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JP2014080328A - プロセスからco2を排出しない合成ガス及び水素の併産方法 - Google Patents

プロセスからco2を排出しない合成ガス及び水素の併産方法 Download PDF

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JP2014080328A JP2012229202A JP2012229202A JP2014080328A JP 2014080328 A JP2014080328 A JP 2014080328A JP 2012229202 A JP2012229202 A JP 2012229202A JP 2012229202 A JP2012229202 A JP 2012229202A JP 2014080328 A JP2014080328 A JP 2014080328A
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Fuyuki Yagi
冬樹 八木
Osamu Hirohata
修 広畑
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Abstract

【課題】 プロセスからCOを排出しない合成ガス及び水素の併産方法を提供する。
【解決手段】 外部から二酸化炭素を添加することなく二酸化炭素/炭素モル比を調整した軽質炭化水素ガスを、比表面積0.1〜5.0m/gの酸化マグネシウム担体にルテニウム及び/又はロジウムを金属換算値で200〜2000wtppm担持した改質触媒の存在下でスチーム/炭素モル比1.7以下で改質して合成ガスを生成する改質工程と、得られた合成ガスの一部にスチームを添加して水性ガスシフト反応を行うシフト工程と、該シフト工程で得られたガスを精製して高純度水素ガスを取り出す水素分離工程とからなる合成ガス及び水素の併産方法であって、該水素分離工程で高純度水素ガスを取り出した後に残る残余ガスを該改質工程の上流側にリサイクルする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プロセス側から環境にCOを排出することなく天然ガスなどの軽質炭化水素ガスを改質して合成ガスと水素とを併産する方法に関する。
水素(H)と一酸化炭素(CO)とを主成分とする合成ガスは、GTL(Gas to Liquids)、DME(ジメチルエーテル)などの液体燃料油やアンモニア、メタノール、酢酸などの化学製品の原料として広く利用されている。かかる合成ガスの原料には、天然ガスなどの軽質炭化水素ガスを使用することができ、この原料ガスに触媒の存在下でスチームや炭酸ガスを添加し、反応に必要な熱を供給することによってH/COモル比0.5〜3程度の合成ガスを効率よく製造することができる。
例えば、原料ガスがメタンの場合、スチームの添加によって下記式1に示すスチームリフォーミング反応を経てH/COモル比3の合成ガスを製造することができる。また、二酸化炭素(CO)の添加によって下記式2に示すCOリフォーミング反応を経てH/COモル比1の合成ガスを製造することができる。
[式1]
CH + HO = CO + 3H
[式2]
CH + CO = 2CO + 2H
これら式1及び式2のリフォーミング反応はいずれも吸熱反応であるため、従来、反応器(リフォーマー)には、ATR(Auto Thermal Reforming)やPOX(Partial Oxidation)の他、加熱炉内に触媒管を設置して燃焼ガスの輻射熱で触媒管を加熱する管式リフォーマーが用いられてきた(特許文献1)。特に管式リフォーマーは合成ガスの製造量が比較的少ない場合であっても効率よく合成ガスを製造できるので、数多くの合成ガス製造工場で使用されている。
特開2006−056766号公報
