JP2014080574A - ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアミド樹脂(A)100質量部、膨潤性層状珪酸塩(B)1〜10質量部、およびメタリック顔料(C)0.5〜5質量部を含むポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂(A)が、2種以上のアミノカルボン酸単位から構成されることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
このような樹脂成形体の外観には、鋼やアルミニウム合金のようなメタリックな色調が要求される場合がある。特に近年では、樹脂成形体の美観に対する要求が高まり、樹脂成形体の外観には、単にメタリックな色調を有するだけでなく、光沢感を有したうえで高輝感を抑えたものが要求されている。また、メタリックな色調も、銀灰色のものから、やや白みがかった灰白色のものまで、様々な種類が要求されている。
例えば、特許文献1には、層状珪酸塩が分子レベルで均一に分散されたポリアミド樹脂に対し、メタリック色を発現する粒子を配合してなるポリアミド樹脂組成物が開示されている。特許文献2には、ポリアミド樹脂、金属フレークを含有するポリアミド樹脂組成物が開示されている。
本発明は、上記問題を解決し、剛性を有しながら、ウェルド強度、輝度に優れるポリアミド樹脂成形体を成形することができるポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
(2)ポリアミド樹脂(A)が、2種以上のアミノカルボン酸単位から構成される共重合体であることを特徴とする(1)記載のポリアミド樹脂組成物。
(3)ポリアミド樹脂(A)が、6−アミノカプロン酸単位と、11−アミノウンデカン酸単位および/または12−アミノドデカン酸単位とから構成される共重合体であり、ポリアミド樹脂(A)における6−アミノカプロン酸単位の含有量が、60〜90質量%であることを特徴とする(2)記載のポリアミド樹脂組成物。
(4)ポリアミド樹脂(A)が、アミノカルボン酸単位から構成される重合体の2種以上の溶融混合物であることを特徴とする(1)記載のポリアミド樹脂組成物。
(5)ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6と、ポリアミド11および/またはポリアミド12との溶融混合物であり、ポリアミド樹脂(A)におけるポリアミド6の含有量が60〜90質量%であることを特徴とする(4)記載のポリアミド樹脂組成物。
(6)膨潤性層状珪酸塩(B)が、フッ素雲母、モンモリロナイト、およびヘクトライトから選ばれるいずれか1種であることを特徴とする(1)記載のポリアミド樹脂組成物。
(7)メタリック顔料(C)が、アルミニウム、鉄、およびそれらの酸化物、ならびにチタンコーティングされたマイカから選ばれるいずれか1種であることを特徴とする(1)記載のポリアミド樹脂組成物。
(8)さらに、耐候剤(D)を含有することを特徴とする(1)記載のポリアミド樹脂組成物。
(9)さらに、ハロゲン化リチウムおよび/またはニグロシンを含有することを特徴とする(1)記載のポリアミド樹脂組成物。
(10)上記(2)または(3)記載のポリアミド樹脂組成物を製造するための方法であって、膨潤性層状珪酸塩(B)の存在下に行なう共重合体の重合反応工程を含むことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法。
(11)上記(4)または(5)記載のポリアミド樹脂組成物を製造するための方法であって、膨潤性層状珪酸塩(B)の存在下に行なう重合体の重合反応工程を少なくとも1つ含むことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法。
(12)上記(1)〜(9)のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
また、ポリアミド樹脂として、ポリアミド6と、ポリアミド11および/またはポリアミド12とを組合わせることで、成形体に優れた耐候性を付与することができる。
ポリアミド樹脂(A)におけるポリアミド6の含有量は、60〜90質量%であることが好ましく、65〜85質量%であることがより好ましく、70〜80質量%であることがさらに好ましい。ポリアミド6の含有量が、60質量%未満であると、得られる成形体は、剛性が低下し、一方、90質量%を超えると、ウェルド強度が低下することがある。
Ma(MgXLib)Si4OYFZ
