JP2014024068A - レーザ溶接におけるビード検査方法およびレーザ溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プルームの影響を回避しつつ溶接ビードの全体または広範囲の良否判定を安定的に実施可能なビード検査方法およびレーザ溶接方法を提供する。
【解決手段】所定区間のレーザ溶接終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させながら撮像し、得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行う。
【選択図】図2
【解決手段】所定区間のレーザ溶接終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させながら撮像し、得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行う。
【選択図】図2
Description
本発明は、レーザ溶接におけるビード検査方法および該方法に係る検査工程を含むレーザ溶接方法に関する。
レーザ溶接は高速処理が可能である反面、メッキ鋼板を対象とした重ね溶接などでは、気化した金属ガスなどによる穴欠陥や溶融金属の流動により溶接終端にヒケなどの溶接欠陥を生じる場合がある。そこで、従来、溶接条件を厳密に管理する一方で、溶接箇所を撮像手段で監視し画像解析などを通じて溶接欠陥の有無、溶接ビードの良否をリアルタイムで判定することが行われている(特許文献1参照)。
この場合、レーザ照射地点の近傍では高輝度のプルームやスパッタの影響で溶接ビードの良否を直接的に判定することが困難であるので、光学条件や画像処理によりプルーム等の影響を低減することが検討されてきた。しかし、三枚重ね溶接など、プルームの噴出量が多い場合には、プルームの影響を完全に排除することはできないばかりか、画像処理プロセスが複雑化する問題もある。
そこで、プルームの影響を回避するために、レーザ溶接中ではなく、レーザ溶接終了直後に金属からの熱発光が残っている状態で溶接ビードの画像を取得し、良否判定する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法では、熱発光が残っている溶接ビード終端部の良否判定に限られ、それ以外の部分に関しては温度低下とともに発光が終息しており、もしくは、終端部と始端側で大きな輝度差があり、溶接ビード全体を含めた判定は不可能である。
本発明は、従来技術のこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、プルームの影響を回避しつつ溶接ビードの全体または広範囲の良否判定を安定的に実施可能なビード検査方法およびレーザ溶接方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る溶接ビード検査方法は、所定区間のレーザ溶接終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させながら撮像し、得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行うことを特徴とする。
上記方法によれば、レーザ溶接終了後、残熱を有する状態で低エネルギー密度のレーザを再照射することにより、溶接ビードの残熱に再照射の入熱が加わって適度な熱発光が得られ、複雑な画像処理等に依らずに溶接ビードの良否判定検査を実施可能となる。しかも、再照射しながら(再照射と同時または直後に)撮像するので、再照射するレーザは必要最小限のエネルギー密度でよく、スパッタやプルームは生じず、良好な画像が安定的に得られることに加えて、可及的高速かつ短時間でレーザ走査でき、再照射工程の追加による全体的な処理時間への影響も殆どない。
本発明において、前記レーザ再照射を、前記レーザ溶接時の光軸走査よりも高速で行うことが好適である。レーザ照射によるワークへの入熱はエネルギー密度と速度(時間)の関数であり、概ね、レーザ出力に比例し、スポット径および速度に反比例する。したがって、処理時間の短縮という点では、出力制御よりは速度制御により、所望するエネルギー密度を得ることが有利である。
また、本発明において、前記レーザ再照射を、前記溶接ビードの幅以内で前記レーザ溶接時の光軸走査とずらして行っても良い。レーザ溶接終了後における溶接ビードの温度低下は周辺部から進行し、幅方向中央部は相対的に高温に保たれているので、再照射を同じ走査線上に行うよりもずらした方が温度低下を補償する入熱を行う上で有利である。
上述した各場合と同様の理由で、前記レーザ再照射を、前記レーザ溶接時よりも大きなデフォーカス量で行うこともできる。
本発明は、上記のようなビード検査方法を含むレーザ溶接方法にも向けられている。
