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JP2014111914A - 油圧ポンプ・モータ - Google Patents

油圧ポンプ・モータ Download PDF

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JP2014111914A
JP2014111914A JP2012266531A JP2012266531A JP2014111914A JP 2014111914 A JP2014111914 A JP 2014111914A JP 2012266531 A JP2012266531 A JP 2012266531A JP 2012266531 A JP2012266531 A JP 2012266531A JP 2014111914 A JP2014111914 A JP 2014111914A
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JP2012266531A
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Takeo Iida
武郎 飯田
Seiichi Hasegawa
清一 長谷川
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Komatsu Ltd
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Komatsu Ltd
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Abstract

【課題】高圧工程から低圧工程に移行する際に発生するエアレーションによるエロージョン(壊食)や騒音を低減し、効率を高めることができるアキシャル型の油圧ポンプ・モータを提供すること。
【解決手段】シリンダボア25fが弁板吐出ポートPB2との連通状態を脱した後から弁板吸込ポートPB1に連通するまでの間に、シリンダボア25f内の残圧を、弁板吸込ポートPB1との連通状態を脱した下死点側のシリンダボア内に伝達する残圧再生回路30と、シリンダボア25fが残圧再生回路30に連通して残圧を低下した後、弁板吸込ポートPB1に連通するまでの間に、シリンダボア25fに連通する残圧抜き穴61a,61bを設け、斜板角及び回転速度に応じて残圧抜き穴61a,61bからタンク64側に抜かれる作動油流量を調整する流量制御弁V10を有した残圧抜き回路60と、を備える。
【選択図】図6

Description

この発明は、高圧工程から低圧工程に移行する際に発生するエアレーションによるエロージョン(壊食)や騒音を低減し、効率を高めることができるアキシャル型の油圧ポンプ・モータ(油圧ポンプあるいは油圧モータ)に関するものである。
従来から、建設機械などでは、エンジンによって駆動されるアキシャル型の油圧ピストンポンプや高圧の作動油によって駆動されるアキシャル型の油圧ピストンモータが多用されている。
たとえば、アキシャル型の油圧ピストンポンプは、ケース内に回転自在に設けられた回転軸と一体に回転するように設けられ、周方向に離間して軸方向に伸長する複数のシリンダが形成されたシリンダブロックと、このシリンダブロックの各シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、このシリンダブロックの回転に伴って軸方向に移動して作動油を吸込・吐出する複数のピストンと、ケースとシリンダブロック端面との間に設けられ、各シリンダと連通する吸込ポートと吐出ポートとが形成された弁板とを有している。そして、この油圧ポンプは、駆動軸が回転駆動すると、ケース内で作動軸とともにシリンダブロックが回転し、シリンダブロックの各シリンダでピストンが往復動し、吸込ポートからシリンダ内に吸い込まれた作動油をピストンによって加圧して吐出ポートに高圧の作動油として吐出する。
ここで、各シリンダのシリンダポートが弁板の吸込ポートと連通するとき、吸込ポートの始端から終端にかけてピストンがシリンダから突出する方向に移動して吸込ポートからシリンダ内に作動油を吸い込む吸込工程が行われる。一方、各シリンダのシリンダポートが吐出ポートと連通するとき、吐出ポートの始端から終端にかけてピストンがシリンダ内に進入する方向に移動してシリンダ内の作動油を吐出ポート内に吐出する吐出工程が行われる。そして、吸込工程および吐出工程を繰り返すようにシリンダブロックを回転することによって、吸込工程で吸込ポートからシリンダ内に吸い込んだ作動油を、吐出工程で加圧して吐出ポートに吐出するようにしている。
国際公開第2009/037994号 特開2000−64950号公報
ところで、上述した従来の油圧ポンプなどでは、吐出工程で弁板の吐出ポートを介して作動油を吐出したシリンダ内は高圧となっており、各シリンダのシリンダポートが吸込ポートと連通するとき、このシリンダ内で高圧となった作動油が吸込ポートを介して低圧の吸込ポート内に急激に流入して大きな圧力変動を生じてしまう。この結果、吸込ポート内の作動油中に、空気が細かい気泡の状態で混じるエアレーションが発生し、このエアレーションによるエロージョンや騒音が発生し、効率も低下していた。
このため、例えば特許文献1では、残圧抜き穴を設け、吐出工程から吸込工程に移行する際、シリンダ内で高圧となっている作動油をタンクに戻すようにしている。これによって、吐出工程から吸込工程への作動油変化が緩やかになり、シリンダポートが吸込ポートに連通する際、シリンダ内の作動油圧力と吸込ポートの作動油圧力とが同じになるようにしている。
