JP2014178058A - 複合施設空調システムの制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空調システムの負荷パターンに応じ、コストを最小化できる最適な送水温度を決定する。
【解決手段】熱源とポンプを含む熱源設備から配管を介して複数の空調機に熱媒を供給するとともに、熱交換器を含む複合施設空調システムの制御装置であって、空調機の二次側流体の熱需要と、熱源が与える熱媒の熱媒状態から、熱媒需要量を推定する熱媒需要量推定手段と、熱媒需要量から、ポンプの使用エネルギーを推定する配管負荷推定手段と、熱源の使用エネルギーを推定する熱源負荷推定手段と、熱媒状態について複数の値を熱媒需要推定手段と熱源負荷推定手段に与え、複数のポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーを求める熱媒状態設定手段と、熱媒状態設定値ごとに求めた、ポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーの和を最小とする熱源状態を決定する最適点決定手段からなり、熱源機器を制御する。
【選択図】図1
【解決手段】熱源とポンプを含む熱源設備から配管を介して複数の空調機に熱媒を供給するとともに、熱交換器を含む複合施設空調システムの制御装置であって、空調機の二次側流体の熱需要と、熱源が与える熱媒の熱媒状態から、熱媒需要量を推定する熱媒需要量推定手段と、熱媒需要量から、ポンプの使用エネルギーを推定する配管負荷推定手段と、熱源の使用エネルギーを推定する熱源負荷推定手段と、熱媒状態について複数の値を熱媒需要推定手段と熱源負荷推定手段に与え、複数のポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーを求める熱媒状態設定手段と、熱媒状態設定値ごとに求めた、ポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーの和を最小とする熱源状態を決定する最適点決定手段からなり、熱源機器を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、大規模ショッピングモールや空港ターミナル、地域冷暖房システムなどの複合的な施設の空調システムの制御装置および制御方法に関する。
複合的な施設の空調システムに係る本技術分野の背景技術として、特許文献1がある。
特許文献1には、「熱源機器制御装置(送水温度制御装置)において、熱源機器の運転中、現在の負荷状況に関連する関連パラメータとして、熱源機器の使用エネルギー量と、冷温水ポンプの使用エネルギーと、熱源機器からの冷温水の送水温度と、外気温度の実績値を定期的に収集・蓄積する。関連パラメータを収集する毎に、その収集した関連パラメータの実績値を多次元空間にプロットし、スプラインによる応答曲面法(RSM−S)の技術により応答曲面モデルを作成し、その作成した応答局面モデルより、現在の最適送水温度を決定する」と記載されている。
また、ここで示される応答局面モデルのような対象のモデル化技術としては、特許文献2がある。特許文献2には、「実際に稼働している制御系から、パラメータ計測部により、操作パラメータ、条件パラメータ、および評価パラメータの値を逐次計測し、これら時系列データを履歴データとして記憶部へ格納し、事例データ生成手段により、これら履歴データから系の動作を示す複数の事例データを生成して記憶部へ格納し、モデル作成手段により、これら事例データに基づいて、操作パラメータと条件パラメータを入力パラメータとするとともに評価パラメータを出力パラメータとし、事例データから系の各種状態での動作を示す事例ベースモデルを作成することにより規模が大きくて動作が複雑な系であっても、その系の動作を示す適切なモデルを作成でき、結果として操作パラメータの最適設定値を得る。」と記載されている。
また特許文献3には、負荷の空調ファン設備や熱交換器のコイル、配管系等などの全系の詳細なシミュレーションモデルを構築し、これを用いて最適な送水温度ならびに冷却水温度や、空調ファンでの風量を設定する方法が示されている。
特許文献2では、対象となる系に対する最適な制御システムの構築に関して、「系の動作を大きく変動させて広範囲にわたる履歴データを取得する必要があるが、例えば空調システムや排熱利用型蒸気供給システムなどのように、規模が大きくて動作が複雑な系の場合、所望の履歴データを容易に取得できない。したがって、系の動作を示す適切な事例ベースモデルを作成できず、結果として操作パラメータの最適設定値を得ることができないという問題点があった。」と指摘している。
また特許文献2では、「制御系における設定値近傍で発生する系の変動を、制御系が意図して操作パラメータ値をばらつきの範囲内で変化させた場合の系の動作特性であると見なせることに着目し、実際に稼働している系から、系の動作を決定するとともに系の動作に応じて設定値近傍で変動する操作パラメータ、系の動作に影響を及ぼす要因を示す条件パラメータ、および系の動作の最適化を評価するための評価パラメータの値を逐次計測し、これら時系列データを履歴データとして記憶部へ格納し、これら履歴データから系の動作を示す複数の事例データを生成して記憶部へ格納し、これら事例データに基づいて、操作パラメータと条件パラメータを入力パラメータとするとともに評価パラメータを出力パラメータとし、系の各種状態での動作を示す事例ベースモデルを作成するようにしたものである。」としている。
さらに特許文献2では、「これにより、実際に稼働している制御系から計測して得られた少ない事例データから、制御系の広範囲にわたる動作状態を示す適切なモデルを作成できる。したがって、規模が大きくて動作が複雑な系であっても、実際のシステムを模した試験的なシステムを構成する必要がなくなり、履歴データを取得するためのコストを必要とすることなく容易に、かつ正確な履歴データを取得できる。また、系の通常動作から逸脱しない範囲で履歴データを取得するだけでよく、系の通常動作を阻害することなくまたそのリスクを負う必要はなく」、「結果として操作パラメータの最適設定値を得ることができる制御系解析装置およびプログラムを提供すること」が出来るとしている。
ところで、負荷となる空調設備は、空調機の出口温度が所定値になるように冷水流量を制御している。冷凍機などが直接接続された一次系から熱供給を受け、テナントに熱を供給する二次系を持つ間接供給型のシステムにあっては、二次系の受入熱交換器や、負荷部分にある空調器での熱交換でこうした制御が独立に行われる。一次系が供給する水温の変化に対しては、これらの複数の装置の制御系が独立に応答し、負荷が必要とする熱需要を満たすように二次系、一次系の流量を制御する。
