JP2014219061A - 車両用ダンパ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダンパ装置に過大なトルクが入力された場合であっても、インプットシャフトに伝達されるトルクを低減できる車両用ダンパ装置を提供する。【解決手段】ライニングプレート70のライニング面92とダンパハブ58のハブ面88とが接触した場合に、傾斜した当たり面形状によって、入力された荷重Fを回転方向荷重Ftと軸方向荷重Fsとに分散できる。さらに、軸方向荷重Fsが作用することで、ライニングプレート70のライニング面92とダンパハブ58のハブ面88とが摺動するため、摩擦減衰効果(減衰力)も得ることができる。このように、ダンパ装置に入力されるトルクを分散させるとともに、摩擦力Ffriを発生させて減衰させることで、入力軸に入力されるトルクを低減することができる。【選択図】図5
Description
本発明は、車両用ダンパ装置に係り、特に、ダンパ装置を介して伝達されるインプットシャフトへの過大トルク低減に関するものである。
エンジンと変速機構のインプットシャフトとの間の動力伝達経路に介挿される車両用ダンパ装置がよく知られている。例えば、特許文献1のダンパ装置(トルク変動吸収装置1)がその一例である。特許文献1のダンパ装置は、エンジンのクランクシャフト(エンジン側回転軸6)にリミッタ部2を介して接続されているプレート(サイドプレート17、18)と、変速機のインプット側に接続されているダンパハブ(ハブ部材25)と、プレートとダンパハブとの間に介挿されている弾性体(コイルスプリング20)とを、備えて構成されている。また、プレートに設けられている突部とダンパハブとを接触させることで、プレートとダンパハブとの相対回転(捩れ)を規制するストッパが設けられている。
ところで、特許文献1をはじめとするダンパ装置に設けられる前記ストッパは、例えば波状路などの悪路走行時や低温下のエンジン始動時などにおいて発生する捩れ振動(捩れ共振)に起因して、プレートとダンパハブとの捩れ角が所定値に到達すると作動する。このとき、プレートとダンパハブとが接触するが、プレートとダンパハブとが弾性体を介すことなく接続された状態となるので、捩れ振動時に発生する過大なトルクが弾性体によって減衰されることなくインプットシャフトに直接伝達されることになる。従って、インプットシャフトがその過大なトルクに対応できるように、予めインプットシャフトの軸径を大きく設計する必要が生じ、それに起因してコストアップや重量化を招く問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ダンパ装置に過大なトルクが入力されてストッパが作動した場合であっても、インプットシャフトに伝達されるトルクを低減できる車両用ダンパ装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、第1発明の要旨とするところは、(a)エンジンと動力伝達装置との間の動力伝達経路に介挿される車両用ダンパ装置であって、(b)前記エンジンに接続されるライニングプレートと、前記動力伝達装置のインプットシャフトに接続されるダンパハブと、前記ライニングプレートと前記ダンパハブとの間に介挿された弾性体とを含み、(c)前記ライニングプレートと前記ダンパハブとの間に相対回転が生じると、前記ライニングプレートと前記ダンパハブとが接触して該相対回転を規制するストッパ部を備え、(d)該ストッパ部を構成する、前記ライニングプレートおよび前記ダンパハブの当たり面の少なくとも一方が周方向に傾斜していることを特徴とする。
このようにすれば、ライニングプレートとダンパハブとが当たり面で接触した場合に、傾斜した当たり面形状によって、入力された荷重を回転方向の荷重と軸方向の荷重とに分散できる。さらに、前記軸方向の荷重が作用することで、ライニングプレートとダンパハブとが当たり面で摺動するため、摩擦減衰効果も得ることができる。このように、ダンパ装置に入力されるトルクを分散させるとともに減衰させることで、インプットシャフトに入力されるトルクを低減することができる。従って、インプットシャフトの軸径増加を防止できるため、コストアップや重量増加を防止することができる。
また、好適には、前記当たり面の表面粗さが、予め設定されている所定値よりも大きくされている。このようにすれば、ライニングプレートとダンパハブとが接触して摺動した際に発生する摩擦力が大きくなり、この摩擦力による減衰効果も大きくなることから、インプットシャフトに入力されるトルクを速やかに減衰させることができる。
