以下、本発明に係る貫通孔閉塞ユニットにつき、それを備えるガス式漏洩検査装置との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態では、ミッション部品として組み立てられる前のケース部材につき漏洩検査を行う場合を例示する。
図1は、本実施の形態に係るガス式漏洩検査装置10を簡略的に示した全体概略正面図である。このガス式漏洩検査装置10は、載置台12と隔壁部材14とで形成されるチャンバ16を有し、該チャンバ16内にワークとしてのケース部材18を収容する。
ここで、ミッション部品は、周知の通り、ケース部材18をはじめとする複数個のケース部材同士が連結されることによって構成されるものであり、トランスミッション及び潤滑油を収容するための内部空間を有する。従って、ケース部材18には、ミッション部品として組み立てられた際に前記内部空間を形成するための中空室20(内室)が存在する。ガス式漏洩検査装置10は、ケース部材18の中空室20から底壁、側壁、又は天井壁を介して検査ガスが漏洩した場合、これを検知するものである。
ケース部材18の底壁には、例えば、別のケース部材を連結するための開口22が貫通形成される。また、該底壁や側壁、天井壁には、特開2005−181207号公報に記載されるように、潤滑油圧検出孔、ドリブンプーリ油圧検出孔、後進用ブレーキ油圧検出孔、前進用クラッチ油圧検出孔、ドライブプーリ油圧検出孔等が、中空室20が大気に連通するようにして形成される。以下、これらの孔を特に区別せず、底壁に形成された貫通孔、側壁に形成された貫通孔、天井壁に形成された貫通孔を、それぞれ、「底壁貫通孔」、「側壁貫通孔」、「天井壁貫通孔」と指称するとともに、側壁貫通孔、天井壁貫通孔の各参照符号を24、25とする。なお、底壁貫通孔は図示していない。
側壁貫通孔24には、後述するように、開口径や開口形状、深さ等が相違する様々なものが存在するが、ここでは、側壁貫通孔24の位置の理解を容易にするため、開口径や開口形状、深さ等の相違に関わらず、代表的に参照符号24を付している。
ガス式漏洩検査装置10は、図2に示すように、作業ステーションの床上に設置される基台26を有する。この基台26は、第1支持台28、第2支持台30及び第3支持台32(図1参照)を有し、この中の第1支持台28には、載置台変位手段としての第1シリンダ34(図2参照)が支持される。この第1シリンダ34を構成する第1ロッド36は、第2支持台30に変位自在に設けられた載置台12の下端面に対し、連結ブラケット38を介して連結される。
図2に概略を示すように、第2支持台30の上端面には、2本の案内レール40a、40bが互いに平行に延在して設けられる。案内レール40a、40bの各々にはスライダ42が摺動自在に係合されるとともに、このスライダ42に前記載置台12が橋架される。従って、載置台12は、第1ロッド36が前進又は後退することに伴って、スライダ42とともに案内レール40a、40bの延在方向に沿って変位する。
載置台12の上端面には、その概略平面図である図3に示すように、ケース部材18の底壁に形成された開口22の形状に対応する形状の第1環状溝44が形成される。この第1環状溝44には、中空室20に導入された検査ガスが開口22から漏洩することを防止するための第1シール部材46が収容される。また、載置台12の上端面には、底壁貫通孔を閉塞するためのプラグ48が複数個設けられるとともに、ケース部材18を堰止して位置決め固定するための複数個のストッパ50が取り外し可能に設けられる。従って、ケース部材18は、その側壁がストッパ50に堰止されることで位置決め固定される。
図1の要部拡大図である図4に示すように、載置台12には、その厚み方向に沿って、排気用孔52、検査ガス導入孔54及び検査ガス回収孔55が貫通形成される(図1参照)。載置台12上にケース部材18が位置決め固定された際、ケース部材18の中空室20は、これら排気用孔52、検査ガス導入孔54及び検査ガス回収孔55に連通する位置となる。
中空室20には、中子56が収容される。この中子56が存在することにより、中空室20の空間容積が低減する。従って、中空室20から排気すべきガス、及び中空室20に導入する検査ガスの量を低減することができる。
中子56は、中空室20に収容することが可能な寸法であり、且つ検査ガスを吸着ないし吸収しない物体であればよく、特に限定されるものではないが、鉄塊等のバルク体が好適な例として挙げられる。
排気用孔52には、第1クリーンポンプ58が接続された第1排気用配管60が挿入される。また、検査ガス導入孔54及び検査ガス回収孔55には、それぞれ、図示しない検査ガス供給手段に個別に接続された検査ガス導入用配管62、検査ガス回収用配管63が挿入される。
なお、検査ガスとしては、ガス式漏洩検査で一般的に用いられるヘリウムや水素、アルゴン等を採用すればよいが、極少量の漏洩を検出することが求められるような場合、換言すれば、高精度に検出を行うような場合には、ヘリウムが好適である。アルゴンは直径が大きく、微細な割れからは漏洩することが容易でない(すなわち、微細な割れが存在することを検出することが容易ではない)のに対し、ヘリウムは直径が小さいために微細な割れからも漏洩するので、該割れが存在することを検出することが可能であるからである。しかも、後述するように、検査に使用したヘリウムを回収して再利用することも可能である。なお、ヘリウムを供給し得る手段としては、ボンベが挙げられる。
載置台12には、基準ガス導入孔64も厚み方向に沿って貫通形成される。この基準ガス導入孔64は、ケース部材18の中空室20に連通せず、チャンバ16内に連通する位置に形成されている。また、基準ガス導入孔64に挿入された基準ガス導入用配管66の一端には図示しない基準ガス供給手段が接続され、中空室20に臨む残余の一端にはリークマスタ68が接続される。リークマスタ68は、載置台12の上方に配置され、ケース部材18とともにチャンバ16に収容される。
このリークマスタ68は、基準ガスを、予め決定された所定のリーク量でチャンバ16に排出するように調整されている。
基準ガス供給手段は、基準ガス導入用配管66及びチャンバ16を介して基準ガスをモニタスペース69(後述)に供給するためのものであり、その具体例としてはボンベが挙げられる。なお、基準ガスには、検査ガスと同一のガスを用いる。すなわち、検査ガスとしてヘリウムを用いる場合、基準ガスもヘリウムである。
基準ガス導入用配管66からは、第2排気用配管70が分岐して設けられる。この第2排気用配管70は、第1排気用配管60と合流して前記第1クリーンポンプ58に接続される。この接続ラインには、圧力センサ71が設けられる。
以上の構成において、第1排気用配管60、検査ガス導入用配管62、基準ガス導入用配管66及び第2排気用配管70には、第1バルブ72、第2バルブ74、第3バルブ76及び第4バルブ78がそれぞれ介装される。同様に、検査ガス回収用配管63には、第5バルブ79が設けられる。
載置台12の上端面には、さらに、ケース部材18を囲繞するようにして4本の支柱80a〜80d(支持部材)が立設される。
これら支柱80a〜80dとしては、高さ方向寸法が種々相違するものが予め用意されており、その中から、漏洩検査を行うケース部材18の高さ方向寸法と同一寸法のものが載置台12に取り付けられる。すなわち、任意のケース部材18に対して漏洩検査を行った後、このケース部材18と高さ方向寸法が相違する別のケース部材に対して漏洩検査を行うときには、支柱80a〜80dが載置台12から取り外された後、該別のケース部材の高さ方向寸法と同一寸法の支柱80a〜80dが載置台12に取り付けられる。
ケース部材18は、チャンバ16内において、上記したように構成される載置台12と、挟持盤82とで挟持される。この挟持盤82は、ケース部材18に当接するシール用部材84と、下端面に該シール用部材84が取り付けられ、且つ該シール用部材84に比して幅広な支持盤86とを有する。
この中、シール用部材84におけるケース部材18に臨む下端面には、図5に示すように、ケース部材18の天井壁に形成された比較的大径の天井壁貫通孔25の形状に対応する形状の第2環状溝88が形成される。この第2環状溝88には、検査ガスが前記天井壁貫通孔25から漏洩することを防止するための第2シール部材90が収容される。また、この端面には、小径な天井壁貫通孔25を閉塞するためのプラグ92が複数個設けられる。
一方の支持盤86の幅方向隅部には、図1に示すように、第1ファン94(撹拌手段)がそれぞれ設けられる。これらの第1ファン94は、チャンバ16内、特にモニタスペース69内のガスを撹拌するためのものである。各第1ファン94は鉛直方向に臨んでおり、従って、第1ファン94は、モニタスペース69内のガスに対し、鉛直方向に沿う対流を起こさせる。すなわち、モニタスペース69内のガスは、第1ファン94の作用下に、該モニタスペース69内で上昇と下降を繰り返す。
支持盤86には、第1ファン94と別の位置に複数個のブラケット96が設けられる。そして、各ブラケット96には、閉塞部材変位手段としての第2シリンダ98を含む貫通孔閉塞ユニット100が設けられる。ここで、参照符号102は、第2シリンダ98を構成する第2ロッドを示す。
