JP2014041983A - 界面パッシベーション構造の製造方法および光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】SiNX膜の堆積時における水素ガスの導入と、SiNX膜のパッシベーション性能との関係を明らかにし、パッシベーション性能の高いSiNx膜の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上に化学的に堆積されたSiO2膜上に接してSiNX膜を堆積させる際、水素ガスを導入して、SiNX膜を堆積させる。
【選択図】図3
【解決手段】基板上に化学的に堆積されたSiO2膜上に接してSiNX膜を堆積させる際、水素ガスを導入して、SiNX膜を堆積させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、界面パッシベーション技術に関し、より具体的には、界面パッシベーション構造の製造方法、並びに、光電変換素子の製造方法に関するものである。
光電変換素子の一種である太陽電池は、受光によって発生した+電荷の正孔の集まるp型半導体層と、−電荷の電子の集まるn型半導体層とのpn接合を基本構成としている。具体的には、p型シリコン基板の受光面側にn型不純物拡散層を形成することによって、上記pn接合を形成し、さらに、当該p型シリコン基板の受光面側とその裏面側とに、それぞれ電極を設けている。
太陽電池の光電変換効率の向上を目指して、裏面パッシベーション型太陽電池の研究および開発が進められている。裏面パッシベーション型太陽電池とは、太陽電池の裏面をパッシベーション膜で覆うことによって、p型シリコン基板とパッシベーション膜との界面に本来的に存在し再結合の原因となる未結合手を終端する太陽電池である。すなわち、裏面パッシベーション型太陽電池は、太陽電池の裏面における再結合中心の密度自体を低減させることによって、キャリアの再結合を減らそうとする思想に基づくものである。
シリコン(Si)表面に対するパッシベーション膜として、窒化シリコン(SiNX)は、下記の2点において、特に優れた性質を有する。
第1に、SiNX膜は、酸化シリコン(SiO2)膜に比べ、低温で堆積させることが可能である。
具体的には、熱SiO2(熱酸化によって得られたSiO2)は、シリコンが半導体材料として使われて以来、標準的なパッシベーション膜であり続けてきたとはいえ、その堆積には1000℃以上の高温が必要である。これに対し、SiNX膜は、500℃以下の低温で、プラズマCVD(化学気相堆積;Chemical Vapor Deposition)法等の手段により堆積させることができる。
第2に、SiNX膜は、熱SiO2膜に比べ、高いフィールドパッシベーション効果を有する。すなわち、SiNX膜は、Si界面(p型シリコン基板とパッシベーション膜との界面)に大きな固定電荷を出現させることができる。
一般に、固定電荷は、Si界面から正孔を排斥し、電子を引き寄せる。従って、大きな固定電荷を出現させることによって、正孔と電子との再結合確率を低減させ、低い界面再結合速度を実現することができる。このように、固定電荷によって低い界面再結合速度を実現する効果は、フィールドパッシベーション効果と呼ばれる。
なお、パッシベーション効果には、フィールドパッシベーション効果以外に、ケミカルパッシベーション効果がある。
ケミカルパッシベーション効果とは、上記Si界面に存在するダングリングボンド(未結合手)を低減させることによって、低い界面再結合速度を実現する効果を指す。
例えば、熱SiO2は、SiNXに比べて、一桁低い固定電荷しか有していない。従って、熱SiO2のフィールドパッシベーション効果は弱い。それを補うために、熱SiO2の場合、SiO2とSiとの界面に存在するダングリングボンドを極限まで減らすことによって、低い再結合速度を実現している。
SiNX膜の界面再結合速度の低さは、上記のように、フィールドパッシベーション性能によるところが大きい。しかし、ケミカルパッシベーション性能が無関係であるわけではない。
すなわち、SiNX膜においても、ケミカルパッシベーション性能を高くすることができれば、それだけ高いパッシベーション性能を得ることができる。
従って、SiNxを用いたパッシベーション膜において、ケミカルパッシベーション性能を改善する様々な試みがなされている。本改善を実現する一つの手法は、異なった性質の膜を積層することである。
本願明細書の末部に記載した補足に述べるように、本願発明者は、性質の異なるSiNxを複層構造とした絶縁膜によって、単層構造の絶縁膜が、そのパッシベーション性能において有する欠点を補うことが出来ることを見出している。
また、例えば、下掲の特許文献1〜特許文献5には、化学的に堆積されたSiO2の上にSiNX等の別の絶縁膜を堆積することによって、リーク電流の小さい絶縁膜を得る技術が開示されている。
しかしながら、上述のような従来技術は以下の問題がある。
すなわち、特許文献1〜特許文献5は、SiNX膜をどのような条件下で製造すれば、最も効果的な性能改善が得られるかについて、明らかにしていない。特に、SiNX膜の堆積時における水素ガスの導入によって、SiNX膜のパッシベーション性能がどのように変化するかについては、何も述べていない。
本発明の主たる目的は、上記の課題に鑑みて、SiNX膜の堆積時における水素ガスの導入と、SiNX膜のパッシベーション性能との関係を明らかにし、パッシベーション性能の高いSiNx膜の製造方法を提供することにある。
