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JP2014088784A - 可変容量形オイルポンプ - Google Patents

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Junji Kawada
順二 河田
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Abstract

【課題】外歯車のドライブロータ51と内歯車のドリブンロータ52とが互いに噛み合う内接式のギヤポンプからなり、少なくともオイルフィルタ45を介してエンジン1の被潤滑部などにオイルを供給するオイルポンプ5において、吐出脈動に起因する異音の発生を抑制する。
【解決手段】ドライブロータ51およびドリブンロータ52の吸入ポート50bおよび吐出ポート50cに対する相対的な位置を変更して、ポンプ容量を変更可能な容量調整機構(一例として調整リング53、コイルスプリング54、加圧空間TH)を備える。この容量調整機構を、オイルフィルタ45よりも下流側のオイル通路46から導かれる油圧を受けて作動するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は可変容量形のオイルポンプに関する。
従来より、例えば特許文献1に開示されているように、エンジンの被潤滑部などにエンジンオイルを供給するためのオイルポンプにおいて、インナロータ(ドライブロータ)およびアウタロータ(ドリブンロータ)の吸入ポートや吐出ポートに対する位置関係を変更することによって、ポンプ容量を変更可能としたものが知られている。
このものでは、ハウジング内においてアウタロータを外周から回転自在に保持する調整リングを備えており、この調整リングを、吐出ポートからハウジングの加圧空間に導入する油圧によって動作させ、インナロータおよびアウタロータをポンプ容量の減少する向きに変位させるようにしている。
特開2012−132356号公報
ところで一般的にトロコイドポンプのような内接式のギヤポンプでは、ドライブロータおよびドリブンロータの互いに噛み合う歯と歯の間に作動室が形成され、これらの各作動室がロータの回転方向に移動しながら、その容積が増減する。そして、その作動室の容積変化がロータの回転に対して一様でないことから、ポンプ吐出圧には比較的大きな脈動が含まれる。
このため、前記従来例のように吐出ポートから導入する油圧によって調整リングを動作させるようにすると、その油圧の脈動によって調整リングが加振されてしまい、異音の発生する虞があった。
かかる問題点に鑑みて本発明は、内燃機関などのオイルポンプとして用いられる可変容量形の内接式ギヤポンプにおいて、吐出脈動に起因する異音の発生を抑制することを目的とする。
前記の目的を達成するために本発明では、ポンプ容量の調整機構を作動させるための油圧を、吐出ポートからではなく脈動の減衰した下流側のオイル通路からオイルポンプに導入するようにした。
具体的に本発明は、外歯車のドライブロータと内歯車のドリブンロータとが互いに噛み合う内接式のギヤポンプからなり、少なくともオイルフィルタを介して内燃機関などの被潤滑部にオイルを供給するオイルポンプが対象である。そして、前記ドライブロータおよびドリブンロータの吸入ポートおよび吐出ポートに対する相対的な位置を変更して、ポンプ容量を変更可能な容量調整機構を備えており、この容量調整機構を、前記オイルフィルタよりも下流側のオイル通路から導かれる油圧を受けて作動するように構成したものである。
前記構成のオイルポンプが作動すると、ドライブロータおよびドリブンロータの回転によって吐出ポートにオイルが吐出され、オイルフィルタなどを介して内燃機関の被潤滑部に供給される。また、そのオイルフィルタよりも下流側のオイル通路から導かれる油圧を受けて容量調整機構が作動し、オイルの吐出量が調整される。
そうしてオイルフィルタを通過した後では吐出脈動が減衰しているので、そこから導かれる油圧によって容量調整機構を作動させるようにしても、該容量調整機構に作用する加振力はあまり大きくはならず、異音の発生を抑制することができる。しかも、オイルフィルタの上流側に比べてメインギャラリに近い下流側の油圧に応じて、オイルポンプの容量が調整されることになるので、オイルの流量や圧力などの制御性が向上する。
