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JP2014037334A - レーザ封止用無鉛ガラスおよびそれを用いたガラスセラミックス組成物 - Google Patents

レーザ封止用無鉛ガラスおよびそれを用いたガラスセラミックス組成物 Download PDF

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JP2014037334A JP2012180512A JP2012180512A JP2014037334A JP 2014037334 A JP2014037334 A JP 2014037334A JP 2012180512 A JP2012180512 A JP 2012180512A JP 2012180512 A JP2012180512 A JP 2012180512A JP 2014037334 A JP2014037334 A JP 2014037334A
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laser sealing
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Abstract

【課題】レーザ封止において封止部のクラック発生を防止でき、封止部が耐侵食性に優れるガラスの提供を目的とする。
【解決手段】酸化物基準の質量%表示で、SiOを3〜15%、Bを1〜7%、Biを78〜89%、ZnOを0〜4%、Alを2〜8%含有するレーザ封止用無鉛ガラスであって、Bに対するSiOとAlの合量の比((SiO+Al)/B)が1.5〜8であることを特徴とするレーザ封止用無鉛ガラス。
【選択図】図2

Description

本発明はレーザ封止に使用される無鉛ガラスおよびそれを用いたガラスセラミックス組成物に関する。
ガラス基板などの剛体の基板同士の封止において、樹脂やガラス粉体(以下、ガラスフリットという)などの封止材が使用されている。特に、ガラスフリットによる封止は、封止部の機械強度や耐久性が樹脂よりも優れるため、広く使用されている。なかでも、密閉性の高い封止においては、ガラスフリットが好適である。
有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Display:OELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)等の平板型ディスプレイ装置(FPD)では、発光素子等の表示素子を形成した素子用ガラス基板と封止用ガラス基板とを対向配置し、これら2枚のガラス基板を用いて表示素子を封止したガラスパッケージ構造が適用されている(特許文献1参照)。色素増感型太陽電池のような太陽電池においても、2枚のガラス基板で太陽電池素子(光電変換素子)を封止したガラスパッケージの適用が検討されている(特許文献2参照)。
従来、ガラスフリットを用いた封止では、電気炉などを使用し、封止部と基板の全てを同時に加熱し、焼結していた。これに対し、近年、微細化や、封止内部に設置したデバイス等の熱損傷防止などの観点から、レーザ照射でガラスフリットのみを加熱して、封止する方法が採用されている。
従来の加熱法と異なり、レーザ照射においては、封止部のみが加熱され、さらにその温度変化が急であり、熱割れ(以下、クラックともいう)を生じやすいという難点がある。前記クラックを防止するには、ガラスの特性として焼結温度、具体的には、ガラス軟化点近傍の温度域における線膨張係数の温度変化の低減が求められる。
さらに、ガラスフリットは、例えば、色素増感型太陽電池のように、液体を充填する部材の封止への使用が期待されている。この場合、充填する液体の性質ごとに、ガラスフリットの性質を調整する必要がある。特に色素増感型太陽電池等のように、侵食性の高い電解液を充填する部材の封止に使用する場合には、封止部のガラスの焼結体は、長期間の高い耐侵食性を有することが求められる。
特許文献3には、酸化物基準のモル%表示で、Bを15〜50%、Biを15〜45%、SiOを2〜25%、ZnOを0〜30%、Alを0〜15%、TiOを0〜15%含有する色素増感型太陽電池製造用無鉛ガラスが記載されている。しかし、レーザ封止については記載がない。また、SiOやAlに対するBの含有量の割合が高いため、ホウ酸異常によりガラス軟化点近傍での線膨張係数の温度変化が大きい。そのため、レーザ封止に使用すると、焼結性不足のため封止部にクラックや剥がれが発生するおそれがある。
