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JP2014192114A - 超電導ケーブル - Google Patents

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JP2014192114A JP2013068720A JP2013068720A JP2014192114A JP 2014192114 A JP2014192114 A JP 2014192114A JP 2013068720 A JP2013068720 A JP 2013068720A JP 2013068720 A JP2013068720 A JP 2013068720A JP 2014192114 A JP2014192114 A JP 2014192114A
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Masayoshi Oya
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

【課題】1kHz以上の高周波送電を行なうことができる超電導ケーブルを提供する。
【解決手段】フォーマと、フォーマの外周に薄膜超電導線材120を巻回してなる超電導導体層と、超電導導体層の外周に形成される電気絶縁層と、薄膜超電導線材120を電気絶縁層上に巻回してなるシールド層と、を備え、1kHz以上の高周波送電に利用され、かつβ≦10×αとなる超電導ケーブルである。ここで、上記α(単位は、W/m)は、条件I(周波数=10kHz、通電電流の実効値=2kArms)の高周波送電における超電導導体層に含まれる超電導相123の交流損失と、シールド層に含まれる超電導相123の交流損失の合計である。また、上記β(単位は、W/m)は、上記条件Iの高周波送電における超電導導体層に含まれる線材保護層125の渦電流損失と、シールド層に含まれる線材保護層125の渦電流損失の合計である。
【選択図】図2

Description

本発明は、1kHz以上の高周波送電に利用される超電導ケーブルに関するものである。
鋼の改質(例えば、高周波熱練)などに、1kHz(1000Hz)以上の高周波の電力が用いられることがある。例えば、特許文献1には、鋼の熱間鍛造にあたり、3kHzの周波数、443kW(443000W)の電力、667Vの電圧で高周波誘導加熱装置を用いる技術が開示されている。このような高周波誘導加熱装置を使用する場合、50Hzまたは60Hzの商用周波数の電力を工場内の変換設備で1kHz以上の高周波の電力に変換し、その高周波の電力を常電導ブスバーなどで高周波誘導加熱装置に送電している。
特開2003−138315号公報
高周波・大電流での送電には、常電導ブスバーの交流抵抗が大きくなり、送電ロスが非常に大きくなるという問題がある。この送電ロスを低減するためには、常電導ブスバーを非常に大きくしなければならない。特に、動作させる装置によっては、周波数が1kHz以上、通電電流の実効値が1kArms(rms;root mean square value)以上の高周波・大電流の電力が使用されることもある。そのため、工場内における短距離であっても送電ロスが無視できない。ここで、常電導ブスバーよりも送電ロスが少ないとされる超電導ケーブルが知られており、その超電導ケーブルを高周波・大電流での送電に利用することで上記送電ロスを低減できることが期待される。しかし、実際に1kHz以上の高周波での送電に超電導ケーブルを適用することが検討されたことはない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、1kHz以上の高周波送電を行なうことができる超電導ケーブルを提供することにある。
超電導ケーブルは、50〜60Hzの商用周波数での長距離送電における送電ロスを如何にカットするかということに主眼を置いて開発された経緯がある。そのため、高周波での短距離送電に超電導ケーブルを適用するという発想がなく、また適用に際して何が問題となるかも検討されていなかった。そこで、本発明者が超電導ケーブルを用いた1kHz以上の高周波送電をシミュレートしたところ、超電導ケーブルの送電ロスの方が常電導ブスバーの送電ロスよりも大きくなる場合があることが判った。そして本発明者はその原因として、超電導ケーブルの超電導導体およびシールド層に用いられる超電導線材に含まれる常電導部分に生じる渦電流損失が問題であることを見出した。超電導線材としては、Agなどの安定化材中に超電導相のフィラメントが埋設された超電導線材(以下、フィラメント型超電導線材)と、基材上に超電導相とAgなどの安定化層とを成膜した超電導線材(以下、薄膜超電導線材)と、が挙げられる。安定化材(安定化層)は、超電導相が超電導状態を維持できなくなったときに電流の迂回路となるものであり、通常、良導電性であることが求められる。しかし、高周波送電においては、安定化層が良導電性であることが逆に渦電流損失の増大を助長することが判った。
