JP2014105608A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気の一部を吸気通路へ還流させるEGR通路を有する多筒式の内燃機関において、気筒内における凝縮水の発生を精度良く抑制する。
【解決手段】EGRガス内の水蒸気比率と各気筒に流入する吸気のEGR率に基づいて算出された何れかの気筒内の水蒸気量が、当該気筒内の温度に基づいて算出された飽和水蒸気量以上の場合に、各気筒内における凝縮水の発生を抑制する制御を実行する。
【選択図】図4
【解決手段】EGRガス内の水蒸気比率と各気筒に流入する吸気のEGR率に基づいて算出された何れかの気筒内の水蒸気量が、当該気筒内の温度に基づいて算出された飽和水蒸気量以上の場合に、各気筒内における凝縮水の発生を抑制する制御を実行する。
【選択図】図4
Description
本発明は、排気の一部を吸気通路へ還流させるEGR通路を有する多筒式の内燃機関の制御装置に関する。
従来、自動車用内燃機関においては、窒素酸化物(NOx)の低減や燃費向上を目的に、排気通路を流通する排気の一部を吸気通路へ還流(再循環)させるEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)と呼ばれる技術が公知である。排気であるEGRガス内
には水蒸気が含まれるため、還流されたEGRガスの温度が低下すると凝縮水が発生することがある。発生した凝縮水にEGRガス内の酸性物質が溶解すると、酸性水溶液が生じて内燃機関の部品を腐食させる虞がある。
には水蒸気が含まれるため、還流されたEGRガスの温度が低下すると凝縮水が発生することがある。発生した凝縮水にEGRガス内の酸性物質が溶解すると、酸性水溶液が生じて内燃機関の部品を腐食させる虞がある。
そこで、例えば特許文献1には、EGR通路を備える内燃機関の制御装置において、吸気マニホールドの温度を制御することによって吸気マニホールド内に発生する凝縮水を低減させる技術が提案されている。
ところで、EGRガス内の水蒸気の凝縮は、EGRガスの温度や飽和蒸気圧に応じて発生するから、吸気マニホールドより下流に位置する内燃機関の気筒内でも発生することがある。そして、複数の気筒を有する多筒式の内燃機関においては、気筒に吸入される吸気のEGR率(吸気量に対するEGRガス量の比率)は、吸気通路や吸気マニホールドの形状等によって気筒毎に異なり、また、その値も内燃機関の運転状態によって変化する。つまり、特許文献1に記載されているような、EGRガスが吸気マニホールドを通過する段階で実行される制御では、気筒内で発生する凝縮水を精度良く低減させることが困難であった。
このような課題を解決するべく、本発明は、排気の一部を吸気通路へ還流させるEGR通路を有する多筒式の内燃機関において、気筒内における凝縮水の発生を精度良く抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る内燃機関の制御装置は、
複数の気筒と、排気通路を流通する排気の一部を吸気通路へEGRガスとして還流させるEGR通路とを有する内燃機関の制御装置であって、
前記EGRガス内の水蒸気比率を取得する水蒸気比率取得手段と、
前記複数の気筒の各気筒について、流入する吸気に対する前記EGRガスの比率であるEGR率を取得するEGR率取得手段と、
前記水蒸気比率と前記各気筒のEGR率に基づいて前記各気筒内の水蒸気量を算出する水蒸気量算出手段と、
前記各気筒内の温度を取得する温度取得手段と、
前記各気筒内の温度に基づいて前記各気筒内の飽和水蒸気量を算出する飽和水蒸気量算出手段と、
を備え、
前記水蒸気量算出手段によって算出された前記各気筒の何れかの気筒内の水蒸気量が、前記飽和水蒸気量算出手段によって算出された当該気筒内の飽和水蒸気量以上の場合に、前記各気筒内における凝縮水の発生を抑制する制御を実行することを特徴とする。
複数の気筒と、排気通路を流通する排気の一部を吸気通路へEGRガスとして還流させるEGR通路とを有する内燃機関の制御装置であって、
前記EGRガス内の水蒸気比率を取得する水蒸気比率取得手段と、
前記複数の気筒の各気筒について、流入する吸気に対する前記EGRガスの比率であるEGR率を取得するEGR率取得手段と、
前記水蒸気比率と前記各気筒のEGR率に基づいて前記各気筒内の水蒸気量を算出する水蒸気量算出手段と、
前記各気筒内の温度を取得する温度取得手段と、
前記各気筒内の温度に基づいて前記各気筒内の飽和水蒸気量を算出する飽和水蒸気量算出手段と、
を備え、
前記水蒸気量算出手段によって算出された前記各気筒の何れかの気筒内の水蒸気量が、前記飽和水蒸気量算出手段によって算出された当該気筒内の飽和水蒸気量以上の場合に、前記各気筒内における凝縮水の発生を抑制する制御を実行することを特徴とする。
ここで、閉空間内においては、閉空間の容積と水蒸気の温度から定まる飽和水蒸気量以上の水蒸気(水分)が存在するときに凝縮水が発生する。つまり、内燃機関の気筒内に存在する水蒸気量が、筒内温度と筒内容積から定まる当該気筒内の飽和水蒸気量以上の場合に凝縮水が発生する。
そこで、本発明に係る内燃機関の制御装置は、水蒸気量算出手段によって算出された何れかの気筒内の水蒸気量が、飽和水蒸気量算出手段によって算出された当該気筒内の飽和水蒸気量以上の場合に、各気筒内における凝縮水の発生を抑制する制御を実行する。これにより、内燃機関の各気筒内における凝縮水の発生を効果的に抑制することができる。
なお、本発明に係る内燃機関の制御装置は、EGRガス内の水蒸気比率を取得する水蒸気比率取得手段と、内燃機関の各気筒のEGR率を取得するEGR率取得手段と、各気筒内の温度を取得する温度取得手段と、を備えているため、各気筒内の水蒸気量と飽和水蒸気量を精度良く算出することができる。