また、好適には、前記当たり面には、摩擦材がコーティングされている。このようにすれば、ライニングプレートとダンパハブとが接触して摺動した際に発生する摩擦力が大きくなり、この摩擦力による減衰効果も大きくなることから、インプットシャフトに入力されるトルクを速やかに減衰させることができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド形式の車両用駆動装置10を説明する概略構成図である。図1において、車両用駆動装置10は、エンジン12と、動力伝達装置13と、エンジン12と動力伝達装置13との間の動力伝達経路に介挿されているダンパ装置とを、含んで構成されている。この車両用駆動装置10では、車両において、主駆動力源であるエンジン12のトルクが出力部材として機能する動力伝達装置13の入力軸14に伝達され、その入力軸14から遊星歯車装置で構成される動力分配機構26や差動歯車装置16を介して左右一対の駆動輪18にトルクが伝達されるようになっている。また、この車両用駆動装置10には、走行のための駆動力を出力する力行制御およびエネルギを回収するための回生制御を選択的に実行可能な第2電動機MG2が設けられており、この第2電動機MG2は自動変速機22を介して車輪側出力軸30に連結されている。したがって、第2電動機MG2から車輪側出力軸30へ伝達される出力トルクがその自動変速機22で設定される変速比γs(=第2電動機MG2の回転速度Nmg2/車輪側出力軸の回転速度Nout)に応じて増減されるようになっている。なお、入力軸14が本発明のインプットシャフトに対応している。
エンジン12は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の内燃機関であって、マイクロコンピュータを主体とする図示しないエンジン制御用の電子制御装置(E−ECU)によって、スロットル弁開度や吸入空気量、燃料供給量、点火時期などの運転状態が電気的に制御されるように構成されている。上記電子制御装置には、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量センサAS、ブレーキペダルの操作の有無を検出するためのブレーキセンサBS等からの検出信号が供給されている。
動力分配機構26は、第1電動機MG1と、エンジン12および第1電動機MG1の間でトルクを合成もしくは分配するための差動機構として機能する遊星歯車装置28とを、含んで構成されている。
上記第1電動機MG1は、例えば同期電動機であって、駆動トルクを発生させる電動機としての機能と発電機としての機能とを選択的に生じるように構成され、インバータを介してバッテリー、コンデンサなどの蓄電装置に接続されている。そして、マイクロコンピュータを主体とする図示しないモータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)によってそのインバータが制御されることにより、第1電動機MG1の出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定されるようになっている。
遊星歯車装置28は、サンギヤS0と、そのサンギヤS0に対して同心円上に配置されたリングギヤR0と、これらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合うピニオンギヤP0を自転かつ公転自在に支持するキャリヤCA0とを三つの回転要素として備えて公知の差動作用を生じるシングルピニオン型の遊星歯車機構である。遊星歯車装置28はエンジン12および自動変速機22と同心に設けられている。遊星歯車装置28および自動変速機22は中心線に対して対称的に構成されているため、図1ではそれらの下半分が省略されている。
本実施例では、エンジン12のクランク軸36は、ダンパ装置38(本発明の車両用ダンパ装置に対応)および入力軸14を介して遊星歯車装置28のキャリヤCA0に連結されている。これに対してサンギヤS0には第1電動機MG1が連結され、リングギヤR0には車輪側出力軸30が連結されている。このキャリヤCA0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能している。
上記遊星歯車装置28において、キャリヤCA0に入力されるエンジン12の出力トルクに対して、第1電動機MG1による反力トルクがサンギヤS0に入力されると、出力要素となっているリングギヤR0には、直達トルクが現れるので、第1電動機MG1は発電機として機能する。また、リングギヤR0の回転速度すなわち車輪側出力軸30の回転速度(出力軸回転速度)Noutが一定であるとき、第1電動機MG1の回転速度Nmg1を上下に変化させることにより、エンジン12の回転速度(エンジン回転速度)Neを連続的に(無段階に)変化させることができる。
第2電動機MG2と駆動輪18(車輪側出力軸30)との間の動力伝達経路に介装されている自動変速機22は、変速比γsが「1」より大きい複数段を成立させることができるように構成されており、第2電動機MG2からトルクを出力する力行時にはそのトルクを増大させて車輪側出力軸へ伝達することができるので、第2電動機MG2が一層低容量もしくは小型に構成される。これにより、例えば高車速に伴って車輪側出力軸の回転速度Noutが増大した場合には、第2電動機MG2の運転効率を良好な状態に維持するために、変速比γsを小さくして第2電動機MG2の回転速度(以下、第2電動機回転速度という)Nmg2を低下させたり、また車輪側出力軸の回転速度Noutが低下した場合には、変速比γsを大きくして第2電動機回転速度Nmg2を増大させる。
