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JP2014095144A - スパッタリングターゲット - Google Patents

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JP2014095144A
JP2014095144A JP2013077481A JP2013077481A JP2014095144A JP 2014095144 A JP2014095144 A JP 2014095144A JP 2013077481 A JP2013077481 A JP 2013077481A JP 2013077481 A JP2013077481 A JP 2013077481A JP 2014095144 A JP2014095144 A JP 2014095144A
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JP2013077481A
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Shigeo Matsuzaki
滋夫 松崎
Asami Nishimura
麻美 西村
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

【課題】異常放電、ノジュール及びパーティクルの発生を抑制し、S値が小さく、TFT信頼性に優れ、かつ移動度が高い酸化物半導体膜を製造することができるスッパタリングターゲットを提供する。
【解決手段】In元素、Ga元素及びZn元素を含む酸化物を含み、結晶相として少なくともInGaZnOで表されるホモロガス相、InGaZnOで表されるホモロガス相、及びInで表されるビックスバイト相を含み、X線回折測定で得られる前記各結晶相の強度が下記式(1−1)及び(1−2)を満たす焼結体を含むスパッタリングターゲット。(式中、I(X)はXの結晶相の強度を示す。)
I(InGaZnO)>I(InGaZnO) (1−1)
I(InGaZnO)>I(In) (1−2)
【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタリングターゲット及びその製造方法に関する。
酸化インジウム及び酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ガリウム及び酸化亜鉛、又は酸化インジウム及び酸化ガリウム等からなる酸化物薄膜は、可視光透過性に優れ、かつ、導電体から半導体、絶縁体まで幅広い電気特性を有するため、透明電極や薄膜トランジスタ(TFT)用半導体膜として注目されている。
これらの透明酸化物薄膜は、スパッタリング法、PLD(パルスレーザデポジション)法、蒸着法等の成膜方法により成膜することができる。なかでも、大面積に均一成膜可能なスパッタリング法が主に検討されている。スパッタリング法には、スパッタリングターゲット(ターゲット)が用いられる。
TFT用半導体膜製造用のターゲットとして、酸化インジウム、酸化ガリウム及び酸化亜鉛を用いたIn−Ga−Zn系(IGZO系)酸化物半導体が精力的に検討されている。
IGZO系ターゲットとしては、InGaZnO,InGaZnO等で示される公知のホモロガス系結晶を含有する組成(特許文献1)、又はそれと近い組成の化合物が検討されている。
また、組成に応じて、Inで示されるビックスバイト構造やスピネル構造(特許文献2〜4)を有する化合物を含有するターゲットも検討されている。また、非特許文献1にはInGaO(ZnO)等のInGaO(ZnO)(m=1〜20)で表される酸化物及びその合成法が開示されている。
IGZO系の焼結体及びターゲットとして、上記以外に、特許文献5,6は新規な結晶構造を開示している。このIGZO系の酸化物半導体薄膜に関する検討について、コスパッタ法(複数のターゲットを用いて種々の組成比からなる薄膜を製造する方法)により組成比の異なる薄膜の検討が報告されている(特許文献7,8)。
特開平8−245220号公報 特開2007−73312号公報 国際公開第2009/084537号パンフレット 国際公開第2008/072486号パンフレット 国際公開第2011/061930号パンフレット 国際公開第2011/061936号パンフレット 特開2007−281409号公報 特開2008−053356号公報
N.Kimizuka et al.,Journal of Solid State Chemistry,Vol 116,Issue 1,1995
スパッタ法で用いられるターゲットは、導電性が高く、異常放電やノジュール、パーティクルの発生が少ないものが望まれるが、そのようなターゲットの製造は容易ではない。その理由は、ターゲットの製造条件や成分の配合によってターゲットの性質や状態が変わり、導電性が変化したり、ノジュールや異常放電、パーティクルの発生のしやすさが変化するためである。これは、製造したターゲットを構成する結晶構造の種類や分布が影響し、組成や製造条件毎に安定して生成する結晶系が異なることに由来する。
異常放電、ノジュール、パーティクル等が少ないターゲットを得るために、ターゲット組成中の結晶相を的確に選択することが極めて有効である。これらの発生は、ターゲットを構成する結晶相の種類やその大きさ(結晶粒径)により大きく依存する。ターゲット中の欠陥(ポアやクラック)が少なく、高密度であることは、異常放電やノジュール、パーティクルの生成を抑制する上で重要であるが、一方結晶相の種類により抵抗が高い結晶を作製してしまった場合にもこれらが問題となる。
また、スパッタ法で製造した半導体薄膜が所望の性能を発揮することも当然ながら求められる。
このように、得られる酸化物半導体薄膜の性能を向上させ、成膜時の安定性が高いターゲットであって、かつターゲットの製造時にも欠陥の少ない高密度なものを製造しなければならないが、現在までの検討では必ずしも十分に満足のいくものではなかった。
本発明の目的は、異常放電、ノジュール及びパーティクルの発生を抑制し、S値が小さく、TFT信頼性に優れ、かつ移動度が高い酸化物半導体膜を製造することができるスッパタリングターゲットを提供することである。
