JP2014162688A - 多結晶シリコンの製造方法 - Google Patents
多結晶シリコンの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014162688A JP2014162688A JP2013035751A JP2013035751A JP2014162688A JP 2014162688 A JP2014162688 A JP 2014162688A JP 2013035751 A JP2013035751 A JP 2013035751A JP 2013035751 A JP2013035751 A JP 2013035751A JP 2014162688 A JP2014162688 A JP 2014162688A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polycrystalline silicon
- zinc
- tetrachlorosilane
- silicon
- zinc reduction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Silicon Compounds (AREA)
Abstract
【課題】多結晶シリコンの製造に汎用されるシーメンス法には、多結晶シリコンの収率が低く、大量に副生するテトラクロロシランを再利用するための有効な手段がないなどの課題がある。
【解決手段】シーメンス法を主とする前工程と、前工程で副生するテトラクロロシランを原料とする亜鉛還元法を主とする後工程からなる、多結晶シリコンの製造方法で上記課題を改善できる。
【選択図】図1
【解決手段】シーメンス法を主とする前工程と、前工程で副生するテトラクロロシランを原料とする亜鉛還元法を主とする後工程からなる、多結晶シリコンの製造方法で上記課題を改善できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、多結晶シリコンの製造方法に関する。
多結晶シリコンが用いられるLSIなどの半導体市場や太陽電池市場の拡大を受け、収率が改善された多結晶シリコンの製造方法が求められている。現在、多結晶シリコンの製造方法としてはシーメンス法が汎用されている(例えば、特許文献3および非特許文献1等参照)。
シーメンス法では、非特許文献1、p58に示すように、トリクロロシランの製造工程において金属シリコンを塩化してシリコン塩化物を得た後に、このシリコン塩化物を分離・精製して、高純度の約90重量%のトリクロロシランと、約10重量%のテトラクロロシランとを得る。さらに、トリクロロシランをベルジャー型のシーメンス反応器で水素還元および熱分解して生成したシリコンを、1050℃から1150℃に通電加熱された種結晶のシリコンロッドの表面に化学気相析出法によって析出させて、高純度の多結晶シリコンを製造する。
シーメンス反応器から排出される排ガスは、未反応のトリクロロシランおよび水素、ならびに副生ガスのテトラクロロシランおよび塩化水素等を含むが、未反応のトリクロロシランおよび水素は回収して多結晶シリコンの原料とし、塩化水素も回収してクロロシランの製造工程で再利用することができる。
しかし、シーメンス法の課題の一つは、非特許文献1、p58に示すように、原理的に原料のトリクロロシランから多結晶シリコンへの反応率が低く約10〜20%の低レベルに止まることにある。また、シーメンス法の課題の一つは、この種結晶シリコンロッドの通電加熱に要する電力コストが高いことにある。さらに、シーメンス法の課題の一つは、反応の過程で大量に副生するテトラクロロシランを再利用するための有効な手段を持たないことにある。
ここで、反応率とは、多結晶シリコン製造プロセスで生成した多結晶シリコンのモル数を、供給したシリコン原料のモル数で除して%表示した値である。
シーメンス法の改良法として反応プロセスが類似する流動床法が知られるが(例えば、特許文献4参照)、種結晶にシリコンビーズを用いて反応表面積の拡大により反応の効率化を図ったものに過ぎず、シーメンス法と同様にテトラクロロシランを再利用するための有効な手段を持たない。一方、反応表面積の拡大に伴う不純物の取り込みによる品質劣化という課題を抱えている。