特許文献4には、酸化物基準の質量%で、Biを60〜87%、Bを3〜12%、ZnOを0〜20%、SiO+Al+ZrOを0.5〜10%含有する色素増感型太陽電池用ガラスが記載されている。また、レーザ封止の使用が記載されている。しかし、このガラスは、レーザ封止における、封止部のクラックの発生防止を十分に解決していない。また、Alの含有量が低く、耐侵食性が十分でない。
特許文献5には、酸化物基準の質量%でBiを50〜90%、SiOを5〜20%、Bを2〜9%、Alを0.1〜10%からなる、無アルカリかつ無鉛ガラスが記載されている。しかし、レーザ封止用途については、記載がなく、ガラスの熱特性として、線膨張係数の温度変化を小さくする課題については、記載も示唆も無い。
特表2006−524419号公報 特開2008−115057号公報 特開2009−120462号公報 国際公開2009/128527号パンフレット 特開2000−211942号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、レーザ封止において封止部のクラック発生を防止でき、封止部が耐侵食性に優れるガラスの提供を目的とする。
本発明は、酸化物基準の質量%表示で、SiOを3〜15%、Bを1〜7%、Biを78〜89%、ZnOを0〜4%、Alを2〜8%含有するレーザ封止用無鉛ガラスであって、Bに対するSiOとAlの合量の比((SiO+Al)/B)が1.5〜8であることを特徴とするレーザ封止用無鉛ガラスを提供する。
また、色素増感型太陽電池の封止に使用する前記レーザ封止用無鉛ガラスを提供する。
本発明のガラスは、レーザ封止において封止部のクラック発生を防止できる。また、封止部は耐侵食性に優れる。そのため、侵食性の高い薬品等に接する部分の封止に使用しても長期の耐久性が得られる。
本発明の実施形態の20〜470℃の温度域におけるTMA曲線である。 図1のTMA曲線の温度勾配を示す図である。
次に、本発明のガラス成分について説明する。なお、本明細書においては、含有量は特に断らない限り質量%で表示する。
SiOはガラスの化学的耐久性を向上させる成分であり、必須である。本発明においてその含有量は、3〜15%である。3%未満では、化学的耐久性が低下し、十分な耐侵食性が得られない。好ましくは4%以上、より好ましくは4.5%以上である。一方、15%超では、Tsが高くなり、加熱温度が高くなる。好ましくは12%以下、より好ましくは11%以下である。
は、Tsを上げずにガラスを安定化させる成分であり、必須である。本発明においてその含有量は1〜7%である。1%未満では、Tsが高くなり、ガラス化範囲が狭くなり、結晶化しやすくなる。好ましくは1.5%以上、より好ましくは1.7%以上である。一方、7%超では、Tg以上の線膨張係数αが大きくなり、また、ガラスの化学的耐久性が低下する。好ましくは6%以下、より好ましくは5.5%以下である。
Biは、化学的耐久性を著しく低下することなくTsを低くできる成分であり、必須である。本発明においてその含有量は78〜89%である。78%未満では、Tsが高くなる。好ましくは80%以上、より好ましくは81%以上である。一方、89%超では、ガラスの化学的耐久性が低下する。好ましくは88%以下、より好ましくは87%以下である。
Alはガラスを安定化し、化学的耐久性を向上させる成分であり、必須である。本発明においてその含有量は、2〜8%である。2%未満では、化学的耐久性が低下し、十分な耐侵食性が得られない。好ましくは2.5%以上、より好ましくは3%以上である。一方、8%超では、Tsが高くなる。好ましくは7%以下、より好ましくは6.5%以下である。
ZnOは、は必須ではないが、Tsを低下させたい場合などに4%以下の範囲で含有してもよい。4%超では化学的耐久性が低下する、または、焼成時に結晶が析出しやすくなる。好ましくは3%以下であり、より好ましくは2.5%以下である。
本発明者は、SiOとAlの含有量の合計とBの含有量を調整することで、耐侵食性を維持したままTg以上の線膨張係数αを低くでき、αmaxを小さくできることを見出した。本発明において、Bに対する、SiOとAlとの合計の含有量の比((SiO+Al)/B)は、1.5〜8である。含有量の比が1.5未満では耐侵食性が得られず、また、ガラス化が難しくなる。好ましくは1.8以上、より好ましくは2以上である。一方、含有量の比が、8超では、αmaxが大きくなるおそれがある。好ましくは7.5以下、より好ましくは7以下である。
