JP2014049675A - 太陽電池およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電流損失及び膜中欠陥を抑え光電変換効率の高いへテロ接合シリコン太陽電池を得ること。
【解決手段】第1導電型の単結晶シリコン基板1と、この単結晶シリコン基板の第1の主面1A上に、順次積層された、真性の非晶質シリコン層21と、微結晶シリコン層4と、第2導電型を有する非晶質シリコン層22とを備え、へテロ接合シリコン太陽電池を構成している。これにより、光吸収損失を増加させることなく膜中水素拡散による効率低下を抑制することができる。
【選択図】図1
【解決手段】第1導電型の単結晶シリコン基板1と、この単結晶シリコン基板の第1の主面1A上に、順次積層された、真性の非晶質シリコン層21と、微結晶シリコン層4と、第2導電型を有する非晶質シリコン層22とを備え、へテロ接合シリコン太陽電池を構成している。これにより、光吸収損失を増加させることなく膜中水素拡散による効率低下を抑制することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池およびその製造方法に関する。
従来、光起電力装置として単結晶シリコンや多結晶シリコン等の結晶シリコン基板を用いた結晶シリコン系太陽電池が太陽電池市場において高いシェアを持っている。特に単結晶シリコン太陽電池は、一般に普及している太陽電池の中では極めて高い光電変換効率を持ち、今後も太陽電池市場の中では主流となっていくと考えられる。これらのうち代表的な高効率単結晶シリコン太陽電池の構造として、単結晶シリコン基板上に非晶質シリコン系薄膜を形成した単結晶ヘテロ接合シリコン太陽電池が挙げられる。中でも単結晶シリコン基板と導電性非晶質シリコン層との間に真性の非晶質シリコン系薄膜を挿入した太陽電池は、最高レベルの光電変換効率を達成する手段の1つとして利用されている。この構造では、真性非晶質シリコン層の導入により、従来の結晶系シリコン太陽電池で効率を低下させる要因となっていた結晶基板表面でのキャリア再結合を抑制し、効率の向上をはかることができる。
しかしながら、この高効率ヘテロ接合太陽電池では、基板表面に積層された真性な非晶質シリコンに含まれる過剰な膜中水素によって基板表面の欠陥準位がパッシベートされ欠陥が低減される。この構造は一方で、過剰に含まれる膜中水素の影響により長期的には特性が劣化しやすいという問題を含んでいる。
非晶質シリコンは、結晶シリコンと異なり多くの未結合手、ダングリングボンドを持っておりこれが欠陥となって効率を低下させる。通常はダングリングボンドを水素で終端することで欠陥低減を図っているが、水素終端部は光刺激などにより結合が解かれる場合がある。このような場合、膜中の過剰な水素が拡散することでドープ層の活性化度を低下させるという問題も発生させることになる。
この構造への対策として、界面の一部にのみ水素過剰な非晶質シリコン層を製膜し、その上から膜中水素量が十分少ない非晶質シリコン層を積層するという方法がある。例えば特許文献1では熱工程での膜中水素の拡散を防止するためにこのような構造を利用した技術が開示されている。この技術を用いることで水素の脱離・拡散による太陽電池の特性低下を防止することはできる。
しかしながら、上記技術によれば、膜中水素量の少ない非晶質シリコンは同時にバンドギャップが狭く光吸収量が多いという特徴も併せ持っているため、発電層に届く光の量が減少してしまうおそれがある。また膜中水素量の少ない非晶質シリコンはダングリングボンドが十分終端されていないため、それ自体が再結合損失の原因となり得る。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光吸収損失の増大を抑制し、高効率の太陽電池を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、結晶系シリコン基板と導電性シリコン薄膜とのヘテロ接合を用いた太陽電池であり、その受光面においてこの結晶系シリコン基板と導電型シリコン薄膜との間の基板側に真性の非晶質シリコン系薄膜、導電性薄膜側に微結晶シリコン薄膜層を備える。
