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JP2014055091A - Iii−v族化合物結晶製造方法、種結晶形成基板製造方法、iii−v族化合物結晶、半導体装置、iii−v族化合物結晶製造装置、種結晶形成基板製造装置 - Google Patents

Iii−v族化合物結晶製造方法、種結晶形成基板製造方法、iii−v族化合物結晶、半導体装置、iii−v族化合物結晶製造装置、種結晶形成基板製造装置 Download PDF

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JP2014055091A JP2012202137A JP2012202137A JP2014055091A JP 2014055091 A JP2014055091 A JP 2014055091A JP 2012202137 A JP2012202137 A JP 2012202137A JP 2012202137 A JP2012202137 A JP 2012202137A JP 2014055091 A JP2014055091 A JP 2014055091A
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Yusuke Mori
勇介 森
Kan Imaide
完 今出
Masashi Yoshimura
政志 吉村
Mihoko Hirao
美帆子 平尾
Yoji Morikazu
洋司 森數
Noboru Takeda
昇 武田
Yoko Nishino
曜子 西野
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University of Osaka NUC
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Osaka University NUC
Disco Abrasive Systems Ltd
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Abstract

【課題】大サイズで、かつ欠陥が少なく高品質なIII−V族化合物結晶を効率良く製造可能なIII−V族化合物結晶製造方法を提供する。
【解決手段】基板11上に複数のIII−V族化合物種結晶12aが形成された種結晶形成基板を提供する種結晶形成基板提供工程と、複数の種結晶12aの表面を金属融液に接触させる接触工程と、III族元素とV族元素とを金属融液中で反応させることによって、種結晶12aを核としてIII−V族化合物結晶13を生成させ成長させる結晶成長工程とを含み、結晶成長工程において、III−V族化合物結晶13の成長により、複数の種結晶12aから成長した複数のIII−V族化合物結晶13を結合させる、III−V族化合物結晶13の製造方法であって、複数の種結晶12aは、基板11上に形成されたIII−V族化合物層12の一部を物理的な加工により除去して形成された種結晶である。
【選択図】図1

Description

本発明は、III−V族化合物結晶製造方法、種結晶形成基板製造方法、III−V族化合物結晶、半導体装置、III−V族化合物結晶製造装置、種結晶形成基板製造装置に関する。
窒化ガリウム(GaN)などのIII−V族化合物半導体(III−V族半導体、またはGaN系半導体などともいう)は、レーザダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)等の各種半導体素子の材料として広く用いられている。
III−V族化合物半導体を簡便に製造する方法としては、例えば、気相エピタキシャル成長法(単に「気相成長法」ということもある。)が用いられる(特許文献1〜4)。しかし、気相エピタキシャル成長法は、結晶成長にかけることのできる時間が限られるため、成長する結晶の厚みにも限界があり、厚みの大きいIII−V族化合物結晶を得ることは困難である。
このため、より高品質なIII−V族化合物単結晶を製造可能な方法として、液相中で結晶を成長させる液相成長法(LPE:Liquid Phase Epitaxy)が用いられる。この液相成長法は、高温高圧を必要とするという問題があったが、近年の改良により、比較的低温低圧で行うことができるようになり、量産にも適した方法となっている(特許文献5〜7)。前記液晶成長法(LPE)は、例えば、サファイア基板上に、種結晶となるIII−V族化合物結晶層を有機金属気相成長法(MOCVD:Metalorganic Chemical Vapor Deposition)により成膜したのち、液相成長法によって前記III−V族化合物結晶をさらに成長させる方法であっても良い(特許文献5〜7)。なお、有機金属気相成長法(MOCVD)は、気相エピタキシャル成長法の一種であり、前記方法では、種結晶となるIII−V族化合物結晶層を成膜するために補助的に用いている。
特公平7−54806号公報 特開平10−305420号公報 特表2005−516415号公報 特許第4562001号公報 特許第4920875号公報 特許第4422473号公報 特許第4588340号公報
III−V族化合物結晶を、産業上(例えば、半導体装置等に)有効利用するためには、III−V族化合物結晶のサイズが、有効利用できる程度に大きくなければならない。また、III−V族化合物結晶の歪み、転位、反り等の欠陥がなるべく少ないことが好ましい。しかし、以下のとおり、従来のIII−V族化合物結晶の製造方法では、大サイズで、かつ、歪み、転位、反り等の欠陥が少なく高品質なIII−V族化合物結晶の製造は、きわめて困難である。
すなわち、まず、気相エピタキシャル成長等によってIII−V族化合物結晶を製造する場合、エピタキシャル成長のための基板が必要である。この基板としては、一般に、安価なサファイア基板が用いられる。しかし、サファイア基板とIII−V族化合物結晶とでは、格子定数、熱膨張係数等がかなり異なるために、III−V族化合物結晶に、歪み、転位、反り等の欠陥が生じる。この欠陥の問題は、結晶が大きくなればなるほど顕著になる。なお、本発明において、「サファイア」は、特に断らない限り、酸化アルミニウム結晶、または酸化アルミニウムを主成分とする結晶をいう。
また、格子定数の差の問題を解消するために、前記サファイア基板に代えて、大サイズでかつ欠陥が少ないIII−V族化合物種結晶からIII−V族化合物結晶を成長させることが考えられる。より具体的には、例えば、前記サファイア基板に代えてIII−V族化合物基板を用い、これを種結晶とすることが考えられる。しかし、III−V族化合物基板等の大きなIII−V族化合物種結晶は、非常に高価であるため、コスト高になってしまう。また、従来技術では、そもそも、大サイズで、かつ、歪み、転位、反り等の欠陥が少なく高品質であるIII−V族化合物種結晶の入手は、ほぼ不可能である。このため、成長させたIII−V族化合物結晶が、前記種結晶の結晶欠陥を受け継いでしまうことになり、問題の根本的な解決は困難である。
その他に、大サイズで欠陥が少ないIII−V族化合物結晶の製造方法としては、微小種結晶を液相中で長時間かけて成長させる等の方法も考えられる。しかし、このようにして大サイズの結晶を得ることも、きわめて難しい。
以上に鑑み、特許文献6および7では、欠陥が少ないIII−V族化合物結晶を製造する目的で、基板上に形成した複数の種結晶から成長した複数のIII−V族化合物結晶を、成長により結合(会合)させることが記載されている。前記複数の種結晶の形成方法として、特許文献6では、気相エピタキシャル成長法により基板上に形成(成膜)した種結晶の一部をエッチング等により除去して複数の種結晶を形成している。また、特許文献7では、気相エピタキシャル成長法により基板上に形成(成膜)した種結晶の上に、複数の貫通孔を有するマスク膜を形成し、前記複数の貫通孔から露出した部分を、複数の種結晶としている。図17(a)〜(e)の工程図に、前記特許文献6の方法の一例を模式的に示し、図18(a)〜(c)の工程図に、前記特許文献7の方法の一例を模式的に示す。図17および18の各図において、左側の図は、平面図であり、右側の図は、断面図である。図17右側の断面図は、同図左側の図のB−B’方向に見た断面図であり、図18右側の断面図は、同図左側の図のC−C’方向に見た断面図である。
図17の方法では、まず、同図(a)に示すとおり、基板11上にIII−V族化合物層12が形成された積層基板を準備する。つぎに、同図(b)に示すとおり、III−V族化合物層12上の一部に、複数のレジスト(エッチングマスク)15を、ドット状、ストライプ状等の形状(図ではドット状)に形成し、III−V族化合物層12を覆う。この状態で、III−V族化合物層12をエッチング液等により処理すると、同図(c)に示すとおり、レジスト15で被覆されていない部分が除去され、レジスト15で被覆された部分のみが、種結晶12aとして残る。さらに、同図(d)に示すとおり、レジスト15を除去する。そして、複数の種結晶12aから、それぞれIII−V族化合物結晶を成長させ、結合(会合)させて、同図(e)に示すとおり、III−V族化合物結晶13を形成する。一方、図18の方法では、まず、同図(a)に示すとおり、基板11上にIII−V族化合物層12が形成された積層基板を準備する。つぎに、同図(b)に示すとおり、III−V族化合物層12の上に、ドット状、ストライプ状等(図ではドット状)の複数の貫通孔を有するマスク膜17を形成し、III−V族化合物層12を覆う。これにより、前記貫通孔から露出した(すなわち、マスク膜17で覆われていない)複数の部分を、III−V族化合物結晶12aとする。そして、これら複数の種結晶12aから、それぞれIII−V族化合物結晶を成長させ、結合(会合)させて、同図(c)に示すとおり、III−V族化合物結晶13を形成する。これらの方法によれば、基板上に成膜したIII−V族化合物層をそのまま種結晶として用いるよりも、成長させたIII−V族化合物結晶が、種結晶の転位等の欠陥を受け継ぎにくいため、欠陥が少ないIII−V族化合物結晶が得られると考えられる。
しかし、特許文献6および7の方法は、基板上に成膜した種結晶をそのまま用いるよりも、結晶の成長速度が低くなり、結晶製造効率が悪くなるおそれがある。また、特許文献6および7の方法では、エッチング後に、エッチング液、レジスト(エッチングマスク)等の残留物を完全に除去することが困難である。そのため、これらの残留物が原因となり、III−V族化合物結晶どうしが欠陥を持ったまま成長したり、成長したIII−V族化合物結晶どうしが整然と会合せず、会合面に大きな欠陥が生じたりするおそれがある。また、近年の半導体装置の高性能化等により、さらに欠陥が少ないIII−V族化合物結晶が求められる。
