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JP2014011084A - 有機el装置の製造方法 - Google Patents

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JP2014011084A JP2012147949A JP2012147949A JP2014011084A JP 2014011084 A JP2014011084 A JP 2014011084A JP 2012147949 A JP2012147949 A JP 2012147949A JP 2012147949 A JP2012147949 A JP 2012147949A JP 2014011084 A JP2014011084 A JP 2014011084A
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organic
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学 大塚
Tomoyuki Hiroki
知之 廣木
Nobuhiko Sato
信彦 佐藤
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Abstract

【課題】リフトオフを行う際に有機化合物層の特性を低下させずに高精細かつ発光特性の高い有機EL装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第一有機化合物層の形成工程と、中間層の形成工程と、第一有機化合物層の加工工程と、第二有機化合物層の形成工程と、第二有機化合物層の保護部材の形成工程と、中間層・保護部材の除去工程と、第二電極の形成工程と、を有し、前記第二有機化合物層の保護部材の形成工程が、第一有機化合物層が除去された領域に形成された第二有機化合物層上に、中間層を溶解するための溶解液に対して可溶な材料で被覆する工程であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、有機EL装置の製造方法に関する。
有機EL装置は、基板上に複数の有機EL素子をマトリクス状に配列してなる表示装置である。例えば、赤、緑、青のいずれかの色を発光する有機EL素子を1組集めたものを1画素として複数配置すれば、フルカラーを表示することができる。
有機EL装置に含まれる有機EL素子は、膜厚数十nm乃至数百nm程度の有機化合物層を一対の電極間に配置されてなる電子素子であり、有機EL素子を構成する有機化合物層は少なくとも発光層を含んでいる。また有機EL素子の発光色は、発光層の構成材料を適宜選択・変更することによって適宜変更することができる。
ところで有機化合物層を形成する際には、真空蒸着法が広く用いられている。多色表示の有機EL装置の製造工程において、真空蒸着法により有機EL素子の種類に応じた発光層を塗り分けて形成する場合は、成膜領域に対応する開口を有するメタルマスクを用い、所定の領域に所定の発光層材料が選択的に形成されるようにする。しかし、メタルマスクを用いた真空蒸着法は、メタルマスクと被成膜基板とのアライメント精度の低さやメタルマスクの熱膨張等に起因する成膜精度の低さから、高精細な表示装置を作製するのには適さない方法といえる。
そこで、特許文献1には、高精細なメタルマスクの代わりにフォトリソグラフィ法を用いて有機化合物層を高精度かつ選択的に形成する方法が開示されている。具体的には、基板全面に形成した第一発光層上にレジスト層を設け、公知の手法によりレジスト層のパターニングを行った後、このレジスト層を用いて第一発光層のパターニング(加工)を行う。そして所定の形状に第一発光層を加工した後、第一発光層とは別の発光層を成膜・形成する。そしてレジスト層の溶解液を用いて第一発光層上のレジスト層を溶解させて、レジスト層やレジスト層上に設けられている層を除去(リフトオフ)する。
特許4578026号公報
ところで特許文献1では、レジスト層等を剥離液に接触させて溶解させ、溶解したレジスト層の上に形成されている発光層等の層に対して超音波等で物理的な力を加える方法が採用されている。これにより、レジスト層下に設けられる第一発光層の特に発光部を損傷させることなくリフトオフが可能となると記載されている。
ところが、リフトオフをする際に、基体上に成膜された第二発光層は剥き出しになっている。ここでリフトオフの際に加わる物理的な力により、第二発光層の特性が低下する場合があった。さらに、リフトオフによって除去されるレジスト層やレジスト層上に形成された層は水に溶解しないため、リフトオフされた層の膜片が露出している第2発光層の表面を傷つけることがありこれによって発光不良を招く場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、リフトオフを行う際に有機化合物層の特性を低下させずに高精細かつ発光特性の高い有機EL装置の製造方法を提供することである。
本発明の有機EL装置の製造方法は、基板上に、第一電極と、有機化合物層と、第二電極と、がこの順に積層されている有機EL素子を複数有し、前記有機化合物層が、所定の形状にパターニングされている有機EL装置の製造方法であって、
前記第一電極上に第一有機化合物層を形成する第一有機化合物層の形成工程と、
前記第一有機化合物層上に中間層を形成する中間層の形成工程と、
複数設けられる前記第一電極のうち一部の第一電極の上に形成された前記中間層及び前記第一有機化合物層を選択的に除去する第一有機化合物層の加工工程と、
前記第一有機化合物層が除去された領域に設けられる第一電極の上に、第二有機化合物層を形成する第二有機化合物層の形成工程と、
前記第二有機化合物層の表面を、前記中間層を溶解する溶解液に可溶な材料で被覆する第二有機化合物層の保護部材の形成工程と、
前記溶解液を用いて前記中間層及び前記保護部材を溶解して除去する中間層・保護部材の除去工程と、
前記第一有機化合物層及び前記第二有機化合物層上に第二電極を形成する第二電極の形成工程と、を有することを特徴とする。
本発明では、リフトオフを行う前に全ての有機化合物層が中間層を溶解する溶解液に可溶な材料で被覆されている。これにより、リフトオフを行う際に特定の有機化合物層の表面が傷ついたり、当該有機化合物層が物理的な力を受けて特性が劣化したりすることなく、有機化合物層をパターニングすることができる。従って、本発明によれば、リフトオフを行う際に有機化合物層の特性を低下させずに高精細かつ発光特性の高い有機EL装置の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法によって製造される有機EL装置の例を示す断面模式図である。 本発明の有機EL装置の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の有機EL装置の製造方法における第二の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の有機EL装置の製造方法における第三の実施形態を示す断面模式図である。 本発明の有機EL装置の製造方法における第四の実施形態を示す断面模式図である。