また、本発明に係る内燃機関の制御装置は、水蒸気量算出手段が、各気筒の中のEGR率が最大となる気筒内の水蒸気量を算出し、当該水蒸気量が飽和水蒸気量算出手段によって算出された当該気筒内の飽和水蒸気量以上の場合に、各気筒内における凝縮水の発生を抑制する制御を実行するようにしてもよい。これにより、EGR率が最大となる気筒、すなわち、最も凝縮水が発生しやすい気筒における凝縮水の発生を抑制することが可能になるため、内燃機関の各気筒内における凝縮水の発生をより効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る内燃機関の制御装置は、各気筒に設けられた筒内圧力センサによって検出された筒内圧力値に基づいて、各気筒内の温度を取得するようにしてもよい。これにより、筒内温度をより高精度に取得することが可能になるため、内燃機関の各気筒における凝縮水の発生をより精度良く抑制することが可能になる。
また、本発明に係る内燃機関が、各気筒に設けられた燃料噴射弁によって、圧縮上死点近傍におけるメイン噴射の前にパイロット噴射を行うものであれば、本発明に係る内燃機関の制御装置は、EGR率取得手段が、筒内圧力センサによって検出された、パイロット噴射によって噴射された燃料の着火時期に基づいて、EGR率を取得するようにしてもよい。これにより、各気筒のEGR率をより高精度に取得することが可能になるため、内燃機関の各気筒における凝縮水の発生をより精度良く抑制することが可能になる。
本発明に係る内燃機関の制御装置によれば、排気の一部を吸気通路へ還流させるEGR通路を有する多筒式の内燃機関において、気筒内における凝縮水の発生を精度良く抑制することが可能になる。
[実施例1]
<内燃機関の構成>
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。なお、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<内燃機関の構成>
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。なお、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例における内燃機関の構成を示す概略図である。図1に示す内燃機関10は、4つの気筒11を有するディーゼルエンジンである。図1に示されるように、内燃機関10には、吸気通路12の一部としての吸気マニホールド13が接続されており、吸気マニホールド13の各枝管は吸気ポート(不図示)を介して各気筒11の燃焼室に連通されている。吸気通路12の上流側には、吸気通路12内を流通する空気の流量を調節するスロットル14と、この流量を電気信号として出力するエアーフローメータ15が配設されている。また、吸気マニホールド13には、気筒11内に流入する吸気の吸気圧を出力する吸気圧センサ16が設置されている。
また、各気筒11には、燃焼室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁20が設けられている。燃料噴射弁20から噴射された燃料は、燃焼室内で圧縮された吸気内で自然着火されることによって燃焼する。また、各気筒11には、筒内圧力を電気信号として出力する筒内圧力センサ21が設けられている。そして、内燃機関10には、機関回転数(以下、「NE」という。)を検出するクランクセンサ22が設置されている。
また、内燃機関10には、排気通路30の一部としての排気マニホールド31が接続されており、排気マニホールド31の各枝管は排気ポート(不図示)を介して各気筒11の燃焼室と接続されている。また、排気マニホールド31には、気筒11から排出された排気の温度を検出するための排気温度センサ32が設置されている
そして、内燃機関10は、排気マニホールド31を通過する排気の一部を吸気通路12に還流させるEGR装置40を備えている。このEGR装置40は、排気マニホールド31と吸気通路12とを接続するEGR通路41を備えている。EGR通路41には、内部を流れる排気(以下、「EGRガス」という。)を冷却するEGRクーラ42、EGRガスの流量(以下、「EGRガス量」という。)に対応した電気信号を出力するEGRガス量計43、及びEGRガス量を調節可能なEGR弁44が配設されている。更に、EGR通路41には、EGRクーラ42をバイパスさせるバイパス通路45が設けられており、バイパス通路45への分岐部に設けられた調節弁46によって、EGRクーラ42を流通するEGRガス量が調節される。
このように構成されたEGR装置40では、EGR弁44を開弁することによって、開弁量に応じた流量のEGRガスを排気マニホールド31から吸気通路12へと還流させることができる。その際に、EGRガスは、EGRクーラ42内を通過することによって冷却されてから吸気通路12へ還流される。ここで、EGRクーラ42を通過するEGRガス量を調節弁46を用いて調節することによって、最終的に吸気通路12に流入するEGRガスの温度を増減させることができる。
以上のような構成を有する内燃機関10は、本実施例における凝縮水発生の抑制制御も含めた統括的な制御を実行する制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)1
00によって制御される。このECU100には、上述した各種のメータやセンサが電気配線を介して接続されており、それらからの出力信号がECU100に入力されるようになっている。また、ECU100には、スロットル14、燃料噴射弁20、EGR弁44、調節弁46等が電気配線を介して接続されており、ECU100からの信号によって制御されるようになっている。また、ECU100は、内部に記憶装置としてのROM101を備えている。ROM101には、内燃機関10の種々の制御を行うためのプログラムや、種々のデータから構成される数値マップが記憶されている。また、制御実行中にECU100が算出・取得した値はROM101内に適宜記憶される。
