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JP2014070968A - 超音波検査装置および超音波検査方法 - Google Patents

超音波検査装置および超音波検査方法 Download PDF

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JP2014070968A JP2012216297A JP2012216297A JP2014070968A JP 2014070968 A JP2014070968 A JP 2014070968A JP 2012216297 A JP2012216297 A JP 2012216297A JP 2012216297 A JP2012216297 A JP 2012216297A JP 2014070968 A JP2014070968 A JP 2014070968A
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Yoshiaki Nagashima
良昭 永島
Yoshihiro Michiguchi
由博 道口
Seiji Kikuhara
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Abstract

【課題】溶接熱影響部に発生する損傷を選択的に短時間で容易に検出できる超音波検査装置を提供する。
【解決手段】超音波を用いて溶接部を検査する超音波検査装置は、溶接部に超音波を送信し、その反射波を受信する少なくとも一つの超音波センサと、領域特定のために超音波センサで溶接部を走査して得られた第1の受信信号に基づいて溶接熱影響部を特定し(ステップS101)、損傷分析のために超音波センサで溶接部を走査して得られた第2の受信信号に基づいて、溶接部における溶接欠陥または損傷を検出し、特定された溶接熱影響部10Cに存在する損傷を抽出し(ステップS102)、抽出された損傷の程度である損傷率を演算する(ステップS104)演算部とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶接部を超音波で検査する超音波検査装置および超音波検査方法に関する。
火力発電プラントの高経年化により、配管等の構造材料の高温・応力下での健全性(クリープ損傷の程度)を非破壊で診断できる技術が重要になってきている。一方で、運転温度が高い火力発電プラントでは、構造材料としてクロム比率の高い鉄鋼材料(以下、高クロム鋼とも言う。)を溶接して用いるようになってきている。しかし、高クロム鋼の特徴として溶接箇所における溶接熱影響部で内部から劣化が進行する点があげられる。そのため、その劣化の進行程度を検査する必要がある。
構造材料を非破壊検査する方法としてレプリカ法が知られている。レプリカ法は構造材料の金属表面の組織を非破壊的に観察する方法なので、構造材料の表面の損傷状況を把握できるが、構造材料の材料内部の損傷状況は検査できない。
初期の劣化状態を検出する方法として、送信する周波数の高調波成分を抽出する技術が知られている。例えば、特許文献1には、超音波探触子の後方散乱波もしくは表面波の送信周波数成分と高調波成分のイメージを作成し、両者の比率から残存寿命を評価する方法が示されている。
また、特許文献2には、組織変化を検出する方法として、試験体基準部の基準信号との差分処理で組織変化を検出する方法が示されている。
特開2005−128018号公報 特開2007−085949号公報
従来の溶接部の超音波検査装置では、溶接金属部や母材部の材料組織ノイズや溶接欠陥と区別して、溶接金属熱影響部に発生する損傷を検出することができなかった。とりわけ金属製の構造材料内のクリープ損傷の初期段階の状態の検出に対して適用できるものではなかった。
(1)請求項1に記載の発明は、超音波を用いて溶接部を検査する超音波検査装置において、溶接部に超音波を送信し、その反射波を受信する少なくとも一つの超音波センサと、演算部とを有する。演算部は、領域特定のために超音波センサで溶接部を走査して得られた第1の受信信号に基づいて溶接熱影響部を特定し、損傷分析のために超音波センサで前記溶接部を走査して得られた第2の受信信号に基づいて、溶接部における溶接欠陥または損傷を検出し、特定された溶接熱影響部に存在する損傷を抽出し、抽出された損傷の程度である損傷率を演算することを特徴とする。
(2)請求項8に記載の発明は、超音波を用いて溶接部を検査する超音波検査方法において、領域特定のために、超音波センサで溶接部を走査しつつ溶接部に超音波を送信し、その反射波を第1の受信信号として受信し、損傷分析のために、超音波センサで溶接部を走査しつつ溶接部に超音波を送信し、その反射波を第2の受信信号として受信し、得られた第1の受信信号に基づいて溶接熱影響部を特定し、第2の受信信号に基づいて、特定された溶接熱影響部に存在する損傷を抽出し、特定された溶接熱影響部で検出される損傷の程度を損傷率として演算し、演算した損傷率を出力することを特徴とする。
本発明によれば、溶接熱影響部を特定し、特定された溶接熱影響部に存在する損傷による受信信号を抽出するようにした。そのため、溶接金属部の溶接欠陥ノイズや母材部の組織ノイズから区別して損傷を表す受信信号を検出することが可能となり、金属材料の劣化を初期段階で検出することができる。