そこで、本発明は、大サイズで、かつ欠陥が少なく高品質なIII−V族化合物結晶を効率良く製造可能なIII−V族化合物結晶製造方法、種結晶形成基板製造方法、III−V族化合物結晶製造装置、種結晶形成基板製造装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記により製造可能なIII−V族化合物結晶および半導体装置を提供する。
前記目的を達成するために、本発明のIII−V族化合物結晶製造方法は、
基板上に複数のIII−V族化合物種結晶が形成された種結晶形成基板を提供する種結晶形成基板提供工程と、
前記複数のIII−V族化合物種結晶の表面を金属融液に接触させる接触工程と、
III族元素とV族元素とを前記金属融液中で反応させることによって、前記III−V族化合物種結晶を核としてIII−V族化合物結晶を生成させ成長させる結晶成長工程とを含み、
前記結晶成長工程において、前記III−V族化合物結晶の成長により、前記複数のIII−V族化合物種結晶から成長した複数の前記III−V族化合物結晶を結合させる、III−V族化合物結晶の製造方法であって、
前記複数のIII−V族化合物種結晶が、前記基板上に形成されたIII−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して形成されたIII−V族化合物種結晶であることを特徴とする。
本発明の種結晶形成基板製造方法は、前記本発明のIII−V族化合物結晶の製造方法に用いる前記種結晶形成基板の製造方法であり、
基板上にIII−V族化合物層が積層された積層基板を提供する積層基板提供工程と、
前記III−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して前記複数のIII−V族化合物種結晶を形成するIII−V族化合物種結晶形成工程とを含む。
本発明のIII−V族化合物結晶は、前記本発明のIII−V族化合物結晶製造方法により製造されるIII−V族化合物結晶であるか、または、転位密度が1×10cm−2以下のIII−V族化合物結晶である。
本発明の半導体装置は、半導体である前記本発明のIII−V族化合物結晶を含む半導体装置である。
本発明のIII−V族化合物結晶製造装置は、
前記本発明のIII−V族化合物結晶製造方法に用いる製造装置であり、
前記III−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して前記複数のIII−V族化合物種結晶を形成するIII−V族化合物種結晶形成手段を含む製造装置である。
本発明の種結晶形成基板製造装置は、
前記本発明の種結晶形成基板製造方法に用いる製造装置であり、
前記III−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して前記複数のIII−V族化合物種結晶を形成するIII−V族化合物種結晶形成手段を含む製造装置である。
本発明のIII−V族化合物結晶製造方法、種結晶形成基板製造方法、III−V族化合物結晶製造装置、種結晶形成基板製造装置によれば、大サイズで、かつ欠陥が少なく高品質なIII−V族化合物結晶を効率良く製造可能である。また、本発明によれば、前記により製造可能なIII−V族化合物結晶および半導体装置を提供することができる。
図1は、本発明のIII−V族化合物結晶製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 図2は、本発明のIII−V族化合物結晶製造方法の別の一例を模式的に示す工程断面図である。 図3は、本発明のIII−V族化合物結晶製造方法のさらに別の一例を模式的に示す工程平面図である。 図4は、本発明のIII−V族化合物結晶製造方法のさらに別の一例を模式的に示す斜視図である。 図5は、本発明のIII−V族化合物結晶製造装置または本発明の種結晶形成基板製造装置として用いることが可能なレーザ加工装置の一例を示す斜視図である。 図6は、図5のレーザ加工装置における被加工物をフレームに固定した状態の斜視図である。 図7は、図6の被加工物をレーザ光照射手段における集光器の下方に位置させた状態を示す斜視図である。 図8は、図6の被加工物をレーザ光照射手段における集光器の下方に位置させた状態を示す図である。図8(a)は、正面図であり、図8(b)は、断面図である。 図9は、実施例におけるIII−V族化合物種結晶およびその配置を示す模式図および写真である。 図10は、図9のIII−V族化合物種結晶から成長させたIII−V族化合物結晶の写真である。 図11は、参考例におけるIII−V族化合物種結晶の大きさ、形状および配置を示す模式図である。 図12は、図11のIII−V族化合物種結晶の形状を例示する写真である。 図13は、図11および12のIII−V族化合物種結晶から成長させたIII−V族化合物結晶の写真である。 図14は、別の実施例において製造したIII−V族化合物結晶の縦断面を示す写真である。 図15は、さらに別の実施例において製造したIII−V族化合物結晶の縦断面を示す写真である。 図16は、実施例で用いたLPE装置の構造を模式的に示す図である。 図17は、III−V族化合物結晶の製造方法の一例を模式的に示す工程図である。 図18は、III−V族化合物結晶の製造方法の別の一例を模式的に示す工程図である。
以下、本発明について例を挙げて説明する。ただし、本発明は、以下の説明により限定されない。
<1.III−V族化合物結晶の製造方法>
本発明のIII−V族化合物結晶の製造方法は、例えば、以下のようにして行うことができる。
<1−1.種結晶形成基板提供工程>
まず、基板上に複数のIII−V族化合物種結晶(以下、単に「種結晶」という場合がある。)が形成された種結晶形成基板を提供する(種結晶形成基板提供工程)。前記複数の種結晶は、前記基板上に形成されたIII−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して形成された種結晶である。前記種結晶形成基板提供工程は、あらかじめ準備された種結晶形成基板を入手しても良いし、前記本発明の種結晶形成基板の製造方法により製造しても良い。
本発明の種結晶形成基板の製造方法は、前述のとおり、基板上にIII−V族化合物層が積層された積層基板を提供する積層基板提供工程と、前記III−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して前記複数のIII−V族化合物種結晶を形成するIII−V族化合物種結晶形成工程とを含む。以下、前記積層基板提供工程および前記III−V族化合物種結晶形成工程について例を挙げて説明する。
<1−1−1.積層基板提供工程>
まず、図1(a)に示すように、基板11上にIII−V族化合物層12が積層された積層基板を提供する(積層基板提供工程)。前記積層基板は、あらかじめ準備されたものを入手しても良いし、製造しても良い。製造する場合は、例えば、前記本発明の種結晶形成基板製造方法により、前記基板上に前記III−V族化合物層を積層させて製造することができる。基板11は、特に限定されないが、例えば、サファイア基板、炭化珪素基板、酸化ガリウム(Ga)基板、シリコン(Si)基板、窒化シリコン(Si、窒化珪素ともいう)基板、ガリウムヒ素(GaAs)基板、リチウムアルミネート(LiAlO)基板等が挙げられる。基板11の形状およびサイズは、特に限定されず、例えば、製造しようとするIII−V族化合物結晶の形状およびサイズ等に応じて適宜設定可能である。基板の形状は、例えば、図1(a)のように矩形でも良いし、円形、多角形、正方形、六角形、八角形等でも良い。基板11のサイズは、例えば、長径が5〜20cm等であっても良い。基板11の厚みも特に限定されないが、例えば、0.01〜2mm、好ましくは0.05〜1.5mm、より好ましくは0.1〜1mmである。III−V族化合物層12の厚みも特に限定されないが、例えば、0.5〜1000μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。III−V族化合物層12の形成方法も特に限定されず、例えば、気相エピタキシャル成長法でも、液相成長法でも良い。なお、本発明で、III族(13族)元素としては、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)が挙げられ、V族(15族)元素としては、例えば、窒素(N)、リン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)が挙げられる。III−V族化合物層12は、例えば、AlGaIn1−x−yNまたはAlGaIn1−x−yP(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表されるIII−V族化合物であっても良く、III族窒化物であることが好ましい。III−V族化合物層12は、より具体的には、前記組成で表されるAlGaN、InGaN、InAlGaN、AlN、GaP、GaN等が挙げられ、GaNが特に好ましい。
<1−1−2.III−V族化合物種結晶形成工程>
つぎに、図1(b)に示すように、III−V族化合物層12の一部を物理的な加工により除去して複数のIII−V族化合物種結晶12aを形成する(III−V族化合物種結晶形成工程)。これにより、レジスト(エッチングマスク)およびエッチング液等を用いずに、簡便に前記複数のIII−V族化合物種結晶を形成できる。前記物理的な加工としては、特に限定されず、例えば、切削加工、または、粒子もしくは波動を前記III−V族化合物層に衝突させることによる加工等が挙げられる。これらの中で、粒子または波動を前記III−V族化合物層に衝突させることによる加工が好ましい。粒子または波動を前記III−V族化合物層に衝突させることによる加工としては、例えば、レーザ光照射、粒子(イオンまたは電子)ビーム照射、ミリング加工、ショットブラスト、アブレーシブウォータージェット、超音波加工等があげられる。これらの中でも、レーザ光照射が特に好ましい。レーザ光照射によれば、精密な加工を、より簡便に行うことができるためである。具体的には、例えば、前記III−V族化合物層の、除去したい箇所にレーザ光照射すれば良い。前記レーザ光の波長は、特に限定されないが、前記基板に影響を与えずに、前記III−V族化合物層の除去したい箇所を除去できる波長であることが好ましい。このためには、前記レーザ光の波長は、前記III−V族化合物層により吸収され、かつ、前記基板を透過する波長であることが好ましい。この場合、前記レーザ光の、前記III−V族化合物層に対する吸収率は、例えば20%以上、好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上であり、理想的には100%である。また、前記レーザ光の、前記基板に対する透過率は、例えば90%以上、好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上であり、理想的には100%である。なお、前記レーザ光の、前記III−V族化合物層に対する吸収率および前記基板に対する透過率の測定方法は、特に限定されないが、例えば、一般的な分光光度計を用いて測定することができる。前記レーザ光の波長は、例えば150〜1300nm、好ましくは193〜1100nm、より好ましくは193〜500nm、さらに好ましくは193〜400nmである。前記レーザ光の波長は、前記基板および前記III−V族化合物層の材質等も考慮して適宜設定できる。前記レーザ光の波長は、前記基板がサファイア基板であり、前記III−V族化合物層がGaNである場合、好ましくは200〜500nm、より好ましくは200〜350nm、特に好ましくは230〜300nmである。より具体的には、例えば、266nmまたは355nm等の波長のレーザ光を用いることができる。