なお、貫通孔閉塞ユニット100には、後述するように、側壁貫通孔24の開口径や開口形状、深さ等の相違に対応して複数種が存在するが、ここでは、貫通孔閉塞ユニット100の位置の理解を容易にするため、代表的に参照符号100を付している。貫通孔閉塞ユニット100の構成、及びユニット間の相違については、後に詳述する。
支持盤86の上端面には、第3シリンダ104(挟持盤変位機構)を構成する第3ロッド106が連結される。この第3ロッド106が前進(下降)又は後退(上昇)することに追従し、挟持盤82がケース部材18に対して接近又は離間する方向に変位する。
チャンバ16を構成する隔壁部材14の底面には、第3シール部材108が貼付される。この第3シール部材108は、載置台12と隔壁部材14との間をシールする。
支持盤86と隔壁部材14の天井壁との間に画成される空間に存在するガスは、サンプリングガスとしてチャンバ16外に導出される。前記モニタスペース69は、サンプリングガスが得られる当該空間を指称しており、以下においても同様である。
また、隔壁部材14の左側面上方及び右側面下方には、撹拌手段である第2ファン110がそれぞれ設けられる。各第2ファン110は水平方向に臨んでおり、このため、第2ファン110は、モニタスペース69内のガスに対し、水平方向に沿う対流を起こさせる。換言すれば、モニタスペース69内には、第1ファン94の作用下に上昇と下降を繰り返す流れが生じる一方、第2ファン110の作用下に左方から右方又はその逆方向に移動する流れが生じる。
隔壁部材14の左側面上方には、第1循環用孔112及び第2循環用孔114が形成され、これら第1循環用孔112及び第2循環用孔114の各々には、図1に示すように、循環用配管116(循環流通路)を構成する往路配管118及び復路配管120が挿入される。なお、本実施の形態では、第1循環用孔112からサンプリングライン121に至るまでを往路配管118とするとともに、サンプリングライン121から第2循環用孔114に至るまでを復路配管120とする。ここで、サンプリングライン121は、循環用配管116から分岐するようにして設けられている。
サンプリングライン121は、漏洩検査ガス検出手段としてのディテクタ122の入口接続継手に接続される。なお、往路配管118には吸気ポンプ123及び第1電磁弁124が介装されており、この中の第1電磁弁124が切り替えられることに伴い、往路配管118又はプローブ用配管126のいずれかが選択的に開放ないし閉塞される。これにより、往路配管118内のガス、又はプローブ用配管126内のガスのいずれか一方が、選択的にディテクタ122に導かれる。
プローブ用配管126の先端には、手動で走査されるプローブ128が接続される。また、ディテクタ122の出口接続継手には、サンプリングガス排出管129が接続される。
一方、復路配管120には第2電磁弁130が介装されている。この第2電磁弁130が切り替えられることに伴い、復路配管120又はラインクリーニング用配管132のいずれかが選択的に開放ないし閉塞される。これにより、復路配管120内のガスがモニタスペース69、又は前記ラインクリーニング用配管132に接続された第2クリーンポンプ134のいずれかに選択的に導かれる。
また、隔壁部材14の右側面上方には、クリーニング用孔136が貫通形成される。このクリーニング用孔136には、二方バルブ138が介装されたチャンバクリーニング用配管140が接続される。このチャンバクリーニング用配管140と、前記第1クリーンポンプ58に接続された出口配管142は、前記第2クリーンポンプ134に接続される。すなわち、第2クリーンポンプ134には、ラインクリーニング用配管132、チャンバクリーニング用配管140及び出口配管142が接続されている。
隔壁部材14の側壁と天井壁の境界には、湾曲部144が形成される。換言すれば、隔壁部材14の内方の隅部は湾曲されている。
さらに、隔壁部材14の天井壁には、挿通孔146が貫通形成される。前記第3ロッド106は、この挿通孔146に通されて支持盤86の上端面に連結されている。勿論、挿通孔146の内壁と第3ロッド106の側壁との間は、シール部材(図示せず)によってシールされる。
前記天井壁の外方上端面には、第4シリンダ148(隔壁部材変位機構)を構成する第4ロッド150が連結される。隔壁部材14は、これら第4ロッド150が前進(下降)又は後退(上昇)することに追従し、載置台12に対して接近又は離間する方向に変位する。勿論、第4ロッド150は、互いに同期して下降又は上昇する。
以上の構成において、第3シリンダ104及び第4シリンダ148は、基台26の前記第3支持台32に支持される(図2参照)。また、圧力センサ71及びディテクタ122は、それぞれ、信号線152、154を介して制御回路156に電気的に接続される。
前記貫通孔閉塞ユニット100について詳述する。図6は、貫通孔閉塞ユニット100の1種である貫通孔閉塞ユニット100aの概略側面断面図である。この図6に示すように、該貫通孔閉塞ユニット100aは、前記第2シリンダ98(閉塞部材変位手段)と、この第2シリンダ98の作用下に一体的に変位する閉塞部材160a及び保持部材162aとを有する。なお、図6中の参照符号24aは側壁貫通孔24の1種であり、この場合、その直径方向断面が単純な円形状をなす貫通孔である。
上記したように第2シリンダ98は第2ロッド102を有し、この第2ロッド102が前進又は後退することにより、閉塞部材160a及び保持部材162aが側壁貫通孔24aに対して接近又は離間する方向に変位する。
第2ロッド102には、その先端にネジ部164が形成される。一方、保持部材162aの内周壁にもネジ部166が形成され、このネジ部166に前記ネジ部164が螺合されることにより、保持部材162aが第2ロッド102を介して第2シリンダ98に保持される。
閉塞部材160aは、凸部からなる第1係合部168aが一端部に設けられた本体170aを有する。第1係合部168aの周壁には、該周壁を周回するようにしてボール溝172が形成される。
本体170aの他端部は、第1係合部168aに比して大径に設定され、側壁貫通孔24aを閉塞する閉塞部を構成する。この閉塞部には、段部174を有する段付ネジ穴176が形成される。
段付ネジ穴176には、閉塞体178aが挿入される。すなわち、閉塞体178aは、胴部180aと、該胴部180aに比して大径な頭部182aとを有し、胴部180aの端部周壁にはネジ部が形成される。このネジ部が前記段付ネジ穴176のネジ部に螺合されることにより、閉塞体178aが本体170aに保持される。この際、閉塞体178aの頭部182aの端面と閉塞部の端面とが面一となる。
頭部182aには、六角レンチを差し込むための差込穴184が形成される。この差込穴184に差し込んだ六角レンチを回動することにより、閉塞体178aを段付ネジ穴176に対して螺合したり、又は螺合を解除したりすることができる。
頭部182aの側周壁と、段部174の内周壁との間は若干離間し、このために環状クリアランスが形成される。この環状クリアランスには、Oリング186が挿入される。
閉塞部材160aの位置は、側壁貫通孔24aの位置に対応する。従って、閉塞部材160aは、第2シリンダ98の作用下に、側壁貫通孔24aに接近して該側壁貫通孔24aを閉塞すること、及び側壁貫通孔24aから離脱して該側壁貫通孔24aを開放することが可能である。
一方、保持部材162aには、閉塞部材160aの第1係合部168aを挿入・係合するための凹部からなる第2係合部188aが形成される。また、この保持部材162aの外周壁には、ロックボール190と、該ロックボール190を囲繞するスリーブ192とを有するロック機構が設けられる。スリーブ192は、コイルスプリング194によって閉塞部材160a側に指向して弾発付勢される。
スリーブ192の内周壁には、ロックボール190をボール溝172から離脱可能とするための離脱用溝196が周回形成される。スリーブ192が第2ロッド102側に引っ張られると、ロックボール190の一部が前記ボール溝172から離脱するとともに、別の一部が離脱用溝196に進入する。
保持部材162aには、その直径方向に沿って、ロックボール190を通すためのテーパー形状の送り穴198が貫通形成される。第1係合部168aが第2係合部188aに挿入されているとき、スリーブ192を把持して第2ロッド102側に引っ張ると、ボール溝172、送り穴198及び離脱用溝196の位置が一致する。このため、ロックボール190がスリーブ192の拘束から解放される。その結果、上記したようにロックボール190のボール溝172に進入していた部位が該ボール溝172から離脱し、一方、離脱用溝196に臨む部位が該離脱用溝196に進入する。これにより、閉塞部材160aが保持部材162aから離脱可能となる。
なお、コイルスプリング194に弾発付勢されたスリーブ192は、保持部材162aの外周壁に設けられた環状ストッパ200によって堰止される。
上記したように、側壁貫通孔24には、側壁貫通孔24aをはじめとし、開口径や開口形状、深さ等が相違する様々なものが存在する。その別の一例は、図7に示すようにテーパー形状の面取り部202が形成され、深さ方向寸法が比較的小さい側壁貫通孔24bである。この側壁貫通孔24bは、保持部材162bと閉塞部材160bを有する貫通孔閉塞ユニット100bによって閉塞される。