本発明に係る界面パッシベーション構造の製造方法は、
(1)p型シリコンを材料とする基板と、
(2)上記基板上に接して化学的に堆積されたSiO2膜と、
(3)上記SiO2膜に接して形成されたSiNX膜と
を少なくとも備えた界面パッシベーション構造の製造方法であって、
(A) 上記SiNX膜を上記SiO2膜上に接して形成する際、水素ガスを導入して、上記SiNX膜を堆積させるSiNX膜堆積処理ステップを含む
ことを特徴としている。
(1)p型シリコンを材料とする基板と、
(2)上記基板上に接して化学的に堆積されたSiO2膜と、
(3)上記SiO2膜に接して形成されたSiNX膜と
を少なくとも備えた界面パッシベーション構造の製造方法であって、
(A) 上記SiNX膜を上記SiO2膜上に接して形成する際、水素ガスを導入して、上記SiNX膜を堆積させるSiNX膜堆積処理ステップを含む
ことを特徴としている。
本願発明者は、化学的に堆積されたSiO2膜の上にSiNX膜を堆積しパッシベーション性能を向上させる方法を鋭意探究した結果、SiNX膜を堆積させる際の水素ガスの導入が、パッシベーション性能を向上させるための鍵の1つであることを見出した。
上記の製造方法によれば、SiNX膜を堆積させる際に水素ガスを導入した。
その結果、ケミカルパッシベーション性能を示す界面状態密度Ditを小さくすることができ、すなわち基板とSiO2膜との界面におけるキャリア再結合中心を少なくすることができ、ケミカルパッシベーション性能を高めることができた。
従って、界面パッシベーション構造および太陽電池のパッシベーション性能を向上させることができる。
本発明に係る界面パッシベーション構造の製造方法において、上記SiNX膜堆積処理ステップは、プラズマCVD(化学気相堆積;Chemical Vapor Deposition)法によって実現されることが好ましい。
プラズマCVD法によって上記SiNX膜堆積処理ステップを実現することにより、水素を含むSiNX膜を堆積することができる。
水素は、シリコン基板界面のパッシベーションに対して本質的な役割を果たすことが知られている。従って、太陽電池等のシリコンデバイスにおける界面パッシベーション用SiNXにおいては、「膜中の水素」は無くてはならない元素である。そして、パッシベーション膜中に含まれる水素の挙動を如何に制御し、膜中を界面に拡散させ、界面ダングリングボンドの終端に導くかが高性能化のポイントである。
水素は製膜時の基板温度を500℃以上にすると、成長膜表面上に存在できなくなるので、500℃以下の低基板温度でSiNXを堆積できるプラズマCVD法は、界面パッシベーションを目的としたSiNX膜、即ち膜中水素を含有するSiNXを堆積する最善の方法の一つである。一方、熱CVD法で作製されたSiNXは500℃以上の温度で堆積されるため、プラズマCVD法で作製されたそれに比べて水素を多く含まない。
従って、水素の挙動を制御しつつ、SiNX膜を堆積するには、プラズマCVD法を利用することが望ましい。
本発明に係る界面パッシベーション構造の製造方法において、上記SiNX膜を上記SiO2膜上に接して形成したのちに、600℃より高く900℃以下の範囲内の温度で上記SiO2膜および上記SiNX膜のアニール処理を行うアニール処理ステップをさらに含むことが好ましい。
本願と発明者同一である特願2012−142481(2012年06月25日出願)において詳細に説明している通り、本願発明者は、化学的に堆積されたSiO2膜の上にSiNX膜を堆積しパッシベーション性能を向上させる方法を鋭意探究した結果、SiNX膜堆積後に行うアニールが、パッシベーション性能を向上させるための鍵の1つであることを見出した。
上記の製造方法によれば、化学的に堆積されたSiO2膜の上にSiNX膜を堆積したのちに行うアニールの温度範囲を、600℃より高く900℃以下に設定した。
その結果、ケミカルパッシベーション性能を示す界面状態密度Ditが小さくなる、すなわち基板とSiO2膜との界面におけるキャリア再結合中心が少なくなるので、ケミカルパッシベーション性能を高めることができる(第1の効果)。
また、基板とSiO2膜との界面における界面固定電荷密度Qfが、パラサイティックシャンティング現象の発生を抑制できる程度に小さくなる(第2の効果)。
従って、上記第1および第2の効果が得られるため、界面パッシベーション構造および太陽電池のパッシベーション性能が向上する。
なお、上記いずれかの界面パッシベーション構造の製造方法によって形成された界面パッシベーション構造を含んでいる光電変換素子も本発明の範疇に含まれる。
以上のように、本発明に係る界面パッシベーション構造の製造方法は、
(1)p型シリコンを材料とする基板と、
(2)上記基板上に接して形成されたSiO2膜と、
(3)上記SiO2膜に接して形成されたSiNX膜と
を少なくとも備えた界面パッシベーション構造の製造方法であって、
(A) 上記SiNX膜を上記SiO2膜上に接して形成する際、水素ガスを導入して、上記SiNX膜を堆積させるSiNX膜堆積処理ステップを含む構成である。
(1)p型シリコンを材料とする基板と、
(2)上記基板上に接して形成されたSiO2膜と、
(3)上記SiO2膜に接して形成されたSiNX膜と
を少なくとも備えた界面パッシベーション構造の製造方法であって、
(A) 上記SiNX膜を上記SiO2膜上に接して形成する際、水素ガスを導入して、上記SiNX膜を堆積させるSiNX膜堆積処理ステップを含む構成である。
