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JP2014139001A - 太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルム - Google Patents

太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルム Download PDF

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幸司 谷口
Shigeru Tanaka
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Abstract

【課題】
本発明は、太陽電池バックシート用に用いられるポリオレフィンフィルムであって、太陽電池用の安全規格UL94における難燃性を示すVTM−2規格以上の難燃性を有し、製膜性や加工性に優れた太陽電池モジュール用難燃性バックシートを提供する。
【解決手段】
A層/B層/C層の3層構成からなるポリオレフィンフィルムであって、B層にのみヒンダードアミン系化合物が1〜3重量%、及びリン酸エステル系化合物が2〜10重量%添加されたことを特徴とする太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、優れた難燃性を有する太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムに関する。
昨今、地球環境問題への取り組みが積極的に進められ、その一環として地球温暖化を抑制するために、温暖化ガスの減少が叫ばれている。特に二酸化炭素排出の削減を目的に、二酸化炭素の排出が著しい化石燃料等の代替として水力発電、風力発電、地熱発電および太陽光発電等の自然エネルギーを利用することが進められている。これらの中でも太陽光発電は、太陽電池モジュールの発電効率の性能向上が著しく進んだことや、価格の低下が進んだこと、国や自治体がメガソーラーの誘致や住宅用太陽光発電システム導入促進事業を進めてきたことから、近年その普及が著しく進んでいる。太陽光発電は、一般にシリコン、ガリウム・砒素、銅・インジウム・セレンなどの太陽電池素子を上部透明保護材と下部基板保護材(バックシート)とで保護し、太陽電池素子と保護材とを樹脂製の封止材で固定し、パッケージ化した太陽電池モジュールを用いるものである。
太陽電池モジュールは、住宅等の建築物に取り付けて使用されるために難燃性が要求される場合がある。太陽電池モジュールを構成するバックシートにおいて、その部材の一部としてポリプロピレンや、ポリエチレンなどオレフィン系重合体を主成分とした場合に、難燃剤を添加して難燃性を備える検討が行われている。
特許文献1により、密度0.94g/cm以上、0.97g/cm以下のポリエチレン系樹脂を用いた太陽電池バックシートが例示されているが、ポリエチレンは燃えやすいという問題がある。
特許文献2により、無機酸化物の蒸着膜を設けた基材フィルムの片面に白色化剤と紫外線吸収剤とを含む耐熱性のポリプロピレンフィルムを積層し、その反対面にフッ素系樹脂フィルム、環状ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリ(メタ)アクリル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、またはポリエステル系樹脂フィルムから選ばれる基材フィルムを積層した太陽電池モジュール用バックシートの中で、各樹脂層に難燃剤の添加が可能であることが例示されているが、具体的な難燃指標が設けられておらず達成効果が不明瞭である。更に、添加する難燃剤の種類、添加量についての記載もなく、例えばハロゲン系難燃剤を多量に添加するとフィルムの耐候性劣化により脆化したり、フィルムの加工温度よりも高い融点の有機難燃剤を処方するとフィルム中の分散不良を招き所望の難燃効果を発揮しないことが考えられる。また、無機系の難燃剤を処方する場合には、相当量の添加が必須となりフィルムの機械物性低下などの問題や、凝集物多発による品位の劣化を生じるために実用に耐えないという問題がある。更に、有機系難燃剤を多量に処方するとフィルムからブリードアウトしてしまい、積層工程においてべたつきや汚染を発生し、太陽電池ラミネート工程においては密着不良などの歩留まりを招くことから生産性に劣るものであった。
特開平11―261085号公報 特開2007−306006号公報
本発明は、太陽電池バックシート用に用いられるポリオレフィンフィルムであって、太陽電池用の安全規格UL94における難燃性を示すVTM−2規格以上の難燃性を有し、製膜性や加工性に優れた太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を達成するために、A層/B層/C層の3層構成からなるポリオレフィンフィルムであって、B層にのみヒンダードアミン系化合物が1〜3重量%、及びリン酸エステル系化合物が2〜10重量%添加されたことを特徴とする太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムである。
また、ヒンダードアミン系化合物がアルコキシイミノ基型ヒンダードアミン化合物であり、リン酸エステル系化合物が芳香族縮合リン酸エステル化合物であり、さらには上記B層に無機化合物粒子が5〜30重量%含有されていることを特徴とする太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムにより本発明の課題がより達成されやすくなる。
