[go: up one dir, main page]

JP2014004552A - 複層塗膜形成方法及び塗装物品 - Google Patents

複層塗膜形成方法及び塗装物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2014004552A
JP2014004552A JP2012143068A JP2012143068A JP2014004552A JP 2014004552 A JP2014004552 A JP 2014004552A JP 2012143068 A JP2012143068 A JP 2012143068A JP 2012143068 A JP2012143068 A JP 2012143068A JP 2014004552 A JP2014004552 A JP 2014004552A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base coat
polymerizable unsaturated
coating film
mass
aqueous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012143068A
Other languages
English (en)
Inventor
Gen Yokota
玄 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP2012143068A priority Critical patent/JP2014004552A/ja
Publication of JP2014004552A publication Critical patent/JP2014004552A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】優れた塗膜外観及び耐チッピング性を有する複層塗膜を提供すること。
【解決手段】鋼板上に電着塗料を塗装し、加熱硬化させて得られた電着塗膜に、特定の水性第1ベースコート塗料(X)、特定の水性第2ベースコート塗料(Y)、クリヤーコート塗料(Z)を順に塗装して形成された第1ベースコート塗膜、第2ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜を加熱することによって、これら3つの塗膜を同時に硬化させる工程を順次行うことからなり、第1ベースコート塗膜及び第2ベースコート塗膜の硬化膜厚が特定の膜厚であることを特徴とする複層塗膜形成方法を提供するものであり、それによって、優れた塗膜外観及び耐チッピング性を有する複層塗膜を形成せしめることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電着塗膜上に順次形成された、第1ベースコート塗膜、第2ベースコート塗膜、クリヤーコート塗膜を有する複層塗膜形成方法及び該方法により形成された塗装物品に関する。
自動車車体における塗膜形成方法としては、被塗物上に電着塗膜を形成した後、「中塗り塗料の塗装→焼き付け硬化→ベースコート塗料の塗装→クリヤーコート塗料の塗装→焼き付け硬化」の3コート2ベーク方式により複層塗膜を形成せしめる方法が広く採用されている。
一般に、電着塗膜は防錆性に優れ、中塗り塗膜は平滑性及び耐チッピング性に優れ、ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜は外観に優れており、これらの塗膜が積層された複層塗膜は、被塗物に優れた防錆性、平滑性、耐チッピング性及び外観を付与することができる。
一方、最近、省資源及び省エネルギーの観点から、中塗り塗料の塗装を省略し、被塗物上に電着塗膜を形成せしめた後、「ベースコート塗料の塗装→クリヤーコート塗料の塗装→焼き付け硬化」を行なう中塗りレス方式が求められている。
しかしながら、上記中塗りレス方式は、平滑性及び耐チッピング性に優れた中塗り塗膜が形成されないため、得られる複層塗膜は平滑性及び耐チッピング性が低下するという課題を有している。
そのため、2種類のベースコート塗料を塗り重ねる、特許文献1〜3のような方法が提案されている。
しかし、近年、より優れた塗膜外観が求められるようになると、上記特許文献1〜3の方法にも問題が生じるようになった。すなわち、特許文献1の方は溶剤系塗料に適したものであり、かかる技術をそのまま水性塗料に適用しても優れた外観の塗膜を得ることが難しい。また特許文献2及び特許文献3の方法では、2種類のベースコート塗膜が混層しやすいため、顔料の配向性が悪く、仕上がり外観に劣ることがあった。中でも特に顔料が光輝性顔料の場合、塗膜中での配向性が悪いと得られる塗膜の光輝感(フリップフロップ性)に劣ることがあった。
特開2000−281962公報 特開2010−253378公報 特開2010−269300公報
本発明の目的は、中塗りレス方式による複層塗膜形成方法において、優れた塗膜外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性を有する複層塗膜を形成せしめることができる方法及び該方法により形成された塗装物品を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、今回、中塗りレス方式による複層塗膜形成方法において、水性第1ベースコート塗料(X)として、特定の水分散性アクリル樹脂(Xa)を使用して特定の硬化膜厚になるよう塗装し、且つ特定の固形分濃度の水性第2ベースコート塗料(Y)として、特定の水分散性アクリル樹脂(Ya)を使用して特定の膜厚になるように塗装する場合に、塗膜外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性に優れた複層塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
項1.
下記の工程(1)〜(4):
(1) 鋼板上に電着塗料を塗装し、加熱硬化させて得られた電着塗膜に、水性第1ベースコート塗料(X)を硬化膜厚が5〜10μmの範囲内となるように塗装して、第1ベースコート塗膜を形成せしめる工程;
(2) 工程(1)で得られた第1ベースコート塗膜上に、塗料固形分濃度が、2〜15質量%の範囲内である水性第2ベースコート塗料(Y)を硬化膜厚が0.1〜6μmの範囲内となるように塗装して、第2ベースコート塗膜を形成せしめる工程;
(3) 工程(2)で得られた第2ベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料(Z)を塗装してクリヤーコート塗膜を形成せしめる工程;及び
(4) 工程(1)〜(3)で形成された第1ベースコート塗膜、第2ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜を加熱することによって、これら3つの塗膜を同時に硬化させる工程
を順次行うことからなり、
第1ベースコート塗膜の硬化膜厚が第2ベースコート塗膜の硬化膜厚より厚く、
水性第1ベースコート塗料(X)が、顔料及び水性第1ベースコート塗料(X)中の樹脂固形分100質量部を基準として、酸価が40mgKOH/g以下である水分散性アクリル樹脂(Xa)を10〜30質量部含有し、該水分散性アクリル樹脂(Xa)が、構成モノマー成分の総量を基準として、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーの配合量が20〜55質量%であり、
水性第2ベースコート塗料(Y)が、顔料及び水分散性アクリル樹脂(Ya)を含有し、該水分散性アクリル樹脂(Ya)が、構成モノマー成分の総量を基準として、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーの配合量が0〜10質量%である
ことを特徴とする複層塗膜形成方法。
項2.
水性第1ベースコート塗料(X)中の光輝材顔料質量濃度が、水性第1ベースコート塗料中の全固形分の0〜4.5質量%であり、水性第2ベースコート塗料(Y)中の光輝材顔料質量濃度が、水性第2ベースコート塗料中の全固形分の5〜25質量%である上記項1に記載の複層塗膜形成方法。
項3.
水性第1ベースコート塗料(X)の塗料固形分濃度が、20〜40質量%の範囲内である上記項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
項4.
水性第1ベースコート塗料(X)がさらに体質顔料を含有する上記項1〜3のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
項5.
水性第1ベースコート塗料(X)がさらに水酸基含有ポリエステル樹脂を含有する上記項1〜4のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
項6.
水性第1ベースコート塗料(X)がさらにメラミン樹脂を含有する上記項1〜5のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
項7.
上記項1〜6のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法により塗装された物品。
本発明の複層塗膜形成方法によれば、中塗りレス方式において、塗膜外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性に優れた複層塗膜を形成することができる。
以下、本発明の複層塗膜形成方法についてさらに詳細に説明する。
工程(1)
本発明の複層塗膜形成方法によれば、まず、鋼板上に電着塗料を塗装し、加熱硬化させて得られた電着塗膜に、水性第1ベースコート塗料(X)を硬化膜厚が5〜10μmの範囲内となるように塗装して、第1ベースコート塗膜を形成せしめることにより、第1ベースコート塗膜が形成される。
上記鋼板としては、例えば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、冷延鋼板等を使用することができる。また、該鋼板は、表面に、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理等の表面処理が施されたものであってもよい。
上記鋼板上には、それ自体既知の電着塗料(例えば、特開2003−306796号公報等に記載のもの)を塗装し、さらに加熱硬化することによって、硬化電着塗膜が形成せしめられる。該電着塗料としては、カチオン電着塗料を好適に使用することができる。
上記硬化電着塗膜上には、次いで、水性第1ベースコート塗料(X)が塗装され、硬化膜厚が5〜10μmの範囲内の第1ベースコート塗膜が形成される。
水性第1ベースコート塗料(X)
水性第1ベースコート塗料(X)は、顔料及び特定の水分散性アクリル樹脂(Xa)を含有し、該水分散性アクリル樹脂(Xa)の含有量が、水性第1ベースコート塗料(X)中の樹脂固形分100質量部を基準として、10〜30質量部である水性塗料である。
水分散性アクリル樹脂(Xa)
水分散性アクリル樹脂(Xa)は、水性第1ベースコート塗料(X)において被膜形成性樹脂の少なくとも一部を構成するものである。該水分散性アクリル樹脂(Xa)は、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)を含む重合性不飽和モノマー混合物を乳化重合することによって得ることができ、該炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)の配合量は構成モノマー成分の総量を基準として、20〜55質量%であり、該水分散性アクリル樹脂(Xa)の酸価が40mgKOH/g以下である。
水分散性アクリル樹脂(Xa)としては、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)、及び該炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーと共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(xa−2)を、それ自体既知の方法、例えば、水中でのエマルション重合法などの方法により、共重合せしめることによって製造することができる。
炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)
炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)としては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製)、などのアルキル(メタ)アクリレート;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル基を有する重合性不飽和モノマー;等が挙げあれる。これらは単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
得られる塗膜の外観を向上させる観点から、上記炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)として、特にn−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。
炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーと共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(xa−2)
炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーと共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(xa−2)(以下「その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)」と略記することがある)としては、例えば、
(i)炭素数3以下のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー:メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート等。
(ii)イソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー:イソボルニル(メタ)アクリレート等。
(iii)アダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー:アダマンチル(メタ)アクリレート等。
(iv)トリシクロデセニル基を有する重合性不飽和モノマー:トリシクロデセニル(メタ)アクリレート等。
(v)芳香環含有重合性不飽和モノマー:ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等。
(vi)アルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー:ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等。
(vii)フッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー:パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等。
(viii)マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー。
(ix)ビニル化合物:N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等。
(x)水酸基含有重合性不飽和モノマー:2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物、該モノエステル化物のε−カプロラクトン変性体、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等。
(xi)カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー:(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等。
(xii)含窒素重合性不飽和モノマー:(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等。
(xiii)重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー:アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等。
(xiv)エポキシ基含有重合性不飽和モノマー:グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等。
(xv)分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート。