一例として前記容量調整機構は、前記ドリブンロータを外周から回転自在に保持する保持部材と、この保持部材をポンプ容量の増大する向きに付勢する付勢部材と、前記オイル通路からハウジング内に導入する油圧を受けて前記保持部材を、前記付勢部材の付勢力に抗してポンプ容量の減少する向きに動作させる油圧動作部と、を備えている。
この構成では、容量調整機構に導かれる油圧に大きな脈動が含まれていると、これにより加振されたときに保持部材を付勢するばね等が伸縮して、異音の問題が起き易いので、前記のような発明の効果が特に有効なものになる。
また、好ましい構成として前記ドライブロータおよびドリブンロータの少なくとも一方に、一端が歯先の外周面に開口し、他端がロータ側面に開口するように連通路を形成してもよい。こうすれば、ドライブロータおよびドリブンロータの歯と歯の噛み合う最終段階で作動室の容積が急激に変化しても、オイルの一部を連通路によってロータ側面に逃がすことができ、吐出圧の急増を緩和して加振力をさらに小さくすることができる。
また、好ましくは前記オイルフィルタよりも上流側のオイル通路にオイルクーラが配設されていると、このオイルクーラを通過することによって油圧の脈動をさらに減衰させることができる。オイルフィルタよりも下流側でかつメインギャラリよりも上流側のオイル通路から油圧を取り出すようにすれば、この取り出し部分からオイルポンプまで油圧を導く通路の長さを短くし易く、好ましい。
本発明に係る可変容量形オイルポンプによると、容量調整機構を作動させるための油圧を吐出ポートからではなく、脈動の減衰した下流側のオイル通路から導入するようにしたから、容量調整機構への加振力があまり大きくはならず、異音の発生を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係るオイルポンプの構造を示す断面図であって、ポンプ容量が最大の状態を示す。 第1の実施形態に係るエンジンのオイル供給経路の概略を示す図である。 第1の実施形態におけるオイルポンプの容量が最小の状態を示す図1相当図である。 オイルフィルタの通過後に脈動が減衰することを示すイメージ図である。 第2の実施形態に係る図1相当図である。 逃がし穴の構造を示す歯先の拡大断面図である。 逃がし穴によって脈動が小さくなることの説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自動車用のガソリンエンジン1(内燃機関)に本発明を適用した場合について説明するが、これに限ることはない。本実施形態の記載はあくまで例示に過ぎず、本発明の構成や用途などについても限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1には第1の実施形態に係るオイルポンプ5の構造を、また、図2にはエンジン1のオイル供給経路4の概略を、それぞれ示す。図2において外形を仮想線で示すようにエンジン1は、シリンダブロックの上部にシリンダヘッドが、また下部にクランクケースがそれぞれ組み付けられてエンジンブロック2を構成し、その下部にオイルパン3が取り付けられている。
本実施形態では、オイルポンプ5の作動によってオイルパン3内に貯留されているエンジンオイル(以下、単にオイルともいう)を吸い上げ、オイル供給経路4によりピストンやクランク軸受け、動弁系などの被潤滑部や被冷却部に供給する。すなわち、オイルパン3内には前記の被潤滑部などから還流されたオイルが貯留されており、このオイルに浸かるようにしてオイルストレーナ41が配設されている。
オイルストレーナ41の吸入管41aはオイルポンプ5の吸入ポート50bに接続されている。オイルポンプ5は、詳しくは後述するが、互いに噛み合う外歯車のドライブロータ51と内歯車のドリブンロータ52とを備えた内接式ギヤポンプであって、図1に示すようにドライブロータ51の中央に嵌め合わされたクランク軸6によって駆動され、オイルストレーナ41を介してオイルパン3内のオイルを吸い上げる。
一方、オイルポンプ5の吐出ポート50cには、エンジンブロック2内に形成された第1オイル通路42の上流端が連通し、この第1オイル通路42の下流端がオイルクーラ43に接続されている。オイルクーラ43は、エンジン冷却水との間で熱交換を行うことによりオイルを冷却する。冷却されたオイルは、エンジンブロック2内に形成された第2オイル通路44を流通してオイルフィルタ45に送られる。