すなわち、本発明は、所定区間に亘ってレーザ走査を行い、溶接ビードを形成するステップと、前記溶接ビード形成ステップの終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させながら撮像するステップと、前記撮像によって得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行うステップと、を含む、レーザ溶接方法にもある。
すなわち、本発明は、所定区間に亘ってレーザ走査を行い、溶接ビードを形成するステップと、前記溶接ビード形成ステップの終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させながら撮像するステップと、前記撮像によって得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行うステップと、を含む、レーザ溶接方法にもある。
また、本発明は、所定区間に亘ってレーザ走査を行い、溶接ビードを形成するステップと、前記溶接ビード形成ステップの終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させると同時にその照射位置を記憶するステップと、前記照射位置を記憶した時点から所定時間経過後に前記照射位置の溶接ビードを撮像するステップと、前記撮像によって得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行うステップと、を含む、レーザ溶接方法にもある。
また、本発明は、所定区間のレーザ溶接終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させると同時にその照射位置を記憶するステップと、前記照射位置を記憶した時点から所定時間経過後に前記照射位置の溶接ビードを撮像するステップと、前記撮像によって得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行うステップと、を含む、溶接ビード検査方法として規定される。
以上述べたように、本発明に係るビード検査方法およびレーザ溶接方法によれば、プルームの影響を回避しつつ溶接ビードの全体または広範囲の良否判定を安定的に実施可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明第1実施形態に係るレーザ溶接装置1の概略図である。図1において、レーザ溶接装置1は、レーザ照射ヘッド11、レーザ照射制御部12、および、レーザ発振器13を含むレーザ照射部10と、溶接ビードBの撮像手段21および画像処理部22、を含む検査部20とから構成されている。
図1は、本発明第1実施形態に係るレーザ溶接装置1の概略図である。図1において、レーザ溶接装置1は、レーザ照射ヘッド11、レーザ照射制御部12、および、レーザ発振器13を含むレーザ照射部10と、溶接ビードBの撮像手段21および画像処理部22、を含む検査部20とから構成されている。
レーザ照射ヘッド11は、レーザ発振器13からファイバ光学系などを経由して伝送されるレーザをワークw1の表面の所定位置に所定のエネルギー密度で照射するために、前記表面上でレーザ光軸を2軸方向またはそれ以上の多軸方向に走査する手段(例えば、ガルバノスキャナまたはXYテーブル、あるいは多軸ヘッド)、および、レーザの焦点距離/デフォーカス量を制御する焦点制御手段(例えば、フォーカスレンズ)などで構成されている。
レーザ照射制御部12は、予め設定されたプログラムに基づいて、レーザ照射ヘッド11を制御し、かつ、レーザ照射のON/OFFやレーザ出力制御を行うものである。特に、本発明では、溶接用レーザ照射と、低エネルギー密度(低出力および/または高速)の検査用レーザ再照射の切り替え手段としての機能を有する。
撮像手段21は、少なくとも1つの単位溶接ビードBの好ましくは全体を包含する領域を撮像可能な公知の撮像手段(例えばCCDカメラなど)を好適に利用可能である。撮像手段21に取得された画像は、記憶部23に順次蓄積され、画像処理部22に送られ、溶接ビードBの不良検査、良否判定が行われる。
次に、上記実施形態に基づき溶接ビードの不良検査、良否判定プロセスについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、2枚のワーク(鋼板)w1,w2を重ねた状態でその一方(w1)の表面側からレーザ照射を行い重ね溶接する。例えば、図2(a)に示すように、従来のスポット溶接の代替溶接として、始点Ssから終点Stまで、所定半径の円弧状(ループ状)にレーザ走査Saを行い、円弧状の溶接ビードBを形成する。
この時、レーザ照射中は照射部位からプルームやスパッタを生じているが、レーザ光軸が終点Stに達しレーザ照射を停止した段階で、プルームやスパッタは消え、終端部B1は残熱発光している。しかし、他の始端側部分B0は温度が低下し、赤外放射は残存するものの、撮像手段21に取得される画像における輝度は閾値以下に低下しており、図2(a)において始端側部分B0の溶接ビード形状は確認できない。