しかしながら、この残圧抜き穴は、固定の開口度、すなわち開口面積及び開口時間が固定であるため、油圧ポンプの斜板の傾斜角(斜板角)及び回転速度の変化によってシリンダ内の残圧油量が変化する場合に対応していない。この結果、斜板角及び回転速度によっては、シリンダポートが吸込ポートに連通する際、必ずしも、シリンダ内の残圧が吸込ポート内の作動油圧力まで低下しておらず、エアレーションが発生してしまう場合があった。そして、このエアレーションによるエロージョンや騒音が発生してしまい、さらには効率が低下してしまう場合があった。
なお、特許文献2では、吸込ポートに連通する残圧抜き穴を設け、斜板角及び回転速度に応じて、残圧抜き穴の開口を可変にするものが記載されている。しかし、この残圧抜き穴は、吸込ポートに直結している。この場合、残圧抜き穴を介してシリンダ内から抜けた作動油にはエアレーションが発生しており、このエアレーションが発生した作動油をそのまま吸込ポートに戻してしまうので、エアレーションによるエロージョンや騒音が発生することになる。そして、効率も低下することになる。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高圧工程から低圧工程に移行する際に発生するエアレーションによるエロージョン(壊食)や騒音を低減し、効率を高めることができるアキシャル型の油圧ポンプ・モータを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる油圧ポンプ・モータは、回転軸まわりに複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックが、高圧側ポートと低圧側ポートとを有した弁板に対して摺動し、斜板の傾斜によって各シリンダボア内のピストンの往復動の量を制御するアキシャル型の油圧ポンプ・モータであって、上死点側シリンダボアが前記高圧側ポートとの連通状態を脱した後から前記低圧側ポートに連通するまでの間に、前記上死点側シリンダボア内の残圧を、前記低圧側ポートとの連通状態を脱した下死点側シリンダボア内に伝達する残圧再生回路と、前記上死点側シリンダボアが前記残圧再生回路に連通して残圧を低下した後、前記低圧側ポートに連通するまでの間に、前記上死点側シリンダボアに連通する残圧抜き穴を設け、斜板角及び回転速度に応じて該残圧抜き穴からタンク側に抜かれる作動油流量を調整する流量制御弁を有した残圧抜き回路と、を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる油圧ポンプ・モータは、上記の発明において、前記残圧抜き穴を介して前記上死点側シリンダボア内の残圧を低下した後、前記低圧側ポートに連通するまでの間に、前記上死点側シリンダボアと前記低圧側ポートとを連通するタイミング調整穴を設け、斜板角及び回転速度に応じて前記高圧側ポートから前記タイミング調整穴を介して前記上死点側シリンダボア内に移動する作動油流量を調整するタイミング調整流量制御弁を有したタイミング調整回路を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる油圧ポンプ・モータは、上記の発明において、前記残圧再生回路は、斜板角及び回転速度に応じて前記上死点側シリンダボアから吐出される作動油の流量を調整する残圧流量制御弁を備えたことを特徴とする。
また、この発明にかかる油圧ポンプ・モータは、上記の発明において、前記流量制御弁、前記タイミング調整流量制御弁、及び前記残圧流量制御弁は、同一の制御信号によって制御されることを特徴とする。
また、この発明にかかる油圧ポンプ・モータは、上記の発明において、前記残圧再生回路の上死点側ポート及び下死点側ポート、及び/または、前記残圧抜き穴は、複数設けられ、かつシリンダボアの進行方向に沿ってずらして形成されることを特徴とする。
また、この発明にかかる油圧ポンプ・モータは、上記の発明において、各シリンダボアが弁板の高圧側ポートに連通する直前に該シリンダボアと高圧側ポートとを連通させる自己圧絞りと、下死点側シリンダボアが低圧側ポートとの連通状態を脱した後から該シリンダボアが前記自己圧絞りに連通するまでの間に前記高圧側ポートと該下死点側シリンダボア内とを該下死点側シリンダボア側に設けた切欠溝を介して一時的に連通させる長穴を設け、該長穴が、連通時に前記シリンダボア側の長穴内の高圧を前記シリンダボア内に伝達させるとともに、非連通時に前記シリンダボア側の長穴内圧を次のシリンダボアとの連通前に前記高圧側ポート側の圧に復旧できる長さを有する長穴回路と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、上死点側シリンダボアが前記高圧側ポートとの連通状態を脱した後から前記低圧側ポートに連通するまでの間に、前記上死点側シリンダボア内の残圧を、前記低圧側ポートとの連通状態を脱した下死点側シリンダボア内に伝達する残圧再生回路と、前記上死点側シリンダボアが前記残圧再生回路に連通して残圧を低下した後、前記低圧側ポートに連通するまでの間に、前記上死点側シリンダボアに連通する残圧抜き穴を設け、斜板角及び回転速度に応じて該残圧抜き穴からタンク側に抜かれる作動油流量を調整する流量制御弁を有した残圧抜き回路とを備え、斜板角及び回転速度の変化にかかわらず、高圧工程から低圧工程に移行する際のシリンダボア内の残圧を安定して低減しているので、高圧工程から低圧工程に移行する際に発生するエアレーションによるエロージョンや騒音を低減し、効率を高めることができる。