本発明によれば、真性の非晶質シリコン系薄膜の上に微結晶シリコンからなる水素拡散防止層が形成される。これにより、非晶質シリコン系薄膜層から脱離した水素がp層側へ拡散することで活性化率が低下し、開放電圧が低下するのを防ぐことができる。また拡散防止層が間接遷移半導体である微結晶シリコンによって形成されているため、光吸収損失の増大を抑制することができる。またダングリングボンドによる再結合損失の考慮も不要であるため、本発明ではイニシャルでの太陽電池特性を低下させることなく拡散防止層を導入することが可能である。
以下に、本発明に係る太陽電池の実施形態をなお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は本発明における太陽電池の実施の形態1の太陽電池を示す断面図である。本実施の形態1では、第1導電型を有する結晶系シリコン基板と、前記結晶系シリコン基板の第1の主面上に、順次積層された、真性の非晶質シリコン系薄膜と、微結晶シリコン系薄膜と、第2導電型を有する導電性シリコン薄膜とを備えたことを特徴とする。本実施の形態1に係る太陽電池は、第1導電型を有する結晶系シリコン基板としてn型の単結晶シリコン基板1を用い、真性の非晶質シリコン系薄膜としては真性の非晶質シリコン層(非晶質シリコンi層)21、微結晶シリコン系薄膜としては真性の微結晶シリコン層(微結晶シリコンi層)4、第2導電型を有する導電性シリコン薄膜としてはp型非晶質シリコン層(非晶質シリコンp層)22を用いた。
図1は本発明における太陽電池の実施の形態1の太陽電池を示す断面図である。本実施の形態1では、第1導電型を有する結晶系シリコン基板と、前記結晶系シリコン基板の第1の主面上に、順次積層された、真性の非晶質シリコン系薄膜と、微結晶シリコン系薄膜と、第2導電型を有する導電性シリコン薄膜とを備えたことを特徴とする。本実施の形態1に係る太陽電池は、第1導電型を有する結晶系シリコン基板としてn型の単結晶シリコン基板1を用い、真性の非晶質シリコン系薄膜としては真性の非晶質シリコン層(非晶質シリコンi層)21、微結晶シリコン系薄膜としては真性の微結晶シリコン層(微結晶シリコンi層)4、第2導電型を有する導電性シリコン薄膜としてはp型非晶質シリコン層(非晶質シリコンp層)22を用いた。
すなわち、本実施の形態1の太陽電池では、n型の単結晶シリコン基板1の第1主面1A、所謂受光面側に非晶質シリコンi層21及び微結晶シリコンi層4を挟んでp型にドープされた導電性薄膜シリコン層である非晶質シリコンp層22が形成されている。これら非晶質シリコンi層21、微結晶シリコンi層4、非晶質シリコンp層22の積層構造体を覆うように透明導電膜23が形成され、その上部に金属電極として櫛形の銀電極24が形成されている。
第2主面1B側にも同様に真性の非晶質シリコン層(非晶質シリコンi層)31を挟んで導電性薄膜シリコン層(非晶質シリコンn層)32が形成されている。こちらの場合、裏面電界効果を得るためにn型にドープされた導電性薄膜シリコン(非晶質シリコンn層)が用いられる。そしてこの非晶質シリコンn層上に透明導電膜33及び裏面銀電極(金属電極)として34を備える。
上記構成によれば、真性な非晶質シリコン層(非晶質シリコンi層)の上に微結晶シリコン層(微結晶i層)を追加することで受光面(第1主面1A)側での光吸収を増大することなく非晶質シリコン層から脱離した水素の拡散を防ぐことができる。
次に、本実施の形態における太陽電池の製造方法について説明する。図3−1〜図3−3は本実施の形態の太陽電池の製造方法を示す工程断面図である。