本発明の製造方法は、基板上に、第一電極と、有機化合物層と、第二電極と、がこの順に積層されている有機EL素子を複数有し、前記有機化合物層が、所定の形状にパターニングされている有機EL装置を製造する方法である。
本発明の有機EL装置の製造方法は、下記(A)乃至(H)に示される工程を有している。
(A)第一電極上に第一有機化合物層を形成する第一有機化合物層の形成工程
(B)第一有機化合物層上に中間層を形成する中間層の形成工程
(C)複数設けられる前記第一電極のうち一部の第一電極の上に形成された前記中間層及び前記第一有機化合物層を選択的に除去する第一有機化合物層の加工工程
(D)前記第一有機化合物層が除去された領域に設けられる第一電極の上に、第二有機化合物層を形成する第二有機化合物層の形成工程
(E)前記第二有機化合物層の表面を、前記中間層を溶解する溶解液に可溶な材料で被覆する第二有機化合物層の保護部材の形成工程
(F)溶解液を用いて中間層及び保護部材を除去する中間層・保護部材の除去工程
(G)第一有機化合物層及び第二有機化合物層上に第二電極を形成する第二電極の形成工程
本発明において、工程(E)において使用される溶解液は、工程(F)において使用される溶解液と同じであってもよい。
本発明において、好ましくは、中間層の形成工程と、第一有機化合物層の加工工程との間に、中間層上にバリア層を形成するバリア層の形成工程をさらに有する。また本発明において、好ましくは、上記バリア層の形成工程に連動して、第一有機化合物層の加工工程の前に、第一有機化合物層を除去する領域に設けられている前記バリア層を除去するバリア層の加工工程をさらに有する。
本発明の製造方法は、リフトオフ工程、即ち、工程(G)において二種類の有機化合物層(第一有機化合物層、第二有機化合物層)は、いずれも中間層又は溶解液に可溶な材料からなる保護部材にて保護されている。このため、リフトオフを行う際に加える物理的な力やリフトオフによって生じるマスク層、第二有機化合物層、保護層等に由来する膜片によって二種類の有機化合物層(第一有機化合物層、第二有機化合物層)は損傷することがない。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について具体的に説明する。尚、図面において特に図示されない、あるいは以下の説明において特段説明されていない部分に関しては、当該技術分野の周知技術あるいは公知技術を適用することができる。ただし、以下に説明する実施形態はあくまでも本発明における実施形態の一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
(有機EL装置)
図1は、本発明の製造方法によって製造される有機EL装置の例を示す断面模式図である。また以下に説明する実施形態は、図1の有機EL装置1又は2の製造プロセスである。
図1(a)の有機EL装置1は、二種類の画素、即ち、第一画素10Aと、第二画素10Bと、を有している。図1(a)の有機EL装置1において、第一画素10Aには、基板11上に、第一電極12(12a)と、第一有機化合物層13aと、共通層14と、第二電極15と、がこの順に積層されてなる第一有機EL素子が配置されている。図1(a)の有機EL装置1において、第二画素10Bには、基板11上に、第一電極12(12b)と、第二有機化合物層13bと、共通層14と、第二電極15と、がこの順に積層されてなる第二有機EL素子が配置されている。図1(a)の有機EL装置1において、各画素(10A、10B)からそれぞれ出力される光の色は、有機EL素子を構成する有機化合物層(13a、13b)の種類によって異なる。より具体的には、有機化合物層(13a、13b)にそれぞれ含まれる発光層の種類によって異なる。
図1(b)の有機EL装置2は、三種類の有機EL素子、即ち、第一有機EL素子を含む第一画素10Aと、第二有機EL素子を含む第二画素10Bと、第三有機EL素子を含む第三画素10Cと、を有している。第一画素、第二画素、第三画素の組は、画像を表示する際の表示単位である。図1(b)の有機EL装置2において、第一画素10Aには、基板11上に、第一電極12(12a)と、第一有機化合物層13aと、共通層14と、第二電極15と、がこの順に積層されてなる第一有機EL素子が配置されている。図1(b)の有機EL装置2において、第二画素10Bには、基板11上に、第一電極12(12b)と、第二有機化合物層13bと、共通層14と、第二電極15と、がこの順に積層されてなる第二有機EL素子が配置されている。図1(b)の有機EL装置2において、第三画素10Cには、基板11上に、第一電極12(12c)と、第三有機化合物層13cと、共通層14と、第二電極15と、がこの順に積層されてなる第三有機EL素子が配置されている。図1(b)の有機EL装置2において、各画素(10A、10B、10C)からそれぞれ出力される光の色は、有機EL素子を構成する有機化合物層(13a、13b、13c)の種類によって異なる。より具体的には、有機化合物層(13a、13b、13c)にそれぞれ含まれる発光層の種類によって異なる。
尚、実際の有機EL装置は、基板11上に、上述した複数種類の画素(第一画素、第二画素又は第一画素、第二画素、第三画素)がそれぞれ特定の規則性を持って2次元に複数配列されている。
(第一の実施形態)
次に、図1(a)の有機EL装置の製造プロセスについて説明する。図2は、本発明の有機EL装置の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図である。以下、図2に基づいて図1(a)の有機EL装置1の製造プロセスの具体例について説明する。
(1)基板
図2の有機EL装置の製造プロセスにおいて使用される基板11としては、有機EL装置1を安定に製造することができ、かつ駆動できるものであれば特に制限はない。例えば、ガラスやSiウェハ等の絶縁性あるいは半導体性の支持基板と、この支持基板上に有機EL装置を駆動するための駆動回路と、この駆動回路によって生じる凹凸を平坦化するための平坦化層とを有する基板が挙げられる。ここで駆動回路の一部は、配線を介して外部接続端子(不図示)と電気接続されている。尚、有機EL素子を構成する第一電極12を素子単位で分離すると共に発光領域を区画することを目的として分離層(不図示)をさらに設けてもよい。
(2)第一電極の形成工程(図2(a))
図1の有機EL装置1を製造する際には、まず基板11上に、第一電極12(12A、12B)を、素子単位で形成する(図2(a))。第一電極12の構成材料として、例えば、Al、Ag等の金属材料やインジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物等の透明電極材料が挙げられる。また第一電極12は、単層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。第一電極12が複数の層で構成ざれる場合、例えば、上記金属材料からなる薄膜と上記透明電極材料からなる薄膜とを積層してなる積層電極膜を用いることができる。
第一電極12は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の公知の方法で導電層を基板11全体に形成した後、フォトリソグラフィを用いて素子単位のパターニングを行うことによって形成される。これにより、第一有機EL素子を設ける領域10aと第二有機EL素子を設ける領域10bとにそれぞれ設けられる第一電極(12a、12b)がそれぞれ複数形成される(図2(a))。
