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JP2014112474A - 固体電解質 - Google Patents

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mayenite
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悟 藤田
Masahiko Asaoka
賢彦 朝岡
Katsuro Hayashi
克郎 林
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  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
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Abstract

【課題】高い酸素イオン伝導特性を持つ新規な固体電解質を提供すること。
【解決手段】固体電解質は、構造中に酸素イオン(O2-)が包摂されたストロンチウムアルミネート(Sr12Al1433:Sr12A7)の焼結体からなる。この固体電解質は、酸素イオン(O2-)伝導体として用いることができる。また、この固体電解質は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)の電解質として用いることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体電解質に関し、さらに詳しくは、マイエナイト型化合物の一種であるストロンチウムアルミネート(Sr12Al1433:Sr12A7)の焼結体からなる固体電解質に関する。
燃料電池は、環境問題・エネルギー問題を解決するための有力な手段の一つである。特に、固体酸化物型燃料電池(SOFC)は、(1)発電効率が高い、(2)多様な燃料に対応可能である、(3)小型分散電源から大規模火力代替システムまで幅広い適応性を持つ、(4)Pt触媒を必要としない、等の利点がある。
しかし、本格的な市場拡大のためには、(1)作動温度の低温下(1000℃から600℃以下)、(2)耐久性(熱的・機械的強度の確保、緊急停止繰り返し等)の向上、(3)セル構造の最適化、等が必要条件となっている。
特に、作動温度を低温下させるためには、電解質、アノード・カソード、触媒等の材料設計は重要である。現在、電解質材料として、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ランタンガレート等が知られている。しかしながら、600℃での高伝導化(〜0.1S/cm)が達成された例は、従来にはない。
一方、マイエナイト(Ca12Al1433:C12A7)は、Al−O四面体骨格から構成されるケージ(ナノ細孔)と、ケージ内に包摂されたCaイオン及び酸素イオンとを備えた材料である。ナノ細孔は、酸素イオンや電子の伝導チャンネルとして機能すると考えられている。そのため、マイエナイト及びこれに類似の構造を備えた化合物(マイエナイト型化合物)の導電性に関し、従来から種々の検討が行われている。
例えば、特許文献1には、
(1)炭酸カルシウム:酸化アルミニウム=12:7の混合物を大気雰囲気下、1300℃で6時間保持し、
(2)得られた焼結物(C12A7)を粉砕して平均粒径が50μmの粉末Aとし、
(3)粉末Aに炭素粉末を加えて成形し、成形体を酸素濃度0.6体積%の窒素ガス雰囲気下において、1300℃で2時間保持する
ことにより得られる導電性マイエナイト型化合物が開示されている。
同文献には、粉末Aは絶縁体であるのに対し、導電性マイエナイト型化合物の電子密度は1.5×1020/cm3である点(すなわち、電子伝導体として機能する点)が記載されている。
また、特許文献2には、Cu/Ca比が0.05又は0.025であるアルミノケイ酸カルシウム(Ca12(Al14-xSix)O33+0.5x、0<x≦4)のCu置換体からなる粉末、及び、Cr/Ca比が0.05であるアルミノケイ酸カルシウムのCr置換体からなる粉末が開示されている。
同文献には、
(1)アルミノケイ酸カルシウム(マイエナイト)は、構造中に酸化物イオン(O2 -)が包蔵されている点、及び、
(2)アルミノケイ酸カルシウムのCaの一部をCu又はCrで置換すると、酸素貯蔵能が増大する点、
が記載されている。
さらに、特許文献3には、
(1)水酸化ストロンチウムとγ−アルミナの混合粉末を成形し、
(2)成形体を大気中で、800℃で2時間焼成して固相反応させ、
(3)その後、室温まで約100℃/秒の速度で急冷し、
(4)さらに、得られた化合物を、酸素1気圧の乾燥雰囲気中で、550℃で12時間再焼成する