この貫通孔閉塞ユニット100bにつき説明する。なお、貫通孔閉塞ユニット100bにおいて、上記貫通孔閉塞ユニット100aの構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
閉塞部材160bは、凸部からなり且つ周壁にボール溝172が形成された第1係合部168bが一端部に設けられた本体170bを有する。該本体170bの他端部先端には、係合用凹部204が陥没形成される。
係合用凹部204には、円柱形状をなす胴部180bと、テーパー状に縮径する頭部182bとで概略傘形状をなす閉塞体178bの前記胴部180bが圧入される。ここで、胴部180bには、その直径方向に沿って第1ピン挿通孔206が形成され、一方、本体170bには、係合用凹部204の内周壁から外周壁にわたり、大気に連通するように第2ピン挿通孔208が貫通形成される。互いに連なった第1ピン挿通孔206及び第2ピン挿通孔208には、連結ピン210が通される。これにより、閉塞体178bが本体170bに取り付けられる。連結ピン210は、Oリング212が装着されることによって抜け止めがなされる。
以上から諒解されるように、閉塞体178bは、Oリング212を取り外した後、第1ピン挿通孔206及び第2ピン挿通孔208から連結ピン210を抜くことによって、本体170bから容易に解放される。
閉塞体178bの頭部182bは、上記したようにテーパー状に縮径する。このテーパー角度は、面取り部202のテーパー角度に対応する。従って、閉塞部材160bが側壁貫通孔24bに接近したとき、頭部182bは、面取り部202を閉塞する。
ここで、閉塞体178bは弾性材からなる。従って、頭部182bが面取り部202に比して多少大径であっても、頭部182bが容易に圧縮される。このため、面取り部202を閉塞することが容易である。
弾性材は、シール性及び耐摩耗性に優れるものであれば特に限定されるものではないが、その好適な例としては、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエン3元共重合体(EPDM)ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、ポリテトラフルオロエチレンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム等が挙げられる。勿論、この中の2種以上を混合したものであってもよい。
保持部材162bには、閉塞部材160bの第1係合部168bを挿入・係合するための凹部からなる第2係合部188bが形成される。また、上記と同様に、保持部材162bの外周壁には、ロックボール190と、該ロックボール190を囲繞するとともにコイルスプリング194によって閉塞部材160b側に指向して弾発付勢されるスリーブ192とを有するロック機構が設けられる。さらに、スリーブ192の内周壁には、スリーブ192が第2ロッド102側に引っ張られるまでロックボール190を保持するための離脱用溝196が周回形成される。
すなわち、第1係合部168bを第2係合部188bに挿入した後、スリーブ192を把持して第2ロッド102側に引っ張ると、ロックボール190が第2ロッド102側に移動し、送り穴198を通過して第1係合部168bのボール溝172に進入する。この状態でスリーブ192を解放すると、該スリーブ192がコイルスプリング194によって弾発付勢されて元の位置に戻る。これにより送り穴198が閉塞され、ロックボール190が位置決め固定される。コイルスプリング194に弾発付勢されたスリーブ192は、保持部材162bの外周壁に設けられた環状ストッパ200によって堰止される。
側壁貫通孔24の別の一例は、図8に示すようにテーパー形状の面取り部202が形成され、深さ方向寸法が比較的大きい側壁貫通孔24cである。この側壁貫通孔24cは、保持部材162cと閉塞部材160cを有する貫通孔閉塞ユニット100cによって閉塞される。
この貫通孔閉塞ユニット100cにつき説明する。なお、貫通孔閉塞ユニット100cにおいて、上記貫通孔閉塞ユニット100a、100bの構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
閉塞部材160cは、凸部からなり且つ周壁にボール溝172が形成された係合部材214(第1係合部)と、本体170cと、第1閉塞体178cと、第2閉塞体178dとを有する。
係合部材214は、長手方向略中腹部にフランジ部215を有する略円柱形状体であり、前記フランジ部215を境界とした右端が保持部材162cの第2係合部188cに係合される。一方、前記フランジ部215を境界とした左端は、本体170cに陥没形成された係合用凹部216に圧入される。
本体170cの右端には、大径な堰止部218が設けられる。本体170cに通された略円環形状の前記第1閉塞体178cは、この堰止部218に堰止される。
ここで、係合部材214の左端には、その直径方向に沿って第1ピン挿通孔220が形成される。また、本体170cには、係合用凹部216の内周壁から外周壁にわたり、大気に連通するように第2ピン挿通孔222が貫通形成され、さらに、第1閉塞体178cには、その内周壁から外周壁に至るまで第3ピン挿通孔224が貫通形成される。互いに連なった第1ピン挿通孔220、第2ピン挿通孔222及び第3ピン挿通孔224には、連結ピン226が通される。これにより、係合部材214及び第1閉塞体178cが本体170cに取り付けられる。連結ピン226は、Oリング228が装着されることによって抜け止めがなされる。
本体170cの左端部先端近傍には、その外周壁を周回するようにして環状溝230が形成されるとともに、該環状溝230にOリング232が装着される。また、左端部先端面からは、円柱形状の係合用凸部234が突出形成される。該係合用凸部234には、ネジ穴236が形成される。
第2閉塞体178dには、係合用凸部234が圧入可能となるように取付凹部238が陥没形成される。また、第2閉塞体178dの外周壁と頂面との間には、テーパー傾斜面239が介在する。
第2閉塞体178dの頂面にはテーパー状陥没部が形成され、その底面には、前記ネジ穴236に連なる通過孔240が貫通形成される。通過孔240には図示しないネジが通され、該ネジは前記ネジ穴236に螺合される。これにより、第2閉塞体178dが本体170cに保持される。
すなわち、第1閉塞体178cは、Oリング228を取り外した後、第1ピン挿通孔220、第2ピン挿通孔222及び第3ピン挿通孔224から連結ピン226を抜くことにより、本体170cから容易に解放される。また、第2閉塞体178dは、前記ネジを螺回して前記ネジ穴236及び通過孔240から離脱させることにより、本体170cから容易に解放される。
ここで、第1閉塞体178c及び第2閉塞体178dは、ともに弾性材からなる。その好適な例としては、上記閉塞体178bをなす弾性材が挙げられる。
保持部材162cには、上記したように閉塞部材160cを構成する係合部材214を挿入・係合するための凹部からなる第2係合部188cが形成される。また、上記と同様に、保持部材162cの外周壁には、ロックボール190と、コイルスプリング194と、スリーブ192とを有するロック機構が設けられる。さらに、スリーブ192の内周壁には、離脱用溝196が周回形成される。
すなわち、係合部材214が第2係合部188cに挿入されているとき、スリーブ192を把持して第2ロッド102側に引っ張ると、ボール溝172、送り穴198及び離脱用溝196の位置が一致してロックボール190がスリーブ192の拘束から解放される。その結果、上記と同様にロックボール190のボール溝172に進入していた部位が該ボール溝172から離脱し、一方、離脱用溝196に臨む部位が該離脱用溝196に進入する。これにより、閉塞部材160cが保持部材162cから離脱可能となる。
ガス式漏洩検査装置10は、さらに、図9、図10の各々に示す貫通孔閉塞ユニット100d、100eを具備する。なお、図9及び図10中の参照符号102は、上記と同様に第2ロッドを示す。
貫通孔閉塞ユニット100dと貫通孔閉塞ユニット100eでは、保持部材162d、保持部材162eとの寸法、及び閉塞部材160d、閉塞部材160eとの長手方向の寸法が互いに相違する。具体的には、図11に示すように、閉塞部材160dの第1係合部168dにおいて、第2係合部188dへの挿入側前端である本体170dの左端からボール溝172の中央までの距離をL1、ボール溝172の中央から本体170dの挿入限界右端(第2係合部188dに挿入される部位の挿入側後端)までの距離をL2とすると、閉塞部材160eの第1係合部168eでは、図12に示すように、第2係合部188eへの挿入側前端である本体170eの左端からボール溝172の中央までの距離はL1’、ボール溝172の中央から本体170eの挿入限界右端(第2係合部188eに挿入される部位の挿入側後端)までの距離はL2’に設定される。ここで、L1>L1’、且つL2>L2’である。
