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JP2014074595A - 放射線撮像装置、放射線撮像システム、及び、放射線撮像装置の製造方法 - Google Patents

放射線撮像装置、放射線撮像システム、及び、放射線撮像装置の製造方法 Download PDF

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JP2014074595A JP2012220716A JP2012220716A JP2014074595A JP 2014074595 A JP2014074595 A JP 2014074595A JP 2012220716 A JP2012220716 A JP 2012220716A JP 2012220716 A JP2012220716 A JP 2012220716A JP 2014074595 A JP2014074595 A JP 2014074595A
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慶人 佐々木
Satoshi Okada
岡田  聡
Yohei Ishida
陽平 石田
Akiya Nakayama
明哉 中山
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Abstract

【課題】シンチレータ層の防湿性及び封止材の強固性の向上に有利な放射線撮像装置を提供する。
【解決手段】光電変換素子が配置されたセンサ基板と、放射線を前記光電変換素子で検出可能な波長の光に変換するシンチレータ層が配置され、前記センサ基板と貼り合わされるシンチレータ基台と、前記シンチレータ層から離間し、前記センサ基板と前記シンチレータ基台の端部を固定する封止材と、を有し、前記シンチレータ基台は、前記シンチレータ層が配置された領域の外縁と前記封止材で固定された前記端部との間の領域に、前記封止材に作用する応力を緩和する屈曲部を含むことを特徴とする放射線撮像装置を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線撮像装置、放射線撮像システム、及び、放射線撮像装置の製造方法に関する。
近年、複数の光電変換素子が表面に形成されたセンサパネルの上に、X線などの放射線を光電変換素子で検出可能な波長の光に変換するシンチレータ(シンチレータ基板)を積層(配置)した放射線撮像装置が商品化されている。
このような放射線撮像装置において、シンチレータ基板とセンサパネルとを貼り合わせる際に、その周辺を封止する樹脂(封止材)としてアクリル樹脂を用いることが提案されている(特許文献1参照)。
特開2004−061116号公報
しかしながら、従来の放射線撮像装置に用いられている封止材は、シンチレータに吸湿性の高いヨウ化セシウム(CsI)を使用する場合、シンチレータの防湿性(耐湿性)の観点から不十分である。
そこで、封止材として高弾性率の樹脂を用いることで、高い防湿性を得ることが考えられる。但し、互いに異なる熱膨張係数を有する基板、例えば、シンチレータ基板とセンサパネルとを高弾性率の樹脂を用いて封止する場合、熱衝撃が加えられた際に、封止材が破損してしまうことがある。これは、シンチレータ基板とセンサパネルとの熱膨張の違いに起因して封止材に応力がかかるためである。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、シンチレータ層の防湿性及び封止材の強固性の向上に有利な放射線撮像装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての放射線撮像装置は、光電変換素子が配置されたセンサ基板と、放射線を前記光電変換素子で検出可能な波長の光に変換するシンチレータ層が配置され、前記センサ基板と貼り合わされるシンチレータ基台と、前記シンチレータ層から離間し、前記センサ基板と前記シンチレータ基台の端部を固定する封止材と、を有し、前記シンチレータ基台は、前記シンチレータ層が配置された領域の外縁と前記封止材で固定された前記端部との間の領域に、前記封止材に作用する応力を緩和する屈曲部を含むことを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、シンチレータ層の防湿性及び封止材の強固性の向上に有利な放射線撮像装置を提供する。