本発明者らが鋭意研究した結果、InGaZnOで示されるホモロガス化合物がInGaZnOで示されるホモロガス化合物より多く存在するスパッタリングターゲットは、工業用プロセスに適用した場合にも製造条件の許容幅が広い、即ち、酸化物半導体薄膜の成膜時における、異常放電、ノジュール及びパーティクルの生成を抑制でき、得られる酸化物薄膜がTFT特性に優れることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下のスパッタリングターゲット等が提供される。
1. In元素、Ga元素及びZn元素を含む酸化物を含み、結晶相として少なくともInGaZnOで表されるホモロガス相、InGaZnOで表されるホモロガス相、及びInで表されるビックスバイト相を含み、X線回折測定で得られる前記各結晶相の強度が下記式(1−1)及び(1−2)を満たす焼結体を含むスパッタリングターゲット。
I(InGaZnO)>I(InGaZnO) (1−1)
I(InGaZnO)>I(In) (1−2)
(式中、I(X)はXの結晶相の強度を示す。)
2.前記InGaZnOで表わされるホモロガス相の強度が、前記InGaZnOからなるホモロガス相の強度より1.2倍以上大きい1に記載のスパッタリングターゲット。
3.前記InGaZnOで表わされるホモロガス相の強度が、前記Inからなるビックスバイト相の強度より1.2倍以上大きい1又は2に記載のスパッタリングターゲット。
4.In元素、Ga元素及びZn元素を含む酸化物を含み、結晶相として少なくともInGaZnOで表わされるホモロガス相、InGaZnOで表わされるホモロガス相、及びInで表わされるビックスバイト相を含み、走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって測定した前記各結晶相の断面占有面積が下記式(2−1)及び(2−2)を満たす焼結体を含むスパッタリングターゲット。
S(InGaZnO)>S(InGaZnO) (2−1)
S(InGaZnO)>S(In) (2−2)
(式中、S(X)はXの結晶相の断面占有面積を示す。)
5.前記InGaZnOで表わされるホモロガス相の断面占有面積が、前記InGaZnOのからなるホモロガス相の断面占有面積より1.5倍以上大きい4に記載のスパッタリングターゲット。
6.前記InGaZnOで表わされるホモロガス相の断面占有面積が、Inで表わされるビックスバイト相の断面占有面積より1.5倍以上大きい4又は5に記載のスパッタリングターゲット。
7.前記焼結体の原子比が下記式(3−1)〜(3−3)を満たす1〜6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
0.45<In/(In+Ga+Zn)<0.70 (3−1)
0.20<Ga/(In+Ga+Zn)<0.45 (3−2)
0<Zn/(In+Ga+Zn)<0.15 (3−3)
8.前記式(3−1)が下記式(3−1’)である7に記載のスパッタリングターゲット。
0.47<In/(In+Ga+Zn)<0.68 (3−1’)
9.前記式(3−2)が下記式(3−2’)である7又は8に記載のスパッタリングターゲット。
0.22<Ga/(In+Ga+Zn)<0.43 (3−2’)
10.前記式(3−3)が下記式(3−3’)である7〜9のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
0.01<Zn/(In+Ga+Zn)<0.15 (3−3’)
11.前記焼結体がスピネル構造化合物を含まない1〜10のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
12.In元素、Ga元素及びZn元素を含む原料を含む成型体を1300〜1500℃、1〜180時間で焼結する1〜11のいずれかに記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
13.酸素濃度が50体積%以上の雰囲気下で成型体を焼結する12に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
14.1〜11のいずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いて作製した酸化物薄膜をチャネル層として有する電界効果型薄膜トランジスタ。
15.14に記載の電界効果型薄膜トランジスタを備えた表示装置。
本発明によれば、異常放電、ノジュール及びパーティクルの発生を抑制し、S値が小さく、TFT信頼性に優れ、かつ移動度が高い酸化物半導体膜を製造することができるスッパタリングターゲットが提供できる。
実施例1で作製した焼結体の断面結晶相のSEM画像である。 実施例2で作製した焼結体の断面結晶相のSEM画像である。 実施例3で作製した焼結体の断面結晶相のSEM画像である。 実施例4で作製した焼結体の断面結晶相のSEM画像である。 比較例2で作製した焼結体の断面結晶相のSEM画像である。 実施例、比較例で作製した薄膜トランジスタの概略断面図である。
本発明の第1のスパッタリングターゲットは焼結体を含み、焼結体は、In元素、Ga元素及びZn元素を含む酸化物を含み、結晶相として少なくともInGaZnOで表わされるホモロガス相、InGaZnOで表わされるホモロガス相、及びInで表わされるビックスバイト相を含む。
また、焼結体に含まれる上記の結晶相をX線回折測定して得られる強度は、下記式(1−1)及び(1−2)を満たす。
I(InGaZnO)>I(InGaZnO) (1−1)
I(InGaZnO)>I(In) (1−2)
(式中、I(X)はXの結晶相の強度を示す。)
InGaZnOで表わされるホモロガス相、InGaZnOで表わされるホモロガス相、及びInで表わされるビックスバイト相の結晶相を有することは、X線回折測定で確認できる。X線回折測定は、具体的には実施例に記載の方法により行うことができる。
結晶構造は、例えばターゲット(焼結体)のX線回折パターンが、想定される結晶構造X線回折パターンと一致することから確認できる。
具体的には、JCPDS(Joint Committee of Powder Diffraction Standard)カードやICSD(The Inorganic Crystal Structure Database)から得られる結晶構造X線回折パターンと一致することから確認することができる。