(式中で、Mはイオン交換性のカチオンを表し、具体的にはナトリウムやリチウムが挙げられる。また、a、b、X、YおよびZはそれぞれ係数を表し、0≦a≦0.5、0≦b≦0.5、2.5≦X≦3、10≦Y≦11、1.0≦Z≦2.0である。)
また、タルク〔Mg3Si4O10(OH)2〕を出発物質として用い、これにアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤性を付与し、膨潤性フッ素雲母を得る方法もある(特開平2-149415号公報)。この方法では、所定の配合比で混合したタルクと珪フッ化アルカリを、磁性ルツボ内で700〜1200℃の温度下に短時間加熱処理することによって、膨潤性フッ素雲母を得ることができる。この際、タルクと混合する珪フッ化アルカリの量は、混合物全体の10〜35質量%の範囲とすることが好ましい。この範囲を外れる場合には膨潤性フッ素雲母の生成収率が低下する傾向にある。
MaSi(Al2−aMg)O10(OH)2・nH20
(式中で、Mはナトリウム等のカチオンを表し、0.25≦a≦0.6である。また層間のイオン交換性カチオンと結合している水分子の数はカチオン種や湿度等の条件によって様々に変わりうるので、式中ではnH2Oで表した。)
またモンモリロナイトにはマグネシアンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネシアンモンモリロナイト等の同型イオン置換体の存在が知られており、これらを用いてもよい。
Na0.66(Mg5.34Li0.66)Si8O20(OH)4・nH2O
ヘクトライトは珪酸塩を主成分とする負に帯電した珪酸塩層とその層間に介在するイオン交換能を有するカチオンとからなる構造を有するものであり、その他の膨潤性層状珪酸塩と比較すると、水酸基を多く含むため層間に水分子が入り込みやすく(すなわち、親水性が高く)、膨潤しやすい。加えて、その他の膨潤性層状珪酸塩と比較すると、粒径も小さい。
メタリック顔料(C)の平均粒子径は、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラック2(日機装社製)により測定が可能である。
メタリック顔料(C)の平均厚みは、電子顕微鏡によるメタリック顔料50個測定の単純平均により算出することができる。
メタリック顔料(C)のアスペクト比は、前記平均粒径の値を前記平均厚み値で除することにより求めることができる。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体は、屋外使用条件下における耐候性が極めて向上したものである。
ポリアミド樹脂成形体は、通常、屋外や太陽光を直接浴びる環境下で長期にわたって使用されると、成形体表面にクレージングといわれるヒビ割れ状の欠陥が発生する。軽度のクレージングは、意匠性を損ねるだけであるが、重度のクレージングは成形体の機械特性を大きく低下させる。特に、メタリック顔料を含有する成形体は、メタリック顔料を起点として、クレージングが顕著に発生するという問題があった。しかしながら、本発明のポリアミド樹脂組成物を用いると、成形体におけるクレージングの発生を効果的に抑制ができる。
耐候剤(D)としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ヒンダードアミン系化合物、サリチル酸フェニルエステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、マロン酸エステル系化合物、シュウ酸アニリド系化合物等が挙げられる。これらは、単独または2種以上を併用してもよい。なかでも、トリアジン系化合物、マロン酸エステル系化合物、シュウ酸アニリド系化合物が好ましい。また、ヒンダードアミン系化合物は、ラジカルを捕捉し、ポリアミド樹脂組成物の光酸化を抑制する効果が高いため、他の耐候剤と併用して紫外線吸収を抑制する効果が高まる。
耐候剤(D)として、ヒンダードアミン系化合物と前述の他の耐候剤とを併用して用いる場合も、これらの含有量の総量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜2質量部であることが好ましい。ヒンダードアミン系化合物と他の耐候剤の質量比(ヒンダードアミン系化合物/他の耐候剤)は、5/95〜50/50であることが好ましく、15/85〜45/55であることがより好ましく、25/75〜40/60であることがさらに好ましい。
本発明で用いるハロゲン化リチウムとしては、特に制限はないが、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムを挙げることができる。ハロゲン化リチウムを配合することでポリアミド樹脂の溶融温度と結晶化温度が低下しさらに流動性が向上し、成形体のフローマークが低減しメタリック感を向上させることができる。その効果の高い点で、塩化リチウムが特に好ましい。