このため、地域冷暖房システムや大規模空港のターミナルビル群や、大規模ショッピングモール、駅街などの大規模で複合的な施設の空調システムを考えた場合、ネットワーク全体で考えると、冷水駆動動力は熱負荷ならびに一次系の給水温度により、仮に負荷を運転範囲で10%刻み、給水温度を運転範囲で0.5℃刻みのように離散的に表現しても、二次系やそこから熱供給を受けるテナント等の熱負荷の組み合わせを考えると非常に膨大な次元を持つ空間上のデータとなる。
このように多様な負荷の需要パターンと広域にわたる複雑な配管系統を考慮する必要がある大規模複合施設の空調系では、全系の冷水動力負荷と一次系冷水温度の関係について、多様な運転負荷のパターンに対応した十分なデータを取得してモデル化するのは必ずしも容易ではない。特に送水温度制御など従来実施されていない制御方法を新たに導入するようなケースや新設の複合施設空調システムのケースでは、従来の送水温度一定制御運用の中で生じる擾乱から運転に必要なデータを得る事は困難である。
一方特許文献3によれば、大規模複合施設の空調システムの場合、これを構成する設備のパラメータの調整が困難である。また、特に間接受け入れ方式の大規模施設空調システムの場合、受け入れ設備の制御方式によっては、一次系の熱媒状態を決定しても、二次系の熱媒状態が一意には決まらないという性質があり、各構成要素のシミュレーションだけでは動力コストのなどの評価値を決めることが出来ない場合もある。
本発明はこのような大規模な複合施設の空調システムに対して、負荷パターンに応じ、動力などのコストを最小化できる最適な送水温度を決定できる複合施設空調システムの制御装置および制御方法を提供することにある。
本件出願の発明は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、「熱源とポンプを含む熱源設備から配管を介して複合施設内の複数の空調機に熱媒を供給するとともに、配管の一部に熱交換器を含む複合施設空調システムの制御装置であって、複数の空調機の二次側流体の熱需要と、熱源が与える熱媒の熱媒状態から、熱媒需要量を推定する熱媒需要量推定手段と、熱媒需要量から、ポンプの使用エネルギーを推定する配管負荷推定手段と、複数の空調機の熱需要に基づき、熱源の使用エネルギーを推定する熱源負荷推定手段と、熱媒状態について複数の値を設定し、当該設定値を熱媒需要推定手段と熱源負荷推定手段に与えて、複数のポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーを求めさせるための熱媒状態設定手段と、熱媒状態設定値ごとに求めた、ポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーの和の中から、これを最小とする熱源状態を決定する最適点決定手段からなり、求めた熱源状態により熱源機器を制御する事」を特徴とする。
本発明によれば、大規模な空調システムにおいても、送水温度を変更したテスト運転を行うことなく、負荷の熱需要パターンに対応した最適な一次系熱媒状態を決定できる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例1における複合施設空調システムの構成例を示す図である。この複合施設空調システムは、制御対象側の設備Aと制御装置Bとで構成されている。
このうち制御対象側の設備Aが、図1に示した熱源設備102と配管系統104と負荷群101である。なお負荷群101は、複合施設103内の設備であり、熱源設備102から配管網104を通して熱供給を受ける複数の空調設備からなる。これに対し計算機で構成される制御装置B(複合施設空調システム制御システム100)は、制御対象側の負荷群101から負荷各部の熱需要(以下熱需要パターン125という)を得、最終的に制御対象側の熱源設備102が与える最適な熱媒状態127を設定する。
以下の説明においては、最初に制御対象側の設備Aの具体的な配管構成事例を図2で紹介し、その後この配管事例を基にして複合施設空調システム制御システム100が実施する処理内容を説明する。
図2の具体的な配管事例では、図1の熱源設備102は熱源Rとして、配管網104は配管系統Pとして、負荷群101は負荷Lとして表示されている。また配管系統Pの各所には熱交換器Eが配置されている。
図2において、配管系統Pは熱源Rから複数の負荷Lに至る系統であり、その途中に適宜熱交換器Eが設置されている。熱交換器Eのうち、熱源Rに直接接続された熱交換器Eは一次熱交換器E1であり、熱源Rから一次熱交換器E1に至るまでの配管P1が、一次系あるいは一次系配管と呼ばれる。図2の例では、一次熱交換器E1はE11、E12、E13の3台が示されており、これらに至る一次系配管P1の支線配管としてP11、P12、P1nが示されている。
一次熱交換器E1に直接接続された熱交換器Eは二次熱交換器E2であり、一次熱交換器E1から二次熱交換器E2に至るまでの配管P2が、二次系あるいは二次系配管と呼ばれる。図2の例では、二次熱交換器E2はE21、E22、E23、E24、E25、E26、E27が示されており、これらに至る二次系配管P2の支線配管としてP21、P22、P23、P24、P25、P26、P27が示されている。なお図2では、二次熱交換器E21、E22、E23は一次熱交換器E11に接続されて熱供給を受けており、二次熱交換器E24、E25は一次熱交換器E12に接続されて熱供給を受けており、二次熱交換器E26、E27は一次熱交換器E13に接続されて熱供給を受けている例を示している。
なお、図2の配管例では、二次熱交換器E2の後段に負荷Lを接続する例を示しているが、この負荷Lは三次熱交換器を含んでもよい。ここでは、二次熱交換器E21、E22、E23、E24、E25、E26、E27の後段負荷を、それぞれL31、L32、L33、L34、L35、L36、L37のように表記している。この図2の配管例において、熱交換器E21、E22、E23、E24、E25、E26、E27を最後流側の熱交換器とする場合には、この熱交換器はいわゆる空調機であると考えてよい。
図2の配管例において、熱源Rは矢印Xの方向(下から上)に流体を供給するものとする。従って、各一次熱交換器E1は、その上部ラインから熱源流体の供給を受けて下部ラインに送出する。また各一次熱交換器E1の二次側は、熱交換された流体をその上部ラインから送出し、下部ラインに戻すものとする。この流体の流れ方向の関係は、二次熱交換器E2でも同じであるものとする。この流体の流れ方向の関係は、上部ラインを往き主配管とし、下部ライン戻り主配管として表記したものである。