(xvi)スルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、アリルスルホン酸、4−スチレンスルホン酸等;これらスルホン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩等。
(xvii)リン酸基を有する重合性不飽和モノマー:アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリ(オキシエチレン)グリコール(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリ(オキシプロピレン)グリコール(メタ)アクリレート等。
(xviii)紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマー:2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2' −ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2' −ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2' −ヒドロキシ−5' −メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等。
(xix)紫外線安定性重合性不飽和モノマー:4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等。
(xx)カルボニル基を有する重合性不飽和モノマー:アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等。
これらは単独で、もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本明細書において、重合性不飽和基とは、ラジカル重合し得る不飽和基を意味する。かかる重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル又はメタクリロイル」を意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」は、「アクリルアミド又はメタクリルアミド」を意味する。
その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)としては、得られる塗膜の外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性等を向上させる観点から、その成分の少なくとも一部として、(x)水酸基含有重合性不飽和モノマー及び/又は(xi)カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含有することが好ましい。
また、その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)としては、得られる塗膜の外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性等を向上させる観点から重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(xiii)を含有することが好ましい。
前記水分散性アクリル樹脂(Xa)を製造する際の前記炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)の使用割合は、モノマー成分の合計量を基準として、20〜55質量%程度である。中でも特に22〜50質量%程度がより好ましく、24〜40質量%程度がさらに好ましい。
前記水分散性アクリル樹脂(Xa)は、得られる塗膜の耐水性、外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性等の観点から、水酸基価が、1〜70mgKOH/g程度であるのが好ましく、2〜50mgKOH/g程度であるのがより好ましく、5〜30mgKOH/g程度であることがさらに好ましい。
また、上記水分散性アクリル樹脂(Xa)は、塗料の貯蔵安定性、得られる塗膜の耐水性、外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性等の観点から、酸価が、40mgKOH/g以下であることが好ましく、5〜35mgKOH/g程度であることがより好ましく、10〜30mgKOH/g程度であることがさらに好ましい。
上記水分散性アクリル樹脂(Xa)としては、形成される塗膜の外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)が向上する観点から、コア・シェル型複層構造を有する水分散性アクリル樹脂(Xa)(以下「コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)」と称する)であることが好ましい。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)としては形成される塗膜の外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)が向上する観点から、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーを共重合成分とする共重合体(I)であるコア部と、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)及びその他の重合性不飽和モノマーを共重合成分とする共重合体(II)であるシェル部とからなるコア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)が好ましい。
コア部共重合体(I)用モノマーとして用いる重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーとしては、例えば、前記その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)の具体例において記載したモノマー(xiii);アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルテレフタレート、ジビニルベンゼン、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらのモノマーは、単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーは、コア部共重合体(I)に架橋構造を付与する機能を有する。重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーの使用割合は、コア部共重合体(I)の架橋の程度に応じて適宜決定し得るが、通常、コア部(I)を構成するモノマー合計質量を基準として、0.1〜30質量%程度であるのが好ましく、0.5〜10質量%程度であるのがより好ましく、1〜7質量%程度であるのが更に好ましい。
また、上記重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーとしては、得られる塗膜のメタリックムラ抑制の観点から、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマーを使用することが好ましい。このアミド基含有モノマーを使用する場合の使用量としては、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーの合計量を基準として、0.1〜25質量%程度であるのが好ましく、0.5〜8質量%程度であるのがより好ましく、1〜4質量%程度であるのが更に好ましい。
コア部共重合体(I)用モノマーとして用いる重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーは、上記重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーと共重合可能な重合性不飽和モノマーである。
重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーの具体例としては、例えば前記その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)で列挙したモノマーのうち(xiii)以外のモノマー及び前記炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)等が挙げられる。これらのモノマーは、コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)に要求される性能に応じて、単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なかでも特に、炭素数3以下のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(i)及び炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)を用いることが得られる塗膜の外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)が向上する観点から好ましい。
上記重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーの使用割合は、コア部(I)を構成するモノマー合計質量を基準として、70〜99.9質量%程度であるのが好ましく、90〜99.5質量%程度であるのがより好ましく、93〜99質量%程度であるのが更に好ましい。
シェル部共重合体(II)用モノマーとして用いられる炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)は、前記コア・シェル型ではない水分散性アクリル樹脂において列挙したモノマー(xa−1)から適宜選択して、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
得られる塗膜の外観を向上させる観点から、上記炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)として、特にn−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレートを用いるのが好ましい。
上記炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)の使用割合は、コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)の水性媒体中における安定性ならびに得られる塗膜の外観及び耐水性に優れる観点から、シェル部共重合体(II)を構成するモノマー合計質量を基準として、25〜80質量%程度であるのが好ましく、40〜70質量%程度であるのがより好ましく、45〜65質量%程度であるのが更に好ましい。
シェル部共重合体(II)用モノマーとして用いられるその他の重合性不飽和モノマーとしては前記コア・シェル型ではない水分散性アクリル樹脂において列挙したその他の重合性不飽和モノマー(xa−2)」から適宜選択して、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
シェル部共重合体(II)用モノマーとして用いるその他の重合性不飽和モノマーの使用割合は、シェル部共重合体(II)を構成するモノマー合計質量を基準として、20〜75質量%程度であるのが好ましく、30〜60質量%程度であるのがより好ましく、35〜55質量%程度であるのが更に好ましい。
なかでもシェル部共重合体(II)用モノマーとして用いられるその他の重合性不飽和モノマーとしては、特に水酸基含有重合性不飽和モノマー及び/又は酸基含有重合性不飽和モノマーを含有することが好ましい。
水酸基含有重合性不飽和モノマーは、得られる水分散性アクリル樹脂に、硬化剤と架橋反応する水酸基を導入せしめることによって塗膜の耐水性等を向上させると共に、該水分散性アクリル樹脂の水性媒体中における安定性を向上せしめる機能を有する。水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、前記その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)においてモノマー(x)として列挙した水酸基含有重合性不飽和モノマーが挙げられる。
これらのモノマーは、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を用いるのが好ましい。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーを使用する場合の使用割合は、コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)の水性媒体中における安定性及び得られる塗膜の耐水性に優れる観点から、シェル部共重合体(II)を構成するモノマー合計質量を基準として、1〜40質量%程度であるのが好ましく、4〜25質量%程度であるのがより好ましく、7〜19質量%程度であるのが更に好ましい。
シェル部共重合体(II)用モノマーとして用いられる酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、前記その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)においてモノマー(xi)、(xvi)及び(xvii)として列挙したカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー及びリン酸基含有重合性不飽和モノマー等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記酸基含有重合性不飽和モノマーは、特にカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含むことが好ましい。該カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーとしては、特に、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を用いることが好ましい。その他の重合性不飽和モノマーとして、上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含むことにより、得られるコア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)の水性媒体中における安定性を確保できる。
上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを使用する場合の使用割合は、コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)の水性媒体中における安定性及び得られる塗膜の耐水性に優れる観点から、シェル部共重合体(II)を構成するモノマー合計質量を基準として、1〜30質量%程度であるのが好ましく、5〜25質量%程度であるのがより好ましく、7〜19質量%程度であるのが更に好ましい。
また、シェル部共重合体(II)用モノマーとして用いるその他の重合性不飽和モノマーとしては、得られる塗膜の外観向上の観点から、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーを使用せず、該共重合体(II)を未架橋型とすることが好ましい。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)における共重合体(I)/共重合体(II)の割合は、塗膜の外観向上の観点から、固形分質量比で10/90〜90/10程度であるのが好ましく、50/50〜85/15程度であるのがより好ましく、65/35〜80/20程度であるのが更に好ましい。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)は、得られる塗膜の耐水性等に優れる観点から、水酸基価が1〜70mgKOH/g程度であるのが好ましく、2〜50mgKOH/g程度であるのがより好ましく、5〜30mgKOH/g程度であるのが更に好ましい。