これにより、SiNX膜の堆積時における水素ガスの導入と、SiNX膜のパッシベーション性能との関係を明らかにし、パッシベーション性能の高いSiNX膜の製造方法を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図9に基づいて詳細に説明する。但し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本実施形態では、p型半導体層上に積層するパッシベーション膜について、プラズマCVDによって窒化シリコン(SiNX)膜を、化学的に堆積された酸化シリコン(SiO2)膜上に接して形成する際、SiH4、NH3、N2ガスに加えて、水素(H2)ガスを導入することによって、当該SiNX膜のパッシベーション性能が改善されることを示す。
以下、本発明の一実施形態について、具体的に説明する。
(実験による本発明の効果の実証)
本願発明者は、光電変換素子の一種である太陽電池のパッシベーション特性を良好なものとするためには、化学的に堆積されたSiO2膜の上に窒化シリコンSiNXを堆積させる際、水素ガスを導入することが好ましいことを見出した。
本願発明者は、光電変換素子の一種である太陽電池のパッシベーション特性を良好なものとするためには、化学的に堆積されたSiO2膜の上に窒化シリコンSiNXを堆積させる際、水素ガスを導入することが好ましいことを見出した。
本発明に係る裏面パッシベーション型太陽電池によれば、SiNx膜の、パッシベーション性能を、特にケミカルパッシベーション性能を、向上させることができるという効果を奏する。
本発明による効果を実証するため、SiO2膜の上にSiNX膜を堆積させる際の水素ガスの導入量をさまざまに変化させたサンプルを作製し、その性能を調べた。
(実験内容)
図1は、下記の方法で作製したサンプル(A)の界面パッシベーション構造1の構成を示す模式図である。
図1は、下記の方法で作製したサンプル(A)の界面パッシベーション構造1の構成を示す模式図である。
界面パッシベーション構造1は、例えば、pn接合を有した光電変換素子の1形態である裏面パッシベーション型太陽電池に適用することができる。
界面パッシベーション構造1は、シリコン基板31と、積層パッシベーション膜36とを備えている。
積層パッシベーション膜36は、シリコン基板31上に、化学的処理によって積層されたケミカルSiO2膜36aと、当該ケミカルSiO2膜36a上に積層されたSiNX膜36bとの2層からなる構成である。
積層パッシベーション膜36の表面には、例えばアルミニウムを材料として表面電極33が形成されている。
なお、本実験では、シリコン基板31として、2Ωcmのp型FZ単結晶Si(p−Si)ウェハーを用いたが、本発明の製造方法を適用できるシリコン基板は、これに限定されるものではない。FZ単結晶とは、Floating Zone法を用いて作製された単結晶のことである。
図1に示す界面パッシベーション構造1を有するサンプル(A)を、以下の第1〜第4の製造工程によって形成した。以下、図1を参照しつつ、サンプル(A)の製造工程を説明する。
本実験では、上記Siウェハーであるシリコン基板31に対し、下記の手順で処理を行った。
第1に、シリコン基板31を、よく知られているRCA洗浄方法、すなわちアンモニア−過酸化水素系水溶液及び、塩酸−過酸化水素系水溶液で洗浄するのと同時に、ケミカルSiO2膜36aを表面に堆積した。
ケミカルSiO2膜36aを有するこのサンプルの作成と同時に、参考例として、RCA洗浄後、ケミカルSiO2をフッ化水素酸によって除去したサンプルも作製した。
第2に、ケミカルSiO2膜36aの上にSiNX膜36bを100nm堆積した。堆積は、汎用の平行平板型プラズマCVD(化学気相堆積;Chemical Vapor Deposition)法によって行った。堆積条件は、圧力:100Pa、RFパワー:0.086W/cm2、製膜温度を300℃とし、ガス流量について、下記の通りである。すなわち、SiH4、NH3、N2をそれぞれ、8、16、100sccmに固定し、H2を、0〜64sccmの範囲で変化させた。
なお、sccm(standard cubic centimeter per minute)は、流量の単位であり、1気圧および一定温度の条件下で規格化された1分間あたりのガス体積(cm3)を表している。
第3に、アニールを行った。アニールは太陽電池の電極焼成用の炉を用いた。温度は810℃、加熱時間は12秒に固定した。
第4に、SiNX膜36b上に直径1mmのアルミ電極33を蒸着した。蒸着は蒸着源を溶解するための電子が界面を劣化させる心配のない抵抗加熱蒸着装置を用いて行った。
(検証手法)
パッシベーション膜36としてのSiNX膜36bのパッシベーション性能を示す指標として、界面準位密度(界面状態密度)Ditおよび界面固定電荷密度Qfがある。
パッシベーション膜36としてのSiNX膜36bのパッシベーション性能を示す指標として、界面準位密度(界面状態密度)Ditおよび界面固定電荷密度Qfがある。
Ditとは、ケミカルパッシベーション性能を示す数値であり、この値が低いほど、p型シリコン基板とパッシベーション膜との界面におけるキャリア再結合中心が少ないので、ケミカルパッシベーション性能が高い。なお、Ditの単位は、cm−2・eV−1である。
これに対し、Qfとは、フィールドパッシベーション性能に関する数値であり、この値が高いほど、界面固定電荷が多く存在することを意味しており、従って、フィールドパッシベーション性能が高い。
(実験結果)