本発明による溶接部の超音波検査装置の第1の実施形態を説明するための、装置と検査対象を含む全体概略図である。 本発明による第1の実施形態の超音波検査装置での動作フローを示す図である。 本発明による第1の実施形態の超音波検査装置で溶接熱影響部の位置を決定する測定結果を模式的に示す図である。(a)は検査対象の断面図であり、(b)は(a)の検査対象の上面側を図で横方向に超音波探触子を走査して測定された反射波強度の変化の例を示す図である。 本発明の第1の実施形態による溶接熱影響部の計測位置を超音波信号分布上に表示した結果を模式的に示す図である。(a)は検査対象の断面図を示す。(b)、(c)、(d)はそれぞれ(a)に示す位置B1、B2、B3で検出される超音波信号の時間スペクトラムである。 図4で示すように超音波探触子6Bの各走査位置で測定された反射波強度を、走査距離を横軸に、超音波伝搬時間を縦軸にとった分布図(Bスコープ)で表示した模式図である。 本発明の第1の実施形態による信号データを損傷率に変換する際に参照するデータを説明する図である。 本発明の第1の実施形態の変形例1を説明するための図である。(a)は検査対象の断面図を示す。(b)、(c)はそれぞれ(a)に示す位置A、Cで検出される超音波信号の時間スペクトラムである。 本発明の第1の実施形態の変形例2を説明するための検査対象の断面図である。(a)は検査対象の断面図を示す。(b)、(c)、(d)はそれぞれ(a)に示す位置B1、B2、B3で検出される超音波信号の時間スペクトラムである。 本発明の第2の実施形態による超音波検査装置での動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態による溶接部図面の例である。 本発明の第3の実施形態による超音波検査装置の全体構成のブロック図である。 本発明の第3の実施形態による超音波検査装置での動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図1〜12を参照して説明する。
−第1の実施形態−
図1は、本発明による超音波検査装置の第1の実施形態の概略を示すブロック図である。超音波検査装置は、検査対象10に超音波を入射するとともに、検査対象10で反射あるいは散乱された超音波を検出する超音波センサ、すなわち超音波探触子6A、6Bと、超音波送受信部2と、データ収録部3と、データ解析部4と、表示部5とを備えている。また、データ解析部4は、種々のデータを記憶するデータ記憶部4Aを備える。
検査対象10は、例えば圧力容器や配管の継手溶接部であり、実施形態の超音波検査装置は、溶接部の溶接欠陥と溶接熱影響部のボイドなどの損傷を検査する。検査対象10の母材部10Aには、溶接による溶融池である溶接金属部10Bおよび溶接熱影響部10Cが存在している。
超音波送受信部2は、超音波を送信するために超音波探触子6A、6Bに送信波形、すなわち送信信号を印加し、さらに各探触子からの受信波形、すなわち受信信号を増幅する。超音波送受信部2は、超音波探触子6A,6Bに信号を印加する信号発生器や送信アンプ、受信アンプを内部に備えるが、これらの図示は省略する。
超音波探触子6A、6Bの超音波送受信部2への接続は、同軸ケーブルを介して行われる。また、超音波送受信部2は、同軸ケーブルによりデータ収録部3に接続される。データ収録部3は、アナログ信号である超音波の受信波形をデジタル信号であるデジタル波形に変換する機能を有する。データ収録部3は、例えば、市販の外付けA/D変換器、またはコンピュータ組み込み式のボードタイプのA/D変換器を利用してもよい。
データ解析部4は、例えばコンピュータであり、データ収録部3で収録したデジタル波形を解析する機能を有し、解析結果がデータ記憶部4Aに記憶される。解析内容は後述する。
なお、データ記憶部4Aには、超音波探触子6A、6Bから検査対象10に入射する超音波の入射状態、例えば、超音波出力と入射角度や、解析結果と比較して溶接熱影響部の損傷度を算出するため形状データも記憶される。形状データは、たとえばCADデータあるいは計測データである。
表示部5には、データ解析部4で生成された画像情報、例えばBスコープが表示される。さらに、必要に応じて、データ収録部3からデータ解析部4に入力されるデジタル波形信号がAスコープで表示される。このデジタル波形信号は、超音波送受信部2の受信アンプからの出力信号をデータ収録部3でサンプリングしたそのままの信号である。
次に超音波探触子6A、6Bについて説明する。
超音波探触子6Aは、少なくとも1つ以上の超音波振動子を有する。超音波振動子で発生した超音波は検査対象10の入射面10D、すなわち超音波探触子6Aの走査面に対して概略垂直方向に送信される。この超音波が検査対象10に入射すると、検査対象10の内部または底面10Eで反射し、反射信号として超音波探触子6Aで受信される。超音波探触子6Aに含まれる振動子は、縦波または横波を発生するもので、例えば圧電素子によって構成されている。
超音波探触子6Bは、少なくとも1つ以上の超音波振動子を有し、検査対象10の溶接熱影響部10Cに向けて超音波を概略斜めに送信し、検査対象10の内部で反射した信号を受信する。超音波探触子6Bに含まれる振動子は、縦波または横波を発生するもので、例えば圧電素子によって構成されており、例えば樹脂製のくさびを介して検査対象10に斜めに超音波を入射する方式を用いる。