本発明の一側面としての放射線撮像装置の構成を示す図である。 図1に示す放射線撮像装置のセンサパネルの別の構成を示す図である。 図1に示す放射線撮像装置のシンチレータ基台に形成される屈曲部の構成を示す図である。 図1に示す放射線撮像装置のシンチレータ基台に形成される屈曲部の構成を示す図である。 図1に示す放射線撮像装置のシンチレータ基台に形成される屈曲部の構成を示す図である。 比較例の放射線撮像装置の構成を示す概略断面図である。 比較例の放射線撮像装置の製造方法を説明するための図である。 図1に示す放射線撮像装置の製造方法を説明するための図である。 図1に示す放射線撮像装置の製造方法を説明するための図である。 図1に示す放射線撮像装置の製造方法を説明するための図である。 放射線撮像装置をシステムに適用した場合の例を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1(a)は、本発明の一側面としての放射線撮像装置1の構成を示す概略平面図である。図1(b)は、図1(a)に示す放射線撮像装置1のA−A断面図である。放射線撮像装置1は、光電変換素子と、放射線を光電変換素子で検出可能な波長の光、例えば、可視光に変換するシンチレータ層とを有する装置である。ここで、放射線は、X線だけではなく、α線、β線及びγ線などの電磁波も含む。放射線撮像装置1は、図1(a)及び図1(b)に示すように、シンチレータパネル(蛍光板)109と、センサパネル(光センサ又は光電変換パネル)110とを有し、それらを接着層107で貼り合わせて構成される。
まず、センサパネル110について説明する。センサパネル110は、センサ基台102と、接着層111と、センサ基板112と、光電変換部113と、センサ保護層114と、配線リード115とで構成される。
センサ基板112は、接着層111を介してセンサ基台102に貼り合わされ、ガラスなどで構成される絶縁性の基板である。センサ基板112には、光電変換素子及びTFT等のスイッチング素子(不図示)を2次元状に配列した光電変換部113が配置されている。配線リード115は、外部のフレキシブル基板などの外部配線103とセンサ基板112とを電気的に接続する際に使用されるボンディングパット部である。センサ保護層114は、光電変換部113を覆うように配置され、光電変換部113を保護する機能を有する。接着層111は、センサ基板112とセンサ基台102とを接着する。
センサパネル110は、図1(b)に示すように、センサ基板112をタイリングして構成してもよいし、図2に示すように、ガラスなどで構成される絶縁性のセンサ基板112に光電変換部113を配置して構成してもよい。
センサ保護層114は、SiN、TiO、LiF、Al、MgOなどで構成してもよい。また、センサ保護層114は、ポリフェニレンサルファイド樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート樹脂などで構成してもよい。更に、センサ保護層114は、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などで構成してもよい。但し、放射線撮像装置1に放射線が照射されると、シンチレータ層105によって変換された光がセンサ保護層114を通過するため、センサ保護層114は、シンチレータ層105で変換された光の波長に対して高い透過率を有する材料で構成するとよい。
次に、シンチレータパネル109について説明する。シンチレータパネル109は、シンチレータ基台101と、基台保護層104と、シンチレータ層105と、シンチレータ保護層106とで構成される。
シンチレータ基台101は、X線に対する透過率が高く、且つ、塑性変形しやすい加工の容易な材料で構成される。シンチレータ基台101は、例えば、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、それらの合わせ板などの複合材料、アルミニウム又はマグネシウムを主成分とする合金のうち少なくとも1つで構成される。シンチレータ基台101の上には、基台保護層104を介して、シンチレータ層105が配置される。また、シンチレータ基台101には、シンチレータ層105で変換された光を有効利用するための反射層を配置してもよい。このような反射層は、銀(Ag)やアルミニウム(Al)などの高い反射率を有する材料で構成される。但し、シンチレータ基台101をアルミニウムで構成する場合には、シンチレータ基台101が反射層としても機能するため、反射層を配置する必要はない。
シンチレータ層105は、シンチレータ基台101の面積よりも小さい面積よりも小さい面積を有する。シンチレータ層105は、例えば、タリウム(Tl)が微量添加されたヨウ化セシウム(CsI:Tl)に代表される柱状結晶シンチレータやテルビウム(Tb)が微量添加された硫酸化ガドリニウム(GOS:Tb)に代表される粒子状シンチレータで構成される。本実施形態では、シンチレータ層105は、ヨウ化セシウムを主成分として含む柱状結晶シンチレータで構成されている。