図1は、この発明の実施の形態にかかる油圧ポンプの概要構成を示す断面図である。 図2は、図1に示した油圧ポンプのA−A線断面図である。 図3は、図1に示した油圧ポンプのB−B線断面図である。 図4は、シリンダブロックにおける弁板との摺動面を−X方向にみた構成を示す図である。 図5は、図3に示した残圧再生回路の動作を説明する説明図である。 図6は、上死点側近傍における弁板とシリンダボアとの位置関係を示す図である。 図7は、斜板角が最大となった状態を示すシリンダボア内の状態を示す断面図である。 図8は、斜板角が最小となった状態を示すシリンダボア内の状態を示す断面図である。 図9は、この発明の実施の形態である油圧ポンプの変形例1の上死点近傍の構成を示す図である。 図10は、この発明の実施の形態である油圧ポンプの変形例2の上死点近傍の構成を示す図である。 図11は、この発明の実施の形態である油圧ポンプの変形例3の上死点近傍の構成を示す図である。 図12は、この発明の実施の形態である油圧ポンプの変形例4の上死点近傍の構成を示す図である。 図13は、図1に示した油圧ポンプの変形例5のB−B線断面図である。 図14は、変形例5のシリンダブロックにおける弁板との摺動面を−X方向にみた構成を示す図である。 図15は、変形例5における吸込工程から吐出工程に移行する際の動作を説明する説明図である。
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態である油圧ポンプ・モータについて説明する。
図1は、この発明の実施の形態にかかる油圧ポンプの概要構成を示す断面図である。また、図2は、図1に示した油圧ポンプのA−A線断面図である。図1および図2に示した油圧ポンプは、シャフト1に伝達されたエンジン回転とトルクとを油圧に変換し、吸込ポートP1から吸い込まれた油を、高圧の作動油として吐出ポートP2から吐出するものであり、斜板3の傾斜角aを変化させることによってポンプからの作動油の吐出量を可変にすることができる可変容量型の油圧ポンプである。
以下、シャフト1の軸に沿った軸をX軸、斜板3が傾斜する際の支点を結ぶ線である傾斜中心軸に沿った軸をZ軸、X軸,Z軸に直交する軸をY軸とする。また、シャフト1の入力側端部から反対側端部に向かう方向をX方向とする。
この油圧ポンプは、ケース2およびエンドキャップ8に、ベアリング9a,9bを介して回転自在に軸支されるシャフト1と、このシャフト1にスプライン構造11を介して連結され、ケース2およびエンドキャップ8内でシャフト1と一体に回転駆動するシリンダブロック6と、ケース2の側壁とシリンダブロック6との間に設けられる斜板3とを有する。シリンダブロック6は、シャフト1の軸を中心に周方向に等間隔かつシャフト1の軸に平行に配置された複数のピストンシリンダ(シリンダボア25)が設けられている。複数のシリンダボア25内にはシャフト1の軸に平行に往復動可能なピストン5が挿入されている。
各シリンダボア25から突出する各ピストン5の先端には球面状の凹球が設けられる。球面状の凹部には、シュー4の球面状の凸部がはまりあい、各ピストン5と各シュー4とは球面軸受けを形成している。なお、ピストン5の球面状の凹部は、かしめられ、シュー4との離間が防止される。
斜板3は、シリンダブロック6を臨む側には、平坦な摺動面Sを有する。各シュー4は、シャフト1の回転に連動するシリンダブロック6の回動に伴って、この摺動面S上に押圧されながら円状ないし楕円状に摺動する。シャフト1の軸まわりには、シリンダブロック6のX方向側内周に設けられたリング14に支持されたばね15と、このばね15によって押される可動リング16およびニードル17と、ニードル17に当接するリング状の押圧部材18とが設けられる。この押圧部材18によって、シュー4が摺動面Sに押圧される。
ケース2の側壁には、斜板3側に臨んで突出した半球状の2つの軸受け20,21が、シャフト1の軸心を挟んで対称な位置に設けられている。一方、斜板3のケース2の側壁側には、軸受け20,21の配置位置に対応した部分に2つの凹球が形成され、軸受け20,21と斜板3の2つの凹球とが当接することによって斜板3の軸受けが形成される。この軸受け20,21は、Z軸方向に配置される。
斜板3は、図2に示すように軸受け20,21を結ぶ線を軸(Z軸に平行な軸)にしてX−Y平面に垂直な平面内で傾く。この斜板3の傾きは、ケース2の側壁側から斜板3の一端をX方向に沿って押圧しつつ往復動するピストン10によって決定される。このピストン10の往復動によって、斜板3は、軸受け20,21を結ぶ線を支点として傾く。この斜板3の傾きによって摺動面Sも傾き、シャフト1の回転に伴ってシリンダブロック6が回転する。たとえば、図1,2に示すように、X−Z平面からの傾斜角がaのとき、シリンダブロックがX方向にみて反時計回りに回転すると、各シュー4が摺動面S上を円状もしくは楕円状に摺動し、これに伴って各シリンダボア25内のピストン5が往復動を行う。ピストン5が斜板3側に移動したときに弁板7を介して吸込ポートP1からシリンダボア25内に油が吸引される。また、ピストン5が弁板7側に移動したときにシリンダボア25内の油は弁板7を介して吐出ポートP2から高圧の作動油として吐出される。そして、この斜板3の傾きを調整することによって、吐出ポートP2から吐出される作動油の容量を可変制御することができる。なお、ピストン10の往復動による斜板の傾斜角(斜板角)D1は、制御部C10に出力される(図3参照)。また、速度センサ100は、シャフト1の回転速度D2を検出し、制御部C10に出力される(図3参照)。