本実施の形態においては基板としてn型の単結晶シリコン基板1(以下基板ということもある)を用いている。基板の厚みは約200μmとした。ここで、基板としてはn型の他、p型の単結晶シリコン基板を用いることも可能ではある。しかしながら、光吸収量が多くなる受光面付近での少数キャリア移動度を高めるためには、n型単結晶シリコンを用い、受光面側に非晶質シリコンp層を形成することにより逆接合を形成することが望ましい。少数キャリア移動度は通常、正孔よりも電子のほうが高いためこのように受光面側の少数キャリアが電子となる構造とすることで損失を抑えることができる。
まず、図3−1に示すように、n型の単結晶シリコン基板1のこのn型の単結晶基板1の第1主面1Aおよび第2主面1B、両表面に対してアルカリ異方性エッチングを行うことで111結晶面が露出したテクスチャ構造を形成した(微細構造であるためテクスチャ構造は図面上表示していない)。n型の単結晶基板1は結晶方位100面のものを用いた。この時、テクスチャ構造は受光面側に形成されていることが望ましい。また本実施の形態のように裏面側での光散乱効果を考え、裏面側にもテクスチャ構造を形成することもできる。
次に図3−2に示すように、PECVD装置を用いてn型の単結晶シリコン基板1の第1主面1Aに薄膜シリコン層を形成した。基板側から順に真性な非晶質シリコン層(非晶質シリコンi層)21、微結晶シリコン層(微結晶i層)4、p型非晶質シリコン層(非晶質シリコンp層)22を製膜した。本実施の形態ではそれぞれ狙い膜厚を2nm、5nm、10nmとした。なおこの時の膜厚については一般的には非晶質シリコンi層21は基板へのパッシベーションを行うための最低限度の膜厚が堆積されている必要があり、また後述する水素脱離による欠陥を低減する必要がある。この観点から非晶質シリコンi層21の膜厚は、1nm以上かつ3nm以下とすることが望ましい。非晶質シリコンi層21の膜厚が1nmに満たないと、非晶質シリコンi層21に含まれる過剰な膜中水素によって基板表面の欠陥準位をパッシベートし欠陥を低減することが難しい。一方で、非晶質シリコンi層21の膜厚が3nmを越えると、過剰に含まれる膜中水素の影響により特性が劣化するおそれがある。
また微結晶i層4については光吸収損失を防ぎかつ非晶質シリコンi層21からの水素拡散、非晶質シリコンp層22からのドーパント拡散を防ぐため3nmから8nmの膜厚範囲にあることが望ましい。微結晶シリコンi層4の膜厚が3nmに満たないと、拡散防止効果が十分でなく、非晶質シリコンi層21からの水素拡散、非晶質シリコンp層22からのドーパント拡散を防ぐことが困難である。また微結晶シリコンi層4の膜厚が8nmを越えると、光吸収損失が増大する。
このように、真性な非晶質シリコン系薄膜層としては、1nm以上3nm以下の膜厚で形成するのが望ましく、微結晶シリコン系薄膜層は3nm以上の膜厚を持つようにするのが望ましい。この構成により、水素過多となる非晶質シリコン層の膜厚を減らし、かつ微結晶シリコン薄膜が十分水素拡散、あるいはp層側からのドーパント拡散に対する障壁として作用するものとなる。
なお本実施の形態における製膜条件は非晶質シリコンi層21の場合、材料ガスとしてシラン、水素をそれぞれ50sccm、300sccm、圧力150Pa、RF出力を20mW毎平方cm、また微結晶シリコンi層4においてはシラン、水素をそれぞれ10sccm、1000sccm、圧力800Pa、RF出力を200mWcm-2、最後に非晶質シリコンp層22においてはシラン、水素、及びp型ドーパントであるホウ素の添加用にジボランをそれぞれ10sccm、100sccm、40sccm、圧力150Pa、RF出力を200mWcm-2とした。なお製膜温度は全層共通で150℃とした。またここで用いたジボランは水素によって200倍に希釈されたものを用いている。製膜条件についてはこれに限定されるものではなく環境に応じて適宜変更が可能である。また非晶質シリコンp層22、非晶質シリコンi層21としてはシリコンに限定されることなく、バンドギャップを制御するために、非晶質炭化シリコン、非晶質窒化シリコン、非晶質酸化シリコンなどを用いてもよい。ここで非晶質シリコンi層21の製膜工程の途中で、シランに対する水素の流量比をあげ、製膜室の圧力を高めることによって、微結晶シリコンi層4が形成される。したがって製膜室内で真空を破ることなく、きわめて容易に製膜することができる。