シンチレータ層105の上には、シンチレータ保護層106が配置される。シンチレータ保護層106は、シンチレータ層105を湿度劣化から保護する機能(防湿性又は耐湿性)を有する。特に、シンチレータ層105がCsI:Tlなどの柱状結晶シンチレータで構成されている場合には、シンチレータ層105の特性が湿度劣化により低下するため、シンチレータ保護層106が必要となる。シンチレータ保護層106の材料としては、例えば、シリコン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの一般的な有機材料、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系などのホットメルト樹脂などを用いることができる。但し、シンチレータ保護層106は、水分透過率の低い樹脂、例えば、CVD蒸着で形成するポリパラキシリレンの有機層やポリオレフィン系樹脂に代表されるホットメルト樹脂を材料とするとよい。
シンチレータパネル109とセンサパネル110とは、接着層107によって、シンチレータ保護層106とセンサ保護層114とを対向させて貼り合わされ、封止材108で封止される。封止材108は、シンチレータ層105から離間し、センサ基台102(図1(b)参照)又はセンサ基板112(図2参照)とシンチレータ基台101の端部を固定する。封止材108は、シンチレータパネル109の防湿性を向上させるため、シンチレータ保護層106と同様に、水分透過率の低い樹脂、特に、エポキシ樹脂を材料とするとよい。シリコン系やアクリル系の樹脂は、弾性力がエポキシ樹脂よりも低いため、シンチレータパネル109とセンサパネル110との熱膨張差による応力には柔軟に対応することができるが、防湿性の点で劣る。また、封止材108は、高い(例えば、1GPa以上の)弾性率を有する樹脂や熱硬化性樹脂であるとよい。
シンチレータ保護層106は、シンチレータ層105に対して、外部からの水分の侵入を防止する防湿保護機能、及び、衝撃による破壊を防止する衝撃保護機能を実現する。シンチレータ層105が柱状結晶構造を有するシンチレータで構成されている場合、シンチレータ保護層106は、10μm〜200μmの厚さを有する。シンチレータ保護層106の厚さが10μm以下であると、シンチレータ層105の表面の凹凸や蒸着時の異常成長による大きな凸部を完全に被覆することができず、防湿保護機能が低下する可能性がある。一方、シンチレータ保護層106の厚さが200μmを超えると、シンチレータ層105で変換された光又は反射層で反射された光のシンチレータ保護層106での散乱が増加する。従って、放射線撮像装置1で得られる画像の解像度及びMTF(Modulation Transfer Fanction)が低下する可能性がある。
本実施形態では、シンチレータパネル109とセンサパネル110との熱膨張差によって封止材108に作用する応力を緩和するために、シンチレータ基台101に屈曲部140が形成されている。具体的には、シンチレータ基台101は、図1(b)に示すように、シンチレータ層105が配置された領域の外縁101aと封止材108で固定された端部101bとの間の領域に、屈曲部140を含む。ここで、シンチレータ基台101の端部101bは、シンチレータ基台101のうち屈曲部140より外側に位置する部分である。
ここで、屈曲部140が満たす条件について説明する。シンチレータ基台101のシンチレータ層105が配置された領域の外縁101aから端部101bまでのシンチレータ基台101の表面に沿った距離をlとする。また、シンチレータ基台101のシンチレータ層105が配置された領域の外縁101aから端部101bまでの直線距離をlとする。屈曲部140が封止材108に作用する応力を効果的に緩和するためには、lはlよりも可能な限り長く、更に、シンチレータパネル109の熱による収縮量とセンサパネル110の熱による収縮量の差以上に屈曲部140の長さが長ければよい。従って、屈曲部140は、以下の式(1)を満たすとよい。但し、シンチレータ基台101の中心Oから端部までの最大距離をL、シンチレータ基台101の熱膨張係数をα、センサ基板112の熱膨張係数をβ、封止材108の硬化温度をt、放射線撮像装置1が使用される環境の最低温度をtとする。
−l≧(α−β)×L×(t−t) ・・・(1)