InGaZnOで表わされるホモロガス相は、X線回折で、JCPDSデータベースの38−1097のピークパターン、又は類似の(シフトした)パターンを示すものである。InGaZnOで表わされるホモロガス相X線回折で、JCPDSデータベースの38−1104のピークパターン、又は類似の(シフトした)パターンを示すものである。
ホモロガス構造に由来する結晶相とは、異なる物質の結晶層を何層か重ね合わせた長周期を有する「自然超格子」構造からなる結晶である。結晶周期ないし各薄膜層の厚さが、ナノメーター程度の場合、これら各層の化学組成や層の厚さの組み合わせによって、単一の物質や各層を均一に混ぜ合わせた混晶の性質とは異なる固有の特性を示す場合がある。
ホモロガス相の結晶構造は、例えば、ターゲットの粉砕物又は切削片について測定したX線回折パターンが、組成比から想定されるホモロガス相の結晶構造X線回折パターンと一致することから確認できる。具体的には、JCPDSカードから得られるホモロガス相の結晶構造X線回折パターンと一致することから確認することができる。
焼結過程において組成により明確な結晶構造を呈さない場合がある。これは、結晶相の移行途中の場合や不明確な秩序性を有することが原因と考えられる。このような場合は、混合している原料からなる組成比と結晶相の組成比が必ずしも一致せず、同定不明なピークとして観測されるか、ピークが観測されない様なケースがある。本発明においては、これらの場合においては、特に性能を悪化させない範囲において無視できるとする。
Inで表わされるビックスバイト相は、焼結体をX線回折測定した結果、ビックスバイト構造化合物のピークが観察されることにより確認できる。
ビックスバイト(bixbyite)は、希土類酸化物C型又はMn2O3(I)型酸化物とも言われる。「透明導電膜の技術」((株)オーム社出版、日本学術振興会、透明酸化物・光電子材料第166委員会編、1999)等に開示されている通り、化学量論比がM(Mは陽イオン、Xは陰イオンで通常酸素イオン)で、一つの単位胞はM16分子、合計80個の原子(Mが32個、Xが48個)により構成されている。
ビックスバイト構造は、X線回折で、JCPDSデータベースのNo.06−0416のピークパターンか、又は類似の(シフトした)パターンを示す。
また、結晶構造中の原子やイオンが一部他の原子で置換された置換型固溶体、他の原子が格子間位置に加えられた侵入型固溶体もビックスバイト構造化合物に含まれる。
また、上記焼結体は、InGaZnOで表されるホモロガス相、InGaZnOで表されるホモロガス相、及びInで表されるビックスバイト相以外の結晶相を含んでもよいが、スピネル構造化合物を含まないことが好ましく、InGaZnOで表されるホモロガス相、InGaZnOで表されるホモロガス相、及びInで表されるビックスバイト相から実質的になることがより好ましい。
上記「実質的になる」とは、焼結体中のInGaZnOで表されるホモロガス相、InGaZnOで表されるホモロガス相、及びInで表されるビックスバイト相が、95原子%以上、97原子%以上、98原子%以上、又は99原子%以上であることを意味する。また、「実質的になる」は「のみからなる」を含む。
スピネル構造は、Aを2価のカチオン、Bを3価のカチオンとした場合に、ABの組成をとるイオン結晶であり、O2−が形成する立体面心格子の四面体隙間の8分の1にAが充填され、八面体隙間の2分の1にBが充填された構造を有する。逆スピネル構造は、スピネル構造と同様にABの組成をとるイオン結晶であり、四面体隙間の8分の1にBが充填され八面体隙間の2分の1にA及びBが充填された構造を有する。
本発明の第1のスパッタリングターゲット(焼結体)は、InGaZnOホモロガス構造の存在比率がInGaZnOホモロガス構造より大きいことにより、従来のスパッタ装置を用いて酸化物薄膜を製造する場合において、好適に製造することが可能である。具体的には、異常放電、ノジュール及びパーティクルの発生を抑制することができる。
また、InGaZnOホモロガス構造の存在比率がInビックスバイト構造より大きいため、酸化物薄膜製造時にパーティクルの発生を効果的に抑制し、それに伴う異常放電を抑制することができる。
結晶相の強度は、X線回折測定によって得られた各結晶相のメインピーク高さから求めることができる。具体的には、実施例に記載の方法により測定できる。
上記焼結体において、I(InGaZnO)はI(InGaZnO)より大きく、好ましくは1.2倍以上大きい。また、I(InGaZnO)はI(In)より大きく、好ましくは1.2倍以上大きい。
本発明の第1のスパッタリングターゲットに用いる焼結体において、各原子の原子比が下記式(3−1)〜(3−3)を満たすことが好ましい。
0.45<In/(In+Ga+Zn)<0.70 (3−1)
0.20<Ga/(In+Ga+Zn)<0.45 (3−2)
0<Zn/(In+Ga+Zn)<0.15 (3−3)
上記式(3−1)において、In元素の量が0.45超であると、InGaZnOで表わされるホモロガス構造が効率よく構成することができる。また、0.70未満であるとビックスバイト構造の生成を抑制することができる。
Inの原子比は、より好ましくは下記式(3−1’)を満たす。
0.47<In/(In+Ga+Zn)<0.68 (3−1’)
上記式(3−2)において、Ga元素の量が0.20超であると、酸化物半導体として適用した場合の安定性(駆動時の信頼性や光信頼性)が得られる。また、0.45未満であると薄膜形成時の抵抗値の上昇を抑制し、良好な半導体特性を得ることができる。
Gaの原子比は、より好ましくは下記式(3−2’)を満たす。
0.22<Ga/(In+Ga+Zn)<0.43 (3−2’)
上記式(3−3)において、Zn元素の量が0.15未満であるとInGaZnOの生成を抑制し、InGaZnOを効率よく構成できる。
Znの原子比は、より好ましくは下記式(3−3’)を満たす。
0.01<Zn/(In+Ga+Zn)<0.15 (3−3’)
焼結体に含まれる各元素の原子比は、誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES)により、含有元素を定量分析して求めることができる。