00によって制御される。このECU100には、上述した各種のメータやセンサが電気配線を介して接続されており、それらからの出力信号がECU100に入力されるようになっている。また、ECU100には、スロットル14、燃料噴射弁20、EGR弁44、調節弁46等が電気配線を介して接続されており、ECU100からの信号によって制御されるようになっている。また、ECU100は、内部に記憶装置としてのROM101を備えている。ROM101には、内燃機関10の種々の制御を行うためのプログラムや、種々のデータから構成される数値マップが記憶されている。また、制御実行中にECU100が算出・取得した値はROM101内に適宜記憶される。
<筒内凝縮水の発生予測>
次に、ECU100によって実行される、内燃機関10の各気筒11内で凝縮する凝縮水(以下、「筒内凝縮水」という。)の発生予測について説明する。この発生予測は、本実施例に係る筒内凝縮水の発生を抑制する制御の制御ルーチン(図4参照。以下、「制御ルーチン」という。)において実行される。なお、この発生予測においては5つの処理が実行されるため、以下これらを順に説明する。
次に、ECU100によって実行される、内燃機関10の各気筒11内で凝縮する凝縮水(以下、「筒内凝縮水」という。)の発生予測について説明する。この発生予測は、本実施例に係る筒内凝縮水の発生を抑制する制御の制御ルーチン(図4参照。以下、「制御ルーチン」という。)において実行される。なお、この発生予測においては5つの処理が実行されるため、以下これらを順に説明する。
(処理1:EGRガスの還流遅れ予測処理)
上述のように、EGRガスは、排気マニホールド31からEGR通路41を経由して吸気通路12に還流される。そのため、気筒11から排出された排気がEGRガスとして再び気筒11内に流入するまでには、EGRガスがEGR通路41等を通過するのに要した時間だけ遅れ(以下、「還流遅れ」という。)が発生する。つまり、制御ルーチン実行時に各気筒11内に流入するEGRガスは、所定の還流遅れ前に各気筒11から排出された排気であると考えてよい。そこで、本処理においては、還流遅れと還流されるEGRガス量との間に成立する以下の関係に基づいて、制御ルーチン実行時に各気筒11内に流入するEGRガスの還流遅れが取得される。
上述のように、EGRガスは、排気マニホールド31からEGR通路41を経由して吸気通路12に還流される。そのため、気筒11から排出された排気がEGRガスとして再び気筒11内に流入するまでには、EGRガスがEGR通路41等を通過するのに要した時間だけ遅れ(以下、「還流遅れ」という。)が発生する。つまり、制御ルーチン実行時に各気筒11内に流入するEGRガスは、所定の還流遅れ前に各気筒11から排出された排気であると考えてよい。そこで、本処理においては、還流遅れと還流されるEGRガス量との間に成立する以下の関係に基づいて、制御ルーチン実行時に各気筒11内に流入するEGRガスの還流遅れが取得される。
図2は、内燃機関10のEGR装置40における、EGRガスの還流遅れとEGRガス量の関係を示すグラフである。なお、横軸が内燃機関10の1回転毎に還流されるEGRガス量[g/回転]を示し、縦軸が還流遅れ[回転数]を示している。なお、図2には、吸気圧が0.34MPaの場合における、内燃機関10のNEが1200rpmと2400rpmのときの還流遅れの実測値が示されており、更に、同吸気圧における還流遅れのシミュレーション値が示されている。
図2に示されるように、還流遅れを回転数で表わした場合には、還流遅れとEGRガス量との間にグラフL1で示されるような相関関係があることが分かる。つまり、吸気圧が一定の場合には、NEに関わらず還流遅れはグラフL1で示される特性に概ね従う。したがって、この特性に基づけば、制御ルーチン実行時に気筒11内に流入したEGRガスが、何回転前に気筒11から排出された排気であるかを、制御ルーチン実行時におけるEGRガス量から予測することが可能になる。そこで、グラフL1で示されるような還流遅れの特性を、想定される範囲内の吸気圧に対して予め求めておけば、制御ルーチン実行時に各気筒11内に流入するEGRガスが、何回転前に各気筒11から排出された排気であるかを、制御ルーチン実行時における吸気圧とEGRガス量から予測することが可能になる。
そこで、本実施例においては、想定される範囲内の吸気圧に対応する還流遅れ特性が、予め実験等によって求められたデータから構成される数値マップとしてROM101に記憶されている。そして、ECU100は、この数値マップから、制御ルーチン実行時に吸
気圧センサ16によって検出される吸気圧とEGRガス量計43によって検出されるEGRガス量とに対応する回転数nを、本制御ルーチン時に各気筒11内に流入するEGRガスの還流遅れとして取得する。なお、ECU100は、後述する処理3において、このようにして取得した回転数nを用いて、当該制御ルーチン実行時に気筒11内に流入するEGRガスの組成を予測する。
気圧センサ16によって検出される吸気圧とEGRガス量計43によって検出されるEGRガス量とに対応する回転数nを、本制御ルーチン時に各気筒11内に流入するEGRガスの還流遅れとして取得する。なお、ECU100は、後述する処理3において、このようにして取得した回転数nを用いて、当該制御ルーチン実行時に気筒11内に流入するEGRガスの組成を予測する。
(処理2:気筒別EGR率取得処理)
本処理では、ECU100によって、制御ルーチン実行時における各気筒11のEGR率(吸気量に対するEGRガス量の比率)が取得され、更にその中から最大のEGR率が取得される。ここで、4つの気筒11の全てにおいて吸入・圧縮・燃焼・排気の4行程が一巡するサイクル(クランクシャフト2回転)を内燃機関10の燃焼サイクルと定義すると、1燃焼サイクルにおいて各気筒11に流入するEGRガス量は、吸気通路12や吸気マニホールド13の形状等によってそれぞれ異なる。また、吸気量やEGRガス量は、内燃機関10の運転状態によって常に変化する。つまり、各気筒11のEGR率は、気筒11毎に異なり、また、内燃機関10の運転状態に応じて常に変化する。そこで、本実施例では、予め実験等によって求められた各気筒11のEGR率が、内燃機関10の運転状態等の諸条件に対応付けてROM101内に記憶されている。そして、ECU100は、制御ルーチンの実行時において、ROM101内の数値マップを参照して諸条件に対応する各気筒11のEGR率を取得する。