本発明の太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムは、難燃性を備えたフィルムであり、太陽電池モジュールの裏面に積層されることにより、太陽電池素子はバックシートで保護され、太陽電池素子や配線などからの漏電発火や、火災などの際には、UL94VTM−2相当以上の難燃性により、燃え広がりを抑制することができる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態を詳細に説明する。
本発明の太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムは、前記目的を達成するために、A層/B層/C層の3層構成からなるポリオレフィンフィルムであって、B層にのみヒンダードアミン系化合物が1〜3重量%、およびリン酸エステル系化合物が2〜10重量%が添加されたことを特徴とする太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムである。
本発明におけるポリオレフィンとはポリエチレン、ポリプロピレン、ならびにエチレンおよびプロピレンとの共重合体樹脂から選ばれる少なくとも1種類以上からなるものが好ましい。
ポリエチレンとしては、高圧法低密度ポリエチレン(以下LDPEと略称することがある)、直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDPEと略称することがある)、高密度ポリエチレンなどの公知のものを用いることができる。
ここでいうエチレンおよびプロピレンとの共重合体樹脂とは、エチレンとプロピレンとのランダムもしくはブロック共重合体樹脂をいう。
本発明におけるA層、B層、C層のいずれも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ならびにエチレンおよびプロピレンとの共重合体樹脂から選ばれる少なくとも1種類以上からなるポリオレフィンが適用されるが、A層に関しては封止材として用いられるエチレン・酢酸ビニル共重合体(以下EVAと略称することがある)および以下に述べるB層との密着性の点から、ポリエチレンおよびエチレン・プロピレンランダム共重合樹脂の混合樹脂が好ましい。
次に、本発明におけるB層は、ヒンダードアミン系化合物が1〜3重量%、リン酸エステル系化合物2〜10重量%が添加されることが必要である。
B層のポリオレフィンとしては、ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。ここでいうポリプロピレン系樹脂とは、ホモポリプロピレン(以下H−PPと略称することがある)、エチレンとプロピレンとのランダムもしくはブロック共重合体(それぞれEPC、B−PPと略称することがある)から選ばれる少なくとも一種以上の樹脂、あるいはこれらの樹脂と30重量%未満のポリエチレンとの混合樹脂が耐熱性の点から好ましい。
本発明におけるB層に添加されるヒンダードアミン系化合物は、光安定化剤として良く知られたものであるが、難燃剤としての機能も有することが知られている。アルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物のアルコキシイミノ基とはピペリジン環のイミノ基の部分が、NHのままであるNH型、Hがメチル基で置き換わったNCH型に対してN−アルコキシル基(>N−OR)の構造のものであり、これらの基はアルキル・パーオキシラジカル(RO・)を捕捉して容易にラジカルとなり難燃効果を発揮する。
上記アルコキシル基(OR)は、アルキル基に酸素が結合した狭義のアルコキシル基に限定されず、Rはアルキル基以外に、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基を含む。これらアルコキシル基の具体的なものとしては、メトキシ基、プロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基が好ましく、特にプロポキシ基、シクロヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基などが、分子量が大きくなることで製膜後にブリードアウトを抑制できる点から好ましい。
具体的なヒンダードアミン系化合物としては、(a)1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−オクタデシルアミノピペリジン、(b)ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、(c)2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−6−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−s−トリアジン、(d)ビス(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、(e)4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と、2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンで末端キャップされた2,4−ジクロロ−6−[(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンとの縮合生成物であるオリゴマー性化合物、(f)4,4’−ヘキサメチレンビス(アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)と、2−クロロ−4,6−ビス(ジブチルアミノ)−s−トリアジンで末端キャップされた2,4−ジクロロ−6−[