発明者は次に、渦電流損失を低減できる余地があるか否かという観点からフィラメント型超電導線材と薄膜超電導線材の構成を再検討した。フィラメント型超電導線材は、主としてチューブインパウダー法と呼ばれる方法で作製されている。当該方法では、超電導相となる粉末を内部に充填したAg製パイプを複数本用意し、それらを大径のAg製パイプ内に配置して延伸・熱処理することでフィラメント型超電導線材を作製している。つまり、フィラメント型超電導線材では、超電導相のフィラメント以外の部分はAgで構成されることになるため、フィラメント型には渦電流損失を低減できる余地がない。一方、薄膜超電導線材は、基材上に薄膜の超電導相とAgの安定化層を積層し、その外周を線材保護層で覆っている。線材保護層は、超電導相を保護すると共に、事故電流のバイパス層としての役割を持つことが期待されているため、通常、良導電性の材料で構成されている。しかし、本発明者の検討の結果、工場内での高周波・大電流送電においては過大な事故電流が流れることがないため、線材保護層にバイパス層としての役割を積極的に持たせる必要はないことが判った。以上の知見に基づいて本発明を以下に規定する。
本発明の超電導ケーブルは、フォーマと、フォーマの外周に下記構成を備える薄膜超電導線材を巻回してなる超電導導体層と、超電導導体層の外周に形成される電気絶縁層と、下記構成を備える薄膜超電導線材を電気絶縁層上に巻回してなるシールド層と、を備え、1kHz以上の高周波送電に利用され、かつβ≦10×αとなる超電導ケーブルである。
『薄膜超電導線材』…基材、酸化物の超電導相、及び常電導の安定化層の積層体と、この積層体の外周を前記安定化層よりも低導電性の材料で覆う線材保護層と、を備える薄膜超電導線材。
『α』…下記条件Iの高周波送電における超電導導体層に含まれる超電導相の交流損失と、シールド層に含まれる超電導相の交流損失の合計(単位は、W/m)。
『β』…下記条件Iの高周波送電における超電導導体層に含まれる線材保護層の渦電流損失と、シールド層に含まれる線材保護層の渦電流損失の合計(単位は、W/m)。
『条件I』…周波数10kHz(10×10Hz)、通電電流の実効値2kArms(2×10Arms)。
上記本発明の超電導ケーブルによれば、常電導ブスバーよりも少ない送電ロスで1kHz以上の高周波送電を行なうことができる。
実施形態1に係る超電導ケーブルの概略構成を示す斜視図である。 薄膜超電導線材の概略構成を示す断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施形態の超電導ケーブルは、フォーマと、フォーマの外周に下記構成を備える薄膜超電導線材を巻回してなる超電導導体層と、超電導導体層の外周に形成される電気絶縁層と、下記構成を備える薄膜超電導線材を電気絶縁層上に巻回してなるシールド層と、を備え、1kHz以上の高周波送電に利用され、かつβ≦10×αとなる超電導ケーブルである。
『薄膜超電導線材』…基材、酸化物の超電導相、及び常電導の安定化層の積層体と、この積層体の外周を前記安定化層よりも低導電性の材料で覆う線材保護層と、を備える薄膜超電導線材。
『α』…下記条件Iの高周波送電における超電導導体層に含まれる超電導相の交流損失と、シールド層に含まれる超電導相の交流損失の合計(単位は、W/m)。
『β』…下記条件Iの高周波送電における超電導導体層に含まれる線材保護層の渦電流損失と、シールド層に含まれる線材保護層の渦電流損失の合計(単位は、W/m)。
『条件I』…周波数10kHz(10×10Hz)、通電電流の実効値2kArms(2×10Arms)。
上記条件Iの高周波・大電流送電を行なったときの渦電流損失βが交流損失αの1000%以下であれば、その超電導ケーブルの送電ロスは、同じ送電条件下の常電導ブスバーの送電ロスに比べて十分に小さい。渦電流損失βは、より好ましくは交流損失αの100%以下、さらに好ましくは10%以下、最も好ましくは1%以下である。
(2)本発明の実施形態の超電導ケーブルとして、β≦0.1×αとなる形態を挙げることができる。