一方、保持部材162dでは、図13に示すように、第2係合部188dの底壁から送り穴198(ロックボール190)の中心までの距離がL3、該送り穴198の中心から第2係合部188dの開口(第1係合部168dを挿入する挿入開口)までの距離がL4に設定され、保持部材162eでは、図14に示すように、第2係合部188eの底壁から送り穴198の中心までの距離がL3’、該送り穴198の中心から第2係合部188eの開口(第1係合部168eを挿入する挿入開口)までの距離がL4’に設定される。ここで、L3>L3’、且つL4>L4’である。
なお、L1≒L3であり且つL2≒L4、L1’≒L3’であり且つL2’≒L4’である。また、L3>L3’であるので、L1>L3’が成り立つ。同時に、本実施の形態では、L1>L1’であるのでL1’<L3、且つL4>L4’であるのでL2’≦L4も成立する。
上記した式(1)、(2)におけるa、b、A、BとL1〜L4、L1’〜L4’との関係につき説明すると、後述するように、保持部材162eは、閉塞部材160dを保持し得ない。従って、閉塞部材160dと保持部材162eとの間ではa=L1、b=L2、A=L3’、B=L4’であり、L1>L3’、すなわち、a>Aであるから、式(1)の関係が成立している。
一方、保持部材162dは、閉塞部材160eを保持し得ない。従って、閉塞部材160eと保持部材162dとの間では、a=L1’、b=L2’、A=L3、B=L4である。そして、上記したようにL1’<L3、L2’≦L4であるから、a<A且つb≦Bの関係を満たす。すなわち、式(2)の関係が成立している。
保持部材162d、162eには、その外周壁から第2係合部188d、188eに連通する供給孔250d、250eが形成される(図9及び図10参照)。これら供給孔250d、250eには、管継手252d、252eを介して供給管254d、254eが接続される。供給管254d、254eは、二叉に分岐し、一方の分岐管には図示しない検査ガス供給手段(ボンベ等)が接続され、残余の他方の分岐管には、図示しない排気手段(真空ポンプ等)が接続される。勿論、図示しない三方弁を操作することにより、検査ガス供給手段から供給孔250d、250eに向かって検査ガスを供給するライン、又は、排気手段の作用下に供給孔250d、250eから排気を行うラインのいずれかに切り替えることができる。
また、閉塞部材160d、160eを構成する本体170d、170eには連通孔256d、256eが形成され、閉塞体178e、178fには排出孔258d、258eが形成される。前記供給孔250d、250eは、連通孔256d、256eを介して排出孔258d、258eに連通する。さらに、本体170d、170eに形成された環状溝259d、259eには、Oリング261d、261eがそれぞれ装着される。
閉塞体178e、178fは、上記閉塞体178aと同様に、ネジ部が段付ネジ穴176のネジ部に螺合されることによって本体170d、170eに保持される。また、その頂面には、六角レンチを差し込むための差込穴184が形成される。この差込穴184に差し込んだ六角レンチを回動することにより、閉塞体178e、178fを段付ネジ穴176に対して螺合したり、又は螺合を解除したりすることができる。
閉塞体178e、178fには、その外周壁を囲繞するようにしてカバーナット260が外嵌される。カバーナット260の端面は、閉塞体178e、178fの頭部の先端面に比して突出している。このため、閉塞体178e、178fの頭部の先端面とカバーナット260の内周壁とで断面略円形状の進入用凹部262が形成される。
進入用凹部262には、側壁貫通孔が形成された図示しない円筒形状部が進入する。すなわち、閉塞体178e、178fは、円筒形状部を覆ってその側壁貫通孔を閉塞する。要するに、カバーナット260は、側壁貫通孔を閉塞するための部材である。
貫通孔閉塞ユニット100d、100eのその他の構成要素は、上記貫通孔閉塞ユニット100a、100b、100cのその他の構成要素と同一である。従って、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係るガス式漏洩検査装置10及び貫通孔閉塞ユニット100a〜100eは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき、校正方法及び漏洩検査方法との関係で説明する。
はじめに、検査ガスと同一種のガスで予め校正されたリークマスタ68を取り付ける。すなわち、リークマスタ68は、例えば、0.5cc/分で検査ガスを導出するように設定された場合、略正確に0.5cc/分で検査ガスを導出することが可能である。
また、ディテクタ122に対しても校正を行う。このために、例えば、基準ガス導入用配管66から分岐してディテクタ122に接続される配管(図示せず)を設け、ディテクタ122に基準ガスを導入するようにしてもよい。
そして、第1シリンダ34を付勢し、第1ロッド36を前進させる。これに追従し、連結ブラケット38を介して第1ロッド36に連結された載置台12が、案内レール40a、40bに案内されながら第2支持台30から引き出されて突出する。勿論、この際には、案内レール40a、40b上をスライダ42が摺動する。
次に、載置台12に対し、中子56を載置する。中子56は特に位置決め固定する必要はないが、位置決め固定するようにしてもよいことは勿論である。
その後、漏洩が起こらないことが予め確認されたケース部材18を載置台12に載置する。この載置に伴い、載置台12上に予め載置された中子56がケース部材18の中空室20に収容される。
載置台12が第2支持台30の前方に引き出されているため、ケース部材18が隔壁部材14や基台26等に干渉することが回避されるので、ケース部材18を載置台12に容易に載置することができる。特に、ケース部材18をロボットによって載置台12に載置するときには、ロボットのアームも隔壁部材14や基台26等に干渉することが回避される。このため、ロボットに対するティーチングが容易となる。
ケース部材18が載置台12に載置される際、ケース部材18に形成された開口22近傍の底壁に第1シール部材46(図3参照)が当接するとともに、ケース部材18の底壁貫通孔にプラグ48が進入する。底壁貫通孔は、最終的に、プラグ48によって閉塞される。このことと、ケース部材18の側壁がストッパ50によって堰止されることとが相俟って、ケース部材18が載置台12に位置決め固定される。
次に、第1シリンダ34(図2参照)を再付勢し、第1ロッド36を後退させる。その結果、載置台12が案内レール40a、40bに案内されながら第2支持台30に戻り、基台26に収納される。これにより、ケース部材18が隔壁部材14に対向する位置となる。
次に、第3シリンダ104を付勢し、第3ロッド106を下降させる。これに伴って下降した挟持盤82のシール用部材84は、ケース部材18の天井壁、及び4本の支柱80a〜80dの上端面に着座する。支柱80a〜80dの高さ方向寸法がケース部材18の高さ方向寸法と同一であるため、シール用部材84は、ケース部材18の天井壁と、4本の支柱80a〜80dの上端面とに対して同時に当接する。
この当接により、挟持盤82を構成する支持部材が支柱80a〜80dから支持される。このため、挟持盤82に作用する反力が分散されるので、該挟持盤82が反ることが回避される。その結果、ケース部材18の天井壁とシール用部材84との間に間隙が形成されることが回避され、両部材間のシールが保たれる。
シール用部材84がケース部材18に着座すると、ケース部材18に形成された大径な天井壁貫通孔25近傍の天井壁に第2シール部材90(図4参照)が当接するとともに、ケース部材18の小径な天井壁貫通孔25にプラグ92が進入する。すなわち、小径な天井壁貫通孔25がプラグ92によって閉塞される。
次に、支持盤86に支持された第2シリンダ98を付勢し、第2ロッド102をケース部材18に指向して前進動作させる。これにより、貫通孔閉塞ユニット100a〜100eを構成する閉塞部材160a〜160eがケース部材18の側壁貫通孔24a〜24eを閉塞する。
以下、貫通孔閉塞ユニット100a〜100eの各々につき個々説明する。
図6に示す貫通孔閉塞ユニット100aでは、保持部材162aと閉塞部材160aが一体的に変位して側壁貫通孔24aに接近する。最終的に、図6中に仮想線で示すように、閉塞部材160aを構成する閉塞体178aが側壁貫通孔24aの開口に覆い被さる。これにより、側壁貫通孔24aが閉塞される。なお、Oリング186は、側壁貫通孔24aと大気が連通することを防止するシールとなる。
また、図7に示す貫通孔閉塞ユニット100bでは、保持部材162bと閉塞部材160bが一体的に変位し、その結果、図7中に仮想線で示すように、閉塞部材160bを構成する閉塞体178bの先端部が側壁貫通孔24bに進入する。
側壁貫通孔24bの開口近傍には、面取り部202が形成されている。この面取り部202には、閉塞部材160bのテーパー形状をなす頭部182bが着座する。この着座に伴い、側壁貫通孔24bが閉塞される。