また、上記コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)は、塗料の貯蔵安定性、得られる塗膜の耐水性、外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性等の観点から、酸価が、35mgKOH/g以下であることが好ましく、5〜30mgKOH/g程度であることがより好ましく、10〜25mgKOH/g程度であることがさらに好ましい。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)は、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー、及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーからなるモノマー混合物を乳化重合してコア部共重合体(I)のエマルションを得た後、このエマルション中に、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)及びその他の重合性不飽和モノマーからなるモノマー混合物を添加し、さらに乳化重合させてシェル部共重合体(II)を調製することによって得られる。
コア部共重合体(I)のエマルションを調製する乳化重合は、従来公知の方法により行うことができる。例えば、乳化剤の存在下で、重合開始剤を使用してモノマー混合物を乳化重合することにより、行うことができる。
上記乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤が好適である。該アニオン性乳化剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸などのナトリウム塩やアンモニウム塩が挙げられる。また、ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
また、1分子中にアニオン性基とポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基とを有するポリオキシアルキレン基含有アニオン性乳化剤;1分子中にアニオン性基とラジカル重合性不飽和基とを有する反応性アニオン性乳化剤を使用することもできる。これらのうち、反応性アニオン性乳化剤を使用することが好ましい。
上記反応性アニオン性乳化剤としては、アリル基、メタリル基、(メタ)アクリロイル基、プロペニル基、ブテニル基等のラジカル重合性不飽和基を有するスルホン酸化合物のナトリウム塩、該スルホン酸化合物のアンモニウム塩等を挙げることができる。これらのうち、ラジカル重合性不飽和基を有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩が、得られる塗膜の耐水性に優れるため、好ましい。該スルホン酸化合物のアンモニウム塩の市販品としては、例えば、「ラテムルS−180A」(商品名、花王社製)等を挙げることができる。
また、上記ラジカル重合性不飽和基を有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩の中でも、ラジカル重合性不飽和基とポリオキシアルキレン基を有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩がより好ましい。上記ラジカル重合性不飽和基とポリオキシアルキレン基を有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩の市販品としては、例えば、「アクアロンKH−10」(商品名、第一工業製薬社製)、「ラテムルPD−104」(商品名、花王社製)、「アデカリアソープSR−1025」(商品名、ADEKA社製)等を挙げることができる。
上記乳化剤の使用量は、使用される全モノマーの合計量を基準にして、0.1〜15質量%程度が好ましく、0.5〜10質量%程度がより好ましく、1〜5質量%程度が更に好ましい。
前記重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4’−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらの重合開始剤は、一種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、上記重合開始剤に、必要に応じて、糖、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、鉄錯体等の還元剤を併用して、レドックス開始剤としてもよい。
上記重合開始剤の使用量は、一般に、使用される全モノマーの合計質量を基準にして、0.1〜5質量%程度が好ましく、0.2〜3質量%程度がより好ましい。該重合開始剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、その種類及び量などに応じて適宜選択することができる。例えば、予めモノマー混合物又は水性媒体に含ませてもよく、或いは重合時に一括して添加してもよく又は滴下してもよい。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)は、上記で得られるコア部共重合体(I)のエマルションに、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)及びその他の重合性不飽和モノマーからなるモノマー混合物を添加し、さらに重合させてシェル部共重合体(II)を形成することによって、得ることができる。
上記シェル部共重合体(II)を形成するモノマー混合物は、必要に応じて、前記重合開始剤、連鎖移動剤、還元剤、乳化剤等の成分を適宜含有することができる。また、当該モノマー混合物は、そのまま滴下することもできるが、該モノマー混合物を水性媒体に分散して得られるモノマー乳化物として滴下することが望ましい。この場合におけるモノマー乳化物の粒子径は特に制限されるものではない。
シェル部共重合体(II)を形成するモノマー混合物の重合方法としては、例えば、該モノマー混合物又はその乳化物を、一括で又は徐々に滴下して、上記コア部共重合体(I)のエマルションに、添加し、攪拌しながら適当な温度に加熱する方法が挙げられる。
かくして得られるコア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)は、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーからなるモノマー混合物の共重合体(I)をコア部とし、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)及びその他の重合性不飽和モノマーからなるモノマー混合物の共重合体(II)をシェル部とする複層構造を有する。
かくして得られるコア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)は、一般に10〜1,000nm程度、特に20〜500nm程度の範囲内の平均粒子径を有することができる。
本明細書において、コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)の平均粒子径は、サブミクロン粒度分布測定装置を用いて、常法により脱イオン水で希釈してから20℃で測定した値である。サブミクロン粒度分布測定装置としては、例えば、「COULTER N4型」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いることができる。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)の粒子の機械的安定性を向上させるために、該水分散性アクリル樹脂が有するカルボキシル基等の酸基を中和剤により中和することが望ましい。該中和剤としては、酸基を中和できるものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリエチルアミン、アンモニア水などが挙げられる。これらの中和剤は、中和後の該水分散性アクリル樹脂の水分散液のpHが6.5〜9.0程度となるような量で用いることが望ましい。
上記コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)としては、ポリエステル及び/またはポリウレタン樹脂で変性された水分散性アクリル樹脂(Xa)を用いることもできる。
水性第1ベースコート塗料(X)における水分散性アクリル樹脂(Xa)の配合量は、水性塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、10〜30質量部程度であるのが好ましく、15〜25質量部程度であるのがより好ましく、18〜22質量部程度であるのがさらに好ましい。
なお、本発明において、塗料中の樹脂固形分は、被膜形成性樹脂と、必要に応じて配合される該被膜形成性樹脂と反応し硬化塗膜を形成し得る下記架橋剤との合計量である。
顔料
顔料としては、例えば光輝性顔料、体質顔料及び着色顔料等が挙げられる。
光輝性顔料
光輝性顔料は、塗膜にキラキラとした光輝感又は光干渉性を付与する顔料であり、りん片状であることが好ましい。りん片状光輝性顔料としては、アルミニウムフレーク顔料、蒸着アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク顔料、着色アルミニウムフレーク顔料、雲母、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、雲母状酸化鉄、酸化チタン被覆シリカ、酸化チタン被覆アルミナ、酸化鉄被覆シリカ、酸化鉄被覆アルミナからなる群より選ばれる少なくとも1種類のりん片状光輝性顔料を用いることが好ましい。光輝性顔料として、これらは1種で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光輝性顔料の平均粒子径は3〜30μmの範囲内であることが好ましく、5〜25μmの範囲内であることがさらに好ましい。なお、本発明における光輝性顔料の平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定された体積基準粒度分布のメジアン径(d50)であって、例えば、マイクロトラック粒度分布測定装置「MT3300」(商品名、日機装社製)を用いて測定することができる。
前記水性第1ベースコート塗料(X)に含まれる光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)は、形成される塗膜の光輝感と平滑性の観点から、塗料の全固形分を基準として0〜4.5%、好ましくは0〜4.0%、さらに好ましくは0〜3.5%の範囲内であることが好適である。
尚、本明細書において、顔料質量濃度(PWC)は、塗料の全固形分に対する顔料の質量割合を意味する。
また、光輝性顔料は、水素ガス発生抑制の点から、リン酸基あるいはスルホン酸基を含有する処理剤で分散処理され、被覆されている光輝性顔料であることが好ましい。リン酸基あるいはスルホン酸基を含有する処理剤としては、従来公知の低分子化合物や共重合体を特に制限なく使用することができる。
体質顔料
体質顔料としては、例えば、タルク、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイト等が挙げられ、これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。なかでも、得られる塗膜の耐チッピング性の観点からタルクを使用することが好ましい。
前記水性第1ベースコート塗料(X)に含まれる体質顔料の顔料質量濃度(PWC)は、形成される塗膜の耐チッピング性と平滑性の観点から、塗料の全固形分を基準として0〜20%、好ましくは1.5〜15%、さらに好ましくは2〜10%の範囲内であることが好適である。
着色顔料
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華などの白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラックなどの黒色顔料;黄色酸化鉄、チタンイエロー、クロムエロー、酸化クロム、モノアゾイエロー、縮合アゾイエロー、アゾメチンイエロー、ビスマスバナデート、ベンズイミダゾロン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ベンジジンイエロー、パーマネントイエローなどの黄色顔料;パーマネントオレンジなどの橙色顔料;赤色酸化鉄、カドミウムレッド、モリブデンレッド、ナフトールAS系アゾレッド、アンサンスロン、アンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドン系赤顔料、ジケトピロロピロール、ウォッチングレッド、パーマネントレッドなどの赤色顔料;コバルト紫、キナクリドンバイオレット、ジオキサジンバイオレットなどの紫色顔料;コバルトブルー、プルシアンブルー、フタロシアニンブルー、スレンブルーなどの青色顔料;フタロシアニングリーンなどの緑色顔料;その他のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリン顔料、スレン系顔料、ペリレン顔料等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
前記水性第1ベースコート塗料(X)に含まれる着色顔料の顔料質量濃度(PWC)は、形成される塗膜の耐チッピング性及び光線透過率の観点から、塗料の全固形分を基準として1〜20%、好ましくは3〜18%、さらに好ましくは5〜15%の範囲内であることが好適である。
水性第1ベースコート塗料(X)は、前記水分散性アクリル樹脂(Xa)、及び前記顔料を通常の塗料化手段により、水性溶媒中で均一に混合することにより調製することができる。
上記水性溶媒としては、脱イオン水又は脱イオン水と親水性有機溶媒との混合物を使用することができる。該親水性有機溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
水性第1ベースコート塗料(X)には、さらに必要に応じて、前記水分散性アクリル樹脂(Xa)以外の被膜形成性樹脂、架橋剤、硬化触媒、増粘剤、有機溶剤、塩基性中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤、酸化防止剤、シランカップリング剤等の塗料用添加剤等を配合することができる。
水分散性アクリル樹脂(Xa)以外の被膜形成性樹脂
水分散性アクリル樹脂(Xa)以外の被膜形成性樹脂としては、水溶性又は水分散性を有するものであれば、それ自体既知の樹脂を特に制限なく使用することができる。該被膜形成性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、特にアクリル樹脂及びポリエステル樹脂が好適である。上記被膜形成性樹脂は、得られる塗膜の外観、耐チッピング性及び耐水性等の観点から、水酸基を含有することが好ましい。
上記アクリル樹脂としては、例えば、上記水分散性アクリル樹脂(Xa)以外の水分散性アクリル樹脂及び水溶性アクリル樹脂等を使用することができる。
アクリル樹脂
必要に応じて本塗料に含有させることができるアクリル樹脂としては、特に制限はなく、例えば、重合性不飽和モノマーを常法に従い溶液重合法や乳化重合法等により共重合することによって得られるアクリル樹脂を挙げることができる。溶液重合に使用し得る有機溶剤としては、例えば、プロピレングリコール系、ジプロピレングリコール系等の親水性有機溶剤が好ましい。また、水分散性の観点から、該アクリル樹脂はカルボキシル基等の酸基を有していることが好ましい。
上記の重合性不飽和モノマーとしては、特に制限はなく、例えば、水分散性アクリル樹脂(Xa)に関して前述した、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、水酸基含有重合性不飽和モノマー、その他の重合性不飽和モノマー等の重合性不飽和モノマーを挙げることができる。
上記アクリル樹脂は、一般に1,000〜200,000、特に2,000〜100,000の範囲内の重量平均分子量を有することが好ましい。また、上記アクリル樹脂は、通常10〜250mgKOH/g、特に30〜150mgKOH/gの範囲内の水酸基価、及び通常10〜100mgKOH/g、特に20〜60mgKOH/gの範囲内の酸価を有することが好ましい。
上記アクリル樹脂の配合量は、水性第1ベースコート塗料(X)の樹脂固形分を基準として、固形分で、通常0〜40質量%、好ましくは5〜35質量部%の範囲内とすることができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)
水性第1ベースコート塗料(X)において、被膜形成性樹脂として、水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)を使用することによって、得られる塗膜の平滑性等の塗膜性能を向上させることができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)は、通常、酸成分とアルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。
上記酸成分としては、ポリエステル樹脂の製造に際して、酸成分として通常使用される化合物を使用することができる。かかる酸成分としては、例えば、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸等を挙げることができる。