ここで、エンドキャップ8側に固定された弁板7と、回転するシリンダブロック6とは、摺動面Saを介して接している。図3は、図1に示した油圧ポンプのB−B線断面図である。また、図4は、シリンダブロック6における弁板7との摺動面Saを−X方向にみた構成を示す図である。図3および図4に示した弁板7の摺動面Sa側の端面とシリンダブロック6の摺動面Sa側の端面とは、シリンダブロック6が回転することによって互いに摺動する。
図3に示すように、弁板7は、吸込ポートP1に連通する弁板吸込ポートPB1と、吐出ポートP2に連通する弁板吐出ポートPB2とを有する。弁板吸込ポートPB1と弁板吐出ポートPB2とは、同一円弧上に設けられ、周方向に延びる繭形形状をなす。一方、図4に示すように、シリンダブロック6の摺動面Sa側には、各ピストン5が往復動する9つのシリンダボア25のポート(シリンダポート25P)が、弁板吸込ポートPB1および弁板吐出ポートPB2が配置される同一円弧上に、等間隔で繭形形状をなして設けられる。ここで、図3および図4において、シリンダブロック6が、−X方向に向かう方向にみて時計回りに回転すると、図3において、紙面上側の弁板吐出ポートPB2側において吐出工程が行われ、紙面下側の弁板吸込ポートPB1側において吸込工程が行われることになる。従って、この場合、図3の紙面右端側が、吐出工程から吸込工程に切り替わり、シリンダボア25内でピストン5が摺動面Sa側に最も進入した上死点となり、シリンダボア25内は、高圧状態から低圧状態に移行する。一方、図3の紙面左端側が、吸込工程から吐出工程に切り替わり、シリンダボア25内でピストン5が摺動面Sa側から最も離れた下死点となる。この下死点をシリンダポート25aが通過する場合、低圧状態から高圧状態に移行することになる。
図4に示すように、シリンダブロック6は、シリンダボア25の外側壁面の円周上よりも大きい円周上であって、シリンダボア25の外側壁面から周上にずれた位置、たとえばシリンダボア25の中間を通る半径上に設けられた残圧ロスポート33aを有する。同様に、シリンダボア25の内側壁面から周上にずれた位置に残圧ロスポート33bを有する。摺動面Sa側に設けられたこの一対の残圧ロスポート33a,33bは、各シリンダボア25毎に設けられ、シリンダボア25内に通じる斜めの連通孔34a,34bによってシリンダボア25と連通している。
図3に示すように、弁板7には、残圧ロスポート33a,33bが設けられた円周上に対応した上死点近傍かつ吸込工程側の円周上であって、シリンダボア25が弁板吐出ポートPB2との連通状態を脱した直後にシリンダボア25に連通する位置にそれぞれ残圧ロス回収ポート31a,31bが設けられる。また、弁板7には、残圧ロスポート33a,33bが設けられた円周上に対応した下死点近傍かつ吐出工程側の円周上であって、シリンダボア25が弁板吸込ポートPB1と連通状態を脱した直後にシリンダボア25に連通する位置に残圧ロス再生ポート32a,32bがそれぞれ設けられる。さらに、弁板7には、残圧ロス回収ポート31a,31bと残圧ロス再生ポート32a,32bとを連通させる連通孔30aが設けられ、残圧ロス回収ポート31a,31bおよび残圧ロス再生ポート32a,32bを有する残圧再生回路30を形成している。残圧ロスポート33a,33bと残圧ロス回収ポート31a,31bとは、残圧ロスポート33a,33bと残圧ロス再生ポート32a,32bとの連通後に、連通するよう周上で位置ずれさせている。この残圧再生回路30によって、吐出工程から吸込工程に移行する際のシリンダボア25内減圧されるとともに、吸込工程から吐出工程に移行するシリンダボア25内が昇圧される。
さらに、弁板7には、シリンダボア25が通過する周上、かつ、シリンダボア25が弁板吸込ポートPB1に連通する前であって、残圧ロスポート33a,33bと残圧ロス再生ポート32a,32bとの連通後に連通する位置に、それぞれ残圧抜き穴61a,61bが設けられる。この残圧抜き穴61a,61bは、連通孔62、流量制御弁V10、連通孔63を介して、タンク64(または、弁板7とケース2との空間)に連通が可能になる。残圧抜き穴61a,61b、連通孔62、流量制御弁V10、連通孔63、タンク64は、残圧抜き回路60を形成する。流量制御弁V10は、斜板角D1及び回転速度D2に応じて、残圧抜き穴61a,61bからの作動油流量を制御する。たとえば、回転速度D2が一定で、斜板角D1が大きい場合は、シリンダボア25内の作動油量が少ないので油路を絞る。また、回転速度D2が一定で、斜板角D1が小さい場合は、シリンダボア25内の作動油量が大きいので、油路を開放する。この残圧抜き穴61a,61b及び流量制御弁V10によって、吐出工程から吸込工程に移行し、残圧ロス回収後におけるシリンダボア25内の残圧が、斜板角D1及び回転速度D2に応じて可変的に減圧される。
また、弁板7には、シリンダボア25が通過する周上、かつ、シリンダボア25が弁板吸込ポートPB1に連通する直前であって、残圧抜き穴61a,61bとシリンダボア25との連通後に、残圧ロス回収ポート31a,31b及び残圧抜き穴61a,61bに比べて大径のタイミング調整穴71が設けられる。このタイミング調整穴71は、連通孔72、流量制御弁V11、連通孔73を介して、弁板吸込ポートPB1に連通可能となる。タイミング調整穴71、連通孔72、流量制御弁V11、連通孔73は、タイミング調整回路70を形成する。流量制御弁V11は、斜板角D1及び回転速度D2に応じて、タイミング調整穴71への作動油流量を制御する。たとえば、回転速度D2が一定で、斜板角D1が大きい場合は、シリンダボア25内の作動油量が少ないので、タイミング調整穴71に連通する際、残圧が弁板吐出ポートPB1の圧とほぼ同じになるため、油路を開放し、タイミング調整穴71を介した吸込工程を早期に開始させる。また、回転速度D2が一定で、斜板角D1が小さい場合は、シリンダボア25内の作動油量が大きいので、タイミング調整穴71に連通する際、残圧が弁板吐出ポートPB1の圧に比して大きいため、油路を絞る。このタイミング調整穴71及び流量制御弁V11によって、斜板角D1及び回転速度D2に応じて吸込工程に移行するタイミングを調整することができる。換言すれば、斜板角D1及び回転速度D2に応じて、弁板吸込ポートPB1の領域を可変することができ、効率的な吸込工程を行うことができる。