さらに、図8に示す貫通孔閉塞ユニット100cでは、保持部材162cと閉塞部材160cが一体的に変位し、その結果、図8中に仮想線で示すように、閉塞部材160cを構成する第2閉塞体178dの先端部が側壁貫通孔24cに進入する。この際、Oリング232により、側壁貫通孔24cと大気が連通することが防止される。その一方で、面取り部202の近傍には、第1閉塞体178cの先端面が覆い被さる。以上により、側壁貫通孔24cが閉塞される。
そして、図9、図10のそれぞれに示す貫通孔閉塞ユニット100d、100eにおいては、保持部材162d、162eと閉塞体178e、178fが一体的に変位する。その結果、各々の頭部の先端面とカバーナット260の内周壁とで形成される進入用凹部262に、側壁貫通孔が形成された円筒形状部が進入する。これにより、閉塞体178e、178fが円筒形状部を覆ってその側壁貫通孔を閉塞する。
以上のように、本実施の形態では、側壁貫通孔24の形状に対応し、閉塞部材160a〜160eの中で適切な形状であるものが選定されている。このため、全ての側壁貫通孔24が確実に閉塞される。
以上によりケース部材18の開口22・貫通孔の全てがシールされ、中空室20が大気に対して遮断されて気密状態となる。
次に、第4シリンダ148を同期して付勢し、第4ロッド150を同時に下降させる。これに追従して隔壁部材14が下降し、最終的に、その底壁が載置台12の上端面に着座する。これにより、チャンバ16が形成される。隔壁部材14の底壁と載置台12の上端面の間は、第3シール部材108によってシールされる。
次に、ガス式漏洩検査装置10の零点補正(校正)を行う。具体的には、第1ファン94及び第2ファン110を付勢し、モニタスペース69内のガスに、左方から右方又はその逆方向に移動する流れと、上方から下方又はその逆方向に移動する流れとを生じさせる。この状態で、第3バルブ76を開状態とするとともに、前記基準ガス供給手段(ボンベ等)から基準ガスを供給する。基準ガスは、その後、基準ガス導入用配管66を通過し、リークマスタ68からチャンバ16内に導出され、さらに、該チャンバ16内を上昇してモニタスペース69に到達する。
リークマスタ68からチャンバ16、ひいてはモニタスペース69への基準ガスの導出流量は、予め設定された所定流量で一定である。なお、基準ガスのチャンバ16内への導出量ないし導出流量は、好ましくは、後述する漏洩検査時における検査ガスの中空室20内への導出量ないし導出流量と同一値に設定される。
そして、基準ガスは、モニタスペース69内に存在していたガス、すなわち、大気と混ざる。
基準ガスがヘリウムである場合、ヘリウムが空気に比して軽量であるためにモニタスペース69内の天井壁近傍に滞留し易い。特に、モニタスペース69の隅部が角張っているときには、ヘリウム等の軽量なガスは、隅部に容易に滞留して局在化する。このため、基準ガスを、往路配管118及びサンプリングライン121を経由してディテクタ122に到達させることが容易ではない。従って、モニタスペース69内の基準ガスの正確な量を評価することも容易ではない。
しかしながら、本実施の形態では、第1ファン94及び第2ファン110の作用下にチャンバ16内のガスを撹拌するようにしている。しかも、隔壁部材14の隅部には湾曲部144が形成されているので、ガスが湾曲部144に沿って容易に流動する。以上のような理由から、基準ガスとしてヘリウムのような軽量なガスを用いた場合であっても、該基準ガスがモニタスペース69内で局在化することが防止される。
リークマスタ68から基準ガスを導出している間、支持盤86と隔壁部材14の天井壁との間に画成されるモニタスペース69中のガスが、吸気ポンプ123の作用下に吸気され、往路配管118及びサンプリングライン121を経てディテクタ122に送られる。すなわち、モニタスペース69に存在するガスは、ディテクタ122によって検査を行うために抽出されるサンプリングガスである。
本実施の形態では、上記したような理由から、基準ガスがモニタスペース69内で局在化することが防止されている。従って、サンプリングガスには、基準ガスが略一定量で含まれる。
往路配管118に導かれたサンプリングガスの一部は、該往路配管118及びサンプリングライン121を経てディテクタ122に送られる。しかも、サンプリングガスの残部を、復路配管120を介してモニタスペース69に戻すようにしているので、校正を行う間、安定した量の基準ガスを含むサンプリングガスがディテクタ122に導入される。このため、ガス式漏洩検査装置10を、モニタスペース69内への基準ガスの導入量に対応して高精度に校正することが可能となる。
ディテクタ122は、リークマスタ68から導出された基準ガスを検知する。ここで、基準ガスがヘリウムである場合には、ディテクタ122は、モニタスペース69内のガス(すなわち、大気)に含まれるヘリウムの量と、基準ガスとしてのヘリウムの量との総和としての値を示すとともに、この値を、信号線152を介して制御回路156に情報として送信する。制御回路156は、このときの検出量を「基準値」として認識する。なお、大気中には、一般的に5ppm程度のヘリウムが含まれている。
以上説明したように、ガス式漏洩検査装置10の校正を行う際には、漏洩検査を行う際と同様に、載置台12に対してケース部材18及び中子56をセットするとともに、挟持盤82によってケース部材18を押圧することが好ましい。これにより、校正時の条件と漏洩検査時の条件とが同一となるからである。
また、ケース部材18として漏洩が起こらないものを使用することは勿論である。ケース部材18から漏洩が起こる場合、ケース部材18から漏洩したガスがモニタスペース69内のガスに混入することになるので、正確な校正を行うことができなくなる。これを回避するためである。
このようにして校正を行った後、漏洩検査を実施するべく下準備を行う。
すなわち、モニタスペース69をはじめとし、チャンバ16内には基準ガスが導入されている。この状態のままで隔壁部材14及び挟持盤82を上昇させると、載置台12の近傍に基準ガスが残留する懸念がある。この場合、漏洩検査においてディテクタ122に示される値が基準値を超えたとき、中空室20からチャンバ16に漏洩してモニタスペース69に到達した検査ガスに起因するのか、又は、残留した基準ガスに起因するのかを判断することが困難である。そこで、モニタスペース69に存在するガスを排気する。なお、具体的な排気方法は、後述する漏洩検査時と同一であるため、ここでは割愛する。
排気が終了した後、隔壁部材14及び挟持盤82を上昇させる。さらに、第1シリンダ34を付勢して第1ロッド36を前進させ、これにより載置台12を第2支持台30の前方に引き出した後、ケース部材18を、漏洩検査を実施するものに交換する。
以降は上記と同様にして、第1シリンダ34を再付勢することで第1ロッド36を後退させた後、第3シリンダ104を付勢して第3ロッド106を下降させる。さらに、第2シリンダ98を付勢して第2ロッド102を前進させる。その結果、既に詳述した通り、ケース部材18の全ての開口22・貫通孔がシールされ、中空室20が大気に対して遮断されて気密状態となる。これと同時に、第4シリンダ148の第4ロッド150を下降させ、隔壁部材14の底壁を載置台12の上端面に着座させてチャンバ16を形成する。
以上の下準備を行った後、漏洩検査を実施する。
はじめに、第1ファン94及び第2ファン110を付勢し、モニタスペース69内のガスに、左方から右方又はその逆方向に移動する流れと、上方から下方又はその逆方向に移動する流れとを生じさせる。
次に、第1クリーンポンプ58及び第2クリーンポンプ134を付勢し、第1バルブ72を開状態とする。これにより、ケース部材18の中空室20からガスが排気される。中空室20には中子56が収容されているので、排気すべきガスの量が比較的少ない。このため、中空室20を排気するまでに要する時間が短くなる。
中空室20からの排気をさらに短時間で行いたい場合や、ケース部材18に内壁が設けられているために中空室20が複数個の分室に分割され、第1クリーンポンプ58及び第2クリーンポンプ134では排気が困難な場合には、貫通孔閉塞ユニット100d、100e(図9、図10参照)を介して排気を行うようにしてもよい。このためには、図示しない前記排気手段を付勢するとともに、貫通孔から、閉塞体178e、178fの排出孔258d、258e、本体170d、170eの連通孔256d、256e、及び保持部材162d、162eの供給孔250d、250e、管継手252d、252e、供給管254d、254e、前記排気手段が接続された前記分岐管を含む排気ラインを構築すればよい。
このようにして排気が行われる際、前記圧力センサ71によって中空室20(及び分室)の内圧が測定される。その測定結果は、信号線154を介して制御回路156に送られる。
内圧の実降下速度は、合格品であるケース部材18を用いての測定結果に基づいて制御回路156に予め設定された設定降下速度と対比される。なお、所定時間の経過によって略一定となった内圧(実最終内圧)と、合格品であるケース部材18を用いての測定結果に基づいて制御回路156に予め設定された設定最終内圧とを対比するようにしてもよい。
実降下速度が設定降下速度未満であるときには、ケース部材18に漏洩箇所があるか、又は、ケース部材18と載置台12ないし挟持盤82との間のシールが不十分であることが一因である可能性がある。そこで、この場合、隔壁部材14を上昇させてケース部材18を露呈させ、さらに、該ケース部材18を載置台12から一旦取り外す。