テトラクロロシランをトリクロロシランへ転化する手段として、下式(1),(2)で示されるコンバージョン工程が知られるが、以下の課題が残されている。
SiCl4+H2 → HSiCl3+HCl (1)
Si+3SiCl4+3H2 → 4HSiCl3+H2 (2)
Si+3SiCl4+3H2 → 4HSiCl3+H2 (2)
その課題の一つは、テトラクロロシランからトリクロロシランへの転化率が約10数%〜20%程度に止ることにある。
また課題の一つは、多結晶シリコンの品質低下にある。前述の通り、テトラクロロシランからトリクロロシランへの転化率が低いので、転化量を増やすには、転化しきれない未反応のテトラクロロシランを何度も還流させて、コンバージョン工程を繰り返す必要がある。コンバージョン工程の繰り返しは、テトラクロロシランの反応容器や管等の付帯設備への頻繁な接触をもたらす。この頻繁な接触によって、コンバージョン工程で得られるトリクロロシランが容器や管由来の金属元素等の不純物で汚染され、それを原料とする多結晶シリコンも同様に前記不純物による汚染を免れず、高純度多結晶シリコンを必要とする半導体用途への使用が困難となる。
前記コンバージョン工程の反応は、化学平衡に逆らう反応であり、約500〜550℃、約0.7〜3.5MPaGの高温・高圧の反応条件を満たす設備で運転を行う必要がある。さらに、未反応のテトラクロロシランの還流量が多いため還流系の設備も大きくなる。よって、設備コストおよびエネルギーコストが嵩むのがコンバージョン工程の課題の一つとなっている。
シーメンス法では、前述のように多くの課題を有するコンバージョン工程を採用せず、非特許文献1、p.58に示すように、副生するテトラクロロシランを乾式シリカや光ファイバーの原料等の半導体や太陽電池以外の付加価値の低い他用途に用いる場合が多い。
U.S.DOE Report DOE−JPL−1012−122 p57−p78、Economics of Polysilicon Process−A view from Japan
多結晶シリコンの製造において、多結晶シリコンの収率を改善し、副生テトラクロロシランを再利用し、また高純度の多結晶シリコンを得る、多結晶シリコン製造法が求められている。
本発明は、前工程のシーメンス反応で大量に副生されるテトラクロロシランを原料として、後工程の亜鉛還元反応で多結晶シリコンを製造することで、1)多結晶シリコンの収率を改善し、2)副生テトラクロロシランを再利用し、また3)高純度の多結晶シリコンを得る、多結晶シリコン製造法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた。その結果、シーメンス反応を含む前工程と、その副生テトラクロロシランを再利用する縦型の亜鉛還元反応を含む後工程からなる多結晶シリコン製造法で多結晶シリコンを製造することで、上記課題が解決されることを見出した。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] 金属シリコンを塩化して得たシリコン塩化物からその主成分であるトリクロロシランを分離・精製し、これを水素還元および熱分解して多結晶シリコンを製造する前工程と、前工程の排ガスからテトラクロロシランを分離・精製し、これを亜鉛で還元して多結晶シリコンを製造する後工程とを含む、多結晶シリコンの製造方法。
[2] 前記シリコン塩化物からテトラクロロシランを分離・精製し、これを後工程の原料として利用する、 [1] に記載の多結晶シリコンの製造方法。
[3] 後工程における未反応のテトラクロロシランを回収し、これを後工程の原料として再利用する、 [1] または [2] に記載の多結晶シリコンの製造方法。
[4] 後工程の排ガスを冷却して塩化亜鉛および亜鉛を含む液状物を得た後、溶融塩電解装置を用いて該液状物を電解して亜鉛および塩素ガスを得る工程をさらに含む、[1] 〜 [3]の何れかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
[5] 塩化水素合成装置を用いて前記塩素ガスを塩化水素に転化する工程をさらに含む、[4] に記載の多結晶シリコンの製造方法。
[6] 前記後工程の亜鉛還元反応が縦型かつ筒形の密閉された亜鉛還元反応器内で行われ、