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ]−s−トリアジンとの縮合性生成物であるオリゴマー性化合物、(g)2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−ピペリジン−4−イル)−6−クロロ−s−トリアジン、(h)過酸化処理した4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジンと、シクロヘキサンと、N,N’−エタン−1,2−ジイルビス(1,3−プロパンジアミン)との反応生成物(N,N’,N’’’−トリス{2,4−ビス[(1−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)n−ブチルアミノ]−s−トリアジン−6−イル}−3,3’−エチレンジイミノジプロピルアミン)(BASF社製“Flamestab”(登録商標名)、NOR116FF)などを例示することができる。
ヒンダードアミン系化合物はフィルムの溶融温度以下の融点の化合物を用いることが重要である。ポリオレフィン系樹脂の場合、200〜250℃で加工することが多く、250℃よりも融点が高い場合には、固形物のままとなり、優れた分散性が発揮できない問題を生じるので好ましくない。また、60℃以下では、表層へ移行してべたつきや、着色する場合があるので、好ましくない。
ヒンダードアミン系化合物はB層にのみ添加され、その量はB層に対して1〜3重量%添加される。1重量%未満では難燃性が不十分となり、3重量%を越えると安定押出等の加工性に難が出る場合がある。
これらヒンダードアミン系化合物はマスタバッチや、フィルム加工時に変質し易いため、リン系の酸化防止剤を併用することが知られている。リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト(BASF社製“Irgafos”168)に代表される、アルキル置換基を有するフェニル基を少なくとも1つ有するアリルフォスファイトが都合良く、具体的には、旭電化工業社製の“アデカスタブ”HP−10、PEP−24やPEP−36、住友化学社製の“スミライザー”GPが他に挙げられる。
本発明におけるB層に添加されるリン酸エステル系化合物とは、リン酸とアルコールから脱水縮合した化合物またはオキシ塩化リンとアルコールの反応物の総称であって、これらは難燃剤として知られており、塩素原子や臭素原子などのハロゲン原子を含まないことから環境影響の点で好ましい。リン酸エステル系化合物としては、トリメチルフォスフェート(TMP)、トリエチルフォスフェート(TEP)トリフェニルフォスフェート(TPP)、トリクレジルフォスフェート(TCP)、トリキシレニルフォスフェート(TXP)、クレジルジフェニルフォスフェート(CDP)、2−ナフチルジフェニルフォスフェート(NDPP)、2−エチルヘキシルジフェニルフォスフェートなどのモノマー型リン酸エステル系化合物、1,3−フェニレンビス(ジキシリジルフォスフェート)、ビスフェノールA−ビス(ジフェニルフォスフェート)(BADP)、1,3−フェニレンビス(ジフェニルフォスフェート)、ビスフェノールA−ビス(ジクレジルフォスフェート)などのオキシ塩化リンと二価のフェノール系化合物、及びフェノール(またはアルキルフェノール)との反応生成物である芳香族縮合リン酸エステル系化合物が挙げられる。特に難燃性の効果が優れる点から、モノマー型リン酸エステル系化合物および芳香族縮合リン酸エステル系化合物からなる群より選択される少なくとも1種であるリン系難燃剤を用いるのが好ましい。芳香族縮合リン酸エステル系化合物はモノマー型リン酸エステル系化合物に比較すると高分子量を有するため、揮発性が低く、フィルム成形加工時のガス発生が少なく、また、これを添加したフィルムからの揮発物も少ないことから好ましい。
リン酸エステル系化合物はフィルムのB層中に均一に分散されることが、難燃性の付与に大きく関係していることから、フィルムのB層の溶融温度以下の融点の化合物を用いることが重要である。ポリオレフィン系樹脂の場合、200〜250℃で加工することが多く、250℃よりも融点が高い場合には、固形物のままとなり、優れた分散性が発揮できない問題を生じるので好ましくない。また、60℃以下では、表層へ移行してべたつきや、着色する場合があるので、好ましくない。
リン酸エステル系化合物は、B層に2〜10重量%添加されることが必要であり、2重量%未満では難燃性が不十分となり、10重量%を越えると分散性が悪化し、安定押出等の加工性に難が出る。
本発明におけるヒンダードアミン系化合物及びリン酸エステル系化合物はB層にのみ添加されるが、これらがA層、C層に0.5重量%以下添加されたものや、B層からA層、C層に拡散したものは、フィルムの製膜時に飛散し口金に析出するなどの不具合が発生しない限りにおいては許容される。
また、本発明におけるB層には無機化合物粒子を添加することが、難燃性をより確かなものとするために好ましい。これらの無機化合物粒子としては酸化チタン、酸化マグネシウム、硫酸バリウムなどを挙げることができる。その中でも、太陽電池バックシートとして用いる際には、意匠性、隠蔽性、光の高反射性を考慮すると酸化チタン粒子が最も好ましく、結晶型として、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型などが知られており、中でも優れた白色度と耐候性および光反射性などの特性からルチル型酸化チタンが好ましい。
酸化チタンは、光触媒作用によって樹脂を劣化させる可能性があることから、光触媒作用を抑制する目的で、表面被覆処理されていることが好ましく、その組成は限定されないが、酸化ケイ素やアルミナ、または酸化亜鉛などの無機酸化物であることが好ましい。表面被覆剤の被覆方法についても特に限定されたものではなく、公知の方法で得られた酸化チタン粒子を使用することができる。