上記脂肪族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物及び該脂肪族化合物のエステル化物である。脂肪族多塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;該脂肪族多価カルボン酸の無水物;該脂肪族多価カルボン酸の炭素数1〜4程度の低級アルキルのエステル化物等が挙げられる。上記脂肪族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記脂肪族多塩基酸としては、得られる塗膜の平滑性の観点から、アジピン酸及び/又はアジピン酸無水物を用いることが特に好ましい。
前記脂環族多塩基酸は、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。脂環式構造は、主として4〜6員環構造である。脂環族多塩基酸としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;該脂環族多価カルボン酸の無水物;該脂環族多価カルボン酸の炭素数1〜4程度の低級アルキルのエステル化物等が挙げられる。上記脂環族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記脂環族多塩基酸としては、得られる塗膜の平滑性の観点から、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物を用いることが好ましく、なかでも、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又は1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物を用いることがより好ましい。
前記芳香族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物のエステル化物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;該芳香族多価カルボン酸の無水物;該芳香族多価カルボン酸の炭素数1〜4程度の低級アルキルのエステル化物等が挙げられる。上記芳香族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記芳香族多塩基酸としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸を使用することが好ましい。
また、上記脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸及び芳香族多塩基酸以外の酸成分を使用することもできる。かかる酸成分としては、特に限定されず、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸等の脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、10−フェニルオクタデカン酸等のモノカルボン酸;乳酸、3−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ−4−エトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。これらの酸成分は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記アルコール成分としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。該多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールFなどの2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのエステルジオール類;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ソルビトール、マンニットなどの3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加させたポリラクトンポリオール類等が挙げられる。
また、上記多価アルコール以外のアルコール成分を使用することも出来る。かかるアルコール成分としては、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等のモノアルコール;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、「カージュラE10」(商品名、HEXION Specialty Chemicals社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)等のモノエポキシ化合物と酸を反応させて得られたアルコール化合物等が挙げられる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)の製造方法は、特に限定されるものではなく、通常の方法に従って行なうことができる。例えば、前記酸成分とアルコール成分とを、窒素気流中、150〜250℃程度で、5〜10時間程度加熱し、該酸成分とアルコール成分のエステル化反応又はエステル交換反応を行なう方法により、水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)を製造することができる。
上記酸成分及びアルコール成分をエステル化反応又はエステル交換反応せしめる際には、反応容器中に、これらを一度に添加してもよいし、一方又は両者を、数回に分けて添加してもよい。また、まず、水酸基含有ポリエステル樹脂を合成した後、得られた水酸基含有ポリエステル樹脂に酸無水物を反応させてハーフエステル化させてカルボキシル基及び水酸基含有ポリエステル樹脂としてもよい。また、まず、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、上記アルコール成分を付加させて水酸基含有ポリエステル樹脂としてもよい。
前記エステル化又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるための触媒として、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のそれ自体既知の触媒を使用することができる。
また、前記水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)は、該樹脂の調製中又は調製後に、脂肪酸、モノエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物等で変性することができる。
上記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸などが挙げられ、上記モノエポキシ化合物としては、例えば、「カージュラE10」(商品名、HEXION Specialty Chemicals社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)を好適に用いることができる。
また、上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネートなどの3価以上のポリイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートそれ自体;これらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、水等との付加物;これらの各有機ポリイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビウレット型付加物などが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独でもしくは2種以上混合して使用することができる。
また、水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)としては、得られる塗膜の平滑性及び耐水性に優れる観点から、原料の酸成分中の脂環族多塩基酸の含有量が、該酸成分の合計量を基準として20〜100モル%程度であるものが好ましく、25〜95モル%程度であるものがより好ましく、30〜90モル%程度であるものが更に好ましい。特に、上記脂環族多塩基酸が、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸及び/又は1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物であることが、得られる塗膜の平滑性に優れる観点から、好ましい。
水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)は、水酸基価が1〜200mgKOH/g程度であるのが好ましく、2〜180mgKOH/g程度であるのがより好ましく、5〜170mgKOH/g程度であるのが更に好ましい。また、水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)が、更にカルボキシル基を有する場合は、その酸価が5〜150mgKOH/g程度であるのが好ましく、10〜100mgKOH/g程度であるのがより好ましく、15〜80mgKOH/g程度であるのが更に好ましい。また、水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)の数平均分子量は、500〜50,000程度であるのが好ましく、1,000〜30,000程度であるのがより好ましく、1,200〜10,000程度であるのが更に好ましい。
水性第1ベースコート塗料(X)における水酸基含有ポリエステル樹脂(Xb)の配合量は、水性塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、2〜70質量部程度であるのが好ましく、10〜55質量部程度であるのがより好ましく、15〜45質量部程度であるのが更に好ましい。
架橋剤(Xc)
前記架橋剤(Xc)は、前記水分散性アクリル樹脂(Xa)及び必要に応じて配合される被膜形成性樹脂中の水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等の架橋性官能基と反応して硬化塗膜を形成し得る化合物である。
例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なかでも、得られる塗膜の外観及び耐チッピング性等の観点から、架橋剤としてアミノ樹脂を用いることが特に好ましい。
アミノ樹脂としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られる部分もしくは完全メチロール化アミノ樹脂が挙げられる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒド等が挙げられる。また、このメチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってメチロール基を部分的にもしくは完全にエーテル化したものも使用することができ、エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等が挙げられる。
アミノ樹脂としては、メラミン樹脂が好ましく、中でも、メチロール化メラミン樹脂のメチロール基を、メチルアルコールで部分的にもしくは完全にエーテル化したメチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルアルコールで部分的にもしくは完全にエーテル化したブチルエーテル化メラミン樹脂、及びメチルアルコールとブチルアルコールで部分的にもしくは完全にエーテル化したメチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のアルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましい。
上記メラミン樹脂は、一般に800〜5,000、特に1,000〜4,000の範囲内の重量平均分子量有することが好ましい。
上記メラミン樹脂の市販品としては、例えば、日本サイテックインダストリーズ社製のサイメル254などのサイメルシリーズ;三井化学社製のユーバン20SEなどのユーバンシリーズ等を挙げることができる。
また、メラミン樹脂を架橋剤として使用する場合は、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸、及びこれらの酸とアミンとの塩を触媒として使用することができる。
なお、本明細書において、メラミン樹脂、後記のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂の数平均分子量及び重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(東ソー社製、商品名「HLC8120GPC」)で測定した数平均分子量又は重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値であり、上記ゲルパーミュエーションクロマトグラフは、カラムとして「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも商品名、東ソー社製)の4本を用い、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件で操作される。
また、上記ブロック化ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をオキシム、フェノール、アルコール、ラクタム、メルカプタン、ピラゾール等のブロック剤でブロックしたものを挙げることができる。
上記架橋剤(Xc)の使用量は、該架橋剤中に含まれる架橋性官能基が、前記水分散性アクリル樹脂(Xa)及び必要に応じて配合される被膜形成性樹脂中の架橋性官能基に対して、前者の官能基/後者の官能基の当量比で、通常0.2〜2.0、特に0.5〜1.5となる範囲内となるように選択することが好ましい。
水性第1ベースコート塗料(X)は、例えば、顔料と分散用樹脂等から、予め顔料分散液を調製し、それを前述の他の成分と、常法に従い混合することにより製造することができる。上記顔料分散用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂及びリン酸基含有樹脂等を挙げることができる。
本塗料は、形成される塗膜の外観などの観点から、一般に15〜40質量%、特に20〜35質量%、さらに特に23〜33質量%の範囲内の塗料固形分を有することが好適である。また、本塗料は、通常7.5〜9、特に7.5〜8.5の範囲内のpHを有することが好適である。
なお、本明細書において、水性ベースコート塗料の塗料固形分は、該水性ベースコート塗料を110℃で1時間乾燥させた後の不揮発分の質量割合であり、該水性ベースコート塗料を直径約5cmのアルミ箔カップに約2g測りとり、カップの底面に十分全体に展延した後、110℃で1時間乾燥させ、乾燥前の塗料質量と乾燥後の塗料質量から算出することができる。
水性第1ベースコート塗料(X)は、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等により被塗物上に塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。これらのうち、エアスプレー塗装、回転霧化塗装等の方法が好ましい。
水性第1ベースコート塗料(X)の塗布量は、硬化膜厚として、5〜10μm、好ましくは6〜9μmの範囲内となる量であるのが好ましい。
また、塗膜欠陥の発生を防止する等の観点から、水性第1ベースコート塗料(X)の塗装後、30秒間〜3分間程度のインターバルをおくことが好ましい。あるいは塗膜が実質的に硬化しない温度でプレヒートまたはエアブローを行ってもよい。プレヒートの温度は通常50〜100℃程度とすることができ、また、プレヒートの時間は30秒間〜10分間、好ましくは1〜5分間程度とすることができる。また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に、常温又は25℃〜80℃程度の温度に加熱された空気を、30秒間〜15分間程度吹き付けることにより行うことができる。
工程(2)
以上に述べた工程(1)で形成される第1ベースコート塗膜上には、次いで、塗料固形分濃度が水性第2ベースコート塗料(Y)の全質量に対して2〜15%の範囲内であって特定の水分散性アクリル樹脂を含有する水性第2ベースコート塗料(Y)が塗装され、硬化膜厚が0.1〜6μmの範囲内でかつ第1ベースコート塗膜の硬化膜厚よりも薄い第2ベースコート塗膜が形成される。
水性第2ベースコート塗料(Y)
水性第2ベースコート塗料(Y)は、塗料固形分濃度が水性第2ベースコート塗料(Y)の全質量に対して2〜15%の範囲内であって、顔料及び水分散性アクリル樹脂(Ya)を含有し、該水分散性アクリル樹脂(Ya)が、構成モノマー成分の総量を基準として、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーの配合量が0〜15質量%である水性塗料である。