次に、第1シール部材46や第2シール部材90、第3シール部材108、プラグ48、92、閉塞部材160a等に、傷が存在するか否かや、位置ズレをおこしていないか否か、いわゆるめくれがあるか否か等を調査する。このようなシール機能を低下させる原因がある場合には、これらを交換したり、正規位置に正規姿勢で装着し直したりすればよい。
シール機能を低下させる原因がないと判断された場合、ケース部材18の漏洩箇所を特定し、補修が可能なものは補修ステーションで補修を行う。その後、上記した各工程が再度実施される。
なお、ケース部材18を載置台12から取り外すことなく、後述するように検査ガスを中空室20に導入するとともに、プローブ128によって漏洩箇所を特定するようにしてもよい。
一方、実降下速度が設定降下速度以上であるとき、又は実最終内圧が設定最終内圧以下であるときには、ケース部材18に漏洩箇所がある可能性が低く、ケース部材18と載置台12ないし挟持盤82との間のシールが十分である、と判断することができる。この場合のケース部材18は予備合格品であると判定され、次工程以降が実施される。
すなわち、次に、第1バルブ72を閉止した後に第2バルブ74を開放し、検査ガス供給手段(ボンベ等)から検査ガス導入用配管62を介して中空室20に検査ガスを供給する。
中空室20への検査ガスの供給をさらに短時間で行いたい場合や、中空室20が複数個の分室に分割されている場合には、貫通孔閉塞ユニット100d、100e(図9、図10参照)を介して供給を行うようにしてもよい。このためには、前記検査ガス供給手段から、該検査ガス供給手段が接続された前記分岐管、供給管254d、254e、管継手252d、252e、保持部材162d、162eの供給孔250d、250e、本体170d、170eの連通孔256d、256e、及び閉塞体178e、178fの排出孔258d、258eを含む供給ラインを構築すればよい。
検査ガスは、予め設定された所定の圧力となるまで、一定流量で中空室20に導入される。中空室20には中子56が収容されているので、導入すべき検査ガスの量が比較的少なくなる。このため、中空室20が検査ガスで満たされるまでに要する時間が短くなる。
このように、中空室20に中子56を収容することにより、該中空室20内のガスを排気するまでに要する時間、及び該中空室20内を検査ガスで満たすまでに要する時間を短くすることが可能となる。従って、漏洩検査開始から終了までのタクトタイムを短縮することができる。中空室20が複数個の分室に区分されているときには、各分室内に中子56を配置すればよい。
中空室20が検査ガスで満たされた後も、モニタスペース69内のガスは、上記と同様に第1ファン94及び第2ファン110の作用下に撹拌され、隔壁部材14の隅部の湾曲部144に沿って容易に流動する。最終的に、モニタスペース69に存在するガスが、サンプリングガスとして往路配管118に導出され、その一部が、サンプリングライン121を経てディテクタ122に導かれる。ディテクタ122に導かれなかった残部は、上記と同様に、復路配管120を通過してモニタスペース69に戻る。すなわち、本実施の形態では、モニタスペース69のガス(大気)を排気することなく、ケース部材18に漏洩箇所が存在するか否かの検査を行う。
ディテクタ122は、サンプリングガス中に含まれる検査ガスの量を求めた後、信号線152を介して、その値を情報として制御回路156に送る。制御回路156は、この情報と、前記基準値とを対比する。
ケース部材18に漏洩箇所が存在しないときには、中空室20の検査ガスがチャンバ16に漏洩することはない。モニタスペース69内のガス(すなわち、大気)に自然に含まれる基準ガス(例えば、ヘリウム)と同一種のガスがディテクタ122によって検出されはするものの、基準値は、モニタスペース69内のガスに自然に存在する基準ガスと同一種のガスの量と、リークマスタ68から意図的に供給された基準ガス(例えば、ヘリウム)の量との総和としての値であるので、中空室20の検査ガスがチャンバ16に漏洩しないときには、ディテクタ122によって測定された値が前記基準値を大きく超えることはない。
この場合、制御回路156は、ケース部材18を「合格品である」と判定する。合格品であると判定されたケース部材18は、ガス式漏洩検査装置10から取り出されて次工程を営むステーションに送られる。
ここで、モニタスペース69には、校正のための基準ガスが導入されており、且つケース部材18の中空室20(及び分室)には、上記の漏洩検査を行うための検査ガスが導入されている。この状態のままで隔壁部材14及び挟持盤82を上昇させると、載置台12の近傍に、校正作業時の基準ガス、及び漏洩検査時の検査ガスが残留する懸念がある。この場合、次回の漏洩検査においてディテクタ122に示される値が基準値を超えたとき、中空室20からモニタスペース69に漏洩した検査ガスに起因するのか、又は、残留した基準ガスないし検査ガスに起因するのかを判断することが困難である。
このような不都合が惹起されることを回避するべく、中空室20内及びモニタスペース69内に存在するガスを排気する。すなわち、第2バルブ74及び/又は第3バルブ76を閉止し、第1バルブ72、第4バルブ78及び/又は二方バルブ138を開放する。これにより、中空室20内及び基準ガス導入用配管66内の検査ガス、基準ガスが第1排気用配管60、第2排気用配管70を介して第1クリーンポンプ58に吸引され、さらに、第2クリーンポンプ134の作用下に出口配管142を経て排気される。また、モニタスペース69内のガスが、第2クリーンポンプ134の作用下に、チャンバクリーニング用配管140を経て排気される。
中空室20からの排気をさらに短時間で行いたい場合や、中空室20が複数個の分室に分割されているために第1クリーンポンプ58及び第2クリーンポンプ134では排気が困難な場合には、上記と同様に貫通孔閉塞ユニット100d、100e(図9、図10参照)を介する排気を行うようにしてもよい。
この排気に先んじて、第2電磁弁130が切り替えられる。その結果、復路配管120が閉塞されるとともにラインクリーニング用配管132が開放される。これにより、循環用配管116のガスがラインクリーニング用配管132を介して第2クリーンポンプ134に吸引される。すなわち、循環用配管116のガスが排気され、クリーニングが行われる。
中空室20内に存在する検査ガスは、回収用ポンプ158の作用下に検査ガス回収用配管63を介して回収し、さらに、クリーニング処理を施して純度を高めた後、検査ガス供給手段に戻すようにしてもよい。この際には、第5バルブ79を開放すればよい。
その後、第2シリンダ98を付勢して第2ロッド102を後退させ、閉塞部材160aをケース部材18の側壁貫通孔24から離脱させる。
次に、第4シリンダ148及び第3シリンダ104を付勢して第4ロッド150、第3ロッド106を上昇させることで、隔壁部材14及び挟持盤82を上昇させる。必要に応じ、この上昇に先んじてモニタスペース69内、中空室20内に空気を供給するようにしてもよい。このためには、空気を導入するための空気導入管をモニタスペース69内、中空室20内にそれぞれ配設するとともに、空気供給源から前記空気導入管に空気を供給するようにすればよい。
隔壁部材14及び挟持盤82を上昇させることにより、挟持から解放されたケース部材18が露呈する。次に、第1シリンダ34を付勢して第1ロッド36を前進させ、これにより載置台12を第2支持台30の前方に引き出す。その後、ケース部材18が作業者ないしロボットによって載置台12から取り外され、別のステーションに搬送される。これにより一連の漏洩検査が終了する。
その後、次にガス式漏洩検査装置10に搬送されてきたケース部材18に対し、上記と同様にして漏洩検査が実施される。このときには、前回の漏洩検査のときに用いられた検査ガスが除去されているので、前回の漏洩検査時の検査ガスに起因して検出精度が低下することが回避される。
以上のようにして漏洩検査を繰り返すことに伴い、例えば、閉塞体178a、178b、第1閉塞体178c、第2閉塞体178d、閉塞体178e、178fに摩耗や傷が発生し、このために十分なシール性能を得ることが困難となることがある。この場合には、樹脂又はゴムからなる部材、すなわち、Oリング186(図6参照)、閉塞体178b(図7参照)、第2閉塞体178d及びOリング232(ともに図8参照)、Oリング261d(図9参照)、Oリング261e(図10参照)を新たなものに交換すればよい。
例えば、Oリング186(図6参照)等は、古いものを取り外して新品に交換すればよい。また、Oリング261d、261e(図9又は図10参照)を新品に交換する場合には、差込穴184に六角レンチを差し込んで回動し、螺合を解除してネジ穴又は段付ネジ穴176から閉塞体178e、178fを取り外す。次に、Oリング261d、261eを取り外して新品と交換した後、閉塞体178e、178fをネジ穴又は段付ネジ穴176に挿入し、差込穴184に六角レンチを差し込んで回動して螺合を行えばよい。
