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JP2014000062A - ゲル状食品とその製造方法 - Google Patents

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JP2014000062A JP2012149895A JP2012149895A JP2014000062A JP 2014000062 A JP2014000062 A JP 2014000062A JP 2012149895 A JP2012149895 A JP 2012149895A JP 2012149895 A JP2012149895 A JP 2012149895A JP 2014000062 A JP2014000062 A JP 2014000062A
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Abstract

【課題】 高齢化社会とともに嚥下障害者が増加している。嚥下障害者の喫食容易な高蛋白食品として肉、魚肉を主原料とする嚥下容易な物性を有する食品の市場ニーズがあり、今後も増大するであろう。本発明はこのようなニーズに対して肉類、魚肉を主原料とする、嚥下障害者が容易に、かつ安全に摂食できるゲル状食品を提供せんとするものである。
【解決手段】 肉類、魚肉に加水して蛋白分解酵素で分解してペースト化し、さらに適当な配合比率で水、卵白、ゲル化剤を添加し加熱してゲル状食品とする。このゲル状食品は喫食前に温めたり、調理加熱後に温蔵庫に保管しても液状化せず、ハンドリングが容易で、かつ嚥下障害者が容易に摂食に適する物性[固さ、付着性、凝集性]を実現できる。さらに、加熱前はゾル状であり、型や袋に充填して加熱すると所望の形状に成形可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は加工食品、取り分けて嚥下障害者の摂食の容易なゲル状食品とその製造方法に係わる。
高齢化社会の到来により嚥下障害者が増加し、これらの者に良質の蛋白に富む食品を提供するニーズが高まっている。従来の蛋白食としては肉類・魚類をペースト状にしてテリーヌ状に固めて冷凍食品としたもの、大豆蛋白または澱粉を用いてカード状に固めたものなどが販売されている。さらに肉類をペースト化し冷凍して流通させ、喫食前に加熱凝固して食する製品も販売されている。
しかし、前者の例では工場での加工段階で形状が決まってしまい提供時に所望の形状にすることができない。後者の例では加熱時に蛋白が変性し凝固するが、物性的にはハンバーグのような粒状物の集合体になり滑らかさに欠けて嚥下障害の程度によっては咀嚼・嚥下に困難の生じる可能性がある。
特許文献3によれば、澱粉性の食材をアミラーゼ処理し、撹拌・均一化して咀嚼・嚥下性を向上させる技術が開示されているが、蛋白性食材、取り分けて肉類・魚類のような繊維構造を有する食材をペースト化・酵素分解してから卵白やゲル化剤を適量配合して加熱凝固時のゲル物性を調整し嚥下容易化する技術は見当らなかった。
特開平11−187833 特開2002−136275 特開2008−271985
http://www.udf.jp/table.html[2010/5/6] FFI Journal, Vol.216.No.4.2011.368〜372 「介護食ゼリー/プリンへのゲル化剤の利用」
高齢化社会の到来により嚥下障害者が増加し、嚥下障害者への栄養補給、特に良質の蛋白を豊富に含む食品と、食生活の充実[多様な嗜好の満足]のためのメニュー開発が求められている。
嚥下食の形態としては液状の飲料や、食品に増粘剤[一般にはトロミ剤と呼ばれる]を配合し、一定の粘度を与えて誤飲・誤嚥を防止するゾル状食品[場合により流動食と呼ばれる]と、ペースト状ないしは柔らかい粒状食材をゲル化剤により凝固したソフト食の二つの形態がある。本発明は新規な物性を有するソフト食とその製造方法を提供するものである。
