JP2014116265A - リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】サイクル特性及び放電レート特性に優れるリチウムイオン二次電池が得られるリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物を含み、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物100重量部に対する多官能チオール化合物の割合が0.001重量部〜10重量部である単量体組成物(a)を水系媒体中で重合して得られる重合体粒子(A)と、溶媒とを含む、リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物を含み、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物100重量部に対する多官能チオール化合物の割合が0.001重量部〜10重量部である単量体組成物(a)を水系媒体中で重合して得られる重合体粒子(A)と、溶媒とを含む、リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年、ノート型パソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末の普及が著しい。これら携帯端末の電源として用いられている二次電池には、リチウムイオン二次電池が多用されている。携帯端末は、より快適な携帯性が求められて小型化、薄型化、軽量化および高性能化が急速に進み、その結果、携帯端末は様々な場で利用されるようになっている。また、二次電池に対しても、携帯端末に対するのと同様に、小型化、薄型化、軽量化および高性能化が要求されている。
二次電池の高性能化のために、電極、電解液およびその他の電池部材の改良が検討されている。このうち、電極は、通常、溶媒にバインダーとなる重合体を分散または溶解させた液状の組成物に電極活物質を混合してスラリー組成物を得て、このスラリー組成物を集電体に塗布し、乾燥して製造される。このような方法で製造される電極において、バインダーを工夫することにより二次電池の高性能化を実現することが、従来から試みられてきた(特許文献1)。
また、特許文献2〜5のような技術も、知られている。
しかしながら、リチウムイオン二次電池の性能に対する要求は、最近では益々高度になっており、中でもサイクル特性及び放電レート特性の改善が特に求められている。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、サイクル特性及び放電レート特性に優れるリチウムイオン二次電池が得られるリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物及びリチウムイオン二次電池用電極、並びに、サイクル特性及び放電レート特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、サイクル特性及び放電レート特性に優れるリチウムイオン二次電池が得られるリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物及びリチウムイオン二次電池用電極、並びに、サイクル特性及び放電レート特性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者は前記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び所定量の多官能チオール化合物を含む単量体組成物(a)を水系媒体中で重合して得られる重合体粒子(A)と、溶媒とを含むリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物を用いることにより、サイクル特性及び放電レート特性に優れるリチウムイオン二次電池を実現しうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕 (メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物を含み、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物100重量部に対する多官能チオール化合物の割合が0.001重量部〜10重量部である単量体組成物(a)を水系媒体中で重合して得られる重合体粒子(A)と、溶媒とを含む、リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物。
〔2〕 前記単量体組成物(a)が、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物又は前記多官能チオール化合物に共重合可能な重合性単量体を含む、〔1〕に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物及び電極活物質を含む、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
〔4〕 前記電極活物質が、正極活物質である、〔3〕に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
〔5〕 前記電極活物質が、負極活物質である、〔3〕に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
〔6〕 芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を含む単量体組成物(b)を水系媒体中で重合して得られる重合体粒子(B)を含む、〔5〕に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
〔7〕 さらに水溶性重合体を含む、〔3〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
〔8〕 〔3〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物を、集電体上に塗布し、乾燥して得られる、リチウムイオン二次電池用電極。
〔9〕 正極、負極及び電解液を備え、
前記正極又は前記負極が、〔8〕記載のリチウムイオン二次電池用電極である、リチウムイオン二次電池。
〔2〕 前記単量体組成物(a)が、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物又は前記多官能チオール化合物に共重合可能な重合性単量体を含む、〔1〕に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物及び電極活物質を含む、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
〔4〕 前記電極活物質が、正極活物質である、〔3〕に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
〔5〕 前記電極活物質が、負極活物質である、〔3〕に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
〔6〕 芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を含む単量体組成物(b)を水系媒体中で重合して得られる重合体粒子(B)を含む、〔5〕に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
〔7〕 さらに水溶性重合体を含む、〔3〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
〔8〕 〔3〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物を、集電体上に塗布し、乾燥して得られる、リチウムイオン二次電池用電極。
〔9〕 正極、負極及び電解液を備え、
前記正極又は前記負極が、〔8〕記載のリチウムイオン二次電池用電極である、リチウムイオン二次電池。
本発明のリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物及びリチウムイオン二次電池用電極によれば、サイクル特性及び放電レート特性に優れるリチウムイオン二次電池が得られる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、サイクル特性及び放電レート特性に優れる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、サイクル特性及び放電レート特性に優れる。
以下、本発明について実施形態及び例示物を示して詳細に説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸のことを意味する。また、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートのことを意味する。さらに、(メタ)アクリロニトリルとは、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルのことを意味する。
さらに、ある物質が水溶性であるとは、25℃において、その物質0.5gを100gの水に溶解した際に、不溶分が0.5重量%未満であることをいう。また、ある物質が非水溶性であるとは、25℃において、その物質0.5gを100gの水に溶解した際に、不溶分が90重量%以上であることをいう。
[1.リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物]
本発明のリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物(以下、適宜「バインダー組成物」ということがある。)は、重合体粒子(A)と溶媒とを含む。以下、このバインダー組成物を、負極用及び正極用のそれぞれについて説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物(以下、適宜「バインダー組成物」ということがある。)は、重合体粒子(A)と溶媒とを含む。以下、このバインダー組成物を、負極用及び正極用のそれぞれについて説明する。
[1.1.負極用のバインダー組成物]
負極用のバインダー組成物は、負極用の重合体粒子(A)及び溶媒を含む。
負極用のバインダー組成物は、負極用の重合体粒子(A)及び溶媒を含む。
[1.1.1.負極用の重合体粒子(A)]
重合体粒子(A)は、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物を含む単量体組成物(a)を水系媒体中で重合して得られる重合体の粒子である。
重合体粒子(A)は、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物を含む単量体組成物(a)を水系媒体中で重合して得られる重合体の粒子である。
((メタ)アクリル酸エステル化合物)
(メタ)アクリル酸エステル化合物は、重合体粒子(A)の単量体のうちの一つである。この際、アクリル酸エステル化合物だけを用いてもよく、メタクリル酸エステル化合物だけを用いてもよく、アクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物を組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル酸エステル化合物を重合して形成される構造単位は、強度が高く且つ可撓性を有し、かつ重合体粒子(A)の結着性を高めることができる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物は、重合体粒子(A)の単量体のうちの一つである。この際、アクリル酸エステル化合物だけを用いてもよく、メタクリル酸エステル化合物だけを用いてもよく、アクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物を組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル酸エステル化合物を重合して形成される構造単位は、強度が高く且つ可撓性を有し、かつ重合体粒子(A)の結着性を高めることができる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、n−テトラデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル;2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロペンチル)エチルアクリレート等の2−(パーフルオロアルキル)エチルアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、へプチルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ノニルメタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、n−テトラデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル;2−(パーフルオロブチル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロペンチル)エチルメタクリレート、2−(パーフルオロアルキル)エチルメタクリレート等のメタクリル酸−2−(パーフルオロアルキル)エチル;ベンジルアクリレート;ベンジルメタクリレート;などが挙げられる。中でも重合体粒子(A)の収率、二次電池用負極及び二次電池の諸物性に優れるという観点から、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種類を含むことが好ましく、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレートからなる群より選ばれた少なくとも1種類を含むことが特に好ましい。また、(メタ)アクリル酸エステル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体粒子(A)を負極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)における(メタ)アクリル酸エステル化合物の割合は、好ましくは40重量%以上、より好ましくは50重量%以上、特に好ましくは60重量%以上であり、また、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下、特に好ましくは85重量%以下である。(メタ)アクリル酸エステル化合物の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(A)と負極活物質や集電体との結着性をより向上することができる。また、上限値以下にすることにより、安定性に優れたスラリー組成物を得ることができる。
(多官能チオール化合物)
多官能チオール化合物とは、1分子当たり2個以上のメルカプト基(−SH基)を有する化合物を指す。多官能チオール化合物は、単量体組成物(a)を重合させる際、連鎖移動剤として機能しうる。このため、得られる重合体粒子(A)においては、通常、その分子構造として、多官能チオール化合物に由来する架橋構造又は枝分かれ構造が形成される。このような架橋構造又は枝分かれ構造により、得られる重合体粒子(A)は靱性に優れる。また、多官能チオール化合物が有する硫黄原子により重合体粒子(A)の極性を大きくできる。これらにより、重合体粒子(A)の電極活物質及び集電体に対する結着性を向上させることができる。また、重合体粒子(A)が多官能チオール化合物に由来する硫黄原子を含むことにより、重合体粒子(A)のイオン伝導性を高めることができる。また、メルカプト基が有する極性により、重合体粒子(A)の水に対する親和性を高めることができるので、水等の溶媒中において重合体粒子(A)を安定に分散させて、バインダー組成物及びリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物(以下、適宜「スラリー組成物」ということがある。)の安定性を向上させることができる。さらに、メルカプト基が有する極性により、重合体粒子(A)の極性溶媒に対する親和性が向上するので、重合体粒子(A)の電解液に対する濡れ性を改善することができる。
多官能チオール化合物とは、1分子当たり2個以上のメルカプト基(−SH基)を有する化合物を指す。多官能チオール化合物は、単量体組成物(a)を重合させる際、連鎖移動剤として機能しうる。このため、得られる重合体粒子(A)においては、通常、その分子構造として、多官能チオール化合物に由来する架橋構造又は枝分かれ構造が形成される。このような架橋構造又は枝分かれ構造により、得られる重合体粒子(A)は靱性に優れる。また、多官能チオール化合物が有する硫黄原子により重合体粒子(A)の極性を大きくできる。これらにより、重合体粒子(A)の電極活物質及び集電体に対する結着性を向上させることができる。また、重合体粒子(A)が多官能チオール化合物に由来する硫黄原子を含むことにより、重合体粒子(A)のイオン伝導性を高めることができる。また、メルカプト基が有する極性により、重合体粒子(A)の水に対する親和性を高めることができるので、水等の溶媒中において重合体粒子(A)を安定に分散させて、バインダー組成物及びリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物(以下、適宜「スラリー組成物」ということがある。)の安定性を向上させることができる。さらに、メルカプト基が有する極性により、重合体粒子(A)の極性溶媒に対する親和性が向上するので、重合体粒子(A)の電解液に対する濡れ性を改善することができる。
多官能チオール化合物としては、例えば、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、テトラエチレングリコール ビス(3−メルカプトプロピオネート)(EGMP−4)等の、1分子当たりメルカプト基を2個有する2官能チオール化合物;トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタン トリス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパン トリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)等の、1分子当たりメルカプト基を3個有する3官能チオール化合物;ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)等の、1分子当たりメルカプト基を4個有する4官能チオール化合物;ジペンタエリスリトール ヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)等の、1分子当たりメルカプト基を6個有する6官能チオール化合物;などが挙げられる。また、多官能チオール化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
多官能チオール化合物としては、充放電に伴う電極活物質層の膨らみを防止する観点から、1分子当たりのメルカプト基の数が3個以上のものが好ましい。また、重合体粒子(A)と電極活物質及び集電体との結着性を高める観点から、1分子当たりのメルカプト基の数が4個以下のものが好ましい。したがって、上述した多官能チオール化合物の中でも、3官能チオール化合物及び4官能チオール化合物が好ましい。
重合体粒子(A)を負極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)における多官能チオール化合物の割合は、(メタ)アクリル酸エステル化合物100重量部に対して、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。多官能チオール化合物の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(A)と電極活物質及び集電体との結着性を高めることができる。また、上限値以下にすることにより、充放電に伴う電極活物質層の膨らみを防止することができる。
(任意の重合性単量体)
重合体粒子(A)を負極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)は、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物に共重合可能な任意の重合性単量体を含みうる。任意の重合性単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。その例を挙げると、多官能ビニル化合物、親水性基を有する単量体、反応性官能基を有する単量体などが挙げられる。
重合体粒子(A)を負極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)は、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物に共重合可能な任意の重合性単量体を含みうる。任意の重合性単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。その例を挙げると、多官能ビニル化合物、親水性基を有する単量体、反応性官能基を有する単量体などが挙げられる。
・多官能ビニル化合物:
多官能ビニル化合物は、1分子当たり2個以上のビニル基を有する化合物を指す。重合体粒子(A)においては、通常、この多官能ビニル化合物により架橋構造又は枝分かれ構造が形成される。このような架橋構造又は枝分かれ構造により、得られる重合体粒子(A)は靱性と強度に優れる。これにより、重合体粒子(A)の結着性を高めて、重合体粒子(A)による負極活物質の拘束力を向上させることができるので、充放電による導電パスの切断を抑制できる。したがって、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を効果的に向上させることが可能である。
多官能ビニル化合物は、1分子当たり2個以上のビニル基を有する化合物を指す。重合体粒子(A)においては、通常、この多官能ビニル化合物により架橋構造又は枝分かれ構造が形成される。このような架橋構造又は枝分かれ構造により、得られる重合体粒子(A)は靱性と強度に優れる。これにより、重合体粒子(A)の結着性を高めて、重合体粒子(A)による負極活物質の拘束力を向上させることができるので、充放電による導電パスの切断を抑制できる。したがって、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を効果的に向上させることが可能である。
多官能ビニル化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート等の、1分子当たりビニル基を2個有する2官能ビニル化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート、トリビニルシクロヘキサン等の、1分子当たりビニル基を3個有する3官能ビニル化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等の、1分子当たりビニル基を4個有する4官能ビニル化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の、1分子当たりビニル基を5個有する5官能ビニル化合物;ポリエステル骨格、ウレタン骨格又はフォスファゼン骨格を有し、且つ、1分子当たり2個以上のビニル基を有する(メタ)アクリレート;などが挙げられる。また、多官能ビニル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体粒子(A)を負極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)における多官能ビニル化合物の割合は、(メタ)アクリル酸エステル化合物100重量部に対して、好ましくは0.001重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上、特に好ましくは0.05重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、特に好ましくは3重量部以下である。多官能ビニル化合物の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、電極活物質層と集電体との結着性を高めることができる。また、上限値以下にすることにより、充放電による電極活物質層の膨らみを効果的に抑制することができる。
・親水性基を有する単量体:
また、任意の重合性単量体としては、例えば、親水性基を有する単量体が挙げられる。ここで親水性基としては、例えば、カルボキシ基(−COOH基)、水酸基(−OH基)、スルホン酸基(−SO3H基)、−PO3H2基、−PO(OH)(OR)基(Rは炭化水素基を表す)、低級ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。
また、任意の重合性単量体としては、例えば、親水性基を有する単量体が挙げられる。ここで親水性基としては、例えば、カルボキシ基(−COOH基)、水酸基(−OH基)、スルホン酸基(−SO3H基)、−PO3H2基、−PO(OH)(OR)基(Rは炭化水素基を表す)、低級ポリオキシアルキレン基等が挙げられる。
親水性基としてカルボキシ基を有する単量体としては、例えば、モノカルボン酸及びその誘導体;ジカルボン酸及びその誘導体、並びにこれらの酸無水物及びこれらの誘導体;等が挙げられる。モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。モノカルボン酸誘導体としては、例えば、2−エチルアクリル酸、イソクロトン酸、α―アセトキシアクリル酸、β−trans−アリールオキシアクリル酸、α−クロロ−β−E−メトキシアクリル酸、β−ジアミノアクリル酸などが挙げられる。ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。ジカルボン酸の酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、アクリル酸無水物、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸などが挙げられる。ジカルボン酸誘導体としては、例えば、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸等のハロゲン化マレイン酸;メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、マレイン酸メチルアリル、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ノニル、マレイン酸デシル、マレイン酸ドデシル、マレイン酸オクタデシル、マレイン酸フルオロアルキル等のマレイン酸エステル;などが挙げられる。
