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JP2014051624A - エレクトロウェッティング表示用染料組成物及びエレクトロウェッティング表示装置 - Google Patents

エレクトロウェッティング表示用染料組成物及びエレクトロウェッティング表示装置 Download PDF

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JP2014051624A
JP2014051624A JP2012197881A JP2012197881A JP2014051624A JP 2014051624 A JP2014051624 A JP 2014051624A JP 2012197881 A JP2012197881 A JP 2012197881A JP 2012197881 A JP2012197881 A JP 2012197881A JP 2014051624 A JP2014051624 A JP 2014051624A
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dye
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Masaaki Tsukase
正昭 塚瀬
Takashi Kato
隆志 加藤
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Fujifilm Corp
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Abstract

【課題】画像表示時の応答性に優れ、バックフロー現象による画像乱れが防止されたエレクトロウェッティング表示装置を提供する。
【解決手段】非極性溶媒と、一般式(1)で表され〔A,B:芳香族環、複素環〕、25℃、0.1MPaにおける前記非極性溶媒に対する溶解度が1質量%以上である色素化合物とを含有するエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
【化1】

【選択図】なし

Description

本発明は、エレクトロウェッティング表示用染料組成物及びエレクトロウェッティング表示装置に関する。
従来より、互いに混じり合わない2種以上の液体(例えばオイルと親水性液体の2液)を含むセルを備え、電圧の印加により動作(駆動)する光学素子に関する検討が行なわれている。このような光学素子としては、例えば、光シャッターや可変焦点レンズ、画像表示装置などが知られており、近年では、特にエレクトロウェッティング現象を利用した技術が注目されている。
エレクトロウェッティング現象を利用した技術の例として、互いに対向配置された第一基板及び第二基板と、複数の画素ユニットを定義する複数の突起と、隣り合う2つの突起の間の画素ユニットに封入された非導電性な第一流体と、第一流体と互いに混和しない導電性又は極性液体である第二流体とを備えたエレクトロウェッティングディスプレイが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
画像表示に用いられる着色成分については、従来から数多くのものが知られており、例えば、アゾ染料、アゾメチン染料、メチン染料、フタロシアニン染料、ピロメテン染料、アントラキノン染料などが使用されている例がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−86668号公報 米国特許第2012/0092753号明細書
上記のように、エレクトロウェッティングディスプレイは、画像表示媒体の一種として近年注目されている表示技術の1つであるが、紙媒体等に代わる表示媒体としては、画像表示する際の表示速度、表示された画像の濃度や識別性、精細さなどの諸特性をそなえていることが求められる。
諸特性の中でも、表示速度(即ち画像形成性)、表示される画像の識別性や精細さについては、求められる要求は高い。
エレクトロウェッティングディスプレイで表示される画像の濃度を充分に発現させるには、画像形成を担うオイルの着色濃度、つまりオイルに含有される色材濃度を高める必要がある。オイルには、一般に色材として染料が用いられるが、染料はオイル相を構成する非極性溶媒への溶解性が乏しい場合があり、表示特性を高く保ちながら、濃度を画像表示に適する程度にまで高めることは難しい。
一方、非極性溶媒に対する溶解性の高い染料を用いた場合、オイルの色濃度自体は向上するものの、染料量が多くなると、電圧印加したときのオイルの動作感度(応答性)が低下し、画像形成性が著しく損なわれる傾向がある。
そのため、ディスプレイの画像表示性をある程度維持するためには、画像品質を下げざるを得ず、これまで画像表示性(すなわち表示速度等の画像形成性)と画像品質とを両立することができる技術は、未だ確立されるに至っていなかったのが実情である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、画像表示時の応答性に優れ、バックフロー現象による画像乱れが防止されたエレクトロウェッティング表示用染料組成物及びエレクトロウェッティング表示装置を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
本発明は、下記の知見を得、これらの知見に基づいて達成されたものである。即ち、
画像化に寄与するオイル相に含有される色材は、オイル相を形成する非極性溶媒への溶解性が高いことが応答性等の表示特性を高める上で有利である。溶解性の観点からは対称構造を有する色素化合物が有利な傾向があるが、インデン等のように2つの環が不飽和二重結合で結合され、各環の不飽和二重結合が結合する炭素原子のオルト位の炭素原子にカルボニル基が存在する構造は、非極性溶媒への溶解性が高く、ひいてはオイル相に含めて画像表示に供した際の応答性、及び電圧印加状態でのバックフロー現象の低減効果に優れる。
バックフローとは、電圧印加した状態で保持されたときに収縮して減少したオイルの面積が経時で広がる現象である。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 非極性溶媒と、下記一般式(1)で表され、25℃、0.1MPaにおける前記非極性溶媒に対する溶解度が1質量%以上である色素化合物と、を含有するエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
下記一般式(1)において、A及びBは、各々独立に、芳香族環又は複素環を表す。
<2> 色素化合物は、炭素数4以上のアルキル基を有する前記<1>に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
<3> 色素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物である前記<1>又は前記<2>に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
下記の一般式(2)において、R及びRは、各々独立に、炭素数4〜30のアルキル基を表す。V、V、V、V、V、V、V、V、V、及びV10は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はハロゲン原子を表す。
<4> 一般式(2)中のR及びRで表されるアルキル基は、分岐構造を有する前記<3>に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
<5> 総量が組成物全量に対して20質量%以上の色材を含有し、一般式(1)で表され、25℃、0.1MPaにおける前記非極性溶媒に対する溶解度が1質量%以上である色素化合物の含有比率が、色材の総量に対して20質量%以上である前記<1>〜前記<4>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物である。
<6> 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板と、第1の基板の導電性の表面に対向させて配置された第2の基板と、第1の基板の導電性の表面を有する面側の少なくとも一部に配設された疎水性絶縁膜と、疎水性絶縁膜と第2の基板との間に疎水性絶縁膜上を移動可能に設けられた前記<1>〜前記<5>のいずれか1つに記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物と、疎水性絶縁膜と第2の基板との間に、エレクトロウェッティング表示用染料組成物と接して設けられた導電性の親水性液体と、を有する表示部を備え、
親水性液体と第1の基板の導電性の表面との間に電圧を印加し、エレクトロウェッティング表示用染料組成物と親水性液体との界面の形状を変化させることで、画像を表示するエレクトロウェッティング表示装置である。
本発明によれば、画像表示時の応答性に優れ、バックフロー現象による画像乱れが防止されたエレクトロウェッティング表示用染料組成物及びエレクトロウェッティング表示装置が提供される。
本発明の実施形態に係るエレクトロウェッティング表示装置の電圧オフ時の状態を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係るエレクトロウェッティング表示装置の電圧オン時の状態を示す概略断面図である。
以下、本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物について詳細に説明すると共に、図面を参照して、エレクトロウェッティング表示装置の実施形態についても詳述することとする。但し、本発明においては、以下に示す実施形態に制限されるものではない。
本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物は、非極性溶媒と、以下に示す一般式(1)で表され、25℃、0.1MPaにおける前記非極性溶媒に対する溶解度が1質量%以上である色素化合物とを用いて構成されている。この染料組成物は、必要に応じて、更に、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含めて構成することができる。
本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物は、後述するようにエレクトロウェッティング表示装置を構成するオイルとして用いられるものである。以下において、本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物を、単に「染料組成物」又は「オイル」ということがある。
画像表示に使用される着色成分としては、従来から種々の染料や顔料が用いられており、画像の記録形態や使用するインク等の組成や特性、画像特性などに応じて、適当な色材が選択されている。エレクトロウェッティング現象を利用した表示技術では、一般に非極性溶媒を用いたオイル層(オイル相)に色材を含有し、オイル層を移動させることにより画像表示が行なわれている。ところが、染料は非極性溶媒への溶解性が低く、溶解性が確保できないとオイル層の応答性が低下したり、電圧印加して画像表示した状態を保ったときのバックフローにより画像乱れが発生することがある。このような画像形成性を損なう色素は、エレクトロウェッティング現象を利用した表示には適していない。このような観点から、本発明の染料組成物においては、
特にエレクトロウェッティング技術のオイル相の着色に使用する色素成分として、不飽和二重結合を中心に特定の対称環構造を持ち、非極性溶媒に対して1質量%以上の溶解度を有する色素化合物を含有する。これにより、染料溶解性が確保され、応答性に優れた画像表示が可能であり、電圧印加状態にあるときのバックフロー現象も抑制される。このように、従来のエレクトロウェッティングディスプレイに比べ、より良好な画像表示特性を実現することができる。
以下、本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物を構成する各成分について詳述する。
〜色材〜
本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物は、有色画像を表示する観点から、色材として、下記一般式(1)で表される色素化合物(以下、「本発明における特定色素」ということがある。)の少なくとも1種を含有する。この色素は、25℃、0.1MPaにおける非極性溶媒(例えばノルマルデカン(n-Decane))に対する溶解度が1質量%以上であり、非極性溶媒に対して溶解性を有している。
また、本発明における特定色素は、2つの芳香族環又は複素環が不飽和二重結合で連結され、連結された各環の不飽和二重結合が結合する炭素原子のオルト位に位置する炭素原子がカルボニル構造をなしている染料であり、シアン色を呈する色素である。
一般式(1)において、A及びBは、各々独立に、芳香族環又は複素環を表す。分子中にこのような2つの環が不飽和二重結合で連結された構造を含み、非極性溶媒に対して溶解性を有している色素であれば、特に制限されるものではない。
A及びBで表される芳香族環には、ベンゼン環、ナフタレン環などが含まれる。
また、A及びBで表される複素環は、3員〜6員の環が好ましく、複素原子には、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が含まれる。複素環としては、例えば、チオフェン環、ピロール環、ピリジン環、フリル環などが挙げられる。
上記の中では、A及びBは、溶解性と吸収強度の点で、ナフタレン環、チオフェン環、ピロール環が好ましく、ナフタレン環がより好ましい。
A及びBは、無置換でもよく、置換基で置換された構造であってもよい。置換されている場合の置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はハロゲン原子などを挙げることができる。これら置換基は、下記一般式(2)のV〜V10で表されるアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はハロゲン原子と同義であり、好ましい態様も同様である。
本発明における特定色素は、オイル相の電圧印加時の応答性の点で、25℃、0.1MPaにおける非極性溶媒(例えばノルマルデカン(n-Decane))に対する溶解度が1質量%以上であるものとする。非極性溶媒への溶解性、特に炭化水素系溶媒への溶解性に優れたものが好ましい。溶解度が1質量%以上であることで、エレクトロウェッティング表示装置により適する。
なお、以下において、「25℃、0.1MPaにおけるn−デカンに対する溶解度」を単に「溶解度」ともいう。
本発明における特定色素を、エレクトロウェッティング法の原理で動作する表示装置を製造するための表示用部材であるオイルに適用する場合、溶解度は、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが更に好ましい。溶解度は高ければ高いほど好ましいが、通常その上限値は80質量%程度である。
本発明における特定色素は、炭素数4以上のアルキル基を有する構造であることが好ましい。分子構造内に炭素数4以上のアルキル基を有することで、非極性溶媒(例えばノルマルデカン(n-Decane))に対する溶解性により優れる。
炭素数4以上のアルキル基としては、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などを挙げることができ、非極性溶媒への溶解性の点で、分岐アルキル基であることが好ましい。
一般式(1)中のAとBとは、同一でも異なっていてもよいが、より良好な応答性を発現させる観点からは、AとBとが同じ環構造を有していることが好ましい。
また、本発明における特定色素は、分子中に−SOH、−PO、−COH、−OH等の解離性基(NH基を含まない)を有しない色素であることが好ましい。解離性基を有していないことにより、非極性溶媒に対して良好な溶解性を示す。
本発明における特定色素の中では、下記一般式(2)で表される色素化合物が好ましい。この色素は、2つのナフタレン骨格が不飽和二重結合により結合され、不飽和二重結合が結合する環中の炭素のオルト位に位置する炭素原子にカルボニル構造を有している。上記と同様、非極性溶媒に対する溶解性の観点からは、置換基として解離性基を有していないことが好ましい。
一般式(2)で表される色素化合物は、非極性溶媒(特に炭化水素系溶媒)に対する溶解性が良好であり、エレクトロウェッティング法の原理で動作する表示装置に適用して画像表示させた場合の応答性、及びバックフロー特性により優れている。この色素は、非極性溶媒に20質量%以上の高濃度で含有して着色溶液(オイル)を調製し、画像表示に供した場合にも、優れた応答性を発現し、バックフロー率が低く抑えられる点で好ましい。エレクトロウェッティング法による場合、色材の濃度は、一般に、優れた応答性とバックフロー率を示す濃度の限界値が高ければ高いほどよい。