LiO、NaOおよびKOは、必須ではないが、Tsを低下させたい場合などに、いずれか一種以上を合計で10%以下の範囲で含有してもよい。含有量が10%超では化学的耐久性が低下する、またはαが大きくなるおそれがある。含有量は5%以下がより好ましい。
MgO、CaO、SrOおよびBaOは、必須ではないが、Tsを低下させたい場合などにいずれか一種以上を合計で10%以下の範囲で含有してもよい。含有量が10%超では化学的耐久性が低下する、またはαが大きくなるおそれがある。焼結体と基板との接着強度を高められるため、分子量が小さいMgOとCaOの使用が好ましい。
なお、本発明のガラスは、環境負荷を低下させるためPbOを実質的に含有しない。本明細書において、実質的に含有しないとは、不可避不純物以外では含有しないとの意味である。
本発明のガラスは、粉砕、分級してガラスフリットとして使用される。
ガラスフリットは、基板同士の封止または部材の被覆においては、ガラスペーストまたは、グリーンシートに加工して使用される。ガラスペーストは、ガラスフリットとビヒクルとを混練して作製される。また、グリーンシートは、ガラスフリットとビヒクル等とを混合してスラリーとし、前記スラリーをドクターブレード法などにより透明樹脂フィルム上に塗布し、乾燥して作製される。
ビヒクルとしては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、オキシエチルセルロース、ベンジルセルロース、プロピルセルロース、ニトロセルロース等を、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート等の溶剤に溶解したもの、あるいはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリテート、2−ヒドロオキシエチルメタアクリレート等のアクリル系樹脂を、メチルエチルケトン、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート等の溶剤に溶解したものが用いられる。
ガラスペーストとしての使用態様では、封止箇所または被覆する部材にガラスペーストを、例えばスクリーン印刷法等により塗布し、レーザ照射により封止部が加熱される。加熱されたガラスが焼結することで、封止できる。また、グリーンシートとしての使用態様では、封止箇所または被覆する部材にグリーンシートを、例えばラミネーターなどを用いて貼付し、レーザ照射により封止部が加熱される。加熱されたガラスが焼結することで、封止できる。
レーザ封止は、封止部にレーザを走査しながら照射して、封止したい部分のみを高温に加熱し、ガラスフリットを軟化し、焼結させる。レーザ光としては、封止部を加熱できるのであれば、特に制限されない。例えば、半導体レーザ、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、YAGレーザ、HeNeレーザ等のレーザ光を使用できる。
ガラスの流動性を確保するため、レーザ照射による封止部の加熱温度は、ガラス転位温度(Tg、単位:℃)以上である。加熱温度は、封止ガラスの軟化点(Ts、単位:℃)に対して、軟化点+100℃以上が好ましい。加熱温度が高いほど、ガラスの流動性が高まり、封止部の接着強度を高められる。
一方、加熱温度が高温になりすぎると、基板と封止部との間に引張りの残留応力が大きくなり、封止部に割れ等が生じやすくなる。そのため加熱温度は、軟化点+400℃以下が好ましい。また、レーザ封止においては、封止部のみが加熱されるため、被封止材の基板上で封止部とその周りとで温度差が生じる。加熱温度が高くなり、前記温度差が大きくなると、熱膨張により基板が割れるおそれがある。
レーザ照射による封止では、封止部で急加熱と急冷却による応力が発生し、クラックの原因になる。応力の抑制には、封止温度域でのガラスフリットの線膨張係数の温度変化が小さいほど好ましい。また、ガラスはガラス転位温度Tgよりも高い温度域で急激に膨張する。そのため、Tgよりも高い温度域でのガラスの線膨張係数の温度変化が小さいほど、クラック発生を抑制できる。なお、線膨張係数の温度変化は、Tgよりも高い温度域での線膨張係数の最大値(αmax、単位:10−7)で評価できる。この最大値(αmax、単位:10−7)を小さくすることで、クラック発生を抑制できる。
本明細書において、αmaxとは、Tg以上でガラスの屈伏点以下の温度域における熱機械分析(TMA)曲線の勾配の最大値である。TMA曲線の勾配は下記式(1)により算出する。