ハロゲン化リチウムの含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.05〜5重量部であることが好ましく、0.1〜2質量部であることがより好ましく、0.2〜1質量部であることがさらに好ましい。ハロゲン化リチウムの含有量が0.05質量部未満であると、メタリック感の向上効果が十分でないことがある。一方、5質量部を超えると、得られる成形体の機械的強度の低下の問題や、ハロゲン化リチウムの成形体表面へのブリードアウト等の問題が発生することがある。
さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物は、ハロゲン化リチウムとともに、ハロゲン化カリウムを含有することが好ましい。ハロゲン化カリウムとしては、例えば、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウムが挙げられる。ハロゲン化カリウムを併用することにより、ハロゲン化リチウムのポリアミド樹脂組成物中への溶解が促進され、得られる成形体において、フローマークの低減、メタリック感向上の効果がさらに高まる。ハロゲン化カリウムの含有量は、ハロゲン化リチウムの0.1〜5倍量であることが好ましい。0.1倍量未満であると前記効果が乏しく、5倍量を超えると前記効果が飽和してしまうことがある。
ニグロシンを含有することでポリアミド樹脂の溶融温度と結晶化温度が低下しさらに流動性が向上し、成形体のフローマークが低減しメタリック感を向上させることができる。また、ニグロシンを用いることで、さらに、耐候性を向上させることもできる。
ニグロシンの含有量は特に限定されるものではないが、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜1.0質量部であることが好ましい。
本発明において、ポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)と、膨潤性層状珪酸塩(B)と、メタリック顔料(C)とを溶融混練することによって製造することができる。
本発明においては、膨潤性層状珪酸塩(B)の存在下に、ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分の重合反応をおこなって得られる、ポリアミド樹脂(A)と膨潤性層状珪酸塩(B)との混合物を使用して、この混合物とメタリック顔料(C)とを溶融混合してポリアミド樹脂組成物を製造することが好ましい。
膨潤性層状珪酸塩(B)の存在下に、ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分の重合反応をおこなうことにより、膨潤性層状珪酸塩(B)をポリアミド樹脂(A)に均一に分散することができ、得られる成形体が有する光沢度を一層高めることができる。
重合反応に使用する上記モノマーとしては、アミノカルボン酸やそのラクタムを使用することができるので、重合反応の原料のアミノカルボン酸として、そのラクタムが使用されてもよい。
膨潤性層状珪酸塩(B)の存在下に重合反応をおこなうアミノカルボン酸としては、膨潤性層状珪酸塩(B)を均一に分散させる効果が高いことから、6−アミノカプロン酸やε−カプロラクタムであることが好ましい。
また、重合後のポリアミド樹脂に残留しているアミノカルボン酸(ラクタム)を除去するために、ポリアミド樹脂のペレットに対して熱水による精練を行うことが好ましく、その条件としては、90〜100℃の熱水中で8時間以上の処理をすることが挙げられる。
メタリック顔料(C)の混練による破砕あるいは折損を極力抑制するためには、スクリューは二軸で用いるよりも単軸で用いることが好ましい。
溶融混練押出機へのメタリック顔料(C)の供給方法としては、前記混合物にメタリック顔料(C)を混合したものを、主ホッパーより一括投入してもよいが、メタリック顔料(C)の破砕あるいは折損を極力抑制するため、メタリック顔料(C)を押出機途中よりサイドフィーダーにて供給することが好ましく、なるべく押出機下流にて供給することがより好ましい。
前記混合物とメタリック顔料(C)とは、十分に溶融混練されていなくてもよく、その後の射出成形加工において、作業に支障がでない範囲で混合できていればよい。必要に応じて、前記混合物とメタリック顔料(C)をドライブレンドしたものを直接射出成形機に供給してもよく、射出成形機において溶融混練して、射出成形を行うこともできる。