具体的に、溶液試料をネブライザーで霧状にして、アルゴンプラズマ(約6000〜8000℃)に導入すると、試料中の元素は熱エネルギーを吸収して励起され、軌道電子が基底状態から高いエネルギー準位の軌道に移る。この軌道電子は10−7〜10−8秒程度で、より低いエネルギー準位の軌道に移る。この際にエネルギーの差を光として放射し発光する。この光は元素固有の波長(スペクトル線)を示すため、スペクトル線の有無により元素の存在を確認できる(定性分析)。
また、それぞれのスペクトル線の大きさ(発光強度)は試料中の元素数に比例するため、既知濃度の標準液と比較することで試料濃度を求めることができる(定量分析)。
定性分析で含有されている元素を特定後、定量分析で含有量を求め、その結果から各元素の原子比を求める。
本発明の第1のスパッタリングターゲットに用いる焼結体は、本発明の効果を損ねない範囲において、上述したIn、Ga及びZn以外の他の金属元素を含有していてもよいし、実質的にIn、Ga及びZnのみ、又はIn、Ga及びZnのみからなっていてもよい。
In、Ga及びZn以外の他の金属元素としては、Sn,Mg,Ti,Al,Si等が挙げられる。
ここで、「実質的」とは、スパッタリングターゲットとしての効果が上記In、Ga及びZnに起因すること、又は焼結体の金属元素の95重量%以上100重量%以下(好ましくは98重量%以上100重量%以下)がIn、Ga及びZnであることを意味する。
本発明に用いる焼結体は、本発明の効果を損なわない範囲でIn、Zn及びGaの他に不可避不純物を含んでいてもよい。
本発明の第1のスパッタリングターゲットは、DCスパッタに用いる場合、好ましくは比抵抗値が1.0×−4Ωcm以下であり、より好ましくは5.0×−5Ωcm以下である。ターゲットの比抵抗値は、ターゲット密度と関係しているため、高密度状態に焼結することが望ましい。
また、本発明の第1のスパッタリングターゲットは、好ましくは相対密度が95%以上であり、より好ましくは98%以上である。
本発明の第2のスパッタリングターゲットは焼結体を含み、焼結体は、In元素、Ga元素及びZn元素を含む酸化物を含み、結晶相として少なくともInGaZnOで表わされるホモロガス相、InGaZnOで表わされるホモロガス相、及びInで表わされるビックスバイト相を含む。
また、上記焼結体は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察から判別される上記の結晶相の断面占有面積が下記式(2−1)及び(2−2)を満たす。
S(InGaZnO)>S(InGaZnO) (2−1)
S(InGaZnO)>S(In) (2−2)
(式中、S(X)はSの結晶相の断面占有面積を示す。)
本発明の第2のスパッタリングターゲット(焼結体)は、InGaZnOホモロガス構造の存在比率(焼結体断面における占有面積)がInGaZnOホモロガス構造より大きいことにより、従来のスパッタ装置を用いて酸化物薄膜を製造する場合において、好適に製造することが可能である。具体的には、異常放電、ノジュール及びパーティクルの発生を抑制することができる。
また、InGaZnOホモロガス構造の存在比率がInビックスバイト構造より大きいため、酸化物薄膜製造時にパーティクルの発生を効果的に抑制し、それに伴う異常放電も抑制することができる。
焼結体断面における結晶相の観察は、以下のように行うことができる。即ち、焼結体を研磨後、適宜切断、包埋研磨して観察試料とする。この観察試料を1000倍でSEM観察することにより各結晶相を識別することができる。
SEM観察では、通常表面の凹凸を2次電子の検出で画像化するが、表面が平滑であれば、導電性の違いによりコントラストを形成し画像確認することが可能である。包埋研磨により作製した平滑な表面を有する試料をSEM観察することで各結晶相の存在が識別できる。
上記焼結体において、S(InGaZnO)はS(InGaZnO)より大きく、好ましくは1.5倍以上大きい。また、S(InGaZnO)はS(In)より大きく、好ましくは1.5倍以上大きい。
本発明の第2のスパッタリングターゲットにおけるその他の条件は、本発明の第1のスパッタリングターゲットと同様である。
本発明の第1及び第2のスパッタリングターゲット(本発明のスパッタリングターゲット)は、例えば、各金属元素を含有する原料粉末を焼結することにより製造できる。
具体的には、原料粉末をボールミルやビーズミル等の粉砕機を用いて混合粉砕し、その後スプレードライヤ等により造粒し、HP、CP等の一軸プレスや冷間静水圧(CIP)、熱間静水圧(HIP)等の等方プレスにより成型後、焼成して得られる。
原料は、得られるターゲットが目的とする結晶相を形成できれば特に限定されるものではないが、凝集やクラック、ポアといった欠陥が生成しないように粒径や比表面積を適宜選択して配合する。
以下各工程について説明する。
(1)配合工程
配合工程では、本発明のスパッタリングターゲットに含有される金属元素の化合物を混合する。
原料としては、In化合物の粉末、Ga化合物の粉末、Zn化合物の粉末等を用いることができる。In化合物としては、例えば、酸化インジウム、水酸化インジウム等が挙げられる。Ga化合物としては、例えば、酸化ガリウム、水酸化ガリウム等が挙げられる。Zn化合物としては、例えば、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等が挙げられる。各々の化合物として、焼結のしやすさ、副生成物の残存等から、酸化物を適用することが好ましい。
酸化物を使用する場合、酸化インジウムと酸化ガリウムの表面積(BET表面積)は、各々、通常3〜18m/gであり、好ましくは7〜16m/であり、より好ましくは7〜15m/gである。酸化亜鉛の表面積(BET表面積)は、通常3〜18m/gであり、好ましくは3〜10m/、より好ましくは4〜10m/gである。比表面積が3m/g以上であると、焼結体中に各々の元素の凝集体が成長する、原料粉末の結晶型が残存する、想定外の結晶型が生成し性状が変化する等の問題を防ぐことができる。比表面積が18m/g以下であると、想定外の結晶相が生成し性状が変化する、分散不良を起こし外観不良や特性のムラが生じる等の問題を防ぐことができる。
原料の純度は、通常2N(99質量%)以上、好ましくは3N(99.9質量%)以上、特に好ましくは4N(99.99質量%)以上である。純度が2N以上であると、耐久性の低下が起こりにくく、また、液晶側に不純物が入り、焼き付けが起こることを防ぐことができる。
