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JP2014040885A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

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JP2014040885A
JP2014040885A JP2012184112A JP2012184112A JP2014040885A JP 2014040885 A JP2014040885 A JP 2014040885A JP 2012184112 A JP2012184112 A JP 2012184112A JP 2012184112 A JP2012184112 A JP 2012184112A JP 2014040885 A JP2014040885 A JP 2014040885A
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Abstract

【課題】押圧装置により面圧を向上させる必要上、回転中心に対し傾斜した母線形状を有する傾斜面同士を転がり接触させる部分での摩擦損失の低減を図れる構造を実現する。
【解決手段】前記押圧装置であるローディングカム装置15b、15bを、環状ローラ13b側に設ける。この環状ローラ13bの回転中心から、前記傾斜した母線形状に関するトラクション部までの距離を長くできて、これら各トラクション部の両端部での周速の差を小さくできる。この結果、これら各トラクション部での摩擦損失を低く抑えられて、前記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えば電気自動車の駆動系に組み込んだ状態で、電動モータから駆動輪にトルクを伝達する、摩擦ローラ式変速機の改良に関する。
近年に於ける化石燃料の消費量低減の流れを受けて、電気自動車の研究が進み、一部で実施されている。電気自動車の動力源である電動モータは、化石燃料を直接燃焼させる事により動く内燃機関(エンジン)とは異なり、出力軸のトルク及び回転速度の特性が自動車用として好ましい(一般的に、起動時に最大トルクを発生する)ので、必ずしも内燃機関を駆動源とする一般的な自動車の様な変速機を設ける必要はない。但し、電気自動車の場合でも、変速機を設ける事により、加速性能及び高速性能を改善できる。具体的には、変速機を設ける事で、車両の走行速度と加速度との関係を、ガソリンエンジンを搭載した自動車に近い、滑らかなものにできる。この点に就いて、図4を参照しつつ説明する。
例えば、電気自動車の駆動源である電動モータの出力軸と、駆動輪に繋がるデファレンシャルギヤの入力部との間部分に、減速比の大きな動力伝達装置を設けた場合、電気自動車の加速度(G)と走行速度(km/h)との関係は、図4の実線aの左半部と鎖線bとを連続させた様になる。即ち、低速時の加速性能は優れているが、高速走行ができなくなる。これに対して、前記間部分に減速比の小さな動力伝達装置を設けた場合、前記関係は、図4の鎖線cと実線aの右半部とを連続させた様になる。即ち、高速走行は可能になるが、低速時の加速性能が損なわれる。これに対して、前記出力軸と前記入力部との間に変速機を設け、車速に応じてこの変速機の減速比を変えれば、前記実線aの左半部と右半部とを連続させた如き特性を得られる。この特性は、図4に破線dで示した、同程度の出力を有するガソリンエンジン車とほぼ同等であり、加速性能及び高速性能に関して、ガソリンエンジン車と同等の性能を得られる事が分かる。
図5は、この様な事情に鑑みて考えられた、電気自動車用駆動装置を示している(特願2011−250531)。この先発明に係る電気自動車用駆動装置は、車両駆動用電動モータ1と、摩擦ローラ式減速機2と、変速機3と、回転伝達装置4とを備える。そして、この摩擦ローラ式減速機2の入力軸5と、前記車両駆動用電動モータ1の出力軸6とを互いに同心に配置して、トルクの伝達を可能に接続する。又、前記摩擦ローラ式減速機2の出力軸19(後述する図6参照)を、前記変速機3の駆動側回転軸7と同心に配置して、トルク伝達可能に接続する。
前記変速機3は、前記駆動側回転軸7と従動側回転軸8との間に、減速比が互いに異なる、1対の歯車伝達機構9a、9bを設けて成る。そして、1対のクラッチ機構10a、10bの切り換えにより、何れか一方の歯車伝達機構9a(9b)のみを、動力の伝達を可能な状態として、前記駆動側回転軸7と前記従動側回転軸8との間の減速比を、高低の2段階に変換可能としている。