水分散性アクリル樹脂(Ya)
水分散性アクリル樹脂(Ya)は、水性第2ベースコート塗料(Y)において被膜形成性樹脂の少なくとも一部を構成するものである。該水分散性アクリル樹脂(Ya)は、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーを0〜10質量%含む重合性不飽和モノマー混合物を乳化重合することによって得ることができる。
炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(ya−1)
炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(ya−1)としては、前述の水性第1ベースコート塗料(X)の説明において記載したモノマー(xa−1)の中から適宜選択して用いることができる。またこれらのモノマーは単独で又は組み合わせて使用することができる。
炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーと共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(ya−2)
炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーと共重合可能なその他の重合性不飽和モノマー(ya−2)(以下「その他の重合性不飽和モノマー(ya−2)」と略記することがある)としては、例えば、前述の水性第1ベースコート塗料(X)の説明において記載したモノマー(xa−2)の中から適宜選択して用いることができる。またこれらのモノマーは単独で又は組み合わせて使用することができる。
その他の重合性不飽和モノマー(ya−2)としては、得られる塗膜の外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性等を向上させる観点から、その成分の少なくとも一部として、(x)水酸基含有重合性不飽和モノマー及び/又は(xi)カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含有することが好ましい。
また、その他の重合性不飽和モノマー(ya−2)としては、得られる塗膜の外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性等を向上させる観点から重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー(xiii)を含有することが好ましい。
また、上記水分散性アクリル樹脂(Ya)は、アミド基を有することが好ましい。前記のアミド基を有する水分散性アクリル樹脂(Ya)は、例えば、上記水酸基含有重合性不飽和モノマー及び酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーの1種として、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有重合性不飽和モノマーを用いることにより、製造することができる。
前記水分散性アクリル樹脂(Ya)を製造する際の前記炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(ya−1)の使用割合は、モノマー成分の合計量を基準として、0〜15質量%程度が好ましく、0〜10質量%程度がより好ましく、0〜7質量%程度がさらに好ましい。
前記水分散性アクリル樹脂(Ya)は、得られる塗膜の耐水性、外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性等の観点から、水酸基価が、1〜70mgKOH/g程度であるのが好ましく、2〜50mgKOH/g程度であるのがより好ましく、5〜30mgKOH/g程度であることがさらに好ましい。
また、上記水分散性アクリル樹脂(Ya)は、塗料の貯蔵安定性、得られる塗膜の耐水性、外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性等の観点から、酸価が、5〜40mgKOH/gであることが好ましく、10〜35mgKOH/g程度であることがより好ましく、15〜30mgKOH/g程度であることがさらに好ましい。
上記水分散性アクリル樹脂(Ya)としては、形成される塗膜の外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)が向上する観点から、コア・シェル型複層構造を有する水分散性アクリル樹脂(Ya)(以下「コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)」と称する)であることが好ましい。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)としては形成される塗膜の外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)が向上する観点から、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーを共重合成分とする共重合体(I)であるコア部と、重合性不飽和モノマーを共重合成分とする共重合体(II)であるシェル部とからなるコア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)が好ましい。
シェル部を形成する共重合体(II)の共重合成分は、シェル部共重合体(II)を構成するモノマー合計質量を基準として、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(ya−1)を0〜70質量%含有することが好ましい。
コア部共重合体(I)用モノマーとして用いる重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーとしては、例えば、前記その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)の具体例において記載したモノマー(xiii)等が挙げられる。これらのモノマーは、単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーは、コア部共重合体(I)に架橋構造を付与する機能を有する。重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーの使用割合は、コア部共重合体(I)の架橋の程度に応じて適宜決定し得るが、通常、コア部(I)を構成するモノマー合計質量を基準として、0.1〜30質量%程度であるのが好ましく、0.5〜10質量%程度であるのがより好ましく、1〜7質量%程度であるのが更に好ましい。
また、上記重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーとしては、得られる塗膜のメタリックムラ抑制の観点から、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマーを使用することが好ましい。このアミド基含有モノマーを使用する場合の使用量としては、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーの合計量を基準として、0.1〜25質量%程度であるのが好ましく、0.5〜8質量%程度であるのがより好ましく、1〜4質量%程度であるのが更に好ましい。
コア部共重合体(I)用モノマーとして用いる重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーは、上記重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーと共重合可能な重合性不飽和モノマーである。
重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーの具体例としては、例えば前記その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)で列挙したモノマーのうち(xiii)以外のモノマー及び前記炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)等が挙げられる。これらのモノマーは、コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Xa)に要求される性能に応じて、単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なかでも特に、炭素数3以下のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(i)及び炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)を用いることが得られる塗膜の外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)が向上する観点から好ましい。
上記重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーの使用割合は、コア部(I)を構成するモノマー合計質量を基準として、70〜99.9質量%程度であるのが好ましく、90〜99.5質量%程度であるのがより好ましく、93〜99質量%程度であるのが更に好ましい。
シェル部共重合体(II)用モノマーとして用いられる炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)は、前記コア・シェル型ではない水分散性アクリル樹脂において列挙したモノマー(xa−1)から適宜選択して、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
得られる塗膜の外観を向上させる観点から、上記炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)として、特にn−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート用いるのが好ましい。
上記炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマー(xa−1)の使用割合は、コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)の水性媒体中における安定性ならびに得られる塗膜の外観及び耐水性に優れる観点から、シェル部共重合体(II)を構成するモノマー合計質量を基準として、0〜70質量%程度であるのが好ましく、0〜50質量%程度であるのがより好ましく、0〜25質量%程度であるのが更に好ましい。
シェル部共重合体(II)用モノマーとして用いられるその他の重合性不飽和モノマーとしては前記コア・シェル型ではない水分散性アクリル樹脂において列挙したその他の重合性不飽和モノマー(xa−2)」から適宜選択して、単独でまたは組み合わせて用いることができる。
シェル部共重合体(II)用モノマーとして用いるその他の重合性不飽和モノマーの使用割合は、シェル部共重合体(II)を構成するモノマー合計質量を基準として、30〜100質量%程度であるのが好ましく、50〜100質量%程度であるのがより好ましく、75〜100質量%程度であるのが更に好ましい。
なかでもシェル部共重合体(II)用モノマーとして用いられるその他の重合性不飽和モノマーとしては、特に水酸基含有重合性不飽和モノマー及び/又は酸基含有重合性不飽和モノマーを含有することが好ましい。
水酸基含有重合性不飽和モノマーは、得られる水分散性アクリル樹脂に、硬化剤と架橋反応する水酸基を導入せしめることによって塗膜の耐水性等を向上させると共に、該水分散性アクリル樹脂の水性媒体中における安定性を向上せしめる機能を有する。水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、前記その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)においてモノマー(x)として列挙した水酸基含有重合性不飽和モノマーが挙げられる。
これらのモノマーは、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。上記水酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を用いるのが好ましい。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーを使用する場合の使用割合は、コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)の水性媒体中における安定性及び得られる塗膜の耐水性に優れる観点から、シェル部共重合体(II)を構成するモノマー合計質量を基準として、1〜40質量%程度であるのが好ましく、4〜25質量%程度であるのがより好ましく、7〜19質量%程度であるのが更に好ましい。
シェル部共重合体(II)用モノマーとして用いられる酸基含有重合性不飽和モノマーとしては、例えば、前記その他の重合性不飽和モノマー(xa−2)においてモノマー(xi)、(xvi)及び(xvii)として列挙したカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー及びリン酸基含有重合性不飽和モノマー等が挙げられる。これらは単独でもしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記酸基含有重合性不飽和モノマーは、特にカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含むことが好ましい。該カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーとしては、特に、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を用いることが好ましい。その他の重合性不飽和モノマーとして、上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含むことにより、得られるコア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)の水性媒体中における安定性を確保できる。
上記カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを使用する場合の使用割合は、コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)の水性媒体中における安定性及び得られる塗膜の耐水性に優れる観点から、シェル部共重合体(II)を構成するモノマー合計質量を基準として、1〜30質量%程度であるのが好ましく、5〜25質量%程度であるのがより好ましく、7〜19質量%程度であるのが更に好ましい。
また、シェル部共重合体(II)用モノマーとして用いるその他の重合性不飽和モノマーとしては、得られる塗膜の外観向上の観点から、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマーを使用せず、該共重合体(II)を未架橋型とすることが好ましい。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)における共重合体(I)/共重合体(II)の割合は、塗膜の外観向上の観点から、固形分質量比で10/90〜90/10程度であるのが好ましく、50/50〜85/15程度であるのがより好ましく、65/35〜80/20程度であるのが更に好ましい。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)は、得られる塗膜の耐水性等に優れる観点から、水酸基価が1〜70mgKOH/g程度であるのが好ましく、2〜50mgKOH/g程度であるのがより好ましく、5〜30mgKOH/g程度であるのが更に好ましい。
また、上記コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)は、塗料の貯蔵安定性、得られる塗膜の耐水性、外観(平滑性、鮮映性、フリップフロップ性)及び耐チッピング性等の観点から、酸価が、40mgKOH/g以下であることが好ましく、5〜35mgKOH/g程度であることがより好ましく、10〜30mgKOH/g程度であることがさらに好ましい。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)は、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー、及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーからなるモノマー混合物を乳化重合してコア部共重合体(I)のエマルションを得た後、このエマルション中に、重合性不飽和モノマーからなるモノマー混合物を添加し、さらに乳化重合させてシェル部共重合体(II)を調製することによって得られる。