該亜鉛還元反応器は、該亜鉛還元反応器内に吐出口が突出したテトラクロロシランガス導入管を有し、前記亜鉛還元反応の際に、前記吐出口を起点として下向きに、前記吐出口を除く前記亜鉛還元反応器構成部材と非接触で、針状または樹枝状の管状多結晶シリコンを成長させる、[1] 〜 [5]のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
該亜鉛還元反応器は、該亜鉛還元反応器内に吐出口が突出したテトラクロロシランガス導入管を有し、前記亜鉛還元反応の際に、前記吐出口を起点として下向きに、前記吐出口を除く前記亜鉛還元反応器構成部材と非接触で、針状または樹枝状の管状多結晶シリコンを成長させる、[1] 〜 [5]のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
本発明によれば、前工程のシーメンス反応器で大量に副生されるテトラクロロシランを原料として、後工程の亜鉛還元反応器で多結晶シリコンを製造することで、1)多結晶シリコンの収率を改善し、2)副生テトラクロロシランを再利用し、また3)高純度の多結晶シリコンを得る、多結晶シリコン製造法を提供することができる。
本発明は、シーメンス法を主とする前工程と、その副生テトラクロロシランを原料とする亜鉛還元法を主とする後工程とを含む多結晶シリコンの製造方法である。
シリコン純度2N程度の金属シリコンを塩化して得たシリコン塩化物から、約90重量%のトリクロロシランを分離・精製して前工程の原料とする(図1および図3参照)。前工程のシーメンス反応で、トリクロロシランを水素還元および熱分解して得られるシリコンを種結晶の多結晶シリコンロッドの表面に析出させて、多結晶シリコンを製造する。このときの反応率は約10〜20%に止まる。
一方、シーメンス反応の排ガスを分離・精製してトリクロロシランとテトラクロロシランとを得て、トリクロロシランをシーメンス反応で再利用するとともに、テトラクロロシランを後工程の原料として供給する。テトラクロロシランを後工程に供給して亜鉛還元反応により、反応率約82%で多結晶シリコンを製造する。
本発明の前工程において、シーメンス反応器は、特許文献3等の従来のシーメンス反応器等であってよいが、本発明は、副生したテトラクロロシランをトリクロロシランへ転化するコンバージョン工程を含まない。
シーメンス反応器における水素還元および熱分解の主要な反応式は、下式(3)および(4)で与えられるが、シーメンス法の反応は複雑で、下式(3)および(4)の反応以外にも多くの副反応が起こると考えられている。
HSiCl3+H2→Si+3HCl (3)
4HSiCl3→Si+3SiCl4+2H2 (4)
式(3)はトリクロロシラン(HSiCl3)の水素還元反応を示し、式(4)はトリクロロシランの熱分解反応を示す。
4HSiCl3→Si+3SiCl4+2H2 (4)
式(3)はトリクロロシラン(HSiCl3)の水素還元反応を示し、式(4)はトリクロロシランの熱分解反応を示す。
本発明の後工程は、特許文献1、2の縦型の反応器を用いて、前工程で副生するテトラクロロシランを亜鉛ガスにより還元して多結晶シリコンを析出させる工程であり、その代表的な反応式は下式(5)で示される。
SiCl4+2Zn→Si+2ZnCl2 (5)
以下、本発明に係る多結晶シリコンの製造方法の工程について、図1〜3に基づき、さらに詳細に説明する。
<前工程>
図1に示すように、前工程は、例えばシーメンス反応器2の他、クロロシラン製造装置41、分離・精製装置11、冷却分離装置5,8,20等の装置により行われる。
図1に示すように、前工程は、例えばシーメンス反応器2の他、クロロシラン製造装置41、分離・精製装置11、冷却分離装置5,8,20等の装置により行われる。
まず、クロロシラン製造装置41において、シリコン純度が2N程度の金属シリコン6が塩化され、トリクロロシランとテトラクロロシラン等を含むシリコン塩化物が得られる。次に、公知の精留操作および吸着操作等によるシリコン塩化物の分離・精製(図示しない)により、高度に精製された約90重量%のトリクロロシラン54と、約10重量%のテトラクロロシラン33が別々に得られる。テトラクロロシラン33は、後工程の原料とするのが好ましい。
水素53と、クロロシラン製造装置41からのトリクロロシラン54とを主とする供給ガス1は、多結晶シリコンロッドからなる種結晶を備えるシーメンス反応器2に導入され、水素還元および熱分解によって生成したシリコンは、シーメンス反応器2の1050℃から1150℃に通電加熱された種結晶上に析出し、多結晶シリコンロッド3へと成長する。この多結晶シリコンロッド3は、シーメンス反応の終了後にシーメンス反応器2から取り出される。