前記レーザ光の出力も特に限定されないが、例えば0.01〜100W、好ましくは0.05〜50W、より好ましくは1〜20Wである。前記レーザ光のスポット径も、特に限定されないが、例えば1〜400μm、好ましくは5〜150μm、より好ましくは10〜80μmである。前記レーザ光のエネルギー密度も特に限定されないが、例えば、0.001〜20J/cm、好ましくは0.002〜10J/cm、より好ましくは0.006〜5J/cmである。前記レーザ光のスポットの移動速度(送り速度)も特に限定されないが、例えば1〜1000mm/s、好ましくは10〜500mm/s、より好ましくは50〜300mm/sである。前記レーザ光を照射する方向も特に限定されず、例えば、前記III−V族化合物層側から照射しても良く、前記基板側から、前記基板を透過させて前記III−V族化合物層に照射しても良いが、前記III−V族化合物層側から照射することが好ましい。また、前記レーザ光の媒体および発振器も特に限定されないが、例えば、YAGレーザ、COレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、ディスクレーザ、DPSSレーザ、エキシマレーザ、ファイバーレーザー等が挙げられる。また、前記レーザ光は、パルスレーザ光線でも良いし、CW(Continuous wave)レーザ光線でも良い。パルスレーザ光線の場合、その周波数は、特に限定されないが、例えば10Hz〜100MHz、好ましくは1〜1000kHz(1MHz)、より好ましくは10〜200kHzである。前記パルスレーザ光線のパルス幅も特に限定されないが、熱拡散抑制の観点から、例えば0.2ps(0.2ピコ秒、または200fs[フェムト秒])〜10ns、好ましくは5〜500ps(ピコ秒)、より好ましくは5〜200psである。
III−V族化合物種結晶12aの形状は特に限定されず、ストライプ状、ドット状等が挙げられるが、ドット状が特に好ましい。ドット状の場合は、その形状は、例えば、図1(b)のように円形でも良いし、楕円形、多角形、正多角形、三角形、正三角形、四角形、正方形、矩形、五角形、正五角形、六角形、正六角形等でも良い。III−V族化合物種結晶12aの大きさは特に限定されないが、小さいほど、後述の結晶成長工程において、欠陥が少なく高品質なIII−V族化合物結晶が得られやすいため好ましい。この理由は明らかではないが、III−V族化合物種結晶12aが小さいほど、その転位等の結晶欠陥が、成長したIII−V族化合物結晶に受け継がれにくいためと考えられる。III−V族化合物結晶12aがストライプ状の場合、その幅は、例えば1mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下であり、下限値は特に限定されないが、例えば0.05mm以上である。III−V族化合物結晶12aがドット状の場合、前記ドットの長径(最も長い径、例えば、矩形の場合は長辺)は、例えば1.0mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下、特に好ましくは、0.25mm以下である。前記ドットの長径の下限値は特に限定されず、小さいほど良いが、例えば0.01mm以上である。また、互いに隣接する種結晶12a間の間隔は、例えば0.01〜10mm、好ましくは0.05〜5mm、より好ましくは0.1〜1.0mm、さらに好ましくは0.15〜0.75mm、特に好ましくは0.2〜0.5mmである。種結晶12aの配置も特に限定されない。例えば、図1(b)のように、基板11上に、互いに合同な複数の矩形(長方形)を隙間なく敷き詰めたと仮定し、前記矩形の各頂点に種結晶12aを配置しても良い。また、前記矩形に代えて、例えば、正方形、ひし形、台形等でも良いし、例えば、後述の図3(a)のように、正三角形でも良く、正三角形以外の三角形でも良い。互いに隣接する種結晶12aどうしの配置関係も特に限定されない。例えば、前記互いに隣接する各種結晶から生成し成長した結晶の結晶面(六方晶の場合、a面、c面またはm面)のうち、同じ面どうしが、ほぼ平行になるように配置しても良い。または、前記互いに隣接する各種結晶から生成し成長した結晶の結晶軸(六方晶の場合、a軸、c軸またはm軸)のうち、同じ軸どうしが、ほぼ重なり合うように配置しても良い。この場合、前記結晶面どうし、または結晶軸どうしのなす角は、30°未満であることが好ましく、より好ましくは、5°以下、さらに好ましくは1°以下、さらに好ましくは0.1°以下、さらに好ましくは0.02°以下であり、特に好ましくは、0°である。また、前記III−V族化合物種結晶の配置は、これらに限定されず、例えば、渦巻状、同心円状、放射線状等、どのような配置でも良い。
以上のようにして、前記種結晶形成基板提供工程を行うことができる。ただし、これらは例示であって、本発明における前記種結晶形成基板提供工程は、これらに限定されない。
<1−2.接触工程および結晶成長工程>
つぎに、前記複数のIII−V族化合物種結晶の表面を金属融液に接触させる(接触工程)。さらに、前記III族元素と前記V族元素とを前記金属融液中で反応させることによって、前記種結晶を核としてIII−V族化合物結晶を生成させ成長させる(結晶成長工程)。
前記種結晶から生成させ成長させる前記III−V族化合物結晶の組成は、前記種結晶の組成(前記積層基板における前記III−V族化合物層の組成)と同一でも良いし、異なっていても良いが、同一であることが好ましい。前記III−V族化合物結晶は、例えば、AlGaIn1−x−yNまたはAlGaIn1−x−yP(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表されるIII−V族化合物結晶であっても良く、III族窒化物結晶であることが好ましい。前記III−V族化合物結晶は、より具体的には、前記組成で表されるAlGaN、InGaN、InAlGaN、AlN、GaP、GaN等が挙げられ、GaNが特に好ましい。前記III−V族結晶の組成は、前記結晶成長工程における前記III族元素と前記V族元素との種類および使用量比等により調整することができる。例えば、前記III−V族化合物結晶がIII族窒化物結晶である場合、前記結晶成長工程において反応させる前記V族元素が、窒素であることが好ましい。また、この場合、前記金属融液が、アルカリ金属融液であり、前記結晶成長工程において、窒素を含む雰囲気下において、III族元素と前記窒素とを前記アルカリ金属融液中で反応させることによって、前記種結晶を核としてIII族窒化物結晶を生成させ成長させることがより好ましい。
前記接触工程および前記結晶成長工程は、例えば、以下のようにして行うことができる。
前記接触工程および前記結晶成長工程においては、例えば、LEDやパワーデバイスの半導体基板に使用される窒化ガリウム(GaN)の製造方法の1つである、ナトリウムフラックス法(Naフラックス法)を用いても良い。例えば、まず、坩堝内に、種結晶(例えば、サファイア基板上に形成されたGaN薄膜)をセットする。また、前記坩堝内に、前記種結晶とともに、ナトリウム(Na)とガリウム(Ga)を適宜な割合で収納しておく。つぎに、前記坩堝内のナトリウムおよびガリウムを、高温(例えば、800〜1000℃)、高圧(例えば、数十気圧)の環境下で、溶融させ、その融液内に窒素ガス(N)を溶け込ませる。これにより、前記坩堝内のGaN種結晶を成長させ、目的のGaN結晶を製造することができる。本発明のIII−V族化合物結晶の製造方法における反応条件は、例えば、前記一般的なナトリウムフラックス法と同様の方法で、または適宜変更を加えて行っても良い。例えば、Gaは、他の任意のIII族元素にしても良い。また、窒素ガスは、下記のとおり、他の窒素含有ガスにしても良い。
本発明の製造方法において、前記結晶成長工程を、窒素を含む雰囲気下で行う場合、前記「窒素を含む雰囲気下」における窒素の形態は、特に制限されず、例えば、ガス、窒素分子、窒素化合物等が挙げられる。前記「窒素を含む雰囲気下」は、窒素含有ガス雰囲気下であることが好ましい。前記窒素含有ガスが、前記フラックスに溶けてIII−V族化合物結晶の育成原料となるからである。前記窒素含有ガスは、前述の窒素ガス(N)に加え、またはこれに代えて、アンモニアガス(NH)等の他の窒素含有ガスを用いても良い。窒素ガスおよびアンモニアガスの混合ガスを用いる場合、混合率は任意である。特に、アンモニアガスを使用すると、反応圧力を低減できるので、好ましい。
前記アルカリ金属融液(フラックス)は、ナトリウムに加え、またはこれに代えて、リチウム等の他のアルカリ金属を用いても良い。より具体的には、前記アルカリ金属融液は、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)およびフランシウム(Fr)からなる群から選択される少なくとも1つを含み、例えば、NaとLiとの混合フラックス等であっても良い。前記アルカリ金属融液は、ナトリウム融液であることが特に好ましい。また、前記アルカリ金属融液は、アルカリ金属以外の成分を1種類または複数種類含んでいても良いし、含んでいなくても良い。前記アルカリ金属以外の成分としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ土類金属が挙げられ、前記アルカリ土類金属としては、例えば、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Br)およびラジウム(Ra)があり、この中で、CaおよびMgが好ましく、より好ましくはCaである。また、前記アルカリ金属以外の成分としては、例えば、炭素(炭素単体または炭素化合物)を含んでいても良いし、含んでいなくても良い。好ましいのは、前記融液において、シアン(CN)を発生する炭素単体および炭素化合物である。また、炭素は、気体状の有機物であってもよい。このような炭素単体および炭素化合物としては、例えば、シアン化物、グラファイト、ダイヤモンド、フラーレン、カーボンナノチューブ、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ベンゼン等があげられる。前記炭素の含有量は、特に限定されないが、前記融液、前記III族元素および前記炭素の合計を基準として、例えば、0.01〜20原子(at.)%の範囲、0.05〜15原子(at.)%の範囲、0.1〜10原子(at.)%の範囲、0.1〜5原子(at.)%の範囲、0.25〜7.5原子(at.)%の範囲、0.25〜5原子(at.)%の範囲、0.5〜5原子(at.)%の範囲、0.5〜2.5原子(at.)%の範囲、0.5〜2原子(at.)%の範囲、0.5〜1原子(at.)%の範囲、1〜5原子(at.)%の範囲、または1〜2原子(at.)%の範囲である。この中でも、0.5〜5原子(at.)%の範囲、0.5〜2.5原子(at.)%の範囲、0.5〜2原子(at.)%の範囲、0.5〜1原子(at.)%の範囲、1〜5原子(at.)%の範囲、または1〜2原子(at.)%の範囲が好ましい。