(3)第一有機化合物層の形成工程(図2(b))
次に、基板11の全面にわたって第一有機化合物層13aを形成する(図2(b))。第一有機化合物層13aは、少なくとも特定の波長の光を出力する第一発光層(不図示)を含む単層あるいは複数の層からなる積層体である。第一有機化合物層13aが複数の積層体である場合、第一発光層以外の第一有機化合物層13aを構成する層として、ホール輸送層、ホール注入層、電子輸送層、電子注入層等が挙げられる。本発明において、第一有機化合物層13aの構成材料としては、公知の低分子系材料あるいは高分子系材料のから適宜選択して用いることができる。
(4)第一有機化合物層の加工工程(図2(c)〜(e))
次に、フォトリソグラフィー法を用いて、第一有機化合物層13aを加工する。
具体的には、まず第一有機化合物層13a上に、中間層21と、レジスト層22と、をこの順に形成する(図2(c))。中間層21は、後の工程において第一有機化合物層13aにダメージを与えないようにするために設けられる。
中間層21の構成材料としては、第一有機化合物層13aの構成材料への溶解度が低い溶媒に溶解する材料を選択する。ところで、第一有機化合物層13aの構成材料は水への溶解度が低いので、中間層21を溶解する溶媒(溶解液)として水が好適に用いられる。このように溶解液として水が選択される場合、中間層21の構成材料としては、LiF、NaCl等の水溶性無機材料あるいはポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)等の水溶性ポリマーを使用することができる。
次に、中間層21上にレジスト層22を形成する(図2(c))。レジスト層22は、フォトリソグラフィーによって所望の形状にパターニングされたあとはマスク層22aとして機能する(図2(d))。図2(d)では、第一EL素子10Aを設ける領域(10a)にマスク層22aが選択的に残るようにパターニングが行われている。
レジスト層22を形成する際には、レジスト層22を現像する際に用いられる現像液に対するレジスト層22のエッチングレートが中間層21のそれよりも大きくなるように材料(レジスト材料)を選択する。尚、レジスト層22の現像液は、第一有機化合物層13aを溶解する等の影響を及ぼしたり、中間層21の溶解や変質を引き起こしたりする場合がある。係る場合には、中間層21を形成した後、レジスト層22を形成する前にレジスト液から中間層21等を保護するための保護層(不図示)を設けておくのが好ましい。この保護層の構成材料としては、窒化シリコンや酸化シリコン等の無機材料が好ましく用いられる。この保護層を設けることで、レジスト層22の形成の際に中間層21や第一有機化合物層13aの溶解や変質の可能性を抑制することができる。また中間層21上に形成されるレジスト層22を形成する際に使用可能な材料の選択肢を増やすことができる。
尚、中間層21上に所定のパターンを有するマスク層22aを形成する方法は、フォトリソグラフィー法に限定されるものではなく、他に、インクジェット法、印刷法等のフォトリソグラフィー法を用いない方法も採用することができる。
マスク層22aを形成した後、ドライエッチングあるいはウェットエッチング法を用いて、マスク層22aが設けられていない領域に設けられている中間層21及び第一有機化合物層13aを除去する。これにより、中間層21及び第一有機化合物層13aのパターニングを行う(図2(e))。これにより、第二有機EL素子10Bを設ける領域(10b)に設けられる下部電極12bが露出される。尚、マスク層22aは、図2(e)に示されるように、中間層21及び第一有機化合物層13aの加工を行う際に同時に除去してもよい。またマスク層22aは、中間層21及び第一有機化合物層13aの加工を行った後で別工程にて除去してもよい。
(5)第二有機化合物層の形成工程(図2(f))
次に、基板11の全面にわたって第二有機化合物層13bを形成する(図2(f))。第二有機化合物層13bは、少なくとも第一発光層(不図示)とは異なる波長の光を出力する第二発光層(不図示)を含む単層あるいは複数の層からなる積層体である。また第二有機化合物層13bが複数の積層体である場合、第二発光層以外の第二有機化合物層13bを構成する層として、ホール輸送層、ホール注入層、電子輸送層、電子注入層等が挙げられる。
また第一有機化合物層13aと同様に、第二有機化合物層13bの構成材料は、中間層21を溶解する溶解液に対する溶解度が低い材料にする必要がある。つまり、溶解液に対する中間層21のエッチングレートが、溶解液に対する第一有機化合物層13aや第二有機化合物層13bのエッチングレートよりも十分に大きくなるように溶解液や中間層21の構成材料を選択する。
(6)保護部材の形成工程(図2(g))
次に、第一有機化合物層13a上に形成された層をリフトオフによって除去する前に、リフトオフ時において第二有機化合物層13bを保護するための保護部材23を形成する(図2(g))。保護部材23を設けることにより、リフトオフされたマスク層、第二有機化合物層、保護層等の膜片によって第二有機化合物層13bが損傷を受けることはない。また保護部材23は、リフトオフを行う際に有機化合物層(13a、13b)に加える物理的な力による有機化合物層(13a、13b)の特性の劣化を抑制することができる。
保護部材23を設ける領域は、リフトオフの際に加えた力による傷が原因となるリークやショート、また、素子特性を劣化させないという観点から、少なくとも発光に寄与する第一電極12b上に形成された第二有機化合物層13bの表面であればよい。しかし、第二有機化合物層13bの成膜領域の端部より剥がれが生じる場合もあるので、より好ましくは第二有機化合物層13bを形成する領域の全面であることが好ましい。
保護部材23を設ける方法としては、第一有機EL素子を設ける画素領域10aに残存する中間層21の一部を利用する方法と、保護部材23に相当する層を改めて形成する方法がある。本実施形態では、第一有機EL素子を設ける画素領域10aに残存する中間層21の一部を利用する方法について説明する。
中間層21の一部を利用する方法とは、中間層21に溶解液を接触させて中間層21を溶解させ、第一有機化合物13a上に設けられた中間層21のパターンより中間層21の構成材料を溶出させる方法である。これにより溶解液と混合した中間層21の構成材料は、第一有機化合物層13aから第二有機化合物層13bの表面へと広がり、第二有機化合物層13bの表面を被覆する。
ただし中間層21に溶解液を接触させる際に、大量の溶解液の入った浴槽に基板10を浸漬すると、中間層21の構成材料は有機化合物層(13a、13b)表面にとどまらずに当該浴槽中に拡散してしまう。このため、本工程を溶解液の満たされた浴槽中に浸漬して行う際には、基板10を上向き、かつ溶解液を導入する際に流れが発生しないように静かに静置した上で行うのが好ましい。また中間層21の一部を利用する方法を用いる場合、少なくとも中間層21の構成材料の比重が溶解液のそれよりも大きくなるように材料を選択する必要がある。