本処理では、ECU100によって、制御ルーチン実行時における各気筒11のEGR率(吸気量に対するEGRガス量の比率)が取得され、更にその中から最大のEGR率が取得される。ここで、4つの気筒11の全てにおいて吸入・圧縮・燃焼・排気の4行程が一巡するサイクル(クランクシャフト2回転)を内燃機関10の燃焼サイクルと定義すると、1燃焼サイクルにおいて各気筒11に流入するEGRガス量は、吸気通路12や吸気マニホールド13の形状等によってそれぞれ異なる。また、吸気量やEGRガス量は、内燃機関10の運転状態によって常に変化する。つまり、各気筒11のEGR率は、気筒11毎に異なり、また、内燃機関10の運転状態に応じて常に変化する。そこで、本実施例では、予め実験等によって求められた各気筒11のEGR率が、内燃機関10の運転状態等の諸条件に対応付けてROM101内に記憶されている。そして、ECU100は、制御ルーチンの実行時において、ROM101内の数値マップを参照して諸条件に対応する各気筒11のEGR率を取得する。
なお、本実施例に係る筒内凝縮水の発生予測は、各制御ルーチン実行時において最も凝縮水の発生しやすい気筒11について行われる。つまり、各燃焼サイクルにおいて最も凝縮水が発生しやすい気筒11について筒内凝縮水の発生予測を実行すれば、筒内凝縮水の発生を抑制する制御を精度良くかつ効率的に実行することが可能になる。なお、最も凝縮水が発生しやすい気筒11は、筒内の水蒸気量が最も多くなる気筒11、すなわち、流入するEGRガス量が最も多い気筒11であると考えてよい。したがって、本処理においては、上述の数値マップから取得された各気筒11のEGR率の中から最大のEGR率が選択される。
(処理3:燃焼後筒内ガス組成予測処理)
本処理は、燃焼後に気筒11内に存在する気体の組成、すなわち、気筒11から排出される排気内に含まれる各気体成分のモル比率を予測する処理である。なお、本処理においては、気筒11内で理想的な燃焼が発生することを前提にする。そのため、予測対象の気体は、窒素(N2)、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)及び水蒸気(H2O)の4種類とする。また、本処理は、上述の処理2で取得された最大EGR率を有する最も凝縮水の発生しやすい気筒11(以下、「気筒11a」という。)について実行される。
本処理は、燃焼後に気筒11内に存在する気体の組成、すなわち、気筒11から排出される排気内に含まれる各気体成分のモル比率を予測する処理である。なお、本処理においては、気筒11内で理想的な燃焼が発生することを前提にする。そのため、予測対象の気体は、窒素(N2)、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)及び水蒸気(H2O)の4種類とする。また、本処理は、上述の処理2で取得された最大EGR率を有する最も凝縮水の発生しやすい気筒11(以下、「気筒11a」という。)について実行される。
以下、各気体成分の物質量に着目して本処理を説明する。まず、本処理実行時の燃焼サイクルにおいて気筒11aに流入するEGRガス量Megr[mol]は、最大EGR率ρmaxを用いて、次の式で求められる。
Megr = Mair * ρmax / (1-ρmax) …(1)
Megr = Mair * ρmax / (1-ρmax) …(1)
なお、Mair[mol]は本燃焼サイクルにおいて気筒11aに流入する筒内吸入空気量であって、エアーフローメータ15によって検出された空気量から求められる。
次に、本燃焼サイクルにおいて気筒11aに流入した吸気(空気とEGRガスの合計)における各気体成分量MN2in、MO2in、MCO2in、MH2Oin[mol]は、以下の式で表わされる。
MN2in = N2air * Mair + N2egr(n) * Megr …(2)
MO2in = O2air * Mair + O2egr(n) * Megr …(3)
MCO2in = CO2air * Mair + CO2egr(n) * Megr …(4)
MH2Oin = H2Oair * Mair + H2Oegr(n) * Megr …(5)
MN2in = N2air * Mair + N2egr(n) * Megr …(2)
MO2in = O2air * Mair + O2egr(n) * Megr …(3)
MCO2in = CO2air * Mair + CO2egr(n) * Megr …(4)
MH2Oin = H2Oair * Mair + H2Oegr(n) * Megr …(5)
ここで、N2air、O2air、CO2air、H2Oairは、空気中におけるN2、O2、CO2、H2Oのモル比率である。なお、空気中の水蒸気比率であるH2Oairは、例えば、内燃機関10が搭載される自動車に設置された湿度計の検出値から取得することができる。また、N2air、O2air及びCO2airは、取得されたH2Oairと、一般的な空気の各気体成分比から適宜算出すればよい。
また、N2egr(n)、O2egr(n)、CO2egr(n)、H2Oegr(n)は、本燃焼サイクルにおいて気筒11a内に流入するEGRガスの予測組成(各気体成分の予測モル比率)であって、上述の処理1によって取得されたn回転前に気筒11aから排出された排気の組成である。つまり、n回転前に本処理によって予測された各気体成分のモル比率である。
次に、本燃焼サイクルにおいて気筒11a内で発生する燃焼について説明する。気筒11a内の燃料噴射弁20から噴射される噴射量をQ[g]とすると、噴射燃料内の炭素モル数Mfuel[mol]は、燃料内の水素/炭素比率をmとすると、
Mfuel = Q / (12+m) …(6)
より表わされる。そして、当該燃料の燃焼の化学反応式は次の化学式で表わされる。
CHm + (1+m/4)O2 → CO2 + (m/2)H2O …(7)
Mfuel = Q / (12+m) …(6)