一般式(2)において、R及びRは、各々独立に、炭素数4〜30のアルキル基を表す。V、V、V、V、V、V、V、V、V、及びV10は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はハロゲン原子を表す。
、Rで表される炭素数4〜30のアルキル基は、直鎖、分岐鎖、又は環状のいずれの構造を有してもよく、例えば、ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基などが挙げられる。R、Rで表されるアルキル基は、非極性溶媒への溶解性が高く、ひいてはエレクトロウェッティング表示装置のオイル層に用いた際の応答性、バックフロー現象の防止の観点から、分岐構造を有するアルキル基が好ましい。また、アルキル基は、他の置換基でさらに置換されてもよく、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ)等で置換されたものでもよい。
また、R、Rで表されるアルキル基の炭素数は、炭素数4〜20がより好ましく、炭素数6〜12がより好ましい。
〜V10で表されるアルキル基は、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、直鎖、分岐鎖、又は環状のいずれの構造を有してもよい。アルキル基の例としては、ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基などが挙げられる。好ましいアルキル基は、分岐構造を有するアルキル基である。
中でも、溶解性と吸収強度の観点から、炭素数1〜12のアルキル基が更に好ましく、特に好ましくは炭素数1〜8の分岐アルキル基である。
〜V10で表されるアリール基は、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜20のアリール基である。アリール基の例としては、フェニル基、2−トリル基が挙げられる。
〜V10で表されるアルコキシ基は、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基である。アルコキシ基の例としては、1−ブトキシ基、2−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ドデシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、シクロアルキルオキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)などが挙げられる。好ましいアルコキシ基は、分岐構造を有するアルコキシ基である。
中でも、溶解性の観点から、炭素数1〜12のアルコキシ基が更に好ましく、特に好ましくは炭素数1〜8の分岐アルキルを有するアルコキシ基である。
〜V10で表されるアリールオキシ基は、炭素数6〜30のアリールオキシ基が好ましく、より好ましくは炭素数6〜20のアリールオキシ基である。アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、2−トリルオキシ基などが挙げられる。
〜V10で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子が挙げられる。中でも、応答性の点で、好ましくはフッ素原子である。
以下、上記の一般式(1)〜(2)で表される色素化合物の具体例を示す。本発明においては、これら具体例に制限されるものではない。