他に、基板11を、浴槽に満たした溶解液に浸漬するのではなく大気中に保持し、基板10の表面に適量の溶解液を供給する方法が挙げられる。この方法は、中間層21と溶解液との比重等を考慮する必要がない点でより好ましい。ただし、シャワー等を用いて溶解液を連続的に供給し続けてしまうと、溶解層21の構成材料が第二有機化合物層13bの表面にとどまることなく基板11外に洗い流されることがある。そのため、溶解液に接触した中間層が溶解して得た溶液が第二有機化合物層13bの表面を被覆するのに必要な時間、供給する溶解液の量、等を調査・検討しておく必要がある。好ましくは、第二有機化合物層13bの表面を被覆する保護部材23の膜厚が最大となるような条件に設定するのが好ましい。
中間層21の一部を利用して保護部材を形成する方法について、以下に具体的に説明する。
まず基板11の表面(有機化合物層(13a、13b)等が設けられている面)を上向きにし、一定量の溶解液を基板11の表面から供給して中間層21と接触させる。これにより第一有機化合物層13a上に設けられる中間層21の少なくとも一部が溶解する。次に、基板を静置したままで所定の時間をおく。そうすると、第一有機化合物層13a上に設けられる中間層21から中間層21の構成材料の溶解・溶出が始まり、第二有機化合物層13bの表面へと広がることで、中間層21の構成材料を含む溶液によって第二有機化合物層13b上を被覆する。
また、基板11を静置する代わりにスピンコーター等の回転機構を用いて、基板11を回転させてもよい。これにより溶解液を効率よく基板に供給することが可能になると共に、溶解液にて溶解された中間層21の構成材料を遠心力によって強制的かつ効率的に広げることができる。これにより第二有機化合物層13b上に中間層の構成材料からなる保護部材23を形成しやすくなる。
本工程(保護部材の形成工程)を行う際に、中間層21の一部を利用して保護部材を形成する方法を採用する場合、本工程については、次に行われるリフトオフ工程と連続したプロセスとして行ってもよい。
本工程(保護部材の形成工程)を行った後、第一有機化合物層13a上に設けられる中間層21は、本工程を行う前と比べて中間層21の一部が溶出した分だけ膜厚が薄くなっている。尚、第一有機化合物層13a上に設けられる中間層21の膜厚と、第二有機化合物層13b上に設けられる保護部材23の膜厚と、は、図2(g)で図示されているように同じであってもよいし異なっていてもよい。
(7)中間層等の除去工程(図2(h))
次に、第一有機化合物13a上に形成された第二有機化合物層13b等の部材をリフトオフ(剥離)によって除去する(図2(h))。
中間層21を溶解するための溶解液としては、第一有機化合物層13aや第二有機化合物層13bに対する溶解度が低い溶媒が用いられる。
特に溶解液として水を用いると、中間層21以外の層(第一有機化合物層13a、第二有機化合物層13b、保護層等)は溶解しないため、中間層21を選択的に溶解させることができる。
リフトオフ工程を行う際には、第一有機化合物層13a上に設けられる層(第二有機化合物層13b等)を剥離させるために中間層21に対して力を加える必要がある。ここで具体的なリフトオフの方法として、基板11上に液流を作り出してこの液流を利用して中間層21を押し剥がすようにして剥離する方法が考えられる。また、溶解液に対して物理的な力を付加するような、2流体や超音波、メガソニック、マイクロバブル、高圧スプレー等の既存の方法も好適に用いられ、このような溶解液はノズルを介して供給される。ただし、本発明ではこれらの方法に限定されるものではない。
また上述した方法は、少なくとも第一有機化合物層13a上にある第二有機化合物層13bを除去し、かつ各有機EL素子がそれぞれ有する有機化合物層(13a、13b)が基板11から剥がれない範囲で溶解液に付加する力を調整した上で用いることができる。
さらに、大気中にて基板11の表面に溶解液を供給してリフトオフを行う場合、ノズルを利用して物理的な力を付加した溶解液を基板11(の表面)に供給する方法を利用することができる。この方法を利用する場合、溶解液を供給するノズルを、基板11上に対して相対的にスキャンさせることが好ましい。ノズルをスキャンする方法としては、基板11を静置させた状態でノズルを動かす方法、ノズルを固定して基板11を移動させる方法、基板11を回転させながらノズルを動かす方法等があるが、必要に応じて使い分けることができる。
またノズルを利用したリフトオフ工程を行う場合、中間層21上に形成され溶解液に溶解しない材料からなる層(第二有機化合物層13b、保護層24等)が基板11上に再付着するのを防ぐ必要がある。この再付着を防ぐ方法としては、ノズルの形状や動作、高さや角度等を適宜調整する方法があり、場合によってはノズルを複数個配置する方法も考えられる。また、ノズルが移動している間に基板11表面が乾燥してリフトオフされた膜が表面に再付着しないように、ノズルとは別の配管を利用し、基板11上に剥離液を供給しつつノズルを基板11上をスキャンするように移動させる方法も利用できる。さらに、リフトオフの際に用いる溶解液は、物理的な力を印加させることの他に、素子特性に影響を与えない範囲で、必要に応じて加温したり、静電気力による再付着を抑制するためにCO2を溶解させたり、界面活性剤を添加したりしてもよい。
ところで本発明においては、第二有機化合物層13b上に保護部材23が形成されている。このため、以上に説明した方法によってリフトオフ工程を行う際に、第二有機化合物層13bの表面に傷が発生したり、素子特性が低下したりするのを抑制することができる。尚、リフトオフ工程を行う際に、第一有機化合物層13a上には、中間層21が存在するため、この中間層21がリフトオフ時に問題となる第一有機化合物層13aの表面における傷の発生や、素子特性の低下を抑制している。またリフトオフの際に溶解液によってリフトオフされた膜片は溶解液に溶解せずに溶解液中を漂うことになるが、本発明の製造方法では各有機化合物層(13a、13b)上に有機化合物層を保護するための部材(中間層21、保護部材23)で被覆されている。このため、上記膜部材によって有機化合物層(13a、13b)の表面が傷つくことはない。
(8)第二電極等の形成工程
最後に、第一有機化合物層13a上及び第二有機化合物層13b上に、各有機EL素子(10A、10B)に共通する層として、共通層14と、第二電極15と、を順次形成する。これにより、二種類の有機EL素子(10A、10B)を備える有機EL装置1が完成する(図2(i))。尚、共通層14の形成は省略してもよい。
共通層14あるいは第二電極15の形成に先だって、第一有機化合物層13a及び第二有機化合物層13bの表面に中間層21等の残渣が残っている場合には、この残債を除去する工程を追加する。具体的には、希釈したアルコール等を用いて、中間層21等の材料ごと各有機化合物層(13a、13b)の表面を数nm程度エッチングする。
第一有機化合物層13a上及び第二有機化合物層13b上に共通層14を形成する場合、その層構成については特に限定されない。例えば、第一電極12が陽極である場合、共通層としては電子輸送層や電子注入層等が挙げられる。また第一電極12が陰極である場合、共通層としては正孔輸送層や正孔注入層等が挙げられる。さらに、共通層14は、一層で構成されてもよいし複数の層で構成されてもよい。
第二電極15の構成材料としては、Al、Ag等の金属材料、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物等の透明電極材料等の公知の電極材料が挙げられる。また第二電極15は、一層で構成されてもよいし複数の層で構成されてもよい。第二電極15が複数の電極で構成されている場合、第二電極15は、例えば、上記金属材料からなる層と上記透明導電材料からなる層とを積層してなる積層電極膜としてもよい。
