JP2014138152A - 半導体薄膜フィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリコンを含有するシリコン系結晶基板に水素イオンを注入する工程と、水素とは異なる第2のイオン種を前記シリコン系結晶基板に注入する工程と、前記シリコン系結晶基板を加熱して水素イオン注入層を加熱する工程と、前記シリコン系結晶基板の前記水素イオン注入層から上側を剥離させてシリコン系薄膜フィルムを得る剥離工程とを備え、水素イオンと第2のイオン種とのピークの注入深さが互いに異なる。
【選択図】図1
Description
図2は、シリコン系結晶基板5の断面図を表している。図2(A)では、シリコン系結晶基板5の表面に均一に注入面1から水素イオン7を注入する。注入層8は水素イオン7が注入された位置である。イオン注入量は、1×1017原子/cm2レベルである。シリコン系結晶基板5の表面からのイオン注入の深さは数μm以下程度である。図2(B)から(C)では、支持基板9を用意し、支持基板9をイオン注入側表面に押圧して接着する。接着のために1000℃程度に加熱する。10はシリコン系結晶基板5と支持基板9との接合面である。
本発明が解決しようとする課題は、より少ない水素イオン量で、半導体薄膜フィルムを厚い基板から剥離することにある。
シリコンを含有するシリコン系結晶基板に水素イオンを注入する工程と、水素とは異なる第2のイオン種を前記シリコン系結晶基板に注入する工程と、前記シリコン系結晶基板を加熱して水素イオン注入層を加熱する工程と、前記シリコン系結晶基板の前記水素イオン注入層から上側を剥離させてシリコン系薄膜フィルムを得る剥離工程とを備え、水素イオンと第2のイオン種とのピークの注入深さが互いに異なることとする。
また、シリコンを含有するシリコン系結晶基板に水素イオンを注入する工程と、水素とは異なる第2のイオン種を前記シリコン系結晶基板に注入する工程と、第2のイオン種と同種または異種である第3のイオン種を前記シリコン系結晶基板に注入する工程と、前記シリコン系結晶基板を加熱して水素イオン注入層を加熱する工程と、前記シリコン系結晶基板の前記水素イオン注入層から上側を剥離させてシリコン系薄膜フイルムを得る剥離工程とを備え、水素イオンと第2のイオン種と第3のイオン種とのピークの注入深さが互いに異なることとする。
水素イオンのピークの注入深さと第2のイオン種のピークの注入深さとが、水素イオンの注入プロファイルの半値幅をWとしたとき、2Wないし3W異なることが好ましい。
また、水素イオンのピークの注入深さと第3のイオン種のピークの注入深さとが、水素イオンの注入プロファイルの半値幅をWとしたとき、2Wないし3W異なることが好ましい。
さらに、水素イオンと異なる第2のイオン種ならびに第3のイオン種が、シリコン、炭素、酸素、窒素、希ガス元素から選ばれるものであることが好ましい。
厚いシリコン系結晶基板5から薄膜フィルムが剥離する過程は以下のとおりである。
まず、注入された水素イオン2は、熱処理によってシリコンと反応し、Si−Hの結合を有する構造を形成する。Si−H結合の生成は、Si−Si結合を切断することにより、結晶の脆化を引き起こす。
また、注入された過剰な水素が水素ガスを発生させ、ガスの膨張により結晶内に応力を発生させるとともに、空孔を形成する。
シリコン系結晶基板5がシリコンカーバイド結晶基板の場合、シリコン、炭素、窒素、希ガスの注入によりシリコンカーバイド結晶基板の注入箇所は膨張する。
シリコンカーバイド結晶基板の場合には、酸素を注入することで、酸素注入箇所は収縮する。
図1(A)に、本発明の実施例1を示す。
本実施例1は、水素イオン2を、注入面1から、注入層のピーク深さがR1(図で注入層A3)(10μm)になるように注入した後、水素イオンとは異なる第2のイオン種を注入層のピーク深さがR2(図で注入層B4で示す)(10μm−(マイナス)1.2μm)になるように注入する。注入する水素イオン量は1×1017/cm2程度である。第2のイオン種の注入量は1×1016/cm2レベルである。図1(A)では、水素イオンのピークの注入層R1よりも第2のイオン種の注入層のピークの深さR2が浅い条件(R1>R2の場合)を表している。このほか、R1<R2(水素イオンのピークの注入層R1よりも第2のイオン種の注入層のピークの深さR2が深い条件)でも良い。第2のイオン種としては、シリコン、炭素、酸素、窒素、希ガス(He,Ne,Ar,Xe,Rn)である。
注入の順序に関しては、水素イオン2を先にする場合も、第2のイオン種を先にする場合もある。
図1(B)は、本発明の実施例2を示すものである。
この実施例2では、水素イオン2を注入面1から注入層のピーク深さがR1(100μm)(図で注入層A3で示す)になるように注入した後、水素イオン2とは異なる第2、第3のイオン種を、注入層のピーク深さが、それぞれR2、R3(100μm±10.0μm)(図でそれぞれ注入層B4、注入層C6で示す)になるように注入するものである。
図1(B)では、水素イオン2の注入層のピーク深さR1と第2、第3のイオン種の注入層のピーク深さをそれぞれR2、R3としたとき、R3>R1>R2の関係が成り立つ条件を示している。
R1、R2、R3の関係としては、この他、R3>R2>R1、R1>R2>R3、R1>R3>R2、R2>R1>R3、などが挙げられる。
剥離条件については熱処理条件(実施例1で述べた最高温度、昇温および降温の条件など)の最適化がおこなわれる。
熱処理によって、支持基板9がシリコン系結晶基板5に接合されると同時に、水素イオン注入層A3が脆化し、空孔が形成される。最後にシリコン系結晶基板5と支持基板9とに引っ張り力を加えることにより、水素イオン注入層A3の部分から剥離が発生し、シリコン系結晶基板5と支持基板9が分離される。