メタリック顔料(C)は外部応力に対し脆いものであるため、このように、樹脂組成物の製造や成形体の成形において、溶融混練時のスクリュー剪断応力をメタリック顔料(C)に極力与えないことが、得られる成形体の光沢度を向上させる上で好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物に適した射出成形条件として、例えば、シリンダ温度を樹脂組成物の融点または流動開始温度以上、好ましくは190〜270℃とし、また、金型温度を樹脂組成物の(融点−20℃)以下とする条件が挙げられる。成形温度が低すぎると成形体にショートが発生するなど成形性が不安定になったり、得られる成形体表面の光沢度が失われることがある。逆に、成形温度が高すぎるとポリアミド樹脂組成物が分解し、得られる成形体の強度が低下したり、光沢度を低下させる要因となる場合がある。
本発明の成形体、特に射出成形法により得られた成形体は、輝度が高いものであるが、射出成形時の各種条件、たとえば、樹脂温度、射出速度、射出圧、金型温度をバランス良く設定することで、さらに、輝度を向上することが可能である。なお、これらの条件は、溶融したポリアミド樹脂組成物の金型内での流動性、さらには、ポリアミド樹脂組成物中での膨潤性層状珪酸塩(B)、メタリック顔料(C)の分散性に影響を与えるため、慎重に設定する必要がある。たとえば、射出速度を高速とした場合には、メタリック顔料(C)の配向が乱れてしまい、輝度が低下する傾向があるため、射出速度は低速から中速とした方がよい。
(1)平滑性
得られた板状成形体の平滑性を、目視で評価した。
○:金型転写が十分なされており、平滑性を有する。
△:含有する顔料の浮きまたはヒケを生じていないが、平滑性がやや劣る。
×:含有する顔料の浮きまたはヒケを生じており、平滑性を有さない。
板状成形体を肉眼観察し、含有する顔料の分散状態を評価した。
○:均一に分散している。
△:やや分散に斑があり、濃淡がみられる。
×:濃淡がみられ、局所的に顔料が凝集している。
JIS Z 8741に基づき、光沢度計(日本電色社製グロスメーターVG7000)を用い、板状成形体の表面光沢度の測定を行った。光沢度は、実用的には、90%以上であることが好ましい。
照度1000Lxである蛍光灯下で板状成形体の法線とのなす角度45°の方向から観察し、肉眼にて輝度を官能評価した。
5:ギラギラ感を有するが、過剰である。
4:ギラギラ感を有するが、やや過剰である。
3:適度なギラギラ感を有する。
2:金属特有の輝きが不足する。
1:金属特有の輝きを有さない。
照度が1000Lxである蛍光灯下で様々な角度から板状成形体を観察し、肉眼にてクリア感を官能評価した。
○:板状成形体表面に蛍光灯を映すと、蛍光灯の形がそのまま見える。
△:板状成形体表面に蛍光灯を映すと、蛍光灯の形は見えるが、蛍光灯のラインがぼやけて見える。
×:板状成形体表面に蛍光灯を映しても、蛍光灯の形を認識できない。
射出成形時に、金型両端のサイドゲートより同時に溶融樹脂を流入させ、得られる板状成形体の中央部に出来る樹脂合流部において、合流界面(ライン)が明瞭に見えるかどうかを目視にて判断した。なお、本発明のポリアミド樹脂組成物においては、通常のウェルド部の評価(特にウェルド部の強度低下)とは異なり、含有するメタリック顔料の配向が、樹脂合流部で急激に変化することによる外観的な欠陥について特に評価を行った。
4:ラインが見えない。
3:ラインが目立たない。
2:ラインは視覚的に認識できるが、くっきりとはしていない。
1:メタリック顔料の配向に異方性が生じ、線状にくっきりとラインが見える。
照度が1000Lxである蛍光灯下で様々な角度から板状成形体を観察し、肉眼にてフローマークの有無を評価した。フローマークはメタリック顔料の流動ムラであり、フローマークがない方がよい。
4:フローマークがない。
3:成形体ゲート部にフローマークがある。
2:成形体ゲート部および成形体周辺部(流動末端)にフローマークがある。
1:成形体全体にわたりフローマークがある。
板状成形体を、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機社製S80型)を用いて、ブラックパネル温度63℃、湿度50%RH、降雨時間18分(120分サイクル)の条件で500時間の試験を行なった。試験前後で色差および表面光沢度を測定して耐候性を評価した。
色差は、JIS Z 8722に基づき、光沢度計(日本電色社製 分光色差計SE6000)を用い、板状成形体の色差を測定した。耐候性試験後の色差は、実用的には、ΔEが3以下であることが好ましい。
