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JP2014138160A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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JP2014138160A
JP2014138160A JP2013007409A JP2013007409A JP2014138160A JP 2014138160 A JP2014138160 A JP 2014138160A JP 2013007409 A JP2013007409 A JP 2013007409A JP 2013007409 A JP2013007409 A JP 2013007409A JP 2014138160 A JP2014138160 A JP 2014138160A
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博友 佐々木
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Abstract

【課題】導電特性およびパターンの高精細性に優れると共に、密着性にも優れる金属配線を備える配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】基材と金属配線とを備える配線基板の製造方法であって、フッ素原子含有ガスを用いて基材の表面を撥水化する工程(1)と、近赤外レーザを用いて、撥水化された基材表面100aをエッチングし、基材表面に溝120を形成する工程(2)と、溝内に金属元素含有物を含むインクを付与して、溝内に金属配線140を形成する工程(3)とを備える、配線基板の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、配線基板の製造方法に関する。
従来、基材の配線面に配線パターンを形成する方法として、例えば、ガラスエポキシ基材の表面に銅箔を貼り合わせた銅張積層板が用いられ、銅張積層板の銅箔をエッチングすることにより、所望の配線パターンを形成する方法が広く知られている。
また、近年では、金属ナノ粒子を溶媒中に分散させた金属ナノインクをインクジェット装置で基材に描画して配線パターンを形成する方法も考案されている(特許文献1)。なお、特許文献1の方法では、基材の表面に撥インク性の膜を形成する方法として、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)をスプレーによって吹き付ける方法が開示されている。
特開2009−64888号公報
近年、半導体集積回路やチップ部品等の小型化により、金属配線の微細化が進んでいる。そのため、配線基板中の金属配線の導電特性の向上、および、密着性の向上が求められている。また、金属細線のパターン形成性(高精細性)の向上も合わせて求められている。
しかしながら、上記特許文献1に記載のPTFEなどのフッ素樹脂をコートする方法では、金属配線パターンの基材との密着性が悪く、問題となっていた。これはフッ素樹脂が、金属や基材との密着性が悪いことに原因があると考えられる。また、密着性以外にも、金属配線のパターン形成性、および、導電特性に関しても更なる向上が必要とされていた。
本発明は、上記実情に鑑みて、導電特性およびパターンの高精細性に優れると共に、密着性にも優れる金属配線を備える配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討を行い、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 基材と金属配線とを備える配線基板の製造方法であって、フッ素原子含有ガスを用いて基材の表面を撥水化する工程(1)と、近赤外レーザを用いて、撥水化された基材表面をエッチングし、基材表面に溝を形成する工程(2)と、溝内に金属元素含有物を含むインクを付与して、溝内に金属配線を形成する工程(3)とを備える、配線基板の製造方法。
(2) フッ素原子含有ガスが、CF4、SF6、CHF3、CH22、CH3F、C26、およびC48からなる群から選択される少なくとも1種のガスである、(1)に記載の配線基板の製造方法。
(3) 溝の深さが0.1〜50μmである、(1)または(2)のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
(4) インクを付与する方法が、インクジェット法である、(1)〜(3)のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
(5) 工程(3)が、溝内に無電解めっき触媒またはその前駆体を含むインクを付与して、無電解めっき処理を行い、溝内に金属配線を形成する工程である、(1)〜(4)のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
本発明によれば、導電特性およびパターンの高精細性に優れると共に、密着性にも優れる金属配線を備える配線基板の製造方法を提供することができる。
本発明の配線基板の製造方法の製造工程を示すフローチャートである。 本発明の配線基板の製造方法を工程順に示す模式的断面図である。 第1エッチング装置を示す概略構成図(斜視図)である。 レーザ記録装置の光ファイバーアレイ部および光ファイバを示す斜視図である。 光ファイバーアレイ部の光出射部を示す模式図である。 光ファイバ端部の配置位置と走査線とを説明するため説明図である。 第1エッチング装置を平面視で見た図である。 第1エッチング装置の制御系の構成を示すブロック図である。 レーザ記録装置によって画像記録を行なう際の処理の概要を示すフローチャートである。 露光ヘッドの主要部と射出されたレーザビームとを模式的に図示した説明図である。 第1エッチング装置が適用されていない光パワー制御およびビーム径Dが20μmとされた場合における、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワーの示すグラフ図であり、(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して21.2μmの凸細線(残す画素領域)を形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図であり、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの(b)のA−A線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの(b)のA−A’に沿った断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置が適用されていない光パワー制御およびビーム径Dが20μmとされた場合における、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワーの示すグラフ図であり、(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して21.2μmの凸細線(残す画素領域)を形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図であり、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの(b)のA−A線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの(b)のA−A’に沿った断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置が適用された光パワー制御およびビーム径Dが20μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの(b)のA−A線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの(b)のA−A’に沿った断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置が適用されていない光パワー制御およびビーム径Dが40μmとされた場合における、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワー分布を示すグラフであり、(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して21.2μmの凸細線を形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図であり、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの(b)のA−A’線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの(b)のA−A’に沿った断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置が適用されていない光パワー制御およびビーム径Dが40μmとされた場合における、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワー分布を示すグラフであり、(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して21.2μmの凸細線を形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図であり、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの(b)のA−A’線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの(b)のA−A’に沿った断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置が適用されていない光パワー制御およびビーム径Dが40μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置が適用された光パワー制御およびビーム径Dが40μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置が適用された光パワー制御およびビーム径Dが20μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置が適用された光パワー制御およびビーム径Dが20μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置が適用された光パワー制御およびビーム径Dが20μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置が適用されていない光パワー制御およびビーム径Dが40μmとされた場合における、(A)はレーザビームの画素露光量信号を示し、(B)はレーザビームの光パワーの積算エネルギーを示すグラフであり、(C)は凸細線Pの断面形状を模式的に示す図である。 第1エッチング装置を適用して平面視矩形状の凸点を形成する場合の光パワー制御を説明する説明図である。 第1エッチング装置を適用して平面視矩形状の凸点を形成する場合の光パワー制御を説明する説明図である。 図22の光パワー制御で平面視矩形状の凸点を形成した場合の凸点部を示す図である。 図23の光パワー制御で平面視矩形状の凸点を形成した場合の凸点部を示す図である。 第1エッチング装置を適用して平面視矩形状の凸点を形成する場合の光パワー制御を説明する説明図である。 マルチビーム露光走査装置を適用した第2エッチング装置の構成図である。 露光ヘッド内に配置される光ファイバーアレイ部の構成図である。 光ファイバーアレイ部の光出射部の拡大図である。 光ファイバーアレイ部の結像光学系の概要図である。 光ファイバーアレイ部における光ファイバの配置例と走査線の関係を示す説明図である。 第2エッチング装置における走査露光系の概要を示す平面図である。 第2エッチング装置における制御系の構成を示すブロック図である。 基材のエッチングについて示す図である。 本実施形態によるエッチング後の基材の上面および断面を示す図である。 第2エッチング装置によるビームのパワー制御例を示すグラフである。 非露光領域と実際に形成される凸小点との関係を示す図である。 インターレース露光の場合のパワー制御例を示すグラフである。 光ファイバーアレイ光源の変形例を示す模式図である。 図39の光ファイバーアレイ光源による基材のエッチングについて示す図である。 図39の光ファイバーアレイ光源によるビームのパワー制御例を示すグラフである。 溝形成工程の概要を示す説明図である。
以下に、本発明の配線基板の製造方法の好適形態について詳述する。
まず、従来技術と比較した本発明の特徴点としては、フッ素原子含有ガスを用いて基材表面を撥水化処理し、その後溝を形成して、溝内に配線を形成している点が挙げられる。フッ素含有ガスを用いた基材の表面処理の場合、PTFEのようなフッ素樹脂を用いた基材の表面処理の場合と比較して、形成される金属配線の導電特性、密着性、パターン形成性に優れる。その理由としては、以下のように推測される。フッ素含有ガスを用いた場合、基材表面をナノレベルで粗面化しつつ、フッ素原子およびフッ化炭素基のいずれか一方または双方を基材表面に導入することができる。その両者が相まって、基材の表面エネルギーを低下させ、より撥水性を向上できる。その結果、金属元素含有物を含むインクが溝以外の基材表面に付与されたとしても、基材表面の撥水性および撥油性により溝部分により誘導され易くなり、結果として、金属配線の導電特性、密着性、パターン形成性がより優れる。
図1は、本発明の配線基板の製造方法の一実施形態における製造工程を示すフローチャートである。図1に示すように、配線基板の製造方法は、撥水処理工程S12、溝形成工程S14、および、配線形成工程S16を備える。
また、図2は、本発明の配線基板の製造方法における各製造工程を順に示す模式的断面図である。
以下に、図2を参照しながら、各工程で使用される材料およびその手順について詳述する。まず、撥水処理工程S12について詳述する。
<撥水処理工程>
撥水処理工程S12は、フッ素原子含有ガスを用いて基材の表面を撥水化する工程である。本工程S12により、撥水化処理された表面100aを有する基材100が得られる(図2(A)参照)。本工程S12を実施することにより、基材表面が撥水化され、後述する配線形成工程S16の際に、インクが基材表面から弾かれ、溝内部に導かれやすくなる。
本工程の実施の方法は特に制限されないが、フッ素原子含有ガスを用いたプラズマ処理により、基材の表面に撥水性を付与する(撥水処理を施す)ことが好ましい。本工程を実施することにより、基材表面をナノレベルで粗面化しつつ、プラズマ中に含まれるフッ素ラジカルまたはフッ化炭素ラジカルと基材との反応により、フッ素原子およびフッ化炭素基のいずれか一方または双方を基材表面に導入することができる。その両者が相まって、基材の表面エネルギーを低下させ、撥水性を向上できる。
プラズマ処理には公知のプラズマ処理装置を使用でき、例えば、プラズマ表面処理や低温灰化などに使用可能なプラズマ処理装置を用いることができる。また、チャンバーの形態の具体例としては、流通管型、ベルジャー型等が挙げられ、高周波放電のための電極の形態としては、平行平板型、同軸円筒型、円筒、球等の曲面対向平板型、双曲面対向平板型、複数の細線対向平板型などの電極が挙げられる。高周波電流は、容量結合形式、外部電極を用いた誘導形式のいずれによっても印加可能である。高周波電源の出力は、基材の材質および大きさ、用いられるフッ化原子含有ガスの種類および体積分率、チャンバーの容量および圧力等によって適宜調節されるが、例えば、10〜250Wである。
フッ素原子含有ガスとしては、フッ素原子が含まれていれば特に制限されないが、CF4、SF6、CHF3、CH22、CH3F、C26、C48などが挙げられる。中でも、CF4が好ましい。なお、フッ素原子含有ガスにヘリウムや窒素などの不活性ガスを混合して用いてもよい。
なお、本発明でいうところの「撥水化」とは、撥水化処理前の基材の水に対する接触角(θ)よりもフッ素原子含有ガスで撥水化処理した後の基材の水に対する接触角(θ1)の方が、5°以上大きくなるものをいうものと定義し、θとθ1の関係は、式1のように表せる。
式1:θ1−θ≧5
(基材)
以下では、本工程S12で使用される基材について詳述する。
本工程S12で使用される基材の種類は特に制限されず、後述する近赤外レーザにより溝が形成され得る基材であればよい。例えば、樹脂基材が挙げられる。また、特開2011−73370号公報の段落0023〜段落0143に記載される画像記録層や、特許4900913号公報の段落0062〜段落0169に記載される画像記録層を、本工程S12で使用される基材として用いることもできる。
なかでも、基材が、(成分A)重合性化合物および(成分B)熱重合開始剤を含有する熱硬化性層を熱硬化させて得られる基材を含むことが好ましい。以下に、熱硬化性層を構成する各成分について詳述する。
なお、熱硬化性層の形成に使用される、(成分A)重合性化合物および(成分B)熱重合開始剤を含有する熱硬化性組成物を「レーザ彫刻用組成物」とも呼ぶ。
(成分A)重合性化合物
熱硬化性層は、(成分A)重合性化合物を含有する。
重合性化合物としては、少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有する化合物であることが好ましい。使用される好ましい重合性化合物である、少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物は、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定することなく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー(すなわち2量体、3量体)、およびオリゴマー、またはそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
モノマーおよびその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と、単官能または多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物や、上記不飽和カルボン酸エステル、アミド類と、単官能または多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と、単官能または多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と、単官能または多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(I)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R')OH (I)
(ただし、RおよびR'は、HまたはCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−322号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
さらに、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する重合性化合物類を用いることによっては、非常に硬化速度に優れたレーザ彫刻用組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
硬化速度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、硬化性と強度の両方を調節する方法も有効である。
重合性化合物は、レーザ彫刻用組成物の全固形分の重量に対して、好ましくは2重量%〜90重量%、より好ましくは5重量%〜85重量%、さらに好ましくは5〜30重量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。なお、レーザ彫刻用組成物の全固形分とは、溶媒を除く成分を意味する。
