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JP2014032394A - マイクロミラーアレイおよびその製法並びにそれに用いる光学素子 - Google Patents

マイクロミラーアレイおよびその製法並びにそれに用いる光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】明るく輝度の高い結像を結ぶことのできるマイクロミラーアレイおよびそれに用いる光学素子と、離型・脱型の過程を経ることなく、低コストでアレイを製造することのできるマイクロミラーアレイの製法を提供する。
【解決手段】本発明のマイクロミラーアレイの製法は、透明な平板状の基板を準備する工程と、基板をダイシング加工機の加工ステージの所定位置に取り付ける工程と、各基板の一表面に、回転刃を用いて、互いに平行な複数本の直線状溝を所定の間隔で順次形成する工程と、上記直線状の溝が一表面(おもて面)に形成された基板を、(D)一方の基板のおもて面と他方の基板の裏面とを合わせて積み重ねる,(E)各基板におけるおもて面どうしを合わせて積み重ねる,(F)各基板における裏面どうしを合わせて積み重ねる、のいずれかの重ね方で重ね、各基板1,1’における直線状溝1g,1’gの延びる方向が平面視互いに直交するように構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、被投影物の鏡映像を空間に結像させるマイクロミラーアレイおよびその製法と、このマイクロミラーアレイに用いる光学素子に関するものである。
3次元または2次元の物体,画像等を空間に結像する結像光学素子として、光学素子の素子面を構成する基板(基盤)に、「1つ以上の鏡面による光の反射を行う単位光学素子」を複数個配置したマイクロミラーアレイが開発されている。なかでも、この基板に垂直もしくはそれに近い角度で配置された「互いに直交する2つの鏡面」(コーナーリフレクタ)を有する凹状単位光学素子または凸状単位光学素子を、多数個アレイ状に配列したマイクロミラーアレイは、構造が比較的単純で、製造コストの低減が見込めることから、近年注目を集めている(特許文献1を参照)。
上記マイクロミラーアレイの例として、図12,図13のものがあげられる。
図12に示す凹型マイクロミラーアレイ50(以下、単に「アレイ」ということもある)は、透明材料からなる平板状の基板3(素子面P)の一面に、他面側まで貫通する略四角筒状の微小孔51(単位光学素子、この例では、縦,横,深さの比が、ほぼ1:1:1)が、観察者に対して斜め45°の碁盤目状に多数配列されて構成されており、各単位光学素子(微小孔51)の4つの側面(内壁面)のうちの少なくとも2面が、鏡面(光反射性の壁面)に形成されている。
また、図13に示す凸型マイクロミラーアレイ60は、透明材料からなる基板4(素子面P)の一表面に、透明な略四角柱状の微小凸部61(単位光学素子、この例では、幅,奥行き,高さの比が、ほぼ1:1:1の正立方体)が、観察者に対して斜め45°の碁盤目状に多数配列されて構成されている。上記アレイ60の場合、各単位光学素子(微小凸部61)の4つの側面(壁面)のうちの少なくとも2面が、鏡面(光反射性の壁面)に形成されている。
そして、図14のように、上記凹型または凸型等のマイクロミラーアレイLの一方の面(表または裏)側から入射した光がアレイLを通過する際、この光(二点鎖線)が、各単位光学素子の1つのコーナーKを挟む2つの鏡面でそれぞれ1回(合計2回)反射し、その2回反射後の光(通過光)が、上記各アレイLの他方の面側の空間位置(素子面Pに対して面対称の位置)に、被投影物Mの鏡映像(鎖線で示す反転像M’)を結像させるようになっている。
上記のような凹型マイクロミラーアレイを作製する方法としては、従来、予め平坦な土台上に各凹状単位光学素子の形状に対応する多数の微小凸部が形成された金型(成形型)を用いて、ナノインプリント工法または電鋳工法により、上記単位光学素子の形状を反転転写する方法が採用されている(特許文献1)。また、凸型マイクロミラーアレイを作製する方法として、各凸状単位光学素子の形状に対応する多数の微小キャビティ(凹部)を有する金型(スタンパ)を用いて、射出成形または熱プレス成形により、基板上に所定のピッチで多数の微小角柱を形成する方法が提案されている(特許文献2)。
国際公開第WO2007/116639号 特開2011−191404号公報
しかしながら、上記成形型やスタンパを用いたマイクロミラーアレイの製法では、成形後に、離型(脱型)工程が必要となる。このような離型工程の存在は、製造過程が煩雑になるだけでなく、できあがった各単位光学素子が上記成形型等と癒着して、離型時に、その単位光学素子の一部が剥がれたり欠けたりしてアレイに欠陥が生じるため、鮮明な映像が得られないといった問題の原因ともなりやすい。よって、これらに代わるマイクロミラーアレイの構成と、成形型を使用しない新たな製法が模索されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、明るく輝度の高い結像を結ぶことのできるマイクロミラーアレイおよびそれに用いる光学素子と、離型・脱型の過程を経ることなく、低コストでアレイを製造することのできるマイクロミラーアレイの製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、平板状の光学素子の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、この光学素子の素子面に対して面対称となる他方の面側の空間位置に結像させるマイクロミラーアレイであって、透明な平板状基板の一面に、回転刃を用いたダイシング加工により、互いに平行な複数本の直線状溝が所定の間隔で形成された2枚の光学素子を、各光学素子の直線状溝の延びる方向が平面視互いに直交するように、下記(A)〜(C)のいずれかの態様にて重ね合わせた状態で一組として構成されているマイクロミラーアレイを、第1の要旨とする。
(A)一方の光学素子の直線状溝が形成されたおもて面と、他方の光学素子の溝が形成されていない裏面とが当接した態様。
(B)各光学素子における直線状溝が形成されたおもて面どうしが当接した態様。
(C)各光学素子における溝が形成されていない裏面どうしが当接した態様。
また、本発明は、平板状の光学素子の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、この光学素子の素子面に対して面対称となる他方の面側の空間位置に結像させるマイクロミラーアレイであって、上記光学素子を構成する1枚の透明な平板状基板の一方の面と反対側の他方の面のそれぞれに、回転刃を用いたダイシング加工により、互いに平行な複数本の直線状溝が、おもて面側の直線状溝と裏面側の直線状溝とが平面視互いに直交するように、所定の間隔で形成されているマイクロミラーアレイを、第2の要旨とする。
また、同じ目的を達成するため、本発明は、上記第1の要旨に記載のマイクロミラーアレイを製造する方法であって、透明な平板状の基板を準備する工程と、この基板をダイシング加工機の加工ステージの所定位置に取り付ける工程と、上記基板の一面に、回転刃を用いて、互いに平行な複数本の直線状溝を所定の間隔で順次形成する工程と、上記直線状溝が形成された2枚の基板を、各基板における直線状溝の延びる方向が平面視互いに直交するように、下記(D)〜(F)のいずれかの重ね方で重ねて一組とする工程と、を備えるマイクロミラーアレイの製法を、第3の要旨とする。
(D)一方の基板の直線状溝が形成されたおもて面と、他方の基板の溝が形成されていない裏面とを合わせて積み重ねる、重ね方。
(E)各基板における直線状溝が形成されたおもて面どうしを合わせて積み重ねる、重ね方。
(F)各基板における溝が形成されていない裏面どうしを合わせて積み重ねる、重ね方。