オイルフィルタ45はフィルタエレメントによってオイル内の異物や不純物などを濾過し、濾過されたオイルが第3オイル通路46を流通してメインギャラリ47に送られる。メインギャラリ47は、エンジンブロック2の内部に例えばシリンダ列方向に延びるように形成されており、前記のように送られてくるオイルを所定の圧力に維持して、ここから分岐する複数のオイル通路(図示せず)によって前記の被潤滑部などに分配する。
−オイルポンプの構造−
次に、図1を参照してオイルポンプ5の構造を詳細に説明する。図示のようにオイルポンプ5は、クランク軸6により回転される外歯車のドライブロータ51と、これに噛み合って回転される内歯車のドリブンロータ52と、そのドリブンロータ52を外周から回転自在に保持する調整リング53(保持部材)と、をハウジング50内に収容してなる。調整リング53は、後述するようにドライブロータ51およびドリブンロータ52を変位させることにより、ポンプ容量を変更するためのものである。
まず、ハウジング50は全体としては厚肉の板状であり、図1に示すように平面視では上下に長い繭のような形状とされ、前側(図の手前側)に開放する異形の凹部50aが形成されている。この凹部50aは前記ドライブロータ51、ドリブンロータ52、調整リング53等を収容するものであり(以下、収容凹部50aという)、図示しないカバーが前方から重ね合わされて締結されることにより、閉止される。
収容凹部50aの中央よりもやや上方位置には、該収容凹部50aの底壁を貫通する丸孔(図には示さず)が形成されて、クランク軸6の前端部が挿通されている。なお、図示はしないが、同様の貫通孔が前記のカバーにも形成され、この貫通孔にもクランク軸6の前端部が挿通されていて、それぞれの孔に配設された軸受ブッシュにより回転自在に支持されている。
また、クランク軸6の前端部にはその外周面の一部を平坦面としたDカット部が設けられ、ドライブロータ51の中央部を貫通する中央孔51bに嵌合されて、一体に回転するようになっている。ドライブロータ51には、外周にトロコイド曲線またはトロコイド曲線に近似した曲線(例えばインボリュート、サイクロイドなど)を有する外歯51aが複数(図の例では7個)、形成されている。
一方、ドリブンロータ52は円環状に形成され、その内周には前記ドライブロータ51の外歯51aと噛み合うよう、これより歯数が1歯大きい(図の例では8個)内歯52aが形成されている。ドリブンロータ52の中心は、ドライブロータ51の中心に対して所定量、偏心しており、その偏心している側(図の右下側)でドライブロータ51の外歯51aとドリブンロータ52の内歯52aとが噛み合っている。
また、ドリブンロータ52の外周面は、調整リング53の本体部53aの内周面との間に僅かな隙間をあけて、その本体部53aに摺動自在に嵌合支持されている。つまり、調整リング53がドリブンロータ52を外周から回転自在に保持している。また、リング本体部53aにはその一部を外方に張り出させた張出部53bと、径方向外方に延びるアーム部53cと、先窄まりの突出部53dとが一体に形成されている。
そのように調整リング53に保持されたドライブロータ51およびドリブンロータ52によって、本実施形態では7葉8節のトロコイドポンプが構成されており、2つのロータ51,52の間の環状の空間には、互いに噛合する歯と歯の間に円周方向に並んだ複数の作動室Rが形成される。これらの各作動室Rは2つのロータ51,52の回転に連れてドライブロータ51の外周に沿うように移動しながら、その容積が増減する。
すなわち、2つのロータ51,52の歯が互いに噛み合う位置(図1では調整リング53のアーム部53cの付け根の付近)から、図に矢印で示すロータ回転方向に約180度に亘る範囲では、2つのロータ51,52の回転に連れて徐々に作動室Rの容積が増大してゆき、オイルを吸入する吸入範囲となる。一方、残りの約180度に亘る範囲では、ロータ51,52の回転に連れて徐々に作動室Rの容積が減少してゆき、オイルを加圧しながら吐出する吐出範囲となる。
そして、それらの吸入範囲および吐出範囲にそれぞれ対応するようにハウジング50には吸入ポート50bおよび吐出ポート50cが形成されている。一例として本実施形態では、図1に一部を破線で示すようにハウジング50の収容凹部50aの底面において、前記の吸入領域と対応するように吸入ポート50bが開口し、吐出領域と対応するように吐出ポート50cが開口している。