上記条件Iの高周波送電を行なったときの渦電流損失βが交流損失αの10%以下であれば、その超電導ケーブルの送電ロスが、同じ送電条件下の常電導ブスバーの送電ロスに比べて極めて小さいと言える。既に述べたように、渦電流損失βが交流損失αの1%以下であることが最も好ましい。
(3)本発明の実施形態の超電導ケーブルとして、薄膜超電導線材に備わる線材保護層の厚さが20μm以下である形態を挙げることができる。
線材保護層の厚さが20μm以下であれば、線材保護層に渦電流が流れ難くなるため、線材保護層における渦電流損失を低減することができる。
(4)本発明の実施形態の超電導ケーブルとして、超電導相を超電導状態に維持する冷媒温度における線材保護層の導電率が100MS/m(100×10S/m)以下である形態を挙げることができる。
線材保護層の導電率が100MS/m以下であれば、線材保護層に渦電流が流れ難くなるため、線材保護層における渦電流損失を低減することができる。例えば、超電導ケーブルの冷媒として代表的な液体窒素の温度(約77K)におけるステンレスの導電率は、約2MS/mである。なお、液体窒素の温度におけるCuの導電率は、約500MS/mである。
(5)本発明の実施形態の超電導ケーブルとして、薄膜超電導線材に備わる基材の厚さが100μm以下である形態を挙げることができる。
基材の厚さが100μm以下であれば、基材に磁場が作用したときの基材における渦電流損失を低減することができる。
(6)本発明の実施形態の超電導ケーブルとして、超電導導体層を構成する薄膜超電導線材は、基材側の面を超電導ケーブルの径方向内方に向けた状態でフォーマ上に巻回されており、シールド層を構成する薄膜超電導線材は、基材側の面を超電導ケーブルの径方向外方に向けた状態で電気絶縁層上に巻回されている形態を挙げることができる。
超電導導体層と、その超電導導体よりも超電導ケーブルの径方向外方に位置するシールド層と、を備える超電導ケーブルでは、超電導導体層の超電導相とシールド層の超電導相との間に磁場が形成される。そのため、超電導導体層を構成する薄膜超電導線材の基材を超電導ケーブルの径方向内方に向けた状態としておくことで、当該基材に磁場が作用することを回避でき、基材における渦電流損失の発生を抑制することができる。同様に、シールド層を構成する薄膜超電導線材の基材を超電導ケーブルの径方向外方に向けた状態としておくことで、当該基材に磁場が作用することを回避でき、基材における渦電流損失の発生を抑制することができる。
なお、超電導導体層が薄膜超電導線材を多層に巻回して構成される場合、最内層(一層目)の薄膜超電導線材の基材に磁場は作用しないが、最内層よりも外側の薄膜超電導線材の基材には磁場が作用する。同様に、シールド層が薄膜超電導線材を多層に巻回して構成される場合、最外層の薄膜超電導線材の基板に磁場は作用しないが、最外層よりも内側の薄膜超電導線材の基材には磁場が作用する。
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係る超電導ケーブルの具体例を図面に基づいて説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内の全ての変更が含まれることを意図する。
<実施形態1>
≪全体構成≫
図1に示す本実施形態の超電導ケーブル1は、工場内といったごく短距離(例えば、100m以下)を、1kHz以上の高周波で送電する際に用いられるものである。本例に示す超電導ケーブル1は、複数心(ここでは三心)のケーブルコア10が撚り合わされて一つの断熱管20に収納された超電導ケーブル、いわゆる多心一括型の超電導ケーブルである。もちろん、超電導ケーブル1のケーブルコア10は、単心、二心、四心以上であっても構わない。この超電導ケーブル1の特徴とするところは、ケーブルコア10に含まれる超電導導体層12およびシールド層14が共に、薄膜超電導線材120で構成されており、1kHz以上の高周波送電に利用可能なことである。以下、各構成をより詳細に説明する。
≪断熱管≫
断熱管20は、内管21と外管22とからなる二重構造管であり、内管21と外管22との間が真空引きされた真空断熱構造である。内管21内には、液体窒素といった冷媒が充填され、この冷媒によりケーブルコア10が冷却されて、超電導状態に維持される。内管21と外管22との間には、スーパーインシュレーションといった断熱材23や、両管21,22の間隔を保持するスペーサ(図示せず)が配置される。外管22の外周には、ポリ塩化ビニルといった耐食性に優れる材料でできた防食層24が形成されている。