更に、前記回転伝達装置4は、複数の歯車を組み合わせた、一般的な歯車伝達機構であり、前記従動側回転軸8の回転をデファレンシャルギヤ11の入力部に伝達し、左右1対の駆動輪を回転駆動する様に構成している。
尚、前記摩擦ローラ式減速機2としては、例えば特許文献1に記載されたものが使用できる。図6は、この特許文献1に記載された摩擦ローラ式変速機2を示している。この摩擦ローラ式減速機2は、入力軸5と、出力軸19と、太陽ローラ12と、環状ローラ13と、複数個の遊星ローラ14、14と、ローディングカム装置15とを備える。このうちの太陽ローラ12は、軸方向に分割された1対の太陽ローラ素子16a、16bを前記入力軸5の周囲に、互いの先端面同士の間に隙間を介在させた状態で互いに同心に、且つ、このうちの一方の太陽ローラ素子16aを前記入力軸5に対する相対回転を可能に配置して成る。又、前記各遊星ローラ14、14は、遊星軸17、17の周囲に回転自在に支持した状態で、それぞれの外周面を前記太陽ローラ12の外周面と前記環状ローラ13の内周面とに転がり接触させている。又、前記各遊星軸17、17の基端部は、キャリア18を介して、前記出力軸19の基端部に結合固定している。
更に、前記ローディングカム装置15は、一方の太陽ローラ素子16aと、前記入力軸5との間に設けて、この入力軸5の回転に伴ってこの一方の太陽ローラ素子16aを、他方の太陽ローラ素子16bに向け押圧しつつ、これら両太陽ローラ素子16a、16bから成る、前記太陽ローラ12を回転駆動する。この為に、前記入力軸5の中間部に、止め輪20により支え環21を係止し、この支え環21と前記一方の太陽ローラ素子16aとの間に、この支え環21の側から順番に、皿ばね22と、カム板23と、それぞれが転動体である複数個の玉24、24とを設けている。そして、互いに対向する、前記一方の太陽ローラ素子16aの基端面と前記カム板23の片側面との、それぞれ円周方向複数箇所ずつに、被駆動側カム面25、25と駆動側カム面26、26とを設けている。これら各カム面25、26はそれぞれ、軸方向に関する深さが円周方向に関して中央部で最も深く、同じく両端部に向かうに従って漸次浅くなる形状を有する。
この様なローディングカム装置15は、前記入力軸5が停止している状態では、前記各玉24、24が、図8の(A)に示す様に、前記各カム面25、26の最も深くなった部分に位置する。この状態では、前記皿ばね22の弾力により、前記一方の太陽ローラ素子16aを前記他方の太陽ローラ素子16bに向け押圧する。これに対して、前記入力軸5が回転すると、前記各玉24、24が、図8の(B)に示す様に、前記各カム面25、26の浅くなった部分に移動する。そして、前記一方の太陽ローラ素子16aと前記カム板23との間隔を拡げ、前記一方の太陽ローラ素子16aを前記他方の太陽ローラ素子16bに向け押圧する。この結果、この一方の太陽ローラ素子16aはこの他方の太陽ローラ素子16bに向け、前記皿ばね22の弾力と、前記各カム面25、26に対して前記各玉24、24が乗り上げる事により発生する推力とのうちの、大きな方の力で押圧されつつ回転駆動される。
上述の様な摩擦ローラ式減速機2の運転時には、前記ローディングカム装置15が発生する軸方向の推力により、前記各遊星ローラ14、14の外周面と、前記太陽ローラ12の外周面及び前記環状ローラ13の内周面との転がり接触部の面圧が上昇する。この面圧は、前記入力軸5と前記出力軸19との間で伝達すべきトルクの大きさに応じて上昇する。この状態でこの入力軸5を回転させると、この回転が、前記太陽ローラ12から前記各遊星ローラ14、14に伝わり、これら各遊星ローラ14、14がこの太陽ローラ12の周囲で、自転しつつ公転する。そこで、これら各遊星ローラ14、14の公転運動を、前記キャリア18を介して前記出力軸19により取り出す。
前述の図5に示した電気自動車用駆動装置の様に、車両駆動用電動モータ1と変速機3との間に摩擦ローラ式変速機2を配置すれば、電気エネルギの効率的利用の為、前記車両駆動用電動モータ1として、小型且つ高回転型(例えば最高回転速度が3万min-1程度)のものを使用しても、運転時の振動及び騒音を抑えられる。即ち、第一段の減速機として、前記摩擦ローラ式減速機2を使用するので、高速回転部分での振動の発生を抑えられる。それぞれが歯車伝達機構である、前記変速機3及び回転伝達装置4の回転速度は、一般的なガソリンエンジンを搭載した自動車の変速機部分の運転速度と同程度(最高で数千min-1程度)に抑えられるので、何れの部分でも、不快な振動や騒音が発生する事はない。