このように図2の配管例は熱源Rから複数の負荷Lに至る系統であり、その途中に適宜熱交換機Eが設置されて、一次系、二次系を構成している。具体的な図2の構成で説明する。ここでは、熱源Rから供給される一次系熱媒は一次系P1の往き主配管を通じて、ビル等の二次系設備近傍まで送られ、支線配管P11、P12、P13を通じて、受入熱交換器(一次熱交換器)E11、E12、E13で熱交換され戻り主配管を通じて熱源設備Rへ戻される。
受入熱交換器E11、E12、E13で熱交換された冷媒は、各受入設備から、二次系P2の往き主配管から、支線配管P21、P22、P23、P24、P25、P26、P27を通じて、部屋やホールなどに設置された空調設備(二次熱交換器)E21、E22、E23、E24、E25、E26、E27へ供給され、熱交換が行われた後、戻り主配管等を通じて受入熱交換器(一次熱交換器)E11、E12、E13へ戻される。空調設備E21、E22、E23、E24、E25、E26、E27では、負荷となる室内の空気との熱交換が行われる。
なお空調機では負荷側の出口温度と風量が所望の値となるように、二次系の支線配管P21、P22、P23、P24、P25、P26、P27の流量を制御している。
図2に示され、以後の説明で使用する各部状態量を表す記号と、記号の付与約束について図4を参照して説明しておく。図4は、以後の数式などで用いる各部状態量における記号付与の約束事項を一覧表にしたものである。
図2と図4において、gは熱媒流体の流量である。流量gに付与した1桁目の数値(1、2、3)は、一次系、二次系、三次系を意味し、2桁目の数値(1、2、n)は各系の配管の支線を区別するために使用されている。なお、図2では一次系の配管支線の数を3としているが、一般にはNとして表示している。従って、g11は一次系の支線P11の流量、g12は一次系の支線P12の流量、g1Nは一次系の支線P1nの流量を意味する。同様にg21は一次熱交換器E11の二次系の流量、g22は一次熱交換器E12の二次系の流量、g2nは一次熱交換器E1nの二次系の流量を意味している。なお二次熱交換器E2での流量表記に関し、一次熱交換器E1側の流量は、3桁目に二次系の支線配管番号を付すことで、さらに区別することができる。例えば、流量g21を分流した支線配管P21の流量はg211、支線配管P22の流量はg212、支線配管P2xの流量はg21xとされる。図4の表には、二次系、三次系の流量を添字により区別する時の表記の一例を示しているが、この約束は適宜設定することができる。
次に図2、図4において温度tの定義の仕方について説明する。1台の熱交換器あたり、4か所の温度が区別して使用される。図2では、例えば熱交換器E11に対して、一次系流体の入側と出側の温度、並びに二次系流体の入側と出側の温度の4か所である。この識別のために図4に一例を示す温度tに付与する記号約束では、温度tに付与した1桁目の数値(1、2、3)は、一次系、二次系、三次系を意味し、2桁目の英字(i、o)は流体の入側と出側を区別する。3桁目以降は、当該系に支線があり異なる熱交換器があるときにこれを区別するために使用される。後述する図3には、以上の約束に従う各部温度の表示例を記述している。なお、本発明においては一次熱交換器E1、E12、E13の一次系流体の入側温度t1iは同一温度としている。
さらに図4において、以下の説明で使用する記号とその付与約束について説明しておく。Aは熱交換器の伝熱面積である。伝熱面積に付与する数値は熱交換を行う双方の系を示している。A12なら一次系と二次系の間の熱交換を行う熱交換器の伝熱面積、A23なら二次系と三次系の間の熱交換を行う熱交換器の伝熱面積を意味する。3桁目は、下流の系に支線があるときに支線を区別するために使用される。Uは総括伝熱係数であり、この記号約束は伝熱面積と同じなので、説明を省略する。但し、総括伝熱係数とは、単位面積、単位温度差当たりの熱の通過量を意味している。最後に熱容量Cに付与した1桁目の数値(1、2、3)は、一次系、二次系、三次系を意味している。
次に以上の記号約束に基づいて表記された状態量を使用して複合施設空調システム制御システム100の具体的な処理内容を説明する。図1の複合施設空調システム制御システム100では、すべての負荷Lについて、これらの情報を集約した熱需要パターン125と、それらを熱量として加算した総熱需要126を取り込む。そして最終的に最適熱媒状態127を制御対象側に与えて制御する。また複合施設空調システム制御システム100において、上記入力から上記出力を得るに際して、適宜の初期値、あるいは演算条件などを設定しておくものとする。
ここで、「すべての負荷Lの情報を集約した熱需要パターン125と、それらを熱量として加算した総熱需要126」とは、図2の例では各負荷Lにおける温度の情報であり、具体的には空調機E2の負荷側温度、従って三次系統を意味する「3」が1桁目に付与された温度t(t3i、t3o)であり、さらにはこれを熱需要の大きさに変換した情報である。また「熱媒状態」とは、熱源Rの与える熱媒体の温度、従って一次系統を意味する「1」が1桁目に付与された温度t1iである。
図1に示すように、本発明の複合施設空調システム制御システム100は、各負荷の熱需要と熱媒状態から熱媒流量需要量(熱媒流量パターン)を推定する熱媒需要推定手段112と、各負荷設備の熱媒流量需要量からポンプの使用エネルギーを推定する配管負荷推定手段113と、各負荷の熱需要に基づき熱源での使用エネルギーを推定する熱源負荷推定手段114と、熱媒需要推定手段112と熱源負荷推定手段113に複数の熱媒状態を設定する熱媒状態設定手段111と、ポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーを複数求め、最適な熱源状態を決定する最適点決定手段115から構成されている。
本発明の上記構成によれば、所定範囲で熱媒状態121を複数仮設定して得た熱源動力負荷124とポンプ動力負荷123は、特性116のように、熱媒状態125と関連付けて記憶される。最適点決定手段115は、所定範囲について得た熱媒状態121と負荷(124、123)の関係から、負荷の合計が最小となる熱媒温度を選択、あるいは内挿、外挿することで、最適熱媒状態127を決定し、熱源設備102の指示値として指令する。なお、負荷群101を構成する各負荷の熱需要は負荷となる装置である空調機の吸込み温度と吐出し温度、風量で決まる。