次いで、図2(b)に示すように、レーザ光軸を再び始点Ssに移動し、レーザの出力、焦点径、および、走査速度によって決定されるエネルギー密度を(溶接時の20〜45%程度まで)低下させ終点Stまでレーザを再照射(Sb)して溶接ビードBを熱発光(B2)させながら撮像手段21で熱発光した溶接ビードB2を撮像する。
このようなレーザ再照射Sbでは、エネルギー密度が小さいので溶接ビードBにプルームやスパッタが生じず、熱発光した溶接ビードB2をレーザ再照射中に撮像可能であり、レーザ走査と共に撮像手段21に撮像される画像Xは、複雑な画像処理を施さなくても穴欠陥などの溶接不良を検出可能であり、かつ、レーザ再照射Sbの終了時には検査が終了する。
具体的な検査方法としては、撮像手段21は、溶接ビードB2の全体を視野に含んでおり、同じ範囲の画像Xをレーザ再照射Sbに同期して順次撮像する。例えば、図2(b)において、画像Xにおけるレーザ再照射Sb′の位置を記憶し、所定時間経過後に当該位置を含む領域内の低輝度画素群として認識される欠陥を検出する。このような操作すなわち時間差スキャンを連続的に行っても良いし、溶接ビードB2の全長(全周)をいくつかのセグメントに区分してセグメント毎に時間差スキャンを実施することもできる。このような時間差スキャンを行うことで、プルームやスパッタを生じないとはいえ高輝度の照射領域を検査範囲から除外することができ、より確実な検査を実施可能となる。
(第2実施形態)
図3は、本発明第2実施形態に係るレーザ溶接装置2の概略図である。図3において、レーザ溶接装置2は、レーザ照射ヘッド11、レーザ照射制御部12、および、レーザ発振器13を含むレーザ照射部10と、溶接ビードBの撮像手段31および画像処理部32、を含む検査部30とから構成されている。レーザ照射部10は基本的に第1実施形態と同様であり、同じ要素には同じ符号を付すことで説明を省略し、以下、検査部30について述べる。
図3は、本発明第2実施形態に係るレーザ溶接装置2の概略図である。図3において、レーザ溶接装置2は、レーザ照射ヘッド11、レーザ照射制御部12、および、レーザ発振器13を含むレーザ照射部10と、溶接ビードBの撮像手段31および画像処理部32、を含む検査部30とから構成されている。レーザ照射部10は基本的に第1実施形態と同様であり、同じ要素には同じ符号を付すことで説明を省略し、以下、検査部30について述べる。
第2実施形態の検査部30は、レーザ光軸上に設置されたハーフミラーなどの分光手段34とフィルタ35を含み、レーザ出力光学系を通じて取得される画像からフィルタ35で特定波長以外をカットして撮像手段31で撮像するように構成されている。撮像手段31は、レーザ光軸と共に移動しながら撮像可能な高フレームレートの高速カメラを好適に利用可能である。撮像手段31に取得された画像は、記憶部33に順次蓄積され、画像処理部32に送られ、溶接ビードBの不良検査、良否判定が行われる。
この第2実施形態の場合、撮像にレーザ出力光学系を利用するため、図4(b)に示すように、撮像範囲は照射位置の近傍に限られる。また、低エネルギー密度の再照射とはいえ照射位置からは反射光が入射されるので、照射位置を除外して検査を実施しても良い。その場合、検査範囲は狭くなるが、撮像範囲が照射位置と同軸で移動するため、照射位置に対して正確な検査範囲を取得できる。
(第1実施例)
次に、レーザ再照射におけるエネルギー密度の実施例について述べる。
実験では、3枚のワーク(上:厚さ0.65mm非めっき鋼板、中央:厚さ1.4mm非めっき鋼板、下:0.1mm間隙を介して厚さ0.8mmの亜鉛めっき鋼板)を重ね、焦点径0.6mm、レーザ出力4000W、走査速度3.7m/minにて、図2(a)に示すように、円弧状にレーザ走査Saを行い、溶接ビードBを形成した。
次に、レーザ再照射におけるエネルギー密度の実施例について述べる。
実験では、3枚のワーク(上:厚さ0.65mm非めっき鋼板、中央:厚さ1.4mm非めっき鋼板、下:0.1mm間隙を介して厚さ0.8mmの亜鉛めっき鋼板)を重ね、焦点径0.6mm、レーザ出力4000W、走査速度3.7m/minにて、図2(a)に示すように、円弧状にレーザ走査Saを行い、溶接ビードBを形成した。
次いで、図2(b)に示すように、同じレーザ出力4000Wで走査速度を13.7m/minに増速してレーザを再照射(Sb)したところ、プルームやスパッタが生じずにビードBを熱発光させることができた。この場合、同じレーザ出力4000Wであっても、走査速度を3.7倍速に増速したことで、単位時間当たりに溶接ビードBに入力されるエネルギー、すなわちエネルギー密度は1/3.7となり、レーザ出力を1081W(約27%)程度まで低下させたのと同様であった。
(第2実施例)