より表わされる。そして、当該燃料の燃焼の化学反応式は次の化学式で表わされる。
CHm + (1+m/4)O2 → CO2 + (m/2)H2O …(7)
そうすると、当該燃料の燃焼後において気筒11a内に存在する各気体成分量MN2ex、MO2ex、MCO2ex、MH2Oex[mol]は、以下の式で表わされる。
MN2ex = MN2in …(8)
MO2ex = MO2in - (1+m/4)Mfuel …(9)
MCO2ex = MCO2in + Mfuel …(10)
MH2Oex = MH2Oin + (m/2)Mfuel …(11)
MN2ex = MN2in …(8)
MO2ex = MO2in - (1+m/4)Mfuel …(9)
MCO2ex = MCO2in + Mfuel …(10)
MH2Oex = MH2Oin + (m/2)Mfuel …(11)
なお、式(11)によって算出されたMH2Oexが、本燃焼サイクルにおいて気筒11a内に発生した水蒸気量(以下、「筒内水蒸気量」という。)である。
以上より、燃焼後における気筒11a内の各気体成分のモル比率は、以下の式で求められる。
N2ex = MN2ex / (MN2ex + MO2ex + MCO2ex + MH2Oex) …(12)
O2ex = MO2ex / (MN2ex + MO2ex + MCO2ex + MH2Oex) …(13)
CO2ex = MCO2ex / (MN2ex + MO2ex + MCO2ex + MH2Oex) …(14)
H2Oex = MH2Oex / (MN2ex + MO2ex + MCO2ex + MH2Oex) …(15)
N2ex = MN2ex / (MN2ex + MO2ex + MCO2ex + MH2Oex) …(12)
O2ex = MO2ex / (MN2ex + MO2ex + MCO2ex + MH2Oex) …(13)
CO2ex = MCO2ex / (MN2ex + MO2ex + MCO2ex + MH2Oex) …(14)
H2Oex = MH2Oex / (MN2ex + MO2ex + MCO2ex + MH2Oex) …(15)
このようにして、本燃焼サイクルにおける燃焼後の気筒11a内のガス組成、つまり、本燃焼サイクルで気筒11aから排出される排気のガス組成を予測することができる。そして、ECU100は、この予測結果をROM101内に記憶させる。
(処理4:筒内飽和水蒸気量算出処理)
本処理では、燃焼後における気筒11a内の飽和水蒸気量(以下、「筒内飽和水蒸気量」という。)が算出される。なお、閉空間内における飽和水蒸気量は温度上昇と共に上昇する。したがって、気筒11aの筒内凝縮水の発生を予測する際には、凝縮水の最も発生しやすい温度、すなわち、気筒11aの筒内温度が燃焼後において最も低下するときの飽和水蒸気量を求めればよい。そこで、まず燃焼の前後における気筒11aの筒内温度の推移について図面を用いて説明する。
本処理では、燃焼後における気筒11a内の飽和水蒸気量(以下、「筒内飽和水蒸気量」という。)が算出される。なお、閉空間内における飽和水蒸気量は温度上昇と共に上昇する。したがって、気筒11aの筒内凝縮水の発生を予測する際には、凝縮水の最も発生しやすい温度、すなわち、気筒11aの筒内温度が燃焼後において最も低下するときの飽和水蒸気量を求めればよい。そこで、まず燃焼の前後における気筒11aの筒内温度の推移について図面を用いて説明する。
図3は、気筒11aの筒内温度の推移を示すグラフであり、横軸が上死点後クランク角[degATDC]を示し、縦軸が筒内温度を示している。なお、図3のグラフL2は、圧縮工程前の下死点(−180degATDC)から、燃焼工程後の下死点(180degATDC)までの筒内温度の推移を示している。グラフL2に示されるように、圧縮工程において上昇した筒内温度は、圧縮上死点直後における燃料着火によってクランク角θ1において最高温度に達する。その後、筒内温度は、ピストンの降下による筒内容積の増大に伴って徐々に低下していく。ここで、気筒11aの排気バルブはクランク角θ2において開弁される。そのため、クランク角θ2以降においては、筒内温度が更に低下するものの、気筒11a内の排気が排出されるために筒内の水蒸気量も低下する。つまり、排気バルブの開弁開始時点であるクランク角θ2が、燃焼後の全水蒸気が筒内に存在している場合における最も筒内温度が低い時点、すなわち、最も凝縮水が発生しやすい時点となる。そこで、本処理においてはクランク角θ2における筒内飽和水蒸気量を取得する。
なお、クランク角θ2における筒内温度Tevo[°C]に対応する飽和水蒸気量DH2Os[mol/cm^3]は、予めROM101内に用意された数値マップから適宜選択すればよい。そして、クランク角θ2における筒内容積をVevo[cm^3]とすると、クランク角θ2における気筒11aの筒内飽和水蒸気量MH2Os[mol]は、次の式で算出される。
MH2Os = DH2Os * Vevo …(17)
MH2Os = DH2Os * Vevo …(17)
(処理5:筒内凝縮水発生予測処理)
既に述べたように、気筒11a内に存在する水蒸気量が、気筒11a内の飽和水蒸気量以上の場合に筒内凝縮水が発生すると予測される。したがって、本処理では、処理3の式(11)において算出された筒内水蒸気量MH2Oexが、処理4の式(17)において算出された筒内飽和水蒸気量MH2Os以上であるかが判定される。そして、肯定的な判定が下されれば、気筒11aにおいて筒内凝縮水が発生すると判定される。
既に述べたように、気筒11a内に存在する水蒸気量が、気筒11a内の飽和水蒸気量以上の場合に筒内凝縮水が発生すると予測される。したがって、本処理では、処理3の式(11)において算出された筒内水蒸気量MH2Oexが、処理4の式(17)において算出された筒内飽和水蒸気量MH2Os以上であるかが判定される。そして、肯定的な判定が下されれば、気筒11aにおいて筒内凝縮水が発生すると判定される。
