上記実施形態における光偏向装置の各構成部材の配置、大きさ、形状、数、材質等は、適宜変更可能である。
また、上記実施形態における光源装置5の構成は、適宜変更可能である。例えば、光源装置5は、光の3原色に対応する3つのレーザダイオードを有しているが、1つ又は4つ以上のレーザダイオードを有していても良い。この場合、レーザダイオードの数に応じて、コリメートレンズ、ダイクロイックミラーの数(0を含む)を変更しても良い。
また、上記実施形態では、光源として、レーザダイオード(端面発光レーザ)を用いているが、これに限らない。例えば、面発光レーザを用いても良いし、レーザ以外の光源を用いても良い。
また、光偏向装置のコントローラの構成は、適宜変更可能である。要は、コントローラは、駆動用圧電部材に駆動電圧を印加し、該駆動用圧電部材と一体的に設けられた検出用圧電部材が発生させる検出電圧と前記駆動電圧とが所定の関係を満たすように前記駆動電圧を補正可能であれば良い。また、上記実施形態では、メモリ400は、コントローラ300とは別に設けられているが、コントローラに内蔵されても良い。
また、上記実施形態では、駆動電圧の波形は、正弦波又は鋸波とされているが、これに限らず、要は、周期的なアナログ波形であることが好ましい。
また、上記実施形態では、カウンタAで1周期分の駆動電圧の二値化信号のパルス数がカウントされ、カウンタBで1周期分の駆動電圧の二値化信号のパルス数がカウントされているが、これに限らず、要は、カウンタAでK周期分(K>0)の駆動電圧の二値化信号のパルス数がカウントされ、カウンタBでK周期分の駆動電圧の二値化信号のパルス数がカウントされれば良い。