吸入ポート50bはハウジング50の外周に(図では左斜め下に)向かうように湾曲して延びて、オイルストレーナ41の吸入管41aに連通しており、吐出ポート50cもハウジング50の外周に(図では右斜め上に)向かって延びて、第1オイル通路42に連通している。そして、ドライブロータ51およびドリブンロータ52が互いに噛み合いながら回転すると、それらの間に形成される作動室Rに吸引ポート50bからオイルが吸入され、加圧されて吐出ポート50cから吐出される。
こうして吐出ポート50cから吐出されるオイルの流量は、オイルポンプ5の回転数、即ちエンジン回転数が高くなるほど多くなるので、高回転域においてエンジン1の被潤滑部などに供給するオイルの量が多くなっても、メインギャラリ47には所定以上の油圧を維持して、前記の被潤滑部などに適正にオイルを分配することができる。
−容量調整機構−
さらに、本実施形態のオイルポンプ5は、ドライブロータ51の1回転につき吐出するオイルの流量、即ちポンプ容量を変更可能な容量調整機構を備えている。本実施形態では、前記した調整リング53を動作させて、ドライブロータ51およびドリブンロータ52の吸入ポート50bおよび吐出ポート50cに対する相対的な位置を変更することによって、1回転あたりの吸入および吐出流量を変更する。
詳しくは図1に表れているように、調整リング53の本体部53aから径方向外方に延びるアーム部53cには、圧縮コイルスプリング54(付勢部材)からの押圧力が作用しており、これによって調整リング53が図の反時計回りに回動しながら上方に変位するように付勢されている。また、ハウジング50の収容凹部50aの底面にはガイドピン50d,50eが突設され、それぞれ調整リング53の張出部53bの内周面と突出部53dの外周面とに接触して、調整リング53の動作を案内するようになっている。
このようにして案内される調整リング53は、収容凹部50a内を図の上側の加圧空間THと下側の低圧空間TLとに仕切っており、加圧空間TH(油圧動作部)の油圧力Fを受けて動作される。すなわち、加圧空間THはパイロット通路50fによって、オイルフィルタ45とメインギャラリ47との間の第3オイル通路46と連通されて、この第3オイル通路46から油圧が導かれるようになっている。
そうして導かれた油圧が、加圧空間THに臨む調整リング53の上部外周面に作用し、図には白抜きの矢印で示すように下方への押圧力Fを加える。一方、吸入ポート50bに連通する低圧空間TLには概ね大気圧が作用しているので、調整リング53は、前記したようにアーム部53cに作用するコイルスプリング54の弾発力を受けて上向きに付勢される一方、加圧空間THからの油圧力Fによって下向きに押圧され、両者のバランスで動作される。
そして、図1に示すように調整リング53が最上部に位置するときには、ドライブロータ51およびドリブンロータ52の1回転当たりに、吸入ポート50bから吸い込んで吐出ポート50cから吐出するオイルの量、即ちポンプ容量が最大になる。反対に、図3に示すように調整リング53が最下部に位置するときには、ポンプ容量は最小になる。
このような構成により、例えばアイドリングのようにエンジン回転数が低いときには、コイルスプリング54の弾発力によって調整リング53が図1のように最上位置に付勢され、ポンプ容量は最大になる。この状態からエンジン回転数が上昇すると、ポンプ吐出圧が高くなるので、加圧空間THに導入される油圧も高くなり、コイルスプリング54の弾発力に抗して調整リング53が下向きに動作する。
そのように調整リング53が下向きに動作して、ポンプ容量が減少することにより、回転数の上昇によるオイルの吐出量の増大度合いが低くなり、メインギャラリ47には適度の分量のオイルが供給されるようになる。そして、エンジン回転数の非常に高い状態では図3に示すようにポンプ容量が最小になるので、メインギャラリ47への過剰なオイル供給が抑制される。
ところで、前記のオイルポンプ5において従来一般的には、ハウジング50内の加圧空間THに吐出ポート50cの開口の一部を臨ませ、吐出圧をそのまま加圧空間THに導いて、調整リング53を動作させるようにしていた。しかし、こうすると吐出圧に含まれる脈動が調整リング53を加振することになり、アーム部53cなどが収容凹部50aやガイドピン50d,50eに衝突して、異音の発生することがあった。
これに対し本実施形態では、前記のようにオイルフィルタ45とメインギャラリ47との間の第3オイル通路46から油圧を導くようにしており、この第3オイル通路46においてはオイルクーラ43およびオイルフィルタ45を通過することによって脈動が減衰しているので、調整リング53に作用する加振力が小さくなり、異音の発生を抑制することができる。