上記のようにして作成したサンプルについて、CV(Capacitance,Voltage)測定装置を用いて、界面準位密度Ditおよび界面固定電荷密度Qfの測定を行った。
上記のようにして作成したサンプルについて、CV(Capacitance,Voltage)測定装置を用いて、界面準位密度Ditおよび界面固定電荷密度Qfの測定を行った。
具体的には、基板31とアルミ電極33との間に−20〜0Vの電圧を印可した状態で、高周波と低周波における静電容量を測定し、その差より界面状態密度Ditと界面固定電荷Qfとを求めた。
図2および図3は、それぞれ、SiNXを堆積するときのH2流量に対するDitおよびQfの変化を示すグラフである。ここで、Ditminはバンドギャップ内のDit最小値であり、Ditmeanは平均値である。
図4は、ケミカルSiO2がある場合と無い場合とでの、SiNXを堆積するときのH2流量に対するDitmeanの変化を示すグラフである。
図2に示すように、フィールドパッシベーション性能に関する値であるQfは、H2流量を0sccmの状態から徐々に増やしていったとき、単調に減少する。
また、図3に示すように、H2流量を0sccmの状態から徐々に増やしていったとき、ケミカルパッシベーション性能を示すDitについて、DitminとDitmeanとで、異なる変化を示す。
すなわち、Ditminは、H2流量を0sccmの状態から徐々に増やしていったとき、一旦上昇した後低減し、H2流量が64sccmのときには、H2流量が0sccmと同程度の値になる。
一方、Ditmeanは、H2流量を0sccmの状態から徐々に増やしていったとき、単調に減り続け、64sccmのときには、0sccmのときの1/3程度になる。この事実は、図5に示すバンドギャップ内のDit分布により明確に裏付けることができる。このように、H2の導入はDitの低減に寄与する。
以上のように、導入水素量の増加に伴いQfが1.5E+12程度まで緩やかに減少する間に、Ditは大きく減少し、つまり、導入水素量の増加に伴うQfの減少の傾きは、導入水素量の増加に伴うDitの減少の傾きよりも小さい。
これは、水素ガスの導入によって、フィールドパッシベーション特性の変化を抑制しつつ、ケミカルパッシベーション性能のみを向上させることができることを意味している。
これにより、太陽電池の設計にとって重要なメリットとして、(1)水素ガスの導入によって、Qfの値は、予め設計した値から大きく変化しない点、(2)したがって、水素ガスの導入に伴い、他の製膜パラメータを大きく変えるという対策を採らずに、Qfの値の変化を抑制できる点、の2点を得ることができる。
また、図2に示すように、水素ガスの導入によって、基板とSiO2膜との界面における界面固定電荷密度Qfが、パラサイティックシャンティング現象の発生を抑制できる程度に小さい値に留まっている。
つまり、化学的に堆積されたSiO2膜の上に、水素ガスを導入して、SiNX膜を堆積することにより、パラサイティックシャンティング現象によるデバイス特性への悪影響を抑制しながら、パッシベーション性能を向上させることもできる。
ここで、化学的に堆積されたSiO2膜上にSiNX膜を堆積する際の水素導入量は、Ditmeanが5.0E+12cm−2・eV−1よりも小さい値となるよう、16sccm以上であることが好ましい。
図3に示す通り、Ditmeanが5.0E+12cm−2・eV−1よりも小さい値となる範囲においては、言い換えると、水素ガスの導入量が16sccm以上である範囲においては、DitmeanとDitminとが共に単調減少している。
従って、化学的に堆積されたSiO2膜上にSiNX膜を堆積する際に16sccm以上の水素ガスを導入することにより、DitmeanとDitminとを共に減少させることができ、つまりケミカルパッシベーション性能を向上させることができる。
また、本願発明者は、SiNX製膜のときに通常は導入するN2の流量をゼロにして、その代りにH2を導入する実験を行った。この場合、全体ガス流量に占めるH2の割合はかなり大きくなるが、このような方法で形成したSiNX膜では、パッシベーション性能の向上を確認することはできなかった。
したがって、化学的に堆積されたSiO2膜の上にSiNX膜を堆積する際の水素ガスの導入量ついて何らかの上限は存在すると判断できる。
さらに、図4に、ケミカルSiO2膜を挿入した場合と、しなかった場合とについて、その界面特性の、具体的にはDitmeanの、比較を掲載した。
ケミカルSiO2膜を挿入しなかった場合には、Ditmeanの値は、ケミカルSiO2膜を挿入した場合に比べて、1桁以上大きい。ケミカルSiO2膜の挿入無しには、デバイスにて使用できるグレードの界面の作製は不可能である。
また、ケミカルSiO2膜の挿入無しのときにおいても、H2導入によってDitmeanは低減するものの、その低減率はケミカルSiO2膜を挿入した場合に比べ小さい。
例えば、ケミカルSiO2膜無しのとき、H2=64sccmのDitmeanは、H2=0sccmのときのそれに比べて1/1.9程度にとどまる。一方、前に述べたように、ケミカルSiO2膜を挿入した場合、該低減率は1/3を超えており、明らかにケミカルSiO2膜を挿入した方が、H2導入の効果は大きいことが判る。
(数値モデル計算による本発明の効果の検証)
(数値モデル計算)
本願発明者は、太陽電池の現実的な設計に基づいて、本発明に係るSiNX膜を含むパッシベーション膜を太陽電池に適用した場合と適用しなかった場合との両方について、コンピュータを用いた数値モデル計算を行った。その数値モデル計算により、太陽電池特性を導出した手順について以下に説明する。
