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JP2014071251A - 光学フィルムロール - Google Patents

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JP2014071251A JP2012216752A JP2012216752A JP2014071251A JP 2014071251 A JP2014071251 A JP 2014071251A JP 2012216752 A JP2012216752 A JP 2012216752A JP 2012216752 A JP2012216752 A JP 2012216752A JP 2014071251 A JP2014071251 A JP 2014071251A
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Satohiro Shiroshima
理浩 城島
Tadayoshi Ukamura
忠慶 宇賀村
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

【課題】外観不良、および光学物性の変化が抑制され、かつ、保管安定性を有する光学フィルムロールを安価に提供する。
【解決手段】両端部にナーリング加工が施された延伸フィルムを巻き取った光学フィルムロールにおいて、該ナーリング加工により凹凸を付与された変形部分の単一の平均面積を0.05mm以上5mm以下とし、複数の変形部分と凹凸を付与されていない未変形部分とを合わせたナーリング加工部分100mmあたりの該変形部分の面積の割合が4%以上80%以下とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルムロールに関する。特に延伸フィルムの端部にナーリング加工を施す光学フィルムロールに関する。
液晶表示装置(LCD)などの偏光を扱う画像表示装置に用いる光学材料は、光学的に透明であり、かつ小さな複屈折を有すること、さらには光学的な均質性を有することが要求される。特に偏光子を保護するための偏光子保護フィルム、およびプラスチック液晶表示装置用のフィルム基板の場合、複屈折とフィルムの膜厚の積から表される位相差が小さいことが要求される。
近年、偏光子保護フィルムとして、一般的にセルローストリアセテート(TAC)が用いられている。TACは光線透過率が高いこと、偏光子と良好に接着すること等の点で優れているが、応力に対する複屈折変化量をさらに低減すべく、改善を求められているのが実情である。
これに対して、偏光子保護フィルム用の光学材料として、熱可塑性重合体を含む樹脂フィルム等の多種多様な材料が検討されている。例えば、ポリメチルメタクリレート(以下「PMMA」と表す)に代表されるアクリル系熱可塑性樹脂は、優れた光学性能、高い光線透過率、低複屈折率および低位相差を有する光学等方材料として、従来、各種光学材料に適用されている。さらに例を挙げると、ポリスチレンに代表されるスチレン系熱可塑性樹脂は、高い透明性および負の固有屈折値を有するため、負の位相差フィルムに適用することが検討されている(特許文献1参照)。
しかしながら、アクリル系熱可塑性樹脂やスチレン系熱可塑性樹脂を含む光学フィルムは、表面平滑性が高いため、フィルムをロール状に巻き取る際に、フィルム面間に空気層が存在し難い。そのため、ロール状に巻き取られたフィルムは高い密着性を発現し、フィルムロールの円周上に黒い帯(以下、「ゲージバンド」と称する)を発生し易くなる。
これらの光学フィルムに表面処理を施すと、表面平滑性がさらに高まり、ゲージバンドの発生が顕著となる場合がある。また、これらの光学フィルムは、巻き取りやその後の巻き戻しの際に、フィルム表面または表面処理層に傷がついたり、剥がれが生じたりすることがある。
さらに、これらの光学フィルムは、柔軟性に欠けるため、フィルムの破断やひび割れが生じ易く、安定的に製造することが困難であるという問題がある。
このような破断またはひび割れといった外観不良の抑制および安定的な製造のために、光学フィルムに保護フィルムを積層する方法が検討されている(特許文献2参照)。
また、ゲージバンド、巻きずれ、または巻き締り等に起因する外観不良を抑制する別の手段として、フィルムの端部に、ナーリング加工と呼ばれる(ローレット加工またはエンボス加工とも呼ばれる)、微小な凹凸を付与する厚み出し加工を施す手法が知られている。当該手法としては、例えば、セルロースアセテートフィルムやポリエチレンフィルムにナーリング加工を施す手法が知られている(特許文献3〜6参照)。
さらに、アクリル系熱可塑性樹脂を主成分とする光学フィルムの端部にナーリング加工を施した光学フィルムもいくつか開示されている(特許文献7,8参照)。
特開2007−72201号公報 国際公開WO/2009/041323号公報 特開平11−262950号公報 特開2003−167314号公報 特開平4−85248号公報 国際公開WO/2011/030684号公報 特開2010−280151号公報 特開2011−224934号公報
しかしながら、特許文献2に開示の技術のように、保護フィルムを積層した光学フィルムを使用する技術は、保護フィルムを光学フィルムから剥離する装置が必要であること、保護フィルムを剥離する際に、静電気が発生し埃またはゴミを引き寄せやすいこと、保護フィルムが使い捨てであるため高コストであることといった問題がある。
また、アクリル系熱可塑性樹脂フィルムのように柔軟性に欠ける光学フィルムに、例えば特許文献3〜6に開示の方法を用いてフィルムの端部にナーリング加工を施す場合、以下のような問題がある。
すなわち、室温下での冷間成型を行う場合は、フィルムの破断やひび割れが生じ易く、安定的にナーリング加工を施すことが困難である。一方、加熱成型を行う場合も、温度条件や加熱方法によっては光学フィルムの物性変化または端部からのフィルム破断が発生する場合がある。さらに、ナーリング加工に用いる金型の組合せによっては、加工されたフィルム部分が時間の経過とともに変形し、安定したロール形状を保つことができないという問題がある。
さらに、特許文献7では「主鎖に環構造を有するアクリル系熱可塑性樹脂を主成分とするガラス転移温度が110℃以上である二軸延伸フィルムの幅方向の両端部にナーリング部を有する光学フィルムロール」が開示され、特許文献8では、高さがナーリング加工歯の20%未満である凸部が形成され、該凸部の高さが25μm以下である光学フィルムロールが開示されている。
しかしながら、特許文献7,8に開示の光学フィルムロールは、上記凸部が、フィルムの表面が加工刃によって押し上げられることによって形成されたものであり、凸部の内部に空隙を有するものであった。そのため、ロール状にした場合、時間の経過と共に凸部が陥没し、平面状に近づくことによって、安定したロール形状を保つことができないという問題があった。
このように、従来技術は、破断やひび割れなどの外観不良、および光学物性の変化が十分に抑制され、かつ、保管安定性を有する光学フィルムロールを提供するという観点からは、未だ満足できるレベルとは言い難く、改善を要するものであった。
本発明者らは鋭意検討を重ねたところ、以下の方法によって、前記目的を達成する光学フィルムロールを見出した。
(1)両端部にナーリング加工が施された延伸フィルムを巻き取った光学フィルムロールであって、該ナーリング加工により凹凸を付与された変形部分の単一の平均面積が0.05mm以上5mm以下であり、複数の変形部分と凹凸を付与されていない未変形部分とを合わせたナーリング加工部分100mmあたりの該変形部分の面積の割合が4%以上80%以下であることを特徴とする、光学フィルムロール。
(2)該加工部分の凸部の平均高さが該延伸フィルムの膜厚の15%以上40%以下である、(1)に記載の光学フィルムロール。
(3)該ナーリング加工を該延伸フィルムのガラス転移温度よりも高温側で加工したことを特徴とする、(1)または(2)のいずれかに記載の光学フィルムロール。
(4)該延伸フィルムがアクリル系熱可塑性樹脂を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の光学フィルムロール。
(5)該アクリル系熱可塑性樹脂が主鎖に環構造を有する、(4)に記載の光学フィルムロール。
本発明により、破断やひび割れなどの外観不良、および光学物性の変化が十分に抑制され、かつ、保管安定性を有する光学フィルムロールを提供することができるという効果を奏する。
本発明の光学フィルムロールの概略図である。 本発明の延伸フィルムの模式図である。
以下の説明において、特に記載がない限り、「%」は「質量%」、「部」は「質量部」をそれぞれ意味し、範囲を表す「A〜B」は「A以上B以下」を意味する。
[延伸フィルム]