さらに、本発明は、上記第2の要旨に記載のマイクロミラーアレイを製造する方法であって、透明な平板状の基板を準備する工程と、この基板をダイシング加工機の加工ステージの所定位置に取り付ける工程と、上記基板の一方の面に、回転刃を用いて、互いに平行な複数本の直線状溝を所定の間隔で順次形成する工程と、この基板を上記加工ステージから一旦取り外して表裏反転させ、この加工ステージの所定位置に再度取り付ける工程と、上記基板の他方の面に、回転刃を用いて、上記一方の面と同様の互いに平行な複数本の直線状溝を、一方の面側の直線状溝と平面視直交する方向に、所定の間隔で順次形成する工程と、を備えるマイクロミラーアレイの製法を、第4の要旨とする。
また、本発明は、透明な平板状基板の一表面に、互いに平行な複数本の直線状溝が、所定の間隔で形成されているマイクロミラーアレイ用の光学素子を第5の要旨とし、この光学素子を上下に2枚重ねて構成したマイクロミラーアレイを、第6の要旨とする。
すなわち、本発明者は、マイクロミラーアレイの製造の効率を高める加工方法として、上記従来の金型やスタンパ等を用いた型成形法を利用するという技術常識を打破し、精密な溝彫り込み加工のできるダイシング加工の利用を考え、実施した。その結果、明るく鮮明な結像を結ぶことのできるマイクロミラーアレイを、従来の製法より低コストかつ高収率で得ることに成功した。
以上のように、本発明の第1の要旨のマイクロミラーアレイは、基板上の直線状溝が、回転刃を用いたダイシング加工により形成されているため、これら各溝を構成する両側の壁面(側面)が、光反射性の垂直面(鏡面、すなわち、後記のコーナーリフレクタを構成する一方の鏡面)に形成されている。また、上記直線状溝は、1枚の基板上に、所定の間隔で平行に複数本形成されており、前記(A)〜(C)のいずれかの態様で、基板の1枚を水平方向に90°回転させた状態で他の1枚の基板に重ね合わせて1組として構成する。この構成により、一方の基板側の直線状溝のグループと他方の基板側の直線状溝のグループとが、基板表裏方向(上下方向)から見た平面視において、互いに直交する格子状になり、これら溝のグループどうしの交差箇所それぞれに、上下方向に離間した2つの鏡面からなる「コーナーリフレクタ」が多数形成される。また、これらのコーナーリフレクタは、上記基板(光学素子)の一方の面側から入射した光を、各コーナーリフレクタを構成する2つの鏡面でそれぞれ1回反射し、反射後の光を、他方の面側に透過させる。これにより、本発明の第1の要旨のマイクロミラーアレイは、上記基板の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、この基板に対して面対称となる他方の面側の空間位置に、明るくしかも鮮明に結像させることができる。
また、本発明の第2の要旨のマイクロミラーアレイは、1枚の基板の一方の面と反対側の他方の面(おもて面と裏面)のそれぞれに形成された直線状溝グループどうしが、基板表裏方向(上下方向)から見た平面視において、互いに直交する格子状になり、これら溝グループどうしの交差箇所それぞれに、上記第1の要旨のマイクロミラーアレイと同様の、上下方向に離間した2つの鏡面からなる「コーナーリフレクタ」が多数形成されるようになっている。したがって、このマイクロミラーアレイも、上記基板(光学素子)の一方の面側から入射した光が、各コーナーリフレクタを構成する2つの鏡面でそれぞれ1回反射し、反射後の光が、他方の面側に透過する。これにより、本発明の第2の要旨のマイクロミラーアレイは、上記基板の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、この基板に対して面対称となる他方の面側の空間位置に、明るくしかも鮮明に結像させることができる。
つぎに、本発明の第3の要旨のマイクロミラーアレイの製法は、上記コーナーリフレクタを構成する基板上の直線状溝の形成を、回転刃を用いたダイシング加工により行った後、前記(D)〜(F)のいずれかの重ね方で、これら基板を重ねて一組とする工程を備えている。これにより、上記マイクロミラーアレイの製法は、上記直線状溝を有する光学素子およびマイクロミラーアレイを、精度良く効率的に形成することができるとともに、従来の製法に比べ、マイクロミラーアレイを容易にかつ低コストで製造することができる。さらに、上記マイクロミラーアレイの製法は、離型(脱型)等のアレイに損傷を与え易い工程がないため、アレイおよびそれを構成する光学素子の製造における良品率(収率)を向上させることができる。しかも、上記ダイシングによる溝加工は、溝の間隔(ピッチ)や深さを変えて、光反射面(鏡面)のアスペクト比〔高さ(基板厚さ方向の長さ)Hと幅(基板水平方向の幅)Wの比〕を高くする等、光学素子の光学性能の調整を比較的簡単に行うことができる。これにより、アレイ設計の自由度が向上するという利点もある。
また、本発明の第4の要旨のマイクロミラーアレイの製法も、上記コーナーリフレクタを構成する、基板の一方の面(おもて面)側および反対側の他方の面(裏面)側の直線状溝の形成を、回転刃を用いたダイシング加工により行っているため、この直線状溝を精度良く効率的に形成することができる。これにより、上記第3の要旨のマイクロミラーアレイの製法と同様、従来の製法に比べ、マイクロミラーアレイを容易にかつ低コストで製造することができる。しかも、離型(脱型)等のアレイに損傷を与え易い工程がないため、アレイおよびそれを構成する光学素子の製造における良品率(収率)を向上させることができるとともに、溝の間隔(ピッチ)や深さを変える等、光学素子の光学性能の調整を比較的簡単に行うことができるという点も同様である。
そして、上記マイクロミラーアレイに用いられる光学素子(光学素子単体)は、透明な平板状基板の一表面に、互いに平行な複数本の直線状溝が、所定の間隔で形成されており、そのなかでも、上記直線状溝とそれに隣接する直線状溝との間の基板表面部分の幅(W)と、この基板表面部分の溝底からの高さ(H)との比「高さH/幅W」(上記アスペクト比)が、3.0以上になっている光学素子を、好適に使用する。また、上記のような光学素子を上下に2枚重ねて構成したマイクロミラーアレイは、被投影物の鏡映像を、この基板に対して面対称となる他方の面側の空間位置に、より明るく、より鮮明に結像させることができる。
本発明の第1実施形態におけるマイクロミラーアレイの構造を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態におけるマイクロミラーアレイの分解斜視図である。 本発明の第2実施形態におけるマイクロミラーアレイの構造を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態におけるマイクロミラーアレイの分解斜視図である。 本発明の第3実施形態におけるマイクロミラーアレイの構造を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態におけるマイクロミラーアレイの分解斜視図である。 本発明の第4実施形態におけるマイクロミラーアレイの構造を示す斜視図である。 (a)は本発明のマイクロミラーアレイ内部のコーナーリフレクタ部分を上下方向から見た平面図であり、(b)はそのコーナーリフレクタの一つ(一対)の立体構造を示す模式図である。 本発明の実施形態のマイクロミラーアレイの製法に用いられるダイシング加工機の概略構成図である。 本発明の実施例における鏡映像の投影実験の方法を説明する模式図である。 本発明の実施例における空間像(文字)の見え方を、カメラで撮影した参考写真である。 従来の凹型マイクロミラーアレイの構造を拡大して示す模式図である。 従来の凸型マイクロミラーアレイの構造を拡大して示す拡大模式図である。 マイクロミラーアレイによる鏡映像の結像様式を説明する模式図である。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の第1実施形態におけるマイクロミラーアレイの構造を示す斜視図であり、図2は、このマイクロミラーアレイの分解斜視図である。なお、基板(1,1’)上に設けられている各直線状の溝(付加符号g)は、その構造を分かり易くするために拡大して描いている(以降の図も同様。)。また、溝(g)が形成されている面を「表(おもて)面」側(付加符号a)、溝(g)が形成されていない面を「裏(うら)面」側(付加符号b)、溝(g)の彫り込みが到達していない基板の平板状部位を板状部(付加符号c)として説明する。