特許文献1、特許文献2、特許文献3には澱粉性食材を主配合成分とする嚥下食の加工技術が開示されている。特に特許文献3には澱粉食材をアミラーゼ処理し増粘剤を配合して撹拌・均質化し嚥下性を向上させる技術が開示されている。本発明はこれらとは異なり良質の蛋白を豊富に含む嚥下食を志向するものである。
蛋白性のソフト食としては肉類・魚類をペースト化し、大豆蛋白または澱粉を配合し加熱してカード状に固めた食品や、肉類・魚類をペースト化してテリーヌ状に固めた冷凍食品が販売されている。このタイプの蛋白性ソフト食品は加工段階で形状が決まってしまい喫食前に形状を自由に選択できないという欠点が指摘される。
蛋白性ソフト食には、さらに肉類・魚類をペースト化したものを冷凍食品として販売する形態のものもある。この場合、喫食前の加熱により蛋白成分が熱変性して凝固するが、その物性は柔らかいハンバーグ状[粒状の固形成分が相互に結着した状態]で、嚥下障害の程度によっては咀嚼・嚥下に支障が生じる可能性が危惧されるとともに、食感はボソボソして滑らかでないという欠点が指摘される。
本発明は肉類・魚類の味と風味を保持し、さらに嚥下障害の進行した者でも容易・安全に咀嚼・嚥下でき、喫食前に自由に形状を選択できる特徴を有する新規な蛋白性のソフト食の提供を目的とする。本発明のゲル状食品は販売時はゾル状の半製品を冷凍食品として流通させ、提供前に解凍・加熱して滑らかで咀嚼・嚥下に支障のないゲル状食品に調製できる態様でも提供できる。
従来の技術では加熱時はゾル状で冷却時にゲル状となるように、摩砕した食品に寒天・ゼラチン等の熱可塑性のゲル化剤[その溶液が熱時ゾル、冷時ゲルとなるようなゲル化剤]を適量添加することが一般的であった。この場合には、嚥下食を温かいメニューとして供する場合に温蔵庫に保管するとゾル化してハンドリング時に容器からこぼれたり溢れるという欠点があった。一般的に温蔵庫は60〜65℃程度に保持して微生物の繁殖を阻止するが、寒天・ゼラチン等を添加する場合はこの温度帯で流動性を帯びる。本発明によれば、いったん加熱すればゾル状態からゲル状態に不可逆的に相転移し温蔵庫に保管してもゲル状態を維持してハンドリングが容易である食品を提供できる。
問題を解決するための手段
本発明の食品の特徴を要約すれば、A)加熱前は流動性を有するゾル状の半製品[前段階製品]で加熱すればゲル状に不可逆的に転化する、B)温蔵庫保管温度帯[一般的に60〜65℃]でゲル状態を保持する、C)ゲル状態で滑らかな食感を有する、D)咀嚼・嚥下に対して、喫食に適する室温〜体温よりやや高温の温度域で咀嚼・嚥下に容易で安全な物性[固さ1,000〜15,000N/m、付着性1100J/m以下、凝集性0.2〜0.9[測定機:クリープメーター[RE2−33005B[山電]、もしくはRE2−3305S[山電]]、φ40mm、D15mmのステンレス円筒容器保持状態でφ20mmのプランジャーを侵入速度1mm/sec.、圧縮量10mmの条件で測定][官能検査的な記述:「噛んだときの固さは歯茎で潰せる程度[固さ]]、舌へのまとわりつきがしつこくない[付着性]、口蓋内で軽度な咀嚼でばらける[凝集性]]を有する。
このような特徴を有する本発明の食品を製造するため、本発明はさらにその製造方法をも開示する。本発明の製造方法は下記のとおりである。
原料の下処理工程:肉類は皮付き、骨付きであれば皮除去・骨抜きし、過剰の脂身があれば適度に除去する。魚類では骨を除去する。魚類・鶏肉では皮の除去は必ずしも必要でない。本工程は食品製造での一般的工程と解すべきであり本発明の食品の製造方法に必須の工程とは解すべきではない。
酵素処理:原料に水と酵素を添加する。水と原料[肉類、魚肉]の比率は原料100部に対し水10〜30部程度が酵素分解には適当である。酵素は蛋白分解酵素を原料に対して5/100,000〜5/10,000程度が適切である。添加量の少ない場合には加水分解が進まない、あるいは著しく遅滞し、多い場合には製品の味に悪影響が出る。添加後、あるいは添加しながらミキサー・チョッパー・サイレントカッター等で原料をペースト状に近くなるまで破砕する。あるいは破砕してから酵素を添加し撹拌してもよい。酵素は単独を添加してもよいし水に溶解ないしは分散させて添加してもよい。分解を促進するために通常は40〜70℃程度に加温する。一般的には微生物の増殖阻止のために60℃〜70℃の温度帯での酵素分解が推奨される。処理は原料が完全にペースト化するまで実施する。通常、破砕に数分〜10分間程度、酵素分解に10〜60分間程度を要する。