(数値モデル計算)
本願発明者は、太陽電池の現実的な設計に基づいて、本発明に係るSiNX膜を含むパッシベーション膜を太陽電池に適用した場合と適用しなかった場合との両方について、コンピュータを用いた数値モデル計算を行った。その数値モデル計算により、太陽電池特性を導出した手順について以下に説明する。
数値モデル計算の基本原理は、下記の通りである。すなわち、基板内部のキャリア輸送を支配するポアソン方程式と電流連続式とを基本に、太陽光の吸収によって励起されるキャリアの発生率とキャリアの消滅速度とを生成消滅項に入れた基本方程式を解くことによって、太陽電池特性を導出することができる。
数値モデル計算を実行するためには、上記基本方程式を線形化した後、離散化を行い、数値計算可能な連立方程式とする。上記連立方程式を解くことによって、デバイス内部の電位分布とキャリア密度分布とを得ることができ、従って、電極間に流れる電流を求めることが可能となる。
本発明に係るSiNX膜を含むパッシベーション膜を太陽電池の電池特性の数値計算モデル計算による検証においては、図7に示す、pn接合を有した光電変換素子の1形態である裏面パッシベーション型太陽電池10のモデル構造を採用した。
(太陽電池および検証手法の具体的内容)
図7に示すように、太陽電池10の表面側、つまり光入射側には、p型シリコン基板31の表面にn層32が形成され、一方、太陽電池10の裏面側には、裏面電極形成部33の直下にP+層34が形成されている。
図7に示すように、太陽電池10の表面側、つまり光入射側には、p型シリコン基板31の表面にn層32が形成され、一方、太陽電池10の裏面側には、裏面電極形成部33の直下にP+層34が形成されている。
n層32の表面には、n層32を被覆するように、表面パッシベーション膜としての機能も有する反射防止膜35が形成され、反射防止膜35が除去された領域に電極層37が設けられている。
裏面パッシベーション膜36は、p型シリコン基板31ないしP+層34の一部の表面を被覆するように形成され、裏面パッシベーション膜36が除去された領域に電極層33が設けられている。
これにより、P+層34と、裏面パッシベーション膜36中の正電荷によりn化したp型シリコン基板31との界面とが太陽電池10の裏面側の平面で接する構造となっている。
なお、図7中の電荷38は、p型シリコン基板31と裏面パッシベーション膜36との界面に固定的に存在する固定電荷の様子を模式的に示したものである。
上記モデル構造に対し数値計算を実行するにあたり、キャリア移動について、下記の2方向への移動を考慮する必要がある。すなわち、裏面パッシベーション膜36とp型シリコン基板31との界面に平行な方向と、同界面に垂直な方向との2方向である。
従って、実験には、2次元でキャリア移動を扱うことのできる汎用デバイスシミュレータ、具体的には、シノプシス社製 商品名「Sentaurus」を用いた。
また、具体的な計算にあたっては、上記モデル構造に対応するように、基板厚さ、不純物濃度、電子ライフタイム、表面再結合速度、表面不純物濃度、裏面パッシベーション膜接触幅、太陽光のスペクトル・照度、表面反射率、表面内部反射率、裏面内部反射率、電極直下影損失などのパラメータを、実際の値として適切なものとなるように設定した。
ただし、上記各種パラメータのうち、太陽電池10の裏面側において隣り合う電極層33によって形成される1区画の幅(Wtot)については、200μmに設定し、数値モデル計算には、太陽電池構造の対称性に鑑みて、100μmを用いた。
また、n層32を含むp型シリコン基板31の厚さについて、計算結果において裏面パッシベーション構造の影響を強く反映させるために、比較的小さく50μmに設定した。
まず、本願発明者は、数値モデル計算により、太陽電池10のp型シリコン基板31の裏面パッシベーション膜36として、前記実験に基づいて、SiNX膜の堆積時のH2流量を、0sccmとした時と、64sccmとした時との2種類のSiNX膜を適用した。
数値モデル計算の結果について、図6を参照しつつ説明する。
(太陽電池の性能評価)
図6は、SiNX膜の堆積時のH2流量が0sccmの時と64sccmの時との2種類のSiNX/Si界面のQfとDit、及びそれを裏面パッシベーション膜36として用いた太陽電池10の特性、具体的には、開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)、光電変換効率(EFF)を示している。
図6は、SiNX膜の堆積時のH2流量が0sccmの時と64sccmの時との2種類のSiNX/Si界面のQfとDit、及びそれを裏面パッシベーション膜36として用いた太陽電池10の特性、具体的には、開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)、光電変換効率(EFF)を示している。
なお、上記諸特性のうち、開放電圧とは、光照射時において端子を開放した時の出力電圧を指し、短絡電流密度とは、光照射時に於いて端子を短絡した時の電流を有効受光面積で割ったものを指している。
図5が示すように、開放電圧、短絡電流密度、曲線因子、光電変換効率の全ての特性について、SiNX膜の堆積時のH2流量を0sccmにした時よりも、64sccmにした時の方が良好である。