光沢度は、JIS Z 8741に基づき、光沢度計(日本電色社製 グロスメーターVG7000)を用い、板状成形体の表面光沢度の測定を行った。耐候性試験後の光沢度の保持率は、実用的には、80%以上であることが好ましい。
ISO178に準拠して、板状成形体の曲げ弾性率を測定した。曲げ弾性率は3GPa以上であることが好ましく、4GPaであることがより好ましい。
得られた樹脂組成物を用い、射出成形機(東芝機械社製EC−100II型)にて、樹脂温度260℃、金型温度100℃、保圧30MPa、射出速度100mm/s、射出圧力100MPa、冷却時間10秒にて両端から2点ゲートで試験片(ASTM D 638−95に準じた多目的試験片、試験片A)を成形した。また、同じ金型を用い1点ゲートにて同様な試験片(ウェルド無、試験片B)を成形し、それぞれの引張強度をASTM D638に準じて測定した。次式により試験片Bの引張強度に対するウェルド部を有する試験片Aの引張強度の比をとり、ウェルド部の引張強度の保持率を算出して、ウェルド強度を評価した。
ウェルド部の引張強度保持率(%)={(ウェルド部を有する試験片Aの引張強度)/(試験片Bの引張強度)}×100
ウェルド部の引張強度保持率は、実用的には60%以上が好ましく、65%以上であることがより好ましい。
(1)ポリアミド樹脂モノマー成分
・ε−カプロラクタム(宇部興産社製)
・11−アミノウンデカン酸(純正化学社製)
・12−アミノドデカン酸(宇部興産社製)
(2)ポリアミド樹脂
・PA6:ポリアミド6(ユニチカ社製「A1030BRL」)
・PA11:ポリアミド11(アルケマ社製「BMN O」)
・PA12:ポリアミド12(アルケマ社製「AMN O TLD」)
・PA66:ポリアミド66(ユニチカ社製「E2000」)
・B−1:膨潤性フッ素雲母(コープケミカル社製「ME−100」)
・B−2:ヘクトライト(Elementis Specialities社製「BentoneHC」)
・B−3:モンモリロナイト(ホージュン社製「ベンゲルHV」)
・C−1:アルミ粉末マスターバッチ(東洋アルミニウム社製「NME U20TZ」、ポリエチレンに対しアルミ粉末(平均粒子径20μm、平均厚み4μm)を70質量%練り込んだもの)
・C−2:パール顔料(メルクジャパン社製「イリオジン#100」、マイカ(平均粒子径20μm、平均厚み0.3μm)の表面にチタンを0.1μmコーティングしたもの)
・D−1:ヒンダードアミン系光安定剤(BASF社製「Tinuvin770」)
・D−2:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASF社製「Tinuvin234」)
・D−3:シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤(クラリアント社製「SanduvorVSU」)
(7)塩化リチウム(試薬)
ε−カプロラクタム80質量部、11−アミノウンデカン酸20質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、膨潤性層状珪酸塩(B−1)5質量部、水5質量部を仕込み、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合を行ない、膨潤性層状珪酸塩(B−1)を5.2質量%含有するポリアミド樹脂(P−1)を得た。
得られた膨潤性層状珪酸塩含有ポリアミド樹脂(P−1)と、メタリック顔料(C−1)とを、表1に示す配合量となるように一括混合し、単軸押出機の主ホッパーより投入し、溶融混練を行い、ダイスよりストランド状に押出しした後、冷却、ペレタイズし、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。溶融混練は、樹脂温度260℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/hにて行った。
得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、射出成形機(東芝機械社製EC−100II型)にて、樹脂温度260℃、金型温度100℃、保圧30MPa、射出速度100mm/s、射出圧力100MPa、冷却時間10秒の条件で射出成形を行い、縦90mm×横50mm×厚さ2mmの板状成形体を得た。なお、金型は短辺方向中央にサイドゲート1点を有するものを用いたが、ウェルド評価用の成形体の成形には、対向する2つの短辺方向中央のそれぞれにサイドゲートを有するものを用いた。得られた板状成形体を用いて各種評価を行った結果を表2に示す。