近年、地球環境に配慮した設計があらゆる方面で求められており、合成ガスの製造工場においても二酸化炭素に代表される温室効果ガスを排出しない技術が求められている。しかしながら、合成ガスの生成工程では、上記の式1及び式2のリフォーミング反応に加えて下記式3の水性ガスシフト反応を伴うため、これにより生成したCOが、合成ガスからCOを除去する脱炭酸工程を経て環境に排出したり、下流の化学製品等の製造工程において環境に排出することがあった。
[式3]
CO + HO = CO + H
また、燃料電池や水素タービンコンバインドサイクルによる発電等に代表されるように、COを発生しない燃料として水素を利用する技術の開発実用化が進み、水素の需要が飛躍的に高まる時代が到来しつつある。
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、プロセス側から環境にCOを排出しない合成ガス及び水素の併産方法を提供することを目的としている。特に、GTL等の原料組成として好適なH/COモル比2程度の合成ガス及び高純度の水素を、プロセス側から環境にCOを排出することなく併産する方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明が提供する合成ガス及び水素の併産方法は、外部から二酸化炭素を添加することなく二酸化炭素/炭素モル比を調整した軽質炭化水素ガスを、比表面積0.1〜5.0m/gの酸化マグネシウム担体にルテニウム及び/又はロジウムを金属換算値で200〜2000wtppm担持した改質触媒の存在下でスチーム/炭素モル比1.7以下で改質して合成ガスを生成する改質工程と、得られた合成ガスの一部にスチームを添加して水性ガスシフト反応を行うシフト工程と、該シフト工程で得られたガスを精製して高純度水素ガスを取り出す水素分離工程とからなる合成ガス及び水素の併産方法であって、該水素分離工程で高純度水素ガスを取り出した後に残る残余ガスを該改質工程の上流側にリサイクルすることを特徴としている。
本発明によれば、温室効果ガスであるCOをプロセス側から環境に排出することなく天然ガスなどの軽質炭化水素ガスからGTL等の原料として好適なH/COモル比2程度の合成ガス及び水素を併産することが可能となる。
本発明の合成ガス及び水素の併産方法の一具体例を示すプロセスフロー図である。 比較例1の合成ガス及び水素の製造方法を示すプロセスフロー図である。 本発明の合成ガス及び水素の併産方法の他の具体例を示すプロセスフロー図である。
以下、本発明の合成ガス及び水素の併産方法の一具体例を、図1のプロセスフロー図を参照しながら説明する。この図1に示す合成ガス及び水素の併産方法は、外部から二酸化炭素を添加することなく二酸化炭素/炭素モル比を調整した軽質炭化水素ガスを、比表面積0.1〜5.0m/gの酸化マグネシウム担体にルテニウム及び/又はロジウムを金属換算値で200〜2000wtppm担持した改質触媒の存在下でスチーム/炭素モル比1.7以下で改質して合成ガスを生成する改質工程と、得られた合成ガスの一部にスチームを添加して水性ガスシフト反応を行うシフト工程と、該シフト工程で得られたガスを精製して高純度水素ガスを取り出す水素分離工程と、前記水性ガスシフト反応が行われる前記一部の合成ガスを除いた残りの合成ガスを脱炭酸処理する脱炭酸工程とからなる。そして、該脱炭酸工程で取り除かれた炭酸ガスと該水素分離工程で高純度水素ガスを取り出した後に残る残余ガスとを改質工程の上流側にリサイクルしている。
各工程についてより具体的に説明すると、先ず原料ガスとしての軽質炭化水素ガス(ストリーム番号S1)を、熱交換器などの第1加熱手段1に送り、ここで低圧スチームなどの加熱媒体によって後段の水素化脱硫工程に必要な温度まで加熱する。加熱された軽質炭化水素ガスに水素化脱硫工程に必要な量の水素ガス(ストリーム番号S2)を添加した後、水素化脱硫装置2に導入する。なお、ここで添加する水素ガスは、後述する水素分離装置15で得られる高純度の製品水素ガスから一部抜き出したものである。