酵素の失活工程:次に温度を上げて酵素を失活させる。酵素の熱安定性によるが、通常は80〜100℃、10〜40分間程度の加熱条件で充分である。失活後に冷却して室温〜60℃[次工程で添加する卵白が凝固しない温度帯]に冷却する。ただし、本工程の加熱は省略し後述する最終の加熱工程で実施することも可能である。
ゲル化剤の混合工程:次にゲル化剤とともに水、食塩、調味料、香辛料等を添加する。本発明は各原料に由来する良質の蛋白質摂取のための食品を志向するので、実施例において野菜・果実・豆等の植物性副原料の添加例は開示していないが、所望によってはこれらの柔らか煮・ジュース・ピュレー等を添加することは可能である。酵素処理した原料混合物40〜60部に対して水40〜60部、卵白を固形分換算で5〜7部、より好ましくは5.5〜6.5部、ゲル化剤を0.5〜2.0部を添加する。もっとも、原料の特性[水分率、蛋白含量、動物の死後の経過履歴]、卵白の種類[生鮮、冷凍、乾燥[さらに乾燥製品の前処理、乾燥条件も関係する]]、および各原料の配合のバランスにより卵白とゲル化剤の最適配合割合のバラつき[前記の数値限定からの多少の逸脱]の生じる可能性のあろうことは当分野の技術者には自明のことであろう。卵白は泡立ち易いのでミキサー等の高速回転手段を用いる場合には低速域で使用する配慮が必要となろう。塩、調味料、香辛料等は嗜好に応じて所望量を配合する。ここにおいて卵白とゲル化剤の添加は本発明の食品のゲル物性を規定する不可欠の技術構成要素であり、水の配合割合も本発明の食品の咀嚼・嚥下特性を規定する必須の構成要素である。ただし、水は酵素処理の工程での配合量とこの段落で記述する工程での配合量とを相互補完的に融通・調整できること、生鮮や冷凍の卵白を用いる場合には卵白由来の水の加算が生じるので、最終製品中での肉類・魚肉と水との配合も考慮して配合設計を総合的に判断する余地のあることも当該分野の技術者においては自明のことであろう。
充填、あるいは包装工程:配合した前段階製品を袋・トレイ・型等に充填あるいは包装する。一般的に介護食、嚥下食の調製業務では一食あたり60〜70g程度が標準と言われている。所望により個食分、あるいは数食分を適宜の形態に包装すればよい。本工程は一般的な食品製造に含まれる工程であり、本発明に必須の構成要件と解してはならない。場合によってはゾル状物は本工程を省略して次の冷凍[冷蔵]工程、あるいは最終の加熱工程に移行させることが可能である。
冷凍、あるいは冷蔵工程:本発明の食品を大量に生産し広域に流通・販売する場合には加熱した、あるいは未加熱の前段階製品を冷凍・冷蔵して貯蔵・流通性を確保する場合も考えられる。本工程も一般的な食品製造に含まれる工程であり本発明の必須の構成要件と解してはならない。本工程を省略して最終の加熱工程に移行することはもちろん可能である。冷凍・冷蔵には一般的な食品の加工・保存・流通で用いられる条件を適用すれば充分である。
解凍工程:本発明の食品を冷凍食品として保存・流通させる場合には解凍する。解凍には室温放置、湯煎、流水浸漬、マイクロ波照射等の一般的な手段・条件を用いれば充分である。本工程も一般的な食品製造に含まれる工程であり、本発明の製造方法の必須の構成要件と解してはならない。未加熱の前段階製品を次工程で所定の形取りを所望する場合には型や袋に解凍後に充填すればよい。
ゲル化のための加熱工程:ゲル化のための加熱は食品の中心温度が85〜100℃、より好ましくは90〜95℃になるように加熱する。この温度に達すればゲル化は完了するので余剰の加熱は無意味であろう。加熱手段としては湯煎、蒸煮、マイクロ波加熱、スチームコンベクション加熱等が例示される。例えば60〜70g程度、20〜40mm程度のサイズであれば10〜15分間程度の加熱で中心温度90〜95℃になるようにするのが一般的な加熱であろう。加熱により卵白は70℃付近から熱変性を開始し80℃付近からゲル化剤と協奏的に前段階製品の物性を変化させて本発明の食品の特徴である、熱時にゲル状であって、喫食時の滑らかな食感と咀嚼・嚥下に対する適切な物性[固さ1,000〜15,000N/m、付着性1100J/m以下、凝集性0.2〜0.9/測定温度[測定機:クリープメーター[RE2−33005B[山電]、またはRE2−3305S[山電]、φ40mm、D15mmのステンレス円筒容器保持状態でφ20mmのプランジャーを侵入速度1mm/sec.、圧縮量10mmの条件で測定][官能検査的な記述:「噛んだときの固さは歯茎で潰せる程度」[固さ]、「舌へのまとわりつきがしつこくない」[付着性]、「口蓋内で軽度な咀嚼でばらける」[凝集性]]を付与する。