尚、前述の図6に示した摩擦ローラ式変速機2は、前記環状ローラ13を固定し、各中間ローラを前記各遊星ローラ14、14とする事により、これら各遊星ローラ14、14の公転運動を、前記キャリア18を介し、減速した出力として取り出す構造を採用している。これに対して、中間ローラを自転のみ可能とし、環状ローラを回転させて動力伝達を行わせる構造もある。例えば、未公開であるが、前記特願2011−250531には、図9に示す様な構造を有する摩擦ローラ式変速機2aが開示されている。本発明は、前述の図6に示した構造でも実施可能ではあるが、環状ローラを回転させて動力伝達を行わせる構造で実施する事が、各転がり接触部の面圧確保の面から好ましいので、前記図9に示した構造に就いて、簡単に説明する。
この図9に示した摩擦ローラ式減速機2aは、入力軸5aにより太陽ローラ12aを回転駆動し、この太陽ローラ12aの回転を、複数個の中間ローラ27、27を介して環状ローラ13aに伝達し、この環状ローラ13aの回転を出力軸19aから取り出す様にしている。前記各中間ローラ27、27は、それぞれの中心部に設けた自転軸28、28を中心として自転するが、前記太陽ローラ12aの周囲で公転する事はない。前記太陽ローラ12aは、互いに同じ形状を有する1対の太陽ローラ素子16c、16cを互いに同心に組み合わせて成り、これら両太陽ローラ素子16c、16cを軸方向両側から挟む位置に、それぞれローディングカム装置15a、15aを設置して、前記入力軸5aの回転に伴って前記両太陽ローラ素子16c、16cを、互いに近付く方向に押圧しつつ同方向に回転駆動する様にしている。上述した各構成部分は、段付円筒状のハウジング29内に収納している。
又、前記環状ローラ13aは、前記ハウジング29の軸方向中間部で前記太陽ローラ12aの周囲部分に、この太陽ローラ12aと同心に配置している。この環状ローラ13aの内周面は、軸方向に関して内径が変化しない円筒面とし、この環状ローラ13aと前記出力軸19aの基端部とを、断面L字形の連結部30により連結している。
更に、前記各中間ローラ27、27は、前記環状ローラ13aの内周面と前記太陽ローラ12aとの間の環状空間内に、前記各自転軸28、28を中心とする回転(自転)を自在に、且つ、前記環状ローラ13a及び前記太陽ローラ12aの径方向に関する若干の変位を可能に設置している。又、前記各中間ローラ27、27の外周面は、軸方向中間部を単なる円筒面とすると共に、軸方向両側部分を、前記両太陽ローラ素子16c、16cの外周面と同方向に同一角度傾斜した、部分円すい凸面状の傾斜面としている。従って、前記各ローラ12a、13a、27の周面同士は互いに線接触し、これら各ローラ12a、13a、27の周面同士の転がり接触部であってトルクを伝達する、各トラクション部の接触面積を確保できる。
上述の様に構成する、先発明に係る摩擦ローラ式減速機2aの運転時、電動モータにより前記入力軸5aを回転駆動すると、前記両太陽ローラ素子16c、16cが、前記両ローディングカム装置15a、15aの働きにより、互いに近付く方向に押圧されつつ、前記入力軸5aと同じ方向に同じ速度で回転する。そして、前記両太陽ローラ素子16c、16cにより構成される前記太陽ローラ12aの回転が、前記各中間ローラ27、27を介して前記環状ローラ13aに伝わり、前記出力軸19aから取り出される。
前述の図6に示した従来構造にしても、上述の図9に示した先発明に係る構造にしても、各ローラの周面同士の転がり接触部である各トラクション部の面圧を確保する為のローディングカム装置15、15aは、太陽ローラ12、12aの側に設けている。このローディングカム装置12、12aを構成する必要上、この太陽ローラ12、12aの外周面と、遊星ローラ14、14又は中間ローラ27、27の外周面とは、それぞれが部分円すい状凸面である、傾斜面同士の転がり接触となる。この為、前記太陽ローラ12、12aの外周面と、前記遊星ローラ14、14又は前記中間ローラ27、27の外周面とに関する摩擦損失が大きくなる。この摩擦損失が生じる理由は、これら各ローラ12、12a、14、27の外周面が線接触若しくは線接触に近い状態となるのに対して、これら各ローラ12、12a、14、27の回転中心軸とそれぞれの外周面の母線とが非平行な為である。