III族元素に対するアルカリ金属の添加割合は、例えば、0.1〜99.9mol%、好ましくは1〜99mol%、より好ましくは5〜98mol%である。また、アルカリ金属とアルカリ土類金属の混合フラックスを使用する場合のモル比は、例えば、アルカリ金属:アルカリ土類金属=99.99〜0.01:0.01〜99.99、好ましくは99.9〜0.05:0.1〜99.95、より好ましくは99.5〜1:0.5〜99である。前記融液の純度は、高いことが好ましい。例えば、Naの純度は、99.95%以上の純度であることが好ましい。高純度のフラックス成分(例えば、Na)は、高純度の市販品を用いてもよいし、市販品を購入後、蒸留等の方法により純度を上げたものを使用してもよい。
III族元素と窒素含有ガスとの反応温度および圧力も、前記の数値に限定されず、適宜設定して良い。適切な反応温度および圧力は、融液(フラックス)の成分、雰囲気ガス成分およびその圧力によって変化するが、例えば、温度100〜1500℃、圧力100Pa〜20MPaであり、好ましくは、温度300〜1200℃、圧力0.01MPa〜20MPaであり、より好ましくは、温度500〜1100℃、圧力0.1MPa〜10MPaであり、さらに好ましくは、温度700〜1100℃、圧力0.1MPa〜10MPaである。また、反応時間、すなわち結晶の成長(育成)時間は、特に限定されず、結晶が適切な大きさに成長するように適宜設定すれば良いが、例えば1〜1000hr、好ましくは5〜600hr、より好ましくは10〜400hrである。
本発明の製造方法において、場合によっては、前記フラックスによって、窒素濃度が上昇するまでに、前記種結晶が溶解するおそれがある。これを防止するために、少なくとも反応初期において、窒化物を前記フラックス中に存在させておいても良い。前記窒化物としては、例えば、Ca、LiN、NaN、BN、Si、InN等があり、これらは単独で使用してもよく、2種類以上で併用してもよい。また、前記窒化物の前記フラックスにおける割合は、例えば、0.0001mol%〜99mol%であり、好ましくは、0.001mol%〜50mol%であり、より好ましくは0.005mol%〜10mol%である。
本発明の製造方法において、前記混合フラックス中に、不純物を存在させることも可能である。このようにすれば、不純物含有のGaN結晶を製造できる。前記不純物は、例えば、珪素(Si)、アルミナ(Al)、インジウム(In)、アルミニウム(Al)、窒化インジウム(InN)、酸化珪素(SiO)、酸化インジウム(In)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、ゲルマニウム(Ge)等がある。
本発明の製造方法において、前記融液を撹拌する撹拌工程をさらに含んでもよい。前記撹拌工程を行う段階は、特に制限されないが、例えば、前記結晶成長工程の前、前記結晶成長工程と同時、および前記結晶成長工程の後における少なくとも一つにおいて行ってもよい。より具体的には、例えば、前記結晶成長工程の前に行っても、前記結晶成長工程と同時に行っても、その両方で行ってもよい。
また、前記接触工程および前記結晶成長工程における反応条件は、例えば、特許文献5〜7等に記載の反応条件を参考にしても良い。例えば、前記接触工程および前記結晶成長工程に用いる装置は、特に限定されないが、一般的な液相成長法に用いる装置(LPE装置)と同様でも良く、特許文献5〜7に記載のLPE装置と同様であっても良い。
以上のようにして、前記接触工程および前記結晶成長工程を行うことができる。ただし、これらは例示であって、本発明における前記接触工程および前記結晶成長工程は、これらに限定されない。
なお、図2および3に、前記結晶成長工程におけるIII−V族結晶の成長の様子の一例を、模式的に示す。図2は、断面図であり、図3は、平面図である。ただし、図2は、図3の断面を厳密に表した図ではない。
まず、図2(a)および図3(a)に示すとおり、基板11上に複数のIII−V族化合物種結晶12aが形成された種結晶形成基板を提供する(種結晶形成基板提供工程)。これを、前記金属融液に接触させる前記接触工程に供し、さらに、図2(b)〜(e)または図3(b)〜(e)に示すとおり、前記結晶成長工程に供する。すなわち、まず、図2(b)または図3(b)に示すとおり、種結晶12aから、III−V族結晶13が生成し、成長する。このIII−V族結晶13がさらに成長することで、図2(c)または図3(c)に示すように結合する。これを、図2(d)または図3(d)に示すようにさらに成長させた後、必要に応じ、点線14に沿ってカットして用いる。カットの方向は、図2(d)または図3(d)に示すように、基板平面に平行な方向でも良いし、他の任意の方向でも良い。また、カット後のIII−V族結晶13は、図2(e)または図3(e)に示すように、基板11に積層された(結合した)方を用いても良いし、他方を用いても良い。
また、図3においては、種結晶12aから生成し成長する結晶13が六方晶であって、互いに隣り合う結晶13どうしのa軸が重なり合うように種結晶12aを配置している。しかし、前述のとおり、前記III−V族化合物種結晶の配置は、これに限定されない。
なお、本発明のIII−V族化合物結晶の製造方法により製造される(例えば、図2(d)もしくは(e)、または図3(d)もしくは(e)の状態における)III−V族化合物結晶の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01mm以上、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上、さらに好ましくは0.2mm以上、特に好ましくは0.4mm以上である。本発明によれば、例えば、厚みが数mmを超えるIII−V族化合物結晶を製造することもできる。また、さらに、それを超えて、結晶成長(育成)用容器の大きさにより制限される限界まで前記III−V族化合物結晶の厚みを大きくすることもできる。前記III−V族化合物結晶の厚みの上限値は、特に限定されず、大きいほど良いが、例えば、300mm以下である。前記III−V族化合物結晶の厚みが大きいほど、前記III−V族化合物結晶から製造される製品(例えば、半導体装置用のIII−V族化合物基板等)を多数切り出すことができる。前記製品の切り出しの方法は、特に限定されず、例えば、前記III−V族化合物結晶を、前記製品に適した厚みにスライスし、かつ、前記製品に適した大きさに切断しても良い。ただし、前述のとおり、本発明のIII−V族化合物結晶の製造方法により製造されるIII−V族化合物結晶の厚みは、特に限定されるものではない。
本発明のIII族窒化物結晶の製造方法によれば、前述のとおり、大サイズで、かつ欠陥が少なく高品質なIII−V族化合物結晶を効率良く製造可能である。この理由は明らかではないが、エッチング用のレジスト(エッチングマスク)、エッチング液、貫通孔を有するマスク膜等を用いないために、それらが結晶成長に及ぼす影響がないためと推測される。このため、本発明によれば、エッチング用のレジスト(エッチングマスク)、エッチング液、貫通孔を有するマスク膜等を用いる方法よりも、転位等の欠陥が少ない結晶を、より効率良く製造できると考えられる。
なお、前記接触工程および前記結晶成長工程において、図4(a)に示すように、基板11の上に複数の種結晶12aが形成された積層基板を、複数並べた状態で行っても良い。すなわち、図4(a)の状態から、前記接触工程および前記結晶成長工程を行い、結晶13を成長(育成)させる。これにより、図示の各ユニット内で、成長した結晶が結合し、図4(b)に示すとおり、1つの大きな結晶13を製造することができる。
近年の技術の進歩により、大サイズの半導体結晶が製造可能になり、これにより、半導体装置の設計の幅が広がっている。例えば、シリコン半導体基板等においては、直径6インチ(約15cm)、8インチ(約20cm)、12インチ(約30cm)、18インチ(約45cm)等の大サイズの結晶について、実用化され、または実用化が検討されている。しかし、GaN等のIII−V族化合物結晶においては、そのような大サイズの結晶の製造は不可能であった。従来のIII−V族化合物結晶の製造方法によれば、基板(例えば、サファイア基板)と結晶(例えば、GaN結晶)との熱膨張係数との相違等により、前記結晶の製造中または使用中に、基板の反りにより、結晶の反り、歪み、割れ等が生じるおそれがある。大サイズの基板を用いて大サイズのIII−V族化合物結晶を製造すれば、この問題がさらに顕著となる。例えば、結晶が割れやすくなることに加え、種結晶から成長させた結晶に受け継がれる結晶欠陥が、前記結晶の反り、歪み等により、いっそう大きくなると考えられる。GaN等のIII−V族化合物結晶は、これまで、2インチ基板(直径約5cm)等を用いて製造されており、基板の大きさよりも大きいIII−V族化合物結晶は製造されていなかった。
しかし、例えば図4に示すように、前記積層基板を複数並列に配置することで、基板の反りによる結晶の反り、歪み、割れ等の問題を軽減しながら、大サイズの結晶を製造することができる。すなわち、前記積層基板を複数並列に配置することで、前記積層基板自体の大きさに制限されずに、結晶成長(育成)用容器の大きさにより制限される限界まで、III−V族化合物結晶を大きくすることができる。
なお、図4では、縦横2×2=4個の積層基板を並べているが、並べる個数は、これに限定されず任意であり、例えば、縦横1×2=2個、縦横1×3=3個、縦横3×3=9個等であっても良い。
<1−3.基板分離工程>
本発明のIII−V族結晶の製造方法は、前記種結晶形成基板提供工程、前記接触工程、および前記結晶成長工程以外の工程を、適宜含んでいても良いし、含んでいなくても良い。例えば、本発明のIII−V族結晶の製造方法は、前記III−V族化合物結晶を前記基板から分離する基板分離工程をさらに含んでいても良いし、含んでいなくても良い。すなわち、本発明のIII−V族結晶の製造方法により製造されるIII−V族結晶は、前記基板上に積層されたまま用いても良いし、前記基板と分離して用いても良い。なお、III−V族結晶が、前記基板による補強を不要とするほど大きい厚みを有していれば、半導体装置等に用いた場合の高性能化(例えば、LD、LED等の発光素子に用いた場合の輝度向上)等も可能である。