尚、各有機化合物層(13a、13b)から発生した光を外部に出力させるためには、第一電極12及び第二電極15の少なくともいずれかが透明あるいは半透明の電極層とする。ここでいう透明とは、可視光に対して80%以上の透過率を有するものをいい、また半透明とは、可視光に対して20%以上80%未満の透過率を有するものをいう。第二電極15を形成した後、有機EL素子に外部から水分が浸入するのを抑制するため、公知の封止部材(不図示)を設けるのが好ましい。
以上より本発明の製造方法の実施形態の一例を説明した。本発明の製造方法では、リフトオフによって中間層21を除去する際に、第二有機化合物層13bの表面を保護部材23で覆っている。このため、第一有機化合物層13a上から剥離された第二有機化合物層13b等のリフトオフされる部材が直接的に第二有機化合物層13b(の表面)に接触して傷がついたり、傷の発生によってリークやショートが発生したりするのを防止することができる。また第二有機化合物層13b(の表面)を覆う保護部材23は、リフトオフ工程において基板11表面に加わり有機EL素子の特性を劣化せしめる物理的な力から第二有機化合物層13bを保護している。
(第二の実施形態)
図3は、本発明の有機EL装置の製造方法における第一の実施形態を示す断面模式図である。以下、図3に基づいて図1の有機EL装置の製造プロセスの他の例について説明する。尚、以下に説明においては、第一の実施形態との相違点(図2(g)及び図3(g)に示される保護部材23の形成工程が相違する。)を中心に説明する。
<保護部材の形成工程>
本実施形態においては、保護部材23は、中間層21の一部を加工することなく形成される(図3(g))。ここで中間層21の一部を加工することがないとは、中間層21を溶解液に接触させる工程がないことを意味するものであり、本工程は、第一有機化合物層13a上に設けられる中間層21を変形させることなく保護部材23を形成することを意味する。
本実施形態において、保護部材23の構成材料は、中間層21の構成材料と同じであってもよいし異なっていてもよい。ただし、中間層21の溶解液によって溶解・剥離する材料を選択するのが望ましい。例えば、中間層21の構成材料が水溶性材料である場合では、溶解液として水を用いることになるため、保護部材23の構成材料は水溶性材料とする。また中間層21の場合と同様に、保護部材23を剥離・除去する際に用いられる溶媒は、第二有機化合物層13bの構成材料を溶解させない溶媒であることが好ましい。
本実施形態において、保護部材23は、蒸着法、スリットコート、スピンコート、インクジェット等を用いて形成することができる。尚、蒸着法を用いて保護部材を形成する場合、保護部材23は、第二有機化合物層13bを形成した後に連続して真空中にて形成してもよい。
(第三の実施形態)
図4は、本発明の有機EL装置の製造方法における第三の実施形態を示す断面図である。以下、図4に基づいて図1(b)の有機EL装置2の製造プロセスの具体例について説明する。
<第一電極の形成工程〜第一有機化合物層の加工工程>(図4(a)〜(e))
有機EL素子が三種類存在する、図1(b)に示される有機EL装置2を製造する場合、第一電極12(12a、12b、12c)の形成工程から第一有機化合物層13aの加工工程に至るまでの工程は、第一の実施形態と同様の方法で行うことができる。即ち、第一有機化合物層13aの形成工程、中間層21及びレジスト層の形成工程を含む図4(a)乃至(e)までの工程については、図2(a)乃至(e)に示されるプロセスと同様のプロセスで行うことができる。
<第二有機化合物層の形成工程〜リフトオフ工程>(図4(f)〜(h))
次に、第二有機化合物層13bを形成する。このとき少なくとも第二有機EL素子を設ける領域10b及び第三有機EL素子を設ける領域10cにおいて、第二有機化合物層13bは第一電極(12b、12c)上に形成されることになる(図4(f))。次に、第一有機化合物層13a上に形成されている中間層21を利用して保護部材23を形成する(図4(g))。次に、中間層21の上に形成された第二有機化合物層13bを、リフトオフを利用して除去する(図4(h))。尚、以上に説明したプロセスにおいて、保護部材23の形成工程からリフトオフ工程に至るまでの工程については、第一の実施形態にて説明した方法を採用してもよい。
<第二有機化合物層の加工工程>(図4(i)〜(k))
一回目のリフトオフ工程を行った後、フォトリソグラフィーを用いた第二有機化合物層13bの加工を行う(図4(i)乃至(k))。本工程は、具体的には、第二有機EL素子10bが設けられる領域10b以外の領域に設けられた第二有機化合物層13bを除去する工程である。尚、図4(i)乃至(k)に示されるプロセスは、中間層21と、レジスト層22と、からなる積層体を利用した第二有機化合物層13bの加工プロセスであり、その具体的な方法に関しては、第一の実施形態にて説明した方法と同様である。尚、第二有機化合物層13bを加工する際に使用される中間層21の構成材料は、第一有機化合物層13aを加工する際に中間層21の構成材料として使用される材料と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
<第三有機化合物層の形成工程〜リフトオフ工程>(図4(l)〜(n))
次に、第三有機化合物層13cを形成する。このとき少なくとも第三有機EL素子を設ける領域10cにおいて、第三有機化合物層13bは形成されることになる(図4(l))。次に、第一有機化合物層13a上及び第二有機化合物層13b上に形成されている中間層21を利用して保護部材23を形成する(図4(m))。次に、中間層21の上に形成された第三有機化合物層13cを、リフトオフを利用して除去する(図4(n))。尚、以上に説明したプロセスにおいて、保護部材23の形成工程からリフトオフ工程に至るまでの工程については、第一の実施形態にて説明した方法を採用してもよい。
<共通層の形成工程>(図4(o))
最後に、各有機EL素子(10A、10B、10C)において共通する層である共通層14及び第二電極15をこの順に形成する。これにより図1(b)に示される有機EL装置2が完成する。尚、共通層14や第二電極15を形成する具体的方法については、第一の実施形態と同様の方法を利用することができる。
(第四の実施形態)
図5は、本発明の有機EL装置の製造方法における第四の実施形態を示す断面模式図である。以下、図5に基づいて図1(b)の有機EL装置2の製造プロセスの他の例について説明する。尚、以下に説明においては、第三の実施形態との相違点(図4(c)〜(e)及び図4(i)〜(k)にそれぞれ示される各有機化合物層(13a、13b)の加工工程が相違する。)を中心に説明する。
<第一有機化合物層の加工工程(図5(c)〜(e))、第二有機化合物層の加工工程(図5(i)〜(k))>
本実施形態では、第一有機化合物層13aや第二有機化合物層13bを加工するために用いる部材として、中間層21と、バリア層24と、レジスト層22(マスク層(22a、22b)とからなる積層体が使用されている。中間層21を形成した後でレジスト層22を形成する前にバリア層24を形成する。これにより、中間層21や有機化合物層を、レジスト層を形成するレジスト材料に含まれる溶媒から保護することができ、レジスト層22の材料選択が容易になる。
