JP2014097014A - 海水由来のカルシウム含有剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともカルシウム、マグネシウム、ナトリウムの3種類のミネラル成分を含みカルシウムとマグネシウムの重量割合(Ca/Mg)が5以上であることを特徴とする海水由来のカルシウム含有剤。
【選択図】なし
Description
カルシウムは、骨や歯の形成維持に必須のミネラルであり人体にとって重要なミネラルであるが、平均摂取量が栄養所要量を下回っている。カルシウムは、骨や歯に必要な栄養素として栄養機能食品の栄養素として定められている重要なミネラルである。カルシウムの摂取量は、日本人の食生活が変化しているため不足しており、より多く摂取することが推奨されているにも関わらず、平成22年国民健康・栄養調査結果(厚生労働省)では、日本人の食事摂取基準(2005年版)と比較して低い値となっている。カルシウムが、通常の食品からの摂取だけで補えないことから、カルシウム強化牛乳などの強化食品や顆粒、錠剤、カプセル、ドリンク状のカルシウム補助食品から補うことが行われており、強化食品や補助食品を製造するためのカルシウム剤が望まれている。
マグネシウムは、1日当たり約150mgも不足しているという報告がある。動物実験では、マグネシウム欠乏による血圧上昇や血中脂質の増加、血管径の狭窄などが指摘されている。
カリウムについては、現時点においても栄養所要量を十分に満たされている。
カルシウム剤の原料として、鉱物を活用する特許文献1(特開2003−33158号公報)やサンゴ化石などを活用する特許文献2(特開平8−38104号公報)、特許文献3(特開2004−267085号公報)が開示されている。
また、資源の少ない日本にとって海洋は無限ともいえる資源であり、海洋資源である海水に含まれるミネラルを活用する特許文献4(特開平10−313823号公報)、特許文献5(特開2002−172392号公報)、特許文献6(特開2004−65196号公報)、特許文献7(特開2001−295974号公報)の技術が開示されている。
海水中の主要ミネラル成分は、Na>Mg>Ca>Kの順に含まれている。摂取に必要な多種類のミネラルが豊富に含まれているが、このままでは、ナトリウムが過剰であり、ナトリウムを除いても、マグネシウムがリッチであって、苦味が強く利用しがたい組成である。塩化ナトリウムを除くと、マグネシウム成分が最大であり、カルシウムの約3倍含まれている。マグネシウムやナトリウムは、苦味やからみ(鹹み)を呈し、脱塩化ナトリウムとしただけでは食品用としての利用には限度があった。
一般的には主要な成分は表1に示された組成である。
但し、%は重量%である。
1. 少なくともカルシウム、マグネシウム、ナトリウムの3種類のミネラル成分を含みカルシウムとマグネシウムの重量割合(Ca/Mg)が5以上であることを特徴とする海水由来のカルシウム含有剤。
2. カルシウムとナトリウムの重量割合(Ca/Na)が1以上であることを特徴とする1.記載の
カルシウム含有剤。
3. カルシウム、マグネシウム、ナトリウムの3種類のミネラル成分の重量組成比が、Ca:Mg:Naが1.0:0.007〜0.2:0.005〜1.0であることを特徴とする1.又は2.記載のカルシウム含有剤。
4. 1重量%以上のカルシウムを含むことを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載のカルシウム含有剤。
5. 食品添加剤であることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載のカルシウム含有剤。
6. 液状である1.〜5.のいずれかに記載のカルシウム含有剤。
7. 1.〜5.のいずれかに記載のカルシウム含有剤を含有したカルシウム飲料。
実施例としては、兵庫県赤穂市坂越沖の海水を採取し、ミネラルを分析した結果、ナトリウム10,000mg/リットル、マグネシウム1,200mg/リットル、カルシウム365mg/リットルであった。