本発明において「延伸フィルム」とは、何らかの延伸処理が施された光学フィルムを意味する。本発明における延伸フィルムは、熱可塑性樹脂からなることが好ましい。熱可塑性樹脂としては公知の熱可塑性樹脂が可能である。加熱により軟化して塑性を示し、冷却すると固化する熱可塑性樹脂であれば、特には限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ノルボルネンポリマーなどのオレフィンポリマー;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂などのハロゲン含有ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などのスチレン系樹脂;ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610などのポリアミド;トリアセチルセルロースなどのセルロース類;ポリアセタール;ポリカーボネート;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルニトリル;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリオキシペンジレン;ポリアミドイミド等が挙げられ、これらを2種類以上含まれていてもよい。光学用途には非晶性熱可塑樹脂が好ましく、例えば、アクリル系熱可塑性樹脂、スチレン系熱可塑性樹脂、シクロオレフィンポリマー(オレフィン樹脂)が挙げられる。
本発明における延伸フィルムは、アクリル系重合体および/またはスチレン系重合体を含む熱可塑性樹脂からなることが好ましい。アクリル系重合体および/またはスチレン系重合体を含む熱可塑性樹脂からなる延伸フィルムは脆いため、製造時の破断が起きやすく、本発明の効果が顕著となる。アクリル系熱可塑性樹脂に関する詳細は後述する。
本発明における延伸フィルムのガラス転移温度(Tg)は、例えば110℃以上であり、アクリル系熱可塑性樹脂の組成および延伸フィルムにおけるアクリル系熱可塑性樹脂の含有率によっては、115℃以上、120℃以上となる。このような高いTgを有する延伸フィルムは、画像表示装置における光源などの発熱部近傍への配置が容易となるなど、光学用途に好適である。
本発明における延伸フィルムは、JIS P8115に準拠して測定した荷重200gにおけるMIT耐折度試験回数がMD方向、TD方向いずれにおいても30回以上であり、好ましくは100回以上であり、より好ましくは200回以上である。耐折度試験回数が30回未満の場合、フィルムとしての可とう性が不十分となることがある。
本発明における延伸フィルムの厚さは特に限定されないが、10〜300μmであり、好ましくは20〜150μmであり、より好ましくは20〜100μmである。
本発明における延伸フィルムは平滑性に優れ、フィルムの厚さムラは平均厚さの5%以内であり、より好ましくは3%以内、さらに好ましくは1%以内である。
延伸フィルムの幅は特に限定されないが、例えば600mm以上であり、800mm以上が好ましく、1000mm以上が特に好ましい。
本発明における延伸フィルムの表面粗さ(Ra)は0.5μm以下であり、0.1μm以下がより好ましく、0.05μm以下がさらに好ましい。
本発明における延伸フィルムは、アクリル系熱可塑性樹脂に由来する高い光線透過率を有する。JIS K7361−1に準拠して測定した全光線透過率が、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上である。
本発明における延伸フィルムは、着色が少なく、250μm厚みあたりのb値が好ましくは0.5以下であり、より好ましくは0.3以下である。
本発明における延伸フィルムは、好ましくはヘイズが5%以下であり、より好ましくは3%以下である。ヘイズが5%を越えると透過率が低下し、光学用途に適さないことがある。
本発明における光学用フィルムは、欠点数が好ましくは100個/m以下、より好ましくは10個/m以下である。本発明における欠点とは、フィルム中のきょう雑物によるもの、又は、透明な架橋樹脂によるものがある。きょう雑物とは、例えば、光学用フィルムの製造工程において、原料の溶融混練中にアクリル系樹脂が部分的に過熱され、劣化することによって発生する炭化物(いわゆる「焼け異物」)や、細かい砂、繊維、人体由来の有機物等が挙げられる。透明な架橋樹脂とは、化学構造は原料樹脂に非常に近いが分子間架橋が生じている為に、完全に溶融しない弾性体となっている物である。光学特性が原料樹脂と異なっている場合は、透過光では影として、反射光では輝点として観察される。光学物性が全く同じ場合でもフィルムの表面付近に存在すれば観察される場合がある。
延伸フィルム中の欠点の含有量は、例えば、JIS K6718に記載の外観の観察方法に準じた方法で測定することができる。具体的には、まず光学用フィルムを散乱光下において目視で外観検査し、次に、20μm以上の欠点数を倍率20〜100倍の顕微鏡下でカウントすることによって測定することができる。欠点の大きさは、きょう雑物や架橋体そのもの大きさではなく、その周囲の光学的ひずみが生じている範囲の大きさを測定することができる。
本発明における延伸フィルムは、フィルムの幅方向の両端部にナーリング部を有する。
本発明において、ナーリング加工部分とは、ナーリングを付与するローレットと接触した部分全体を差し、変形部分である凹部と凸部および未変形部分の平坦部とからなる。
ナーリングの凸部の高さとは、ナーリング加工が施された凸部分の厚みから、未変形部分の平坦部の厚みを差し引いた値であり、通常1μm以上が好ましい。1μm未満であるとロール状としたときのフィルム同士の貼りつきが起こりやすくなるために好ましくない。また、凸部の高さが25μmよりも大きくなると、ロール状としたときにフィルムの幅方向における中央部と両端部の見かけ上の直径差が大きくなり、馬の背故障、変形故障等の故障を誘発するので好ましくない。
ナーリングの凸部の高さは、延伸フィルムの膜厚の5〜50%が好ましく、10〜45%がより好ましく、20〜40%がさらに好ましい。
ナーリングの凸部の平均高さは、加工部分100mmあたりの80%の凸部を平均した値であり、より好ましくは85%の凸部を平均した値であり、さらに好ましくは90%の凸部を平均した値である。
ナーリング部の幅は、各側端部においてそれぞれ、フィルム全体の幅の0.3〜5%が好ましく、単一のナーリング部の幅は2〜20mmが好ましく、5〜15mmが更に好ましい。
ナーリング加工により付与された凹凸の突起の個数は、100mmあたり5〜100個程度が好ましい。
ナーリング部を有する位置は、フィルムの幅方向の各側端部からフィルム全体幅の5%以内の部位に有していることが好ましい。
ナーリング部はフィルム端部に1本でもよいし、複数本有していてもよい。
ナーリング部の長さはフィルムの長手方向に対し20%以上有することが好ましい。
ナーリング部の形状は特に限定されないが、例えば、円錐台形や角錐台形、円錐や角錐などが挙げられ、不定形であってもよい。2種以上の形状を混在させてもよい。またナーリング部の凹凸は単一ナーリング部において一種類の凹凸であってもよいし、2種類以上の凹凸が形成される多段凹凸でもよい。その際、ナーリングの凸部の高さは、複数ある凸部の高さのうち最も大きな値を指す。
本発明における光学フィルムロールは、巻き芯と主鎖に環構造を有するアクリル系熱可塑性樹脂を主成分とするガラス転移温度が110℃以上である2軸延伸フィルムの幅方向の両端部にナーリング部を有する延伸フィルムからなる。ナーリング部により、ロール各層のフィルム同士の密着を防止でき、ロールの巻き崩れが起きにくい。
本発明における光学フィルムロールは、10m/分以上の速度で100m以上繰り出すことができる。アクリル系光学フィルムは経時変化による端弛みが生じることがあるが、本発明の光学フィルムロールは延伸フィルムの有するナーリングにより、長期間保存後であっても、問題なく巻き返しすることができることから高い生産性を有する。
本発明における光学フィルムロールは、JIS Z0208で規定される透湿度が5%以下である包装材で包装されていてもよい。包装材内の光学フィルムロールの湿度変化を好ましい範囲内(たとえば4%/分以下、好ましくは1.3%以下)に抑制することができる。これにより、包装体の内部に湿度差が発生することを抑制することができ、包装体の保管・輸送・荷受け渡し時に光学フィルムの変形、傷が発生することを抑制することができる。
前記包装材は、その外面が蒸着フィルム又は金属箔であることが好ましい。包装材の外面が蒸着フィルム又は金属箔であると、日射反射率に優れているため、光学フィルムロールの急激な温度変化を抑制することができ、保管・輸送・荷受け渡し時における光学フィルムの変形、傷が発生することを抑制することができる。
[延伸フィルムの製造方法]
本発明における延伸フィルムを製造する方法は特に限定されず、例えば、溶液製膜法(溶液流延法、キャスト成形法)、溶融製膜法(溶融押出法、押出成形法)、プレス成形法などの公知の手法を用いることができるが、環境負荷が小さく生産性に優れることから溶融製膜法が好ましい。