尚、本実施形態(第四の実施形態)の詳細については、以下に説明する実施例にて説明する。また本発明は、四種類以上の画素を有する有機EL装置を製造する場合においても適用することができる。係る場合、画素の種類に応じて有機化合物層の加工工程、有機化合物層の形成工程、リフトオフ工程からなる一連のプロセスを繰り返し行えばよい。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
図5に示される製造プロセスに従って、図1(b)に示される有機EL装置を作製した。本実施例(実施例1)で使用した基板11は、基材であるガラス基板(不図示)と、基材上に設けられ各有機EL素子を個別に駆動するための回路(不図示)と、この回路を被覆する絶縁層と、を備えている。また図1(b)には図示されていないが、各第一電極(12a、12b、12c)は、上記絶縁層内に設けられたコンタクトホール(不図示)を介して上記回路と電気的に接続されている。
(1)第一電極の形成工程
まずスパッタリング法により、基板11表面全体に、AlNdを成膜し反射電極層を形成した。このとき反射電極層の膜厚を100nmとした。次に、スパッタリング法により、反射電極層上にITO成膜して透明電極層を形成した。このとき透明電極層の膜厚を10nmとした。次に、公知のフォトリソグラフィー法を用いて、反射電極層と透明電極層とからなる積層電極膜のパターニングを行った。これにより、反射電極層と透明電極層とからなる第一電極(12a、12b、12c)を、各有機EL素子を設ける領域(10a、10b、10c)につき1個ずつ設けられるようにそれぞれ形成した(図5(a))。
(2)第一有機化合物層の形成工程
次に、真空蒸着法を用いた連続成膜により、第一電極(12a、12b、12c)上及び基板11上に、青色を発する第一発光層を含み複数の層からなる第一有機化合物層13aを形成した。
まず、第一電極(12a、12b、12c)上及び基板11上に、正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を120nmとした。次に、正孔輸送層上に、青色発光材料を含む第一発光層を形成した。このとき第一発光層の膜厚を30nmとした。次に、第一発光層上に正孔ブロック層を形成した。このとき正孔ブロック層の膜厚を10nmとした。以上により、第一有機化合物層13aを形成した(図5(b))。
(3)中間層の形成工程
次に、水溶性高分子材料であるポリビニルピロリドン(PVP)と水とを混合してPVP水溶液を調製した。次に、調製したPVP水溶液を第一有機化合物層13a上に塗布してスピンコート法にて成膜した後、乾燥させることで中間層21を形成した。このとき中間層21の膜厚は2μmであった。
(4)バリア層の形成工程
次に、中間層21上に、窒化シリコンを成膜してバリア層24を形成した。このときバリア層24の膜厚を2μmとした。
(5)レジスト層の形成工程
次に、スピンコート法により、バリア層24上に、市販のフォトレジスト材料(AZエレクトロニックマテリアルズ製、製品名「AZ1500」)を成膜した後、フォトレジスト材料中の溶剤を飛ばしてレジスト層22を形成した(図5(c))。このときレジスト層23の膜厚は1μmであった。
(6)第一有機化合物層の加工工程
次に、レジスト層23まで形成した基板11を露光装置にセットし、第一有機EL素子を設ける領域10a以外の領域に開口を有するフォトマスクを介して40秒間露光を行った。露光後、レジスト層の現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ製、製品名「312MIF」を水で希釈し濃度を50%としたもの)を用いて1分間現像した。この現像処理により第二有機EL素子を設ける領域10b及び第三有機EL素子を設ける領域10cに形成されたレジスト層22を除去した(図5(d))。
次に、残存したレジスト層22aをマスクとして、以下の条件でドライエッチングを17分間行い、第二有機EL素子を設ける領域10b及び第三有機EL素子を設ける領域10cに形成されたバリア層24を除去した。
反応ガス:CF4
反応ガスの流量:30sccm
圧力:10Pa
出力:150W
次に、以下の条件でドライエッチングを5分間行い、第二有機EL素子を設ける領域10b及び第三有機EL素子を設ける領域10cに形成された中間層21を除去した。
反応ガス:O2
反応ガスの流量:20sccm
圧力:10Pa
出力:150W
次に、上述した中間層21の除去の際のエッチング条件と同じ条件でドライエッチングを行った。これにより、第二有機EL素子を設ける領域10b及び第三有機EL素子を設ける領域10cに形成された第一有機化合物層13aを除去した。(図5(e))。
以上の工程により、第一有機EL素子を設ける領域10aに選択的に第一有機化合物層13aを形成した。尚、第一有機化合物層の加工の際に行ったドライエッチングが完了した時点で、第一有機EL素子を設ける領域10aにおいて、バリア層24上に形成されていたレジスト層22aは、図5(e)に示すように消失していた。
(7)第二有機化合物層の形成工程
次に、真空蒸着法を用いた連続成膜により、少なくとも第一電極(12b、12c)上に、赤色を発する第二発光層を含み複数の層からなる第二有機化合物層13bを形成した。
まず、少なくとも第一電極(12b、12c)上に、正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を200nmとした。次に、正孔輸送層上に、赤色発光材料を含む第二発光層を形成した。このとき第二発光層の膜厚を30nmとした。次に、第二発光層上に正孔ブロック層を形成した。このとき正孔ブロック層の膜厚を10nmとした。以上により、第二有機化合物層13bを形成した(図5(f))。
(8)保護部材の形成工程
次に、第二有機化合物層13bまで形成された基板11を、回転機構と、溶解液の供給配管及び2流体ノズルからなる機構と、を有する装置に投入した後、基板11を上記回転機構に備えるステージに吸着させた。次に、2流体ノズルを用いて中間層21の溶解液である水を流量1L/分で5秒間供給した後に供給を一旦停止し、回転機構を用いて基板11を回転数500rpmで回転させた。これにより、第二有機化合物層13bを、溶出した中間層の構成材料からなる膜(保護部材23)で被覆した(図5(g))。このとき第二有機化合物層13bを被覆する膜の膜厚は0.5μmであった。
(9)リフトオフ工程
次に、前工程(保護部材の形成工程)に引き続き、基板11を回転数500rpmで回転させながら、純水及び窒素ガスをそれぞれ投入した2流体ノズル(ノズルの直径:5μm)を用いて、中心から端部まで20mm/sの速度でノズルをスキャンさせながら基板11上に純水を勢いよく噴きつけた。これにより、中間層21及び保護部材23が溶解・除去されると共に中間層21上に形成されていたバリア層24及び第二有機化合物層13bも中間層21と一緒に除去された(図5(h))。このとき2流体ノズルから投入された純水の流量は0.5L/分であり、窒素の流量は30L/分であった。
(10)中間層の形成工程