そして、前記摩擦損失は、前記各ローラ12、12a、14、27の外周面同士の各転がり接触部(トラクション部)の両端部同士の間で、周速の差が大きい程大きくなる。前記図6、9に示した構造の場合には、前記太陽ローラ12aの回転中心から前記各トラクション部までの距離(回転半径)が短い為、これら各トラクション部の両端同士の間で、前記太陽ローラ12aの外周面に関して角速度の差が大きくなり、これら各トラクション分の両端同士の間で、周速の差が大きくなる。この結果、これら各トラクション部での摩擦損失が大きくなり、前記摩擦ローラ式変速機2、2aの伝達効率確保の面から不利になる。
特開2004−116670号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、押圧装置により面圧を向上させる必要上、回転中心に対し傾斜した母線形状を有する傾斜面同士を転がり接触させる部分での摩擦損失の低減を図れる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の摩擦ローラ式変速機は、入力軸及び出力軸と、太陽ローラと、環状ローラと、複数個の中間ローラと、面圧付与装置とを備える。
このうちの各中間ローラは、前記太陽ローラの外周面と前記環状ローラの内周面との間の環状空間内に、少なくとも自転を可能に設置されたもので、それぞれの外周面を前記太陽ローラの外周面及び前記環状ローラの内周面に転がり接触させている。
又、前記面圧付与装置は、これら各ローラの周面同士の転がり接触部の面圧を確保する為のものである。
又、前記入力軸及び前記出力軸は、互いの相対回転を可能として、前記太陽ローラ及び前記環状ローラと同心に配置された状態で、前記各ローラのうちの何れかのローラ又は何れかのローラと共に回転する支持部材のうちから選択される2種類の要素に、前記入力軸と前記出力軸とで互いに別の要素に結合している。
特に、本発明の摩擦ローラ式変速機に於いては、前記面圧付与装置を、前記環状ローラの側に設け、前記各中間ローラをこの環状ローラの径方向に関して内方に押圧する事により、前記各転がり接触部の面圧を上昇させるものとしている。
そして、本発明の摩擦ローラ式変速機は、次の(A)〜(E)の要件を総て備える。
(A) 前記環状ローラは、前記入力軸と前記出力軸とのうちの一方である第一回転軸の端部にこの第一回転軸と同心に設けられた保持筒の内周面に1対の環状ローラ素子を、この保持筒と共に回転可能に、且つ、互いの遠近動を可能に設ける事により構成している。
(B) この保持筒と、前記両環状ローラ素子のうちの少なくとも一方の環状ローラ素子との間に、これら両環状ローラ素子同士を互いに近づける方向に押圧する押圧手段を設けている。
(C) 前記両環状ローラ素子の内周面は、これら両環状ローラ素子の互いに対向する面である先端面側程内径が大きくなる方向に傾斜した、部分円すい状の凹面である。
(D) 前記各中間ローラの外周面は、軸方向中間部が軸方向に関して外径が変化しない円筒面であり、軸方向両端部が、前記各中間ローラの軸方向両端面に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した、部分円すい状凸面である。
(E) 前記太陽ローラのうちで、少なくとも前記各中間ローラの外周面の軸方向中間部が転がり接触する可能性のある部分を、軸方向に関して外径が変化しない円筒面としている。
上述の様な本発明の摩擦ローラ式変速機を実施する場合に、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記押圧手段を、前記両環状ローラ素子を軸方向両側から挟む位置に配置された、1対のローディングカム装置とする。
これら両ローディングカム装置はそれぞれ、アンカプレートと、複数のカム面と、複数の転動体とから成るものとする。
このうちのアンカプレートは、前記保持筒の内周面に、この保持筒と同期した回転を可能に支持する。
又、前記各カム面は、互いに対向する、前記アンカプレートの軸方向片面と前記環状ローラ素子の基端面とのそれぞれ複数箇所ずつに形成したもので、円周方向端部に向かう程軸方向に関する深さ寸法が小さくなる方向に傾斜している。
又、前記各転動体は、前記各カム面同士の間に挟持している。
そして、前記両ローディングカム装置を構成する1対のアンカプレートのうちの一方のアンカプレートを前記保持筒の内周面に、他方のアンカプレートから退避する方向の軸方向変位を阻止した状態で支持する。