親水性基として水酸基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール等のエチレン性不飽和アルコール;アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、マレイン酸−ジ−2−ヒドロキシエチル、マレイン酸ジ−4−ヒドロキシブチル、イタコン酸ジ−2−ヒドロキシプロピル等の、エチレン性不飽和カルボン酸のアルカノールエステル類;式CH2=CR1−COO−(CnH2nO)m−H(mは2〜9の整数を表し、nは2〜4の整数を表し、R1は水素又はメチル基を表す。)で表される、ポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類;2−ヒドロキシエチル−2’−(メタ)アクリロイルオキシフタレート、2−ヒドロキシエチル−2’−(メタ)アクリロイルオキシサクシネート等の、ジカルボン酸のジヒドロキシエステルのモノ(メタ)アクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メタ)アリル−2−ヒドロキシエチルエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシプロピルエーテル、(メタ)アリル−3−ヒドロキシプロピルエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシブチルエーテル、(メタ)アリル−3−ヒドロキシブチルエーテル、(メタ)アリル−4−ヒドロキシブチルエーテル、(メタ)アリル−6−ヒドロキシヘキシルエーテル等のアルキレングリコールのモノ(メタ)アリルエーテル類;ジエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレングリコール(メタ)モノアリルエーテル類;グリセリンモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリル−2−クロロ−3−ヒドロキシプロピルエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルエーテル等の、(ポリ)アルキレングリコールのハロゲン及びヒドロキシ置換体のモノ(メタ)アリルエーテル;オイゲノール、イソオイゲノール等の多価フェノールのモノ(メタ)アリルエーテル及びそのハロゲン置換体;(メタ)アリル−2−ヒドロキシエチルチオエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシプロピルチオエーテル等のアルキレングリコールの(メタ)アリルチオエーテル類;などが挙げられる。
親水性基としてスルホン酸基を有する単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などが挙げられる。
親水性基として−PO3H2基又は−PO(OH)(OR)基(Rは炭化水素基を表す。)を有する単量体としては、例えば、リン酸−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸メチル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、リン酸エチル−(メタ)アクリロイルオキシエチルなどが挙げられる。
親水性基として低級ポリオキシアルキレン基を有する単量体としては、例えば、ポリ(エチレンオキシド)等のポリ(アルキレンオキシド)が挙げられる。
また、親水性基を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、親水性基を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体粒子(A)を負極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)における親水性基を有する単量体の割合は、好ましくは2重量%以上、より好ましくは3重量%以上、特に好ましくは5重量%以上であり、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。親水性基を有する単量体の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(A)と負極活物質や集電体との結着性をより向上させることができる。また、リチウムイオン伝導性に優れたバインダー組成物を得ることができる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(A)の重合時の粒子安定性を優れたものにできる。
・反応性官能基を有する単量体:
任意の重合性単量体としては、例えば、反応性官能基を有する単量体が挙げられる。ここで反応性官能基としては、熱架橋性の架橋性基が挙げられる。熱架橋性の架橋性基を有する単量体としては、例えば、エポキシ基を有する単量体、N−メチロールアミド基を有する単量体、オキセタニル基を有する単量体、オキサゾリン基を有する単量体などが挙げられる。また、これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
任意の重合性単量体としては、例えば、反応性官能基を有する単量体が挙げられる。ここで反応性官能基としては、熱架橋性の架橋性基が挙げられる。熱架橋性の架橋性基を有する単量体としては、例えば、エポキシ基を有する単量体、N−メチロールアミド基を有する単量体、オキセタニル基を有する単量体、オキサゾリン基を有する単量体などが挙げられる。また、これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
単量体組成物(a)における反応性官能基を有する単量体の割合は、好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。反応性官能基を有する単量体の割合を前記範囲に収めることにより、重合体粒子(A)の電解液への溶出を抑制し、優れた膨らみ抑制効果が得られる。
・その他の単量体:
さらに、任意の重合性単量体としては、例えば、スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル化合物;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物;などが挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
さらに、任意の重合性単量体としては、例えば、スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のα,β−不飽和ニトリル化合物;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物;などが挙げられる。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(負極用の重合体粒子(A)の製造方法)
重合体粒子(A)は、上述した単量体組成物(a)を水系媒体中で重合することにより得られる。重合により、単量体組成物(a)に含まれる単量体が重合するので、水系媒体中に分散した状態で重合体粒子(A)が得られる。
重合体粒子(A)は、上述した単量体組成物(a)を水系媒体中で重合することにより得られる。重合により、単量体組成物(a)に含まれる単量体が重合するので、水系媒体中に分散した状態で重合体粒子(A)が得られる。
水系媒体は、所望の重合体粒子(A)が得られる限り任意のものを用いうるが、通常、常圧における沸点が通常80℃以上、好ましくは100℃以上であり、通常350℃以下、好ましくは300℃以下の水系媒体を用いる。このような水系媒体の例としては、水;ダイアセトンアルコール、γ−ブチロラクトン等のケトン類;エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等のアルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールターシャリーブチルエーテル、ブチルセロソルブ、3−メトキシ−3メチル−1−ブタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;並びに1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラン、テトラヒドロフラン等のエーテル類などが挙げられる。中でも水は、可燃性がなく、重合体粒子(A)の分散体が容易に得られやすいという観点から特に好ましい。また、水系媒体は1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。例えば、主溶媒として水を使用して、重合体粒子(A)の分散状態が確保可能な範囲において上記記載の水以外の水系媒体を混合して用いてもよい。
単量体組成物(a)の重合方法は所望の重合体粒子(A)が得られる限り制限は無いが、通常は、乳化重合法により重合を行う。乳化重合では、単量体組成物(a)を、好ましくは乳化剤の存在下、水系媒体中で重合させる。
乳化剤は、所望の重合体粒子(A)が得られる限り任意のものを用いることができ、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、例えば、不飽和結合を有する反応性乳化剤を用いてもよい。中でもドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムは、製造時における汎用性に富み、泡立ちが少ない観点で好ましい。また、乳化剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
乳化剤は、所望の重合体粒子(A)が得られる限り任意のものを用いることができ、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、例えば、不飽和結合を有する反応性乳化剤を用いてもよい。中でもドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムは、製造時における汎用性に富み、泡立ちが少ない観点で好ましい。また、乳化剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
乳化剤の量は、所望の重合体粒子(A)が得られる限り任意であり、単量体組成物(a)100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.15重量部以上、特に好ましくは0.2重量部以上であり、好ましくは10.0重量部以下、より好ましくは5重量部以下、特に好ましくは2.5重量部以下である。乳化剤の量を前記の範囲に収めることにより、安定に重合反応を進行させることができる。
また、重合反応に際しては、通常、重合開始剤を用いる。この重合開始剤としては、所望の重合体粒子(A)が得られる限り任意のものを用いることができ、例えば、過硫酸ナトリウム(NaPS)、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)等が挙げられる。中でも過硫酸ナトリウム及び過硫酸アンモニウムが好ましく、過硫酸アンモニウムがより好ましい。重合開始剤として過硫酸アンモニウム又は過硫酸ナトリウムを用いることで、得られるリチウムイオン二次電池のサイクル特性の低下を抑制することができる。
重合開始剤の量は、所望の重合体粒子(A)が得られる限り任意であり、単量体組成物(a)100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは0.6重量部以上、特に好ましくは0.7重量部以上であり、好ましくは2.5重量部以下、より好ましくは2.0重量部以下、特に好ましくは1.5重量部以下である。重合開始剤の量を前記の範囲に収めることにより、バインダー組成物及びスラリー組成物の増粘を防止して、安定したバインダー組成物及びスラリー組成物を得ることができる。
また、単量体組成物(a)を重合させるとき、その重合系には、分子量調整剤又は連鎖移動剤が含まれていてもよい。ただし、ここでいう分子量調整剤又は連鎖移動剤には、上述した多官能チオール化合物は含まれない。分子量調整剤又は連鎖移動剤としては、例えば、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、t−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタン等のアルキルメルカプタン;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン化合物;ターピノレン;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物;アリルアルコール等のアリル化合物;ジクロロメタン、ジブロモメタン、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素化合物;チオグリコール酸、チオリンゴ酸、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマー;などが挙げられる。中でも、副反応抑制という観点から、アルキルメルカプタンが好ましく、t−ドデシルメルカプタンがより好ましい。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
分子量調整剤又は連鎖移動剤の量は、所望の重合体粒子(A)が得られる限り任意であり、単量体組成物(a)100重量部に対して、好ましくは0重量部以上5重量部以下、より好ましくは0重量部以上2.0重量部以下である。
また、単量体組成物(a)を重合させるとき、その重合系には、界面活性剤が含まれていてもよい。界面活性剤の種類は、所望の重合体粒子(A)が得られる限り任意であり、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれであってもよい。その例を挙げると、例えばアニオン性界面活性剤としては、ナトリウムラウリルサルフェート、アンモニウムラウリルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート、ナトリウムオクチルサルフェート、ナトリウムデシルサルフェート、ナトリウムテトラデシルサルフェート、ナトリウムヘキサデシルサルフェート、ナトリウムオクタデシルサルフェートなどの高級アルコールの硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウムなどの脂肪族スルホン酸塩;などが挙げられる。また、界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤の量は、所望の重合体粒子(A)が得られる限り任意であり、単量体組成物(a)100重量部に対して、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
さらに、単量体組成物(a)を重合させるとき、その重合系には、所望の重合体粒子(A)が得られる限り、上述したもの以外にも任意の添加剤が含まれていてもよい。任意の添加剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア等のpH調整剤;分散剤;キレート剤;酸素捕捉剤;ビルダー;粒子径調節のためのシードラテックス;などが挙げられる。特に、シードラテックスを用いた乳化重合が好ましい。シードラテックスとは、乳化重合の際に反応の核となる微小粒子(シード粒子)の分散液をいう。微小粒子は粒子径が100nm以下であることが多い。微小粒子は特に限定はされず、例えばアクリル系重合体などの汎用の重合体の粒子を用いうる。シードラテックスを用いることにより、比較的粒径の揃った重合体粒子(A)が得られる。また、任意の添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
単量体組成物(a)を重合させる際、その重合温度及び重合時間は、重合方法及び重合開始剤の種類などにより任意に選択しうる。通常、重合温度は約30℃以上、重合時間は0.5時間〜30時間程度である。
前記の重合により、水系媒体と当該水系媒体中に分散した重合体粒子(A)とを含む分散液が得られる。この際、得られた分散液を、例えばアルカリ金属(例えば、Li、Na、K、Rb、Cs)の水酸化物、アンモニア、無機アンモニウム化合物(例えばNH4Clなど)、有機アミン化合物(例えばエタノールアミン、ジエチルアミンなど)などを含む塩基性水溶液と混合して、pHの調整を行ってもよい。この際、調整後のpHは、好ましくは5以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは9以下である。なかでも、アルカリ金属水酸化物によるpHの調整は、集電体と電極活物質層との結着性を向上させられるので、好ましい。
得られた重合体粒子(A)は、水系媒体から取り出してもよい。しかし、通常は、水系媒体に分散した状態の重合体粒子(A)は、水系媒体から取り出さない状態で、バインダー組成物又はスラリー組成物の製造に用いる。
(負極用の重合体粒子(A)の物性)
負極用のバインダー組成物において、重合体粒子(A)の個数平均粒子径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは70nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下である。重合体粒子(A)の個数平均粒子径を前記の範囲内に収めることにより、電極の強度及び柔軟性を良好にできる。
負極用のバインダー組成物において、重合体粒子(A)の個数平均粒子径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは70nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下である。重合体粒子(A)の個数平均粒子径を前記の範囲内に収めることにより、電極の強度及び柔軟性を良好にできる。
負極用のバインダー組成物において、重合体粒子(A)のゲル量は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、好ましくは98%以下、より好ましくは95%以下である。ここで、重合体粒子(A)のゲル量とは、重合体粒子(A)のうちでテトラヒドロフランに不溶な成分の重量比を表した値である。重合体粒子(A)のゲル量は、重合体粒子(A)の架橋の程度を示す指標となりうる。重合体粒子(A)のゲル量を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(A)の電解液への膨潤を抑制して、電極の膨れを防止することができる。また、重合体粒子(A)が過度に柔らかくなることを防止して、結着性を高くすることができる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(A)が過度に硬くなることを防止できるので、これによっても結着性を高くできる。そのため、電極活物質層と集電体との結着性を向上させて、サイクル特性等の電池特性を改善することができる。
重合体粒子(A)のゲル量の測定方法は、次のとおりである。
重合体粒子(A)及び水系媒体を含む分散液を用意し、その分散液を50%湿度、23℃〜25℃の環境下で乾燥させて、厚み3±0.3mmのフィルムを作製する。作製したフィルムを5mm角に裁断してフィルム片を用意する。これらのフィルム片を約1gを精秤する。精秤されたフィルム片の重量をW0とする。このフィルム片を、100gのテトラヒドロフラン(THF)に24時間浸漬する。その後、THFからフィルム片を引き揚げる。引き揚げたフィルム片を105℃で3時間真空乾燥して、その重量(不溶分の重量)W1を計測する。そして、下記式に従って、ゲル量(%)を算出する。
ゲル量(%)=W1/W0×100
重合体粒子(A)及び水系媒体を含む分散液を用意し、その分散液を50%湿度、23℃〜25℃の環境下で乾燥させて、厚み3±0.3mmのフィルムを作製する。作製したフィルムを5mm角に裁断してフィルム片を用意する。これらのフィルム片を約1gを精秤する。精秤されたフィルム片の重量をW0とする。このフィルム片を、100gのテトラヒドロフラン(THF)に24時間浸漬する。その後、THFからフィルム片を引き揚げる。引き揚げたフィルム片を105℃で3時間真空乾燥して、その重量(不溶分の重量)W1を計測する。そして、下記式に従って、ゲル量(%)を算出する。
ゲル量(%)=W1/W0×100
重合体粒子のゲル量は、例えば、単量体の種類及び量;重合体粒子の重合温度;分子量調整剤又は連鎖移動剤の種類及び量;などを調整することにより、制御できる。
負極用のバインダー組成物において、重合体粒子(A)のガラス転移温度は、好ましくは−80℃以上、より好ましくは−70℃以上、特に好ましくは−60℃以上であり、好ましくは20℃以下、より好ましくは10℃以下、特に好ましくは0℃以下である。重合体粒子(A)のガラス転移温度を前記範囲の下限値以上にすることにより、充電時の電極の膨らみを抑制して、サイクル特性を改善することができる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(A)の結着性を向上させることができるので、これによってもサイクル特性を改善することができる。
重合体粒子(A)のガラス転移温度は、示差走査熱量分析測定法(DSC測定法)により測定しうる。この場合、通常は、単一のピークのガラス転移温度として重合体粒子(A)のガラス転移温度が測定される。具体的なガラス転移温度の測定方法は、次のとおりである。
重合体粒子(A)を水系媒体中に含む分散液を用意し、この分散液を50%湿度、23℃〜25℃の環境下で3日間乾燥させてフィルムを作製する。このフィルムを、120℃の熱風オーブンで1時間乾燥させる。その後、乾燥させたフィルムをサンプルとして、JIS K 7121に準じて、例えば示差走査熱量分析計を用いて測定しうる。示差走査熱量分析計としては、例えば、ナノテクノロジー社製DSC6220SIIを用いうる。また、測定条件は、測定温度−100℃〜180℃、昇温速度5℃/分と設定しうる。
重合体粒子(A)を水系媒体中に含む分散液を用意し、この分散液を50%湿度、23℃〜25℃の環境下で3日間乾燥させてフィルムを作製する。このフィルムを、120℃の熱風オーブンで1時間乾燥させる。その後、乾燥させたフィルムをサンプルとして、JIS K 7121に準じて、例えば示差走査熱量分析計を用いて測定しうる。示差走査熱量分析計としては、例えば、ナノテクノロジー社製DSC6220SIIを用いうる。また、測定条件は、測定温度−100℃〜180℃、昇温速度5℃/分と設定しうる。
重合体粒子のガラス転移温度は、例えば単量体の種類及び量を調整することにより、制御しうる。
[1.1.2.負極用のバインダー組成物の溶媒]
バインダー組成物は、上述した重合体粒子(A)に加えて、溶媒を含む。通常、バインダー組成物において重合体粒子(A)は溶媒中で分散していて、バインダー組成物は流体状の組成物となっている。この溶媒としては、通常、重合体粒子(A)の製造の際に用いた水系媒体と同様のものを用いうる。中でも、水を用いることが好ましい。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
バインダー組成物は、上述した重合体粒子(A)に加えて、溶媒を含む。通常、バインダー組成物において重合体粒子(A)は溶媒中で分散していて、バインダー組成物は流体状の組成物となっている。この溶媒としては、通常、重合体粒子(A)の製造の際に用いた水系媒体と同様のものを用いうる。中でも、水を用いることが好ましい。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
バインダー組成物において溶媒の量は、バインダー組成物の固形分濃度が、通常15重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、また、通常70重量%以下、好ましくは65重量%以下、より好ましくは60重量%以下となるようにする。固形分濃度がこの範囲であると、スラリー組成物を製造する際の作業性が良好である。ここで組成物の固形分とは、その組成物を乾燥させて液体を除去した場合に、蒸発せずに残る成分のことをいう。
[1.1.3.負極用のバインダー組成物の任意の成分]
バインダー組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、重合体粒子(A)及び溶媒以外に任意の成分を含みうる。負極用のバインダー組成物が含みうる任意の成分の例を挙げると、後述する本発明の負極用のスラリー組成物が含みうる任意の成分と同様の例が挙げられる。また、バインダー組成物は、任意の成分を、1種類を単独で含んでいてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて含んでいてもよい。
バインダー組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、重合体粒子(A)及び溶媒以外に任意の成分を含みうる。負極用のバインダー組成物が含みうる任意の成分の例を挙げると、後述する本発明の負極用のスラリー組成物が含みうる任意の成分と同様の例が挙げられる。また、バインダー組成物は、任意の成分を、1種類を単独で含んでいてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて含んでいてもよい。
[1.1.4.負極用のバインダー組成物の製造方法]
負極用のバインダー組成物の製造方法に制限は無い。例えば、重合体粒子(A)の製造時に用いた水系媒体をバインダー組成物の溶媒として用いる場合には、重合体粒子(A)の製造により得られる重合体粒子(A)を含む分散液を、バインダー組成物として用いてもよい。また、例えば、重合体粒子(A)の製造時に用いた水系媒体とは別の液体をバインダー組成物の溶媒として用いる場合には、重合体粒子(A)の製造により得られる重合体粒子(A)を含む分散液に溶媒置換を行ってもよい。さらに、例えば、重合体粒子(A)の製造により得られる重合体粒子(A)を含む分散液から重合体粒子(A)を取り出し、取り出した重合体粒子(A)を所望の溶媒と混合してもよい。
負極用のバインダー組成物の製造方法に制限は無い。例えば、重合体粒子(A)の製造時に用いた水系媒体をバインダー組成物の溶媒として用いる場合には、重合体粒子(A)の製造により得られる重合体粒子(A)を含む分散液を、バインダー組成物として用いてもよい。また、例えば、重合体粒子(A)の製造時に用いた水系媒体とは別の液体をバインダー組成物の溶媒として用いる場合には、重合体粒子(A)の製造により得られる重合体粒子(A)を含む分散液に溶媒置換を行ってもよい。さらに、例えば、重合体粒子(A)の製造により得られる重合体粒子(A)を含む分散液から重合体粒子(A)を取り出し、取り出した重合体粒子(A)を所望の溶媒と混合してもよい。
[1.2.正極用のバインダー組成物]
正極用のバインダー組成物は、正極用の重合体粒子(A)及び溶媒を含む。
正極用のバインダー組成物は、正極用の重合体粒子(A)及び溶媒を含む。
[1.2.1.正極用の重合体粒子(A)]
正極用の重合体粒子(A)は、負極用の重合体粒子(A)と同様に、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物を含む単量体組成物(a)を水系媒体中で重合して得られる重合体の粒子である。