図4(a)には、吐出ポート50cの油圧(吐出圧)の変化を調べた結果を表しており、同図(b)には、オイルフィルタ45を通過した後の油圧の変化を表している。両図を見比べると、吐出ポート50cでの大きな吐出脈動がオイルクーラ43およびオイルフィルタ45を通過することによって減衰し、オイルフィルタ45よりも下流側の第3オイル通路46では脈動がかなり小さくなることが分かる。
以上、説明したように本実施形態に係るエンジン1のオイルポンプ5では、ドライブロータ51およびドリブンロータ52を変位させてポンプ容量を変更するために、調整リング53に加える油圧を、従来一般的な吐出ポート50cからではなく、オイルクーラ43およびオイルフィルタ45を通過して脈動の減衰した下流側の第3オイル通路46から導入するようにしている。このため、調整リング53への加振力があまり大きくならず、異音の発生を抑制することができる。
しかも、オイルフィルタ45などの上流側と比べてメインギャラリ47に近い下流側の油圧に応じてオイルポンプ5の容量を調整することができるので、メインギャラリ47へのオイルの流量などの制御性が高くなり、エンジン1の被潤滑部などに供給する油量が大きく変化しても、メインギャラリ47の油圧を好適に維持することができる。
また、オイルフィルタ45よりも下流側でかつメインギャラリ47よりも上流側の第3オイル通路46は、エンジンブロック2においてオイルポンプ5の近傍を通過するように形成されているので、ここから油圧を取り出してオイルポンプ5まで導くパイロット通路50fの長さを短くし易く、この点も制御性の向上に有利になる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態は、オイルポンプ5のドライブロータ51の外歯51aとドリブンロータ52の内歯52aとにそれぞれ、作動室R内で急上昇する油圧の一部を逃がすための逃がし穴51c、52bを設けたものである。その他の構成は第1の実施形態と同じであるから、ここでは逃がし穴51c、52bについて主に説明する。
図5は、本実施形態におけるオイルポンプ5の構造を示す断面図であって、図1と同様にポンプ容量が最大の状態を示している。また、図6(a)は、ドライブロータ51およびドリブンロータ52を拡大して示し、逃がし穴51c、52bは、同図(b)に示すように一端が歯51a,52aの頂点を含むように歯先の外周面に開口し、歯元に向かって延びた後に分岐して、ロータ両側面にそれぞれ開口している。
つまり、逃がし穴51c、52bは、ドライブロータ51の外歯51aとドリブンロータ52の内歯52aとが噛み合う際に、最終段階で互いに近接する歯先の外周面と歯元の内周面との間隙をロータ側面に連通する連通路である。なお、図6(b)には逃がし穴51c、52bが歯先の外周面に一カ所で開口する例を示しているが、これは、同図(c)に示すように2カ所で開口していてもよい。
このような逃がし穴51c、52bを設けたことで、オイルポンプ5の吐出脈動が緩和されることになり、調整リング53に加わる加振力をさらに小さくすることができる。すなわち、ドライブロータ51の外歯51aとドリブンロータ52の内歯52aとが噛み合う最終段階では、歯先の外周面と歯元の内周面との間で作動室Rの容積が急減するため、図7(a)に模式的に示すように吐出圧が急峻なパルス状に立ち上がる。
これに対し、本実施形態のように歯先の外周面に開口する逃がし穴51c、52bを設ければ、前記のように噛み合いの最終段階で容積の急減する作動室Rから逃がし穴51c、52bに油圧を逃がすことができる。このため、図7(b)に示すようにパルス状の吐出圧の立ち上がりが低くなって、吐出脈動の増大を緩和することができる。
したがって第2の実施形態に係るオイルポンプ5の場合は、上述した第1の実施形態と同じく調整リング53を動作させるための油圧を、脈動の減衰した第3のオイル通路46から導入するとともに、さらに吐出脈動そのものを緩和することによって、調整リング53に加わる加振力をさらに小さくし、異音の発生をより確実に抑制できる。
−他の実施形態−