金属製圧力容器や配管などの溶接部の溶接欠陥を探傷する検査装置では、検査対象表面の溶接部位を横切るように走査を行う。すなわち、超音波探触子6Aは、検査対象10の表面に垂直である厚み方向に超音波を送信し、反射波を受信する。超音波探触子6Bは、検査対象10の厚み方向である基準線に対して傾いた所定の角度で超音波を送信し、すなわち斜入射角度で超音波を入射し、反射波を受信する。
ここで、本実施形態の超音波検査装置の動作を、図2の処理フロー図、および検査時の動作を示す図3〜図5を参照して説明する。
−溶接熱影響部10Cの領域特定処理−
ステップS101において、超音波を送受信して反射波振幅から溶接熱影響部10Cの領域を決定する。このステップS101において、超音波送受信部2は、超音波探触子6Aに選択的に送信信号を印加する。検査対象10の表面に概略垂直に入射した超音波7A(図1参照)は検査対象10で反射する。超音波探触子6Aは、検査対象10から反射されて戻ってくる超音波の反射波を受信する。このとき、超音波探触子6Aを、例えば図1に示す左から右方向に手動または移動装置で走査し、母材部10A、溶接熱影響部10C、溶接金属部10Bを含んだ範囲の反射波を受信する。すなわち、検査対象10の探傷領域を横断するように超音波探触子6Aを走査する。
図3は、超音波探触子6Aの位置と受信した反射波の測定値21を模式的に説明する図である。
この実施形態の超音波検査装置の検査対象10は、例えば高クロム鋼で製造された圧力容器や配管である。高クロム鋼は、溶接熱影響部10Cの結晶粒が母材部10Aおよび溶接金属部10Bの結晶粒よりも小さく、溶接熱影響部10Cでの超音波の減衰が小さい。また、溶接金属部10Bに溶接欠陥が存在すると、超音波の減衰が大きくなる。これらの前提を踏まえて図3を説明する。
(1)検査対象10の母材部10Aにのみ超音波が入射する位置(図3(a)位置A1)では、超音波探触子6Aからの超音波は、減衰が大きい母材部10Aだけを通過して超音波底面反射波として超音波探触子6Aで受信される。この受信信号の強度、すなわち反射波強度を基準反射波強度Rs0と呼ぶ。
(2)検査対象10の溶接熱影響部10Cを通過して母材部10Aに超音波が入射する位置(図3(a)のP1とP2の間の位置)で観測される反射波強度は、検査対象10の母材部10Aにのみ超音波が入射する位置(図3(a)位置A1)での基準反射波強度よりも大きくなる。
(3)検査対象10の溶接金属部10Bに超音波が入射し、さらに溶接熱影響部10Cを通過して母材部10Aに超音波が入射する位置(図3(a)の位置A2)で観測される反射波強度は、超音波の減衰が大きい溶接金属部10B、減衰が小さい溶接熱影響部10C、減衰が大きい母材部10Aをそれぞれ通過することにより、図3(a)の位置P1とP2の間で観測される反射波強度から減少する。この反射波強度は、溶接金属部10Bと母材部10A内の超音波の経路長さに依存し、溶接金属部10B内の経路長が長いほど反射波強度は低下する。
(4)検査対象10の溶接金属部10Bに超音波が入射し、底面反射波が溶接金属部10Bを通って超音波探触子6Aで受信する位置(図3(a)の位置A3)で観測される反射波強度Rsminは、超音波の減衰が大きく、かつ、溶接欠陥が存在するので、反射波強度は位置A2の反射波強度よりも小さくなる。
図3(b)の反射波の測定値21について、基準波強度をRs0、最大値をRsmax、最小値をRsminとする。超音波探触子6Aの走査に伴い、測定値21は次のように変化する。
基準波強度Rs0である変化点22Aから最大値Rsmaxとなる変化点22Bに向けて増加し始める。測定値21は、最大値Rsmaxの変化点22Bから最小値Rsminとなる変化点22Cに向けて減少し始める。超音波探触子6Aがさらに走査されると、測定値21は、最小値Rsminとなる変化点22Dから最大値Rsmaxとなる変化点22Eに向けて再び増加し始める。さらに測定値21は、最大値Rsmaxの変化点22Eから基準波強度Rs0となる変化点22Fに向けて減少し始める。
図3(b)の測定値21の最大値Rsmaxとなる変化点22Bは、検査対象10の表面に入射した超音波が底面で反射し表面から出射するまでの経路中の減衰が最も小さいときに得られる。これは、図3(a)の位置P2に超音波が入射するときである。最大値22Eも同様に経路中の減衰が最も小さいときに得られる。基準波強度Rs0が得られる変化点22Aに対応する走査位置P1と、最大値Rsmaxが得られる変化点22Bに対応する走査位置P2の走査方向の差L1が溶接熱影響部10Cの走査方向の幅W1に相当する。
一方、図3(b)の測定値21の最小値Rsminとなる変化点22Cは、検査対象10の表面に入射した超音波が底面で反射し表面から出射するまでの経路中の減衰が最も大きいときに得られる。これは、図3(a)の位置P3からP4の間に超音波が入射するときである。最小値Rsminとなる変化点22Dも同様に経路中の減衰が最も大きいときに得られる。最小値Rsminが得られる変化点22Cに対応する走査位置P3と、最小値Rsminが得られる変化点22Dに対応する走査位置P4との走査方向の差L2が溶接金属部10Bの底面における走査方向の幅W2である。
演算部4は、走査位置P1〜P4と、溶接熱影響部10Cの走査方向の幅W1と、走査方向の差L1およびL2と、溶接金属部10Bの底面における走査方向の幅W2と、検査対象10の厚さTとに基づいて、検査対象10内での溶接熱影響部10Cの領域を特定することができる。