図1に示す本発明の第1実施形態のマイクロミラーアレイ10は、アレイ10の一方の面側(おもて面10a側または裏面10b側)に配置された被投影物の鏡映像を、このアレイ10の素子面Pに対して面対称となる他方の面側(裏面10b側またはおもて面10a側)の空間位置に結像させる「結像光学素子」として形成されている。このマイクロミラーアレイ10を構成する各光学素子(基板1,1’)は、図2に示すように、透明な平板状の基板1,1’の上側のおもて面1a,1’aに、後記する回転刃(J)を用いたダイシング加工により、互いに平行な直線状の溝1gまたは溝1’gが、所定の間隔で複数本形成されている。そして、上記マイクロミラーアレイ10は、これら同じ形状の2枚の光学素子(基板1,1’)を用いて、各基板1,1’上に設けられた各溝1gと溝1’gの延びる連続方向が平面視互いに直交するように、上側の一方の基板1’を下側の他方の基板1に対して回転させた状態で、下側の基板1における溝1gが形成されたおもて面1aに、上側の基板1’における溝1’gが形成されていない裏面1’b(板状部1’c)を当接させ、これら基板1,1’どうしを上下に重ね合わせることにより、一組のアレイとして構成されている。これが、本発明の第1実施形態のマイクロミラーアレイ10の特徴である。
上記マイクロミラーアレイ10の構成について、詳しく説明すると、各光学素子を構成する基板1,1’(溝1g,1’g形成前の基板)は、上記直線状の溝1g,1’gを彫り込み加工するための基体であり、例えばガラスやアクリル樹脂等、可視光の透過率が80%以上の材料から形成されている。この基板1,1’は、通常、一定の厚みを有する硬質な板状(厚さ0.5〜10.0mm程度)で、その上面(おもて面1a,1’a)に、ダイシング加工により、上記直線状の各溝1g,1’gが彫り込み形成される。なお、上記直線状の溝1gとそれに隣接する溝1gとの間の、溝が彫り込み形成されなかった基板表面部分が、隣接する溝の形成により、基板1の一面に向けて突出する凸部(凸条部または凸条部位)となっている。また、上記各溝1g,1’gの彫り込みが到達していない平板状部位(板状部1c,1’c)が、各溝1g,1’gの間に彫り残して形成される上記凸条部の支持基台となっている。
上記基板1,1’上の溝1g,1’gは、ダイシング加工機の回転刃(図9のダイシングブレードJ等を参照)により形成されるもので、基板1,1’の加工対象面(おもて面)に、一方向に所定の間隔(ピッチ)で、かつ、互いに平行になるように形成されている。なお、これらの溝1g,1’gを構成する側面(壁面)は、上記回転刃を用いたダイシング加工により形成されるため、光反射性の垂直面(鏡面)に形成されている。ここで、この発明において垂直面とは、厳密に基板底面(または溝底面)に対して垂直な面である場合のほか、基板底面に対する起立角度が、多少(例えば2°程度以下)ずれている場合も含む趣旨であり、光反射性が略同程度であればよい。
また、ダイシングブレードJを用いた彫り込み加工により得られる溝1g,1’gは、上記ブレードJの厚さ(端面間の全厚)にもよるが、通常、0.015mm(15μm)〜0.3mm(300μm)程度の厚さのブレードJを使用した場合、溝幅(G)が約20〜350μmで、溝深さ(H)が約50〜500μm程度の溝1g,1’gが形成され、これらの溝1g,1’gが形成されていない残りの領域(凸条部)は、幅(W)が約50〜300μmで、高さ(H)が約50〜500μm(溝の深さと同一)の平行なリブ状となっている。
そして、上記直線状の各溝1g,1’gが形成された2枚の基板1、1’は、図2のように、上側の一方の基板1’を下側の他方の基板1に対して水平に90°回転させた状態(すなわち、下側の基板1と上側の基板1’の位相が90°異なる状態)で、下側の基板1のおもて面1a(上側面)に、上側の基板1’の裏面1’b(板状部1’cの下側面)を当接させて重ね合わせることにより、図1のような一組(一体)のマイクロミラーアレイ10とされる〔前記(A)の態様〕。この際、上記のように下側の基板1と上側の基板1’の位相が90°異なることから、同じ形状に形成された基板1と基板1’の各溝1g,1’gは、その溝の延びる方向(連続方向)が平面視互いに直交する配置〔立体的には「ねじれの位置」,図8(b)参照〕になる。
この状態において、上記マイクロミラーアレイ10を基板表裏方向(上下方向)から見た場合〔図8(a)参照〕、上側の基板1’の各溝1’gと下側の基板1の各溝1gとが、平面視互いに直交する格子状になっており、これらの交差箇所それぞれに、上側の基板1’の各溝1’gの光反射性の垂直面(鏡面K2)と、下側の基板1の各溝1gの光反射性の垂直面(鏡面K1)とからなるコーナーリフレクタ〔上下方向に離間したコーナーリフレクタ,図8(b)〕が形成される。
以上の構成により、上記マイクロミラーアレイ10は、上記アレイ10の一方の面側から入射した光が、基板1’の各溝1’gの光反射性の垂直面(鏡面)と基板1の各溝1gの光反射性の垂直面(鏡面)でそれぞれ1回反射し、反射後の光が他方の面側に透過する。これにより、本第1実施形態のマイクロミラーアレイ10は、図14のように、アレイ10の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、このアレイ10に対して面対称となる他方の面側の空間位置に結像させることができる。
また、上記のように基板1,1’を重ねた際に形成される各コーナーリフレクタは、これを構成する光反射性の垂直面(垂直方向に離間した各鏡面K1,K2)の見かけ上の仮想アスペクト比〔高さ(基板厚さ方向の長さ)Hと幅(基板水平方向の凸条部の幅)Wの比=H/W,図8(b)参照〕が、従来品に比べて大きくなっていることから、これらの鏡面で多くの光が反射され、明るく鮮明な鏡映像を投影することができる(「図8」と「仮想アスペクト比」については、後記で詳しく説明する。)。
なお、上記マイクロミラーアレイを構成する光学素子(光学素子単体)は、先に述べた回転刃を用いたダイシング加工以外の方法でも作製することができる。しかしながら、高アスペクト比(高さH/幅Wが3.0以上)の光学素子の効率的な作製には、回転刃を用いたダイシング加工を用いることが望ましい。
また、上記マイクロミラーアレイを構成する上下2枚の光学素子は、同規格(同じスペック)のものを表−裏,裏−表等に重ねて使用するのが好ましいが、光反射効率の低下を考慮しなければ、溝幅やピッチ,凸条部の高さ等が異なる別規格(別形状)の光学素子を重ねて使用することも可能である。
つぎに、本発明の第2実施形態を説明する。
図3は、本発明の第2実施形態におけるマイクロミラーアレイの構造を示す斜視図であり、図4は、このマイクロミラーアレイの分解斜視図である。
図3に示す本発明の第2実施形態のマイクロミラーアレイ20も、アレイ20の一方の面側(おもて面20a側または裏面20b側)に配置された被投影物の鏡映像を、このアレイ20の素子面Pに対して面対称となる他方の面側(裏面20b側またはおもて面20a側)の空間位置に結像させる「結像光学素子」として形成されている。このマイクロミラーアレイ20を構成する各光学素子も、上記第1実施形態と同様、透明な平板状の基板1,1’のおもて面1a,1’aに、後記する回転刃(J)を用いたダイシング加工により、互いに平行な直線状の溝1gまたは溝1’gが、所定の間隔で複数本形成されている。なお、各光学素子(基板1,1’)の構造は、第1実施形態で用いた基板1,1’と同様であるため、詳細な説明は省略する。