屈曲部140の形状としては、種々の形状が考えられる。例えば、屈曲部140は、図1(b)や図2に示すように、シンチレータ基台101の表面に直交する断面においてジグザグ形状(蛇腹形状)を有する。ジグザグ形状の屈曲部140を形成する位置は、シンチレータ層105が配置された領域の外縁101aと封止材108で固定された端部101bとの間の領域であればどこでもよい。シンチレータ基台101の一部をジグザグ形状にすることで、シンチレータパネル109とセンサパネル110との熱膨張差によって封止材108に作用する応力を緩和することができる。
シンチレータ基台101に屈曲部140としてジグザグ形状を形成する方法としては、屈曲部140のジグザグ形状に対応する凹凸が形成された金型を用いてシンチレータ基台101をプレスする方法が好適である。金型を用いたプレスによってシンチレータ基台101に屈曲部140を形成する工程は、基台保護層104を形成する前、基台保護層104を形成した後、シンチレータ保護層106を形成した後、又は、接着層107を形成した後に行うことが可能である。但し、基台保護層104を形成した後に、シンチレータ基台101に屈曲部140を形成する工程を行うことが好適である。
また、屈曲部140は、図3に示すように、シンチレータ基台101の表面に直交する断面においてセンサ基板側に凹形状となる凹部141を含んでいてもよい。屈曲部140における凹部141を形成する位置は、シンチレータ層105が配置された領域の外縁101aの外側である必要がある。また、封止材108は、屈曲部140における凹部141(の底面)よりも外側に形成する必要がある。シンチレータ基台101の一部に凹部141を形成することで、シンチレータパネル109とセンサパネル110との熱膨張差によって封止材108に作用する応力を緩和することができる。
シンチレータ基台101に凹部141を形成する方法としては、上述したように、凹部141に対応する凹凸が形成された金型を用いてシンチレータ基台101をプレスする方法が好適である。また、レーザー加工や切削加工によって凹部141を形成してもよい。シンチレータ基台101に凹部141を形成する工程は、上述したように、基台保護層104を形成した後に行うことが好適である。
また、屈曲部140は、図4(a)及び図4(b)に示すように、シンチレータ基台101の表面に直交する断面においてセンサ基板側に曲がった曲面形状を有してもよい。曲面形状の屈曲部140を形成する位置は、シンチレータ層105が配置された領域の外縁101aの外側である必要がある。また、封止材108は、屈曲部140の曲面形状を形成する始端よりも外側に形成する必要がある。シンチレータ基台101の一部を曲面形状にすることで、シンチレータパネル109とセンサパネル110との熱膨張差によって封止材108に作用する応力を緩和することができる。
シンチレータ基台101に屈曲部140として曲面形状を形成する方法としては、上述したように、屈曲部140の曲面形状に対応する凹凸が形成された金型を用いてシンチレータ基台101をプレスする方法が好適である。シンチレータ基台101に曲面形状の屈曲部140を形成する工程は、上述したように、基台保護層104を形成した後に行うことが好適である。
屈曲部140を曲面形状とした場合には、図4(b)に示すように、屈曲部140にフレキシブル基板の外部配線103を支持する支持部142を形成することもできる。支持部142は、例えば、外部配線103が挿入可能な孔(空洞)で構成される。シンチレータ基台101(屈曲部140)に孔を形成する方法としては、プレス機による打ち抜き加工や切削加工があるが、レーザー加工が好適に用いられる。封止材108は、屈曲部140に支持部142として形成された孔を埋めるように形成し、上述したように、屈曲部140の曲面形状を形成する始端よりも外側に形成する必要がある。
また、屈曲部140は、図5(a)及び図5(b)に示すように、シンチレータ基台101の表面に直交する断面においてセンサ基板側に凸形状となる凸部143を含んでいてもよい。屈曲部140における凸部143を形成する位置は、シンチレータ層105が配置された領域の外縁101aの外側である必要がある。また、封止材108は、屈曲部140における凸部143に接するように、且つ、シンチレータ基台101にかからないように形成する必要がある。基台保護層104、シンチレータ保護層106及び接着層107は、凸部143を覆う必要はないが、凸部143を覆っていてもよい。シンチレータ基台101の一部に凸部143を形成することで、シンチレータパネル109とセンサパネル110との熱膨張差によって封止材108に作用する応力を緩和することができる。