なお、制御ルーチンにおいては、この判定をもって、ECU100による筒内凝縮水の発生を抑制する制御(以下、「抑制制御」という。)の実行が決定される。つまり、この判定は、最も筒内凝縮水が発生しやすい気筒についての、最も筒内凝縮水が発生しやすい時点における筒内凝縮水の発生予測であるから、この判定に基づくことによって精度良く抑制制御を実行することが可能になる。
<抑制制御の制御ルーチン>
次に、本実施例における筒内凝縮水発生の抑制制御の制御ルーチンについてフローチャートを用いて説明する。なお、この制御ルーチンは、EGR装置40によるEGRガスの還流中において燃焼サイクル毎に実行される。
次に、本実施例における筒内凝縮水発生の抑制制御の制御ルーチンについてフローチャートを用いて説明する。なお、この制御ルーチンは、EGR装置40によるEGRガスの還流中において燃焼サイクル毎に実行される。
図4は、ECU100によって実行される制御ルーチンを示すフローチャートである。この制御ルーチンが開始されると、まず、ステップS101において、ECU100は、本制御ルーチン実行時に内燃機関10の各気筒11に流入する空気量である筒内吸入空気量Mair[mol]を取得する。Mairは、エアーフローメータ15からの出力値に基づいて求められる。また、本ステップにおいて、上述の方法によって流入する空気の組成も取得される。
次に、ステップS102では、本制御ルーチン実行時に各気筒11に流入するEGRガスの組成が取得される。具体的には、まず、上述のEGRガスの還流遅れ取得処理(処理1)によって、本制御ルーチン実行時に各気筒11に流入するEGRガスの還流遅れ回転数nが取得される。そして、ECU100は、ROM101内に記憶されている、n回転
前の制御ルーチンにおいて予測された燃焼後筒内ガス組成(N2egr(n)、O2egr(n)、CO2egr(n)、H2Oegr(n))を取得する。なお、この筒内ガス組成は、n回転前の制御ルーチンのステップS105において、上述の燃焼後筒内ガス組成予測処理(処理3)によって算出された組成である。
前の制御ルーチンにおいて予測された燃焼後筒内ガス組成(N2egr(n)、O2egr(n)、CO2egr(n)、H2Oegr(n))を取得する。なお、この筒内ガス組成は、n回転前の制御ルーチンのステップS105において、上述の燃焼後筒内ガス組成予測処理(処理3)によって算出された組成である。
次に、ステップS103では、ECU100は、上述の気筒別EGR率取得処理(処理2)によって、本制御ルーチン実行時における各気筒11のEGR率を取得し、その中から最大のEGR率である最大EGR率ρmaxを取得する。
次に、ステップS104では、ECU100は、本制御ルーチン実行時においてEGR率が最大となる気筒11、つまり取得されたρmaxに係る気筒11a内に噴射される燃料噴射量Q[g]を取得する。
次に、ステップS105では、上述の燃焼後筒内ガス組成予測処理(処理3)によって、本制御ルーチン実行時において気筒11aに発生した筒内ガス組成を予測する。すなわち、ステップS101で取得された空気の組成、ステップS102で取得されたEGRガス組成、及び前ステップで取得された燃料量Qに基づいて燃焼後筒内ガス組成が算出される。なお、このステップにおいて算出された、筒内水蒸気量MH2Oexが、後述するステップS108において筒内飽和水蒸気量MH2Osと比較される。また、このようにして取得されたガス組成は、ROM101に記憶され、以降の制御ルーチンのステップS102において、当該制御ルーチン時の還流遅れに応じて読み出される。
次に、ステップS106では、上記の筒内飽和水蒸気量算出処理(処理4)の説明で述べたように、気筒11aの排気バルブの開弁開始時点における筒内温度Tevoが取得される。本実施例においては、筒内温度Tevoは、排気マニホールド31に設けられた排気温度センサ32によって検出された排気温度を用いる。
次に、ステップS107では、ECU100は、ROM101に用意された数値マップを参照して前ステップで取得された筒内温度Tevoに対応する飽和水蒸気量DH2Osを取得する。そして、開弁開始時点における筒内容積Vevoを用いて、式(17)より本制御ルーチン実行時における気筒11aの筒内飽和水蒸気量MH2Osを算出する。
次に、ステップS108では、上述の筒内凝縮水発生予測処理(処理5)によって、気筒11a内における筒内凝縮水の発生予測が実行される。すなわち、ステップS105で取得された筒内水蒸気量MH2Oexが、前ステップで算出された筒内飽和水蒸気量MH2Os以上であるかが判定される。肯定的な判定がなされた場合には、気筒11a内で凝縮水が発生すると予測されて、ステップS109に進んで抑制制御が実行される。一方、否定的な判定がなされた場合には、気筒11a内で凝縮水は発生しないと予測されるため、抑制制御は実行されずに本制御ルーチンは終了する。
なお、ステップS109において実行される筒内凝縮水発生の抑制制御としては、複数の方法が考えられる。例えば、調節弁46を調節してバイパス通路45を流通するEGRガスを増大させることによって、EGRクーラ42によって冷却されるEGRガス量を減少させる。これにより、吸気通路12に還流されるEGRガス温度が上昇して、各気筒11内の燃焼後筒内温度が上昇する。したがって、各気筒11の筒内飽和水蒸気量が上昇して凝縮水の発生が抑制される。また、EGR弁44を調節してEGRガス量を低減させてもよい。これにより、各気筒11内に流入するEGRガス量が減少することによって、各気筒における燃焼後の筒内水蒸気量が減少する。その結果、各気筒11内での凝縮水の発生が抑制される。
なお、本実施例においては、ステップS102でのEGRガス組成の取得時において、EGRガス内の水蒸気のモル比率(H2Oegr(n))を取得するECU100が、本発明における水蒸気比率取得手段に相当する。また、ステップS103において各気筒11のEGR率を取得するECU100が、本発明におけるEGR率取得手段に相当し、ステップS105において筒内水蒸気量MH2Oexを算出するECU100が、本発明における水蒸気量算出手段に相当する。更に、ステップS106において筒内温度Tevoを取得する排気温度センサ32が、本発明における温度取得手段に相当し、ステップS107において筒内飽和水蒸気量MH2Osを算出するECU100が、本発明における飽和水蒸気量算出手段に相当する。