実際には、溶接熱影響部10Cは、溶接施工の開先形状や入熱条件に依存しており、溶接熱影響部10Cと溶接金属部10Bとの境界面が明瞭にならない場合、さらに開先形状が狭い場合は最小値Rsminとなる変化点22Cと最小値Rsminとなる変化点22Dの形状が明瞭とならない場合もある。その場合は、最大値Rsmaxとなる変化点22Bや最大値Rsmaxとなる変化点22Eから溶接熱影響部10Cの領域の中心を求め、溶接施工で予め設定した開先角度θや溶接熱影響部10Cの経験値である幅Dを基に、溶接熱影響部10Cの領域を決定してもよい。すなわち、溶接熱影響部10Cの領域の形状を表わすデータである角度θは溶接施工での溶接部の開先形状で定まり、また、幅Dはこの開先形状と入熱条件とから、蓄積された溶接施工のデータを基に定めることができる。
以上説明したように、ステップS101では、超音波探触子6Aから検査対象10の走査面10Dに略垂直に超音波を入射して反射波強度を測定することにより、検査対象10の溶接部の組織構造を反映した反射波強度を測定する。必要に応じて、溶接施工で予め設定した角度θや幅Dを基に、溶接熱影響部10Cの領域を決定してもよい。
溶接金属部10Bで超音波の減衰が大きく、溶接熱影響部10Cでは減衰が小さくなるのは、高クロム鋼の特性である。構造材料に高クロム鋼を用いない場合は、材料によっては、反射波の測定値21について、図3(b)の最大値Rsmaxとなる変化点22B、22Eや、逆に図3の最小値Rsminとなる変化点22C、22Dの形状が図3(b)に例示する形状と異なる可能性もある。また、溶接施工の開先形状や入熱条件に依存して溶接熱影響部10Cの幅や結晶粒の大きさ等も変化する。しかし、このような場合でも、図3(b)のような反射強度変化のデータが得られ、これらから溶接熱影響部10Cの位置を検出、すなわち領域を特定することができる。
−溶接熱影響部10C内の損傷の有無の特定処理−
次に、ステップS102において、超音波探触子6Bを検査対象10の上面10Dで走査しつつ超音波を送受信して反射波強度を測定し、検査対象10の深さ方向の反射強度分布を測定し(Bスコープ)、ステップS101で決定した溶接熱影響部10Cの領域内からの反射波の信号データを抽出する。
このステップS102において、超音波送受信部2は、検査対象10の入射面に対して所定の角度で斜め方向に伝搬した超音波7B(図1、図4参照)が、検査対象10の内部で反射して戻る超音波を受信するように、超音波探触子6Bに選択的に送信信号を印加し、反射信号を受信する。この際に、超音波探触子6Bの位置を、例えば図4(a)に示すように、検査対象10の走査面10Dの左から右方向に手動または移動体で走査し、母材部10A、溶接熱影響部10C、溶接金属部10Bを含んだ範囲の反射波を受信する。
このときの反射波強度の超音波伝搬距離に対する変化の例を図4(b)、(c)、(d)に模式的に示す。図4(b)〜(d)はそれぞれ、超音波探触子6Bが、図4(a)の位置B1〜B3にある場合に対応する。
なお、図4(a)では、溶接熱影響部10Cの内部に損傷部(ボイド)が含まれていると仮定している。これは、溶接熱影響部10Cの結晶粒が小さい領域では内部に損傷が発生し易いことに基づいている。
超音波探触子6Bから、検査対象10の上面10Dで斜め方向から入射した超音波は、検査対象内部で一部散乱され、検査対象内部の組成あるいは組織が変化する部分で反射されて、超音波探触子6Bに戻り検出される。斜め方向から入射した場合は、底面10Eで反射した超音波は図4(a)で大部分が左側に向かい、超音波探触子6Bには反射波は殆ど戻って来ない。
組成あるいは組織が変化する部分では、超音波の伝搬速度が変化し、超音波は反射される。特に、ボイドや亀裂などの損傷部では超音波の反射は多くなる。図4(b)では、超音波探触子6Bの走査位置B1において、溶接熱影響部10Cの左側の損傷部10V1で反射された超音波が中央部右寄りに検出されていることを示している。
また、図4(d)では、超音波探触子6Bの走査位置B3において、溶接熱影響部10Cの右側の損傷部10V2で反射された超音波が中央部に検出されていることを示している。
図4(c)は、超音波探触子6Bの走査位置B2に対応し、超音波の伝搬経路に特に反射する組織がないため、図4(c)の中央部分には溶接金属部10Bからの散乱波がバックグラウンド信号として検出されていることを示している。
なお、図4(c)の右側の底面10Eの反射波には、図4(a)から分かるように、溶接熱影響部10Cと溶接金属部10Bの境界での反射波も含まれている。
なお、ボイドや亀裂などの損傷は、溶接熱影響部10C以外でも発生する可能性があるが、この場合は、上記の説明から分かるように、検出される反射超音波が溶接熱影響部10C以外から発生しているものであることを容易に判別することができる。
超音波探触子6Bの各走査位置で測定された反射波強度を、走査距離を横軸に、超音波伝搬時間を縦軸にとった分布図(Bスコープ)で表示すると、図5の模式図のようになる。ここで、領域24A、24Bの部分の信号はそれぞれ溶接熱影響部10C内の損傷部10V1、10V2からの反射波に相当する。領域25の信号は溶接金属部10B内からの散乱波、領域26の信号は送信信号の検査対象10の表面付近での残響(散乱波)である。また、領域27の信号は母材部10Aからの散乱波である。
図4での説明から分かるように、溶接熱影響部10Cの損傷部10V1、10V2に対応する領域24A、24Bの信号強度と、検査対象10の上面10D付近に対応する領域26の信号強度は高く、溶接金属部10Bに対応する領域25と、母材部10Aに対応する領域27での信号強度は低くなっている。