その他の付帯工程:所望により本発明の食品を熱時、あるいは冷却後に適宜包装し、さらに冷凍・冷蔵して保管・流通に付することができる。これらの工程は食品製造に含まれる一般的な工程であり本発明の必須の構成要件と解してはならない。さらに、ゲル化のための加熱工程後、あるいはその他の付帯的な工程を経た本発明を食品を温蔵庫に保管して喫食前の保管に供することもできる。嚥下障害者が本発明の食品を喫食する場合には体温付近から45℃程度に温めて提供するのが一般的であると思慮されるが、喫食者の所望により、あるいは配膳者・介護者の都合により室温付近で食する場合も考えられうる。本発明のゲル状食品は室温〜体温より少し上の温度域で嚥下障害者に適する物性を有するものである。この場合の「・・・温度域で・・・適する物性」とは、この温度域全体にわたって所望の物性を一貫して有する場合と、この温度域のある部分において所望の物性を有する場合を含む。嚥下障害者の嗜好、あるいは調理・配膳・介護の現場の各条件により特定の温度帯でのみ所望の物性を維持していても商品化できるという可能性は否定できない。
発明の効果
本発明の食品は、a)嚥下障害者に誤嚥の危険性のないゲル状で、滑らかな食感と適度の固さ・付着性・凝集性を有し、b)肉類・魚類の原料の味と風味を良好に保持し、c)ゾル状態での充填により加熱時に所望の形状を付与でき、d)加熱により生成したゲルは温蔵庫保管によっても形状を失わず、e)肉類・魚類の原料由来の良質の蛋白を高濃度で摂取できる、等の優れた特徴を有する。
本発明の食品は配合として概ね、肉類あるいは魚類原料を加水して蛋白分解酵素によりペースト化したもの40〜60部、水60〜40部、卵白を固形分換算5〜7部、より好ましくは5.5〜6.5部、ゲル化剤0.5〜2.0部、食塩・調味料・香辛料を所望量とを混合したゾル状の本発明の前段階製品とし、このものを加熱してゲル化せしめた製品により構成され、喫食直前の物性として固さ1,000〜15,000N/m、付着性1100J/m以下、凝集性0.2〜0.9[測定機:クリープメーターRE2−33005B[山電]、またはRE2−3305S[山電]、φ40mm、D15mmのステンレス円筒容器保持状態でφ20mmのプランジャーを侵入速度1mm/sec.、圧縮量10mmの条件で測定][官能検査的な記述:「噛んだときの固さは歯茎で潰せる程度[固さ]、舌へのまとわりつきはしつこくない[付着性]、口蓋内で軽度の咀嚼でばらける」[凝集性]]を有する。
本発明の食品の製造方法の概要は既に「問題を解決するための手段」の項で述べたが、さらに補足すれば、a)蛋白分解酵素としてはパパイン、ブロメライン等の植物から抽出した酵素、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン等の動物から抽出した酵素、あるいは遺伝子を組み換えた、あるいは非組み換えの枯草菌、大腸菌等の微生物から抽出した酵素の単独、あるいは混合したもの[希釈剤等の副原料を加えて製剤化したものを含む]を用いればよい。本発明では原料と水の混合物について多くの場合pH調整は特に実施しないので中性ないしは弱酸性で活性を有し、微生物増殖阻止のために昇温して酵素分解するので至適温度特性の合ったものを選択することが好ましい。ただし、所望によりpH調整を行なって調整pH域で活性を発現する酵素を選択して原料混合物を分解し、分解物の食味に問題のある場合には再度pHを調整してから余後の工程を経て、あるいは本発明の食品の物性に影響のない範囲であれば余後の工程を経てからpHを調整して本発明の食品を調製することは本発明の属する技術分野の技術者であれば容易に想致する範囲であり本発明の製造方法の範疇に属するものと信じる。本発明者の経験ではpH調整することなく酵素としてパパイン製剤を用いる場合には原料と水との磨砕混合物に対して1/1,000〜1/10,000程度[パパイン換算で5/100,000〜5/10,000の範囲内]を添加すれば充分な酵素分解・ペースト化が実現された。