上記実施例では、レーザ再照射Sbでの出力をレーザ溶接Sa時と同等に保ちつつ走査速度を3.7倍に増速する場合を示したが、増速の程度を少なくしかつレーザ出力をも小さくして、実際にエネルギー密度を低下させてレーザ再照射Sbを行っても同様の熱発光が得られ、溶接ビードの良否検査を実施可能である。
上記実施例では、レーザ再照射Sbでの出力をレーザ溶接Sa時と同等に保ちつつ走査速度を3.7倍に増速する場合を示したが、増速の程度を少なくしかつレーザ出力をも小さくして、実際にエネルギー密度を低下させてレーザ再照射Sbを行っても同様の熱発光が得られ、溶接ビードの良否検査を実施可能である。
そこで、レーザ再照射における速度と出力の相関および有効な組合せの範囲を検証するために、種々の走査速度とレーザ出力の組合せで再照射する実験を行った。結果を図5の分布図に示す。
図5において、(1)符号「○」は、良好な熱発光B2が得られ、かつ、プルームやスパッタも生じなかった組合せを、(2)符号「△」は、再照射中にはプルームやスパッタを生じたが再照射終了時には良好な熱発光B2が得られた組合せを、(3)符号「×」は、高速側で輝度不足、低速側でプルームやスパッタを生じ、溶接ビードの良否検査を実施不可能であった組合せを示している。
図5において、(1)符号「○」は、良好な熱発光B2が得られ、かつ、プルームやスパッタも生じなかった組合せを、(2)符号「△」は、再照射中にはプルームやスパッタを生じたが再照射終了時には良好な熱発光B2が得られた組合せを、(3)符号「×」は、高速側で輝度不足、低速側でプルームやスパッタを生じ、溶接ビードの良否検査を実施不可能であった組合せを示している。
レーザ照射によるワークへの入熱は、概ねレーザ出力に比例し、焦点径および走査速度に反比例する。すなわち、レーザ出力P、走査速度V、焦点径dとしたとき、レーザ照射のエネルギー密度は、P/dVで表される。図5において、速度Vと出力Pの有効な組合せの範囲の左側の臨界値(上限値)は、(V,P)=(7,3500)〜(9,4500)より、直線P=500Vにあり、右側の臨界値(下限値)は、(V,P)=(14,3500)〜(18,4500)より、直線P=250Vにある。
ここで、溶接用レーザ(4m/min,4000W)と再照射レーザの焦点径が同一であれば、エネルギー密度は、レーザ出力Pと走査速度Vに基づく出力速度比(P/V)によって規定でき、溶接用レーザの出力速度比(P/V)=1000(W・min/m)に対して、再照射レーザの出力速度比の上限値は(P/V)=500(W・min/m)、下限値は(P/V)=250(W・min/m)である。すなわち、再照射レーザの出力速度比(P/V)がレーザ溶接時の25〜50%の範囲で良否検査に適した熱発光が得られることが分かる。
さらに、焦点径d=0.6mmに対して充分に大きい走査速度V(m/min)を(mm/sec)に換算し、出力Pをエネルギー(W・sec=J)に換算すると、単位時間当たりの照射面積に入力されるエネルギーP/dVは、レーザ溶接時の100(J/mm2)に対してレーザ再照射時には25〜50(J/mm2)ということになる。このように、走査速度Vとレーザ出力P、焦点径dの組合せに一定の相関関係があり、定性的に再照射の出力値および走査速度値を選定可能であることが分かる。
本発明に係るレーザ溶接方法(溶接ビードの検査方法)は、溶接用レーザ照射Saの終了直後に、検査用レーザ再照射Sbを低エネルギー密度にて行うことを特徴としており、上記実施例では、低出力と高速化の2つの操作を中心に説明した。これらに準じた結果をもたらす操作としては、再照射Sbの位置を溶接ビードBの幅方向にずらす操作、および、デフォーカス量を大きくする操作がある。以下、各実施例について説明する。
(第3実施例)
溶接用レーザ照射Saの終了直後に、検査用レーザ再照射Sbを溶接ビードBの幅方向にずらして行うことで、溶接ビードBへの入熱が抑制され、溶接時と同条件でレーザ再照射Sbを行っても実質的に低エネルギー密度のレーザを再照射したのと同じ結果が得られる。この作用効果を検証するために、次のような実験を行った。
溶接用レーザ照射Saの終了直後に、検査用レーザ再照射Sbを溶接ビードBの幅方向にずらして行うことで、溶接ビードBへの入熱が抑制され、溶接時と同条件でレーザ再照射Sbを行っても実質的に低エネルギー密度のレーザを再照射したのと同じ結果が得られる。この作用効果を検証するために、次のような実験を行った。
先ず、第1実施例と同様に、焦点径0.6mm、レーザ出力4000W、走査速度3.7m/minにて、円弧状にレーザ走査Saを行い、溶接ビードBを形成する。次いで、第1実施例と同様に、レーザ光軸を再び始点Ssに移動し、走査速度13.7m/minに増速してレーザ再照射Sbを行うに際して、照射位置を、溶接時のレーザ走査Saに対して、径方向外周側および内周側にずらして再照射し(Sb)、ビードBを熱発光させて撮像した。