正極用の重合体粒子(A)は、負極用の重合体粒子(A)と同様に、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物を含む単量体組成物(a)を水系媒体中で重合して得られる重合体の粒子である。
((メタ)アクリル酸エステル化合物)
(メタ)アクリル酸エステル化合物は、負極用のバインダー組成物の項での説明と同様に、アクリル酸エステル化合物だけを用いてもよく、メタクリル酸エステル化合物だけを用いてもよく、アクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物を組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル酸エステル化合物を用いることで、負極用のバインダー組成物の項で説明したのと同様の(メタ)アクリル酸エステル化合物による利点が得られる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物は、負極用のバインダー組成物の項での説明と同様に、アクリル酸エステル化合物だけを用いてもよく、メタクリル酸エステル化合物だけを用いてもよく、アクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物を組み合わせて用いてもよい。(メタ)アクリル酸エステル化合物を用いることで、負極用のバインダー組成物の項で説明したのと同様の(メタ)アクリル酸エステル化合物による利点が得られる。
(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、負極用のバインダー組成物の項で挙げたものと同様の例が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸エステル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体粒子(A)を正極用のバインダー組成物において用いる場合には、(メタ)アクリル酸エステル化合物の中でも、非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基の炭素数が、2以上のものが好ましく、4以上のものがより好ましく、8以上のものが特に好ましく、また、13以下のものが好ましく、10以下のものがより好ましい。このような(メタ)アクリル酸エステル化合物を用いることにより、電解液に溶出せずに電解液へ適度に膨潤できる重合体粒子(A)を実現できるので、電極活物質層におけるリチウムイオンの伝導性を高くできる。また、このような(メタ)アクリル酸エステル化合物を用いた重合体粒子(A)は、電極活物質層において電極活物質が重合体粒子(A)による橋架け凝集を起こし難い。このような観点から、正極用途において好適な(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例を挙げると、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘプチルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレートが挙げられ、特に、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレートが好ましい。これらは1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせても用いてもよい。
また、重合体粒子(A)を正極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)における(メタ)アクリル酸エステル化合物の割合は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上であり、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下である。(メタ)アクリル酸エステル化合物の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(A)と負極活物質や集電体との結着性をより高めることができる。また、リチウムムイオン伝導性に優れたバインダー組成物を得ることができる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(A)の重合時の粒子安定性を優れたものにできる。
(多官能チオール化合物)
多官能チオール化合物としては、負極用のバインダー組成物の項での説明と同様のものを用いうる。多官能チオール化合物を用いることにより、負極用のバインダー組成物の項で説明したのと同様の多官能チオール化合物による利点が得られる。
多官能チオール化合物としては、負極用のバインダー組成物の項での説明と同様のものを用いうる。多官能チオール化合物を用いることにより、負極用のバインダー組成物の項で説明したのと同様の多官能チオール化合物による利点が得られる。
多官能チオール化合物としては、例えば、負極用のバインダー組成物の項で挙げたものと同様の例が挙げられる。また、多官能チオール化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
正極用途においても、負極用途と同様に、多官能チオール化合物としては、充放電に伴う電極活物質層の膨らみを防止する観点から、1分子当たりのメルカプト基の数が3個以上のものが好ましい。また、重合体粒子(A)と電極活物質及び集電体との結着性を高める観点から、1分子当たりのメルカプト基の数が4個以下のものが好ましい。したがって、上述した多官能チオール化合物の中でも、3官能チオール化合物及び4官能チオール化合物が好ましい。
重合体粒子(A)を正極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)における多官能チオール化合物の割合は、(メタ)アクリル酸エステル化合物100重量部に対して、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。多官能チオール化合物の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(A)と電極活物質及び集電体との結着性を高めることができる。また、上限値以下にすることにより、充放電に伴う電極活物質層の膨らみを防止することができる。
(任意の重合性単量体)
重合体粒子(A)を正極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)は、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物に共重合可能な任意の重合性単量体を含みうる。任意の重合性単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。その例を挙げると、多官能ビニル化合物、酸性基を有するビニル単量体、反応性官能基を有する単量体、α,β−不飽和ニトリル化合物などが挙げられる。
重合体粒子(A)を正極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)は、(メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物に共重合可能な任意の重合性単量体を含みうる。任意の重合性単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。その例を挙げると、多官能ビニル化合物、酸性基を有するビニル単量体、反応性官能基を有する単量体、α,β−不飽和ニトリル化合物などが挙げられる。
・多官能ビニル化合物:
多官能ビニル化合物としては、負極用のバインダー組成物の項での説明と同様のものを用いうる。多官能ビニル化合物を用いることにより、負極用のバインダー組成物の項で説明したのと同様の多官能ビニル化合物による利点が得られる。
多官能ビニル化合物としては、負極用のバインダー組成物の項での説明と同様のものを用いうる。多官能ビニル化合物を用いることにより、負極用のバインダー組成物の項で説明したのと同様の多官能ビニル化合物による利点が得られる。
多官能ビニル化合物としては、例えば、負極用のバインダー組成物の項で挙げたものと同様の例が挙げられる。また、多官能ビニル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体粒子(A)を正極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)における多官能ビニル化合物の割合は、(メタ)アクリル酸エステル化合物100重量部に対して、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.05重量部以上であり、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。多官能ビニル化合物の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、電極活物質層と集電体との結着性を高めることができる。また、上限値以下にすることにより、充放電による電極活物質層の膨らみを効果的に抑制することができる。
・酸性基を有するビニル単量体:
酸性基を有するビニル単量体において、酸性基としては、例えば、負極用のバインダー組成物の項で挙げた親水性基と同様のものが挙げられる。
また、酸性基を有する単量体としては、負極用のバインダー組成物の項で挙げた親水性基を有する単量体と同様の例が挙げられる。
ここで、酸性基を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
酸性基を有するビニル単量体において、酸性基としては、例えば、負極用のバインダー組成物の項で挙げた親水性基と同様のものが挙げられる。
また、酸性基を有する単量体としては、負極用のバインダー組成物の項で挙げた親水性基を有する単量体と同様の例が挙げられる。
ここで、酸性基を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
中でも、重合体粒子(A)を正極用のバインダー組成物において用いる場合には、集電体への密着性に優れること、及び、正極活物質から溶出したコバルトイオン及びマンガンイオンを効率良く捕捉できるという理由から、カルボキシ基を有する単量体が好ましく、例えばアクリル酸及びメタクリル酸等の炭素原子数5以下のカルボキシ基を有するモノカルボン酸、並びに、例えばマレイン酸及びイタコン酸等の炭素原子数5以下のカルボキシ基を2つ有するジカルボン酸が好ましい。また、重合体粒子(A)の保存安定性が高いという観点から、アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
また、重合体粒子(A)を正極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)における酸性基を有するビニル単量体の割合は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは1.5重量%以上であり、好ましくは4重量%以下、より好ましくは3重量%以下、特に好ましくは2.5重量%以下である。酸性基を有する単量体の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(A)の結着性を向上させて、電極活物質の集電体からの脱落を防止できる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(A)が含む酸性基によるリチウムイオンの捕捉を防止して、出力特性及びサイクル特性を向上させることができる。
・反応性官能基を有する単量体:
反応性官能基を有する単量体としては、負極用のバインダー組成物の項での説明と同様のものを用いうる。ここで、反応性官能基を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
反応性官能基を有する単量体としては、負極用のバインダー組成物の項での説明と同様のものを用いうる。ここで、反応性官能基を有する単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体粒子(A)を正極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)における反応性官能基を有する単量体の割合は、好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。反応性官能基を有する単量体の割合を前記範囲に収めることにより、重合体粒子(A)の電解液への溶出を抑制し、優れた膨らみ抑制効果が得られる。
・α,β−不飽和ニトリル化合物:
正極用のバインダー組成物は、任意の重合性単量体としては、例えば、α,β−不飽和ニトリル化合物を含んでいてもよい。α,β−不飽和ニトリル化合物を用いることにより、重合体粒子(A)の電解液への膨潤度が適度に制御でき、耐酸化性を高めることができる。α,β−不飽和ニトリル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。また、α,β−不飽和ニトリル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
正極用のバインダー組成物は、任意の重合性単量体としては、例えば、α,β−不飽和ニトリル化合物を含んでいてもよい。α,β−不飽和ニトリル化合物を用いることにより、重合体粒子(A)の電解液への膨潤度が適度に制御でき、耐酸化性を高めることができる。α,β−不飽和ニトリル化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。また、α,β−不飽和ニトリル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
重合体粒子(A)を正極用のバインダー組成物において用いる場合、単量体組成物(a)におけるα,β−不飽和ニトリル化合物の割合は、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。α,β−不飽和ニトリル化合物の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(A)の耐酸化性を向上させることができる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(A)の電解液への膨潤性が適度に制御できる。
(正極用の重合体粒子(A)の製造方法)
正極用の重合体粒子(A)は、負極用の重合体粒子(A)と同様に、上述した単量体組成物(a)を水系媒体中で重合することにより得られる。この際、水系溶媒の種類、重合方法、重合時に用いうる添加剤(例えば、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤、連鎖移動剤、界面活性剤等)の種類及び量、並びに反応条件などは、負極用の重合体粒子(A)の製造方法と同様にしうる。
正極用の重合体粒子(A)は、負極用の重合体粒子(A)と同様に、上述した単量体組成物(a)を水系媒体中で重合することにより得られる。この際、水系溶媒の種類、重合方法、重合時に用いうる添加剤(例えば、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤、連鎖移動剤、界面活性剤等)の種類及び量、並びに反応条件などは、負極用の重合体粒子(A)の製造方法と同様にしうる。
重合により、単量体組成物(a)に含まれる単量体が重合する。これにより、水系媒体と当該水系媒体中に分散した重合体粒子(A)とを含む分散液が得られる。この際、得られた分散液を、負極用の重合体粒子(A)の製造方法と同様にして、pHの調整を行ってもよい。この際、調整後のpHは、好ましくは5以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは9以下である。なかでも、アルカリ金属水酸化物によるpHの調整は、集電体と電極活物質層との結着性を向上させられるので、好ましい。
得られた重合体粒子(A)は、水系媒体から取り出してもよい。しかし、通常は、水系媒体に分散した状態の重合体粒子(A)は、水系媒体から取り出さない状態で、バインダー組成物又はスラリー組成物の製造に用いる。
(正極用の重合体粒子(A)の物性)
正極用のバインダー組成物において、重合体粒子(A)の個数平均粒子径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは70nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下である。重合体粒子(A)の個数平均粒子径を前記の範囲内に収めることにより、電極の強度及び柔軟性を良好にできる。
正極用のバインダー組成物において、重合体粒子(A)の個数平均粒子径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは70nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下である。重合体粒子(A)の個数平均粒子径を前記の範囲内に収めることにより、電極の強度及び柔軟性を良好にできる。
正極用のバインダー組成物において、重合体粒子(A)のガラス転移温度は、好ましくは−60℃以上、より好ましくは−50℃以上、特に好ましくは−40℃以上であり、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下、特に好ましくは20℃以下である。重合体粒子(A)のガラス転移温度を前記範囲の下限値以上にすることにより、充電時の電極膨らみを抑制して、サイクル特性を改善することができる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(A)の結着性を向上させることができるので、これによってもサイクル特性を改善することができる。
[1.2.2.正極用のバインダー組成物の溶媒]
バインダー組成物は、上述した重合体粒子(A)に加えて、溶媒を含む。正極用のバインダー組成物の溶媒は、その種類及び量のいずれにおいても、負極用のバインダー組成物と同様にしうる。
バインダー組成物は、上述した重合体粒子(A)に加えて、溶媒を含む。正極用のバインダー組成物の溶媒は、その種類及び量のいずれにおいても、負極用のバインダー組成物と同様にしうる。
[1.2.3.正極用のバインダー組成物の任意の成分]
バインダー組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、重合体粒子(A)及び溶媒以外に任意の成分を含みうる。正極用のバインダー組成物が含みうる任意の成分の例を挙げると、後述する本発明の正極用のスラリー組成物が含みうる任意の成分と同様の例が挙げられる。また、バインダー組成物は、任意の成分を、1種類を単独で含んでいてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて含んでいてもよい。
バインダー組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、重合体粒子(A)及び溶媒以外に任意の成分を含みうる。正極用のバインダー組成物が含みうる任意の成分の例を挙げると、後述する本発明の正極用のスラリー組成物が含みうる任意の成分と同様の例が挙げられる。また、バインダー組成物は、任意の成分を、1種類を単独で含んでいてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて含んでいてもよい。
[1.2.4.正極用のバインダー組成物の製造方法]
本発明のバインダー組成物の製造方法に制限は無い。例えば、正極用のバインダー組成物は、負極用のバインダー組成物と同様の要領で製造しうる。
本発明のバインダー組成物の製造方法に制限は無い。例えば、正極用のバインダー組成物は、負極用のバインダー組成物と同様の要領で製造しうる。
[2.リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物]
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物は、上述したバインダー組成物及び電極活物質を含む。すなわち、本発明のスラリー組成物は、重合体粒子(A)、電極活物質及び溶媒を含む。以下、このスラリー組成物を、負極用及び正極用のそれぞれについて説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物は、上述したバインダー組成物及び電極活物質を含む。すなわち、本発明のスラリー組成物は、重合体粒子(A)、電極活物質及び溶媒を含む。以下、このスラリー組成物を、負極用及び正極用のそれぞれについて説明する。
[2.1.負極用のスラリー組成物]
負極用のスラリー組成物は、負極用の電極活物質である負極活物質と、負極用の重合体粒子(A)と、溶媒とを含む。
負極用のスラリー組成物は、負極用の電極活物質である負極活物質と、負極用の重合体粒子(A)と、溶媒とを含む。
[2.1.1.負極活物質]
負極活物質は、負極用の電極活物質であり、リチウムイオン二次電池の負極において電子の受け渡しをできる物質である。このような負極活物質としては、通常、リチウムを吸蔵及び放出できる物質を用いる。
負極活物質は、負極用の電極活物質であり、リチウムイオン二次電池の負極において電子の受け渡しをできる物質である。このような負極活物質としては、通常、リチウムを吸蔵及び放出できる物質を用いる。
好適な負極活物質の例としては、炭素で形成された負極活物質が挙げられる。炭素で形成された負極活物質としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック等が挙げられ、中でも、人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛が好ましく、天然黒鉛が特に好ましい。
好適な負極活物質の別の例としては、金属を含む負極活物質を挙げることができる。特に、スズ、ケイ素、ゲルマニウム及び鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む負極活物質が好ましい。これらの元素を含む負極活物質は、不可逆容量を小さくできる。
これらの金属を含む負極活物質の中でも、ケイ素を含む負極活物質が好ましい。ケイ素を含む負極活物質を用いることにより、リチウムイオン二次電池の電気容量を大きくすることが可能となる。また、一般にケイ素を含む負極活物質は充放電に伴って大きく(例えば5倍程度に)膨張及び収縮するが、本発明のスラリー組成物を用いて製造される負極においては、ケイ素を含む負極活物質の膨張及び収縮による電池性能の低下を効果的に抑制することができる。
ケイ素を含む負極活物質の例としては、ケイ素を含有する化合物及び金属ケイ素が挙げられる。ケイ素を含有する化合物は、ケイ素と他の元素との化合物であり、例えば、SiO、SiO2、SiOx(0.01≦x<2)、SiC、SiOC等が挙げられる。これらの中でも、SiOx、SiOC及びSiCが好ましく、電池寿命の観点からSiOx及びSiOCがより好ましく、負極の膨らみ抑制の観点からSiOxが特に好ましい。ここで、SiOxは、SiO及びSiO2の一方又は両方と金属ケイ素とから形成しうる化合物である。このSiOxは、例えば、SiO2と金属ケイ素との混合物を加熱して生成した一酸化ケイ素ガスを、冷却及び析出させることにより、製造しうる。
前記の負極活物質の中でも、リチウムイオン二次電池の高容量化と寿命特性とのバランスが良いことから、ケイ素を含有する化合物及び黒鉛が好ましい。更に好ましくは黒鉛、SiOx、SiOC及びSiCであり、特に好ましくは黒鉛及びSiOxである。
また、負極活物質としてケイ素を含有する化合物を用いる場合には、負極活物質におけるケイ素を含有する化合物の割合は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、特に好ましくは10重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、特に好ましくは30重量%以下である。ケイ素を含有する化合物の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、リチウムイオン二次電池の容量を大きくできる。また、上限値以下にすることにより、負極の膨らみを抑制できる。
また、負極活物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。したがって、前記の負極活物質のうち、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、ケイ素を含む負極活物質と炭素で形成された負極活物質とを組み合わせて含む負極活物質を用いることが好ましい。負極活物質としてケイ素を含む負極活物質と炭素で形成された負極活物質とを組み合わせたものを用いた場合、高電位でケイ素を含む負極活物質へのLiの挿入及び脱離が起こり、低電位で炭素で形成された負極活物質へのLiの挿入及び脱離が起こると推測される。このため、膨張及び収縮が抑制されるので、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
ケイ素を含む負極活物質と炭素で形成された負極活物質とを組み合わせて用いる場合、ケイ素と導電性カーボンとが複合化された負極活物質を用いてもよい。ケイ素と導電性カーボンとの複合化により、負極活物質自体の膨らみを抑制することができる。複合化の方法としては、例えば、ケイ素を含む負極活物質を導電性カーボンによりコーティングすることにより複合化する方法;ケイ素を含む負極活物質及び導電性カーボンを含む混合物を造粒することにより複合化する方法;等が挙げられる。
炭素で形成された負極活物質とケイ素を含む負極活物質との重量比(「炭素で形成された負極活物質の重量」/「ケイ素を含む負極活物質の重量」)は、好ましくは50/50以上、より好ましくは70/30以上であり、好ましくは97/3以下、より好ましくは90/10以下である。これにより、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を改善することができる。
負極活物質は、粒子状に整粒されたものが好ましい。ここで負極活物質の粒子の形状が球形であると、電極成形時に、より高密度な電極が形成できる。
負極活物質の粒子の体積平均粒子径は、二次電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択され、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、特に好ましくは5μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、特に好ましくは20μm以下である。ここで、体積平均粒子径は、レーザー回折法で測定された粒度分布において小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径である。