自動変速機22は、一組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。すなわち自動変速機22では、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが設けられており、その第1サンギヤS1にステップドピニオンP1の大径部が噛合するとともに、そのステップドピニオンP1の小径部がピニオンP2に噛合し、そのピニオンP2が前記各サンギヤS1、S2と同心に配置されたリングギヤR1(R2)に噛合している。上記各ピニオンP1、P2は、共通のキャリヤCA1(CA2)によって自転かつ公転自在にそれぞれ保持されている。また、第2サンギヤS2がピニオンP2に噛合している。
第2電動機MG2は、前記モータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)によりインバータを介して制御されることにより、電動機または発電機として機能させられ、アシスト用出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定される。第2サンギヤS2にはその第2電動機MG2が連結され、上記キャリヤCA1が車輪側出力軸に連結されている。第1サンギヤS1とリングギヤR1とは、各ピニオンP1、P2と共にダブルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成し、また第2サンギヤS2とリングギヤR1とは、ピニオンP2と共にシングルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成している。
そして、自動変速機22には、第1サンギヤS1を選択的に固定するためにその第1サンギヤS1と非回転部材であるハウジング32との間に設けられた第1ブレーキB1と、リングギヤR1を選択的に固定するためにそのリングギヤR1とハウジング32との間に設けられた第2ブレーキB2とが設けられている。これらのブレーキB1、B2は摩擦力によって制動力を生じるいわゆる摩擦係合装置であり、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置を採用することができる。そして、これらのブレーキB1、B2は、それぞれ油圧シリンダ等のブレーキB1用油圧アクチュエータ、ブレーキB2用油圧アクチュエータにより発生させられる係合圧に応じてそのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。
以上のように構成された自動変速機22は、第2サンギヤS2が入力要素として機能し、またキャリヤCA1が出力要素として機能し、第1ブレーキB1が係合させられると「1」より大きい変速比γshの高速段Hが成立させられ、第1ブレーキB1に替えて第2ブレーキB2が係合させられるとその高速段Hの変速比γshより大きい変速比γslの低速段Lが成立させられるように構成されている。すなわち、自動変速機22は2段変速機で、これらの変速段HおよびLの間での変速は、車速Vや要求駆動力(もしくはアクセル操作量)などの走行状態に基づいて実行される。より具体的には、変速段領域を予めマップ(変速線図)として定めておき、検出された運転状態に応じていずれかの変速段を設定するように制御される。
図2は、図1に示すダンパ装置38の構造を詳細に説明するための断面図である。また、図3は、ダンパ装置38の外観図である。ダンパ装置38は、軸心Cを中心としてエンジン12と動力分配機構26との間に動力伝達可能に介挿されている。また、図2の断面図は、図3の切断線Aで切断した図(A−A断面図)に対応している。
ダンパ装置38は、エンジン12のクランク軸36に連結される入力プレート50と、入力プレート50に後述するトルクリミッタ機構52を介して動力伝達可能に連結されて軸心Cまわりに回転可能なディスクプレート56と、入力軸14に相対回転不能に接続されてディスクプレート56と同軸心まわりに相対回転可能なダンパハブ58と、ディスクプレート56とダンパハブ58との間に介挿され、ディスクプレート56とダンパハブ58とをそれ等の相対回転を所定の捩れ角範囲内に許容しつつこれらを接続するバネ鋼からなるコイルスプリング62と、ディスクプレート56とダンパハブ58との間でヒステリシストルクを発生させるヒステリシス機構64とを、含んで構成されている。なお、コイルスプリング62が、本発明の弾性体に対応している。