この海水を使用し、各種方法でミネラルの濃縮、分離を行いカルシウム、マグネシウム、ナトリウム重量の異なるサンプルを作成し、味の評価を行い、下記に詳細を記載する。
製造方法としては、原料の海水からカルシウムを回収し、濃縮する方法としては例えば、海水を加熱濃縮する過程で、析出差を利用して、沈殿物を採取し、この沈殿物を、好ましくは水、または、海水またはそれらの混合物に再溶解し、さらに濃縮過程を加えることにより、析出差に応じて、残存溶解液のミネラル組成を変化させることができる。求めるミネラル組成の残存溶解液を採取して、本発明の組成比の液状カルシウム剤とすることができる。
また、海水を濃縮する過程で析出した沈殿物を再溶解し、液中のプラスイオンやマイナスイオンを交換した後、さらに濃縮過程を加えることで液状カルシウム含有剤を得ることもできる。上記方法を組み合わせ海水のみを原料とした液状カルシウム含有剤を得ることもできる。
製法は、濃縮法やイオン交換ニガリ法について説明するが、これに限るものではない。
海水から水分を蒸発させながら濃縮する過程を例に取ると、主な成分の析出順番は、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウムとなる。他の微量ミネラル成分も、途中で沈殿して混合されていることとなる。析出順番は、明確に区分されるのではなく、重複しながら析出するので、採取時期によって、沈殿物に含まれる元素の組成比が変化することとなる。
炭酸カルシウムと硫酸カルシウムが主として析出するタイミングで、沈殿物を採取する。この沈殿物は、主として炭酸カルシウム及び硫酸カルシウムで溶解度が低く、この化合物では難溶性の固体となり、使いづらい剤型である。この沈殿物に塩酸を添加して混合すると、高溶解性の塩化カルシウムに転換されて、高濃度溶液カルシウム剤とすることができる。沈殿物にマグネシウムやナトリウムなども含まれることとなる。
濃縮過程において、炭酸ナトリウムを添加すると、沈殿物中の炭酸カルシウム割合が増えるので、マグネシウム化合物の混入比率を下げることができる。また、炭酸マグネシウムの形態でも析出することとなる。
水分を蒸発させて濃縮する過程で沈殿するタイミング、炭酸ナトリウムの添加量などをコントロールすることにより、カルシウムリッチであって、沈殿物に含まれる元素比を調整することができることとなる。主要元素である、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムの外の微量ミネラルについても、不可避的に混入するので、微量ミネラルを含むカルシウムリッチの液剤を得ることができる。この液剤を例えば濃縮乾固することによって固状カルシウム含有剤としてもよい。
イオン交換を利用した製塩法による副産物であるニガリを原料とすることができる。このイオン交換ニガリの組成は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムの化合物であり、海水中と同様にマグネシウムの方がカルシウムよりも多く含まれており、「苦汁」と称される所以である。
これを原料として、炭酸ナトリウムを添加して、炭酸カルシウムの形にして、析出させて沈殿物を採取する。採取された沈殿物には、カルシウムがリッチであり、他にマグネシウムやナトリウムが含まれている。
この沈殿物に塩酸を添加して、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウムや微量元素が混入した液剤を製造できる。
炭酸ナトリウムの添加量や、析出タイミングで各元素の組成比を調整できることは、上記の濃縮法と同様によって行われる。
Ca/Mgが約5〜150、Ca/Naが約1〜200を作り出すことができる。そして、カルシウムの含有量は1重量%以上とすることが可能である。
牛乳、発酵乳などミネラルの量が多くなると凝集する液状食品に使用する際は注意が必要であるが、物性が変わりにくいサプリメント、スナック菓子、パン、清涼飲料などに特に使用することができる。
<試作A>