負極活物質の比表面積は、出力密度向上の観点から、通常2m2/g以上、好ましくは3m2/g以上、より好ましくは5m2/g以上であり、通常20m2/g以下、好ましくは15m2/g以下、より好ましくは10m2/g以下である。負極活物質の比表面積は、例えばBET法により測定しうる。
負極活物質の量は、電極活物質層における負極活物質の割合が、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、また、好ましくは99.9重量%以下、より好ましくは99重量%以下となる量にする。これにより、リチウムイオン二次電池の容量を大きくでき、また、負極の柔軟性、及び、集電体と電極活物質層との結着性を向上させることができる。
[2.1.2.重合体粒子(A)]
負極用のスラリー組成物において、重合体粒子(A)としては、バインダー組成物の項において上述した負極用の重合体粒子(A)を用いる。この重合体粒子(A)は、通常、スラリー組成物中に分散している。特に、溶媒として水等の水系媒体を用いた場合、重合体粒子(A)の水系媒体に対する親和性が良好であることから、水系媒体において重合体粒子(A)は高度に分散できる。そのため、スラリー組成物の集電体に対する塗布性を良好にできる。
負極用のスラリー組成物において、重合体粒子(A)としては、バインダー組成物の項において上述した負極用の重合体粒子(A)を用いる。この重合体粒子(A)は、通常、スラリー組成物中に分散している。特に、溶媒として水等の水系媒体を用いた場合、重合体粒子(A)の水系媒体に対する親和性が良好であることから、水系媒体において重合体粒子(A)は高度に分散できる。そのため、スラリー組成物の集電体に対する塗布性を良好にできる。
負極用のスラリー組成物における重合体粒子(A)の量は、負極活物質100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、特に好ましくは0.8重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、特に好ましくは4重量部以下である。重合体粒子(A)の量が前記範囲であることにより、電池反応を阻害せずに、負極から負極活物質が脱落することを安定して防ぐことができる。
[2.1.3.溶媒]
スラリー組成物の溶媒としては、通常、バインダー組成物の溶媒と同様のものを用いうる。中でも、水が好ましい。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
スラリー組成物の溶媒としては、通常、バインダー組成物の溶媒と同様のものを用いうる。中でも、水が好ましい。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
負極用のスラリー組成物における溶媒の量は、スラリー組成物の粘度が塗布に好適な粘度になるように調整することが好ましい。具体的には、スラリー組成物の固形分の濃度が、好ましくは40重量%以上、より好ましくは45重量%以上であり、好ましくは70重量%以下、より好ましくは65重量%以下となる量に調整して用いられる。
[2.1.4.重合体粒子(B)]
負極用のスラリー組成物は、重合体粒子(A)、電極活物質及び溶媒に加えて、更に重合体粒子(A)以外の重合体粒子を含んでいてもよい。中でも、負極用のスラリー組成物は、重合体粒子(B)を含むことが好ましい。ここで、重合体粒子(B)とは、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を含む単量体組成物(b)を水系媒体中で重合して得られる重合体粒子である。この重合体粒子(B)を重合体粒子(A)と組み合わせることにより、負極の充放電における極板膨らみを抑制することができる。
負極用のスラリー組成物は、重合体粒子(A)、電極活物質及び溶媒に加えて、更に重合体粒子(A)以外の重合体粒子を含んでいてもよい。中でも、負極用のスラリー組成物は、重合体粒子(B)を含むことが好ましい。ここで、重合体粒子(B)とは、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を含む単量体組成物(b)を水系媒体中で重合して得られる重合体粒子である。この重合体粒子(B)を重合体粒子(A)と組み合わせることにより、負極の充放電における極板膨らみを抑制することができる。
(芳香族ビニル化合物)
芳香族ビニル化合物は、重合体粒子(B)の単量体のうちの一つである。芳香族ビニル化合物を重合して形成される構造単位は剛性が高いので、芳香族ビニル化合物を用いることにより、重合体粒子(B)の剛性を高くすることができる。このため、重合体粒子(B)の破断強度を向上させることができる。また、重合体粒子(B)の剛性が高いことにより、負極活物質が充放電に伴い膨張及び収縮を繰り返した場合でも、重合体粒子(B)は負極活物質との接触を損なわないように負極活物質に当接しうる。したがって、重合体粒子(B)の負極活物質への結着性を高めることができる。特に、充放電を繰り返した場合に前記の結着性の向上効果が顕著である。また重合体粒子(B)の剛性が高いことにより、膨張及び収縮で生じた応力によって移動した負極活物質を強い力で元の位置に戻すことができる。したがって、負極活物質が膨張及び収縮を繰り返しても電極活物質層を膨張し難くすることができる。
芳香族ビニル化合物は、重合体粒子(B)の単量体のうちの一つである。芳香族ビニル化合物を重合して形成される構造単位は剛性が高いので、芳香族ビニル化合物を用いることにより、重合体粒子(B)の剛性を高くすることができる。このため、重合体粒子(B)の破断強度を向上させることができる。また、重合体粒子(B)の剛性が高いことにより、負極活物質が充放電に伴い膨張及び収縮を繰り返した場合でも、重合体粒子(B)は負極活物質との接触を損なわないように負極活物質に当接しうる。したがって、重合体粒子(B)の負極活物質への結着性を高めることができる。特に、充放電を繰り返した場合に前記の結着性の向上効果が顕著である。また重合体粒子(B)の剛性が高いことにより、膨張及び収縮で生じた応力によって移動した負極活物質を強い力で元の位置に戻すことができる。したがって、負極活物質が膨張及び収縮を繰り返しても電極活物質層を膨張し難くすることができる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレン、等のスチレン系化合物が挙げられる。また、芳香族ビニル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
単量体組成物(b)において、芳香族ビニル化合物の割合は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、特に好ましくは40重量%以上であり、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、特に好ましくは70重量%以下である。芳香族ビニル化合物の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、充放電による電極活物質層の膨らみを効果的に抑制することができる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(B)の結着性を効果的に高めることができる。
(共役ジエン化合物)
共役ジエン化合物は、重合体粒子(B)の単量体のうちの一つである。共役ジエン化合物を重合して形成される構造単位は柔軟であるので、共役ジエン化合物を用いることにより、重合体粒子(B)を柔軟にできる。さらに、重合体粒子(B)の結着性を高めることができる。
共役ジエン化合物は、重合体粒子(B)の単量体のうちの一つである。共役ジエン化合物を重合して形成される構造単位は柔軟であるので、共役ジエン化合物を用いることにより、重合体粒子(B)を柔軟にできる。さらに、重合体粒子(B)の結着性を高めることができる。
共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、ピペリレンなどが挙げられる。中でも1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが好ましく、1,3−ブタジエンが特に好ましい。また、共役ジエン化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
単量体組成物(b)において、共役ジエン化合物の割合は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、特に好ましくは30重量%以上であり、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、特に好ましくは60重量%以下である。芳香族ビニル化合物の割合を前記範囲に収めることにより、充放電による電極活物質層の膨らみを効果的に抑制することができる。また、重合体粒子(B)の結着性を効果的に高めることができる。
また、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との重量比(芳香族ビニル化合物/共役ジエン化合物)は、好ましくは42/58以上、より好ましくは49/51以上、特に好ましくは55/45以上であり、好ましくは87/13以下、より好ましくは80/20以下、特に好ましくは70/30以下である。前記の重量比を前記範囲の下限値以上にすることにより、充放電による電極活物質層の膨らみを効果的に抑制することができる。また、上限値以下にすることにより、負極を柔軟にして、負極の割れを抑制することができる。
(任意の重合性単量体)
単量体組成物(b)は、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物に共重合可能な任意の重合性単量体を更に含みうる。任意の重合性単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。このような任意の重合性単量体としては、例えば、多官能ビニル化合物、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、水酸基含有単量体などが挙げられる。
単量体組成物(b)は、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物に共重合可能な任意の重合性単量体を更に含みうる。任意の重合性単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。このような任意の重合性単量体としては、例えば、多官能ビニル化合物、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、水酸基含有単量体などが挙げられる。
・多官能ビニル化合物:
多官能ビニル化合物としては、例えば、単量体組成物(a)の説明において挙げたのと同様のものが挙げられる。重合体粒子(B)においては、通常、多官能ビニル化合物により架橋構造又は枝分かれ構造が形成される。このような架橋構造又は枝分かれ構造により、重合体粒子(B)の靱性を良好にできる。さらに、重合体粒子(B)の結着性を向上させることができるので、充放電による導電パスの切断を抑制できる。したがって、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を効果的に向上させることが可能である。ここで、多官能ビニル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
多官能ビニル化合物としては、例えば、単量体組成物(a)の説明において挙げたのと同様のものが挙げられる。重合体粒子(B)においては、通常、多官能ビニル化合物により架橋構造又は枝分かれ構造が形成される。このような架橋構造又は枝分かれ構造により、重合体粒子(B)の靱性を良好にできる。さらに、重合体粒子(B)の結着性を向上させることができるので、充放電による導電パスの切断を抑制できる。したがって、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を効果的に向上させることが可能である。ここで、多官能ビニル化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
単量体組成物(b)において、多官能ビニル化合物の割合は、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の合計100重量部に対して、好ましくは0.001重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、特に好ましくは3重量部以下である。多官能ビニル化合物の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、電極活物質層と集電体との結着性を効果的に高めることができる。また、上限値以下にすることにより、充放電による電極活物質層の膨らみを効果的に抑制することができる。
・エチレン性不飽和カルボン酸単量体:
エチレン性不飽和カルボン酸単量体はカルボキシ基(−COOH基)を有するので、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を用いることにより、重合体粒子(B)は高い極性を有することになる。これにより、重合体粒子(B)の結着性を更に高めることができる。また、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を重合して形成される構造単位は強度が高いので、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を用いることにより、重合体粒子(B)の強度を強くして、集電体に対する電極活物質層の結着性を高めることができる。また、カルボキシ基が有する極性により、重合体粒子(B)の水に対する親和性を高めることができるので、エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を用いれば、水等の溶媒中において重合体粒子(B)を安定に分散させて、スラリー組成物の安定性を向上させることができる。さらに、カルボキシ基が有する極性により、重合体粒子(B)の極性溶媒に対する親和性が向上するので、重合体粒子(B)の電解液に対する濡れ性を改善することができる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体はカルボキシ基(−COOH基)を有するので、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を用いることにより、重合体粒子(B)は高い極性を有することになる。これにより、重合体粒子(B)の結着性を更に高めることができる。また、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を重合して形成される構造単位は強度が高いので、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を用いることにより、重合体粒子(B)の強度を強くして、集電体に対する電極活物質層の結着性を高めることができる。また、カルボキシ基が有する極性により、重合体粒子(B)の水に対する親和性を高めることができるので、エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位を用いれば、水等の溶媒中において重合体粒子(B)を安定に分散させて、スラリー組成物の安定性を向上させることができる。さらに、カルボキシ基が有する極性により、重合体粒子(B)の極性溶媒に対する親和性が向上するので、重合体粒子(B)の電解液に対する濡れ性を改善することができる。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、不飽和モノカルボン酸及びその誘導体、不飽和ジカルボン酸及びその酸無水物並びにそれらの誘導体が挙げられる。不飽和モノカルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。不飽和モノカルボン酸の誘導体の例としては、2−エチルアクリル酸、イソクロトン酸、α−アセトキシアクリル酸、β−trans−アリールオキシアクリル酸、α−クロロ−β−E−メトキシアクリル酸、及びβ−ジアミノアクリル酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸の例としては、マレイン酸、フマル酸、及びイタコン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸の酸無水物の例としては、無水マレイン酸、アクリル酸無水物、メチル無水マレイン酸、及びジメチル無水マレイン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸の誘導体の例としては、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸等のマレイン酸メチルアリル;並びにマレイン酸ジフェニル、マレイン酸ノニル、マレイン酸デシル、マレイン酸ドデシル、マレイン酸オクタデシル、マレイン酸フルオロアルキル等のマレイン酸エステル;などが挙げられる。これらの中でも、スラリー組成物における重合体粒子(B)の安定性を向上させるという観点から、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸、並びにマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸がより好ましく、イタコン酸が特に好ましい。また、エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
エチレン性不飽和カルボン酸単量体は、通常、重合体粒子(B)のゲル量及びガラス転移温度に影響を及ぼす。重合体粒子(B)のゲル量及びガラス転移温度を適切な範囲に収める観点から、単量体組成物(b)において、エチレン性不飽和カルボン酸単量体の割合は、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の合計100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、好ましくは6重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。エチレン性不飽和カルボン酸単量体の割合を前記範囲に収めることで、集電体と電極活物質層との結着性を高め、負極強度を向上できる。その結果、優れたサイクル特性を有するリチウムイオン二次電池を得ることができる。
・水酸基含有単量体:
水酸基含有単量体は水酸基(−OH基)を有するので、水酸基含有単量体を用いることにより、重合体粒子(B)は高い極性を有する。これにより、負極活物質及び集電体への重合体粒子(B)の結着性を更に高めることができる。このため、水酸基含有単量体を用いることにより、集電体に対する電極活物質層の結着性を効果的に高めることができる。また、水酸基が有する極性により、重合体粒子(B)の水に対する親和性を高めることができる。したがって、水酸基含有単量体を用いれば、水等の溶媒中において重合体粒子(B)を更に安定に分散させて、スラリー組成物の安定性を向上させることができる。さらに、水酸基が有する極性により、重合体粒子(B)の極性溶媒に対する親和性が向上するので、重合体粒子(B)の電解液に対する濡れ性を更に改善することができる。
水酸基含有単量体は水酸基(−OH基)を有するので、水酸基含有単量体を用いることにより、重合体粒子(B)は高い極性を有する。これにより、負極活物質及び集電体への重合体粒子(B)の結着性を更に高めることができる。このため、水酸基含有単量体を用いることにより、集電体に対する電極活物質層の結着性を効果的に高めることができる。また、水酸基が有する極性により、重合体粒子(B)の水に対する親和性を高めることができる。したがって、水酸基含有単量体を用いれば、水等の溶媒中において重合体粒子(B)を更に安定に分散させて、スラリー組成物の安定性を向上させることができる。さらに、水酸基が有する極性により、重合体粒子(B)の極性溶媒に対する親和性が向上するので、重合体粒子(B)の電解液に対する濡れ性を更に改善することができる。
水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジ−(エチレングリコール)マレエート、ジ−(エチレングリコール)イタコネート、2−ヒドロキシエチルマレエート、ビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、及び2−ヒドロキシエチルメチルフマレート等のヒドロキシアルキルアクリレート;アリルアルコール、多価アルコールのモノアリルエーテルなどが挙げられる。中でも、ヒドロキシアルキルアクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチルアクリレートが特に好ましい。また、水酸基含有単量体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
単量体組成物(b)において、水酸基含有単量体の割合は、芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物の合計100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。水酸基含有単量体の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(B)の電解液に対する濡れ性を向上させることができる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(B)の製造時の安定性と、電解液に対する濡れ性とを両立させることができる。
・他の重合性単量体:
単量体組成物(b)は、任意の重合性単量体として、上述した多官能ビニル化合物、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、水酸基含有単量体以外の単量体を含んでいてもよい。その例としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド系単量体;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有単量体;スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸系単量体;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート等のアルコキシ基含有メタクリル酸系単量体;(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸−β−(パーフルオロオクチル)エチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−1H,1H,9H−パーフルオロ−1−ノニル、(メタ)アクリル酸−1H,1H,11H−パーフルオロウンデシル、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸−3−[4−〔1−トリフルオロメチル−2,2−ビス〔ビス(トリフルオロメチル)フルオロメチル〕エチニルオキシ〕ベンゾオキシ]−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステルなどの、フッ素含有アクリル酸系単量体又はフッ素含有メタクリル酸系物単量体;マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチル等の不飽和ジカルボン酸モノエステル;などが挙げられる。さらに、任意の重合性単量体として、例えば、「高分子ラテックス(新高分子文庫26)(高分子刊行会、第一版)P131〜P134」に列挙された単量体が挙げられる。これらの中でも、ニトリル基含有単量体、アルコキシ基含有メタクリル酸系単量体及びフッ素含有アクリル酸系単量体が好ましい。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
単量体組成物(b)は、任意の重合性単量体として、上述した多官能ビニル化合物、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、水酸基含有単量体以外の単量体を含んでいてもよい。その例としては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のアクリルアミド系単量体;メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等のメタクリルアミド系単量体;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有単量体;スチレンスルホン酸ナトリウム、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有単量体;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸系単量体;メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート等のアルコキシ基含有メタクリル酸系単量体;(メタ)アクリル酸−2,2,2−トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸−β−(パーフルオロオクチル)エチル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸−2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、(メタ)アクリル酸−1H,1H,9H−パーフルオロ−1−ノニル、(メタ)アクリル酸−1H,1H,11H−パーフルオロウンデシル、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸−3−[4−〔1−トリフルオロメチル−2,2−ビス〔ビス(トリフルオロメチル)フルオロメチル〕エチニルオキシ〕ベンゾオキシ]−2−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステルなどの、フッ素含有アクリル酸系単量体又はフッ素含有メタクリル酸系物単量体;マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチル等の不飽和ジカルボン酸モノエステル;などが挙げられる。さらに、任意の重合性単量体として、例えば、「高分子ラテックス(新高分子文庫26)(高分子刊行会、第一版)P131〜P134」に列挙された単量体が挙げられる。これらの中でも、ニトリル基含有単量体、アルコキシ基含有メタクリル酸系単量体及びフッ素含有アクリル酸系単量体が好ましい。また、これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