≪ケーブルコア≫
各ケーブルコア10は、中心から順にフォーマ11、超電導導体層12、電気絶縁層13、シールド層14、コア保護層15を備える。
(フォーマ)
フォーマ11は、超電導導体層12の支持体として機能する他、超電導ケーブル1では、短絡や地絡などの異常時に生じる大きな電流を分流するための流路に利用される。フォーマ11には、銅やアルミニウムなどの常電導材料で形成された中実体や中空体(管体)を利用することができる。ここで、図1に示されるフォーマ11は、ポリ塩化ビニル(PVC)やエナメルなどの絶縁被覆を備える銅線を複数本撚り合わせて構成された中実体としている。撚り線構造であることで、曲げ特性に優れ、超電導ケーブル1を交流送電に利用する場合、渦電流損を低減できる。
上記フォーマ11の外周にクッション層を設けてもよい。クッション層は、例えば、クラフト紙といった絶縁紙や、クラフト紙とプラスチックとを複合した半合成絶縁紙(例えば、PPLP(住友電気工業株式会社 登録商標))からなる絶縁性テープの巻回により形成できる。クッション層を備えることで、超電導導体層12を形成し易い上に、フォーマ11を構成する銅線による超電導導体層12の損傷を防止できる。
(超電導導体層、シールド層)
超電導導体層12及びシールド層14は、薄膜超電導線材120を単層又は多層に螺旋状に巻回することで構成される。図1に示す超電導導体層12及びシールド層14はいずれも、薄膜超電導線材120を螺旋状に巻回して形成された超電導線材層が多層に積層された多層構造となっている(超電導導体層12:4層、シールド層14:3層)。各超電導線材層の層間には、クラフト紙などの絶縁紙を巻回した層間絶縁層120iが形成されている。超電導導体層12及びシールド層14のいずれも、薄膜超電導線材120からなる部分に加えて層間絶縁層120iを含むことを許容する。
超電導導体層12を構成する超電導線材の数や超電導線材層の数は、所望の設定電流値(電流容量)に応じて選択できる。また、シールド層14を構成する超電導線材の数や超電導線材層の数は、上記超電導導体層12に応じて適宜選択できる。
〔薄膜超電導線材〕
超電導導体層12とシールド層14に用いられる薄膜超電導線材120は、図2に示すように、基材121、中間層122、超電導相123、安定化層124、および線材保護層125を備える。
まず、薄膜超電導線材120の導電路となる超電導相123は、例えば冷媒として液体窒素を使用可能な酸化物の高温超電導体である。具体的には、Y,Ho(ホルミウム),Gd(ガドリニウム)といった希土類元素を含むRE系酸化物を超電導相123に利用可能である。RE系酸化物超電導相は、RE123とよばれる(RE)BaCuが代表的であり、具体的な組成は、YBCO,HoBCO,GdBCOが挙げられる。その他、Bi2223といったBi(ビスマス)を含む酸化物を超電導層123に利用することもできる。
超電導相123の厚さは、超電導ケーブル1に要求される電流容量に応じて適宜選択することができる。例えば、超電導相123の厚さを1μm以上とすることが挙げられる。一方、超電導相123は脆いため、あまり超電導相123を厚くすると、超電導相123に割れが生じる場合がある。そこで、超電導相123の厚さは、5μm以下とすることが好ましい。
基材121は、金属材料からなるものが代表的である。例えば、磁性材料、とりわけ強磁性体からなる磁性基材を利用することができる。磁性基材は、後述するRE系酸化物超電導相の配向性に優れ、当該超電導相を成膜し易く、薄膜超電導線材の製造性に優れる。強磁性体は、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、Ni−W合金といったニッケル合金、珪素鋼、パーマロイ、フェライト、強磁性ステンレス(例えば、SUS430)といった鉄含有物などが挙げられる。その他、基材121の構成材料には、ハステロイ(登録商標)といった非磁性材料を利用することもできる。非磁性材料は、基材121における渦電流の発生を抑制することができるため、好ましい。
基材121の厚さは、50μm〜100μmとすることが好ましい。基材121の厚さを50μm以上とすることで、薄膜超電導線材120の強度を確保することができる。また、基材の厚さを100μm以下とすることで、基材121における渦電流損失を低減することができる。渦電流損失の低減の観点から、基材121の厚さは、100μm以下が好ましい。