(1)第1工程:目開き0.3マイクロメートルのフィルターでろ過した兵庫県赤穂市坂越沖の海水1リットルに濃度10g/リットルの炭酸ナトリウム400gを加え、1.1gの沈殿物を得た。
(2)第2工程:この沈殿物1gを700gの水に分散し、3N塩酸を加え沈殿物を完全に溶解し、ミネラル分析を行い、カルシウム0.4g/リットル、マグネシウム0.08g/リットル、ナトリウム0.4g/リットル、カルシウムとマグネシウムの重量割合(Ca/Mg)が5、カルシウムとナトリウムの重量割合(Ca/Na)が1の液状カルシウム含有剤を得た。さらに、この液状カルシウム含有剤に含まれる人に必要な微量ミネラルの分析を行った結果、亜鉛20μg/リットル、リン18μg/リットル、マンガン12μg/リットル、鉄0.9μg/リットル、銅0.5μg/リットルの結果を得た。(試料A1)
(3)第3工程:試料A1)の溶液を減圧下で加熱し水分を蒸発させた。蒸発させる水分量を変え、表2に示す試料A2)、試料A3)の液状カルシウム含有剤を得た。
(4)第4工程:試料A1)の溶液710gを減圧下で加熱し、0.8gの固状カルシウム含有剤を得た。分析した結果、Ca/Mg、Ca/Naともに試料A1)と同じであった。
(1)第1工程:目開き0.3マイクロメートルのフィルターでろ過した兵庫県赤穂市坂越沖の海水80リットルに濃度10g/リットルの炭酸ナトリウム2400gを加え、生成した沈殿物をろ過装置でろ過した後、60gの沈殿物を得た。
(2)第2工程:この沈殿物38gを26gの水に分散し、6N塩酸を加え結晶を完全に溶解し、ミネラル分析を行い、カルシウム10g/リットル、マグネシウム0.4g/リットル、ナトリウム1g/リットル、カルシウムとマグネシウムの重量割合(Ca/Mg)が25、カルシウムとナトリウムの重量割合(Ca/Na)が10の液状カルシウム含有剤を得た。(試料B1)
(3)第3工程:試料B1)の溶液を減圧下で加熱し水分を蒸発させた。蒸発させる水分量を変え、表2に示す試料B2)、試料B3)の液状カルシウム含有剤を得た。
(4)第4工程:試料B1)の溶液120gを減圧下で加熱し、3gの固状カルシウム含有剤を得た。分析した結果、Ca/Mg、Ca/Naともに試料B1)と同じであった。
試作Aにおいて第1工程で使用する炭酸ナトリウム量を100g〜4,800gの範囲で変え、種々の沈殿物を得た。
これらの沈殿物を使用し、<試作B>の第2工程を実施して液状カルシウム含有剤を得た。
次にこれらの液状カルシウム含有剤を使用し、第3工程を実施し液状カルシウム含有剤を得た。
水分蒸発過程で沈殿が析出した場合は、沈殿物を分離したものを液状カルシウム含有剤とした。
分析結果を表2に示す。表2中の試料C28)、C29)、C33)については、それぞれ200gを用い<試作A、B>と同様の第4工程を実施し、それぞれ5gの固状カルシウム含有剤を得た。分析した結果、Ca/Mg、Ca/Naともに試料C28)、C29)、C33)と同じであった。
<試作D>
(1)第1工程:カルシウム1.6%、マグネシウム3.2%、ナトリウム2.7%を含むイオンにがり38リットルに濃度10g/リットルの炭酸ナトリウム48kgを加え、生成した沈殿物をろ過装置でろ過した後、400gの沈殿物を得た。
(2)第2工程:この沈殿物130gを100gの水に分散し、3N塩酸を加え結晶を完全に溶解し、ミネラル分析を行い、カルシウム30g/リットル、マグネシウム1.2g/リットル、ナトリウム3g/リットルとした、カルシウムとマグネシウムの重量割合(Ca/Mg)が25、カルシウムとナトリウムの重量割合(Ca/Na)が10の液状カルシウム含有剤を得た。(試料D1)
(3)第3工程:試料D1)の溶液を減圧下で加熱し水分を蒸発させた。蒸発させる水分量を変え、表3に示す試料D2)の液状カルシウム含有剤を得た。
試作Dにおいて第1工程で使用する炭酸ナトリウム量を変え、種々の白色沈殿物を得た。
これらの白色沈殿物を使用し、第2工程を実施して液状カルシウム含有剤を得た。
次にこれらの液状カルシウム含有剤を使用し、第3工程を実施し液状カルシウム含有剤を得た。
水分蒸発過程で沈殿が析出した場合は、沈殿物を分離したものを液状カルシウム含有剤とした。