単量体組成物(b)において、例えば多官能ビニル化合物、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、水酸基含有単量体等の、任意の重合性単量体の合計割合は、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、特に好ましくは1重量%以上であり、好ましくは10重量%以下、より好ましくは8重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。任意の重合性単量体の割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(B)と負極活物質および集電体との結着性を向上させることができる。また上限値以下にすることにより、スラリー組成物の安定性を高めることができる。
・重合体粒子(B)の製造方法:
重合体粒子(B)は、負極用の重合体粒子(A)と同様に、上述した単量体組成物(b)を水系媒体中で重合することにより得られる。この際、水系溶媒の種類、重合方法、重合時に用いうる添加剤(例えば、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤、連鎖移動剤、界面活性剤等)の種類及び量、並びに反応条件などは、負極用の重合体粒子(A)の製造方法と同様にしうる。
重合体粒子(B)は、負極用の重合体粒子(A)と同様に、上述した単量体組成物(b)を水系媒体中で重合することにより得られる。この際、水系溶媒の種類、重合方法、重合時に用いうる添加剤(例えば、乳化剤、重合開始剤、分子量調整剤、連鎖移動剤、界面活性剤等)の種類及び量、並びに反応条件などは、負極用の重合体粒子(A)の製造方法と同様にしうる。
重合により、単量体組成物(b)に含まれる単量体が重合する。これにより、水系媒体と当該水系媒体中に分散した重合体粒子(B)とを含む分散液が得られる。この際、得られた分散液を、負極用の重合体粒子(A)の製造方法と同様にして、pHの調整を行ってもよい。この際、調整後のpHは、好ましくは5以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは9以下である。なかでも、アルカリ金属水酸化物によるpHの調整は、集電体と電極活物質層との結着性を向上させられるので、好ましい。
得られた重合体粒子(B)は、水系媒体から取り出してもよい。しかし、通常は、水系媒体に分散した状態の重合体粒子(B)は、水系媒体から取り出さない状態で、スラリー組成物の製造に用いる。
・重合体粒子(B)の物性:
重合体粒子(B)の個数平均粒子径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは70nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下である。重合体粒子(B)の個数平均粒子径を前記の範囲内に収めることにより、負極の強度及び柔軟性を良好にできる。
重合体粒子(B)の個数平均粒子径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは70nm以上であり、好ましくは500nm以下、より好ましくは400nm以下である。重合体粒子(B)の個数平均粒子径を前記の範囲内に収めることにより、負極の強度及び柔軟性を良好にできる。
重合体粒子(B)のテトラヒドロフランに不溶なゲル量は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは85%以上であり、好ましくは98%以下、より好ましくは95%以下、特に好ましくは93%以下である。重合体粒子(B)のゲル量を前記範囲の下限値以上にすることにより、重合体粒子(B)の電解液への膨潤を抑制して、電極の膨れを防止することができる。また、重合体粒子(B)が過度に柔らかくなることを防止して、結着性を高くすることができる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(B)が過度に硬くなることを防止できるので、これによっても結着性を高くできる。そのため、電極活物質層と集電体との結着性を向上させて、サイクル特性等の電池特性を改善することができる。
重合体粒子(B)のガラス転移温度は、好ましくは−30℃以上、より好ましくは−20℃以上、特に好ましくは−10℃以上であり、好ましくは60℃以下、より好ましくは40℃以下、特に好ましくは30℃以下である。重合体粒子(B)のガラス転移温度を前記範囲の下限値以上にすることにより、充電時の電極の膨らみを抑制して、サイクル特性を改善することができる。また、上限値以下にすることにより、重合体粒子(B)の結着性を向上させることができるので、これによってもサイクル特性を改善することができる。
・重合体粒子(B)の量:
重合体粒子(B)の量は、重合体粒子(A)100重量部に対して、好ましくは100重量部以上、より好ましくは500重量部以上であり、好ましくは2000重量部以下、より好ましくは1500重量部以下である。重合体粒子(B)の量を前記範囲の下限値以上にすることにより、負極活物質及び集電体を電極活物質層に安定して保持できる。また、上限値以下にすることにより充放電における極板の膨らみを抑制することができる。
重合体粒子(B)の量は、重合体粒子(A)100重量部に対して、好ましくは100重量部以上、より好ましくは500重量部以上であり、好ましくは2000重量部以下、より好ましくは1500重量部以下である。重合体粒子(B)の量を前記範囲の下限値以上にすることにより、負極活物質及び集電体を電極活物質層に安定して保持できる。また、上限値以下にすることにより充放電における極板の膨らみを抑制することができる。
[2.1.5.水溶性重合体]
負極用のスラリー組成物は、更に水溶性重合体を含むことが好ましい。溶媒として水等の水系媒体を用いた場合、水溶性重合体の一部は溶媒中に遊離しているが、別の一部は電極活物質等の粒子の表面に吸着する。このように吸着した水溶性重合体により、粒子の表面は安定な層で覆われるので、粒子の水系媒体中での分散性を向上させることができる。これにより、電極活物質層における電極活物質等の粒子の分散性も向上させることができるので、充放電による電極の膨らみを抑制できる。また、電極活物質層と集電体との結着性を高めることができる。さらには、これらの作用により、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
負極用のスラリー組成物は、更に水溶性重合体を含むことが好ましい。溶媒として水等の水系媒体を用いた場合、水溶性重合体の一部は溶媒中に遊離しているが、別の一部は電極活物質等の粒子の表面に吸着する。このように吸着した水溶性重合体により、粒子の表面は安定な層で覆われるので、粒子の水系媒体中での分散性を向上させることができる。これにより、電極活物質層における電極活物質等の粒子の分散性も向上させることができるので、充放電による電極の膨らみを抑制できる。また、電極活物質層と集電体との結着性を高めることができる。さらには、これらの作用により、リチウムイオン二次電池のサイクル特性を向上させることができる。
水溶性重合体としては、例えば水溶性多糖類、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。中でも水溶性多糖類が好ましく、カルボキシメチルセルロースが特に好ましい。ここでカルボキシメチルセルロースは、ナトリウム塩やアンモニウム塩などの塩の状態で用いてもよい。また、水溶性重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
水溶性重合体の分子量は用いる重合体によってさまざまではあるが、25℃のB型粘度計を用いた場合、1質量%の水溶液粘度が、好ましくは500mPa・s以上、より好ましくは1000mPa・s以上、さらに好ましくは1500mPa・s以上、特に好ましくは2000mPa・s以上であり、好ましくは10000mPa・s以下、より好ましくは9000mPa・s以下、特に好ましくは8000mPa・s以下である。前記範囲の下限値以上にすることにより電極活物質の表面被覆性に優れ、安定的な負極用スラリー組成物がえられ、サイクル特性等に優れるリチウムイオン二次電池が得られる。また上限値以下にすることで、負極用スラリー組成物の流動性に優れ、塗工特性に優れる。
水溶性重合体の量は、電極活物質100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。水溶性重合体の量を前記範囲の下限値以上にすることにより、スラリー組成物において、電極活物質等の粒子の分散性を高めることができる。また、上限値以下にすることにより、リチウムイオン二次電池の低温出力特性を改善できる。
[2.1.6.任意の成分]
負極用のスラリー組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した負極活物質、重合体粒子(A)、溶媒、重合体粒子(B)及び水溶性重合体以外に任意の成分を含みうる。その例を挙げると、導電材、補強材、レベリング剤、ナノ粒子及び電解液添加剤等が挙げられる。また、これらの成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
負極用のスラリー組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した負極活物質、重合体粒子(A)、溶媒、重合体粒子(B)及び水溶性重合体以外に任意の成分を含みうる。その例を挙げると、導電材、補強材、レベリング剤、ナノ粒子及び電解液添加剤等が挙げられる。また、これらの成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
導電材は、電極活物質同士の電気的接触を向上させうる成分である。導電材を含むことにより、リチウムイオン二次電池の放電レート特性を改善することができる。
導電材としては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、およびカーボンナノチューブ等の導電性カーボンなどが挙げられる。導電材は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
導電材の量は、電極活物質の量100重量部に対して、好ましくは1重量部〜20重量部、より好ましくは1重量部〜10重量部である。
導電材としては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、およびカーボンナノチューブ等の導電性カーボンなどが挙げられる。導電材は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
導電材の量は、電極活物質の量100重量部に対して、好ましくは1重量部〜20重量部、より好ましくは1重量部〜10重量部である。
補強材としては、例えば、各種の無機および有機の球状、板状、棒状または繊維状のフィラーを使用しうる。補強材は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。補強材を用いることにより、強靭で柔軟な負極を得ることができ、優れた長期サイクル特性を示すリチウムイオン二次電池を実現できる。
補強材の量は、電極活物質の量100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下である。補強材の量を上記範囲とすることにより、リチウムイオン二次電池は高い容量と高い負荷特性を示すことができる。
補強材の量は、電極活物質の量100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは1重量部以上であり、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下である。補強材の量を上記範囲とすることにより、リチウムイオン二次電池は高い容量と高い負荷特性を示すことができる。
レベリング剤としては、例えば、アルキル系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属系界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。レベリング剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。レベリング剤を用いることにより、スラリー組成物の塗布時に発生するはじきを防止したり、電極の平滑性を向上させたりすることができる。また、界面活性剤を含有させることによりスラリー組成物において電極活物質等の粒子の分散性を向上することができ、さらにそれにより得られる電極の平滑性を向上させることができる。
レベリング剤の量は、電極活物質の量100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜10重量部である。レベリング剤が上記範囲であることにより電極作製時の生産性、平滑性及び電池特性に優れる。
レベリング剤の量は、電極活物質の量100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜10重量部である。レベリング剤が上記範囲であることにより電極作製時の生産性、平滑性及び電池特性に優れる。
ナノ粒子としては、例えば、フュームドシリカ及びフュームドアルミナなどの粒子が挙げられる。ナノ粒子は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。ナノ粒子を含む場合にはスラリー組成物のチキソ性を調整することができるので、それにより得られる電極のレベリング性を向上させることができる。
ナノ粒子の量は、電極活物質の量100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜10重量部である。ナノ粒子が上記範囲であることにより、スラリー組成物の安定性及び生産性を改善し、高い電池特性を実現できる。
ナノ粒子の量は、電極活物質の量100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜10重量部である。ナノ粒子が上記範囲であることにより、スラリー組成物の安定性及び生産性を改善し、高い電池特性を実現できる。
電解液添加剤としては、例えば、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。電解液添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。電解液添加剤を用いることにより、例えば電解液の分解を抑制することができる。
電解液添加剤の量は、電極活物質の量100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜10重量部である。電解液添加剤の量を上記範囲にすることにより、サイクル特性及び高温特性に優れた二次電池を実現できる。
電解液添加剤の量は、電極活物質の量100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜10重量部である。電解液添加剤の量を上記範囲にすることにより、サイクル特性及び高温特性に優れた二次電池を実現できる。
[2.1.7.負極用スラリー組成物の製造方法]
負極用のスラリー組成物は、上述した負極活物質、重合体粒子(A)及び溶媒、並びに必要に応じて用いられる重合体粒子(B)、水溶性重合体及び任意の成分を混合して製造しうる。この際の具体的な手順は任意である。例えば、溶媒に負極活物質、重合体粒子(A)、重合体粒子(B)及び水溶性重合体を同時に混合する方法;溶媒に水溶性重合体を溶解した後、溶媒に分散させた重合体粒子(A)及び重合体粒子(B)を混合し、その後で負極活物質を混合する方法;溶媒に分散させた重合体粒子(A)及び重合体粒子(B)に負極活物質を混合し、この混合物に溶媒に溶解させた水溶性重合体を混合する方法;などが挙げられる。
負極用のスラリー組成物は、上述した負極活物質、重合体粒子(A)及び溶媒、並びに必要に応じて用いられる重合体粒子(B)、水溶性重合体及び任意の成分を混合して製造しうる。この際の具体的な手順は任意である。例えば、溶媒に負極活物質、重合体粒子(A)、重合体粒子(B)及び水溶性重合体を同時に混合する方法;溶媒に水溶性重合体を溶解した後、溶媒に分散させた重合体粒子(A)及び重合体粒子(B)を混合し、その後で負極活物質を混合する方法;溶媒に分散させた重合体粒子(A)及び重合体粒子(B)に負極活物質を混合し、この混合物に溶媒に溶解させた水溶性重合体を混合する方法;などが挙げられる。
混合のために用いる装置は、上記成分を均一に混合しうる任意の装置を使用しうる。例を挙げると、ビーズミル、ボールミル、ロールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、フィルミックスなどが挙げられる。中でも、高濃度での分散が可能なことから、ボールミル、ロールミル、顔料分散機、擂潰機、プラネタリーミキサーを使用することが特に好ましい。
[2.2.正極用のスラリー組成物]
正極用のスラリー組成物は、正極用の電極活物質である正極活物質と、正極用の重合体粒子(A)と、溶媒とを含む。
正極用のスラリー組成物は、正極用の電極活物質である正極活物質と、正極用の重合体粒子(A)と、溶媒とを含む。
[2.2.1.正極活物質]
正極活物質は、正極用の電極活物質であり、リチウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を用いうる。このような正極活物質は、無機化合物と有機化合物とに大別される。
正極活物質は、正極用の電極活物質であり、リチウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を用いうる。このような正極活物質は、無機化合物と有機化合物とに大別される。
無機化合物からなる正極活物質としては、例えば、遷移金属酸化物、遷移金属硫化物、リチウムと遷移金属とのリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。
上記の遷移金属としては、例えばTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo等が挙げられる。
上記の遷移金属としては、例えばTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo等が挙げられる。
遷移金属酸化物としては、例えば、MnO、MnO2、V2O5、V6O13、TiO2、Cu2V2O3、非晶質V2O−P2O5、MoO3等が挙げられ、中でもサイクル安定性と容量からMnO、V2O5、V6O13、TiO2が好ましい。
遷移金属硫化物としては、例えば、TiS2、TiS3、非晶質MoS2、FeS等が挙げられる。
遷移金属硫化物としては、例えば、TiS2、TiS3、非晶質MoS2、FeS等が挙げられる。
リチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物、オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物などが挙げられる。
層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、リチウム含有コバルト酸化物(LiCoO2)、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO2)、Co−Ni−Mnのリチウム複合酸化物、Ni−Mn−Alのリチウム複合酸化物、Ni−Co−Alのリチウム複合酸化物等が挙げられる。
スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)又はMnの一部を他の遷移金属で置換したLi[Mn3/2M1/2]O4(ここでMは、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等)等が挙げられる。
オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LiXMPO4(式中、Mは、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mg、Zn、V、Ca、Sr、Ba、Ti、Al、Si、B及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、Xは0≦X≦2を満たす数を表す。)で表されるオリビン型燐酸リチウム化合物が挙げられる。
層状構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、リチウム含有コバルト酸化物(LiCoO2)、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiO2)、Co−Ni−Mnのリチウム複合酸化物、Ni−Mn−Alのリチウム複合酸化物、Ni−Co−Alのリチウム複合酸化物等が挙げられる。
スピネル構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)又はMnの一部を他の遷移金属で置換したLi[Mn3/2M1/2]O4(ここでMは、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等)等が挙げられる。
オリビン型構造を有するリチウム含有複合金属酸化物としては、例えば、LiXMPO4(式中、Mは、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mg、Zn、V、Ca、Sr、Ba、Ti、Al、Si、B及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、Xは0≦X≦2を満たす数を表す。)で表されるオリビン型燐酸リチウム化合物が挙げられる。
有機化合物からなる正極活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子化合物が挙げられる。
また、無機化合物及び有機化合物を組み合わせた複合材料からなる正極活物質を用いてもよい。
また、例えば、鉄系酸化物を炭素源物質の存在下において還元焼成することで、炭素材料で覆われた複合材料を作製し、この複合材料を正極活物質として用いてもよい。鉄系酸化物は電気伝導性に乏しい傾向があるが、前記のような複合材料にすることにより、高性能な正極活物質として使用できる。
さらに、前記の化合物を部分的に元素置換したものを正極活物質として用いてもよい。
また、上記の無機化合物と有機化合物の混合物を正極活物質として用いてもよい。
正極活物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、例えば、鉄系酸化物を炭素源物質の存在下において還元焼成することで、炭素材料で覆われた複合材料を作製し、この複合材料を正極活物質として用いてもよい。鉄系酸化物は電気伝導性に乏しい傾向があるが、前記のような複合材料にすることにより、高性能な正極活物質として使用できる。
さらに、前記の化合物を部分的に元素置換したものを正極活物質として用いてもよい。
また、上記の無機化合物と有機化合物の混合物を正極活物質として用いてもよい。
正極活物質は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
正極活物質の粒子の体積平均粒子径は、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。正極活物質の粒子の体積平均粒子径を上記範囲にすることにより、電極活物質層を作製する際のバインダーの量を少なくすることができ、リチウムイオン二次電池の容量の低下を抑制できる。また、スラリー組成物の粘度を塗布し易い適正な粘度に調整することが容易になり、均一な正極を得ることができる。
正極活物質の量は、電極活物質層における正極活物質の割合が、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上であり、好ましくは99.9重量%以下、より好ましくは99重量%以下となる量にする。これにより、リチウムイオン二次電池の容量を高くでき、また、正極の柔軟性、及び、集電体と電極活物質層との結着性を向上させることができる。
[2.2.2.重合体粒子(A)]
正極用のスラリー組成物において、重合体粒子(A)としては、バインダー組成物の項において上述した正極用の重合体粒子(A)を用いる。この重合体粒子(A)は、通常、スラリー組成物中に分散している。特に、溶媒として水等の水系媒体を用いた場合、重合体粒子(A)の水系媒体に対する親和性が良好であることから、水系媒体において重合体粒子(A)は高度に分散できる。そのため、スラリー組成物の集電体に対する塗布性を良好にできる。
正極用のスラリー組成物において、重合体粒子(A)としては、バインダー組成物の項において上述した正極用の重合体粒子(A)を用いる。この重合体粒子(A)は、通常、スラリー組成物中に分散している。特に、溶媒として水等の水系媒体を用いた場合、重合体粒子(A)の水系媒体に対する親和性が良好であることから、水系媒体において重合体粒子(A)は高度に分散できる。そのため、スラリー組成物の集電体に対する塗布性を良好にできる。
正極用のスラリー組成物における重合体粒子(A)の量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.2重量部以上、特に好ましくは0.5重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは8重量部以下、特に好ましくは5重量部以下である。重合体粒子(A)の量が前記範囲であることにより、電池反応を阻害せずに、正極から正極活物質が脱落することを安定して防ぐことができる。
[2.2.3.溶媒]
正極用のスラリー組成物の溶媒は、その種類及び量のいずれにおいても、負極用のスラリー組成物と同様にしうる。
正極用のスラリー組成物の溶媒は、その種類及び量のいずれにおいても、負極用のスラリー組成物と同様にしうる。
[2.2.4.水溶性重合体]
正極用のスラリー組成物は、更に水溶性重合体を含んでいてもよい。これにより、負極用のスラリー組成物が水溶性重合体を含む場合と同様の利点が得られる。
水溶性重合体としては、負極用のスラリー組成物の項で説明したのと同様の種類及び重量平均分子量のものを、同様の量で用いうる。また、水溶性重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
正極用のスラリー組成物は、更に水溶性重合体を含んでいてもよい。これにより、負極用のスラリー組成物が水溶性重合体を含む場合と同様の利点が得られる。
水溶性重合体としては、負極用のスラリー組成物の項で説明したのと同様の種類及び重量平均分子量のものを、同様の量で用いうる。また、水溶性重合体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
[2.2.5.任意の成分]
正極用のスラリー組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した正極活物質、重合体粒子(A)、溶媒及び水溶性重合体以外に任意の成分を含みうる。このような任意の成分としては、例えば、負極用のスラリー組成物と同様のものを、同様の量で用いうる。また、これらの成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