図5において、点線23A、23Bは、ステップS101で決定した溶接熱影響部10Cの領域の境界である。この点線23A、23Bを図5の反射波強度分布データ(Bスコープ)に重ね合わせることにより、溶接熱影響部10C内の損傷部10V1、10V2からの信号かどうかを容易に判別することができる。
溶接熱影響部10Cからの信号は、損傷部10V1、10V2からの信号の他に、これらの損傷部以外の散乱波や、溶接金属部10Bまたは母材部10Aとの境界での反射の信号も含まれているが、損傷部10V1、10V2からの信号に比べると小さく、図4(b)〜(d)で示すように、これらの信号が1つのピークを形成している。
以上により、溶接熱影響部10C内の損傷部10V1、10V2からの信号の同定が行われたので、この損傷部10V1、10V2からの信号(反射信号)の強度を算出する(ステップ103)。
次に、ステップS104において、抽出した損傷部10V1または10V2の反射信号強度を損傷率に変換する。例えば、溶接部に損傷が発生している構造材料を利用して、予め図6に示すような損傷率と超音波信号反射信号強度のサンプル点28を複数取得して、マスターカーブ29を求めておく。このようなマスターカーブ29を用いて、損傷率に変換する。例えば、領域24Aの信号強度を図6の関係と比べることで損傷率に変換できる。同様に、領域24Bの信号強度についても、損傷率を求めることができる。
以上述べた第1の実施形態によれば次のような作用効果を得ることできる。
(1)超音波を用いて溶接部を検査する第1の実施形態の超音波検査装置は、溶接部に超音波を送信し、その反射波を受信する超音波センサ6A,6Bと、超音波センサ6A,6Bで受信した第1および第2の受信信号に基づいて溶接熱影響部10Cを特定するとともに、溶接熱影響部10C内に存在する損傷を検出し、損傷率を演算する演算部4を備える。
このような超音波検査装置によれば、溶接熱影響部10Cを特定するようにしたので、金属材料の劣化を初期段階で検出する際に、検出された超音波の反射信号が溶接熱影響部内のボイドなどの損傷によるものか、あるいは溶接金属部の溶接欠陥ノイズや母材部の組織ノイズによるものかを容易に区別することができる。また、溶接熱影響部10Cに存在する損傷の損傷率を精度よく演算することができる。
とくに高クロム鋼の溶接部では、溶接熱影響部10C、母材部10A、溶接金属部10Bにおいて、損傷以外の反射波、例えば溶接欠陥信号や組織境界信号が生じるので、溶接熱影響部10Cからの反射波を明瞭に区別して検出できることで、損傷の発生しやすい溶接熱影響部の状態を確実に把握することができる。
(2)溶接部の形状データを記憶するデータ記憶部4Aを設け、演算部すなわちデータ解析部4は、第1の受信信号と形状データとに基づいて溶接熱影響部10Cを特定するようにした。その結果、第1の受信信号だけでは溶接熱影響部10Cの特定が困難なときでも、形状データを参照して正確に溶接熱影響部10Cを特定できる。
(3)第2の受信信号の強度に対する損傷率の関係を表す対応関係であるマスターカーブを参照して、溶接熱影響部10Cで損傷が検出された領域内の第2の受信信号の強度に基づいて損傷率を演算するようにした。その結果、損傷率の演算が簡素化される。
(変形例1)
なお、上記の説明の損傷部10V1または10V2からの反射波ピークの強度の算出においては、図4(b)〜(d)のような超音波伝搬距離の全領域に対する反射波の強度分布(スペクトル)から求める以外に、損傷部からの反射波のピークのみを検出するように、信号検出時に時間ウィンドウ(ゲート)を設定して行ってもよい。ステップS101で溶接熱影響部10Cからの反射信号が検出される超音波伝搬距離(信号遅延時間)が確定するので、これに基づいて溶接熱影響部10Cからの反射信号のみを検出するように時間ウィンドウ(ゲート)を設定すればよい。
たとえば、図7(a)に示すように、斜め入射した超音波が溶接熱影響部10Cを通過し、この部分の反射波を超音波探触子6Bで検出する時間ウィンドウ(ゲート)のタイミングを、超音波探触子6Bの移動に合わせて変更することにより、溶接熱影響部10Cからの反射信号のみを検出することができる。
あるいは、溶接熱影響部10Cの範囲からの反射信号を検出するような固定された幅の時間ウィンドウ(ゲート)を超音波探触子6Bの移動に合わせて時間的に移動してもよい。これは、図7(b)、(c)に示すように、横軸(超音波伝搬距離)で、超音波探触子6Bの移動に対応して移動する損傷部10V1、10V2からの反射波のピークに合わせてウィンドウ(ゲート)を移動することに対応する。
このように反射信号を測定することにより、ステップS102の動作の殆どを省略することができ、測定時間を短縮できる。
(変形例2)
溶接熱影響部10C内の損傷部は、溶接熱影響部10C内でほぼ中央部、すなわち検査対象10の厚み方向で中央部に形成されることが多いので、上記変形例1でさらに、信号検出時に時間ウィンドウ(ゲート)を検査対象10の厚み方向で中央部のみからの信号を検出するように設定する(図8(a)参照)。
たとえば、検査対象10の厚み方向中央部の所定の範囲のみから反射される超音波を検出するように、時間ウィンドウ(ゲート)の幅と時間的位置を固定して設定することができる。この場合は図8(a)〜(d)に示すように、常に同じ横軸(超音波伝搬距離)の位置に所定の幅のウィンドウを固定することに対応する。