ことにより得られる12SrO・7Al23化合物が開示されている。
同文献には、得られた化合物には、4×1019/cm3のO2 -ラジカルと、1×1019/cm3のO-ラジカルが含まれている点が記載されている。
上述した文献に記載されているように、マイエナイトを還元処理したり、あるいは、マイエナイトのCaサイト又はAlサイトの一部を他の元素で置換すると、マイエナイトの伝導特性が変化することが知られている。しかしながら、YSZと同等以上の酸素イオン伝導特性を持つマイエナイト型化合物からなる固体電解質が提案された例は、従来にはない。
国際公開第2006/129675号 特開2007−083126号公報 特許第4105447号公報
本発明が解決しようとする課題は、高い酸素イオン伝導特性を持つ新規な固体電解質を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る固体電解質は、構造中に酸素イオン(O2-)が包摂されたストロンチウムアルミネート(Sr12Al1433:Sr12A7)の焼結体からなる。
SrイオンはCaイオンに比べてイオン半径が大きい。そのため、C12A7のCaサイトのすべてをSrで置換すると、格子定数が大きくなり、それに伴って構造内のイオンチャンネルも大きくなる。その結果、Sr12A7は、C12A7に比べて高いイオン伝導度を示す。このようなSr12A7の焼結体を、例えばSOFCの電解質として用いると、C12A7を用いた場合に比べて、高い効率が得られる。
マイエナイト(C12Al1433:C12A7)の結晶構造の模式図である。 Sr12A7とC12A7の格子定数の温度依存性を示す図である。 各種材料のイオン伝導度の温度依存性を示す図である。 Sr12Al1433(左上図:相対密度52%)及びCa12Al1433(右上図:相対密度50%、右下図:相対密度95%)の断面写真である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 固体電解質]
本発明に係る固体電解質は、構造中に酸素イオン(O2-)が包摂されたストロンチウムアルミネート(Sr12Al1433:Sr12A7)の焼結体からなる。
[1.1. 結晶構造]
図1に、マイエナイト(C12Al1433:C12A7)の結晶構造の模式図を示す。マイエナイトは、ゼオライト様構造をとり、Al−O四面体骨格と、その骨格から構成される0.6nmのケージ(細孔)を有する。そのケージ内には、Caイオンと酸素イオンが包摂されている。YSZのような酸素欠損サイトを介した酸素移動に比べて、マイエナイトは、既に酸素イオンが通るイオンチャンネルを備えているため、ケージ間(ナノ細孔を介したイオンチャンネル)における酸素イオンモビリティーの方が大きいものと予想される。
本発明は、マイエナイトの酸素移動をさらに容易化するために、マイエナイトのCaサイトのすべてをSrで置換したことを特徴とする。すなわち、本発明に係る固体電解質は、ストロンチウムアルミネート(Sr12Al1433:Sr12A7)の焼結体からなる。Sr12A7は、C12A7と同様に、その構造中に酸素イオン(O2-)が包摂されている。Sr12A7からなる焼結体は、従来のSOFC用固体電解質であるYSZと同等以上の電気伝導度を示す可能性がある。
[1.2. 相対密度]
一般に、固体電解質は、焼結密度が高くなるほど、伝導度が増大する。後述する方法を用いて本発明に係る固体電解質を製造すると、焼結体の相対密度は、50%以上となる。
[1.3. 用途]
本発明に係る固体電解質は、酸素イオン(O2-)伝導体として用いることができる。また、本発明に係る固体電解質は、固体酸化物型燃料電池(SOFC)の電解質として用いることができる。
[2. 固体電解質の製造方法]
本発明に係る固体電解質は、
(1)Sr源及びAl源を所定の比率で混合し(混合工程)、
(2)混合物を成形し(成形工程)、
(3)成形体を焼結させる(焼結工程)
ことにより製造することができる。
[2.1. 混合工程]
混合工程は、Sr源及びAl源を所定の比率で混合する工程である。使用する原料は、Sr12A7を製造可能なものであれば良く、特に限定されない。
Sr源としては、例えば、炭酸ストロンチウム、酸化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウムなどがある。
Al源としては、例えば、γアルミナ、αアルミナ、アルミナゾル、水酸化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、窒化アルミニウム、ボーキサイトなどがある。
原料の混合比率は、Sr12A7が得られる比率とする。混合方法は、特に限定されるものではなく、均一な原料混合物が得られる方法であれば良い。