正極用のスラリー組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、上述した正極活物質、重合体粒子(A)、溶媒及び水溶性重合体以外に任意の成分を含みうる。このような任意の成分としては、例えば、負極用のスラリー組成物と同様のものを、同様の量で用いうる。また、これらの成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
[2.2.6.正極用スラリー組成物の製造方法]
スラリー組成物は、上述した正極活物質、重合体粒子(A)及び溶媒、並びに必要に応じて用いられる水溶性重合体及び任意の成分を混合して製造しうる。この際の具体的な手順は任意であり、例えば、負極用のスラリー組成物と同様の要領で製造しうる。
スラリー組成物は、上述した正極活物質、重合体粒子(A)及び溶媒、並びに必要に応じて用いられる水溶性重合体及び任意の成分を混合して製造しうる。この際の具体的な手順は任意であり、例えば、負極用のスラリー組成物と同様の要領で製造しうる。
[3.リチウムイオン二次電池用電極]
上述した本発明のスラリー組成物を用いることにより、電極を製造できる。この電極は、集電体と、集電体上に形成された電極活物質層とを備える。また、前記の電極活物質層は、スラリー組成物が含んでいた電極活物質及び重合体粒子(A)等の成分を含む。このような電極は、通常、集電体と電極活物質層との結着性に優れる。このように優れた結着性が得られる理由は定かでは無いが、本発明者の検討によれば、以下のように推察される。
電極活物質層においてバインダーとして機能する重合体粒子(A)は、硫黄原子による大きい極性を有するので、電極活物質及び集電体の表面に存在する極性基と強い相互作用を生じうる。このため、重合体粒子(A)は、電極活物質及び集電体に対して高い結着性を発現できる。また、重合体粒子(A)は、分子構造として架橋構造又は枝分かれ構造を有することにより、強い靱性を有する。この靱性によっても、重合体粒子(A)は、電極活物質及び集電体に対して高い結着性を発現できる。したがって、電極活物質層と集電体との結着性に優れると考えられる。
上述した本発明のスラリー組成物を用いることにより、電極を製造できる。この電極は、集電体と、集電体上に形成された電極活物質層とを備える。また、前記の電極活物質層は、スラリー組成物が含んでいた電極活物質及び重合体粒子(A)等の成分を含む。このような電極は、通常、集電体と電極活物質層との結着性に優れる。このように優れた結着性が得られる理由は定かでは無いが、本発明者の検討によれば、以下のように推察される。
電極活物質層においてバインダーとして機能する重合体粒子(A)は、硫黄原子による大きい極性を有するので、電極活物質及び集電体の表面に存在する極性基と強い相互作用を生じうる。このため、重合体粒子(A)は、電極活物質及び集電体に対して高い結着性を発現できる。また、重合体粒子(A)は、分子構造として架橋構造又は枝分かれ構造を有することにより、強い靱性を有する。この靱性によっても、重合体粒子(A)は、電極活物質及び集電体に対して高い結着性を発現できる。したがって、電極活物質層と集電体との結着性に優れると考えられる。
スラリー組成物を用いて電極を製造する方法としては、例えば、スラリー組成物を、集電体上に塗布し、乾燥することを含む製造方法が挙げられる。
集電体としては、通常、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料で形成されたものを用いる。集電体の材料としては、耐熱性を有するため、金属材料が好ましい。例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などが挙げられる。中でも、負極用の集電体としては、銅が好ましい。また、正極用の集電体としては、アルミニウムが特に好ましい。前記の材料は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
集電体の形状は特に制限されず、厚さ0.001mm〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。
集電体は、電極活物質層との接着強度を高めるため、電極活物質層(又は集電体と電極活物質層との間に介在する中間層が存在する場合はその中間層)をその上に形成するのに先立ち、粗面化処理を施されたものが好ましい。粗面化方法としては、例えば、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、例えば、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線を備えたワイヤーブラシ等が使用される。
また、集電体と電極活物質層との接着強度を高めたり、導電性を高めたりするために、集電体の表面に中間層を形成してもよい。
また、集電体と電極活物質層との接着強度を高めたり、導電性を高めたりするために、集電体の表面に中間層を形成してもよい。
スラリー組成物を集電体上に塗布する場合、集電体の片面だけに塗布してもよく、両面に塗布してもよい。スラリー組成物を集電体の表面に塗布する方法は特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、およびハケ塗り法などの方法が挙げられる。
スラリー組成物を塗布することにより、集電体の表面に、スラリー組成物の膜が形成される。このスラリー組成物の膜を乾燥させて、溶媒等の液体を除去することにより、集電体の表面に電極活物質層が形成される。
乾燥方法の例としては、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法などが挙げられる。乾燥時間は通常5分〜30分であり、乾燥温度は通常40℃〜180℃である。
乾燥方法の例としては、例えば、温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法などが挙げられる。乾燥時間は通常5分〜30分であり、乾燥温度は通常40℃〜180℃である。
また、集電体の表面にスラリー組成物を塗布及び乾燥した後で、必要に応じて、例えば金型プレス又はロールプレス等のプレス機を用い、電極活物質層に加圧処理を施すことが好ましい。加圧処理により、電極活物質層の空隙率を低くすることができる。空隙率は、好ましくは5%以上、より好ましくは7%以上であり、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下である。空隙率を前記範囲の下限値以上とすることにより、高い体積容量が得易くなり、また、電極活物質層を集電体から剥がれ難くすることができる。また、上限値以下とすることにより、高い充電効率及び放電効率が得られる。
さらに、電極活物質層が架橋反応等の硬化反応により硬化しうる重合体を含む場合は、スラリー組成物を集電体上に塗布した後の適切な時期に、前記重合体を硬化させてもよい。例えば、電極活物質層が熱架橋性を有する重合体を含む場合、120℃以上で1時間以上、加熱処理を施してもよい。
上述した方法により、集電体と、その集電体上に形成された電極活物質層とを備えるリチウムイオン二次電池用電極を得ることができる。
得られた電極において、集電体の表面の単位面積当たりの電極活物質層の量は、任意に設定しうる。負極においては、集電体の表面の単位面積当たりの電極活物質層の量は、好ましくは6mg/cm2以上、より好ましくは8mg/cm2以上、特に好ましくは10mg/cm2以上であり、好ましくは20mg/cm2以下、より好ましくは18mg/cm2以下、特に好ましくは16mg/cm2以下である。また、正極においては、集電体の表面の単位面積当たりの電極活物質層の量は、好ましくは15mg/cm2以上、より好ましくは20mg/cm2以上、特に好ましくは25mg/cm2以上であり、好ましくは70mg/cm2以下、より好ましくは60mg/cm2以下、特に好ましくは50mg/cm2以下である。集電体の表面の単位面積当たりの電極活物質層の量を前記範囲の下限値以上にすることにより、リチウムイオン二次電池の容量を大きくできる。また、上限値以下にすることにより、リチウムイオン二次電池の寿命特性を良好にできる。
また、単位面積当たりの電極活物質層の量を前記の範囲にする観点では、負極における電極活物質層の厚みは、通常1μm以上、好ましくは5μm以上、より好ましくは30μm以上であり、通常300μm以下、好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下、特に好ましくは100μm以下である。また、同様の観点から、正極における電極活物質層の厚みは、通常5μm以上、好ましくは10μm以上であり、通常300μm以下、好ましくは250μm以下である。
[4.リチウムイオン二次電池]
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極及び電解液を備え、更に通常はセパレータを備える。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、前記の正極又は負極が、本発明の電極である。この際、負極としてだけ本発明の電極を用いてもよく、正極としてだけ本発明の電池を用いてもよく、負極及び正極の両方として本発明の電池を用いてもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極及び電解液を備え、更に通常はセパレータを備える。また、本発明のリチウムイオン二次電池は、前記の正極又は負極が、本発明の電極である。この際、負極としてだけ本発明の電極を用いてもよく、正極としてだけ本発明の電池を用いてもよく、負極及び正極の両方として本発明の電池を用いてもよい。
このリチウムイオン二次電池は、サイクル特性に優れるので、長寿命である。このように優れたサイクル特性が得られる理由は必ずしも定かでは無いが、本発明者の検討によれば、以下のように推察される。
電極活物質層においてバインダーとして機能する重合体粒子(A)は、強い靱性及び大きい極性を有する。このため、重合体粒子(A)は電極活物質及び集電体に対して高い結着性を有する。そのため、充放電により電極活物質が膨張及び収縮を繰り返しても、電極において導電パスは切断され難い。
また、重合体粒子(A)は水系媒体に対して高い親和性を有し、スラリー組成物において安定して分散できる。したがって、このスラリー組成物から得られる電極活物質層においても重合体粒子(A)が高度に分散できるので、電極活物質層の強度を均一にでき、局所的に強度が低い場所を起点とした破損を防止できる。したがって、電極活物質の膨張及び収縮並びに充放電による発熱によって電極内で応力が生じても、破損による導電パスの切断が生じにくくなっている。
このように、本発明の電極においては導電パスの切断が生じ難いので、使用による抵抗の上昇が小さい。したがって、高いサイクル特性が得られていると考えられる。
電極活物質層においてバインダーとして機能する重合体粒子(A)は、強い靱性及び大きい極性を有する。このため、重合体粒子(A)は電極活物質及び集電体に対して高い結着性を有する。そのため、充放電により電極活物質が膨張及び収縮を繰り返しても、電極において導電パスは切断され難い。
また、重合体粒子(A)は水系媒体に対して高い親和性を有し、スラリー組成物において安定して分散できる。したがって、このスラリー組成物から得られる電極活物質層においても重合体粒子(A)が高度に分散できるので、電極活物質層の強度を均一にでき、局所的に強度が低い場所を起点とした破損を防止できる。したがって、電極活物質の膨張及び収縮並びに充放電による発熱によって電極内で応力が生じても、破損による導電パスの切断が生じにくくなっている。
このように、本発明の電極においては導電パスの切断が生じ難いので、使用による抵抗の上昇が小さい。したがって、高いサイクル特性が得られていると考えられる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、放電レート特性に優れる。このように優れた放電レート特性が得られる理由は必ずしも定かでは無いが、本発明者の検討によれば、以下のように推察される。
重合体粒子(A)は、例えば多官能チオール化合物に由来する硫黄原子を有することにより、イオン伝導性に優れる。また、重合体粒子(A)は前記のように大きい極性を有するので、極性溶媒に対する親和性に優れ、ひいては電解液に対する濡れ性にも優れる。これらの作用により、本発明の電極ではイオンの伝導性が良好となっているので、抵抗を小さくできる。さらに、重合体粒子(A)は架橋構造又は枝分かれ構造を有するので、電解液に対して膨潤し難い。そのため、電解液中での電極活物質層の膨らみを抑制できるので、これによっても、抵抗を小さくできる。したがって、これらの作用により、高い放電レート特性が得られていると考えられる。
重合体粒子(A)は、例えば多官能チオール化合物に由来する硫黄原子を有することにより、イオン伝導性に優れる。また、重合体粒子(A)は前記のように大きい極性を有するので、極性溶媒に対する親和性に優れ、ひいては電解液に対する濡れ性にも優れる。これらの作用により、本発明の電極ではイオンの伝導性が良好となっているので、抵抗を小さくできる。さらに、重合体粒子(A)は架橋構造又は枝分かれ構造を有するので、電解液に対して膨潤し難い。そのため、電解液中での電極活物質層の膨らみを抑制できるので、これによっても、抵抗を小さくできる。したがって、これらの作用により、高い放電レート特性が得られていると考えられる。
また、通常、本発明のリチウムイオン二次電池においては、充放電を繰り返した場合でも、電極の膨らみを抑制できる。これは、集電体と電極活物質層との結着性が高いこと、及び、重合体粒子(A)の強度が高いことにより、電極の膨らみが抑制されているためと推察される。
さらに、通常、本発明のリチウムイオン二次電池においては、電極とセパレータとの結着性を高めることが可能である。これは、重合体粒子(A)が高い極性を有することにより、セパレータに対する重合体粒子(A)の親和性が高くなっているためと推察される。
また、通常、本発明のリチウムイオン二次電池は、低温出力特性に優れる。これは、前記のように、例えば多官能チオール化合物の作用によって電極の抵抗を小さくできるからと推察される。
[4.1.電解液]
電解液としては、例えば、溶媒と、その溶媒に溶解した支持電解質とを含むものを使用しうる。
電解質としては、通常、リチウム塩を用いる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。中でも、特に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すことから、LiPF6、LiClO4、CF3SO3Liは好適に用いられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。一般に、解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
電解液としては、例えば、溶媒と、その溶媒に溶解した支持電解質とを含むものを使用しうる。
電解質としては、通常、リチウム塩を用いる。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiBF4、LiSbF6、LiAlCl4、LiClO4、CF3SO3Li、C4F9SO3Li、CF3COOLi、(CF3CO)2NLi、(CF3SO2)2NLi、(C2F5SO2)NLiなどが挙げられる。中でも、特に溶媒に溶けやすく高い解離度を示すことから、LiPF6、LiClO4、CF3SO3Liは好適に用いられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。一般に、解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
電解液における支持電解質の濃度は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、また、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。支持電解質の量を前記の範囲に収めることにより、イオン導電度を高くして、リチウムイオン二次電池の充電特性及び放電特性を良好にできる。
電解液に使用する溶媒としては、支持電解質を溶解させられるものを用いうる。溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチルカーボネート(MEC)等のアルキルカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチル等のエステル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;スルホラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物類;などが用いられる。特に高いイオン伝導性が得易く、使用温度範囲が広いため、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート及びメチルエチルカーボネートが好ましい。また、溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。用いる溶媒の粘度が低いほどリチウムイオン伝導度が高くなるので、溶媒の種類により、リチウムイオン伝導度を調節することができる。
また、電解液は、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えばビニレンカーボネート(VC)などのカーボネート系の化合物が好ましい。なお、添加剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
また、上述した電解液の代わりに、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質;硫化リチウム、LiI、Li3Nなどの無機固体電解質;などを用いてもよい。
[4.2.セパレーター]
セパレーターとしては、通常、気孔部を有する多孔性基材を用いる。セパレーターの例を挙げると、(a)気孔部を有する多孔性セパレーター、(b)片面または両面に高分子コート層が形成された多孔性セパレーター、(c)無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート層が形成された多孔性セパレーター、などが挙げられる。これらの例としては、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリオレフィン系、またはアラミド系多孔性セパレーター、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルまたはポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン共重合体などの固体高分子電解質用またはゲル状高分子電解質用の高分子フィルム;ゲル化高分子コート層がコートされたセパレーター;無機フィラーと無機フィラー用分散剤とからなる多孔膜層がコートされたセパレーター;などが挙げられる。
セパレーターとしては、通常、気孔部を有する多孔性基材を用いる。セパレーターの例を挙げると、(a)気孔部を有する多孔性セパレーター、(b)片面または両面に高分子コート層が形成された多孔性セパレーター、(c)無機セラミック粉末を含む多孔質の樹脂コート層が形成された多孔性セパレーター、などが挙げられる。これらの例としては、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリオレフィン系、またはアラミド系多孔性セパレーター、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルまたはポリビニリデンフルオリドヘキサフルオロプロピレン共重合体などの固体高分子電解質用またはゲル状高分子電解質用の高分子フィルム;ゲル化高分子コート層がコートされたセパレーター;無機フィラーと無機フィラー用分散剤とからなる多孔膜層がコートされたセパレーター;などが挙げられる。
[4.3.リチウムイオン二次電池の製造方法]
リチウムイオン二次電池の製造方法は、特に限定されない。例えば、負極と正極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口してもよい。さらに、必要に応じて、例えばエキスパンドメタル;ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子;リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をしてもよい。電池の形状は、例えば、ラミネートセル型、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、いずれであってもよい。
リチウムイオン二次電池の製造方法は、特に限定されない。例えば、負極と正極とをセパレーターを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口してもよい。さらに、必要に応じて、例えばエキスパンドメタル;ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子;リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をしてもよい。電池の形状は、例えば、ラミネートセル型、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、いずれであってもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
[評価方法]
(ゲル量の測定方法)
重合体粒子を含むバインダー組成物を用意し、このバインダー組成物を50%湿度、23℃〜25℃の環境下で乾燥させて、厚み3±0.3mmのフィルムを作製した。作製したフィルムを5mm角に裁断してフィルム片を得た。これらのフィルム片を約1gを精秤した。精秤されたフィルム片の重量をW0とする。
このフィルム片を、100gのテトラヒドロフラン(THF)に24時間浸漬した。その後、THFからフィルム片を引き揚げた。引き揚げたフィルム片を105℃で3時間真空乾燥して、その重量(不溶分の重量)W1を計測した。下記式に従って、ゲル量(%)を算出した。
ゲル量(%)=W1/W0×100
(ゲル量の測定方法)
重合体粒子を含むバインダー組成物を用意し、このバインダー組成物を50%湿度、23℃〜25℃の環境下で乾燥させて、厚み3±0.3mmのフィルムを作製した。作製したフィルムを5mm角に裁断してフィルム片を得た。これらのフィルム片を約1gを精秤した。精秤されたフィルム片の重量をW0とする。
このフィルム片を、100gのテトラヒドロフラン(THF)に24時間浸漬した。その後、THFからフィルム片を引き揚げた。引き揚げたフィルム片を105℃で3時間真空乾燥して、その重量(不溶分の重量)W1を計測した。下記式に従って、ゲル量(%)を算出した。
ゲル量(%)=W1/W0×100
(ガラス転移温度の測定方法)
重合体粒子を含むバインダー組成物を用意し、このバインダー組成物を50%湿度、23℃〜25℃の環境下で3日間乾燥させてフィルムを作製した。このフィルムを、120℃の熱風オーブンで1時間乾燥させた。その後、乾燥させたフィルムをサンプルとして、JIS K 7121に準じて、測定温度−100℃〜180℃、昇温速度5℃/分の測定条件で、示差走査熱量分析計(ナノテクノロジー社製「DSC6220SII」)を用いて測定した。
重合体粒子を含むバインダー組成物を用意し、このバインダー組成物を50%湿度、23℃〜25℃の環境下で3日間乾燥させてフィルムを作製した。このフィルムを、120℃の熱風オーブンで1時間乾燥させた。その後、乾燥させたフィルムをサンプルとして、JIS K 7121に準じて、測定温度−100℃〜180℃、昇温速度5℃/分の測定条件で、示差走査熱量分析計(ナノテクノロジー社製「DSC6220SII」)を用いて測定した。
(電極の初期膨らみ)
実施例及び比較例において作製したラミネートセル型のリチウムイオン二次電池について、電極の組み立て前に、電極の厚み(集電体の厚みを除く)d0を測定した。また、電池を組み立てた後、電池の外装に電解液を注液した時点を始点として、その電池を5時間静置した。その後、その電池に対して、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を行った。さらに、1Cの定電流法によって4.2Vまで充電した。その後、充電状態の電池を解体して電極を取り出し、電極の厚みd1(集電体の厚みを除く)を測定した。リチウムイオン二次電池の作製前の電極に対する厚み(集電体の厚みを除く)の変化率(初期膨らみ特性)を、下記の式に従って計算した。
電極の初期膨らみ特性=(d1−d0)/d0×100(%)
実施例及び比較例において作製したラミネートセル型のリチウムイオン二次電池について、電極の組み立て前に、電極の厚み(集電体の厚みを除く)d0を測定した。また、電池を組み立てた後、電池の外装に電解液を注液した時点を始点として、その電池を5時間静置した。その後、その電池に対して、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を行った。さらに、1Cの定電流法によって4.2Vまで充電した。その後、充電状態の電池を解体して電極を取り出し、電極の厚みd1(集電体の厚みを除く)を測定した。リチウムイオン二次電池の作製前の電極に対する厚み(集電体の厚みを除く)の変化率(初期膨らみ特性)を、下記の式に従って計算した。
電極の初期膨らみ特性=(d1−d0)/d0×100(%)
得られた初期膨らみ特性は、以下の基準により判定した。この初期膨らみ特性の値が小さいほど、電極の初期膨らみが抑制されたことを示す。
A:30%未満
B:30%以上35%未満
C:35%以上40%未満
D:40%以上
A:30%未満
B:30%以上35%未満
C:35%以上40%未満
D:40%以上
(電極のサイクル後膨らみ)
実施例及び比較例において作製したラミネートセル型のリチウムイオン二次電池について、電池の組み立て前に、電極の厚み(集電体の厚みを除く)d0を測定した。また、電池を組み立てた後、電池の外装に電解液を注液した時点を始点として、その電池を、25℃環境下で、5時間静置した。その後、その電池に対して、25℃環境下で、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を行った。さらに、60℃環境下で、0.5Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を100サイクル繰り返した。その後、放電後の電池を解体して電極を取り出し、電極の厚みd2(集電体の厚みを除く)を測定した。リチウムイオン二次電池の作製前の電極に対する厚み(集電体の厚みを除く)の変化率(サイクル後膨らみ特性)を、下記の式に従って計算した。
電極のサイクル後膨らみ特性=(d2−d0)/d0×100(%)