この第2実施形態におけるマイクロミラーアレイ20が、第1実施形態のマイクロミラーアレイ10と異なる点は、図4のように、上側の一方の基板1’が、表裏(天地)を反転させ、溝1’gが形成されたおもて面1’aを下に向けて用いられている点である。すなわち、上記マイクロミラーアレイ20は、同じ形状の2枚の光学素子(基板1,1’)を用いて、図4のように、上側の一方の基板1’を表裏反転させ、この基板1’を下側の他方の基板1に対して90°回転させた状態で、上側の基板1’における溝1’gが形成されたおもて面1’aを、下側の基板1における溝1gが形成されたおもて面1aに当接させ、各基板1,1’上に設けられた各溝1gと溝1’gの延びる方向が平面視互いに直交するように、これら基板1,1’どうしを上下に重ね合わせることにより、図3のような一組のアレイ20として構成されている〔前記(B)の態様〕。これが、本発明の第2実施形態のマイクロミラーアレイ20の特徴である。
上記の構成によっても、下側の基板1と上側の基板1’の位相が90°異なることから、同じ形状に形成された基板1と基板1’の各溝1g,1’gは、図3のように、その溝の延びる方向が平面視互いに直交する配置〔立体的には「ねじれの位置」図8(b)〕になる。そのため、上記マイクロミラーアレイ20を基板表裏方向(上下方向)から見た場合、上側の基板1’の各溝1’gと下側の基板1の各溝1gとが、平面視互いに直交する格子状になり、これらの交差箇所それぞれに、上側の基板1’の各溝1’gの光反射性の垂直面(鏡面)と、下側の基板1の各溝1gの光反射性の垂直面(鏡面)とからなるコーナーリフレクタが形成される〔図8(a)〕。
したがって、第2実施形態のマイクロミラーアレイ20においても、上記アレイ20の一方の面側から入射した光が、基板1’の各溝1’gの光反射性の垂直面(鏡面)と基板1の各溝1gの光反射性の垂直面(鏡面)でそれぞれ1回反射し、反射後の光が他方の面側に透過する。これにより、本第2実施形態のマイクロミラーアレイ20も、図14のように、アレイ20の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、このアレイ20に対して面対称となる他方の面側の空間位置に結像させることができる。また、上記コーナーリフレクタにおける各光反射性の垂直面(鏡面)は、そのアスペクト比〔見かけ上の仮想アスペクト比,H/W 図8(b)〕が大きいことから、上記第1実施形態と同様、従来品に比べ、明るく鮮明な鏡映像を投影することが可能である。
なお、上記第2実施形態のマイクロミラーアレイ20は、各光学素子(基板1,1’)を、位置を入れ換えて(逆に)積み重ねることもできる。図5は、そのようにして形成した第3実施形態のマイクロミラーアレイ30の構造を示す斜視図であり、図6は、上記マイクロミラーアレイ30の分解斜視図である。
この図のように、第3実施形態のマイクロミラーアレイ30は、同じ形状の2枚の光学素子を用いて、下側の一方の基板1’を表裏反転させ、この基板1’を上側の他方の基板1に対して90°回転させた状態で、上側の基板1の裏面1b(板状部1cの下側面)と下側の基板1’の裏面1’b(板状部1’cの上側面)とを突き合わせ、各基板1,1’上に設けられた各溝1gと溝1’gの延びる方向が平面視互いに直交するように、これら基板1,1’どうしを上下に重ねることにより、一組のアレイ30として構成されている〔前記(C)の態様〕。
上記第3実施形態のマイクロミラーアレイ30の構成によっても、基板1と基板1’の各溝1g,1’gは、その溝の延びる方向が平面視互いに直交する格子状の配置になるため、これらの交差箇所それぞれに、上側の基板1の各溝1gの光反射性の垂直面(鏡面)と、下側の基板1’の各溝1’gの光反射性の垂直面(鏡面)とからなるコーナーリフレクタ〔図8(a)〕が形成され、前記マイクロミラーアレイ20と同様の効果を奏することができる。なお、上記コーナーリフレクタにおける各光反射性の垂直面(鏡面)のアスペクト比〔見かけ上の仮想アスペクト比,H/W 図8(b)〕を大きくすることが可能な点も、上記第1,第2実施形態と同様である。
つぎに、本発明の第4実施形態を説明する。
図7は、本発明の第4実施形態におけるマイクロミラーアレイの構造を示す斜視図である。
図7に示す本発明の第4実施形態のマイクロミラーアレイ40も、アレイ40の一方の面側(おもて面40a側または裏面40b側)に配置された被投影物の鏡映像を、このアレイ40の素子面Pに対して面対称となる他方の面側(裏面40b側またはおもて面40a側)の空間位置に結像させる「結像光学素子」として形成されている。前記第1〜第3実施形態のマイクロミラーアレイ10,20が、直線状の溝(g)が一面に施された2枚の基板1,1’を用いて構成されていたのに対し、この第4実施形態におけるマイクロミラーアレイ40は、1枚の基板2(光学素子)で構成されている。
すなわち、上記マイクロミラーアレイ40(光学素子)は、図7に示すように、透明な平板状の基板2の上側のおもて面2aおよび下側の裏面2bに、それぞれ、後記する回転刃(J)を用いたダイシング加工により、互いに平行な直線状の溝2gおよび溝2g’が、所定の間隔で複数本形成されており、これらおもて面2a側の各溝2gと裏面2b側の各溝2g’とは、その形成方向(連続方向)が平面視互いに直交するように配置されている。これが、本発明の第4実施形態のマイクロミラーアレイ40の特徴である。
上記マイクロミラーアレイ40(光学素子)を構成する基板2(溝2g,2g’形成前の基板)は、前記基板1と同様、直線状の溝(g)を彫り込み加工するための基体であり、例えばガラスやアクリル樹脂等、可視光の透過率が80%以上の材料(光学素子材料)から形成されている。この基板2は、通常、一定の厚みを有する硬質な板状(厚さ0.5〜10.0mm程度)で、その上面(おもて面2a)に、ダイシング加工により、上記直線状の各溝2g,2g’が彫り込み形成される。なお、上記各溝2g,2g’の彫り込みが到達していない平板状部位(板状部2c)が、各溝2g,2g’の間に彫り残して形成される凸条部位の支持基台となっている。
また、基板2の溝2g,2g’は、ダイシング加工機の回転刃(図9のダイシングブレードJを参照)により形成され、基板2の加工対象面(おもて面2a,裏面2b)に、それぞれ、一方向に所定の間隔(ピッチ)で、かつ、互いに平行になるように形成されている。このような両面加工は、一方の面(例えばおもて面2a)に溝2gを形成した後、ダイシング加工機から一旦上記基板2を取り外し、基板2を表裏(上下)反転させた状態で取り付け、基板2の他方の面(裏面2b)に、上記一方の面(おもて面2a)と同様の互いに平行な複数本の直線状溝2g’を、上記一方の面(おもて面2a)側と90°位相を変えて(おもて面2a側の溝2gと平面視直交する方向に)形成することにより、実施することができる。
なお、前記第1〜第3実施形態と同様、各溝2g,2g’を構成する側面(壁面)は、上記回転刃を用いたダイシング加工により形成されるため、光反射性の垂直面(鏡面)になっている。また、ダイシングブレードJを用いた彫り込み加工により得られる溝2g,2g’の溝幅は、上記ブレードJの厚さ(端面間の全厚)にもよるが、通常、0.015mm(15μm)〜0.3mm(300μm)程度の厚さのブレードJを使用した場合、溝幅(G)が約20〜350μmの幅で、溝深さ(H)が約50〜500μm程度の溝2g,2g’が形成され、これらの溝2g,2g’が形成されていない残りの領域(凸条部位)は、幅(W)が約50〜300μmで、高さ(H)が約50〜500μm(溝の深さと同一)の平行なリブ状となっている。