溶液製膜法を用いてフィルムを得ようとする場合は、主成分であるアクリル系熱可塑性樹脂と必要によりその他の重合体やその他の添加剤などとの樹脂組成物を良溶媒中に撹拌混合して均一混合液とし、支持フィルムやドラムにキャストして自己支持性を有するまで予備乾燥した後、支持フィルムやドラムから剥がして乾燥すると得ることができる。溶液製膜法に用いられる溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタンなどの塩素系溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン、およびこれらの混合溶媒などの芳香族系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノールなどのアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ジオキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル;などが挙げられる。これら溶媒は1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。溶液製膜法を行うための装置としては、例えば、ドラム式キャスティングマシン、ベルト式キャスティングマシンなどが挙げられる。
溶融製膜法の具体的な例としては、樹脂組成物を構成する各成分をオムニミキサーなどの混合機でプレブレンドした後、得られた混合物を混練機から押出混練してもよい。押出混練に用いる混練機は特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸押出機などの押出機、あるいは加圧ニーダーなどの公知の混練機を用いることができる。
また、別途形成したアクリル系熱可塑性樹脂を溶融押出成形してもよい。溶融製膜法には、例えば、Tダイ法、インフレーション法などがあり、その際の成形温度は、好ましくは200〜350℃、より好ましくは250〜300℃、さらに好ましくは255℃〜300℃、特に好ましくは260℃〜300℃である。
Tダイ法を用いる場合、押出機の先端部にTダイを取り付け、このTダイから押し出したフィルムを巻き取ることで、ロール状に巻回させた樹脂フィルムを得ることができる。このとき、巻き取りの温度および速度を制御して、フィルムの押し出し方向に延伸(一軸延伸)を加えることも可能である。
押出成形に押出機を用いる場合、その種類は特に限定されず、単軸であっても二軸であっても多軸であってもよいが、そのL/D値は(Lは押出機のシリンダの長さ、Dはシリンダ内径)、アクリル樹脂を十分に可塑化して良好な混練状態を得るために、好ましくは10以上100以下であり、より好ましくは15以上80以下であり、さらに好ましくは20以上60以下である。L/D値が10未満の場合、アクリル樹脂を十分に可塑化できず、良好な混練状態が得られないことがある。一方、L/D値が100を超えると、アクリル樹脂に対して過度に剪断発熱が加わることで、組成物中の樹脂が熱分解する可能性がある。
またこの場合、シリンダの設定温度は、好ましくは200℃以上300℃以下であり、より好ましくは250℃以上300℃以下である。設定温度が200℃未満では、アクリル樹脂の溶融粘度が過度に高くなって、樹脂フィルムの生産性が低下する。一方、設定温度が300℃を超えると、アクリル樹脂が熱分解する可能性がある。
押出成形に押出機を用いる場合、その形状は特に限定されないが、押出機が1個以上の開放ベント部を有することが好ましい。このような押出機を用いることによって、開放ベント部から分解ガスを吸引することができ、得られた樹脂フィルムに残存する揮発成分の量を低減できる。開放ベント部から分解ガスを吸引するためには、例えば、開放ベント部を減圧状態にすればよく、その減圧度は、開放ベント部の圧力にして、931〜1.3hPaの範囲が好ましく、798〜13.3hPaの範囲がより好ましい。開放ベント部の圧力が931hPaより高い場合、揮発成分、あるいは樹脂の分解により発生する単量体成分などが、樹脂中に残存しやすい。一方、開放ベント部の圧力を1.3hPaより低く保つことは工業的に困難である。
本発明における延伸フィルムは、ポリマーフィルターで濾過したアクリル樹脂を成形してフィルムとすることが好ましい。ポリマーフィルターにより、アクリル樹脂中に存在する異物を除去できるため、得られたフィルムの外観上の欠点を低減できる。なお、ポリマーフィルターによる濾過時には、アクリル樹脂は高温の溶融状態となる。このため、ポリマーフィルターを通過する際にアクリル樹脂が劣化し、劣化により形成されたガス成分や着色劣化物が組成物中に流れだして、得られたフィルムに、穴あき、流れ模様、流れスジなどの欠点が観察されることがある。この欠点は、特に樹脂フィルムの連続成形時に観察されやすい。このため、ポリマーフィルターで濾過したアクリル樹脂を成形する際には、その成形温度は、樹脂の溶融粘度を低下させ、ポリマーフィルターにおける樹脂の滞留時間を短くするために、例えば255〜300℃であり、260〜320℃が好ましい。
ポリマーフィルターの構成は特に限定されないが、ハウジング内に多数枚のリーフディスク型フィルターを配したポリマーフィルターを好適に用いることができる。リーフディスク型フィルターの濾材は、金属繊維不織布を焼結したタイプ、金属粉末を焼結したタイプ、金網を数枚積層したタイプ、あるいはそれらを組み合わせたハイブリッドタイプのいずれでもよいが、金属繊維不織布を焼結したタイプが最も好ましい。
ポリマーフィルターによる濾過精度は特に限定されないが、通常15μm以下、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。濾過精度が1μm以下になると、樹脂の滞留時間が長くなることで当該組成物の熱劣化が大きくなる他、樹脂フィルムの生産性が低下する。一方、濾過精度が15μmを超えると、アクリル樹脂中の異物を除去することが難しくなる。
ポリマーフィルターの形状は特に限定されず、例えば、複数の樹脂流通口を有し、センターポール内に樹脂の流路を有する内流型;断面が複数の頂点もしくは面においてリーフディスクフィルタの内周面に接し、センターポールの外面に樹脂の流路がある外流型;などがある。特に、樹脂の滞留箇所の少ない外流型を用いることが好ましい。
ポリマーフィルターにおける樹脂の滞留時間に特に制限はないが、好ましくは20分以下であり、より好ましくは10分以下であり、さらに好ましくは5分以下である。また、濾過時におけるフィルター入口圧およびフィルター出口圧は、例えば、それぞれ、3〜15MPaおよび0.3〜10MPaであり、圧力損失(フィルターの入口圧と出口圧の圧力差)は、1MPa〜15MPaの範囲が好ましい。圧力損失が1MPa以下になると、樹脂がフィルターを通過する流路に偏りが生じやすく、得られた樹脂フィルムの品質が低下する傾向がある。一方、圧力損失が15MPaを超えると、ポリマーフィルターの破損が起こり易くなる。
ポリマーフィルターに導入される樹脂の温度は、その溶融粘度に応じて適宜設定すればよく、例えば250〜300℃であり、好ましくは255〜300℃であり、さらに好ましくは260〜300℃である。
ポリマーフィルターを用いた濾過処理により、異物、着色物の少ない延伸フィルムを得る具体的な工程は、特に限定されない。例えば、(1)クリーン環境下でアクリル樹脂の形成および濾過処理を行い、引き続いてクリーン環境下でアクリル樹脂の成形を行うプロセス、(2)異物または着色物を有するアクリル樹脂を、クリーン環境下で濾過処理した後、引き続いてクリーン環境下でアクリル樹脂の成形を行うプロセス、(3)異物または着色物を有するアクリル樹脂を、クリーン環境下で濾過処理すると同時に成形を行うプロセス、などが挙げられる。それぞれの工程毎に、複数回、ポリマーフィルターによるアクリル樹脂の濾過処理を行ってもよい。
ポリマーフィルターによってアクリル樹脂を濾過する際には、押出機とポリマーフィルターとの間にギアポンプを設置して、フィルター内の樹脂の圧力を安定化することが好ましい。
ポリマーフィルターによってアクリル樹脂を濾過する際には、押出機とポリマーフィルターとの間にギアポンプを設置して、フィルター内の樹脂の圧力を安定化することが好ましい。
本発明における延伸フィルムは、延伸フィルムであれば、特に制限はなく、1軸延伸フィルムであっても2軸延伸フィルムまたは斜め延伸フィルムであってもよく、より好ましくは2軸延伸フィルムであり、逐次2軸延伸、同時2軸延伸いずれの手法でもかまわない。逐次2軸延伸の場合は、縦延伸工程と横延伸工程を含む。
縦延伸工程は公知の延伸方法を適用できる。例えば、オーブン延伸、ロール延伸いずれの方法であってもかまわない。