本発明における特定色素の分子量としては、100以上1,000未満が好ましく、150以上800未満が更に好ましい。分子量が100以上であることで、非極性溶媒への溶解性が確保でき、1,000未満であることで、吸収強度が高く、かつ画像表示時の応答性を損なわない程度に維持することができる。
本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物は、色材を1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。そのため、本発明の染料組成物は、本発明における特定色素を1種含有して構成されたものでもよいし、2種以上を含有して構成されたものでもよい。
本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物中に含有される、本発明における特定色素を含む色材の総量としては、染料組成物の全量に対して、10質量%以上が好ましい。色材(本発明における特定色素を含む)の総量は、表示画像の濃度及び鮮明性等を高める観点から、オイル全量に対して、20質量%以上の範囲が好ましく、より好ましくは40質量%以上の範囲であり、さらに好ましくは50質量%以上の範囲である。エレクトロウェッティング表示用染料組成物中に含有される色材の含有比率が高くなると、電圧印加時の染料組成物の応答性が低下するとともに電圧印加状態でのバックフロー現象も悪化し、画像表示性が低下する傾向にある。そのため、色材の含有比率が10質量%以上(好ましくは20質量%以上)である染料組成物の組成において、特に本発明の効果がより奏される。また、色材の総量は、表示装置を構成したときの応答速度を高める観点から、染料組成物全量に対して、80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは75質量%以下であり、さらに好ましくは70質量%以下である。中でも、本発明における特定色素の含有比率としては、染料組成物中に含有される色材の総量に対して、20質量%以上である場合がより好ましい。また、本発明における特定色素の染料組成物中における含有比率としては、染料組成物全量に対し、5質量%以上が好適である。
染料組成物中の本発明における特定色素の濃度(C)については、その目的に応じて任意の濃度を選択することができ、染料組成物は任意の濃度にて調製される。エレクトロウェッティングディスプレイ用の色素として用いる場合、色素は、通常0.2質量%以上の濃度で、必要とされるεC値(=ε×C[ε:オイルの吸光係数])に応じて、非極性溶媒に希釈して用いられる。
本発明におけるメチン色素のモル吸光係数については、特に制限はないが、30,000以上である場合が好ましく、特に好ましくは50,000以上である。モル吸光係数が30,000以上であると、高い表示性能と応答性を両立することが容易となる点で好ましい。
〜非極性溶媒〜
本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物は、非極性溶媒の少なくとも一種を含有する。非極性溶媒とは、比誘電率の値が小さい溶媒(いわゆる無極性溶媒)をいう。非極性溶媒としては、例えば、ノルマル(n−)ヘキサン、ノルマル(n−)デカン、ドデカン、テトラデカン、ヘキサデカン等の脂肪族炭化水素系溶媒(好ましくは、炭素数6〜30の脂肪族炭化水素系溶媒)、脂肪族炭化水素系溶媒がフッ素で置換された溶媒(例えばフルオロカーボンオイル等)、シリコーン系溶媒(例えばシリコーンオイル等)などが挙げられる。中でも、脂肪族炭化水素系溶媒が好ましい。
非極性溶媒の溶存酸素は、10ppm以下の範囲であることが好ましい。溶存酸素量が10ppmを超えると、劣化しやすく、応答性が低下しやすい。溶存酸素量は、少ないほど好ましく、8ppm以下であることがより好ましい。
非極性溶媒のオイル中に占める含有量は、染料組成物(オイル)の全量に対して、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。非極性溶媒の含有量が30質量%以上であることで、より優れた光シャッター特性が発現される。また、染料組成物に含有される染料の溶解性がより良好に保たれる。
また、エレクトロウェッティング表示用染料組成物(オイル)には、非極性溶媒以外の他の溶媒が含まれてもよい。この場合、非極性溶媒の染料組成物中に占める比率は、染料組成物中の溶媒全量に対して70質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上である。
〜各種添加剤〜
本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物は、必要に応じて、他の成分として、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤を含有する場合、その含有量は特に制限されるものではないが、通常はオイルの全質量に対して20質量%以下程度で用いられる。
本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物は、一種単独の染料を用いて黒色等のインクとして調製されたものでもよく、複数の染料を混合して黒色等のインクとして調製されたものでもよい。
複数の染料を組み合わせて用いる場合、その組み合わせとしては、吸収波長が400〜500nmの範囲のイエロー染料、吸収波長が500〜600nmの範囲のマゼンタ染料、吸収波長が600〜700nmの範囲のシアン染料を混合して用いることが好ましい。
「黒色」とは、450nm、500nm、550nm、600nmにおける各々の透過率のうち、最大値となる透過率と最小値となる透過率との差が20%以下である性質を示し、前記差は、好ましくは15%以下であり、特に好ましくは10%以下である。
次に、本発明のエレクトロウェッティング表示装置の実施形態を図1〜図2を参照して説明する。
既述の本発明のエレクトロウェッティング表示用染料組成物は、後述するように、疎水性絶縁膜と第2の基板との間に疎水性絶縁膜上を移動可能に設けられる非導電性のオイルとして用いられる。また、本実施形態では、導電性を有する第1の基板としてITO付ガラス基板を備え、また、オイルを構成する非極性溶媒としてデカンを、親水性液体として電解質水溶液を用いた構成となっている。
図1は、本実施形態に係るエレクトロウェッティング表示装置の電圧オフ時における状態を示す。
図1に示すように、本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100は、導電性を有する基板(第1の基板)11と、基板11に対向させて配置された導電性を有する基板(第2の基板)12と、基板11上に配設された疎水性絶縁膜20と、疎水性絶縁膜20及び基板12間のシリコーンゴム壁22aとシリコーンゴム壁22bとにより区画された領域に充填された親水性液体14及びオイル16とを備えている。疎水性絶縁膜20と基板12との間がシリコーンゴム壁22aとシリコーンゴム壁22bとで区画された領域は、オイル16の移動により画像表示を行なう表示部(表示セル)として構成されている。
従来から、エレクトロウェッティング技術に関して種々の検討がなされているところ、オイル相を形成する非極性溶媒中に染料等の溶媒可溶性の色素を含有すると、画像表示する際の応答性が低下し、電圧印加状態で保った際のバックフローも悪化する傾向がある。これは、表示画像の品質を高めるため、色濃度を高めようとした場合に、より顕著に現れる。オイル相に存在させる色素成分には、種々の染料等を適用可能であるが、その中でも、所定位置にカルボニル基を持つ2つの環が不飽和二重結合で連結された構造を有する色素化合物(本発明における特定色素)は、応答性や電圧印加状態でのバックフロー特性が損なわれにくい。そのため、
数ある色素化合物の中でも、エレクトロウェッティング技術のオイル相の着色に使用する色素成分として、特に、既述の一般式(1)で表される色素化合物(一般式(2)で表される化合物を含む)を含有する染料組成物(オイル)を備えた本発明のエレクトロウェッティング表示装置は、画像表示させたときの表示応答性に優れ、しかも電圧印加状態で表示画像を保持したときのバックフロー現象の抑制効果も大きい。そのため、従来に比べ、より優れた画像表示特性を発現することができる。
本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100では、基板11は、基材11aと、基材11aに設けられ、導電性を有する導電膜11bとを有しており、基板表面の全面が導電性を示すように構成されている。また、基板12は、基板11と対向する位置に配設されている。基板12は、基板11と同様に、基材12aと、基板12aに設けられ、導電性を有する導電膜12bとを有しており、基板表面の全面が導電性を示すように構成されている。本実施形態では、基板11及び基板12は、透明性のガラス基板と、その上に設けられた透明性のITO膜とで構成されている。
基材11a及び基材12aは、装置の表示形態に応じて、透明性材料又は不透明材料のいずれを用いて形成されたものでもよい。画像を表示する観点からは、基材11a及び基材12aの少なくとも一方は、光透過性を有していることが好ましい。具体的には、基材11a及び基板12の少なくとも一方が、380nm〜770nmの波長領域全域において80%以上(より好ましくは90%以上)の透過率を有していることが好ましい。
基材11a及び基材12aに用いる材料の例としては、ガラス基板(例えば、無アルカリガラス基板、ソーダガラス基板、パイレックス(登録商標)ガラス基板、石英ガラス基板等)、プラスチック基板(例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板、ポリカーボネート(PC)基板、ポリイミド(PI)基板等)、アルミ基板やステンレス基板等の金属基板、シリコン基板等の半導体基板等を用いることができる。中でも、光透過性の観点から、ガラス基板又はプラスチック基板が好ましい。
また、基材として、薄膜トランジスタ(TFT)が設けられたTFT基板を用いることもできる。この場合、導電膜がTFTに接続された形態(すなわち、導電膜がTFTに接続された画素電極である形態)が好適である。これにより、画素ごとに独立して電圧を印加できるようになり、TFTを備えた公知の液晶表示装置と同様に、画像表示装置全体のアクティブ駆動が可能となる。
TFT基板における、TFT、各種配線、積蓄容量等の配置については、公知の配置とすることができ、例えば、特開2009−86668号公報に記載された配置を参照することができる。
導電膜11b及び導電膜12bは、装置の表示形態に応じて、透明性の膜又は不透明膜のいずれであってもよい。導電膜は、導電性を有する膜のことであり、導電性とは、電圧を印加できる程度の電気伝導性を有していればよく、表面抵抗が500Ω/□以下(好ましくは70Ω/□以下、より好ましくは60Ω/以下、更に好ましくは50Ω/□以下)の性質を有していることをいう。
導電膜は、銅膜などの不透明な金属膜、又は透明膜のいずれでもよいが、光透過性を与えて画像表示を行なう観点からは、透明導電膜が好ましい。透明導電膜は、380nm〜770nmの波長領域全域において80%以上(より好ましくは90%以上)の透過率を有していることが好ましい。透明導電膜の例としては、酸化インジウムスズ(ITO:Indium Tin Oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO:Indium Zinc Oxide)、酸化スズ、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化カドミウム、及び酸化マグネシウムの少なくとも1種を含む膜が挙げられる。中でも、透明導電膜としては、光透過性及び導電性の点で、酸化インジウムスズ(ITO)を含む膜が好ましい。
ITOを含む膜における酸化スズの量は、抵抗値を小さくする点で、5〜15質量%の範囲が好ましく、8〜12質量%の範囲がより好ましい。
導電膜の比抵抗としては、特に制限はなく、例えば、1.0×10−3Ω・cm以下とすることができる。
好ましい形態として、基板12の導電膜12bに表示画素をなす複数の表示セルに対して共通の電位を付与する一方、基板11の導電膜11bには表示画素(表示セル)毎に独立した電位を付与することで、各表示セル(画素)に独立した電圧を印加する形態が挙げられる。この形態については、公知の液晶表示装置の形態を参照することができる。