中間層122は、基材121上に超電導相123を成膜する際、超電導相123の結晶配向性を調整するための層である。また、基材121に含まれる元素が超電導相123に拡散し、超電導相123が劣化することを防止するための層でもある。この中間層122の材質としては、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、MgO、あるいはCeOといった酸化物からなる絶縁体を用いることができる。中間層122は多層構造となっていても良く、例えば、CeO−YSZ−CeOからなる三層構造の中間層122とすることが挙げられる。
中間層122の厚さは、10〜2000nmとすることが好ましい。中間層122を多層構造とする場合、各層の厚さは1〜1000nmとし、全層の合計厚さが50〜2000nmとなるようにすると良い。
安定化層124は、超電導相123が他の部材と反応して超電導特性を示さなくなることを防ぐための層である。この安定化層124の材質としては、例えばAg、Pt、Au、あるいはそれらの合金を挙げることができる。コストに鑑み、安定化層124はAgで構成することが好ましい。
図2に例示する安定化層124は、基材121・中間層122・超電導相123の積層体の外周全体を覆っている。安定化層124の役割を考慮すれば、安定化層124は、少なくとも超電導相123の上面(紙面上側の面)に形成されていれば良い。
安定化層124の厚さは、1μm〜20μmとすることが好ましい。安定化層124の厚さを1μm以上とすることで、安定化層124に超電導相123を安定化する機能を十分に持たせることができる。一方、安定化層124の厚さを20μm以下とすることで、安定化層124における渦電流損失の量を低く抑えることができる。
線材保護層125は、線材保護層125よりも内側に配置される構成、特に超電導相1を保護する機能を持った層である。ここで、商用周波数で使用される従来の超電導ケーブルに用いられる薄膜超電導線材の線材保護層には、超電導相を保護する機能に加え、事故電流が流れた際のバイパス層としての機能を持たせるという技術思想がある。これに対して高周波で使用される本発明の超電導ケーブル1では、線材保護層125に事故電流のバイパス層としての機能を積極的に求めない構成、即ち線材保護層125に渦電流が流れ難い構成を採用する。そうすることで、線材保護層125における渦電流損失を低減し、超電導ケーブル1の送電ロスを低減する。
線材保護層125に渦電流が流れ難くするには、上述した安定化層124よりも低導電性の材質で線材保護層125を構成すれば良い。例えば、ガラス繊維などの非導電材、ステンレスや、Cu−Ni合金などの低導電材が線材保護層125として好適である。また、線材保護層125に渦電流が流れ難くするには、線材保護層125を薄くすることも有効である。
線材保護層125は、その材質がメッキ可能なもの(例えば、Cu−Ni合金など)であればメッキを用いて形成することが好ましい。ステンレスやガラス繊維などのメッキに不向きな材質で線材保護層125を形成する場合、その材質からなるテープ材を積層体(基材121・中間層122・超電導相123)の外周に貼り付けることで、線材保護層125を形成すれば良い。なお、貼り付けには半田を用いることができる。
線材保護層125の導電性は、500MS/m以下とすることが好ましく、より好ましくは200MS/m以下、100MS/m以下、10MS/m以下、5MS/m以下である。一方、線材保護層125の厚さは、100μm以下とすることが好ましく、より好ましくは50μm以下、20μm以下、10μm以下、5μm以下である。なお、線材保護層125で超電導相123を確実に保護するために、線材保護層125の厚さは1μm以上とすることが好ましい。
上記範囲で線材保護層125の導電率を高めに設定するのであれば、線材保護層125の厚さを薄くすることで、線材保護層125における渦電流損失を低く抑えることができる。また、上記範囲で線材保護層125の導電率を低めに設定するのであれば、超電導相123を保護する機能を向上させるために線材保護層125の厚さを厚くしても、線材保護層125における渦電流損失が大きくなり難い。
(電気絶縁層)
電気絶縁層13は、上記超電導導体層12の上に、上述したクラフト紙や半合成絶縁紙などの絶縁性テープを巻回することで形成される。超電導導体層12の直上に、カーボン紙や金属化紙などを巻回して内側半導電層を設けたり、上記絶縁性テープの巻回層の直上に、カーボン紙や金属化紙などを巻回して外側半導電層を設けたりすることができる。電気絶縁層13は、上記半導電層を備える形態とすることができる。
(コア保護層)