さらに、弁板7には、シリンダボア25が通過する周上であって、シリンダボア25が弁板吐出ポートPB2に連通する直前に連通する位置に自己圧絞り52が設けられる。この自己圧絞り52は、摺動面Sa側のポートと弁板吐出ポートPB2とが、斜めの連通孔53によって連通される。この自己圧絞り52によって、吸込工程から吐出工程に移行するシリンダボア25内の圧力が、残圧再生回路30を介した残圧再生後に、さらに昇圧される。
(吸込工程から吐出工程への移行)
図5に示すように、9つのシリンダボア25a〜25iは、円環状に配列されている。ここで、上死点側で吐出工程から吸込工程に移行しているシリンダボア25fの残圧ロスポート33af,33bfと残圧ロス回収ポート31a,31bとが連通することによって、連通孔30a内に高い圧力の残圧が一時蓄積される。その後、下死点側で吸込工程から吐出工程に移行するシリンダボア25aの残圧ロスポート33aa,33baと残圧ロス再生ポート32a,32bとが連通することによって、シリンダボア25a内の圧力が昇圧される。
さらに、その後、自己圧絞り52とシリンダボア25aとが連通することによって、シリンダボア25a内の圧力がさらに昇圧され、弁板吐出ポートPB2とほぼ同じ圧力となる。すなわち、残圧再生回路20及び自己圧絞り52による2段階の昇圧によって、シリンダボア25a内の圧力が、弁板吸込ポートPB1の平圧から弁板吐出ポートPB2の高圧にスムーズに移行し、圧力の急激な変化によるキャビテーションによるエロージョン及び騒音を減じ、効率を高めることができる。なお、弁板吸込ポートPB1の平圧とは、圧力がほぼ0の状態である。
(吐出工程から吸込工程への移行)
つぎに、吐出工程から吸込工程への移行時における動作について説明する。図6は、上死点側近傍における弁板7とシリンダボア25fとの位置関係を示す図である。また、図7は、斜板角D1が最大となった状態を示すシリンダボア内の状態を示す断面図である。さらに、図8は、斜板角D1が最小となった状態を示すシリンダボア内の状態を示す断面図である。
図6に示すように、シリンダボア25fの回転中心線Afが上死点θ0に対して角度−θ5のとき、シリンダボア25fは、弁板吐出ポートPB2との連通状態から脱する。このとき、シリンダボア25f内には、高い残圧状態となり、上死点までシリンダボア25f内は圧縮される。なお、回転中心線Afが角度−θ5のとき、シリンダボア25fの進行方向先端の角度はθ1である。
シリンダボア25fの進行方向先端の角度がθ1のときから、残圧ロスポート33af,33bfと残圧ロス回収ポート31a,31bとが連通し始める。残圧ロスポート33af,33bfと残圧ロス回収ポート31a,31bとの連通によって、シリンダボア25f内の残圧が連通孔30aに移動して蓄圧され、その後、下死点側のシリンダボア25aに対する昇圧に用いられる。
その後、シリンダボア25fの進行方向先端の角度がθ2になると、シリンダボア25fが残圧抜き穴61a,61bに連通し始める。シリンダボア25fと残圧抜き穴61a,61bとの連通によって、さらにシリンダボア25f内の残圧を低くすることができる。ここで、上述したように、斜板角及び回転速度に応じて、残圧抜き穴61a,61bの開口が流量制御弁V10によって制御される。すなわち、斜板角が大きい場合には、図7に示すように、残圧油量Lが小さいことから、残圧の抜き出しに時間がかからないため、流量制御弁V10を絞り状態にする。また、回転速度が小さい場合も、残圧の抜き出しに時間がかからないため、流量制御弁V10を絞り状態にする。一方、斜板角が小さい場合には、図8に示すように、残圧油量Lが大きいことから、残圧の抜き出しに時間がかかるため、流量制御弁V10を開放し全開状態にする。また、回転速度が大きい場合も、残圧の抜き出しに時間がかかるため、流量制御弁V10を全開状態になる。なお、流量制御弁V10は、制御信号S10に応じて、全閉状態から全開状態にアナログ的に連続変化する。
その後、シリンダボア25fの進行方向先端の角度がθ3になると、シリンダボア25fがタイミング調整穴71に連通し始める。シリンダボア25fとタイミング調整穴71とが連通する際、流量制御弁V11によって連通するタイミング調整穴71の開口が制御される。流量制御弁V11は、図7に示すように、斜板角が大きい場合、残圧油量Lが小さいことから、残圧の抜き出しに時間がかからない。このため、シリンダボア25fとタイミング調整穴71との連通時には、残圧が平圧となっており、しかも吸込工程であるため、シリンダボア25f内への吸込が行われる。したがって、流量制御弁V11は、流量制御弁V10とは逆に、タイミング調整穴71の開口が大きくなるように、全開状態にする。また、回転速度が小さい場合も、残圧の抜き出しに時間がかからないため、流量制御弁V11を全開状態にする。一方、斜板角が小さい場合には、図8に示すように、残圧油量Lが大きいことから、残圧の抜き出しに時間がかかる。このため、シリンダボア25fとタイミング調整穴71との連通時には、残圧が少し残った状態である。したがって、流量制御弁V11は、流量制御弁V10とは逆に、タイミング調整穴71の開口を小さくするため、絞り状態にする。また、回転速度が小さい場合も、残圧の抜き出しに時間がかからないため、流量制御弁V11を絞り状態にする。なお、流量制御弁V11は、制御信号S11に応じて、全閉状態から全開状態にアナログ的に連続変化する。