更に、前記他方のアンカプレートと前記保持筒との間に、この他方のアンカプレートを前記一方のアンカプレートに向けて弾性的に押圧するばねを設ける。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記押圧手段を、前記両環状ローラ素子を軸方向両側から挟む位置に配置した、ローディングカム装置とばねとする。
このうちのローディングカム装置は、アンカプレートと、複数のカム面と、複数の転動体とから成るもので、前記アンカプレートを前記保持筒の内周面に、この保持筒と同期した回転を可能に、且つ、前記両環状ローラ素子のうちの一方の環状ローラ素子から離れる方向の変位を阻止した状態で支持する。
又、前記各カム面は、互いに対向する、前記アンカプレートの軸方向片面と前記一方の環状ローラ素子の基端面とのそれぞれ複数箇所ずつに形成したもので、円周方向端部に向かう程軸方向に関する深さ寸法が小さくなる方向に傾斜している。
又、前記各転動体は、前記各カム面同士の間に挟持している。
更に、前記ばねは、前記両環状ローラ素子のうちの他方の環状ローラ素子の基端面と前記保持筒との間に設けている。そして、この他方の環状ローラ素子を前記一方の環状ローラ素子に向けて弾性的に押圧する。
或いは、請求項4に記載した発明の様に、前記押圧手段をばねとする。
又、前記両環状ローラ素子のうちの一方の環状ローラ素子を前記保持筒部の内側に、他方の環状ローラ素子から離れる方向の変位を阻止した状態で支持する。
そして、前記ばねは、前記両環状ローラ素子のうちの他方の環状ローラ素子の基端面と前記保持筒との間に設けて、この他方の環状ローラ素子を前記一方の環状ローラ素子に向けて弾性的に押圧する。
上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速機によれば、押圧装置により面圧を向上させる必要上、回転中心に対し傾斜した母線形状を有する傾斜面同士を転がり接触させる部分での摩擦損失の低減を図れる。
即ち、本発明の構造の場合には、前記押圧装置を環状ローラ側に設けている為、この環状ローラの回転中心から各トラクション部までの距離(回転半径)を長くできる。この為、前記傾斜面の傾斜角度が、前述した従来構造や先発明の構造と同じ場合でも、前記各トラクション部の両端同士の間で周速の差を小さく抑えられる。この結果、これら各トラクション部での摩擦損失を小さくできて、前記摩擦ローラ変速機の伝達効率を確保し易くなる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、摩擦ローラ式変速機の半部略断面図。 同第2例を示す、摩擦ローラ式変速機の半部略断面図。 同第3例を示す、摩擦ローラ式変速機の半部略断面図。 電気自動車用駆動装置に変速機を組み込む事による効果を説明する為の線図。 先発明に係る電気自動車用駆動装置の斜視図。 従来から知られている摩擦ローラ式変速機の1例を示す断面図。 図6の拡大A−A断面図。 図7の拡大B−B断面図。 先発明に係る摩擦ローラ式変速機の断面図。
[実施の形態の第1例]
図1は、請求項1、2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の摩擦ローラ式変速機2bは、入力軸と一体の太陽ローラ12bの外周面と、出力軸19bの基端部に、この出力軸19bと同心に結合された環状ローラ13bとを備える。そして、この環状ローラ13bの内周面と前記太陽ローラ12bの外周面との間の環状空間内に、複数個の中間ローラ27aを配置している。この中間ローラ27aは、図示しない支持フレームに対し、自転可能に、但し公転を阻止した状態で、前記太陽ローラ12b及び前記環状ローラ13bの径方向及び軸方向に関する若干の変位を可能に支持している。そして、前記太陽ローラ12bの回転を、前記各中間ローラ27aを介して前記環状ローラ13bに伝達し、この環状ローラ13bの回転を前記出力軸19bから取り出せる様にしている。
前記環状ローラ13bは、保持筒31と、1対の環状ローラ素子32、32とを備える。そして、この環状ローラ13bを軸方向両側から挟む位置で前記保持筒31の内径側に、1対のアンカプレート33、33と、それぞれが転動体である複数個の玉24、24と、ばね34とを組み付けている。
このうちの保持筒31は、前記出力軸19bの基端部に、この出力軸19bと同心に設けたもので、内周面に雌スプライン部を設けている。そして、この雌スプライン部に、前記両アンカプレート33、33の外周縁部をスプライン係合させて、これら両アンカプレート33、33を、前記出力軸19bと同期して回転する様にしている。