従って、p型シリコン基板を用いた裏面不活性化型太陽電池において、裏面にケミカルSiO2とSiNXとの積層構造を採用した場合、SiNXを堆積する際にH2を導入することによって、裏面界面のDitが極小化され、これを通して変換効率の向上を生じさせることができるのを確認できた。
(アニール処理についての補足)
上記に説明したとおり、SiNx膜36bをSiO2膜36a上に、水素ガスを導入して形成したのち、さらに、以下の条件でのアニール処理を行う。
上記に説明したとおり、SiNx膜36bをSiO2膜36a上に、水素ガスを導入して形成したのち、さらに、以下の条件でのアニール処理を行う。
すなわち、600℃より高く900℃以下の範囲内の温度で、望ましくは、800℃以上900℃以下の範囲内の温度で、SiO2膜36aおよびSiNx膜36bのアニール処理を行う。
本願と発明者同一である特願2012−142481(2012年06月25日出願)において詳細に説明している通り、本願発明者は、化学的に堆積されたSiO2膜の上にSiNX膜を堆積しパッシベーション性能を向上させる方法を鋭意探究した結果、SiNX膜堆積後に行うアニールが、パッシベーション性能を向上させるための鍵の1つであることを見出した。
上記の製造方法によれば、化学的に堆積されたSiO2膜の上にSiNX膜を堆積したのちに行うアニールの温度範囲を、600℃より高く900℃以下に設定した。
その結果、ケミカルパッシベーション性能を示す界面状態密度Ditが小さくなる、すなわち基板とSiO2膜との界面におけるキャリア再結合中心が少なくなるので、ケミカルパッシベーション性能を高めることができる(第1の効果)。
また、基板とSiO2膜との界面における界面固定電荷密度Qfが、パラサイティックシャンティング現象の発生を抑制できる程度に小さくなる(第2の効果)。
従って、上記第1および第2の効果が得られるため、界面パッシベーション構造および太陽電池のパッシベーション性能が向上する。
つまり、化学的に堆積されたSiO2膜の上にSiNX膜を堆積する際に水素ガスを導入することに加えて、SiO2膜およびSiNX膜を、600℃より高く900℃以下の範囲内の温度でアニール処理することによって、さらにパッシベーション性能を向上させることができる。
(本発明に係る製造方法により製造された太陽電池の詳細例)
(太陽電池の製造プロセス)
次に、本発明に係る、光電変換素子の一種である太陽電池10について、その製造プロセス(ステップS1〜S9)を、図8、図9を用いて説明する。なお、ステップS1〜S5(界面パッシベーション構造形成ステップ)までの説明は、図8を用いる。ステップS6〜S9までの説明は、図9を用いる。
(太陽電池の製造プロセス)
次に、本発明に係る、光電変換素子の一種である太陽電池10について、その製造プロセス(ステップS1〜S9)を、図8、図9を用いて説明する。なお、ステップS1〜S5(界面パッシベーション構造形成ステップ)までの説明は、図8を用いる。ステップS6〜S9までの説明は、図9を用いる。
以下の第1から第9に至る説明は、本実施形態に係る太陽電池10(図7参照)の製造プロセスの一例を示すものである。
第1に、p型多結晶シリコン基板31(縦横10cm×10cm、厚さ200μm、抵抗率2Ωcmのp型多結晶シリコン(p−Si))を、前記RCA洗浄法で洗浄した。続いて、NaOH水溶液とイソプロピルアルコールとの混合液を用いて、液温約90℃でテクスチャエッチングを行った。これにより、図8にステップ1(以下S1のように略記する)として示すように、シリコン基板31の表面(受光面、光入射面)に高さ数μmの微小ピラミッド21を形成した。
シリコン基板31は、例えば多結晶シリコン基板にホウ素、アルミニウムまたはガリウムなどの3価元素を微量に加えることによって得られる。また、単結晶シリコンを用いたp型シリコン基板も、本発明の適用対象である。
なお、上記テクスチャエッチングには、反応性イオンエッチング法を用いてもよい。
上記テクスチャエッチングによって、シリコン基板31の表面に微細凹凸構造が形成される。これにより、シリコン基板31表面の光の反射を抑えることができるので、太陽電池10の光利用効率を上げることができる。
第2に、図8にS2として示すように、POCl3を含む高温気体中にシリコン基板31を置くことでリンを熱拡散させ、厚さ1.0μm、不純物濃度1.2×1020cm−3のn型シリコン層32、32´を表面側及び裏面側に形成した。熱拡散時のシリコン基板31の温度および拡散炉の温度は850℃とし、拡散時間は10分に設定した。
なお、シリコン基板31の表面にリンを拡散させる方法として、例えば、POCl3を用いた上記の気相拡散法以外に、P2O5を用いた塗布拡散法、Pイオンを直接拡散させるイオン打ち込み法等がある。
第3に、図8にS3として示すように、プラズマCVD法によって、シリコン基板31の表面側に、不活性化膜の機能を兼ねる反射防止膜35としてSiNX膜を80nm堆積した。
ここで、パッシベーション効果を奏する不活性化膜の機能を兼ねる反射防止膜35としては、例えば、SiNX膜のほかに、酸化アルミニウム膜、酸化シリコン膜または酸化チタン膜などを用いることができる。シリコン基板31として多結晶シリコン基板を用いる場合には、変換効率を向上させる観点から、反射防止膜35として、水素を含むSiN膜を用いることが好ましい。
また、反射防止膜35を形成する方法として、上記プラズマCVD法のほかに、触媒CVD法、常圧熱CVD法、減圧熱CVD法または光CVD法などのCVD法や、真空蒸着法またはスパッタリング法などのPVD(物理気相堆積;Physical Vapor Deposition)法を用いることができる。なお、反射防止膜35としてSiNX膜を用いる場合には、膜厚を制御しやすい観点からプラズマCVD法を用いることが好ましい。