入力プレート50は、左右一対の円盤状のプレート50aおよびプレート50bから構成されている。プレート50aおよびプレート50bの外周側には、それぞれクランク軸36に連結されている図示しないフライホイールを締結するためのボルト締結穴が形成されている。従って、エンジン12が回転すると、図示しないフライホイールを介してその回転が入力プレート50に伝達され、入力プレート50が軸心Cまわりに回転させられる。
プレート50aおよびプレート50bの径方向の中間部は、それぞれ対向するプレート(50a、50b)に対して乖離する方向に軸方向に屈曲されている。これより、入力プレート50の内周側には、トルクリミッタ機構52を構成する部品を収容するための空間が形成されている。
トルクリミッタ機構52は、径方向において入力プレート50とディスクプレート56との間に設けられており、予め設定されているリミットトルクTlimを越えるトルク伝達を防止する機能を有している。トルクリミッタ機構52は、外周の一部がプレート50bに形成されている嵌合穴と嵌合する円盤状のプレッシャプレート66と、軸方向においてプレッシャプレート66とプレート50bとの間に介挿され、内周部がリベット68によってディスクプレート56に締結されている円板環状のライニングプレート70と、軸方向においてプレッシャプレート66とプレート50aとの間に予荷重状態で介挿されているコーン状の皿バネ72とを、含んで構成されている。
ライニングプレート70の軸方向の両側には、一対の摩擦材74が例えばリベットや接着によって固定されている。従って、プレッシャプレート66と摩擦材74との間、およびプレート50bと摩擦材74との間が摺動可能な摩擦面として機能する。皿バネ72は、予め設定されている皿バネ荷重Fでプレッシャプレート66を軸方向においてプレート50b側に押圧している。このようにトルクリミッタ機構52が構成されることにより、皿バネ72の皿バネ荷重F、プレッシャプレート66およびプレート50bと摩擦材74との間の摩擦面の摩擦係数μ、摩擦材74の有効径r(回転半径)に基づくリミットトルクTlimが設定される。このように構成されるトルクリミッタ機構52にリミットトルクTlimを越えるトルクが入力されると、プレッシャプレート66およびプレート50bと摩擦材74との間の摩擦面で滑りが生じ、リミットトルクTlimを越えるトルク伝達が防止される。なお、リミットトルクTlimは、一般にエンジン14の最大トルクTemaxから所定のマージンを持たせた値に設定され、そのリミットトルクTlimとなるように、皿バネ荷重F、摩擦係数μ、摩擦材74の有効径r等が調整される。
ディスクプレート56は左右一対の円盤状の第1ディスクプレート78(以下、第1プレート78という)および第2ディスクプレート80(以下、第2プレート80という)から構成され、コイルスプリング62などを軸方向に挟み込んだ状態で、外周部がリベット68によってライニングプレート70と共に互いに相対回転不能に締結されている。従って、ディスクプレート56は、ライニングプレート70と共に軸心Cまわりに回転する。
第1プレート78には、コイルスプリング62を収容するための第1スプリング収容穴78aが周方向に等角度間隔で3個形成されている。また、第2プレート80にも、コイルスプリング62を収容するための第2スプリング収容穴80aが周方向に等角度間隔で3個形成されている。この第1スプリング収容穴78aおよび第2スプリング収容穴80aが、周方向において同じ位相(回転位置)に形成されることで、コイルスプリング62がその第1、第2スプリング収容穴78a、80aによって形成される空間に収容される。
ダンパハブ58は、内周部に入力軸14をスプライン嵌合するための内周歯が形成されている円筒形状の円筒部58aと、その円筒部58aの外周部から径方向に伸びるフランジ部58bとを備えて構成されている。このフランジ部58bは、周方向に等角度間隔で3個形成されており、各フランジ部58bの間にはコイルスプリング62を収容するための空間が3箇所形成されている。コイルスプリング62は、各フランジ部58b間に形成される空間に介挿され、フランジ部58bと嵌合するスプリングシート82によってその両端が保持されている。
各コイルスプリング62の内部には、円柱状のクッション84がコイルスプリング62内を移動可能な状態でそれぞれ設けられている。クッション84は、例えば樹脂にグラファイトが添加されたものやゴムで構成され、コイルスプリング62の自由長さよりも全長が短く形成されている。
ヒステリシス機構64は、複数枚の摩擦材や皿バネを含んで構成され、予め設定されているのヒステリシスを発生させることができる。ヒステリシス機構64の具体的な構造および作動については、公知であるためその説明を省略する。