以上の構成によっても、上記マイクロミラーアレイ40を基板表裏方向(上下方向)から見た場合、上側(おもて面40a側)の各溝2gと下側(裏面40b側)の各溝2g’とは、平面視互いに直交する格子状になり、これらの交差箇所それぞれに、おもて面40a側の各溝2gの光反射性の垂直面(鏡面)と、裏面40b側の各溝2g’の光反射性の垂直面(鏡面)とからなるコーナーリフレクタ〔図8(a)〕が形成される。したがって、第4実施形態のマイクロミラーアレイ40においても、上記アレイ40の一方の面側から入射した光が、おもて面40a側の鏡面と裏面40b側の鏡面でそれぞれ1回反射し、反射後の光が他方の面側に透過する〔図8(b)〕。これにより、本第4実施形態のマイクロミラーアレイ40も、図14のように、アレイ40の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、このアレイ40に対して面対称となる他方の面側の空間位置に結像させることができる。
また、上記マイクロミラーアレイ40においても、上記コーナーリフレクタにおける各光反射性の垂直面(鏡面)のアスペクト比(見かけ上の仮想アスペクト比,H/W 図8(b)〕)が大きくなっていることから、従来品に比べ、明るく鮮明な鏡映像を投影することが可能である。
さらに、上記マイクロミラーアレイ40は、1枚の基板2の表裏面に上記溝2g,2g’が形成されることから、上側(おもて面40a側)の鏡面と下側(裏面40b側)の鏡面の垂直方向の距離が近く、比較的明るい鏡映像を得やすいという特徴がある。また、他の例のマイクロミラーアレイに比べ、アレイ自体(全厚)を薄く構成できるという利点もある。
つぎに、上記各実施形態における鏡映像の結像様式について説明する。
図8(a)は、本発明のマイクロミラーアレイ内部のコーナーリフレクタ部分を上下方向から見た平面図であり、図8(b)は、そのコーナーリフレクタの一つ(一対)の立体構造を示す模式図である。なお、図8(b)は、上記各実施形態の代表として、溝(付加符号g)が形成されたおもて面(付加符号a)どうしを当接させて形成した第2実施形態(図3,図4)のマイクロミラーアレイ(20)の構成を元に、基板(1,1’)の板状部(1c,1’c)および溝(1g,1’g)部の図示を省略するとともに、要部構成(上下に離間するコーナーリフレクタの鏡面K1,K2)を見易くするために、多数ある凸条部位(各溝の間の未加工部分1a,1’a)のうち、溝(凸条)の延びる方向が平面視互いに直交する配置(立体的には「ねじれの位置」)にある上下各一条(上側の基板1’側および下側の基板1側の各1本)の交差部分のみを、模式的に表したものである。
なお、上記他の実施形態(第1,第3,第4)では、これらの凸条部位(上側の1’a,下側の1a)の間に、基板の板状部(1c,1’c,2c)等が挟持され、上記各鏡面K1,K2間の上下距離がさらに離れる場合もあるが、原理上は同じ構成のコーナーリフレクタとみなすことができるものであり、平面視も、上記と同様の図8(a)のようになる。
上記のマイクロミラーアレイ(20)の場合も、図14に示す従来例と同様、マイクロミラーアレイの一方の面(おもてまたは裏)側から入射した光がアレイを通過する際は、アレイを上下方向から見た場合、図8(a)のように、入射した光(二点鎖線)が、1つのコーナー(仮想角部)を挟む2つの鏡面(K1,K2)でそれぞれ1回(合計2回)反射し、その2回反射後の光(通過光)が、上記アレイの他方の面側の空間位置(素子面に対して面対称の位置)に、被投影物Mの鏡映像(反転像M’)を結像させるようになっている。
これを立体(三次元)的に見ると、図8(b)のように、本発明のマイクロミラーアレイ(20)では、各単位光学素子の一方の光反射面〔下側の凸条(1a)の内壁面(鏡面)に形成された仮想領域:K1〕と、他方の光反射面〔上側の凸条(1’a)の内壁面(鏡面)に形成された仮想領域:K2〕とが、上下方向に距離を空けて(ねじれ位置関係に)配置されていることから、上記アレイの一面(図では被投影物M寄りの下面)から下側の凸条(1a)内に入射した光(二点鎖線)は、上記下側の鏡面(領域)K1で一度反射し、続いて進入した上側の凸条(1’a)内の鏡面(領域)K2で二度目の反射をした後、素子面(上記各凸条1a,1’aどうしの当接面T)に対して面対称の方向に向かって、上記アレイの他面(反転像M’寄りの上面)から出射して行くようになっている〔図8(a)および図14を参照〕。
上記のような鏡映像の結像様式をとるマイクロミラーアレイの場合、その鏡映像(反転像M’)の明るさ・鮮明さは、上記素子面(各凸条1a,1’aどうしの当接面T)を通過(透過)する光量に比例すると考えられる。すなわち、上記アレイ内を2回反射で通過する光の量(通過光量)は、上記素子面(T)にそれぞれ隣接する各鏡面(領域)K1,K2の大きさ(有効面積)や光反射率に左右されるものと考えられ、特に、反射面(鏡面と空気層の界面)における光反射が全反射である場合、その通過光量は、上記各鏡面(領域)K1,K2の面積(=前記鏡面の見かけ上の「仮想アスペクト比」)に比例すると考えられる。
ここで、後記の本発明のマイクロミラーアレイの製法によれば、上記マイクロミラーアレイは、設計の自由度が高く、ダイシングブレードJによる、所望の形状〔溝幅Gとそのピッチ(溝の間隔=凸条部の幅W)および溝深さ(凸条部の高さH)〕の単位光学素子を形成することができる。したがって、本発明のマイクロミラーアレイおよびそれを構成する光学素子は、各コーナーリフレクタを構成する光反射性の垂直面(垂直方向に離間した各鏡面K1,K2)の見かけ上の有効面積およびその仮想アスペクト比〔仮想領域における高さ(基板厚さ方向の長さ)Hと幅(基板水平方向の凸条部の幅)Wの比=H/W,図8(b)参照〕を、従来品に比べて大きくすることが可能で、これにより、明るく輝度の高い、鮮明な鏡映像を投影することができるようになる。
なお、上記ダイシングブレードJを用いた彫り込み加工により得られる溝(1g,1’g,2g,2g’等)の好適な形状は、先にも述べたように、溝幅Gが約20〜350μmで、溝深さ(H)が約50〜500μm程度である。これにより得られる、上記溝が形成されていない残りの領域(凸条部)の好適な形状は、基板水平方向の幅Wが約50〜300μm、基板厚さ方向の高さHが約50〜500μm(溝の深さと同一)である。そして、上記アレイ(基板)を平面視した場合、「凸条部の幅Wと溝幅Gとの比(W/G)」は、好ましくは1.0以上、より好ましくは3.0以上になっていることが望ましい(光学素子単体でも同様)。この場合、溝のピッチ(リピートピッチ)は「G+W」で表される。
また、上記基板(凸条部)の積み重ねにより生じる、各単位光学素子(コーナーリフレクタ)の光反射面(鏡面上の仮想領域K1,K2)の理想的形状は、その「仮想アスペクト比(H/W)」が、好ましくは1.0以上、より好ましくは3.0以上であることが望ましい〔図8(b)参照〕。
つぎに、上記各実施形態のマイクロミラーアレイおよびそれに用いられる光学素子を製造する方法について説明する。
図9は、本発明の実施形態のマイクロミラーアレイの製法に用いられるダイシング加工機の概略構成図である。なお、図中の符号Jはダイシングブレード(回転刃)を、符号Sは加工用の移動ステージを、符号Wは加工対象の基板(ワーク)を示す。
前記第1実施形態のマイクロミラーアレイ10の製造は、透明な平板状の基板(1)を準備し、この基板をダイシング加工機(図9参照)の加工ステージ(移動ステージS)の所定位置にワークWとして取り付け、上記基板の表面(一方の面)に、回転刃(ダイシングブレードJ)を用いて、互いに平行な複数本の直線状溝(1g,1’g)を所定の間隔で順次形成する。ついで、上記直線状溝が形成された基板(光学素子)を2枚を用いて、図2のように、一方の基板1のおもて面1aと他方の基板1’の裏面1’bとを合わせ、各基板1,1’における直線状溝1g,1’gの延びる連続方向が平面視互いに直交するように重ねて一組とすることにより行われる。以下に、これを工程順に説明する。