又、前記両環状ローラ素子32、32は、前記雌スプライン部の内径(歯先径)よりも小さな外径を有し、前記保持筒31の内径側で前記両アンカプレート33、33同士の間部分に、互いの遠近動を可能に設けている。又、前記両環状ローラ素子32、32の内周面は、これら両環状ローラ素子32、32の互いに対向する面である先端面側程内径が大きくなる方向に傾斜した、部分円すい状の凹面である。
又、互いに対向する前記両アンカプレート33、33の軸方向片面の円周方向等間隔複数箇所に、それぞれ被駆動側カム面25a、25aを形成している。又、前記両アンカプレート33、33の軸方向片面と対向する、前記両環状ローラ素子32、32の基端面の円周方向等間隔複数箇所に、それぞれ駆動側カム面26a、26aを形成している。これら各カム面25a、26aは、それぞれ円周方向端部に向かう程軸方向に関する深さ寸法が小さくなる方向に傾斜している。そして、前記各被駆動側カム面25a、25aと前記各駆動側カム面26a、26aとの間に、それぞれ前記各玉24、24を挟持する事により、それぞれが押圧手段である、1対のローディングカム装置15b、15bを構成している。これら両ローディングカム装置15b、15bを機能させる為に、前記保持筒31の先端部(図1の左端部)内周面に止め輪35を係止して、前記両アンカプレート33、33のうちの先端側のアンカプレート33が基端側(図1の右側)のアンカプレート33から離れる方向に退避するのを阻止している。又、この基端側のアンカプレート33と、前記保持筒31と前記出力軸19bとを連結する連結部30aとの間に、前記ローディングカム装置15b、15bと共に押圧手段を構成する、前記ばね34を設けて、前記基端側のアンカプレート33を、前記先端側のアンカプレート33に向け、弾性的に押圧している。尚、前記両ローディングカム装置15b、15bが発生する押圧力が十分に大きくなった場合に、前記ばね34が完全に押し潰されない様に、前記連続部30aのうちで、このばね34よりも外径寄り部分をストッパ部としている。
更に、前記各中間ローラ27aの外周面は、軸方向中間部が軸方向に関して外径が変化しない円筒面であり、軸方向両端部が、前記各中間ローラ27aの軸方向両端面に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した、部分円すい状凸面である。これら両部分円すい状凸面の傾斜角度は、前記両環状ローラ素子32、32の内周面の傾斜角度と同じとして、これら両部分円すい状凸面と両環状ローラ素子32、32の内周面とが、広い面積で転がり接触(線接触)する様にしている。又、前記各中間ローラ27aの外周面を構成する円筒面と部分円すい状凸面とは、断面形状が部分円弧状である曲面により、滑らかに連続させている。前記各中間ローラ27aの外周面の軸方向中間部に存在する、前記円筒面は、前記太陽ローラ12bの外周面と転がり接触するが、前記曲面の存在により、この転がり接触部の両端部に、エッジロードに基づく過大面圧が作用する事を防止される。
上述の様に構成する、本例の摩擦ローラ式変速機2bにより、前記入力軸12bから前記出力軸19bに動力を伝達する場合の作用は、次の通りである。先ず、この入力軸12bの回転が、前記各中間ローラ27aを介して、前記両環状ローラ素子32、32に伝達される。すると、これら両環状ローラ素子32、32が前記両アンカプレート33、33に対し、円周方向に変位する傾向になり、前記各玉24、24が、前記各駆動側カム面26a、26aと前記各被駆動側カム面25a、25aとに乗り上げて、前記両環状ローラ素子32、32が互いに近付く。この結果、前記各中間ローラ27aの外周面と、前記太陽ローラ12bの外周面及び前記環状ローラ13bの内周面との転がり接触部である、各トラクション部の面圧が上昇する。そして、これら各トラクション部で、過大な滑りを生じる事なく、又、これら各トラクション部の面圧が過大になる事による転がり抵抗の増大を抑えつつ、効率的な動力伝達が可能になる。
特に、本例の摩擦ローラ式変速機2bによれば、前記両ローディングカム装置15b、15bを設ける事に伴って生じる、不可避的な滑り摩擦を低く抑えられる。