このようにして反射信号を測定する時間ウィンドウ(ゲート)を幅および時間的位置を固定することにより、ステップS102の動作の殆どを省略することができるとともに、処理するデータ量を大幅に削減できるので測定時間をさらに短縮できる。
なお、このウィンドウ位置は厚み方向中央部以外であっても、ほぼ同じ厚み方向の位置で固定するようにしてもよい。溶接部の形状や材質さらには溶接時の周囲の温度環境によっては、溶接熱影響部10C内の損傷部は厚み方向中央部からずれる可能性もあるからである。
−第2の実施形態−
本発明の第2の実施形態による溶接部の超音波検査装置は、溶接熱影響部の領域を決定する精度を向上させるように改良したものである。
本実施形態における超音波検査装置の基本構成は、図1に示す第1の実施形態と同じであるので、相違点のみ主に説明する。
本実施形態の超音波検査装置の動作の概略を、図9のフローチャート、および図10を参照して説明する。
ステップS201において、超音波を送受信して、反射波振幅から溶接熱影響部10Cの位置を決定する。このステップS201は、第1の実施形態の図2で示したステップS101と略同じであり、測定値21の最大値Rsmaxとなる変化点22B、22Eから、溶接熱影響部10Cの位置を検出する。ステップS101と異なる点は、この後、溶接熱影響部10Cの幅Dや角度θを、溶接図面データを用いて、検査対象である種々の溶接部に応じて設定することである。
ステップS202において、溶接図面を参照して溶接熱影響部10Cの領域を決定する。溶接図面は、例えば、図10に示すような例であり、それぞれ実際はたとえばCADデータで与えられる。溶接熱影響部10Cの幅Dや角度θは、実際は溶接部ごとに、溶接施工の開先形状や入熱条件に依存して変化するが、第1の実施の形態ではこれを溶接部に拘わらず固定値を採用した。しかし、溶接施行用のCADデータを参照することで、溶接熱影響部10Cの領域を、溶接部ごとのCADデータから読み取った幅Dや角度θも参照してより正確に特定できる。
なお、上記では溶接施工の断面のみを参照して説明したが、検査対象10はこの断面に直角な方向に2次元的な大きさを持っており、このような溶接施工は検査対象10の例えば上面10D側から連続的な線状となるように行われる。この連続的な溶接施工では、検査対象の厚みや周囲条件が変化することもあるので、これらに対応して開先形状や入熱条件を変更して溶接を行う。したがって、溶接施工の条件が様々に変化しうるような複雑な形状の検査対象において、CADデータ等を用いることにより溶接熱影響部の幅や角度を正確に設定することができる。
ステップS203〜S205は、各々、第1の実施形態のステップS102〜S104と同様であるので、説明を省略する。
以上述べたように、本発明の第2の実施形態を用いて、溶接熱影響部10Cの領域を決定する精度が向上する。
なお、上記の第1の実施の形態で説明した溶接施工での溶接熱影響部10Cの形状パラメータである角度θや幅D、あるいは、第2の実施の形態で説明したCADデータは、図1で説明した記憶部4Aに適宜記憶しておき、表示用のプログラムを動作させて表示部5に表示する(たとえば図3(a)参照)。これに超音波探触子6A、6Bで検出した超音波のデータ解析部4での解析結果を重畳して表示することにより、溶接熱影響部からの超音波信号が検出されていることを視認することができる。
さらに、このように溶接熱影響部の形状を表示部5に表示しておき、この表示された形状の上で、上記で説明たように、図7(a)や図8(a)に示すように、ウィンドウ(ゲート)を設定することにより、図7(b)や図8(b)〜(d)に示す、超音波の反射波を検出するためのウィンドウを設定することが可能である。図7(a)や図8(a)に示すような、画面上のウィンドウ(ゲート)の位置と、図7(b)や図8(b)〜(d)に示す反射波検出のウィンドウ(ゲート)の位置は、超音波の入射角度および検査対象の超音波伝搬速度あるいは、図7(b)や図8(b)〜(d)の実測スペクトルから容易に関係付けられる。
以上説明した第2の実施形態の超音波検査装置によれば、第1の実施形態の装置と同様な作用効果が得られる他、次の作用効果も得られる。
(1)溶接施工の図面に対応したCADデータ用いることにより、溶接部ごとに、溶接施工における検査対象の詳細な開先形状や入熱条件を考慮して溶接熱影響部10Cの領域を特定することができ、損傷診断の精度が向上する。
−第3の実施形態−
本発明の第3の実施形態の超音波検査装置では、超音波アレイセンサを用いて、溶接熱影響部10Cを特定する超音波センサと、損傷を検出する超音波センサとを兼用している。
図11は、本発明の第3の実施形態に係る超音波検査装置のブロック図であり、検査対象10と、これに超音波を入射するアレイ型超音波センサ11、送・受信部12、受信信号および探傷画像を表示する表示部13で構成されている。
アレイ型超音波センサ11は、図示のように、基本的には超音波を発生し受信する複数個の圧電振動素子14で構成される。アレイ型超音波センサ11は、検査対象10の探傷面に設置された後、送・受信部12から供給される駆動信号により超音波15を発生する。この超音波は検査対象10内に伝播され、検査対象10内で反射する。このような反射波を受信して送・受信部12に入力する。
送・受信部12は、アレイ型超音波センサ11により超音波の送信と受信を行う。送・受信部12は、計算機12Aと遅延時間制御部12B、パルサー12C、レシーバ12D、それにデータ収録部12Eを備える。このように構成された送・受信部12は、パルサー12Cが駆動信号をアレイ型超音波センサ11に供給し、これによりアレイ型超音波センサ11から入力される受信信号をレシーバ12Dが処理する。