以下、複合施設空調システム制御システム100における一連の処理手順について詳細に説明する。まず、熱媒状態設定手段111では、例えば冷房時における一次系冷水温度t1i(熱媒状態)について、最適熱媒状態127を決定するために、所定の範囲で熱媒状態121を仮設定し、これを熱媒需要量推定手段112と熱源負荷推定手段114に与える。ここで仮設定される熱媒状態121とは、図2の熱源Rが与える流体の温度といった一次系配管における状態量のことである。最終的に最適な流体の温度を定めるために、複数の温度の条件を仮設定し、この条件の中から最適値を見出そうとしている。
まず熱媒需要量推定手段112では、負荷群101から与えられた熱需要パターン125と熱媒状態設定手段111で仮設定した熱媒状態121から、全負荷の熱需要による熱媒流量パターン122を計算し、配管負荷推定手段113に与える。
次に図2の事例を用いて、熱媒需要量推定手段112における熱媒流量パターン122の計算手法について説明する。なお、本実施例に示すような間接受入れ方式の複合施設システムの場合、受入熱交換(一次熱交換器E1)E11、E12、E13では、一次系の出口温度が所定の値となるように一次系の支線配管P11、P12、P13の流量を制御している。
図3は、熱源Rと一次熱交換器E1との間の一次系を模式的に示した図である。図3において熱源Rから一次系配管P1とその支線P11、P12、P13を介して各一次熱交換器E11、E12、E13に与えられる流体の流量g11、g12、g13は、先に述べたように一次系の出口温度が所定の値となるように制御されている。
図2、図3における熱交換系統におけるエネルギーの授受について数式で説明する。但し説明の単純化のため、ここでは、温水または冷水のような顕熱熱交換を行う系について考えると、(1)式から(7)式の関係が成り立っている。なお、(1)式から(3)式は、一次系と二次系の間の熱交換の状態を表しており、(4)式から(6)式は、二次系と三次系の間の熱交換の状態を表している。(1)式と(4)式、(2)式と(5)式、(3)式と(6)式は系が相違するのみで、実行している式の内容は同じである。
上記の記号を用いて、各式の意味について簡単に説明する。まず(1)式は、受入設備における各熱交換器(各一次熱交換器E1)での熱平衡の式を表したものである。右辺は一次流体が熱交換器に与える熱量を表し、左辺は入側温度差と出側温度差に熱交換係数を乗じたものである。
(2)式は受入設備における各熱交換器(各一次熱交換器E1)での熱収支の式を表したものであり、一次流体が熱交換器に与える熱量と、熱交換器から得られる二次流体の熱量が等しいことを表している。
(3)式は、図2の複数の支線配管P11、P12、P13からの戻り水が合流されて熱源Rに戻されるときの戻り温度と熱源入口温度の関係式である。
(4)式は、熱交換器(各一次熱交換器E1)下流の各空調機での熱平衡の式を表したものである。
(5)式は、熱交換器(各一次熱交換器E1)下流の各空調機での熱収支の式を表したものである。
(6)式は、図2の各熱交換器(各一次熱交換器E1)に、その下流の空調機からの戻り水が合流されて戻されるときの戻り温度と各熱交換器入口温度の関係式である。
(7)式は、熱交換器(各一次熱交換器E1)下の二次系熱媒の質量保存式である。
以上の数式のうち(4)式、(5)式に着目したときに、ここで使用されている各3次系温度t3i、t3oは、熱需要パターン125として負荷群125から取り込んだ情報である。また伝熱面積Aと総括伝熱係数Uは空調機ごとに予め設定された既知である。この(4)式、(5)式は、個々の空調機について成立しており、空調機台数と同数の式が実行されることになる。この式により、二次系側の未知の状態量が定まる。
本発明においては二次系と三次系の熱交換の特性を示す(4)式および(5)式より、空調機の制御システムや需要の予測システムの出力、負荷(部屋)のモデル等から空調機入口温度t3i、出口温度t3o、および空調器風量g3を決定すれば、(4)式の右辺、従って(5)式の左辺が決まる。また(5)式において個々の空調機における二次系側の入口温度t2iが決まれば、二次系側の出口温度t2oと流量g2が決まる。更に、(6)式より、二次系iの受入熱交換器への戻り温度t2iが決まり、流量g2iは(7)により決まる。
他方、熱媒需要推定手段112の処理のうち、一次系と二次系の熱交換の特性を示す(1)式および(2)式に着目すると、熱媒状態設定手段111は一次系入口温度t1iを設定しており、制御系が例えば一次系出口温度t1oを所定値になるよう制御しているので、一次系出口温度t1oが決まる。前述のt2iとこれらの値を用いれば、(1)式から受入設備iにおける二次系側出口温度t2oが決まるので、この値が、前述の複数空調機での計算に用いた二次系側入り口温度t2oと一致するように収束計算などを行って決める。
これにより、二次系iに繋がる一次系支線配管から、二次系、三次系の条件(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)式を満たす二次系出入り口温度t2o、t2iと二次系流量g2i、ならびに一次系流量g1iを求めることが出来る。以上述べた手法により熱媒需要推定手段112の処理では、設定された一次系入口温度t1iの時の、図2配管系各部の出入り口温度と、流量を求めている。この熱媒需要推定手段112の出力が熱媒の流量パターンであり、次段の配管負荷推定手段113に与えられる。
熱媒需要推定手段112において実施する上記収束計算に関して、より簡単な系を例に、図5を用いて説明する。図5の簡略化した複合施設空調シスムの配管系統の図のうち、既に説明した図2に示された同一の符号を付された部分(配管や熱交換器などの要素)と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
この例において受入れ設備の熱交換器E1では、熱源システムRで決まる一次系熱媒の温度t1iの下、一次系P1の出口温度t1oが所定値になるように一次系p1の流量g1を制御する。負荷空調機E2では、三次系P3の入り口温度t3i、すなわち室内から戻る空気の温度(室内温度)に対し、例えばVAV(Variable Air Volume制御方式で制御される冷風吹き出し部)の場合は、予め決めた三次系出口温度t3oの下、室内温度が所定値になるように三次系P3の流量g3を制御している。