水素化脱硫装置2は、改質触媒の触媒毒となる硫黄分を除去すべく、例えばCo−Mo系触媒やNi−Mo系触媒が充填された反応器を有しており、この反応器に上記した水素を添加した原料ガスを導入することにより、当該原料ガス中に含まれる硫黄化合物を水素と反応させて硫化水素に変換して原料ガスから除去するものである。硫化水素の除去は、ZnOによる吸着やアルカノールアミン溶液などを用いた化学吸収法により容易に行うことができる。
次に、上記水素化脱硫装置2で水素化脱硫処理された原料ガスに、スチームリフォーミング用の圧力0.8〜3.3MPaG程度の飽和状態のプロセススチーム(ストリーム番号S3)を添加し、さらにCOリフォーミング用のCOを含むリサイクルCOガス(ストリーム番号S4)を添加する。このリサイクルCOガスは、後述する脱炭酸装置9で除去された炭酸ガスと、水素分離装置15で高純度水素ガスを取り出した後に残る残余ガスとからなる。
上記プロセススチームを添加する際は、水素化脱硫後の原料ガス、リサイクルCOガス及び当該プロセススチームからなる混合ガスのスチーム/炭素モル比(すなわち、HOのモル数を炭化水素に含まれる炭素原子の総モル数で割った値であり、S/Cモル比とも称される)が1.7以下、好ましくは0.7以上1.7以下となるように上記水素化脱硫後の原料ガスに添加する量を調整する。この値が0.7未満では、改質工程の出口条件でのカーボン活性が1を超えるため、改質触媒上にカーボンが析出しやすくなる。一方、この値が1.7を超えるとリフォーマーのdutyが増大するので好ましくない。
なお、カーボン活性とは、カーボンの析出の有無を判断する指標となる値であり、ある温度及び圧力における生成ガスの分圧と、カーボン生成反応の平衡定数の比から求めることができる。例えば、下記式4で示される一酸化炭素からの炭素析出反応(Boundouard反応)に関しては、炭酸ガスと一酸化炭素の分圧とこの反応の平衡定数の比から下記式5によりカーボン活性(Ac)を求めることができる。なお、下記式5において、KはBoundouard反応の平衡定数、Pco及びPcoはそれぞれ、運転条件下でのCO及びCOの分圧である。
[式4]
2CO=C+CO
[式5]
Ac=K・((Pco)/Pco
一方、上記リサイクルCOガスを添加する際は、上記水素化脱硫後の原料ガス、リサイクルCOガス及びプロセススチームからなる混合ガスの二酸化炭素/炭素モル比(すなわち、COのモル数を炭化水素に含まれる炭素原子の総モル数で割った値)が0.1〜3.0になるように上記水素化脱硫後の原料ガスに添加する量を調整する。この値が0.1未満では、改質工程で得られる合成ガスのH/COモル比が高くなってしまう。一方、この値が3.0を超えるとリサイクルCOガスのリサイクルさせるための第3圧縮機16の負荷が著しく増大する。
上記のように、S/Cモル比及び二酸化炭素/炭素モル比を調整した混合ガスを、次に熱交換器などの第2加熱手段3に送り、ここで高圧スチームなどの加熱媒体によって500℃程度に加熱した後、リフォーマー入口ガス(ストリーム番号S5)として改質装置4に導入する。改質装置4は、例えば管式リフォーマーで構成されている。管式リフォーマーは、改質触媒が充填された1又は複数本の反応管内にプロセス側流体を流しながら、当該反応管の外部から輻射により反応熱を供給してプロセス側流体の改質を行う装置である。
改質装置4では、プロセス側の出口温度が800〜950℃、出口圧力が0.15〜3.0MPaGとなるように制御するのが好ましく、これにより改質反応を効率よく進行させることができる。出口温度が800℃未満では、メタンの転化率が低下し、一方、950℃を超えると既存のチューブの設計温度を超えてしまう。また、出口圧力が0.15MPaG未満では、下流の機器を通過させることができなくなり、一方、3.0MPaGを超えるとメタンの転化率が低下する。