酵素失活のための加熱処理は省略し、ゲル化のための加熱工程で酵素失活させることも可能である。この場合には、卵白蛋白の熱凝固特性は本発明の食品を製造するために不可欠であるので、卵白の添加・混合から加熱までに長時間を要しないよう[酵素による卵白蛋白の分解可能性を考慮して]に留意すべきことも本発明の属する技術分野の技術者には自明のことであろう。
ゲル化剤としてはキサンタンガム、ジェランガム、グアガム、タマリンドガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、寒天、カラギナン、アルギン酸[通常はナトリウム塩等の水溶性の塩として添加する]あるいはそのエステル類等の、植物、海藻、微生物由来の水溶液で粘性溶液を形成する多糖類を単独もしくは任意の混合物として使用する。
卵白とゲル化剤を併用することにより加熱時に卵白単独使用の場合の過度の凝固を抑制し本発明のゲル状食品に不可欠な、嚥下に適度な物性[固さ・付着性・凝集性]を実現できる。ゲル化剤単独添加の場合には加熱してもゲル化せず、加熱品を冷却するとゲル化するものの再加熱するとゾル状に戻り、本発明の食品の特徴である温蔵庫保管時のゲル状態が実現できない。
ゲル化のための加熱は本発明の食品に必須の工程であり、食品衛生上の殺菌をも兼ねるものである。ここにおいて、酵素失活を実現するための加熱とゲル化のための加熱とを兼用する場合には酵素処理に引き続いて副原料を混合後に加熱すればよい。ゲル化のための加熱と酵素失活に必要な加熱条件はほぼ同様と考えてよく、前述の酵素失活の工程の説明で示した条件を適用できる。一例として、90℃、10〜20分間程度の一般的な調理加熱でも充分にゲル化させることができる。また、混合物をそのまま、あるいは冷蔵・冷凍状態で保存・流通し[前段階製品として保管・流通]、提供する場で調理加熱を行なうことも可能である。工場生産、あるいは/および広域流通させる場合には前段階製品を適当に包装してチルド、あるいは冷凍食品とし、喫食直前に加熱調理しゲル化させて供することもできる。この場合には調理加熱とゲル化ための加熱を兼用することになる。
加熱によりゲル化した食品は配膳のために冷却する。嚥下障害者に適する最適な喫食温度は45℃以下程度であり、調理、あるいは温蔵庫保管したものを盛り付け・配膳して喫食する場合には自然にこの温度帯になる場合が多いであろう。病院、介護施設等では調理した食品を温蔵庫に保管したり、セントラルキッチン方式で調理する場合には温冷配膳車の温蔵庫に収容・配送して対象者に供する場合が多い。これらの場合には温蔵庫は60〜65℃程度の温度に維持され、これから取り出して対象者が温かいメニューとして喫食するときには40〜45℃程度の範囲にあることが通常である。また、諸般の事情で室温程度のものを食べる機会も多いと考えられる。いずれの場合でも本発明の食品は喫食時直前の物性として固さ1,000〜15,000N/m、付着性1100J/m以下、凝集性0.2〜0.9[測定機:クリープメーター[RE2−33005B[山電]、あるいはRE2−3305S[山電]]、φ40mm、D15mmのステンレス円筒容器保持状態でφ20mmのプランジャーを侵入速度1mm/sec.、圧縮量10mmの条件で測定][官能検査的な記述:「噛んだときの固さは歯茎で潰せる程度[固さ]、舌へのまとわりつきがしつこくない[付着性]、口蓋内で軽度の咀嚼でばらける[凝集性]」]を有する製品として設計・調製される。
また、ゲル化したものを包装しチルド食品、あるいは冷凍食品として保存・流通させることも可能である。チルド食品では前述のような調理加熱により、また冷凍食品の場合ではいったん解凍・調理加熱することにより本発明の食品として供することが可能である。冷凍食品とする場合には一般的な冷凍食品の製造法に従って冷凍すればよい。