この場合に定常状態について見ると、たとえば、(実際には湿度を考慮する必要があるが、ここでは温度だけを考えるとすると)空調機E2の出入り口温度差と三次系熱媒(空気)の流量、並びに三次系熱媒の熱容量の積が外部からの入熱(あるいは外部への放熱)や居住者による発熱(熱吸収)などの入熱(放熱)とバランスするように三次系熱媒流量が決まる。このため、これらの熱負荷(三次系の出入り口温度、流量)と、受入れ熱交換器E1で決まる二次系入り口温度t2oに対して、負荷空調機E2の熱交換器では、このような三次系P3の状態になるように二次系流量g2を適切に決定するような制御を行なうことになる。
すなわち、このような制御を行なっている系の熱需要に対して熱媒流量を求める問題は、図5の系で、一次系P1ならびに三次系P3の出入り口温度、流量が決まった条件の下で、二次系P2の温度と流量を決める問題となる。なお、一次系流量g1に関しては、t1i、t1oが決まっている状況では、熱需要に対して容易に決めることが出来る。
ここで、熱交換器の特性は、(8)〜(11)式に示したように非線形な関係となる。これらの式は、前述の(1)(2)(4)(5)式に対応するが、図5と図2を対比して明らかなように支線配管を備えないので、式が簡易化されている。
(8)式は、図5における各熱交換器(各一次熱交換器E1)での熱平衡の式を表したものである。
(9)式は、図5における各熱交換器(各一次熱交換器E1)での熱収支の式を表したものである。
(10)式は、図5における空調機での熱平衡の式を表したものである。
(11)式は、図5における空調機での熱収支の式を表したものである。
このように式は簡易化されているが、非線形な関係を含むために、この問題を収束計算無しに解くことは難しい。そのため、受入れ熱交換E1と負荷空調機E2の各々に対して二次系の温度t2i(あるいはt2o)を仮定し、相互に矛盾がなくなるまで収束計算を行なうなどの方法で決定する必要がある。
このような計算を特許文献3の仕組みの上で実施する場合、コイルオブジェクトや可変定風量(VAV)オブジェクト、可変水量(VWVオブジェクト)などの複数のオブジェクト(さらに、複数の空調設備があるため、同じVAVオブジェクトクラスやコイルオブジェクトクラスでも実設備に対応した複数のオブジェクトが必要となる)間で収束計算を行なう必要があるため、収束判定に関する情報の取り合いなどの特許文献には未記載の課題がある。
本発明のように熱需要から熱媒需要を推定するために、図2および(1)〜(7)式に示したような粒度でモデル化することで、このような収束計算上の取り合いの問題を解決することが出来る。
なお、受入設備熱交換器E1の制御が、2次系の出口温度t2oに基づいていれば、その目標値を(1)式に適用して、一次系出口温度t1oと一次系流量g1を求めることで、収束計算無しに(1)、(2)、(4)〜(7)式を満たす二次系出入り口温度t2o、t2iと二次系流量g2、g2i、ならびに一次系流量g1iを求めることが出来る。この場合、(3)を用いて、熱源設備への戻り温度t1oを求めることが出来る。
例えばこのようにすることで、空調負荷(t3i、t3o、g3)と一次系冷媒温度t1iが決まれば、一次系および二次系の主配管に流れる熱媒の流量を決める事ができる。
次に配管負荷推定手段113の実施例について、前述の図3を用いて説明する。図3は、一般的な熱供給配管を示す。ここで、配管負荷推定手段113で求める配管負荷とは、ポンプ動力負荷を求めることであり、そのためには最初に配管上における圧力損失の合計を求める。
配管負荷を算出するうえでの前提として、各熱交換器Eでの熱媒流量gは、当該熱交換器で授受が必要となる熱量によって、前述した(1)〜(7)式で示される関係が成り立つように制御されている。
この時の圧力損失は、当該熱交換器(例えばE11)が接続される支線配管P11の入口と出口の圧力差H11が、熱媒が流量g11だけ流れることによって熱交換器E11と制御弁V11に生じる圧力損失の合計に等しくなるように、制御弁V11によって決定される。
このため、例えば熱源Rから流体を送出するためのポンプ(図示していないが熱源Rの位置に存在する)の揚程Hを極力小さくするような揚程最小制御を行っている場合は、ポンプから任意の熱交換器E1を通ってポンプに戻るループの主配管部分での損失H1mと、支線配管P11、P12、P1n上の熱交換器E11、E12、E1nならびに制御弁Vの開度を最大とした時の制御弁Vの損失との合計(H11、H12、H1n)が最大となる熱交換器E1に合わせて、他の熱交換器の制御弁V開度は制御される。
そこで配管の物理モデルを用いて、ポンプの出口から入口までの経路の主配管部分での損失H1mと、支線配管上の熱交換器Eおよび制御弁Vでの損失H11、H12、H1nを、各熱交換器について計算し、これが最大となる経路の圧損、すなわちポンプの出口から入口間の圧力を、ポンプでの揚程Hとして同定する。
さらに系に接続された全ての熱交換器での熱媒流量gの総計と、計算した揚程Hとから、使用しているポンプの流量g−揚程H曲線を用いて、配管負荷推定手段122の出力であるポンプ動力負荷123を推定することが出来る。なお、流量制御弁Vによる損失としては、各配管支線P11、P12、P1nを流れる冷媒流量において、当該流量制御弁Vの仕様に基づく最小値の値を用いる。なお、ポンプ揚程一定制御を行っている場合は、その揚程と系に接続された全ての熱交換器での熱媒流量の総計とポンプの流量−揚程曲線から動力負荷を推定することが出来る。
次に図1の熱源負荷推定手段114について説明する。冷熱の場合の熱源装置102にはターボ式冷凍機や吸収式冷凍機、蓄熱槽などがある。季節によっては、フリークーリングシステムを用いる場合もある。温熱の場合は、ボイラや電熱器、蓄熱槽、ヒートポンプなどがある。
熱源設備に関してはカタログデータや、単体試験により生成する熱媒状態(例えば冷熱の場合は水温に相当する)と効率の関係をモデル化し、これを用いて、熱媒状態設定手段111にて設定した熱媒状態に対する効率を推定し、これと図2および(1)式から(7)式を用いて説明した一次系の熱媒流量g11、g12、g1nと(12)式から、一次系の所要熱媒流量g1を求め、前記推定した効率値から熱生成に必要な動力負荷を求めることが出来る。なお(12)式は、一次系熱媒の質量保存式である。
なお、冷熱源設備の給水温度に対する効率変化は、九州電力のホームページHTTP://WWW.Kyuden.co.jp/Library/pdf/company/eco_item/item03_a.pdfや、空気調和・衛生工学会大会学術講演論文集(R8.8.27〜29)の発表番号OS−4、オーム社発行、高橋隆勇氏著の空調自動制御と省エネルギーのP−66やP−72などに記載されている通りである。