閉塞体178b(図7参照)を新たなものに交換する場合、Oリング212を取り外した後、第1ピン挿通孔206及び第2ピン挿通孔208から連結ピン210を抜けばよい。これにより、閉塞体178bが本体170bから解放される。閉塞体178bを本体170bの係合用凹部204から引き抜いた後、新たな閉塞体178bの胴部180bを係合用凹部204に圧入し、第1ピン挿通孔206及び第2ピン挿通孔208に連結ピン210を挿通してOリング212を装着すれば、閉塞体178bの交換が終了する。状況によっては、Oリング212も新品に交換するようにしてもよい。
第2閉塞体178d(図8参照)を新たなものに交換する場合には、通過孔240に連なるネジ穴236からネジを離脱させればよい。これにより、第2閉塞体178dが本体170cから解放されるので、新たな第2閉塞体178dを本体170cの端部に取り付け、さらに、通過孔240を介してネジ穴236に通したネジを螺回すればよい。状況によっては、Oリング232も新品に交換するようにしてもよい。
必要に応じ、第1閉塞体178cも閉塞体178bと同様にして交換することができる。すなわち、この場合、Oリング228を取り外した後、第1ピン挿通孔220、第2ピン挿通孔222及び第3ピン挿通孔224から連結ピン226を抜けばよい。これにより、第1閉塞体178cが本体170cから解放される。第1閉塞体178cを本体170cから引き抜いた後、新たな第1閉塞体178cの圧入孔に本体170cを通し、第1ピン挿通孔220、第2ピン挿通孔222及び第3ピン挿通孔224に連結ピン226を挿通してOリング228を装着することにより、第1閉塞体178cの交換が終了する。
以上においては、Oリング186、261d、261e、閉塞体178b、第2閉塞体178dのみを交換するようにしているので、閉塞部材160a、160b、160c、160d、160eごと交換する場合に比して交換すべき部品点数が低減する。このため、コストが低廉化するという利点がある。
一方、閉塞部材160a〜160e全体を交換する場合、コイルスプリング194の弾発付勢力に抗してスリーブ192を押し下げ、ロックボール190をボール溝172から離脱させるという簡素な作業によって、閉塞部材160a〜160eを保持部材162a〜162eから迅速に取り外すことが可能である。すなわち、交換が短時間で終了するという利点が得られる。
ここで、閉塞部材160a、160b、160cを構成する本体170a、170b、170cは、ボール溝172が形成された部位の径が互いに相違する。特に、本体170aの当該部位の径は、保持部材162b、162cの第2係合部188b、188cの開口直径に比して大きい。従って、閉塞部材160aの第1係合部168aを、保持部材162b、162cの第2係合部188b、188cに挿入することはできない。
また、本体170bの当該部位の径は、保持部材162aの第2係合部188aの開口直径に比して著しく小さく設定されている。このため、ロックボール190とボール溝172との間にクリアランスが形成される。従って、保持部材162aの第2係合部188aは、閉塞部材160bの第1係合部168bを保持することができない。
その一方で、本体170bの当該部位の径は、保持部材162cの第2係合部188cの開口直径に比して大きい。従って、閉塞部材160bの第1係合部168bを、保持部材162cの第2係合部188cに挿入することはできない。
さらに、本体170cの当該部位の径は、保持部材162a、162bの第2係合部188a、188bの開口直径に比して著しく小さく、このため、ロックボール190とボール溝172との間にクリアランスが形成される。従って、保持部材162a、162bの第2係合部188a、188bは、閉塞部材160cの第1係合部168bを保持することができない。
以上から諒解されるように、閉塞部材160a、160b、160cは、保持部材162a、162b、162cのそれぞれにのみ取り付けることが可能である。換言すれば、閉塞部材160aを誤って保持部材162b、162cに取り付けることが回避される。同様に、閉塞部材160bを誤って保持部材162a、162cに取り付けることや、閉塞部材160cを誤って保持部材162a、162bに取り付けることも回避される。
貫通孔閉塞ユニット100d、100eでは、保持部材162d、162eの第2係合部188d、188eの開口径や、本体170d、170eの直径が互いに等しい。ただし、上記したように、本体170d、170eでは、第1係合部168d、168eの端部からボール溝172までの距離が相違する(図11、図12参照)。また、保持部材162d、162eでは、第2係合部188d、188eの底壁からロックボール190までの距離、該ロックボール190から第2係合部188d、188eの開口までの距離が互いに相違する(図13、図14参照)。すなわち、L1>L1’、L2>L2’、L3>L3’、L4>L4’、L1≒L3、L2≒L4、L1’≒L3’、L2’≒L4’であることから、L1>L3’、L1’<L3且つL2’≦L4が成立している。
従って、本体170dの第1係合部168dを保持部材162eの第2係合部188eに挿入すると、L1>L3’であるため、図15に示す状態となる。すなわち、第1係合部168dの一部が第2係合部188eに挿入されることなく露呈する。すなわち、第1係合部168dの挿入途中で本体170dが停止する。その上、ロックボール190とボール溝172の位置が合致しないので、ロックボール190がボール溝172に進入することはなく、必然的に、ボール溝172に進入した状態のロックボール190をスリーブ192が覆うこともない。
従って、閉塞部材160dが保持部材162eに保持されることはない。このため、閉塞部材160dを誤って保持部材162eに取り付けることが回避される。
一方、本体170eの第1係合部168eを保持部材162dの第2係合部188dに挿入すると、L1’<L3且つL2’≦L4であるため、図16に示す状態となる。すなわち、この場合、第1係合部168eの全体が第2係合部188dに挿入されはするが、ロックボール190とボール溝172の位置が合致しない。従って、ロックボール190がボール溝172に進入することはなく、このため、ボール溝172に進入した状態のロックボール190をスリーブ192が覆うこともない。
従って、閉塞部材160eが保持部材162dに保持されることはない。その結果、閉塞部材160eを誤って保持部材162dに取り付けることが回避される。
以上のように、各保持部材162a〜162eには、閉塞部材160a〜160e中の正規のもの(特定の閉塞部材)のみ選択的に取り付けることが可能であり、誤った組み合わせの閉塞部材を取り付けることはできない。従って、いわゆる誤組が防止されるので、閉塞部材160a〜160eの中から正規のものを短時間で取り付けることができる。
従って、側壁貫通孔24a、24b、24cをはじめとする各側壁貫通孔24が、交換後の閉塞部材160a〜160e等によって閉塞される。すなわち、各側壁貫通孔24がシールされるので、誤った閉塞部材を取り付けたことに起因して検査ガスが漏洩し、このために漏洩検査の精度が低下することを回避することができる。
なお、ケース部材18に漏洩箇所が存在するときには、中空室20に導入された検査ガスが漏洩箇所を通過してチャンバ16に漏洩する。検査ガスがヘリウム等の空気に比して軽量なガスである場合、漏洩した検査ガス(以下、単に漏洩ガスともいう)は、モニタスペース69まで上昇して該モニタスペース69内のガス(大気)と混ざり合う。
本実施の形態では、第1ファン94及び第2ファン110の作用下にモニタスペース69内のガスを撹拌するようにしている。しかも、隔壁部材14の隅部に湾曲部144が形成されているので、漏洩ガスが湾曲部144に沿って容易に流動する。以上のような理由から、検査ガスとしてヘリウムのような軽量なガスを用いた場合であっても、該検査ガスがモニタスペース69内で局在化することが防止される。すなわち、この場合、大気に漏洩ガスが加わったものがサンプリングガスとして往路配管118に導かれる。
以降も上記と同様に、サンプリングガスの一部が往路配管118及びサンプリングライン121を経由した後にディテクタ122に至るとともに、残部が復路配管120を通過してモニタスペース69に戻る。
この過程で、ディテクタ122が、校正によって求められた前記基準値を超える値を示す。ディテクタ122に導かれたサンプリングガスには漏洩ガスが含まれており、このため、ディテクタ122には、漏洩ガスの総和として検出量を示すからである。検査ガスと同一種のガス(例えば、ヘリウム)が大気に含まれている場合は、ディテクタ122が、この大気中の検査ガス成分も併せた検出量を示すことは勿論である。
ディテクタ122は、前記の値を、信号線152を介して情報として制御回路156に送信する。この情報を受けた制御回路156は、ケース部材18は「不合格品である」と判定する。
ここで、漏洩ガスのモニタスペース69内での拡散が一様でないときには、サンプリング箇所によって、ガス中の漏洩ガスの濃度(量)が相違することになる。従って、漏洩ガスの正確な量、ひいては漏洩箇所の規模を正確に評価し得なくなる懸念がある。