前記基板分離工程は、例えば、以下のようにして行うことができる。
すなわち、まず、前記基板側から前記III−V族化合物結晶にレーザ光を照射することにより、前記III−V族化合物結晶における前記基板との結合を破壊する(結合破壊工程)。その後、前記III−V族化合物結晶から前記基板を剥離する(基板剥離工程)。例えば、前記III−V族化合物結晶が、ガリウム(Ga)元素を含む場合、前記基板との結合部分にレーザ光照射することで、前記結合部分が破壊されて、金属ガリウムに変化する。金属ガリウムは、融点が約30℃であるため、前記III−V族化合物結晶を前記基板から容易に剥離できるようになる。また、前記III−V族化合物結晶がガリウム(Ga)元素を含まない場合でも、レーザ光照射により前記基板との結合を破壊することで、前記基板から剥離しやすくなる。なお、前記基板分離工程において、前記III−V族化合物結晶と前記基板との分離箇所は、特に限定されない。具体的には、例えば、前記III−V族化合物結晶と前記基板との界面で分離しても良いし、前記III−V族化合物結晶の一部(例えば、前記III−V族化合物種結晶に由来する部分の一部)が前記基板上に残っても良い。
前記結合破壊工程において、前記レーザ光を前記基板側から照射するのは、前記III−V族化合物結晶における前記基板との結合部分以外を破壊しないためである。また、このために、前記レーザ光の波長は、前記III−V族化合物層により吸収され、かつ、前記基板を透過する波長である。具体的には、前記レーザ光の、前記III−V族化合物層に対する吸収率は、例えば20%以上、好ましくは50%以上、特に好ましくは80%以上であり、理想的には100%である。また、前記レーザ光の、前記基板に対する透過率は、例えば90%以上、好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上であり、理想的には100%である。なお、前記レーザ光の、前記III−V族化合物層に対する吸収率および前記基板に対する透過率の測定方法は、特に限定されないが、例えば、一般的な分光光度計を用いて測定することができる。前記結合破壊工程における前記レーザ光の波長は、前記基板の吸収端よりも長く、かつ、前記III−V族化合物結晶の吸収端よりも短いことがより好ましい。前記レーザ光の波長は、例えば193〜1300nm、好ましくは193〜1100nm、より好ましくは193〜500nm、さらに好ましくは193〜400nmである。前記レーザ光の波長は、前記基板および前記III−V族化合物層の材質等も考慮して適宜設定できる。前記レーザ光の波長は、前記基板がサファイア基板であり、前記III−V族化合物結晶がGaN結晶である場合、好ましくは193〜500nm、より好ましくは193〜355nm、さらに好ましくは200〜350nm、特に好ましくは230〜300nmである。
前記レーザ光の出力も特に限定されないが、例えば0.01〜100W、好ましくは0.1〜20W、より好ましくは1〜20Wである。前記レーザ光のスポット径も、特に限定されないが、例えば1〜400μm、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜80μmである。前記レーザ光のエネルギー密度も特に限定されないが、例えば、0.001〜20J/cm、好ましくは0.002〜10J/cm、より好ましくは0.003〜2J/cmである。前記レーザ光のスポットの移動速度(送り速度)も特に限定されないが、例えば1〜1000mm/s、好ましくは10〜500mm/s、より好ましくは50〜300mm/sである。前記レーザ光を照射する方向も特に限定されず、例えば、前記III−V族化合物層側から照射しても良く、前記基板側から、前記基板を透過させて前記III−V族化合物層に照射しても良いが、前記III−V族化合物層側から照射することが好ましい。また、前記レーザ光の媒体および発振器も特に限定されないが、例えば、YAGレーザ、COレーザ、YVOレーザ、YLFレーザ、ディスクレーザ、DPSSレーザ、エキシマレーザ、ファイバーレーザー等が挙げられる。また、前記レーザ光は、パルスレーザ光線でも良いし、CW(Continuous wave)レーザ光線でも良いが、パルスレーザ光線が好ましい。パルスレーザ光線の場合、その周波数は、特に限定されないが、例えば10Hz〜100MHz、好ましくは1〜1000kHz(1MHz)、より好ましくは10〜200kHzである。前記パルスレーザ光線のパルス幅も特に限定されないが、例えば0.2ps(200fs)〜10ns、好ましくは0.2〜500ps、より好ましくは5〜200psである。なお、前記パルス幅は、III−V族化合物と基板の界面の熱分解反応の領域を狭くして剥離性を担保するため、および、化合物基板への過剰入熱を防止して品質を維持するために、熱拡散長が200nm以下となるパルス幅であることが好ましく、例えば、200ps以下が好ましい。
以上のようにして前記基板分離工程を行うことができる。例えば、本発明のIII−V族化合物結晶を、発光素子(例えばLD、LED等)の発光層に用いる場合、結晶成長に用いたサファイア基板等は、発光には寄与しない。このため、前記発光層を、モリブデン等からなる反射基板に接合し、その後、前記発光層から前記サファイア基板等を剥離(リフトオフ)しても良い。
なお、本発明のIII−V族化合物結晶の製造方法においては、例えば、前述のとおり、結晶成長に用いた前記基板は、III−V族化合物結晶と分離しないまま用いても良い。また、成長させたIII−V族化合物結晶は、そのまま用いても良いし、前記基板とともに、または前記基板から分離後に、複数に分割してから、半導体装置等に用いても良い。逆に、図4に示したように、前記基板を複数用い、より大きなサイズのIII−V族化合物結晶を用いても良い。
<2.III−V族化合物結晶製造装置、種結晶形成基板製造装置>
つぎに、本発明のIII−V族化合物結晶製造装置および種結晶形成基板製造装置について説明する。
本発明のIII−V族化合物結晶製造方法は、何を用いて行っても良いが、前記本発明のIII−V族化合物結晶製造装置を用いて行うことが好ましい。また、本発明の種結晶形成基板製造方法は、何を用いて行っても良いが、前記本発明の種結晶形成基板製造装置を用いて行うことが好ましい。
本発明のIII−V族化合物結晶製造装置は、前述のとおり、前記本発明のIII−V族化合物結晶製造方法に用いる製造装置であり、前記III−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して前記複数のIII−V族化合物種結晶を形成するIII−V族化合物種結晶形成手段を含む製造装置である。前記本発明のIII−V族化合物結晶製造方法が、前記基板分離工程を含む場合、前記製造装置が、前記基板分離工程において前記基板側から前記III−V族化合物結晶にレーザ光を照射する、基板分離レーザ光照射手段をさらに含むことが好ましい。また、本発明の種結晶形成基板製造装置は、前記本発明の種結晶形成基板製造方法に用いる製造装置であり、前記III−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して前記複数のIII−V族化合物種結晶を形成するIII−V族化合物種結晶形成手段を含む製造装置である。本発明の種結晶形成基板製造装置において、前記物理的な加工が、レーザ光照射であり、前記III−V族化合物種結晶形成手段が、前記III−V族化合物層の一部をレーザ光照射により除去して前記III−V族化合物種結晶を形成する、III−V族化合物種結晶形成レーザ光照射手段であることが好ましい。
以下、本発明のIII−V族化合物結晶製造装置および種結晶形成基板製造装置について、例を挙げて詳細に説明する。ただし、本発明のIII−V族化合物結晶製造装置および種結晶形成基板製造装置は、以下の例に限定されない。
図5の斜視図に、本発明のIII−V族化合物結晶製造装置または本発明の種結晶形成基板製造装置として用いることが可能なレーザ加工装置の一例を示す。図示のとおり、このレーザ加工装置10は、静止基台20と、保持テーブル機構30と、レーザ光照射ユニット支持機構40と、レーザ光照射ユニット50とを含む。保持テーブル機構30は、静止基台20上に設置され、被加工物を保持するとともに、矢印Xで示す加工送り方向に移動可能である。レーザ光照射ユニット支持機構40は、静止基台20上に設置され、矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能である。矢印Yは、図示のとおり、矢印Xで示す加工送り方向と直交する。レーザ光照射ユニット50は、レーザ光照射ユニット支持機構40に取り付けられ、矢印Zで示す集光点位置調整方向に移動可能である。矢印Zは、図示のとおり、矢印XおよびYと直交する。
上記保持テーブル機構30は、案内レール310と、第1の滑動ブロック320と、第2の滑動ブロック330と、円筒状の支持筒体340と、カバーテーブル350と、保持テーブル360とを含む。案内レール310は、二本(一対)あり、それらは、静止基台20上に、矢印Xで示す加工送り方向に沿って平行に配置されている。第1の滑動ブロック320は、一対の案内レール310上に配置され、矢印Xで示す加工送り方向に移動可能である。第2の滑動ブロック330は、第1の滑動ブロック320上に配置され、矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能である。カバーテーブル350と、被加工物保持手段としての保持テーブル360とは、第2の滑動ブロック330上に、円筒状の支持筒体340によって支持されている。
第1の滑動ブロック320の下面には、一対の案内レール310と嵌合する被案内溝3210が二本(一対)設けられている。また、第1の滑動ブロック320の上面には、矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って平行に形成された案内レール3220が二本(一対)設けられている。この第1の滑動ブロック320は、一対の被案内溝3210が一対の案内レール310に嵌合することにより、一対の案内レール310に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動可能である。また、図示の保持テーブル機構30は、第1の滑動ブロック320を一対の案内レール310に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動させるための加工送り手段370を有する。加工送り手段370は、雄ネジロッド3710を含む。雄ネジロッド3710は、一対の案内レール310と310の間に、案内レール310と平行に設置されている。また、加工送り手段370は、さらに、雄ネジロッド3710を回転駆動するための、パルスモータ3720等の駆動源を含む。雄ネジロッド3710は、その一端が、静止基台20に固定された軸受ブロック3730に、回転自在に支持されている。また、雄ネジロッド3710の他端は、上記パルスモータ3720の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド3710は、第1の滑動ブロック320の中央部下面に突出する雌ネジブロック(図示せず)の貫通雌ネジ穴に螺合(嵌合)されている。したがって、パルスモータ3720によって雄ネジロッド3710を正転または逆転駆動することにより、第一の滑動ブロック320は、一対の案内レール310に沿って、矢印Xで示す加工送り方向に移動可能である。