以上のように、この制御ルーチンによれば、最も凝縮水の発生しやすい気筒11aの筒内水蒸気量が、気筒11aの筒内飽和水蒸気量以上の場合に、各気筒11内における凝縮水の発生を抑制する制御が実行される。これにより、内燃機関10の各気筒11内における凝縮水の発生を効果的かつ効率的に抑制することができる。
なお、本実施例に係るEGR装置40は、EGR通路41が排気マニホールド31に接続されていることによって、高温高圧のEGRガスが還流されるいわゆるHPL−EGR装置である。しかしながら、EGR通路41が排気通路30のより下流に接続されることによって、低温低圧のEGRガスが還流されるいわゆるLPL−EGR装置が設置された内燃機関においても、本実施例と同様の手法によって各気筒内における凝縮水の発生を抑制することができる。また、HPL−EGR装置とLPL−EGR装置の双方を備えた内燃機関に関しても同様である。
また、本実施例では、制御ルーチンのS103において選択された最大EGR率ρmaxを有する気筒11aのみについて凝縮水の発生予測が行われるが、全ての気筒11について発生予測を行ってもよい。つまり、内燃機関10が有する全ての気筒11について、筒内水蒸気量と筒内飽和水蒸気量を算出し、何れかの気筒11において、筒内水蒸気量が筒内飽和水蒸気量以上である場合に、凝縮水の発生を抑制する制御を実行するようにしてもよい。
更にまた、本実施例では、制御ルーチンのステップS106において排気温度センサ32によって排気バルブ開弁開始時点の筒内温度Tevoを取得しているが、当該時点において筒内圧力センサ21によって検出される筒内圧力値から筒内温度Tevoを取得してもよい。つまり、検出された筒内圧力値と、当該時点における気筒11の容積Vevo、更に当該時点において気筒11内に存在する気体の総物質量(上述の式(8)〜(11)によって算出された各気体成分の物質量を合算して算出される)を気体の状態方程式に代入すれば、排気バルブ開弁開始時点における筒内温度Tevoを算出することができる。この方法によれば、各気筒11の筒内温度Tevoをより高精度に取得することができるため、筒内水蒸気量や筒内飽和水蒸気量をより精度良く算出することができる。その結果、各気筒11における凝縮水の発生をより精度良く抑制することが可能になる。
[実施例2]
次に、本発明に係る内燃機関の制御装置の他の実施例である実施例2について説明する。実施例2においては、内燃機関10の燃料噴射弁20が、圧縮上死点近傍におけるメイン噴射の前にパイロット噴射を行う場合を前提とする。なお、実施例2は、実施例1によって実行される制御ルーチンにおいて、ステップS103におけるEGR率取得の処理方法が異なるのみである。したがって、以下においてはこれについてのみ説明を行い、実施例1と同一又は同等の構成部分については同一の符号を用いて説明を省略する。
次に、本発明に係る内燃機関の制御装置の他の実施例である実施例2について説明する。実施例2においては、内燃機関10の燃料噴射弁20が、圧縮上死点近傍におけるメイン噴射の前にパイロット噴射を行う場合を前提とする。なお、実施例2は、実施例1によって実行される制御ルーチンにおいて、ステップS103におけるEGR率取得の処理方法が異なるのみである。したがって、以下においてはこれについてのみ説明を行い、実施例1と同一又は同等の構成部分については同一の符号を用いて説明を省略する。
実施例2におけるEGR率の取得方法においては、燃料噴射弁20によって実行される
パイロット噴射によって噴射された燃料の着火時期(パイロット着火遅れ)に基づいて各気筒11のEGR率が算出される。なお、パイロット噴射とは、燃焼に供される燃料の大部分が噴射される圧縮上死点近傍におけるメイン噴射の前に実行される噴射であって、より少ない量の燃料が噴射される。以下、このパイロット噴射について図面を用いて説明する。
パイロット噴射によって噴射された燃料の着火時期(パイロット着火遅れ)に基づいて各気筒11のEGR率が算出される。なお、パイロット噴射とは、燃焼に供される燃料の大部分が噴射される圧縮上死点近傍におけるメイン噴射の前に実行される噴射であって、より少ない量の燃料が噴射される。以下、このパイロット噴射について図面を用いて説明する。
図5は、燃料噴射弁20によって実行されるパイロット噴射を説明する図であり、(a)は燃料噴射パルスの出力時期と熱発生率との関係を示すグラフ、(b)はパイロット着火遅れと気筒11内の吸気酸素濃度との関係を示すグラフである。
図5(a)は、クランク角θ3とθ4においてパイロット噴射が実行された後にクランク角θ6でメイン噴射が実行された場合における、燃料噴射弁20に入力される噴射パルスと噴射された燃料の熱発生率[J/deg]の推移(グラフL3)を示している。なお、燃料噴射の実行時期と噴射パルスの入力時期は等しいと考えてよい。グラフL3に示されるように、クランク角θ3において1回目のパイロット噴射が実行されて気筒11内に燃料が供給されると、クランク角θ5から熱発生率が急激に上昇し始める。このことは、1回目のパイロット噴射によって噴射された燃料がクランク角θ5において着火(パイロット着火)されたことを意味する。ここで、パイロット噴射からパイロット着火までの期間であるθ5−θ3[deg]をパイロット着火遅れと定義すると、パイロット着火遅れと燃焼前における気筒11内の吸気酸素濃度との間には、図5(b)のグラフL4で示されるような関係が成立する。つまり、グラフL4で示される関係を予め求めておけば、気筒11内で発生する燃焼のパイロット着火遅れに基づいて、当該気筒11内に吸入された吸気の酸素濃度を決定することができる。なお、パイロット着火時点であるクランク角θ5においては筒内圧力も急激に上昇する。したがって、筒内圧力センサ21によってこの急激な筒内圧力上昇を検出することによって、パイロット着火時期を検出することができる。そして、この検出時期においてクランクセンサ22によって検出されたクランク角をθ5とすれば、パイロット着火遅れを算出することができる。