コア保護層15は、シールド層14の外周に設けられ、シールド層14を機械的に保護する層である。コア保護層15は、上述したクラフト紙や半合成絶縁紙、布テープなどの絶縁性テープを巻回することで形成することができる。
≪シミュレーション例≫
超電導ケーブル1を用いて、1kHz以上の高周波送電を行なったときの超電導相123の交流損失と線材保護層125の渦電流損失をシミュレーションにより求めた。このシミュレーションの対象とした超電導ケーブル1の仕様を表1に示す。
Figure 2014192114
表1に示す超電導ケーブル1では、超電導導体層12およびシールド層14の積層数はそれぞれ一層としている。超電導導体層12を構成する薄膜超電導線材120はその基材121側の面を径方向内方(フォーマ11)側に向けた状態で巻回され、シールド層14を構成する薄膜超電導線材120はその基材121側の面を径方向外方に向けた状態で巻回されているものとする。
また、超電導線材120の線材保護層125の導電率は1000MS/mとする。この導電率は、液体窒素の温度(約77K)におけるAgの導電率(約500MS/m)を上回る値である。
さらに、薄膜超電導線材120の線材保護層125の厚さは100μmとする。表1に示す薄膜超電導線材120の幅および厚さはそれぞれ、2.2mmおよび0.33mmであるから、線材保護層125を除く部分(基材121、中間層122、超電導相123、および安定化層124からなる積層体)の幅および厚さはそれぞれ、2.0mmおよび0.13mmである。
このシミュレーションでは、周波数fを10kHz(10000Hz)、角速度ωを62832rad/s、通電電流の実効値Iopは2000A(通電電流のピーク値Ipは2828A)の高周波電流を通電した場合を想定した。そして、この通電条件から超電導導体層12およびシールド層14に作用する磁場の強さを算出し、その算出結果を含む情報に基づいて超電導導体層12における超電導相123の交流損失とシールド層14における超電導相123の交流損失を求めた。その結果、超電導導体層12における超電導相123の交流損失は1.27W/m、シールド層14における超電導層123の交流損失は1.19W/mであった。つまり、超電導ケーブル1に含まれる超電導相123全体の交流損失(αW/m)は2.46W/mであった。
さらに、磁場の強さなどの情報に基づいて超電導導体層12における線材保護層125の渦電流損失と、シールド層14における線材保護層125の渦電流損失を求めたところ、前者が24.51W/m、後者が23.64W/mであった。つまり、超電導ケーブル1に含まれる線材保護層125全体の渦電流損失(βW/m)は48.15W/mであった。
以上の結果から、1kHz以上の高周波送電において、薄膜超電導線材120の線材保護層125の導電率が、安定化層124の導電率(Agの導電率)を上回っていた場合には、線材保護層125全体の渦電流損失(βW/m=48.15W/m)が超電導相123の交流損失(αW/m=2.46W/m)の10倍超(約19.5倍)となること、即ちβ>10×αとなることが判った。この場合の超電導ケーブル1の送電ロスは、冷却システムの効率を0.06とすると、超電導ケーブル1と同一規模の高周波送電を行なう常電導ブスバーの送電ロスよりも大きい。因みに、交流損失と渦電流損失の和が約35W/mのときの超電導ケーブル1の送電ロスが、同一規模の常電導ブスバーの送電ロスとほぼ同等となる。
以上の結果を受け、線材保護層125の導電率と厚さを変化させたときの超電導ケーブル1に含まれる超電導相123全体の交流損失と、超電導ケーブル1に含まれる線材保護層125全体の渦電流損失を算出した。交流損失を表2に、渦電流損失を表3に示す。
Figure 2014192114
Figure 2014192114
表2,3の結果から、線材保護層125の導電率を低く抑えること、および線材保護層125の厚さを薄くすることは共に、線材保護層125における渦電流損失の低減に寄与することが判った。なお、表2において線材保護層125の厚さを薄くするほど交流損失が低下するのは、線材保護層125の厚さの分だけ薄膜超電導線材120の幅および厚みが変化するためである。また、表3の『0.00』は、『0.005』未満の小さな値であり、『0』ではない。