本発明で用いられる無機化合物粒子の平均粒子径は0.2〜0.7μmのものが好ましく、可視光の反射率を高める目的においては、0.25〜0.35μmのものがより好ましい。必要に応じて、この2種類の粒子径を混ぜることで、可視光および赤外光の反射率を高めることができるため好ましい。平均粒子径が0.2μmより小さいと、酸化チタン粒子などは活性度が高くなり樹脂劣化を招く要因となり好ましくない。また、平均粒子径が0.7μmを越えると樹脂への分散性が悪化して、フィルム製造時に用いるフィルタの目詰まりの原因となるため好ましくない。
また、本発明で用いられるB層の無機化合物粒子の添加量は、その比重によって左右されるものの、5〜30重量%の範囲であることが好ましい。添加量を5重量%以上とすることで十分な白色化と光反射効果が得られ、バスバーなどの配線材料の透けがなく意匠性に優れたものとすることができる。一方、30重量%を上限とすることは、これ以上添加しても白色化、隠蔽性は向上せず、また無機物が樹脂へ十分分散し、安定した製膜性を確保することができることによる。
また、B層には、本フィルムを製膜する際に発生するスリット屑などを回収原料として用いることもできる。具体的には、スリット屑などをペレタイズし、本フィルムのB層に5〜70重量%添加することが、経済性が優れるため好ましいが、このときB層中のポリプロピレン系樹脂がホモポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのランダムもしくはブロック共重合体から選ばれる少なくとも一種以上の樹脂、あるいはこれらの樹脂とポリエチレンとの混合樹脂からなり、ポリエチレンの含有量が樹脂成分全体の30重量%未満とすることが耐熱性を維持する上で好ましい。該ペレタイズの方法は、断裁したものを溶融押出後、カッティングする方法が一般的であるが、本方法に限定されるものではない。
次に、本発明におけるC層は、ポリプロピレン系樹脂組成物からなり、B層同様にホモポリプロピレン、エチレンとプロピレンとのランダムもしくはブロック共重合体などのポリプロピレン系樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を主成分とし、ポリプロピレン系樹脂が70重量%以上含有されることが、耐熱性の点から好ましい。ポリプロピレン系樹脂の融点は、150℃〜170℃の範囲であることが、耐熱性をはじめ、滑り性やフィルムのハンドリング性、耐傷付き性、耐カール性の点から好ましい。融点を150℃以上とすることで耐熱性に優れ、太陽電池用バックシートとしてEVAシートと熱融着させたときの温度と圧力によってシートの厚さが低減したり、部分放電電圧が低下することがなく好ましい。A層、C層に0.5重量%以下添加されたものは、B層にのみ添加されたものと見なすことができ本願発明の技術範囲に含まれる。
C層には易接着処理を施すことが、他素材との接着剤による接着性を向上させる目的から好ましく、易接着処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、化学処理などの方法が挙げられるが、中でも低コストなコロナ放電処理が好ましい。このときの濡れ張力は、35〜55mN/mの範囲であることが好ましい。
本発明の難燃性ポリオレフィンフィルムを太陽電池バックシート材料として使用する際には、A層、B層、及びC層に変色防止、強度維持の点から、公知の酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤としては、フェノール系、芳香族アミン系、チオエーテル系、リン系などがあり、少量配合で効果を高めるため、2種以上のものを併用するのが好ましい。例えば、フェノール系とリン系の併用は好ましく、リン−フェノール系酸化防止剤を挙げることができる。本酸化防止剤としては、住友化学製“スミライザー“GPを添加することが、押出時の熱安定性や耐候性が向上するので好ましい。添加量は各層の樹脂に対して、0.05〜0.35重量%の範囲が好ましい。添加量が0.05重量%未満では効果が低く、0.35重量%を超えると分散性が悪化する場合がある。 また、本発明におけるA層、B層、及びC層には、太陽電池バックシート材料に使用する際には、変色防止、耐候性向上の点から、上述した以外に他の添加剤を含むものであってもよい。上記他の添加剤としては、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤を挙げることができる。
本発明においては、前記添加剤の中でも、特に紫外線吸収剤をA層に処方することがB層中のリン酸エステル系化合物を紫外線による分解から保護する目的から好ましい。すなわち、本発明の難燃性ポリオレフィンフィルムを用いて太陽電池モジュールとしたときに、ガラス面から入射した紫外線がリン酸エステル系化合物の分解を促進するため、その抑制のために入射面側となるA層に紫外線吸収剤を処方することが効果的である。
本発明において、紫外線吸収剤とは太陽光中の紫外線を吸収して、分子内で熱エネルギーへと変換し、高分子中の光劣化開始の活性種が励起されるのを防止するものであり、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サルチレート系、アクリルニトリル系、金属錯塩系等の有機系紫外線吸収剤、超微粒子酸化チタン(平均粒子径、0.01〜0.06μm)あるいは超微粒子酸化亜鉛(平均粒子径、0.01〜0.04μm)等の無機系等の紫外線吸収剤であって、これらの1種又はそれ以上を使用することができる。例えば、処方される有機系紫外線吸収剤の添加量が、通常、フィルム中(本発明においては処方される層中)において、5重量%以上となると製膜工程においてブリードアウトしてしまい、汚染、べたつきなどの問題を発生させるので好ましくない。一方、無機系の紫外線吸収剤は、5重量%以上処方しないと十分な効果を発揮しないが、添加量が増えることで、目やに、穴あきなどの製膜工程の問題が懸念される。 従って、少量の添加量で優れた効果を発揮する有機系の紫外線吸収剤が好ましく、中でもベンゾトリアゾール系、及びベンゾフェノン系が更に好ましい。