Figure 2014037334
式(1)において、α(T)が、温度T(単位:℃)におけるTMA曲線の勾配である。ΔLは、温度TにおけるΔL/Lであり、膨張または収縮の変化率である。Lが膨張または収縮前の資料の長さであり、ΔLは温度Tでの膨張または収縮の変化量である。
α(T)の最大値が、αmax(単位:無次元、a.u.とも記載する)である。
TMA曲線とTMA曲線の勾配とをそれぞれ図1および図2により具体的に示す。図1は、実施例の例12の20〜470℃の温度域でのTMA曲線である。図2は、図1に示す曲線の勾配の温度変化である。図2から、αmaxは、8.2×10−5と算出できる。
前述のとおり、αmaxが小さいほど、レーザ封止でのクラックの発生を抑制できるため好ましい。本発明において、αmaxは、2.0×10−4以下が好ましく、1.5×10−4以下がより好ましく、1.3×10−4以下がさらに好ましい。
ガラス転位温度Tgは、レーザ封止において加熱温度を決定する要因の一つである。Tgが低いほど、低温で封止できるため好ましい。本発明のガラスにおいてTgは、490℃以下が好ましく、470℃以下がより好ましく、450℃以下がさらに好ましい。なお、Tgは典型的には380℃以上である。本明細書においてTgは、示差熱分析(DTA)の第一変曲点で定義されるものである。
ガラス軟化点Tsもまた、レーザ封止において加熱温度を決める要因の一つである。Tsが低いほど、低温で封止できるため好ましい。本発明のガラスにおいてTsは、550℃以下が好ましく、530℃以下がより好ましく、510℃以下がさらに好ましい。なお、Tsは典型的には400℃以上である。本明細書において前記ガラスの軟化点は、示差熱分析(DTA)の第4変曲点で定義されるものである。
また、本発明のガラスは600℃まで10℃/分で昇温する示差熱分析を行ったときに結晶化ピークが認められないものが好ましい。
本発明のガラスは、レーザ照射による加熱後の焼結体が、侵食性の高い薬品に対して、優れた耐侵食性を有する。本明細書において、耐侵食性は、ガラスフリットの焼結体を用いて、色素増感型太陽電池のヨウ素電解液を作製して、80℃のヨウ素電解液に1週間浸したときの質量減少率で評価する。質量減少率は、下記式(2)で算出される。本発明において、質量減少率は、0.2%以下が好ましく、0.1%以下がより好ましい。質量減少率が0.2%以下であれば、侵食性の高い薬品に接する部分の封止に使用した際に、長期の信頼性が得られる。
Figure 2014037334
ただし、Wは、ヨウ素電解液の浸漬後の焼結体の質量であり、Wは、浸漬前の焼結体の質量である。
また、本発明のガラスは、レーザ照射による加熱後の焼結体が優れた耐酸性を有することが好ましい。本明細書において、前記耐酸性は、ガラスフリットの焼結体を用いて、30℃の10%塩酸に40分浸したときの質量減少率で評価する。本発明において、質量減少率は、40%以下が好ましく、30%以下がより好ましい。質量減少率が40%以下であれば、侵食性の高い酸性溶液に接する部分の封止に使用した際に、長期の信頼性が得られる。
本発明のガラスは、セラミックスフィラーと混合し、ガラスセラミックス組成物としての使用が好ましい。セラミックスフィラーの含有により、機械的強度を向上でき、あるいは、線膨張係数を低下させ、または調整できる。
ガラスとセラミックスフィラーの混合割合は、ガラスを30〜90体積%、セラミックスフィラーを70〜10体積%が好ましい。セラミックスフィラーの含有量が10体積%未満では、機械的強度向上の効果が十分に発揮されない。一方で、70体積%を超えると、ガラスの流動性が低下し、焼結不足を引き起こし、接着力が低下するおそれがある。
混合割合は、ガラスを35〜85体積%、セラミックスフィラーを65〜15体積%がより好ましい。さらに、ガラスを40〜90体積%、セラミックスフィラーを60〜10体積%が特に好ましい。
セラミックスフィラーは、特に限定されないが、焼結後に耐侵食性を有するものが好ましい。そのような、セラミックスフィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、コージェライト、リン酸ジルコニウム系化合物、ソーダライムガラスおよびホウケイ酸ガラスから選ばれる少なくとも1種の使用が好ましい。リン酸ジルコニウム系化合物としては、(ZrO)、AZr(PO(AはNa、KおよびCaから選ばれる少なくとも1種)、NbZr(PO、Zr(WO)(PO、または、これらの複合化合物が挙げられる。