そして、制御ルーチンのステップS103におけるEGR率の取得は次のように実行する。例えば、直前の燃焼サイクルにおけるパイロット着火遅れから決定された筒内酸素濃度と、制御ルーチンのステップS101において取得された筒内吸入空気量Mairと流入する空気の組成、及びステップS102において取得されたEGRガス組成より、今回の制御ルーチンの燃焼サイクルにおいて各気筒11に流入したEGRガス量Megrが求められる。すると、上述の式(1)を変形した次の式より、各気筒11のEGR率ρを求めることができる。
ρ= Megr / (Mair + Megr) …(18)
ρ= Megr / (Mair + Megr) …(18)
なお、最大EGR率ρmaxが必要な場合は、このようにして取得された各気筒11のEGR率の中から最も大きい値を選択すればよい。
本実施例によれば、内燃機関10の燃焼噴射弁20がパイロット噴射を実行する場合において、ECU100が、筒内圧力センサ21によって検出されたパイロット着火時期に基づいて、各気筒11のEGR率を取得する。これにより、各気筒11間や各燃料噴射弁20間の個体差に影響されずに、精度良く各気筒11のEGR率を取得することできる。したがって、本実施例によれば、筒内水蒸気量や筒内飽和水蒸気量をより精度よく算出して、高精度な筒内凝縮水の発生予測を行うことができる。その結果、内燃機関10の各気筒11における凝縮水の発生をより高精度に抑制することが可能になる。
10 内燃機関
11 燃焼室
12 吸気通路
20 燃料噴射弁
31 排気間にホールド
40 EGR装置
41 EGR通路
100 ECU
11 燃焼室
12 吸気通路
20 燃料噴射弁
31 排気間にホールド
40 EGR装置
41 EGR通路
100 ECU
Claims (4)
- 複数の気筒と、排気通路を流通する排気の一部を吸気通路へEGRガスとして還流させるEGR通路とを有する内燃機関の制御装置であって、
前記EGRガス内の水蒸気比率を取得する水蒸気比率取得手段と、
前記複数の気筒の各気筒について、流入する吸気に対する前記EGRガスの比率であるEGR率を取得するEGR率取得手段と、
前記水蒸気比率と前記各気筒のEGR率に基づいて前記各気筒内の水蒸気量を算出する水蒸気量算出手段と、
前記各気筒内の温度を取得する温度取得手段と、
前記各気筒内の温度に基づいて前記各気筒内の飽和水蒸気量を算出する飽和水蒸気量算出手段と、
を備え、
前記水蒸気量算出手段によって算出された前記各気筒の何れかの気筒内の水蒸気量が、前記飽和水蒸気量算出手段によって算出された当該気筒内の飽和水蒸気量以上の場合に、前記各気筒内における凝縮水の発生を抑制する制御を実行することを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記水蒸気量算出手段は、前記各気筒の中の前記EGR率が最大となる気筒内の水蒸気量を算出し、当該水蒸気量が前記飽和水蒸気量算出手段によって算出された当該気筒内の飽和水蒸気量以上の場合に、前記各気筒内における凝縮水の発生を抑制する制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記温度取得手段は、前記各気筒に設けられた筒内圧力センサによって検出された筒内圧力値に基づいて、前記各気筒内の温度を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記内燃機関は、前記各気筒に設けられた燃料噴射弁によって、圧縮上死点近傍におけるメイン噴射の前にパイロット噴射を行うものであって、
前記EGR率取得手段は、前記筒内圧力センサによって検出された、前記パイロット噴射によって噴射された燃料の着火時期に基づいて、前記EGR率を取得することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2012258026A JP2014105608A (ja) | 2012-11-26 | 2012-11-26 | 内燃機関の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014105608A true JP2014105608A (ja) | 2014-06-09 |
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ID=51027335
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Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP2014105608A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018159295A (ja) * | 2017-03-22 | 2018-10-11 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
| JP2022120376A (ja) * | 2021-02-05 | 2022-08-18 | 株式会社豊田自動織機 | 凝縮水量推定装置 |
-
2012
- 2012-11-26 JP JP2012258026A patent/JP2014105608A/ja active Pending
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| JP2022120376A (ja) * | 2021-02-05 | 2022-08-18 | 株式会社豊田自動織機 | 凝縮水量推定装置 |
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