また、必要に応じて光安定化剤や酸化防止剤を併用することもできる。これらを処方することで、紫外線吸収剤の効果を持続させることができる。
本発明において、紫外線吸収剤としては、ポリマーを構成する主鎖又は側鎖に、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物からなる光安定化剤あるいはフェノール系等の酸化防止剤を化学結合させてなるポリマー型の紫外線吸収剤、光安定化剤あるいは酸化防止剤等も使用することができる。紫外線吸収剤の含有量としては、その粒子形状、密度等によって異なるが、0.1〜10重量%が好ましい。
本発明のフィルムの厚さは、10〜300μmの範囲が好ましく、更に、50〜200μmの範囲がフィルム製造面や、他基材とのラミネート加工性から好ましい。
本発明の太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムはA層/B層/C層から構成されており、その積層比は特に限定されないが、A層、C層のフィルム全体に対する厚さ比がそれぞれ5〜20%、B層が90〜60%の範囲であることが好ましい。上述の通り、A層/B層/C層とすることで、ヒンダードアミン系化合物、リン酸エステル系化合物を含有するB層を、A層およびC層で挟むことにより、製造時の口金における樹脂分解物の付着を抑制し、分解物が脱落することによる工程汚染や、フィルムの傷といった品質問題を回避できる。更に、B層に処方した化合物のブリードアウトも回避できる。また、難燃性フィルムとしては、全ての層に難燃剤を添加することが、フィルムに優れた難燃性を付与する目的としては最も効果的であるが、本発明ではA層及びC層に難燃剤を添加しないで難燃性を付与できる。
本発明のフィルムのヤング率の値としては、300〜1000MPaの範囲であることが、製膜時の巻き取り性やラミネートなどの二次加工時の取り扱い性の点で好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用難燃性ポリオレフィンフィルムは、他基材と接着剤や熱融着などの方法でラミネートして用いることができる。他基材としては、アルミ箔、紙、熱可塑性樹脂フィルムなどを挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体などのスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドおよびこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれら樹脂の混合等を挙げることができる。特に、寸法安定性や機械的特性が良好である点よりポリエステルが好ましく、特に二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルムと略称することがある)が好ましい。例えば、厚さが25〜250μmの耐加水分解性PETフィルム(東レ(株):“ルミラー”X10S)と本発明の難燃性ポリオレフィンフィルムを公知の接着剤を用いてドライラミネートして使用することができる。
以下に本発明の太陽電池モジュール用難燃性ポリオレフィンフィルムを製造する方法を具体的に例示して説明する。
A層に使用する樹脂として、融点110℃〜130℃の範囲のLLDPE100重量部に、ポリプロピレン系樹脂50〜500重量部を混合した樹脂混合物を用いる。
B層に使用する樹脂としては、融点が140℃〜170℃の範囲のポリプロピレン系樹脂にアルコキシイミノ基を有するヒンダードアミン系化合物が1〜3重量%、芳香族縮合リン酸エステル系化合物2〜10重量%、ルチル型の酸化チタン5〜30重量%と、必要に応じて酸化防止剤“スミライザー”GPを0.05〜0.35重量%の範囲で混合した樹脂混合物を用いる。
C層に使用する樹脂としては、融点が150〜170℃のポリプロピレン系樹脂を用いる。このようにして用意した樹脂を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ200〜280℃の範囲にて溶融する。そしてポリマー管の途中に設置したフィルタを通して異物や、粗大無機粒子などを除去した後、マルチ・マニホールド型のTダイあるいはTダイ上部に設置したフィードブロックにて、A層/B層/C層型の3種3層積層を行いTダイより回転金属ロール上に、C層側を金属ロール面側にして吐出して未延伸フィルムを得る。この際、回転金属ロールは表面温度が20〜60℃に制御することが、C層の金属ロールへの粘着をおこさず、結晶性を高めるので好ましい。また、溶融ポリマーを金属ロールに密着させるため、非金属ロール側からエアーを吹き付ける方法や、ニップロールを使用することが好ましい。
このように得られた本発明のフィルムのC層には、他基材と貼り合わせるために空気中または窒素ガス、炭酸ガスの1種以上の雰囲気中でコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を35mN/m以上にして巻き取る。
以下、本発明の実施形態を実施例を用いて詳述するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、評価項目は得られた各フィルムについて、以下の要領で評価を行った。