改質装置4の反応管内に充填する改質触媒には、酸化マグネシウム担体にルテニウム及び/又はロジウムを金属換算値で200〜2000wtppm担持させたものを使用する。これは、前述したように二酸化炭素を含むリサイクルCOガスを改質装置4の上流にリサイクルしているので、改質装置4のプロセス側は、副反応によってカーボンが析出し易い条件になっており、従来のNi系のスチームリフォーミング触媒ではカーボンが析出して触媒が容易に失活してしまうからである。
これに対して、上記した酸化マグネシウム担体にルテニウム及び/又はロジウムを所定量担持させた改質触媒を使用することによって、軽質炭化水素ガスに対して高い合成ガス化活性を維持しつつ、炭素析出活性を著しく抑えることが可能となる。なお、担持させるルテニウム及び/又はロジウムの量が200wtppm未満では十分な触媒活性が得られにくくなる。一方、この値が2000wtppmを超えると、触媒表面にカーボンが析出しやすくなる。
酸化マグネシウム担体は、BET法に基づいて測定した比表面積が0.1〜5.0m/gとなるようにする。この場合、酸化マグネシウム担体の形状は、リング状、マルチホール状、又はタブレット状であることが好ましい。かかる担体を使用することによって、内径15〜150mm程度の反応管内に充填した状態で良好に触媒反応を行わせることが可能となる。なお、この比表面積が0.1m/g未満では、十分な触媒活性が得られない。一方、この値が5.0m/gを超えると、触媒表面にカーボンが析出しやすくなる。
上記改質触媒を調製する方法としては、酸化マグネシウムとグラファイト等の成型助剤とを十分に混合して打錠成型すること等により酸化マグネシウム担体の成形体を作製することができる。この酸化マグネシウムからなる成形体は、純度が98質量%以上であるのが好ましく、99質量%以上がより好ましい。特に、炭素析出活性を高める成分や、高温の還元ガス雰囲気下で分解する成分、例えば、鉄、ニッケル等の金属や二酸化ケイ素(SiO)等の不純物の混入は好ましくない。これらの不純物は、酸化マグネシウムの成形体中で1質量%以下にするのが好ましく、0.1質量%以下がより好ましい。
得られた酸化マグネシウム担体に触媒を担持させる方法には、含浸法などの一般的な方法を使用することができる。例えば、含浸法の場合は、水中に分散させた担体に触媒となるルテニウム及び/又はロジウムの金属塩又はその水溶液を添加して混合した後、担体を水溶液から分離し、乾燥及び焼成すればよい。
あるいは、担体を排気処理した後、細孔容積分程度の金属塩溶液を少量ずつ加えて担体表面を均一に濡れた状態にし、乾燥及び焼成する方法(incipient wetness法)や、霧状の金属塩溶液を担体に吹き付ける方法(Spray法)でもよい。これらの方法では、その触媒金属塩に、硝酸塩、塩化物等の無機酸塩や、酢酸塩、シュウ酸塩等の有機酸塩等の水溶性塩を使用することができる。また、金属のアセチルアセトナト塩等をアセトン等の有機溶媒に溶解し、これを担体に含浸させてもよい。
上記水溶性塩を用いて含浸させた場合は、乾燥温度を100〜200℃にするのが好ましく、100〜150℃がより好ましい。一方、有機溶媒を用いて含浸させた場合は、その溶媒の沸点より50〜100℃高温で乾燥するのが好ましい。乾燥後の焼成温度及び焼成時間は、得られる担体の比表面積に応じて適宜選定するが、一般的には500〜1100℃の範囲で3〜5時間程度焼成するのが好ましい。
このようにして得た改質触媒を、管式リフォーマーの場合は反応管内にGHSV(ガス空間速度)で例えば250〜6000hr−1となるように充填する。触媒が充填される反応管は、前述したプロセス側の出口温度800〜950℃、出口圧力0.15〜3.0MPaGとなることも考慮にいれてその内径、長さ等が定められる。
再び図1に戻ると、改質装置4のプロセス側から生成ガスとして排出されるリフォーマー出口ガス(ストリーム番号S6)を、熱交換器などの第1冷却手段5に送り、ここで冷却水などの冷却媒体によって後述する高温シフト反応に好適な温度まで冷却する。第1冷却手段5で冷却した生成ガスを2つに分岐し、それぞれを脱炭酸工程及び水性ガスシフト工程で処理する。