シンチレータ基台101に凸部143を形成する方法としては、上述したように、凸部143に対応する凹凸が形成された金型を用いてシンチレータ基台101をプレスする方法が好適である。また、シンチレータ基台101と同様の材料で構成された枠体をシンチレータ基台101に溶接して凸部143を形成することも可能である。
屈曲部140における凸部143には、図5(b)に示すように、フレキシブル基板の外部配線103を支持する支持部142を形成することもできる。封止材108は、凸部143に支持部142として形成された孔を埋めるように形成する。
以下、本発明の放射線撮像装置1の具体的な特性について、比較例1及び2の放射線撮像装置と比較しながら説明する。
<比較例1>
図6は、以下に説明する比較例1及び2の放射線撮像装置1000の構成を示す概略断面図である。放射線撮像装置1000は、放射線撮像装置1とは異なり、図6に示すように、シンチレータパネル109とセンサパネル110との熱膨張差によって封止材108に作用する応力を緩和するための屈曲部140がシンチレータ基台101に形成されていない。
図7を参照して、比較例1及び2の放射線撮像装置1000の製造方法を説明する。まず、図7(a)に示すように、アルミニウムで構成されたシンチレータ基台101を準備する。そして、図7(b)に示すように、シンチレータ基台101に対して、ポリイミド樹脂を塗布し、かかるポリイミド樹脂を硬化させて基台保護層104を形成する。
次に、図7(c)に示すように、シンチレータ基台101に形成された基台保護層104の上に、柱状結晶構造のシンチレータ層105を形成する。シンチレータ層105をCsI:Tlで構成する場合には、CsI(ヨウ化セシウム)とTlI(ヨウ化タリウム)との共蒸着によってシンチレータ層105を形成する。具体的には、シンチレータ層105の材料を蒸着材料として抵抗加熱ボートに充填し、基台保護層104が形成されたシンチレータ基台101を蒸着装置の内部に配置された回転可能なホルダに設置する。そして、蒸着装置の内部を排気しながらアルゴン(Ar)ガスを導入して真空度を調整し、基台保護層104の上にシンチレータ層105を蒸着させる。
次に、図7(d)に示すように、シンチレータ層105の上に、シンチレータ層105を覆うようにしてポリエチレンテレフタラート(PET)で構成されたシンチレータ保護層106を熱圧着によって形成する。ここでは、シンチレータ保護層106として、厚さ15μmのPETフィルムを用いる。
図7(a)乃至図7(d)に示す工程によって、放射線を光電変換素子で検出可能な波長の光に変換するシンチレータ層105を有するシンチレータパネル109が形成される。
次に、図7(e)、図7(f)及び図7(g)に示すように、シンチレータパネル109を、アクリル樹脂系の接着層107を介して、センサパネル110に貼り合わせる。センサパネル110は、光電変換部113及びセンサ保護層114が形成されたセンサ基板112を、接着層111を介して、センサ基台102に貼り合わせることで構成されている。シンチレータパネル109とセンサパネル110とを貼り合わせる際に発生する気泡は、加圧や加熱などの脱泡処理を行うことで除去する。
次に、図7(h)に示すように、シンチレータ基台101の端部及びセンサ基台102の端部に低い弾性率を有するシリコン系樹脂の封止材108を形成し、センサ基板112の上の配線リード115に外部配線103を熱圧着する。
このようにして製造された放射線撮像装置1000に対して、湿度耐久試験を行った。具体的には、温度55℃、且つ、湿度95%の環境下に放射線撮像装置1000を240時間放置した後、放射線撮像装置1000のMTF(Modulation Transfer Function)を測定し、湿度耐久前後でのMTFを評価した。
MTFの評価方法は以下の通りである。まず、放射線撮像装置1000を評価装置にセットして、X線源との間に、軟X線を除去するための厚さ20mmのアルミニウムフィルターを配置した。次いで、放射線撮像装置1000とX線源との間の距離を130cmに調整し、放射線撮像装置1000を電気駆動系に接続した。この状態において、放射線撮像装置1000にMTFチャートを約2度〜約3度傾けて載せ、管電圧80kV、管電流250mAの条件で50msのX線パルスを6回爆射した。そして、MTFチャートを取り除き、同様の条件でX線パルスを6回爆射した。
放射線撮像装置1000では、温度55℃、且つ、湿度95%の環境下の湿度耐久試験において、シンチレータ層105の端部におけるMTFが、湿度耐久試験前よりも30%低下した。