実施例及び比較例において作製したラミネートセル型のリチウムイオン二次電池について、電池の組み立て前に、電極の厚み(集電体の厚みを除く)d0を測定した。また、電池を組み立てた後、電池の外装に電解液を注液した時点を始点として、その電池を、25℃環境下で、5時間静置した。その後、その電池に対して、25℃環境下で、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を行った。さらに、60℃環境下で、0.5Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を100サイクル繰り返した。その後、放電後の電池を解体して電極を取り出し、電極の厚みd2(集電体の厚みを除く)を測定した。リチウムイオン二次電池の作製前の電極に対する厚み(集電体の厚みを除く)の変化率(サイクル後膨らみ特性)を、下記の式に従って計算した。
電極のサイクル後膨らみ特性=(d2−d0)/d0×100(%)
得られたサイクル後膨らみ特性は、以下の基準により判定した。この値が小さいほど、電極のサイクル後膨らみが抑制されたことを示す。
A:10%未満
B:10%以上15%未満
C:15%以上20%未満
D:20%以上
A:10%未満
B:10%以上15%未満
C:15%以上20%未満
D:20%以上
(サイクル特性)
実施例及び比較例で作製したラミネートセル型のリチウムイオン二次電池を、電池の外装に電解液を注液した時点を始点として、25℃環境下で、5時間静置させた。その後、25℃環境下で、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を行った。さらに、60℃の環境下で、0.5Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を100サイクル行った。このとき、1サイクル目の充放電の際の放電容量(初期放電容量)C1、及び、100サイクル目の充放電の際の放電容量C2を測定しておいた。下記式に従って容量維持率を計算し、この容量維持率によりサイクル特性を評価した。
容量維持率=C2/C1×100(%)
実施例及び比較例で作製したラミネートセル型のリチウムイオン二次電池を、電池の外装に電解液を注液した時点を始点として、25℃環境下で、5時間静置させた。その後、25℃環境下で、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を行った。さらに、60℃の環境下で、0.5Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を100サイクル行った。このとき、1サイクル目の充放電の際の放電容量(初期放電容量)C1、及び、100サイクル目の充放電の際の放電容量C2を測定しておいた。下記式に従って容量維持率を計算し、この容量維持率によりサイクル特性を評価した。
容量維持率=C2/C1×100(%)
得られた容量維持率は、以下の基準により判定した。この値が高いほどサイクル特性に優れることを示す。
A:80%以上
B:75%以上80%未満
C:70%以上75%未満
D:70%未満
A:80%以上
B:75%以上80%未満
C:70%以上75%未満
D:70%未満
(放電レート特性)
実施例及び比較例で作製したラミネートセル型のリチウムイオン二次電池を、電池の外装に電解液を注液した時点を始点として、25℃環境下で5時間静置した。その後、25℃環境下で、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を行った。その後、25℃環境下で、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電した。その後、25℃環境下で、0.2C及び1.5Cの放電レートで、それぞれ放電を行った。放電レート0.2Cでの放電容量をC(0.2)とする。また、放電レート1.5Cでの放電容量をC(1.5)とする。放電レート特性を下記式に従って計算した。
放電レート特性=C(1.5)/C(0.2)×100(%)
実施例及び比較例で作製したラミネートセル型のリチウムイオン二次電池を、電池の外装に電解液を注液した時点を始点として、25℃環境下で5時間静置した。その後、25℃環境下で、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電し3.0Vまで放電する充放電の操作を行った。その後、25℃環境下で、0.2Cの定電流法によって4.2Vに充電した。その後、25℃環境下で、0.2C及び1.5Cの放電レートで、それぞれ放電を行った。放電レート0.2Cでの放電容量をC(0.2)とする。また、放電レート1.5Cでの放電容量をC(1.5)とする。放電レート特性を下記式に従って計算した。
放電レート特性=C(1.5)/C(0.2)×100(%)
求めた放電レート特性は、以下の基準により判定した。この値が大きいほど、放電レート特性に優れることを示す。
A:80%以上
B:75%以上80%未満
C:70%以上75%未満
D:70%未満
A:80%以上
B:75%以上80%未満
C:70%以上75%未満
D:70%未満
(結着性特性)
実施例及び比較例で作製した二次電池用電極を長さ100mm、幅10mmの長方形に切り出して試験片とした。電極活物質層の表面を下にして、電極活物質層の表面にセロハンテープを貼り付けた。この際、セロハンテープとしてはJIS Z1522に規定されるものを用いた。また、セロハンテープは水平な試験台に粘着面を上にして固定しておいた。その後、集電体の一端を鉛直上方に引張り速度50mm/分で引っ張って剥がしたときの応力を測定した。この測定を3回行い、測定された応力の平均値を求めて、当該平均値を剥離ピール強度とした。
実施例及び比較例で作製した二次電池用電極を長さ100mm、幅10mmの長方形に切り出して試験片とした。電極活物質層の表面を下にして、電極活物質層の表面にセロハンテープを貼り付けた。この際、セロハンテープとしてはJIS Z1522に規定されるものを用いた。また、セロハンテープは水平な試験台に粘着面を上にして固定しておいた。その後、集電体の一端を鉛直上方に引張り速度50mm/分で引っ張って剥がしたときの応力を測定した。この測定を3回行い、測定された応力の平均値を求めて、当該平均値を剥離ピール強度とした。
求めた剥離ピール強度は、以下の基準により判定した。剥離ピール強度が大きいほど、電極活物質層の集電体への結着力が大きいこと、すなわち密着強度が大きいことを示す。
A:5N/m以上
B:4N/m以上5N/m未満
C:3N/m以上4N/m未満
D:3N/m未満
A:5N/m以上
B:4N/m以上5N/m未満
C:3N/m以上4N/m未満
D:3N/m未満
[実施例1]
〔1.1.負極用の重合体粒子(A)の製造〕
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてブチルアクリレート100部、α,β−不飽和ニトリル化合物としてアクリロニトリル2部、親水性基を有する単量体としてメタクリル酸2部、アミド系単量体としてN−メチロールアクリルアミド1部、反応性官能基を有する単量体としてアリルグリシジルエーテル1部、多官能チオール化合物としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)0.15部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム4部、溶媒としてイオン交換水150部、及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部を入れ、十分に攪拌した後、80℃に加温して重合を開始した。
〔1.1.負極用の重合体粒子(A)の製造〕
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてブチルアクリレート100部、α,β−不飽和ニトリル化合物としてアクリロニトリル2部、親水性基を有する単量体としてメタクリル酸2部、アミド系単量体としてN−メチロールアクリルアミド1部、反応性官能基を有する単量体としてアリルグリシジルエーテル1部、多官能チオール化合物としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)0.15部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム4部、溶媒としてイオン交換水150部、及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5部を入れ、十分に攪拌した後、80℃に加温して重合を開始した。
重合転化率が96%になった時点で冷却し、反応を停止して、重合体粒子(A)を含む混合物を得た。この混合物に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH7に調整し、所望の重合体粒子(A)を含むバインダー組成物(A)を得た。得られたバインダー組成物(A)を用いて、上述した方法により、重合体粒子(A)をTHFに浸漬した時のゲル量、及び、重合体粒子(A)のガラス転移温度を測定した。測定の結果、ゲル量は93%、ガラス転移温度は−50℃であった。
〔1.2.負極用の重合体粒子(B)の製造〕
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、芳香族ビニル化合物としてスチレン65部、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエン35部、エチレン性不飽和カルボン酸単量体としてイタコン酸4部、水酸基含有単量体として2−ヒドロキシエチルアクリレート1部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.3部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、溶媒としてイオン交換水150部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム1部を入れ、十分に攪拌した後、55℃に加温して重合を開始した。
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、芳香族ビニル化合物としてスチレン65部、共役ジエン化合物として1,3−ブタジエン35部、エチレン性不飽和カルボン酸単量体としてイタコン酸4部、水酸基含有単量体として2−ヒドロキシエチルアクリレート1部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.3部、乳化剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、溶媒としてイオン交換水150部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム1部を入れ、十分に攪拌した後、55℃に加温して重合を開始した。
モノマー消費量が95.0%になった時点で冷却し、反応を停止した。こうして得られた重合体を含んだ水分散体に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH8に調整した。その後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。さらにその後、30℃以下まで冷却し、重合体粒子(B)を含むバインダー組成物(B)を得た。得られたバインダー組成物(B)を用いて、上述した方法により、重合体粒子(B)をTHFに浸漬した時のゲル量、及び、重合体粒子(B)のガラス転移温度を測定した。測定の結果、ゲル量は93%、ガラス転移温度(Tg)は10℃であった。
〔1.3.負極用スラリー組成物の製造〕
プラネタリーミキサーに、炭素で形成された負極活物質として天然黒鉛90部、ケイ素を含む負極活物質としてSiOx10部、前記のバインダー組成物(A)を固形分相当で0.1部、前記のバインダー組成物(B)を固形分相当で1.0部、水溶性重合体として高分子量タイプのカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製「MAC800LC」)の1%水溶液(25℃においてB型粘度計で測定した粘度7800mPa・s)を固形分相当で1部入れ、さらに、全固形分濃度が52%となるようにイオン交換水を加えて混合し、負極用スラリー組成物を調製した。
プラネタリーミキサーに、炭素で形成された負極活物質として天然黒鉛90部、ケイ素を含む負極活物質としてSiOx10部、前記のバインダー組成物(A)を固形分相当で0.1部、前記のバインダー組成物(B)を固形分相当で1.0部、水溶性重合体として高分子量タイプのカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製「MAC800LC」)の1%水溶液(25℃においてB型粘度計で測定した粘度7800mPa・s)を固形分相当で1部入れ、さらに、全固形分濃度が52%となるようにイオン交換水を加えて混合し、負極用スラリー組成物を調製した。
〔1.4.負極の製造〕
前記の負極用スラリー組成物をコンマコーターで、集電体である厚さ20μmの銅箔の上に塗布した。この際の負極用スラリー組成物の塗付量は、銅箔の表面の単位面積当たりの負極用スラリー組成物の固形分量が11mg/cm2〜12mg/cm2となるようにした。その後、塗布された負極用スラリー組成物を乾燥させて、銅箔の表面に電極活物質層を形成した。この乾燥は、銅箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して負極原反を得た。この原反をロールプレス機にて、負極における負極活物質層の密度が1.50g/cm3〜1.60g/cm3となるようプレスを行い、負極とした。この負極から一部を切り出し、負極の厚み及び結着性特性を測定した。
前記の負極用スラリー組成物をコンマコーターで、集電体である厚さ20μmの銅箔の上に塗布した。この際の負極用スラリー組成物の塗付量は、銅箔の表面の単位面積当たりの負極用スラリー組成物の固形分量が11mg/cm2〜12mg/cm2となるようにした。その後、塗布された負極用スラリー組成物を乾燥させて、銅箔の表面に電極活物質層を形成した。この乾燥は、銅箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して負極原反を得た。この原反をロールプレス機にて、負極における負極活物質層の密度が1.50g/cm3〜1.60g/cm3となるようプレスを行い、負極とした。この負極から一部を切り出し、負極の厚み及び結着性特性を測定した。
〔1.5.正極の製造〕
プラネタリーミキサーに、正極活物質としてLiCoO2100重量部、導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業社製「HS−100」)2部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF;クレハ化学社製「KF−1100」)2部を入れ、さらに全固形分濃度が67%となるように2−メチルピリロドンを加えて混合し、正極用スラリー組成物を調製した。
プラネタリーミキサーに、正極活物質としてLiCoO2100重量部、導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業社製「HS−100」)2部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF;クレハ化学社製「KF−1100」)2部を入れ、さらに全固形分濃度が67%となるように2−メチルピリロドンを加えて混合し、正極用スラリー組成物を調製した。
この正極用スラリー組成物をコンマコーターで、集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の上に塗布した。この際の正極用スラリー組成物の塗布量は、アルミニウム箔の表面の単位面積当たりの正極用スラリー組成物の固形分量が30mg/cm2となるようにした。その後、塗布された正極用スラリー組成物を乾燥させて、アルミニウム箔の表面に電極活物質層を形成した。この乾燥は、アルミニウム箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して正極原反を得た。この原反を乾燥後、ロールプレス機にてプレス後の正極における正極活物質層の密度が3.65g/cm3〜3.74g/cm3になるようにプレスを行い、正極を得た。
〔1.6.リチウムイオン二次電池の製造〕
単層のポリプロピレン製セパレーター(幅65mm、長さ500mm、厚さ25μm;乾式法により製造;気孔率55%)を用意した。このセパレーターを、5×5cm2の正方形に切り抜いた。
単層のポリプロピレン製セパレーター(幅65mm、長さ500mm、厚さ25μm;乾式法により製造;気孔率55%)を用意した。このセパレーターを、5×5cm2の正方形に切り抜いた。
続いて、電池の外装として、アルミニウム包材外装を用意した。前記正極を、4×4cm2の正方形に切り出し、集電体側の表面がアルミニウム包材外装に接するように配置した。正極の電極活物質層の面上に、上記で作製した正方形のセパレーターを配置した。さらに、前記負極を、4.2×4.2cm2の正方形に切り出し、これをセパレーター上に、負極の電極活物質層側の表面がセパレーターに向かい合うよう配置した。これに、電解液として濃度1.0MのLiPF6溶液(溶媒はエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=3/7(体積比)の混合溶媒、添加剤としてビニレンカーボネート2体積%(溶媒比))を充填した。さらに、アルミニウム包材の開口を密封するために、150℃のヒートシールをしてアルミニウム外装を閉口し、リチウムイオン二次電池を製造した。
得られたリチウムイオン二次電池について、上述した方法により、負極の初期膨らみ特性、サイクル後膨らみ特性、サイクル特性、及び放電レート特性を測定した。
得られたリチウムイオン二次電池について、上述した方法により、負極の初期膨らみ特性、サイクル後膨らみ特性、サイクル特性、及び放電レート特性を測定した。
[実施例2]
工程〔1.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてブチルアクリレート85部及びエチルアクリレート15部を用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてブチルアクリレート85部及びエチルアクリレート15部を用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例3]
工程〔1.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてブチルアクリレート70部及びエチルアクリレート30部を用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてブチルアクリレート70部及びエチルアクリレート30部を用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例4]
工程〔1.1〕において、多官能チオール化合物としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の代わりに1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンを用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、多官能チオール化合物としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の代わりに1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンを用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例5]
工程〔1.1〕において、多官能チオール化合物としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の代わりに1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタンを用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、多官能チオール化合物としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の代わりに1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタンを用いた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例6]
工程〔1.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を0.05部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を0.05部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例7]
工程〔1.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を4部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を4部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例8]
工程〔1.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を8部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を8部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例9]
工程〔1.1〕において、重合の際に、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼン0.1部を耐圧容器に更に加えた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、重合の際に、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼン0.1部を耐圧容器に更に加えた。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例10]
工程〔1.1〕において、重合の際に、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼン0.1部を耐圧容器に更に加えた。
また、工程〔1.3〕において、バインダー組成物(B)の量を固形分相当で2.5部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、重合の際に、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼン0.1部を耐圧容器に更に加えた。
また、工程〔1.3〕において、バインダー組成物(B)の量を固形分相当で2.5部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例11]
工程〔1.1〕において、重合の際に、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼン0.1部を耐圧容器に更に加えた。
また、工程〔1.3〕において、バインダー組成物(B)の量を固形分相当で0.3部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、重合の際に、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼン0.1部を耐圧容器に更に加えた。
また、工程〔1.3〕において、バインダー組成物(B)の量を固形分相当で0.3部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例12]
工程〔1.1〕において、重合の際に、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼン0.1部を耐圧容器に更に加えた。
また、工程〔1.3〕において、カルボキシメチルセルロースの種類を日本製紙ケミカル社製「MAC200HC」(25℃においてB型粘度計で測定した1質量%の水溶液粘度=1200mPa・s)に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、重合の際に、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼン0.1部を耐圧容器に更に加えた。
また、工程〔1.3〕において、カルボキシメチルセルロースの種類を日本製紙ケミカル社製「MAC200HC」(25℃においてB型粘度計で測定した1質量%の水溶液粘度=1200mPa・s)に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例13]
工程〔1.1〕において、重合の際に、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼン0.1部を耐圧容器に更に加えた。
また、工程〔1.3〕において、カルボキシメチルセルロースの種類を日本製紙ケミカル社製「MAC350HC」(25℃においてB型粘度計で測定した1質量%の水溶液粘度=3100mPa・s)に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、重合の際に、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼン0.1部を耐圧容器に更に加えた。
また、工程〔1.3〕において、カルボキシメチルセルロースの種類を日本製紙ケミカル社製「MAC350HC」(25℃においてB型粘度計で測定した1質量%の水溶液粘度=3100mPa・s)に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例14]
工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を100部に変更し、SiOxを用いなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を100部に変更し、SiOxを用いなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例15]
工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を80部に変更し、SiOxの量を20部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を80部に変更し、SiOxの量を20部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例16]
工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を70部に変更し、SiOxの量を30部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を70部に変更し、SiOxの量を30部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例17]