(成分B)熱重合開始剤
熱硬化性層は、(成分B)熱重合開始剤を含有する。
熱重合開始剤は当業者間で公知のものを制限なく使用することができる。以下、好ましい熱重合開始剤であるラジカル重合開始剤について詳述するが、本発明はこれらの記述により制限を受けるものではない。
本発明において、好ましいラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられる。以下に、上記(a)〜(l)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明においては、感度と溝形状の形成性の観点から、(c)有機過酸化物および(l)アゾ系化合物がより好ましく、(c)有機過酸化物が特に好ましい。
(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、および(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、特開2008−63554号公報の段落0074〜0118に挙げられている化合物を好ましく用いることができる。
また、(c)有機過酸化物および(l)アゾ系化合物としては、以下に示す化合物が好ましい。
(c)有機過酸化物
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、3,3’,4,4’−テトラ(ターシャリーブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(ターシャリーアミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(ターシャリーヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(ターシャリーオクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジターシャリーブチルジパーオキシイソフタレート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエートなどの過酸化エステル系が好ましい。
(l)アゾ系化合物
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
本発明における熱重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
熱重合開始剤の含有量は、レーザ彫刻用組成物の全重量に対し0.001重量%以上15重量%以下が好ましく、0.002重量%以上10重量%以下がより好ましい。熱重合開始剤の含有量を0.001重量%以上とすることで、これを添加した効果が得られ、レーザ彫刻用組成物の架橋が速やかに行われる。また、含有量を15重量%以下とすることで他成分が不足することがなく基材として使用するに足る強度が得られるためである。
(成分C)光熱変換剤
熱硬化性層は、さらに(成分C)光熱変換剤を含有することが好ましい。
光熱変換剤は、700nm以上1,300nm以下に極大吸収波長を有することが好ましい。本発明において、赤外線吸収剤として成分Cが用いられることが好ましい。成分Cは、レーザ光を吸収し、発熱して基材の熱分解を促進し、感度を向上させると考えられる。
成分Cの具体的化合物として、波長700nm以上1,300nm以下に吸収極大を有していることが好ましく、染料または顔料が特に好ましく挙げられる。
染料としては、市販の染料および例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。
具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、ジインモニウム化合物、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等の各公報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等の各公報に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の各公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。また、米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号の各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号公報、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として、米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、成分Cの好ましい他の例としては、特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
これらの染料のうち好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。さらに、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましい。
好適に用いることのできるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落0017〜0019、特開2002−40638号公報の段落0012〜0038、特開2002−23360号公報の段落0012〜0023に記載されたものを挙げることができる。
下記式(d)または式(e)で表される色素が光熱変換性の観点から好ましい。
式(d)中、R29ないしR32は各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基を示す。R33およびR34は各々独立に、アルキル基、置換オキシ基、またはハロゲン原子を示す。nおよびmは各々独立に0ないし4の整数を示す。R29とR30、またはR31とR32はそれぞれ結合して環を形成してもよく、またR29および/またはR30はR33と、またR31および/またはR32はR34と結合して環を形成してもよく、さらに、R33或いはR34が複数存在する場合に、R33同士或いはR34同士は互いに結合して環を形成してもよい。X2およびX3は各々独立に、水素原子、アルキル基、またはアリール基であり、X2およびX3の少なくとも一方は水素原子またはアルキル基を示す。Qは置換基を有していてもよいトリメチン基またはペンタメチン基であり、2価の有機基と共に環構造を形成してもよい。Zc -は対アニオンを示す。ただし、式(d)で示される色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZc -は必要ない。好ましいZc -は、レーザ彫刻用組成物の保存安定性から、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、およびアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる式(d)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
式(e)中、R35〜R50はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基、オニウム塩構造を示し、これらの基に置換基が導入可能な場合は、置換基を有してもよい。Mは2つの水素原子、金属原子、ハロメタル基、またはオキシメタル基を示すが、そこに含まれる金属原子としては、周期律表の1族、2族、13族、14族原子、第一、第二、第三周期の遷移金属、ランタノイド元素が挙げられ、中でも、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、チタン、またはバナジウムが好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる式(e)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料等が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち特に好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
さらに、これらの光熱変換剤の熱分解温度がバインダーポリマーの熱分解温度同等以上という組み合わせ(条件)で使用する場合にさらにエッチング感度が高くなる傾向であり好ましい。
光熱変換剤の具体例としては、ヘプタメチンシアニン色素等のシアニン系色素、ペンタメチンオキソノール色素等のオキソノール系色素、インドリウム系色素、ベンズインドリウム系色素、ベンゾチアゾリウム系色素、キノリニウム系色素、顕色剤と反応させたフタリド化合物等を挙げることができる。全てのシアニン系色素が、前述した光吸収特性を有するものではない。置換基の種類および分子内での位置、共役結合の数、対イオンの種類、色素分子の存在する周囲の環境などにより、光吸収特性が極めて大きく変化する。
また、一般に市販されているレーザ色素、過飽和吸収色素、近赤外線吸収色素を使用することもできる。例えば、レーザ色素として、アメリカン・ダイ・ソース社(カナダ国)の商標「ADS740PP」、「ADS745HT」、「ADS760MP」、「ADS740WS」、「ADS765WS」、「ADS745HO」、「ADS790NH」、「ADS800NH」、(株)林原生物化学研究所製の商標「NK−3555」、「NK−3509」、「NK−3519」を挙げることができる。また、近赤外線吸収色素として、アメリカン・ダイ・ソース社(カナダ国)商標「ADS775MI」、「ADS775MP」、「ADS775HI」、「ADS775PI」、「ADS775PP」、「ADS780MT」、「ADS780BP」、「ADS793EI」、「ADS798MI」、「ADS798MP」、「ADS800AT」、「ADS805PI」、「ADS805PP」、「ADS805PA」、「ADS805PF」、「ADS812MI」、「ADS815EI」、「ADS818HI」、「ADS818HT」、「ADS822MT」、「ADS830AT」、「ADS838MT」、「ADS840MT」、「ADS845BI」、「ADS905AM」、「ADS956BI」、「ADS140T」、「ADS140P」、「ADS145P」、「ADS1050P」、「ADS160A」、「ADS165A」、「ADS165P」、「ADS1100T」、「ADS1120F」、「ADS1120P」、「ADS780WS」、「ADS785WS」、「ADS790WS」、「ADS805WS」、「ADS820WS」、「ADS830WS」、「ADS850WS」、「ADS780HO」、「ADS810CO」、「ADS820HO」、「ADS821NH」、「ADS840NH」、「ADS880MC」、「ADS890MC」、「ADS920MC」、山本化成(株)製、商標「YKR−2200」、「YKR−2081」、「YKR−2900」、「YKR−2100」、「YKR−3071」、有本化学工業(株)製、商標「SDO−1000B」、(株)林原生物化学研究所製、商標「NK−3508」、「NKX−114」を挙げることができる。ただし、これらのみに限定されるものではない。
また、顕色剤と反応させたフタリド化合物は、特許第3271226号公報に記載されているものを用いることもできる。また、リン酸エステル金属化合物、例えば特開平6−345820号公報、国際公開第99/10354号パンフレットに記載のあるリン酸エステルと銅塩との複合体を用いることもできる。さらに、近赤外線領域に光吸収特性を有する体積平均粒子径が好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下、特に好ましくは0.08μm以下の微粒子を用いることもできる。例えば、酸化イットリウム、酸化錫および/または酸化インジウム、酸化銅、酸化鉄等の金属酸化物、或いは金、銀、パラジウム、白金等の金属などを挙げることもできる。さらに、体積平均粒子径が5μm以下、より好ましくは1μm以下の、ガラス等の粒子中に銅、錫、インジウム、イットリウム、クロム、コバルト、チタン、ニッケル、バナジウム、希土類元素のイオン等の金属イオンを添加したものを用いることもできる。また、マイクロカプセル中に含有させることもできる。その場合、カプセルの体積平均粒子径は、10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。イオン交換体粒子に銅、錫、インジウム、イットリウム、希土類元素等の金属イオンを吸着させたものを用いることもできる。イオン交換体粒子としては、樹脂粒子であっても無機粒子であっても構わない。無機粒子としては、例えば非晶質リン酸ジルコニウム、非晶質ケイリン酸ジルコニウム、非晶質ヘキサメタリン酸ジルコニウム、層状リン酸ジルコニウム、網状リン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、ゼオライト等を挙げることができる。樹脂粒子としては、通常使用されているイオン交換樹脂、イオン交換セルロース等を挙げることができる。
光熱変換剤としては、安定性、光熱変換効率の観点からカーボンブラックを特に好ましく挙げることができる。カーボンブラックは、レーザ彫刻用組成物中における分散安定性などに問題がない限り、ASTMにより分類される規格の製品以外でも、カラー用、ゴム用、乾電池用などの各種用途に通常使用されるいずれのカーボンブラックも好ましく使用可能である。
ここでいうカーボンブラックには、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラックなども包含される。なお、カーボンブラックなどの黒色着色剤は、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして、レーザ彫刻用組成物の調製に使用することができ、このようなチップやペーストは市販品として容易に入手できる。
本発明においては、比較的低い比表面積および比較的低いDBP吸収を有するカーボンブラックや比表面積の大きい微細化されたカーボンブラックまでを使用することも可能である。
好適なカーボンブラックの市販品の例としては、Printex U(登録商標)、Printex A(登録商標)またはSpezialschwarz 4(登録商標)(い
ずれもDegussa社製)、シースト600 ISAF−LS(東海カーボン(株)製)、旭#70(N−300)、旭#80(N−220)(旭カーボン(株)製)等が挙げられる。
本発明においては、レーザ彫刻用組成物中での分散性の観点から、吸油量150ml/100g未満のカーボンブラックが好ましい。
このようなカーボンブラックの選択については、例えば、「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
カーボンブラックの吸油量が150ml/100g未満のものを用いると基材中で良好な分散性が得られるため好ましい。一方、カーボンブラックの吸油量が150ml/100g以上のものを用いた場合には、レーザ彫刻用組成物への分散性が悪くなる傾向があり、カーボンブラックの凝集が生じやすくなるため、感度の不均一などが生じ、好ましくない。また、凝集防止のため、塗布液作製時に、カーボンブラックの分散を強化する必要がある。
成分Cを分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、ペイントシェーカー、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
成分Cの含有量は、その分子固有の分子吸光係数の大きさにより異なるが、レーザ彫刻用組成物の固形分の全重量に対し0.1重量%以上15重量%以下の範囲であり、好ましくは0.1重量%以上10重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以上5重量%以下の範囲である。
成分Cの体積平均粒子径は、0.001μm以上10μm以下の範囲にあることが好ましく、0.05μm以上10μm以下の範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm以上7μm以下の範囲にあることが好ましい。
成分Cの体積平均粒子径は、レーザ散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定できる。
(成分D)加水分解性シリル基および/またはシラノール基を有する化合物
レーザ彫刻用組成物に好ましく用いられる(成分D)加水分解性シリル基および/またはシラノール基を有する化合物(以下、適宜、「成分D」と称する。)における「加水分解性シリル基」とは、加水分解性基を有するシリル基のことであり、加水分解性基としては、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、イソプロペノキシ基等を挙げることができる。シリル基は加水分解してシラノール基となり、シラノール基は脱水縮合してシロキサン結合が生成する。このような加水分解性シリル基またはシラノール基は下記式(1)で表されるものが好ましい。
式(1)中、R1〜R3の少なくともいずれか1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、および、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、または、ヒドロキシル基を表す。残りのR1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、1価の有機置換基(例えば、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基を挙げることができる。)を表す。
式(1)中、ケイ素原子に結合する加水分解性基としては、特にアルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましい。より好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基、さらに好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基、最も好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
また、ハロゲン原子としては、F原子、Cl原子、Br原子、I原子が挙げられ、合成のしやすさおよび安定性の観点で、好ましくはCl原子およびBr原子であり、より好ましくはCl原子である。
成分Dは、式(1)で表される基を1つ以上有する化合物であることが好ましく、2つ以上有する化合物であることがより好ましい。特に加水分解性シリル基を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。すなわち、分子内に加水分解性基が結合したケイ素原子を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。成分D中に含まれる加水分解性基が結合したケイ素原子の数は、2以上6以下が好ましく、2または3が最も好ましい。
加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜4個の範囲で結合することができ、式(1)中における加水分解性基の総個数は2または3の範囲であることが好ましい。特に3つの加水分解性基がケイ素原子に結合していることが好ましい。加水分解性基がケイ素原子に2個以上結合するときは、それらは互いに同一であっても、異なっていてもよい。
好ましいアルコキシ基として、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などを挙げることができる。これらの各アルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよいし、異なるアルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよい。
アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシモノアルキルシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシジアルキルシリル基を挙げることができる。