このように構成されるダンパ装置38において、例えばエンジン12の動力は、クランク軸36、図示しないフライホイールを介して入力プレート50に伝達される。さらに、トルクリミッタ機構52を介してディスクプレート56に伝達され、ディスクプレート56が軸心Cまわりに回転させられる。このとき、第1スプリング収容窓78aおよび第2スプリング収容窓80aに収容されているコイルスプリング62の一端側がスプリングシート82に押し当てられる。一方、コイルスプリング62の他端側がスプリングシート82を介してダンパハブ58のフランジ部58bに押し当てられ、ダンパハブ58が軸心Cまわりに回転させられる。このようにして、ディスクプレート56の回転がコイルスプリング62を介してダンパハブ58に伝達される。このとき、コイルスプリング62は、ディスクプレート56に入力されるトルクに応じて弾性変形しつつ動力をダンパハブ58に伝達することで、トルク変動がコイルスプリング62によって吸収される。また、ヒステリシス機構64が減衰機構として機能することで、トルク変動が減衰させられる。
ところで、波状路走行時などの悪路走行時や、低温下でのエンジン始動時において、捩れ振動(捩れ共振)が発生することがある。このとき、ライニングプレート70とダンパハブ58との相対回転角である捩れ角θが、予め設定されている最大捩れ角θmaxまで到達すると、ライニングプレート70とダンパハブ58とを接触(衝突)させて捩れ角θの増加を規制する、すなわち相対回転を規制する、後述する図4に示すストッパ部86が設けられている。このストッパ部86が設けられることで、コイルスプリング62などの部品が保護される。
図4は、図3のダンパ装置38において、ダンパハブ58およびライニングプレート70のみを取り出したものであって、特に捩れ角θが最大捩れ角θmaxとなったときの状態を示している。図4に示すように、ライニングプレート70の内周部には、内周側に突き出す内周突部90が等角度間隔で3個形成されている。
ストッパ部86は、ダンパハブ58のフランジ部58bの外周両端に形成されているハブ当たり面88と、ライニングプレート70の内周突部90の周方向両端に形成されているライニング当たり面92とから構成されている。ストッパ部86は、ダンパハブ58のフランジ部58bの外周部両側に形成されているハブ当たり面88(以下、ハブ面88)と、ライニングプレート70の内周突部90の周方向両端に形成されているライニング当たり面92(ライニング面92)とを、互いに接触(衝突)させることで相対回転を規制するものである。なお、ハブ当たり面88が本発明のダンパハブの当たり面に対応し、ライニング当たり面92が本発明のライニングプレートの当たり面に対応している。
このストッパ部86は、波状路などの悪路走行時や低温下でのエンジン始動時などにおいて、捩れ振動が発生した場合などで作動するが、この捩れ振動は周波数特性が比較的高いために、トルクリミッタ機構52が作動しない(滑らない)ことがある。従って、ストッパ部86が作動してハブ面88とライニング面92とが衝突した際に、トルクリミッタ機構52が作動しないためにリミットトルクTlimを超えるトルクが過渡的に伝達されることがある。このとき、エンジン12と入力軸14とがコイルスプリング62を介すことなく直結された状態となることから、入力軸14にもリミットトルクTlimを超えるトルクが入力されることとなる。これを考慮に入れて、従来では入力軸14の軸径を予め大きくしており、この入力軸14の軸径増加によってコストアップや重量化を招いていた。
そこで、本実施例のストッパ部86にあっては、互いに接触し会うダンパハブ58のハブ面88およびライニングプレート70のライニング面92の面形状を後述する形状とすることで、入力軸14に伝達されるトルクを低減することができる。
図5は、ストッパ部86として機能する、ダンパハブ58のハブ面88およびライニングプレート70のライニング面92の接触部を、図4において切断線Bで切断した断面図である。なお、切断線Bは、図4においてハブ面88とライニング面92とが接触する点(接触点)を結ぶ直線に対して垂直な線である。図5に示すように、ダンパハブ58のハブ面88およびライニングプレート70のライニング面92の当たり面(接触面)が、共に傾斜角αで周方向(回転方向)に傾斜して形成されている。言い換えれば、軸心Cと平行であって、且つ、図4において内周突部90の周方向端部の径方向に伸びる線(図4の平面において切断線Bに対して垂直な線)と平行な面に対して傾斜面αだけ傾斜されて形成されている。このように互いの当たり面(88、92)が傾斜して形成されると、互いの当たり面が接触したとき、図5に示すように、当たり面に対して垂直に荷重Fが作用するが、当たり面が傾斜しているためにその荷重Fが回転方向に作用する回転方向荷重Ftと軸方向に作用する軸方向荷重Fsとに分解される。
従来にあっては、上記当たり面が傾斜して形成されていなかった。従って、当たり面において荷重Fが作用すると、その荷重Fが全て回転方向への荷重となる。すなわち、ダンパ装置38に伝達されたトルクがそのまま入力軸14に伝達されることとなる。これに対して、本実施例の当たり面が傾斜されることで、荷重Fが回転方向荷重Ft(=F×cosα)と軸方向荷重Fs(=F×sinα)とに分解されるので、回転方向には回転方向荷重Ftが作用する。この回転方向荷重Ftは、荷重Fよりも小さくなる(Ft=F×cosα)ため入力軸14に伝達されるトルクが低減されることとなる。この傾斜角αは予め実験などに基づいて決定され、ストッパ部86が作動したときに入力軸14に伝達されるトルクが入力軸14の許容値以下となる値に設定されている。