上記ダイシング加工機(ダイシング・ソー)を用いたマイクロミラーアレイ10の作製は、まず、アレイ10に加工する基板(ワークW)として、例えばアクリル樹脂等、可視光の透過率が80%以上の材料からなる平板状の基板を準備する。〔基板準備工程〕
ついで、この基板を、粘着テープまたは粘着剤等を用いて、図9のように、上記移動ステージS上の所定位置に、加工対象面が上(ブレードJ側)になるように貼り付け、ワークWとして取り付けて固定(仮固定)する。なお、粘着剤等を用いず、チャックやバイス等でワークWを把持してもよい。〔ワーク取付工程〕
つぎに、上記移動ステージSを加工開始位置まで移動させ、上記ブレードJを高速で回転させながら、上記ワークWを彫り込みできる位置までこのブレードJを下降させ、予めプログラムされた手順にしたがって、上記ワークW(移動ステージS)を水平(x軸方向)にスライド移動させ、ワークWの加工対象面(おもて面)に所望の深さ(50〜500μm)の直線状溝を彫り込み加工する。
1本の直線状溝の彫り込み作業が終了すれば、上記移動ステージSを次の溝の加工開始位置まで移動させ、再度、上記ワークWを所定の送り速度で水平方向(x軸方向)にスライド移動させて、上記次の溝を加工する。そして、この直線状溝の彫り込み加工を、一方向(y軸方向)に所定の間隔(ピッチ)で繰り返すことにより、所定の方向(この時点におけるy方向)に、互いに平行な複数本の直線状溝(g)が形成される。〔溝形成工程〕
上記ダイシング加工機について、より詳しく説明すると、この製法に用いられる加工機(図9参照)は、ダイシングマシンまたはダイシングソー等と呼ばれるもので、高速回転するスピンドル(図示省略)の先端に取り付けられた回転刃(ダイシングブレードJ等のダイヤモンドブレード)と、加工後マイクロミラーアレイとなる基板(ワークW)を載置して仮固定するための加工ステージ(移動ステージS)と、この移動ステージSを、上記ブレードJの回転および上下に対応して三軸(x,y,z)方向に移動させるとともにz軸周り(θ)に回転させるステージ駆動手段等と、を備える。
上記ダイシングブレードJは、略リング状の極薄外周刃で、その外周面に設けられた刃部(場合によっては、左右の側端面にも)に、小径の工業用ダイヤモンドからなる砥粒が付与されている。なお、ブレードJの厚さ(端面方向の全厚)は、約0.015mm(15μm)〜0.3mm(300μm)程度のものが使用され、このブレードJを用いた彫り込み加工により得られる溝(g)の幅は、約0.02mm〜0.35mm程度である。また、この例では、外周面(切刃面)がフラットなブレードJを用いているが、上記切刃面の断面形状が三角形状,円形状,楕円状等のブレードを用いてもよい。
上記ワークWを仮固定するための移動ステージSは、図9のように、少なくともx,yの二軸方向に自在に位置を移動(位置決め)できるスライダ(直動軸受)の上に設置されており、この例ではさらに、z軸方向の昇降(図示せず)と、このz軸周り(θ)の回転が可能なように構成されている。なお、各軸方向(軸周り)のステージ駆動手段は、汎用の工作機械等と同様の機構のため説明しないが、ステッピングモータやアクチュエータ等を用いて、移動ステージSの間欠動作と正確な位置制御、および、プログラムされた定速走行ができるようになっている。また、ダイシングマシンによっては、上記スピンドルおよびブレードJが、互いに離れた位置または近傍に、複数セット配設されており、複数の平行溝を、一度に彫り込み加工できるようになっているものもある。
なお、上記移動ステージSの位置を固定し、スピンドルとブレードJの位置を水平方向に移動・回転させて、上記と同様の直線状溝を彫り込むようにしてもよい。また、ダイシングブレードJに用いられているダイヤモンド砥粒は、通常、粒径#240〜#5000程度のものであるが、ダイシング後の光反射面(溝の両側壁)の表面荒れ(鏡面が望ましい)を考慮すると、砥粒の粒径#1000以上のものが、好ましい。
つぎに、上記ワークWの加工対象面への溝の彫り込み作業が予定本数完了した後、これを移動ステージS上から取り外し、新たなワークWをセットして、溝の彫り込み加工を繰り返し、複数枚のワークW(基板)に、同じ形状で同じパターンの直線状溝を加工する。
ついで、上記直線状溝が形成された基板(光学素子)を2枚を用いて、図2のように、一方の基板1のおもて面1aと他方の基板1’の裏面1’bとを合わせ、各基板1,1’における直線状溝1gと溝1’gの延びる方向が平面視互いに直交するように、重ね合わせる〔前記(D)の重ね方〕。そして、これら基板1,1’を、接着剤や両面粘着テープ等を用いて、重ねたまま固定して一体(一組)とすることにより、第1実施形態のマイクロミラーアレイ10が得られる。〔基板重ね工程〕
なお、上記基板1,1’を固定する方法としては、上記接着剤や両面粘着テープ等のように、基板と基板の間に介在してこれらを固定する部材や剤の他、バイスやケース(ハウジング)等で上記アレイ10を周囲から挟み込んだり囲ったりすることにより固定してもよい。上記マイクロミラーアレイ10は、これを構成する各基板1,1’の重ね位置(水平方向の位置)に多少のずれがあっても、上側の溝1gと下側の溝1’gの交差部位に現れる各コーナーリフレクタの光学性能は変わらないことから、これらの位置が外れない程度の緩やかな固定でも事足りる。
上記第1実施形態のマイクロミラーアレイの製法によれば、上記直線状の溝1g,1’gを精度良く効率的に形成することができる。また、上記マイクロミラーアレイの製法は、型成形法等のようにアレイに損傷を与える工程がなく、アレイ製造の効率(収率)を向上させることができる。したがって、本発明のマイクロミラーアレイの製法は、従来の製法に比べ、マイクロミラーアレイを容易にかつ低コストで製造することができる。
つぎに、前記第2実施形態のマイクロミラーアレイ20を製造する方法について説明する。なお、第2実施形態のマイクロミラーアレイ20の製法が、上記第1実施形態のマイクロミラーアレイ10の製法と異なるのは、基板1,1’を重ね合わせる工程(重ね方)であるため、この工程を主に説明する。
前記第2実施形態のマイクロミラーアレイ20の製造は、上記第1実施形態の製法同様、透明な平板状の基板(光学素子)を準備し、この基板をダイシング加工機(図9参照)の加工ステージ(移動ステージS)の所定位置にワークWとして取り付け、上記基板の一方の表面に、回転刃(ダイシングブレードJ)を用いて、互いに平行な複数本の直線状溝(1g,1’g)を所定の間隔で順次形成する。
ついで、上記直線状溝が形成された基板(1,1’)を2枚を用いて、図4のように、上側の一方の基板1’を表裏(天地)反転させ、この基板1’を下側の他方の基板1に対して水平に90°回転させた状態で、上側の基板1’における溝1’gが形成されたおもて面1’a(板状部1’cの下側面)を、下側の基板1における溝1gが形成されたおもて面1aに当接させ、各基板1,1’上に設けられた各溝1gと溝1’gの延びる方向が平面視互いに直交するように、重ね合わせる〔前記(E)の重ね方〕。そして、これら基板1,1’を、接着剤や両面粘着テープ等を用いて、重ねたまま固定して一体(一組)とすることにより、第2実施形態のマイクロミラーアレイ20が得られる。
上記基板1,1’を固定する方法としては、上記第1実施形態と同様、接着剤や両面粘着テープ等、基板と基板の間に介在してこれらを固定する部材や剤の他、バイスやケース(ハウジング)等で上記アレイ20を周囲から挟み込んだり囲ったりすることにより固定してもよい。なお、前記(B)の態様および(E)の重ね方で重ねられる第2実施形態のマイクロミラーアレイ20は、その重ね後に各基板基板1,1’の溝1g,1’gどうしが内側を向くことから、アレイ作製後に、これら溝1g,1’g内に、光反射を妨害する塵や埃等の異物が入り込む可能性が低く、光反射性能の経時低下が少ないという利点がある。