オーブン縦延伸機は、オーブン入口側および出口側のそれぞれにある搬送ロールとオーブンとから構成される。オーブン入口側にある搬送ロールと、出口側にある搬送ロールとの間に周速差をつけることによって原フィルムをその流れ方向(長手方向)に延伸する。オーブンは、原フィルムを延伸可能な温度にまで加熱する機能を有する。延伸条件によっては、オーブンによって、延伸後の原フィルムに熱処理効果を与えることができる。
オーブン縦延伸における延伸温度は、原フィルムのガラス転移温度(Tg)を基準に、(Tg−10)℃〜(Tg+50)℃が好ましく、より好ましくは(Tg−5)℃〜(Tg+40)℃であり、さらに好ましくは、(Tg)℃〜(Tg+30)℃である。(Tg−10)℃未満で延伸すると原フィルムの破断のおそれがある。(Tg+50)℃を越えると、原フィルムのたるみが大きくなるために、装置とのこすれや破断のおそれが生じる。
一方、ロール縦延伸機は、加熱可能な多数のロールあるいはニップロール(加熱ロール)と、冷却可能な多数のロールあるいはニップロール(冷却ロール)とから構成される。原フィルムは多数の加熱ロールに連続接触しながら延伸温度にまで予熱され、加熱ロールと冷却ロールとの間に設けられた短区間(延伸区間)のニップロールによって延伸された後、冷却ロールによって冷却される。延伸温度を安定化するため、延伸区間内に補助加熱装置を設けても良い。
原フィルムの延伸温度および延伸倍率は、縦延伸後に得られた原フィルムの機械的強度、表面性および厚み精度を指標として適宜調整することができる。延伸の際に原フィルムを、当該フィルムのガラス転移温度(Tg)を基準に、加熱ロールによって(Tg−10)℃〜(Tg+20)℃にまで加熱することが好ましく、さらに延伸区間内に設けた補助加熱装置によって、(Tg)℃〜(Tg+30)℃以下にまで加熱することがより好ましい。加熱ロールでの原フィルムの加熱が、(Tg−10)℃よりも低い場合には、原フィルムが裂ける、割れるなどの工程上の問題を引き起こしやすい。(Tg+20)℃よりも高い場合には、原フィルムがロールに付着するトラブルが起こりやすい。また、補助加熱装置での加熱が(Tg)℃よりも低い場合には、原フィルムにシワが発生しやすく、フィルムの裂けや割れなどの工程上の問題を引き起こしやすく、(Tg+30)℃よりも高い場合には、最終的に得られた延伸フィルムの伸び率や引っ張り強度、可とう性などの力学的性質が改善されず、2次加工性が悪くなることがある。延伸区間内に設けた補助加熱装置としては、従来公知の方法が使用でき、IRヒーター、セラミックヒーター、熱風ヒーターの中から選ばれるいずれかの加熱方法が装置の導入コストの観点から好ましい。
横延伸工程は、原フィルムをその幅方向に延伸する工程である。横延伸に用いる装置は、グリップ式でもピン式でもかまわないが、原フィルムの引き裂けが生じにくいことから、グリップ式がより好ましい。グリップ式のテンター延伸機は、横延伸用のグリップ走行装置とオーブンとから構成される。グリップ走行装置は原フィルムの横端部をグリップで掴んで搬送すると同時にグリップ走行装置のガイドレールを開いて左右2列のグリップ間の距離を広げることによって、当該フィルムを延伸する。なお、フィルムの長手方向にもグリップの拡縮機能を持たせた同時二軸延伸機であってもよい。また、オーブンは原フィルムを延伸可能な温度にまで加熱する(予熱する)機能を有する。延伸条件によっては、オーブンによって、横延伸後のフィルムに熱処理効果を与えることができる。オーブンから出たフィルムは、その後冷却される。いずれの場合においても、フィルムの延伸温度は、熱可塑性樹脂フィルムのガラス転移温度(Tg)を基準に、(Tg−10)℃〜(Tg+50)℃が好ましく、より好ましくは(Tg−5)℃〜(Tg+30)℃である。また、延伸温度が、原フィルムのガラス転移温度に達するまで延伸を行わないことが好ましい。これにより、厚みムラ、位相差ムラが小さい位相差フィルムとすることができる。なお、横延伸工程とは、加熱(予熱)、延伸、冷却の一連の工程を指す。横延伸工程では、原フィルムの幅方向の延伸が行われるが、その際、原フィルムの流れ方向の延伸を併せて行うこともできる。
延伸フィルムの光学特性および機械的特性を安定させるために、延伸後、必要に応じて熱処理(アニーリング)を実施してもよい。
縦方向および横方向のそれぞれの方向に対する延伸倍率は、好ましくは1.05〜10倍の範囲、より好ましくは1.1〜5倍の範囲、さらに好ましくは1.2〜3倍の範囲である。1.05倍よりも小さいと、フィルムの強度が不十分となったり、所望する位相差値が得られない場合があり好ましくない。10倍よりも大きいと、延伸倍率を上げるだけの効果が認められず、また延伸中にフィルムの破断が起こる場合があり好ましくない。
本発明において、ナーリング部をフィルムに付与するナーリング成形は、微小な凹凸型付けによる厚み出し加工のことをいい、ナーリング加工、ローレット加工、エンボス加工と呼ばれることもある。
ナーリング部を成形する方法は特に限定されないが、加工歯を有する一対の転写ロールや凹凸の刻印されたエンボスロール、エンボスベルトでフィルムの両端部を押圧することで賦形することができる。一対の転写ロールやエンボスロールは、片方にだけ凹凸が刻印されているものであっても、両方に凹凸が刻印されているものであっても良い。片方にだけ凹凸が刻印されている場合は、その対となるロールはゴムロールであっても良いし、金属ロールであっても良い。
ナーリング部をフィルムに付与する加工歯の形状は特に限定されないが、例えば、円錐台形や角錐台形、円錐や円柱、角錐状などが挙げられる。
ナーリングの凸部の高さを調整する方法は特に限定されないが、一対の転写ロールやエンボスロールのロール間隙間調整や油圧制御によるロール押圧調整などが挙げられ、適宜選択される。
ナーリング部の成形は、常温でも加熱下でも実施可能であるが、加熱して実施することが好ましい。例えば、50〜300℃であり、好ましくは80〜250℃であり、より好ましくは100〜200℃である。
本発明における延伸フィルムの表面には、必要に応じて、各種の機能性コーティング層が形成されていてもよい。機能性コーティング層は、例えば、帯電防止層、粘接着剤層、接着層、易接着層、防眩(ノングレア)層、光触媒層などの防汚層、反射防止層、ハードコート層、紫外線遮蔽層、熱線遮蔽層、電磁波遮蔽層、ガスバリヤー層などである。また、本発明の樹脂成形品に、上記機能性コーティング層を有する部材が積層されていてもよい。当該部材の積層は、粘着剤や接着剤を介して行うことができる。
本発明のフィルムの用途は特に限定されないが、その高い透明性、耐熱性により、光学部材として好適に用いることができる。光学部材は、例えば、光学用保護フィルム、具体的には、各種の光ディスク(VD、CD、DVD、MD、LDなど)基板の保護フィルム、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置が備える偏光板に用いる偏光子保護フィルムである。位相差フィルム、視野角補償フィルム、光拡散フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、タッチパネル用導電フィルムなどの光学フィルムとして、本発明の延伸フィルムを用いてもよい。
[アクリル系熱可塑性樹脂]
本発明で用いられるアクリル系熱可塑性樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位を構成単位として有する樹脂のことであり、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸の誘導体に由来する構成単位を有していてもよい。アクリル系熱可塑性樹脂が有する全構成単位における、(メタ)アクリル酸エステル単位、(メタ)アクリル酸単位および上記誘導体に由来する構成単位の割合に合計は、通常50%以上であり、好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上である。なお、ラクトン環構造など、(メタ)アクリル酸エステル単位の誘導体である環構造を主鎖に有する場合、全構成単位に占める(メタ)アクリル酸エステル単位および(メタ)アクリル酸単位の割合と、環構造の含有率との合計が50重量%以上であればよい。
(メタ)アクリル酸エステル単位は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチルなどの単量体に由来する構成単位である。
(メタ)アクリル酸単位は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸などの単量体に由来する構成単位である。
アクリル系熱可塑性樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単位および(メタ)アクリル酸単位としてこれらの構成単位を2種類以上有していてもよい。アクリル系熱可塑性樹脂はメタクリル酸メチル単位を有することが好ましく、この場合、アクリル系熱可塑性樹脂ならびにアクリル系熱可塑性樹脂を含む組成物を成形して得られたフィルムの熱安定性が向上する。