成分Dは、硫黄原子、エステル結合、ウレタン結合、エーテル結合、ウレア結合、または、イミノ基を少なくとも有することが好ましい。
中でも、成分Dは、架橋性の観点から、硫黄原子を含有することが好ましく、アルカリ水で分解しやすいエステル結合、ウレタン結合、または、エーテル結合(特にオキシアルキレン基に含まれるエーテル結合)を含有することが好ましい。硫黄原子を含有する成分Dは、加硫処理時に、加硫剤や加硫促進剤として機能し、共役ジエン単量体単位を含有する重合体の反応(架橋)を促進する。その結果、基材の強度を向上させる。
また、成分Dは、エチレン性不飽和結合を有していない化合物であることが好ましい。
成分Dは、複数の上記式(1)で表される基が二価の連結基を介して結合している化合物が挙げられ、このような二価の連結基としては、効果の観点からスルフィド基(−S−)、イミノ基(−N(R)−)、ウレア基または、ウレタン結合(−OCON(R)−またはN(R)COO−)を有する連結基が好ましい。なお、Rは水素原子または置換基を表す。Rにおける置換基としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、または、アラルキル基が例示できる。
成分Dの合成方法としては、特に制限はなく、公知の方法により合成することができる。一例として、上記特定構造を有する連結基を含む成分Dの代表的な合成方法を以下に示す。
(連結基としてスルフィド基を有し、かつ加水分解性シリル基および/またはシラノール基を有する化合物の合成法)
連結基としてスルフィド基を有する成分Dの合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Dと硫化アルカリの反応、メルカプト基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素の反応、メルカプト基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素基を有する成分Dの反応、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Dとメルカプタン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとメルカプタン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとメルカプト基を有する成分Dの反応、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とメルカプト基を有する成分Dの反応、ケトン類とメルカプト基を有する成分Dの反応、ジアゾニウム塩とメルカプト基を有する成分Dの反応、メルカプト基を有する成分Dとオキシラン類との反応、メルカプト基を有する成分Dとオキシラン基を有する成分Dの反応、および、メルカプタン類とオキシラン基を有する成分Dの反応、メルカプト基を有する成分Dとアジリジン類との反応等の合成方法が例示できる。
(連結基としてイミノ基を有し、かつ加水分解性シリル基および/またはシラノール基を有する化合物の合成法)
連結基としてイミノ基を有する成分Dの合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、アミノ基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素の反応、アミノ基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素基を有する成分Dの反応、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Dとアミン類の反応、アミノ基を有する成分Dとオキシラン類との反応、アミノ基を有する成分Dとオキシラン基を有する成分Dの反応、アミン類とオキシラン基を有する成分Dの反応、アミノ基を有する成分Dとアジリジン類との反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとアミン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとアミノ基を有する成分Dの反応、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とアミノ基を有する成分Dの反応、アセチレン性不飽和三重結合を有する化合物とアミノ基を有する成分Dの反応、イミン性不飽和二重結合を有する成分Dと有機アルカリ金属化合物の反応、イミン性不飽和二重結合を有する成分Dと有機アルカリ土類金属化合物の反応、および、カルボニル化合物とアミノ基を有する成分Dの反応等の合成方法が例示できる。
(連結基としてウレア結合を有し、かつ加水分解性シリル基および/またはシラノール基を有する化合物の合成法)
連結基としてウレア基を有する成分Dの合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、アミノ基を有する成分Dとイソシアン酸エステル類の反応、アミノ基を有する成分Dとイソシアン酸エステルを有する成分Dの反応、および、アミン類とイソシアン酸エステルを有する成分Dの反応等の合成方法が例示できる。
成分Dとしては、下記式(A−1)または式(A−2)で表される化合物であることが好ましい。

(式(A−1)および式(A−2)中、RBはエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、または、イミノ基を表し、L1はn価の連結基を表し、L2は二価の連結基を表し、Ls1はm価の連結基を表し、L3は二価の連結基を表し、nおよびmはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、または、一価の有機置換基を表す。ただし、R1〜R3の少なくともいずれか1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、および、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、または、ヒドロキシル基を表す。)
式(A−1)および式(A−2)におけるR1〜R3は、上記式(1)におけるR1〜R3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Bは、膜強度の観点から、エステル結合またはウレタン結合であることが好ましく、エステル結合であることがより好ましい。
1〜L3における二価またはn価の連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子から構成された基であることが好ましく、炭素原子、水素原子、酸素原子および硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子から構成された基であることがより好ましい。上記L1〜L3の炭素数は、2〜60であることが好ましく、2〜30であることがより好ましい。
s1におけるm価の連結基は、硫黄原子と、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子および硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子とから構成された基であることが好ましく、アルキレン基、または、アルキレン基、スルフィド基およびイミノ基を2以上組み合わせた基であることがより好ましい。上記Ls1の炭素数は、2〜60であることが好ましく、6〜30であることがより好ましい。
nおよびmはそれぞれ独立に、1〜10の整数であることが好ましく、2〜10の整数であることがより好ましく、2〜6の整数であることがさらに好ましく、2であることが特に好ましい。
1のn価の連結基および/またはL2の二価の連結基、または、L3の二価の連結基は、エッチングカスの除去性(リンス性)の観点から、エーテル結合を有することが好ましく、オキシアルキレン基に含まれるエーテル結合を有することがより好ましい。
式(A−1)または式(A−2)で表される化合物の中でも、架橋性等の観点から、式(A−1)において、L1のn価の連結基および/またはL2の二価の連結基が硫黄原子を有する基であることが好ましい。
成分Dの具体例を、以下に示す。例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)ジエトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ジメトキシメチル−3−(3−フェノキシプロピルチオプロピル)シラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)デカン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ウレア、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、トリメチルシラノール、ジフェニルシランジオール、トリフェニルシラノール等を挙げることができる。その他にも、以下に示す化合物が好ましいものとして挙げられるが、本発明はこれらの化合物に制限されるものではない。
各式中、Rは以下の構造から選択される部分構造を表す。分子内に複数のRおよびR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一であることが好ましい。
各式中、Rは以下に示す部分構造を表す。R1は上記したものと同義である。分子内に複数のRおよびR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一であることが好ましい。
成分Dは、適宜合成して得ることも可能であるが、市販品を用いることがコストの面から好ましい。成分Dとしては、例えば、信越化学工業(株)、東レ・ダウコーニング(株)、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ(株)、チッソ(株)等から市販されているシラン製品、シランカップリング剤などの市販品がこれに相当するため、レーザ彫刻用組成物に、これら市販品を、目的に応じて適宜選択して使用してもよい。
成分Dとして、加水分解性シリル基および/またはシラノール基を有する化合物を1種用いて得られた部分加水分解縮合物、または、2種以上用いて得られた部分共加水分解縮合物を用いることができる。以下、これらの化合物を「部分(共)加水分解縮合物」と称することがある。
部分(共)加水分解縮合物前駆体としてのシラン化合物の中でも、汎用性、コスト面、膜の相溶性の観点から、ケイ素上の置換基としてメチル基およびフェニル基から選択される置換基を有するシラン化合物であることが好ましく、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランが好ましい前駆体として例示される。
この場合、部分(共)加水分解縮合物としては、上記したようなシラン化合物の2量体(シラン化合物2モルに水1モルを作用させてアルコール2モルを脱離させ、ジシロキサン単位としたもの)〜100量体、好ましくは2〜50量体、さらに好ましくは2〜30量体としたものが好適に使用できるし、2種以上のシラン化合物を原料とする部分共加水分解縮合物を使用することも可能である。
なお、このような部分(共)加水分解縮合物は、シリコーンアルコキシオリゴマーとして市販されているものを使用してもよく(例えば、信越化学工業(株)などから市販されている。)、また、常法に基づき、加水分解性シラン化合物に対し当量未満の加水分解水を反応させた後に、アルコール、塩酸等の副生物を除去することによって製造したものを使用してもよい。製造に際しては、前駆体となる原料の加水分解性シラン化合物として、例えば、上記したようなアルコキシシラン類やアシロキシシラン類を使用する場合は、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、トリエチルアミン等のアルカリ性有機物質等を反応触媒として部分加水分解縮合すればよく、クロロシラン類から直接製造する場合には、副生する塩酸を触媒として水およびアルコールを反応させればよい。
レーザ彫刻用組成物における成分Dは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レーザ彫刻用組成物中に含まれる成分Dの含有量は、固形分換算で、0.1〜80重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜40重量%の範囲であり、最も好ましくは5〜30重量%の範囲である。
(成分E)バインダーポリマー
レーザ彫刻用組成物は、(成分E)バインダーポリマーを含有することが好ましい。
バインダーポリマーは、重量平均分子量500〜1,000,000の結着樹脂であることが好ましく、特に制限されないが、一般的な高分子化合物を適宜選択し、1種を単独使用するか、または、2種以上を併用することができ、特にエッチング性、インキ受与性、エッチングカス分散性などの種々の性能を考慮して選択することが好ましい。
バインダーポリマーとしては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー、アクリル樹脂、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどから選択して用いることができる。
例えば、エッチング感度の観点からは、露光または加熱により熱分解する部分構造を含むポリマーが好ましい。このようなポリマーは、特開2008−163081号公報の段落0038に記載されているものが好ましく挙げられる。また、例えば、柔軟で可撓性を有する膜形成が目的とされる場合には、軟質樹脂や熱可塑性エラストマーが選択される。特開2008−163081号公報の段落0039〜0040に詳述されている。さらに、レーザ彫刻用組成物の調製の容易性の観点から、親水性または親アルコール性ポリマーを使用することが好ましい。親水性ポリマーとしては、特開2008−163081号公報の段落0041に詳述されているものを使用することができる。
バインダーポリマーは、エッチング形状およびリンス性の観点においてバインダーポリマーとしてエラストマーバインダーよりも非エラストマー性バインダーの方が好ましい。ここで、非エラストマー性バインダーとは、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上であるバインダーポリマーを意味する。なお、複数のガラス転移温度を有する場合、全てのガラス転移温度が20℃以上である。即ち、エラストマーとは、一般的に、ガラス転移温度が常温以下のポリマーであるとして学術的に定義されている(科学大辞典 第2版、編者 国際科学振興財団、発行 丸善(株)、P154参照)。従って、非エラストマーとはガラス転移温度が常温を超える温度であるポリマーを指す。バインダーポリマーのガラス転移温度の上限には制限はないが、200℃以下であることが取り扱い性の観点から好ましく、25℃以上120℃以下であることがより好ましい。
加えて、加熱や露光により硬化させ、強度を向上させる目的に使用する場合には、分子内に、ヒドロキシル基、アルコキシ基、加水分解性シリル基およびシラノール基、エチレン性不飽和結合などを有するポリマーが好ましく用いられる。
この反応性官能基は、ポリマー分子中のいずれかに存在すればよいが、鎖状ポリマーの側鎖に存在することが好ましい。このようなポリマーとしては、ビニル共重合体(ポリビニルアルコールやポリビニルアセタールなどのビニルモノマーの共重合体およびその誘導体)やアクリル樹脂(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系モノマーの共重合体およびその誘導体)が好ましく例示できる。
バインダーポリマーに反応性官能基を導入する方法は特に限定されず、反応性官能基を有する単量体を付加(共)重合または重縮合する方法、反応性官能基に誘導可能な基を有するポリマーを合成した後、このポリマーを高分子反応により反応性官能基に誘導する方法が含まれる。
バインダーポリマーとしては、ヒドロキシル基を有するバインダーポリマー(E−1)が好ましく用いられる。以下にE−1について説明する。
(E−1)ヒドロキシル基を有するバインダーポリマー
レーザ彫刻用組成物におけるバンインダーポリマーとしては、(E−1)ヒドロキシル基を有するバインダーポリマー(以下、「特定ポリマー」ともいう。)が好ましい。この特定ポリマーは、水不溶であって、かつ、炭素数1〜4のアルコールに可溶であることが好ましい。
E−1として、ポリビニルアセタールおよびその誘導体、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂、および、側鎖にヒドロキシル基を有するエポキシ樹脂等が好ましく挙げられる。
E−1は、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上であることが好ましい。成分Cすなわち光熱変換剤と組み合わせた場合に、バインダーポリマーのガラス転移温度(Tg)を20℃以上とすることにより、エッチング感度が向上する。このようなガラス転移温度を有するバインダーポリマーを以下、「非エラストマー」ともいう。バインダーポリマーのガラス転移温度の上限には制限はないが、200℃以下であることが取り扱い性の観点から好ましく、25℃以上120℃以下であることがより好ましい。
ガラス転移温度が室温(20℃)以上のポリマーを用いる場合、特定ポリマーは常温ではガラス状態をとるが、このためゴム状態をとる場合に比較して、熱的な分子運動はかなり抑制された状態にある。レーザ照射時にレーザが付与する熱に加え、(成分C)光熱変換剤の機能により発生した熱が、周囲に存在する特定ポリマーに伝達され、これが熱分解、消散して、結果的にエッチングされて凹部が形成されると推定される。
特定ポリマーを用いた場合、特定ポリマーの熱的な分子運動が抑制された状態の中に光熱変換剤が存在すると特定ポリマーへの熱伝達と熱分解が効果的に起こるものと考えられ、このような効果によってエッチング感度がさらに増大したものと推定される。
本発明において好ましく用いられる非エラストマーであるポリマーの具体例を以下に挙
げる。
(1)ポリビニルアセタールおよびその誘導体
ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルを鹸化して得られる。)を環状アセタール化することにより得られる化合物である。また、ポリビニルアセタール誘導体は、ポリビニルアセタールを変性したり、他の共重合成分を加えたものである。
ポリビニルアセタール誘導体中のアセタール含量(原料の酢酸ビニルモノマーの総モル数を100%とし、アセタール化されるビニルアルコール単位のモル%)は、30〜90%が好ましく、50〜85%がより好ましく、55〜78%が特に好ましい。
ポリビニルアセタール誘導体中のビニルアルコール単位としては、原料の酢酸ビニルモノマーの総モル数に対して、10〜70モル%が好ましく、15〜50モル%がより好ましく、22〜45モル%が特に好ましい。
また、ポリビニルアセタールは、その他の成分として、酢酸ビニル単位を有していてもよく、その含量としては0.01〜20モル%が好ましく、0.1〜10モル%がさらに好ましい。ポリビニルアセタール誘導体は、さらに、その他の共重合単位を有していてもよい。
ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルブチラール、ポリビニルプロピラール、ポリビニルエチラール、ポリビニルメチラールなどが挙げられる。中でも、ポリビニルブチラール誘導体(PVB)が好ましい。
ポリビニルブチラールは、通常、ポリビニルアルコールをブチラール化して得られるポリマーである。また、ポリビニルブチラール誘導体を用いてもよい。
ポリビニルブチラール誘導体の例として、水酸基の少なくとも一部をカルボキシル基等の酸基に変性した酸変性PVB、水酸基の一部を(メタ)アクリロイル基に変性した変性PVB、水酸基の少なくとも一部をアミノ基に変性した変性PVB、水酸基の少なくとも一部にエチレングリコールやプロピレングリコールおよびこれらの複量体を導入した変性PVB等が挙げられる。