レーザ封止においては、レーザ光を効率よく吸収させるため、吸収材の含有が好ましい。吸収材は、レーザ光を吸収する働きをするのであれば、限定されないが、より好ましくは、Fe、Cr、Mn、Co、Ni、およびCuからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属、または前記金属を含む酸化物等の化合物である。
吸収材を使用する場合、その含有量は、ガラスフリットに対して1〜20質量%が好ましい。吸収材の含有量が1質量%未満であると、十分なレーザ光の吸収効率が得られず、ガラスを溶融できないおそれがある。一方で、吸収材の含有量が20質量%を超えると、封止部が局所的に発熱し、基板または封止部が破損するおそれがある。またガラスの流動性が低下し、焼結性不足を引き起こし、接着力が低下するおそれがある。
本発明のガラスは、剛体の封止に使用できる。剛体としては、本発明のガラスとの接着強度を高める観点から、ガラス基板が好ましい。ガラス基板としては、ソーダライムガラス(α=80〜90×10−7/℃)、無アルカリガラス(α=35〜40×10−7/℃)、化学強化ガラス、または物理強化ガラス等を使用できる。これらは、使用する分野および用途によって使い分けられる。
ガラス基板として、ソーダライムガラスを使用すれば、生産原価を下げられるため好ましい。また、ソーダライムガラスの線膨張係数は、本発明のガラスの線膨張係数と近いため、セラミックスフィラーを含有しなくても、線膨張係数差が小さくなるため好ましい。
電子デバイスの基板としては、無アルカリガラスがより好ましい。無アルカリガラスは、アルカリ成分のマイグレーションが無く、さらに、レーザ加熱時の基板の膨張を抑制できる。マイグレーションが無いと、デバイスへの悪影響を防止できる。無アルカリガラスを使用する場合は、封止材と被封止材との線膨張係数差Δαを小さくするため、封止材にセラミックスフィラーの含有が好ましい。
本発明のガラスは、色素増感型太陽電池の封止等の使用に好適である。本発明のガラスまたはガラスセラミックス組成物からなるガラスフリットは、以下に記載のように、色素増感型太陽電池の集電配線の被覆または基板の封止に使用される。
透明導電膜付ガラス基板に十分な透光性を確保できる程度に集電配線(通常は銀線を使用する)を形成する。その上にガラスフリットをガラスペーストとして塗布し、またはグリーンシートにより貼付し、レーザを照射してガラス層を形成する。さらに、透明導電膜上に多孔性の酸化チタンを焼き付け、光増感色素を担持させて作用極とする。
もう一方の透明導電膜付ガラス基板にも、十分な透光性を確保できる程度に集電配線(通常は銀線を使用する)を形成する。同様に、ガラスフリットをガラスペーストとして塗布し、またはグリーンシートにより貼付し、レーザ照射してガラス層を形成する。さらに、透明導電膜上に白金膜を形成し対極とする。
作用極と対極のガラス基板を貼り合わせ、周辺部を封止材によって封止し、形成したセルの内部にヨウ素と金属ヨウ素化合物などの酸化還元剤成分からなっている電解液を注入し、注入口を封じ、色素増感型太陽電池とする。周辺部の封止材として、本発明のガラスのガラスフリットを使用できる。
なお、集電配線の被覆および、周辺部の封止の少なくともいずれか一方のガラスフリットに、本発明のガラスまたはガラスセラミックス組成物からなるガラスフリットを使用が好ましく、両方での使用がさらに好ましい。
電解液に対する耐侵食性が高いため、色素増感型太陽電池の製造に好適である。前記電解液としては、ヨウ素電解液が一般的である。ヨウ素電解液は、例えば、ヨウ素、アルカリ金属ヨウ化物、イミダゾリウムヨウ化物、四級アンモニウム塩等のヨウ素化合物を有機溶媒に溶解させたものがある。また、ヨウ素化合物以外にもtert−ブチルピリジン、1メトキシベンゾイミダゾール等を溶解させたものがある。ヨウ素電解液の溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、炭酸エチレン等のカーボネート系溶媒、ラクトン系溶媒等が使用できる。
本発明のガラスは色素増感型太陽電池の製造に使用する場合は、前記ヨウ素電解液に浸した場合の質量変化率は0.2%以下が好ましく、0.1%以下がより好ましい。
表1〜4に例1〜12のガラス組成を酸化物基準の質量%表示で示す。例1〜12のガラス組成となるように原料を調合して混合した。これを、1100〜1250℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融し、薄板状ガラスに成形した後、ボールミルで粉砕し、ガラス粉末を得た。