表1に記載の仕込組成となるようにした以外は実施例1と同様にして、膨潤性層状珪酸塩含有ポリアミド樹脂(P−2)〜(P−12)を得た。次いで、表1に記載の配合量で各成分を配合した以外は実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得て、さらに射出成形を行った。得られた板状成形体を用いて各種評価を行った。その結果を表2に示す。ただし、実施例11においては、単軸押出機に代えて、二軸押出機を使用してポリアミド樹脂組成物ペレットを製造した。
比較例3は、樹脂組成物における膨潤性層状珪酸塩(C)の含有量が下限値未満であったため、得られた成形体は、クリア感、曲げ弾性率が低下したものであった。比較例4は、樹脂組成物における膨潤性層状珪酸塩(C)の含有量が上限値を超えたため、膨潤性層状珪酸塩の凝集物が存在し、得られた成形体は、平滑性が悪く、クリア感が損なわれ、また、ウェルド強度が低下したものであった。
比較例5と6は、ポリアミド樹脂(A)を構成するアミノカルボン酸が6−アミノカプロン酸のみであったため、得られた成形体は、ウェルド強度が低く、ウェルド部の外観が劣り、フローマークが目立ち、耐候性に劣るものであった。
比較例7は、ポリアミド樹脂(A)を構成するアミノカルボン酸が11−アミノウンデカン酸のみであり、比較例8は、12−アミノドデカン酸のみであったため、得られた成形体は、輝度、クリア感、曲げ弾性率が低下したものであった。
比較例9は、ポリアミド樹脂(A)が、アミノカルボン酸の1種と、ジアミンとジカルボン酸とから構成されており、得られた成形体は、ウェルド部の外観が劣り、フローマークが目立つものであった。
Claims (12)
- ポリアミド樹脂(A)100質量部、膨潤性層状珪酸塩(B)1〜10質量部、およびメタリック顔料(C)0.5〜5質量部を含むポリアミド樹脂組成物であって、ポリアミド樹脂(A)が、2種以上のアミノカルボン酸単位から構成されることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)が、2種以上のアミノカルボン酸単位から構成される共重合体であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)が、6−アミノカプロン酸単位と、11−アミノウンデカン酸単位および/または12−アミノドデカン酸単位とから構成される共重合体であり、ポリアミド樹脂(A)における6−アミノカプロン酸単位の含有量が、60〜90質量%であることを特徴とする請求項2記載のポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)が、アミノカルボン酸単位から構成される重合体の2種以上の溶融混合物であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- ポリアミド樹脂(A)が、ポリアミド6と、ポリアミド11および/またはポリアミド12との溶融混合物であり、ポリアミド樹脂(A)におけるポリアミド6の含有量が60〜90質量%であることを特徴とする請求項4記載のポリアミド樹脂組成物。
- 膨潤性層状珪酸塩(B)が、フッ素雲母、モンモリロナイト、およびヘクトライトから選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- メタリック顔料(C)が、アルミニウム、鉄、およびそれらの酸化物、ならびにチタンコーティングされたマイカから選ばれるいずれか1種であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- さらに、耐候剤(D)を含有することを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- さらに、ハロゲン化リチウムおよび/またはニグロシンを含有することを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項2または3記載のポリアミド樹脂組成物を製造するための方法であって、膨潤性層状珪酸塩(B)の存在下に行なう共重合体の重合反応工程を含むことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 請求項4または5記載のポリアミド樹脂組成物を製造するための方法であって、膨潤性層状珪酸塩(B)の存在下に行なう重合体の重合反応工程を少なくとも1つ含むことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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