計算機12Aは、データ収録部12Eから必要とされる外部データを読込んで演算処理し、必要に応じて処理したデータをデータ収録部12Eへ出力する。また、計算機12Aは、遅延時間制御部12Bとパルサー12C、レシーバ12Dを制御し必要な動作が得られるようにする。
まず、遅延時間制御部12Bは、パルサー12Cから出力される駆動信号のタイミングとレシーバ12Dによる受信信号の入力タイミングの双方を制御し、これによりフェーズドアレイ方式によるアレイ型超音波センサ11の動作を行わせる。フェーズドアレイ方式によるアレイ型超音波センサ11の動作とは、超音波15の焦点位置と入射角度16を制御して超音波を送信し受信する動作である。フェーズドアレイ方式によるアレイ型超音波センサ11により、レシーバ12Dからデータ収録部12Eに受信信号が供給される。
続いて、データ収録部12Eは、供給された受信信号を処理し、収録データとして収録すると同時に計算機12Aにデータを送る。計算機12Aは各圧電振動素子で得られた波形を遅延時間に応じて合成処理し、各超音波の入射角度ごとの波形に適宜の内挿処理を施し、ピクセルと呼ばれる2次元正方格子を単位としたピクセル形式の2次元探傷データを作成する。2次元探傷データは画像化されて表示部13に表示される。
表示部13は、2次元探傷データを表示する2次元表示画面13B、および各圧電振動子の波形信号を表示する波形表示画面13Aを備えている。また、図1には表示部13は一つしか示していないが、波形表示画面13Aと2次元表示画面13Bは、複数の表示部に分担させて表示してもよい。
第3の実施形態の超音波検査装置の動作を図12のフローチャートを参照して説明する。
ステップS301において、遅延時間を制御してアレイ型超音波センサ11から超音波を送受信して、反射波振幅から溶接熱影響部10Cの位置を決定する。この際に、検査対象10の入射面に垂直方向に超音波を送信するように遅延時間を制御する。検査対象10の概略垂直方向に伝搬した超音波は、検査対象10の底面で反射して戻る底面反射波を受信する。
ステップS302において、遅延時間を制御してアレイ型超音波センサ11から超音波を送受信して反射波強度分布を測定し、ステップS301で決定した溶接熱影響部10Cの領域内の信号データを抽出する。このステップS301において、超音波送受信部2は、アレイ型超音波センサ11に送信信号を印加する遅延時間を制御して、検査対象10の入射面に対して斜め方向に超音波を入射させる。斜め方向に伝搬した超音波は、検査対象10の内部で反射して戻る超音波反射波を受信する。この後のステップS302〜S304は、第1の実施形態の図2で示したステップS102〜S104と同等である。
なお、ステップS303は、第1の実施形態のステップS103と同じであるので、説明を省略する。
以上述べたように、第3の実施形態によれば、第1の実施形態の超音波検査装置と同様の作用効果を有するとともに、次の作用効果も得ることができる。
(1)1つのアレイ型超音波センサを用いて遅延時間を制御することにより、第1、第2の実施形態のように複数の超音波探触子を用いる必要が無く、測定手順を簡素化できる。
なお、この第3の実施形態の超音波検査装置を、前述の第1の実施形態の変形例1や2のように動作させることも可能であり、このように動作させることで、測定時間の短縮や処理データの削減が可能となる。
(変形例3)
以上で説明した溶接熱影響部10Cの損傷部10V1、10V2の反射波強度から算出した損傷率が所定値以上のときに、演算部4が警告を出力するようにしてもよい。また、演算部4は、損傷率を所定時間間隔で演算して記憶し、この損傷率の時間変化を演算し、その時間変化に基づいて、たとえばクリープ損傷が発達して亀裂となり、問題が発生すると思われる時期を推定することも可能である。
この変形例3の超音波検査装置では次のような作用効果を得ることができる。
(1)演算部4は、損傷率が所定の損傷率より大きい場合に警告を出力するように構成すれば、保守作業での信頼性が向上する。
(2)演算部4は、損傷率の時間変化に基づいて、損傷率が所定の損傷率に達する前に警告を出力するように構成すれば、より確実に溶接部の寿命予測を行うことができる。
(3)したがって、問題が発生した場合、あるいは問題が発生するより充分前に部品交換等のアラームを発生するなどの機能を盛り込むことができる。その結果、より安全性の高い溶接部の超音波検査装置とすることができる。
以上の実施形態や変形例をさらに以下のように変形することができる。
(1)以上説明した第1実施形態では、平面状に広がった検査対象の表面で、溶接部位を横切るように超音波探触子6A,6Bを走査し、この表面に垂直に超音波を送受信するか、あるいはこの表面に斜め方向から超音波を送受信するように説明したが、検査対象は平面状に限定されない。
(2)超音波探触子6A,6Bを搭載した移動体を検査対象10の表面で移動させて検査対象10を走査するように構成してもよい。超音波探触子6A,6Bを作業者が手動で検査対象表面を走査することもできる。