本実施形態では、基板12は、基板11と同様に導電性を有する基板として配設されているが、基板12は導電膜を設けずに導電性を有しない態様でもよく、導電膜11bと親水性液体14との間で電圧印加するようにしてもよい。この場合、基板12の構成に特に制限はなく、例えば上記の基材12aに用いられる例として挙げた材料を用いることができる。
疎水性絶縁膜20は、基板11の導電膜11bの全面に亘って設けられており、少なくともオイル16と接している。この疎水性絶縁膜は、電圧が印加されていないときは(画像非表示時)、主としてオイルと接触した状態にあり、電圧が印加されたときは(画像表示時)、オイルがその表面を移動し、オイルが存在しなくなった領域は親水性液体と接触している状態となる。
疎水性とは、水を接触させたときの接触角が60°以上である性質をいい、好ましくは接触角が70°以上(より好ましくは80°以上)である性質をいう。
接触角は、JIS R3257「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」内の「6.静滴法」に記載された方法が適用される。具体的には、接触角測定器(協和界面科学(株)製の接触角計CA−A)を用い、20メモリの大きさの水滴をつくり、針先から水滴を出して、疎水性絶縁膜に接触させて水滴を形成し、10秒静置後、接触角計の覗き穴から水滴の形状を観察したときの接触角θ(25℃)から求められる。
絶縁膜の「絶縁」とは、比抵抗が10Ω・cm以上である性質をいい、好ましくは比抵抗が10Ω・cm以上(より好ましくは10Ω・cm以上)である性質をいう。
疎水性絶縁膜は、オイル16との間で親和性を示し、親水性液体14との親和性が低い絶縁膜を用いることができるが、電圧印加を繰り返すことでオイルを移動させることにより生じる膜劣化を抑制する観点から、多官能性化合物に由来する架橋構造を有する膜が好ましい。中でも、疎水性絶縁膜は、重合性基を2つ以上有する多官能性化合物に由来する架橋構造を有する膜がより好ましい。架橋構造は、多官能性化合物の少なくとも1種を(必要に応じ他のモノマーとともに)重合させることにより好適に形成される。
本実施形態では、5員環状パーフルオロジエンを共重合した共重合体で構成されている。
多官能性化合物は、分子中に重合性基を2つ以上有する化合物である。重合性基としては、ラジカル重合性基、カチオン重合性基、縮合重合性基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基、アリル基、アルコキシシリル基、α−フルオロアクリロイル基、エポキシ基、−C(O)OCH=CH等が好ましい。また、多官能性化合物に含まれる2つ以上の重合性基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
架橋構造の形成において、多官能性化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
多官能性化合物としては、公知の多官能の重合性化合物(ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、縮合重合性化合物等)を用いることができる。多官能性化合物としては、例えば、多官能アクリレートとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
多官能性化合物としては、上記以外にも、例えば、特開2008−181067号公報の段落0031〜0035、特開2008−139378号公報の段落0149〜0155、特開2010−134137号公報の段落0142〜0146等に記載の公知の重合性化合物の中から、多官能の重合性化合物を適宜選択して用いることができる。
多官能性化合物は、分子中に重合性基を3つ以上(好ましくは4つ以上、より好ましくは5つ以上)有することが好ましい。これにより、膜中における架橋構造の密度を更に増加させることができるので、電圧印加を繰り返したときの疎水性絶縁膜の劣化がさらに抑制される。
多官能性化合物としては、含フッ素化合物が好ましく、フッ素含有率が分子量の35質量%以上(好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上)である多官能性化合物がより好ましい。多官能性化合物がフッ素原子を(特にフッ素含有率が分子量の35質量%以上)含むことにより、疎水性絶縁膜の疎水性がより向上する。多官能性化合物におけるフッ素含有率の上限には特に制限はないが、上限は、例えば分子量の60質量%(好ましくは55質量%、より好ましくは50質量%)とすることができる。
多官能性化合物である含フッ素化合物としては、例えば、特開2006−28280号公報の段落0007〜0032に記載された含フッ素化合物を用いることができる。
多官能性化合物の重合方法は、好ましくは塊状重合又は溶液重合である。
重合の開始方法は、重合開始剤(例えばラジカル開始剤)を用いる方法、光又は放射線を照射する方法、酸を加える方法、光酸発生剤を添加した後に光を照射する方法、加熱により脱水縮合させる方法等がある。これらの重合方法、重合の開始方法は、例えば鶴田禎二著、「高分子合成方法」改訂版(日刊工業新聞社刊、1971年)や大津隆行・木下雅悦共著、「高分子合成の実験法」、化学同人、昭和47年、124〜154頁に記載されている。
疎水性絶縁膜は、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を用いて好適に作製される。硬化性組成物に含まれる多官能性化合物は、1種又は2種以上のいずれでもよく、硬化性組成物は、さらに単官能性化合物を含んでもよい。単官能性化合物としては、公知の単官能モノマーを用いることができる。
硬化性組成物中における多官能性化合物の含有量(2種以上である場合には総含有量;以下同じ)は特に制限はないが、硬化性の観点からは、硬化性組成物の全固形分に対し、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。全固形分とは、溶剤を除いた全成分をいう。
硬化性組成物は、さらに溶剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロヘキサノール、乳酸エチル、乳酸メチル、カプロラクタムなどが挙げられる。
硬化性組成物中における溶剤の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、硬化性組成物の全質量に対して、20〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
硬化性組成物は、さらに重合開始剤の少なくとも1種を含むことが好ましい。重合開始剤としては、熱及び光の少なくとも一方の作用によりラジカルを発生する重合開始剤が好ましい。
熱の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、有機過酸化物、無機過酸化物、有機アゾ化合物、ジアゾ化合物等が挙げられる。有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロペルオキシドが挙げられる。無機過酸化物としては、例えば、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、有機アゾ化合物として2−アゾ−ビス−イソブチロニトリル、2−アゾ−ビス−プロピオニトリル、2−アゾ−ビス−シクロヘキサンジニトリル等が、ジアゾ化合物としては、例えばジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウムなどが挙げられる。
光の作用によりラジカル重合を開始する重合開始剤としては、ヒドロキシアルキルフェノン類、アミノアルキルフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類などの化合物が挙げられる。
ヒドロキシアルキルフェノン類の例には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが含まれる。
アミノアルキルフェノン類の例には、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが含まれる。
アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノンが含まれる。
ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。
ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン及びp−クロロベンゾフェノンが含まれる。
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
また、これらの重合開始剤と併用して増感色素を用いることもできる。
重合開始剤の含有量は特に制限されないが、硬化性組成物の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%である。
硬化性組成物は、必要に応じて、その他の成分を含んでいてもよい。その他の成分としては、無機酸化物微粒子、シリコーン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、界面活性剤、増粘剤、レベリング剤等が挙げられる。
その他の成分を含有する場合、その含有量は、硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0〜30質量%の範囲であることが好ましく、0〜20質量%の範囲であることがより好ましく、0〜10質量%の範囲であることが特に好ましい。
疎水性絶縁膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、50nm〜10μmが好ましく、より好ましくは100nm〜1μmである。疎水性絶縁膜の膜厚が上記範囲であると、絶縁性と駆動電圧とのバランスの点で好ましい。
〜疎水性絶縁膜の形成方法〜
疎水性絶縁膜は、下記の方法により好適に作製できる。すなわち、
基板11の導電性が付与されている面(本実施形態では基板11の導電膜11bの表面)に、多官能性化合物を含有する硬化性組成物を付与して硬化性層を形成する硬化性層形成工程と、形成された硬化性層中の多官能性化合物を重合させて該硬化性層を硬化させる硬化工程とを有する方法である。このような方法により、架橋構造を有する疎水性絶縁膜が形成される。
基板11上に硬化性層である疎水性絶縁膜20を形成する場合、公知の塗布法又は転写法により行なうことができる。
塗布法による場合、基板11上に硬化性組成物を塗布し(好ましくは乾燥させて)硬化性層を形成する。塗布法としては、例えば、スピンコート法、スリットコート法、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法等の公知の方法を用いることができる。
転写法による場合、あらかじめ硬化性組成物を用いて形成された硬化性層を有する転写材料を準備しておき、該転写材料の硬化性層を基板11上に転写することにより、基板11上に硬化性層を形成する。転写法の詳細については、例えば、特開2008−202006号公報の段落0094〜0121や特開2008−139378号公報の段落0076〜0090を参照することができる。
硬化性層の硬化(多官能性化合物の重合)は、例えば、活性エネルギー線の照射(以下、露光ともいう)及び加熱の少なくとも一方を施すことにより行なえる。
露光に用いられる活性エネルギー線としては、例えば、紫外線(g線、h線、i線等)、電子線、X線が好ましく用いられる。露光は、プロキシミティ方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式等の公知の露光装置を用いて行なってもよい。露光時の露光量は、例えば、10mJ/cm〜2000mJ/cmとすることができ、50mJ/cm〜1000mJ/cmが好ましい。
露光の際には、所定のフォトマスクを介して露光し、次いでアルカリ溶液などの現像液を用いて現像することにより、所望とするパターンにパターニングされた疎水性絶縁膜を得ることも可能である。