第2の滑動ブロック330の下面には、第1の滑動ブロック320の上面に設けられた一対の案内レール3220と嵌合する一対の被案内溝3310が設けられている。この一対の被案内溝3310を一対の案内レール3220に嵌合させることにより、第2の滑動ブロック330は、矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能である。また、図示の保持テーブル機構30は、第1の割り出し送り手段380を含む。第1の割り出し送り手段380は、第2の滑動ブロック330を、第1の滑動ブロック320に設けられた一対の案内レール3220に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動させるための手段である。第1の割り出し送り手段380は、雄ネジロッド3810を含む。雄ネジロッド3810は、一対の案内レール3220と3220の間に、案内レール3220と平行に配置されている。また、第1の割り出し送り手段380は、さらに、雄ネジロッド3810を回転駆動するためのパルスモータ3820等の駆動源を含む。雄ネジロッド3810の一端は、第1の滑動ブロック320の上面に固定された軸受ブロック3830に回転自在に支持されている。雄ネジロッド3810の他端は、パルスモータ3820の出力軸に伝動連結されている。また、雄ネジロッド3810は、第2の滑動ブロック330の中央部下面に突出した雌ネジブロック(図示せず)の貫通雌ネジ穴に螺合(嵌合)されている。したがって、パルスモータ3820によって雄ネジロッド3810を正転または逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック330は、一対の案内レール3220に沿って、矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能である。
レーザ光照射ユニット支持機構40は、案内レール410と、可動支持基台420とを含む。案内レール410は、二本(一対)であり、静止基台20上に矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って平行に配置されている。可動支持基台420は、一対の案内レール410上に、矢印Yで示す方向に移動可能に配置されている。この可動支持基台420は、一対の案内レール410上に移動可能に配置された移動支持部4210と、移動支持部4210に取り付けられた装着部4220とを含む。装着部4220には、一側面に矢印Zで示す集光点位置調整方向に延びる一対の案内レール4230が、互いに平行に設けられている。図示のレーザ光照射ユニット支持機構40は、第2の割り出し送り手段430を含む。第2の割り出し送り手段430は、可動支持基台420を一対の案内レール410に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動させるための手段である。第2の割り出し送り手段430は、雄ネジロッド4310を含む。雄ネジロッド4310は、一対の案内レール410と410の間に、案内レール410と平行に配置されている。また、第2の割り出し送り手段430は、さらに、雄ネジロッド4310を回転駆動するためのパルスモータ4320等の駆動源を含む。雄ネジロッド4310の一端は、静止基台20に固定された軸受ブロック(図示せず)に、回転自在に支持されている。雄ネジロッド4310の他端は、パルスモータ4320の出力軸に伝動連結されている。また、雄ネジロッド4310は、可動支持基台420を構成する移動支持部4210の中央部下面に突出した雌ネジブロック(図示せず)の雌ネジ穴に螺合(嵌合)されている。このため、パルスモータ4320によって雄ネジロッド4310を正転または逆転駆動することにより、可動支持基台420は、一対の案内レール410に沿って、矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能である。
図示のレーザ光照射ユニット50は、ユニットホルダ510と、ユニットホルダ510に取り付けられたレーザ光照射手段60とを含む。ユニットホルダ510には、装着部4220に設けられた一対の案内レール4230に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝5110が設けられている。この一対の被案内溝5110は、一対の案内レール4230に嵌合することにより、矢印Zで示す集光点位置調整方向に移動可能に支持される。レーザ光照射手段60は、例えば、本発明の種結晶形成基板製造装置におけるIII−V族化合物種結晶形成レーザ光照射手段(III−V族化合物種結晶形成手段)として、または、本発明のIII−V族化合物結晶製造装置における基板分離レーザ光照射手段として用いることができる。
図示のレーザ光照射ユニット50は、集光点位置調整手段530を含む。集光点位置調整手段530は、ユニットホルダ510を一対の案内レール4230に沿って矢印Zで示す集光点位置調整方向に移動させるための手段である。集光点位置調整手段530は、一対の案内レール4230の間に配置された雄ネジロッド(図示せず)と、前記雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ5320等の駆動源とを含む。パルスモータ5320によって前記雄ネジロッド(図示せず)を正転または逆転駆動することにより、ユニットホルダ510およびレーザ光照射手段60を、一対の案内レール4230に沿って矢印Zで示す集光点位置調整方向に移動可能である。なお、図示の実施形態では、パルスモータ5320の正転駆動によりレーザ光照射手段60を上方に移動可能であり、パルスモータ5320の逆転駆動によりレーザ光照射手段60を下方に移動可能である。
図示のレーザ光照射手段60は、実質的に水平に配置された円筒形状のケーシング610を含む。ケーシング610内には、レーザ発振器(レーザ光発振手段、図示せず)が配置されている。このレーザ発振器は、レーザ光を発することができる。前記レーザ光は、例えば、パルスレーザ光線またはCWレーザ光線が挙げられ、好ましくは、パルスレーザ光線である。前記レーザ発振器は、特に限定されないが、例えば、前記<1−1−2.III−V族化合物種結晶形成工程>または前記<1−3.基板分離工程>に記載のとおりである。前記レーザ発振器が発するレーザ光の波長、出力、スポット径、エネルギー密度、移動速度(送り速度)、周波数、パルス幅等の特性も、特に限定されないが、例えば、前記<1−1−2.III−V族化合物種結晶形成工程>または前記<1−3.基板分離工程>に記載のとおりである。例えば、前記レーザ光が、前記基板分離工程に用いるパルスレーザ光線である場合、そのパルス幅は、前述のとおり、III−V族化合物と基板の界面の熱分解反応の領域を狭くして剥離性を担保するため、および、化合物基板への過剰入熱を防止して品質を維持するために、熱拡散長が200nm以下となるパルス幅であることが好ましく、例えば、200ps以下が好ましい。前記レーザ発振器から発振されたレーザ光は、ケーシング610の先端に位置する集光器640から、保持テーブル360に保持された被加工物(例えば、基板上にIII−V族化合物層が積層された積層基板、または、基板上にIII−V族化合物結晶が積層された積層物)に照射される。また、ケーシング610の先端には、撮像手段90がある。この撮像手段90は、例えば、可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段、前記赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系、および、前記光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等を含む。撮像手段90は、撮像した画像信号を、制御手段(図示せず)に送る。
つぎに、図5のレーザ加工装置10によるレーザ加工方法の例を説明する。このレーザ加工方法は、例えば、本発明の種結晶生成基板製造方法もしくはIII−V族化合物結晶製造方法における前記III−V族化合物種結晶形成工程か、または、本発明のIII−V族化合物結晶製造方法における前記基板分離工程に用いることができる。まず、図6に示すとおり、二層からなる被加工物400(上層部200、下層部300)を、環状のフレームFに装着された粘着テープTに貼付する(被加工物貼付工程)。このとき、被加工物400は、表面200bを上にして裏面30b側を粘着テープTに貼付する。なお、粘着テープTは、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂シートから形成されても良い。環状のフレームFは、図1に示す保持テーブル360上に設置される。被加工物400は、例えば、上層部200が、図1の基板11であり、下層部300が、図1のIII−V族化合物層12またはIII−V族化合物結晶であってもよい。また、逆に、上層部200が、図1のIII−V族化合物層12またはIII−V族化合物結晶であり、下層部300が、図1の基板11であってもよい。すなわち、必要に応じて、基板側およびIII−V族化合物層側(またはIII−V族化合物結晶側)のいずれからレーザ光を照射してもよい。