アクリル系熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常110℃以上であり、115℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、130℃以上がさらに好ましい。Tgの上限としては成形加工性が乏しくなることから200℃以下が好ましい。なお、代表的なアクリル系熱可塑性樹脂であるPMMAのTgは105℃である。
本発明におけるガラス転移温度はJIS K7121の規定に準拠して求めることができる。具体的には、示差走査熱量計(リガク製、DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温速度20℃/分で昇温して得られたDSC曲線から始点法により算出した。リファレンスには、α−アルミナを用いた。
環構造の種類は特に限定されないが、例えば、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、N−置換マレイミド構造および無水マレイン酸構造から選ばれる少なくとも1種である。
以下の一般式(1)に無水グルタル酸構造およびグルタルイミド構造を示す。
Figure 2014071251
上記一般式(1)におけるR、Rは互いに独立して水素原子、またはメチル基であり、Xは酸素原子または窒素原子である。Xが酸素原子であるとき、R3は存在せず、Xが窒素原子のとき、Rは、水素原子、炭素数1から6の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
が酸素原子のとき一般式(1)により示される環構造は無水グルタル酸構造となる。無水グルタル酸構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体を分子内で脱アルコール環化縮合させて形成できる。
が窒素原子のとき、一般式(1)により示される環構造はグルタルイミド構造となる。グルタルイミド構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体をメチルアミンなどのイミド化剤によりイミド化して形成できる。
以下の一般式(2)に、無水マレイン酸構造およびN−置換マレイミド構造を示す。
Figure 2014071251
上記一般式(2)におけるR、Rは互いに独立して水素原子、またはメチル基であり、Xは酸素原子または窒素原子である。Xが酸素原子であるとき、Rは存在せず、Xが窒素原子のとき、Rは、水素原子、炭素数1から6の直鎖アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基またはフェニル基である。
が酸素原子のとき一般式(2)により示される環構造は無水マレイン酸構造となる。無水マレイン酸構造は、例えば、無水マレイン酸と(メタ)アクリル酸エステルとを共重合体して形成できる。
が窒素原子のとき、一般式(2)により示される環構造はN−置換マレイミド構造となる。N−置換マレイミド構造は、例えば、フェニルマレイミドなどのN−置換マレイミドと(メタ)アクリル酸エステルとを重合体して形成できる。
なお、一般式(1)、(2)の説明において例示した環構造を形成する各方法では、各々の環構造を形成に用いる重合体が全て(メタ)アクリル酸エステル単位を構成単として有するため、当該方法により得た樹脂はアクリル系熱可塑性樹脂となる。
アクリル系熱可塑性樹脂が主鎖に有していてもよいラクトン環構造は特に限定されず、例えば、4から8員環であってもよいが、環構造の安定性に優れることから5員環または6員環であることが好ましく、6員環であることがより好ましい。6員環であるラクトン環構造は、例えば、特開2004−168882号公報に開示されている構造であるが、前駆体の重合収率が高いこと、前駆体の環化縮合反応により、高いラクトン環含有率を有するアクリル系熱可塑性樹脂が得られること、メタクリル酸メチル単位を構成単位として有する重合体を前駆体にできること、などの理由から以下の一般式(3)に示される構造が好ましい。
Figure 2014071251
上記一般式(3)において、R、RおよびRは、互いに独立して、水素原子または炭素数1から20の範囲の有機残基である。当該有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。
一般式(3)における有機残基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1から20の範囲のアルキル基、エテニル基、プロペニル基などの炭素数1から20の範囲の不飽和脂肪族炭化水素基、フェニル基、ナフチル基などの炭素数1から20の範囲の芳香族炭化水素基であり、上記アルキル基、上記不飽和脂肪族炭化水素基、上記芳香族炭化水素基は、水素原子の一つ以上が、水酸基、カルボキシル基、エーテル基、およびエステル基から選ばれる少なくとも1種類の基により置換されていてもよい。
アクリル系熱可塑性樹脂における上記環構造の含有率は特に限定されないが、例えば5〜90%であり、好ましくは10〜70%であり、よりこの好ましくは10〜60%であり、さらに好ましくは10〜50%である。
アクリル系熱可塑性樹脂における環構造の含有率が過渡に小さくなると、フィルムの耐熱性の低下や、耐溶剤性および表面硬度が不十分となることがある。一方、上記含有率が過渡に大きくなると、フィルムの成形性や機械的特性が低下する。
主鎖に環構造を有するアクリル系熱可塑性樹脂は公知の方法により製造できる。環構造が無水グルタル酸構造あるいはグルタルイミド構造であるアクリル系熱可塑性樹脂は、例えば、WO2007/26659号公報あるいはWO2005/108438号公報に記載の方法により製造できる。環構造が無水マレイン酸構造あるいはN−置換マレイミド構造であるアクリル系熱可塑性樹脂は、例えば、特開昭57−153008号公報、特開2007−31537号公報に記載の方法により製造できる。環構造がラクトン環構造であるアクリル系熱可塑性樹脂は、例えば、特開2006−96960号公報、特開2006−171464号公報あるいは特開2007−63541号公報に記載の方法により製造できる。
アクリル系熱可塑性樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単位および(メタ)アクリル酸単位以外の構成単位を有していてもよく、このような構成単位は、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタリルアルコール、アリルアルコール、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、酢酸ビニル、2−ヒドロキシメチル−1−ブテン、メチルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾールなどの単量体に由来する構成単位である。アクリル系熱可塑性樹脂は、これらの構成単位を2種以上有していてもよい。
アクリル系熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、例えば1000〜300000の範囲であり、好ましくは5000〜250000の範囲であり、より好ましくは10000〜200000の範囲であり、さらに好ましくは50000〜200000の範囲である。
アクリル系熱可塑性樹脂は耐熱性、物性、光学特性と損なわない範囲で紫外線吸収能を有してもよい。具体的には、アクリル系熱可塑性樹脂を製造する時の単量体成分として紫外線吸収性単量体および/または紫外線安定性単量体を用いる方法や、紫外線吸収剤および/または紫外線安定剤を上記アクリル系熱可塑性樹脂に配合する方法がある。またこれらは、アクリル系熱可塑性樹脂を含む延伸フィルムに支障がない限り、これらの方法を併用してもかまわない。また、上記紫外線吸収機能を持続させるためには、紫外線吸収性単量体と紫外線安定性単量体を併用することや、紫外線吸収剤と紫外線安定剤を併用する事が好ましい。また、紫外線吸収性単量体および/または紫外線安定性単量体と合わせて、紫外線吸収剤および/または紫外線安定剤を併用することも好ましい。