ポリビニルアセタールの分子量としては、エッチング感度と皮膜性のバランスを保つ観点で、重量平均分子量として5,000〜800,000であることが好ましく、8,000〜500,000であることがより好ましい。さらに、エッチングカスのリンス性向上の観点からは、50,000〜300,000であることが特に好ましい。
以下、ポリビニルアセタールの特に好ましい例として、ポリビニルブチラール(PVB)およびその誘導体を挙げて説明するが、これに限定されない。
ポリビニルブチラールの構造は、以下に示す通りであり、これらの構成単位を含んで構成される。
上記式中、l、mおよびnは上記式中のそれぞれの繰返し単位のポリビニルブチラール中における含有量(モル%)を表し、l+m+n=100の関係を満たす。ポリビニルブチラールおよびその誘導体中のブチラール含量(上記式中におけるlの値)は、30〜90モル%が好ましく、40〜85モル%がより好ましく、45〜78モル%が特に好ましい。エッチング感度と皮膜性とのバランスの観点から、ポリビニルブチラールおよびその誘導体の重量平均分子量は、5,000〜800,000が好ましく、8,000〜500,000がより好ましく、エッチングカスのリンス性向上の観点からは、50,000〜300,000が特に好ましい。
PVBの誘導体としては、市販品としても入手可能であり、その好ましい具体例としては、アルコール溶解性(特にエタノール)の観点で、積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズ、「エスレックK(KS)」シリーズ、電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」が好ましい。さらに好ましくは、アルコール溶解性(特にエタノール)の観点で積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズと電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」である。これらのうち、特に好ましい市販品を、上記式中の、l、m、およびnの値と、分子量と共に以下に示す。積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズでは、「BL−1」(l=61、m=3、n=36 重量平均分子量 1.9万)、「BL−1H」(l=67、m=3、n=30 重量平均分子量 2.0万)、「BL−2」(l=61、m=3、n=36 重量平均分子量 約2.7万)、「BL−5」(l=75、m=4、n=21 重量平均分子量 3.2万)、「BL−S」(l=74、m=4、n=22 重量平均分子量 2.3万)、「BM−S」(l=73、m=5、n=22 重量平均分子量 5.3万)、「BH−S」(l=73、m=5、n=22 重量平均分子量 6.6万)が、また、電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」シリーズでは「#3000−1」(l=71、m=1、n=28 重量平均分子量 7.4万)、「#3000−2」(l=71、m=1、n=28 重量平均分子量 9.0万)、「#3000−4」(l=71、m=1、n=28 重量平均分子量 11.7万)、「#4000−2」(l=71、m=1、n=28 重量平均分子量 15.2万)、「#6000−C」(l=64、m=1、n=35 重量平均分子量 30.8万)、「#6000−EP」(l=56、m=15、n=29 重量平均分子量 38.1万)、「#6000−CS」(l=74、m=1、n=25 重量平均分子量 32.2万)、「#6000−AS」(l=73、m=1、n=26 重量平均分子量 24.2万)が、それぞれ挙げられる。
PVB誘導体を特定ポリマーとして用いて熱硬化性層を製膜する際には、溶剤に溶かした溶液をキャストし乾燥させる方法が、膜表面の平滑性の観点で好ましい。
(2)アクリル樹脂
特定ポリマーとして用いることができるアクリル樹脂としては、公知のアクリル単量体を用いて得るアクリル樹脂であって、分子内にヒドロキシル基を有するものであればよい。
ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の合成に用いられるアクリル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類(メタ)アクリルアミド類であって分子内にヒドロキシル基を有するものが好ましい。この様な単量体の具体例としては例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタアクリル」のいずれか一方、または、その両方を含む語であり、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリル」および「メタアクリル」のいずれか一方、または、その両方を含む語である。
また、アクリル樹脂としては、上記ヒドロキシル基を有するアクリル単量体以外のアクリル単量体を共重合成分として含むこともできる。このようなアクリル単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体のモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、ウレタン基やウレア基を有するアクリル単量体を含んで構成される変性アクリル樹脂も好ましく使用することができる。
これらの中でも、水性インキ耐性の観点で、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレートなど脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート類が特に好ましい。
(3)ノボラック樹脂
また、特定ポリマーとして、フェノール類とアルデヒド類を酸性条件下で縮合させた樹脂であるノボラック樹脂を用いることができる。
好ましいノボラック樹脂としては、例えば、フェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−またはm−/p−,m−/o−,o−/p−混合のいずれでもよい。)の混合物とホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂などが挙げられる。
これらのノボラック樹脂は、重量平均分子量が800〜200,000で、数平均分子量が400〜60,000のものが好ましい。
特定ポリマーとして、ヒドロキシル基を側鎖に有するエポキシ樹脂を用いることも可能である。好ましい具体例としては、ビスフェノールAとエピクロヒドリンの付加物を原料モノマーとして重合して得られるエポキシ樹脂が好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、重量平均分子量が800〜200,000であり、かつ、数平均分子量が400〜60,000のものが好ましい。
特定ポリマーの中でも、ポリビニルブチラール誘導体が特に好ましい。
特定ポリマーに含まれるヒドロキシル基の含有量は、いずれの態様のポリマーにおいても、0.1〜15mmol/gであることが好ましく、0.5〜7mmol/gであることがより好ましい。
熱硬化性層には、上記特定ポリマーに加え、ヒドロキシル基を有しないポリマーなど特定ポリマーに包含されない公知のポリマーを単独使用または上記の特定ポリマーと併用することができる。以下、このようなポリマーを一般ポリマーともいう。
一般ポリマーは、特定ポリマーと共に、熱硬化性層に含有される主成分を構成するものであり、特定ポリマーに包含されない一般的な高分子化合物を適宜選択し、1種または2種以上を使用することができる。特に、エッチング性、インキ受与性、エッチングカス分散性などの種々の性能を考慮してバインダーポリマーを選択することが必要である。
一般ポリマーとしては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレアポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどから選択して用いることができる。
例えば、エッチング感度の観点からは、露光または加熱により熱分解する部分構造を含むポリマーが好ましい。このようなポリマーは、特開2008−163081号公報の段落0038に記載されているものが好ましく挙げられる。また、例えば、柔軟で可撓性を有する膜形成が目的とされる場合には、軟質樹脂や熱可塑性エラストマーが選択される。特開2008−163081号公報の段落0039〜0040に詳述されている。さらに、レーザ彫刻用組成物の調製の容易性、得られたフレキソ印刷版における油性インクに対する耐性向上の観点から、親水性または親アルコール性ポリマーを使用することが好ましい。親水性ポリマーとしては、特開2008−163081号公報の段落0041に詳述されているものを使用することができる。
レーザ彫刻用組成物には、成分Eを1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
レーザ彫刻用組成物における成分Eの含有量は、塗膜の形態保持性と耐水性とエッチング感度をバランスよく満足する観点で、レーザ彫刻用組成物の全重量に対し、2〜95重量%であることが好ましく、5〜80重量%であることがより好ましく、10〜60重量%であることが特に好ましい。
(成分F)アルコール交換反応触媒
レーザ彫刻用組成物が成分Dを含有する場合、成分Dと特定バインダーポリマーとの反応を促進するため、(成分F)アルコール交換反応触媒を含有することが好ましい。
アルコール交換反応触媒は、一般に用いられる反応触媒であれば、限定なく適用できる。
以下、代表的なアルコール交換反応触媒である酸或いは塩基性触媒、および、金属錯体触媒について順次説明する。
−酸または塩基性触媒−
触媒としては、酸もしくは塩基性化合物をそのまま用いるか、または、水もしくは有機溶剤などの溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触媒、塩基性触媒と称する。)を用いる。溶媒に溶解させる際の濃度については特に限定はなく、用いる酸、或いは塩基性化合物の特性、触媒の所望の含有量などに応じて適宜選択すればよい。
酸性触媒または塩基性触媒の種類は特に限定されないが、具体的には、酸性触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表される構造式のRを他元素または置換基によって置換した置換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、リン酸などが挙げられ、塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルアミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられる。層中でのアルコール交換反応を速やかに進行させる観点で、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホネート、リン酸、ホスホン酸、酢酸、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ヘキサメチレンテトラミンが好ましく、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ヘキサメチレンテトラミンが特に好ましい。
−金属錯体触媒−
アルコール交換反応触媒として用いられる金属錯体触媒は、好ましくは、周期律表の2、4、5および13族よりなる群から選ばれる金属元素とβ−ジケトン(アセチルアセトンなどが好ましい。)、ケトエステル、ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル、アミノアルコール、および、エノール性活性水素化合物よりなる群から選ばれるオキソまたはヒドロキシ酸素化合物から構成されるものである。
さらに、構成金属元素の中では、Mg、Ca、St、Baなどの2族元素、Ti、Zrなどの4族元素、並びに、V、NbおよびTaなどの5族元素、Al、Gaなどの13族元素が好ましく、それぞれ触媒効果の優れた錯体を形成する。その中でも、Zr、AlまたはTiから得られる錯体が優れており、好ましく、特にオルトチタン酸エチルなどが好ましく例示できる。
これらは水系塗布液での安定性、および、加熱乾燥時のゾルゲル反応でのゲル化促進効果に優れているが、中でも、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジ(アセチルアセトナト)チタニウム錯塩、ジルコニウムトリス(エチルアセトアセテート)が特に好ましい。
レーザ彫刻用組成物には、アルコール交換反応触媒を1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。レーザ彫刻用組成物におけるアルコール交換反応触媒の含有量は、水酸基を有する特定バインダーポリマーに対して、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましい。
(その他の成分)
レーザ彫刻用組成物には、さらにその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。
(重合禁止剤)
本発明においては、以上の基本成分の他にレーザ彫刻用組成物の製造中または保存中において、重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加してもよい。適当な熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t―ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、レーザ彫刻用組成物の全重量に対して0.01重量%以上10重量%以下が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加してもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、レーザ彫刻用組成物の全重量に対して0.5重量%以上15重量%以下が好ましい。
(充填剤)
充填剤としては有機化合物、無機化合物、或いはこれらの混合物のいずれでもよい。例えば、有機化合物としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛などが挙げられる。無機化合物としては、シリカ、アルミナ、アルミニウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
(可塑剤)
可塑剤は、レーザ彫刻用組成物を柔軟化する作用を有するものであり、バインダーポリマーに対して相溶性のよいものである必要がある。可塑剤としては、例えばジエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、レーザ彫刻用組成物の固形分の全重量に対して60重量%以下の添加量が好ましく、50重量%以下がより好ましい。
(着色剤)
さらに、レーザ彫刻用組成物の着色を目的として、染料または顔料等の着色剤を添加してもよい。着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。着色剤の添加量は、レーザ彫刻用組成物の全重量に対して、0.5重量%以上10重量%以下が好ましい。
(共増感剤)
ある種の添加剤(以後、共増感剤という。)を用いることで、レーザ彫刻用組成物を光硬化させる際の感度をさらに向上させることができる。これらの作用機構は、明確ではないが、多くは次のような化学プロセスに基づくものと考えられる。即ち、光重合開始剤により開始される光反応とそれに引き続く重合反応の過程で生じる様々な中間活性種(ラジカル、カチオン)と、共増感剤が反応し、新たな活性ラジカルを生成するものと推定される。これらは、大きくは、(i)還元されて活性ラジカルを生成しうるもの、(ii)酸化されて活性ラジカルを生成しうるもの、(iii)活性の低いラジカルと反応し、より活性の高いラジカルに変換するか、または連鎖移動剤として作用するものに分類できるが、個々の化合物がこれらのどれに属するかに関しては通説がない場合も多い。共増感剤としては、トリハロメチル−s−トリアジン類や、トリハロメチルオキサジアゾールやジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、N−アルコキシピリジニウム(アジニウム)塩類、アルキルアート錯体、アルキルアミン化合物、α−置換メチルカルボニル化合物、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンゾオキサゾール類、2−メルカプトベンズイミダゾール類等が挙げられる。これらの共増感剤のより具体的な例は、例えば、特開平9−236913号公報中に、感度向上を目的とした添加剤として、多く記載されており、それらを本発明においても適用することができる。
共増感剤は、単独でまたは2種以上併用して用いることができる。使用量は重合性化合物100重量部に対し好ましくは0.05重量部以上100重量部以下、より好ましくは1重量部以上80重量部以下、さらに好ましくは3重量部以上50重量部以下の範囲が適当である。
(溶媒)
本発明において、レーザ彫刻用組成物を調製する際に用いる溶媒は、主として非プロトン性の有機溶媒を用いることが好ましい。より具体的には、非プロトン性の有機溶媒/プロトン性有機溶媒=100/0〜50/50(重量比)で用いることが好ましい。より好ましくは100/0〜70/30、特に好ましくは100/0〜90/10である。
非プロトン性の有機溶媒の好ましい具体例は、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドである。
プロトン性有機溶媒の好ましい具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオールである。
また、使用する溶媒量は特に限定されないが、レーザ彫刻用組成物中の固形分量が30〜95重量%となるように使用することが好ましく、45〜90重量%がより好ましく、60〜88重量%がさらに好ましい。
上述した基材の製造方法は、成分Aおよび成分Bを含有する熱硬化性層を形成する熱硬化性層形成工程、および、該熱硬化性層を熱硬化させる熱硬化工程をこの順で有することが好ましい。また、上記熱硬化性層形成工程と、熱硬化工程との間に、酸素遮断フィルムを該熱硬化性層に積層する積層工程、を有することが好ましい。また、熱硬化性層の酸素遮断フィルムと接する面とは反対面に接着剤を付与し、支持体を貼り合わせる工程(以下、支持体付与工程)をさらに有することが好ましい。
以下、各工程について詳述する。
(熱硬化性層形成工程)
熱硬化性層の形成は、特に限定されるものではないが、例えば、レーザ彫刻用組成物を調製し、必要に応じて、このレーザ彫刻用組成物から溶剤を除去した後に、エンドレスベルトや金属ドラム等の基体、または支持体上に溶融押し出しする方法が挙げられる。或いは、レーザ彫刻用組成物を、基体または支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥してレーザ彫刻用組成物から溶剤を除去する方法でもよい。
本発明において、熱硬化性層をシート状、または円筒状に成形する方法は、既存の樹脂の成形方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機等の機械で樹脂をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等が例示できる。その際、樹脂の性能を落とさない範囲で加熱しながら成形を行うことも可能である。また、必要に応じて圧延処理、研削処理などを施してもよい。PETやニッケルなどの素材からなるバックフィルムといわれる支持体下敷きの上に成形される場合が多いが、直接印刷機のシリンダー上に成形する場合などもありうる。また、繊維強化プラスチック(FRP)製、プラスチック製或いは金属製の円筒状基体を用いることもできる。円筒状基体は軽量化のために一定厚みで中空のものを使用することができる。バックフィルム或いは円筒状基体の役割は、寸法安定性を確保することである。従って、寸法安定性の高いものを選択する必要がある。