第4に、図8にS4として示すように、表面、すなわち受光面に保護テープを貼り、硝酸:フッ酸=3:1の溶液に約4分間浸漬した。これにより、表面に存在するn型シリコン層32は残る一方、裏面に存在するn型シリコン層32´は除去されて、p型シリコン面が露出する。
第5に、S5として示すように、保護テープをはがした後、シリコン基板31をRCA法で洗浄すると同時に、酸化性溶液、例えば過酸化水素溶液にシリコン基板31を浸潤する化学処理によって、ケミカルSiO2膜36aを堆積した。さらに、続けてプラズマCVDによってSiNX膜36bを堆積した(酸化膜+窒化膜形成ステップ)。これにより、ケミカルSiO2膜36aとSiNX膜36bで構成される積層パッシベーション膜36が形成された。
このとき、SiNX膜36bの形成は、汎用の平行平板型プラズマCVDによって行った。SiNX膜36bの堆積条件は以下のとおりである。ガス流量:SiH4/NH3/N2/H2=8/16/100/64sccm、圧力:100Pa、RFパワー:0.086W/cm2,基板温度300℃、膜厚100nm。
ケミカルSiO2膜36a上にSiNX膜36bを堆積する際に水素ガスを導入することにより、上述の通り、パッシベーション効果を向上させたSiNX膜36bを堆積することができる。
第6に、図9にS6として示すように、フォトリソグラフィー等の方法を用いて、積層パッシベーション膜36に、裏面電極形成部4に対応する孔を開けた。
第7に、S7として示すように、裏面全面にアルミニウム膜33を2μm蒸着した。なお、アルミニウム膜33の形成法として、コスト重視の観点では、アルミニウムとガラスフリットとを主成分とするペースト材料を用いて印刷する方法が好ましい。また、その他のアルミニウム膜形成法として、真空蒸着法のほかに、スパッタ法を用いることもできる。
第8に、S8として示すように、アニールを行った(アニール処理ステップ)。このアニールによって、アルミニウム膜33からシリコン基板31へ、アルミニウム33膜中のアルミニウムがp型不純物として拡散し、アルミニウム合金部34が形成されると同時に、SiNX膜36bのアニールが行われる。アニールには太陽電池の電極焼成用の炉を用いた。アニール温度は810℃に固定し、加熱時間は12秒とした。
第9に、図9にS9として示すように、表面側、すなわち受光面側に、導電性ペーストを用いて表面電極37を印刷し、アニールした。このときに発生するファイヤースルー現象により、表面電極37は反射防止膜35を貫通し、n型シリコン層32に到達する。この結果、表面電極37から電気的な出力を取り出すことができる。
表面電極37を構成する材料は特に限定されず、例えば太陽電池の分野で従来から用いられているアルミニウム、銀、チタン、パラジウムまたは金などの材料を用いることができる。中でも、ファイヤースルー現象が生じる材料として、銀が最も好ましい。また、表面電極37の形成方法も特に限定されず、例えばスクリーン印刷法または真空蒸着法などを用いることができる。ただし、量産性の向上および製造コストの低減の観点からはスクリーン印刷法を用いることが好ましい。
なお、本実施形態では、ケミカルSiO2膜36aの形成に用いる酸化性溶液として、過酸化水素溶液を用いた例で述べたが、これに代えて、硝酸水溶液、過塩素酸、硫酸、オゾン溶解水、塩酸と過酸化水素水との混合溶液、硫酸と過酸化水素水との混合溶液、アンモニア水と過酸化水素水との混合溶液、硫酸と硝酸との混合溶液および王水の群から選ばれた少なくとも1つの水溶液を用いることもでき、さらに酸化力のある沸騰水を用いることもできる。
(太陽電池の構成)
以上のプロセスによって完成した太陽電池10の構成を説明する。
以上のプロセスによって完成した太陽電池10の構成を説明する。
p型シリコンを材料とするシリコン基板31の表面(太陽電池10の光入射側)には、高さ数μmの微小ピラミッド21が形成されている。
反射防止膜35が、ピラミッド21の形成されたシリコン基板31の表面を被覆するように形成されている。反射防止膜35は、太陽電池に入射した光の反射を抑制するとともに、太陽電池10の表面側のパッシベーション膜としての機能も有している。そして、反射防止膜35とシリコン基板31との間には、n型シリコン層32が形成されている。
シリコン基板31を被覆する反射防止膜35の一部領域は除去されて、当該領域に表面電極37が設けられている。
シリコン基板31の裏面においては、積層パッシベーション膜36が、シリコン基板31の裏面を被覆する裏面パッシベーション膜として形成されており、その一部にシリコン基板31を露出させる開口部が設けられている。該開口部を裏面電極形成部4と呼ぶ。積層パッシベーション膜36は、シリコン基板31上に積層されたケミカルSiO2膜36a、SiNX膜36bで構成された積層膜である。
積層パッシベーション膜36(および裏面電極形成部4)の上には、アルミニウム膜33が形成されている。アルミニウム膜33とシリコン基板31とが接触する部位、すなわち裏面電極形成部4には、p+層としてのアルミニウム合金部34が形成されている。
これにより、p+層としてのアルミニウム合金部34と、積層パッシベーション膜36に含まれる正電荷によりn化したシリコン基板31との接触部位が、太陽電池10の裏面側に形成されている。