シーメンス反応器2の排ガス4は、未反応のトリクロロシランガス、副生テトラクロロシランガス、未反応の水素および副生塩化水素を含む混合物である。副生テトラクロロシランガスは、後工程の亜鉛還元反応の原料として再利用される。
排ガス4の冷却分離装置群は、冷却分離装置5,8,20で構成される。シーメンス反応器2からの排ガス4は、順次、冷却分離装置5,8,20により、クロロシラン10、塩化水素22および水素21に分離される。
冷却分離装置5は、冷却水を用いて熱交換を行う装置であり、100℃前後の未凝縮の排ガス4から、テトラクロロシランを主とする成分を凝縮させてクロロシラン10を回収する。排ガス4は冷却分離装置5を通過して、排ガス7となって冷却分離装置8に入る。
冷却分離装置8は、冷媒を用いて熱交換を行う装置であり、30℃前後の未凝縮の排ガス7から、トリクロロシランを主とするクロロシラン10を凝縮させて回収する。排ガス7は冷却分離装置8を通過して、排ガス9となって冷却分離装置20に入る。
冷却分離装置20は、凝縮または吸収を主体とした装置であり、−50℃前後の未凝縮の排ガス9から、水素21と塩化水素22を分離して回収する。更に、冷却分離装置20は、水素21中に微量に残存するクロロシランを活性炭等で除去し、残存する塩化水素を苛性ソーダで中和する。回収した水素21は、その後、前工程のシーメンス法の反応で再利用される。その一方で、回収した塩化水素22は、クロロシラン製造装置41で再利用される。
回収したクロロシラン10は、複数の精留塔および吸着装置等で構成された分離・精製装置11でトリクロロシラン12とテトラクロロシラン13とに分離・精製される。トリクロロシラン12は前工程の原料として再利用され、テトラクロロシラン13は後工程の原料として再利用される。
<後工程>
図1に示すように、後工程は、例えば、前工程の副生テトラクロロシランを再利用する亜鉛還元反応器17の他、亜鉛気化器29、テトラクロロシラン気化器14、塩化亜鉛回収装置24、冷却分離装置25等の装置により行われる。
図1に示すように、後工程は、例えば、前工程の副生テトラクロロシランを再利用する亜鉛還元反応器17の他、亜鉛気化器29、テトラクロロシラン気化器14、塩化亜鉛回収装置24、冷却分離装置25等の装置により行われる。
後工程で行う亜鉛還元法の工程で用いる亜鉛還元反応器17は、図2に示すように縦型の筒形のものであれば特に限定されないが、反応効率の観点から円筒形が好ましい。また、亜鉛還元反応器17の材質は、亜鉛還元反応器17の内部で成長させる多結晶シリコンの純度を極力下げない材質のものが好ましく、より好ましくは石英製である。
亜鉛還元反応器17の上板17aには、上板17aを貫通する石英ガラス製のテトラクロロシランガス導入管101および亜鉛ガス導入管102が設備される。亜鉛還元反応器17の下部には排気管103が設備される。
そして、亜鉛還元反応器17内の温度を上げて、好ましくは800〜1200℃、より好ましくは850〜1050℃の反応温度で、テトラクロロシランを亜鉛により還元しつつ、テトラクロロシランガスの導入管101の吐出口101aを起点として、針状または樹枝状の多結晶シリコン18を管状に成長させていく。成長した多結晶シリコン18は、自然落下、または、物理的な衝撃による落下により回収される。
この亜鉛還元法では、前工程で副生したテトラクロロシランを原料として、反応率約82%で多結晶シリコンを析出させることができる。
亜鉛還元反応器17へ供給するテトラクロロシラン15のうち、約18%の未反応のテトラクロロシランは、800〜1200℃の温度でも熱分解などで他の物質に転化することなく、分離・回収操作で亜鉛還元反応の原料として再利用することができる。また、その還流量も少ないので還流設備の負担も少ない。
本発明で用いる亜鉛還元反応器では、図2に示すように、テトラクロロシランの吐出口101aを起点として、亜鉛還元反応器17内の空間で多結晶シリコンを管状に成長させるため、吐出口101aを除き、多結晶シリコン18と亜鉛還元反応器17の内壁を含む反応器構成部材とが直接接触することがなく、多結晶シリコン18の亜鉛還元反応器17の容器成分による汚染を極端に低減することができる。