[2.2. 成形工程]
成形工程は、混合物を成形する工程である。成形方法及び成形条件は、特に限定されるものではなく、高密度の成形体が得られる方法及び条件であればよい。
[2.3. 焼結工程]
焼結工程は、成形体を焼結させる工程である。焼結方法及び焼結条件は、特に限定されるものではなく、相対的に密度の高い焼結体が得られる方法及び条件であればよい。
[3. 作用]
SrイオンはCaイオンに比べてイオン半径が大きい。そのため、C12A7のCaサイトのすべてをSrで置換すると、格子定数が大きくなり、それに伴って構造内のイオンチャンネルも大きくなる。その結果、Sr12A7は、C12A7に比べて高いイオン伝導度を示す。このようなSr12A7の焼結体を、例えばSOFCの電解質として用いると、C12A7を用いた場合に比べて、高い効率が得られる。
(実施例1、比較例1〜3)
[1. 試料の作製(実施例1)]
Sr(OH)2・8H2O粉末((株)高純度化学研究所製)と、γ−Al23((株)高純度化学研究所製)をモル比で12:7となる比率で、総量約20gを秤量した。これを容積500mLのナイロンポット製の容器に入れ、さらに容器にジルコニアボール約60g、及び、エタノール約150mLを加えて封止した。遊星ボールミル装置(三庄インダストリー(株)製)を用いて、200rpmで2時間混合粉砕した。
乾燥した混合粉末約1.2gを直径20mmの金型を用いて40MPaの片押し成型の後、300MPaの冷間静水圧プレスを施して円盤状の圧粉体を得た。これを蒸留水が入った洗瓶を通すことで得られる加湿アルゴンガス又は窒素の気流中で、800℃で6時間の条件で焼結を行い、炉冷してSr12A7焼結体を得た。
[2. 試料の作製(比較例1〜3)]
炭酸カルシウム(18.7g)及びγアルミナ(11.1g)を原料に用いた以外は、実施例1と同様にして、混合粉砕粉を作製した。次いで、混合粉砕粉の仮焼を行った。なお、仮焼条件は、1100℃×15時間とした。
次に、得られた仮焼粉を用いて焼結体(C12A7)を作製した。焼結条件は、1350℃×12時間、大気雰囲気中(比較例1)、又は、1350℃×12時間、酸素100%雰囲気中(比較例2)とした。
さらに、市販のYSZ(ZrO2−8mol%Y23)をそのまま試験に供した(比較例3)。
[3. 試験方法]
[3.1. 格子定数]
得られた焼結体について、X線回折を行った。測定温度は、室温から1000℃とした。回折ピークから格子定数を算出した。
[3.2. 相対密度]
得られた焼結体の体積及び重量を測定し、密度を算出した。これを理論密度(Sr12A7の場合は、3.44g/cm3)で除して、相対密度とした。
[3.3. 伝導度測定]
焼結体の上下面に白金電極を付け、LCRメーターを用いて、2端子で膜厚方向のコンダクタンスを評価した。測定は、100%のO2雰囲気下において、最高900℃まで行った。
[4. 結果]
[4.1. 格子定数]
図2に、Sr12A7とC12A7の格子定数の温度依存性を示す。図2より、Sr12A7は、C12A7に比べて格子定数が大きいことがわかる。これは、Srイオンのイオン半径がCaイオンより大きいためである。
[4.2. 相対密度]
実施例1の焼結体の相対密度は、52%であった。一方、比較例1、2の焼結体の相対密度は、それぞれ、50%及び95%であった。
[4.3. 伝導度]
図3に、各種材料のイオン伝導度の温度依存性を示す。なお、図3中の()内の数値は、相対密度(%)を表す。また、図4に、Sr12Al1433(左上図:相対密度52%)及びCa12Al1433(右上図:相対密度50%、右下図:相対密度95%)の断面写真を示す。図3及び図4より、以下のことが分かる。
(1)相対密度が同等(約50%)である場合、Sr12Al1433の伝導度は、Ca12Al1433より高い。
(2)相対密度が52%であるSr12Al1433の伝導度は、相対密度が95%であるCa12Al1433とほぼ同等の伝導度を示す。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る固体電解質は、燃料電池用の電解質膜、酸素センサー、酸化触媒(排ガス浄化触媒、燃焼触媒、部分酸化触媒)などに使用することができる。

Claims (3)

  1. 構造中に酸素イオン(O2-)が包摂されたストロンチウムアルミネート(Sr12Al1433:Sr12A7)の焼結体からなる固体電解質。
  2. 酸素イオン(O2-)伝導体として用いられる請求項1に記載の固体電解質。
  3. 固体酸化物型燃料電池(SOFC)の電解質として用いられる請求項1に記載の固体電解質。
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