太陽電池10は、積層パッシベーション膜36により裏面パッシベーション特性に優れ、かつ正孔密度の高い良好なp+層(アルミニウム合金部34)が生成されているので、光電変換効率が高い。
〔補足;積層パッシベーション構造による特性改善の仮説〕
本願発明者は、パッシベーション膜を、異なった性質を有する2層のSiNx膜(高Qf膜および低Qf膜)の積層パッシベーション膜とすることによりパッシベーション性能が向上することを見出している。メカニズムの仮説は以下のとおりである。
本願発明者は、パッシベーション膜を、異なった性質を有する2層のSiNx膜(高Qf膜および低Qf膜)の積層パッシベーション膜とすることによりパッシベーション性能が向上することを見出している。メカニズムの仮説は以下のとおりである。
水素が含まれているパッシベーション膜を熱に暴露することにより、上記水素はパッシベーション膜の内部から脱離し、その一部はp型半導体層との界面に到達する。界面に到達した上記水素は、そこに存在する未結合手を終端し、キャリアトラップを減少させることによってDitを低減させる。
ここで、高Qf膜では、高温にならないと水素の脱離は起こらないが、低Qf膜においては、水素の脱離は低温で起こる。
従って、パッシベーション膜が低Qf膜のみの1層の構成であれば、(750℃程度などの)高温で膜をアニールしたとき、膜中の水素は既に脱離して無くなっているので、パッシベーション膜とp型半導体層の界面にも同様に水素は多く存在しない。この結果、未結合手が増加した状態になるので、界面準位密度Ditの増加を招く。
一方、高Qf膜および低Qf膜の積層パッシベーション膜では、低Qf膜に高Qf膜を積層することで、高温アニールを行っても、高Qf膜から水素を十分に供給することができる。
すなわち、上記積層パッシベーション膜では、膜質の異なる2層のパッシベーション膜(高Qf膜、低Qf膜)を含んで構成されていることによって、高温アニール時に、p型半導体層の界面で不足する水素を、低Qf膜からの供給が不可能となっても、高温アニールに強い高Qf膜から供給することによって、補うことができる。これにより、高温アニールを行っても、積層パッシベーション膜の界面固定電荷密度Qfを低く抑えつつ界面準位密度Ditを低く抑えることができる。
従って、上記積層パッシベーション膜では、界面固定電荷密度Qfおよび界面準位密度Ditを低く抑えることができるので、これを適用した太陽電池の特性を向上させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、光電変換素子に好適に利用することができる。
1 界面パッシベーション構造
10 太陽電池(光電変換素子)
31 シリコン基板(p型シリコンを材料とする基板)
36 裏面パッシベーション膜
36a ケミカルSiO2膜(SiO2膜)
36b SiNX膜
10 太陽電池(光電変換素子)
31 シリコン基板(p型シリコンを材料とする基板)
36 裏面パッシベーション膜
36a ケミカルSiO2膜(SiO2膜)
36b SiNX膜
Claims (4)
- p型シリコンを材料とする基板と、
上記基板上に接して化学的に堆積されたSiO2膜と、
上記SiO2膜に接して形成されたSiNX膜と
を少なくとも備えた界面パッシベーション構造の製造方法であって、
上記SiNX膜を上記SiO2膜上に接して形成する際、水素ガスを導入して、上記SiNX膜を堆積させるSiNX膜堆積処理ステップを含む
ことを特徴とする界面パッシベーション構造の製造方法。 - 上記SiNX膜堆積処理ステップは、プラズマCVD(化学気相堆積;Chemical Vapor Deposition)法によって実現される
ことを特徴とする請求項1に記載の界面パッシベーション構造の製造方法。 - 上記SiNx膜を上記SiO2膜上に接して形成したのちに、600℃より高く900℃以下の範囲内の温度で上記SiO2膜および上記SiNx膜のアニール処理を行うアニール処理ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の界面パッシベーション構造の製造方法。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の界面パッシベーション構造の製造方法によって形成された界面パッシベーション構造を含んでいることを特徴とする光電変換素子。
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|---|---|---|---|
| JP2012184545A JP2014041983A (ja) | 2012-08-23 | 2012-08-23 | 界面パッシベーション構造の製造方法および光電変換素子 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2016125615A1 (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-11 | シャープ株式会社 | 光電変換素子および光電変換素子の製造方法 |
| CN111916528A (zh) * | 2020-06-29 | 2020-11-10 | 苏州腾晖光伏技术有限公司 | 一种降低letid的p型晶体硅太阳能电池的制备方法 |
-
2012
- 2012-08-23 JP JP2012184545A patent/JP2014041983A/ja active Pending
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