さらに、前工程の出発原料(シリコン塩化物)から分離・精製したトリクロロシランは、半導体に用いられる高純度の多結晶シリコンの原料として、シリコン純度6N程度の半導体グレードの純度に精製されているので、そのトリクロロシランが転化したテトラクロロシランもまた半導体グレードの高純度に保たれる。即ち、トリクロロシランが転化した副生物のテトラクロロシランは高純度である点で極めて品質上有利であるため、これを亜鉛還元法の工程の原料として用いれば、より高純度の多結晶シリコンを得ることができる。
テトラクロロシラン13を後工程で再利用する際、図1に示すように、テトラクロロシラン13に、クロロシラン製造装置41で生成するテトラクロロシラン33、亜鉛還元反応で反応に寄与せずに未反応のまま回収された後述のテトラクロロシラン23を補充できる。
回収されたテトラクロロシラン13,23,33は、テトラクロロシラン気化器14でテトラクロロシランガス15へとガス化され、亜鉛還元反応器17に供給される。
一方、亜鉛28aは、亜鉛気化器29で亜鉛ガス16へとガス化され、亜鉛還元反応器17に供給される。亜鉛気化器29は、液状の亜鉛28aを亜鉛の沸点以上に加熱して、亜鉛ガス16を発生させる装置である。
亜鉛還元反応器17から排出された排ガス19には、未反応の亜鉛ガス16、未反応のテトラクロロシランガス15および副生物の塩化亜鉛ガスが含まれる。排ガス19は、亜鉛還元反応器17から塩化亜鉛回収装置24に連続的に送られる。
排ガス19は、塩化亜鉛回収装置24により段階的に冷却されることで、塩化亜鉛および回収した亜鉛を含む液状物26と、未反応のテトラクロロシランガスを含む排ガス31とに分離される。
塩化亜鉛回収装置24からの排ガス31は、冷却分離装置25により冷却され、排ガス31に含まれる未反応のテトラクロロシラン23が凝縮・分離される。このテトラクロロシラン23は、テトラクロロシラン気化器14でテトラクロロシランガス15となり、上述したように、亜鉛還元反応で再利用される。一方、冷却分離装置25からの排ガス32は、除害設備(図示しない)を経て適正に処理される。
<その他の工程>
液状物26は、溶融塩電解装置27に送られた後、電解され、液体亜鉛28bおよび塩素ガス30が得られる(溶融塩電解工程)。液体亜鉛28bは、上述したように亜鉛気化器29により亜鉛ガス16になり、亜鉛還元反応器17で亜鉛還元反応に再利用される。
液状物26は、溶融塩電解装置27に送られた後、電解され、液体亜鉛28bおよび塩素ガス30が得られる(溶融塩電解工程)。液体亜鉛28bは、上述したように亜鉛気化器29により亜鉛ガス16になり、亜鉛還元反応器17で亜鉛還元反応に再利用される。
一方、塩素ガス30は、塩化水素合成装置51で、水素ガスとともにバーナーで燃焼して塩化水素22に転換される(塩化水素合成工程)。そして、転換された塩化水素22は、クロロシラン製造装置41で再利用される。その反応式は、下式(6)で示される。
H2+Cl2→2HCl (6)
<亜鉛還元法の物質収支>
図1の後工程を実施して、亜鉛還元法の物質収支を検証した。
図1の後工程を実施して、亜鉛還元法の物質収支を検証した。
図2の亜鉛還元反応器17は、内径φ=500mm、高さ1500mmの石英製の円筒形の密閉容器である。亜鉛ガスの導入管102(φ=35mm)を上板17aの中心に1本、それを中心とする半径175mmの円周上を等間隔に分割する位置にかつ挿入深さ200mmでテトラクロロシランガスの導入管101(φ=25mm)を6本(一部図示しない)、排ガス19の排気管103(φ=60mm)を亜鉛還元反応器17の下部に1本設備されている。前記管類は石英製の円管からなることが好ましい。
図1のテトラクロロシラン気化器14および亜鉛気化器29により、950℃に加熱されたテトラクロロシランガス15(170Kg/hr)、亜鉛ガス16(130Kg/hr)およびチッ素ガス(0.9Kg/hr)の合計300.9Kg/hrを、電気炉の亜鉛還元反応器17内に外部から送り込んで、多結晶シリコン18を生成させる亜鉛還元反応を10時間実施した。
亜鉛還元反応の終了後に回収された多結晶シリコン18の量から、単位時間当たりの多結晶シリコン18の生成量は23Kg/hrであった。この生成量から多結晶シリコンの反応率約82%で亜鉛還元反応が進行し、供給されたテトラクロロシランガス15の18%が未反応のまま残ることが分かった。