表1、2は質量%表示であり、表3、4はモル%表示である。例4〜12は本発明の実施例であり、例1〜3は比較例である。
これらガラス粉末について、ガラス転位温度Tg(単位:℃)、軟化点Ts(単位:℃)、結晶化点Tc(単位:℃)、平均線膨張係数α(単位:10−7/℃)およびαmax(単位:無次元)を以下に述べるようにして測定した。結果を表に示す。
Tg、Ts、Tc:600℃までの範囲で10℃/分の昇温速度で示差熱分析計を用いて測定した。結晶化ピーク温度をTcとし、結晶化ピークが認められないものは表中に「−」で示す。
線膨張係数α:ガラス粉末を加圧成形後、Tsより30℃高い温度で10分間焼成して得た焼結体を直径5mm、長さ2cmの円柱状に加工した。これを使用して、熱膨張計で50〜350℃の平均線膨張係数を測定した。
αmax:αの測定と同様の焼結体を使用して、熱膨張計で20〜470℃における熱膨張を測定し、TMA曲線を得た。ここから、式(1)の計算をし、αmaxを算出した。
αの測定と同様の焼結体を使用して色素増感型太陽電池の電解液に対する耐侵食性と耐酸性を調べた。
3−メトキシプロピオニトリルにヨウ素を0.05モル、ヨウ化リチウムを0.1モル、4−tert−ブチルピリジンを0.5モル添加し、それぞれを十分に溶解させて電解液を作製した。
円柱状に加工した焼結体試料の質量Wを測定した。次に、バイアル瓶に焼結体試料と、前記電解液を入れて密封し、80℃の条件下で1週間保持後、焼結体試料を電解液から取り出し、試料を乾燥させ質量Wを測定した。ここから、式(2)により、質量減少率を算出した。これにより、耐侵食性を評価し、その結果を表1、2に示す。
円柱状に加工した焼結体試料の質量減少率を、10%塩酸を使用し、30℃の条件下で40分保持してした以外は、電解液を使用した場合と同様にして算出した。これにより、耐酸性を評価し、その結果を表1、2に示す。
例1、2は、ガラス組成中において、Bの含有量が多く、((SiO+Al)/B)が小さい。そのため、これらのガラスは、αmaxが高く、これらのガラスフリットをレーザ封止に使用すると、封止部にクラックが発生しやすい。
例3は、SiOの含有量が少なく、ZnOの含有量が多く、Alの含有量が少なく、((SiO+Al)/B)が小さい。そのため、ガラス粉末の焼結体が、電解液および塩酸に対して十分な耐侵食性を示さない。
Figure 2014037334
Figure 2014037334
Figure 2014037334
Figure 2014037334
本発明のレーザ封止用無鉛ガラスは、ガラス基板などの剛体の封止に利用できる。特に、封止部が侵食性の高い薬品に接する部材の封止に有用である。また、色素増感型太陽電池の製造に利用できる。

Claims (8)

  1. 酸化物基準の質量%表示で、SiOを3〜15%、Bを1〜7%、Biを78〜89%、ZnOを0〜4%、Alを2〜8%含有するレーザ封止用無鉛ガラスであって、Bに対するSiOとAlの合量の比((SiO+Al)/B)が1.5〜8であることを特徴とするレーザ封止用無鉛ガラス。
  2. 20〜470℃の温度域においてTMA曲線から算出するαmaxが6.5×10−5〜1.3×10−4である請求項1記載のレーザ封止用無鉛ガラス。
  3. 色素増感型太陽電池の集電配線の被覆に使用される請求項1または2記載のレーザ封止用無鉛ガラス。
  4. 色素増感型太陽電池の封止に使用される請求項1または2記載のレーザ封止用無鉛ガラス。
  5. 請求項1または2記載のレーザ封止用無鉛ガラスの粉末を30〜90体積%含有しセラミックスフィラーを70〜10体積%含有するレーザ封止用ガラスセラミックス組成物。
  6. 色素増感型太陽電池の集電配線の被覆に使用される請求項5記載のレーザ封止用ガラスセラミックス組成物。
  7. 色素増感型太陽電池の封止に使用される請求項5記載のレーザ封止用ガラスセラミックス組成物。
  8. 集電配線の被覆および封止の少なくともいずれか一方にガラスフリットが使用された色素増感型太陽電池であって、前記ガラスフリットが請求項1もしくは2のガラス、または請求項5記載のガラスセラミックス組成物からなる色素増感型太陽電池。
JP2012180512A 2012-08-16 2012-08-16 レーザ封止用無鉛ガラスおよびそれを用いたガラスセラミックス組成物 Pending JP2014037334A (ja)

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