<評価>
(1)フィルム成形性
フィルム成形時の加工性、フィルム外観を確認し、良好なものは○、ひどく劣るもの、フィルム化できないものは×とした。×は実用に供することができない。
(2)難燃性
厚さが200μm以下であって、長さ200mm×幅50mmの評価用サンプルを用いて、Underwriters Laboratories社の安全標準UL94薄手材料垂直燃焼試験(サンプル厚さが250μm以下の場合)の手順に基づき、試験回数5回にて燃焼試験を実施し、燃焼の様子(特に燃焼中における滴下物の有無)を観察すると共に燃焼時間(試験回数5回の合計燃焼時間)を測定した。
UL94垂直燃焼試験において、UL94VTMの判定基準に基づき、VTM−2の規格を満たすか否か判例し、VTM−2を満たすものを合格品(◎、○)と評価した。
合計燃焼時間 200秒以下 ◎
合計燃焼時間 200秒超〜250秒未満 ○
合計燃焼時間 250秒以上 ×。
(3)耐光性試験後の難燃性
厚さが200μm以下であって、長さ200mm×幅50mmの評価用サンプルを、岩崎電気株式会社製 アイスーパーUVテスター SUV―W151にて、照射波長295〜450nm、照射強度100mW/cmにて、A層側から96時間光照射処理したサンプルを用いて、Underwriters Laboratories社の安全標準UL94薄手材料垂直燃焼試験(サンプル厚さが250μm以下の場合)の手順に基づき、試験回数5回にて燃焼試験を実施し、燃焼の様子(特に燃焼中における滴下物の有無)を観察すると共に燃焼時間(試験回数5回の合計燃焼時間)を測定した。UL94垂直燃焼試験において、UL94VTMの判定基準に基づき、VTM−2の規格を満たすか否か判定し、VTM−2を満たすものを合格品(◎、○)と評価した。
合計燃焼時間 200秒以下 ◎
合計燃焼時間 200秒超〜250秒未満 ○
合計燃焼時間 250秒以上 ×。
<難燃剤マスタバッチAの製造方法>
融点147℃、密度0.900g/cmのEPC樹脂50重量%と、芳香族縮合系リン酸エステル化合物である融点92℃の1,3−フェニレンビス(ジキシリジル)フォスフェート(大八化学社製PX−200)50重量%を二軸押出機にて250℃で溶融混練した後、ストランドカットし、難燃剤マスタバッチAを製造した。
<難燃剤マスタバッチBの製造方法>
同様にしてEPC樹脂50重量%と、融点350℃の臭素系化合物(アルベマ−ル日本社製SYTEX8010)50重量%により難燃剤マスタバッチBを製造した。
<難燃剤マスタバッチCの製造方法>
同様にしてEPC樹脂50重量%と、メラミンシアヌレート系化合物(日産化学社製MC860)50重量%により難燃剤マスタバッチCを製造した。
<難燃剤マスタバッチDの製造方法>
同様にしてEPC樹脂50重量%と、イントメッセント系化合物(ADEKA社製“アデカスタブ”FP−2200)50重量%により難燃剤マスタバッチDを製造した。
<難燃剤マスタバッチEの製造方法>
同様にしてEPC樹脂90重量%と、融点120℃のアルコキシイミノ基型ヒンダードアミン系化合物(BASF社製“Flamestab”(登録商標名)、NOR116FF)10重量%により難燃剤マスタバッチEを製造した。
<難燃剤マスタバッチFの製造方法>
同様にしてEPC樹脂80重量%と、融点656℃の三酸化アンチモン(日本精鉱社製 PATOX−MK)20重量%により難燃剤マスタバッチFを製造した。
<酸化チタンマスタバッチの製造方法>
同様にしてEPC樹脂40重量%と、無機酸化物で表面処理された平均粒子径200nmのルチル型酸化チタン(堺化学工業製 FTR−700)60重量%により酸化チタンマスタバッチを製造した。
<紫外線吸収剤マスタバッチの製造方法>
融点147℃、密度0.900g/cmのEPC樹脂95重量%と、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤である“Tinuvin”326(BASF製)5重量%を二軸押出機にて250℃で溶融混練した後、ストランドカットし、紫外線吸収剤マスタバッチを製造した。
(実施例1)
A層に使用する樹脂として、融点124℃、密度0.931g/cm、MFR3.1g/10分のLLDPE30重量%に対し、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のEPC70重量%を混合した樹脂混合物を用いた。
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP樹脂36重量%、酸化チタンマスタバッチ50重量%、難燃剤マスタバッチA4重量%、難燃剤マスタバッチE10重量%を混合した樹脂混合物を用いた。酸化チタンの添加量は30.0重量%である。
また、C層に使用する樹脂として、融点160℃、密度0.900g/cm、MFR4.0g/10分、エチレン含有量7モル%のB−PP樹脂を用いた。
このようにして用意したA層、B層、C層の樹脂混合物を各々単軸の溶融押出機に供給し、それぞれ260℃にて溶融してA層/B層/C層型のマルチ・マニホールド型のTダイに導き、30℃に保たれたキャスティングドラム上に押し出し、非ドラム面側から25℃の冷風を吹き付けて冷却固化して、各層の厚さ構成比率がA層/B層/C層=10%/80%/10%であるフィルム厚さ200μmの太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを得た。
該フィルムのC側にコロナ放電処理を行い、表面の濡れ張力を40mN/mとして巻き取った。
本フィルムの製膜性と耐光性試験前の難燃性(UL94VTM)試験の結果を表1に示した。