(2)成型工程
成型工程では、ターゲットとして好適な形状に成型する。成型処理としては、例えば、プレス成型(一軸成型)、金型成型、鋳込み成型、射出成型等が挙げられるが、焼結密度の高いターゲットを得るためには、冷間静水圧プレス(CIP)等で成型するのが好ましい。
尚、単なるプレス成型(一軸プレス)であると圧力にムラ生じて、想定外の結晶型の生成や結晶の変形のおそれがある。
また、プレス成型(一軸プレス)後に、冷間静水圧(CIP)、熱間静水圧(HIP)等を行い2段階以上の成型工程を設けてもよい。
CIP(冷間静水圧、又は静水圧加圧装置)を用いる場合、面圧800〜4000kgf/cmで0.5〜60分保持することが好ましく、面圧2000〜3000kgf/cmで2〜30分保持することがより好ましい。この範囲内であると、成型体内部の組成むら等が減り均一化されることが期待される。
また、面圧が800kgf/cm以上であると、焼結後の密度が上がりやすく、抵抗が高くなりにくい。面圧4000kgf/cm以下であると、装置が大きくなりすぎることなく、経済的である。保持時間が0.5分以上であると、焼結後の密度が上がりやすい。60分以下であると、時間が掛かりすぎることなく、経済的である。
尚、成型処理に際しては、ポリビニルアルコールやメチルセルロース、ポリワックス、オレイン酸等の成型助剤を用いてもよい。
(3)焼成工程
焼成工程は、上記成型工程で得られた成型体を焼成する工程である。焼成は、熱間静水圧(HIP)焼成等によって行なうことができる。
焼成条件としては、通常1100〜1600℃、好ましくは1300〜1500℃、より好ましくは1400〜1450℃で、通常30分〜360時間、好ましくは1〜180時間、より好ましくは12〜96時間焼成する。焼成温度が1100℃以上であると、ターゲットの密度が上がり、焼結に時間がかかり過ぎることがない。また、1600℃以下であれば、成分の気化による組成ずれが発生したり、炉を傷めたりすることがない。
燃焼時間が30分以上であれば、ターゲットの密度が上がり、360時間以下であれば、製造時間によるコスト高を抑えられ、実用上採用の可能性がある。
焼成は、通常大気雰囲気等の酸素が含まれている常圧雰囲気や、酸素濃度が50体積%以上、好ましくは80体積%以上の雰囲気等の形成方法があるが、特に酸素気流下で焼成する方法が好ましい。これら雰囲気条件は、求めるターゲットの性状により適宜選択することができるが、Znの蒸散を抑制する目的や窒化物の生成を抑制する目的から酸素気流下で実施することが好ましい。
酸素を含有する雰囲気で焼成した場合、ターゲット表面近傍で酸素欠陥を抑制したり、窒化物が生成する可能性を抑制する。
焼成時の昇温速度は、通常8℃/分以下、好ましくは4℃/分以下、より好ましくは2℃/分以下である。8℃/分以下であると降温時にクラックが発生しにくい。
また、焼成時の降温速度は、通常4℃/分以下、好ましくは2℃/分以下である。4℃/分以下であると降温時にクラックが発生しにくい。
(4)研磨工程
上記酸化物焼結体は必要に応じて所望の形状に加工することができる。
加工は酸化物焼結体をスパッタリング装置への装着に適した形状に切削加工し、またバッキングプレート等の装着用治具を取り付けるために行なってもよい。酸化物焼結体をスパッタリングターゲットとする場合には、焼結体を例えば、平面研削盤で研削して平均表面粗さRaを5μm以下とする。さらに、スパッタリングターゲットのスパッタ面に鏡面加工を施して、平均表面粗さRaを1000Å以下としてもよい。この鏡面加工(研磨)は機械的な研磨、化学研磨、メカノケミカル研磨(機械的な研磨と化学研磨の併用)等の、既に知られている研磨技術を用いることができる。例えば、固定砥粒ポリッシャー(ポリッシュ液:水)で#2000以上にポリッシングする、又は遊離砥粒ラップ(研磨材:SiCペースト等)にてラッピング後、研磨材をダイヤモンドペーストに換えてラッピングすることによって得ることができる。このような研磨方法には特に制限はない。
研磨後、ターゲットを洗浄することが好ましい。洗浄処理にはエアーブローあるいは流水洗浄等を使用できる。エアーブローで異物を除去する際には、ノズルの向い側から集塵機で吸気を行なうとより有効に除去できる。尚、以上のエアーブローや流水洗浄では限界があるので、さらに超音波洗浄等を行なうこともできる。この超音波洗浄は周波数25〜300KHzの間で多重発振させて行なう方法が有効である。例えば周波数25〜300KHzの間で、25KHz刻みに12種類の周波数を多重発振させて超音波洗浄を行なうのがよい。
得られたスパッタリングターゲットをバッキングプレートへボンディングする。ターゲットの厚みは通常2〜20mm、好ましくは3〜12mm、特に好ましくは4〜10mmである。また、複数のターゲットを1つのバッキングプレートに取り付け、実質1つのターゲットとしてもよい。
本発明のターゲットを用いて基板等の対象物にスパッタリングすることで酸化物薄膜を形成することができる。
上記の酸化物薄膜は、透明電極、薄膜トランジスタの半導体層、酸化物薄膜層等に使用できる。中でも、薄膜トランジスタの半導体層(チャネル層)として好適に使用できる。
本発明の薄膜トランジスタは、上記の酸化物薄膜を有していれば、その素子構成は特に限定されず、公知の各種の素子構成を採用することができる。本発明の薄膜トランジスタは、上記の酸化物薄膜を好ましくはチャネル層として有する。
本発明の薄膜トランジスタにおけるチャネル層の膜厚は、通常10〜300nm、好ましくは20〜250nm、より好ましくは30〜200nm、さらに好ましくは35〜120nm、特に好ましくは40〜80nmである。チャネル層の膜厚が10nm以上であると、大面積に成膜した際でも膜厚が均一であり、作製したTFTの特性を面内で均一にしやすい。一方、膜厚が300nm以下であると、成膜時間が適切であり、工業的に好ましい。
本発明の薄膜トランジスタにおけるチャネル層は、通常、N型領域で用いられるが、P型Si系半導体、P型酸化物半導体、P型有機半導体等の種々のP型半導体と組合せてPN接合型トランジスタ等の各種の半導体デバイスに利用することができる。
本発明の薄膜トランジスタは、上記チャネル層上に保護膜を備えることが好ましい。本発明の薄膜トランジスタにおける保護膜は、少なくともSiNを含有することが好ましい。SiNはSiOと比較して緻密な膜を形成できるため、TFTの劣化抑制効果が高いという利点を有する。