材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビスマレイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンチオエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂からなる液晶樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
また、これらの樹脂を積層して用いることもできる。例えば、厚み4.5μmの全芳香族ポリアミドフィルムの両面に厚み50μmのポリエチレンテレフタレートの層を積層したシート等でもよい。また、多孔質性のシート、例えば繊維を編んで形成したクロスや、不織布、フィルムに細孔を形成したもの等をバックフィルムとして用いることができる。バックフィルムとして多孔質性シートを用いる場合、レーザ彫刻用組成物を孔に含浸させた後に硬化させることで、基材とバックフィルムとが一体化するために高い接着性を得ることができる。
クロスまたは不織布を形成する繊維としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アルミナ・シリカ繊維、ホウ素繊維、高珪素繊維、チタン酸カリウム繊維、サファイア繊維などの無機系繊維、木綿、麻などの天然繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイミド、アラミド等の合成繊維を挙げることができる。また、バクテリアの生成するセルロースは、高結晶性ナノファイバーであり、薄くて寸法安定性の高い不織布を作製することのできる材料である。
熱硬化性層の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定して構わないが、好ましくは0.05mm以上10mm以下の範囲である。エッチングのしやすさからより好ましくは0.1mm以上7mm以下の範囲である。場合によっては、組成の異なる材料を複数積層していても構わない。熱硬化性層の厚みは、好ましくは0.0005mm以上10mm以下、より好ましくは0.005mm以上7mm以下である。
(熱硬化工程)
上述した熱硬化性層を熱により架橋し、基材を得ることができる。架橋はレーザ彫刻用組成物が硬化される反応であれば特に限定されず、成分A(重合性化合物)による重合反応や、成分D(加水分解性シリル基および/またはシラノール基を有する化合物)と成分E(バインダーポリマー)との反応などによる架橋構造が例示できる。
熱により硬化を行うための加熱手段としては、熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
なお、後述する積層工程を実施する場合、熱硬化工程は、熱硬化性層と酸素遮断フィルムとが積層された状態で行う。
(積層工程)
熱硬化性層に酸素遮断フィルムを積層する方法としては、特に限定されないが、熱硬化性層と酸素遮断フィルムとの間に気体が入らないように密着して積層することが好ましい。
レーザ彫刻用組成物を支持体表面または版胴に流延または塗布した後に、酸素遮断フィルムを積層し、オーブン中で乾燥させてもよく、酸素遮断フィルム上に熱硬化性層を積層し、次いで支持体を積層する方法でもよく、特に限定されない。
(支持体付与工程)
本発明において、熱硬化性層の酸素遮断フィルムと接する面とは反対面に接着剤を付与し、支持体を貼り合わせる工程(支持体付与工程)を有することが好ましい。
支持体付与工程は、熱硬化工程の前に行うこともでき、熱硬化工程の後に行うこともできるが、熱硬化工程の後に行うことが好ましい。エンドレスベルト等の基体上に熱硬化性層を形成した場合に、支持体付与工程を有することが好ましい。
使用する接着剤としては特に限定されず、光硬化性接着剤、熱硬化性接着剤、嫌気性接着剤等が例示される。これらの中でも、硬化反応の制御の容易性から、光硬化性接着剤であることが好ましい。
光硬化性接着剤は、室温(20℃)において液状であっても固体状であってもよい。室温で液状である場合には、粘度が100Pa・s〜10kPa・sであることが好ましく、より好ましくは500Pa・s〜5kPa・sであり、さらに好ましくは1kPa・s〜5kPa・sである。上記の粘度範囲であると、接着剤を付与した際に液だれが抑制されるので好ましい。
また、室温について固体状である場合には、光硬化性接着剤が軟化する温度まで加熱することが好ましい。また、溶剤に溶解させて塗布後、溶剤を乾燥除去することが好ましいが、無溶剤型のホットメルト光硬化性接着剤を加熱した状態で塗布してもよい。
接着剤として光硬化性接着剤を使用する場合には、透明支持体を使用することが好ましい。透明支持体は光の透過率が高く、光硬化性接着剤を硬化させるために、支持体側から光照射することができ、少ない照射量で硬化反応を行うことができる。
以下では、上記工程で使用される部材について詳述する。
(酸素遮断フィルム)
以下に、本発明に使用される酸素遮断フィルムについて説明する。
本発明において、酸素遮断フィルムは、25℃、1気圧下における酸素透過性が30ml/m2・day・atm以下であることが好ましく、10ml/m2・day・atm以下であることがより好ましく、5ml/m2・day・atm以下であることが特に好ましい。
酸素透過性は、JIS−K7126BおよびASTM−D3985に記載の気体透過度試験方法に則り、モコン社製OX−TRAN2/21を用い、25℃60%RHの環境下で酸素透過率(ml/m2・day・atm)を測定する。
酸素遮断フィルムの材質については、上記の酸素透過性の好ましい態様を満足する樹脂であれば特に限定されるものではないが、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリフッ化ビニルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ酢酸ビニルフィルム、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、およびポリアクリロニトリルフィルムなどの樹脂を好ましく挙げることができ、より好ましくは、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルムが挙げることができ、特に好ましくは、ポリ塩化ビニリデンフィルムが挙げられる。
酸素遮断フィルムの厚さに関しては、酸素遮断フィルムの材質にもよるが、薄すぎるとラミネートする際に皴がよってしまい、エッチング面状不良を引き起こし、厚すぎると取り扱いが不便になり、コスト高にもなるため、10μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。
(支持体)
支持体は、可撓性を有し、かつ、寸法安定性に優れた材料が好ましく用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)、ポリブチレンテレフタレートフィルム、或いはポリカーボネートを好ましく挙げることができる。支持体の厚みは、50μm以上350μm以下が好ましく、100μm以上250μm以下がより好ましい。また、必要により、支持体と熱硬化性層との接着を向上させるために、この種の目的で従来から使用されている公知の接着剤を表面に設けることが好ましい。
また、支持体の表面に物理的、化学的処理を行うことにより、熱硬化性層または接着剤層との接着性を向上させることができる。物理的処理方法としては、サンドブラスト法、粒子を含有した液体を噴射するウエットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線或いは真空紫外線照射法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸・強アルカリ処理法、酸化剤処理法、カップリング剤処理法などである。
(接着層)
熱硬化性層を支持体上に形成する場合、両者の間には、層間の接着力を強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に使用し得る材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
(保護フィルム、スリップコート層)
基材表面への傷や凹み防止の目的で、基材表面に保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムの厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、例えば、PETのようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はマット化されていてもよい。保護フィルムは、剥離可能であることが好ましい。
保護フィルムや酸素遮断フィルムが剥離不可能な場合には、両層間にスリップコート層を設けてもよい。
スリップコート層に使用される材料は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロシキアルキルセルロース、アルキルセルロース、ポリアミド樹脂など、水に溶解または分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。これらの中で、粘着性の面から、鹸化度60〜99モル%の部分鹸化ポリビニルアルコール、アルキル基の炭素数が1〜5のヒドロキシアルキルセルロースおよびアルキルセルロースが特に好ましく用いられる。
(その他の層)
本発明では、支持体と他の層との間などに、クッション性を有する樹脂或いはゴムからなるクッション層を形成することができる。
<溝形成工程>
溝形成工程S14は、近赤外レーザを用いて、撥水化された基材100表面をエッチングし、基材表面に溝120を形成する工程である(図2(B)参照)。本工程S14により、後述する金属配線が設置される溝が形成される。
以下、本工程S14の手順について詳述する。
使用される近赤外レーザは、通常、約770〜1500nmのものが用いられるが、約800〜900nmのものが好ましく、特に、約830〜850nmの波長のものがイメージセンサの感度も考慮すると好ましい。
近赤外レーザの出力は特に制限されないが、100mW以上が好ましく、1000mW以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、通常、基材の耐熱性の点から、20000mW以下の場合が多い。
また、照射エネルギー量は特に制限されないが、0.1〜100J/cmが好ましく、0.5〜20J/cmがより好ましい。
溝のパターンは、基材上に形成される金属配線のパターンに対応して設けられる。
溝の長さ、深さ、および幅は特に制限されず、適宜調整可能である。
なかでも、溝の深さは、導電特性に優れた厚い金属配線を形成できる点で、0.1〜50μmが好ましく、0.2〜10μmがより好ましい。
また、溝の幅は、導電特性に優れた金属配線を形成できる点で、0.1〜500μmが好ましく、1〜100μmがより好ましい。
なお、本工程においては、近赤外レーザ光と被照射物である基材とが相対的に走査されればよい。例えば、被照射物である基材を走査面に対して水平方向に移動可能なX−Y軸ステージ上に載置して、レーザ光を固定した状態でステージを移動させることにより、レーザ光を基材表面に走査させる方法が挙げられる。もちろん、基材を固定して、レーザ光を走査させる方法でも、レーザ光と、被照射物である基材とが共に移動する方法であってもよい。
なお、本工程で使用される装置は公知の装置を使用することができるが、なかでも後述する2つのエッチング装置が好ましく挙げられる。以下に、それぞれのエッチング装置の構成について詳述する。
[第1エッチング装置]
第1エッチング装置は、光ビームで記録媒体を所定の画素ピッチで走査することにより、基材の表面をエッチング(以後、彫刻(記録)、彫りとも称する)する装置であって、基材の表面を凸状に残す凸部に隣接する隣接領域における一部領域または全領域を彫刻する光ビームの光パワーは、凸部の上面が彫刻閾値エネルギー以下になるように設定され、隣接領域とされた領域の外側に近接する近接領域の光ビームの光パワーは、隣接領域よりも上げられることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら、第1エッチング装置について詳述する。
図3に、第1エッチング装置11の構成について示す。なお、第1エッチング装置11は、外周面に基材が装着されたドラム50を主走査方向に回転させると共に、基材に彫刻(記録)すべき画像の画像データに応じた複数のレーザビームを同時に射出しつつ、所定ピッチで露光ヘッド30を主走査方向と直交する副走査方向に走査させることで、2次元画像を基材に高速でエッチングする。
図3は、第1エッチング装置11を示す概略構成図(斜視図)である。この図3に示すように、第1エッチング装置11は、レーザビームによって彫刻され画像が記録される基材が装着され且つ基材が主走査方向に移動するように図3矢印R方向に回転駆動されるドラム50と、レーザ記録装置10とを含んで構成されている。レーザ記録装置10は、複数のレーザビームを生成するファイバーアレイ光源としての光源ユニット20と、光源ユニット20で生成された複数のレーザビームを基材に露光する露光ヘッド30と、露光ヘッド30を副走査方向に沿って移動させる露光ヘッド移動部40と、を含んで構成されている。なお、ドラム50の回転方向Rが主走査方向とされ、矢印Sで示すドラム50の軸方向(長手方向)に沿って露光ヘッド30が移動する方向(詳細は後述する)が副走査方向とされる。
光源ユニット20には、各々光ファイバ22A、22Bの一端部が個別にカップリングされたブロードエリア半導体レーザによって構成された各32個の半導体レーザ21A,21B(合計64個)と、半導体レーザ21A,21Bが表面に配置された光源基板24A,24Bと、光源基板24A,24Bの一端部に垂直に取り付けられると共にSC型光コネクタ25A、25Bのアダプタが複数(半導体レーザ21A,21Bと同数)設けられたアダプタ基板23A,23Bと、光源基板24A,24Bの他端部に水平に取り付けられると共に基材に彫刻(記録)する画像の画像データに応じて半導体レーザ21A,21Bを駆動するLDドライバー回路26(図8参照)が設けられたLDドライバー基板27A,27Bと、が備えられている。
各光ファイバ22A,22Bの他端部には各々SC型光コネクタ25A、25Bが設けられており、SC型光コネクタ25A、25Bはアダプタ基板23A,23Bに接続されている。したがって、各半導体レーザ21A,21Bから射出されたレーザビームは、それぞれ光ファイバ22A、22Bによってアダプタ基板23A,23Bに接続されているSC型光コネクタ25A、25Bに伝送される。
また、LDドライバー基板27A,27Bに設けられているLDドライバー回路26における半導体レーザ21A,21Bの駆動用信号の出力端子は、半導体レーザ21A,21Bに個別に接続されており、各半導体レーザ21A,21BはLDドライバー回路26(図8参照)によって各々個別に駆動が制御される。
一方、露光ヘッド30には、複数の半導体レーザ21A,21Bから射出された各レーザビームを取り纏めて射出する光ファイバーアレイ部300(図4参照)が備えられている。この光ファイバーアレイ部300には、各々アダプタ基板23A,23Bに接続されたSC型光コネクタ25A,25Bに接続された複数の光ファイバ70A,70Bによって、各半導体レーザ21A,21Bから射出されたレーザビームが伝送される。
図5には、光ファイバーアレイ部300の光出射部280(図4参照)を図3に示す矢印A方向に見た図が示されている。この図5に示すように、光ファイバーアレイ部300の光出射部280は、2枚の基台302A、302Bを有している。基台302A,302Bには各々片面に半導体レーザ21A,21Bと同数、すなわちそれぞれ32個のV字溝282A,282Bが所定の間隔で隣接するように形成されている。そして、基台302A、302Bは、V字溝282A,282Bが対向するように配置されている。
基台302Aの各V字溝282Aには、光ファイバ70Aの他端部の光ファイバ端部71Aが1本ずつ嵌め込まれている。同様に基台302Bの各V字溝282Bに各光ファイバ70Bの他端部の光ファイバ端部71Bが1本ずつ嵌め込まれている。したがって、光ファイバーアレイ部300の光出射部280から、各半導体レーザ21A,21Bから射出された複数、本実施形態では64本(32本×2)のレーザビームが同時に射出される。
すなわち、本実施の形態の光ファイバーアレイ部300は、複数(本実施形態では32本×2=合計64個)の光ファイバ端部71A、72Bが所定方向に沿った直線状に配置されて構成された光ファイバ端部群301A,301Bが、上記所定方向と直交する方向に平行に2列設けられて構成されている。
そして、図3および図5に示すように、本実施形態に係るレーザ記録装置10では、以上のように構成された光ファイバーアレイ部300(露光ヘッド30)が、上記所定方向が副走査方向に対して傾斜された状態とされている。また、図5と図6とに示すように、光ファイバーアレイ部300を主走査方向に見て、副走査方向に光ファイバ端部群301Aと光ファイバ端部群301Bとが重ならないで並ぶように配設されている。
図3に示すように、露光ヘッド30には、光ファイバーアレイ部300側より、コリメータレンズ32、開口部材33、および結像レンズ34が、順番に並んで配列されている。なお、開口部材33は、光ファイバーアレイ部300側から見て、開口がファーフィールド(far field)の位置となるように配置されている。これによって、光ファイバーアレイ部300における複数の光ファイバ70A,70Bの光ファイバ端部71A,71Bから射出された全てのレーザビームに対して同等の光量制限効果を与えることができる。
なお、本実施形態では、レーザビームを高出力とするために、コア径の比較的大きな多モード光ファイバを光ファイバ22A,22Bに適用している。具体的には、本実施形態においては、コア径が105μmとされている。また、半導体レーザ21A,21Bは最大出力が8.5w(6397−L3)を使用している。また、光ファイバ70A、70Bのコア径は105μmとされている。
図10に示すように、コリメータレンズ32および結像レンズ34で構成される結像手段によって、レーザビームは基材Fの露光面(表面)FAの近傍に結像される(開口部材33は図10では図示略)。なお、本実施形態では、結像位置(結像位置)Xは、露光面FA上に設定することが、細線再現性等の観点から望ましい。なお、光ファイバ端部71A(光ファイバ端部群301A)から射出されたレーザビームがレーザビームLAとされ、光ファイバ端部71B(光ファイバ端部群301B)から射出されたレーザビームがレーザビームLBとされる。なお、特に両方を区別する必要がない場合は、単に「レーザビーム」と記載する。
そして、光ファイバ端部群301Aの端の光ファイバ端部71Aの次に光ファイバ端部群301Bの端の光ファイバ端部71Bが並ぶ構成とされている(図5も参照)。図6では判りやすくするため、光ファイバ端部71A,71Bの数を実際よりも少なく図示している。
図7に示すように、レーザビームによって彫刻され画像が記録される基材Fは、矢印R方向に回転駆動されるドラム50の外周面に装着されている。なお、ドラム50の回転軸方向を長手方向とした帯状とされたチャック部材98によって、ドラム50の外周面に基材Fが装着される。より詳しく説明すると、基材Fの端部FT同士の合わせ部分の上を押さえるようにドラム50にチャック部材98を取り付けることで、基材Fがドラム50の外周面に装着される。なお、このチャック部材98部分は、非記録領域とされる。
図3と図7とに示すように、露光ヘッド移動部40には、長手方向が副走査方向に沿うように配置されたボールネジ41および2本のレール42(図3参照)が備えられており、ボールネジ41を回転駆動する副走査モータ43を作動させることによって、露光ヘッド30が設けられた台座部310をレール42に案内された状態で副走査方向に移動させることができる。また、ドラム50は主走査モータ51(図8参照)を作動させることによって、図3の矢印R方向に回転させることができ、これによって主走査がなされる。なお、露光ヘッド30は、台座部310の上に、設けられている。
また、本実施形態においては、前述したように一度に64本のレーザビームLA,LBで露光し走査する。
次に、本実施形態に係る第1エッチング装置11(図3参照)の制御系の構成について説明する。