つぎに、図5に示す保持テーブル360を、レーザ光照射手段60の集光器640が位置するレーザ光照射領域に移動させる。これにより、図7の斜視図および図8(a)の正面図に示すとおり、被加工物400が集光器640の下方に配置され、被加工物400にレーザ光照射可能である。例えば、まず、図8(a)に示すとおり、被加工物400の末端230(図8(a)において左端)を、集光器640の直下に配置する。つぎに、集光器640から照射されるレーザ光の集光点Pを、図8(a)に示すとおり、被加工物400の表面200b(上面)付近に合わせる。または、図8(b)の断面図に示すとおり、上層部200と下層部300からなる二層の前記被加工物400の界面30aに、前記レーザ光の焦点を合わせる。そして、レーザ光照射手段60の集光器640からレーザ光を照射し、加工送り手段370(図5)を作動させ、保持テーブル360(図5)を、図8(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動させる。なお、集光器640から照射されるレーザ光がパルスレーザ光である場合、そのパルス幅と、加工送り手段370の移動速度とが同期していることが好ましい。これにより、前記パルスレーザ光のONとOFFを高速で切り替えながら、前記パルスレーザ光を1ショットずつ高速で照射できる。このようにして、被加工物400の必要な箇所にレーザ光照射することで、例えば、前記III−V族化合物種結晶形成工程における前記III−V族化合物層の一部の除去、または、前記III−V族化合物結晶における前記基板との結合を破壊する結合破壊工程を行うことができる。
<3.III−V族化合物結晶、半導体装置>
本発明のIII−V族化合物結晶は、前述のとおり、前記本発明の製造方法により製造されるIII−V族化合物結晶、または、転位密度が1×10cm−2以下であるIII−V族化合物結晶である。本発明のIII族窒化物結晶は、例えば、大サイズで、かつ、欠陥が少なく高品質である。前記本発明の製造方法により製造されるIII−V族化合物結晶において、転位密度は、特に限定されないが、低いことが好ましく、例えば、1×10cm−2以下である。前記転位密度は、好ましくは1×10cm−2未満であり、より好ましくは50cm−2以下、より好ましくは30cm−2以下、さらに好ましくは10cm−2以下、特に好ましくは5cm−2以下である。前記転位密度の下限値は特に限定されないが、理想的には、0または測定機器による測定限界値以下の値である。なお、前記転位密度の値は、例えば、結晶全体の平均値であっても良いが、結晶中の最大値が前記値以下であれば、より好ましい。また、本発明のIII族窒化物結晶において、XRC(X線ロッキングカーブ回折法)による半値幅の、対照反射成分(002)および非対称反射成分(102)の半値幅は、特に限定されないが、それぞれ、例えば100秒以下、好ましくは30秒以下である。前記XRC半値幅の測定値の下限値は、特に限定されないが、理想的には、0または測定機器による測定限界値以下の値である。
また、本発明のIII族窒化物結晶の用途は、特に限定されないが、例えば、半導体としての性質を有することにより、半導体装置に使用可能である。本発明の半導体装置は、前述のとおり、半導体である前記本発明のIII−V族化合物結晶を含む半導体装置である。
本発明のIII族窒化物結晶は、例えば、大サイズで、かつ、欠陥が少なく高品質であることにより、きわめて高性能な半導体装置を提供できる。また、本発明によれば、例えば、前述のとおり、従来技術では不可能であった6インチ径以上のIII−V族化合物(例えばGaN)結晶を提供することも可能である。これにより、例えば、Si(シリコン)の大口径化が基準となっているパワーデバイス、LED等の半導体装置において、Siに代えてIII−V族化合物を用いることで、さらなる高性能化も可能である。これにより本発明が半導体業界に与えるインパクトは、きわめて大きい。
なお、本発明の半導体装置は、特に限定されず、半導体を用いて動作する物品であれば、何でも良い。半導体を用いて動作する物品としては、例えば、半導体素子、インバータ、および、前記半導体素子、ならびに前記インバータ等を用いた電気機器等が挙げられる。本発明の半導体装置は、例えば、携帯電話、液晶テレビ、照明機器、パワーデバイス、レーザーダイオード、太陽電池、高周波デバイス、ディスプレイ等の種々の電気機器であっても良いし、または、それらに用いる半導体素子、インバータ等であっても良い。前記半導体素子は、特に限定されないが、例えば、レーザダイオード(LD)、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。例えば、青色光を発するレーザダイオード(LD)は、高密度光ディスク、ディスプレイ等に応用され、青色光を発する発光ダイオード(LED)は、ディスプレイ、照明等に応用される。また、紫外線LDは、バイオテクノロジ等への応用が期待され、紫外線LEDは、水銀ランプの代替の紫外線源として期待される。また、本発明のIII−V族化合物をインバータ用パワー半導体として用いたインバータは、例えば、太陽電池等の発電に用いることもできる。さらに、前述のとおり、本発明のIII−V族化合物結晶は、これらに限定されず、他の任意の半導体装置、またはその他の広範な技術分野に適用可能である。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例により限定されない。
以下の実施例および参考例における結晶の製造(育成)には、全て、図16(a)および(b)の模式図に示す構造のLPE装置を用いた。図16(a)に示すとおり、このLPE装置は、原料ガス(本実施例では窒素ガス)を供給するための原料ガスタンク361と、育成雰囲気の圧力を調整するための圧力調整器362と、リーク用バルブ363と、結晶育成を行うためのステンレス容器364と、電気炉365とを備える。図16(b)は、ステンレス容器364を拡大したものであって、ステンレス容器364の内部には、坩堝366がセットされている。本実施例では、坩堝は、全て、酸化アルミニウム(Al)製の坩堝を用いた。また、本実施例において、Ga:Naは、用いたガリウムとナトリウムとの物質量比(モル比)を表す。また、レーザ光照射用装置としては、全て、株式会社ディスコ製のDFL 7560(商品名)を用いた。
(実施例1)
まず、厚さ430μmのサファイア基板(0.18×0.12cm)上に厚さ約8μmのGaN層が積層された積層基板(フルウチ化学株式会社製、商品名GaN Template Type10)を準備した。つぎに、この積層基板の前記GaN層側から、下記表1に記載の条件によりレーザ光照射し、前記GaN層の一部を除去してGaN種結晶を形成することにより、前記サファイア基板上に複数の前記GaN種結晶が形成された種結晶形成基板を製造した。
[表1]
波長 出力 周波数 スポット径 送り速度
(nm) (W) (kHz) (μm) (mm/s)
1030 15 200 50 200
前記種結晶形成基板における前記GaN結晶の形状、大きさおよび配置を、図9に示す。すなわち、前記GaN種結晶は、一辺が0.5mmの正方形であり、図9(a)に示すように、各辺が平行で、かつ、0.5mm間隔で互いに対向するように配置した。図9(b)に、前記複数のGaN結晶のうち一部の写真を示す。また、図9(c)に、図9(b)における1つのGaN種結晶の拡大写真を示す。さらに、図9(d)〜(f)に、SEM(走査型電子顕微鏡:Scanning Electron Microscope)像を示す。図9(d)は、前記複数のGaN結晶のうち一部のSEM図である。図9(e)は、図9(d)における1つのGaN種結晶の拡大SEM図である。さらに、図9(f)は、図9(e)におけるGaN種結晶の辺の一部の拡大SEM図である。なお、図9において、サファイア基板の長辺方向に隣接するGaN種結晶は、互いにm軸どうしが重なり合うように配置し、サファイア基板の短辺方向に隣接するGaN種結晶は、互いにa軸どうしが重なり合うように配置した。
この種結晶形成基板を用いて、窒素ガス雰囲気下、下記の条件で結晶成長(育成)を行い、GaN結晶を製造した。なお、下記「C[mol%] 0.5」は、炭素粉末を、ガリウム(Ga)およびナトリウム(Na)および前記炭素粉末の物質量の合計に対し、0.5mol%添加したことを示す。操作としては、まず、坩堝366をステンレス容器364の中にいれ、ステンレス容器364を、電気炉(耐熱耐圧容器)365の中に入れた。原料ガスタンク361から、窒素ガスをステンレス容器364内に導入すると同時に、ヒータ(図示せず)により加熱して電気炉(耐熱耐圧容器)365内を、下記反応条件1または反応条件2に記載のとおりの高温高圧条件下で、96時間反応させて結晶成長(育成)を行い、目的とするGaN結晶を製造した。

(反応条件1)
温度[℃] 870
圧力[MPa] 4.0
時間[h] 96
Ga:Na 27:73
C[mol%] 0.5
坩堝 Al

(反応条件2)
温度[℃] 850
圧力[MPa] 4.4
時間[h] 96
Ga:Na 27:73
C[mol%] 0.5
坩堝 Al
さらに、前記GaN結晶製造後、下記表2に記載の条件でレーザ光(パルスレーザ光線)を照射し、その後、前記GaN結晶から前記サファイア基板を剥離することで、前記GaN結晶を前記サファイア基板から分離した(基板分離工程)。なお、本実施例および後述の他の実施例において製造したGaN結晶は、レーザ光を照射せずに力によって前記サファイア基板から分離することも可能であった。しかし、前記条件でレーザ光照射後に前記GaN結晶から前記サファイア基板を剥離することで、前記GaN結晶と前記基板との界面、および前記GaN結晶本体を損傷することなく、スムーズに前記GaN結晶を前記サファイア基板から分離できた。
[表2]
波長 出力 周波数 パルス幅 スポット径 送り速度
(nm) (W) (Hz) (ns) (μm) (mm/s)
条件 248 0.08 50 10 400 20
上記の条件で、数回GaN結晶の製造を行った。製造したGaN結晶の写真を、図10に示す。図示のように、図10(a)〜(c)のいずれにおいても、大サイズで欠陥の少ない高品質なGaN結晶を製造できた。なお、図10(a)は、前記反応条件1により製造した(成長させた)結晶であり、図10(b)および(c)は、前記反応条件2により製造した(成長させた)結晶である。
(参考例)
GaN種結晶の形状、大きさおよび配置を図11(a)または(b)のとおりにすること以外は実施例1と同様にしてGaN結晶を製造した。なお、図11(a)における「18mm」および「12mm」は、それぞれ、サファイア基板の長径および短径を表す。また、同図中の、「1.0mm」「0.5mm」および「0.25mm」は、各GaN種結晶(円形)の直径を表す。同図において、互いに隣接するGaN種結晶の中心間の距離は、4.5mmである。また、図11(b)において、図示のとおり、GaN種結晶の形状は、円形、正三角形または正六角形であり、いずれも長径が0.5mmとした。互いに隣接するGaN結晶の中心間の距離は、いずれも5mmとした。
図12(a)〜(c)に、図11(b)におけるGaN種結晶の拡大SEM図を示す。図示のとおり、正三角形、正六角形または円形の形状が、明確に確認できる。
また、図13(a)に、図11(a)のGaN種結晶から成長させたGaN結晶の写真を示す。図13(b)に、図11(b)のGaN種結晶から成長させたGaN結晶の写真を示す。図13(a)および(b)において、左側の白抜き部分が、前記各GaN種結晶の形状、大きさおよび配置を模式的に示している。右側の角錐形状の物体が、前記各GaN種結晶から成長させたGaN結晶である。図示のとおり、GaN種結晶の大きさに応じてGaN結晶の大きさに相違があったが、いずれのGaN種結晶からも、欠陥が少ない高品質のGaN結晶が得られた。また、いずれのGaN結晶も、六方晶であることを示す六角錐の形状をしていた。