保護膜は、SiNの他に例えばSiO,Al,Ta,TiO,MgO,ZrO,CeO,KO,LiO,NaO,RbO,Sc,Y,HfO,CaHfO,PbTi,BaTa,Sm,SrTiO又はAlN等の酸化物等を含むことができるが、実質的にSiNのみからなることが好ましい。ここで、「実質的にSiNのみからなる」とは、本発明の薄膜トランジスタにおける保護層を構成する薄膜の70wt%以上、好ましくは80wt%以上、さらに好ましくは85wt%以上がSiNであることを意味する。
保護膜を形成する前に、チャネル層に対し、オゾン処理、酸素プラズマ処理、二酸化窒素プラズマ処理もしくは亜酸化窒素プラズマ処理を施すことが好ましい。このような処理は、チャネル層を形成した後、保護膜を形成する前であれば、どのタイミングで行ってもよいが、保護膜を形成する直前に行うことが望ましい。このような前処理を行うことによって、チャネル層における酸素欠陥の発生を抑制することができる。
また、TFT駆動中に酸化物半導体膜中の水素が拡散すると、閾値電圧のシフトが起こりTFTの信頼性が低下するおそれがある。チャネル層に対し、オゾン処理、酸素プラズマ処理もしくは亜酸化窒素プラズマ処理を施すことにより、結晶構造中においてIn−OHの結合が安定化され、酸化物半導体膜中の水素の拡散を抑制することができる。
薄膜トランジスタは、通常、基板、ゲート電極、ゲート絶縁層、有機半導体層(チャネル層)、ソース電極及びドレイン電極を備える。チャネル層については上述した通りであり、基板については公知の材料を用いることができる。
本発明の薄膜トランジスタにおけるゲート絶縁膜を形成する材料にも特に制限はなく、一般に用いられている材料を任意に選択できる。具体的には、例えば、SiO,SiN,Al,Ta,TiO,MgO,ZrO,CeO,KO,LiO,NaO,RbO,Sc,Y,HfO,CaHfO,PbTi,BaTa,SrTiO,Sm,AlN等の化合物を用いることができる。これらのなかでも、好ましくはSiO,SiN,Al,Y,HfO,CaHfOであり、より好ましくはSiO,SiN,HfO,Alである。
ゲート絶縁膜は、例えばプラズマCVD(ChemicalVaporDeposition;化学気相成長)法により形成することができる。
プラズマCVD法によりゲート絶縁膜を形成し、その上にチャネル層を成膜した場合、ゲート絶縁膜中の水素がチャネル層に拡散し、チャネル層の膜質低下やTFTの信頼性低下を招くおそれがある。チャネル層の膜質低下やTFTの信頼性低下を防ぐために、チャネル層を成膜する前にゲート絶縁膜に対してオゾン処理、酸素プラズマ処理、二酸化窒素プラズマ処理もしくは亜酸化窒素プラズマ処理を施すことが好ましい。このような前処理を行うことによって、チャネル層の膜質の低下やTFTの信頼性低下を防ぐことができる。
尚、上記の酸化物の酸素数は、必ずしも化学量論比と一致していなくともよく、例えば、SiOでもSiOでもよい。
ゲート絶縁膜は、異なる材料からなる2層以上の絶縁膜を積層した構造でもよい。また、ゲート絶縁膜は、結晶質、多結晶質、非晶質のいずれであってもよいが、工業的に製造しやすい多結晶質又は非晶質であることが好ましい。
本発明の薄膜トランジスタにおけるドレイン電極、ソース電極及びゲート電極の各電極を形成する材料に特に制限はなく、一般に用いられている材料を任意に選択することができる。例えば、ITO,IZO,ZnO,SnO等の透明電極や、Al,Ag,Cu,Cr,Ni,Mo,Au,Ti,Ta等の金属電極、又はこれらを含む合金の金属電極を用いることができる。
ドレイン電極、ソース電極及びゲート電極の各電極は、異なる2層以上の導電層を積層した多層構造とすることもできる。特にソース・ドレイン電極は低抵抗配線への要求が強いため、AlやCu等の良導体をTiやMo等の密着性に優れた金属でサンドイッチして使用してもよい。
本発明の薄膜トランジスタは、電界効果型トランジスタ、論理回路、メモリ回路、差動増幅回路等各種の集積回路にも適用できる。さらに、電界効果型トランジスタ以外にも静電誘起型トランジスタ、ショットキー障壁型トランジスタ、ショットキーダイオード、抵抗素子にも適応できる。
本発明の薄膜トランジスタの構成は、ボトムゲート、ボトムコンタクト、トップコンタクト等公知の構成を制限なく採用することができる。
特にボトムゲート構成が、アモルファスシリコンやZnOの薄膜トランジスタに比べ高い性能が得られるので有利である。ボトムゲート構成は、製造時のマスク枚数を削減しやすく、大型ディスプレイ等の用途の製造コストを低減しやすいため好ましい。
大面積のディスプレイ用としては、チャンネルエッチ型のボトムゲート構成の薄膜トランジスタが特に好ましい。チャンネルエッチ型のボトムゲート構成の薄膜トランジスタは、フォトリソ工程時のフォトマスクの数が少なく低コストでディスプレイ用パネルを製造できる。中でも、チャンネルエッチ型のボトムゲート構成及びトップコンタクト構成の薄膜トランジスタが移動度等の特性が良好で工業化しやすいため特に好ましい。
本発明の薄膜トランジスタは、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置に好適に用いることができる。
本発明のスパッタリングターゲットの実施例を以下に示す。以下の実施例は、本発明を実施するに当たって適用できる一例であり、本発明は、本発明の目的を損なわない限りにおいて、実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)酸化物焼結体の作製
原料として、In(純度4N、アジア物性材料社製)、Ga(純度4N、アジア物性材料社製)及びZnO(純度4N、高純度化学社製)を使用し、原子比でIn:Ga:Zn=60:35:5となるように秤量した。秤量した原料を、遊星ボールミルにおいて積算動力500kWhrで混合粉砕した後、媒体に0.5mmφのジルコニアビーズを使用した湿式媒体攪拌ミルにより微粉化した。次に、スプレードライヤにより乾燥、造粒した。得られた造粒粉末を金型に充填し、一軸プレス後、さらに冷間静水圧(CIP)にて面圧2200kgf/cmで5分間保持し、加圧成型して成型体を作製した。
その後、得られた成型体を電気炉にて焼結した。焼結条件は以下の通りとした。