また、放射線撮像装置1000に対して、温度サイクル試験を行った。温度サイクル試験は、以下の通りである。放射線撮像装置1000を評価装置にセットして、温度50℃、且つ、湿度60%の環境下に4時間放置し、その後、温度−30℃、且つ、湿度0%の環境下に4時間放置するサイクルを5回繰り返す。そして、封止材108にシンチレータパネル109とセンサパネル110との熱膨張差による破損(割れや剥がれなど)が発生していないか目視で評価した。放射線撮像装置1000では、封止材108に破損は発生していなかった。
<比較例2>
放射線撮像装置1000と同様にしてシンチレータパネル109とセンサパネル110とを貼り合わせ、封止材108をエポキシ系樹脂で構成した放射線撮像装置を製造し、上述した湿度耐久試験及び温度サイクル試験を行った。かかる放射線撮像装置では、温度55℃、且つ、湿度95%の環境下の湿度耐久試験において、シンチレータ層105の端部におけるMTFの低下が5%以下に抑えられたが、温度サイクル試験において、封止材108に破損が発生した。
<実施例1>
図8を参照して、本実施形態の放射線撮像装置1の製造方法を説明する。ここでは、シンチレータ基台101に屈曲部140としてジグザグ形状を形成する場合を例に説明する。
まず、図8(a)に示すように、アルミニウムで構成されたシンチレータ基台101を準備する。そして、図8(b)に示すように、金型を用いたプレスによってシンチレータ基台101にジグザグ形状の屈曲部140を形成する。次に、図8(c)に示すように、屈曲部140が形成されたシンチレータ基台101に対して、ポリイミド樹脂を塗布し、かかるポリイミド樹脂を硬化させて基台保護層104を形成する。なお、図8(i)及び図8(j)に示すように、シンチレータ基台101に対して、ポリイミド樹脂を塗布し、かかるポリイミド樹脂を硬化させて基台保護層104を形成した後に、金型を用いたプレスによって屈曲部140を形成してもよい。
次に、図8(d)に示すように、シンチレータ基台101に形成された基台保護層104の上に、柱状結晶構造のシンチレータ層105を形成する。次に、図8(e)に示すように、シンチレータ層105の上に、シンチレータ層105を覆うようにしてポリエチレンテレフタラート(PET)で構成されたシンチレータ保護層106を熱圧着によって形成する。
図8(a)乃至図8(e)、或いは、図8(a)、図8(i)、図8(j)、図8(d)及び図8(e)に示す工程によって、放射線を光電変換素子で検出可能な波長の光に変換するシンチレータ層105を有するシンチレータパネル109が形成される。
次に、図8(f)及び図8(g)に示すように、シンチレータパネル109を、アクリル樹脂系の接着層107を介して、センサパネル110に貼り合わせる。次に、図8(h)に示すように、シンチレータ基台101の端部及びセンサ基台102の端部に、高い弾性率を有し、耐湿性に優れたエポキシ系樹脂の封止材108を形成し、センサ基板112の上の配線リード115に外部配線103を熱圧着する。
また、図9に示すように、シンチレータ層105を蒸着する際にシンチレータ基台101を固定するホルダHD1及びHD2を用いたプレスによって屈曲部140を形成してもよい。まず、図9(a)及び図9(b)に示すように、アルミニウムで構成されたシンチレータ基台101を準備し、かかるシンチレータ基台101の上に基台保護層104を形成する。次に、図9(c)及び図9(d)に示すように、基台保護層104が形成されたシンチレータ基台101をホルダHD1で支持し、ホルダHD1で支持されたシンチレータ基台101をホルダHD2で挟んで固定する。ホルダHDには、屈曲部140の形状に対応する凹凸が形成されているため、ホルダHD1及びHD2を用いたプレスによってシンチレータ基台101に屈曲部140が形成される。次に、図9(e)に示すように、シンチレータ基台101をホルダHD1及びHD2で固定した状態で、基台保護層104の上に柱状結晶構造のシンチレータ層105を形成する。次に、図9(f)に示すように、シンチレータ基台101からホルダHD1及びHD2を取り外す。
また、図10に示すように、シンチレータ層105及びシンチレータ保護層106を形成した後に屈曲部140を形成してもよい。まず、図10(a)及び図10(b)に示すように、アルミニウムで構成されたシンチレータ基台101を準備し、かかるシンチレータ基台101の上に基台保護層104を形成する。次に、図10(c)に示すように、基台保護層104の上に柱状結晶構造のシンチレータ層105を形成する。次に、図10(d)に示すように、シンチレータ層105の上にシンチレータ層105を覆うようにしてポリエチレンテレフタラート(PET)で構成されたシンチレータ保護層106を熱圧着によって形成する。次に、図10(e)に示すように、金型を用いたプレスによってシンチレータ基台101にジグザグ形状の屈曲部140を形成する。