図8に示すように、第1エッチング装置11の制御系は、画像データに応じて各半導体レーザ21A,21Bを駆動するLDドライバー回路26と、主走査モータ51を駆動する主走査モータ駆動回路81と、副走査モータ43を駆動する副走査モータ駆動回路82と、アクチュエータ304を駆動するアクチュエータ駆動回路299と、主走査モータ駆動回路81・副走査モータ駆動回路82・アクチュエータ駆動回路を制御する制御回路80と、を備えている。制御回路80には、基材Fに彫刻(記録)する画像を示す画像データが供給される。
次に、以上のように構成された第1エッチング装置11(図3参照)によって、基材Fに彫刻(記録)する工程の概要について説明する。なお、図9は、第1エッチング装置11によって画像記録を行なう際の処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、まず、基材Fに彫刻(記録)する画像の画像データを一時的に記憶する不図示の画像メモリから制御回路80に転送する(ステップ100)。制御回路80は、転送されてきた画像データ、および記録画像の予め定められた解像度を示す解像度データ、浅彫りおよび深彫り等を示すデータに基づいて、調整された信号をLDドライバー回路26、主走査モータ駆動回路81、副走査モータ駆動回路82、アクチュエータ駆動回路299に供給する。
次に、主走査モータ駆動回路81は、制御回路80から供給された信号に基づいて回転速度でドラム50を図3矢印R方向に回転させるように主走査モータ51を制御する(ステップ102)。
副走査モータ駆動回路82は、副走査モータ43による露光ヘッド30の副走査方向に対する送り間隔を設定する(ステップ104)。
次いで、LDドライバー回路26は、画像データに応じて各半導体レーザ21A,21Bの駆動を制御する(ステップ106)。
各半導体レーザ21A,21Bから射出されたレーザビームLA,LBは、光ファイバ22A,22B、SC型光コネクタ25A、25B、および光ファイバ70A,70Bを介して光ファイバーアレイ部300の光ファイバ端部71A,71Bから射出され、図3と図10に示すように、コリメータレンズ32によって略平行光束とされた後、開口部材33によって光量が制限され、結像レンズ34を介してドラム50上の記録プレートFの露光面FAの近傍(結像面XとFAが一致してもよい)に結像される(集光される)。
この場合、基材Fには、各半導体レーザ21から射出されたレーザビームLA,LBに応じてビームスポットが形成される。これらのビームスポットにより、露光ヘッド30が前述したステップ104で設定された送り間隔のピッチで副走査方向に送られると共に、前述したステップ102により開始されたドラム50の回転によって、解像度が解像度データによって示される解像度となる2次元画像が、基材F上に彫刻(形成)される(ステップ108)。
なお、基材F上への2次元画像の彫刻(記録)が終了すると、主走査モータ駆動回路81は主走査モータ51の回転駆動を停止し(ステップ110)、その後に本処理を終了する。
つぎに、ステップ108におけるレーザビームLA,LBの光パワー制御について説明し、本実施形態の作用および効果について説明する。
なお、図6に示すように、光ファイバ端部群301Aと光ファイバ端部群301Bとを主走査方向に見ると、光ファイバ端部71A,71Bの間隔、すなわち走査線Kの間隔(画素ピッチ)が10.58μm(解像度2400dpi)。換言すると、1画素は10.58μm。
また、基材Fの表面FAを凸状に残した凸細線Pを形成する場合について説明する。なお、凸細線Pは副走査方向を長手方向とし、所望する幅(主走査方向幅)は21.2μmとする。
そして、まず、レーザビームのスポット径Dがφ20μmとされている場合について、図11〜図13を用いて説明する。
なお、各図において、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワー分布を示すグラフである。(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して21.2μmの凸細線Pを形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図である。なお、色が濃いほど光パワーが強く、薄いほど光パワーが弱いことを示している。(A)はレーザビームの画素露光量信号を示している。(B)はレーザビームの(b)のA−A線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフである。(C)は凸細線Pの(b)のA−Aに沿った断面形状(凸方向を上方向とした場合の垂直断面形状)を模式的に示す図である。また、図におけるGは、1画素幅(10.58μm)を示している。なお、図13は、(a)、(b)に相当する図は省略され、(A)〜(C)に相当する図のみ記載されている。さらに、図の矢印R方向がレーザビームの走査方向(本実施形態では主走査方向)とされる。
また、彫刻閾値エネルギー((B)参照)とは、基材Fの表面を彫刻するために必要なレーザビームのエネルギーとされ、この彫刻閾値エネルギーよりも大きなエネルギーでないと基材Fを彫刻することができない。換言すると、彫刻閾値エネルギー以下であると、レーザビームが照射されていても基材Fの表面は彫刻されない。なお、この彫刻閾値エネルギーは基材Fの種類(材質など)によって異なる。
図11は、21.2μm幅の凸細線Pに対応する部分のみレーザビームの画素露光量信号をオフした光パワー制御を行なった場合を示している(第1エッチング装置11が適用されていない光パワー制御)。この場合、レーザビームの画素露光量信号をオフしても、凸細線Pの領域にまで露光されてしまう。このため、図11(C)に示すように、凸細線Pの上面P5の幅は彫刻閾値エネルギー以下となる部分となるので、凸細線Pの断面形状は略台形状となる。よって、凸細線Pの上面P5の幅は所望する21.2μmに満たない。
図12は、21.2μm幅の凸細線Pの走査方向上流側および下流側をそれぞれ一画素分(両方で2画素分)もレーザビームの画素露光量信号をオフした光パワー制御を行なった場合を示している。この場合、凸細線P部分は完全に露光されないので、凸細線Pの上面P5の幅を、所望の21.2μmに近づけられる(21.2μm幅が確保または略確保される)。なお、凸細線Pの上面P5の幅は彫刻閾値エネルギー以下となる部分となるので、正確には、図におけるα1部分だけ幅広となる。また、図12(C)に示すように台形の底辺部分が約20μmとなる。
この図12の場合、凸細線Pの上面P5の幅を所望する約20μmに近づけられるが、図12(C)に示すように、凸細線Pの走査方向上流側と下流側の側壁面P1,P2の傾斜角度が緩やかである。つまり、上面P5と側壁面P1,P2とで構成するエッジ部Eの角度が寝ている(角度が90°よりも大きい)。しかしながら、印刷後の細線を高精細に印刷するためには、このエッジ部Eを立てる必要がある(90°に近づける必要がある)。つまり、側壁面P1,P2の傾斜角度を垂直に近づける必要がある。
そこで、本実施形態の第1エッチング装置11では、図13に示すように、レーザビームをオフした外側の1画素分の光パワーを上げることで、壁面P1,P2の傾斜角度を垂直に近づけている。つまり、エッジ部Eをより立てている(90°に近づけている)。これにより、凸細線Pの断面形状(図のように凸方向を上方向とした場合の垂直断面)が矩形状に近づけられる。
なお、凸細線Pの上面P5の幅は彫刻閾値エネルギー以下となる部分となるので、正確には、図におけるα2部分だけ幅広となるが、壁面P1,P2の傾斜角度を垂直に近づけているので、非常に僅かであり、問題とならない。また、このα2分だけ幅狭となるように(幅を所望する21.2μmに近づけるため)、レーザビームの光パワーを上げる上げ幅を大きくしたり、画素露光量信号をオフする幅を若干狭くするなどして、調整してもよい。
このように本実施形態の第1エッチング装置11では、凸細線Pの隣接する隣接領域における走査方向上流側と下流側とで1画素分、光パワーをオフすると共に、レーザビームをオフした外側に近接する1画素分(近接領域)の光パワーを上げることで、壁面P1,P2の傾斜角度を垂直に近づけている(エッジ部Eをより立てている(90°に近づけている))。
このように、ビーム径Dが20μmと大きくても(ビーム径Dが1画素よりも大きくても)、第1エッチング装置11の光パワー制御を適用することで、凸細線Pの上面P5の幅を所望する幅(本実施形態では21.2μm)に近づけることができると共に、凸細線Pの断面形状を矩形状に近づけることができる。つまり、凸細線Pが高精密に彫刻することができる。
なお、図20に示すように、約20μ幅の凸細線Pの走査方向上流側および下流側をそれぞれ1画素分(両方で2画素分)、レーザビームの画素露光量信号をオフ(光パワーを0(ゼロ))とするのではなく、彫刻閾値エネルギー以下で露光するように光パワー制御を行なってもよい。
つぎに、レーザビームのスポット径Dがφ40μmとされている場合について、図14〜図17を用いて説明する。
各図において、スポット径Dがφ20μmの場合と同様に、(a)の右図はレーザビームのスポット径(スポット形状)を示し左図は中心断面の光パワー分布を示すグラフである。(b)は(a)に示すスポット径(スポット形状)のレーザビームで走査して20μmの凸細線Pを形成する場合の光パワー変化を模式的に示す図である。なお、色が濃いほど光量が強く、薄いほど光パワーが弱いことを示している。(A)はレーザビームの画素露光量信号を示している。(B)はレーザビームの(b)のA−A線に沿った断面の光パワーの積算エネルギーを示すグラフである。(C)は凸細線Pの(b)のA−Aに沿った断面形状(凸方向を上方向とした場合の垂直断面)を模式的に示す図である。また、図におけるGは、1画素幅(10.58μm)を示している。なお、図16と図17は、(a)、(b)に相当する図は省略され、(A)〜(C)に相当する図のみ記載されている。さらに、図の矢印R方向がレーザビームの走査方向(本実施形態では主走査方向)とされる。
図14は、21.2μm幅の凸細線Pに対応する部分のみレーザビームの露光信号をオフした光パワー制御を行なった場合を示している(第1エッチング装置11が適用されていない光パワー制御)。この場合、レーザビームの画素露光量信号をオフしても、凸細線Pにまで露光されてしまう。また、スポット径Dがφ40μmと大きいため、図14(B)に示すように、凸細線P上でレーザビームが重なり、積算エネルギーが大きくなるので、図14(C)に示すように、凸細線Pは、形成されない。
図15は、21.2μm幅の凸細線Pの走査方向上流側および下流側をそれぞれ一画素分(両方で2画素分)もレーザビームの画素露光量信号をオフした光パワー制御を行なった場合を示している(第1エッチング装置11が適用されていない光パワー制御)。この場合でも、スポット径Dがφ40μmと大きいため凸細線Pにまで露光されてしまう。このため、図15(C)に示すように、凸細線Pの上面P5の幅は彫刻閾値エネルギー以下となる部分となるので、断面形状が略台形状となる。よって、凸細線Pの上面P5の幅は所望する20μmに満たない。
図16は、さらに、21.2μm幅の凸細線Pの走査方向上流側および下流側をそれぞれ2画素分(両方で4画素分)もレーザビームの画素露光量信号をオフした光パワー制御を行なった場合を示している(第1エッチング装置11が適用されていない光パワー制御)。この場合、凸細線P部分は略完全に露光されないので、凸細線Pの上面P5の幅を、所望する21.2μmに近づけることができる。
しかし、この図16の場合、凸細線Pの上面P5の幅を所望の21.2μmに近づけられるが、図16(C)に示すように、凸細線Pの走査方向上流側と下流側の側壁面P1,P2の傾斜角度が緩やかである。つまり、上面P5と側壁面P1,P2とで構成するエッジ部Eの角度が寝ている(角度が90°よりも大きい)。印刷後の細線をより高精細とするためには、このエッジ部Eを立てる必要がある(90°に近づける必要がある)。つまり、側壁面P1,P2の傾斜角度を垂直に近づける必要がある。
そこで、前述したビーム径Dが20μmの時と同様に、第1エッチング装置11を適用して、図17に示すように、レーザビームをオフした外側の1画素分の光パワーを上げ、壁面P1,P2の傾斜を垂直に近づけることで(エッジ部Eをより立てることで(90°に近づけることで))、凸細線Pの断面形状が矩形状に近づけられる。
このように、ビーム径Dが40μmと大きくても(ビーム径Dが1画素よりも大きく、且つ、凸細線Pの幅よりも大きくても)、第1エッチング装置11を適用することで、凸細線Pの上面P5の幅を所望する20μmに近づけることができると共に、凸細線Pの断面形状を矩形状に近づけることができる。つまり、ビーム径Dが40μmと大きくても、凸細線Pを高精密に彫刻することができる。
なお、図21に示すように、約20μ幅の凸細線Pの走査方向上流側および下流側をそれぞれ2画素分(両方で4画素分)におけるレーザビームの画素露光量信号をオフするのでなく、彫刻閾値エネルギー以下で露光する光パワー制御を行なってもよい。この場合も、レーザビームを彫刻閾値エネルギー以下とした外側の1画素分のパワー光量を上げ、壁面P1,P2の傾斜を垂直に近づけることで(エッジ部Eをより立てることで(90°に近づけることで))、凸細線Pの断面形状が矩形状に近づけられる。
なお、レーザビーム径Dは、レーザビームLAとレーザビームLB(図10参照)で同じであってよいし、異なっていてもよい。例えば、浅彫り用にレーザビームLAのビーム径Dを20μmとし、深彫り用にレーザビームLBを40μmとした構成であってもよい。
つぎに、レーザビームをオフした(または彫刻閾値エネルギー以下とした)外側の一画素分のパワー光量を上げる際に、パルス露光を行なうことで、壁面P1,P2の傾斜を垂直にさらに近づける(エッジ部Eをより立てることで(90°に近づけることで))、光パワー制御について説明する。換言すると、凸細線Pの断面形状を矩形状により近づける光パワー制御について説明する。
なお、ここでは、ビーム径Dが約20μmの例で説明するが、ビーム径Dが40μmでも同様である。
図18は、0.5画素のパルス幅でパルス露光した場合を示している。この図18を見ると判るように、パルス露光することで、壁面P1,P2の傾斜がより垂直に近づけられることが判る。なお、このとき、図13の場合と積算エネルギーが略同じとなるように、光パワーの最大値を上げることが望ましい。
さらに、図19は、0.25画素のパルス幅でパルス露光した場合を示している。この図19を見ると判るように、パルス幅をさらに狭くすることで、壁面P1,P2の傾斜がさらに垂直に近づけられることが判る。なお、このとき、図13(図18)の場合と積算エネルギーが略同じとなるように、光パワーの最大値をさらに上げることが望ましい。
なお、上記実施形態では、光パワーを制御する領域は、主走査方向の上流側と下流側、それぞれ行なったが、上流側および下流側のいずれか一方側にのみ適用してもよい。
また、走査方向(主走査方向)の上流側と下流側でなく、副走査方向の上流側と下流側の少なくとも一方側に本発明の光パワー制御を適用してもよい。つまり。図11に示すB−B’線に沿った断面における上面P5の幅を所望する21.2μmに近づけ、且つ断面形状を矩形状に近づけてもよい(側壁面P3,P4も垂直に近づける)。
今までは、凸細線Pについて説明したが、次に平面視矩形状の凸点Qを形成する(凸点Qを残す)場合の光パワー制御について説明する。なお、ここでは、所望の凸点Qの大きさは21.2μm×21.2μmとする。また、ビーム径Dの大きさやパルス幅の制御等は、今まで説明した凸細線Pと同様であるので、説明を省略する。
図22は、凸点Qの角部QA,QB,QC,QDに隣接する一画素分(画素A,画素B,画素C,画素D)はレーザビームをオフ(閾値エネルギー以下)とせずに光パワーを上げた近接領域Rに設定した場合を説明する説明図である。図24は、図22のように光パワーを制御した場合の凸点Qを平面視における形状を模式的に示す図である。図23は、凸点Qの全周に亘って(画素A,画素B,画素C,画素Dを含む)一画素分、レーザビームをオフし、その外側全周に亘って光パワーを上げた近接領域Rに設定した場合を説明する説明図である。図25は、図23のように光パワーを制御した場合の凸部Qの形状を模式的に示す図である。図26は凸点Qの一部の角部(この場合は角部QA,QB,QC,QD)に隣接する一画素分はレーザビームをオフせずに光パワーを上げた近接領域Rに設定した場合を説明する説明図である。
図22に示すように、凸点Qの角部QA,QB,QC,QDに隣接する一画素分(画素A,画素B,画素C,画素D)、レーザビームをオフせずに露光すると、図24に示すように凸点Qの形状が、平面視矩形状に十分に近づかない。なお、図24は判りやすくするために、デフォルメ(歪曲)させて図示されている。
これに対して、図23に示すように、凸点Qの全周に亘って(画素A,画素B,画素C,画素Dを含む)一画素分、レーザビームをオフし、その外側全周に亘って光パワーを上げると、図25のように凸点Qの形状が平面視矩形状に近づく。
なお、図22、図24のように、凸点Qの角部QA,QB,QC,QDに隣接する一画素分(画素A,画素B,画素C,画素D)、レーザビームをオフせずに光パワーを上げる場合も、第1エッチング装置11に含まれる。
また、図26に示すように凸点Qの一部の角部QA、QB,QDに隣接する一画素分は、レーザビームをオフせずに光パワーを上げる場合も、第1エッチング装置11に含まれる。なお、この場合も、図26に示すように、(図23のように)全周に亘ってレーザビームの光パワーを上げた方が好ましい。
しかし、前述したように図23、図25のように、凸点Qの角部QA,QB,QC,QDに隣接する一画素分(画素A,画素B,画素C,画素D)、に隣接する領域を露光しない(凸部Qの上面が閾値エネルギー以下となるように設定する)ことで、より効果的に所望の平面視矩形状の凸点部Qが得られる。
なお、平面視における形状が平面視矩形状以外(例えば、円形状や三角形状)の凸点部の場合も、記録媒体の表面を凸点部に隣接する隣接領域における一部領域または全領域(凸点部の全周に亘って)を彫刻する光ビームの光パワーを、凸点部の上面にかかる光ビームの露光が彫刻閾値エネルギー以下になるように設定することで、第1エッチング装置11を適用しない場合と比較し、所望する大きさや形状の凸点部により近づけることができる。
また、平面視における形状が平面視矩形状以外の多角形状(例えば、三角形状や五角形状)の凸点部の場合も、隣接領域における彫刻閾値エネルギー以下に設定される領域を、平面視多角形の凸部の角部に隣接する領域を含むことで、平面視多角形状の凸部の角部に隣接する領域を全て露光する場合と比較し、凸部の角部をより明確に形成することができる(角部が面取りされた状態にならない)。
[第2エッチング装置]
図27は、マルチビーム露光走査装置を適用した第2エッチング装置の構成図である。図示の第2エッチング装置110は、円筒形を有するドラム50の外周面にシート状の基材F(「記録媒体」に相当)を固定し、該ドラム50を図27中の矢印R方向(主走査方向)に回転させると共に、基材Fに向けてレーザ記録装置10の露光ヘッド30から、該基材Fに彫刻(記録)すべき画像の画像データに応じた複数のレーザビームを射出し、露光ヘッド30を主走査方向と直交する副走査方向(図27矢印S方向)に所定ピッチで走査させることで、基材Fの表面に2次元画像を高速で彫刻(記録)するものである。
第2エッチング装置110に用いられるレーザ記録装置10は、複数のレーザビームを生成する光源ユニット20と、光源ユニット20で生成された複数のレーザビームを基材Fに照射する露光ヘッド30と、露光ヘッド30を副走査方向に沿って移動させる露光ヘッド移動部40と、を含んで構成されている。
光源ユニット20は、複数の半導体レーザ21(ここでは合計32個)を備えており、各半導体レーザ21の光は、それぞれ個別に光ファイバ22、70を介して露光ヘッド30の光ファイバーアレイ部300へと伝送される。
本例では、半導体レーザ21としてブロードエリア半導体レーザ(波長:915nm)が用いられ、これら半導体レーザ21は光源基板24上に並んで配置されている。各半導体レーザ21は、それぞれ個別に光ファイバ22の一端部にカップリングされ、光ファイバ22の他端はそれぞれFC型光コネクタ25のアダプタに接続されている。