受入設備E11、E12、E1nでの一次系戻り温度を一定とする運用条件の場合など、系に供えられた制御装置の動作などにより熱源装置に戻ってくる熱媒の状態が規定できるシステムの場合は、熱媒状態設定手段111にて設定した熱媒状態と戻りの熱媒状態、ならびに負荷の熱需要から総熱需要126を(13)式の右辺のように計算出来るので、一次系で製造する熱媒流量を(13)式により決定できる。従って、(13)式のような関係を用いて、一次系の熱媒流量を求めても良い。なお(13)式は、系全体の熱収支の式である。
以上のようにして、配管負荷推定手段113により各負荷設備の熱媒流量需要量からポンプの使用エネルギー(ポンプ動力負荷)を推定し、熱源負荷推定手段114により各負荷の熱需要に基づき熱源での使用エネルギー(熱源動力負荷)を推定する。このようにして求めたポンプの使用エネルギーと熱源での使用エネルギーは、熱媒状態121に対して116の特性を有することが知られている。
特性116は、横軸に熱媒状態を記述し、縦軸に動力を記述したものであり、ポンプ動力負荷123は熱媒状態121の増大に伴い増加する。逆に熱源動力負荷124は熱媒状態121の増大に伴い減少する。この結果、ポンプ動力負荷123と熱源動力負荷124の和が最少となる運転状態が存在する。
本発明では、熱媒状態設定手段111が、熱媒需要推定手段112と熱源負荷推定手段113に対して複数の熱媒状態を設定し、このときのポンプ動力負荷123と熱源動力負荷124を求めている。最適点決定手段115では、設定した各熱媒状態のときのポンプ動力負荷123と熱源動力負荷124の和の中から、これが最少となる熱媒状態を定める。
最適点決定手段115は、選択した最少となる熱媒状態を最適熱媒状態として熱源設備102に与える。あるいは、最適点決定手段115は、所定範囲について得た熱媒状態121と負荷(124、123)の関係から、負荷の合計が最小となる熱媒温度を内挿、外挿手法により求めることで、最適熱媒状態127を決定し、熱源設備102の指示値として指令する。
実施例2では、所定時間後の熱媒状態の最適設定も行える複合施設空調システムの例を説明する。図6は、実施例2における複合施設空調システムを示す構成図の例である。
図6の実施例2における複合施設空調システムの各構成要素のうち、図1の複合施設空調システムの構成要素と同一の符号を付された構成要素は、前述と同一の機能を有する部分であるのでその説明を省略する。
実施例2では、実施例1の構成に負荷予測手段401が付加されている。負荷予測手段401では、負荷群101から入手した現在時点の熱需要パターン125を将来時点の熱需要パターン125を得る。将来時点の熱需要パターンデータ402を得るために、負荷予測手段401は例えば、1時間先の負荷の需要を過去の実績データ125や当日の日付・曜日(および過去の実績データに付随する日付・曜日)、テナント等の定休日などの営業情報(過去の実績データに付随するテナント等の営業情報)、ならびに天気、気温、湿度、日射量、風向風速などの気象情報の予測値(および実績データに付随する気象情報)など(404)を用いて予測する。また負荷予測手段401では、将来時点の熱媒需要量を求める。
実施例2では、これらの将来時点における予測結果である予測熱需要パターン402に基づいて、熱媒需要量を推定し、実施例1と同様にして最適な一次系熱媒温度を決定する。
このような負荷予測手段401を有する構成とする事で、熱源設備102の温度制御が遅かったり、運用上の制限があったりするなどして、すぐに温度設定を変更できない場合にも、適切な熱媒状態を決定する事が出来る。
熱需要の予測に当っては、例えば特許文献1のように過去の実績データと曜日等の営業形態に影響を与える情報(操業パターン)を用いて予測しても良いし、空気調和・衛生工学会論文集No.93(R4/4)の「居住者の行動を基準としたオフィスビルの熱・電気需要シミュレーションの開発」のように人間の行動を模擬するモデルや、気象予測データに基づく日射量や壁材などの特性に基づく入熱量(換気侵入熱、窓面通過日射熱、壁体貫流熱)、居室にいる人員による人体発熱や計算機などの機器による機器発熱の物理的モデルを組合せたシミュレーションを用いて予測してもよい。
実施例3では、(1)式から(7)式のような数式モデルに代えて、実績データを用いることで、数式モデルやそのパラメータが持つ誤差を回避出来る複合施設空調システムの例を説明する。図7は、実施例3における複合施設空調システムを示す構成図の例である。
図7の実施例3における複合施設空調システムの各構成要素のうち、図1の複合施設空調システムの構成要素と同一の符号を付された構成要素は、前述と同一の機能を有する部分であるのでその説明を省略する。
実施例3では、実施例1の構成において熱媒需要推定手段112の機能が変更されている。実施例3の熱媒需要推定手段112では、負荷群101から熱需要パターン125に加えて熱交換器実績情報503(負荷空調機の二次側、三次側の熱媒流量および出入口温度、ならびに受入熱交換器の一次側、二次側熱媒流量、出入口温度)、ならびに熱源設備102より一次側熱媒状態504を、データ収集手段505により取得する。
実施例3の熱媒需要推定手段112では、得られたデータを空調設備毎に、熱需要、一次系熱媒温度に対する二次系熱媒流量の関係として蓄積する。受入熱交換器E1については、二次系流量と二次系出入り口温度に対する一次系流量の関係として蓄積し、例えば前述した特許文献1のような方法で、負荷群101の熱需要から各熱交換器の熱媒流量を予測し、これを配管負荷推定手段113に適用する。なお、このような構成の場合、最適制御を行う以前に熱媒の変温度制御を行う必要があるため試運転期間などに収集する必要がある。
実施例4では、熱需要から熱媒流量を推定するのに(1)式から(7)式のような数式モデルに代えて、実績データを用いる事ができて、かつ所定時間後の熱媒状態の最適設定を行える複合施設空調システムの例を説明する。
実施例4に係る図8は、要するに実施例2で説明した負荷予測手段401と、実施例3の実績データに基づく熱媒需要推定手段112を合わせ持つ構成である。図8の実施例4における複合施設空調システムの各構成要素のうち、図1、図6、図7の複合施設空調システムの構成要素と同一の符号を付された構成要素は、前述と同一の機能を有する部分であるのでその説明を省略する。
実施例4の複合施設空調システム100は、図6の実施例2で説明した負荷予測手段401と、図7の実施例3の実績データに基づく熱媒需要推定手段112を用いることで、所定時間先の負荷熱需要を予測して、これと過去の実績データを元に、熱媒流量の推定を行う事ができる。なお、図8中で複合施設103および熱源設備102からデータ503、504を収集するデータ収集手段505の表記は省略した。