本発明をより具体的に説明するため、以下に実施例を示すが、本発明の範囲はこれらの実施例の範囲に留まるものではなく、本明細書、および添付の特許請求の範囲の記載により記述された発明と技術構成要件を本質的に軌を一にするものは本発明の範囲に包含されるものであることは言を俟たない。さらに、本発明の技術構成をさらに明確化するために実施例に続けて比較例を提示する。
実施例1
市販の豚の腿肉をミンチ肉とし、このもの3840部に760部の水を加えて市販の蛋白分解酵素製剤[パパイン抽出物製剤]0.3部を添加し撹拌後60℃,30分間反応させて酵素分解し豚肉のペースト状物を得た。次に90℃,40分間加熱してから室温程度に冷却した。塩56部、卵白粉末600部、ゲル化剤[キサンタンガム、寒天、ローカストビーンガムを主成分とする製剤]66部、水4600部を混合しゾル状物を得た。これをプラスチック樹脂製袋に充填した。混合物充填品を常法により冷凍した。次に充填物を解凍しカップ状の容器に約60gを充填しスチームコンベクションで90℃,約15分加熱した。充填物の凝固が観察された。このものを約40℃に冷却して健常者5名で喫食しゲル物性[噛んだときの固さは歯茎で潰せる程度[固さ]、舌へのまとわりつきはしつこくない[付着性]、口蓋内で軽度な咀嚼でばらける[凝集性]]を確認し、嚥下障害者に適切であると判断された。
実施例2
鶏の胸肉3270部と皮70部をミンチに掛けた。これに水760部、酵素製剤0.3部を加えて撹拌した。60℃,39分間加熱し、90℃,40分間さらに加熱して鶏肉のペースト状物を得た。冷却後、塩56部、卵白粉末600部、ゲル化剤66部、水4600部を加えて撹拌した。実施例1に準じて包装・冷凍後、同様に調理・試食[官能検査]した。本食品も実施例1の食品と同様の嚥下障害者に適するゲル物性を有することを確認した。
実施例3
ヒラメのフィレー3500部、水750部、酵素製剤0.3部、塩56部、卵白粉末600部、ゲル化剤66部、追加の水4600部を実施例1と同様に処理して同様の官能的物性を有するゲル状食品を製造する。
実施例4
実施例1の記載に準じて調製した豚肉のペースト状物40部、食塩0.5部、卵白粉末6.5部、ゲル化剤2部、水60部を同様に処理しゾル状物を得た。これをφ40mm,D15mmのステンレス製の円筒トレイに流し込みスチームコンベクションで90℃,15分間加熱してゲル化させた。恒温機に保持して中心温度38.8℃での物性を測定した。測定機器はRE2−33005B[山電]を用い、プランジャーφ20mm、侵入速度1mm/sec、圧縮量10mmの条件設定とした。固さ13,878N/m、付着性816J/m、凝集性0.41で2名の官能検査で固さ、付着性、凝集性は望ましい範囲にあり、嚥下障害者の喫食に適するゲル物性と判定された。
実施例5
実施例1の記載に準じて調製した豚肉のペースト状物50部、食塩0.5部、卵白粉末6.5部、ゲル化剤2部、水50部を同様に処理しゾル状物を得た。これを実施例3と同様に処理し中心温度45.0℃での物性を同様に測定した。固さ4592N/m、付着性250J/m、凝集性0.43で2名による官能検査で固さ・付着性・凝集性を確認し嚥下障害者の喫食に適するゲル物性と判定された。測定機器はRE2−3305S[山電]を用い、プランジャーφ20mm、侵入速度1mm/sec、圧縮量10mmの条件設定とした。
実施例6
実施例1の記載に準じて調製した豚肉のペースト状物60部、食塩0.5部、卵白粉末5部、ゲル化剤1.5部、水40部を同様に処理しゾル状物を得た。これを実施例3と同様に処理し中心温度20.3℃での物性を同様に測定した。固さ1105N/m、付着性1008J/m、凝集性0.38で2名の官能検査で嚥下障害者の喫食に適するゲル物性と判定された。測定機器はRE2−33005B[山電]を用い、プランジャーφ20mm、侵入速度1mm/sec、圧縮量10mmの条件設定とした。
実施例7
実施例2の記載に準じて調製した鶏肉のペースト状物50部、食塩0.5部、卵白粉末6.5部、ゲル化剤2部、水50部を同様に処理しゾル状物を得た。これを実施例3と同様に処理し中心温度45.0℃での物性を同様に測定した。固さ5173N/m、付着性533J/m、凝集性0.43で2名の官能検査で嚥下障害者の喫食に適すると判定された。測定機器はRE2−3305S[山電]を用い、プランジャーφ20mm、侵入速度1mm/sec、圧縮量10mmの条件設定とした。