その結果、外周側、内周側共に、0.7mmまでは良好な画像が得られた。むしろ、溶接時のレーザ走査Saの場合に比べて、先に温度低下が進む周辺部が再加熱され、溶接ビードBの熱発光が均一化される傾向が見られた。しかし、ずれが0.8mm以上になると、反対側に暗部が生じその領域での欠陥検出精度が低下する問題を生じた。
この点について考察すると、レーザ照射の焦点径0.6mmに対して形成される溶接ビードBの幅は約1mmであるので、ずれが0.7mmまでは再照射Sbの焦点径0.6mmと溶接ビードBとの間に重なりがある。しかし、ずれが0.8mm以上では溶接ビードBとの重なりはなく、専ら固体熱伝導のみによる入熱となり、再照射したレーザのエネルギーが溶接ビードBに伝達され難くなるものと考えられる。いずれにしても、再照射にずれを許容できることは、実用上における安定性を確保する上で有利である。
(第4実施例)
溶接用レーザ照射Saの終了直後に、検査用レーザ再照射Sbを、デフォーカス量を大きくして実施することにより、再照射時のレーザのエネルギーが溶接ビードBの広範囲に分散されることで、低エネルギー密度のレーザを再照射したのと同じ結果が得られる。この作用効果を検証するために、デフォーカス量を変化させて再照射を行ったところ、同条件でデフォーカス量が溶接ビードBの幅と等しい焦点径1.0mmまでは良好な画像が得られたが、それ以上では、加熱が不充分となるためか、中間部分などに低輝度部が認められ、欠陥検出精度が低下すると判断された。
溶接用レーザ照射Saの終了直後に、検査用レーザ再照射Sbを、デフォーカス量を大きくして実施することにより、再照射時のレーザのエネルギーが溶接ビードBの広範囲に分散されることで、低エネルギー密度のレーザを再照射したのと同じ結果が得られる。この作用効果を検証するために、デフォーカス量を変化させて再照射を行ったところ、同条件でデフォーカス量が溶接ビードBの幅と等しい焦点径1.0mmまでは良好な画像が得られたが、それ以上では、加熱が不充分となるためか、中間部分などに低輝度部が認められ、欠陥検出精度が低下すると判断された。
これは走査速度13.7m/minに増速した場合の結果であり、増速の度合いを小さくすれば、上記以上のデフォーカス量でも必要な熱発光を生じる加熱が可能と予測される。しかし、その分、処理時間が長くなるので、そのようなデフォーカス量を選択する意味はない。この第4実施例は、むしろ再照射時のプルームやスパッタを抑制し、実用上における安定性を確保する上で有利なパラメータとなりうる。
以上、本発明に係るビード検査方法のいくつかの実施例について述べたが、レーザ出力および走査速度に加えて、第3実施例の照射位置をずらす設定や第4実施例のデフォーカス量の設定を行うことによって、処理時間と安定性を両立して溶接ビードの良否判定を実施可能であることを付言する。
1 レーザ溶接装置
10 レーザ照射部
11 レーザ照射ヘッド
12 レーザ照射制御部
13 レーザ発振器
20,30 検査部
21,31 撮像手段
22,32 画像処理部
23,33 記憶部
34 分光手段
35 フィルタ
B 溶接ビード
B0 始端側部分
B1 終端部
B2 溶接ビード全体
Sa レーザ照射(レーザ溶接)
Sb レーザ再照射
Ss 始点
St 終点
w1,w2 ワーク
10 レーザ照射部
11 レーザ照射ヘッド
12 レーザ照射制御部
13 レーザ発振器
20,30 検査部
21,31 撮像手段
22,32 画像処理部
23,33 記憶部
34 分光手段
35 フィルタ
B 溶接ビード
B0 始端側部分
B1 終端部
B2 溶接ビード全体
Sa レーザ照射(レーザ溶接)
Sb レーザ再照射
Ss 始点
St 終点
w1,w2 ワーク
Claims (7)
- 所定区間のレーザ溶接終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させながら撮像し、得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行うことを特徴とする溶接ビード検査方法。
- 前記レーザ再照射を、前記レーザ溶接時の光軸走査よりも高速で行うことを特徴とする請求項1記載の溶接ビード検査方法。
- 前記レーザ再照射を、前記溶接ビードの幅以内で前記レーザ溶接時の光軸走査とずらして行うことを特徴とする請求項1または2記載の溶接ビード検査方法。
- 前記レーザ再照射を、前記レーザ溶接時よりも大きなデフォーカス量で行うことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の溶接ビード検査方法。
- 所定区間に亘ってレーザ走査を行い、溶接ビードを形成するステップと、
前記溶接ビード形成ステップの終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させながら撮像するステップと、
前記撮像によって得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行うステップと、