以上、説明した各実施形態は、自動車用の直列4気筒ガソリンエンジン1のオイルポンプ5に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、自動車以外に適用されるエンジンのオイルポンプにも適用することができる。また、気筒数やエンジンの形式(V型や水平対向型等)は特に限定されず、ディーゼルエンジンのオイルポンプにも本発明を適用可能である。さらに、トランスミッションのオイルポンプにも本発明を適用可能である。
また、前記の各実施形態では、オイルクーラ43およびオイルフィルタ45を通過した後の第3のオイル通路46から油圧を取り出して、オイルポンプ5のハウジング50内の加圧空間THに導入するようにしているが、これにも限定されず、例えばオイルクーラ43はなくてもよい。また、メインギャラリ47から油圧を取り出すようにしてもよいし、メインギャラリ47よりも下流側のオイル通路から油圧を取り出すようにしてもよい。
また、オイルポンプ5の容量調整機構についても前記各実施形態のように調整リング53、コイルスプリング54などを備えるものに限定されず、それ以外の種々の構成が考えられる。
さらに、前記第2の実施形態では、ドライブロータ51の外歯51aおよびドリブンロータ52の内歯52aの両方の歯先にそれぞれ逃がし穴51c,52bを設けているが、外歯51aまたは内歯52aのいずれか一方に逃がし穴51c,52bを設けるだけでもよい。また、逃がし穴51c,52bは、ロータ両側面に至るものではなく、何れか一方の側面に連通するものであってもよい。
本発明は、エンジンやトランスミッションのオイルポンプからの異音の発生を抑制できるものなので、自動車に搭載されるエンジンに適用して効果が高い。
1 エンジン(内燃機関)
4 オイル供給系統
43 オイルクーラ
45 オイルフィルタ
46 第3のオイル通路(オイルフィルタよりも下流側のオイル通路)
47 メインギャラリ
5 オイルポンプ
50 ハウジング
50b 吸入ポート
50c 吐出ポート
51 ドライブロータ
51a 外歯
51c 逃がし穴(連通路)
52 ドリブンロータ
52a 内歯
52b 逃がし穴(連通路)
53 調整リング(保持部材:容量調整機構)
54 コイルスプリング(付勢部材:容量調整機構)
TH 加圧空間(油圧動作部:容量調整機構)

Claims (5)

  1. 外歯車のドライブロータと内歯車のドリブンロータとが互いに噛み合う内接式のギヤポンプからなり、少なくともオイルフィルタを介して被潤滑部にオイルを供給するオイルポンプであって、
    前記ドライブロータおよびドリブンロータの吸入ポートおよび吐出ポートに対する相対的な位置を変更して、ポンプ容量を変更可能な容量調整機構を備え、
    前記容量調整機構が、前記オイルフィルタよりも下流側のオイル通路から導かれる油圧を受けて作動するように構成されている、ことを特徴とする可変容量形オイルポンプ。
  2. 請求項1記載の可変容量形オイルポンプにおいて、
    前記容量調整機構は、
    前記ドリブンロータを外周から回転自在に保持する保持部材と、
    前記保持部材をポンプ容量の増大する向きに付勢する付勢部材と、
    前記オイル通路からハウジング内に導入する油圧を受けて前記保持部材を、前記付勢部材の付勢力に抗してポンプ容量の減少する向きに動作させる油圧動作部と、
    を備えている、可変容量形オイルポンプ。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の可変容量形オイルポンプにおいて、
    前記ドライブロータおよびドリブンロータの少なくとも一方には、一端が歯先の外周面に開口し、他端がロータ側面に開口するように連通路が形成されている、可変容量形オイルポンプ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の可変容量形オイルポンプにおいて、
    前記オイルフィルタよりも上流側のオイル通路にオイルクーラが配設されている、可変容量形オイルポンプ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の可変容量形オイルポンプにおいて、
    内燃機関に装備され、
    前記容量調整機構へ導かれる油圧が、前記オイルフィルタよりも下流側でかつ前記内燃機関のメインギャラリよりも上流側のオイル通路から取り出される、可変容量形オイルポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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