分析結果を表3に示す。表3中の試料E6)、E10)については、それぞれ3kgを用い<試作A、B>の第4工程を実施し、各々500gの固状カルシウム含有剤を得た。分析した結果、Ca/Mg、Ca/Naともに試料E6)、E10)と同じであった。
(1)味比較試験方法
カルシウムを食事の時に飲料の形態で補給することを想定し、表2及び表3の試料から選定した液状カルシウム含有液に蒸留水を加えてカルシウム濃度を1g/リットルとした。
このサンプル0.1リットルをテイスター(味の評価が適正にできる試験に合格したもの)10名に試飲してもらい、にがみ、からみの評価を行い、総合的に判断してカルシウムとマグネシウムの重量割合(Ca/Mg)及びカルシウムとナトリウムの重量割合(Ca/Na)の範囲を決めた。評価結果を表4に示す。
(2)「にがみ」味の評価基準
にがみの評価は、下記4段階の基準で点数化したのち、10名の平均点を記号化した。平均点によって味の評価とした。
(基準)
良好 :1点
わずかににがい :2点
にがみが感じられる :3点
強いにがみ :4点
(平均値)
1.0〜1.5点未満 :◎
1.5〜2.5点未満 :○
2.5〜3.5点未満 :△
3.5〜4.0点 :×
からみの評価は、下記4段階の基準で点数化したのち、10名の平均点を記号化した。
(基準)
良好 :1点
わずかにからい :2点
からみが感じられる :3点
強いからみ :4点
(平均値)
1.0〜1.5点未満 :◎
1.5〜2.5点未満 :○
2.5〜3.5点未満 :△
3.5〜4.0点 :×
1)にがみとからみの評価のどちらかに×がある :×
2)1)以外でにがみとからみの評価のどちらかに△がある :△
3)1)、2)以外でにがみとからみの評価のどちらかに○がある :○
4)にがみとからみの評価のどちらとも◎である :◎
(1)「からみ」については、Ca/Mgは1以上、Ca/Naは1以上で弱く感じられ、Ca/Naが大きくなるにつれて、からみは弱まり、影響が少なくなることがわかる。
(2)「にがみ」については、Ca/Mgは3以上、Ca/Naは1以上で弱く感じられ、Ca/Mgが大きくなるにつれて、にがみは弱まり、影響が少なくなることがわかる。
(3)総合してみると、Ca/Mgは3以上、Ca/Na1以上で緩和される。Ca/Mgは5以上、Ca/Na1以上でわずかににがみとからみが感じられる程度になる。Ca/Mgは5以上、Ca/Na50以上の組み合わせ、又はCa/Mgは10以上、Ca/Na5以上の組み合わせにおいてにがみとからみは感じられずに良好になる。
(4)この実施例1の分析等から、本試験例で得られる試料にはCa、Mg、Naの外、多種類のミネラル成分が含まれていることが明らかとなった。これは、海水に含まれる多品種のミネラルが持ち込まれたことを示している。
Claims (7)
- 少なくともカルシウム、マグネシウム、ナトリウムの3種類のミネラル成分を含みカルシウムとマグネシウムの重量割合(Ca/Mg)が5以上であることを特徴とする海水由来のカルシウム含有剤。
- カルシウムとナトリウムの重量割合(Ca/Na)が1以上であることを特徴とする請求項1記載のカルシウム含有剤。
- カルシウム、マグネシウム、ナトリウムの3種類のミネラル成分の重量組成比が、Ca:Mg:Naが1.0:0.007〜0.2:0.005〜1.0であることを特徴とする請求項1又は2記載のカルシウム含有剤。
- 1重量%以上のカルシウムを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカルシウム含有剤。
- 食品添加剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のカルシウム含有剤。
- 液状である請求項1〜5のいずれかに記載のカルシウム含有剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のカルシウム含有剤を含有したカルシウム飲料。
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