即ち、本例の構造の場合には、前記両ローディングカム装置15b、15bを前記環状ローラ13b側に設けている為、この環状ローラ13bの回転中心から、前記両環状ローラ素子32、32の内周面と前記各中間ローラ27aの外周面との転がり接触部である、各トラクション部までの距離(回転半径)を長くできる。この為、前記両環状ローラ素子32、32の内周面の傾斜角度、並びに前記各中間ローラ27aの外周面両端部の部分円すい状凸面の傾斜角度を、前述した従来構造や先発明の太陽ローラ素子16a、16b、16c(図6、9参照)の外周面の傾斜角度と同じとした場合でも、前記各トラクション部の両端同士の間で周速の差を小さく抑えられる。この結果、これら各トラクション部での摩擦損失を小さくできて、前記摩擦ローラ変速機2aの伝達効率を確保し易くなる。
[実施の形態の第2例]
図2は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、各トラクション部の面圧を確保する為の押圧手段を、環状ローラ13cを構成する1対の環状ローラ素子32、32aを軸方向両側から挟む位置に配置した、ローディングカム装置15bとばね34としている。このうち、ローディングカム装置15bにより、保持筒31の先端側に設けた環状ローラ素子32を押圧する部分の構成に就いては、上述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
これに対して、前記保持筒31の基端側に設けた環状ローラ素子32aは、この保持筒31の内径側にスプライン係合させて、この保持筒31と共に回転する様に、且つ、この保持筒31の軸方向の変位を可能に支持している。そして、前記環状ローラ素子32aの基端面と連結部30aとの間にばね34を設けて、前記基端側の環状ローラ素子32aを、前記先端側の環状ローラ素子32に向け、弾性的に押圧している。
ローディングカム装置15bを1組とした点以外の構成及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第3例]
図3は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、環状ローラ13dを構成する1対の環状ローラ素子32a、32aを、何れも保持筒31の内周面にスプライン係合させている。そして、この保持筒31の基端側に設けた環状ローラ素子32aの基端面と連結部30aとの間にばね34を設けて、前記基端側の環状ローラ素子32aを、前記保持筒31の先端側に設けた環状ローラ素子32aに向け、弾性的に押圧している。これに対して、この先端側の環状ローラ32aは、その基端面を、前記保持筒31の先端部内周面に係止した止め輪35に直接接触させる事により、前記基端側の環状ローラ32aから退避する方向に変位するのを阻止している。
本例の構造によれば、各トラクション部の面圧を伝達トルクに応じて調節する事はできないが、伝達トルクの大きさがほぼ一定であれば、前記ばね34の弾力を十分に確保する限り、摩擦損失を抑えて、効率の良い動力伝達を行える。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
図示の各例は、摩擦ローラ式変速機を減速機として使用する場合に就いて説明したが、入力軸と出力軸とを入れ替えれば、増速機として使用する事もできる。又、本発明を、前述の図6に示した様な、遊星ローラ式の構造に適用する事もできる。
1 車両駆動用電動モータ
2、2a、2b 摩擦ローラ式減速機
3 変速機
4 回転伝達装置
5、5a 入力軸
6 出力軸
7 駆動側回転軸
8 従動側回転軸
9a、9b 歯車伝達機構
10a、10b クラッチ機構
11 デファレンシャルギヤ
12、12a、12b 太陽ローラ
13、13a、13b、13c、13d 環状ローラ
14 遊星ローラ
15、15a、15b ローディングカム装置
16a、16b、16c 太陽ローラ素子
17 遊星軸
18 キャリア
19、19a、19b 出力軸
20 止め輪
21 支え環
22 皿ばね
23 カム板
24 玉
25、25a 被駆動側カム面
26、26a 駆動側カム面
27、27a 中間ローラ
28 自転軸
29 ハウジング
30、30a 連結部
31 保持筒
32、32a 環状ローラ素子
33 アンカプレート
34 ばね
35 止め輪

Claims (4)

  1. 入力軸及び出力軸と、太陽ローラと、環状ローラと、複数個の中間ローラと、面圧付与装置とを備え、
    前記各中間ローラは、前記太陽ローラの外周面と前記環状ローラの内周面との間の環状空間内に、少なくとも自転を可能に設置されたもので、それぞれの外周面を前記太陽ローラの外周面及び前記環状ローラの内周面に転がり接触させており、