比較例1
実施例1の記載に準じて調製した豚肉のペースト状物60部、食塩0.5部、卵白粉末6.5部、ゲル化剤2部、水40部を同様に処理しゾル状物を得た。これを実施例3と同様に処理し中心温度21.8℃での物性を同様に測定した。固さ19289N/m、付着性1882J/m、凝集性0.38で2名の官能検査で嚥下障害者の喫食には食感にまとまりがなく不適と判定された。また同試料の39.0℃での測定値は固さ10281N/m、付着性1373J/m、凝集性0.41で2名の官能検査でペースト状の食感が確認され嚥下障害者には不適と判定された。測定機器はRE2−33005B[山電]を用い、プランジャーφ20mm、侵入速度1mm/sec、圧縮量10mmの条件設定とした。
比較例2
実施例1の記載に準じて調製した鶏肉のペースト状物50部、食塩0.5部、卵白粉末7.5部、ゲル化剤2.5部、水50部を同様に処理しゾル状物を得た。これを実施例3と同様に処理し中心温度19.7℃での物性を同様に測定した。固さ22300N/m、付着性1542J/m、凝集性0.4で2名の官能検査でぼそぼそとした食感が確認され嚥下障害者にはやや不適と判定された。また同試料の中心温度40.0℃での測定値は固さ16087N/m、付着性1409J/m、凝集性0.41で2名の官能検査でペースト状の食感が確認され嚥下障害者には不適と判定された。測定機器はRE2−33005B[山電]を用い、プランジャーφ20mm、侵入速度1mm/sec、圧縮量10mmの条件設定とした。

Claims (3)

  1. 肉類、魚肉100部に水10〜30部、蛋白分解酵素5/100,000〜5/10,000部を加え酵素分解してペースト化したものを主原料とし、主原料40〜60部、水60〜40部、卵白を固形分換算で5〜7部、ゲル化剤0.5〜2.0部、食塩・調味料・香辛料の所望量の混合物を加熱したゲル状物であって、物性として固さ1,000〜15,000N/m、付着性1100J/m以下、凝集性0.2〜0.9[測定機:クリープメーターRE2−33005B[山電]、またはRE2−3305S[山電]、φ40mm、D15mmのステンレス円筒容器保持状態でφ20mmのプランジャーを侵入速度1mm/sec.、圧縮量10mmの条件で測定][官能検査的な記述:「噛んだときの固さは歯茎で潰せる程度」[固さ]、舌へのまとわりつきはしつこくない[付着性]、口蓋内で軽度な咀嚼でばらける」[凝集性]]を有してなることを特徴とするゲル状食品。
  2. 肉類、魚肉100部に水10〜30部、蛋白分解酵素5/100,000〜5/10,000部を加え40〜70℃で酵素分解させてペースト化したものを主原料とし、分解直後に80〜100℃、10〜40分加熱して酵素を失活させ、あるいはこの加熱をせずして、主原料40〜60部、水60〜40部、卵白を固形分換算で5〜7部、ゲル化剤0.5〜2.0部、食塩・調味料・香辛料の所望量を混合したゾル状物を前段階製品とし、このものを中心温度が85〜100℃に達するまで加熱してなることを特徴とするゲル状食品の製造方法。
  3. 卵白の添加量を5.5〜6.5部としてなることを特徴とする請求項2に記載のゲル状食品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017017953A1 (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 三菱商事フードテック株式会社 冷蔵・冷凍耐性を有し、加熱調理のできる咀嚼困難者用食品
CN116210913A (zh) * 2023-01-17 2023-06-06 江南大学 一种辅助吞咽的凝胶的制备方法
CN117530409A (zh) * 2023-12-14 2024-02-09 渤海大学 一种鱼糜软凝胶制品及其制备方法

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