上記、紫外線吸収性単量体の種類としては、ベンゾトリアゾール系化合物あるいはベンゾフェノン系化合物あるいはトリアジン系化合物と重合性不飽和基を有するアクリル系単量体が挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシメチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−5’−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3’−tert−ブチルフェニル〕−5−tert−ブチル−2H−ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−メタクリルアミノメチル−5’−(1”,1”,3”,3”−テトラメチル)ブチルフェニル]−2H−ベンゾトリアゾールなどを用いることができる。また、ベンゾフェノン系化合物としは、例えば、2−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]ブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−[2−(メタ)アクリロイルオキシ]エトキシ−4’−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノンなどを用いることができる。また、トリアジン系化合物としては、例えば,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジン、2,4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)]−s−トリアジンなどを用いることができる。このような紫外線吸収性単量体を用いる場合には、全単量体の0.1〜25質量%共重合されることが好ましく、さらに好ましくは1〜15質量%共重合されることが好ましい。含有量が少ないと耐候性向上の寄与が低く、含有量が多すぎると耐熱水性、耐溶剤性が低下したり、黄変を引き起こしたりする場合がある。
上記紫外線安定性単量体としては、ヒンダードアミン系化合物に重合性不飽和基が結合されたものを用いることができ、具体例としては、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。このような紫外線安定性単量体を用いる場合には、全単量体の0.1〜25質量%共重合されることが好ましく、さらに好ましくは1〜15質量%共重合されることが好ましい。含有量が少ないと耐候性向上の寄与が低く、含有量が多すぎると耐熱水性、耐溶剤性が低下したり、黄変を引き起こしたりする場合がある。
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系化合物、サリシケート系化合物、ベンゾエート系化合物、トリアゾール系化合物およびトリアジン系化合物等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、2,4−ジーヒドロキシベンゾフェノン、4−n−オクチルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルオキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノン)−ブタン等が挙げられる。サリシケート系化合物としては、p−t−ブチルフェニルサリシケート等が挙げられる。ベンゾエート系化合物としては、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。また、トリアゾール系化合物としては、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステルが挙げられる。さらに、トリアジン系化合物としては、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−エトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ブトキシエトキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル)−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン等が挙げられる。その中でも、アクリル系熱可塑性樹脂と相溶性が高く吸収特性が優れている点から、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−(3−アルキルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−5−α−クミルフェニル]−s−トリアジン骨格(アルキルオキシ;オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシなどの長鎖アルキルオキシ基)を有する紫外線吸収剤が挙げられる。市販品としては、例えば、トリアジン系紫外線吸収剤として「チヌビン1577」「チヌビン460」「チヌビン477」(BASFジャパン製)、トリアゾール系紫外線吸収剤として「アデカスタブLA−31」(ADEKA製)等が挙げられる。
これらは単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。上記紫外線吸収剤の配合量は特に限定されないが、アクリル系熱可塑性樹脂を含むフィルム中に0.01〜25質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜10質量%である。添加量が少なすぎると耐候性向上の寄与が低く、また多すぎると機械的強度の低下や黄変を引き起こす場合がある。
アクリル系熱可塑性樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の樹脂を含んでいてもよい。その他の樹脂の含有割合は、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜25質量%、さらに好ましくは0〜10質量%である。
その他の樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等のオレフィン系ポリマー;塩化ビニル、塩素化ビニル樹脂等の含ハロゲン系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系ポリマー;ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの生分解性ポリエステル;セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースエステル;ポリカーボネート;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド;ポリアセタール;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリエーテルニトリル;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン:ポリオキシペンジレン;ポリアミドイミド;ポリブタジエン系ゴム、アクリル系ゴムを配合したABS樹脂やASA樹脂等のゴム質重合体;などが挙げられる。相溶性の観点からは、スチレン−アクリロニトリル共重合体が好ましい。また、ゴム質重合体は、表面にアクリル系熱可塑性樹脂と相溶し得る組成のグラフト部を有するのが好ましく、ゴム質重合体の平均粒子径は、フィルムとした際の透明性向上の観点から、100nm以下である事が好ましく、70nm以下である事が更に好ましい。
アクリル系熱可塑性樹脂は、その他の添加剤を含んでいてもよい。アクリル系熱可塑性樹脂中のその他の添加剤の含有割合は、好ましくは0〜5質量%、より好ましくは0〜2質量%、さらに好ましくは0〜0.5質量%である。その他の添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;位相差上昇剤、位相差低減剤、位相差安定剤等の位相差調整剤;ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;近赤外線吸収剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモン等の難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤等の帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;有機フィラーや無機フィラー;樹脂改質剤;可塑剤;滑剤などが挙げられる。