この多結晶シリコン18の凝集体を解砕して粒度10mm以下に調整した。その後、解砕した多結晶シリコンを、半導体グレードで一般的に実施される洗浄工程で洗浄し、約12Kgの乾燥した多結晶シリコンを得た。
この多結晶シリコンを用いて、CZ法による直径約4インチの単結晶シリコンのインゴットを引上げ、このインゴットから2mm厚のシリコンウエーハを切り出し、シリコンウエーハの比抵抗値(4探針法測定器による)およびライフタイム(PCD法測定器による)を測定したところ、それぞれ300Ω・cm以上、1000μsec以上であり、後工程で得られる多結晶シリコンが、シリコン純度9N相当の品質を備え、半導体グレードおよび太陽電池グレードの多結晶シリコンとして十分な品質と電気特性を備えていることが分かった。
<シリコン収量>
図3は、本発明の前工程と後工程からなる多結晶シリコン製造法の物質収支を示す。前工程の物質収支の数値には、非特許文献1、p66のFig.2(Conventional Siemens Prosess (kg/kg−Si))を転載したものであって、前工程の物質収支を開示するFig.2の数値を用いた。後工程の物質収支の数値には、前述の検証値を用いた。
図3は、本発明の前工程と後工程からなる多結晶シリコン製造法の物質収支を示す。前工程の物質収支の数値には、非特許文献1、p66のFig.2(Conventional Siemens Prosess (kg/kg−Si))を転載したものであって、前工程の物質収支を開示するFig.2の数値を用いた。後工程の物質収支の数値には、前述の検証値を用いた。
なお、図3においては、本発明の記載の語句と整合させるために、非特許文献1のFig.2の、FBR Reactor(Fluidized bed reactor)、Distillation、Siemens Decomposition Reactor, Recovery Unit、Distillationの語句を、それぞれ、クロロシラン製造装置41、分離・精製、シーメンス反応器2、冷却分離装置5、8、20、分離・精製装置11の語句に置き換えて示している。
図1および図3に示すように、クロロシラン製造装置41のクロロシランの製造工程において、金属シリコンを塩化して得られたシリコン塩化物を分離・精製して、15.50kgのトリクロロシランを得た。
前記15.50kgのトリクロロシラン54と、シーメンス反応器2の排ガス4から分離精製装置11によって回収され再びシーメンス反応器2へ還流する26.00kgの未反応のトリクロロシラン12の合計41.0kgのトリクロロシランをシーメンス反応器2で水素還元および熱分解して1.00kgの半導体グレードの多結晶シリコンを得、11.00kgのテトラクロロシラン13が副生する。このときの反応率は11.7%である。
亜鉛還元法を主とする後工程では、シーメンス反応器2の排ガス4から分離・精製装置11によって回収された11.00kgの副生テトラクロロシラン13、前記シリコン塩化物からトリクロロシランを分離・精製する過程で排出された2.00kgのテトラクロロシラン33、亜鉛還元反応器17の排ガスから冷却分離装置25で分離・回収した2.85kgのテトラクロロシラン23を合計して、15.85kgのテトラクロロシラン15を原料として、亜鉛還元反応器17で2.14kgの多結晶シリコン18を得ることができる。このときの反応率は82%である。
シーメンス法では、クロロシランの製造工程で製造されたシリコン塩化物から分離・精製された17.5kgのクロロシランガスを出発原料として、1kgの多結晶シリコンを得るのみであるが、本発明に係る多結晶シリコン製造法では、シーメンス法を主とする前工程で得られる1.00kgの多結晶シリコンを得た後、その副生テトラクロロシランガス13を再利用して、引き続き亜鉛還元法を主とする後工程を実施して、2.14kgの多結晶シリコン18を得ることができる。すなわち、本発明に係る多結晶シリコン製造法では、合計して、3.14kgの高純度の多結晶シリコンを得ることができる。
シーメンス法を主とする前工程でトリクロロシランから多結晶シリコンを得た後、シーメンス法の副生物を原料とする亜鉛還元法を主とする後工程を前工程の後に付加することによって、1)多結晶シリコンの収率を改善し、2)副生テトラクロロシランを再利用し、また3)高純度の多結晶シリコンを得る、多結晶シリコン製造法を提供することができる。