この実施の形態では、吐出工程から吸込工程への移行時に、残圧再生回路30及び残圧抜き穴61a,61bによってシリンダボア25f内の残圧を2段階で減圧するとともに、斜板角や回転速度に応じて流量制御弁V10が残圧抜き穴61a,61bの開口制御を行うようにしている。この結果、斜板角や回転速度の変化にかかわらず、シリンダボア25f内の残圧は、吐出工程から吸込工程への移行時に、弁板吸込ポートPB1に連通するまでにスムーズに減圧され、シリンダボア25fが弁板吸込ポートPB1に連通した際、エアレーションの発生を抑えることができる。また、これによって、エアレーションによるエロージョンや騒音を小さくし、効率を高めることができる。
また、シリンダボア25fと残圧抜き穴61a,61bとの連通時に、残圧再生回路30によって、すでに残圧が低い状態となっている場合がある。特に、斜板角が最大ときや、回転速度が遅い場合には、残圧が低く、タンクから作動油が逆流する場合も考えられる。しかし、この場合、流量制御弁V10は、油路を絞るようにしているため、タンクからの作動油の逆流を防止することができる。
また、タイミング調整穴71と流量制御弁V11とによって、弁板吸込ポートPB1の吸込領域を実質的に可変とすることができ、吸込工程を効率的に行うことができる。
(変形例1)
図9は、この発明の実施の形態である油圧ポンプの変形例1の上死点近傍の構成を示す図である。図9に示すように、この変形例1では、残圧再生回路30の連通孔30aの途中であって、残圧ロス回収ポート31a,31b側近傍に流量制御弁V12を設けるようにしている。
流量制御弁V12は、流量制御弁V10と同様に、斜板角が大きい場合には、図7に示すように、残圧油量Lが小さいことから、残圧の抜き出しに時間がかからないため、絞り状態にする。また、回転速度が小さい場合も、残圧の抜き出しに時間がかからないため、流量制御弁V12を絞り状態にする。一方、斜板角が小さい場合には、図8に示すように、残圧油量Lが大きいことから、残圧の抜き出しに時間がかかるため、流量制御弁V12を全開状態にする。また、回転速度が大きい場合も、残圧の抜き出しに時間がかかるため、流量制御弁V12を全開状態になる。なお、流量制御弁V12は、制御信号S12に応じて、全閉状態から全開状態にアナログ的に連続変化する。
この変形例1では、残圧再生回路30への残圧ロス回収時における残圧変化が、斜板角及び回転速度に依存しないようにしているため、常に一定の残圧が連通孔30aに伝達され、シリンダボア25f内の残圧も常に一定になる。この結果、シリンダボア25fが弁板吸込ポートPB1に連通する際、エアレーション発生によるエロージョンや騒音を安定して小さくすることができるとともに、効率を高めることができる。
(変形例2)
図10は、この発明の実施の形態である油圧ポンプの変形例2の上死点近傍の構成を示す図である。図10に示すように、この変形例2では、変形例1における流量制御弁V10,V11,V12に入力される制御信号S10,S11,S12を1つの制御信号S20としている。これによって、流量制御弁系の構成が簡易なものとなる。なお、この1つの制御信号S20とする場合、流量制御弁V11の動作は、流量制御弁V10,V12の動作とは逆となる。たとえば、制御信号S20の値が大きくなるとき、流量制御弁V10,V12は、全閉状態、絞り状態、全開状態の順に移行するが、流量制御弁V11は、全開状態、絞り状態、全閉状態の順に移行する。
(変形例3)
図11は、この発明の実施の形態である油圧ポンプの変形例3の上死点近傍の構成を示す図である。図11に示すように、この変形例3では、変形例1,2における残圧ロス回収ポート31a,31bの位置を周方向にずらした残圧ロス回収ポート131a,131bとしている。すなわち、残圧ロス回収ポート131aが残圧ロスポート33aに連通した後、残圧ロス回収ポート131bが残圧ロスポート33bに連通するようにしている。また、変形例1,2における残圧抜き穴61a,61bの位置を周方向にずらした残圧抜き穴161a,161bとしている。すなわち、残圧ロス回収ポート131bと残圧ロスポート33bとの連通後、残圧抜き穴161aがシリンダボア25fに連通し、この連通後に残圧抜き穴161bがシリンダボア25fに連通するようにしている。そして、この残圧抜き穴161bとシリンダボア25fとの連通後に、シリンダボア25fが吸込のタイミング調整穴71に連通するようにしている。
なお、残圧ロス回収ポート131a,131b及び残圧抜き穴161a,161bとする構成に伴い、各残圧ロス回収ポート131a,131b及び残圧抜き穴161a,161bの開口は、斜板7によって閉じ込められる閉じ込み領域が狭い中で、ポンプが高速回転をする場合に、面積の可変化だけでは十分でない場合のために、開口のタイミングを可変化できるので、残圧ロス回収ポート31a,31b及び残圧抜き穴61a,61bに比して小さくしている。
また、流量制御弁V10に替わり、2つの流量制御弁V10a,V10bを設けている。流量制御弁V10aは、連通孔62aを介した残圧抜き穴161aの開口を制御する。また、流量制御弁V10bは、連通孔62bを介した残圧抜き穴161bの開口を制御する。また、流量制御弁V12は、連通孔30bbを介して残圧ロス回収ポート131bの開口のみを制御する。そして、残圧ロス回収ポート131aには流量制御弁を接続せず、そのまま連通孔30aa,30aに接続される。