次に、水溶性高分子材料であるポリビニルピロリドン(PVP)と水とを混合してPVP水溶液を調製した。次に、調製したPVP水溶液を第一有機化合物層13a上及び第二有機化合物層13b上に塗布してスピンコート法にて成膜した後、乾燥させることで中間層21を形成した。このとき中間層21の膜厚は2μmであった。
(11)バリア層の形成工程
次に、中間層21上に、窒化シリコンを成膜してバリア層24を形成した。このときバリア層24の膜厚を2μmとした。
(12)レジスト層の形成工程
次に、スピンコート法により、バリア層24上に、市販のフォトレジスト材料(AZエレクトロニックマテリアルズ製、製品名「AZ1500」)を成膜した後、フォトレジスト材料中の溶剤を飛ばしてレジスト層22を形成した(図5(i))。このときレジスト層23の膜厚は1μmであった。
(13)第二有機化合物層の加工工程
次に、レジスト層23まで形成した基板11を露光装置にセットし、第一有機EL素子を設ける領域10a及び第二有機EL素子を設ける領域10b以外の領域に開口を有するフォトマスクを介して40秒間露光を行った。露光後、レジスト層の現像液(AZエレクトロニックマテリアルズ製、製品名「312MIF」を水で希釈し濃度を50%としたもの)を用いて1分間現像した。この現像処理により第三有機EL素子を設ける領域10cに形成されたレジスト層22を除去した(図5(j))。
次に、残存したレジスト層22bをマスクとして、以下の条件でドライエッチングを17分間行い、第三有機EL素子を設ける領域10cに形成されたバリア層24を除去した。
反応ガス:CF4
反応ガスの流量:30sccm
圧力:10Pa
出力:150W
次に、以下の条件でドライエッチングを5分間行い、第三有機EL素子を設ける領域10cに形成された中間層21を除去した。
反応ガス:O2
反応ガスの流量:20sccm
圧力:10Pa
出力:150W
次に、以下の条件でドライエッチングを行い、第三有機EL素子を設ける領域10cに形成された第二有機化合物層13aを除去した。(図5(k))。
以上の工程により、第二有機EL素子を設ける領域10bに選択的に第二有機化合物層13bを形成した。尚、3回目のドライエッチング(第二有機化合物層の加工の際に行ったドライエッチング)が完了した時点で、第一有機EL素子を設ける領域10a及び第二有機EL素子を設ける領域10bにおいて、バリア層24上に形成されていたレジスト層22bは、図5(k)に示すように消失していた。
(14)第三有機化合物層の形成工程
次に、真空蒸着法を用いた連続成膜により、少なくとも第一電極(12c)上に、緑色を発する第三発光層を含み複数の層からなる第三有機化合物層13cを形成した。
まず、少なくとも第一電極(12c)上に、正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を160nmとした。次に、正孔輸送層上に、緑色発光材料を含む第三発光層を形成した。このとき第三発光層の膜厚を30nmとした。次に、第三発光層上に正孔ブロック層を形成した。このとき正孔ブロック層の膜厚を10nmとした。以上により、第二有機化合物層13cを形成した(図5(l))。
(15)保護部材の形成工程
次に、第三有機化合物層13cまで形成された基板11を、回転機構と、溶解液の供給配管及び2流体ノズルからなる機構と、を有する装置に投入した後、基板11を上記回転機構に備えるステージに吸着させた。次に、2流体ノズルを用いて中間層21の溶解液である水を流量1L/分で5秒間供給した後、回転機構を用いて基板11を回転数500rpmで回転させた。これにより、第三有機化合物層13cを、溶出した中間層の構成材料からなる膜(保護部材23)で被覆した(図5(m))。このとき第三有機化合物層13cを被覆する膜の膜厚は0.5μmであった。
(16)リフトオフ工程
次に、前工程(保護部材の形成工程)に引き続き、基板11を回転数500rpmで回転させながら、2流体ノズル(ノズルの直径:5μm)を用いて、中心から端部まで20mm/sの速度でノズルをスキャンさせながら基板11上に水及び窒素ガスをそれぞれ投入した。これにより、中間層21及び保護部材23が溶解・除去されると共に中間層21上に形成されていたバリア層24及び第二有機化合物層13bも中間層21と一緒に除去された(図5(n))。このとき2流体ノズルから投入された純水の流量は0.5L/分であり、窒素の流量は30L/分であった。
(17)共通層の形成工程
次に、各有機化合物層(13a、13b、13c)上に電子輸送層を各有機EL素子に共通する層として形成した。このとき電子輸送層の膜厚を10nmとした。次に、炭酸セシウム(Cs2CO3)と電子輸送層の構成材料とを共蒸着して電子輸送層を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を20nmとした。尚、本実施例では、電子輸送層と電子注入層とからなる積層体が共通層14として機能する。
(18)第二電極の形成工程
次に、スパッタリング法により、共通層14上に、Agを成膜して半透明の第二電極15を形成した。このとき第二電極15の膜厚を16nmとした(図5(o))。
(19)封止工程
最後に、窒素雰囲気下において、UV硬化樹脂からなる接着剤を用いて封止ガラス(不図示)と基板11とを接着して封止を行った。以上により有機EL装置を得た。
[比較例1]
実施例1(3)の工程(中間層の形成工程)において、実施例1(11)の工程(保護部材の形成工程)を省略した。さらに、実施例1(12)の工程(リフトオフ工程)において、超音波浴槽中に基板1を浸漬させ、中間層21上に設けられる第二有機化合物層13bをリフトオフした。これらを除いては、実施例1と同様の方法により、有機EL装置を作製した。
[実施例2]
基本的に、図5に示される製造プロセスに基づいて有機EL装置を作製した。
(1)第一電極の形成工程
実施例1(1)と同様の方法により、各有機EL素子を設ける領域(10a、10b、10c)に下部電極(12a、12b、12c)を、それぞれ所望のパターン形状により形成した(図5(a))。
(2)第一有機化合物層の形成工程
実施例1(2)と同様の方法により、第一有機化合物層13aを形成した(図5(b))。
(3)中間層の形成工程
実施例1(3)と同様の方法により、中間層21を形成した。
(4)バリア層の形成工程
実施例1(4)と同様の方法により、バリア層24を形成した。
(5)レジスト層の形成工程
実施例1(5)と同様の方法により、レジスト層22を形成した(図5(c))。
(6)第一有機化合物層の加工工程
実施例1(6)と同様の方法により、第一有機化合物層13aを加工した(図5(d)乃至(e))。
(7)第二有機化合物層の形成工程
実施例1(7)と同様の方法により、第二有機化合物層13bを形成した(図5(f))。
(8)保護部材の形成工程
ポリビニルアルコール(PVA)と水とを混合して調製したPVA水溶液を第二有機化合物層13b上に塗布した。次に、スピンコート法により塗布液(PVA水溶液)を成膜することで、第二有機化合物層13b上に保護部材23を形成した。このとき保護部材の膜厚は1μmとした。
(9)リフトオフ工程
次に、基板11を、溶解液の供給配管及び複数の2流体ノズル(ノズルの直径:5μm)からなる機構を有する装置に投入した。次に、複数個配置した2流体ノズルを横切るように基板11を搬送速度10mm/sで移動させながら、2流体ノズルから基板11上へ85℃に加温した熱水及び窒素ガスをそれぞれ投入した。これにより、中間層21及び保護部材23が溶解・除去されると共に中間層21上に形成されていたバリア層24及び第二有機化合物層13bも中間層21と一緒に除去された(図5(h))。このとき2流体ノズルから投入された熱水の流量は1.0L/分であり、窒素の流量は15L/分であった。