工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を50部に変更し、SiOxの量を50部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を50部に変更し、SiOxの量を50部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例18]
工程〔1.1〕において、N−メチロールアクリルアミドの量を0.5部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、N−メチロールアクリルアミドの量を0.5部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例19]
工程〔1.1〕において、N−メチロールアクリルアミドの量を0.8部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、N−メチロールアクリルアミドの量を0.8部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例20]
〔20.1.正極用の重合体粒子(A)の製造〕
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、(メタ)アクリル酸エステル化合物として2−エチルヘキシルアクリレート100部、α,β−不飽和ニトリル化合物としてアクリロニトリル20部、酸性基を有する単量体としてメタクリル酸2部、多官能チオール化合物としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)0.15部、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼンを0.1部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム1部、溶媒としてイオン交換水150部、及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.2部を入れ、十分撹拌した後、55℃に加温して重合を開始した。
〔20.1.正極用の重合体粒子(A)の製造〕
攪拌機付き5MPa耐圧容器に、(メタ)アクリル酸エステル化合物として2−エチルヘキシルアクリレート100部、α,β−不飽和ニトリル化合物としてアクリロニトリル20部、酸性基を有する単量体としてメタクリル酸2部、多官能チオール化合物としてペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)0.15部、多官能ビニル化合物としてジビニルベンゼンを0.1部、乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウム1部、溶媒としてイオン交換水150部、及び重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.2部を入れ、十分撹拌した後、55℃に加温して重合を開始した。
モノマー消費量が95.0%になった時点で冷却し、反応を停止した。こうして得られた重合体を含んだ水分散体に、5%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pH10に調整した。その後、加熱減圧蒸留によって未反応単量体の除去を行った。さらにその後、30℃以下まで冷却し、正極用の重合体粒子(A)を含むバインダー組成物(C)を得た。得られたバインダー組成物(C)を用いて、上述した方法により、重合体粒子(A)のガラス転移温度を測定した。測定の結果、ガラス転移温度(Tg)は−32℃であった。
〔20.2.正極用スラリー組成物の製造〕
プラネタリーミキサーに、正極活物質としてLiCoO2100重量部、導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業社製「HS−100」)2部、前記のバインダー組成物(C)を固形分相当で2.5部、並びに、水溶性重合体としてカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製「MAC200HC」)の1%水溶液を固形分相当で1部、及び、カルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製「MAC350HC」)の1%水溶液を固形分相当で1部入れ、さらに全固形分濃度が67%となるようにイオン交換水を加えて混合し、正極用スラリー組成物を調製した。
プラネタリーミキサーに、正極活物質としてLiCoO2100重量部、導電材としてアセチレンブラック(電気化学工業社製「HS−100」)2部、前記のバインダー組成物(C)を固形分相当で2.5部、並びに、水溶性重合体としてカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製「MAC200HC」)の1%水溶液を固形分相当で1部、及び、カルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製「MAC350HC」)の1%水溶液を固形分相当で1部入れ、さらに全固形分濃度が67%となるようにイオン交換水を加えて混合し、正極用スラリー組成物を調製した。
〔20.3.正極の製造〕
前記の正極スラリー組成物をコンマコーターで、集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の上に塗布した。この際の正極用スラリー組成物の塗布量は、アルミニウム箔の表面の単位面積当たりの正極用スラリー組成物の固形分量が38mg/cm2〜40mg/cm2となるように塗布した。その後、塗布された正極用スラリー組成物を乾燥させて、アルミニウム箔の表面に電極活物質層を形成した。この乾燥は、アルミニウム箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して正極原反を得た。この原反をロールプレス機にてプレス後の正極の密度が3.65g/cm3〜3.74g/cm3となるようプレスを行い、正極を得た。この正極から一部を切り出し、正極の厚み及び結着性特性を測定した。
前記の正極スラリー組成物をコンマコーターで、集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の上に塗布した。この際の正極用スラリー組成物の塗布量は、アルミニウム箔の表面の単位面積当たりの正極用スラリー組成物の固形分量が38mg/cm2〜40mg/cm2となるように塗布した。その後、塗布された正極用スラリー組成物を乾燥させて、アルミニウム箔の表面に電極活物質層を形成した。この乾燥は、アルミニウム箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して正極原反を得た。この原反をロールプレス機にてプレス後の正極の密度が3.65g/cm3〜3.74g/cm3となるようプレスを行い、正極を得た。この正極から一部を切り出し、正極の厚み及び結着性特性を測定した。
〔20.4.負極の製造〕
プラネタリーミキサーに、負極活物質として天然黒鉛100重量部、バインダーとして実施例1で製造したバインダー組成物(B)を固形分相当で1.0部、水溶性重合体として高分子量タイプのカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製「MAC350HC」)の1%水溶液を固形分相当で1部入れ、さらに全固形分濃度が52%となるようにイオン交換水を加えて混合し、負極用スラリー組成物を調製した。
プラネタリーミキサーに、負極活物質として天然黒鉛100重量部、バインダーとして実施例1で製造したバインダー組成物(B)を固形分相当で1.0部、水溶性重合体として高分子量タイプのカルボキシメチルセルロース(日本製紙ケミカル社製「MAC350HC」)の1%水溶液を固形分相当で1部入れ、さらに全固形分濃度が52%となるようにイオン交換水を加えて混合し、負極用スラリー組成物を調製した。
この負極用スラリー組成物をコンマコーターで、集電体である厚さ20μmの銅箔の上に塗布した。この際の負極用スラリー組成物の塗布量は、銅箔の表面の単位面積当たりの負極用スラリー組成物の固形分量が11mg/cm2〜12mg/cm2となるようにした。その後、塗布された負極用スラリー組成物を乾燥させて、銅箔の表面に電極活物質層を形成した。この乾燥は、銅箔を0.5m/分の速度で60℃のオーブン内を2分間かけて搬送することにより行った。その後、120℃にて2分間加熱処理して負極原反を得た。この原反をロールプレス機にて、負極の密度が1.50g/cm3〜1.60g/cm3となるようプレスを行い、負極とした。
〔20.5.リチウムイオン二次電池の製造〕
正極として前記の工程〔20.3〕で製造したものを用いたこと、及び、負極として前記の工程〔20.4〕で製造したものを用いたこと以外は実施例1の工程〔1.6〕と同様にして、リチウムイオン二次電池を製造した。
得られたリチウムイオン二次電池について、上述した方法により、正極の初期膨らみ特性、サイクル後膨らみ特性、サイクル特性、電池容量及び放電レート特性を測定した。
正極として前記の工程〔20.3〕で製造したものを用いたこと、及び、負極として前記の工程〔20.4〕で製造したものを用いたこと以外は実施例1の工程〔1.6〕と同様にして、リチウムイオン二次電池を製造した。
得られたリチウムイオン二次電池について、上述した方法により、正極の初期膨らみ特性、サイクル後膨らみ特性、サイクル特性、電池容量及び放電レート特性を測定した。
[実施例21]
工程〔20.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物として2−エチルヘキシルアクリレート85部及びブチルアクリレート15部を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物として2−エチルヘキシルアクリレート85部及びブチルアクリレート15部を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例22]
工程〔20.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物として2−エチルヘキシルアクリレート70部及びブチルアクリレート30部を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物として2−エチルヘキシルアクリレート70部及びブチルアクリレート30部を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例23]
工程〔20.2〕において、正極活物質としてLiCoO2の代わりにLiMn2O4を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.2〕において、正極活物質としてLiCoO2の代わりにLiMn2O4を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例24]
工程〔20.2〕において、正極活物質としてLiCoO2の代わりにLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.2〕において、正極活物質としてLiCoO2の代わりにLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例25]
工程〔20.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を0.05部に変更した。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を0.05部に変更した。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例26]
工程〔20.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を4部に変更した。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を4部に変更した。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[実施例27]
工程〔20.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を8部に変更した。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を8部に変更した。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[比較例1]
工程〔1.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)を用いなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)を用いなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[比較例2]
工程〔1.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を15部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を15部に変更した。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[比較例3]
工程〔1.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてブチルアクリレート85部及びエチルアクリレート15部を用い、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)を用いなかった。
また、工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を100部に変更し、SiOxを用いなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてブチルアクリレート85部及びエチルアクリレート15部を用い、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)を用いなかった。
また、工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を100部に変更し、SiOxを用いなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[比較例4]
工程〔1.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてブチルアクリレート70部及びエチルアクリレート30部を用い、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を15部に変更した。
また、工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を100部に変更し、SiOxを用いなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔1.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物としてブチルアクリレート70部及びエチルアクリレート30部を用い、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を15部に変更した。
また、工程〔1.3〕において、天然黒鉛の量を100部に変更し、SiOxを用いなかった。
以上の事項以外は実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[比較例5]
工程〔20.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)及びジビニルベンゼンを用いなかった。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)及びジビニルベンゼンを用いなかった。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[比較例6]
工程〔20.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を15部に変更し、ジビニルベンゼンを用いなかった。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.1〕において、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)の量を15部に変更し、ジビニルベンゼンを用いなかった。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[比較例7]
工程〔20.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物として2−エチルヘキシルアクリレート85部及びブチルアクリレート15部を用い、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)及びジビニルベンゼンを用いなった。
また、工程〔20.2〕において、正極活物質としてLiCoO2の代わりにLiMn2O4を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物として2−エチルヘキシルアクリレート85部及びブチルアクリレート15部を用い、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)及びジビニルベンゼンを用いなった。
また、工程〔20.2〕において、正極活物質としてLiCoO2の代わりにLiMn2O4を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[比較例8]
工程〔20.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物として2−エチルヘキシルアクリレート70部及びブチルアクリレート30部を用い、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)及びジビニルベンゼンを用いなった。
また、 工程〔20.2〕において、正極活物質としてLiCoO2の代わりにLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
工程〔20.1〕において、(メタ)アクリル酸エステル化合物として2−エチルヘキシルアクリレート70部及びブチルアクリレート30部を用い、ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)及びジビニルベンゼンを用いなった。
また、 工程〔20.2〕において、正極活物質としてLiCoO2の代わりにLiNi1/3Co1/3Mn1/3O2を用いた。
以上の事項以外は実施例20と同様にして、リチウムイオン二次電池の製造及び評価を行った。
[結果]
上述した実施例及び比較例の結果を、下記の表1〜表9に示す。
下記の表において、実施例1〜19及び比較例1〜4の重合体粒子(A)の項は、負極の重合体粒子(A)に対応している。また、実施例20〜27及び比較例5〜8の重合体粒子(A)の項は、正極の重合体粒子(A)に対応している。
また、下記の表において、略称の意味は、以下の通りである。
PVDF:ポリフッ化ビニリデン
SBR:スチレンブタジエンゴム
BA:ブチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
LCO:LiCoO2
LMO:LiMn2O4
NMC:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
上述した実施例及び比較例の結果を、下記の表1〜表9に示す。
下記の表において、実施例1〜19及び比較例1〜4の重合体粒子(A)の項は、負極の重合体粒子(A)に対応している。また、実施例20〜27及び比較例5〜8の重合体粒子(A)の項は、正極の重合体粒子(A)に対応している。
また、下記の表において、略称の意味は、以下の通りである。
PVDF:ポリフッ化ビニリデン
SBR:スチレンブタジエンゴム
BA:ブチルアクリレート
EA:エチルアクリレート
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
LCO:LiCoO2
LMO:LiMn2O4
NMC:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
[検討]
前記の表から分かるように、実施例においては比較例よりも優れたサイクル特性及び放電レート特性が得られる。したがって、本発明により、サイクル特性及び放電レート特性に優れるリチウムイオン二次電池を実現できることが確認された。
また、前記の実施例と比較例との対比から、本発明に係る電極は、通常、集電体と電極活物質層との結着性に優れ、充放電サイクルを繰り返した後であっても膨らみ難いことが分かる。
前記の表から分かるように、実施例においては比較例よりも優れたサイクル特性及び放電レート特性が得られる。したがって、本発明により、サイクル特性及び放電レート特性に優れるリチウムイオン二次電池を実現できることが確認された。
また、前記の実施例と比較例との対比から、本発明に係る電極は、通常、集電体と電極活物質層との結着性に優れ、充放電サイクルを繰り返した後であっても膨らみ難いことが分かる。
Claims (9)
- (メタ)アクリル酸エステル化合物及び多官能チオール化合物を含み、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物100重量部に対する多官能チオール化合物の割合が0.001重量部〜10重量部である単量体組成物(a)を水系媒体中で重合して得られる重合体粒子(A)と、溶媒とを含む、リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物。
- 前記単量体組成物(a)が、前記(メタ)アクリル酸エステル化合物又は前記多官能チオール化合物に共重合可能な重合性単量体を含む、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物。
- 請求項1又は2記載のリチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物及び電極活物質を含む、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
- 前記電極活物質が、正極活物質である、請求項3に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
- 前記電極活物質が、負極活物質である、請求項3に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
- 芳香族ビニル化合物及び共役ジエン化合物を含む単量体組成物(b)を水系媒体中で重合して得られる重合体粒子(B)を含む、請求項5に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
- さらに水溶性重合体を含む、請求項3〜6のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物。
- 請求項3〜7のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物を、集電体上に塗布し、乾燥して得られる、リチウムイオン二次電池用電極。
- 正極、負極及び電解液を備え、
前記正極又は前記負極が、請求項8記載のリチウムイオン二次電池用電極である、リチウムイオン二次電池。
Priority Applications (1)
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| JP2012271530A JP2014116265A (ja) | 2012-12-12 | 2012-12-12 | リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池 |
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|---|---|---|---|
| JP2012271530A JP2014116265A (ja) | 2012-12-12 | 2012-12-12 | リチウムイオン二次電池電極用バインダー組成物、リチウムイオン二次電池電極用スラリー組成物、リチウムイオン二次電池用電極及びリチウムイオン二次電池 |
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|---|---|
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|---|---|---|---|---|
| KR20180090275A (ko) | 2015-12-21 | 2018-08-10 | 가부시키가이샤 오사카소다 | 전지 전극용 바인더, 전극, 및 전지 |
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| CN114883563A (zh) * | 2022-05-11 | 2022-08-09 | 厦门海辰新能源科技有限公司 | 电池浆料、正极极片、负极极片和锂电池 |
| CN116285882A (zh) * | 2023-05-22 | 2023-06-23 | 宁德时代新能源科技股份有限公司 | 粘结剂、负极极片、电池和用电装置 |
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-
2012
- 2012-12-12 JP JP2012271530A patent/JP2014116265A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| CN114883563A (zh) * | 2022-05-11 | 2022-08-09 | 厦门海辰新能源科技有限公司 | 电池浆料、正极极片、负极极片和锂电池 |
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| EP4336600A4 (en) * | 2022-05-11 | 2025-03-12 | Xiamen Hithium Energy Storage Technology Co., Ltd. | POSITIVE ELECTRODE SLURROW, POSITIVE ELECTRODE PLATE AND LITHIUM BATTERY |
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