このようにして製造された放射線撮像装置1に対して、上述した湿度耐久試験を行った。放射線撮像装置1では、温度55℃、且つ、湿度95%の環境下の湿度耐久試験において、シンチレータ層105の端部におけるMTFの低下が5%以下に抑えられ、且つ、温度サイクル試験においても封止材108に破損は発生していなかった。
<実施例2>
実施例1と同様な工程で、シンチレータ基台101に屈曲部140としての凹部141が形成された放射線撮像装置1(図2参照)を製造し、上述した湿度耐久試験及び温度サイクル試験を行った。かかる放射線撮像装置1では、温度55℃、且つ、湿度95%の環境下の湿度耐久試験において、シンチレータ層105の端部におけるMTFの低下が5%以下に抑えられ、且つ、温度サイクル試験においても封止材108に破損は発生していなかった。
<実施例3>
実施例1と同様な工程で、シンチレータ基台101に屈曲部140としての曲面形状が形成された放射線撮像装置1(図3(b)参照)を製造し、上述した湿度耐久試験及び温度サイクル試験を行った。かかる放射線撮像装置1では、温度55℃、且つ、湿度95%の環境下の湿度耐久試験において、シンチレータ層105の端部におけるMTFの低下が5%以下に抑えられ、且つ、温度サイクル試験においても封止材108に破損は発生していなかった。
<実施例4>
実施例1と同様な工程で、シンチレータ基台101に屈曲部140としての曲面形状が形成された放射線撮像装置1(図4(b)参照)を製造し、上述した湿度耐久試験及び温度サイクル試験を行った。なお、ここでは、シンチレータ基台101と同様の材料(アルミニウム)で構成された枠体をシンチレータ基台101に溶接して凸部143を形成した。かかる放射線撮像装置1では、温度55℃、且つ、湿度95%の環境下の湿度耐久試験において、シンチレータ層105の端部におけるMTFの低下が5%以下に抑えられ、且つ、温度サイクル試験においても封止材108に破損は発生していなかった。
このように、本実施形態によれば、シンチレータ層105の防湿性及び封止材108の強固性に優れた放射線撮像装置1を実現することができる。
<応用例>
上述の各実施形態の放射線撮像装置は、放射線撮像システムに適用されうる。放射線撮像システムは、例えば、放射線撮像装置(放射線検出装置)と、イメージプロセッサ等を含む信号処理部と、ディスプレイ等を含む表示部と、放射線を発生させるための放射線源と、を備える。例えば、図8に示されるように、X線チューブ6050で発生したX線6060は、患者(被験者)6061の胸部6062を透過し、放射線検出装置6040に入射する。この入射したX線には患者6061の体内部の情報が含まれている。入射したX線に応じてシンチレータが発光し、この光をセンサパネルが検出して、電気的情報を得る。その後、この情報はデジタル変換され、イメージプロセッサ6070(信号処理部)により画像処理され、制御室のディスプレイ6080(表示部)により表示されうる。また、この情報は、電話、LAN、インターネット等のネットワーク6090を含む伝送処理手段により遠隔地へ転送することもできる。これにより、別の場所のドクタールーム等のディスプレイ6081に表示して、遠隔地の医師が診断することが可能である。また、この情報は、例えば、光ディスク等に保存することもできるし、フィルムプロセッサ6100によってフィルム6210等の記録部に記録することもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (18)

  1. 光電変換素子が配置されたセンサ基板と、
    放射線を前記光電変換素子で検出可能な波長の光に変換するシンチレータ層が配置され、前記センサ基板と貼り合わされるシンチレータ基台と、
    前記シンチレータ層から離間し、前記センサ基板と前記シンチレータ基台の端部を固定する封止材と、を有し、
    前記シンチレータ基台は、前記シンチレータ層が配置された領域の外縁と前記封止材で固定された前記端部との間の領域に、前記封止材に作用する応力を緩和する屈曲部を含むことを特徴とする放射線撮像装置。
  2. 前記屈曲部は、前記シンチレータ基台の表面に直交する断面においてジグザグ形状を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  3. 前記屈曲部は、前記シンチレータ基台の表面に直交する断面において前記センサ基板側に凹形状となる凹部を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  4. 前記屈曲部は、前記シンチレータ基台の表面に直交する断面において前記センサ基板側に曲がった曲面形状を有することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  5. 前記屈曲部は、前記シンチレータ基台の表面に直交する断面において前記センサ基板側に凸形状となる凸部を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線撮像装置。