つぎに、上記第3実施形態のマイクロミラーアレイ30を製造する場合も、上記と同様にしてアレイ30を作製することができる。ただし、最後に基板1,1’どうしを重ね合わせる際、表裏反転させた基板1’を基板1の下側に配置し、基板1’を上側の他方の基板1に対して90°回転させた状態で、上側の基板1の裏面1b(板状部1cの下側面)と下側の基板1’の裏面1’b(板状部1’cの上側面)とを当接させ、各基板1,1’上に設けられた各溝1gと溝1’gの延びる方向が平面視互いに直交するように、重ね合わせる方法をとる〔前記(F)の重ね方〕。
上記第2,第3実施形態のマイクロミラーアレイの製法によっても、第1実施形態と同様、上記直線状の溝1g,1’gを精度良く効率的に形成することができる。また、上記マイクロミラーアレイの製法も、型成形法等のようにアレイに損傷を与える工程がなく、アレイ製造の効率(収率)を向上させることができる。
つぎに、前記第4実施形態のマイクロミラーアレイ40を製造する方法について説明する。なお、第4実施形態のマイクロミラーアレイ40の製法で使用するダイシング加工機も、先に述べた加工機と同様の構造であるため、その詳細な説明は省略する。
前記第4実施形態のマイクロミラーアレイ40の製造は、透明な平板状の基板(2)を準備し、この基板をダイシング加工機(図9参照)の加工ステージ(移動ステージS)の所定位置にワークWとして取り付け、上記基板の一表面(加工対象面)に、回転刃(ダイシングブレードJ)を用いて、互いに平行な複数本の直線状溝(2g,2g’)を所定の間隔で順次形成する。
ついで、この基板(ワークW)を上記加工ステージSから一旦取り外して表裏反転させ、この加工ステージSの所定位置に、上記基板の裏面(加工対象面)を上にした状態で再びワークWとして取り付け、上記ダイシングブレードJを用いて、上記おもて面側に形成された各直線状溝に直交する方向に、互いに平行な複数本の直線状溝(2g,2g’)を、この裏面上に所定の間隔で順次形成する。これにより、図7に示すような、おもて面40a側に形成された各溝2gと裏面40b側に形成された各溝2g’とが、基板表裏方向(上下方向)から見た場合に、平面視互いに直交する格子状になっているマイクロミラーアレイ40を作製することができる。
上記第4実施形態のマイクロミラーアレイの製法によっても、第1〜第3実施形態と同様、上記直線状の溝2g,2g’を精度良く効率的に形成することができる。また、従来の型成形法等のようにアレイに損傷を与える工程がなく、アレイ製造の効率(収率)を向上させることができる。
つぎに、上記第1〜第4実施形態のマイクロミラーアレイを作製した実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、基板となるアクリル板を準備して、ダイシングにより、第1実施形態のマイクロミラーアレイを作製した。
〈アクリル板〉
アクリル樹脂製基板(平板):50mm×50mm×厚さ2mm
〈ダイシング加工機〉
ディスコ社製 オートマチックダイシングソー DAD3350
〈ダイシング条件〉
・ダイシングブレード〈ディスコ社製,NBC−Z2050〉ブレード厚さ25μm
・スピンドル回転数:30000rpm
・テーブル送り速度:3.0mm/sec
・冷却:シャワークーラー(水)1L/min,シャワーノズル(水)0.5L/min
〈光学素子の作製〉
上記アクリル板を粘着テープ〈ダイシングテープ:日東電工社製,エレップテープ〉に貼り付けて固定し、その状態で、上記アクリル板固定体をダイシング装置〈ディスコ社製〉のチャックテーブル(加工ステージ)にセットした。そして、上記〈ダイシング条件〉に示す条件で、上記アクリル板の加工対象面(上面)に、幅30μm,深さ300μmの溝を、100μmの間隔(ピッチ)を空けて、それぞれの溝が平行になるように、所定の本数彫り込み(掘り込み)加工し、図2,図4,図6に示すような、製作単位となる光学素子を作製した。なお、光学素子は複数枚製作している。
上記得られた光学素子を2枚用いて、図2のように、上側の一方の光学素子(基板)を下側の他方の光学素子(基板)に対して水平に90°回転させた状態で、下側の光学素子のおもて面(上側面)に、上側の光学素子の裏面(下側面)を当接させて重ね合わせ〔前記(A),(D)の構成〕、少量の接着剤〈アクリルサンデー社製,アクリルサンデー接着剤〉でアレイの四隅を接着固定して、実施例1のマイクロミラーアレイを作製した(図1参照)。
[実施例2]
上記得られた光学素子を2枚用いて、図4のように、上側の一方の光学素子(基板)を表裏反転させ、この光学素子を下側の他方の光学素子(基板)に対して水平に90°回転させた状態で、下側の光学素子のおもて面(上側面)に、上側の光学素子のおもて面(下側面)を当接させて重ね合わせ〔前記(B),(E)の構成〕、少量の接着剤〈アクリルサンデー社製,アクリルサンデー接着剤〉でアレイの四隅を接着固定して、実施例2のマイクロミラーアレイを作製した(図3参照)。
[実施例3]
上記得られた光学素子を2枚用いて、図6のように、下側の一方の光学素子(基板)を表裏反転させ、この光学素子を上側の他方の光学素子(基板)に対して水平に90°回転させた状態で、下側の光学素子の裏面(上側面)に、上側の光学素子の裏面(下側面)を当接させて重ね合わせ〔前記(C),(F)の構成〕、少量の接着剤〈アクリルサンデー社製,アクリルサンデー接着剤〉でアレイの四隅を接着固定して、実施例3のマイクロミラーアレイを作製した(図5参照)。
[実施例4]
基板となるアクリル板を準備して、ダイシングにより、上記実施例1〜3で用いたものと同様の光学素子〔一方の表面(おもて面)に、平行な複数の溝が彫り込み形成されたアクリル板〕を作製した。ついで、このアクリル板を加工ステージから一旦取り外して表裏反転させ、90°回転させた後、上記粘着テープを用いて、この加工ステージ上に、上記アクリル板の裏面(第2の加工対象面)を上にした状態で再び取り付けた。そして、上記〈ダイシング条件〉に示す条件で、上記アクリル板の第2の加工対象面(上面)に、上記おもて面側に形成された溝(幅30μm,深さ300μm,間隔100μm)と同様の形状の直線状溝を、おもて面側に形成された各直線状溝に直交する方向に、所定の本数彫り込み(掘り込み)加工し、図7に示すような、実施例4のマイクロミラーアレイを作製した。
得られた実施例1〜4のマイクロミラーアレイ(L)を水平にセットし、その下側の位置に、図10のように、液晶表示パネル(LCD)を45°傾けた状態で配置した。そして、上記LCDに所定の輝度の評価用画像(1cm×1cm角の白色)を表示させると、上記実施例1〜4のマイクロミラーアレイのいずれを用いた場合でも、素子面Pで面対称となる空間位置に、上記評価用画像の鏡映像(図中に点線で表示)が結像した。このことにより、上記各実施例のマイクロミラーアレイは、いずれも結像光学素子として機能していることが分かる。
つぎに、本発明のマイクロミラーアレイを構成する各光学素子(基板)の溝深さおよび凸条部の高さHを変更して、マイクロミラーアレイの光反射面〔仮想領域K1,K2−図8(b)参照〕の「高さ(基板厚さ方向の長さ)Hと幅(基板水平方向の凸条部の幅)Wの比」〔アスペクト比(H/W)〕と、有効光反射面積とが異なるマイクロミラーアレイ(実施例5〜10)を作製し、これらを用いて、前記「実施例1」と同様の方法(図10)で、液晶ディスプレイ(LCD)に表示された所定の画像を投影した場合の鏡映像(空間画像)の「明るさ(輝度)」と、画像の「鮮明さ(視認性)」を比較した。