昇温速度:2℃/分
焼結温度:1400℃
焼結時間:5時間
焼結雰囲気:酸素流入
降温時間:72時間
(2)スパッタリングターゲットの作製
焼結後、厚さ6mmの焼結体を厚さ5mm、直径4インチに研削、研磨した。この焼結体からターゲット用焼結体を切り出した。焼結体の側辺をダイヤモンドカッターで切断し、表面を平面研削盤で研削して、表面粗さRaを0.5μm以下とした。
次に、表面をエアーブローし、さらに周波数25〜300kHzの間で25kHz刻みに12種類の周波数を多重発振させて3分間超音波洗浄し、ターゲット素材を得た。
この後、ターゲット素材をインジウム半田にて無酸素銅製のバッキングプレートにボンディングしてスパッタリングターゲットとした。ターゲットの表面粗さはRa≦0.5μmであり、方向性のない研削面を備えていた。
(3)スパッタリングターゲットの評価
得られたターゲット(焼結体)について、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
(A)金属元素の比率(組成:原子比)
誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP−AES、島津製作所社製)により分析した。
(B)結晶構造、結晶相強度
焼結体研磨後の試料について、下記条件のX線回折測定(XRD)を行うことにより判定した。各ピークの同定は粉末X線回折パターン総合解析ソフトウェアJADEにより行なった。観察された結晶相を表1に示す。
尚、結晶相が観察された場合を「○」、ピークは観測されるが主結晶、副結晶でもない程度の微小なピークの場合を「△」、観察されなかった場合を「−」とした。また、JCPDSデータベースで同定できないピークが存在する場合、その他に「○」を記した。
また、表1中のI(InGaZnO)、I(InGaZnO)及びI(In)は、各結晶相のメインピーク高さから求めたカウント数である。
・装置:株式会社リガク製Ultima−III
・X線:Cu−Kα線(波長1.5406Å、グラファイトモノクロメータにて単色化)
・2θ−θ反射法、連続スキャン(1.0°/分)
・サンプリング間隔:0.02°
・スリット DS、SS:2/3°、RS:0.6mm
(C)焼結体断面の観察
焼結体断面における結晶相の観察は、以下のように行った。即ち、焼結体を研磨後、適宜切断、包埋研磨して観察試料とし、この観察試料を1000倍、具体的には104μm×86μmの範囲でSEM観察することにより各結晶相を識別した。断面結晶相の占有面積の測定は、上記SEM観察像を数視野(10視野)で実施し、その濃淡を画像処理ソフト(株式会社イノテック製、画像処理計測ソフト)により識別後、占有面積を計算した。
実施例1〜4及び比較例2の観察に用いたSEM像を図1〜5に示す。
このSEM像において最も白色な領域がInビックスバイト構造であり、灰色部分がInGaZnOで表わされるホモロガス相と同定され、より濃い灰色部分がInGaZnOで表わされるホモロガス相と同定される。この同定は電子線マイクロアナライザ(EPMA)測定による元素密度等から実施した。
また、視野中の黒色部は空孔であり、画像処理時には認識せずに占有面積の算出からは削除した。上記SEM像の視野内における濃淡から境界を明確にし、それから認識される領域を面積計算することで、1視野当たりの占有面積を算出した。その後、全視野で同様に占有面積を測定し、その平均値をS(InGaZnO)、S(InGaZnO)、S(In)とした。
(C)ターゲットの特性
(a)相対密度
原料粉の密度から計算した理論密度と、アルキメデス法で測定した焼結体の密度から、下記計算式にて算出した。
相対密度(%)=(アルキメデス法で測定した密度)÷(理論密度)×100
(b)バルク抵抗率(比抵抗)
焼結研磨後のターゲットについて、抵抗率計(三菱化学(株)製、ロレスタ)を使用して四探針法(JIS R1637)に基づき測定し、任意の10箇所の測定値の平均値を抵抗率とした。
(c)ノジュール
作製したターゲットをDCスパッタ成膜装置に装着した。0.3PaのAr雰囲気下で、DC出力200Wにて100時間連続スパッタを行ない、ターゲット表面に発生するノジュールを目視観察した。
(d)異常放電
作製したスパッタリングターゲットを、DCスパッタ装置に装着し、スパッタガスとしてArを用いて、0.3Pa、DC出力200Wにて、10kWhr連続スパッタを行ない、スパッタ中の電圧変動をデータロガーに蓄積し、異常放電の有無を確認した。異常放電の有無は、電圧変動をモニターし異常放電を検出することにより行った。5分間の測定時間中に発生する電圧変動がスパッタ運転中の定常電圧の10%以上あった場合を異常放電とし、回数を計測した。
(e)パーティクル
作製したスパッタリングターゲットを、DCスパッタ装置に装着し、スパッタガスとしてArを用いて、0.3Pa、DC出力200Wにて、100hr連続スパッタを行なった際の非エロージョン部分に堆積したパーティクル粉の存在量(存在領域面積及び厚さ)を目視で比較、判断した。
(4)薄膜トランジスタ(TFT)の作製
図6に示すチャンネルストッパー型薄膜トランジスタ(逆スタガ型薄膜トランジスタ)を作製し、評価した。
基板10は、ガラス基板(Corning 1737)を用いた。まず、基板10上に電子ビーム蒸着法により、厚さ10nmのMoと厚さ80nmのAlと厚さ10nmのMoをこの順で積層した。積層膜をフォトリソグラフィー法とリフトオフ法を用いて、ゲート電極20に形成した。
ゲート電極20及び基板10上に、厚さ200nmのSiO2膜をTEOS−CVD法により成膜し、ゲート絶縁層30を形成した。尚、ゲート絶縁層の成膜はスパッタ法でもよいが、TEOS−CVD法やPECVD法等のCVD法で形成することが好ましい。スパッタ法ではオフ電流が高くなるおそれがある。
続いて、RFスパッタ法により、実施例1で作製したターゲットを使用して、厚さ40nmの半導体膜40(チャネル層)を形成した。半導体膜40の上に、スパッタ法によりエッチングストッパー層60(保護膜)としてSiO膜を堆積した。尚、保護膜の成膜方法はCVD法でもよい。
投入RFパワーは200Wとした。成膜時の雰囲気は全圧0.4Paであり、その際のガス流量比はAr:O=92:8とした。また、基板温度は70℃とした。堆積させた酸化物半導体膜と保護膜は、フォトリソグラフィー法及びエッチング法により、適当な大きさに加工した。