上記酸化防止剤は、公知の酸化防止剤が使用できる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アセテート、n−オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−ヘキシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、n−ドデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルベンゾエート、ネオドデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ドデシル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、エチル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)イソブチレート、オクタデシル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(n−オクチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ヒドロキシエチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ジエチルグリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)プロピオネート、2−(n−オクタデシルチオ)エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ステアルアミド−N,N−ビス−[エチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、n−ブチルイミノ−N,N−ビス−[エチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−(2−ステアロイルオキシエチルチオ)エチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,2−プロピレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ネオペンチルグリコールビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、エチレングリコールビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、グリセリン−1−n−オクタデカノエート−2,3−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス−[3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,1−トリメチロールエタントリス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ソルビトールヘキサ−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2−ヒドロキシエチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−ステアロイルオキシエチル−7−(3−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘプタノエート、1,6−n−ヘキサンジオールビス−[(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリトリトールテトラキス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]−ウンデカン、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレート及び2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレートが挙げられる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネートが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−N,N−ビス[2−[[2,4,8,10−テトラキス(1,1ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェピン−6−イル]オキシ]−エチル]エタナミン、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)フォスファイトが挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されない。フィルム物性の測定用サンプルは、幅方向の中央部からサンプルを取得した。
<重量平均分子量>
アクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により以下の条件で求めた。
システム:東ソー社製GPCシステム HLC−8220
展開溶媒:クロロホルム(和光純薬工業製、特級)、流量:0.6ml/分
標準試料:TSK標準ポリスチレン(東ソー社製、PS−オリゴマーキット)
測定側カラム構成:ガードカラム(東ソー社製、TSKguardcolumn SuperHZ−L)、分離カラム(東ソー社製、TSKgel SuperHZM−M)2本直列接続
リファレンス側カラム構成:リファレンスカラム(東ソー社製、TSKgel SuperH−RC)
<ラクトン環含有割合計算例>
まず、重合で得られた重合体組成からすべての水酸基がメタノールとして脱アルコールした際に起こる重量減少量を基準にし、ダイナミックTG測定において重量減少が始まる前の150℃から重合体の分解が始まる前の300℃までの脱アルコール反応による重量減少から、脱アルコール反応率を求めた。
すなわち、ラクトン環構造を有した重合体のダイナミックTG測定において150℃から300℃までの間の重量減少率の測定を行い、得られた実測重量減少率を(X)とする。他方、当該重合体の組成から、その重合体組成に含まれる全ての水酸基がラクトン環の形成に関与するためアルコールになり脱アルコールすると仮定した時の理論重量減少率(すなわち、その組成上において100%脱アルコール反応が起きたと仮定して算出した重量減少率)を(Y)とする。なお、理論重量減少率(Y)は、より具体的には、重合体中の脱アルコール反応に関与する構造(水酸基)を有する原料単量体のモル比、すなわち当該重合体組成における前記原料単量体の含有率から算出することができる。これらの値(X、Y)を脱アルコール計算式:1−(実測重量減少率(X)/理論重量減少率(Y))に代入してその値を求め、%で表記すると、脱アルコール反応率が得られる。
後述の製造例1で得られるペレットにおいてラクトン環構造の占める割合を計算する。この重合体の理論重量減少率(Y)を求めてみると、メタノールの分子量は32であり、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの分子量は116であり、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの重合体中の含有率(重量比)は組成上20重量%であるから、(32/116)×20≒5.52重量%となる。他方、ダイナミックTG測定による実測重量減少率(X)は0.15重量%であった。これらの値を上記の脱アルコール計算式に当てはめると、1−(0.15/5.52)≒0.973となるので、脱アルコール反応率は97.3%である。
製造例1の場合、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルの当該共重合体における含有率が20.0重量%、算出した脱アルコール反応率が97.3重量%、分子量が116の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチルがメタクリル酸メチルと縮合した場合に生成するラクトン環化構造単位の式量が170であることから、当該共重合体中におけるラクトン環の含有割合は28.5(20.0×0.973×170/116)重量%となる。
<ガラス転移温度>
ガラス転移温度(Tg)はJIS K7121の規定に準拠して求めた。具体的には、示差走査熱量計(リガク製、DSC−8230)を用い、窒素ガス雰囲気下、約10mgのサンプルを常温から200℃まで昇温速度20℃/分で昇温して得られたDSC曲線から始点法により算出した。リファレンスには、α−アルミナを用いた。
<厚み測定>
ミツトヨ製デジマチックマイクロメーター(最小表示量0.001mm)を用いてナーリング部の内側を幅方向に20mm間隔で測定し、平均値を求めた。
<凸部平均高さ>
ミツトヨ製 デジマチックマイクロメーター(最小表示量0.001mm)を用いて、ナーリング加工が施されたフィルム端部を流れ方向に10mm間隔で5点測定し、平均値を求めた。
<フィルムの表面状態の観察>
フィルムに反りやたるみやシワが無い状態で、反射光により表面状態を観察した。表面状態が良いフィルムは、光源の像が歪むことなくフィルム表面に写るが、そうでないフィルムは光源の像がいびつに変形して見える。
<ロールの保管>
作製したフィルムロールは、ダンボール箱に入れ、室温20〜25℃、湿度50〜60%RHに空調を行った清潔な室内で3か月間保管した。