これら導電率と厚さを相互に規定すれば、超電導ケーブル1に含まれる線材保護層125の渦電流損失を、超電導ケーブル1に含まれる超電導相123の交流損失の1/10以下にすることもできる。具体的には、線材保護層125の導電率をγMS/m、線材保護層125の厚さをδμmとしたとき、以下の関係を満たす場合、線材保護層125の渦電流損失(βW/m;表3参照)が、超電導相123の交流損失(αW/m;表2参照)の1/10以下となること、即ちβ≦0.1×αとなることが判った。このような超電導ケーブル1の送電ロスは、同一規模の高周波送電を行なう常電導ブスバーの送電ロスに比べて極めて小さい。
γが500MS/m以下の場合、δは10μm以下
γが100MS/m以下の場合、δは20μm以下
γが50MS/m以下の場合、δは30μm以下
γが20MS/m以下の場合、δは50μm以下
γが10MS/m以下の場合、δは70μm以下
γが5MS/m以下の場合、δは90μm以下
γが2MS/m以下の場合、δは100μm以下
上記線材保護層125の導電率と厚さの関係に基づいて、線材保護層125の渦電流損失(βW/m)を、超電導相123の交流損失(αW/m)の1/10以下とすることができる線材保護層125の導電率と厚さの関係を数式で表すと下記の式(1)、あるいは式(2)に示すようになる。この数式を満たす線材保護層125であれば、送電ロスが極めて少ない超電導ケーブル1とすることができる。
式(1)…Y≦185×X−0.39
式(2)…Y≦209×X−0.52
;X=線材保護層の導電率(MS/m)、Y=線材保護層の厚さ(μm)
なお、式(1)は、次のようにして求めた。まず、線材保護層125の導電率(MS/m)を横軸とし、線材保護層125の厚さ(μm)を縦軸とし、表2,3を参照して、β>0.1×αとなる線材保護層125の最小厚さをグラフ上にプロットした。そして、そのプロットの近似線をコンピュータにより求めた。その近似線を式化したものが上記数式(1)である。一方、式(2)は、表2,3を参照して、β≦0.1×αとなる線材保護層125の最大厚さの近似線を式化したものである。
本発明の超電導ケーブルは、1kHz以上の高周波通電に好適に利用することができる。例えば、本発明の超電導ケーブルは、高周波加熱装置の電源ケーブルとして好適に利用できる。
1 超電導ケーブル
10 ケーブルコア 11 フォーマ 12 超電導導体層 13 電気絶縁層
14 シールド層 15 コア保護層
20 断熱管 21 内管 22 外管 23 断熱材 24 防食層
120 薄膜超電導線材 120i 層間絶縁層
121 基材 122 中間層 123 超電導相
124 安定化層 125 線材保護層

Claims (6)

  1. フォーマと、
    基材、酸化物の超電導相、及び常電導の安定化層の積層体と、この積層体の外周を前記安定化層よりも低導電性の材料で覆う線材保護層と、を備える薄膜超電導線材を、前記フォーマの外周に巻回してなる超電導導体層と、
    前記超電導導体層の外周に形成される電気絶縁層と、
    前記構成を備える薄膜超電導線材を、前記電気絶縁層上に巻回してなるシールド層と、を備え、
    1kHz以上の高周波送電に利用され、かつ
    下記条件Iの高周波送電における前記超電導導体層に含まれる前記超電導相の交流損失と、前記シールド層に含まれる前記超電導相の交流損失の合計をαW/m、下記条件Iの高周波送電における前記超電導導体層に含まれる前記線材保護層の渦電流損失と、前記シールド層に含まれる前記線材保護層の渦電流損失の合計をβW/mとしたとき、β≦10×αとなる超電導ケーブル。
    条件I;周波数=10kHz、通電電流の実効値=2kArms。
  2. β≦0.1×αとなる請求項1に記載の超電導ケーブル。
  3. 前記線材保護層の厚さが20μm以下である請求項1または2に記載の超電導ケーブル。
  4. 前記超電導相を超電導状態に維持する冷媒温度における前記線材保護層の導電率が100MS/m以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
  5. 前記基材の厚さが100μm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
  6. 前記超電導導体層を構成する前記薄膜超電導線材は、前記基材側の面を超電導ケーブルの径方向内方に向けた状態で前記フォーマ上に巻回されており、
    前記シールド層を構成する前記薄膜超電導線材は、前記基材側の面を超電導ケーブルの径方向外方に向けた状態で前記電気絶縁層上に巻回されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の超電導ケーブル。
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