エッチングストッパー層60の形成後に、厚さ5nmのMoと厚さ50nmのAlと厚さ5nmのMoをこの順で積層し、フォトリソグラフィー法とドライエッチングにより、ソース電極50及びドレイン電極52を形成した。
その後、大気中300℃で60分間熱処理し、チャネル長が10μmで、チャネル幅が100μmのトランジスタを作製した。
(5)TFTの評価
作製した薄膜トランジスタについて、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
(a)移動度(電界効果移動度(μ))、S値及びオンオフ比
半導体パラメーターアナライザー(ケースレー4200)を用い、室温、遮光環境下で測定した。
(b)閾値電圧(Vth)
トランスファ特性の結果から、√Id−Vgのグラフを作製し、そのx切片から求めた。
(c)信頼性評価
下記のDCバイアスストレス試験を行った。Vg=15V、Vd=15VのDCストレス(ストレス温度80℃下)を10000秒印加した前後における、閾値電圧の変化を測定した。閾値電圧変化の絶対値が0.3V未満の場合を「○」、0.3〜1.0Vの場合を「△」、1.0V超の場合を「×」として評価した。結果を表2に示す。
本発明のTFTでは閾値電圧の変動が非常に小さく、DCストレスに対して影響を受けにくい、即ち信頼性が高いことが分かる。
実施例2〜5、比較例1〜3
酸化物焼結体作製時の原料原子比(In:Sn:Zn)を表1の通りに変更した以外は、実施例1と同様にスパッタリングターゲット及びTFTを製造し、評価した。結果を表1、2に示す。
本発明のスパッタリングターゲットは、酸化物半導体や透明導電膜等の酸化物薄膜の作製に使用できる。また、本発明の酸化物薄膜は、透明電極、薄膜トランジスタの半導体層、酸化物薄膜層等に使用できる。
10 基板
20 ゲート電極
30 ゲート絶縁膜
40 半導体膜
50 ソース電極
52 ドレイン電極
60 エッチストッパー

Claims (15)

  1. In元素、Ga元素及びZn元素を含む酸化物を含み、結晶相として少なくともInGaZnOで表されるホモロガス相、InGaZnOで表されるホモロガス相、及びInで表されるビックスバイト相を含み、X線回折測定で得られる前記各結晶相の強度が下記式(1−1)及び(1−2)を満たす焼結体を含むスパッタリングターゲット。
    I(InGaZnO)>I(InGaZnO) (1−1)
    I(InGaZnO)>I(In) (1−2)
    (式中、I(X)はXの結晶相の強度を示す。)
  2. 前記InGaZnOで表わされるホモロガス相の強度が、前記InGaZnOからなるホモロガス相の強度より1.2倍以上大きい請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 前記InGaZnOで表わされるホモロガス相の強度が、前記Inからなるビックスバイト相の強度より1.2倍以上大きい請求項1又は2に記載のスパッタリングターゲット。
  4. In元素、Ga元素及びZn元素を含む酸化物を含み、結晶相として少なくともInGaZnOで表わされるホモロガス相、InGaZnOで表わされるホモロガス相、及びInで表わされるビックスバイト相を含み、走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって測定した前記各結晶相の断面占有面積が下記式(2−1)及び(2−2)を満たす焼結体を含むスパッタリングターゲット。
    S(InGaZnO)>S(InGaZnO) (2−1)
    S(InGaZnO)>S(In) (2−2)
    (式中、S(X)はXの結晶相の断面占有面積を示す。)
  5. 前記InGaZnOで表わされるホモロガス相の断面占有面積が、前記InGaZnOのからなるホモロガス相の断面占有面積より1.5倍以上大きい請求項4に記載のスパッタリングターゲット。
  6. 前記InGaZnOで表わされるホモロガス相の断面占有面積が、Inで表わされるビックスバイト相の断面占有面積より1.5倍以上大きい請求項4又は5に記載のスパッタリングターゲット。
  7. 前記焼結体の原子比が下記式(3−1)〜(3−3)を満たす請求項1〜6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
    0.45<In/(In+Ga+Zn)<0.70 (3−1)
    0.20<Ga/(In+Ga+Zn)<0.45 (3−2)
    0<Zn/(In+Ga+Zn)<0.15 (3−3)
  8. 前記式(3−1)が下記式(3−1’)である請求項7に記載のスパッタリングターゲット。
    0.47<In/(In+Ga+Zn)<0.68 (3−1’)
  9. 前記式(3−2)が下記式(3−2’)である請求項7又は8に記載のスパッタリングターゲット。
    0.22<Ga/(In+Ga+Zn)<0.43 (3−2’)
  10. 前記式(3−3)が下記式(3−3’)である請求項7〜9のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
    0.01<Zn/(In+Ga+Zn)<0.15 (3−3’)
  11. 前記焼結体がスピネル構造化合物を含まない請求項1〜10のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
  12. In元素、Ga元素及びZn元素を含む原料を含む成型体を1300〜1500℃、1〜180時間で焼結する請求項1〜11のいずれかに記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  13. 酸素濃度が50体積%以上の雰囲気下で成型体を焼結する請求項12に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  14. 請求項1〜11のいずれかに記載のスパッタリングターゲットを用いて作製した酸化物薄膜をチャネル層として有する電界効果型薄膜トランジスタ。
  15. 請求項14に記載の電界効果型薄膜トランジスタを備えた表示装置。
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