前工程から得られた多結晶シリコンは、特に、半導体グレードの高純度のシリコン材料として使用することができる。また、後工程から得られた多結晶シリコンもまた半導体および高純度の太陽電池グレードのシリコン材料として使用することができる。
以上、本発明に係る実施の形態および実施例を、図面を参照しながら説明してきたが、本発明はこれら実施の形態および実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない限り、設計変更等は許容される。
1 供給ガス
2 シーメンス反応器
3 多結晶シリコンロッド
4 排ガス
5 冷却分離装置
6 金属シリコン
7 排ガス
8 冷却分離装置
9 排ガス
10 クロロシラン
11 分離・精製装置
12 トリクロロシラン
13 テトラクロロシラン
14 テトラクロロシラン気化器
15 テトラクロロシランガス
16 亜鉛ガス
17 亜鉛還元反応器
17a 上板
17b 底板
18 多結晶シリコン
19 排ガス
20 冷却分離装置
21 水素
22 塩化水素
23 テトラクロロシラン
24 塩化亜鉛回収装置
25 冷却分離装置
26 液状物
27 溶融塩電解装置
28a,28b 亜鉛
29 亜鉛気化器
30 塩素ガス
31 排ガス
32 排ガス
33 テトラクロロシラン
41 クロロシラン製造装置
51 塩化水素製造装置
52 塩化水素
53 水素
54 トリクロロシラン
101,102 導入管
101a 吐出口
103 排気管
2 シーメンス反応器
3 多結晶シリコンロッド
4 排ガス
5 冷却分離装置
6 金属シリコン
7 排ガス
8 冷却分離装置
9 排ガス
10 クロロシラン
11 分離・精製装置
12 トリクロロシラン
13 テトラクロロシラン
14 テトラクロロシラン気化器
15 テトラクロロシランガス
16 亜鉛ガス
17 亜鉛還元反応器
17a 上板
17b 底板
18 多結晶シリコン
19 排ガス
20 冷却分離装置
21 水素
22 塩化水素
23 テトラクロロシラン
24 塩化亜鉛回収装置
25 冷却分離装置
26 液状物
27 溶融塩電解装置
28a,28b 亜鉛
29 亜鉛気化器
30 塩素ガス
31 排ガス
32 排ガス
33 テトラクロロシラン
41 クロロシラン製造装置
51 塩化水素製造装置
52 塩化水素
53 水素
54 トリクロロシラン
101,102 導入管
101a 吐出口
103 排気管
Claims (6)
- 金属シリコンを塩化して得たシリコン塩化物からその主成分であるトリクロロシランを分離・精製し、これを水素還元および熱分解して多結晶シリコンを製造する前工程と、前工程の排ガスからテトラクロロシランを分離・精製し、これを亜鉛で還元して多結晶シリコンを製造する後工程とを含む、多結晶シリコンの製造方法。
- 前記シリコン塩化物からテトラクロロシランを分離・精製し、これを後工程の原料として利用する、請求項1に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- 後工程における未反応のテトラクロロシランを回収し、これを後工程の原料として再利用する、請求項1または2に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- 後工程の排ガスを冷却して塩化亜鉛および亜鉛を含む液状物を得た後、溶融塩電解装置を用いて該液状物を電解して亜鉛および塩素ガスを得る工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- 塩化水素合成装置を用いて前記塩素ガスを塩化水素に転換する工程をさらに含む、請求項4に記載の多結晶シリコンの製造方法。
- 前記後工程の亜鉛還元反応が縦型かつ筒形の密閉された亜鉛還元反応器内で行われ、
該亜鉛還元反応器は、該亜鉛還元反応器内に吐出口が突出したテトラクロロシランガス導入管を有し、