その後、図3−3に示すように、PECVD装置を用いてn型単結晶シリコン基板1の第2主面1B側の製膜を行った。こちら側については、非晶質シリコンi層31を5nm堆積し、n型非晶質シリコン層(以下非晶質シリコンn層ということもある)32を10nm堆積した。製膜条件は非晶質シリコンi層の場合、材料ガスとしてシラン、水素をそれぞれ50sccm、300sccm、非晶質シリコンn層の場合、材料ガスとしてシラン、水素、及びn型ドーパントであるリンの添加用にフォスフィンをそれぞれ10sccm、100sccm、20sccm用いた。共通条件として製膜圧力は150Pa、製膜温度は150℃、RF出力は20mWcm-2とした。またここで用いたフォスフィンは、水素によって100倍に希釈されたものである。製膜条件についてはこれに限定されるものではなく環境に応じて適宜変更が可能である。また第1主面1A側と同様に非晶質シリコンi層31に対して非晶質酸化シリコン、非晶質炭化シリコン、非晶質窒化シリコンなどの非晶質シリコン系合金を用いたり、非晶質シリコンn層32に対してこれら非晶質シリコン系合金や微結晶シリコン及びその合金を用いたりしてバンドギャップの制御を行うことも可能である。
次にスパッタリング装置を用いて基板1の両全面に酸化インジウムからなる透明導電膜23、33を形成した。厚さは両面ともに80nmとした。透明導電膜としては酸化インジウム以外にも、ITOや酸化亜鉛などを用いることもできる。
最後に第1主面1A側にグリッド状の櫛形銀電極24を、第2主面1B側の全面に銀電極34を印刷、形成し、図1に示した太陽電池を作成した。なお櫛形銀電極24の幅は200μmとし、電極間の距離は2mmとした。
本実施の形態で作製された太陽電池によると、熱や光刺激により受光面側に積層された非晶質シリコンi層21から水素が遊離し拡散をするが、この水素は非晶質シリコンi層21の上部に積層された真性の微結晶シリコン層(微結晶シリコンi層)4で捕獲され非晶質シリコンp層22への侵入を防ぐことができる。またi層の大部分を微結晶シリコン層が占めることで遊離、拡散する水素量自体を低減することができる。
なおここで言う微結晶シリコンとは、ラマン分光測定により膜中の結晶シリコン、非晶質シリコンのピーク強度比が4.0を超えるものを指す。もしくは膜中水素量が7%未満となっている膜を指す。なお膜中水素量については赤外分光法(FTIR)や中エネルギーイオンビーム分析(ERDA)などから定量することができる。なおここで言う微結晶シリコンは波長400nmの光の吸収係数が105cm-1以下となっており、一般的な非晶質シリコンと比べて1桁程度光吸収係数が小さい。このため本実施例で用いられる拡散防止層においては光吸収損失をほとんど無視することができる。
なお、微結晶シリコン系薄膜層は膜中の結晶成分が50%以上のものを用いるのが望ましい。膜中の結晶成分が50%以上となるようにしたとき、微結晶シリコンは波長400nmの光の吸収係数が105cm-1以下となっている。これにより、膜中に多くの結晶成分を含むことで光透過性を十分に高めることができる。非晶質シリコンにわずかに結晶成分を含むような膜の場合は、バンドギャップが調整される程度で十分な透過性を得ることができない。
図2は実施の形態1における太陽電池の第1主面1A側におけるバンド構造を示している。一応非晶質シリコンi層21によってエネルギー障壁が形成されていることがわかる。
また本実施の形態では、真性の非晶質シリコン系薄膜を形成する工程後、第2導電型を有する導電性シリコン薄膜を形成する工程に先立ち、真性の微結晶シリコン系薄膜を形成する工程を実行するのみで、特別な装置を必要とすることなく、容易に光吸収損失が少なく、高効率の太陽電池を製造することが可能である。