この変形例3では、シリンダボア25f内の残圧の2段階減圧を、4段階減圧としているので、さらにスムーズな減圧が可能となる。
(変形例4)
図12は、この発明の実施の形態である油圧ポンプの変形例4の上死点近傍の構成を示す図である。図12に示すように、この変形例4では、変形例1,2における残圧ロスポート33a,33bの位置を、シリンダボア25fの外周側壁及び内周側壁の外側を切り欠いて設けた残圧ロスポート133af,133bfとしている。また、この残圧ロスポート133a,133bの位置変更に伴い、残圧ロス回収ポート31a,31bの位置を周方向にずらした残圧ロス回収ポート231a,231bとしている。
この変形例4では、残圧ロスポート133af,133bfがシリンダボア25fの側壁に設けられているので、シリンダボア25fが弁板吐出ポートPB2から切り離された後、弁板吸込ポートPB1に連通するまでの間で、シリンダボア25fの進行方向先端側の周方向領域を広く確保することができる。この結果、残圧抜き穴61a,61b及びタイミング調整穴71の固定開口を大きくすることができるので、流量制御弁V10,V11などによる流量調整をさらに大きくすることができ、きめの細かい減圧処理が可能となる。
(変形例5)
図13は、図1に示した油圧ポンプの変形例5のB−B線断面図である。また、図14は、変形例5のシリンダブロックにおける弁板との摺動面を−X方向にみた構成を示す図である。さらに、図15は、変形例5における吸込工程から吐出工程に移行する際の動作を説明する説明図である。
この変形例5では、図13、図14に示すように、シリンダブロック6には、残圧ロスポート133bfと同様に、各シリンダボア25の内周側壁の外側に斜めに切り欠いて設けた長穴切欠溝43を有する。また、各シリンダボア25には、外周側の残圧ロスポート33aのみが設けられ、残圧ロスポート33bは設けられていない。残圧ロスポート33bを設けると、同一円周上で長穴切欠溝43と重複してしまうからである。
一方、弁板7には、この長穴切欠溝43のポートと同一円周上に対応した下死点近傍かつ吐出工程側の円周上であって、シリンダボア25が弁板吐出ポートPB2と連通状態になる前に連通する位置に長穴ポート42が設けられる。この長穴ポート42は、長い連通孔で実現される長穴を介して弁板吐出ポートPB2に連通するとともに、長穴回路40を形成する。その他の構成は、図3〜図5に示した実施の形態と同じである。
この長穴は、弁板7およびエンドキャップ8内に設けられ、その長さは、発生する脈動波長の1/4〜1/2程度に設定している。長穴回路40として長穴を設けたのは、長穴回路40のシリンダボア25側の圧によってシリンダボア25の内圧を昇圧させ、この昇圧後における長穴回路40の減圧が弁板吐出ポートPB2側に遅れて伝わるようにしているからである。逆に、長穴は、弁板吐出ポートPB2側の圧伝搬を遅延し、緩衝させ、弁板吐出ポートPB2の圧変動を小さくしているとも言える。また、この長穴は、非連通時にシリンダボア25側の内圧を次に連通するシリンダボア25との連通前に弁板吐出ポートPB2側の圧に復旧できる長さを有している。
具体的に、シリンダブロック6の回転数が2000rpmで、シリンダボア25が9つであり、脈動波の伝搬速度が1000m/sである場合、脈動波の波長は、約3mとなる。したがって、長穴を1/2波長の長さとすると、長穴回路40の長さは、約1.5mとなる。ただし、長さを1波長以上とした場合には、長穴ポート42側への圧伝搬後、弁板吐出ポートPB2側による長穴回路40への圧補充が遅れ、つぎのシリンダボア25に対する圧補充が十分でなくなってしまう。
この長穴回路40によって、吸込工程から吐出工程に移行するシリンダボア25内の圧力がさらに昇圧される。なお、長穴回路40の長さを脈動波長の1/4〜1/2程度として幅を持たせているのは、脈動波形が油圧回路によって異なるからである。たとえば、脈動波形が理想的な正弦波である場合、最低圧から最高圧に至るまでの時間(長さ)は1/2波長となるが、現実の油圧ポンプの脈動波形は、小さい振幅の揺らぎノイズを含みつつ、最低圧から最高圧に至るまでの時間(長さ)が1/4波長程度となるのが通常であるからである。なお、各連通孔は、略6mmφ程度である。
ここで、吸込工程から吐出工程に移行するシリンダボア25内の圧力の昇圧は、図15を参照して、まず、シリンダボア25aの残圧ロスポート33aaが残圧ロス再生ポート32aに連通し、残圧再生回路30によってシリンダボア25a内を昇圧する。
その後、シリンダボア25aの長穴切欠溝43aが長穴ポート42に連通し、長穴回路40を介した弁板吐出ポートPB2の高圧によってシリンダボア25a内がさらに昇圧される。
その後、自己圧絞り52とシリンダボア25aとが連通し、シリンダボア25a内がさらに昇圧されて、弁板吐出ポートPB2内の圧力とほぼ同じ圧力となり、吐出工程がスムーズに行われる。
すなわち、この変形例5では、さらに長穴回路40を設け、吸込工程から吐出工程に移行する際、シリンダボア25内の圧力を、残圧再生回路30、長穴回路40、自己圧絞り52の順とする3段階で昇圧するようにし、吸込工程から吐出工程に移行する際のキャビテーションによるシリンダボア内のエロージョン及び脈動による騒音を抑え、さらには効率を高めるようにしている。
なお、上述した実施の形態及び変形例では、斜めの連通孔53によって連通される自己圧絞り52を用いていたが、これに替えて、切欠溝であるノッチを用いてもよい。