〔製造例1〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入管を備えた反応釜に、メタクリル酸メチル(MMA)40重量部、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル(MHMA)10重量部、重合溶媒としてトルエン50重量部および酸化防止剤(ADEKA製、アデカスタブ2112)0.025重量部を仕込み、これに窒素を通じつつ、105℃まで昇温させた。
昇温に伴う還流が始まったところで、重合開始剤としてt−アミルパーオキシイソノナノエート(アルケマ吉富製、商品名:ルペロックス570)0.05重量部を添加するとともに、上記t−アミルパーオキシイソノナノエート0.10重量部を2時間かけて滴下しながら、約105〜110℃の還流下で溶液重合を進行させ、さらに4時間の熟成を行った。
次に、得られた重合溶液に、環化縮合反応の触媒(環化触媒)として、リン酸2−エチルヘキシル(堺化学工業製、Phoslex A−8)0.05重量部を加え、約90〜110℃の還流下において5時間、ラクトン環構造を形成するための環化縮合反応を進行させた。次に、得られた重合溶液を熱交換器に通して240℃まで昇温し、当該温度において環化縮合反応をさらに進行させた。
次に、得られた重合溶液を、バレル温度240℃、回転速度100rpm、減圧度13.3〜400hPa(10〜300mmHg)、リアベント数1個およびフォアベント数4個(上流側から第1、第2、第3、第4ベントと称する)、第3ベントと第4ベントとの間にサイドフィーダーが設けられており、先端にリーフディスク型のポリマーフィルター(濾過精度5μm)が配置されたベントタイプスクリュー二軸押出機(L/D=52)に、90重量部/時(樹脂量換算)の処理速度で導入し、脱揮を行った。
その際、別途準備しておいた酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液を1.06重量部/時の投入速度で第1ベントの後から、イオン交換水を0.34重量部/時の投入速度で第2および第3ベントの後から、それぞれ投入した。
酸化防止剤/環化触媒失活剤の混合溶液としては、50重量部の酸化防止剤(BASFジャパン製、イルガノックス1010)と、失活剤である35重量部のオクチル酸亜鉛(日本化学産業製、ニッカオクチクス亜鉛3.6%)とを、トルエン200重量部に溶解させた溶液を用いた。
これに加えて、脱揮の際に、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂:スチレン単位/アクリロニトリル単位の比率が73重量%/27重量%、重量平均分子量が22万)のペレットをサイドフィーダーから、10重量部/時の投入速度で投入した。
脱揮完了後、押出機内に残された熱溶融状態にある樹脂を当該押出機の先端からポリマーフィルターにより濾過しながら排出し、ペレタイザーによりペレット化して、ラクトン環構造を主鎖に有する(メタ)アクリル重合体を主成分(含有率が90重量%)とし、さらにスチレン−アクリロニトリル共重合体を10重量%の含有率で含むアクリル樹脂の透明なペレット(1A)を得た。樹脂ペレット(1A)を構成する樹脂組成物の重量平均分子量は132000、Tgは125℃であった。
〔製造例2〕
グルタルイミド構造を主鎖に有する(メタ)アクリル重合体を主成分とするアクリル樹脂(ダイセル・エボニック製、プレキシイミド8813)100重量部と、0.66重量部の紫外線吸収剤(ADEKA製、アデカスタブ LA−F70)を、260℃で二軸押出機に供給して、グルタルイミド構造を主鎖に有する(メタ)アクリル重合体からなるアクリル樹脂の透明なペレット(1B)を得た。
〔実施例1〕
製造例1で作製した樹脂ペレット(1A)を用いて、溶融成膜、縦延伸、横延伸、トリミング、ナーリング、巻き取りの各工程を連続して実施し、平均厚みが50μmの延伸フィルムを作製した。溶融製膜では押出機の先端にギアポンプとポリマーフィルターを設置した。
得られた延伸フィルムに、ガラス転移温度よりも高い温度にて延伸フィルムの膜厚の20%の高さを付与するようナーリング加工を施し、長さ3000mのフィルムロールを取得した。
ナーリング加工により凹凸を付与された加工部分の形状は円形で、単一の平均面積は3mmであり、100mmあたりの加工部分の総面積は40mmであった。
3か月間保管後、ロールを巻き出し、内側のフィルムの表面状態を確認したが、ゲージバンドなどの外観不良は無く、良好な表面状態を維持していた。
加工部分の高さは延伸フィルムの膜厚の20%の高さを保持していた。
〔実施例2〕
製造例2で作製した樹脂ペレット(1B)を用いて実施例1と同様に延伸フィルムを作製した。得られた延伸フィルムに、ガラス転移温度よりも高い温度にて延伸フィルムの膜厚の20%の高さを付与するようナーリング加工を施し、長さ3000mのフィルムロールを取得した。
ナーリング加工により凹凸を付与された加工部分の形状は円形で、単一の平均面積は2mmであり、100mmあたりの加工部分の総面積は62mmであった。
3か月間保管後、ロールを巻き出し、内側のフィルムの表面状態を確認したが、ゲージバンドなどの外観不良は無く、良好な表面状態を維持していた。
加工部分の高さは延伸フィルムの膜厚の20%の高さを保持していた。
〔実施例3〕
実施例1と同様に延伸フィルムを作製した。得られた延伸フィルムに、ガラス転移温度よりも高い温度にて延伸フィルムの膜厚の20%の高さを付与するようナーリング加工を施し、長さ3000mのフィルムロールを取得した。
ナーリング加工により凹凸を付与された加工部分の形状は円形で、単一の平均面積は2mmであり、100mmあたりの加工部分の総面積は72mmであった。
3か月間保管後、ロールを巻き出し、内側のフィルムの表面状態を確認したが、ゲージバンドなどの外観不良は無く、良好な表面状態を維持していた。
加工部分の高さは延伸フィルムの膜厚の20%の高さを保持していた。
〔比較例1〕
実施例1と同様に延伸フィルムを作製した。得られた延伸フィルムに、ガラス転移温度よりも高い温度にて延伸フィルムの膜厚の20%の高さを付与するようナーリング加工を施し、長さ3000mのフィルムロールを取得した。
ナーリング加工により凹凸を付与された加工部分の形状は円形で、単一の平均面積は0.5mmであり、100mmあたりの加工部分の総面積は3mmであった。
3か月保管後のフィルムロールは、最表層に大きな窪みが数ヶ所確認され、ロール端面にも波模様が発生していた。ロールを巻き出し、内側のフィルムの表面状態を確認したところ、フィルム表面には窪みや波模様に由来した多数の模様やシワが確認された。
〔比較例2〕
実施例1と同様に延伸フィルムを作製した。得られた延伸フィルムに、ガラス転移温度よりも高い温度にて延伸フィルムの膜厚の20%の高さを付与するようナーリング加工を施し、長さ3000mのフィルムロールを取得した。
ナーリング加工により凹凸を付与された加工部分の形状は円形で、単一の平均面積は0.03mmであり、加工部分の総面積は2mmであった。
3か月保管後のフィルムロールは、最表層に大きな窪みが数ヶ所確認され、ロール端面にも波模様が発生していた。ロールを巻き出し、内側のフィルムの表面状態を確認したところ、フィルム表面には窪みや波模様に由来した多数の模様やシワが確認された。
〔比較例3〕
加工部分の高さを延伸フィルムの膜厚の50%の高さに調整した以外は、実施例1と同様にフィルムロールを作製した。加工の途中でナーリング部分からフィルム破断が起こり長尺のフィルムロールを取得することができなかった。
本発明にかかる光学フィルムロールは、破断やひび割れなどの外観不良、および光学物性の変化が十分に抑制され、かつ、保管安定性を有するため、液晶表示装置(LCD)、有機ディスプレイ(OLED)を初めとする光学部材としての用途に好適に利用することができる。
1:光学フィルムロール
2:ナーリング加工部分
3:巻き芯
4:延伸フィルム

Claims (5)

  1. 両端部にナーリング加工が施された延伸フィルムを巻き取った光学フィルムロールであって、該ナーリング加工により凹凸を付与された変形部分の単一の平均面積が0.05mm以上5mm以下であり、複数の変形部分と凹凸を付与されていない未変形部分とを合わせたナーリング加工部分100mmあたりの該変形部分の面積の割合が4%以上80%以下であることを特徴とする、光学フィルムロール。
  2. 該加工部分の凸部の平均高さが該延伸フィルムの膜厚の15%以上40%以下である、請求項1に記載の光学フィルムロール。
  3. 該ナーリング加工を該延伸フィルムのガラス転移温度よりも高温側で加工したことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の光学フィルムロール。
  4. 該延伸フィルムがアクリル系熱可塑性樹脂を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルムロール。
  5. 該アクリル系熱可塑性樹脂が主鎖に環構造を有する、請求項4に記載の光学フィルムロール。
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