コア部共重合体(I)のエマルションを調製する乳化重合は、従来公知の方法により行うことができる。例えば、乳化剤の存在下で、重合開始剤を使用してモノマー混合物を乳化重合することにより、行うことができる。
上記乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤が好適である。該アニオン性乳化剤としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸などのナトリウム塩やアンモニウム塩が挙げられる。また、ノニオン系乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
また、1分子中にアニオン性基とポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基とを有するポリオキシアルキレン基含有アニオン性乳化剤;1分子中にアニオン性基とラジカル重合性不飽和基とを有する反応性アニオン性乳化剤を使用することもできる。これらのうち、反応性アニオン性乳化剤を使用することが好ましい。
上記反応性アニオン性乳化剤としては、アリル基、メタリル基、(メタ)アクリロイル基、プロペニル基、ブテニル基等のラジカル重合性不飽和基を有するスルホン酸化合物のナトリウム塩、該スルホン酸化合物のアンモニウム塩等を挙げることができる。これらのうち、ラジカル重合性不飽和基を有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩が、得られる塗膜の耐水性に優れるため、好ましい。該スルホン酸化合物のアンモニウム塩の市販品としては、例えば、「ラテムルS−180A」(商品名、花王社製)等を挙げることができる。
また、上記ラジカル重合性不飽和基を有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩の中でも、ラジカル重合性不飽和基とポリオキシアルキレン基を有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩がより好ましい。上記ラジカル重合性不飽和基とポリオキシアルキレン基を有するスルホン酸化合物のアンモニウム塩の市販品としては、例えば、「アクアロンKH−10」(商品名、第一工業製薬社製)、「ラテムルPD−104」(商品名、花王社製)、「アデカリアソープSR−1025」(商品名、ADEKA社製)等を挙げることができる。
上記乳化剤の使用量は、使用される全モノマーの合計量を基準にして、0.1〜15質量%程度が好ましく、0.5〜10質量%程度がより好ましく、1〜5質量%程度が更に好ましい。
前記重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキシド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキシド、ステアロイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシラウレート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2−メチルプロピオンニトリル)、アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4、4’−アゾビス(4−シアノブタン酸)、ジメチルアゾビス(2−メチルプロピオネート)、アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]−プロピオンアミド}等のアゾ化合物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等が挙げられる。これらの重合開始剤は、一種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、上記重合開始剤に、必要に応じて、糖、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、鉄錯体等の還元剤を併用して、レドックス開始剤としてもよい。
上記重合開始剤の使用量は、一般に、使用される全モノマーの合計質量を基準にして、0.1〜5質量%程度が好ましく、0.2〜3質量%程度がより好ましい。該重合開始剤の添加方法は、特に制限されるものではなく、その種類及び量などに応じて適宜選択することができる。例えば、予めモノマー混合物又は水性媒体に含ませてもよく、或いは重合時に一括して添加してもよく又は滴下してもよい。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)は、上記で得られるコア部共重合体(I)のエマルションに、重合性不飽和モノマーからなるモノマー混合物を添加し、さらに重合させてシェル部共重合体(II)を形成することによって、得ることができる。
上記シェル部共重合体(II)を形成するモノマー混合物は、必要に応じて、前記重合開始剤、連鎖移動剤、還元剤、乳化剤等の成分を適宜含有することができる。また、当該モノマー混合物は、そのまま滴下することもできるが、該モノマー混合物を水性媒体に分散して得られるモノマー乳化物として滴下することが望ましい。この場合におけるモノマー乳化物の粒子径は特に制限されるものではない。
シェル部共重合体(II)を形成するモノマー混合物の重合方法としては、例えば、該モノマー混合物又はその乳化物を、一括で又は徐々に滴下して、上記コア部共重合体(I)のエマルションに、添加し、攪拌しながら適当な温度に加熱する方法が挙げられる。
かくして得られるコア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)は、重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー及び重合性不飽和基を1分子中に1個有する重合性不飽和モノマーからなるモノマー混合物の共重合体(I)をコア部とし、重合性不飽和モノマーからなるモノマー混合物の共重合体(II)をシェル部とする複層構造を有する。
かくして得られるコア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)は、一般に10〜1,000nm程度、特に20〜500nm程度の範囲内の平均粒子径を有することができる。
本明細書において、コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)の平均粒子径は、サブミクロン粒度分布測定装置を用いて、常法により脱イオン水で希釈してから20℃で測定した値である。サブミクロン粒度分布測定装置としては、例えば、「COULTER N4型」(商品名、ベックマン・コールター社製)を用いることができる。
コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)の粒子の機械的安定性を向上させるために、該水分散性アクリル樹脂が有するカルボキシル基等の酸基を中和剤により中和することが望ましい。該中和剤としては、酸基を中和できるものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、トリエチルアミン、アンモニア水などが挙げられる。これらの中和剤は、中和後の該水分散性アクリル樹脂の水分散液のpHが6.5〜9.0程度となるような量で用いることが望ましい。
上記コア・シェル型水分散性アクリル樹脂(Ya)としては、ポリエステル及び/またはポリウレタン樹脂で変性された水分散性アクリル樹脂(Ya)を用いることもできる。
水性第2ベースコート塗料(Y)における水分散性アクリル樹脂(Ya)の配合量は、水性塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、5〜50質量部程度であるのが好ましく、10〜40質量部程度であるのがより好ましく、20〜35質量部程度であるのがさらに好ましい。
顔料
顔料としては、例えば光輝性顔料、体質顔料及び着色顔料等が挙げられる。
光輝性顔料
光輝性顔料は、前述の水性第1ベースコート塗料(X)の説明において記載したものの中から適宜選択して使用することができる。
前記水性第2ベースコート塗料(Y)に含まれる光輝性顔料の顔料質量濃度(PWC)は、形成される塗膜の光輝感と平滑性の観点から、塗料の全固形分を基準として5〜25%、好ましくは6〜20%、さらに好ましくは7〜15%の範囲内であることが好適である。
体質顔料
体質顔料としては、前述の水性第1ベースコート塗料(X)の説明において記載したものの中から適宜選択して使用することができる。なかでも、外観に優れた塗膜を得る観点から硫酸バリウムを使用することが好ましい。
前記水性第2ベースコート塗料(Y)に含まれる体質顔料の顔料質量濃度(PWC)は、外観に優れた塗膜を得る観点から、塗料の全固形分を基準として0〜25%、好ましくは1.5〜20%、さらに好ましくは2〜15%の範囲内であることが好適である。
着色顔料
着色顔料としては、前述の水性第1ベースコート塗料(X)の説明において記載したものの中から適宜選択して使用することができる。
前記水性第2ベースコート塗料(Y)に含まれる着色顔料の顔料質量濃度(PWC)は、形成される塗膜の外観及び耐チッピング性の観点から、塗料の全固形分を基準として0〜10%、好ましくは1〜9%、さらに好ましくは3〜7%の範囲内であることが好適である。
水性第2ベースコート塗料(Y)は、前記水分散性アクリル樹脂(Ya)、及び前記顔料を通常の塗料化手段により、水性溶媒中で均一に混合することにより調製することができる。
上記水性溶媒としては、脱イオン水又は脱イオン水と親水性有機溶媒との混合物を使用することができる。該親水性有機溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
水性第2ベースコート塗料(Y)には、さらに必要に応じて、前記水分散性アクリル樹脂(Ya)以外の被膜形成性樹脂、架橋剤(Yc)、硬化触媒、増粘剤、有機溶剤、塩基性中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、表面調整剤、酸化防止剤、シランカップリング剤等の塗料用添加剤等を配合することができる。
水分散性アクリル樹脂(Ya)以外の被膜形成性樹脂
水分散性アクリル樹脂(Ya)以外の被膜形成性樹脂としては、前述の水性第1ベースコート塗料(X)の説明において記載したものの中から適宜選択して使用することができる。該被膜形成性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、特にアクリル樹脂及びポリエステル樹脂が好適である。上記被膜形成性樹脂は、得られる塗膜の外観、耐チッピング性及び耐水性等の観点から、水酸基を含有することが好ましい。
上記アクリル樹脂としては、例えば、上記水分散性アクリル樹脂(Ya)以外の水分散性アクリル樹脂及び水溶性アクリル樹脂等を使用することができる。
アクリル樹脂
前述の水性第1ベースコート塗料(X)の説明において記載したものの中から適宜選択して使用することができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(Yb)
前述の水性第1ベースコート塗料(X)の説明において記載したものの中から適宜選択して使用することができる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(Yb)は、水酸基価が100〜200mgKOH/g程度であるのが好ましく、2〜180mgKOH/g程度であるのがより好ましく、5〜170mgKOH/g程度であるのが更に好ましい。また、水酸基含有ポリエステル樹脂(Yb)が、更にカルボキシル基を有する場合は、その酸価が5〜150mgKOH/g程度であるのが好ましく、10〜100mgKOH/g程度であるのがより好ましく、15〜80mgKOH/g程度であるのが更に好ましい。また、水酸基含有ポリエステル樹脂(Yb)の数平均分子量は、500〜50,000程度であるのが好ましく、1,000〜30,000程度であるのがより好ましく、1,200〜10,000程度であるのが更に好ましい。
水性第2ベースコート塗料(Y)における水酸基含有ポリエステル樹脂(Yb)の配合量は、水性塗料組成物中の樹脂固形分100質量部を基準として、2〜70質量部程度であるのが好ましく、10〜55質量部程度であるのがより好ましく、15〜45質量部程度であるのが更に好ましい。
架橋剤(Yc)
上記架橋剤(Yc)としては、前述の水性第1ベースコート塗料(X)の説明において記載したものの中から適宜選択して使用することができる。
水性第2ベースコート塗料(Y)は、例えば、顔料と分散用樹脂等から、予め顔料分散液を調製し、それを前述の他の成分と、常法に従い混合することにより製造することができる。上記顔料分散用樹脂としては、例えば、アクリル樹脂及びリン酸基含有樹脂等を挙げることができる。
本塗料は、形成される塗膜の外観などの観点から、一般に2〜15質量%、特に5〜15質量%、さらに特に8〜15質量%内の塗料固形分を有することが好適である。また、本塗料は、通常7.5〜9、特に7.5〜8.5の範囲内のpHを有することが好適である。
このように比較的低い塗料固形分濃度であることによって焼き付け硬化時に塗膜の体積収縮率が大きいため、顔料の配向性に優れた塗膜が得られ、これによって優れた外観の塗膜を得ることができる。
水性第2ベースコート塗料(Y)は、それ自体既知の方法、例えば、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、回転霧化塗装、カーテンコート塗装等により被塗物上に塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。これらのうち、エアスプレー塗装、回転霧化塗装等の方法が好ましい。
水性第2ベースコート塗料(Y)の塗布量は、硬化膜厚として、0.1〜6μm、好ましくは0.5〜5μm、さらに好ましくは1〜4μmの範囲内となる量であるのが好ましい。
本発明の複層塗膜形成方法において第1ベースコート塗膜の硬化膜厚(T1)は第2ベースコート(T2)塗膜の硬化膜厚より厚い。
第1ベースコート塗膜の硬化膜厚(T1)と第2ベースコート(T2)塗膜の硬化膜厚の比率(T1/T2)は、通常、(5/1)〜(1.5/1)、特に(4/1)〜(2/1)の範囲であることが好ましい。
また、塗膜欠陥の発生を防止する等の観点から、水性第2ベースコート塗料(Y)の塗装後、30秒間〜3分間程度のインターバルをおくことが好ましい。あるいは塗膜が実質的に硬化しない温度でプレヒートまたはエアブローを行ってもよい。プレヒートの温度は通常50〜100℃程度とすることができ、また、プレヒートの時間は30秒間〜10分間、好ましくは1〜5分間程度とすることができる。また、上記エアブローは、通常、被塗物の塗装面に、常温又は25℃〜80℃程度の温度に加熱された空気を、30秒間〜15分間程度吹き付けることにより行うことができる。
工程(3)
以上に述べた工程(2)で形成される第2ベースコート塗膜上には、さらに、クリヤーコート塗料(Z)が塗装される。
クリヤーコート塗料(Z)
クリヤーコート塗料(Z)としては、例えば、自動車車体の塗装において通常使用されるそれ自体既知のものを使用することができ、具体的には、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シラノール基等の架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等の基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、カルボキシル基含有化合物もしくは樹脂、エポキシ基含有化合物もしくは樹脂等の架橋剤をビヒクル成分として含有する有機溶剤系熱硬化型塗料、水性熱硬化型塗料、熱硬化粉体塗料等が挙げられる。中でも、カルボキシル基含有樹脂とエポキシ基含有樹脂を含む有機溶剤系熱硬化型塗料又は水性熱硬化型塗料が好適である。クリヤーコート塗料は、一液型塗料であってもよく、或いは二液型ウレタン樹脂塗料等の二液型塗料であってもよい。
また、クリヤーコート塗料には、必要に応じて、透明性を阻害しない程度に着色顔料、光輝性顔料、染料等を含有させることができ、さらに、体質顔料、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、表面調整剤等を適宜含有せしめることもできる。
クリヤーコート塗料(Z)は、水性第2ベースコート塗料(Y)の塗膜面に、それ自体既知の方法、例えば、エアレススプレー、エアスプレー、回転霧化塗装機等により塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。
クリヤーコート塗料(Z)は、硬化膜厚で、通常10〜80μm、好ましくは15〜60μm、より好ましくは20〜50μmの範囲内になるように塗装することができる。