さらにまた、真性の非晶質シリコン系薄膜を形成する工程および真性の微結晶シリコン系薄膜を形成する工程は、シランと水素を原料ガスとするCVD工程を用いている。このとき、真性の非晶質シリコン系薄膜を形成する工程後に、製膜室を開放することなく、水素の流量比を高めるとともに製膜圧力を高め、製膜するのみで、真性の微結晶シリコン系薄膜を形成することができるため、極めて容易に信頼性の高い太陽電池を製造することが可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1では受光面側つまり基板1の第1主面1A側の非晶質シリコンi層21の上部に微結晶シリコンi層4を積層した。これに対し、本実施の形態では図4に断面図を示すように、微結晶シリコンi層4に代えて、微結晶酸化シリコンi層14を用いたことを特徴とする。他の構成については前記実施の形態1の太陽電池と同様であるので、ここでは説明を省略する。
実施の形態1では受光面側つまり基板1の第1主面1A側の非晶質シリコンi層21の上部に微結晶シリコンi層4を積層した。これに対し、本実施の形態では図4に断面図を示すように、微結晶シリコンi層4に代えて、微結晶酸化シリコンi層14を用いたことを特徴とする。他の構成については前記実施の形態1の太陽電池と同様であるので、ここでは説明を省略する。
微結晶シリコンi層は、非晶質シリコンi層からの水素拡散、非晶質シリコンp層からのドーパント拡散を防ぐことができ、拡散防止効果を持つ層として優れている。しかしながら微結晶シリコンは電子親和力が大きいという問題がある。比較のために、図8に比較例の太陽電池の断面図、図9に同バンド構造を示した。本実施の形態1の太陽電池の構成によれば、非晶質シリコンi層21と非晶質シリコンp層22との間に微結晶シリコン層4が形成されている。そして図2に実施の形態1における太陽電池の第1主面1A側におけるバンド構造を示した。この構造では結晶シリコンと微結晶シリコン層との電子親和力が4.05eVと等しくなるため、本来非晶質シリコンによって作られていたエネルギー障壁を電子がすり抜けてしまうおそれがある。そこで本実施の形態では微結晶シリコンi層4の製膜時、製膜ガスに二酸化炭素を加え、微結晶シリコンに酸素を添加した微結晶酸化シリコンを導入した。
図5は本実施の形態の太陽電池の場合のバンド図である。本実施の形態では、真性の微結晶シリコン層(微結晶シリコンi層)4に代えて真性の微結晶酸化シリコン層14を導入したものである。微結晶酸化シリコンは微結晶シリコンと比較して電子親和力が小さくなるため本問題を解決できるほか、バンドギャップも広くなりより光吸収損失を低減できる。なお本形態では微結晶酸化シリコンを用いたが電子親和力の小さい微結晶ワイドバンドギャップシリコン化合物、例えば微結晶炭化シリコンなどを用いても良い。この時電子親和力は4.05eV未満となっていることが必要である。特に電子に対する障壁として十分な効果を発揮するためには、シリコン基板に対して0.1eV以上電子親和力に差があること、すなわち3.95eV以下になっていることが望ましい。
以上のように、微結晶シリコン化合物の電子親和力が4.05eV未満とするのが望ましい。電子親和力が結晶シリコンより小さくなることで結晶基板側からp層側に対して電子が流入してくる確率を低減することができる。
このように本実施の形態によれば、微結晶酸化シリコン層14を用いたことで微結晶層の電子親和力が結晶シリコンより小さくなることで、結晶基板側からp層側に対して電子が流入してくる確率を低減することができる。
なお、水素拡散防止層として、膜中に炭素あるいは酸素、窒素を含む微結晶シリコン化合物を用いることで、さらにバンドギャップが広がり、更なる光吸収損失の抑制をはかることができる。また、隣接する非晶質シリコン層とのバンドギャップ差を減らし界面抵抗を低減することが可能である。
実施の形態3.