前記亜鉛還元反応の際に、前記吐出口を起点として下向きに、前記吐出口を除く前記亜鉛還元反応器構成部材と非接触で、針状または樹枝状の管状多結晶シリコンを成長させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013035751A JP2014162688A (ja) | 2013-02-26 | 2013-02-26 | 多結晶シリコンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013035751A JP2014162688A (ja) | 2013-02-26 | 2013-02-26 | 多結晶シリコンの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2014162688A true JP2014162688A (ja) | 2014-09-08 |
Family
ID=51613629
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2013035751A Pending JP2014162688A (ja) | 2013-02-26 | 2013-02-26 | 多結晶シリコンの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2014162688A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2020179561A1 (ja) | 2019-03-05 | 2020-09-10 | 株式会社トクヤマ | クロロシラン類の製造方法 |
-
2013
- 2013-02-26 JP JP2013035751A patent/JP2014162688A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2020179561A1 (ja) | 2019-03-05 | 2020-09-10 | 株式会社トクヤマ | クロロシラン類の製造方法 |
| KR20210130161A (ko) | 2019-03-05 | 2021-10-29 | 가부시키가이샤 도쿠야마 | 클로로 실란류의 제조방법 |
| US12221352B2 (en) | 2019-03-05 | 2025-02-11 | Tokuyama Corporation | Chlorosilane producing method |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP5621957B2 (ja) | トリクロロシランの製造方法および製造装置 | |
| CN101269814B (zh) | 高纯度硅的制造方法 | |
| JP5637866B2 (ja) | 多結晶シリコンの製造法 | |
| JP4778504B2 (ja) | シリコンの製造方法 | |
| TWI436946B (zh) | 多晶矽之製造方法以及多晶矽製造設備 | |
| JPS6259051B2 (ja) | ||
| CN103260716A (zh) | 在涉及歧化操作的基本闭环方法中制备多晶硅 | |
| JP4740646B2 (ja) | シリコンの製造方法 | |
| CN103153855A (zh) | 在基本闭环的方法和系统中制备多晶硅 | |
| US8974761B2 (en) | Methods for producing silane | |
| US9487406B2 (en) | Systems for producing silane | |
| CN102196995B (zh) | 三氯硅烷的制备方法及利用方法 | |
| JP2014162688A (ja) | 多結晶シリコンの製造方法 | |
| CN105980305B (zh) | 三氯氢硅制造工艺 | |
| CN103466626A (zh) | 一种多晶硅的生产方法 | |
| JPH01226712A (ja) | ジクロルシランの製造方法 | |
| JP5333725B2 (ja) | トリクロロシランの製造方法および利用方法 | |
| JP4542209B2 (ja) | 多結晶シリコンの製造方法および高純度シリカの製造方法 | |
| JPS59121109A (ja) | 高純度シリコンの製造方法 | |
| EP2655247A1 (en) | Methods and systems for producing silane | |
| JP2007284280A (ja) | 六塩化二珪素の製造方法 |