また、この実施の形態及び変形例では、弁板吸込ポートPB1の半径方向の幅とシリンダポート25の半径方向の幅とはほぼ同じに設定し、弁板吐出ポートPB2の半径方向の幅を、シリンダポート25の半径方向の幅よりも狭く設定している。これによって吸込と吐出との油圧バランスを保つことができる。
さらに、上述した実施の形態及び変形例では、油圧ポンプを一例として説明したが、これに限らず、油圧モータにも適用することができる。油圧モータの場合、高圧側が油圧ポンプの吐出側に対応し、低圧側が油圧ポンプの吸込側に対応することになる。
また、上述した実施の形態及び変形例では、斜板式の油圧ポンプ・モータの一例を示したが、これに限らず、斜軸式の油圧ポンプ・モータであっても適用される。なお、モータ駆動の場合、シリンダブロック6の回転は逆回転となり、斜板7に設けられる残圧ロス回収ポート31a,31b、残圧ロス再生ポート32a,32b、残圧抜き穴61a,61b、タイミング調整穴71、自己圧絞り52、長穴ポート42などは、回転軸を通り上死点と下死点とを結ぶ直線に直交する線に対して線対称に配置される。一方、シリンダブロック6に設けられる残圧ロスポート33,33a〜33iなどは、各シリンダボアの回転方向側に設けられる。
1 シャフト
2 ケース
3 斜板
4 シュー
5,10 ピストン
6 シリンダブロック
7 弁板
8 エンドキャップ
9a,9b ベアリング
11 スプライン構造
14 リング
15 ばね
16 可動リング
17 ニードル
18 押圧部材
20,21 軸受け
25,25a〜25i シリンダボア
30 残圧再生回路
30a,34a,34b,53,62,63,72,73 連通孔
31a,31b,131a,131b,231a,231b 残圧ロス回収ポート
32a,32b 残圧ロス再生ポート
33,33a〜33i,131af,133bf 残圧ロスポート
40 長穴回路
42 長穴ポート
43 長穴切欠溝
52 自己圧絞り
60 残圧抜き回路
61a,61b,161a,161b 残圧抜き穴
64 タンク
70 タイミング調整回路
71 タイミング調整穴
100 速度センサ
P1 吸込ポート
P2 吐出ポート
PB1 弁板吸込ポート
PB2 弁板吐出ポート
S,Sa 摺動面
S10,S10a,S10b,S11,S12,S12b,S20 制御信号
V10,V11,V12,V10a,V10b 流量制御弁
C10 制御部
D1 斜板角
D2 回転速度

Claims (6)

  1. 回転軸まわりに複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックが、高圧側ポートと低圧側ポートとを有した弁板に対して摺動し、斜板の傾斜によって各シリンダボア内のピストンの往復動の量を制御するアキシャル型の油圧ポンプ・モータであって、
    上死点側シリンダボアが前記高圧側ポートとの連通状態を脱した後から前記低圧側ポートに連通するまでの間に、前記上死点側シリンダボア内の残圧を、前記低圧側ポートとの連通状態を脱した下死点側シリンダボア内に伝達する残圧再生回路と、
    前記上死点側シリンダボアが前記残圧再生回路に連通して残圧を低下した後、前記低圧側ポートに連通するまでの間に、前記上死点側シリンダボアに連通する残圧抜き穴を設け、斜板角及び回転速度に応じて該残圧抜き穴からタンク側に抜かれる作動油流量を調整する流量制御弁を有した残圧抜き回路と、
    を備えたことを特徴とする油圧ポンプ・モータ。
  2. 前記残圧抜き穴を介して前記上死点側シリンダボア内の残圧を低下した後、前記低圧側ポートに連通するまでの間に、前記上死点側シリンダボアと前記低圧側ポートとを連通するタイミング調整穴を設け、斜板角及び回転速度に応じて前記高圧側ポートから前記タイミング調整穴を介して前記上死点側シリンダボア内に移動する作動油流量を調整するタイミング調整流量制御弁を有したタイミング調整回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の油圧ポンプ・モータ。
  3. 前記残圧再生回路は、斜板角及び回転速度に応じて前記上死点側シリンダボアから吐出される作動油の流量を調整する残圧流量制御弁を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の油圧ポンプ・モータ。
  4. 前記流量制御弁、前記タイミング調整流量制御弁、及び前記残圧流量制御弁は、同一の制御信号によって制御されることを特徴とする請求項3に記載の油圧ポンプ・モータ。
  5. 前記残圧再生回路の上死点側ポート及び下死点側ポート、及び/または、前記残圧抜き穴は、複数設けられ、かつシリンダボアの進行方向に沿ってずらして形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の油圧ポンプ・モータ。
  6. 各シリンダボアが弁板の高圧側ポートに連通する直前に該シリンダボアと高圧側ポートとを連通させる自己圧絞りと、
    下死点側シリンダボアが低圧側ポートとの連通状態を脱した後から該シリンダボアが前記自己圧絞りに連通するまでの間に前記高圧側ポートと該下死点側シリンダボア内とを該下死点側シリンダボア側に設けた切欠溝を介して一時的に連通させる長穴を設け、該長穴が、連通時に前記シリンダボア側の長穴内の高圧を前記シリンダボア内に伝達させるとともに、非連通時に前記シリンダボア側の長穴内圧を次のシリンダボアとの連通前に前記高圧側ポート側の圧に復旧できる長さを有する長穴回路と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の油圧ポンプ・モータ。
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