また、モニタスペース69内のガスを排気しながら中空室20から漏洩が起こるか否かを検査する場合、中空室20からチャンバ16に漏洩してモニタスペース69に到達したガスが比較的短時間で排気されてしまう。従って、漏洩ガスの量が僅かであるときには、漏洩ガスの全量が排気される懸念がある。一部が排気されるとともに残部がディテクタ122に到達し得たと仮定しても、漏洩ガスが如何なる程度排気されたのかが不明であるため、漏洩ガスの量を正確に評価することが困難である。
従って、検査ガスの導入を開始してからある程度の時間を置き、漏洩ガスが十分な量となったときに漏洩検査を行う必要があるが、このために漏洩検査に長時間を要する。
さらに、チャンバ16内を大気圧とする場合であっても、例えば、排気ラインに流通するガスをサンプリングガスとすると、漏洩ガスの量が僅かであるときにはサンプリングガス中の漏洩ガスの濃度が小さいため、ディテクタ122に表示される漏洩ガス量が若干大きくなったとしても、漏洩ガスによって値が大きくなったのか、測定誤差の範囲内で大きくなったのかを判断することが困難である。
加えて、チャンバ16ないしモニタスペース69からサンプリングガスを採取して測定を行った後、該サンプリングガスをそのまま排気してしまう場合には、ケース部材18の中空室20からの漏洩よりも、サンプリングガスの排気量が多いために漏洩を検知できない懸念もある。
これに対し、本実施の形態では、モニタスペース69内にガスの流れを生じさせ、漏洩ガスの滞留が起こることを回避するようにしている。このため、漏洩ガスが極めて僅かである場合であっても、漏洩ガスは、モニタスペース69内に局在化することなく略均等に拡散する。従って、往路配管118を設ける箇所、換言すれば、サンプリング箇所を如何なる部位に設定しようとも、漏洩ガスの濃度が略同等であるため、漏洩量を高精度に評価することが可能となる。
また、モニタスペース69内のガスを取り出して一部をディテクタ122に送気する一方で、ディテクタ122に送気されなかった残部をモニタスペース69に戻す(すなわち、ガスを循環させる)ようにしているので、モニタスペース69内の漏洩ガスが順次蓄積され、高濃度となってディテクタ122に送気される。このため、漏洩量、ひいては漏洩の規模をリアルタイムに、しかも、高精度に評価することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、漏洩の程度に関わらず、計測を行う間は連続して漏洩の有無を確認することが可能であり、一定時間待機する必要がない。さらに、ケース部材18の中空室20の容量が大きいながら漏洩量が微小である場合であっても、その漏洩を容易に検知することができる。
なお、検査ガスの中空室20内への導出量ないし導出流量を、基準ガスのチャンバ16内への導出量ないし導出流量に合致させておくと、中空室20からの検査ガスの漏洩量を一層高精度に評価することができる。
さらに、チャンバ16内のガスを排気しながら漏洩検査を行う場合には、ポンプ等の排気手段が故障する頻度が大きい。故障した場合、排気手段の修繕が終了するまで漏洩検査を行うことができないので時間の損失となるが、本実施の形態では、そのような不都合が惹起されることもない。
本実施の形態では、基準ガスを用いたときのディテクタ122の表示値を基準値として校正しているので、基準値は、大気中に自然に存在する基準ガスと同一種のガス(例えば、ヘリウム)を含んだものとして設定されている。従って、このガスと同一種のガスを基準ガス及び検査ガスとして用いる場合であっても、ディテクタ122は、漏洩ガスの量に基づいた値を表示する。すなわち、大気中に存在する基準ガスと同一種のガスによって漏洩ガスの検出精度が低下することが回避される。
以上のようにして漏洩ガスがディテクタ122によって検出され、制御回路156によって漏洩箇所が存在すると判断されたケース部材18に対しては、次に、漏洩箇所が何処に存在するのかの調査がなされる。この調査を行うべく、チャンバ16内のガスを第2クリーンポンプ134の作用下に排気した後、第4ロッド150を上昇させて隔壁部材14を上昇させる。これにより、載置台12と挟持盤82で挟持され、且つ検査ガスが中空室20に導入された状態のケース部材18が露呈する。なお、隔壁部材14の上昇に先んじてチャンバ16内に空気を供給するようにしてもよい。
次に、第1電磁弁124が切り替えられる。これに伴い、往路配管118が閉塞される一方、プローブ用配管126が開放される。従って、ディテクタ122には、プローブ128に吸引されたガスが導かれる。
作業者は、プローブ128を把持してその先端をケース部材18に近接させ、さらに、ケース部材18に沿ってプローブ128を走査する。漏洩箇所でない部位では漏洩ガスが漏洩していないため、プローブ128に漏洩ガスが吸引されることはない。従って、ディテクタ122の表示値が漏洩ガスに基づいて上昇することもない。
一方、漏洩箇所では、プローブ128によって漏洩ガスが吸引される。漏洩箇所近傍では漏洩ガスの濃度が高いため、ディテクタ122の表示値が比較的短時間で上昇する。これにより、漏洩箇所が何処に存在するかをおおよそ判断することができる。
隔壁部材14に第2シリンダ98を設けた場合、第2ロッド102を後退させて閉塞部材160aをケース部材18の側壁貫通孔24(24a〜24e)から離脱させた後でなければ、隔壁部材14を上昇させることができない。従って、この場合、隔壁部材14を上昇させると、ケース部材18は、中空室20が大気に連通した状態で露呈する。すなわち、中空室20の検査ガスが側壁貫通孔24から導出されるので、上記したようにして漏洩箇所が何処であるかを判断することができない。
これに対し、本実施の形態では、第2シリンダ98を挟持盤82に設けるようにしているので、隔壁部材14が第2シリンダ98に干渉することがない。このため、第2ロッド102を後退させることなく、換言すれば、ケース部材18の側壁貫通孔24に閉塞部材160a〜160eを挿入したままの状態で、第4ロッド150及び隔壁部材14を上昇させることができる。すなわち、中空室20内に検査ガスが封入された状態のケース部材18を露呈することができるので、プローブ128によって漏洩箇所のおおよその位置を判断することができる。
おおよその漏洩箇所を特定した後は、第1クリーンポンプ58の作用下に、中空室20内に存在する検査ガスを排気する。検査ガスは、出口配管142を経た後、第2クリーンポンプ134の作用下に排気される。
この際、漏洩箇所(鋳造欠陥等)の規模が小さいときには、排気速度が比較的大きく、真空到達度も比較的大きい。このように漏洩の規模が著しく小さく、実用上の差し支えがないときには、ケース部材18は「合格品である」と判定される。
その後、第2シリンダ98を付勢して第2ロッド102を後退させ、これにより、閉塞部材160a〜160eをケース部材18の側壁貫通孔24から離脱させる。さらに、第3シリンダ104を付勢して第3ロッド106を上昇させ、挟持盤82を上昇させる。その結果、ケース部材18が挟持から解放される。必要に応じ、側壁貫通孔24からの閉塞部材160a〜160eの離脱・挟持盤82の上昇に先んじて、中空室20内に空気を供給するようにしてもよい。
次に、第1シリンダ34を付勢して第1ロッド36を前進させ、これにより載置台12を第2支持台30の前方に引き出す。その後、ケース部材18が作業者ないしロボットによって載置台12から取り外され、次工程を実施すべきステーションに搬送される。
一方、漏洩箇所の規模が大きいときには、排気速度が小さい。また、真空到達度も小さい。漏洩箇所から中空室20に大気が吸引されるからである。
この場合、漏洩箇所からは無視できない程度の漏洩が起こる。このようなケース部材18は「不合格品である」と判定される。
形状や高さ方向寸法が相違するケース部材18に対して上記した漏洩試験を行う場合には、載置台12、支柱80a〜80d、ストッパ50及びシール用部材84を、該ケース部材18に対応する形状ないし寸法のものに交換すればよい。このことから諒解されるように、本実施の形態に係るガス式漏洩検査装置10は、多種多様なケース部材18に対応し得る汎用性を有する。
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
例えば、この実施の形態では、保持部材162a〜162eに凹部を形成して第1係合部168a〜168eとするとともに、閉塞部材160aに凸部を設けて第2係合部188a〜188eとするようにしているが、これとは逆に、保持部材162a〜162eに凸部を設けて第1係合部とするとともに、閉塞部材160a〜160eに凹部を形成して第2係合部とするようにしてもよい。
また、閉塞部材160a〜160eは、ケース部材18の側壁貫通孔24を閉塞するものとして例示しているが、それ以外の貫通孔を閉塞するものであってもよい。また、ケース部材18以外の物体(ワーク)の貫通孔を閉塞するものであってもよい。
さらにまた、第1係合部(又は第2係合部)は、断面が円形状であるものに限定されるものではなく、例えば、四角形等の多角形形状であってもよい。この場合、閉塞部材が保持部材に対して回転することを防止することができるという利点がある。
そして、貫通孔閉塞ユニット100a〜100eの他にさらに1種以上の貫通孔閉塞ユニットを設けるようにしてもよい。