更に、耐光性試験前後の難燃性(UL94VTM)試験の結果を表3に示した。本発明のフィルムは、太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムとして必要な要件を全てクリアしていた。
(実施例2)
B層に使用する樹脂として、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP61.7重量%、酸化チタンマスタバッチ8.3重量%、難燃剤マスタバッチA10重量%、難燃剤マスタバッチE20重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。酸化チタンの添加量は5.0重量%である。
本フィルムの製膜性と耐光性試験前の難燃性(UL94VTM)試験の結果を表1に示した。
更に、耐光性試験前後の難燃性(UL94VTM)試験の結果を表3に示した。本発明のフィルムは、太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムとして必要な要件を全てクリアしていた。
(実施例3)
B層に使用する樹脂として、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP50重量%、難燃剤マスタバッチA20重量%、難燃剤マスタバッチE30重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。酸化チタンの添加量は0重量%である。
本フィルムの製膜性と耐光性試験前後の難燃性(UL94VTM)試験の結果を表1に示した。更に、耐光性試験前後の難燃性(UL94VTM)試験の結果を表3に示した。本発明のフィルムは、太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムとして必要な要件を全てクリアしていたが、B層に無機フィラーが含有されていない為に、難燃性(UL94VTM)試験の結果が実施例1、及び実施例2に較べて劣る結果であった。
(実施例4)
A層に使用する樹脂として、融点124℃、密度0.931g/cm、MFR3.1g/10分のLLDPE30重量%に対し、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のEPC66重量%、紫外線吸収剤マスタバッチを4重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例2と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。
本フィルムの製膜性と耐光性試験前後の難燃性(UL94VTM)試験の結果を表3に示した。本発明のフィルムは、太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムとして必要な要件を全てクリアしていた。紫外線吸収剤を添加することで、耐光性試験後においても試験前と同等の難燃性を有していた。
(比較例1)
B層に使用する樹脂として、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP50重量%、酸化チタンマスタバッチ30重量%、難燃剤マスタバッチA20重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。酸化チタンの添加量は18.0重量%である。本フィルムはヒンダードアミン系化合物が添加されていないため、所望の難燃性を得られなかった。
(比較例2)
B層に使用する樹脂として、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP10重量%、酸化チタンマスタバッチ30重量%、難燃剤マスタバッチA60重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。酸化チタンの添加量は18.0重量%である。本フィルムは、難燃剤の添加量が多すぎることでツブ状の異物が多数認められ、加えてロールを汚染するなど製膜性が優れず、難燃性を評価できるサンプルが得られなかった。
(比較例3)
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP63重量%、酸化チタンマスタバッチ30重量%、難燃剤マスタバッチA2重量%、難燃剤マスタバッチE5重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。無機物である酸化チタンの添加量は18.0重量%である。本フィルムはリン酸エステル系化合物の添加量が少なく、所望の難燃性を得られなかった。
(比較例4)
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP58重量%、酸化チタンマスタバッチ30重量%、難燃剤マスタバッチA2重量%、難燃剤マスタバッチE10重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。無機物である酸化チタンの添加量は18.0重量%である。本フィルムはリン酸エステル系化合物の添加量が少なく、所望の難燃性を得られなかった。
(比較例5)
A層に使用する樹脂として、融点124℃、密度0.931g/cm、MFR3.1g/10分のLLDPE30重量%に対し、融点150℃、密度0.900g/cm、MFR7g/10分のエチレン含有量4モル%のEPC20重量%、難燃剤マスタバッチA20重量%、難燃剤マスタバッチE30重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。
本フィルムは、表層のA層に難燃剤が添加されているため、製膜時、及び製膜後に難燃剤がブリードアウトして、工程汚染、異物の付着、ブロッキング、異臭、変色などを招いた。