また、加熱は、例えば、ホットプレートや炉を用いた公知の方法により行なうことができる。加熱温度は適宜設定できるが、例えば100℃〜280℃とすることができ、150℃〜250℃が好ましい。加熱時間も適宜設定できるが、例えば、2分〜120分とすることができ、5分〜60分が好ましい。
本実施形態において、疎水性絶縁膜20と基板12との間には、親水性液体14とオイル16とが注入されている。
親水性液体14とオイル16とは、互いに混じり合わない液体であり、図1〜図2に示すように、界面17A又は界面17Bを境に互いに分離して存在している。なお、図1〜図2において、界面17Aは、電圧オフ状態での親水性液体14とオイル16との界面を表し、界面17Bは、電圧オン状態における親水性液体14とオイル16との界面を表す。
オイル16は、非極性溶媒、及び既述の一般式(1)で表され、25℃、0.1MPaにおける前記非極性溶媒に対する溶解度が1質量%以上である色素化合物を少なくとも含有する非導電性の液体(エレクトロウェッティング表示用染料組成物)であり、色素の含有比率がオイル組成全体に対して10質量%以上である場合が好ましい。
オイルは、色素を含むことで着色されており、該色素の含有比率を10質量%以上(好ましくは20質量%以上)の範囲とすると、コントラスト比がより高く、識別性や鮮明さにより優れた画像が得られる。このような濃度で染料を含む組成では、電圧印加したときのオイルの応答性が低下しやすく、画像表示性が損なわれやすいが、本発明では、既述の一般式(1)で表される色素化合物を色材として含有することで、オイルの応答性を向上し、電圧印加時のバックフローを抑制して、画像表示性に優れたエレクトロウェッティング表示装置が得られる。
非導電性とは、比抵抗が10Ω・cm以上(好ましくは10Ω・cm以上)である性質をいう。
オイルは、比誘電率が小さいことが好ましい。オイルの比誘電率は、10.0以下の範囲が好ましく、2.0〜10.0の範囲がより好ましい。比誘電率がこの範囲内であると、比誘電率が10.0を超える場合と比較して、応答速度が速く、より低い電圧で駆動(動作)させ得る点で好ましい。
比誘電率は、オイルをセルギャップ10μmのITO透明電極付きガラスセルに注入し、得られたセルの電気容量を、エヌエフ株式会社製の型式2353LCRメーター(測定周波数:1kHz)を用いて20℃、40%RHにて測定される値である。
オイルの粘度としては、20℃での動的粘度で10mPa・s以下であることが好ましい。中でも、粘度は、0.01mPa・s以上が好ましく、更には0.01mPa・s以上8mPa・s以下がより好ましい。オイルの粘度が10mPa・s以下であることで、粘度が10mPa・sを超える場合と比較して、応答速度が速くより低い電圧で駆動させ得る点で好ましい。なお、動的粘度は、粘度計(500型、東機産業(株)製)を用いて20℃に調整して測定される値である。
オイルは、実質的に後述する親水性液体と混ざり合わないことが好ましい。具体的には、オイルの親水性液体に対する溶解度(25℃)が、0.1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以下がより好ましく、0.001質量%以下が特に好ましい。
本発明のエレクトロウェッティング表示装置のOD(画像濃度)値は、高いほど画像の識別性や鮮明さがより向上する。そのため、本発明における特定色素の極大吸収波長におけるOD値は、オイル層の厚み当たり0.5/μm以上が好ましく、より好ましくは0.65/μm以上であり、更に好ましくは1.0/μm以上である。
親水性液体14は、導電性の親水性液体である。導電性とは、比抵抗10Ω・cm以下(好ましくは10Ω・cm以下)の性質をいう。
親水性液体は、例えば、電解質及び水性溶媒を含んで構成される。
電解質としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、テトラブチルアンモニウムクロリド等の塩が挙げられる。親水性液体中における電解質の濃度は、0.1〜10mol/Lが好ましく、0.1〜5mol/Lがより好ましい。
水性溶媒としては、水及びアルコールが好適であり、さらに水以外の水性溶媒を含んでいてもよい。アルコールとしては、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
水性溶媒は、界面活性剤を含まない方が応答性の観点から好ましい。
エレクトロウェッティング表示装置100には、導電膜11bと親水性液体14を介して導電膜12bとの間に電圧を印加するための電源25(電圧印加手段)及びこの電圧をオン/オフするためのスイッチ26が電気的に接続されている。
本実施形態では、基板12に設けられている導電膜12bに電圧印加することで、親水性液体14への電圧(電位)の印加が行なえるようになっている。このように、本実施形態では、基板12の親水性液体14に接する側の表面が導電性を有する構成(基材12aの親水性液体14に接する側に導電膜としてITO膜が存在する構成)となっているが、この形態に限られるものではない。例えば、基板12に導電膜12bを設けずに親水性液体14中に電極を差し込んで、差し込まれた電極によって親水性液体14に電圧(電位)を印加するようにしてもよい。
次に、エレクトロウェッティング表示装置100の動作(電圧オフ状態及び電圧オン状態)について説明する。
図1に示すように、電圧オフ状態では、疎水性絶縁膜20とオイル16との親和性が高いことから、疎水性絶縁膜20の全面にオイル16が接した状態となっている。エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオンして電圧が印加されると、親水性液体14とオイル16との界面は、図1の界面17Aから図2に示す界面17Bに変形する。このとき、疎水性絶縁膜20とオイル16との接触面積が減少し、図2に示すようにオイル16がセルの端に移動する。この現象は、電圧印加により疎水性絶縁膜20の表面に電荷が発生し、この電荷によって、親水性液体14が、疎水性絶縁膜20に接していたオイル16を押しのけて疎水性絶縁膜20に接触するために生じる現象である。
エレクトロウェッティング表示装置100のスイッチ26をオフし、電圧の印加をオフ状態とすると、再び図1の状態に戻る。
エレクトロウェッティング表示装置100では、図1及び図2に示す動作が繰り返し行なわれる。
上記では、エレクトロウェッティング表示装置の実施形態について、図1及び図2を参照して説明したが、本実施形態に限定されるものではない。
例えば、図1及び図2では、基板11において、導電膜11bが基材11aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜11bが基材11aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。また、基板12では、導電膜12bが基材12aの表面全体に亘って設けられているが、導電膜12bが基材12aの表面の一部にのみ設けられた形態であってもよい。
また、実施形態において、オイル16に染料を含めて所望の色(例えば黒、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロー等)に着色することにより、エレクトロウェッティング表示装置の画像表示を担う画素として機能させることができる。この場合、オイル16が、例えば、画素のオン状態及びオフ状態を切り替える光シャッターとして機能する。この場合、エレクトロウェッティング表示装置は、透過型、反射型、半透過型のいずれの方式に構成されてもよい。
また、本実施形態におけるエレクトロウェッティング表示装置は、第1の基板及び第2の基板の少なくとも一方の外側(オイルに対向する面の反対側)に、紫外線カット層を有していてもよい。これにより、表示装置の耐光性を更に向上させることができる。
紫外線カット層としては公知のものを用いることができ、例えば、紫外線吸収剤を含有する紫外線カット層(例えば紫外線カットフィルム)を用いることができる。紫外線カット層は、波長380nmの光を90%以上吸収することが好ましい。
紫外線カット層は、第1の基板及び第2の基板の少なくとも一方の外側に接着剤を用いて貼り付ける方法等、公知の方法により設けることができる。
エレクトロウェッティング表示装置では、図1に示す構造(疎水性絶縁膜20と基板12との間がシリコーンゴム壁22aとシリコーンゴム壁22bとで例えば格子状に区画された領域(表示セル))を表示部となる一画素とし、この表示セルを複数個2次元方向に配列することによって、画像表示が可能になる。このとき、導電膜11bは、一画素(表示セル)毎に独立してパターニングされた膜であってもよいし(例えばアクティブマトリクス型の画像表示装置の場合など)、複数の画素(表示セル)に跨るストライプ状にパターニングされた膜であってもよい(例えばパッシブマトリクス型の画像表示装置の場合など)。
エレクトロウェッティング表示装置100は、基材11a及び基材12aとして、ガラス、プラスチック(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)等の光透過性を有する基板を用い、かつ導電膜11b、12b及び疎水性絶縁膜20として光透過性を有する膜を用いることにより、透過型の表示装置とすることができる。この透過型の表示装置の画素において、表示セルの外部に反射板を設けることで、反射型の表示装置とすることもできる。
また、例えば、導電膜11bとして、反射板としての機能を兼ね備えた膜(例えばAl膜、Al合金膜などの金属膜)を用いたり、基材11aとして、反射板としての機能を兼ね備えた基板(例えばAl基板、Al合金基板などの金属基板)を用いたりすることで、反射型の画像表示装置の画素とすることもできる。
本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100を構成する表示セルや画像表示装置のその他の構成は、例えば、特開2009−86668号公報、特開平10−39800、特表2005−517993、特開2004−252444、特開2004−287008、特表2005−506778、特表2007−531917号公報、特開2009−86668号公報等に記載の公知の構成とすることができる。また、公知のアクティブマトリクス型又はパッシブマトリクス型の液晶表示装置の構成も参照することができる。
エレクトロウェッティング表示装置は、表示セル(表示画素)に加え、必要に応じてバックライト、セルギャップ調整用のスペーサ、封止用のシール材等、公知の液晶表示装置と同様の部材を用いて構成することができる。このとき、オイル及び親水性液体は、例えば、基板11上のシリコーンゴム壁によって区画された領域にインクジェット法により付与することで設けられてもよい。
本実施形態のエレクトロウェッティング表示装置100は、例えば、基板11を準備する基板準備工程と、基板11の導電性表面側に疎水性絶縁膜20を形成する工程と、基板11の疎水性絶縁膜20形成面上を区画する隔壁を形成する隔壁形成工程と、隔壁により区画された領域に(例えばインクジェット法により)オイル16及び親水性液体14を付与する付与工程と、付与工程後の基板11のオイル16及び親水性液体14が付与された側に基板12を重ねてセル(表示部)を形成するセル形成工程と、必要に応じて基板11と基板12とをセルの周囲で接着することでセルを封止する封止工程とを有する方法が挙げられる。基板11と基板12との接着は、液晶表示装置の作製に通常用いられるシール材を用いて行なうことができる。
また、隔壁形成工程の後であってセル形成工程の前に、セルギャップ調整用のスペーサを形成するスペーサ形成工程が設けられていてもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
−1.着色溶液の調製−
下記の色素化合物P−1〜P−2(既述の一般式(1)で表される色素化合物)及び比較用の色素化合物H−1〜H−3と、有機溶剤であるノルマルデカン(n-Decane)とを混合して着色された5種の10質量%ノルマルデカン溶液(着色組成物)を調製した。得られたノルマルデカン溶液を50℃で加熱した後、室温下で12時間放置して上澄み液を得た。溶け残った染料の量を秤量することで、25℃、0.1MPaにおける各色素のノルマルデカンへの溶解度を算出した。溶解度を下記表1に示す。