また、軸方向荷重Fsが作用すると、その軸方向荷重Fsによってハブ面88とライニング面92とが摺動する際に摩擦力Ffriが発生する。この摩擦力Ffriが発生することで、ヒステリシス機構64と同様のトルクの減衰効果(減衰力)が得られ、入力軸14に伝達されるトルクが速やかに減衰される。
ここで、ダンパハブ58のハブ面88およびライニングプレート70のライニング面92の表面粗さRaを、予め設定されている所定値R1よりも大きくすることで、発生する摩擦力Ffriを大きくすることもできる。表面粗さRaが大きくなると、ハブ面88とライニング面92とが摺動した際の摺動抵抗が大きくなることから、発生する摩擦力Ffriも大きくなる。また、摩擦力Ffriが大きくなると、その摩擦力Ffriによるトルク減衰効果(減衰力)も大きくなるため、入力軸14に伝達されるトルクがさらに速やかに減衰される。なお、表面粗さRaの所定値R1は予め実験的に求められ、ハブ面88とライニング面92とが摺動した際に発生する摩擦力Ffriによって、入力軸14に伝達されるトルクが速やかに減衰される値に設定されている。
また、摩擦力Ffriを大きくする他の態様として、ハブ面88およびライニング面92に摩擦材をコーティングすることで、ハブ面88とライニング面92との間の摩擦係数μを高くして、摺動時に発生する摩擦力Ffriを大きくすることもできる。この場合であっても、ハブ面88とライニング面92とが摺動した際の摩擦抵抗が大きくなることから、摺動した際に発生する摩擦力Ffriも大きくなる。従って、その摩擦力Ffriによるトルク減衰効果(減衰力)も大きくなるため、入力軸14に伝達されるトルクが速やかに減衰される。なお、摩擦係数μは予め実験的に求められ、ハブ面88とライニング面92とが摺動した際に発生する摩擦力Ffriによって、入力軸14に伝達されるトルクが速やかに減衰される値に設定されている。
このようにストッパ部86が構成されることで、ダンパハブ58のハブ面88とライニングプレート70のライニング面92とが接触(衝突)した際に伝達される荷重Fが、回転方向荷重Ftと軸方向荷重Fsとに分割される。ここで、回転方向荷重Ftは荷重Fよりも小さい(Ft=F×cosα)ので、入力軸14に入力されるトルクが低減される。
また、軸方向荷重Fsが作用するため、ハブ面88とライニング面92とが摺動して摩擦力Ffriが発生し、ヒステリシス機構64と同様に摩擦によるトルクの減衰力を得ることができる。従って、入力軸14に入力されるトルクが速やかに減衰されることとなる。
上述のように、本実施例によれば、ライニングプレート70のライニング面92とダンパハブ58のハブ面88とが接触した場合に、傾斜した当たり面形状によって、入力された荷重Fを回転方向荷重Ftと軸方向荷重Fsとに分散できる。さらに、軸方向荷重Fsが作用することで、ライニングプレート70のライニング面92とダンパハブ58のハブ面88とが摺動するため、摩擦減衰効果(減衰力)も得ることができる。このように、ダンパ装置38に入力されるトルクを分散させるとともに、摩擦力Ffriを発生させて減衰させることで、入力軸14に入力されるトルクを低減することができる。従って、入力軸14の軸径増加を防止できるため、コストアップや重量増加を防止することができる。
また、本実施例によれば、ライニングプレート70のライニング面92およびダンパハブ58のハブ面88の表面粗さRaが、予め設定されている所定値R1よりも大きくされている。このようにすれば、ライニングプレート70のライニング面92とダンパハブ58のハブ面88とが接触して摺動した際に発生する摩擦力Ffriが大きくなり、この摩擦力Ffriによる減衰効果も大きくなることから、入力軸14に入力されるトルクを速やかに減衰させることができる。
また、ライニングプレート70とライニング面92とダンパハブ58のハブ面88とに摩擦材がコーティングされることで、ライニング面92とハブ面88との間の摩擦係数μが大きくなる。このようにすれば、ライニングプレート70のライニング面92とダンパハブ58のハブ面88とが接触して摺動した際に発生する摩擦力Ffriが大きくなり、この摩擦力Ffriによる減衰効果も大きくなることから、入力軸14に入力されるトルクを速やかに減衰させることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例の車両用駆動装置10は一例であって、具体的な構造を適宜変更しても構わない。本願発明は、エンジン12と入力軸14との間にダンパ装置を備える構成であれば適宜適用できる。また、車両用駆動装置10は、ハイブリッド形式の駆動装置であるが、本願発明は、必ずしもハイブリッド形式の駆動装置に限定されない。