なお、アクリル板に対する〈ダイシング条件〉は、前記「実施例1」と同じ方法を用いた。また、作製されたマイクロミラーアレイの寸法は、マイクロスコープ〈キーエンス社製,VHX−200〉およびレーザー顕微鏡〈キーエンス社製,VK−9700〉を用いて観察・測定した。上記実施例5〜10においては、使用するダイシングブレードが同一であるため、上記溝深さ(凸条部の高さH)を除く、溝幅G(30μm)および凸条部の幅W(70μm)およびそのリピート(G+W)は、全ての実施例で同じである。
また、上記各マイクロミラーアレイは、図4のように、同じ規格(同スペック)の光学素子を2枚用いて、一方の基板1’における溝1’gが形成されたおもて面1’aを、他方の基板1における溝1gが形成されたおもて面1aに当接させ、各基板1,1’上に設けられた各溝1gと溝1’gの延びる方向が平面視互いに直交するように、これら基板1,1’どうしを上下に重ね合わせることにより、図3のような一組のマイクロミラーアレイとして構成されている〔前記(B),(E)の構成〕。
[鏡映像(空間像)の明るさ測定]
得られた実施例5〜10のマイクロミラーアレイ(L)を、図10のように水平にセットし、その下側の所定位置に、LCDを45°傾けた状態で配置した。そして、上記LCDに所定の輝度の評価用画像(1cm×1cm角の白色)を表示させ、素子面Pで面対称となる空間位置に投影される鏡映像(図中に点線で表示)の明るさ(輝度)を、鏡映像から50cm離れた上方から、鏡映像に正対する下向き45°で計測した。なお、上記鏡映像の明るさの測定は、暗室中で行った。また、鏡映像の明るさの測定には、輝度計Q〈トプコン社製,BM−9〉を用いた。
[鏡映像(文字)の視認性評価]
上記「鏡映像の明るさ測定」に続いて、同様の配置(図10参照)で、上記LCDに所定の輝度の評価用画像(白色の背景に、1文字2mm×2mm角の黒色の文字「日東電工」明朝体)を表示させ、素子面Pで面対称となる空間位置に投影される鏡映像(図中に点線で表示)を、鏡映像から50cm離れた上方から、鏡映像に正対する下向き45°で目視により観察した。なお、上記鏡映像の視認性評価は、室内蛍光灯下(300ルクス以上)で行った。また、評価は、文字の細部まで明瞭に視認できるものを「S」、文字として視認できるが明瞭でないものを「A」、文字として視認できないものを「F」として評価した。
上記測定の結果を以下の「表1」に示す。
上記「表1」の「明るさ(輝度)」の結果より、光反射面の仮想アスペクト比(H/W)が大きくなるほど(実施例5→実施例9)、上記鏡映像の明るさ(輝度)が向上することが確認できた。また、上記輝度が0.4cd/m2未満の実施例5,6は、画像中の文字の認識がやや難しく、上記輝度が0.4cd/m2以上の実施例7〜10は、文字が明確に判読できる状態であった。
上記「鏡映像(文字)の視認性」の結果が良かった実施例7〜10における、実際の文字(鏡映像)の見え方の例を、図11に参考写真として示す。文字画像の視認性は、周囲の環境(明るさ)や解像度により左右されるため、一概には言えないが、上記参考写真の結果から、鏡映像(投影像)の輝度(絶対値)としては0.4cd/m2以上であることが好ましく、さらには0.5cd/m2以上であることが望ましいということが判った。
なお、上記実施例においては、同じ規格(同スペック)の2枚の光学素子を、溝1’gが形成されたおもて面(1a,1’a)どうしを当接させて構成されたマイクロミラーアレイ〔図3参照。前記(B)の構成〕を用いて試験を行ったが、溝1’gが形成されていない裏面(1b,1’b)どうしを当接させて構成されたマイクロミラーアレイ〔図5参照。前記(C)の構成〕を用いて試験を行ってみても、ほぼ同様の結果を得ることができた。
本発明のマイクロミラーアレイおよびその製法並びにそれに用いる光学素子は、明るく輝度の高い結像を結ぶことのできるマイクロミラーアレイを、高効率で製造することができる。また、本発明のマイクロミラーアレイの製法は、そのコストダウンに寄与する。
1,1’ 基板
1a,1’a おもて面
1b,1’b 裏面
1g,1’g 溝

Claims (7)

  1. 平板状の光学素子の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、この光学素子の素子面に対して面対称となる他方の面側の空間位置に結像させるマイクロミラーアレイであって、透明な平板状基板の一面に、回転刃を用いたダイシング加工により、互いに平行な複数本の直線状溝が所定の間隔で形成された2枚の光学素子を、各光学素子の直線状溝の延びる方向が平面視互いに直交するように、下記(A)〜(C)のいずれかの態様にて重ね合わせた状態で一組として構成されていることを特徴とするマイクロミラーアレイ。
    (A)一方の光学素子の直線状溝が形成されたおもて面と、他方の光学素子の溝が形成されていない裏面とが当接した態様。
    (B)各光学素子における直線状溝が形成されたおもて面どうしが当接した態様。
    (C)各光学素子における溝が形成されていない裏面どうしが当接した態様。
  2. 平板状の光学素子の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、この光学素子の素子面に対して面対称となる他方の面側の空間位置に結像させるマイクロミラーアレイであって、上記光学素子を構成する1枚の透明な平板状基板の一方の面と反対側の他方の面のそれぞれに、回転刃を用いたダイシング加工により、互いに平行な複数本の直線状溝が、おもて面側の直線状溝と裏面側の直線状溝とが平面視互いに直交するように、所定の間隔で形成されていることを特徴とするマイクロミラーアレイ。
  3. 上記請求項1に記載のマイクロミラーアレイを製造する方法であって、透明な平板状の基板を準備する工程と、この基板をダイシング加工機の加工ステージの所定位置に取り付ける工程と、上記基板の一面に、回転刃を用いて、互いに平行な複数本の直線状溝を所定の間隔で順次形成する工程と、上記直線状溝が形成された2枚の基板を、各基板における直線状溝の延びる方向が平面視互いに直交するように、下記(D)〜(F)のいずれかの重ね方で重ねて一組とする工程と、を備えることを特徴とするマイクロミラーアレイの製法。
    (D)一方の基板の直線状溝が形成されたおもて面と、他方の基板の溝が形成されていない裏面とを合わせて積み重ねる、重ね方。
    (E)各基板における直線状溝が形成されたおもて面どうしを合わせて積み重ねる、重ね方。
    (F)各基板における溝が形成されていない裏面どうしを合わせて積み重ねる、重ね方。
  4. 上記請求項2に記載のマイクロミラーアレイを製造する方法であって、透明な平板状の基板を準備する工程と、この基板をダイシング加工機の加工ステージの所定位置に取り付ける工程と、上記基板の一方の面に、回転刃を用いて、互いに平行な複数本の直線状溝を所定の間隔で順次形成する工程と、この基板を上記加工ステージから一旦取り外して表裏反転させ、この加工ステージの所定位置に再度取り付ける工程と、上記基板の他方の面に、回転刃を用いて、上記一方の面と同様の互いに平行な複数本の直線状溝を、一方の面側の直線状溝と平面視直交する方向に、所定の間隔で順次形成する工程と、を備えることを特徴とするマイクロミラーアレイの製法。
  5. 透明な平板状基板の一表面に、互いに平行な複数本の直線状溝が、所定の間隔で形成されていることを特徴とするマイクロミラーアレイ用光学素子。
  6. 上記直線状溝とそれに隣接する直線状溝との間の基板表面部分の幅と、この基板表面部分の溝底からの高さとの比「高さ/幅」が、3.0以上になっている請求項5記載のマイクロミラーアレイ用光学素子。
  7. 平板状の光学素子の一方の面側に配置された被投影物の鏡映像を、この光学素子の素子面に対して面対称となる他方の面側の空間位置に結像させるマイクロミラーアレイであって、上記マイクロミラーアレイが、上記請求項6に記載の光学素子を上下に2枚重ねて構成されていることを特徴とする。
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