まず、脱炭酸工程側の処理について説明する。2つに分岐した生成ガスのうちの一方を、熱交換器などの第2冷却手段6で後段の脱炭酸工程に適した40℃程度の温度まで更に冷却する。この冷却によって生じた凝縮水(ストリーム番号S12)を第1気液分離槽7で除去した後、第1圧縮機8によって後段の脱炭酸工程での処理に必要な圧力まで昇圧して脱炭酸装置9に送る。
脱炭酸装置9では、例えば化学吸収法、物理吸収法などの一般的な脱炭酸工程を用いて生成ガスに含まれる炭酸ガスを除去する。アルカノールアミン溶液を用いた化学吸収法の場合は、棚段や充填材を備えた吸収塔の塔底部に生成ガスを供給すると共にその搭頂部に再生済みの化学吸収液を供給する。これにより、塔内で生成ガスと化学吸収液とを互いに向流気液接触させて、生成ガスに含まれる二酸化炭素を効率よく化学吸収液に吸収させる。これにより、吸収塔の搭頂部から脱炭酸された製品合成ガス(ストリーム番号S14)を取り出すことができる。
この脱炭酸処理された合成ガスは、H/COモル比が所定の比率に調整されており、各種の原料として使用することができる。例えばH/COモル比が2程度の場合はフィッシャー・トロプシュ合成の原料に好適に使用することができる。あるいは、H/COモル比が1程度の場合はDMEの直接合成の原料に使用することができる。
二酸化炭素を吸収した化学吸収液は、吸収塔の塔底部から抜き出された後、再生塔に送られる。再生搭では、ストリッピングスチームによって化学吸収液の再生が行われると共に、解離した二酸化炭素が再生塔の塔頂部から排出される。再生塔から排出されるこの炭酸ガスと後述する水素分離装置15で生ずる残余ガスとを第3圧縮機16において所定の圧力まで昇圧し、前述したリサイクルCOガス(ストリーム番号S4)として改質工程の上流側にリサイクルする。
次に、水性ガスシフト工程側の処理について説明する。2つに分岐した生成ガスのうちの他方の生成ガスに、水性ガスシフト反応用の圧力0.8〜3.3MPaG程度の飽和状態のプロセススチーム(ストリーム番号S7)を添加する。これにより得られる高温シフト反応入口ガス(ストリーム番号S8)を高温シフト反応装置10に導入する。高温シフト反応装置10は、例えば鉄−クロム系又は銅−クロム系触媒が充填された反応器からなり、ここで高温の触媒反応により高温シフト反応入口ガス中のCOがHにシフトされる。
高温シフト反応装置10で処理されたガスを、続いて第3冷却手段11で低温のシフト反応に適した温度まで冷却した後、低温シフト反応入口ガス(ストリーム番号S9)として低温シフト反応装置12に導入する。低温シフト反応装置12は例えば銅−亜鉛系触媒が充填された反応器からなり、ここで低温の触媒反応により生成ガス中のCO濃度がより低くなるまでHにシフトされる。
低温シフト反応装置12で処理されたガスを第4冷却手段13に送って所定の温度まで冷却し、この冷却によって生じた凝縮水(ストリーム番号S11)を第2気液分離槽14において除去した後、水素分離装置15に送る。水素分離装置15は、例えばPSA(Pressure Swing Adsorption)装置で構成されており、ここで上記第2気液分離槽14で凝縮水の除去されたPSAフィードガス(ストリーム番号S10)の精製が行われる。水素分離装置15では高純度の水素ガスが製品水素(ストリーム番号S13)として取り出されると共に、この高純度の水素ガスを取り出した後の残余ガスが排出される。この残余ガスには二酸化炭素が含まれており、前述した脱炭酸装置9から排出される炭酸ガスと共に改質工程の上流側にリサイクルされる。
このように、本発明の一具体例の合成ガス及び水素の併産方法では、プロセス内で生成される二酸化炭素を全て回収して改質工程の上流側にリサイクルするので、合成ガス及び水素の併産に伴ってプロセス側から環境にCOが排出されることはない。また、改質工程でのCOリフォーミングに必要な二酸化炭素はこのリサイクルされる二酸化炭素で全て賄うことができるので、外部から二酸化炭素を添加する必要はない。