また、前述の実施例では、ダンパハブ58のフランジ部58bおよびライニングプレート70の内周突部90が、それぞれ周方向に3個設けられていたが、フランジ部58bおよび内周突部90の数を4個とするなどフランジ部58bおよび内周突部90の個数を適宜変更しても構わない。すなわち、ストッパ部86の個数を適宜変更しても構わない。
また、前述の実施例では、トルクリミッタ機構52が設けられているが、このトルクリミッタ機構52が省略された構造であっても構わない。
また、前述の実施例では、ヒステリシス機構64が設けられているが、このヒステリシス機構64が省略された構造であっても構わない。
また、前述の実施例では、ハブ面88とライニング面92との間で発生する摩擦力を大きくするため、これらの面の表面粗さRaを大きくする、或いは摩擦材をコーティングなどしているが、例えば摩擦係数の大きいシートを貼り着けるなど、摩擦力が大きくなる範囲において適宜変更しても構わない。
また、前述の実施例では、図5において右側に傾斜しているが、左側に傾斜した場合であっても同様の効果が得られる。すなわち、傾斜の向きは特に限定されない。
また、前述の実施例では、ハブ面88とライニング面92の両方が傾斜されているが、何れか一方が傾斜されている形状であっても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:エンジン
13:動力伝達装置
14:入力軸(インプットシャフト)
38:ダンパ装置(車両用ダンパ装置)
58:ダンパハブ
62:コイルスプリング(弾性体)
70:ライニングプレート
86:ストッパ部
88:ハブ当たり面(ダンパハブの当たり面)
92:ライニング当たり面(ライニングプレートの当たり面)
13:動力伝達装置
14:入力軸(インプットシャフト)
38:ダンパ装置(車両用ダンパ装置)
58:ダンパハブ
62:コイルスプリング(弾性体)
70:ライニングプレート
86:ストッパ部
88:ハブ当たり面(ダンパハブの当たり面)
92:ライニング当たり面(ライニングプレートの当たり面)
Claims (1)
- エンジンと動力伝達装置との間の動力伝達経路に介挿される車両用ダンパ装置であって、
前記エンジンに接続されるライニングプレートと、前記動力伝達装置のインプットシャフトに接続されるダンパハブと、前記ライニングプレートと前記ダンパハブとの間に介挿された弾性体とを含み、
前記ライニングプレートと前記ダンパハブとの間に相対回転が生じると、前記ライニングプレートと前記ダンパハブとが接触して該相対回転を規制するストッパ部を備え、
該ストッパ部を構成する、前記ライニングプレートおよび前記ダンパハブの当たり面の少なくとも一方が周方向に傾斜していることを特徴とする車両用ダンパ装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013098880A JP2014219061A (ja) | 2013-05-08 | 2013-05-08 | 車両用ダンパ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2013098880A JP2014219061A (ja) | 2013-05-08 | 2013-05-08 | 車両用ダンパ装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014219061A true JP2014219061A (ja) | 2014-11-20 |
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Family Applications (1)
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| JP2013098880A Pending JP2014219061A (ja) | 2013-05-08 | 2013-05-08 | 車両用ダンパ装置 |
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| JP (1) | JP2014219061A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| JP2016118272A (ja) * | 2014-12-22 | 2016-06-30 | アイシン精機株式会社 | ダンパ装置及び駆動システム |
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-
2013
- 2013-05-08 JP JP2013098880A patent/JP2014219061A/ja active Pending
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