実施例5では、熱媒需要推定手段112において、(1)式に示したA12i・U12i(g1i、g2i)や、(4)式に示したA23ij・U23ij(g2ij、g3ij)を実績データから推定することで、熱交換器の汚れなどの経年変化に対応できる複合施設空調システムの例を説明する。なお、以下では、A12i・U12i(g1i、g2i)を(1)式の係数、A23ij・U23ij(g2ij、g3ij)を(4)式の係数と呼ぶ事にする。
図9は実施例5における複合施設空調システムを示す構成図の一例である。既に説明した図1に示された同一符号を示された構成と同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
本実施例の複合施設空調システム100では、データ収集手段505により実施例3で示した熱交換器実績情報503を収集し、熱交換器毎に、高温側熱媒、低温側熱媒の出入り口温度差と高温側、低温側の熱媒流量の関係を蓄積し、(1)式と(2)式および(4)式と(5)式の関係に基づいて(1)式の係数ならびに(4)式の係数を推定するモデルを構築する。
一般に統括伝熱係数U23ij(g2ij、g3ij)や、U23ij(g2ij、g3ij)は熱媒流量g1i、g2iあるいはg2ij、g3ijの0.8乗に比例すると言われており、実績データの内、低温側(あるいは高温側)の流量がほぼ同等のデータについて、高温側(あるいは低温側)の熱媒流量に対する両対数プロットの近似直線を最小二乗法により取得する等することで、傾きとして、高温側(あるいは低温側)の熱媒流量に対する指数の値を、y切片として高温側(あるいは低温側)の熱媒流量に対する係数を得る事ができる。
低温側(あるいは高温側)の熱媒流量を一定とした時の(1)式の係数あるいは(4)式の係数はこれらの積として求める事が出来るので、このようにして推定した(1)式の係数あるいは(4)式の係数を対応した熱交換での熱媒需要量の推定に用いる事で、実績データに基づく熱交換器の特性を用いて熱媒流量を推定することができる。また、熱交換器実績情報から(1)式の係数あるいは(4)式の係数を求める際、その時点より所定期間前以降のデータのみ使用することで、汚れなどの経年変化に対応した熱媒需要推定が出来る。
実施例6は、実施例3および実施例4の熱媒需要量推定手段112において、各熱交換器の制御方式に関する情報802も収集し、これに応じて熱負荷と熱媒流量の実績データを分けて管理・利用する事で、熱交換器の制御装置と、熱媒需要推定手段112が推定する熱媒流量との誤差を低減する複合施設空調システムの例をしめしている。
図10は実施例6における複合施設空調システムを示す構成図の一例である。図10は既に説明した図7(実施例3)に示された同一符号を示された構成と同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
空気調和・衛生工学会のホームページに掲載された「委員会資料・成果等の公開」にリンクされた『「建設設備のトラブルに学ぶ」の公開』のNo.35「冷水返り温度を供給規定どおり維持できないトラブル」にも記載されるように、冷水受入設備の一次系側出口温度を所定の温度以下に維持できない場合などには、二次系出口温度を所定の温度より高温に設定する等の制御が実施される。このような特殊な状況での実績データを通常通りの一次系側出口温度を所定値となるように制御している時のデータと分けて蓄積・利用する事で、制御方式が異なることによる推定誤差を抑制することができる。
本実施例の複合施設空調システム100では、実施例3で示した熱交換器実績情報503、熱需要パターン125に加えて、熱交換器の一次系側出口温度一定制御か、一次系側出口温度を変更した制御かを区別する制御モード情報802をデータ収集手段505を通じて取得する。各熱交換器の熱媒需要に対する熱媒流量は、制御モード情報802と合わせて管理し、このように管理している過去実績から、現時点での熱需要に対する熱媒流量を求める際には、該熱交換器の制御モードに基づき、蓄積した実績データを切り替えて、熱媒流量を推定する。
実施例7は、実施例1から実施例6に対して、負荷となる空調機の送風動力も含めて消費エネルギーを最適にする一次系熱媒温度を決める事ができる複合施設空調システムの例を示す。
図11は実施例1の複合施設空調システムに実施例7の機能を付加した複合施設空調システムを示す構成図の一例である。図9は既に説明した図1に示された同一符号を示された構成と同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
本実施例の複合施設空調システム100では、複合施設103の負荷群101から熱需要パターン以外に、各負荷空調機での三次系側流量と、該負荷に接続されるVAV(Variable Air Volume制御方式で制御される冷風吹き出し部)のベーン開度、ならびに該空調機の送風負荷の実績である送風負荷パターンデータ904をデータ収集手段505で取得し、負荷部送風負荷推定手段906で管理する。負荷を推定する場合は、各負荷空調機毎に過去の実績データに基づいて、風量とVAVベーン開度のパターンが近いデータを用いて、加重平均などの方法により送風負荷を推定する。
このようにして得た送風動力負荷907を配管負荷推定手段113により得たポンプ動力負荷123と加算した上でポンプおよび送風動力負荷と熱源動力負荷の関係116を求め、これらの合計を最小とする熱媒状態を決定する。
なお、負荷部送風負荷推定手段906の別の構成方法として、熱需要パターン125を入力し、熱需要パターン125中の空調器風量の情報と、空調機を構成する送風器の性能データから消費電力を求め、これを沿う風動力負荷907として出力するようにしても良い。このようにすることで、送風負荷パターンデータ9074およびそれを収集するデータ収集手段505無しに、負荷となる送風器の送風動力も含めて消費エネルギーを最適にする一次系熱媒温度を決める事ができる。
本実施例では、実施例1から実施例7における配管負荷推定手段113において、各熱交換器に必要な熱媒を流すためのポンプ動力負荷を配管の物理モデルを用いて計算する代わりに、過去の実績データを用いたものである。
図12は実施例8における複合施設空調システムを示す構成図の一例である。本実施例の複合施設空調システム100ででは、データ収集手段505で収集した過去の実績データを用い、熱媒需要量推定手段112が出力する熱媒流量パターン122に基づいて、配管負荷推定手段113において、過去の類似の熱媒流量パターンの時のポンプ動力の実績値を、重み付け平均するなどしてポンプ動力を推定する。これにより、物理モデルと実機との差異を回避できる。