前記表1に示すように、一般式(1)で表される色素化合物に包含される化合物P−1〜P−2では、炭化水素系溶媒であるノルマルデカンに対し、高い溶解度を示し、デカンに良好に溶解した染料インクを得ることができた。したがって、この化合物P−1,P−2は、エレクトロウェッティング法の原理で動作する表示部の作製に好適である。
−2.テストセルの作製−
透明電極として厚み100nmのインジウムスズオキサイド(ITO)膜が付いたガラス基板(10mm×10mm)のITO膜の表面に、フッ素系ポリマー(商品名:サイトップ、旭硝子社製、型番CTL−809M)を厚み600nmとなるように塗布し、フッ素ポリマー層を形成して疎水性絶縁膜とした。続いて、このフッ素ポリマー層上に、1cm×1cmサイズのシリコーンゴム(厚み50μmのシール材;扶桑ゴム社製のシリウス(商品名))の中心部から8mm×8mm×50μmサイズの四面体を切り抜いて作製した額縁状のシリコーンゴム壁を置いて表示部を形成した。このシリコーンゴム壁で取り囲まれた中に、上記のようにして調製した染料インクを厚み4μmとなるように注入した。注入された染料インクの上に、エチレングリコールを厚み46μmとなるように注入した。その上部からさらにITO膜付ガラス基板を、ITO膜が染料インクや電解質水溶液と向き合うようにして置き、固定化した。このようにして、図1に示す構造を有するエレクトロウェッティングテストセルを作製した。
−3.評価−
2枚のITO膜付ガラス基板の各ITO膜(透明電極)に、信号発生器にて100V直流電圧を印加(フッ素ポリマー層(疎水性絶縁膜)が形成されている側のITO電極にマイナス電圧を印加)し、表示セル(図2中の表示セル30)を観察したところ、染料インクがフッ素ポリマー層の表面を一方向に移動し、フッ素ポリマー層上を覆う面積が縮小していることを確認した。このときの染料インクの応答性、及び電圧を印加したままの状態で保持したときのバックフロー現象の程度を評価した。結果を下記の表2〜表4に示す。
電圧印加による面積の縮小については、下記式(1)で算出される面積収縮率[%]により、バックフロー現象については、下記式(2)で算出されるバックフロー比率[%]により、それぞれ評価した。
a)応答時間[msec]=電圧未印加状態から電圧印加を開始し、印加時点から最も縮んだ状態に達するまでに要した時間
b)面積収縮率[%]=(最も縮んだ時の染料インクの面積)/(電圧印加前の染料インクの面積)×100 ・・・(1)
c)バックフロー比率[%]=(電圧印加状態で5秒経過した後の染料インクの面積)/(最も縮んだ時の染料インクの面積)×100 ・・・(2)
また、OD(画像濃度)は、TOPCOM社製の分光放射計SR−3を用いて、染料の極大吸収波長におけるOD値を測定し、評価した。OD値は、オイル層の厚み1μmあたりの値である。