を含む、レーザ溶接方法。 - 所定区間に亘ってレーザ走査を行い、溶接ビードを形成するステップと、
前記溶接ビード形成ステップの終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させると同時にその照射位置を記憶するステップと、
前記照射位置を記憶した時点から所定時間経過後に前記照射位置の溶接ビードを撮像するステップと、
前記撮像によって得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行うステップと、
を含む、レーザ溶接方法。 - 所定区間のレーザ溶接終了後、前記所定区間に亘る溶接ビードに残熱を有する状態で、前記溶接ビードに低エネルギー密度でレーザを再照射し、前記溶接ビードを熱発光させると同時にその照射位置を記憶するステップと、
前記照射位置を記憶した時点から所定時間経過後に前記照射位置の溶接ビードを撮像するステップと、
前記撮像によって得られた画像から前記溶接ビードの良否判定を行うステップと、
を含む、溶接ビード検査方法。
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|---|---|---|---|
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2012163703A Pending JP2014024068A (ja) | 2012-07-24 | 2012-07-24 | レーザ溶接におけるビード検査方法およびレーザ溶接方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2014024068A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109290675A (zh) * | 2018-09-05 | 2019-02-01 | 广东工业大学 | 激光焊接穿透能量的反射式光电信号评估检测装置及方法 |
| CN109523548A (zh) * | 2018-12-21 | 2019-03-26 | 哈尔滨工业大学 | 一种基于临界阈值的窄间隙焊缝特征点提取方法 |
| CN115397595A (zh) * | 2020-04-20 | 2022-11-25 | 乔治洛德方法研究和开发液化空气有限公司 | 用于经由焊接工件图像的数字处理确定焊接方法的性能的方法、装置和计算机程序 |
| CN119098715A (zh) * | 2023-06-08 | 2024-12-10 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种基于大数据的冷轧带钢搭接焊焊接结果评估方法 |
| US12358082B2 (en) | 2020-09-10 | 2025-07-15 | Lg Energy Solution, Ltd. | Method for inspecting welding quality of welded portion between electrode tab and lead |
-
2012
- 2012-07-24 JP JP2012163703A patent/JP2014024068A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109290675A (zh) * | 2018-09-05 | 2019-02-01 | 广东工业大学 | 激光焊接穿透能量的反射式光电信号评估检测装置及方法 |
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| CN109523548B (zh) * | 2018-12-21 | 2023-05-05 | 哈尔滨工业大学 | 一种基于临界阈值的窄间隙焊缝特征点提取方法 |
| CN115397595A (zh) * | 2020-04-20 | 2022-11-25 | 乔治洛德方法研究和开发液化空气有限公司 | 用于经由焊接工件图像的数字处理确定焊接方法的性能的方法、装置和计算机程序 |
| US12358082B2 (en) | 2020-09-10 | 2025-07-15 | Lg Energy Solution, Ltd. | Method for inspecting welding quality of welded portion between electrode tab and lead |
| CN119098715A (zh) * | 2023-06-08 | 2024-12-10 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种基于大数据的冷轧带钢搭接焊焊接结果评估方法 |
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