以上、複数の実施例を通じて本発明の説明を行っているが、その根幹をなす思想は以下のようなものである。
まず、熱媒需要量推定手段112では、各負荷空調機の出入口温度、湿度と風量からなる熱需要から、熱需要パターンに対する所要熱媒流量パターンを推定する。この具体的実現策として、当該熱交換器の特性ならびに制御ロジックを踏まえた物理モデル、または、各負荷の熱需要実績と熱媒流量の実績を用いた統計的モデル、または基本的には物理モデルだが、熱交換器の特性に実績から推定した値を用いるハイブリッド型のモデルを用いて推定する。
配管負荷推定手段113では、負荷群の所要熱媒流量パターンに対する送熱媒ポンプ動力負荷を推定する。この際、冷房運転や暖房運転のような運転モードの違いや、制御動作や設定による一次系送水温度のような熱媒状態とは無関係に、多様な熱需要パターンから生じる熱媒流量パターンとポンプ動力負荷の実績、またはこれらの関係を表す物理モデルを用いて実行する。
熱源負荷推定手段114では、全負荷のトータル熱需要と仮定した一次系熱媒状態(送水温度など)から、熱源設備の物理モデルや、実績データを用いた統計モデルを用いて、熱源での熱製造負荷を求める。
熱媒状態設定手段111では、一次系の熱媒状態を運転範囲内で仮定し、熱媒需要推定手段112と熱源負荷推定手段114に与え、熱需要パターンに対する送熱媒ポンプ動力負荷と、熱製造負荷を求める。
最適点決定手段115では、熱媒状態設定手段111が設定した熱媒状態と、これに対して熱源負荷推定手段114で推定した熱製造負荷、ならびに熱媒需要量推定手段112と配管負荷推定手段113で推定した送熱媒ポンプ動力負荷を用いて、送熱媒動力と熱製造動力の和が最小となる熱媒状態を計算する。
100:複合施設空調システム制御システム
101:負荷群
102:熱源設備
103:複合施設
104:配管網
111:熱媒状態設定手段
112:熱媒需要量推定手段
113:配管負荷推定手段
114:熱源負荷推定手段
115:最適点決定手段
101:負荷群
102:熱源設備
103:複合施設
104:配管網
111:熱媒状態設定手段
112:熱媒需要量推定手段
113:配管負荷推定手段
114:熱源負荷推定手段
115:最適点決定手段
Claims (6)
- 熱源とポンプを含む熱源設備から配管を介して複合施設内の複数の空調機に熱媒を供給するとともに、前記配管の一部に熱交換器を含む複合施設空調システムの制御装置であって、
前記複数の空調機の二次側流体の熱需要と、前記熱源が与える前記熱媒の熱媒状態から、熱媒需要量を推定する熱媒需要量推定手段と、
前記熱媒需要量から、前記ポンプの使用エネルギーを推定する配管負荷推定手段と、
前記複数の空調機の熱需要に基づき、前記熱源の使用エネルギーを推定する熱源負荷推定手段と、
前記熱媒状態について複数の値を設定し、当該設定値を前記熱媒需要推定手段と熱源負荷推定手段に与えて、複数のポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーを求めさせるための熱媒状態設定手段と、
前記熱媒状態設定値ごとに求めた、ポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーの和の中から、これを最小とする熱源状態を決定する最適点決定手段からなり、求めた熱源状態により熱源機器を制御する事を特徴とする複合施設空調システムの制御装置。 - 請求項1記載の複合施設空調システムの制御装置であって、
将来時点における前記ポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーの和の中から、これを最小とする熱源状態を定めることを特徴とする複合施設空調システムの制御装置。 - 請求項1または請求項2記載の複合施設空調システムの制御装置であって、
前記熱媒需要量推定手段における熱媒需要量の推定のために、前記配管上に設置された熱交換器及び空調機各所における温度、流量の実測値を蓄積して利用することを特徴とする複合施設空調システムの制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複合施設空調システムの制御装置であって、
前記熱媒需要量推定手段における熱媒需要量の推定のために使用する前記熱交換器の定数である伝熱面積、および総括伝熱係数の値を、前記熱交換器から収集した熱交換器実績情報応じて修正することを特徴とする複合施設空調システムの制御装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の複合施設空調システムの制御装置であって、
前記ポンプ使用エネルギーには、前記空調機の送風動力を含むことを特徴とする複合施設空調システムの制御装置。 - 熱源とポンプを含む熱源設備から配管を介して複合施設内の複数の空調機に熱媒を供給するとともに、前記配管の一部に熱交換器を含む複合施設空調システムの制御方法であって、
前記複数の空調機の二次側流体の熱需要と、前記熱源が与える前記熱媒の熱媒状態から、熱媒需要量を推定し、
前記熱媒需要量から、前記ポンプの使用エネルギーを推定し、
前記複数の空調機の熱需要に基づき、前記熱源の使用エネルギーを推定し、
前記熱媒状態について複数の値を設定し、当該設定値のときの前記ポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギー和を求め、
ポンプ使用エネルギーと熱源使用エネルギーの和の中から、これを最小とする熱源状態により熱源機器を制御する事を特徴とする複合施設空調システムの制御方法。
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Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN110173829A (zh) * | 2019-06-05 | 2019-08-27 | 南华大学 | 大空间建筑空气环境分区域智能控制系统及控制方法 |
| CN118316036A (zh) * | 2024-06-06 | 2024-07-09 | 广东电网有限责任公司佛山供电局 | 电力系统的负荷预测方法、装置与设备 |
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- 2013-03-14 JP JP2013051509A patent/JP2014178058A/ja active Pending
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