    前記面圧付与装置は、これら各ローラの周面同士の転がり接触部の面圧を確保する為のものであり、
    前記入力軸及び前記出力軸は、互いの相対回転を可能として、前記太陽ローラ及び前記環状ローラと同心に配置された状態で、前記各ローラのうちの何れかのローラ又は何れかのローラと共に回転する支持部材のうちから選択される2種類の要素に、前記入力軸と前記出力軸とで互いに別の要素に結合されている摩擦ローラ式変速機に於いて、
    前記面圧付与装置は前記環状ローラの側に設けられ、前記各中間ローラをこの環状ローラの径方向に関して内方に押圧する事により、前記各転がり接触部の面圧を上昇させるもので、次の(A)〜(E)の要件を総て備える事を特徴とする摩擦ローラ式変速機。
    (A) 前記環状ローラは、前記入力軸と前記出力軸とのうちの一方である第一回転軸の端部にこの第一回転軸と同心に設けられた保持筒の内周面に1対の環状ローラ素子を、この保持筒と共に回転可能に、且つ、互いの遠近動を可能に設ける事により構成している。
    (B) この保持筒と、前記両環状ローラ素子のうちの少なくとも一方の環状ローラ素子との間にこれら両環状ローラ素子同士を互いに近づける方向に押圧する押圧手段が設けられている。
    (C) 前記両環状ローラ素子の内周面は、これら両環状ローラ素子の互いに対向する面である先端面側程内径が大きくなる方向に傾斜した、部分円すい状の凹面である。
    (D) 前記各中間ローラの外周面は、軸方向中間部が軸方向に関して外径が変化しない円筒面であり、軸方向両端部が、前記各中間ローラの軸方向両端面に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した、部分円すい状凸面である。
    (E) 前記太陽ローラのうちで、少なくとも前記各中間ローラの外周面の軸方向中間部が転がり接触する可能性のある部分は、軸方向に関して外径が変化しない円筒面である。
  2. 前記押圧手段が、前記両環状ローラ素子を軸方向両側から挟む位置に配置された1対のローディングカム装置であり、これら両ローディングカム装置はそれぞれ、前記保持筒の内周面に、この保持筒と同期した回転を可能に支持されたアンカプレートと、互いに対向する、このアンカプレート軸方向片面と前記環状ローラ素子の基端面とのそれぞれ複数箇所ずつに形成された、円周方向端部に向かう程軸方向に関する深さ寸法が小さくなる方向に傾斜したカム面と、これら各カム面同士の間に挟持された複数個の転動体とから成るものであり、前記両ローディングカム装置を構成する1対のアンカプレートのうちの一方のアンカプレートを前記保持筒の内周面に、他方のアンカプレートから退避する方向の軸方向変位を阻止した状態で支持すると共に、この他方のアンカプレートと前記保持筒との間に、この他方のアンカプレートを前記一方のアンカプレートに向けて弾性的に押圧するばねを設けた、請求項1に記載した摩擦ローラ式変速機。
  3. 前記押圧手段が、前記両環状ローラ素子を軸方向両側から挟む位置に配置された、ローディングカム装置とばねとであり、このうちのローディングカム装置は、前記保持筒の内周面に、前記両環状ローラ素子のうちの一方の環状ローラ素子から離れる方向の変位を阻止した状態で、この保持筒と同期した回転を可能に支持されたアンカプレートと、互いに対向する、このアンカプレートの軸方向片面と前記一方の環状ローラ素子の基端面とのそれぞれ複数箇所ずつに形成された、円周方向端部に向かう程軸方向に関する深さ寸法が小さくなる方向に傾斜したカム面と、これら各カム面同士の間に挟持された複数個の転動体とから成るもので、前記ばねは、前記両環状ローラ素子のうちの他方の環状ローラ素子の基端面と前記保持筒との間に設けられて、この他方の環状ローラ素子を前記一方の環状ローラ素子に向けて弾性的に押圧するものである、請求項1に記載した摩擦ローラ式変速機。
  4. 前記押圧手段がばねであり、前記両環状ローラ素子のうちの一方の環状ローラ素子は前記保持筒部の内側に、他方の環状ローラ素子から離れる方向の変位を阻止した状態で支持しており、前記ばねは、前記両環状ローラ素子のうちの他方の環状ローラ素子の基端面と前記保持筒との間に設けられて、この他方の環状ローラ素子を前記一方の環状ローラ素子に向けて弾性的に押圧するものである、請求項1に記載した摩擦ローラ式変速機。
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