以上、本発明の合成ガス及び水素の併産方法を一具体例を挙げて説明したが、本発明はかかる一具体例に限定されるものではない。例えば、上記説明した本発明の一具体例の合成ガス及び水素の併産方法では、改質工程で得られたガスの一部を脱炭酸処理して炭酸ガスをほとんど含まない製品合成ガスを作成するものであったが、メタノール原料のように製品合成ガスに炭酸ガスを含んでいることが望ましい場合は、第1気液分離槽7で凝縮水を除去した生成ガスの一部もしくは全部を脱炭酸せずにそのまま製品合成ガスとすることができる。図3には第1気液分離槽7で凝縮水が除去された生成ガスの全部を脱炭酸装置9で処理せずにそのまま製品合成ガスとする例が示されている。
[実施例1]
原料ガスとしての軽質炭化水素ガスに天然ガスを使用し、図3に示す脱炭酸工程を含まないプロセスフロー図に沿って、S/Cモル比1.30に調整した天然ガスからH/COモル比2.00の合成ガス17,600Nm/hと、高純度水素ガス10,000Nm/hとを併産する場合を想定してプロセス計算を行った。このプロセス計算において、リフォーマー4のプロセス側の出口温度は900℃、出口圧力は2000kPaG、原料ガスに添加するスチームは3300kPaGの飽和蒸気とした。このプロセス計算によって得られた各フローの流量及び組成を下記表1に示す。
Figure 2014080328
上記表1の結果から、CO/Cモル比を0.64に調整することによりCOを大気に排出することなく合成ガス及び水素を併産できることが分かった。なお、原料ガスとして6,600Nm/hの天然ガスが必要となることが分かった。また、プロセススチームの消費量は13.6t/h、リフォーマー4の熱負荷は25MWであった。
[比較例1]
比較のため、実施例1とほぼ同じ量の合成ガス及び水素を、図2のプロセスフロー図に沿って製造する場合を想定してプロセス計算を行った。すなわち、合成ガスは、第1加熱手段1A、水素化脱硫装置2A、第2加熱手段3A、改質装置4A、第1冷却手段5A、及び第1気液分離槽7からなる従来のCOリフォーミング工程で生成するものとし、水素は、第1加熱手段1B、水素化脱硫装置2B、第2加熱手段3B、改質装置4B、第1冷却手段5B、高温シフト反応装置10、第3冷却手段11、低温シフト反応装置12、第4冷却手段13、第2気液分離槽14、及び水素分離装置15からなる従来のスチームリフォーミング工程で生成するものとした。このプロセス計算によって得られた各フローの流量及び組成を下記表2に示す。
Figure 2014080328
上記表2の結果から、実施例1とほぼ同じ量の合成ガス及び水素を生成するために必要な天然ガスは7,300Nm/hであり、実施例1に比べて約10%多く必要になることが分かった。また、系外から2,500Nm/hの二酸化炭素を添加する必要が生じた。なお、プロセススチームの消費量は15.4t/h、リフォーマーの熱負荷は27MWとなり、実施例1に比べてそれぞれ約13%及び約8%多く必要になることが分かった。
[実施例2]
図1に示すプロセスフロー図に沿って、H/COモル比2.00の製品合成ガスを脱炭酸処理し、これにより生ずる炭酸ガスを改質工程の上流側にリサイクルした場合を想定してプロセス計算を行った。リフォーマー4入口ガスのS/Cモル比とCO/Cモル比、及び出口条件は上記実施例1と同じ値にした。なお、高純度水素ガスの製造量は10,000Nm/hとしたが合成ガスの製造量はなりゆきにした。このプロセス計算によって得られた各フローの流量及び組成を下記表3に示す。
Figure 2014080328
上記表2の結果から、COを大気に排出することなく合成ガス及び水素を併産できることが分かった。なお、合成ガスの製造量は37,000Nm/hとなり、原料ガスとして12,200Nm/hの天然ガスが必要となることが分かった。また、プロセススチームの消費量は20.3t/h、リフォーマー4の熱負荷は44MWであった。
[比較例2]