なお、本参考例により得られた(成長させた)GaN結晶のXRCによる半値幅を、SPring-8(独立行政法人理化学研究所の所有する施設)において測定したところ、1.83秒(GaN(006)成分)という測定値が得られた。X線の広がりを考慮すると、GaNの完全結晶(結晶欠陥が全くない結晶)における前記半値幅の理論値は、1.81秒(GaN(006)成分)と言われている。したがって、測定誤差をも考慮すると、前記1.83秒という測定値は、前記GaN結晶の結晶欠陥が0またはほとんど0であることを示していると考えられる。
(実施例2)
実施例1の反応条件2と同条件でGaN結晶を製造し、そのCL(カソードルミネセンス)像を撮影するとともに、転位密度を測定した。また、前記GaN種結晶の中心位置を変えずに、一辺の長さを0.25mmに縮小すること以外は実施例1の反応条件2と同条件でGaN結晶を製造し、そのCL(カソードルミネセンス)像を撮影するとともに、転位密度を測定した。
図14および15に、前記GaN結晶のCL像を示す。いずれも、前記GaN結晶を、前記サファイア基板平面と平行に、厚さ2mmにカットした後の縦断面を示すCL像である。図14が、前記GaN種結晶の径(一辺の長さ)が0.25mmの場合のCL像であり、図15は、前記GaN種結晶の径(一辺の長さ)が0.5mmの場合のCL像である。図14に示す通り、前記GaN種結晶の径が0.25mmの場合、CL像において、転位の密集領域は、全く見られなかった。また、図15に示す通り、前記GaN種結晶の径が0.5mmの場合、CL像において、転位を示すダークスポットは、全く見られなかった。このように、図14および15のGaN結晶は、転位の数がきわめて少ない(すなわち、転位密度がきわめて小さい)結晶であり、図14および15のCL像により転位自体を観察することが困難なほどであった。すなわち、図14および15のCL像に基づくかぎり、これらのGaN結晶において観測された転位密度は、0であった。また、図14および15のGaN結晶のXRCによる半値幅を、SPring-8(独立行政法人理化学研究所の所有する施設)において測定したところ、前記参考例のGaN結晶と同様、1.83秒(GaN(006)成分)という測定値が得られた。これらの測定結果は、一般的なGaN結晶と比較しても、前記GaN結晶の転位の数がきわめて少ない(転位密度がきわめて小さい)ことを示す。
以上説明したとおり、本発明によれば、大サイズで、かつ欠陥が少なく高品質なIII−V族化合物結晶製造方法、種結晶形成基板製造方法、III−V族化合物結晶製造装置、種結晶形成基板製造装置を提供可能である。本発明によれば、例えば、前述のとおり、従来技術では不可能であった6インチ径以上のIII−V族化合物(例えばGaN)結晶を提供することも可能である。本発明のIII−V族化合物結晶製造方法およびそれにより製造されるIII−V族化合物結晶の用途は、特に限定されず、前述のとおり、任意の半導体装置、またはその他の広範な技術分野に適用可能である。
11 基板
12 III−V族化合物層
12a III−V族化合物種結晶
13 III−V族化合物結晶
14 切断面
15 レジスト(エッチングマスク)
17 マスク膜
361 原料ガスタンク
362 圧力調整器
363 リーク用バルブ
364 ステンレス容器
365 電気炉
366 坩堝
10:レーザ加工装置
20:静止基台
30:保持テーブル機構
320:第1の滑動ブロック
330:第2の滑動ブロック
370:加工送り手段
380:第1の割り出し送り手段
360:保持テーブル
3610:保持部材:水供給手段
40:レーザ光照射ユニット支持機構
420:可動支持基台
430:第2の割り出し送り手段
50:レーザ光照射ユニット
510:ユニットホルダ
60:レーザ光照射手段
640:集光器
90:撮像手段
530:集光点位置調整手段
400:被加工物
F:環状のフレーム
T:粘着テープ

Claims (25)

  1. 基板上に複数のIII−V族化合物種結晶が形成された種結晶形成基板を提供する種結晶形成基板提供工程と、
    前記複数のIII−V族化合物種結晶の表面を金属融液に接触させる接触工程と、
    III族元素とV族元素とを前記金属融液中で反応させることによって、前記III−V族化合物種結晶を核としてIII−V族化合物結晶を生成させ成長させる結晶成長工程とを含み、
    前記結晶成長工程において、前記III−V族化合物結晶の成長により、前記複数のIII−V族化合物種結晶から成長した複数の前記III−V族化合物結晶を結合させる、III−V族化合物結晶の製造方法であって、
    前記複数のIII−V族化合物種結晶が、前記基板上に形成されたIII−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して形成されたIII−V族化合物種結晶であることを特徴とする、
    III−V族化合物結晶の製造方法。
  2. 前記V族元素が、窒素であり、
    前記金属融液が、アルカリ金属融液であり、
    前記III−V族化合物が、III族窒化物であり、
    前記結晶成長工程において、窒素を含む雰囲気下において、III族元素と前記窒素とを前記アルカリ金属融液中で反応させることによって、前記III−V族化合物種結晶を核としてIII族窒化物結晶を生成させ成長させる、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記III−V族化合物層の一部を除去して前記III−V族化合物種結晶を形成するための前記物理的な加工が、レーザ光照射である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記レーザ光の波長が、前記III−V族化合物層により吸収され、かつ、前記基板を透過する波長である請求項3記載の製造方法。
  5. 前記III−V族化合物種結晶の形状が、ドット形状であり、前記ドットの長径が、1.0mm以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 互いに隣接する前記III−V族化合物種結晶間の間隔が、0.1〜1.0mmの範囲である請求項5記載の製造方法。
  7. 前記III−V族化合物種結晶および前記III−V族化合物結晶が、窒化ガリウム(GaN)である請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載のIII−V族化合物結晶の製造方法に用いる前記種結晶形成基板の製造方法であり、
    基板上にIII−V族化合物層が積層された積層基板を提供する積層基板提供工程と、
    前記III−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して前記複数のIII−V族化合物種結晶を形成するIII−V族化合物種結晶形成工程とを含むことを特徴とする製造方法。
  9. 前記III−V族化合物種結晶形成工程において、前記III−V族化合物層の一部を除去して前記III−V族化合物種結晶を形成するための前記物理的な加工が、レーザ光照射である請求項8記載の製造方法。
  10. 前記種結晶形成基板提供工程が、前記請求項8または9記載の製造方法により前記種結晶形成基板を製造する工程を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 前記III−V族化合物結晶を前記基板から分離する基板分離工程をさらに含む、請求項1から7および10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記基板分離工程が、
    前記基板側から前記III−V族化合物結晶にレーザ光を照射することにより、前記III−V族化合物結晶における前記基板との結合を破壊する結合破壊工程と、
    前記III−V族化合物結晶から前記基板を剥離する基板剥離工程とを含み、
    前記レーザ光の波長が、前記III−V族化合物層により吸収され、かつ、前記基板を透過する波長である、請求項11記載の製造方法。
  13. 前記基板分離工程における前記レーザ光の波長が、前記基板の吸収端よりも長く、かつ、前記III−V族化合物結晶の吸収端よりも短い請求項12記載の製造方法。
  14. 前記基板がサファイア基板であり、
    前記III−V族化合物結晶がGaN結晶であり、かつ、
    前記基板分離工程における前記レーザ光の波長が、150〜355nmの範囲である請求項12または13記載の製造方法。
  15. 前記結合破壊工程における前記レーザ光が、パルスレーザ光線である請求項12から14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 前記パルスレーザ光線のパルス幅は、熱拡散長が200nm以下となるパルス幅である請求項15記載の製造方法。
  17. 前記パルスレーザ光線のパルス幅が200ps(ピコ秒)以下である請求項15または16記載の製造方法。
  18. 請求項1から7および10から17のいずれか一項に記載の製造方法により製造されるIII−V族化合物結晶。
  19. 転位密度が1×10cm−2以下であるIII−V族化合物結晶。
  20. 半導体である請求項18または19記載のIII−V族化合物結晶を含む半導体装置。
  21. 請求項1から17のいずれか一項に記載の製造方法に用いる製造装置であり、
    前記III−V族化合物層の一部を物理的な加工により除去して前記複数のIII−V族化合物種結晶を形成するIII−V族化合物種結晶形成手段を含む製造装置。
  22. 前記製造方法が、請求項8記載の製造方法である請求項21記載の製造装置。
  23. 前記製造方法が、請求項9記載の製造方法であり、
    前記III−V族化合物種結晶形成手段が、前記III−V族化合物層の一部をレーザ光照射により除去して前記III−V族化合物種結晶を形成する、III−V族化合物種結晶形成レーザ光照射手段である、請求項22記載の製造装置。
  24. 前記製造方法が、請求項12から17のいずれか一項に記載の製造方法であり、
    前記製造装置が、前記基板分離工程において前記基板側から前記III−V族化合物結晶にレーザ光を照射する、基板分離レーザ光照射手段をさらに含む、請求項21記載の製造装置。
  25. 前記製造方法が、請求項15から17のいずれか一項に記載の製造方法であり、
    前記基板分離レーザ光照射手段が、請求項15から17のいずれか一項に記載のパルスレーザ光線を照射する手段である請求項24記載の製造装置。
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