また、塗膜欠陥の発生を防止する等の観点から、クリヤー塗料(Z)の塗装後は、必要に応じて、室温で1〜60分間程度のインターバルをおいたり、約40〜約80℃の温度で1〜60分間程度プレヒートしたりすることができる。
工程(4)
本発明の複層塗膜形成方法においては、上記工程(1)〜(3)で形成される未硬化の第1ベースコート塗膜、未硬化の第2ベースコート塗膜及び未硬化のクリヤーコート塗膜が同時に加熱硬化される。
上記第1ベースコート塗膜、第2ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜の硬化は、通常の塗膜の焼付け手段、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱等により行うことができる。加熱温度は、通常80〜160℃、特に100〜140℃の範囲内が好ましい。また、加熱時間は、通常10〜60分間、特に15〜40分間が好ましい。この加熱により、第1ベースコート塗膜、第2ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜の3層からなる複層塗膜を同時に硬化させることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。また、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ、「質量部」及び「質量%」を示す。
被膜形成性樹脂の製造
水分散性アクリル樹脂の製造
製造例1
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に脱イオン水128部、「アデカリアソープSR−1025」(商品名、ADEKA製、乳化剤、有効成分25%)2部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温させた。
次いで下記コア部用モノマー乳化物の全量のうちの1%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部を反応容器内に導入し80℃で15分間保持した。その後、コア部用モノマー乳化物の残部を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。次に、下記シェル部用モノマー乳化物を1時間かけて滴下し、1時間熟成した後、5%2−(ジメチルアミノ)エタノール水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、平均粒子径100nm、固形分30%、酸価22.4mgKOH/g、水酸基価9.5mgKOH/gの水酸基含有アクリル樹脂(Xa1)を得た。
コア部用モノマー乳化物:脱イオン水40部、「アデカリアソープSR−1025」2.8部、アリルメタクリレート3.1部、メチルメタクリレート40部、エチルアクリレート21部及びn−ブチルアクリレート13部を混合攪拌することにより、コア部用モノマー乳化物を得た。
シェル部用モノマー乳化物:脱イオン水17部、「アデカリアソープSR−1025」1.2部、過硫酸アンモニウム0.03部、メタクリル酸3.4部、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.2部、スチレン1部、メチルメタクリレート4.9部、及びn−ブチルアクリレート12部を混合攪拌することにより、シェル部用モノマー乳化物を得た。

製造例2〜13
製造例1において、配合組成を下記表1に示す通りとする以外は、製造例1と同様にして、固形分30%の水分散性アクリル樹脂溶液(Xa2)〜(Xa8)及び固形分25%の水分散性アクリル樹脂溶液(Ya1)〜(Ya4)を得た。それぞれの樹脂の酸価及び水酸基価は下記表1に示した。
Figure 2014004552
(注1)ブレンマーSLMA:商品名、日本油脂株式会社製、メタクリル酸と炭素数12及び13の脂肪族一価アルコールとのエステル化合物の混合物
水酸基含有ポリエステル樹脂の製造
製造例14
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応器に、トリメチロールプロパン109部、1,6−ヘキサンジオール142部、ヘキサヒドロ無水フタル酸126部及びアジピン酸120部を仕込み、160℃〜230℃の間を3時間かけて昇温させた後、230℃で4時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合反応生成物にカルボキシル基を付加するために、さらに無水トリメリット酸46部を加え、180℃で1時間反応させた後、オクタノールで希釈し、酸価49mgKOH/g、水酸基価140mgKOH/g、固形分70%、重量平均分子量6,400のポリエステル樹脂溶液(Xb)を得た。
製造例15
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応器に、トリメチロールプロパン132部、1,6−ヘキサンジオール202部、ネオペンチルグリコール180部、ヘキサヒドロ無水フタル酸382部及びアジピン酸234部を仕込み、160℃〜230℃の間を3時間かけて昇温させた後、230℃で4時間縮合反応させた。次いで、得られた縮合反応生成物にカルボキシル基を付加するために、さらに無水トリメリット酸80部を加え、180℃で1時間反応させた後、脱イオン水で希釈し、酸価49mgKOH/g、水酸基価71mgKOH/g、固形分70%、重量平均分子量2,400のポリエステル樹脂溶液(Yb)を得た。
水溶性アクリル樹脂の製造
製造例16
温度計、サーモスタット、攪拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、プロピレングリコールモノプロピルエーテル35部を仕込み85℃に昇温後、メチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルアクリレート20部、n−ブチルアクリレート29部、ヒドロキシエチルアクリレート15部、アクリル酸6部、プロピレングリコールモノプロピルエーテル15部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.3部の混合物を4時間かけて滴下し、滴下終了後1時間熟成した。その後さらに、反応容器に、プロピレングリコールモノプロピルエーテル10部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1部の混合物を1時間かけて滴下し、滴下終了後1時間熟成した。さらに、ジエタノールアミン7.4部を加え、固形分55%、重量平均分子量58,000、酸価47mgKOH/g及び水酸基価72mgKOH/gの水溶性アクリル樹脂を得た。
光輝性顔料濃厚液の製造例
製造例17
攪拌混合容器に、エチレングリコールモノブチルエーテル10部とオクタノール25部の混合溶剤を入れ、アルミニウム顔料ペースト「GX−180A」(旭化成メタルズ社製、商品名、金属含有量74%)10部及びリン酸基含有樹脂溶液(注2)5部を添加し、攪拌混合して光輝性顔料分散液を得た。
(注2) リン酸基含有樹脂溶液: 温度計、サーモスタット、攪拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、メトキシプロパノール27.5部とイソブタノール27.5部の混合溶剤を入れ、110℃に加熱し、スチレン25部、n−ブチルメタクリレート27.5部、「イソステアリルアクリレート」(大阪有機化学社製、商品名、分岐高級アルキルアクリレート)20部、4−ヒドロキシブチルアクリレート7.5部、リン酸基含有重合性モノマー(注3)15部、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート12.5部、イソブタノール10部及びt−ブチルパーオキシオクタノエート4部からなる混合物121.5部を4時間で上記の混合溶剤に加え、さらに、t−ブチルパーオキシオクタノエート0.5部とイソプロパノール20部からなる混合物を1時間で滴下した。その後、1時間攪拌熟成して固形分50%のリン酸基含有樹脂溶液を得た。本樹脂のリン酸基による酸価は83mgKOH/g、4−ヒドロキシブチルアクリレートに由来する水酸基価は29mgKOH/gそして重量平均分子量は10,000であった。
(注3) リン酸基含有重合性モノマー: 温度計、サーモスタット、攪拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器に、モノブチルリン酸57.5部及びイソブタノール41部を入れ、90℃に昇温後、グリシジルメタクリレート42.5部を2時間かけて滴下した後、さらに1時間攪拌熟成した。その後、イソプロパノ−ル59部を加えて、固形分50%のリン酸基含有重合性モノマー溶液を得た。リン酸基による酸価は285mgKOH/gであった。
体質顔料分散液の製造
製造例18
攪拌混合容器に、製造例16で得られた水溶性アクリル樹脂溶液180部(固形分100部)、「MICRO ACE S−3」(商品名、日本タルク(株)製、タルク粉末、平均一次粒子径4.8μm)250部、「サーフィノール104A」(商品名、エアープロダクツ社製消泡剤、固形分50%)6部及び脱イオン水360部を入れ、均一に混合した。次いで得られた混合液を容量225ccの広口ガラス瓶中に入れ、ガラスビーズ媒体を加えて密閉し、ペイントシェーカーにて室温で1時間混合分散し、粒度10μm以下の体質顔料分散液(1)を得た。
製造例19
攪拌混合容器に、製造例16で得られた水溶性アクリル樹脂溶液180部(固形分100部)、「バリファインBF−20」(商品名、堺化学工業社製、硫酸バリウム粉末、一次粒子径0.03μm)250部、「サーフィノール104A」(商品名、エアープロダクツ社製消泡剤、固形分50%)6部及び脱イオン水360部を入れ、均一に混合した。次いで得られた混合液を容量225ccの広口ガラス瓶中に入れ、ガラスビーズ媒体を加えて密閉し、ペイントシェーカーにて室温で1時間混合分散し、粒度10μm以下の体質顔料分散液(2)を得た。
着色顔料分散液の製造
製造例20
攪拌混合容器に、製造例16で得た水溶性アクリル樹脂溶液180部(固形分100部)、「JR−806」(商品名、テイカ社製、白顔料)90部、「カーボンMA−100」(商品名、三菱化学社製、黒顔料)10部、及び脱イオン水440部を入れ、均一に混合した。次いで、得られた混合液を容量225ccの広口ガラス瓶中に入れ、分散メジアとして直径約0.5mmφのジルコニアビーズを加えて密閉し、ペイントシェーカーにて5時間分散して着色顔料分散液(1)を得た。
製造例21
攪拌混合容器に、製造例16で得た水溶性アクリル樹脂溶液180部(固形分100部)、「シアニンブルー5206」(商品名、大日精化工業社製、有機系青顔料)100部及び脱イオン水440部を入れ、均一に混合した。次いで、得られた混合液を容量225ccの広口ガラス瓶中に入れ、分散メジアとして直径約0.5mmφのジルコニアビーズを加えて密閉し、ペイントシェーカーにて5時間分散して着色顔料分散液(2)を得た。
水性第1ベースコート塗料(X)の製造
製造例22
撹拌混合容器内において、製造例1で得た水分散性アクリル樹脂溶液(Xa1)20部(固形分)、製造例14で得たポリエステル樹脂溶液(Xb)23部(固形分)、メラミン樹脂(注4)「サイメル325」30部(固形分)、製造例16で得た水溶性アクリル樹脂15部(固形分)、製造例18で得た体質顔料分散液(1)7部(固形分)、製造例20で得た着色顔料分散液(1) 20部(固形分)を均一に混合した。
得られた混合物に「プライマルASE−60」(商品名、ロームアンドハース社製、増粘剤)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を添加して、pH8.0である水性第1ベースコート塗料(X1)を得た。
製造例23〜36
製造例22において、配合組成を下記表2に示す通りとする以外は、製造例22と同様にして、pH8.0である水性第1ベースコート塗料(X2)〜(X15)を得た。
Figure 2014004552
(注4)「サイメル325」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、固形分80%、メラミン樹脂)
水性第2ベースコート塗料(Y)の製造
製造例37
撹拌混合容器内において、製造例9で得た水分散性アクリル樹脂(Ya1)20部(固形分)、製造例14で得たポリエステル樹脂溶液(Yb)23部(固形分)、メラミン樹脂(注4)「サイメル325」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、固形分80%)25部(固形分)、製造例15で得た水溶性アクリル樹脂5部(固形分)、製造例19で得た体質顔料分散液(2)28部(固形分)、製造例17で得た光輝性顔料分散液24部(固形分)、製造例21で得た着色顔料分散液(2)20部(固形分)を均一に混合した。
得られた混合物に「プライマルASE−60」(商品名、ロームアンドハース社製、増粘剤)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を添加して、pH8.0である水性第2ベースコート塗料(Y1)を得た。
製造例38〜42
製造例37において、配合組成を下記表3に示す通りとする以外は、製造例37と同様にして、水性第2ベースコート塗料(Y2)〜(Y6)を得た。
Figure 2014004552
試験用電着塗膜の作製
合金化溶融亜鉛めっき鋼板に「エレクロンGT−10」(商品名、関西ペイント社製、熱硬化型エポキシ樹脂系カチオン電着塗料)を硬化膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させて試験用電着塗膜とした。
実施例1
上記試験用電着塗膜に、製造例19で得た水性第1ベースコート塗料(X1)を塗料固形分が33%となるように脱イオン水を用いて希釈し、硬化膜厚が9μmとなるように静電塗装した。その未硬化の第1ベースコート塗膜上に、製造例33で得た水性第2ベースコート塗料(Y1)を塗料固形分が12%となるように脱イオン水を用いて希釈し、硬化膜厚が3μmとなるように静電塗装した。次いで80℃で3分間プレヒートを行なった。次いで、その未硬化の第2ベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料(Z1)「マジクロンKINO−6500」(商品名、関西ペイント社製、2液型溶剤系上塗りクリヤーコート塗料)を硬化膜厚30μmとなるように塗装し、7分間放置した後、140℃で30分間加熱してこれら3層の塗膜を同時に硬化させることにより試験板を作製した。
実施例2〜22、比較例1〜11
実施例1における水性第1ベースコート塗料(X1)及び水性第2ベースコート塗料(Y1)を下記表4に示す水性第1ベースコート塗料及び水性第2ベースコート塗料に変更し、各ベースコート塗料の塗料固形分及び硬化膜厚を表4に示した値にする以外は、実施例1と同様に操作して、実施例2〜22及び比較例1〜11の試験板を作製した。
評価試験
上記実施例1〜22及び比較例1〜11で得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。その結果を表4に示す。
(試験方法)
平滑性:各試験板について、「Wave Scan」(商品名、BYK Gardner社製)によって測定されるLong Wave(LW)値に基づいて、平滑性を評価した。LW値が小さいほど塗面の平滑性が高いことを示す。LW値が20以上は不合格である。
鮮映性:各試験板について、「Wave Scan」(商品名、BYK Gardner社製)によって測定されるShort Wave(SW)値に基づいて、鮮映性を評価した。SW値が小さいほど塗面の鮮映性が高いことを示す。SW値が20以上は不合格である。
フリップフロップ性:各試験板について、「MA68II」(商品名、X−Rite社製)によって測定されるFI値に基づいて、フリップフロップ性を評価した。FI値が大きいほど塗面のフリップフロップ性が高いことを示す。FI値が19以下は不合格である。
耐チッピング性:「JA−400型」(商品名、飛石試験機、スガ試験機社製)の試片保持台に試験板を設置し、0℃において、試験板から30cm離れた所から0.392MPa(4kgf/cm)の圧縮空気により、粒度7号の花崗岩砕石50gを30度の角度で試験板に衝突させた。その後、得られた試験板を水洗して乾燥し、塗面に布粘着テープ(ニチバン社製)を貼着した。そして、上記テープを剥離し、塗膜のキズの発生程度等を目視で観察し評価した。△以下は不合格である。
◎:電着面及び素地の鋼板が露出するキズの割合が7%未満
〇:電着面及び素地の鋼板が露出するキズの割合が8%以上10%未満
△:電着面及び素地の鋼板が露出するキズの割合が10%以上15%未満
×:電着面及び素地の鋼板が露出するキズの割合が15%以上
Figure 2014004552

Claims (7)

  1. 下記の工程(1)〜(4):
    (1) 鋼板上に電着塗料を塗装し、加熱硬化させて得られた電着塗膜に、水性第1ベースコート塗料(X)を硬化膜厚が5〜10μmの範囲内となるように塗装して、第1ベースコート塗膜を形成せしめる工程;