(比較例6)
B層に使用する樹脂として、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP50重量%、難燃剤マスタバッチA20重量%、難燃剤マスタバッチE30重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。
本フィルムは、ヒンダードアミン系化合物の添加量が多く、製膜後に難燃剤がブリードアウトして、工程汚染、異物の付着、ブロッキング、異臭、変色などを招いた。
(比較例7)
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP46重量%、難燃剤マスタバッチB24重量%、酸化チタンマスタバッチ30重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。酸化チタンの添加量は18.0重量%であった。本フィルムは、本発明で規定した以外の難燃剤であるため、所望の難燃性を得られなかった。
(比較例8)
B層に使用する樹脂として、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP10重量%、難燃剤マスタバッチB60重量%、酸化チタンマスタバッチ30重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。酸化チタンの添加量は18.0重量%であった。本フィルムは、難燃剤の融点が350℃と高く、また、添加量が多いために、製膜温度(260℃)で溶融しないために、固形状に分散してしまい、不均一な分散とそれに伴う大きなツブが認められた。
(比較例9)
B層に使用する樹脂として、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/ 10分のH−PP36重量%、難燃剤マスタバッチB24重量%、難燃剤マスタバッチF10重量%、酸化チタンマスタバッチ30重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。酸化チタンの添加量は18.0重量%であった。本フィルムは、本発明で規定した以外の難燃剤であるため、所望の難燃性を得られなかった。
(比較例10)
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP10重量%、難燃剤マスタバッチC60重量%、酸化チタンマスタバッチ30重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。酸化チタンの添加量は18.0重量%であった。本フィルムは、本発明で規定した以外の難燃剤であるため、不均一な分散とそれに伴う大きなツブが認められた。
(比較例11)
B層に使用する樹脂としては、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP10重量%、難燃剤マスタバッチD60重量%、酸化チタンマスタバッチ30重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。酸化チタンの添加量は18.0重量%であった。本フィルムは、本発明で規定した以外の難燃剤であるため、製膜時に発泡した。
(比較例12)
B層に使用する樹脂として、融点が160℃、密度0.90g/cm、MFR7g/10分のH−PP50重量%、難燃剤マスタバッチE20重量%、酸化チタンマスタバッチ30重量%を混合した樹脂混合物を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルムを作製した。酸化チタンの添加量は18.0重量%であった。本フィルムは、リン酸エステル系化合物の添加がなく、所望の難燃性が得られなかった。
Figure 2014139001
Figure 2014139001
Figure 2014139001

Claims (6)

  1. A層/B層/C層の3層構成からなるポリオレフィンフィルムであって、B層にのみヒンダードアミン系化合物が1〜3重量%及びリン酸エステル系化合物が2〜10重量%添加されたことを特徴とする太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルム。
  2. ヒンダードアミン系化合物がアルコキシイミノ基型ヒンダードアミン化合物であり、リン酸エステル系化合物が芳香族縮合リン酸エステル化合物であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルム。
  3. B層に無機化合物粒子が5〜30重量%含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルム。
  4. A層、B層、C層のいずれの層も、ポリエチレン、ポリプロピレン、ならびに、エチレンとプロピレンとの共重合体から選ばれる少なくとも1種類以上からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルム。
  5. 前記無機化合物粒子が、ルチル型酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項3または4に記載の太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルム。
  6. A層に紫外線吸収剤が添加されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかにに記載の太陽電池バックシート用難燃性ポリオレフィンフィルム。
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