前記表2〜表4に示すように、染料濃度により発現する効果の程度に差が現れるものの、一般式(1)で表される色素化合物を用いて構成された表示装置は、良好な応答性を示し、しかも画像表示後(電圧印加状態)のバックフロー現象は小さく抑えられていた。
(実施例2)
シアン色素として一般式(1)で表される色素化合物である化合物P−1(以下、シアン染料P−1)を用い、この化合物P−1と、下記構造のイエロー染料Y−1と、オレンジ染料O−1と、マゼンタ染料M−1とを混合し、下記組成よりなる黒インクB−1を調製した。
<黒インクB−1組成>
・イエロー染料Y−1 ・・・5mg
・オレンジ染料O−1 ・・・6mg
・マゼンタ染料M−1 ・・・11mg
・シアン染料P−1 ・・・18mg
・ノルマルデカン ・・・60mg
次いで、実施例1と同様にして、エレクトロウェッティングテストセルを作製し、評価を行なった。結果を下記表5に示す。

表5に示されるように、実施例1と同様に、高い応答性を示し、しかも画像表示後(電圧印加状態)のバックフロー現象が小さく抑えられていた。
11・・・第1の基板
11a,12a・・・基材
11b,12b・・・ITO膜
12・・・第2の基板
14・・・親水性液体
16・・・オイル
17A、17B・・・親水性液体とオイルとの界面
20・・・疎水性絶縁膜
22a、22b・・・シリコーンゴム壁
30・・・表示セル
100・・・エレクトロウェッティング表示装置