    (2) 工程(1)で得られた第1ベースコート塗膜上に、塗料固形分濃度が、2〜15質量%の範囲内である水性第2ベースコート塗料(Y)を硬化膜厚が0.1〜6μmの範囲内となるように塗装して、第2ベースコート塗膜を形成せしめる工程;
    (3) 工程(2)で得られた第2ベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料(Z)を塗装してクリヤーコート塗膜を形成せしめる工程;及び
    (4) 工程(1)〜(3)で形成された第1ベースコート塗膜、第2ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜を加熱することによって、これら3つの塗膜を同時に硬化させる工程
    を順次行うことからなり、
    第1ベースコート塗膜の硬化膜厚が第2ベースコート塗膜の硬化膜厚より厚く、
    水性第1ベースコート塗料(X)が、顔料及び水性第1ベースコート塗料(X)中の樹脂固形分100質量部を基準として、酸価が40mgKOH/g以下である水分散性アクリル樹脂(Xa)を10〜30質量部含有し、該水分散性アクリル樹脂(Xa)が、構成モノマー成分の総量を基準として、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーの配合量が20〜55質量%であり、
    水性第2ベースコート塗料(Y)が、顔料及び水分散性アクリル樹脂(Ya)を含有し、該水分散性アクリル樹脂(Ya)が、構成モノマー成分の総量を基準として、炭素数4以上のアルキル基を含有する重合性不飽和モノマーの配合量が0〜10質量%である
    ことを特徴とする複層塗膜形成方法。
  2. 水性第1ベースコート塗料(X)中の光輝材顔料質量濃度が、水性第1ベースコート塗料中の全固形分の0〜4.5質量%であり、水性第2ベースコート塗料(Y)中の光輝材顔料質量濃度が、水性第2ベースコート塗料中の全固形分の5〜25質量%である請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
  3. 水性第1ベースコート塗料(X)の塗料固形分濃度が、20〜40質量%の範囲内である請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
  4. 水性第1ベースコート塗料(X)がさらに体質顔料を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  5. 水性第1ベースコート塗料(X)がさらに水酸基含有ポリエステル樹脂を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  6. 水性第1ベースコート塗料(X)がさらにメラミン樹脂を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法により塗装された物品。
JP2012143068A 2012-06-26 2012-06-26 複層塗膜形成方法及び塗装物品 Pending JP2014004552A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012143068A JP2014004552A (ja) 2012-06-26 2012-06-26 複層塗膜形成方法及び塗装物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012143068A JP2014004552A (ja) 2012-06-26 2012-06-26 複層塗膜形成方法及び塗装物品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014004552A true JP2014004552A (ja) 2014-01-16

Family

ID=50102790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012143068A Pending JP2014004552A (ja) 2012-06-26 2012-06-26 複層塗膜形成方法及び塗装物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014004552A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016121238A1 (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
WO2016121239A1 (ja) * 2015-01-30 2016-08-04 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
WO2017022698A1 (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
WO2018092874A1 (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
WO2018092878A1 (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
CN111132771A (zh) * 2017-09-29 2020-05-08 关西涂料株式会社 多层涂膜形成方法
JP6805401B1 (ja) * 2019-11-22 2020-12-23 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
WO2021100238A1 (ja) * 2019-11-22 2021-05-27 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
US11285509B2 (en) * 2018-01-16 2022-03-29 Kansai Paint Co., Ltd. Method for forming multilayer coating film
WO2024142525A1 (ja) * 2022-12-26 2024-07-04 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 複層塗膜の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996033814A1 (fr) * 1995-04-27 1996-10-31 Kansai Paint Co., Ltd. Procede de revetement multicouche
JP2010253378A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Mazda Motor Corp 複層塗膜形成方法
JP2010269300A (ja) * 2009-04-24 2010-12-02 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法及び塗装物品
US20110256320A1 (en) * 2008-12-29 2011-10-20 E.I. Du Pont De Nemours And Company Method for using 3-coat-1-bake waterborne coating composition

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996033814A1 (fr) * 1995-04-27 1996-10-31 Kansai Paint Co., Ltd. Procede de revetement multicouche
US20110256320A1 (en) * 2008-12-29 2011-10-20 E.I. Du Pont De Nemours And Company Method for using 3-coat-1-bake waterborne coating composition
JP2010253378A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Mazda Motor Corp 複層塗膜形成方法
JP2010269300A (ja) * 2009-04-24 2010-12-02 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法及び塗装物品

Cited By (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016121238A1 (ja) * 2015-01-29 2017-11-09 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
WO2016121238A1 (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
US10639672B2 (en) 2015-01-29 2020-05-05 Kansai Paint Co., Ltd. Method for forming multilayer coating film
US10508212B2 (en) 2015-01-30 2019-12-17 Kansai Paint Co., Ltd. Method for forming multilayer coating film
WO2016121239A1 (ja) * 2015-01-30 2016-08-04 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
JPWO2016121239A1 (ja) * 2015-01-30 2017-11-09 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
WO2017022698A1 (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
CN107708878A (zh) * 2015-07-31 2018-02-16 关西涂料株式会社 形成多层涂膜的方法
CN107708878B (zh) * 2015-07-31 2021-03-23 关西涂料株式会社 形成多层涂膜的方法
JPWO2017022698A1 (ja) * 2015-07-31 2018-05-24 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
US10610889B2 (en) 2015-07-31 2020-04-07 Kansai Paint Co., Ltd. Multi-layer coating film formation method
EP3542910A4 (en) * 2016-11-18 2020-07-01 Kansai Paint Co., Ltd MULTI-LAYER COATING FILM FORMATION METHOD
JP7019593B2 (ja) 2016-11-18 2022-02-15 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
JPWO2018092878A1 (ja) * 2016-11-18 2019-10-17 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
CN109996611A (zh) * 2016-11-18 2019-07-09 关西涂料株式会社 多层涂膜形成方法
CN109996611B (zh) * 2016-11-18 2022-11-15 关西涂料株式会社 多层涂膜形成方法
WO2018092878A1 (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
JPWO2018092874A1 (ja) * 2016-11-18 2019-10-17 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
US11459463B2 (en) 2016-11-18 2022-10-04 Kansai Paint Co., Ltd. Method for forming multilayer coating film
WO2018092874A1 (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
US11344914B2 (en) 2016-11-18 2022-05-31 Kansai Paint Co., Ltd. Method for forming multi-layer coating film
JP7019592B2 (ja) 2016-11-18 2022-02-15 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
JPWO2019065961A1 (ja) * 2017-09-29 2020-10-22 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
CN111132771A (zh) * 2017-09-29 2020-05-08 关西涂料株式会社 多层涂膜形成方法
US11548029B2 (en) 2017-09-29 2023-01-10 Kansai Paint Co., Ltd. Multilayer coating film forming method
JP7305545B2 (ja) 2017-09-29 2023-07-10 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
US11285509B2 (en) * 2018-01-16 2022-03-29 Kansai Paint Co., Ltd. Method for forming multilayer coating film
WO2021100238A1 (ja) * 2019-11-22 2021-05-27 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
JP6805401B1 (ja) * 2019-11-22 2020-12-23 関西ペイント株式会社 複層塗膜形成方法
US12202009B2 (en) 2019-11-22 2025-01-21 Kansai Paint Co., Ltd. Method for forming multilayer coating film
WO2024142525A1 (ja) * 2022-12-26 2024-07-04 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 複層塗膜の製造方法
JP2024092651A (ja) * 2022-12-26 2024-07-08 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 複層塗膜の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5612671B2 (ja) 複層塗膜形成方法
JP5594931B2 (ja) 水性ベース塗料組成物
JP5409355B2 (ja) 水性メタリック塗料組成物及び複層塗膜形成方法
JP6001052B2 (ja) 複層塗膜形成方法
JP5586160B2 (ja) 水性塗料組成物
JP2014004552A (ja) 複層塗膜形成方法及び塗装物品
JP5430935B2 (ja) 水性塗料組成物
JP5591044B2 (ja) 水性塗料組成物
CN104136134A (zh) 多层涂膜形成方法及涂装物品
JP2011225802A (ja) 共重合体、該共重合体を含有する水性塗料組成物及び複層塗膜形成方法
JP5950392B2 (ja) 水性塗料組成物
CN108713046A (zh) 水性涂料组合物
JP5692890B2 (ja) 水性塗料組成物
CN102548669A (zh) 多层涂膜的形成方法
JP5804661B2 (ja) 水性塗料組成物
JP5920975B2 (ja) 顔料分散用樹脂
JP5603177B2 (ja) 共重合体、該共重合体を含有する水性塗料組成物及び複層塗膜形成方法
JP5476260B2 (ja) 樹脂組成物、該樹脂組成物を含有する水性塗料組成物及び複層塗膜形成方法
JP7352766B1 (ja) 複層塗膜形成方法
CN113646096A (zh) 水性涂料组合物及复层涂膜形成方法
CN116018215B (zh) 多层涂膜形成方法
CN114174439B (zh) 水性涂料组合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151001

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160212