改質触媒に従来から使用されているNi系触媒を用いて実施例2とほぼ同量の合成ガス及び水素を製造する場合を想定してプロセス計算を行った。Ni系触媒の場合はカーボンが析出しないようにS/Cモル比3.00にした。このプロセス計算によって得られた各フローの流量及び組成を下記表4に示す。
Figure 2014080328
上記表4の結果から、実施例2とほぼ同じ量の合成ガス及び水素を生成するために必要な原料ガスの量は10,300Nm/hであり、実施例2に比べて1,900Nm/h少なくなったが、プロセススチームの消費量は30.6t/h、リフォーマーの熱負荷は48MWとなり、実施例2に比べてそれぞれ約51%及び約9%多く必要になることが分かった。また、合成ガス中の残存メタンは下流側の工程では反応しないため、オフガスとしてリフォーマーの燃料に使用することができるが、比較例2ではこの残存メタン量が実施例2に比べて約20%程度と少なく、これを補うため、リフォーマー燃料に使用される天然ガスの量が増えることになる。これらにより、リフォーマー及びユーテリティボイラーの燃料に使われる天然ガスの量が、比較例2は実施例2に比べ3,000Nm/h程度増えるので、結果的に天然ガスの総使用量は実施例2に比べて1,100Nm/hほど多くなる。
1 第1加熱手段
2 水素化脱硫装置
3 第2加熱手段
4 改質装置
5 第1冷却手段
6 第2冷却手段
7 第1気液分離槽
8 第1圧縮機
9 脱炭酸装置
10 高温シフト反応装置
11 第3冷却手段
12 低温シフト反応装置
13 第4冷却手段
14 第2気液分離槽
15 水素分離装置
16 第2圧縮機
17 第3圧縮機

Claims (5)

  1. 外部から二酸化炭素を添加することなく二酸化炭素/炭素モル比を調整した軽質炭化水素ガスを、比表面積0.1〜5.0m/gの酸化マグネシウム担体にルテニウム及び/又はロジウムを金属換算値で200〜2000wtppm担持した改質触媒の存在下でスチーム/炭素モル比1.7以下で改質して合成ガスを生成する改質工程と、得られた合成ガスの一部にスチームを添加して水性ガスシフト反応を行うシフト工程と、該シフト工程で得られたガスを精製して高純度水素ガスを取り出す水素分離工程とからなる合成ガス及び水素の併産方法であって、該水素分離工程で高純度水素ガスを取り出した後に残る残余ガスを該改質工程の上流側にリサイクルすることを特徴とする合成ガス及び水素の併産方法。
  2. 前記一部を除いた残りの合成ガスを脱炭酸処理する脱炭酸工程を更に含み、該脱炭酸工程で取り除かれた炭酸ガスを前記水素分離工程で生じる前記残余ガスと共に前記改質工程の上流側にリサイクルすることを特徴とする、請求項1に記載の合成ガス及び水素の併産方法。
  3. 前記高純度水素ガスの取り出しにPSA装置を使用することを特徴とする、請求項1又は2に記載の合成ガス及び水素の併産方法。
  4. 前記改質工程の出口温度が800〜950℃、出口圧力が0.15〜3.0MPaGであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の合成ガス及び水素の併産方法。
  5. 前記二酸化炭素/炭素モル比を0.1〜3.0に調整することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の合成ガス及び水素の併産方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20210033579A (ko) * 2019-09-18 2021-03-29 고등기술연구원연구조합 바이오가스를 이용한 수소융복합 충전 시스템
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JP2022021242A (ja) * 2020-07-21 2022-02-02 東京瓦斯株式会社 固体炭素回収型エネルギー供給システム、および、固体炭素回収型エネルギー供給方法。

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