以上の説明は本発明の実施形態および変形実施の例であり、本発明はこれらの実施形態や変形実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の特徴を損なわずに様々な変形実施が可能である。とりわけ本発明では、第1および第2の実施形態のそれぞれに、第3の実施形態および変形例1〜3を適宜組み合わせて実施することが可能である。このように第1〜第3の実施形態および変形例1〜3を組み合わせて実施することにより、使いやすくかつ迅速に金属部材の溶接部の損傷状態を検査できる超音波検査装置とすることができる。もちろん、検査対象の材料は高クロム鋼に限定されないし、検査対象は圧力容器や配管にも限定されない。
1…超音波検査装置
2…超音波送受信部
3…データ収録部
4…データ解析部
4A…データ記憶部
5…表示部
6A…超音波センサ
6B…超音波センサ
7A…超音波
7B…超音波
10…検査対象
10A…母材部
10B…溶接金属部
10C…溶接熱影響部
10D…検査対象10の上面(超音波探触子の走査面)
10E…検査対象10の底面
11…アレイ型超音波センサ
12…送・受信部
12A…計算機
12B…遅延時間制御部
12C…パルサー
12D…レシーバ
12E…データ収録部
12F…データ記憶部
13…表示部
13A…波形表示画面
13B…2次元表示画面
14…圧電振動素子
15…超音波
16…入射角度
21…測定値
22A〜22F…測定値の変化点
23…溶接熱影響部10Cの領域の境界線
24A、24B…溶接熱影響部10Cからの反射波信号
25…溶接金属部10B内からの散乱波信号
26…送信信号の検査対象表面からの残響(散乱)信号
27…母材部10A内からの散乱波信号
28…超音波信号振幅のサンプル点
29…損傷率マスターカーブ

Claims (10)

  1. 超音波を用いて溶接部を検査する超音波検査装置において、
    前記溶接部に超音波を送信し、その反射波を受信する少なくとも一つの超音波センサと、
    領域特定のために前記超音波センサで前記溶接部を走査して得られた第1の受信信号に基づいて前記溶接熱影響部を特定し、損傷分析のために前記超音波センサで前記溶接部を走査して得られた第2の受信信号に基づいて、前記溶接部における溶接欠陥または損傷を検出し、前記特定された溶接熱影響部に存在する損傷を抽出し、前記抽出された損傷の程度である損傷率を演算する演算部とを備えることを特徴とする超音波検査装置。
  2. 請求項1に記載の超音波検査装置において、
    前記演算部は、前記溶接部の形状データを記憶するデータ記憶部を有し、
    前記演算部は、前記第1の受信信号と前記形状データとに基づいて前記溶接熱影響部を特定することを特徴とする超音波検査装置。
  3. 請求項1に記載の超音波検査装置において、
    前記演算部は、前記第2の受信信号の強度に対する損傷率の関係を表す対応関係を記憶する記憶部を有し、
    前記対応関係を参照して、前記溶接熱影響部で損傷が検出された領域における第2の受信信号の強度に基づいて前記損傷率を演算することを特徴とする超音波検査装置。
  4. 請求項1に記載の超音波検査装置において、
    前記超音波センサとして、第1および第2の超音波センサを有し、
    前記第1の受信信号は、前記第1の超音波センサから前記溶接部に第1の角度で入射した超音波の受信信号であり、
    前記第2の受信信号は、前記第2の超音波センサから前記溶接部に第2の角度で入射した超音波の受信信号であることを特徴とする超音波検査装置。
  5. 請求項1に記載の超音波検査装置において、
    前記超音波センサとして、超音波アレイセンサを有し、
    前記第1の受信信号は、前記超音波アレイセンサから略垂直角度で前記溶接部に入射した超音波の受信信号であり、
    前記第2の受信信号は、前記超音波アレイセンサから斜入射角度で前記溶接部に入射した超音波の受信信号であることを特徴とする超音波検査装置。
  6. 請求項3に記載の超音波検査装置において、
    前記演算部は、前記損傷率が所定の損傷率より大きい場合に警告を出力することを特徴とする超音波検査装置。
  7. 請求項3に記載の超音波検査装置において、
    前記演算部は、前記損傷率の時間変化に基づいて、前記損傷率が所定の損傷率に達する前に警告を出力することを特徴とする超音波検査装置。
  8. 超音波を用いて溶接部を検査する超音波検査方法において、
    領域特定のために、超音波センサで前記溶接部を走査しつつ前記溶接部に超音波を送信し、その反射波を第1の受信信号として受信し、
    損傷分析のために、前記超音波センサで前記溶接部を走査しつつ前記溶接部に超音波を送信し、その反射波を第2の受信信号として受信し、
    前記得られた第1の受信信号に基づいて前記溶接熱影響部を特定し、
    前記第2の受信信号に基づいて、前記特定された溶接熱影響部に存在する損傷を抽出し、
    前記特定された溶接熱影響部で検出される前記損傷の程度を損傷率として演算し、
    前記演算した損傷率を出力することを特徴とする超音波検査方法。
  9. 請求項8に記載の超音波検査方法において、
    前記溶接部の形状データを記憶し、
    前記第1の受信信号と前記形状データとに基づいて前記溶接熱影響部を特定することを特徴とする超音波検査方法。
  10. 請求項8に記載の超音波検査方法において、
    前記第2の受信強度に対する損傷率の関係を表す対応関係を記憶し、
    前記対応関係を参照して、前記損傷が検出された領域での第2の受信信号の強度に基づいて前記損傷率を演算することを特徴とする超音波検査方法。
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