FC型光コネクタ25を支持するアダプタ基板23は、光源基板24の一方の端部に垂直に取り付けられている。また、光源基板24の他方の端部には、半導体レーザ21を駆動するLDドライバー回路(図27中不図示、図33の符号26)を搭載したLDドライバー基板27が取り付けられている。各半導体レーザ21は、それぞれ個別の配線部材29を介して、対応するLDドライバー回路に接続されており、各々の半導体レーザ21は個別に駆動制御される。
なお、本実施の形態では、レーザビームを高出力とするために、コア径の比較的大きな、多モード光ファイバを光ファイバ70に適用している。具体的には、本実施形態においては、コア径が105μmの光ファイバが用いられている。また、半導体レーザ21には、最大出力が10W程度のものを使用している。具体的には、例えば、JDSユニフェーズ社から販売されているコア径105μmで出力10W(6398−L4)のものなどを採用することができる。
一方、露光ヘッド30には、複数の半導体レーザ21から射出された各レーザビームを取り纏めて射出する光ファイバーアレイ部300が備えられている。光ファイバーアレイ部300の光出射部(図27中不図示、図28の符号280)は、各半導体レーザ21から導かれた32本の光ファイバ70の出射端が1列に並んで配置された構造となっている(図29参照)。
また、露光ヘッド30内には、光ファイバーアレイ部300の光出射部側より、コリメータレンズ32、開口部材33、および結像レンズ34が、順番に並んで配設されている。コリメータレンズ32と結像レンズ34の組合せによって結像光学系が構成されている。開口部材33は、光ファイバーアレイ部300側から見て、その開口がファーフィールド(Far Field)の位置となるように配置されている。これによって、光ファイバーアレイ部300から射出された全てのレーザビームに対して同等の光量制限効果を与えることができる。
露光ヘッド移動部40には、長手方向が副走査方向に沿うように配置されたボールネジ41および2本のレール42が備えられており、ボールネジ41を回転駆動する副走査モータ(図27中不図示、図33の符号43)を作動させることによってボールネジ41上に配置された露光ヘッド30をレール42に案内された状態で副走査方向に移動させることができる。また、ドラム50は主走査モータ(図27中不図示、図33の符号51)を作動させることによって、図27の矢印R方向に回転駆動させることができ、これによって主走査がなされる。
図28は光ファイバーアレイ部300の構成図であり、図29はその光出射部280の拡大図(図28のA矢視図)である。図29に示すように、光ファイバーアレイ部300の光出射部280は、等間隔に32個の光を出射するコア径105μmの光ファイバ70が直線状の1列に並んで配置されている。
光ファイバーアレイ部300は、基台(V溝基板)302を有し、該基台302には片面に半導体レーザ21と同数、すなわち32個のV字溝282が所定の間隔で隣接するように形成されている。基台302の各V字溝282には、光ファイバ70の他端部の光ファイバ端部71が1本ずつ嵌め込まれている。これにより、直線状に並んで配置された光ファイバ端部群301が構成されている。したがって、光ファイバーアレイ部300の光出射部280からこれら複数本(32本)のレーザビームが同時に射出される。
図30は、光ファイバーアレイ部300の結像系の概要図である。図30に示すように、コリメータレンズ32および結像レンズ34で構成される結像手段によって、光ファイバーアレイ部300の光出射部280を所定の結像倍率で基材Fの露光面(表面)FAの近傍に結像させる。本実施形態では、結像倍率は1/3倍とされており、これにより、コア径105μmの光ファイバ端部71から出射されたレーザビームLAのスポット径は、φ35μmとなる。
このような結像系を有する露光ヘッド30において、図29で説明した光ファイバーアレイ部300の隣接ファイバ間隔(図29中のL1)および光ファイバーアレイ部300を固定するときの光ファイバ端部群301の配列方向(アレイ方向)の傾斜角度(31中の角度θ)を適宜設計することにより、図31に示すように、隣り合う位置に配置される光ファイバから射出されるレーザビームで露光する走査線(主走査ライン)Kの間隔P1を10.58μm(副走査方向の解像度2400dpi相当)に設定することができる。
上記構成の露光ヘッド30を用いることにより、32ラインの範囲(1スワス分)を同時に走査して露光することができる。
図32は、図27に示した第2エッチング装置110における走査露光系の概要を示す平面図である。露光ヘッド30は、ピント位置変更機構60と、副走査方向への間欠送り機構90を備えている。
ピント位置変更機構60は、露光ヘッド30をドラム50面に対して前後移動させるモータ61とボールネジ41を有し、モータ61の制御により、ピント位置を約0.1秒で約339μm移動させることができる。間欠送り機構90は、図27で説明した露光ヘッド移動部40を構成するものであり、図32に示すように、ボールネジ41とこれを回転させる副走査モータ43を有する。露光ヘッド30は、ボールネジ41上のステージ44に固定されており、副走査モータ43の制御により、露光ヘッド30をドラム50の軸線52方向に、約0.1秒で1スワス分(2400dpiの場合、10.58μm×64ch=677.3μm)の間欠送りができる。
なお、図32において、符号46、47は、ボールネジ41を回動自在に支持するベアリングである。符号55はドラム50上で基材Fをチャックするチャック部材である。このチャック部材55の位置は、露光ヘッド30による露光(記録)を行わない非記録領域である。ドラム50を回転させながら、この回転するドラム50上の基材Fに対し、露光ヘッド30から32チャンネルのレーザビームを照射することで、32チャンネル分(1スワス分)の露光範囲92を隙間なく露光し、基材Fの表面に1スワス幅の彫刻(画像記録)を行う。そして、ドラム50の回転により、露光ヘッド30の前をチャック部材55が通過するときに(基材Fの非記録領域のところで)、副走査方向に間欠送りを行い、次の1スワス分を露光する。このような副走査方向の間欠送りによる露光走査を繰り返すことにより、基材Fの全面に所望の画像を形成する。
本例では、シート状の基材Fを用いているが、円筒状記録媒体(スリーブタイプ)を用いることも可能である。
(制御系の構成)
図33は、第2エッチング装置110の制御系の構成を示すブロック図である。図33に示すように、第2エッチング装置110は、彫刻すべき2次元の画像データに応じて各半導体レーザ21を駆動するLDドライバー回路26と、ドラム50を回転させる主走査モータ51と、主走査モータ51を駆動する主走査モータ駆動回路81と、副走査モータ43を駆動する副走査モータ駆動回路82と、制御回路80と、を備えている。制御回路80は、LDドライバー回路26、および各モータ駆動回路(81、82)を制御する。
制御回路80には、基材Fに彫刻(記録)する画像を示す画像データが供給される。制御回路80は、この画像データに基づき、主走査モータ51および副走査モータ43の駆動を制御すると共に、各半導体レーザ21について個別にその出力(オン・オフの制御並びにレーザビームのパワー制御)を制御する。
このように構成された第2エッチング装置110において、基材F(記録媒体)を彫刻することができる。彫刻は、図34に示すように、基材Fの露光領域202に対して露光することにより行い、非露光領域201に対しては露光は行わない。露光領域に対しては、左端のチャンネルch1(第1ビーム)が最初に発光して彫刻し、次に、右隣のチャンネルch2(第2ビーム)が発光して彫刻し、以後順次隣り合うチャンネルch3〜ch32のビームが発光してスワス幅分を彫刻する。1スワス幅の彫刻を終えたら副走査方向にスワス幅分移動して順次同様の彫刻を行う。
(凸小点の形成方法)
次に、このように構成された第2エッチング装置110において、急峻な形状を持つ凸小点を形成する露光走査工程について説明する。本実施形態においては、同一の副走査位置において3回の主走査(露光走査)を行う。
図35は、基材Fの凸小点として形成されるべき領域の非露光領域211と、非露光領域211以外の露光領域212の、上面と主走査方向および副走査方向の断面を示した図である。
まず、露光領域212について1回目の露光走査を行う。その結果、図35(a)に示すように、露光領域212が彫刻され、非露光領域211が凸小点として形成される。
次に、露光領域212について2回目の露光走査を行う。ここで、露光領域212のうち非露光領域211の周辺1ドット(解像度2400dpiにおける1画素)または2ドットに位置する第1の露光領域212aと、それ以外の第2の露光領域212bとでは光レーザビームの光パワー(到達光量)を異ならせる。
例えば、1回目の露光走査時の露光領域212へ照射した光パワーを1とすると、2回目の露光走査時においては、第1の露光領域212aへ照射する光パワーを0.9、第2の露光領域212bへの光パワーを1.2とする。
1回目の露光走査において露光領域212が彫刻されたことにより、図35(a)に示すように、非露光領域211の表面と露光領域212の表面とに段差が形成される。したがって、2回目の露光走査時には、段差が無い状態で行った1回目の露光走査時と比較して、露光領域212へ露光走査することにより発生した露光領域212の表面の熱が、非露光領域211へ伝わりにくくなっている。これにより、露光領域212への光パワーを1回目の露光走査時よりも強くし、より深く彫刻することが可能である。
しかしながら、1回目の露光走査において、非露光領域211にはある程度形成すべき凸小点の形状が形成されていることから、第1の露光領域212aへの光パワーは、1回目の露光走査時よりも強くする必要はない。
したがって、第2の露光領域212bへの光パワーを1回目の露光走査時よりも強くしつつ、非露光領域211における前述の熱溜まりの影響を低減するために、第1の露光領域212aへの光パワーは、1回目の露光走査時よりも低くする。その結果、図35(b)に示すように、露光領域212がより深く彫刻され、非露光領域211が急峻な凸小点として形成される。
なお、この第1の露光領域212aの大きさは、形成すべき凸小点の形状に応じて決めればよく、例えば凸小点の周囲1ドットあるいは2ドットの領域(凸小点に隣接する1画素または2画素の領域)とすればよい。
さらに、3回目の露光走査において、第1の露光領域212aおよび第2の露光領域212bについて露光走査する。
3回目の露光走査においても、第1の露光領域212aと第2の露光領域212bとでは光レーザビームの光パワーを異ならせる。例えば、1回目の露光走査時の露光領域212へ照射した光パワーを1とすると、3回目の露光走査時においては、第1の露光領域212aへ照射する光パワーを0.9、第2の露光領域212bへの光パワーを1.5とする。
2回目の露光走査によって、露光領域212の表面と非露光領域211の表面とに形成された段差がさらに大きくなったことにより、露光領域212の表面の熱が非露光領域211へさらに伝わりにくくなっている。したがって、露光領域212への光パワーは、2回目の露光走査時よりも強くすることが可能である。
また、2回目の露光走査時と同様に、非露光領域211への熱溜まりの影響を低減するために、第1の露光領域212aへの光パワーは、1回目の露光走査時よりも低くする。
したがって、3回目の露光走査時には、第2の露光領域212bへの光パワーを2回目の露光走査時よりも強くしつつ、第1の露光領域212aへの光パワーは、1回目の露光走査時よりも低くする。その結果、図35(c)に示すように、露光領域212がさらに深く彫刻され、非露光領域211がより急峻な凸小点として形成される。
以上のように、同一副走査位置において3回の露光走査を行い、かつ上記のようにレーザビームの光パワーを制御することで、図35(c)に示すように急峻な形状を持つ凸小点を形成することができる。
なお、本実施形態においては、2回目以降の露光は1回目の露光と比較して、第1の露光領域212aへの光パワーを下げ、第2の露光領域212bへの光パワーを上げたが、いずれか一方を1回目の露光の光パワーと同等にしてもよい。また、同一副走査位置において4回以上露光走査を行ってもよい。この場合は、4回目以降の露光も、第2の露光領域212bへの光パワーを徐々に大きくすることが好ましい。
また、本実施形態においては、図35(a)に示した露光領域212、図35(b)、(c)に示した第1の露光領域212a、第2の露光領域212bのそれぞれの露光領域に対して、各露光領域内では均一の光パワーで露光を行っているが、各領域内において非露光領域211に近いほど光パワーを小さくする等、各領域内で光量の分布を持たせてもよい。
(ビームの各チャンネル間のパワー制御)
図34において、各チャンネルch1〜ch32の光パワーを同等に設定して露光走査したとすると、露光領域202は、第1ビーム(ch1)でまず先に彫刻され、その余熱によって基材Fが暖められる。そこに次の隣のラインを彫刻する第2ビーム(ch2)が照射されて彫刻されることになるため、ch1の彫刻による余熱の影響で基材Fの温度高い状態でch2のエネルギーが加えられることになる。このように先行する隣接ビームの彫刻による熱の影響を受けて、後続のビームによる彫刻が過度に進んでしまうという現象が発生する。
この彫刻が過度の進んでしまう現象は、露光領域202において常に発生するが、特に非露光領域201と露光領域202の境界において問題となる。
例えば、図34(b)の非露光領域201の左辺外周はch4により彫刻されるが、ch1〜ch3の彫刻による熱の影響を受けてch4による彫刻が過度に進んでしまうと、非露光領域201が所望の形状に彫刻されないことが考えられる。
なお、図34(a)の非露光領域201の左辺外周においては、このような問題は発生しない。図34(a)の場合は、非露光領域201の左辺外周はch1により彫刻されるが、1スワス内にはch1に先行する走査ビームが存在しないため、余熱の影響がないからである。このように、形成する凸小点と各ビームのチャンネルの位置関係によって熱の影響も異なってくる。
この現象を回避するために、第2エッチング装置110では、どのチャンネルでどの位置を露光するかという情報に基づいて、各ビームのチャンネル間の光パワーを制御する。図36にその例を示す。図36の横軸はチャンネル番号(ch)であり、縦軸はビームの光パワーを相対値で示している(ch1のパワーを1に規格化)。図36に示すとおり、彫刻を始める書き出し部分に対応するチャンネルch1、ch2、ch3の光パワーをch1>ch2>ch3のように設定し、ch3以降(中間部)の光パワーを略一定にする。そして、当該スワス内における最後(書き終わり)のチャンネル(ch32)の光パワーを上げる(例えば、ch32=ch2)。
図34で説明したように、斜めに並ぶチャンネル群のビーム配列によって凸小点を形成する場合、各チャンネルの発光タイミング(画素を露光するタイミング)に時間差が発生する。最初にch1のビームが発光し、露光走査しているところに、次のch2のビームが発光される。このとき、先行するch1のビームによる熱の影響によってch2のビーム位置に対応する基材Fの表面温度が上昇しているため、この隣接ビームによる熱の影響を考慮してch2の光パワーをch1よりも下げる。
図36では、ch1の光パワー(規格化により1とする。)に対してch2の光パワーを0.7に設定しているが、最初に走査するビームに対して隣接するビームの光量比は、0.4〜0.9の範囲で適宜設定される。
ch3についても同様に、先行するch2、ch1のビームによる熱の蓄積を考慮して、ch3の光パワーをch2よりもさらに下げる(図36では、0.5に設定している)。
ただし、ch3以降は、熱の条件が飽和して概ね同じ条件になるため、線の中間部では略一定の光パワーとする。このように制御することにより、凸小点と各ビームのチャンネルの位置関係にかかわらず、適切に彫刻することが可能となる。
なお、図36はビームのスポット径φ35μm、解像度2400dpi(走査線間隔=10.6μm)の場合の一例に過ぎず、スポット径、スポット配置、走査速度等の条件によりch間の光パワーを最適化する必要がある。例えば、条件によっては、ビーム間の光パワーの関係をch1≧ch2≒ch3≒ch4・・・としてもよいし、ch1>ch2>ch3>ch4(≒ch5≒ch6・・・)のようにしてもよい。
書き出しの数画素(2〜4画素程度)の範囲でこのような光パワーの制御を行うことが効果的であり、少なくとも隣接する2画素(ch1とch2)についてビーム間の光パワー制御を行うことが効果的である。
また、最後のチャンネル(ここでは、ch32)については、次の隣接ビームから熱の寄与が無い点で他の中間部のチャンネル(ch4〜ch31)と異なるため、光パワーを上げてもよいし、条件によっては一つ前のチャンネル(ch31)と同じであってもよい。
上記例示のとおり、マルチビーム露光系により基材Fの表面近傍をレーザで彫刻して所望の形状を形成する場合において、レーザ発光する画素周辺のビームの発光状態をもとに、当該発光する光量を制御するものとする。その光量制御は、発光するビームを中心に副走査方向に数画素、他のビームが先に発光していない場合を光量aとし、この光量aによるビーム(第1ビーム)により画素Aを露光した後、ある時間をおいてその隣のビーム(第2ビーム)が画素Aに隣接する画素Bを露光する場合を光量bとした場合に、a>bに設定する。
(非露光領域と実際に形成される凸小点との関係)
凸小点を形成するためには、非露光領域の境界が彫刻された場合に、その余熱によって非露光領域の周辺領域が彫刻されてしまうことを考慮して、実際には凸小点よりも大きい範囲において露光を行わない場合もある。例えば、図37に示すように、スポット径φ35μm、走査線間隔=10.6μmの条件下で2×2ドットの凸小点を形成する場合に、非露光領域211を凸小点の周辺1ドットの範囲とすることにより、最終的な2×2ドットの凸小点214を形成してもよい。
したがって、このような条件下で本実施形態を適用する場合は、この4×4ドットの範囲を図35における非露光領域211とし、その1ドット外側の領域を露光領域212として彫刻を行う必要がある。
このように、非露光領域と実際に形成される凸小点との関係は、ビームや基材の各種条件によって異なってくるが、実際に露光しない領域を非露光領域として本実施形態を適用すればよい。
(インターレース露光の場合)
図36は露光走査時に画素の間隔を空けずに、1スワス内の全画素を一斉に露光するノンインターレース露光を行う例を説明したが、副走査方向に1画素間を空けるインターレース露光の場合にも同様に適用できる。
スポット径φ35μm、解像度2400dpi(走査線間隔=10.6μm)の条件下で1ch間を空けるインターレース露光を行う場合のチャンネル間の光パワーの制御例を図38に示す。
インターレース露光においても隣接ビームの熱の影響を受けるため、ch1の光パワー(規格化により1とする。)に対して、ch2以降の光パワーを下げる。同図ではch2の光パワーを「0.7」に設定しているが、これに限定されず、最初に走査するビームに対して隣接するビームの光量比は0.5〜0.9の範囲で適宜設定される。
なお、インターレース露光の場合、ノンインターレース露光に比べてビームの副走査方向の密度が低い(疎)ため、隣接ビーム間の熱の影響はノンインターレース露光の場合よりも小さくなる。このため、ノンインターレース露光(図36)の場合と比較して、インターレース露光(図38)におけるch2以降の光パワーの低減量は少ないものとなっている。
(その他のビーム配列による場合)
上記の実施形態では、図29で説明した1列の光ファイバーアレイ配置を持つ露光ヘッド30によって、32ライン(1スワス)のビームが斜め方向に1列に並ぶビーム配置を例示したが、ビーム配置はかかる1列の配置形態に限定されない。
図39に、他の光ファイバーアレイユニット光源の例を示す。図示の光ファイバーアレイユニット光源500は、4段に組み合わされた光ファイバーアレイユニット501、502、503、504で構成されている。各段のアレイには、コア径105μmの光ファイバ70がそれぞれ16個、直線状に一列に配置されており、4段合計で64個の光ファイバ70が斜めのマトリクス状に配置される構造となっている。
図39のように、最上段(第1段)の光ファイバーアレイユニット501に属するチャンネルの番号を右端から4M+1(M=0,1,2・・・)、第2段(符号502)に属するチャンネルの番号を右端から4M+2、第3段(符号503)に属するチャンネルの番号を右端から4M+3、最下段の第4段(符号503)に属するチャンネルの番号を右端から4M+4とするとき、Mの値を共通にする4つのチャンネルからなるブロックが16列並んだ構成となっている。