(10)中間層の形成工程
実施例1(10)と同様の方法により、中間層21を形成した。
(11)バリア層の形成工程
実施例1(11)と同様の方法により、バリア層24を形成した。
(12)レジスト層の形成工程
実施例1(12)と同様の方法により、レジスト層22を形成した(図5(i))。
(13)第二有機化合物層の加工工程
実施例1(13)と同様の方法により、第二有機化合物層13bを加工した(図5(j)乃至(k))。
(14)第三有機化合物層の形成工程
実施例1(14)と同様の方法により、第二有機化合物層13bを形成した(図5(l))。
(15)保護部材の形成工程
第三有機EL素子を設ける領域10cに開口を有するマスクを用いて、蒸着法により、第三有機化合物層13c上に、LiFを成膜して保護部材23を形成した。このとき保護部材23の膜厚を500nmとした。
(16)リフトオフ工程
次に、基板11を、溶解液の供給配管及び複数の2流体ノズル(ノズルの直径:5μm)からなる機構を有する装置に投入した。次に、複数個配置した2流体ノズルを横切るように基板11を搬送速度10mm/sで移動させながら、2流体ノズルから基板11上へ85℃に加温した熱水及び窒素ガスをそれぞれ投入した。これにより、中間層21及び保護部材23が溶解・除去されると共に中間層21上に形成されていたバリア層24及び第三有機化合物層13cも中間層21と一緒に除去された(図5(n))。このとき2流体ノズルから投入された熱水の流量は1.0L/分であり、窒素の流量は15L/分であった。
(17)共通層の形成工程
実施例1(17)と同様の方法により、電子輸送層と、電子注入層と、からなる共通層14を形成した。
(18)第二電極の形成工程
実施例1(18)と同様の方法により、第二電極15を形成した(図5(o))。
(19)封止工程
実施例1(19)と同様の方法により、有機EL装置の封止を行った。以上により、有機EL素子を得た。
本実施例にかかる有機EL装置と比較例にかかる有機EL装置をそれぞれ10枚ずつ作製し、その表面を顕微鏡で観察したところ、比較例にかかる有機EL装置には、表面に傷のある素子が見られた。
[有機EL装置の評価]
得られた有機EL装置のうち、10基について測定を行い、その測定結果の平均を基準特性として評価した。
得られた有機EL装置について白を表示させたところ、実施例(実施例1、2)に係る有機EL装置においては、発光していない画素が平均で0.5箇所見られた。一方、比較例1に係る有機EL装置においては、発光していない画素が平均で30箇所見られた。また比較例1に係る有機EL装置において、発光しない箇所の約8割は、素子表面に発生した傷の箇所と対応していた。
また実施例及び比較例に係る有機EL装置について、赤、緑、青のうち特定の色を発する有機EL素子のみを発光させることにより、その時の電圧−電流特性(駆動電圧)と、連続通電時の経時的な電流−輝度特性(電流効率)の変化とを比較した。
実施例に係る10基の有機EL装置において、電圧−電流特性を測定・評価したところ、その全てが駆動電圧の基準特性の誤差5%以内の範囲にあった。これに対して、比較例1に係る10基の有機EL装置において、電圧−電流特性を測定・評価したところ、同様にのうち8枚は、基準特性に対して15%〜25%程度駆動電圧が高くなっていることがわかった。
実施例に係る10基の有機EL装置において、連続通電時の経時的な電流−輝度特性の変化を測定・評価したところ、100時間経過時における10基の平均が基準特性の誤差5%以内の範囲にあった。これに対して、比較例1に係る10基の有機EL装置において、実施例と同様に測定・評価したところ、100時間経過時における10基の平均が基準特性よりも20%〜30%程度劣化していた。
以上の結果から、本発明の製造方法によれば、収率良く、安定した特性の有機EL装置を得ることができる。つまり、本発明に係る製造方法を利用すると、有機化合物層が受けえるプロセス中の物理的ダメージを低減することができ、リフトオフ工程の影響を抑制して特性の高い有機EL装置を安定して作製することができる。
1(2):有機EL装置、10A:第一有機EL素子、10B:第二有機EL素子、11:基板、12(12a、12b):第一電極、13a:第一有機化合物層、13b:第二有機化合物層、14:共通層、15:第二電極、21:中間層、22(22a、22b):レジスト層、23:保護部材、24:バリア層

Claims (5)

  1. 基板上に、第一電極と、有機化合物層と、第二電極と、がこの順に積層されている有機EL素子を複数有し、前記有機化合物層が、所定の形状にパターニングされている有機EL装置の製造方法であって、
    前記第一電極上に第一有機化合物層を形成する第一有機化合物層の形成工程と、
    前記第一有機化合物層上に中間層を形成する中間層の形成工程と、
    複数設けられる前記第一電極のうち一部の第一電極の上に形成された前記中間層及び前記第一有機化合物層を選択的に除去する第一有機化合物層の加工工程と、
    前記第一有機化合物層が除去された領域に設けられる第一電極の上に、第二有機化合物層を形成する第二有機化合物層の形成工程と、
    前記第二有機化合物層の表面を、前記中間層を溶解する溶解液に可溶な材料で被覆する第二有機化合物層の保護部材の形成工程と、
    前記溶解液を用いて前記中間層及び前記保護部材を溶解して除去する中間層・保護部材の除去工程と、
    前記第一有機化合物層及び前記第二有機化合物層上に第二電極を形成する第二電極の形成工程と、を有することを特徴とする、有機EL装置の製造方法。
  2. 前記中間層の形成工程と、前記第一有機化合物層の加工工程との間に、前記中間層上にバリア層を形成するバリア層の形成工程をさらに有し、
    前記第一有機化合物層の加工工程の前に、前記第一有機化合物層を除去する領域に設けられている前記バリア層を除去するバリア層の加工工程をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の有機EL装置の製造方法。
  3. 前記第二有機化合物層の保護部材が、前記中間層の構成材料であり、
    前記第二有機化合物層の保護部材の形成工程が、基板上に前記溶解液を供給して、第一有機化合物層上に設けられる中間層の一部を溶解・溶出させて得た溶液で前記第二有機化合物層上を被覆する工程であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機EL装置の製造方法。
  4. 前記第二有機化合物層の保護部材を、前記中間層の構成材料とは異なる前記溶解液に可溶な材料で形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機EL装置の製造方法
  5. 前記中間層が水溶性材料であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機EL装置の製造方法。
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