Claims (6)

  1. 非極性溶媒と、下記一般式(1)で表され、25℃、0.1MPaにおける前記非極性溶媒に対する溶解度が1質量%以上である色素化合物と、を含有するエレクトロウェッティング表示用染料組成物。

    〔式中、A及びBは、各々独立に、芳香族環又は複素環を表す。〕
  2. 前記色素化合物は、炭素数4以上のアルキル基を有する請求項1に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
  3. 前記色素化合物は、下記一般式(2)で表される化合物である請求項1又は請求項2に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。

    〔式中、R及びRは、各々独立に、炭素数4〜30のアルキル基を表す。V、V、V、V、V、V、V、V、V、及びV10は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、又はハロゲン原子を表す。〕
  4. 前記一般式(2)中のR及びRで表されるアルキル基は、分岐構造を有する請求項3に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
  5. 総量が組成物全量に対して20質量%以上の色材を含有し、前記色素化合物の含有比率が、前記色材の総量に対して20質量%以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物。
  6. 少なくとも一方の表面の少なくとも一部が導電性である第1の基板と、
    前記第1の基板の導電性の表面に対向させて配置された第2の基板と、
    前記第1の基板の導電性の表面を有する面側の少なくとも一部に配設された疎水性絶縁膜と、
    前記疎水性絶縁膜と前記第2の基板との間に疎水性絶縁膜上を移動可能に設けられた請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエレクトロウェッティング表示用染料組成物と、
    前記疎水性絶縁膜と前記第2の基板との間に、前記エレクトロウェッティング表示用染料組成物と接して設けられた導電性の親水性液体と、
    を有する表示部を備え、
    前記親水性液体と前記第1の基板の導電性の表面との間に電圧を印加し、前記エレクトロウェッティング表示用染料組成物と前記親水性液体との界面の形状を変化させることで画像を表示するエレクトロウェッティング表示装置。
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