ヘテロ接合太陽電池においてはより電界強度を高めるためにp層には非晶質シリコンを用いている。しかしながら微結晶シリコンをi層に導入する場合、図2に示したバンド構造図のように非晶質シリコンp層22と微結晶シリコンi層4との間で伝導帯準位Ecの差による正孔障壁が形成される。そこで本実施の形態ではp層の製膜初期部分を微結晶シリコンとしp層を2層構造とすることで問題を解決しさらに効率の向上をはかるものである。
ヘテロ接合太陽電池においてはより電界強度を高めるためにp層には非晶質シリコンを用いている。しかしながら微結晶シリコンをi層に導入する場合、図2に示したバンド構造図のように非晶質シリコンp層22と微結晶シリコンi層4との間で伝導帯準位Ecの差による正孔障壁が形成される。そこで本実施の形態ではp層の製膜初期部分を微結晶シリコンとしp層を2層構造とすることで問題を解決しさらに効率の向上をはかるものである。
図6に本実施の形態の太陽電池の断面図を示す。本実施の形態ではn型の単結晶シリコン基板1の第1主面1Aに真性な非晶質シリコン層(非晶質i層)21、微結晶シリコン層4を積層した後、p型微結晶シリコン層(微結晶シリコンp層)2を形成する。その後非晶質シリコンp層(非晶質シリコンp層)22を積層する。この時の膜厚は微結晶シリコンp層2を5nm、非晶質シリコンp層22を5nmとしたが、膜厚設定はこの限りではない。微結晶シリコンp層2および非晶質シリコンp層22の2層構造からなるp層での光吸収損失と電界強度の維持を考えて適宜変更可能である。なお非晶質シリコンp層22については光吸収損失を無視することができるため、光吸収損失という観点からは特に膜厚制限はない。
この構造により図7にバンド構造図を示すようにホールがp層とi層との界面で蓄積されることなく流れていくためp層とi層との界面での再結合損失を低減することができる。
以上のように本実施の形態の太陽電池によれば、p層を微結晶シリコンp層2および非晶質シリコンp層22の2層構造とすることで、p層と水素拡散抑制層である微結晶シリコン層4とのバンドギャップ差をなくすことで界面での再結合損失を抑えることができる。
以上のように、本発明にかかる太陽電池およびその製造方法は、光吸収損失の低減と変換効率の向上に有用であり、特に、非晶質半導体薄膜を用いた単結晶ヘテロ接合太陽電池に適している。
1 n型単結晶シリコン基板、2 p型微結晶シリコン層(微結晶シリコンp層)、4 真性微結晶シリコン層(微結晶シリコンi層)、14 真性微結晶酸化シリコン層(微結晶酸化シリコンi層)、21 真性非晶質シリコン層(非晶質シリコンi層)、22 p型非晶質シリコン層(非晶質シリコンp層)、23 透明導電膜、24 銀電極、31 真性非晶質シリコン層(非晶質シリコンi層)、32 n型非晶質シリコン層(非晶質シリコンn層)、33 透明導電膜、34 裏面銀電極。
Claims (9)
- 第1導電型を有する結晶系シリコン基板と、
前記結晶系シリコン基板の第1の主面上に、順次積層された、真性の非晶質シリコン系薄膜と、微結晶シリコン系薄膜と、第2導電型を有する導電性シリコン薄膜とを備えたことを特徴とする太陽電池。 - 前記微結晶シリコン系薄膜は、炭素あるいは酸素、窒素を含む微結晶シリコン化合物で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
- 前記真性の非晶質シリコン系薄膜の膜厚は1nm以上3nm以下であり、
前記微結晶シリコン系薄膜の膜厚は3nm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。 - 前記微結晶シリコン系薄膜は、膜中の結晶成分が50%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池。
- 前記微結晶シリコン系薄膜は、膜中水素量が7%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池。
- 前記微結晶シリコン化合物の電子親和力が4.05eV未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池。
- 前記第2導電型のシリコン系薄膜層は、
前記結晶系シリコン基板側を微結晶シリコン系薄膜、透明導電膜側を非晶質シリコン系薄膜とした2層構造で構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池。 - 第1導電型を有する結晶系シリコン基板の第1の主面上に、真性の非晶質シリコン系薄膜を形成する工程と、
第2導電型を有する導電性シリコン薄膜を形成する工程とを順次実行し、太陽電池を製造する方法であって、
前記真性の非晶質シリコン系薄膜を形成する工程後、前記第2導電型を有する導電性シリコン薄膜を形成する工程に先立ち、真性の微結晶シリコン系薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。 - 前記真性の非晶質シリコン系薄膜を形成する工程および前記真性の微結晶シリコン系薄膜を形成する工程は、シランと水素を原料ガスとするCVD工程であり、
前記真性の微結晶シリコン系薄膜を形成する工程は、前記真性の非晶質シリコン系薄膜を形成する工程後に、水素の流量比を高めるとともに製膜圧力を高め、製膜する工程であることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池の製造方法。
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