  6. 前記センサ基板に配置され、前記センサ基板と外部のフレキシブル基板とを接続する配線リードを更に有し、
    前記屈曲部は、前記フレキシブル基板を支持する支持部を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の放射線撮像装置。
  7. 前記シンチレータ層が配置された領域の外縁から前記封止材で固定された前記端部までの前記シンチレータ基台の表面に沿った距離をl、前記シンチレータ層が配置された領域の外縁から前記封止材で固定された前記端部までの直線距離をl、前記シンチレータ基台の中心から端部までの最大距離をL、前記シンチレータ基台の熱膨張係数をα、前記センサ基板の熱膨張係数をβ、前記封止材の硬化温度をt、前記放射線撮像装置が使用される環境の最低温度をtとすると、
    −l≧(α−β)×L×(t−t
    を満たすことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  8. 前記シンチレータ層は、前記シンチレータ基台の面積よりも小さい面積を有することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  9. 前記シンチレータ層は、ヨウ化セシウムを主成分として含むことを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  10. 前記センサ基板が貼り合わされるセンサ基台を更に有し、
    前記封止材は、前記センサ基台と前記シンチレータ基台の端部を固定することにより前記センサ基板と前記シンチレータ基台の端部を固定することを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  11. 前記封止材は、1GPa以上の弾性率を有することを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  12. 前記シンチレータ基台は、アルミニウム、マグネシウム、及び、アルミニウム又はマグネシウムを主成分とする合金のうち少なくとも1つで構成されていることを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  13. 前記封止材は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか1項に記載の放射線撮像装置。
  14. 請求項1乃至13のうちいずれか1項に記載の放射線撮像装置と、
    前記放射線撮像装置からの信号を処理する信号処理部と、
    前記信号処理部からの信号を表示するための表示部と、
    を備えることを特徴とする放射線撮像システム。
  15. 光電変換素子が配置されたセンサ基板と、放射線を前記光電変換素子で検出可能な波長の光に変換するシンチレータ層が配置され、前記センサ基板と貼り合わされるシンチレータ基台と、前記シンチレータ層から離間し、前記センサ基板と前記シンチレータ基台の端部を固定する封止材と、を有する放射線撮像装置の製造方法であって、
    前記シンチレータ基台の前記シンチレータ層が配置された領域の外縁と前記封止材で固定された前記端部との間の領域に、前記封止材に作用する応力を緩和する屈曲部を形成する工程を有することを特徴とする製造方法。
  16. 前記工程では、前記シンチレータ層を蒸着する際に前記シンチレータ基台を固定するホルダを用いたプレスによって前記屈曲部を形成し、
    前記ホルダには、前記屈曲部の形状に対応する凹凸が形成されていることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
  17. 前記工程では、前記屈曲部の形状に対応する凹凸が形成された金型を用いたプレスによって前記屈曲部を形成することを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
  18. 前記工程では、レーザー加工によって前記屈曲部を形成することを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
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