各段の光ファイバーアレイユニット501、502、503、504の列内における隣接ファイバ間隔(図39中のL1)および各段の間隔(L2)、および列方向の相対位置(図39中のL3)、さらにアレイユニットの傾斜角度を適宜設計することにより、図40に示すように、隣り合うチャンネルの光ファイバで露光する走査線(主走査ライン)Kの間隔P1と、4チャンネルからなるブロックの右端のチャンネル(アレイ上段に属するチャンネル)と、これに隣接するブロックの左端のチャンネル(アレイ下段に属するチャンネル)とで露光する走査線の間隔P2をそれぞれ等しく10.58μm(副走査方向の解像度2400dpi相当)に設定することができる。
このようなビーム配置によって、副走査方向に沿った細線を彫刻する場合、各ビームのチャンネル間の光パワーを例えば図41に示すように制御する。
図41の横軸はチャンネル番号、縦軸は光パワー(ch1を1に規格化したもの)を示している。図示のように、4ライン単位のスワスブロックの繰り返しに対応して、この繰り返し単位内で各チャンネル間の光パワーをch(4M+1)>ch(4M+2)>ch(4M+3)>ch(4M+4)のように設定する。
上記の構成を用いて、図40に示すように基材Fに対して彫刻を行うことができる。このとき、同一副走査位置において3回の露光走査を行い、かつ上記のレーザビームの光パワー制御を行うことで、図35(c)に示すように急峻な形状を持つ凸小点を形成することができる。
なお、光ファイバーアレイユニット光源の形態は図39で説明した例に限らず、図39と同様の方法で任意のアレイ段数、スワスブロックの繰り返し数を実現でき、適宜の二次元配列を実現できる。
(スパイラル露光方式)
図32で説明した副走査方向の間欠送りによる走査露光方式に限らず、ドラム回転中に副走査方向に一定速度で露光ヘッド30を移動させて基材Fの表面をスパイラル(らせん)状に走査するスパイラル露光方式を採用してもよい。
例えば、露光ヘッド30の1スワス分が32チャンネルであり、1主走査ラインにつき4回の走査が必要な場合であれば、ドラム50が1回転する間に、32÷4=8チャンネル分だけ露光ヘッド30が副走査方向に移動するように制御すればよい。このように副走査を行うことで、各主走査ラインを所望の回数(この場合であれば4回)だけ露光走査することができると共に、基材Fの全面を露光走査することができる。
間欠送りの方式は、ドラムの回転速度が比較的遅い場合に有効である。一方、スパイラル露光方式は、ドラムの回転速度が比較的速い場合に有効である。
次に、第2エッチング装置を使用した溝形成工程について説明する。
図42に工程の概要を示す。エッチング(彫刻)が施される基材700は、基板702の上に彫刻層704(ゴム層または樹脂層)を有し、該彫刻層704の上に保護用のカバーフィルム706が貼着されている。加工時には、図42(a)に示すように、カバーフィルム706を剥離して彫刻層704を露出させ、該彫刻層704にレーザ光を照射することにより、彫刻層704の一部を除去して所望の3次元形状を形成する(図42(b)参照)。具体的なレーザエッチングの方法については、図27〜図41で説明したとおりである。なお、レーザエッチング中に発生するダストは、不図示の吸引装置によって吸引して回収する。
溝形成工程が終了した後は、図42(c)に示すように、洗浄装置710による水洗浄を行い(洗浄工程)、その後、乾燥工程(不図示)を行う。
<配線形成工程>
配線形成工程S16は、溝形成工程S14で形成された溝内に金属元素含有物を含むインクを付与して、溝120内に金属配線140を形成する工程である(図2(C))。本工程S16を実施することにより、基材100上に金属配線140が形成され、配線基板160が得られる。
まず、本工程S16で使用される金属元素含有物を含むインクについて詳述し、その後本工程S16の手順について詳述する。
(金属元素含有化合物を含むインク)
金属元素含有化合物とは、金属元素(金属原子)が含まれる化合物であって、金属配線を形成する材料である。
金属元素含有化合物に含まれる金属元素(金属原子)の種類は特に制限されないが、形成される金属配線の導電性などの点から、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Co、Mo、Auからなる群から選択される少なくとも1つ、または、上記群から選択される金属元素からなる合金であることが好ましい。
金属元素含有化合物としては、いわゆる金属塩、金属酸化物、金属水酸化物などが挙げられる。
金属元素含有化合物としては、金属粒子が使用されてもよい。金属粒子に含まれる金属原子の種類は上述の通りである。
また、金属粒子の平均直径は特に制限されないが、後述するインクジェット法で吐出が容易である点から、1〜500nmが好ましく、5〜100nmがより好ましい。
インクには、必要に応じて、溶媒が含有される。
使用できる溶媒の種類は特に限定されず、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系溶剤、酢酸などの酸、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート系溶剤、この他にも、エーテル系溶剤、グリコール系溶剤、アミン系溶剤、チオール系溶剤、ハロゲン系溶剤などが挙げられる。
(工程S16の手順)
上述したインクを、溝内に付与する方法は特に制限されず、公知の方法(浸漬法、塗布法など)を採用できる。なかでも、インクジェット法によりインクを溝内に付与することが好ましい。
インクを溝内に付与した後、必要に応じて、加熱処理を実施してもよい。加熱処理を実施することにより、溶媒や有機物が分解除去され、導電特性に優れる金属配線を形成することができる。加熱処理の条件は使用される材料に応じて選択されるが、通常、70〜500℃(好ましくは、100〜300℃)で1分〜2時間(好ましくは、5分〜1時間)加熱処理を実施することが好ましい。
(工程S16の好適態様)
工程S16の好適態様としては、溝内に無電解めっき触媒またはその前駆体を含むインクを付与して、無電解めっき処理を行い、溝内に金属配線を形成する工程が挙げられる。該処理を実施することにより、基板に対して密着性に優れた金属配線を形成することができる。
後述するように、本工程S16においてめっき処理が実施される場合、金属元素含有化合物として、無電解めっき触媒またはその前駆体が使用される。
以下では、無電解めっき触媒またはその前駆体について詳述し、その後無電解めっきの手順について詳述する。
無電解めっき触媒は、無電解めっき時の活性核となるものであれば、如何なるものも用いることができ、具体的には、自己触媒還元反応の触媒能を有する金属(Niよりイオン化傾向の低い無電解めっきできる金属として知られるもの)などが挙げられる。具体的には、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。中でも、触媒能の高さから、Ag、Pd、Cuが特に好ましい。
無電解めっき触媒は、金属コロイドとして用いてもよい。一般に、金属コロイドは、荷電を持った界面活性剤または荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、金属イオンを還元することにより作製することができる。金属コロイドの荷電は、ここで使用される界面活性剤または保護剤により調節することができる。
無電解めっき触媒前駆体とは、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には、上記無電解めっき触媒として挙げた金属の金属イオンが用いられる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、被めっき層へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよいし、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。
無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、金属塩を用いて被めっき層に付与することが好ましい。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3)n、MCln、M2/n(SO4)、M3/n(PO4)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Agイオン、Cuイオン、Alイオン、Niイオン、Coイオン、Feイオン、Pdイオンが挙げられ、中でも、多座配位可能なものが好ましく、特に、配位可能な官能基の種類数および触媒能の点で、Agイオン、Pdイオンが好ましい。
本工程で実施される無電解めっきとは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。
無電解めっきは、例えば、無電解めっき触媒が付与された基材を、水洗して余分な無電解めっき触媒(金属)を除去した後、無電解めっき浴に浸漬して行う。使用される無電解めっき浴としては、公知の無電解めっき浴を使用することができる。なお、無電解めっき浴としては、入手のしやすさの点から、アルカリ性の無電解めっき浴(pHが9〜14程度が好ましい)を使用する場合が好ましい。
また、無電解めっき触媒前駆体が付与された基材を無電解めっき浴に浸漬する場合には、基板を水洗して余分な前駆体(金属塩など)を除去した後、無電解めっき浴中へ浸漬させる。この場合には、無電解めっき浴中において、めっき触媒前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。ここで使用される無電解めっき浴としても、上記同様、公知の無電解めっき浴を使用することができる。
なお、無電解めっき触媒前駆体の還元は、上記のような無電解めっき液を用いる態様とは別に、触媒活性化液(還元液)を準備し、無電解めっき前の別工程として行うことも可能である。触媒活性化液は、無電解めっき触媒前駆体(主に金属イオン)を0価金属に還元できる還元剤を溶解した液で、液全体に対する該還元剤の濃度が0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボランのようなホウ素系還元剤、ホルムアルデヒド、次亜リン酸などの還元剤を使用することが可能である。
一般的な無電解めっき浴の組成としては、例えば、溶剤(例えば、水)の他に、1.めっき用の金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このめっき浴には、これらに加えて、めっき浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
めっき浴に用いられる有機溶媒としては、水に可能な溶媒である必要があり、その点から、アセトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましく用いられる。
無電解めっき浴に用いられる金属の種類としては、例えば、銅、すず、鉛、ニッケル、金、銀、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銅、金が特に好ましい。また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加物が選択される。
<配線基板>
上記工程を経て得られる配線基板は、基材と金属配線とを備える。
得られた配線基板は、種々の用途に使用することができる。例えば、プリント配線基板、タッチパネル用額縁配線、バスラインなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(レーザエッチング用組成物の作製方法)
デンカブチラール(電気化学工業社製、Tg:68℃(成分E))を撹拌ヘラ及び冷却管をつけた3つ口フラスコ中に40重量部加え、可塑剤としてジエチレングリコールを20重量部、溶媒としてテトラヒドロフラン150重量部を入れ、撹拌しながら70℃で120分間加熱しバインダーを溶解した。このバインダー分散液に重合開始剤としてパーブチルZ(t−ブチルパーオキシベンゾエート)(日油(株)製(成分B))を0.005重量部、連鎖移動剤としてKBM802(信越化学工業(株)製)を3重量部、(C−1)カーボンブラック旭#80 N−220(旭カーボン社製)を5重量部、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(和光純薬工業(株)製)を0.5重量部、更に下記の(成分A)重合性化合物、(成分D)シランカップリング剤(加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物)をそれぞれ15重量部、6重量部加え、撹拌することでレーザエッチング用組成物を得た。
ここで、本実施例において使用した成分A、成分Dの化合物を下記に示す。
(成分A:重合性化合物)
トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP)(新中村化学工業製)
(成分D)
トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(X−12−965、信越化学工業社製)
酸素遮断フィルムとしては下記のフィルムを用いた。
ポリ塩化ビニリデンフィルム:サランラップ(登録商標)(旭化成(株)製)
(撥水処理工程)
レーザエッチング用組成物をPET基板(支持体)上に流出しない程度に静かに流延し、上記の酸素遮断フィルムをレーザエッチング用組成物と酸素遮断フィルムの間に空気が入らないように貼り、100℃のオーブン中で5時間加熱し、溶媒の除去および熱架橋を行い、レーザエッチング材料(基材)を形成した。その後、酸素遮断フィルムを剥がしてCF4ガスを用いて、基材表面の大気圧プラズマ処理を行った。
(溝形成工程)
HELIOS 6010 (Stork Prints社)を用いて、上記撥水処理工程で得られた基材表面に近赤外レーザを照射して、基材表面をエッチングして、ライン/スペース=20μm/200μmの格子状となるように溝を形成した。なお、溝の深さは、3μmであった。
(配線形成工程(その1))
Dimatix社製DMPプリンターを用いて、溝形成工程で形成された基材表面上の溝内に無電解めっき触媒含有インクを付与した。なお、無電解めっき触媒含有インクとしては、バンドー社製フローメタルSW1020を用いた。
次に、下記の無電解めっき液を調製し、上記で得られた無電解めっき触媒が付与された基材を無電解めっき液に浸漬し、45℃にて無電解銅めっきを行った。
〔無電解銅めっき液〕
硫酸銅 0.03mol/L
ホルマリン 0.1mol/L
トリエタノールアミン 0.1mol/L
2,2’−ビピリジル 0.01g/L
水酸化ナトリウム水溶液にてpHを12.5に調製
(パターン形成性評価)
形成された配線基板の金属配線のパターンを光学顕微鏡で観察し、金属配線幅を測定し、以下の基準に沿って評価した。
「A」:配線幅が、18μm以上22μm未満
「B」:配線幅が、22μm以上25μm未満
「C」:配線幅が、25μm以上
(抵抗評価)
三菱化学アナリティック社製、表面抵抗測定装置(ロレスタGP)を用いて、得られた配線基板中の金属配線の体積抵抗率を算出し、以下の基準に沿って評価した。
「A」: 1Ω/□未満
「B」: 1Ω/□以上100Ω/□未満
「C」: 100Ω/□以上
(密着性評価)
得られた配線基板の金属配線の密着性を以下の手順に従って評価した。
得られた導電性パターン上にニチバン社製セロハンテープを貼り合わせ、180度方向に、すなわち配線が延材する方向に剥離したのち、抵抗を測定した。導電性パターンが剥がれると、抵抗値が増大する(導電性が悪化する)。テープ貼り合わせ前の抵抗/剥離後の抵抗(導電性劣化度)を測定して求め、以下のように評価した。
「A」: 導電性劣化度が1.2未満
「B」:導電性劣化度が1.2以上3.0未満
「C」:導電性劣化度が3.0以上、及び/または、レーザエッチング材料のテープへの付着が見られる(目視観察)。
<実施例2>
実施例1で実施した(配線形成工程(その1))の代わりに、以下の(配線形成工程(その2))を実施した以外は、実施例1と同様の手順に従って、配線基板を製造し、各種評価を実施した。
なお、配線形成工程(その2)では、無電解めっき処理はなされていない。
(配線形成工程(その2))
Dimatix社製DMPプリンターを用いて、溝形成工程で形成された基材表面上の溝内に金属含有インク(バンドー社製フローメタルSW1020)を印刷した。
<比較例1>
実施例1で実施した(溝形成工程)を実施しなかった以外は、実施例1と同様の手順に従って、配線基板を製造し、各種評価を実施した。
<比較例2>
実施例2で実施したCF4ガスを用いたプラズマ処理の代わりに、PTFEの塗布・乾燥を行った以外は、実施例2と同様の手順に従って、配線基板を製造し、各種評価を行った。
なお、PTFEは2−メチルピロリドンに溶解させ、乾燥後のPTFE厚みが0.5μmとなるように塗布した。
なお、この方法は特許文献1の方法に該当する。
表1に示すように、実施例1および2の態様においては、パターン形成性、導電特性、および、密着性に優れる配線が得られることが確認された。
一方、溝形成工程を実施しなかった比較例1では、パターン形成性、導電特性、および密着性のいずれも劣っていた。
また、フッ素含有ガスでなくPTFEを使用した比較例2では、配線の密着性に劣っていた。
10 レーザ記録装置
11 第1エッチング装置
20 光源ユニット(ファイバ光源)
21,21A,21B 半導体レーザ
22,22A,22B,70,70A,70B 光ファイバ
23,23A,23B アダプタ基板
24,24A,24B 光源基板
25 FC型光コネクタ
25A,25B SC型光コネクタ
26 LDドライバー回路
27,27A,27B LDドライバー基板
29 配線部材
30 露光ヘッド
32 コリメータレンズ
33 開口部材
34 結像レンズ
40 露光ヘッド移動部
41 ボールネジ
42 レール
43 副走査モータ
44 ステージ
50 ドラム
51 主走査モータ
52 軸線
55,98 チャック部材
60 ピント位置変更機構
61 モータ
71A,71B 光ファイバ端部
80 制御回路
81 主走査モータ駆動回路
82 副走査モータ駆動回路
90 間欠送り機構
92 露光範囲
100,700 基材
110 第2エッチング装置
120 溝
140 金属配線
160 配線基板
201,211 非露光領域
202,212 露光領域
280 光出射部
282,282A,282B V字溝
299 アクチュエータ駆動回路
300 光ファイバーアレイ部
301,301A,301B 光ファイバ端部群
302,302A,302B 基台
304 アクチュエータ
310 台座部
500 光ファイバーアレイユニット光源
501,502,503,504 光ファイバーアレイユニット
702 基板
704 彫刻層
706 カバーフィルム
710 洗浄装置

Claims (5)

  1. 基材と金属配線とを備える配線基板の製造方法であって、
    フッ素原子含有ガスを用いて基材の表面を撥水化する工程(1)と、
    近赤外レーザを用いて、前記撥水化された基材表面をエッチングし、前記基材表面に溝を形成する工程(2)と、
    前記溝内に金属元素含有物を含むインクを付与して、溝内に金属配線を形成する工程(3)とを備える、配線基板の製造方法。
  2. 前記フッ素原子含有ガスが、CF4、SF6、CHF3、CH22、CH3F、C26、およびC48からなる群から選択される少なくとも1種のガスである、請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記溝の深さが0.1〜50μmである、請求項1または2に記載の配線基板の製造方法。
  4. 前記インクを付与する方法が、インクジェット法である、請求項1〜3のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
  5. 前記工程(3)が、前記溝内に無電解めっき触媒またはその前駆体を含むインクを付与して、無電解めっき処理を行い、溝内に金属配線を形成する工程である、請求項1〜4のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
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