図3は、本発明の原理の説明図である。
図3(A)は、シリコン系結晶基板5にイオン注入をおこなった試料の断面構造を示す。
ここでは、シリコン系結晶基板5を、シリコン結晶基板とする。
水素イオン2をピーク深さR1=10μmの位置に打ち込んだ後、熱処理をおこなうと注入層A3は脆化し、この位置で剥離が発生する。ここで、注入層A3よりも1.2μm程度(2W〜3Wに相当)浅い側に位置する注入層B4に第2のイオン種を注入する場合を考える。第2のイオン種をシリコンとすると、シリコンイオンはシリコンの結晶格子の間に入り込み、結晶格子の膨張を引き起こす。この結果、水素イオン2を注入した脆化層の面内に引っ張り応力が発生するため、脆化層の面には、応力によるせん断歪が発生する。このため、水素イオン2の注入のみで脆化層の剥離をする場合と比較して、より少ない水素イオン注入量で、剥離を誘起することができる。
シリコン系結晶基板5がシリコンカーバイド結晶基板である場合を考える。注入層B4を形成する第2のイオン種をシリコンとすると、シリコン系結晶基板5をシリコン結晶基板とした場合と同じく、注入層B4は第2のイオン種のシリコンカーバイド結晶格子内への入り込みにより膨張し、応力を発生させる。一方、注入層C6を形成する第3のイオン種を酸素とすると、注入された酸素は炭素と結合し、SiC+O→SiO+COとなり、一部は一酸化炭素、二酸化炭素として、注入層C6から拡散してシリコンカーバイド結晶基板外に散逸する。この結果、注入層C6は収縮し、応力を発生する。この場合、水素を注入した剥離面の上部と下部とで応力の方向12が、膨張・収縮という反対方向であるため、脆化した注入層A3には、特に大きなせん断歪が発生し、水素イオン2の注入だけで脆化層の剥離をおこなう場合と比較して、より一層少ない水素イオン注入量で、剥離を誘起することができる。
2 イオン
3 注入層A
4 注入層B
5 シリコン系結晶基板
6 注入層C
7 水素イオン
8 注入層
9 支持基板
10 接合面
11 剥離面
12 応力の方向
Claims (7)
- シリコンを含有するシリコン系結晶基板に水素イオンを注入する工程と、水素とは異なる第2のイオン種を前記シリコン系結晶基板に注入する工程と、前記シリコン系結晶基板を加熱して水素イオン注入層を加熱する工程と、前記シリコン系結晶基板の前記水素イオン注入層から上側を剥離させてシリコン系薄膜フィルムを得る剥離工程とを備え、水素イオンと第2のイオン種とのピークの注入深さが互いに異なることを特徴とする、半導体薄膜フィルムの製造方法。
- シリコンを含有するシリコン系結晶基板に水素イオンを注入する工程と、水素とは異なる第2のイオン種を前記シリコン系結晶基板に注入する工程と、第2のイオン種と同種または異種である第3のイオン種を前記シリコン系結晶基板に注入する工程と、前記シリコン系結晶基板を加熱して水素イオン注入層を加熱する工程と、前記シリコン系結晶基板の前記水素イオン注入層から上側を剥離させてシリコン系薄膜フィルムを得る剥離工程とを備え、水素イオンと第2のイオン種と第3のイオン種とのピークの注入深さが互いに異なることを特徴とする、半導体薄膜フィルムの製造方法。
- 第2のイオン種のピークの注入深さと、第3のイオン種のピークの注入深さの間に、水素イオンのピークの注入深さが位置することを特徴とする、請求項2に記載の半導体薄膜フィルムの製造方法。
- 水素イオンのピークの注入深さと第2のイオン種のピークの注入深さとが、水素イオンの注入プロファイルの半値幅をWとしたとき、2Wないし3W異なることを特徴とする、請求項1に記載の半導体薄膜フィルムの製造方法。
- 水素イオンのピークの注入深さと第3のイオン種のピークの注入深さとが、水素イオンの注入プロファイルの半値幅をWとしたとき、2Wないし3W異なることを特徴とする、請求項2に記載の半導体薄膜フィルムの製造方法。
- 水素イオンと異なる第2のイオン種が、シリコン、炭素、酸素、窒素、希ガス元素から選ばれるものであることを特徴とする、請求項1に記載の半導体薄膜フィルムの製造方法。
- 水素イオンと異なる第2のイオン種ならびに第3のイオン種が、シリコン、炭素、酸素、窒素、希ガス元素から選ばれるものであることを特徴とする、請求項2に記載の半導体薄膜フィルムの製造方法。
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Citations (3)
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|---|---|---|---|---|
| JP2006505941A (ja) * | 2002-11-07 | 2006-02-16 | コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク | 同時注入により基板内に脆性領域を生成する方法 |
| JP2008513989A (ja) * | 2004-09-21 | 2008-05-01 | エス.オー.アイ.テック シリコン オン インシュレータ テクノロジーズ | 気泡の形成を回避し、かつ、粗さを制限する条件により共注入工程を行う薄層転写方法 |
| JP2013503468A (ja) * | 2009-08-26 | 2013-01-31 | コミサリア ア レネルジ アトミク エ オウ エネルジ アルタナティヴ | 三重注入を使用する、開裂によりシリコン薄膜を脱離させる方法 |
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